(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザに依頼或いは問い合わせの目的の概要及び目的の詳細を入力させる空き項目を有する選択メニュー、及び、ユーザに入力情報を入力させる空き項目をそれぞれ有する複数の雛型メッセージであって前記目的の詳細に応じた複数の雛型メッセージを記憶する雛型記憶部と、
それぞれが少なくとも入力情報に関連付けられた複数の送信先を記憶する送信先記憶部と、
前記雛型メッセージに基づいて作成した送信メッセージを一つ以上の送信先に送信する処理部と、を備え、
前記目的の概要は、昇降装置の故障修理対応、昇降装置の保守対応、及び、営業対応を含み、
異なる目的の詳細に応じた前記雛型メッセージには、異なる目的の詳細が予め含まれ、
前記処理部は、入力された前記入力情報を前記雛型メッセージの前記空き項目に合成して前記送信メッセージを作成すると共に、少なくとも前記空き項目に入力された前記入力情報及び前記雛型メッセージに応じた目的の詳細に基づいて前記送信先記憶部から送信先を抽出し、作成した前記送信メッセージを、抽出した前記送信先に送信する、ことを特徴とする情報伝達システム。
前記処理部は、前記複数の雛型メッセージから前記ユーザに選択された一つの雛型メッセージの前記空き項目と前記入力情報とを合成して前記送信メッセージを作成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報伝達システム。
【背景技術】
【0002】
従来から、昇降装置の動作状況を監視する遠隔監視システムが提供されている。
【0003】
遠隔監視システムは、動作を制御するための制御マイコンを含む昇降装置と、昇降装置の制御マイコンに対して通信可能に接続され、昇降装置の動作を遠隔で監視するための監視端末とを備える(特許文献1参照)。
【0004】
かかる遠隔監視システムでは、昇降装置(制御マイコン)からの信号を基に、監視センターの監視端末が、監視センターの監視員(オペレータ)に昇降装置の動作状況(運転停止等)を報知する。これに伴い、監視員は、技術員に現場への出向を要請する。
【0005】
監視センターの監視員は、技術員の出向要請等を把握しているため、昇降装置における保守・点検状況についての情報を保有する。そのため、ユーザは、監視センターの監視員に対して、電話で昇降装置の保守・点検等(例えば、次回点検日時等)についての問い合わせを行うことができる。
【0006】
ところで、ユーザが担当者に昇降装置の動作状況を伝える際、ユーザは監視員に対して昇降装置の動作状況を伝え、監視員がこの昇降装置の動作状況を担当者に伝えている。しかし、ユーザと監視員とのやり取りは、対人対応であるため、ユーザにとって煩わしいことがある。
【0007】
さらに、ユーザは、保守契約内容の変更や検査立会の依頼などについて、営業担当者に問い合わせすべきかどうかの区別がつかず、監視センターの監視員(オペレータ)に問い合わせを行うことがある。また、ユーザは、問い合わせに対して必要な伝達事項(エレベータの登録番号、問題発生階等)を予め把握していなかったために、オペレータの質問に対し即答できないこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、ユーザが、対人によることなく、問い合わせ内容に応じた適切な送信先に対して、昇降装置に関する必要な伝達事項を伝えることができる情報伝達システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の情報伝達システムは、ユーザに入力情報を入力させる空き項目を有する少なくとも一つの雛型メッセージを記憶する雛型記憶部と、それぞれが少なくとも入力情報に関連付けられた複数の送信先を記憶する送信先記憶部と、前記雛型メッセージに基づいて作成した送信メッセージを一つ以上の送信先に送信する処理部と、を備え、前記処理部は、入力された入力情報を前記雛型メッセージの前記空き項目に合成して前記送信メッセージを作成すると共に、少なくとも前記空き項目に入力された前記入力情報に基づいて前記送信先記憶部から送信先を抽出し、作成した前記送信メッセージを、抽出した前記送信先に送信する、ことを特徴とする。
