(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記静電容量検出回路は、前記入出力端子の前記基板との非接続時における静電容量値を基準値として記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項4に記載の集積回路装置。
前記静電容量検出回路は、前記入出力端子の前記基板との非接続時における静電容量値を基準値として設定する設定部を備えることを特徴とする請求項4に記載の集積回路装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
なお、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0017】
(比較例)
まず、比較例としてICの接続異常を検査可能な検査システムについて簡単に説明する。なお、ここで言う接続異常とは、ICの故障以外の、例えば振動などによりICやICのI/O端子の一部が基板上の配線パターンから剥がれたり、剥がれかけているような異常状態を指す。
【0018】
比較例に係る検査システムは、
図1に示すように、被検査対象の集積回路(ICA)100とは別の集積回路(ICB)200を用い、ICA100が正常に動作するか否かの動作確認(OPR)をICB200が内蔵するICA100用の診断回路220によりチェックすることによって、接続異常がないかどうかを診断するものであった。
【0019】
この検査システムの場合、ICA100が内蔵する自己診断回路120とは別に、ICB200にもICA100用の診断回路220が必要である。しかも、診断回路220では、ICA100またはICB200のどっちで接続異常が起きているのかまでは診断できない。
【0020】
[基本構成]
本実施の形態に係るICA(被検査対象の集積回路装置)12の模式的ブロック構成は、
図2に示すように表される。
【0021】
本実施の形態に係るICA12は、
図2に示すように、基板(図示省略)上に実装されることによって基板回路10と接続される入出力(I/O)端子16と、I/O端子16に接続された内部回路140および検出回路(静電容量検出回路)160とを備える。基板回路10とは、基板や配線の寄生抵抗や寄生容量を機能ブロック化して示すもので、基板自体であっても良い。内部回路140は、ICA12が備える本来の機能をブロック化して示すものである。
【0022】
基板としては、例えば、銅箔層とエポキシ樹脂層と銅箔層との接合体からなる、CEM3、FR4、FR5などのプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)であっても良いし、フレキシブルプリント配線基板(FPC:Flexible Printed Circuits)などであっても良い。若しくは、セラミック基板やDBC(Direct Bonding Copper)基板、DBA(Direct Brazed Aluminum)基板、或いはAMB(Active Metal Brazed,Active Metal Bond)基板などであっても良い。
【0023】
検出回路160は、基板回路10とICA12とが接続されることによって、I/O端子16につながる静電容量Cpを検出する。検出回路160は、静電容量Cpを検出できた場合に接続異常なし、例えば振動などによりICA12やI/O端子16の一部が基板上の配線パターンから剥がれたり、剥がれかけているような異常は発生していないと自己診断する。逆に、静電容量Cpを検出できない場合に、検出回路160は、接続異常ありと自己診断する。ここで、I/O端子16につながる静電容量Cpの他方の電極は、
図2中では接続先を示していないが、実施形態により接地またはICA12の別のI/Oに接続される。
【0024】
すなわち、本実施の形態に係る集積回路装置12は、入出力端子16と、入出力端子16に接続された内部回路140と、基板10上への実装に伴って、入出力端子16につながる静電容量Cpを検出する静電容量検出回路160とを備え、静電容量検出回路160は、検出した静電容量Cpに基づいて、基板10との接続異常を自己診断する。
【0025】
なお、ICA12としては、自身(例えば、内部回路140)の故障を検出する自己診断回路を内蔵するようにしても良い。また、検出回路160の故障を検出する自己診断回路を内蔵するようにしても良い。
【0026】
