特許第6761544号(P6761544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6761544回転工具を操作するための歯科用治療器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6761544
(24)【登録日】2020年9月8日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】回転工具を操作するための歯科用治療器具
(51)【国際特許分類】
   A61C 1/14 20060101AFI20200910BHJP
【FI】
   A61C1/14 A
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-519240(P2019-519240)
(86)(22)【出願日】2017年9月28日
(65)【公表番号】特表2019-528999(P2019-528999A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2017074651
(87)【国際公開番号】WO2018060343
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2019年4月8日
(31)【優先権主張番号】16191082.3
(32)【優先日】2016年9月28日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】305039194
【氏名又は名称】カルテンバッハ ウント ホイクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Kaltenbach & Voigt GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100135828
【弁理士】
【氏名又は名称】飯島 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ブッチャー
(72)【発明者】
【氏名】トマス クラッセン
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−220635(JP,A)
【文献】 特開平11−245174(JP,A)
【文献】 特表2014−514970(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0087308(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 1/14
B25B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転工具を操作するための歯科用治療器具であって、前記治療器具は、前記回転工具のシャフトに結合するために設けられ、かつスリーブ状のガイドブッシュ(1)を有するヘッドドライブを有し、
前記ガイドブッシュ(1)は、当該ガイドブッシュ(1)に挿入された前記回転工具を固定するためのコレットチャック(9)を有し、
前記ガイドブッシュ(1)は、
当該ガイドブッシュの、その軸方向における一部を占める第1の軸方向領域(2)と、
当該ガイドブッシュの、その軸方向における、前記第1の軸方向領域に対して前記工具のための入口開口部(6)とは反対側となる一部を占める第2の軸方向領域(5)と、
当該ガイドブッシュの、その軸方向における前記第1の軸方向領域と前記第2の軸方向領域との間の一部を占める中間領域と、を有し、
少なくとも前記第1の軸方向領域(2)に、
前記ガイドブシュの内側輪郭に円筒形の一部を形成する複数の表面部分(3)と、
これらの表面部分(3)から半径方向外側へ凹み、前記ガイドブッシュ(1)の前記内側輪郭に前記円筒形から逸脱した形状を与える複数の凹部(4)と、を有し
前記中間領域の内側輪郭の径は、前記複数の表面部分がなす内側輪郭の径、及び前記第2の軸方向領域の内側輪郭の径よりも大きい
歯科用治療器具。
【請求項2】
請求項1に記載の歯科用治療器具であって、
記第2の軸方向領域(5)の前記内側輪郭は、その直径(2R)に関して、前記第1の軸方向領域(2)の前記表面部分(3)によって形成される円筒形と同一である完全な円筒形を形成する
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項3】
請求項2に記載の歯科用治療器具であって、
前記第2の軸方向領域(5)の部分は前記コレットチャック(9)を含む
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項4】
請求項2または3に記載の歯科用治療器具であって、
前記第2の軸方向領域(5)の前記内側輪郭は、前記コレットチャック(9)によって部分的に形成されている
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一項に記載の歯科用治療器具であって、