【0011】
上記情報伝達システムによれば、ユーザからの入力情報に応じた送信メッセージが、この入力情報に適した送信先(問い合わせ内容に応じた適切な送信先)に自動的に送信されるため、ユーザが対人によることなく送信先に必要な伝達事項を伝えることができる。
【0012】
前記情報伝達システムは、前記送信メッセージに対する回答メッセージであって特定の入力情報に関連付けられた回答メッセージを記憶する回答記憶部を備え、前記処理部は、前記雛型メッセージの前記空き項目に入力された前記入力情報が前記特定の入力情報であるときに、前記回答記憶部から対応する前記回答メッセージを抽出して前記ユーザに送信してもよい。
【0013】
上記情報伝達システムによれば、ユーザが、入力情報を入力することで、この入力情報に応じた回答メッセージを取得できるため、対人によることなく依頼や問い合わせに対する回答を得ることができる。
【0014】
前記情報伝達システムでは、前記送信メッセージに対する回答メッセージであって特定の入力情報の組み合わせに関連付けられた回答メッセージを記憶する回答記憶部を備え、前記処理部は、前記雛型メッセージの複数の前記空き項目に入力された入力情報の組み合わせが前記特定の入力情報の組み合わせであるときに、前記回答記憶部から対応する前記回答メッセージを抽出して前記ユーザに送信してもよい。
【0015】
上記情報伝達システムによれば、ユーザが、複数の入力情報を入力した場合であっても、これら複数の入力情報の組み合わせに応じた回答メッセージを取得できるため、対人によることなく依頼や問い合わせに対する回答を得ることができる。
【0016】
前記情報伝達システムは、一つの前記空き項目に対して関連付けられた複数の候補情報を記憶する候補記憶部を備え、前記入力情報は、前記複数の候補情報から前記ユーザに選択された一つの候補情報であってもよい。
【0017】
上記情報伝達システムによれば、ユーザが複数の候補情報から選択して入力情報を入力できるため、入力情報を簡便に入力することができる。
【0018】
前記情報伝達システムでは、前記雛型記憶部は、目的に応じた複数の雛型メッセージを記憶し、前記処理部は、前記複数の雛型メッセージから前記ユーザに選択された一つの雛型メッセージの前記空き項目と前記入力情報とを合成して前記送信メッセージを作成してもよい。
【0019】
上記情報伝達システムによれば、ユーザが目的に応じて選択した雛型メッセージに基づいて送信メッセージが作成されるため、目的により適した伝達事項を送信先に伝えることができる。
【0020】
前記情報伝達システムでは、前記複数の雛型メッセージのそれぞれは、識別情報を有し、前記処理部は、前記選択された雛型メッセージの識別情報と、その雛型メッセージの前記空き項目に入力された前記入力情報との組み合わせに基づいて前記送信先を抽出してもよい。
【0021】
上記情報伝達システムによれば、送信メッセージが雛型メッセージ及び入力情報に応じた送信先に送信されるため、目的により適した送信先に、伝達事項を伝えることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上より、本発明によれば、ユーザが、対人によることなく、問い合わせ内容に応じた適切な送信先に対して、昇降装置に関する必要な伝達事項を伝えることができる情報伝達システムを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る情報伝達システムについて説明する。情報伝達システムは、ユーザが、昇降装置のトラブル等に関する依頼や問い合わせを、自身の所持する端末を操作することで行うことができるシステムである。この情報伝達システムでは、まず、ユーザが空き項目を有する雛型メッセージに対して入力情報を入力することで、入力情報に基づく送信メッセージが作成され、入力情報に基づいて抽出された送信先(例えば、技術員の所持する技術員携帯端末や、営業員が所持する営業員携帯端末)に送信メッセージが送信されるシステムである。尚、昇降装置にはエレベータ、エスカレータ等があるが、以下では、エレベータの情報伝達システムを説明する。
