(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0019】
又、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0020】
(比較例)
比較例におけるセンサネットワークシステムの模式的概念構成は、
図1に例示するように表される。比較例におけるセンサネットワークシステムは、
図1に例示するように、センサ対象2と、センサ対象2に設置され、例えば、音、照度、角度、加速度、磁気、ジャイロ、温度、湿度、圧力、振動、衝撃、赤外線、運動、ガス、臭いなどのセンサエレメントを備える複数のセンサノードSN(SN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNn
)とを備え、インターネットなどの遠距離用のネットワーク300を介してクラウドコンピューティングシステム80に接続可能である。複数のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNn)とネットワーク300を介するクラウドコンピューティングシステム80との接続には、有線通信と無線通信とのいずれか一方若しくは両方を適用可能である。
【0021】
クラウドコンピューティングシステム80は、センサ対象2に設置された複数のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnからそれぞれ個別に定期的あるいは不定期的に伝送されるセンサ情報(検知データ)をデータサーバ(図示せず)内に蓄積し、データサーバ内に蓄積されたセンサ情報を演算部(図示せず)において人工知能や遺伝的アルゴリズムにしたがって分析・判定する。
【0022】
このように、比較例におけるセンサネットワークシステムにおいては、複数のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnからそれぞれ個別に伝送されるセンサ情報を一括して蓄積するので、データサーバ側に大容量の記憶領域が必要となり、さらに、記憶領域内に蓄積されたセンサ情報を人工知能や遺伝的アルゴリズムにしたがって分析・判定するので、大量の演算が必要になり、CPUの負荷や処理時間が増大する。
【0023】
(実施形態に係るセンサネットワークシステム)
実施形態に係るセンサネットワークシステムの模式的概念構成は、
図2に例示するように表される。実施形態に係るセンサネットワークシステムは、
図5に例示するように、センサ対象2から情報を検知するセンサ部11と、検知したセンサ情報の一部若しくは全部について少なくとも1データを数値化し、数値化したデータを、状態量を表す抽象化データに演算する演算部12と、抽象化データを、ネットワーク200を介してコントローラノードCNに送信する内部通信部13とを備える複数のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnと、
図6に例示するように、センサ対象2の初期状態時あるいは正常状態時のベクトルデータを予め保存するためのメモリ部24と、複数のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnから個別に送信される抽象化した抽象化データを、ネットワーク200を介して受信する内部通信部21と、受信した抽象化データをベクトルデータ化し、変換後のベクトルデータを、メモリ部24に保存された初期状態時あるいは正常状態時のベクトルデータと比較/演算することでセンサ対象2の状態を判定する演算部22とを備えるコントローラノードCNとを備える。
【0024】
より具体的には、センサ対象2と、センサ対象2に設置されるとともに、例えば、音、照度、角度、加速度、磁気、ジャイロ、温度、湿度、圧力、振動、衝撃、赤外線、運動、ガス、臭いなどのセンサエレメントを備える複数のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnと、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Smart(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、特定小電力近距離無線通信(Wi−SUN:登録商標)などの比較的近距離用のネットワーク200を介して複数のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnからそれぞれ個別に定期的あるいは不定期的に伝送されるセンサ情報を収集するコントローラノードCNとを備える。複数のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnとネットワーク200を介するコントローラノードCNとの接続には、通常無線通信が使用されるが、有線通信も適用可能である。すなわち、複数のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnとネットワーク200を介するコントローラノードCNとの接続の少なくとも一部を有線通信にしてもよい。
【0025】
