(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような果菜の一部分にのみ腐敗が発生し、当該腐敗部分が上記撮影手段から死角に位置していた場合、上記特許文献1の撮影手段では当該腐敗部分を撮影できず、判定手段はこれを認識することができなかった。
そこで、例えば特開平9−286515号公報のように搬送手段上の物品を回転させて、当該物品の全周を撮影することが考えられるが、真球形状でない略球状の物品が回転すると上記ピックポイントが変動することから、排出手段が果実を正確に取り上げることができないという問題が生じてしまう。
このような問題に鑑み、本発明は物品の全周から物品の品質を認識することができ、かつ排出手段が正確に当該物品を排出することが可能な物品選別装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明にかかる物品選別装置は、物品を
ランダムな状態で搬送する搬送手段と、搬送手段上の物品を撮影する撮影手段と、上記撮影手段が撮影した画像に基づいて物品の品質および位置を認識する判定手段と、上記判定手段が判断した品質および位置に基づいて上記搬送手段から物品を排出する排出手段とを備えた物品選別装置において、
上記搬送手段によって搬送される物品を回転させる回転手段を設け、
上記回転手段が上記物品を回転させる回転区間と、物品が回転しない非回転区間とが入るように上記撮影手段による物品の撮影範囲が設定され、
上記排出手段は上記物品を上方から保持する保持部を有し、
上記判定手段は、上記回転区間を搬送される物品の画像から当該物品の品質を判定し、上記非回転区間を搬送される物品の画像から当該物品の位置を認識
し、当該物品の位置に基づいて、上記保持部による当該物品の保持位置を認識することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、上記回転手段によって搬送手段上の物品を回転させることにより、撮影手段が物品の全周を撮影することができ、判定手段が確実に物品の品質を判定することができる。
また、撮影手段の撮影範囲に回転区間および非回転区間を設定したことで、当該非回転区間で物品の
保持位置を正確に認識できるため、上記排出手段
の保持部によって当該物品を正確に排出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について説明すると、
図1は物品としてのミカンなどの果実1を選別する物品選別装置2を示しており、傷や発色不良、腐敗した部分のある果実1(以下、不良果とする)や、その大きさが所定の規格から外れた果実1(以下、格外果とする)を選別してこれを排出するものとなっている。
この物品選別装置2は、集果された果実1をランダムに供給する供給手段3と、果実1を大きさや糖度に基づいて選別する図示しない等階級選別装置との間に設けられており、上記等階級選別装置において果実1を等級分けする前に、予め上記不良果や格外果を排除するものとなっている。
そして上記物品選別装置2は、果実1を搬送する搬送手段4と、搬送手段4上の果実1を撮影する撮影手段5と、上記撮影手段5の撮影画像に基づいて果実1の品質および位置を認識する判定手段6と、上記判定手段6が判断した品質および位置に基づいて上記搬送手段4から上記不良果や格外果を排出する排出手段としての第1、第2ロボット7、8とを備え、これらは図示しない制御手段によって制御されるとともに、上記判定手段6については上記制御手段に組み込むことが可能となっている。
【0009】
上記搬送手段4は、平行に設けられたチェーンコンベヤ11と、当該チェーンコンベヤ11の間に回転可能に設けられた複数のローラ12とを備え、上記チェーンコンベヤ11は両端に設けられたスプロケット11aの間に張設され、またモータ等の駆動手段13によって駆動されるようになっている。
上記チェーンコンベヤ11の搬送速度は上記スプロケット11aに設けられた図示しないエンコーダによって認識されるようになっており、また駆動手段13を制御することで搬送速度を変更することが可能となっている。
図2に示すように、上記ローラ12は搬送方向に対して直交する方向に設けられており、隣接するローラ12とローラ12との隙間に上記果実1が落下しないように入り込むようになっている。
