特許第6761512号(P6761512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6761512メモリデバイス及びそのローハンマーリフレッシュ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6761512
(24)【登録日】2020年9月8日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】メモリデバイス及びそのローハンマーリフレッシュ方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/406 20060101AFI20200910BHJP
   G11C 29/00 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
   G11C11/406 460
   G11C29/00 416
【請求項の数】20
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-105204(P2019-105204)
(22)【出願日】2019年6月5日
【審査請求日】2019年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】奥野 晋也
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−504702(JP,A)
【文献】 米国特許第9478316(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/406
G11C 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の標準領域と、前記複数の標準領域に隣接し、相互に交互に配列する複数の第一のワード線と複数の第二のワード線を含む冗長領域を有するメモリアレイと、
前記メモリアレイに結合され、前記冗長領域をローハンマーリフレッシュせず、前記複数の標準領域をローハンマーリフレッシュするのに用いられるコントローラと、を含むメモリデバイス。
【請求項2】
前記複数の第一のワード線は相互に隣接しない請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記冗長領域と前記複数の標準領域の1つの間の境界に隣接するワード線は、第二のワード線である請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記複数の第二のワード線は冗長である請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記コントローラは、前記複数の標準領域のローハンマーリフレッシュが必要なワード線アドレスを計算するのに用いられるローハンマーアドレス計算機を含む請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記複数の標準領域は、複数の標準ワード線を含み、前記コントローラは、前記複数の標準ワード線の第一標準ワード線が無効であると判断する時、前記コントローラは、前記第一標準ワード線を無効にし、前記複数の第一のワード線の1つを有効にする請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記コントローラが前記複数の標準領域と前記冗長領域をローハンマーリフレッシュするために、前記コントローラは、前記複数の標準領域と前記冗長領域のローハンマーリフレッシュが必要なワード線アドレスを計算するのに用いられるローハンマーアドレス計算機を含む請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記複数の標準領域は、複数の標準ワード線を含み、前記コントローラは、前記複数の標準ワード線の第一標準ワード線のデータが無効であると判断する時、前記コントローラは、前記第一標準ワード線を無効にし、前記複数の第一のワード線の1つ、又は前記複数の第二のワード線の1つを有効にする請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記コントローラが前記複数の第一のワード線を有効にする優先度は、前記複数の第二のワード線より高い請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記複数の第一のワード線及び前記複数の第二のワード線の数は、それぞれ第一の数及び第二の数であり、前記第二の数は、前記第一の数より大きい請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記コントローラは、前記冗長領域の有効にされたワード線の数が前記第一の数より