Wi−SUNは、例えば家庭内やオフィスビルなどの商業施設内への導入が可能である。Wi−SUNは、サブギガヘルツ帯と呼ばれる920MHz前後の周波数の電波で通信する無線通信技術であり、一般家庭用としては、家庭用エネルギー管理システム(HEMS:Home Energy Management System)と家電製品などとを連携させたHEMSネットワークとしてのHAN(Home Area Network)へ適用可能である。商業施設においては、ビル用エネルギー管理システム(BEMS:Building Energy Management System)と設備機器などとを連携させたBEMSネットワークに適用可能である。
【0026】
一方、実施形態に係るセンサネットワークシステムには、自己発電型と称する電池レス無線技術を採用したワイヤレスセンサシステムも適用可能である。EnOcean(登録商標)は、電磁誘導や太陽光などの自然エネルギーを電気エネルギーに変えることによって電力を得る、いわゆるエネルギーハーベスティング(環境発電)を用いた技術であり、電源なしで無線通信を行うことを可能にする。
【0027】
センサ対象2は、例えば、対人通知信号機と灯火のうちのいずれか一方若しくは両方である。ここで、対人通知信号機は、踏切・鉄道信号(鉄道用信号機、遮断機など)、道路信号(信号機など)、航空信号(航空障害灯、飛行場灯火など)、航路信号(灯浮標、標識灯(航路標識)など)を含む。また、灯火は、常備灯、避難誘導灯、非常灯、街路灯などを含む。
【0028】
対人通知信号機や灯火が配置されるのは、例えば、鉄道、道路、空港、港湾、橋梁、ビルディング等の建造物等である。さらに、対人通知信号機や灯火が配置された建造物等に限定されず、大気汚染、森林火災、ワイン醸造品質管理、野外で遊ぶ児童達のケア、スポーツをする人達のケア、スマートフォンの検知、原子力発電所や防衛施設などへの周辺アクセス制御、原子力発電所の放射能レベル検知、電磁界強度レベル制御、交通渋滞などの交通混雑状況の把握、スマート道路、スマート照明、高機能ショッピング、ノイズ環境マップ、船舶の高効率シップメント、水質管理、ごみ処理管理、スマートパーキング、ゴルフコース管理、水漏れ・ガスもれ管理、自動運転管理、都市部における効率的なインフラ配置および管理、および農場など様々な分野を対象とすることができる。
【0029】
各センサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnおよびコントローラノードCNは、電池(例えば、pn接合型太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池、化合物系太陽電池、電気二重層コンデンサ、リチウムイオン電池、など)、環境発電装置などの電源手段をそれぞれ備えることで、電力線等を介して外部から各センサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnおよびコントローラノードCNに電力を供給する必要がなく、それぞれを自律的に運用することができる。したがって、複数のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnおよびコントローラノードCNによる自律分散型のセンサネットワークシステムを構築することができる。
【0030】
各センサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnは、後述するように(
図10を参照)、センサ対象2から情報を検知し(検知処理:S101)、検知したセンサ情報の一部若しくは全部について少なくとも1データを(例えば時系列に)必要に応じてフィルタリングしデジタル数値化して(A/D変換:S102)、数値化されたデータを例えば状態量を表す抽象化データに演算し(信号処理1:S103)、抽象化データを、ネットワーク200を介してコントローラノードCNに送信する(内部通信:S104)。
【0031】
それに対して、コントローラノードCNは、後述するように(
図10を参照)、複数のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnから個別に送信される抽象化データを受信し(内部通信:S201)、受信した抽象化データを集約するとともに(集約処理:S202)、受信した抽象化データを(例えば時系列の)ベクトルデータ化するために変換し(信号処理2:S203)、変換後のベクトルデータを偏差ベクトルのノルムの累計、内積などを用いて比較/演算することでセンサ対象2の状態を判定し(ベクトル判定:S204)、判定したセンサ対象2の状態を、所定の通報先90Aにネットワーク300を介して通知する、あるいは所定の通報先90Bに直接通知する(外部通信:S205)。なお、ベクトル判定(S204)は、動作初期時、再起動時、定期更新などのタイミングで予めコントローラノードCNに保存しておいたセンサ対象2の初期状態時あるいは正常状態時のベクトルデータと、信号処理2(S203)において変換されたベクトルデータとを比較して演算することにより行われる。ここで、初期状態時あるいは正常状態時のベクトルデータは、例えば、数回(例えば5回程度)のサンプリングの平均値を用いてもよい。