前記第1の軸方向領域(2)が前記入口開口部(6)に隣接している
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか一項に記載の歯科用治療器具であって、
前記第1の軸方向領域(2)の長さ(L1)が前記第2の軸方向領域(5)の長さ(L2)より短い
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項7】
請求項6に記載の歯科用治療器具であって、
前記第1の軸方向領域(2)の長さ(L1)が、前記第2の軸方向領域(5)の長さ(L2)の最大で20%である
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の歯科用治療器具であって、
前記ガイドブッシュ(1)が、前記治療器具のヘッド領域(8)に回転可能に取り付けられ、前記治療器具の駆動手段と協働するベアリングスリーブまたは駆動スリーブ(7)を有する
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項9】
請求項8に記載の歯科用治療器具であって、
前記ガイドブッシュ(1)の前記第1の軸方向領域(2)が前記駆動スリーブ(7)の一体部分として構成されている
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項10】
請求項8または9に記載の歯科用治療器具であって、
前記駆動スリーブ(7)が前記コレットチャック(9)よりも硬い物質からなる
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の歯科用治療器具であって、
前記凹部(4)は、前記ガイドブシュの軸方向に延びる細長い切欠きを形成し、前記軸方向に見たときに前記ガイドブッシュの中心側を下底側とする台形状である
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項12】
請求項11に記載の歯科用治療器具であって、
前記第1の軸方向領域(2)の前記表面部分(3)によって形成される円筒形の円周上に均一に分布して複数の前記切欠きが設けられている
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の歯科用治療器具であって、
前記ガイドブッシュ(1)内に受容された前記回転工具に回転を伝達するための駆動手段を有する
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項14】
請求項13に記載の歯科用治療器具であって、
前記駆動手段が電気モーターを含む
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項15】
請求項13に記載の歯科用治療器具。
前記駆動手段がタービンを含む
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項16】
請求項8、又は請求項8を直接的に若しくは間接的に引用する請求項9から15のいずれか一項に記載の歯科用治療器具であって、
前記コレットチャック(9)が前記駆動スリーブ(7)の径方向凹部(73)に挿入される
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項17】
請求項9を直接的に又は間接的に引用する請求項16に記載の歯科用治療器具であって、
前記第1の軸方向領域(2)が前記入口開口部(6)に隣接しており、
前記ガイドブシュの軸方向において、前記コレットチャック(9)は、前記第1の軸方向領域(2)に対して前記入口開口部(6)とは反対側に配置されている
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項18】
請求項8に記載の歯科用治療器具であって、
前記ガイドブッシュ(1)の前記第1の軸方向領域(2)が、前記駆動スリーブ(7)に挿入される別個の構成要素(12)の助けを借りて構成される
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【請求項19】
請求項5を間接的に引用する請求項18に記載の歯科用治療器具であって、
前記ガイドブシュの軸方向において、前記コレットチャック(9)は、前記別個の構成要素(12)に対して前記入口開口部(6)とは反対側に配置されている
ことを特徴とする歯科用治療器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転工具を操作するための歯科用治療器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、歯科用治療器具および回転工具を使用して(天然または人工の)歯冠(クラウン)を除去することが知られている。この場合、これに必要な時間をできるだけ短く維持することが歯科診療の分野内で一般的に望ましい。対応する操作手順を適切に実現することを可能にするために、人工クラウンの異なる材料特性に適合する工具(ツール)市場には様々な工具(ツール)がある。クラウンは次のような種類に分類される。