上記構成により、ローラ12が回転すると、これに接触する果実1がローラ12の回転方向に対して逆方向に回転するようになっており、そのために上記ローラ12の外周面に突起等の滑り止め手段を形成してもよい。
【0010】
そして本実施例の搬送手段4には、当該搬送手段4上の果実1を回転させる回転手段としてのブレーキ板14が設けられており、このブレーキ板14の設けられた部分を回転区間A、当該回転区間Aの下流側に隣接するブレーキ板14の設けられていない部分を非回転区間Bとする。
上記ブレーキ板14は、上記果実1を搬送する搬送面側を移動するローラ12の裏面側に接触するように設けられており、ローラ12との間で摩擦力を発生させることでローラ12を回転させるようになっている。
後に詳述するように、上記ブレーキ板14の設けられた回転区間Aは上記撮影手段5の撮影範囲に入っており、このため上記ローラ12が回転して果実1が回転すると、その全周が順次上方を向き、上記撮影手段5によって撮影されるようになっている。
そして、上記ローラ12がブレーキ板14の設けられた回転区間Aを通過して非回転区間Bに到達すると、ローラ12は回転を停止して上記果実1の回転が停止し、その状態で上記撮影手段5が果実1を撮影するようになっている。
なお、上記回転手段としては、上記ブレーキ板14の他、各ローラ12にモータを設けてそれぞれ自転する構成としたり、上記ブレーキ板14に代えてローラ12との間で摩擦を生じさせるベルトコンベヤを設ける等、他の構成を有したものであってもよい。
【0011】
上記撮影手段5は上記搬送手段4の上方に設けられており、従来公知のCCDカメラを用いることができる。また上記撮影手段5に隣接して可視波長領域の光を照射する白色LED15と、紫外波長領域の光を照射する紫外線LED16とが設けられている。
上記撮影手段5は
図2に示すように搬送手段4によって搬送される果実1を撮影する撮影範囲を有しており、搬送方向に直交する方向
においては上記搬送手段4の幅全体を撮影し、搬送方向においては上記ブレーキ板14の設けられた回転区間Aおよび、その下流側に隣接した非回転区間Bの一部を撮影するようになっている。
上記白色LED15および紫外線LED16は例えば100msecの間隔で交互に発光し、撮影手段5はこの可視光が照射された果実1の画像と、紫外光が照射された果実1の画像とを交互に撮影して、撮影した画像を判定手段6に送信するようになっている。
これにより上記搬送手段4を搬送される果実1は、上記撮影手段5の撮影範囲を搬送される間に、可視光および紫外光のそれぞれが照射された状態で複数回撮影され、上記回転区間Aでは回転することによりその全周が撮影され、一方上記非回転区間Bでは回転しない状態で撮影されるようになっている。
なお、上記撮影手段5としてはCMOSカメラを用いることも可能であり、また紫外線LED16については、これに代えて近赤外線LEDと白色LEDとを組み合わせたり、紫外線LED、近赤外線LED、白色LEDを組み合わせて用いることも可能である。
【0012】
上記判定手段6は、上記撮影手段5が撮影した画像から、各果実1についての品質および位置を判定し、この判定結果を用いて上記第1、第2ロボット7、8にその保持位置を送信するようになっている。
上述したように、撮影手段5は所定の間隔で果実1を撮影するが、上記回転区間Aの果実1は回転しているため、撮影手段5によって撮影される毎に当該果実1の平面視形状が変化することとなる。従って、前後する画像から平面視形状を基に同一の果実1を認識することはできない。
そこで判定手段6は、先に撮影された画像から、従来公知の方法を用いて全ての果実1の平面視形状および中心位置を認識し、併せて上記中心位置の撮影範囲における座標値を認識する。
続いて判定手段6は、次に撮影された画像からすべての果実1の中心座標を認識し、前後する画像における果実1の中心座標同士の距離を算出し、これを上記搬送手段4の搬送速度と撮影間隔とから算出した搬送距離と比較する。
そして判定手段6は、上記果実1の中心座標同士の距離が上記搬送距離に一致もしくはおおよそ一致した場合に、対応した果実1が前後する画像における同一の果実1であると判定する。