【0032】
また、コントローラノードCNは、不図示のクラウドコンピューティングシステム80にも接続可能であり、センサ対象2の初期状態時あるいは正常状態時のベクトルデータや、判定したセンサ対象2の状態を示すデータなどを、クラウドコンピューティングシステム80にアップロードしたり、クラウドコンピューティングシステム80からダウンロードしたりすることもできる。
【0033】
なお、詳細は後述するが、信号処理1(S103)は、各センサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnが実行する代わりに、コントローラノードCNが実行するように構成することもできる。
【0034】
また、検知したセンサ情報の種類毎にベクトルデータを生成してもよい。
【0035】
実施形態に係るセンサネットワークシステムにおいては、複数のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnを用いて収集した時系列データを例えば状態量を表すデータに抽象化して、さらに例えば時系列のベクトルデータに変換する。変換処理方法としては、信号の規格化、関数変換、短時間のピークホールド/メジアンフィルタ、周波数領域での差分処理若しくはそのRMSなどによる数値化や量子化、条件分けによる分岐や事前の値による状況判定処理などが挙げられる。
【0036】
また、各センサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnを用いて収集したデータを抽象化することで、データ量を削減することができる。
【0037】
このベクトルデータを動作初期時、再起動時、定期更新などのタイミングで、初期状態時あるいは正常状態時のベクトルデータとしてコントローラノードCNに保存しておき、必要に応じて、新たな出力系列(新たに検知して変換したベクトルデータ)と比較しながらリアルタイムに演算を行う。時系列データの先頭の値から現在の値までを比較する場合は、時系列挙動全体の判定(傾向判定)、現在値に近いデータのみの比較から、突発異常の検知が可能である。
【0038】
また、複数の時系列ベクトルデータを作成することにより、様々な異常に対して反応しやすい時系列データを複数同時に検証することができる。ベクトルデータの比較方法としては、偏差ベクトルのノルムの累計、内積などを用いることができ、それによる計算量は、遺伝的アルゴリズムや人工知能による演算量に比べて圧倒的に少ない。
【0039】
このように、スマートセンサやセンサフュージョンなどの複数センサをもつセンサノードSNを有する実施形態に係るセンサネットワークシステムにおいて、計算量の少ないアルゴリズムで、時系列の事象に対して、容易且つ高精度に異常判定できることから、シーケンサなどによる機器の動きなどを監視することに適したセンサネットワークシステムを実現することができる。
【0040】
したがって、センサノードSN群を制御するコントローラノードCNに実装されたCPUやMPUなどにより判定を行うことができるため、自律型のセンサネットワークシステム(例えば異常判定システム)の構築が容易となる。
【0041】
また、パソコンやスマートフォン、クラウドコンピューティングシステム80など上位に接続するセンサネットワークシステムの場合は、1次の異常判定をセンサネットワークシステム内のコントローラノードCNなどで実施することができるため、異常発生時や定期的若しくは任意の診断時など、通常時のデータ伝送を避け、必要な場合のみに生データをクラウドコンピューティングシステム80などの上位にアップロードすればよく、通常の通信負荷や上位側の演算負荷、データ容量などを低減することができる。
【0042】
(変形例1)
実施形態に係るセンサネットワークシステムの変形例1の模式的概念構成は、
図3に例示するように表される。
【0043】
実施形態に係る変形例1のセンサネットワークシステムにおいては、複数種類のセンサノードSN1・SN2・SN3・SN4・SN5・SN6・SN7・…・SNn−1・SNnがセンサ対象2に設置される。
【0044】
より具体的には、第1の種類のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnと、第2の種類のセンサノードSN4・SN6と、第3の種類のセンサノードSN5・SN7とセンサ対象2に設置される。例えば、第1の種類のセンサノードSN1・SN2・SN3・…・SNn−1・SNnは、音量を検知する音センサ(例えばSiマイクロホン)であり、第2の種類のセンサノードSN4・SN6は、照度を検知する光(フォト)センサであり、第3の種類のセンサノードSN5・SN7は、物体の加速度を検知する加速度センサである。
【0045】
なお、センサノードSNの種類は、3種類に限らず、2種類であってもよいし、4種類以上であってもよい。また、種類毎に複数個のセンサノードSNが設置されてもよいし、単数のセンサノードSNが設置されてもよい。
【0046】
上記以外の各部の構成は、
図2に例示した実施形態に係るセンサネットワークシステムの各部の構成と同様である。
【0047】
(変形例2)
実施形態に係るセンサネットワークシステムの変形例2の模式的概念構成は、