【0025】
情報伝達システム1は、
図1に示すように、サーバー2を備える。サーバー2は、それぞれ空き項目を有する少なくとも一つの雛型メッセージを記憶する第一記憶部(雛型記憶部)21と、複数の送信先を記憶する第二記憶部(送信先記憶部)22と、雛型メッセージに基づいて送信メッセージを作成し、この送信メッセージを一つ以上の送信先に送信する処理部20と、を備える。本実施形態の情報伝達システム1では、サーバー2は、処理部20、第一記憶部21、及び第二記憶部22に加えて、送信メッセージの作成に用いられる情報を記憶する第三記憶部(候補記憶部)23と、送信メッセージに対する回答メッセージを記憶する第四記憶部(回答記憶部)24と、送信メッセージ履歴を記憶する第五記憶部25とを備える。
【0026】
本実施形態の情報伝達システム1では、処理部20にインターネットを介して客先端末3、技術員携帯端末(技術員端末)4、及び、営業員携帯端末(営業員端末)5が接続可能である。尚、
図1では、一台の客先端末3が示されているが、本実施形態の情報伝達システム1では、二台以上の客先端末3が接続可能である。また、
図1では、二台の技術員端末4A,4Bが示されているが、本実施形態の情報伝達システム1には、三台以上の技術員端末4が接続可能である。同様に、
図1では、二台の営業員端末5A,5Bが示されているが、本実施形態の情報伝達システム1には、三台以上の営業員端末5が接続可能である。
【0027】
客先端末3は、例えば、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン等といった端末である。客先端末3は、例えば、エレベータを利用するユーザや、エレベータの管理者により所持される。また、客先端末3は、処理部20に接続された状態で雛型メッセージ、送信メッセージ、及び、回答メッセージを表示可能な表示部30と、処理部20に接続された状態で雛型メッセージの空き項目に入力情報を入力可能な入力部31と、を含む。本実施形態の情報伝達システム1では、表示部30は、処理部20に接続された状態で、後述する選択メニューを表示可能である。
【0028】
表示部30は、例えば、ディスプレイである。入力部31は、例えば、入力キーやキーボード等である。尚、客先端末3がタッチパネル式ディスプレイを備える場合、このディスプレイが表示部30及び入力部31を兼ねる。
【0029】
本実施形態の情報伝達システム1では、ユーザは、依頼や問い合わせを行う際に、表示部30に表示された雛型メッセージを確認し、必要な入力情報を入力部31で入力することができる。また、本実施形態の情報伝達システム1では、ユーザは、表示部30に表示された送信メッセージ(入力情報が反映された送信メッセージ)を確認することができる。さらに、本実施形態の情報伝達システム1では、ユーザは、送信メッセージに対する回答メッセージを確認することができる。
【0030】
技術員端末4は、例えば、スマートフォン、PDA、ノートパソコン等といった端末である。技術員端末4は、例えば、出向の要請を受けると、エレベータのトラブルに対応するためにエレベータに出向する技術員により所持される。技術員端末4は、情報出力部として、処理部20から送信された送信メッセージを表示する表示部40を有する。技術員端末4を所持する技術員は、表示部40に表示された送信メッセージを確認することで、例えば、ユーザからの依頼や問い合わせ等に対応するために必要な情報を把握することができる。