本実施の形態に係るICAによれば、別のICを用いたりすることなく、ICAの基板との接続異常を自己診断できるようになる。したがって、ICAを特に車載用とした場合においては、高性能化・高機能化と共に、ICAの接続異常などについても一層の安全性を確保できるようになる。
【0027】
なお、検出回路160において、静電容量Cpを検出する方式には、自己容量方式(SELF capacitance方式)と相互容量方式(MUTUAL capacitance方式)の2つがあり、どちらの方式も採用可能である。
【0028】
以下に、自己容量方式によって静電容量Cpを検出する第1の実施の形態と、相互容量方式によって静電容量Cmを検出する第2の実施の形態について詳細に説明する。
【0029】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態に係るICA(被検査対象の集積回路装置)12Aの正常動作時の模式的ブロック構成は、
図3に示すように表される。
【0030】
第1の実施の形態に係るICA12Aは、
図3に示すように、自己容量方式の静電容量検出回路180を備えたものであって、それ以外の構成は、
図2に示したICA12と実質的に同様であるため、詳しい説明は省略する。また、第1の実施の形態に係るICA12Aにおいては、便宜上、I/O端子16の個数を1とした場合を例に説明する。
【0031】
自己容量方式の静電容量検出回路180は、静電容量Cpとして、I/O端子16につながる基板回路10の寄生容量を検出するもので、
図3に示すように、寄生容量Cpを検出できた場合には、接続異常なしと自己診断する。
【0032】
これに対し、
図4に示すように、I/O端子16に基板回路10の寄生容量Cpが接続されていないと、寄生容量Cpを検出できないため、静電容量検出回路180は、接続異常ありと自己診断する。
【0033】
(自己診断方法)
次に、第1の実施の形態に係るICA12Aにおいて、接続異常を自己診断する際の方法について具体的に説明する。
【0034】
第1の実施の形態に係る集積回路装置の自己診断方法の動作説明のための模式的ブロック構成は、
図5に示すように表される。
【0035】
接続異常の自己診断を可能にするため、ICA12Aは、
図5に示すように、内部回路140とI/O端子16との接続を切り替える第1のスイッチ(SW)22と、静電容量検出回路180とI/O端子16との接続を切り替える第2のスイッチ(SW)24とを、さらに備える。
【0036】
静電容量検出回路180は、スイッチ22・24を制御するスイッチ制御回路(図示省略)を備える。また、静電容量検出回路180は、ICA12Aの単体でのI/O端子16に対する容量値Coを保持する記憶回路(図示省略)を備えるものであっても良い。容量値Coとは、寄生容量Cpが接続されていない非接続時におけるI/O端子16の容量値であって、接続異常を自己診断する際の基準値となる。なお、容量値Coを基準値として設定可能な設定回路(図示省略)を備えるようにしても良い。
【0037】
さらに、静電容量検出回路180は、図示していない放電回路と充電回路とを備え、寄生容量Cp内の電荷を放電させるディスチャージ動作と、寄生容量Cp内に電荷を充電するチャージ動作とを実行可能となっている。
【0038】
―自己診断方法のフローチャート―
第1の実施の形態に係る集積回路装置の自己診断方法を示すフローチャートは、
図6に示すように表される。
【0039】
静電容量検出回路180による、ICA12Aの接続異常の自己診断は、例えば
図6のフローチャートに示すように行われる。
(a)まず、ステップST1において、静電容量検出回路180は、I/O端子16の非接続時の容量値C0を保持または設定する。
(b)次いで、ステップST2において、自己診断中は、第1のスイッチ22をオフし、第2のスイッチ24をオンさせて、静電容量検出回路180がI/O端子16に接続されるようにする。
(c)次いで、ステップST3において、静電容量検出回路180は、ディスチャージ動作によって寄生容量Cp内の電荷を放電させる。
(d)次いで、ステップST4において、静電容量検出回路180は、チャージ動作によって寄生容量Cp内に電荷を充電させる。
(e)次いで、ステップST5において、静電容量検出回路180は、I/O端子16につながる基板回路10の寄生容量Cpの電荷量を検出する。そして、ステップST6において、静電容量検出回路180は、検出した寄生容量Cpの電荷量と容量値C0との差分(Cp−C0)が、予め設定される、ある閾値よりも大きい場合に正常(接続異常なし)、小さい場合に接続異常ありと診断する。