図4に例示するように表される。
【0048】
実施形態に係る変形例2のセンサネットワークシステムにおいては、複数のセンサノードSN1・SN4が集積化センサノードISN1に集積化されており、複数のセンサノードSN3・SN5・SN6が集積化センサノードISN2に集積化されている。
【0049】
例えば、集積化センサノードISN1に集積化されているのは、第1の種類(例えば音センサ)のセンサノードSN1と、第2の種類(例えば光センサ)のセンサノードSN4とであり、集積化センサノードISN2に集積化されているのは、第1の種類(例えば音センサ)のセンサノードSN3と、第2の種類(例えば光センサ)のセンサノードSN6と、第3の種類(例えば加速度センサ)のセンサノードSN5とである。
【0050】
なお、集積化されるセンサノードSNの種類の数は、2種類や3種類に限らず、4種類以上であってもよいし、1種類の複数個のセンサノードSNが集積化されてもよい。また、種類毎に複数個のセンサノードSNが集積化されてもよい。
【0051】
上記以外の各部の構成は、
図2に例示した実施形態に係るセンサネットワークシステムの各部の構成と同様である。
【0052】
なお、変形例1,2に例示したように、複数種類のセンサノードSNを用いて複数種類の検知データを取得し、それらの検知データを組み合わせて、センサ対象2の状態を判定に用いることで、判定の精度を向上させることができる。
【0053】
(センサノード)
実施の形態に係るセンサネットワークシステムに適用可能なセンサノードSNの模式的ブロック構成は、
図5に例示するように表される。実施の形態に係るセンサネットワークシステムに適用可能なセンサノードSNは、
図5に例示するように、センサ対象2から情報を検知するセンサ部11と、検知したセンサ情報の一部若しくは全部について少なくとも1データを例えば時系列に数値化して、数値化したデータを例えば状態量を表す抽象化データに演算する演算部12と、抽象化データを、ネットワーク200を介してコントローラノードCNに送信する内部通信部13と、検知したセンサ情報等を記憶するメモリ部14と、センサノードSN内に電力を供給する電源部15とを備える。
【0054】
センサ部11は、対人通知信号機や灯火などのセンサ対象2から情報を検知するセンサエレメントであり、例えば、音、照度、角度、加速度、磁気、ジャイロ、温度、湿度、圧力、振動、衝撃、赤外線、運動、ガス、臭いなどのセンサエレメントである。センサ部11は、音、照度、角度、加速度、磁気、ジャイロ、温度、湿度、圧力、振動、衝撃、赤外線、運動、ガス、臭いなどのうち、複数個若しくは複数種類のセンサエレメント、又は複数個で且つ複数種類のセンサエレメントであってもよい。また、抽象化データは、後述するように、検知現象毎に複数種類生成されてもよい。
【0055】
演算部12は、センサ部11が検知したセンサ情報を数値化して、数値化したデータを、状態量を表す抽象化データに演算する演算ユニット(中央演算制御装置{CPU}や超小型演算処理装置{MPU}など)である。
【0056】
メモリ部14は、検知したセンサ情報等を記憶するための記憶手段である。メモリ部14には、ROM/RAM、フラッシュメモリ、磁気記憶装置(ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクなど)、光記憶装置、光磁気記憶装置、不揮発性ロジックなどのストレージ装置を用いることができる。
【0057】
内部通信部13は、コントローラノードCNとの通信手段であり、抽象化データを、ネットワーク200を介してコントローラノードCNに送信するための通信手段である。ネットワーク200としては、例えば、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Smart(登録商標)、Wi−SUN(登録商標)などの比較的近距離用の無線ネットワーク手段が用いられるが、有線ネットワーク手段を採用してもよい。
【0058】
電源部15は、電池(例えば、pn接合型太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池、化合物系太陽電池、電気二重層コンデンサ、リチウムイオン電池、など)、環境発電装置などのいずれか1つ若しくは複数種類の電源手段である。電源部15を備えることで、電力線等を介して外部から各センサノードSNに電力を供給する必要がなく、各センサノードSNを自律的に運用することができる。
【0059】
(コントローラノード)
実施の形態に係るセンサネットワークシステムに適用可能なコントローラノードCNの模式的ブロック構成は、
図6に例示するように表される。実施の形態に係るセンサネットワークシステムに適用可能なコントローラノードCNは、