【0031】
同様に、営業員端末5は、例えば、スマートフォン、PDA、ノートパソコン等といった端末である。営業員端末5は、例えば、エレベータに関する問い合わせに対応する営業員により所持される。営業員端末5は、情報出力部として、処理部20から送信された送信メッセージを表示する表示部50を有し、営業員端末5を所持する営業員も、表示部50に表示された送信メッセージを確認することで、例えば、ユーザからの依頼や問い合わせ等に対応するために必要な情報を把握することができる。
【0032】
尚、以下、技術員や営業員のうち依頼や問い合わせ等の対応を担当する者、及び、技術員や営業員のうち依頼や問い合わせ等の対応が予定されている者を担当者とも称する。
【0033】
第一記憶部21は、ユーザに入力情報を入力させる空き項目を有する雛型メッセージを少なくとも一つ記憶する。本実施形態の情報伝達システム1では、第一記憶部21は、目的に応じた複数の雛型メッセージを記憶している。
【0034】
具体的に、第一記憶部21は、各雛型メッセージを、目的の概要に関連付けて記憶するとともに、各雛型メッセージが有する識別情報(例えば、識別番号)も記憶している。より具体的に、第一記憶部21は、
図2に示すように、識別番号AXX(Xには0又は自然数が入る)の雛型メッセージ(以下、雛型メッセージAとする)を故障修理対応の目的に関連付けて記憶し、識別番号BXXの雛型メッセージBを保守対応の目的に関連付けて記憶し、識別番号CXXの雛型メッセージCを営業対応の目的に関連付けて記憶し、識別番号D01の雛型メッセージD01をその他対応の目的に関連付けて記憶している。
【0035】
さらに、第一記憶部21は、各雛型メッセージを、目的の詳細に関連付けて記憶している。具体的に、第一記憶部21は、雛型メッセージA01をドア開閉音異常に関連付けて記憶し、雛型メッセージA02をかご呼び異常に関連付けて記憶し、雛型メッセージB01を点検日調整に関連付けて記憶し、雛型メッセージB02を落し物拾得に関連付けて記憶し、雛型メッセージB03を照明取替に関連付けて記憶し、雛型メッセージB04を機器動作切換に関連付けて記憶し、雛型メッセージC01をモダニ(モダニゼーションの略称)問い合わせ対応に関連付けて記憶している。尚、機器動作切換とは、例えば、エレベータのかご内における空調を冷房に切り替えること等である。
【0036】
各雛型メッセージは、ユーザに入力情報を入力させる空き項目に加えて、予め設定されている文章を有する。空き項目は、予め設定された候補情報(例えば、後述する第三記憶部23に記憶されている候補情報)からユーザが選択して入力情報を入力可能な空き項目と、ユーザが入力情報を直接入力可能な空き項目とを含む。
【0037】
具体的に、雛型メッセージA01は、
図3に示すように、ユーザが出向依頼の原因に関する候補情報(ドア開閉音異常やかご呼び入力異常等)から入力情報として選択して入力できる空き項目a1と、ユーザが技術員の到着時間の連絡の要否の候補情報を選択して入力情報として入力可能な空き項目a2とを備える。また、雛型メッセージA01は、エレベータの登録番号としてエレベータ機番を入力可能な空き項目b1と、エレベータが設けられているビル名を入力可能な空き項目b2と、このビルの住所を入力可能な空き項目b3と、依頼者名を入力可能な空き項目b4と、依頼者の連絡先を入力可能な空き項目b5とを有する。
【0038】
雛型メッセージB01は、
図4に示すように、空き項目b1〜b5に加えて、点検日時の入力情報を入力可能な空き項目a3〜a5と、点検日確定の連絡の要否の入力情報を入力可能な空き項目a6とを有する。
【0039】
尚、雛型メッセージにおける空き項目a1〜a6は、ユーザによる入力部31からのプルダウン操作により項目の選択が可能である。
【0040】
