特許第6761674号(P6761674)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6761674
(24)【登録日】2020年9月9日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20200917BHJP
【FI】
   A63F5/04 651
【請求項の数】1
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-105801(P2016-105801)
(22)【出願日】2016年5月27日
(65)【公開番号】特開2017-209395(P2017-209395A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2019年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【弁理士】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100206656
【弁理士】
【氏名又は名称】林 修身
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】吉田 諒
【審査官】 金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−056032(JP,A)
【文献】 特開2014−076237(JP,A)
【文献】 特開2013−233320(JP,A)
【文献】 特開2004−229738(JP,A)
【文献】 特開2007−167439(JP,A)
【文献】 特開2014−000303(JP,A)
【文献】 特開2015−223417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技者にとって有利な有利状態に制御する有利状態制御手段と、
遊技に関する報知を行うことが可能な報知手段と、
前記報知手段の制御を行う報知制御手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
有利状態が終了する場合、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了した後に前記報知手段に終了報知を行わせるとともに、有利状態において特定条件が成立した場合、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了した後に前記報知手段に特定報知を行わせることが可能であり、
1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了した後に前記終了報知と前記特定報知の両方を行わせる場合、まず前記終了報知を行わせるとともに、演出用操作を促す演出を行い、前記演出用操作がされたときに前記特定報知を行わせる、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスロットマシンとして、ボーナス等の遊技者にとって有利な状態の終了時にその状態の終了を報知する終了演出を行うようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−220688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、遊技者にとって有利な状態において特定の条件が成立することで、イレギュラーな演出(例えば、有利な状態の上乗せを報知する演出等)を行うことが考えられるが、特許文献1に記載のスロットマシンのように終了演出を行う構成において有利な状態の終了時にイレギュラーな演出が行われた場合に、当該演出と終了演出とが重複することで有利な状態が終了したことを遊技者に認識させることが困難となる虞がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、遊技者にとって有利な状態の終了を確実に認識させることができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技者にとって有利な有利状態に制御する有利状態制御手段と、
遊技に関する報知を行うことが可能な報知手段と、
前記報知手段の制御を行う報知制御手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
有利状態が終了する場合、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了した後に前記報知手段に終了報知を行わせるとともに、有利状態において特定条件が成立した場合、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了した後に前記報知手段に特定報知を行わせることが可能であり、
1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了した後に前記終了報知と前記特定報知の両方を行わせる場合、まず前記終了報知を行わせるとともに、演出用操作を促す演出を行い、前記演出用操作がされたときに前記特定報知を行わせる
ことを特徴としている。
本発明の手段1のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部(リール2L、2C、2R)の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)において、
遊技者にとって有利な有利状態(特別状態)に制御する有利状態制御手段(メイン制御部41)と、
遊技に関する報知を行うことが可能な報知手段(液晶表示器51)と、
前記報知手段(液晶表示器51)の制御を行う報知制御手段(サブ制御部91)と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記報知手段(液晶表示器51)に有利状態(特別状態)の終了を報知する終了報知(有利状態終了報知)を行わせるとともに、有利状態において特定条件(内部抽選にてATの権利が付与される役が当選したこと)が成立した場合に、特定期間(特定条件が成立したときから、次のゲームの賭数が設定されるときまでの期間)において前記報知手段に特定報知(特典付与示唆報知)を行わせることが可能であり、
前記特定条件が成立した場合において、特定期間が終了報知(有利状態終了報知)を行わせる期間と重複する場合に、重複する期間において特定報知を行わせず、終了報知を行わせる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利状態において特定条件が成立した場合に、特定期間において報知手段にて特定報知が行われるので有利状態における興趣を高めることができるとともに、特定条件が成立した場合において、特定期間が終了報知を行わせている期間と重複する場合に、重複する期間においては、特定報知が行われることなく終了報知が行われるので、有利状態の終了を確実に認識させることができる。
【0007】
本発明の手段2のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部(リール2L、2C、2R)の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)において、
遊技者にとって有利な有利状態(特別状態)に制御する有利状態制御手段(メイン制御部41)と、
遊技に関する報知を行うことが可能な報知手段(液晶表示器51)と、
前記報知手段(液晶表示器51)の制御を行う報知制御手段(サブ制御部91)と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記報知手段(液晶表示器51)に有利状態(特別状態)の終了を報知する終了報知(有利状態終了報知)を行わせるとともに、有利状態において特定条件(内部抽選にてATの権利が付与される役が当選したこと)が成立した場合に、特定期間(特定条件が成立したときから、次のゲームの賭数が設定されるときまでの期間)において前記報知手段に特定報知(特典付与示唆報知)を行わせることが可能であり、
