(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食品が提供されるにあたり、この食品の設置位置が明確に定まっていれば、この設置位置に、例えば、据え置き型の保冷設備を設置するなどして、この食品の安全性を確保することが可能となる。
しかしながら、ビッフェやアウトドアにおける食品の提供では、食品の設置位置が明確に定まらず、上記の据え置き型の保冷設備などによる食品の安全性の確保が難しくなる。
本発明の目的は、食品の安全性の確保を様々な場所で行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される光照射装置は、食品への光の照射を行う、可搬型の光照射装置であり、紫外線領域の波長の光である紫外光を出射する発光ダイオードであって、前記食品に対して照射される紫外光を出射する発光ダイオードと、前記発光ダイオードを支持する支持機構と、を備える光照射装置である。
【0006】
ここで、前記発光ダイオードの位置を変更できるように構成されたことを特徴とすることができる。
また、高さ方向における、前記発光ダイオードの位置を変更できるように構成されたことを特徴とすることができる。
また、高さ方向と交差する方向における、前記発光ダイオードの位置を変更できるように構成されたことを特徴とすることができる。
また、前記発光ダイオードの光軸の向きを変更できるように構成されたことを特徴とすることができる。
また、前記発光ダイオードの点灯の制御を行う制御手段を更に備え、前記制御手段は、前記発光ダイオードの点灯と消灯とが繰り返されるように当該発光ダイオードの点灯の制御を行うことを特徴とすることができる。
また、前記制御手段は、前記発光ダイオードが点灯した状態が第1の時間継続したら、当該発光ダイオードを消灯させ、当該発光ダイオードが消灯した状態が第2の時間継続したら、当該発光ダイオードを点灯させることを特徴とすることができる。
また、前記第1の時間の方が、前記第2の時間よりも長いことを特徴とすることができる。
また、前記第1の時間の方が、前記第2の時間よりも短いことを特徴とすることができる。
また、前記光照射装置を用いた前記食品への紫外光の照射を開始してから、予め定められた時間が経過するまでは、前記第1の時間および前記第2の時間のうちの一方の時間が他方の時間よりも短く、当該予め定められた時間が経過した後は、当該一方の時間が他方の時間よりも長いことを特徴とすることができる。
また、前記光照射装置を用いた前記食品への紫外光の照射を開始してから、予め定められた時間が経過すると、前記第1の時間が変更され、前記予め定められた時間が経過する前における前記第1の時間と、当該予め定められた時間が経過した後における当該第1の時間とが異なることを特徴とすることできる。
【0007】
また、前記発光ダイオードの点灯の制御を行う制御手段を更に備え、前記制御手段は、食品の脇に前記光照射装置が設置されてから予め定められた時間が経過した後に、前記発光ダイオードの点灯を開始することを特徴とすることができる。
また、前記食品の温度を把握する温度把握手段と、前記発光ダイオードの点灯の制御を行う制御手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記温度把握手段により把握された温度が予め定められた温度よりも低くなった場合に、又は、当該温度把握手段により把握された温度が予め定められた温度よりも大きくなった場合に、前記発光ダイオードの点灯を開始することを特徴とすることができる。
また、前記発光ダイオードの点灯の制御を行う制御手段を更に備え、前記制御手段は、前記発光ダイオードの出力を次第に増加させることを特徴とすることができる。
また、前記発光ダイオードの点灯の制御を行う制御手段を更に備え、前記制御手段は、前記発光ダイオードよりも下方に、人間の目がある場合に、当該発光ダイオードを消灯し又は当該発光ダイオードの出力を低下させることを特徴とすることができる。
また、前記発光ダイオードから出射された光が当たっている箇所に向けて、可視光を出射する可視光光源を更に備え、前記可視光の出射によって、前記光が当たっている前記箇所をユーザが目視により把握できるようになることを特徴とすることができる。