図6に例示するように、センサ対象2の初期状態時あるいは正常状態時のベクトルデータを動作初期時、再起動時、定期更新などのタイミングで予め保存するためのメモリ部24と、複数のセンサノードSNから個別に送信される、センサ対象2の検知データを抽象化した抽象化データを、ネットワーク200を介して受信する内部通信部21と、受信した抽象化データ少なくとも1データを(例えば時系列の)ベクトルデータ化し、変換後のベクトルデータを、偏差ベクトルのノルムの累計、内積などを用いて、メモリ部24に保存された初期状態時あるいは正常状態時のベクトルデータと比較/演算することでセンサ対象2の状態を判定する演算部22と、演算部22によって判定されたセンサ対象2の状態を、所定の通報先90Aにネットワーク300を介して通知する、あるいは所定の通報先90Bに直接通知する外部通信部23と、コントローラノードCN内に電力を供給する電源部25とを備える。なお、内部通信部21は、センサ対象2の抽象化前の検知データを複数のセンサノードSNの少なくとも1つから受信し、演算部22は、受信した検知データを、状態量を表す抽象化データに演算するように構成されても良い。
【0060】
内部通信部21は、センサノードSNとの通信手段であり、複数のセンサノードSNから個別に送信される抽象化データを、ネットワーク200を介して受信する。ネットワーク200としては、例えば、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Smart(登録商標)、Wi−SUN(登録商標)などの比較的近距離用の無線ネットワーク手段が用いられるが、有線ネットワーク手段を採用してもよい。
【0061】
演算部22は、受信した抽象化データを例えば時系列のベクトルデータ化し、変換後のベクトルデータを偏差ベクトルのノルムの累計、内積などを用いて比較/演算することでセンサ対象2の状態を判定する演算ユニット(中央演算制御装置{CPU}や超小型演算処理装置{MPU}など)である。また、このベクトルデータは、各センサノードSNによる検知現象毎に複数種類生成されてもよい。
【0062】
外部通信部23は、演算部22によって判定されたセンサ対象2の状態を、所定の通報先90Aにネットワーク300を介して通知する、あるいは所定の通報先90Bに直接通知するための通信手段である。ネットワーク300としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、インターネットなどの遠距離用のネットワーク手段を採用してもよい。
【0063】
メモリ部24は、センサ対象2の初期状態時あるいは正常状態時のベクトルデータを動作初期時、再起動時、定期更新などのタイミングで予め保存するための記憶手段である。メモリ部24には、ROM/RAM、フラッシュメモリ、磁気記憶装置(ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクなど)、光記憶装置、光磁気記憶装置、不揮発性ロジックなどのストレージ装置を用いることができる。
【0064】
電源部25は、電池(例えば、pn接合型太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池、化合物系太陽電池、電気二重層コンデンサ、リチウムイオン電池、など)、環境発電装置などの電源手段である。電源部25を備えることで、電力線等を介して外部からコントローラノードCNに電力を供給する必要がなく、各センサノードSNを自律的に運用することができる。無線給電や配線による給電を行ってもよい。
【0065】
(センサノードとコントローラノードとの接続例1)
実施の形態に係るセンサネットワークシステムに適用可能なセンサノードSNとコントローラノードCNとの接続例1の模式的ブロック構成は、
図7に例示するように表される。
図7に示す接続例1では、複数個(あるいは複数種類)のセンサノードSN1・…・SNnをコントローラノードCNに接続させた例を示している。この場合、各センサノードSN1・…・SNnの内部通信部13が、コントローラノードCNの内部通信部21にそれぞれ接続される。
【0066】
なお、
図7において、各ブロックを結ぶ細線は、制御の流れを例示し、各ブロックを結ぶ太線は、データの流れを例示する。
【0067】
(センサノードとコントローラノードとの接続例2)
実施の形態に係るセンサネットワークシステムに適用可能なセンサノードSNとコントローラノードCNとの接続例2の模式的ブロック構成は、
図8に例示するように表される。
図8に示す接続例2では、複数個(あるいは複数種類)のセンサノードSN1およびSN4を集積化した集積化センサノードISN1を、コントローラノードCNに接続させた例を示している。この場合、集積化センサノードISN1内の各センサノードSN1・…・SNnの内部通信部13が、コントローラノードCNの内部通信部21にそれぞれ接続される。
【0068】
なお、
図8において、各ブロックを結ぶ細線は、制御の流れを例示し、各ブロックを結ぶ太線は、データの流れを例示する。
【0069】
(センサノードとコントローラノードとの接続例3)
実施の形態に係るセンサネットワークシステムに適用可能なセンサノードSNとコントローラノードCNとの接続例3の模式的ブロック構成は、
図9に例示するように表される。
図9に示す接続例3では、複数個(あるいは複数種類)のセンサノードSNのセンサ部11A、11B,11Cを集積化センサノードISN2に集積化しているが、センサ部11以外の演算部12、内部通信部13、メモリ部14、および電源部15については、集積化センサノードISN2内部で共用化しており、集積化センサノードISN2内の内部通信部13が、コントローラノードCNの内部通信部21に接続される。