【0040】
すなわち、第1の実施の形態に係る集積回路装置12Aの自己診断方法は、基板10上に実装され、入出力端子16と基板10の寄生容量Cpとの非接続時における入出力端子16の静電容量値を基準値C0として予め保持するステップと、内部回路140と入出力端子16とを接続する第1のスイッチ22をオフすると共に、静電容量検出回路180と入出力端子16とを接続する第2のスイッチ24をオンするステップと、寄生容量Cpにおける電荷を放電させるステップと、寄生容量Cpに電荷を充電させるステップと、寄生容量Cpの電荷量を検出し、検出した電荷量と予め保持する基準値C0とに基づいて、基板10との接続異常を自己診断するステップとを有する。
【0041】
なお、閾値を複数の異なるレベルとすることにより、ICA12AやI/O端子16の剥がれかけの程度に応じた診断ができるようにしても良い。
【0042】
ここで、I/O端子16が入力専用である場合、寄生容量Cpのチャージ動作およびディスチャージ動作ができないため、静電容量検出回路180の検出値が最大値または最小値となる。すなわち、ハイ(H)レベル信号がI/O端子16に入力されれば、静電容量検出回路180によって検出される電荷量は最大値となり、また、ロウ(L)レベル信号がI/O端子16に入力されれば、静電容量検出回路180によって検出される電荷量は最小値となる。また、I/O端子16の入力がハイインピーダンス(Hi−z)ならば、寄生容量Cpとなる。
【0043】
以上のようにして、自己診断が終了すると、静電容量検出回路180は、接続異常がなければ第2のスイッチ24をオフし、第1のスイッチ22をオンさせて、内部回路140がI/O端子16に接続されるようにする。
【0044】
これに対し、例えば接続異常ありと診断された場合には、補修処理や、より精密な検査が行われる、若しくは廃棄処理されることになる。
【0045】
第1の実施の形態に係るICA12Aにおいては、別のICを用いたりすることなく、ICA12Aの基板回路10との接続異常を自己診断可能となるため、車載用とした場合においても一層の安全性を確保できる。
【0046】
なお、自己容量方式の場合、配線抵抗(R)や配線容量(C)の影響を受けやすいため、比較的に小型の集積回路に用いて好適である。
【0047】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係るICA(被検査対象の集積回路装置)12Bの正常動作時の模式的ブロック構成は、
図7に示すように表される。
【0048】
第2の実施の形態に係るICA12Bは、
図7に示すように、相互容量方式の静電容量検出回路280を備えたものであって、I/O端子30・32間の相互容量Cmに基づいて接続異常を自己診断するように構成されている。それ以外の構成は、
図2に示したICA12と実質的に同様であるため、詳しい説明は省略する。また、第2の実施の形態に係るICA12Bにおいては、便宜上、I/O端子30・32の個数を2とした場合を例に説明する。
【0049】
相互容量方式の静電容量検出回路280は、静電容量Cmとして、I/O端子30・32につながる基板回路10の端子間の相互容量を検出するもので、
図7に示すように、相互容量Cmを検出できた場合には、接続異常なしと自己診断する。
【0050】
これに対し、
図8に示すように、I/O端子30・32に基板回路10の相互容量Cmが接続されていないと、相互容量Cmを検出できないため、静電容量検出回路280は、接続異常ありと自己診断する。
【0051】
(自己診断方法)
次に、第2の実施の形態に係るICA12Bにおいて、接続異常を自己診断する際の方法について具体的に説明する。
【0052】
第2の実施の形態に係る集積回路装置の自己診断方法の動作説明のための模式的ブロック構成は、
図9に示すように表される。
【0053】
接続異常の自己診断を可能にするため、ICA12Bは、
図9に示すように、内部回路140とI/O端子30・32との接続を切り替える第3・第4のスイッチ(SW)22A・22Bと、静電容量検出回路280とI/O端子30・32との接続を切り替える第5・第6のスイッチ(SW)24T・24Rとを、さらに備える。
【0054】
また、静電容量検出回路280は、スイッチ22A・22B・24T・24Rを制御するスイッチ制御回路(図示省略)を備えると共に、所定のパルス信号を送信する送信回路(TX)34と、相互容量Cmを介して、送信回路34からのパルス信号を受信する受信回路(RX)36とを備える。送信回路34は、第5のスイッチ24Tを介してI/O端子30に接続され、受信回路36は、第6のスイッチ24Rを介してI/O端子32に接続されている。