また、前記光照射装置にセットされた電池によって前記発光ダイオードが点灯することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、食品の安全性の確保を様々な場所で行えるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、光照射装置1の構成例を示した図である。
本実施形態の光照射装置1は、食品への光の照射を行う可搬型の光照射装置1である。本実施形態では、この光照射装置1を持ち運ぶことで、様々な箇所への光照射装置1の設置を行える。
【0011】
図1に示す例では、光照射装置1の横に、皿10に盛られた食品20があり、本実施形態では、この食品20に対して、光照射装置1からの光が照射される。
より具体的には、
図1に示す例では、ビッフェや立食形式のレストラン、調理場などに、光照射装置1が設置された場合を例示している。
付言すると、
図1に示す例では、多数の者に提供される食品20の横に光照射装置1が設置された場合を例示している。
【0012】
本実施形態の光照射装置1には、複数の発光ダイオード31と、この発光ダイオード31を支持する支持機構40とが設けられている。
発光ダイオード31の各々は、紫外線領域の波長の光(10〜400nmの波長の光)(以下、「紫外光」と称する)を出射し、本実施形態では、この紫外光が食品20へ照射される。これにより、食品20に付着した菌の増殖が抑えられる。
なお、本実施形態の光照射装置1では、発光ダイオード31から出射された紫外光を拡散させる機能を有するカバー部材32が設けられている。
【0013】
支持機構40には、ダイオード支持部材41、支柱43、台座45が設けられている。
ダイオード支持部材41には、複数の発光ダイオード31が取り付けられている。ダイオード支持部材41は、この複数の発光ダイオード31を支持する。
支柱43は、鉛直方向に延び、ダイオード支持部材41を支持する。
台座45は、テーブルの上などに設置され、支柱43を支持する。
【0014】
本実施形態では、ダイオード支持部材41は、ヒンジ41Aを介して支柱43に取り付けられており、本実施形態では、支柱43に対するダイオード支持部材41の回転が可能となっている。
より具体的には、本実施形態では、水平方向に沿った回転軸41Bを中心として、矢印1Aで示す方向へのダイオード支持部材41の回転が可能となっている。
【0015】
本実施形態では、発光ダイオード31の位置の変更を行えるようになっている。
より具体的には、本実施形態では、高さ方向における、発光ダイオード31の位置の変更を行えるようになっている。
より具体的には、本実施形態では、回転軸41Bを中心として、ダイオード支持部材41を回転させることで、発光ダイオード31が上下動する。
【0016】
また、本実施形態では、回転軸41Bを中心として、ダイオード支持部材41を回転させることで、発光ダイオード31の向き(光軸が向く方向)が変化する。
言い換えると、本実施形態の光照射装置1は、発光ダイオード31の光軸の向きを変更できるように構成されている。
【0017】
さらに、本実施形態では、台座45に対して支柱43が回転するようになっている。より具体的には、本実施形態では、鉛直(上下)方向に沿った回転軸43Aを中心に、支柱43が回転するようになっている。
本実施形態では、この回転軸43Aを中心に支柱43を回転させると、高さ方向(鉛直方向)と交差する方向における、発光ダイオード31の位置が変更される。付言すると、水平方向における、発光ダイオード31の位置が変更される。
【0018】
さらに、本実施形態では、支柱43が、下方支柱43Eと上方支柱43Fとにより構成されている。さらに、本実施形態では、ネジなどにより構成され、下方支柱43Eに上方支柱43Fを固定するための固定用機構(不図示)が設けられている。
本実施形態では、下方支柱43Eに対して、上方支柱43Fが移動できるようになっている。より具体的には、上下方向への上方支柱43Fが移動可能となっている。
【0019】
本実施形態では、下方支柱43Eに対して上方支柱43Fを移動させると、発光ダイオード31が上下動する。
本実施形態では、回転軸41Bを中心としたダイオード支持部材41の回転だけではなく、上方支柱43Fの移動によっても、高さ方向における、発光ダイオード31の位置が変更される。