また、雛型メッセージにおける空き項目b1に選択キーワードに基づきエレベータ機番が入力される、又は、ユーザが入力部31から空き項目b1にエレベータ機番を入力した後に空き項目b1に隣り合う検索釦を押下すると、第二記憶部22に記憶されている情報に基づいて、エレベータ機番に関連付けられた情報(後述する第三記憶部23に記憶されているエレベータが設けられているビル名やこのビルの住所)が空き項目b2、b3に自動入力される。
【0041】
本実施形態の情報伝達システム1では、第一記憶部21は、ユーザから依頼や問い合わせ等が入った際に最初に表示する選択メニューを記憶している。選択メニューは、予め設定されている文章(例えば、「以下の項目からご依頼、お問い合わせの内容を選択してください。」との文章)と、目的(例えば、目的の概要、及び、目的の詳細)をプルダウンにより選択可能な空き項目を有する。
【0042】
第三記憶部23は、雛型メッセージの各空き項目に入力可能な複数の候補情報を、雛型メッセージにおける各空き項目に関連付けて記憶している。
【0043】
具体的に、第三記憶部23は、「ドア開閉音異常」、「かご呼び入力異常」、「乗り場呼び入力異常」、及び、「乗り場モニタ表示異常」等の候補情報を、雛型メッセージA1における空き項目a1(
図3参照)に関連付けて記憶している。また、第三記憶部23は、「要」及び「否」の候補情報を、雛型メッセージA1における空き項目a2に関連付けて記憶している。
【0044】
さらに、第三記憶部23は、「1」〜「12」の項目、「1」〜「31」の項目、及び、「0」〜「23」の候補情報を、雛型メッセージB01における空き項目a3、a4、及びa5(
図4参照)にそれぞれ関連付けて記憶している。また、第三記憶部23は、「要」及び「否」の候補情報を、雛型メッセージB01における空き項目a6に関連付けて記憶している。
【0045】
また、本実施形態の情報伝達システム1では、第三記憶部23は、ある雛型メッセージにおける特定の空き項目に対する候補情報を、各雛型メッセージに関連付けて記憶している。具体的に、第三記憶部23は、空き項目a1に対する「ドア開閉音異常」の候補情報を雛型メッセージA01に関連付けて記憶し、空き項目a1に対する「かご呼び入力異常」の候補情報を雛型メッセージA02に関連付けて記憶している。
【0046】
さらに、本実施形態の情報伝達システム1では、第三記憶部23は、エレベータの所在地に関する情報(エレベータが設けられているビル名、及び、このビルの住所)を、エレベータの情報(エレベータ機番)に対応付けて記憶している。
【0047】
第二記憶部22は、それぞれが少なくとも入力情報に関連付けられた複数の送信先を記憶している。第二記憶部22は、送信先として、各エレベータを担当する担当者の情報(例えば、担当者氏名及び担当者のメールアドレス)を、各エレベータに関する情報(例えば、エレベータ機番)と雛型メッセージの識別番号と各雛型メッセージにおける空き項目への入力情報とに関連付けて記憶している。尚、以下、技術員のうちトラブル等の対応を担当する者、及び、技術員のうちトラブル等の対応が予定されている者を、担当者とも称する。
【0048】
本実施形態の情報伝達システム1では、第二記憶部22は、担当者の情報として、技術員の情報(例えば、技術員の氏名及び技術員端末4のメールアドレス)と営業員の情報(例えば、営業員の氏名及び営業員端末5のメールアドレス)とを、エレベータ機番と雛型メッセージの識別番号と各雛型メッセージにおける空き項目への入力情報とに関連付けて記憶している。具体的に、第二記憶部22は、雛型メッセージの識別番号A01〜A02、B01〜B05を、技術員端末4を所持する技術員の氏名及び技術員端末4のメールアドレスに関連付けて記憶している。第二記憶部22は、雛型メッセージの識別番号C01、D01を、営業員端末5を所持する営業員の氏名及び営業員端末5のメールアドレスに関連付けて記憶している。
【0049】