前記特定条件が成立した場合において、特定期間が終了報知(有利状態終了報知)を行わせる期間と重複する場合に、重複する期間において特定報知(特典付与示唆報知)よりも終了報知を強調して行わせる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利状態において特定条件が成立した場合に、特定期間において報知手段にて特定報知が行われるので有利状態における興趣を高めることができるとともに、特定条件が成立した場合において、特定期間が終了報知を行わせている期間と重複する場合に、重複する期間においては、特定報知よりも終了報知が強調して行われるので、有利状態の終了を確実に認識させることができる。
【0008】
尚、手段1、2において遊技者にとって有利な有利状態とは、遊技者にとって有利な表示結果が導出される確率、遊技者にとって有利な表示結果の導出が許容される確率が通常よりも高くなったり、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知されること等により、遊技者にとって有利となる状態である。
また、手段1、2において報知手段は、少なくとも遊技に関する報知を行うことが可能なものであれば良く、遊技に関する報知に加え、遊技に関連しない報知を行うことが可能なものでも良い。
また、手段1、2において報知手段は、液晶表示器等の画像を表示可能な表示手段、発光態様を変化させる発光手段、音声等を出力する音出力手段等が該当する。
また、手段1、2において特定報知とは、例えば、遊技者にとって有利な特典が付与されたこと、特典が付与された可能性を示唆する報知、有利度(設定値など)を示唆する報知、遊技者にとっての有利度とは関連しないが出現率の低い態様での報知(プレミアム画像の表示等)などである。
【0009】
本発明の手段3のスロットマシンは、手段2に記載のスロットマシンであって、
前記報知制御手段(サブ制御部91)は、前記特定条件が成立した場合において、特定期間が終了報知(有利状態終了報知)を行わせる期間と重複する場合に、重複する期間において特定報知(特典付与示唆報知)が行われる領域よりも大きい領域にて終了報知を行わせる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定報知が行われる領域よりも大きい領域にて終了報知が行われるので、有利状態の終了を確実に認識させることができる。
【0010】
本発明の手段4のスロットマシンは、手段2または3に記載のスロットマシンであって、
前記報知制御手段(サブ制御部91)は、前記特定条件が成立した場合において、特定期間が終了報知(有利状態終了報知)を行わせる期間と重複する場合に、終了報知の終了後に特定報知(特典付与示唆報知)を行わせる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、終了報知を先に行った後に、特定報知が行われるので、有利状態の終了を確実に認識させることができる。
【0011】
本発明の手段5のスロットマシンは、手段4に記載のスロットマシンであって、
遊技者が操作可能な操作手段(演出用スイッチ56)を備え、
前記報知制御手段(サブ制御部91)は、前記特定条件が成立した場合において、特定期間が終了報知(有利状態終了報知)を行わせる期間と重複する場合に、前記操作手段の操作により終了報知を終了させて特定報知(特典付与示唆報知)を行わせる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者の操作により終了報知が終了し、特定報知が行われるため、有利状態の終了を確実に認識させることができるとともに、特定報知が遊技者の操作を契機として行われるので特定報知の興趣を高めることができる。
【0012】
本発明の手段6のスロットマシンは、手段2〜5のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記報知制御手段は、前記特定条件が成立した場合において、特定期間が終了報知(有利状態終了報知)を行わせる期間と重複する場合に、特定報知(特典付与示唆報知)が行われる期間よりも長い時間にわたり終了報知を行わせる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定報知が行われる期間よりも長い期間にわたり終了報知が行われるので、有利状態の終了を確実に認識させることができる。
【0013】
本発明の手段7のスロットマシンは、手段1〜6のいずれかに記載のスロットマシンであって、
特定条件は、導出を許容する表示結果を決定する決定手段(内部抽選)の決定結果が特定の決定結果となること(ATの権利が付与される抽選対象役が当選すること)、特定の表示結果(例えば、予め定められた特定の図柄の組合せ)が導出されること、または表示結果を導出する際に遊技者が操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が特定の操作態様(例えば、特定の停止順(右中左の停止順等)で操作すること、リールに特定の図柄を停止させる操作タイミングで操作すること等)で操作されることを含む
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定条件は、有利状態において必ず成立するものではないため、特定報知の希少性が高まり、特定報知が行われることによる興趣を高めることができる。
【0014】
本発明の手段8のスロットマシンは、手段1〜7のいずれかに記載のスロットマシンであって、
終了報知(有利状態終了報知)の報知態様と特定報知(特典付与示唆報知)の報知態様(液晶表示器51の表示画像(終了示唆画像、特典付与示唆画像))とが類似している
ことを特徴としている。
この特徴によれば、終了報知の報知態様と特定報知の報知態様とが類似していても、有利状態の終了を確実に認識させることができる。
尚、終了報知の報知態様と特定報知の報知態様とが類似するとは、例えば、いずれも数値や文字が表示されるもの、いずれもキャラクタ画像が表示されるものなどが該当する。
【0015】
本発明の手段9のスロットマシンは、手段1〜8のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記報知制御手段(サブ制御部91)は、有利状態(特別状態)において報知手段(液晶表示器51)によりストーリー性のある報知を行わせるとともに、終了報知(有利状態終了報知)としてストーリーの結末を報知させる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利状態におけるストーリー性のある報知の結末が特定報知によって邪魔されてしまうことを防止できる。
【0016】
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明が適用された実施例のスロットマシンの正面図である。
図2】スロットマシンの内部構造を示す斜視図である。
図3】リールの図柄配列を示す図である。
図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
図5】メイン制御部がナビ報知により報知するナビ番号について説明するための図である。
図6】サブ制御部が行う有利状態開始報知について説明するための図である。
図7】サブ制御部が行う有利状態中演出について説明するための図である。
図8】サブ制御部が行う有利状態終了報知について説明するための図である。
図9】サブ制御部が行う特典付与示唆報知について説明するための図である。
図10】サブ制御部が遊技状況に応じて行う有利状態開始報知、有利状態中演出、特典付与示唆報知、有利状態終了報知の実行状況について説明するための図である。
図11】有利状態終了報知及び特典付与示唆報知の変形例1について説明するための図である。
図12】有利状態終了報知及び特典付与示唆報知の変形例2について説明するための図である。
図13】有利状態終了報知及び特典付与示唆報知の変形例3について説明するための図である。