【0020】
さらに、本実施形態の光照射装置1には、制御装置100、電池200、カメラ300、および、赤外線センサ350が設けられている。
本実施形態の光照射装置1は、いわゆる電池式であり、本実施形態では、電池200(バッテリー)から発光ダイオード31へ電力が供給され、発光ダイオード31が点灯する。
このように電池200を用いると、コード式に比べ(外部電源から光照射装置1へ電力が供給される構成に比べ)、光照射装置1をより多くの場所に設置できる。
【0021】
さらに、本実施形態では、ダイオード支持部材41の先端部に、カメラ300が設けられている。このカメラ300は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)や、CMOS(Complementarymetal-Oxide-Semiconductor)により構成される。
本実施形態では、このカメラ300によって、食品20や、光照射装置1の周囲の状況が撮影される。
さらに、本実施形態では、ダイオード支持部材41の先端部に、赤外線センサ350が設けられている。本実施形態では、この赤外線センサ350が用いられて、食品20の温度が把握される。
【0022】
図2は、制御装置100のハードウェア構成の一例を説明する図である。
制御装置100は、CPU(=Central Processing Unit)401と、プログラムが記憶されたROM(=Read Only Memory)402と、ワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)403と、ハードディスクドライブ等により構成された情報記憶装置404とを有している。
ここで、CPU401はマルチコアでもよい。また、ROM402は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。制御装置100は、いわゆるコンピュータである。
【0023】
図3は、制御装置100の機能構成の例を示した図である。
本実施形態では、CPU401によるプログラムの実行によって、制御装置100は、制御部101、温度把握部102として機能する。
制御手段の一例としての制御部101は、発光ダイオード31の点灯の制御を行う。
温度把握手段の一例としての温度把握部102は、光照射装置1による紫外光の照射対象となる食品20の温度を把握する。
【0024】
本実施形態では、制御部101が、発光ダイオード31(
図1参照)の点灯を制御する。
より具体的には、制御部101は、光照射装置1に設けられた電源スイッチ(不図示)がユーザによりオンされると、発光ダイオード31への給電を開始し、発光ダイオード31を点灯させる。
また、制御部101は、不図示の電源スイッチがオフされると、発光ダイオード31への給電を停止し、発光ダイオード31を消灯させる。
【0025】
ここで、制御部101による制御はこれに限らず(発光ダイオード31を連続して点灯させるのに限らず)、例えば、発光ダイオード31の点灯と消灯とが繰り返されるように、発光ダイオード31の点灯を制御してもよい。
より具体的には、この場合、制御部101は、例えば、
図4(制御部101による発光ダイオード31の点灯制御を説明する図)に示すように、発光ダイオード31が点灯した状態が第1の時間継続したら、発光ダイオード31を消灯させ、発光ダイオード31が消灯した状態が第2の時間継続したら、発光ダイオード31を点灯させる。
【0026】
ここで、発光ダイオード31を点灯させたままの状態とすると、食品20の風味が低下するなど食品20の質が低下するおそれがある。その一方で、発光ダイオード31を消灯させると、食品20に付着した菌が増殖するおそれがある。
発光ダイオード31の点灯と消灯とが繰り返されるように、発光ダイオード31の点灯を制御すると、食品20の質の低下を抑えつつ、菌の増殖を抑えられるようになる。
【0027】
ここで、上記の第1の時間と第2の時間は、同じ時間としてもよい。
また、例えば、
図5(制御部101による発光ダイオード31の点灯制御を説明する図)の(A)に示すように、第1の時間の方を、第2の時間よりも長くしてもよい。この場合、第1の時間と第2の時間とが同じである場合に比べ、紫外光の照射量が増え、菌の増殖をより抑えられる。
【0028】