大きいと判断する時、前記複数の第一のワード線及び前記複数の第二のワード線をローハンマーリフレッシュする請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記コントローラは、前記冗長領域の有効にされたワード線の数が前記第一の数以下であると判断する時、前記複数の第一のワード線及び前記複数の第二のワード線をローハンマーリフレッシュしない請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記冗長領域は、レーザーヒューズ、アンチヒューズ又は不揮発性メモリを含む請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
メモリデバイスに適用されるローハンマーリフレッシュ方法であって、前記メモリデバイスは、メモリアレイとコントローラを含み、前記メモリアレイは、複数の標準領域と前記複数の標準領域に隣接する冗長領域を有し、前記冗長領域は、相互に交互に配列する複数の第一のワード線と複数の第二のワード線を含み、前記複数の第一のワード線の数は第一の数であり、前記コントローラは、前記複数の標準領域と前記冗長領域をローハンマーリフレッシュするのに用いられ、前記ローハンマーリフレッシュ方法は、
前記冗長領域の有効にされたワード線の数を計算し、
前記冗長領域中有効にされたワード線の数と第一の数を比較し、
前記冗長領域の有効にされたワード線の数が前記第一の数より大きい時、前記複数の第一のワード線及び前記複数の第二のワード線をローハンマーリフレッシュし、
前記冗長領域の有効にされたワード線の数が前記第一の数以下である時、前記複数の第一のワード線及び前記複数の第二のワード線をローハンマーリフレッシュしないことを含むリフレッシュ方法。
【請求項15】
前記複数の第一のワード線は相互に隣接しない請求項14に記載のローハンマーリフレッシュ方法。
【請求項16】
前記冗長領域と前記複数の標準領域の1つの間の境界に隣接するワード線は、第二のワード線である請求項14に記載のローハンマーリフレッシュ方法。
【請求項17】
前記コントローラが前記複数の標準領域と前記冗長領域をローハンマーリフレッシュするために、前記コントローラは、前記複数の標準領域と前記冗長領域のローハンマーリフレッシュが必要なワード線アドレスを計算するのに用いられるローハンマーアドレス計算機を含む請求項14に記載のローハンマーリフレッシュ方法。
【請求項18】
前記複数の標準領域は、複数の標準ワード線を含み、前記コントローラは、前記複数の標準ワード線の第一標準ワード線が無効であると判断する時、前記第一標準ワード線を無効にし、前記複数の第一のワード線の1つ、又は前記複数の第二のワード線の1つを有効にする請求項14に記載のローハンマーリフレッシュ方法。
【請求項19】
前記コントローラが前記複数の第一のワード線を有効にする優先度は、前記複数の第二のワード線より高い請求項18に記載のローハンマーリフレッシュ方法。
【請求項20】
前記複数の第二のワード線の数は、第二の数であり、前記第二の数は、前記第一の数より大きい請求項14に記載のローハンマーリフレッシュ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリデバイス及びそのリフレッシュ方法に関し、特に、ローハンマー(Row Hammer)によって冗長領域のワード線を頻繁にリフレッシュする必要の無いメモリデバイス及びそのリフレッシュ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイナミックRAM(Dynamic Random Access Memory,DRAM)の特定のワード線(word line)が繰り返し何回も起動される時、該ワード線が隣接するワード線のメモリセルは、クロストーク(cross talk)又はカップリング(coupling)効果によって保存していたデータを失う可能性があり、このような干渉現象は、ローハンマー(Row Hammer)現象と称する。
【0003】
ローハンマー現象について、周知技術は、繰り返し何回も起動されるワード線(加害者ワード線、aggressor word lineとも称する)をローハンマーリフレッシュ(row−hammer refresh)することで、隣接するワード線(被害者ワード線、ictim word lineとも称する)がローハンマーの影響を受けないようにする。しかしながら、いくつかの高いメモリセル密度を有するDRAM構造において、被害者ワード線のワード線アドレス計算は複雑であることから、大面積のローハンマーアドレス計算機によって、被害者ワード線のワード線アドレスを計算する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、冗長領域に区別用ワード線を加えて、ローハンマーアドレス計算機の面積を減らし、冗長領域のワード線を頻繁にローハンマーリフレッシュする必要が無く、ローハンマーリフレッシュ電流を低減するメモリデバイス及びそのローハンマーリフレッシュ方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、メモリデバイスを提供する。