【0003】
・メタルクラウン(ゴールドクラウン、チタンまたはスチール)
・ベニアクラウン(メタルフレームワーク、セラミックベニア)
・フルセラミッククラウン(ジルコン、長石、ガラス、または酸化アルミニウムセラミックス)
・合成クラウン
【0004】
ここでは回転工具はそれぞれの物質、使用材料とコーティングに合った切削形状の点で異なる。公知の回転工具はすべて、それ自体、標準DIN EN ISO 1797(特にDIN EN ISO 1797−1およびDIN EN ISO 1797−2)に従う従来の円筒形シャフトを有する。
【0005】
歯科用器具を駆動するために製造業者によって推奨されている回転速度は、高速コントラアングルハンドピースおよびタービンなどの高速で作動する器具によってのみ達成することができる。これらの機器には、圧入クランプ要素が組み込まれている。意図しない解放を防止し、したがって患者、施術者または第三者に対する危険を防止するために、クランプ要素は静止状態および動作状態の両方において工具(ツール)を定位置に保持する。
【0006】
工具の刃先で発生するトルクは、圧入接続によってのみ吸収され、表面によって発生する一般的な摩擦トルクは終了する。形状嵌合接続も考えられる。
【0007】
選択した工具刃先のデザイン、加工するクラウンの材質、クラウンの形状、および機器の設定回転速度に応じて、工具を使用した操作手順中に、クランプ要素に作用するジャーキー(jerky,けいれん)、ノッキング、引っ張りの衝撃が発生する可能性がある。ピーク負荷が低い場合でも、工具シャフトが滑ったり、クランプ領域で滑ったりして、シャフトの表面が損傷する可能性がある。
【0008】
日常的には、滑らかで損傷のないシャフトのみを使用するという工具メーカーの指示はしばしば無視され、刃先がその機能を失うまで工具は使用される。これは器具またはクランプシステムの品質の低下のリスクを負う。実際には、市場での観察や顧客調査で知られているように、これは次の問題をもたらす。滑りによって発生する摩擦熱による器具の過熱、工具の詰まり、またはクランプ要素の保持力の欠如,または不十分な保持力への増大した努力でのみ治療器具から取り外すことができる工具、といった問題である。特に、これは関連する治療器具の寿命、すなわち例えばコントラアングルハンドピースの寿命に本質的に影響を及ぼす。
【0009】
高速コントラアングルハンドピースおよびタービンの場合、低くて心地よい走行音、低いバー偏心および製品寿命は、個々の部品(コンポーネント)やアセンブリの品質によってかなり大きな影響を受ける重要な品質特性である。特に、回転部の質、ヘッドドライブやタービンローターなどの部品は、製品全体の品質に大きな影響を与える。これらのアセンブリの高い回転周波数の結果として、部品の形の理想的な状態からのほんのわずかな偏差、例えば、周囲のずれ、軸方向の振れ、半径方向の振れ、または同軸度に対する偏差は、製品全体の上記品質特性に大きな影響を与える可能性がある。
【0010】
挿入された工具の固定に関しては、高速コントラアングルハンドピースとタービンは、一般的に匹敵する(同等の)構造設計を持っている。これは、工具を定位置に保持するためのクランプ要素と、工具を案内するための少なくとも1つの案内領域とを備える。さらに、手動力を使用して操作されるクランプ要素をイネーブルにする通常は軸方向に移動可能な要素がある。これらの部品を案内するのに役立つのは、ベアリングスリーブまたはドライブスリーブ、あるいは高速コントラアングルハンドピース用のいわゆるヘッドドライブまたはタービン用の軸(アクスル)である。滑らかなシャフトを備えた工具を永久的に安全な方法で案内し、保持することを可能にするために、高硬度の硬化可能なステンレス鋼または硬質コーティングを有するステンレス鋼‐しばしば超硬合金製‐で作られた部品はクランプシステムに組み込まれ、ベアリングスリーブにすでに組み込まれていて、互いに圧入および/または溶接されている。ここでもセラミック材料が使用されている。
【0011】
DE 10 2004 007 413 A1は、ハンドピースヘッドを有する歯科用ハンドピースを開示しており、駆動可能な受け入れスリーブは回転可能に取り付けられており、その中に工具をそのシャフト領域によって押し込むことができる。歯付きクラッチが受けスリーブと工具シャフトとの間に作用してトルクを伝達する。工具シャフトが受けスリーブから滑り落ちるのを防止するように作用する、クラッチ要素としてボールを有する軸クラッチがあり、このために、工具に形成されたクラッチ穴に係合する。これにより、ボールと工具シャフトとの間のスポットクランプが達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】DE 10 2004 007 413 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、回転工具を操作するための歯科用治療器具を提供することを目的とする。上記に概説した不利益に関して有利な特性を有する。特に、この治療器具は、例えば歯冠(クラウン)の除去において提示されるものなどの特に高い要件を満たすのに適していることが意図されている。