また、例えば、
図5の(B)に示すように、第1の時間の方を、第2の時間よりも短くしてもよい。この場合、第1の時間と第2の時間とが同じである場合に比べ、紫外光の照射量が減り、食品20の質の低下を抑えられる。
【0029】
また、その他に、
図6(制御部101による発光ダイオード31の点灯制御を説明する図)に示すように、光照射装置1を用いた食品20への紫外光の照射を開始してから(光照射装置1の電源スイッチがオンされてから)、予め定められた時間(例えば、30分)が経過するまでは、第1の時間および第2の時間のうちの一方の時間を他方の時間よりも短くし、予め定められた時間が経過した後は、一方の時間を他方の時間よりも長くしてもよい。
図6に示す例では、光照射装置1を用いた食品20への紫外光の照射を開始してから(光照射装置1の電源スイッチがオンされてから)、予め定められた時間(例えば、30分)が経過するまでは、第1の時間の方を第2の時間よりも短くし、この予め定められた時間が経過した後は、第1の時間の方を第2の時間よりも長くしている。
【0030】
光照射装置1を用いた食品20への紫外光の照射を開始した直後は、食品20(料理)が出来立てのことも多く、紫外光の照射はあまり必要とされない。
その一方で、時間がある程度経過すると、食品20に付着した菌が増殖しやすくなる。
この処理例のように、当初は、紫外光の照射時間を短くし、後に、紫外光の照射時間を長くすると、食品20の質の低下を抑制しつつ、菌の増殖を抑えられるようになる。
また、これとは逆に、光照射装置1を用いた食品20への紫外光の照射を開始してから(光照射装置1の電源スイッチがオンされてから)、予め定められた時間(例えば、30分)が経過するまでは、第1の時間の方を第2の時間よりも長くし、予め定められた時間が経過した後は、第1の時間の方を第2の時間よりも短くしてもよい。
予め定められた時間が経過した後に、第1の時間の方を短くしたとしても、この短い第1の時間での紫外光の照射で、菌の増殖を十分に抑えられることもある。途中から第1の時間の方を短くすると、消費減力の削減を図りつつ、菌の増殖を抑えられるようになる。
【0031】
また、その他に、光照射装置1を用いた食品20への紫外光の照射を開始してから、予め定められた時間が経過した場合に、第1の時間を変更し、この予め定められた時間が経過する前における第1の時間と、予め定められた時間が経過した後における第1の時間とを異ならせてもよい。
具体的には、例えば、照射装置1を用いた食品20への紫外光の照射を開始してから、予め定められた時間が経過した場合に、第1の時間を変更し、この予め定められた時間が経過する前における第1の時間の方を、予め定められた時間が経過した後における第1の時間よりも短くしてもよい。
この場合、上記と同様、当初は、紫外光の照射時間が短くなり、後に、紫外光の照射時間が長くなり、食品20の質の低下を抑制しつつ、菌の増殖を抑えられるようになる。
【0032】
また、これとは逆に、予め定められた時間が経過する前における第1の時間の方を、予め定められた時間が経過した後における第1の時間よりも長くしてもよい。
この場合は、上記と同様、消費減力の削減を図りつつ、菌の増殖を抑えられるようになる。
付言すると、予め定められた時間が経過した場合に第1の時間を短くしたとしても、この短い第1の時間自体で、菌の増殖を十分に抑えられることもあり、第1の時間を短くすると、消費減力の削減を図りつつ、菌の増殖を抑えられる。
【0033】
また、その他に、光照射装置1を用いた食品20への紫外光の照射を開始してから、予め定められた時間が経過した場合に、第2の時間を変更し、この予め定められた時間が経過する前における第2の時間と、予め定められた時間が経過した後における第2の時間とを異ならせてもよい。
より具体的には、例えば、照射装置1を用いた食品20への紫外光の照射を開始してから、予め定められた時間が経過した場合に、第2の時間を変更し、この予め定められた時間が経過する前における第2の時間を、予め定められた時間が経過した後における第2の時間よりも短くしてもよい。
また、これとは逆に、予め定められた時間が経過する前における第2の時間を、予め定められた時間が経過した後における第2の時間よりも長くしてもよい。
【0034】
また、その他に、