図14】有利状態終了報知及び特典付与示唆報知の変形例4について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0019】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例について図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。図1に示すように、前面扉1bの中央上部には、筐体1aの内部に配置された3つのリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)の所定部分を視認可能な透視窓3が設けられている。図3に示すように、各リール2L、2C、2Rの外周には各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。尚、本実施例のスロットマシン1は、可変表示部として3つのリール2L、2C、2Rを備える構成であるが、リールの個数は、3つに限らず、1つであっても良いし、2以上であっても良い。また、本実施例では、可変表示部として物理的なリール2L、2C、2Rを適用する構成であるが、液晶表示器などの画像表示装置により可変表示部を構成しても良い。
【0020】
また、前面扉1bにおける透視窓3の前面側(遊技者側)から透視窓3の上部にわたる領域には、所定の演出を実行可能な表示領域51aを有する液晶表示器51が設けられている。表示領域51aのうち透視窓3に対応する領域は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する透過領域51bとなっており、透過領域51b及び透視窓3を介して前面側(遊技者側)から背面側(リール側)を視認できるようになっている。
【0021】
また、前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9が設けられるとともに、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いられる演出用スイッチ56などが設けられている。
【0022】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を点灯により報知する1〜3BETLED14〜16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、ゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。遊技補助表示器12は、複数のセグメント(例えば、8つのセグメント)を有し、各セグメントを点灯または消灯に制御することで、数字(0〜9)、アルファベット(S、B)、符号(.)等を認識可能に表示することができる2つの表示器で構成されている。尚、本実施例では、遊技補助表示器12を複数のセグメントを有する表示器で構成するが、複数のセグメントを有する表示器以外の表示器、例えば、液晶表示器等を遊技補助表示器12として用いる構成であっても良い。また、複数の数字、アルファベット等を認識可能に表示することができる一の表示器を用いる構成であっても良い。
【0023】
図2は、スロットマシン1の内部構造を示す図であり、図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力するメイン制御部41等を備え、上述のスタートスイッチ7のスイッチ類など遊技の進行に用いる機器が接続されている遊技制御基板40、コマンドに応じて演出を制御するサブ制御部91及び上述の液晶表示器51等の演出装置等が接続されている演出制御基板90、サブ制御部91により直接的または間接的に制御される各種演出装置(例えば、液晶表示器51、演出用スイッチ56等)等が設けられている。
【0024】
メイン制御部41は、スロットマシン1においてゲームが行われる場合には、まず、メダルがメダル投入部4から投入されるかMAXBETスイッチ6操作が操作されることにより、規定数の賭数(例えば3)を設定する。そして、入賞ラインLNを有効にするとともに、スタートスイッチ7の操作の受け付けを有効にして、ゲームが開始可能な状態とする。尚、規定数の賭数が設定されている状態でメダルが投入された場合には、クレジットに加算し、クレジットが上限値(本実施例では、50)に達している状態でメダルが投入された場合には、メダル払出口9から返却する。
【0025】
入賞ラインとは、リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。尚、本実施例では、入賞ラインとして1つの入賞ラインLNを有する構成であるが、2つ以上の入賞ラインを設ける構成であっても良い。
【0026】
メイン制御部41は、ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L、2C、2Rを回転させて図柄を変動表示させる。この状態で、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されると該当するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出させる。表示結果として入賞ライン上に予め定められた入賞役(例えば、ベル)を構成する図柄の組合せ(例えば、「ベル‐ベル‐ベル」)が停止することで入賞が発生する。そして、入賞が発生したときには、入賞に応じて、入賞役毎に予め定められた所定枚数のメダルを遊技者に対して付与して、付与するメダル数分をクレジットに加算する。クレジットが上限数(本実施例では、50)に達した場合には、クレジットに加算されなかった分のメダルをメダル払出口9から払い出す。
【0027】
本実施例のスロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
【0028】
本実施例では、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する操作順(押し順ともいう)として、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる押し順を順押しといい、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる押し順を順挟み押しといい、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる押し順を中左押しといい、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる押し順を中右押しといい、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる押し順を逆挟み押しといい、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる押し順を逆押しという。
【0029】
また、本実施例では、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある4コマの図柄とを含む合計5コマ分の図柄である。このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応する入賞ライン上すなわちリールの中段に表示されている図柄を含めて5図柄以内すなわち4コマ以内の間隔で配置されている図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させることができる。
【0030】
本実施例では、メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、内部抽選の当選状況及びメイン制御部41のROMに格納されているテーブルインデックス、テーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルに基づいて滑りコマ数を取得し、ストップスイッチの操作されたリールの回転を、ストップスイッチの操作されたときの図柄から滑りコマ数分の図柄だけ引き込んで停止させるようにリールの停止制御を行う。停止制御テーブルでは、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、ストップスイッチの操作が検出されてから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわちストップスイッチの操作を検出したときに入賞ライン上に位置する図柄と、その4つ先の図柄までの範囲内に配置されている最大5図柄のうちの一の図柄を入賞ライン上に停止させることができる。