【0014】
この目的は、独立請求項に記載の主題により本発明に従って達成される。本発明の特定の実施形態は従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、回転工具を操作するための歯科用治療器具が提供され、ここで治療器具は、回転工具のシャフトに連結するために設けられ、スリーブ状ガイドブッシュを有するヘッドドライブを有する。ガイドブッシュに挿入された回転工具を固定するために、ガイドブッシュはコレットチャックを備えている。この場合、ガイドブッシュは、少なくとも第1の軸方向領域において、円筒形の部分を形成する表面部分を有し、ここで凹部(くぼみ)が提供されている。これらは、これらの表面部分から半径方向外側に面し、ガイドブッシュの内側輪郭に回転対称形状から逸脱した形状を与える。
【0016】
円筒形の部分を形成する表面部分の結果として、回転工具の円形円筒形シャフトの特に適切な案内または支持を実現することができる。さらに、凹部は、回転工具の非円形円筒形シャフト部分の半径方向突起の係合に適しているので、このタイプの非円形円筒形シャフト部分は形状適合輪郭によって特に適切に駆動することができる。したがって、本発明による治療器具は、一方では、対応する、特に高い要件を満たすために対応する「変更された」シャフト形状を有する工具(ツール)シャフトを受け入れること、およびDIN EN ISO 1797に準拠したシャフトの不利益と短所に対抗するための選択肢を提供し、他方では、DIN EN ISO 1797に準拠した工具(ツール)を標準的な用途に使用できるという選択肢がある。
【0017】
この場合、ガイドブッシュは第2の軸方向領域を形成し、その内側輪郭はその直径に関して第1の軸方向領域の表面部分によって形成される円筒形と同一の完全な円筒形を形成するのが好ましい。これは円柱シャフトのその長手方向軸に沿った最も適切な案内に関して有利である。
【0018】
第2の軸方向領域の部分は、好ましくはコレットチャックを含む。ロータリーの純粋に円筒形のシャフトは、したがって、コレットチャックによって所定位置に特に適切に固定することができる。特に、この目的のために、第2の軸方向領域の内側輪郭がコレットチャックによって部分的に形成されるように構成することができる。
【0019】
第1の軸方向領域は好ましくは工具のための入口開口部に隣接している。したがって、対応する非円筒形のシャフトを有する回転工具をガイドブッシュに特に容易に導入することができる。シャフトが凹部と係合するための半径方向の係合要素を有するとき、その係合要素はシャフトの残りの部分に固定的に接続される。
【0020】
長さまたは第1の軸方向領域の前記長さは、好ましくは、長さまたは第2の軸方向領域の前記長さより短い。したがって、工具シャフトの特に適切な案内を達成することができる。 例えば、第1の軸方向領域の長さは、最大でも第2の軸方向領域の長さの20%である。
【0021】
ガイドブッシュは、好ましくは、治療器具のヘッド領域に回転可能に取り付けられ、治療器具の駆動手段と協働するベアリングスリーブまたは駆動スリーブを有する。したがって、工具のシャフトへの特に効果的なトルク伝達を実現することができる。この場合、ガイドブッシュの第1の軸方向領域は、駆動スリーブの一体部分として構成されていることがさらに好ましい。これにより、特に直接的なトルク伝達が可能になる。
【0022】
駆動スリーブは、コレットチャックよりも硬い物質からなることが好ましい。これは、トルク伝達に対する駆動スリーブの適合性および回転工具を固定するためのコレットチャックの適合性に関して有利である。
【0023】
凹部は、好ましくは、軸方向に伸びる細長い切欠き(ノッチ)を形成する。この場合、複数の切欠き(ノッチ)がさらに好ましくは設けられ、それらは回転型の円周上に分布して、好ましくは均一に分布して配置される。これは製造の点で有利であり、これと共に、適切なトルク伝達を可能にする。
【0024】
治療器具は、ガイドブッシュに収容された回転工具に回転を伝達するための駆動手段を有するのが好ましい。特に、これらの駆動手段は、電気モーター(電動機)またはタービンまたは空気供給/圧縮空気を含む。駆動手段は電気式または流体式であり得る。例えば、駆動手段はエアモーターを含むことができる。
【0025】
コレットチャックは、駆動スリーブの径方向凹部に挿入されるのが好ましい。適切な製造オプションでは、これは駆動スリーブからコレットチャックへ、続いて工具へのトルク伝達に関して有利である。
【0026】
長手方向軸に関して、コレットチャックは好ましくは入口開口部の反対側の第1の軸方向領域の側面に配置される。したがって、ガイドブッシュは、第1の軸方向領域と形状嵌合相互作用するように構成されているさらなるシャフト部分によって隣接されている円筒形シャフト部分を有する工具を固定するのに適している。
【0027】