その後果実1が非回転区間Bに移動すると、果実1は回転を停止するが、引き続き判定手段6は上記方法を用いて当該非回転区間Bを移動する果実1の中心位置を認識する。
そして果実1が撮影手段5の撮影範囲を通過すると、当該果実1は引き続き非回転区間Bを搬送されることとなり、判定手段6は上記搬送手段4の搬送速度に基づいて、各果実1が搬送手段4のどの位置に位置しているかを認識し続けるようになっている。
なお上記搬送手段4における各果実1の位置については、上記方法に加えて下記方法を加味することで、より正確に認識することができる。
第1の方法として、上記撮影手段5が撮影した果実1の画像から、判定手段6が当該果実1の色や大きさなどを認識し、前後する画像において同様の色や大きさを有する果実1を同一の果実1として認識させることができる。
第2の方法として、ライン状のレーザ光を上記撮影手段5の撮影範囲を搬送される果実1に照射し、果実1に沿って変形した上記レーザ光から上記判定手段6が当該果実の大きさを認識し、前後する画像において同様の大きさを有する果実1を同一の果実1として認識させることができる。
【0013】
次に判定手段6は、上記白色LED15が照射されて撮影された果実1の画像から、果実1における傷の有無や発色具合を判定するとともに、当該果実1が格外果であるか否かを判定する。
上記果実1の傷の有無については従来公知の判定方法を用いることが可能であり、果実1が回転区間Aを搬送される間に当該果実1の全周が撮影手段5によって撮影されることから、判定手段6は各果実1について傷の有無や発色の程度を確実に認識することができる。
格外果であるか否かについては、果実1の平面視画像における直径に基づいて認識することができ、果実1が回転することで各方向からの直径が測定されるため、そのうちの一枚でもその直径が所要の寸法に満たないもしくは超えた場合には、当該果実1を格外果として判定する。
また格外果であるか否かについては、その他にも、果実1に形成された傷の大きさや個数、白斑などの色抜けの程度に基づいて判定することができ、果実1が回転することで各方向からこれらの判定を行うことができる。
【0014】
次に判定手段6は、上記紫外線LED16を照射して撮影された果実1の画像から、果実1における腐敗部分の有無を判定する。
紫外光を照射して果実1の腐敗の有無を認識することについては、従来公知であるため詳細な説明は省略するが、果実1が回転区間Aを搬送されることで当該果実1の全周が撮影手段5によって撮影されることから、判定手段6は各果実1について腐敗の有無を確実に認識することが可能となっている。
そして判定手段6は、上記可視光の照射された果実1にかかる傷の有無と、上記紫外光の照射された果実1にかかる腐敗の有無とについて、傷もしくは腐敗のいずれか一方でも認識された場合には、これを不良果として判定する。
【0015】
上記第1、第2ロボット7、8は、従来公知の所謂パラレルリンク型ロボットとなっており、上部に設けられた基部より突出する複数のアーム7a、8aと、複数のアーム7a、8aの先端に設けられた吸着部7b、8bとから構成され、これら第1、第2ロボット7、8の作業範囲内にはそれぞれ回収ボックス17、18が設けられている。
そして、上流側の第1ロボット7は搬送手段4を搬送される果実1のうち、上記傷や腐敗部分のある不良果を上記回収ボックス17に排出し、下流側の第2ロボット8は上記格外果を回収ボックス18に排出するようになっている。
上記吸着部7b、8bは図示しない負圧発生手段に接続されており、上記果実1を上方から吸着保持するようになっており、このとき果実1の中心位置の上面を吸着保持することで、これを安定して保持することができる。
上記第1、第2ロボット7、8の作業範囲は上記撮影手段5による撮影範囲の下流側に設けられており、また第1、第2ロボット7、8の作業範囲を通過する搬送手段4は上記ブレーキ板14の設けられていない非回転区間Bとなっている。
このような構成により、上記第1、第2ロボット7、8の作業範囲では果実1が回転しない状態で搬送され、上記吸着部7b、8bによって回転しない状態の果実1を保持することが可能であり、その際上記判定手段6が認識した果実1の中心位置で吸着保持することから、これを安定して保持することができる。