メモリデバイスは、メモリアレイとコントローラを含む。メモリアレイは、複数の標準領域と複数の標準領域に隣接する冗長領域を有する。冗長領域は、相互に交互に配列する複数の第一のワード線と複数の第二のワード線を含む。コントローラはメモリアレイに結合され、コントローラは、冗長領域をローハンマーリフレッシュせず、複数の標準領域をローハンマーリフレッシュするのに用いられる。
【0006】
本発明の実施形態は、メモリデバイスに適用されるローハンマーリフレッシュ方法を提供する。メモリデバイスは、メモリアレイとコントローラを含み、メモリアレイは、複数の標準領域と複数の標準領域に隣接する冗長領域を有する。冗長領域は、相互に交互に配列する複数の第一のワード線と複数の第二のワード線を含み、複数の第一のワード線の数は第一の数である。コントローラは、複数の標準領域と冗長領域をローハンマーリフレッシュするのに用いられる。ローハンマーリフレッシュ方法は、冗長領域の有効にされたワード線の数を計算することを含むがこれに限定しない。冗長領域の有効にされたワード線の数と第一の数を比較する。冗長領域の有効にされたワード線の数が第一の数より大きい時、複数の第一のワード線及び複数の第二のワード線をローハンマーリフレッシュする。冗長領域の有効にされたワード線の数が第一の数以下である必要がある時,複数の第一のワード線及び複数の第二のワード線をローハンマーリフレッシュしない。
【発明の効果】
【0007】
上述に基づき、本発明の幾つかの実施形態において、前記メモリデバイス及びそのローハンマーリフレッシュ方法は、ローハンマーアドレス計算機の面積を減らすことができる。冗長領域に区別用ワード線を加えることで、ローハンマーアドレス計算機のレイアウト面積を減らすことができる。また、本発明は、冗長領域のワード線を頻繁にローハンマーリフレッシュする必要が無く、ローハンマーリフレッシュ電流を更に低減することができる。
【0008】
本発明の上述した特徴と利点を更に明確化するために、以下に、実施形態を挙げて図面と共に詳細な内容を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態により図示したメモリデバイスの概略図である。
図2】本発明の実施形態により図示したメモリアレイのワード線のレイアウト概略図である。
図3】本発明の別の実施形態により図示したメモリアレイのワード線のレイアウト概略図である。
図4】本発明の実施形態により図示したローハンマーリフレッシュ方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施形態により図示したメモリデバイスの概略図である。図1を参照すると、メモリデバイス100は、メモリアレイ110とコントローラ120を含む。メモリアレイ110は、複数のワード線と複数のメモリセル(不図示)を含み、データを保存するのに用いられるが、本発明は、メモリアレイの構造を限定しない。コントローラ120は、メモリアレイ110に結合され、コントローラ120は、メモリアレイ110のアクセス、認証、ローハンマーリフレッシュを行うのに用いられるが、本発明は、コントローラの構造を限定しない。コントローラ120は、ローハンマーアドレス計算機130を含み、ローハンマーアドレス計算機130は、メモリアレイ110の、ローハンマー(Row Hammer)の影響を受けることが予期されて、ローハンマーリフレッシュが必要なワード線アドレスを計算するのに用いられ、コントローラ120は、該ワード線アドレスに基づき、リフレッシュメモリアレイ110のワード線をローハンマーリフレッシュして、該ワード線のメモリセルが保存していたデータを失わないようにする。
【0011】
図2は、本発明の実施形態により図示したメモリアレイのワード線のレイアウト概略図である。図2を参照すると、メモリアレイ110は、標準領域210と標準領域210に隣接する冗長領域220を有する。実施形態において、標準領域210は、冗長領域220の両側に隣接するが、これに限定しない。標準領域210は、複数の標準ワード線NWL及び標準メモリセル(不図示)を含み、冗長領域220は、複数の第一のワード線WL1、複数の第二のワード線DWL2及び冗餘メモリセル(不図示)を含み、複数の第一のワード線WL1と複数の第二のワード線DWL2は、相互に交互に配列される。実施形態において、第二のワード線DWL2は冗長である。
【0012】