ガイドブッシュの第1の軸方向領域は、駆動スリーブ内に挿入される別個の構成要素を用いて構成されるのが好ましい。これは製造上有利である。この場合、長手方向軸線に関して、コレットチャックは、さらに好ましくは、入口開口部とは反対側の別個の構成要素の側に配置される。円筒形のシャフト部分とこれに隣接する別のシャフト部分とを備えた工具のための固定オプションに関しては、これは、第1の軸方向領域との形状適合相互作用にとって有利である。
【0028】
本発明は、例示的な実施形態の助けを借りて、そして図面に関連付けて詳細に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1a】本出願による治療器具のヘッド領域の側面図の概略図であり、ガイドブッシュの領域であって、工具シャフトを受けるのに役立つものは、断面として示されている。
図1b図1aに対応する断面図である。
図2図1aの拡大詳細図である。
図3図1aに示す線III‐IIIに沿ったブッシュガイドの断面の概略図である。
図4a図1aのイラストに対応する、ガイドブッシュの第1の軸方向領域がコレットチャックの一体部分として構成されている変形例のイラストである。
図4b図4aに対応する断面図である。
図5図4aのイラストに対応する、ガイドブッシュの第1の軸方向領域が独立した構成要素の助けを借りて構成されているさらなる変形例のイラストである。
図6図5に示す構成要素の斜視断面図である。
図7】長手方向軸に沿った図5に示す構成要素の図である。
図8図5に示す構成要素の変形例の斜視断面図である。
図9】長手方向軸に沿った図1に示す構成要素の変形例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1aは、回転工具を操作するための本出願による歯科用治療器具のヘッド領域8の側面図の概略図を示す。図1bは対応する断面図を示す。治療器具は、例えば、コントラアングルハンドピース、特に高速コントラアングルハンドピース、またはタービンであり得る。
【0031】
以下では略して工具とも称される回転工具は、例えば、バーとすることができる。 特に、工具は、治療器具のヘッド領域8内に押し込まれるように設けられたシャフト領域、あるいは略してシャフトを有する。
【0032】
それ自体知られておりかつ慣用的であるように、治療器具は、ヘッド領域8に隣接しそして治療器具を保持するために提供されるハンドル部分を有することができる。ハンドル部の主軸10のみが図1aに示されている。
【0033】
治療器具は、工具のシャフトに結合するために設けられたヘッドドライブを有し、特にヘッド領域8に配置され、スリーブ状のガイドブッシュ1を有する。工具のシャフトは、連結の目的でガイドブッシュ1内に押し込むことができるように構成されている。長手方向軸Lはガイドブッシュ1を通って規定される。この場合の構成は、工具が意図されたように治療器具に接続されるとき、すなわち、ガイドブッシュ1に挿入されるとき、工具のシャフトが長手方向軸Lに平行なシャフト軸と整列される。
【0034】
図1bに示すように、ガイドブッシュ1は、ガイドブッシュ1内に収容された回転工具を固定するためのコレットチャック9を有する。特に、コレットチャック9は、ガイドブッシュ1から工具へのトルクの伝達が治療器具の操作のために適切に可能になるように、工具を軸方向に固定すると共にそれを固定するようにも構成される。
【0035】
特に、ガイドブッシュ1が回転可能、例えば回転ベアリング11によって回転可能であるようにガイドブッシュ1が治療器具のヘッド領域8に取り付けられ、それによって工具を駆動するために、工具のシャフトにトルクを伝達するように構成される。この目的のために、治療器具は、ガイドブッシュ1内に受容された工具にトルクまたは回転を伝達するための駆動手段を有することが好ましい。この場合、駆動手段は、特に電気モーターまたはタービンを含むことができる。
【0036】
図2は、図1aの拡大詳細図を示す。図3において、ガイドブッシュ1の断面図が長手方向軸線Lに対して垂直に、より正確には図1aにおいてIII‐IIIで示されたレベルで示されている。長手方向軸Lに沿って見られるように、ガイドブッシュ1は、少なくとも第1の長手方向部分2、ここでは第1の軸方向領域2として示される、円筒形の部分、特に円柱形の部分を形成する表面部分3を有し、その対称軸は長手方向軸Lと平行に延びている。図3において、参照符号Lは縦軸の位置を示し、前記円筒形の半径は参照符号Rで示されている。したがって、円筒形の直径は2Rである。この構成は、長手方向軸Lに垂直な断面で見られるように、表面部分3がそれぞれ中心角が少なくとも5°、特に好ましくは少なくとも10°である円弧を描くような構成であることが好ましい。半径がRである純粋に円筒形のシャフト部分を有する工具が表面部分3によって半径方向に特に適切に固定されることができるので、これは有利である。
【0037】
さらに例として図3に図示されているように、表面部分3は、それらが好ましくは円筒形の円周に対して均等に分布するように形成される。図示の例では、表面部分3の数は10である。数は、例えば、2〜30、好ましくは4〜20であり得る。
【0038】
構成は、好ましくは、表面部分3がそれぞれ細長い形状を有し、特にそれらがそれぞれ長手方向軸Lと平行に延びるようなものである。