図7(制御部101による発光ダイオード31の点灯制御を説明する図)に示すように、制御部101は、食品20の脇に光照射装置1が設置されてから予め定められた時間が経過した後に、発光ダイオード31の点灯を開始するようしてもよい。
この場合も、食品20の質の低下を抑制しつつ、菌の増殖を抑えられるようになる。
【0035】
上記と同様、食品20の脇に光照射装置1が設置された直後は、食品20(料理)が出来立てのことも多く、紫外光の照射はあまり必要とされない。その一方で、時間が経過すると、食品20に付着した菌が増殖しやすくなる。
食品20の脇に光照射装置1が設置されてから予め定められた時間が経過した後に、発光ダイオード31の点灯を開始するようにすると、上記と同様、食品20の質の低下を抑制しつつ、菌の増殖を抑えられるようになる。
【0036】
なお、食品20の脇に光照射装置1が設置されたか否かは、例えば、カメラ300により得られた映像を解析することで判断する。
より具体的には、カメラ300により得られた映像に食品20が含まれているか否かにより、食品20の脇に光照射装置1が設置されたか否かを判断する。
【0037】
また、その他、同様の理由により、光照射装置1の電源スイッチがオンされたら、すぐに発光ダイオード31をオンするのではなく、オンされてから予め定められた時間が経過した後に、発光ダイオード31の点灯を開始するようにしてもよい。
この場合も、食品20が出来立ての状態にあるときには、紫外光の照射が抑制され、食品20が出来てから時間が経過した後に、紫外光の照射が開始されるようになる。
【0038】
また、食品20の温度を把握するようにし、
図8(制御部101による発光ダイオード31の点灯制御を説明する図)に示すように、この温度が、予め定められた温度よりも低くなった場合に、発光ダイオード31の点灯を開始するようにしてもよい。
【0039】
より具体的には、この処理を行う場合は、まず、温度把握部102が、赤外線センサ350からの信号を基に、食品20の温度を把握する。
そして、制御部101は、温度把握部102により把握された温度が、予め定められた温度(閾値)よりも低い場合に、発光ダイオード31の点灯を開始する。
【0040】
食品20の温度が、予め定められた温度を超え高い場合には、菌の増殖が起こりにくい。その一方で、食品20の温度が低下すると、菌が増殖しやすくなる。
上記のように、予め定められた温度よりも低くなった場合に、発光ダイオード31の点灯を開始すると、上記と同様、食品20の質の低下を抑制しつつ、菌の増殖を抑えられる。
【0041】
また、その他に、食品20の温度を把握するようにし、
図11(制御部101による発光ダイオード31の点灯制御を説明する図)に示すように、この温度が、予め定められた温度よりも大きくなった場合に、発光ダイオード31の点灯を開始するようにしてもよい。
【0042】
より具体的には、この処理を行う場合は、上記と同様、まず、温度把握部102が、赤外線センサ350からの信号を基に、食品20の温度を把握する。
そして、制御部101は、温度把握部102により把握された温度が、予め定められた温度(閾値)よりも大きい場合に、発光ダイオード31の点灯を開始する。
【0043】
食品20の温度が、予め定められた温度よりも低い場合も、菌の増殖が起こりにくい。その一方で、食品20の温度が大きくなると、菌が増殖しやすくなる。
より具体的には、例えば、食品20がサラダである場合を想定した場合に、このサラダの温度が例えば10℃であると、菌の増殖が起こりにくいが、サラダの温度が例えば20℃を超えると、菌の増殖が起こりやすくなる。
上記のように、予め定められた温度よりも大きくなった場合に、発光ダイオード31の点灯を開始すると、上記と同様、食品20の質の低下を抑制しつつ、菌の増殖を抑えられる。
【0044】
また、制御部101は、
図9(制御部101による発光ダイオード31の点灯制御を説明する図)の(A)、(B)に示すように、発光ダイオード31の出力を次第に増加させてもよい。
なお、発光ダイオード31の出力の増加は、(A)に示すように、発光ダイオード31の出力を連続的に増加させていってもよいし、(B)に示すように、30分など、予め定められた時間が経過する度に、発光ダイオード31の出力を増加させてもよい。