【0031】
本実施例では、図3に示すように、例えば、左リールにおいて「ベル」の図柄は、5図柄以内すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、いずれのタイミングでストップスイッチ8Lを操作しても引き込むことが可能となっている。また、中右リールの「ベル」及び「リプレイa」の図柄についても同様に、5図柄以内に配置されており、いずれのタイミングでストップスイッチを操作しても引き込むことが可能となっている。一方、例えば、左リールの「赤7」の図柄は、5図柄以内に配置されておらず、適正なタイミングでストップスイッチ8Lが操作されなければ、引き込むことができないようになっている。また、左リールの「青7」「白7」「BAR」「チェリーa」「チェリーb」「スイカ」「リプレイa」「リプレイb」「プラム」の図柄、中右リールの「赤7」「青7」「白7」「BAR」「チェリーa」「チェリーb」「スイカ」「プラム」の図柄についても同様に、5図柄以内で配置されておらず、適正なタイミングでストップスイッチ8Lが操作されなければ、引き込むことができないようになっている。
【0032】
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、当該スロットマシン1が設置される店舗の店員等が、予め定められた所定の設定手順により設定値を変更し、設定することが可能であり、後述する内部抽選において設定値に応じて異なる抽選対象役の当選確率が用いられること等、遊技者にとっての有利度に係る抽選の確率が設定値に応じて異なることにより、設定値に応じて遊技者に対する有利度が異なるようになっている。設定値を変更し、設定する際の手順では、筐体1aの内部に設けられた設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要があり、店舗においては、設定キースイッチ37を操作するための特定のキーを所持する特定の店員のみが、設定値を変更し、設定することが可能である。
【0033】
本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始時に、遊技状態に応じて予め定められた確率で予め定められた各役への入賞を許容するか否かを決定する内部抽選を行い、内部抽選の結果を特定可能な当選フラグをRAM41cの所定領域に設定し、その後、リールに対応するストップスイッチが操作された際には、RAM41cに設定されている当選フラグに基づいて該当するリールを停止させる停止制御を行う。
【0034】
内部抽選にて抽選対象となる抽選対象役の種類は、遊技状態に応じて定められており、一の種類の抽選対象役には、1以上の入賞役が含まれる。入賞役は複数種類が設定されており、複数種類の入賞役として、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、リプレイゲーム(再遊技)が付与されることで、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態である特別状態への移行を伴う特別役とが定められている。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。各役の入賞が発生するためには、内部抽選にて該当する役が含まれる抽選対象役が当選することで、当該抽選対象役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。尚、これら各抽選対象役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役を含む抽選対象役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、当該ゲームの終了とともに消去されて、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまでは、当該ゲームの終了において消去されず、次ゲーム以降も有効とされ、当該特別役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0035】
また、内部抽選の抽選対象役には、予め定められた所定の停止順で停止操作が行われる場合にのみ当該役を構成する図柄を入賞ラインLNに揃えて停止させ、入賞を発生させることが可能な小役、再遊技役(以下押し順役と呼ぶ場合がある)と、停止順によらず役を構成する図柄を入賞ラインLNに揃えて停止させ、入賞を発生させることが可能な小役、再遊技役(非押し順役と呼ぶ場合がある)とを含む。
【0036】
また、一部の抽選対象役には、規定のゲーム数にわたり後述のアシストタイム(以下、ATという)に制御される権利(以下、ATの権利という)が付与される役が含まれており、内部抽選にて、小役または再遊技役とATの権利とがともに当選し得るようになっている。
【0037】
メイン制御部41は、リールの停止制御において、ストップスイッチが操作されたリールについて、RAM41cに設定されている当選フラグに基づいて、内部抽選にていずれかの役が当選している場合には、当該当選している役の構成図柄を優先して上述の最大5図柄の範囲で引き込んで停止させるようにリールの回転を停止させ、内部抽選にていずれの役も当選していない場合には、いずれの役の構成図柄も入賞ラインLNに停止することがないように、各役の構成図柄以外の図柄を引き込んで停止させるようにリールの回転を停止させる制御を行う。これにより、内部抽選にていずれかの役に当選しており、かつ当該当選している役の構成図柄を入賞ラインLNに停止させることが可能なタイミングで、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、当該役の構成図柄が入賞ラインLNに揃って停止し、当該役の入賞が発生するようになっている。
【0038】
また、当選フラグとして特別役と一般役の当選が同時に設定されている場合には、メイン制御部41は、リールの停止制御において、当選している一般役の構成図柄を優先して上述の最大5図柄の範囲で引き込んで停止させるようになっており、特別役が当選しており、かついずれの一般役も当選してないゲームにおいてのみ、特別役の入賞が発生するようになっている。また、内部抽選にて当選した役のうち、再遊技役>小役>特別役の優先順位で入賞するようにリール制御が行われるようになっており、特に、一般役として再遊技役の当選時には停止順や停止タイミングに関わらず必ず再遊技役を入賞させるようにリールを停止制御し、特別役と再遊技役が同時に当選した場合には必ず再遊技役が入賞することとなる。
【0039】
メイン制御部41は、内部抽選にて当選している特別役が入賞することで、遊技者にとって有利な遊技状態として特別状態に遊技状態を移行させる。そして、当該特別役の入賞を契機に移行した特別状態は、特別役の種類に応じて予め定められた規定枚数以上のメダルが払い出されたことを終了条件として終了する。特別状態では、内部抽選にて特別役及び再遊技役が抽選対象外とされることで、小役の当選確率が、特別状態に制御されていない状態よりも高い高確率(約1/1.0)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%を超えるようになっているので、遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0040】
本実施例のメイン制御部41は、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる操作態様を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(AT)に制御可能となっている。
【0041】