【0039】
表面部分3から、長手方向軸Lに対して半径方向外側に向いていてガイドブッシュ1の内側輪郭に回転対称または円筒形の形状から逸脱した形状を与える凹部4が設けられまたは形成されている。
【0040】
したがって、凹部4に対応する半径方向の係合要素を有するシャフトを有する工具は、この場合工具とガイドブッシュ1との間に対応する形状嵌合接続を確立することができるので、トルク伝達に特に適している。したがって、この種の工具を使用すると、治療器具は、例えばクラウンを取り外す過程で通常起こり得るような特に高いトルクを伝達するのに特に適している。特に、ガイドブッシュ1は、第1のシャフト領域、特に半径Rで純粋に円筒形の形状を有し、第2の領域で半径方向係合要素を有するシャフトで工具を固定するのに適している。この係合要素の半径方向の大きさは対応してRよりも大きい。
【0041】
しかしながら、この治療器具は、対応する係合要素を有するシャフトを用いて器具を操作するのに適しているだけでなく、純粋に円筒形のシャフト部分あるいは冒頭に述べた標準DIN EN ISO 1797に準拠したシャフトを備えた回転工具を操作するのにも適している。なぜなら、そのような純粋に円筒形のシャフトまたはシャフト部分は、それに対応してコレットチャックによって適切に固定され得るからである。
【0042】
構成は、好ましくは、凹部4がそれぞれ細長い形状を有し、それらがそれぞれ長手方向軸Lに平行に延びるようになっている。例えば、凹部4は、細長い切欠き(ノッチ)を形成するか、または細長い切欠き(ノッチ)によって形成することができる。この場合、回転型の円周上に複数の切欠き(ノッチ)を設けることが好ましく、これらの切欠き(ノッチ)は分散して、好ましくは均等に分散して配置される。凹部4の数は、表面部分3の数と等しいことが好ましい。
【0043】
この場合、形状適合外形は、例えばディスク接続、キー接続またはスプラインシャフト接続または歯付きシャフト接続などのキーシャフト接続またはプロファイルシャフト接続として設計することができる。形状適合接続は解放可能な接続であり、それらの適用分野の点で異なる。高いノッチ応力の場合には、平行な側面を有するキーまたはスプラインシャフト接続が好ましい。しかしながら、キー接続は、不適切な不均衡が高い回転速度で生じる可能性があるという点で不利である。とりわけ低背の高さに適している歯付きシャフト接続部または鋸歯状シャフト接続部は、低いノッチ応力に役立つ。製造の点では、それらは例えば打ち抜き加工によって有利に製造することができる。形状嵌合接続部で発生するピーク負荷はギアコンポーネントに分散され、スリップクラッチを介して均等化することができる。
【0044】
製造面では、ガイドブッシュ1の記載された内側輪郭は、例えば、ブローチ加工、スプライス加工またはスタンピング加工によって有利に組み込むことができる。
【0045】
第1の軸方向領域2から見て分かるように、ガイドブッシュ1の内側輪郭は、長手方向軸Lからの間隔が円筒形の半径Rよりも小さい部分を有していないように構成されていることが好ましい。特に、第1の軸方向領域2を見て分かるように、ガイドブッシュ1の内側輪郭は表面部分3と凹部4のみによって形成されるように構成されている。したがって、ガイドブッシュ1は、直径2Rの円筒形の工具シャフトを受け入れるのに特に適している。直径2Rは、ガイドブッシュ1が冒頭で述べた標準的なDIN EN ISO 1797に対応する工具シャフトを受け入れるのに好適であるように選択されるのが好ましい。
【0046】
示された例および図1aに示された場合のように、ガイドブッシュ1は、さらに長手方向軸Lに沿って見たときに、ここでは第2の軸方向領域5として示される第2の長手方向部分5を有し、その内側輪郭は完全な円筒形を形成する。この場合、この完全な円筒形の直径は、第1の軸方向領域2の表面部分3によって形成される円筒形の直径2Rに等しい。したがって、この第2の軸方向領域5は、対応するシャフトを案内するのに特に適している。
【0047】
特に、ガイドブッシュ1は、第2の軸方向領域5の部分がコレットチャック9を含むように構成することができる。
【0048】
コレットチャック9は、第2の軸方向領域5の一部とすることができる。第2の軸方向領域5の内側輪郭は、好ましくは部分的に、好ましくは少なくとも大部分がコレットチャック9によって形成される。図1aおよび図2によって明らかにされるように、そこに示される例示的な実施形態において、第2の軸方向領域5の内側輪郭は、コレットチャック9によって主にまたはほとんど形成される。
【0049】
第2の軸方向領域5は、第1の軸方向領域2に直接隣接することができる。あるいは、図1aおよび図2に一例として描かれているように、長手方向軸Lに沿って見られるように第1の軸方向領域2と第2の軸方向領域5との間に中間部を有する。半径方向において、ガイドブッシュ1の内側輪郭は半径Rよりも長手方向軸Lから連続的にさらに離れている。
【0050】