この場合も、菌が増殖しにくい初期のタイミングでは、紫外光の照射量が少なくなり、時間が経過し、菌が増殖しやすくなると、紫外光の照射量が多くなる。
【0045】
また、その他に、制御部101は、発光ダイオード31(
図1参照)よりも下方に、人間の目がある場合に、発光ダイオード31を消灯し又は当該発光ダイオード31の出力を低下させてもよい。
ここで、「発光ダイオード31よりも下方に、人間の目がある」とは、発光ダイオード31の真下に、人間の目があるという意味ではなく、鉛直方向における位置を比べた場合に、発光ダイオード31の位置よりも下方に、人間の目が位置する状態を指す。
【0046】
子供などが光照射装置1の傍に来ると、発光ダイオード31よりも下方に、この子供の目が位置し、この目に紫外光が向かいやすくなる。
これに対し、本実施形態のように、発光ダイオード31よりも下方に、人間の目がある場合に、発光ダイオード31を消灯し又は発光ダイオード31の出力を低下させると、目に向かう紫外光が減るようになる。
【0047】
なお、本実施形態では、制御部101が、発光ダイオード31よりも下方に、人間の目があるか否かを判断する。
より具体的には、制御部101は、カメラ300により得られた映像を解析することで、発光ダイオード31よりも下方に、人間の目があるか否かを判断する。
そして、制御部101は、発光ダイオード31よりも下方に、人間の目があると判断した場合、発光ダイオード31を消灯し又は発光ダイオード31の出力を低下させる。
なお、発光ダイオード31よりも下方に人間の目があり、且つ、発光ダイオード31からの紫外光の照射範囲内にこの人間の目がある場合に、発光ダイオード31を消灯し又は発光ダイオード31の出力を低下させてもよい。
ここで、紫外光の照射範囲内に人間の目があるか否かは、例えば、カメラ300により得られた映像を解析して、発光ダイオード31と人間の目との距離を把握し、この距離が、照射範囲として予め設定された距離よりも小さいか否かを把握することで、紫外光の照射範囲内に人間の目があるか否かを判断する。
【0048】
図10は、光照射装置1の他の構成例を示した図である。
この構成例では、ダイオード支持部材41に、可視光を出射する可視光光源38が設けられている。この可視光光源38は、発光ダイオード31から出射された紫外光が当たっている箇所に向けて、可視光を出射する。
本実施形態では、この可視光の出射によって、紫外光が当たっている箇所をユーザが目視により把握できるようになる。
【0049】
本実施形態では、符号10Aで示す箇所(領域)が、発光ダイオード31から出射された紫外光が当たっている箇所(領域)となっており、本実施形態では、この箇所に、可視光が照射される。
これにより、紫外光が当たっている箇所を、ユーザが目視で把握できるようになる。
付言すると、人間の目視によっては紫外光自体の把握は行えないが、本実施形態では、可視光の照射によって、紫外光が当たっている箇所が分かる。これにより、紫外光が当たっている箇所をユーザが目視で把握できるようになる。
【0050】
より具体的には、本実施形態では、食品20に対して、発光ダイオード31から出射された紫外光が当たっているが、本実施形態では、食品20のうちのこの紫外光が当たっている箇所に、可視光がさらに照射される。
なお、「紫外光が当たっている箇所に、可視光が照射される」とは、紫外光が当たっている箇所と、可視光が照射される箇所との間に重なりが生じていればよく、紫外光が当たっている箇所の全てに、可視光が当たっていなくてもよい。
【0051】
なお、より好ましい態様としては、可視光が照射される領域に、紫外光が当たっている箇所(領域)が包含されている態様である。
可視光が照射される領域から、紫外光が当たっている箇所が一部外れていると、紫外光が当たっている箇所を一部把握できなくなる。
可視光が照射される領域に、紫外光が当たっている箇所が包含される場合、紫外光が照射されている箇所の全域に亘って、紫外光が照射されているこの箇所の把握を行える。
【解決手段】食品への光の照射を行う、可搬型の光照射装置であり、紫外線領域の波長の光である紫外光を出射する発光ダイオードであって、前記食品に対して照射される紫外光を出射する発光ダイオードと、前記発光ダイオードを支持する支持機構と、を備える光照射装置。ここで、この光照射装置は、前記発光ダイオードの位置を変更できるように構成されている。