なお上記第1、第2ロボット7、8については、パラレルリンク型ロボットの他、スカラー型ロボットや多関節型ロボットを用いることが可能であり、また上記吸着部7b、8bを用いて果実1を吸着保持する構成の他、例えば吸引ノズルによって対象とする果実1を吸引する構成とし、吸引した果実1を吸引ノズルに連続して設けたパイプを介して上記回収ボックス17、18に回収するようにしてもよい。
【0016】
上記構成を有する物品選別装置2の動作を説明すると、まずコンテナ等に収容された選別前の果実1が、上記搬送手段4の上流側に設けられた供給手段3によって供給され、これにより複数の果実1が上記搬送手段4上にランダムに供給される。
上記果実1は搬送手段4を構成するローラ12とローラ12との隙間に入り込むため、その後果実1は当該入り込んだ隙間から上流側や下流側に隣接するローラ12とローラ12との隙間へと移動しにくくなる。
上記搬送手段4によって搬送される果実1は、その後上記撮影手段5による撮影範囲内に進入し、上記白色LED15および紫外線LED16が交互に照射されながら上記撮影手段5によって所定の間隔で撮影される。
【0017】
そして上記撮影手段5の撮影範囲には、上記搬送手段4に設けられた回転手段としてのブレーキ板14によって果実1が回転する回転区間Aと、当該回転区間Aの下流側に位置して果実1が回転しないようにされた非回転区間Bとが設定されている。
このため、上記回転区間Aを搬送される間、各果実1はその全周が上記撮影手段5によって撮影されることとなり、判定手段6は全ての果実1について不良果であるか格外果であるかを判定し、各果実1ごとにその判定結果を記憶する。
そして上記果実1が回転区間Aから非回転区間Bに移動すると、果実1は回転を停止するため、判定手段6は各果実1の中心位置を認識することが可能となり、当該中心位置を上記第1、第2ロボット7、8による吸着位置として記憶する。
【0018】
上記撮影手段5の撮影範囲を通過した果実1は、果実1がローラ12によって回転しない上記非回転区間Bをそのまま搬送され、これにより果実1は上記判定手段6が非回転区間Bで認識した姿勢を維持して、これらの作業範囲に進入するようになっている。
第1ロボット7は、その作業範囲に傷や腐敗部分が存在する不良果が進入すると、上記吸着部7bによって当該不良果を吸着保持し、これを回収ボックス17に排出する。
その際、上記果実1は回転しておらず、上記中心位置が変動しないことから、第1ロボット7は、上記判定手段6が認識した果実1の中心位置および搬送手段4の搬送速度に基づいて、上記吸着部7bを果実1の中心位置に移動させることで、当該果実1を確実に吸着保持することが可能となっている。
これと同様、第2ロボット8は格外果を吸着保持してこれを回収ボックス18に排出するようになっており、このような格外果については、例えば飲料等に加工するために上記不良果とは別に回収されるようになっている。
このような構成に対し、果実1がローラ12によって回転した状態で第1、第2ロボット7、8の作業範囲に進入すると、果実1がスリップしたり、その不定形な形状によって搬送手段4の搬送方向に対して斜めに移動してしまうなどの予測不能な挙動をすることから、これを上記第1、第2ロボット7、8によって吸着保持できない場合が生じてしまう。
そして、不良果や格外果と判定されなかった果実1については、その後等階級選別装置まで搬送され、大きさや糖度等に基づいて等級分けされるようになっている。
【0019】
なお、上記実施例では上記撮影手段5が搬送手段4の直上に設けられ、上記果実1を直上から撮影しているが、例えば搬送手段4を挟んで両側に撮影手段5を設けて、これらの撮影手段5によって斜め上方から果実1を撮影することで、回転する果実1の側面を両側から撮影することができ、より高精度に果実1の形状や傷の有無等を認識することができる。
また上記実施例と異なり、格外果についても上記不良果と同様に処分してしまう場合には、第2ロボット8を省略して格外果と不良果とを一台のロボットによって排出することができる。また格外果と不良果とを複数のロボットによって排出するようにしてもよい。
さらに、上記実施例では物品として果実1を挙げているが、その他の略球形を有した物品であってもよい。また球形に限らず、例えば筒状の物品の側面の全周からその品質を判定することも可能である。