第四記憶部24は、例えば、送信メッセージに対する回答メッセージ(例えば、点検日調整や落し物拾得に関する回答メッセージ)を、特定の入力情報の組み合わせに関連付けて記憶している。特定の入力情報の組み合わせとして、雛型メッセージにおける空き項目への入力情報同士の組み合わせや、雛型メッセージにおける空き項目への入力情報と雛型メッセージの識別番号(選択された雛型メッセージを識別可能な情報)との組み合わせが挙げられる。
【0050】
具体的に、第四記憶部24は、各回答メッセージを、エレベータ機番と雛型メッセージの識別番号と各雛型メッセージにおける空き項目への入力情報との組み合わせに関連付けて記憶している。より具体的に、雛型メッセージB01(
図4参照)に対する回答メッセージは、例えば、「次回の点検日は12月25日20時で承りました。」といった回答メッセージである。雛型メッセージB02に対する回答メッセージは、例えば、「問い合わせいただいた落し物は当ビルの1階の受付に保管してあります。お受け取りをご希望の場合は、9時〜17時までの間に受付までお越しください。」といった回答メッセージである。
【0051】
第五記憶部25は、上述のように、送信メッセージ履歴を記憶している。第五記憶部25は、例えば、送信メッセージ履歴として、処理部20が作成した送信メッセージを、ユーザからの依頼や問い合わせ等の日時等に関連付けて記憶している。
【0052】
処理部20は、ユーザから入力された入力情報を雛型メッセージの空き項目に合成して送信メッセージを作成し、少なくとも空き項目に入力された入力情報(例えば、エレベータ機番と雛型メッセージの識別番号と各雛型メッセージにおける空き項目への入力情報との組み合わせ)に基づいて第二記憶部22から送信先を抽出し、作成した送信メッセージを抽出した送信先に送信する。以下、処理部20による一連の処理について詳細に説明する。
【0053】
具体的に、処理部20は、客先端末3に接続されると、第一記憶部21から選択メニューを取得し、取得した選択メニュー(目的(例えば、目的の概要、及び、目的の詳細)をプルダウンにより選択可能な空き項目を有する選択メニュー)を客先端末3の表示部30に表示させる。処理部20は、ユーザから選択メニューの空き項目において目的が選択されると、選択された目的(目的の概要及び目的の詳細)と、第一記憶部21に記憶されている目的(目的の概要及び目的の詳細)とを比較し、一致した目的(目的の概要及び目的の詳細)に対応する雛型メッセージの識別番号を抽出する。
【0054】
さらに、処理部20は、抽出した雛型メッセージの識別番号に基づき、第一記憶部21から雛型メッセージを取得し、取得した雛型メッセージを客先端末3の表示部30に表示させる。この際、処理部20は、必要に応じて、取得した雛型メッセージに基づき、第三記憶部23から候補情報を取得し、雛型メッセージに取得した候補情報を合成させて表示部30に表示させる。
【0055】
処理部20は、雛型メッセージの空き項目に、候補情報の選択やユーザによる入力により入力情報が入力されると、入力された入力情報を雛型メッセージの空き項目に合成して送信メッセージを作成する。また、処理部20は、入力情報(例えば、エレベータ機番と雛型メッセージの識別番号と各雛型メッセージにおける空き項目への入力情報との組み合わせ)に基づいて、第二記憶部22から送信先(例えば、技術員端末4A又は営業員端末5A)を抽出する。
【0056】
次に、処理部20は、抽出した送信先(例えば、技術員端末4A又は営業員端末5A)に、送信メッセージを送信する。この際、処理部20は、送信メッセージ履歴として、処理部20が作成した送信メッセージを、ユーザからの依頼や問い合わせ等の日時等に関連付けて、第五記憶部25に記憶させる。
【0057】
本実施形態の情報伝達システム1では、処理部20は、エレベータ機番と雛型メッセージの識別番号と各雛型メッセージにおける空き項目への入力情報との組み合わせに基づいて、第四記憶部24から回答メッセージを取得し、取得した回答メッセージを表示部30に表示させる。
【0058】