実施形態において、第一のワード線WL1の数は、第一の数であり、第二のワード線DWL2の数は、第二の数であり、第二の数は第一の数より大きい。言及すべきこととして、複数の第二のワード線DWL2は、複数の第一のワード線WL1を区別することから、複数の第一のワード線WL1を相互に隣接させない。また、冗長領域220の、冗長領域220と標準領域210の間の境界に隣接するワード線は、第二のワード線DWL2である。実施形態において、コントローラ120は、冗長領域220をローハンマーリフレッシュをせず、標準領域210をローハンマーリフレッシュするのに用いられる。
【0013】
例を挙げると、実施形態において、複数の第一のワード線WL1は、第一のワード線WL1_1−WL1_11を含み、複数の第二のワード線DWL2は、第二のワード線DWL2_1−DWL2_13を含み、第一のワード線WL1と第二のワード線DWL2の数は、実施形態を説明し易くするためだけであり、その数は、実際の必要に応じて決まり、本発明は限定しない。第一のワード線WL1_1は、第二のワード線DWL2_1とDWL2_2の間にあり、第一のワード線WL1_2は、第二のワード線DWL2_2とDWL2_3の間にあり、これによって類推される、即ち、第二のワード線DWL2_1−DWL2_13は、第一のワード線WL1_1−WL1_11を相互に隣接させない。また、冗長領域220の左側の境界のワード線は、第二のワード線DWL2_1であり、冗長領域220の右側の境界のワード線は、第二のワード線DWL2_13である。実施形態において、第二のワード線DWL2_1−DWL2_13は冗長である、即ち、第二のワード線DWL2_1−DWL2_13は、起動される必要が無く、したがって、第二のワード線DWL2_1−DWL2_13は、第一のワード線WL1_1−WL1_11相互の間及び標準領域210に対するローハンマーを区別でき、冗長領域220の第一のワード線WL1_1−WL1_11のローハンマー問題を考慮する必要が無い。したがって、この実施形態において、コントローラ120のローハンマーアドレス計算機130は、冗長領域220のローハンマーリフレッシュが必要なワード線アドレスを計算する必要が無く、コントローラ120が標準領域210のワード線をローハンマーリフレッシュして、標準領域210のローハンマー問題を回避するために、標準領域210のローハンマーリフレッシュが必要なワード線アドレスだけを計算する必要がある。冗長領域220のローハンマーリフレッシュが必要なワード線アドレスを計算する必要が無く、冗長領域220を頻繁にローハンマーリフレッシュする必要が無いことから、ローハンマーアドレス計算機130の冗長領域220についての元々のレイアウト面積を削減し、そのローハンマーリフレッシュ電流を低減することができる。
【0014】
一般的な操作において、コントローラ120は、複数の標準ワード線NWLによって標準メモリセルにアクセス及びローハンマーリフレッシュする。実施形態において、コントローラ120は、複数の標準ワード線NWLのいずれか1つが無効であると判断する時、コントローラ120は、該無効な標準ワード線を無効にし、複数の第一のワード線WL1の1つを有効にして、無効な標準ワード線を置き換える。例を挙げると、コントローラ120は、データ認証を行い、複数の標準ワード線NWLの1つが無効であると判断する時、コントローラは、該無効な標準ワード線を閉じてアクセスを禁止し、第一のワード線WL1_1を起動して該無効な標準ワード線を置き換える。
【0015】
図3は、本発明の別の実施形態により図示したメモリアレイのワード線のレイアウト概略図である。図3を参照すると、メモリアレイ110は、標準領域310と標準領域310に隣接する冗長領域320を有する。別の実施形態において、標準領域310は、冗長領域320の両側に隣接するがこれに限定しない。標準領域310は、複数の標準ワード線NWL及び標準メモリセル(不図示)を含み、冗長領域320は、複数の第一のワード線WL1、複数の第二のワード線WL2及び冗餘メモリセル(不図示)を含み、複数の第一のワード線WL1と複数の第二のワード線WL2は相互に交互に配列される。別の実施形態において、第二のワード線WL2は冗長ではない。
【0016】
別の実施形態において、冗長領域320は、不揮発性メモリ、レーザーヒューズ(laser fuse)又はアンチヒューズ(anti−fuse)を含んでもよいが、本発明はこれに限定しない。
【0017】
別の実施形態において、第一のワード線WL1の数は、第一の数であり、第二のワード線WL2の数は、第二の数であり、第二の数は、第一の数より大きい。言及すべきこととして、複数の第二のワード線WL2は、複数の第一のワード線WL1を区別することから、複数の第一のワード線WL1を相互に隣接させない。また、冗長領域320の、冗長領域320と標準領域310の間の境界に隣接するワード線は、第二のワード線WL2である。別の実施形態において、コントローラ120は、標準領域310と冗長領域320をローハンマーリフレッシュするのに用いられる。