第1の軸方向領域2は、好ましくは工具用の入口開口部6に、特に直接隣接している。この場合、入口開口部6は、特にガイドブッシュ1を通してヘッド領域8の一部として構成されることが好ましい。長手方向軸Lに対して、第2の軸方向領域5は、入口開口部6とは反対側の第1の軸方向領域2の側に延びることが好ましい。図1aおよび図2に関して、第2の軸方向領域5は、この意味では、第1の軸方向領域2の上方に延在し、入口開口部6は、第1の軸方向領域2の下側に形成されている。
【0051】
長手方向軸Lに沿った第1の軸方向領域2の範囲‐ここでは第1の軸方向領域2の長さL1としても特定される‐は、長手方向軸Lに沿った第2の軸方向領域5の範囲よりも短いことが好ましい。例えば、第1の軸方向領域2の長さL1が、最大でも第2の軸方向領域5の長さL2の20%であるようにすることができる。これは、工具シャフトの適切な案内(ガイダンス)に有利である。
【0052】
例として図1bに示されるように、コレットチャック9は、さらに好ましくは、実質的に長手方向軸Lに沿って延びる少なくとも1つの間隙が形成されている端部91を含む。治療器具はさらに好ましくは楔状係合要素98を有し、それはヘッド領域8内で長手方向軸Lと平行に移動可能に取り付けられ、それによって少なくとも1つの間隙内でより多くまたはより少なく係合し得る。この場合、コレットチャック9は弾性を有するように構成されているので、端部91の内側輪郭の径方向直径は、係合要素98の前後運動によって減少または増大させることができる。したがって、コレットチャック9の端部91の内側輪郭の直径を小さくすることによって、ガイドブッシュ1に挿入される工具の純粋に円筒形のシャフト部の前記固定が達成され、工具が操作のためにガイドブッシュ1に適切に固定され配置されるようになる。直径を大きくすることによって、固定状態を解除することができるので、使用後に工具を簡単に、特に手動でガイドブッシュ1から再び取り外すことができる。
【0053】
長手方向軸Lに対して、コレットチャック9の端部部分91は、第1の軸方向部分2とは反対側の第2の軸方向部分5の側面上に延びているのが好ましい。図1bに示すように、この意味でコレットチャック9の端部91は第2の軸方向部分5の上方に延びている。
【0054】
さらに、ガイドブッシュ1は、さらに好ましくは、ヘッド領域8に回転可能に取り付けられた軸受スリーブまたは駆動スリーブ7を有し、駆動スリーブ7は、特に直接的なトルク伝達が可能になるように治療器具の駆動手段と協働する。この場合、図1aに示す例示的実施形態では、ガイドブッシュ1の第1の軸方向領域2は、駆動スリーブ7の一体部分として構成されている。したがって、トルクが特に工具のシャフトに直接伝達されることが達成され得る。
【0055】
長手方向軸Lに対して、コレットチャック9は、第1の軸方向領域2の入口開口部6とは反対側に配置されることが好ましい。
【0056】
図1bの概略図に関して、この意味でコレットチャック9は第1の軸方向領域2の上方に配置され、一方、入口開口部6は第1の軸方向領域2の下側に形成されている。
【0057】
駆動スリーブ7は、好ましくは、コレットチャック9よりも硬い物質からなる。言い換えれば、コレットチャック9は、駆動スリーブ7よりも柔らかい物質からなる。これは、コレットチャック9が締結工具(ツール)に特に適しているので有利である。
【0058】
図1aおよび図1bに描かれた構成では、コレットチャック9は、駆動スリーブ7またはガイドブッシュ1の残りの部分に挿入される、特に固定的かつ恒久的に挿入される、例えば押し付けられる別個の構成要素として構成される。例えば図1bによって明らかにされるように。ガイドブッシュ1は駆動スリーブ7とコレットチャック9とからなることができる。
【0059】
例えば、図1aによって明らかにされるように、第2の軸方向領域5は、部分的に駆動スリーブ7によって形成され、さらに部分的にコレットチャック9によって形成され得る。図2に関して、第2の軸方向領域5の下部は駆動スリーブ7のみによって形成され、第2の軸方向領域5の上部はコレットチャック9によって半径方向内側にかつ駆動スリーブ7によって半径方向外側に形成される。
【0060】
上述したように、コレットチャック9は駆動スリーブ7内に挿入、例えば押圧することができる。特にこの目的のために、駆動スリーブ7はコレットチャック9がそれに応じて挿入される半径方向凹部73を有することができる。
【0061】
ここでの構成は、駆動スリーブ7が特に長手方向軸Lに対して垂直に配向された平面内に延びる肩面71を有し、この肩面71がコレットチャック9のための支持面(座面)を形成するような構成がさらに好ましい。
【0062】
図1bおよび図2によってさらに明らかにされるように、この場合の構成は、長手方向断面λ内の長手方向軸Lに対して、凹部73が、コレットチャック9と直接接触するための特に円柱状の接触面を形成し、その結果、作動中、駆動スリーブ7からコレットチャック9へのトルク伝達がこの接触面を介して行われる。このため、図2に描かれているように長手方向断面λは第2の軸方向領域5内に位置しているのが好ましい。
【0063】
この場合、治療器具の意図された操作上の使用中にコレットチャック9を駆動スリーブ7から分離することができないように構成することがさらに好ましい。すなわち、これは損傷なしには不可能である、例えば。