【0070】
なお、
図9において、各ブロックを結ぶ細線は、制御の流れを例示し、各ブロックを結ぶ太線は、データの流れを例示する。
【0071】
(センサノードとコントローラノードの処理手順例1)
実施の形態に係るセンサネットワークシステムに適用可能なセンサノードSNとコントローラノードCNの処理手順例1は、
図10に例示するように表される。
【0072】
図10に例示するように、複数のセンサノードSN1・…・SNnは、センサ対象2から情報を検知し(検知処理:S101)、検知したセンサ情報を例えば時系列に必要に応じてフィルタリングしデジタル数値化して(A/D変換:S102)、数値化されたデータを例えば状態量を表す抽象化データに演算し(信号処理1:S103)、抽象化データを、ネットワーク200を介してコントローラノードCNに送信する(内部通信:S104)。
【0073】
それに対して、コントローラノードCNは、複数のセンサノードSN1・…・SNnから個別に送信される抽象化データを受信し(内部通信:S201)、受信した抽象化データを集約するとともに(集約処理:S202)、受信した抽象化データを例えば時系列のベクトルデータ化するために変換し(信号処理2:S203)、変換後のベクトルデータを偏差ベクトルのノルムの累計、内積などを用いて比較/演算することでセンサ対象2の状態を判定し(ベクトル判定:S204)、判定したセンサ対象2の状態を、所定の通報先90Aにネットワーク300を介して通知する、あるいは所定の通報先90Bに直接通知する(外部通信:S205)。なお、ベクトル判定(S204)は、動作初期時、再起動時、定期更新などのタイミングで予めコントローラノードCNに保存しておいたセンサ対象2の初期状態時あるいは正常状態時のベクトルデータと、信号処理2(S203)において変換されたベクトルデータとを比較して演算することにより行われる。
【0074】
(センサノードとコントローラノードの処理手順例2)
実施の形態に係るセンサネットワークシステムに適用可能なセンサノードSNとコントローラノードCNの処理手順例2は、
図11に例示するように表される。
図11に例示する処理手順例2においては、必要に応じてフィルタリングしA/D変換(S102)において数値化されたデータを、状態量を表すデータに抽象化する信号処理1(S103)を、各センサノードSN1・…・SNnの演算部12が実行する代わりに、コントローラノードCNの演算部22が実行するようにした点で、
図10に例示した処理手順例1と相違する。
【0075】
図11に例示した処理手順例2によれば、各センサノードSN1・…・SNnの演算部22の負荷を軽減することができる。
【0076】
(応用例:踏切監視システム)
実施の形態に係るセンサネットワークシステムを適用可能な踏切監視システムの模式的概念構成は、
図12に例示するように表される。
【0077】
図12に例示するように、踏切監視システムは、センサ対象2である踏切設備として、踏切警報機30と、遮断機40と、線路(レール)42とを備える。踏切警報機30は、警報音発生器(スピーカ)31と、警報灯32と、方向表示器33とを備え、遮断機40は、遮断桿41を備える。
【0078】
スピーカ31には、スピーカ31から発せられる警報音(音量)を検知する音センサ(例えばSiマイクロホン)を備えたセンサノードSN11が設置される。また、警報灯32には、警報灯32から発せられる赤色灯火の照度を検知するフォトセンサを備えたセンサノードSN12が設置され、方向表示器33にも、接近する列車の進行方向を表示する矢印光の照度を検知するフォトセンサを備えたセンサノードSN13が設置される。
【0079】
また、遮断桿41には、列車接近時に道路を遮断するための遮断桿41の3軸加速度を検知する加速度センサを備えたセンサノードSN14と遮断桿41の3軸角度を検知する角度センサを備えたセンサノードSN15、磁場変動により車体や車両を検知するセンサノードSN16とが集積化された集積化センサノードISN3が設置される。
【0080】
さらに、線路42のレール間には、線路42を通過する車両(図示せず)と車体や車両による磁場の歪を検知する磁気センサを備えたセンサノードSN17が設置される。同様に、例えば上下線などの複線の場合、別の線路42(図示せず)のレール間には、磁気センサを備えたセンサノードSN18が設置される。
【0081】
図12に例示した踏切監視システムのセンサ対象2の各部に設置するセンサノードSNは、センサ対象2の各部の近傍、センサ対象2の各部の内部、若しくはセンサ対象2の各部の外部に適宜設置することができる。例えば、警報灯32に設置されるセンサノードSN12は、警報灯32のセードやカバーの内側など、警報灯32の筐体内部に設置してもよい。
【0082】
実施の形態に係るセンサネットワークシステムを適用した踏切監視システムのセンサ対象2の各部に設置されるセンサノードSNと、各センサノードSNによる検知事象の一例を表1に示す。各センサノードSN11・…・SN18のセンサ素子(センサ部11)は、複数の物理量を計測できるものを1つのノードに同梱(集積化)してもよい。例えば、前述の遮断桿41の例では、3軸加速度と3軸角度とを組み合わせて集積化した集積化センサノードISN3が遮断桿41に設置される。