メイン制御部41は、内部抽選にて上述のATの権利が付与される役が当選したことに基づいて、リールを停止させる操作の態様を報知するナビ報知を規定のゲーム数にわたり行うATの制御を行うようになっており、ATの制御が行われておらず、かつ特別役の入賞による有利な遊技状態にも制御されていないときに、ATの権利が付与される役が内部抽選にて当選することで、その後、ATの制御を開始する一方、ATの制御が行われていない状態で特別役が入賞して特別状態に制御されている状態において、内部抽選にてATの権利が付与される役が当選した場合には、当該特別状態が終了した後に、ATの制御を開始する。また、ATの制御が行われている状態、及びATの制御が行われている状態で特別役が入賞して特別状態に制御されている状態において、ATの権利が付与される役が内部抽選にて当選することで、規定のゲーム数をATに制御される残りのゲーム数に加算する。尚、ATの制御が行われている状態で特別役が入賞したときには、ATの制御を中止して、その後、当該特別状態の制御が終了することで、中止されたATの制御が再開されることとなる。尚、メイン制御部41は、ATの制御を行っていない状態であっても、予め定められた所定の条件が成立することで、ナビ報知を行うことが可能である。
【0042】
図5(a)に示すように、本実施例では、リールを停止させる操作の態様毎に所定の番号がナビ番号として予め割り当てられている。メイン制御部41は、ナビ報知を行わない場合、すなわちATに制御していない場合及びATに制御しているが内部抽選にて所定のナビ対象役が当選していない場合には、ナビ番号として、遊技者にとって不利にも有利にもならない標準の停止順を示すナビ番号(本実施例では、「0」)をRAM41cの所定領域に設定し、当該ナビ番号を遊技補助表示器12に表示させない一方で、ナビ報知を行う場合、すなわちATに制御しており、かつ内部抽選にて所定のナビ対象役が当選した場合には、当選したナビ対象役に応じて遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様に対応するナビ番号をRAM41cの所定領域に設定し、当該ナビ番号を識別可能に遊技補助表示器12に表示させる。ナビ報知として、ナビ番号を遊技補助表示器12に表示させることで、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる操作態様を報知する。ナビ番号を遊技補助表示器12に表示させる際には、遊技補助表示器12を構成する各表示器の各セグメントを、該当するナビ番号を認識可能な点灯態様(例えば、図5(b)に示すようにナビ番号「1」を識別可能に遊技補助表示器12Lに「1」を表示するとともに、遊技補助表示器12Rを非表示にとする点灯態様)により点灯させるようになっている。
【0043】
また、メイン制御部41は、ゲームの開始時に、RAM41cの所定領域に設定されているナビ番号を特定可能な押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信する。この際、メイン制御部41側においてナビ報知を行っていない場合には、標準的な押し順を特定可能なナビ番号(本実施例では、「0」)を特定可能な押し順コマンドが送信される一方で、ナビ報知を行っている場合には、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる操作態様を特定可能なナビ番号(本実施例では、「1」〜「9」)を設定して、当該ナビ番号を特定可能な押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信するようになっており、サブ制御部91は、メイン制御部41側においてATの制御が行われているときにのみナビ番号に基づいて内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる操作態様を特定することができるようになっている。
【0044】
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。メイン制御部41が送信するコマンドには、例えば、投入枚数コマンド、遊技状態コマンド、内部当選コマンド、停止操作時コマンド、遊技終了コマンド、入賞判定コマンド等が含まれる。これらの各コマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
【0045】
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
【0046】
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態、特に特別状態に制御されているか否かを特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したとき、及びに送信される。
【0047】
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。内部当選コマンドは、特別役が当選しているか否かを特定可能な第1の内部当選コマンドと、一般役及びATの権利が当選しているか否かを特定可能な第2の内部当選コマンドと、を含み、第1の内部当選コマンドが送信された後に、第2の内部当選コマンドが送信される。
【0048】
遊技状態コマンド、遊技状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
【0049】
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
【0050】
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
【0051】
入賞判定コマンドは、入賞の有無、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
【0052】
遊技終了コマンド、入賞判定コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
【0053】
次に、サブ制御部91が行う特別状態に関連する演出について、図6図9に基づいて説明する。
【0054】
サブ制御部91は、メイン制御部41から受信したコマンドに基づいて各種の演出を実行することが可能であり、メイン制御部41側において特別状態に制御されることに関連する演出として、メイン制御部41側において遊技状態が特別状態に移行されて当該特別状態が開始される旨を報知する有利状態開始報知、遊技状態が特別状態に制御されている旨を特定可能な有利状態中演出、終了条件が成立して特別状態が終了する旨を報知する有利状態終了報知を含む演出及び報知を、液晶表示器51の表示領域51aにて行うことが可能である。
【0055】
図6に示すように、有利状態開始報知では、特別役が入賞したことに伴って特別状態が開始される旨を示唆する開始示唆画像(本実施例では、所定のキャラクタ画像及び「ボーナススタート!」の文字画像)を、液晶表示器51の表示領域51aに表示させることで、メイン制御部41側において遊技状態が特別状態に移行されて当該特別状態が開始される旨を報知する。
【0056】
図7に示すように、有利状態中演出では、遊技状態が特別状態である期間(本実施例では、特別役が入賞した次のゲームから、入賞した特別役の種類に応じた特別状態の終了条件が成立するゲームまでの複数ゲームにわたる期間)において、ボーナス中画面(予め決められたシナリオやテーマに沿って変化するキャラクタ画像)を表示するとともに、特別状態中のゲームの結果を示す有利状態中表示を、液晶表示器51の表示領域51aに表示させることで、特別状態に制御されている旨を示唆する。また、有利状態中表示では、現在制御されている特別状態の期間において払い出されたメダルの枚数、及び当該払い出しされたメダルの枚数と特別状態が終了される規定のメダル枚数との差枚数すなわち特別状態の終了条件が成立するまでの残りのメダルの枚数を表示させて、特別状態における遊技の結果を報知する。
【0057】
図8に示すように、有利状態終了報知では、特別状態の終了条件が成立して特別状態が終了される旨を示唆する終了示唆画像(本実施例では、「ボーナス終了」及び特別状態にて払い出されたメダルの総枚数(例えば、400枚)を示す文字画像)を、液晶表示器51の表示領域51aに表示させることで、特別状態が終了する旨を報知する。