情報伝達システム1によれば、ユーザからの入力情報に応じた送信メッセージが、この入力情報に適した送信先(例えば、技術員端末4A又は営業員端末5A)に自動的に送信される。そのため、ユーザが、対人によることなく、担当者(例えば、技術員端末4Aを所持する技術員又は、営業員端末5Aを所持する営業員)に伝達事項を伝えることができる。
【0059】
また、情報伝達システム1によれば、ユーザからの入力情報に基づいて送信先(例えば、技術員端末4A又は営業員端末5A)が抽出されることにより、依頼や問い合わせの内容に適した担当者(例えば、技術員端末4Aを所持する技術員又は、営業員端末5Aを所持する営業員)に伝達事項が伝わる。
【0060】
さらに、情報伝達システム1によれば、ユーザからの入力情報に応じた送信メッセージが担当者(例えば、技術員端末4Aを所持する技術員や、営業員端末5Aを所持する営業員等)に直接伝わるため、ユーザと担当者との情報伝達の間にオペレータ等が介在する場合と比べて、伝達事項が漏れなく伝わりやすい。
【0061】
本実施形態の情報伝達システム1によれば、ユーザが入力した複数の入力情報に応じた回答メッセージを取得できるため、ユーザが対人によることなく依頼や問い合わせに適した回答を得ることができる。
【0062】
また、本実施形態の情報伝達システム1によれば、ユーザは、複数の候補情報から一つの候補情報を選択することで入力情報を入力できるため、入力情報を簡便に入力することができる。加えて、入力情報が、依頼や問い合わせの内容に応じて一義的に定まるため、送信メッセージの内容が、担当者にとってわかりやすいものとなる。
【0063】
さらに、本実施形態の情報伝達システム1によれば、ユーザにより目的に応じて選択された雛型メッセージに基づいて送信メッセージが作成されるため、目的により適した伝達事項を担当者に伝えることができる。
【0064】
本実施形態の情報伝達システム1によれば、送信メッセージが雛型メッセージ及び入力情報に応じた送信先に送信されるため、目的により適した担当者に伝達事項を伝えることができる。具体的に、本実施形態の情報伝達システム1によれば、第二記憶部22が、雛型メッセージの識別番号C01、D01を、営業員端末5を所持する営業員の氏名及び営業員端末5のメールアドレスに関連付けて記憶しているため、処理部20が、雛型メッセージの内容(保守に関連する依頼か、営業に関する依頼か)に応じて、技術員又は営業員に送信メッセージを送信できる。そのため、目的(保守又は営業)により適した技術員又は営業員に伝達事項を伝えることができる。
【0065】
尚、本発明の情報伝達システム1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0066】
例えば、処理部20は、一つの送信先(例えば、技術員端末4A又は営業員端末5A)に送信メッセージを送信していたが、複数の送信先(例えば、技術員端末4A及び技術員端末4B等)に同一の送信メッセージを送信してもよい。この場合、例えば、技術員端末4Aを所持する技術員が、送信メッセージを確認しておらず依頼や問い合わせに対応しなかったとしても、技術員端末4Bを所持する技術員が送信メッセージを確認していれば、依頼等に対応することができる。尚、処理部20は、空き項目(例えば、利用者や管理者の連絡先を入力可能な空き項目b5)に、情報を入力しないままで送信メッセージの作成を完了し、この送信メッセージを送信先に送信してもよい。
【0067】
また、処理部20は、入力情報の組み合わせ(エレベータ機番と雛型メッセージの識別番号と各雛型メッセージの空き項目への入力情報との組み合わせ)に基づいて第二記憶部22から送信先を抽出していたが、特定の入力情報(一つの入力情報、例えば、エレベータ機番)に基づいて第二記憶部22から送信先を抽出してもよい。この場合、第二記憶部22は、送信先の情報を、特定の入力情報(例えば、エレベータ機番)に関連付けて記憶していればよい。
【0068】