【0064】
半径方向の間隙79が、コレットチャック9の端部91と駆動スリーブ7との間に形成されているのが好ましい。端部91の内側輪郭の直径が増大するとき、この間隙は、コレットチャック9の端部91の上記の動きに対して有利である。
【0065】
図4aにおいて、図1aよる構成の変形例が示されており、参照符号は上記と同様に使用される。 図4bは対応する断面図を示す。この構成では、第1の軸方向領域2の内側輪郭は、コレットチャック9によって完全に形成される。したがって、特に表面部分3および凹部4は、コレットチャック9によって完全に形成される。換言すれば、第1の軸方向領域2は、コレットチャック9によって半径方向内側に形成され、駆動スリーブ7によって半径方向外側に形成されている。
【0066】
この場合、コレットチャック9が駆動スリーブ7に固定的に接続されるように、特に治療器具の意図された操作上の使用中に駆動スリーブ7からコレットチャック9を分離することができないように構成されることが好ましい。すなわちこれは損傷なしには不可能である。したがって、駆動スリーブ7とコレットチャック9との間の特に適切なトルク伝達を特に適切に達成することができる。
【0067】
図5はさらなる変形例を示す。ガイドブッシュ1の第1の軸方向領域2は、ここでは別個の構成要素12を用いて構成されており、これは、最後の例におけるコレットチャック9と同様に、対応して固定的に駆動スリーブ7に挿入される。第1の軸方向領域2は、構成要素12によって半径方向内側に形成され、駆動スリーブ7によって半径方向外側に形成されている。
【0068】
さらに図5によって明らかにされるように、長手方向軸Lに対して、コレットチャック9は、ここでは、入口開口部6とは反対側の別個の構成要素12の側に配置されている。図5の概略図に示すように、この意味でコレットチャック9は構成要素12の上方に配置されている。
【0069】
図6は、図5に示す構成要素12の斜視断面図を示す。図7は、長手方向軸Lに沿った構成要素12の図を示す。この場合、概略図として、凹部4が長手方向軸Lに沿った構成要素12の長手方向範囲のサブ領域にわたって単に延びるように構成することができる。その長手方向範囲の更なるサブ領域にわたって、構成要素12は、上記と同様に、完全に半径Rの円柱形の内側を有する。このさらなるサブ領域は順に、それに応じて、対応する円筒形の工具シャフトを案内するために役立つ。
【0070】
第1のサブ領域と凹部4との間、および円柱状の内側輪郭を有する最後のサブ領域との間に、第2の部分を構成することができ、その境界壁は半径方向から見て半径Rよりも長手方向軸Lから連続的にさらに遠くにある。
【0071】
図8は、図5に示す構成要素の変形例の斜視断面図を示す。ここでは参照符号12´で示されている。図9は、長手方向軸に沿ったこの構成要素12´の図を示す。この構成では、内側に形成された構造は、それがそうであるように連続的に構成され、すなわち、それは構成要素12´の長手方向の範囲全体にわたって延びる。
【0072】
さらに、クランプ部はそれ自体公知の方法で構成することができる。例えば、工具を解放するためまたは工具交換のために、それ自体知られている対応する押しボタン作動を提供することができる。
【0073】
駆動スリーブ7は、特に450HVより大きい硬度グレードを有する硬化性ステンレス鋼からなることができる。コレットチャック9は硬化性ステンレス鋼からなることができる。コレットチャック9は、それが22Nより大きいクランプ力を有するように構成することができる。構成要素12は、例えば、硬化可能なステンレス鋼、または、例えば、硬質金属からなることができる。
【0074】
本出願による治療器具を用いて、特に以下の利点を達成することができる。
【0075】
・発生するトルクを吸収して滑りを防止できる。
・滑りを防止することで、特に形状嵌合接続部での摩擦による追加の加熱を防ぐことができる。
・クランプシステムは損傷から保護されているため、信頼性の高い機能を保証できる。
・工具シャフトは損傷から保護されているため、工具の詰まりや取り外しが困難な工具の問題を実質的に防止できる。
・治療器具は、高速コントラアングルハンドピースまたはタービンとして有利に構成することができる。
・クランプシステムでは、特に同等のシリーズ機器のクランプシステムと比較して、特に長い耐用年数を達成できる。
・既知のヘッドハウジングの多くの標準部品を使用することができる。
・形状適合接続のオプションにもかかわらず、DIN EN ISO 1797 に準拠した標準工具を代わりに使用することもできる。
・この場合、工具のクランプシステムへの慣習的な迅速で(事実上)位置に依存しない挿入がさらに可能になる。
・工具交換は通常の押しボタンで可能である。
・工具は駆動スリーブまたはガイドブッシュに安全かつしっかりと固定されている。これは、低いバー偏心度および適切な滑らかさに関して有利である。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9