【0058】
また、サブ制御部91は、メイン制御部41側において上述のATに制御されることに関連する演出として、内部抽選にてATの権利が当選して、ATに制御されるゲーム数として規定のゲーム数が付与されることを示唆する特典付与示唆報知を含む演出及び報知を、液晶表示器51の表示領域51aにて行うことが可能であり、メイン制御部41側における遊技状態に関わらず、特定条件として内部抽選にてATの権利が当選し、かつ当該ATの権利が当選したゲームにおける第3停止のストップスイッチが離されたことが成立した場合に、特典付与示唆報知を行うことが可能である。
【0059】
図9に示すように、特典付与示唆報知では、ATに制御されるゲーム数として規定のゲーム数が付与される旨を示唆する特典付与示唆画像(本実施例では、「AT当選」及び付与される規定のゲーム数(例えば、100ゲーム)を示す文字画像)を、液晶表示器51の表示領域51aに表示させることで、ATのゲーム数が付与される旨を報知する。
【0060】
また、特典付与示唆報知において、液晶表示器51に表示させる特典付与示唆画像(図9参照)の各構成要素の配置及び大きさなどの表示態様は、上述の有利状態終了報知において表示される終了示唆画像(図8参照)の各構成要素の配置及び大きさなどの表示態様と同様の態様となっている。
【0061】
このように、本実施例のメイン制御部41は、内部抽選にて特別役が当選し、当該特別役が入賞することで、遊技状態を特別状態に移行させ、特別状態の終了条件が成立することで、特別状態を終了させる構成であるとともに、ゲームの進行に応じて各種コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成である。これに対して、サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されたコマンドに基づいて特定されるゲームの進行に応じて、各種演出や報知、特に、有利状態開始報知、有利状態中演出、有利状態終了報知、特典付与示唆報知を液晶表示器51にて行うことが可能である。
【0062】
また、本実施例の有利状態終了報知では、特別状態において払い出されたメダルの総枚数を報知する数字を表示させ、特典付与示唆報知では、ATの権利の当選により付与されるATのゲーム数を報知する数字を表示させるようになっており、いずれも同種の情報として数字が表示させるので、有利状態終了報知の報知態様と特典付与示唆報知の報知態様は、類似する。また、本実施例の有利状態終了報知では、特別状態の終了を報知するメッセージの文字を表示させ、特典付与示唆報知では、ATの権利の当選を報知するメッセージの文字を表示させるようになっており、いずれも同種の情報としてメッセージの文字が表示されるので、有利状態終了報知の報知態様と特典付与示唆報知の報知態様は、類似する。また、本実施例の有利状態終了報知の特典付与示唆画像及び特典付与示唆報知の終了示唆画像では、各画像における構成要素の配置及び大きさなどの表示態様が同様の態様であるので、有利状態終了報知の報知態様と特典付与示唆報知の報知態様は、類似する。すなわち、有利状態終了報知の報知態様と特典付与示唆報知の報知態様とは、少なくとも同種の情報が表示されることで類似し、同様の表示態様で表示されることでも類似する。
【0063】
図10に示すように、メイン制御部41は、内部抽選にて特別役が当選したゲームまたは特別役の当選フラグが持ち越されているゲームにおいて、全てのリールの回転が停止されたときに特別役の図柄組合せが停止しており、特別役が入賞した際には、遊技状態を特別状態に移行させて特別状態の制御を開始して、その後、特別状態の終了条件が成立するまでの期間にわたり特別状態の制御を継続する。また、特別役の入賞が判定されたときには、特別役が入賞した旨を特定可能な入賞判定コマンドをサブ制御部91に対して送信し、その後、メダル投入部4から投入されメダルが投入されることまたはMAXBETスイッチ6が操作されることにより、賭数の設定が行われたときに、投入枚数コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
【0064】
これに対して、サブ制御部91は、入賞判定コマンドに基づいて特別役の入賞が特定され、遊技状態コマンドに基づいて遊技状態が特別状態に移行され、特別状態が開始されることが特定されるときには、液晶表示器51にて有利状態開始報知を開始させる。その後、投入枚数コマンド受信するまで有利状態開始報知を継続させつつ待機して、投入枚数コマンドを受信したときに、有利状態開始報知を終了させて、液晶表示器51にて有利状態中演出を開始させる。その後は、遊技状態コマンドに基づいて特別状態が終了されることが特定されるときまでの期間にわたり、有利状態中演出の制御を継続させる。
【0065】
また、メイン制御部41は、特別状態での各ゲームにおいて、ゲームの進行に応じて各種コマンドを送信するようになっており、賭数の設定操作が行われたときには、投入枚数コマンドを送信し、規定の賭数が設定されている状態でスタートスイッチ8が操作されてゲームが開始され、内部抽選が行われたときには、内部当選コマンドを送信し、回転制御が行われているリールについてストップスイッチが操作されたときには、該当するリールについて停止操作時コマンドを送信し、第3停止のストップスイッチが押下された後、離されたときには、遊技終了コマンドを送信し、ゲームが開始される際すなわちスタートスイッチ8が操作されたとき及びゲームが終了される際すなわち第3停止のストップスイッチが離されたときには、遊技状態コマンドを送信する。
【0066】
これに対して、サブ制御部91は、特別状態中のゲームおいて、内部当選コマンド(第2内部当選コマンド)に基づいて、ATの権利が当選したか否かを判定し、ATの権利が当選している場合には、特典付与示唆報知を行うことが許容される特定条件が成立したと判定し、ATの権利が当選していない場合には、特定条件が成立していないと判定する。また、遊技終了コマンドに基づいてゲームが終了されることが特定される場合には、一のゲームが開始される際及びゲームが終了される際に受信した遊技状態コマンドに基づいて、特別状態が終了したか否かすなわち特別状態の終了条件が成立したか否かを判定する。これにより、本実施例では、特別状態における一のゲームにおいて、内部抽選にてATの権利が当選したときに、特定条件が成立することとなり、サブ制御部91では、内部当選コマンドを受信したときに、特定条件が成立したと判定されるようになっている。尚、本実施例では、特定条件は、内部抽選にてATの権利が当選したときに、スタートスイッチ7が操作されたときに成立し得る構成であるが、特定条件は、特別状態における一のゲーム、すなわちスタートスイッチ7の操作が行われてゲームが開始したときから、当該ゲームが終了するまでの期間内において成立するものであれば良く、一のゲームの期間内に成立し得る特定の条件、例えば、第1停止のリールが所定のタイミングで停止操作されたこと、第1停止から第3停止までのリールが所定の停止順で操作されたとき等を適用する構成でも良い。
【0067】
そして、特別状態中であって特定条件が成立したゲームであって、かつ特別状態の終了条件が成立していないと判定したゲームにおいては、遊技終了コマンドに基づいて第3停止のストップスイッチが押下された後、離されたときに、液晶表示器51にて特典付与示唆報知を開始させ、特定期間にわたり特典付与示唆報知を行う。この際、サブ制御部91は、第3停止のストップスイッチが離されたときから、有利状態中演出のボーナス中画面に重ねて、特典付与示唆報知の特典付与示唆画像を表示させ、その後、投入枚数コマンドを受信するまでの期間にわたり特典付与示唆報知を継続させる。そして、投入枚数コマンドを受信したときに、特典付与示唆報知を終了させる。
【0068】