【0018】
例を挙げると、別の実施形態において、複数の第一のワード線WL1は、第一のワード線WL1_1−WL1_11を含み、複数の第二のワード線WL2は、第二のワード線WL2_1−WL2_13を含み、第一のワード線WL1と第二のワード線WL2の数は、実施形態を説明し易くするためだけであり、その数は、実際の必要に応じて決まり、本発明は限定しない。第一のワード線WL1_1は、第二のワード線WL2_1とWL2_2の間にあり、第一のワード線WL1_2は、第二のワード線WL2_2とWL2_3の間にあり、これによって類推される、即ち、第二のワード線WL2_1−WL2_13は、第一のワード線WL1_1−WL1_11を相互に隣接させない。また、冗長領域320の左側の境界のワード線は、第二のワード線WL2_1であり、冗長領域320の右側の境界のワード線は、第二のワード線WL2_13である。別の実施形態において、第二のワード線WL2_1−WL2_13は冗長ではない、即ち、第二のワード線WL2_1−WL2_13は、コントローラ120によって起動される必要があり、冗長領域320の第一のワード線WL1_1−WL1_11と第二のワード線WL2_1−WL2_13の間のローハンマー問題を考慮する必要がある。したがって、別の実施形態において、コントローラ120のローハンマーアドレス計算機130は、標準領域310のローハンマーリフレッシュが必要なワード線アドレスを計算するだけではなく、コントローラ120が標準領域310と冗長領域320のワード線をローハンマーリフレッシュして、ローハンマー問題を回避するために、冗長領域320のローハンマーリフレッシュが必要なワード線アドレスを計算する必要もある。
【0019】
別の実施形態において、コントローラ120は、複数の標準ワード線NWLのいずれか1つが無効であると判断する時、コントローラ120は、該無効な標準ワード線NWLを無効にし、複数の第一のワード線WL1又は複数の第二のワード線WL2の1つを有効にして、無効な標準ワード線NWLを置き換える。別の実施形態において、コントローラ120が複数の第一のワード線WL1を有効にする優先度は、複数の第二のワード線WL2より高い。コントローラ120は、冗長領域320の有効にされたワード線の数が第一のワード線の数(即ち、第一の数)以下であると判断する時、第一のワード線WL1及び第二のワード線WL2をローハンマーリフレッシュしない。コントローラ120は、冗長領域320の有効にされたワード線の数が第一のワード線の数(即ち、第一の数)より大きいと判断する時、第一のワード線WL1及び第二のワード線WL2をローハンマーリフレッシュする。
【0020】
例を挙げると、別の実施形態において、コントローラ120は、データ認証を行い、複数の標準ワード線NWLの1つが無効であると判断する時、コントローラ120は、該無効な標準ワード線(不図示)を閉じてアクセスを禁止し、第一のワード線WL1_1−WL1_11の1つを優先的に起動する、例えば、第一のワード線WL1_1を起動して、該無効な標準ワード線を置き換える。コントローラ120は、次の標準ワード線が無効であると判断する時、コントローラ120は、第一のワード線WL1_2を起動して次の無効な標準ワード線を置き換えることができ、これによって類推される。コントローラ120は、次の標準ワード線が無効であると判断し、且つ、冗長領域320の全ての第一のワード線WL1_1−WL1_11が起動されるとき、コントローラ120は、第二のワード線WL2_1を起動できる。コントローラ120が第二のワード線WL2_1を起動した後、コントローラ120は、次の標準ワード線が無効であると判断し、且つ、冗長領域320の全ての第一のワード線WL1_1−WL1_11が起動される時、コントローラ120は、第二のワード線WL2_2を起動でき、これによって類推される。
【0021】
別の実施形態において、コントローラ120は、冗長領域320の有効にされたワード線の数が第一のワード線の合計(即ち、第一の数)以下であると判断する時、例えば、第一のワード線WL1において、第一のワード線WL1_1及び第一のワード線WL1_2しか有効にされていない時、有効にされたワード線の数は2であり、第一のワード線WL1の合計11以下であり、この時、冗長領域320の有効にされた第一のワード線WL1_1及び第一のワード線WL1_2は、起動されていない第二のワード線WL2_2に区別され、ローハンマー問題を考慮する必要は無い。したがって、コントローラ120は、冗長領域320の第一のワード線WL1_1−WL1_11及び第二のワード線WL2_1−WL2_13をローハンマーリフレッシュする必要は無い。
【0022】