【0055】
また、静電容量検出回路280は、ICA12Bの単体でのI/O端子30・32間に対する容量値C0を保持する記憶回路(図示省略)を備えるようにしても良い。容量値C0とは、相互容量Cmが接続されていない非接続時におけるI/O端子30・32間の容量値であって、接続異常を自己診断する際の基準値となる。なお、容量値C0を基準値として設定可能な設定回路(図示省略)を備えるようにしても良い。
【0056】
―自己診断方法のフローチャートー
第2の実施の形態に係る集積回路装置の自己診断方法を示すフローチャートは、
図10に示すように表される。
【0057】
静電容量検出回路280による、ICA12Bの接続異常の自己診断は、例えば
図10のフローチャートに示すように行われる。
(a)まず、ステップST11において、静電容量検出回路280は、I/O端子30・32間の非接続時の容量値C0を保持または設定する。
(b)次いで、ステップST12において、自己診断中は、第3・第4のスイッチ22A・22Bをオフし、第5・第6のスイッチ24T・24Rをオンさせて、静電容量検出回路280の送信回路34がI/O端子30と、受信回路36がI/O端子32と、それぞれ接続されるようにする。
(c)次いで、ステップST13において、静電容量検出回路280は、送信回路34から所定のパルス信号を送信させる。
(d)次いで、ステップST14において、静電容量検出回路280は、送信回路34から送信されたパルス信号を、相互容量Cmを介して、受信回路36により受信させる。
【0058】
この場合、I/O端子30・32間に相互容量Cmがあれば、パルス信号は相互容量Cmに応じて変化し、I/O端子30・32間に相互容量Cmがなければ、パルス信号は変化しない。そこで、静電容量検出回路280は、受信回路36で受信したパルス信号の波形のなまり具合を、送信回路34より送信されたパルス信号との差分として検出することによって相互容量Cmを検出する。ただし、二端子30・32間の距離(d)が離れすぎていると相互容量Cmが小さくなりすぎて検出できなくなるため、十分に配慮する必要がある。
【0059】
なお、二端子30・32間の距離(d)は、静電容量(相互容量)Cを算出する下記式より求めることができる。
【0060】
C=ε・(S/d)
ただし、εは、基板の誘電率であり、Sは、端子30・32の面積である。
(e)そして、ステップST15において、静電容量検出回路280は、検出した相互容量Cmと容量値Cmoとの差分(Cm−Cmo)が、予め設定される、ある閾値よりも大きい場合に正常(接続異常なし)、小さい場合に接続異常ありと診断する。
【0061】
すなわち、第2の実施の形態に係る集積回路装置12Bの自己診断方法は、基板10上に実装され、入出力端子中の二端子30・32間の相互容量と基板10との非接続時における静電容量値を基準値C0として予め保持するステップと、内部回路140と二端子30・32とを接続する第3および第4のスイッチ22A・22Bをオフすると共に、静電容量検出回路280と二端子30・32とを接続する第5および第6のスイッチ24T・24Rをオンするステップと、送信回路34により、二端子30・32の一方の端子30からパルス信号を送信するステップと、受信回路36により、相互容量Cmを介して、二端子30・32の他方の端子32からパルス信号を受信するステップと、受信したパルス信号に基づいて相互容量Cmを検出し、検出した相互容量Cmと予め保持する基準値C0とに基づいて、基板10との接続異常を自己診断するステップとを有する。
【0062】
なお、閾値を複数の異なるレベルとすることにより、ICA12BやI/O端子30・32の剥がれかけの程度に応じた診断ができるようにしても良い。
【0063】
以上のようにして、自己診断が終了すると、静電容量検出回路280は、接続異常がなければ第5・第6のスイッチ24T・24Rをオフし、第3・第4のスイッチ22A・22Bをオンさせて、内部回路140がI/O端子30・32間に接続されるようにする。
【0064】
これに対し、例えば接続異常ありと診断された場合には、補修処理や、より精密な検査が行われる、若しくは廃棄処理されることになる。
【0065】
ここで、相互容量Cmの作成例について説明する。
【0066】