一方、特別状態中であって特定条件が成立したゲームであって、かつ特別状態の終了条件が成立したと判定したゲームにおいては、特典付与示唆報知を行うことを制限するように制御して、遊技終了コマンドに基づいて第3停止のストップスイッチが押下された後、離されたときに、液晶表示器51にて特典付与示唆報知を行わせずに、有利状態終了報知を開始させる。この際、サブ制御部91は、液晶表示器51にて行わせている有利状態中演出を継続させ、この際、サブ制御部91は、第3停止のストップスイッチが離されたときから、有利状態中演出のボーナス中画面に重ねて、有利状態終了報知の終了示唆画像を表示させ、その後、投入枚数コマンドを受信するまでの期間にわたり有利状態終了報知を継続させる。そして、投入枚数コマンドを受信したときに、有利状態終了報知及び有利状態中演出を終了させる。
【0069】
このように、本実施例のサブ制御部91は、特別状態が終了する旨を報知する有利状態終了報知と、ATに制御される規定のゲーム数が付与されることを示唆する特典付与示唆報知とを、液晶表示器51にて行わせることが可能である。そして、サブ制御部91は、特別状態の終了条件が成立する場合には、特定条件が成立するか否かに関わらず、当該終了条件が成立するゲームが終了される際に有利状態終了報知を行わせる。また、特別状態中のゲームにおいて特典付与示唆報知を行う特定条件が成立し、かつ特別状態の終了条件が成立しない場合には、当該特定条件が成立するゲームが終了される際に、特典付与示唆報知を行わせる一方で、特定条件が成立し、かつ特別状態の終了条件が成立する場合には、特典付与示唆報知を行うことを制限する。これにより、特別状態の終了条件が成立する場合すなわち特別状態が終了される際には、特典付与示唆報知を行わせずに、有利状態終了報知のみを行わせることで、液晶表示器51にて特典付与示唆報知と有利状態終了報知とを重複して行わせないようになっている。
【0070】
本実施例のメイン制御部41は、遊技者にとって有利な有利状態として、特別状態に制御することが可能であり、予め定められた終了条件が成立することで、当該特別状態を終了させる。これに対して、サブ制御部91は、特別状態が終了される際に、特別状態が終了する旨を報知する有利状態終了報知を行う構成である。また、メイン制御部41は、内部抽選の抽選対象役に、ATの権利が付与される役を含んでおり、内部抽選にてATの権利が付与される役が当選することでATに制御する。これに対して、サブ制御部91は、特定の条件として、内部抽選にてATの権利が付与される役が当選したことを含む特定条件が成立することで、ATの権利が付与される旨を報知する特典付与示唆報知を行うことが可能な構成である。
【0071】
このような構成では、特別状態に制御されている期間においても特定条件が成立することで、特典付与示唆報知を行わせることが考えられるが、特定条件は、内部抽選の結果が所定の結果となることを契機として不規則的に成立するので、特別状態の最終ゲームにおいても成立することがあり、特別状態の終了時に特定条件が成立してイレギュラーな特典付与示唆報知が行われる場合には、当該特典付与示唆報知と有利状態終了報知とが重複することで有利な状態が終了したことを遊技者に認識させることが困難となる虞がある。
【0072】
これに対して、本実施例のサブ制御部91は、ゲームに関する報知を行うことが可能な報知手段として液晶表示器51を備え、メイン制御部41側において制御される特別状態の終了を報知する有利状態終了報知を液晶表示器51にて行わせることが可能であるとともに、特別状態中のゲームにおいて特定条件が成立した場合に、特定報知として、ATの権利が付与される旨を報知する特典付与示唆報知を特定条件が成立したとき以後の特定期間において液晶表示器51にて行わせることが可能であり、特別状態中のゲームにおいて特定条件が成立した場合であって、特別状態の終了条件が成立する場合には、特典付与示唆報知を行うことを制限するように制御することで、有利状態終了報知を行わせる期間と特典付与示唆報知を行わせる特定期間とが重複する期間においては、特典付与示唆報知を行わせず、有利状態終了報知を行わせるので、特別状態中のゲームにおいて特定条件が成立した場合に、報知手段である液晶表示器51にて特典付与示唆報知が行われることで、特別状態における興趣を高めることができるとともに、特別状態の終了を報知する有利状態終了報知が行われる期間においては、特典付与示唆報知が行われることがなく有利状態終了報知が行われることで、特別状態の終了を確実に認識させることができる。
【0073】
尚、本実施例では、サブ制御部91は、特別状態中のゲームにおいて特定条件が成立した場合であって、特別状態の終了条件が成立する場合には、特定報知としての特典付与示唆報知を行うことを制限するように制御することで、有利状態終了報知を行わせる期間と特典付与示唆報知を行わせる特定期間とが重複する期間においては、特典付与示唆報知を行わせず、有利状態終了報知を行わせる構成であるが、特定条件が成立した場合であって、特別状態の終了条件が成立する場合に、有利状態終了報知及び特定報知としての特典付与示唆報知をともに行う構成であっても良く、このような構成では、有利状態終了報知を行わせている期間と特典付与示唆報知を行わせる特定期間とが重複する期間においては、特典付与示唆報知よりも有利状態終了報知を強調して行わせることで、特別状態中のゲームにおいて特定条件が成立した場合に、特定期間において報知手段である液晶表示器51にて、特定報知として特典付与示唆報知が行われるので、特別状態における興趣を高めることができるとともに、有利状態終了報知を行わせる期間と特典付与示唆報知を行わせる特定期間とが重複する期間においては、特典付与示唆報知よりも有利状態終了報知が強調して行われるので、特別状態の終了を確実に認識させることができる。
【0074】
また、本実施例では、メイン制御部41により制御される遊技者にとって有利な有利状態として、特別状態を適用しているが、遊技者にとって有利な有利状態として、遊技者にとって有利な図柄組合せが停止される確率や、遊技者にとって有利な図柄組合せの停止が許容される確率すなわち内部抽選において遊技者にとって有利な役の当選する確率が通常よりも高くなったり、遊技者にとって有利な図柄組合せを停止させるためのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様が報知されたりすること等により、遊技者にとって有利となる状態を適用しても良く、これらの有利状態を適用する構成において、サブ制御部91は、当該有利状態が終了される際に、有利状態終了報知により当該有利状態が終了される旨を報知する構成でも良い。
【0075】
また、本実施例では、サブ制御部91は、ゲームに関する報知を行うことが可能な報知手段として液晶表示器51を備え、液晶表示器51にて有利状態終了報知、特典付与示唆報知を行う構成であるが、報知手段は、少なくともゲームに関する報知を行うことが可能なものであれば良く、ゲームに関する報知のみを行うことが可能なものでも良いし、ゲームに関する報知に加え、ゲームに関連しない報知(例えば、スロットマシン1、スロットマシン1の構成部材等の製造者を表示する標章、スロットマシン1等の製造日等の情報、スロットマシン1が設置される店舗等においてスロットマシン1と並設される並設機器に関する情報(並設機器においてカード等の取り忘れの防止を促すメッセージ等)等の報知)を行うことが可能なものでも良い。
【0076】
本実施例では、サブ制御部91は、特定条件が成立した場合には、特定期間として、当該ゲームが終了される際であって、第3停止のストップスイッチが離されてから賭数の設定操作が行われるまでの期間において、特典付与示唆報知を行わせることが可能であり、特別状態の終了条件が成立した場合には、第3停止のストップスイッチが離されてから賭数の設定操作が行われるまでの期間において、有利状態終了報知を行わせる構成であり、特典付与示唆報知を行われる特定期間が、有利状態終了報知が行われる期間と一致し得る構成であるが、特定期間は、特定条件が成立した以後の期間であり、当該特定期間と、有利状態終了報知が行われる期間とが少なくとも一部重複し得る構成であれば良い。例えば、特定期間として、特定条件が成立したときから開始される期間を適用して、特定条件が成立したときから特典付与示唆報知を行わせる構成としても良いし、特定期間として、特定条件が成立した次のゲームを開始させるためのスタートスイッチ7が操作されたときに開始される期間を適用して、当該次のゲームのためのスタートスイッチ7が操作されたときに特典付与示唆報知ときから特典付与示唆報知を行わせる構成としても良い。また、有利状態終了報知が行われる期間は、特別状態の最後ゲームが終了される際であって、第3停止のストップスイッチが離されてから賭数の設定操作が行われるまでの期間に限られず、特別状態が終了される際に行われる構成、例えば、特別状態の最後ゲームの開始時から当該次のゲームのためのスタートスイッチ7が操作されたときまでの期間、特別状態の最後ゲームの次のゲームの開始操作が行われたときから、当該ゲームのリールの回転が開始されるまでの期間に、有利状態終了報知が行われる構成でも良い。