別の実施形態において、コントローラ120は、冗長領域320の有効にされたワード線の数が第一のワード線の合計(即ち、第一の数)より大きいと判断する時、例えば、第一のワード線WL1_1−WL1_11及び第二のワード線WL2_1−WL2_2はいずれも有効にされているとき、有効にされたワード線の数は13であり、第一のワード線WL1の合計11より大きく、この時、冗長領域320の第一のワード線WL1_1−WL_2及び第二のワード線WL2_1−WL2_2は、いずれも有効にされ、且つ相互に隣接し、また、第二のワード線WL2_1の有効も左側の標準領域のワード線に影響し、ローハンマー問題を考慮する必要がある。したがって、別の実施形態において、コントローラ120は、冗長領域320の第一のワード線WL1_1−WL1_2及び第二のワード線WL2_1−WL2_2をローハンマーリフレッシュする、又は冗長領域320の第一のワード線WL1_1−WL1_11及び第二のワード線WL2_1−WL2_13全てをローハンマーリフレッシュする必要があり、ローハンマーリフレッシュポリシーは、設計要求に応じて決まるが、本発明は限定しない。したがって、別の実施形態において、コントローラ120が標準領域310と冗長領域320のワード線をローハンマーリフレッシュして、ローハンマー問題を回避するために、コントローラ120のローハンマーアドレス計算機130は、標準領域310及び冗長領域320のローハンマーリフレッシュが必要なワード線アドレスを計算する必要がある。別の実施形態において、冗長領域220のローハンマーリフレッシュが必要なワード線アドレスを計算する必要があることから、ローハンマーアドレス計算機130の冗長領域220のレイアウト面積を削減できないが、ローハンマーリフレッシュ電流を低減することはできる。
【0023】
図4は、本発明の実施形態により図示したローハンマーリフレッシュ方法のフローチャートである。ステップS410において、コントローラは、冗長領域の有効にされたワード線の数を計算する。次いで、ステップS420において、コントローラは、冗長領域の有効にされたワード線の数と第一の数を比較し、冗長領域の有効にされたワード線の数が第一の数より大きい時、ステップS430を実行し、冗長領域の有効にされたワード線の数が第一の数以下である時、ステップS440を実行する。ステップS430において、冗長領域の有効にされたワード線の数が第一の数より大きい時、コントローラは、第一のワード線及び第二のワード線をローハンマーリフレッシュする。ステップS440において、冗長領域の有効にされたワード線の数が第一の数以下である時、コントローラは、第一のワード線及び第二のワード線をローハンマーリフレッシュしない。
【0024】
以上より、本発明の幾つかの実施形態において、前記メモリデバイス及びそのローハンマーリフレッシュ方法は、ローハンマーアドレス計算機の面積を減らすことができる。冗長領域に区別用ワード線を加えて、冗長領域にローハンマーを回避させ、冗長領域のローハンマーを受けるワード線アドレスを計算する必要が無く、ローハンマーアドレス計算機のレイアウト面積を減らす。また、本発明は、冗長領域のワード線を頻繁にローハンマーリフレッシュする必要が無く、ローハンマーリフレッシュ電流を更に低減することができる。一方、本発明は、上記区別用ワード線を有効にし、冗長領域の有効にされたワード線の数に基づき、ローハンマーリフレッシュ方式を調整して、ローハンマーリフレッシュ電流を低減することもできる。
【0025】
本文は以上の実施例のように示したが、本発明を限定するためのものではなく、当業者が本発明の精神の範囲から逸脱しない範囲において、変更又は修正することが可能であるが故に、本発明の保護範囲は後続の特許請求の範囲に定義しているものを基準とする。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、ローハンマーアドレス計算機の面積を減らし、冗長領域のワード線を頻繁にリフレッシュする必要が無く、リフレッシュ電流を低減するメモリデバイス及びそのリフレッシュ方法を提供する。
【符号の説明】
【0027】
100:メモリデバイス
110:メモリアレイ
120:コントローラ
130:ローハンマーアドレス計算機
210、310:標準領域
220、320:冗長領域
WL1、WL1_1−WL1_11:第一のワード線
WL2、WL2_1−WL2_13、DWL2、DWL2_1−DWL2_13:第二のワード線
NWL:標準ワード線
S410−S440:ステップ
【要約】
【課題】本発明は、メモリデバイス及びそのローハンマーリフレッシュ方法を提供する。
【解決手段】メモリデバイスは、メモリアレイとコントローラを含む。メモリアレイは、複数の標準領域と複数の標準領域に隣接する冗長領域を有する。冗長領域は、相互に交互に配列する複数の第一のワード線と複数の第二のワード線を含む。コントローラは、冗長領域をローハンマーリフレッシュせず、複数の標準領域をローハンマーリフレッシュするのに用いられる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4