処理部20は、入力情報との組み合わせ(エレベータ機番と雛型メッセージの識別番号と各雛型メッセージにおける空き項目への入力情報との組み合わせ)に基づいて第四記憶部24から回答メッセージを抽出していたが、特定の入力情報(一つの入力情報、例えば、雛型メッセージの識別番号)に基づいて第四記憶部24から回答メッセージを抽出してもよい。この場合、第四記憶部24は、回答メッセージを、特定の入力情報(例えば、雛型メッセージの識別番号)に関連付けて記憶していればよい。
【0069】
尚、処理部20は、ある送信メッセージに対する回答メッセージを客先端末3に送信したとき、ユーザに回答メッセージを送信した旨のメッセージや回答メッセージの内容を、先ほどの送信メッセージの送信先に送信してもよい。これにより、担当者(技術員や営業員)はユーザの状況を確認することができる。
【0070】
第一記憶部21は、雛型メッセージを、目的の概要及び目的の詳細に関連付けて記憶していたが、これらのうち目的の詳細のみに関連付けて記憶していてもよい。この場合であっても、ユーザが目的に応じて雛型メッセージを選択可能であり、ユーザが選択した雛型メッセージに基づいて送信メッセージが作成されるため、送信先に目的により適した伝達事項を伝えることができる。
【0071】
また、第一記憶部21は、目的に応じた複数の雛型メッセージを記憶していたが、単一の一つの雛型メッセージを記憶していてもよい。この場合であっても、ユーザからの入力情報に応じた送信メッセージが、この入力情報に適した送信先(例えば、技術員端末4A等)に自動的に送信されるため、ユーザが対人によることなく担当者(例えば、技術員端末4Aを所持する技術員等)に伝達事項を伝えることができる。
【0072】
第三記憶部23は、雛型メッセージの各空き項目(例えば、空き項目a1、a2等)を補充する項目を選択キーワードに関連付けてそれぞれ記憶していたが、一方の空き項目(例えば、空き項目a1)に補充する項目を選択キーワードに関連付けて記憶するとともに、他方の空き項目(例えば、空き項目a2)に補充する項目を一方の空き項目(例えば、空き項目a1)に補充する項目に関連付けて記憶してもよい。この場合、処理部20は、空き項目a1に入力情報が入力されると、自動的に空き項目a2に入力情報を補充できる。
【0073】
第二記憶部22は、特定の雛型メッセージの識別番号を、技術員の情報及び営業員の情報の両方に関連付けて記憶していてもよい。この場合、処理部20は、送信メッセージを技術員及び営業員の両方に送信することができるため、ユーザからの依頼や問い合わせが技術員及び営業員の両方に伝わる。
【0074】
技術員端末4は、情報出力部として表示部40を有していたが、情報出力部としてスピーカーを有していてもよい。営業員端末5も、同様に、情報出力部としてスピーカーを有していてもよい。この場合、送信メッセージを技術員端末4や営業員端末5のスピーカーから出力すれば、技術員や営業員は、ユーザからの問い合わせや依頼等に対応するために必要な情報を把握することができる。
【0075】
上記実施形態の情報伝達システム1は、サーバー2が、処理部20、第一記憶部21、第二記憶部22、第三記憶部23、第四記憶部24、及び、第五記憶部25を備えていたが、例えば、各サーバーが、処理部20、第一記憶部21、第二記憶部22、第三記憶部23、第四記憶部24、及び、第五記憶部25をそれぞれ備えていてもよいし、一つのサーバーがこれらのうち一部の構成を備え、他のサーバーがこれらのうち残りの構成を備えてもよい。
【0076】
また、上記実施形態の情報伝達システム1は、エレベータを対象としていたが、エスカレータを対象としてもよい。情報伝達システム1がエスカレータを対象とする場合においても、第一記憶部21は、雛型メッセージを、目的の概要及び目的の詳細に関連付けて記憶すればよい。この場合、目的の概要「故障修理対応」に対応する目的の詳細としては「異物の引き込まれ」、「手すりのずれ」が挙げられる。