【0084】
センサノード群(センサノードSN11・…・SN18)によって取得されたデータは、ネットワーク200(直接無線通信、ホッピング通信、有線など)を介してコントローラノードCNに送信されてコントローラノードCN内に集約・保存される。
【0085】
コントローラノードCNに送られる各信号は、平滑化処理(短時間のピークホールド/メジアンフィルタ)されて、例えば警報灯32の場合は点滅信号の点滅によらない持続信号(状態量)に変換される。さらに、点滅信号は、必要に応じてOn/Offの持続時間観測やピッチ検知(例えば0.5秒)などによって検証されてもよい。なお、平滑処理は、上述したように、コントローラノードCNに送られる前に各センサノードSN11・…・SN18内で実行してもよいし、あるいはコントローラノードCNに送られた後にコントローラノードCN内で実行してもよい。
【0086】
図12に例示した踏切監視システムに適用したセンサネットワークシステムで感知した音量データの原信号の時系列データ例は、
図13(a)に示すように模式的に表され、
図13(a)の原信号を信号処理して状態量に変換したデータ例は、
図13(b)に示すように模式的に表される。また、
図12に例示した踏切監視システムに適用したセンサネットワークシステムで感知した照度データの原信号の時系列データ例は、
図14(a)に示すように模式的に表され、
図14(a)の原信号を信号処理して状態量に変換したデータ例は、
図14(b)に示すように模式的に表される。また、
図12に例示した踏切監視システムに適用したセンサネットワークシステムで感知した角度データの原信号の時系列データ例は、
図15(a)に示すように模式的に表され、加速度データの原信号の時系列データ例は、
図15(b)に示すように模式的に表され、
図15(a)および(b)の原信号を信号処理して状態量に変換したデータ例は、
図15(c)に示すように模式的に表される。また、
図13〜
図15にそれぞれ例示した状態量に変換したデータを重ねて表示した例は、
図16に示すように模式的に表される。
図16において、平滑化波形SV1は、
図13(b)に例示した音量データの変換信号、平滑化波形SV2は、
図14(b)に例示した照度データの変換信号、平滑化波形SV3は、
図15(c)に例示した遮断桿の状態の変換信号にそれぞれ対応する。
【0087】
また、
図12に例示した踏切監視システムに適用したセンサネットワークシステムで感知した各データを抽象化して重ねて表示した例は、
図17に示すように模式的に表される。
【0088】
図17に例示するように、時刻T1において、警報灯32の点滅開始と方向表示器33の点灯開始がセンサノードSN12・SN13によってそれぞれ検知され始める(平滑化波形SV11)。その後、時刻T2において、警報音発生器31から警報音の出力開始がセンサノードSN11によって検知され始める(平滑化波形SV12)。
【0089】
さらに、時刻T3において遮断桿41の閉動作の開始が集積化センサノードISN3によって検知され(平滑化波形SV13−1)、時刻T4において遮断桿41の閉動作の停止(遮断桿41が閉じられた状態)が集積化センサノードISN3によって検知される(平滑化波形SV13−2)までの間(期間P1)遮断桿41の閉動作が検知され続ける。
【0090】
時刻T4において遮断桿41が完全に閉じられた後、時刻T5において、列車が進入可能であることを列車の運転士などに示す踏切非常警報灯(図示せず)の発光開始が不図示のフォトセンサノードによって検知され始める(平滑化波形SV14)。
【0091】
その後、時刻T6において列車の接近・通過がセンサノードSN17・SN18のいずれか若しくは両方によって検知され始め、時刻T7において列車が通過し終わるのをセンサノードSN17・SN18のいずれか若しくは両方によって検知されるまで、列車が通過している状態が検知され続ける(平滑化波形SV15)。
【0092】
時刻T7において列車が通過し終わった後、時刻T8において遮断桿41の開動作の開始が集積化センサノードISN3によって検知され(平滑化波形SV13−3)、時刻T9において遮断桿41の開動作の停止(遮断桿41が開かれた状態)が集積化センサノードISN3によって検知される(平滑化波形SV13−4)までの間(期間P2)遮断桿41の開動作が検知され続ける。なお、T6からT7の区間は踏切の動作との時間ずれが起こりうるため、判定ベクトルを分離して扱ったり、T6やT7の検知で時間軸をドリフトさせたりするなどの手法を用いる。
【0093】
時刻T9において遮断桿41が完全に開かれた後、時刻T10において、踏切非常警報灯の発光停止が不図示のフォトセンサノードによって検知される(平滑化波形SV14)。
【0094】
その後、時刻T11において、警報音発生器31から警報音の出力停止がセンサノードSN11によって検知される(平滑化波形SV12)。さらに時刻T12において、警報灯32の点滅停止と方向表示器33の点灯停止がセンサノードSN12・SN13によってそれぞれ検知される(平滑化波形SV11)。