図11は、QFP(Quad Flat Package)タイプを例にICA12Bの模式的平面パターン構成を示す図であり、
図12は、
図11のI−I線に沿う模式的断面構造を示す図である。なお、ICA12BのI/O端子30・32が接続される基板上の銅箔層などからなるI/O配線パターン群42
1 ・42
2 ・42
3 ・42
4 に対して共通の共用配線40を設けることによって、相互容量Cm1・Cm2を発生させるようにした場合の例である。
【0067】
相互容量Cm1・Cm2は、I/O配線パターン群42
1 ・42
2 ・42
3 ・42
4 とは異なる層、例えば上面にICA12Bが実装される基板50の下面に対して、ICA12Bの周囲の直近を囲むように共用配線40を引き回すことによって、各I/O配線パターン群42
1 ・42
2 ・42
3 ・42
4 のすべてのI/O配線パターンとの間に発生させることができる。
【0068】
なお、相互容量Cmとしては、ICA12Bの各方向のI/O配線パターン群42
1 ・42
2 ・42
3 ・42
4 ごと、または、各I/O配線パターン群42
1 ・42
2 ・42
3 ・42
4 のそれぞれのI/O配線パターンごとに、専用の配線を配置することによって発生させるようにしても良い。
【0069】
ここで、共用配線40は、送信側および受信側のどちらでも利用できるようにすることによって、汎用性を高くできる。すなわち、共用配線40を送信側とした場合、I/O配線パターン群42
1 ・42
2 ・42
3 ・42
4 が受信側となる。逆に、共用配線40を受信側とした場合、I/O配線パターン群42
1 ・42
2 ・42
3 ・42
4 が送信側となる。
【0070】
また、ICA12Bは、QFPタイプに限定されるものではなく、各種タイプの集積回路に適用できる。
【0071】
第2の実施の形態に係るICA12Bにおいては、別のICを用いたりすることなく、ICA12Bの基板回路10との接続異常を自己診断可能となるため、車載用とした場合においても一層の安全性を確保できる。
【0072】
なお、相互容量方式は配線抵抗(R)や配線容量(C)の影響を受けにくいため、大規模な集積回路に用いて好適である。
【0073】
[本実施の形態の変形例]
本実施の形態の変形例に係るICA(被検査対象の集積回路装置)12Cの模式的ブロック構成は、
図13に示すように表される。
【0074】
すなわち、この変形例は、
図13に示すように、ICA12Cにおいて、I/O端子16につながる静電破壊防止用のダイオードD1・D2の故障を、自己容量方式の静電容量検出回路180によって自己診断できるようにした場合の例である。
【0075】
自己診断時、ICA12Cは、例えば、第1のスイッチ22をオフし、第2のスイッチ24をオンさせてI/O端子16に静電容量検出回路180が接続された状態において、静電容量検出回路180によってI/O端子16につながる寄生容量Cpを検出する。静電容量検出回路180は、寄生容量Cpの容量値に応じて、ダイオードD1・D2の故障を自己診断する。
【0076】
なお、ダイオードD1・D2の故障は、相互容量方式の静電容量検出回路280によって、I/O端子16間の相互容量Cmを検出することによっても自己診断可能である。
【0077】
このように、本実施の形態の変形例に係るICA12Cによれば、別のICを用いたりすることなく、静電破壊防止用のダイオードD1・D2の故障をも簡単に自己診断可能となるため、車載用とした場合においても一層の安全性を確保できる。
【0078】
以上説明したように、本実施の形態によれば、別の集積回路を用いたりすることなく、端子の剥がれなどの接続異常を簡単に自己診断可能な集積回路装置およびその自己診断方法を提供できる。
【0079】
しかも、IC内に静電容量検出回路を追加することのみによって接続異常の自己診断が可能となるため、ICの大幅な設計変更などを必要とせずに容易に実現できる。
【0080】
特に、電気的/電子的に制御される車載用の機器への適用においては、高性能化・高機能化だけでなく、安全性の確保も可能となる。
【0081】
[その他の実施の形態]
上記のように、いくつかの実施の形態を記載したが、開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、各実施の形態を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。このように、本実施の形態は、ここでは記載していない様々な形態などを含む。