【0095】
ここで、
図12に例示したセンサネットワークシステムの一部のセンサノードSN11によって検知した部分的な時系列データ例は、
図18(a)に示すように模式的に表され、
図18(a)に例示した時系列データを抽象化したデータ例は、
図18(b)に示すように模式的に表され、予め保存しておいた初期/正常状態時の時系列ベクトル化データ例は、
図18(c)に示すように模式的に表され、
図18(b)に例示した抽象化データを時系列ベクトル化したデータ例は、
図18(d)に示すように模式的に表され、
図18(c)および
図18(d)に例示した時系列ベクトル化データを基にセンサ対象の状態を判定するための判定波形の例は、
図18(e)に示すように模式的に表される。
【0096】
コントローラノードCNの演算部22は、
図13〜
図17、および
図18(b)に例示したような時系列に抽象化された各データを経過時間毎にベクトル化し(
図18(d))、予めメモリ部24に保存しておいたセンサ対象2の初期/正常状態時のベクトルデータ(
図18(c))と経過時間毎にベクトル比較して、例えば残差を累積し、その推移をモニタすることで、センサ対象2の状態(
図18(e))を判定することができる。
【0097】
例えば、
図18(a)は、センサノードSN11によって検知される警報音発生器31からの警報音の発生波形を例示しており、この波形を信号処理(
図18(b)の例ではピークホールドと量子化)によって状態量に変換(平滑化)した波形が
図18(b)の変換信号(鳴動)に対応する。同様にして、センサノードSN12/SN13によって検知された閃光灯の発生波形や集積化センサノードISN3によって検知された遮断桿41の発生波形をそれぞれ抽象化した波形が、
図18(b)の変換信号(閃光灯)や変換信号(遮断棹)にそれぞれ対応する。
【0098】
また、
図18(c)に例示した初期/正常状態時の時系列ベクトル化データ(鳴動)と、
図18(d)に例示した抽象化を時系列ベクトル化したデータ(鳴動)とを経過時間毎に比較(ベクトル判定)した結果が
図18(e)に例示した判定波形に対応する。
【0099】
また、
図18(e)において、判定波形DW2は、異常が発生し鳴動しなかった場合(予め保存しておいた初期/正常時のベクトル化データとの相違がある場合)に対応し、判定波形DW1は、正常に動作している場合(予め保存しておいた初期/正常時のベクトル化データに近い場合)に対応する。この例では、
図18(d)の時刻T21、T22、T23の鳴動データに異常(データの欠損)が発生しているので、判定波形DW1とDW2との間には、
図18(e)に例示するような差が生じる。
【0100】
ここで、コントローラノードCNの演算部22が実行するベクトル判定で用いる指標の例を、以下の(1)〜(5)に例示する。
【0107】
本実施形態のように、規則性の高い時系列パターンをもつ信号については、取り込んだ時系列パターンと初期/正常動作時のパターンと判定すればよいが、規則性の低い信号の場合は、正常時に取りうるベクトルを複数抽出(基準ベクトル群)し、最新のベクトルと基準ベクトル群全てとの間でベクトル比較を行い、最も近傍の基準ベクトルとの間で正常/異常判定を行えばよい。
【0108】
本実施形態でのデータを用いて説明すると、基準ベクトル(点滅,鳴動,遮断桿)は、
b1.(0,0,0), b2.(8,8,0), b3.(8,8,5), b4.(8,8,8), b5.(8,7,8), b6.(0,0,6)
で与えられる。例えば、
図18(d)に例示したように、警報音発生器31(鳴動)の時刻T21、T22、T23のデータに異常(例えば故障)がある場合、その信号のベクトルは、時系列順に
s1.(0,0,0), s2.(8,0,0), s3.(8,0,5), s4.(8,0,8), s5.(8,0,8), s6.(0,0,6), s7.(0,0,0)
と、推移していく。このことから、例えば重み付けなしのマンハッタン距離で判定する場合、s2からの基準ベクトルへの距離は、b1からb6に順番に8,8,13,16,15,14であり、この場合近傍のベクトルは、b1若しくはb2(本来の比較対象)であり、残渣は8となる。同様にs3からの距離は、13,13,8,11,10,9であり、b3が近傍であることが分かり、かつ残渣が8と大きいため正常からの乖離すなわち異常の判定ができる。
【0109】
以上説明したように、本実施形態によれば、スマートセンサやセンサフュージョンなどの複数センサを有するセンサネットワークシステムにおいて、計算量の少ないアルゴリズムで、時系列の事象に対して容易で且つ高精度に異常判定を行うことができるセンサノード、コントローラノード、センサネットワークシステム、およびその動作方法を提供することができる。
【0110】
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態について記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0111】
このように、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。