【0077】
また、本実施例では、サブ制御部91は、報知手段として画像を表示可能な液晶表示器51を適用し、液晶表示器51に表示させる画像等にて有利状態終了報知及び特典付与示唆報知を行わせることが可能な構成であるが、報知手段として、液晶表示器51以外の報知手段、例えば、発光態様が変化する発光手段、音声等を出力する音出力手段、これらの報知手段のいずれかまたは組合せを適用する構成でも良い。
【0078】
例えば、報知手段として発光手段を適用する構成においては、メイン制御部41にて有利状態に制御されている期間にわたり、サブ制御部91は、当該発光手段での報知態様を発光するON状態に制御し、有利状態が終了されることで、発光手段での報知態様を発光しないOFF状態に制御する構成とすることで、発光手段の報知態様がON状態からOFF状態に切り替えられたことすなわちON状態が終了されたことを、有利状態終了報知として有利状態の終了を報知することができる。また、サブ制御部91は、特定条件が成立したことにより、当該発光手段での報知態様を、少なくとも遊技者が認識可能な所定の期間にわたり所定の時間間隔で点滅させるように制御することで、発光手段の点滅を特典付与示唆報知として、特定条件が成立したことを報知することができる。尚、サブ制御部91は、有利状態が終了されることで、発光手段での報知態様をOFF状態に切り替えた際に、有利状態終了報知として所定の発光態様(少なくとも特典付与示唆報知としての点滅とは異なるものであると遊技者が認識可能な態様)に制御する構成としても良い。また、有利状態終了報知としての発光色と、特典付与示唆報知としての発光色と、が異なる構成としたり、有利状態終了報知としての点灯態様と、特典示唆報知としての点灯態様と、が異なる構成(例えば、常時点灯と点滅点灯等)しても良い。
【0079】
また、例えば、報知手段として音出力手段を適用する構成においては、メイン制御部41にて有利状態に制御されている期間にわたり、サブ制御部91は、当該音出力手段に有利状態の期間においてのみ出力する有利状態中音声(例えば、特定の音楽等)を出力させるように制御し、有利状態が終了されることで、当該有利状態中音声の出力を終了させ、有利状態の終了を報知する終了音声(例えば、特定の効果音等)を出力させるように制御する構成とすることで、終了音声を有利状態終了報知として、有利状態の終了を報知することができる。また、サブ制御部91は、特定条件が成立したことにより、当該音出力手段での報知態様を、特定条件の成立を報知する特定音声(例えば、少なくとも遊技者が終了音声とは異なると認識可能な効果音等)を出力させるように制御することで、特定音声を特典付与示唆報知として、特定条件が成立したことを報知することができる。尚、サブ制御部91は、有利状態が終了される際に、有利状態中音声の出力を終了させるが、音出力手段に終了音声を出力させないように制御して、有利状態中音声の出力が終了されたことを有利状態終了報知とする構成としても良い。
【0080】
また、本実施例では、サブ制御部91は、特定条件が成立した場合に、特定期間において行う特定報知として、特典付与示唆報知を適用しているが、特定報知として、例えば、遊技者にとって有利な特典が付与されたこと、特典が付与された可能性を示唆する報知、有利度(設定値など)を示唆する報知、遊技者にとっての有利度とは関連しないが出現率の低い態様での報知(プレミアム画像の表示等)などを適用しても良い。遊技者にとって有利な特典として、特別役が当選して特別状態に制御されること、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な操作態様が報知される権利、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値等)が示唆されることなど、遊技者にとって直接的な有利な特典であっても良いし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、遊技者にとって間接的に有利な特典、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等であっても良い。
【0081】
また、本実施例では、サブ制御部91は、特別状態の最後のゲームにおいて、第3停止のストップスイッチが離されたときに、有利状態終了報知を開始させる構成であるが、有利状態終了報知を開始させるタイミングは、特別状態の最後のゲームにおける第3停止のストップスイッチが離されたときよりも前のタイミング、例えば、特別状態の最後のゲームにおける第3停止のストップスイッチが押下されたタイミング、特別状態の最後のゲームにおける第1停止操作または第2停止操作が行われたタイミング、特別状態の最後のゲームが開始されたタイミングすなわち特別状態の最終ゲームのスタートスイッチ7が操作されたタイミング等や、特別状態の最後のゲームにおける第3停止のストップスイッチが離されたときよりも後のタイミング、例えば、特別状態が終了した次のゲームにおいて、次ゲームが開始するためのスタートスイッチ7が操作されたときから、所定の遅延期間にわたりリールの回転を開始させる制御を遅延させる遅延制御を行う構成において、遅延期間中のタイミング等でも良い。また、特別状態の最終ゲームの後に、賭数の設定操作が行われたときに、有利状態終了報知を終了させる構成であるが、有利状態終了報知を開始させた後、所定の報知期間(例えば、30秒)が経過することで、有利状態終了報知を終了させる構成、スタートスイッチ7が操作されることで、有利状態終了報知を終了させる構成でも良い。
【0082】
また、本実施例では、サブ制御部91は、特別状態の終了条件が成立する特別状態の最後のゲームにおいて、第3停止のストップスイッチが離されたとき、有利状態終了報知を開始させる構成、すなわち、特別状態の最終ゲームの終了時から所定期間にわたり有利状態終了報知を行わせる構成であるが、サブ制御部91は、特別状態の最後のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作されたとき、すなわち当該ゲームの開始時から有利状態終了報知を開始させる構成、すなわち特別状態の最終ゲーム中の期間にわたり有利状態終了報知を行わせる構成であっても良いし、特別状態の終了条件が成立する特別状態の最後のゲームよりも複数ゲーム前のゲームにおいて、有利状態終了報知を開始させる構成、すなわち有利状態終了報知を複数のゲームにわたって行わせる構成であっても良い。
【0083】
また、サブ制御部91は、特定条件が成立した場合であって、特別状態の終了条件が成立する場合に、有利状態終了報知及び特定報知としての特典付与示唆報知をともに行う構成では、有利状態終了報知を行わせる期間と特典付与示唆報知を行わせる特定期間が重複する期間においては、特典付与示唆報知を行わせる領域よりも大きい領域にて、有利状態終了報知を行わせる構成とすることで、特典付与示唆報知が行われる領域よりも大きい領域にて有利状態終了報知が行われるので、有利状態終了報知により有利状態の終了を確実に認識させることができる。また、特典付与示唆報知を行わせる領域よりも大きい領域にて、有利状態終了報知を行わせる構成として、例えば、図11に示すように、液晶表示器51にて有利状態終了報知及び特典付与示唆報知を行わせる構成であり、液晶表示器51の表示領域51aにおいて、特典付与示唆報知の特典付与示唆画像を表示させる領域より広い領域にて、有利状態終了報知の終了示唆画像を表示させる構成とすることで、有利状態終了報知により有利状態の終了を確実に認識させることができる。尚、特典付与示唆報知を行わせる領域、有利状態終了報知を行わせる領域は、一種類または複数種類の報知手段により構成される領域であっても良い。
【0084】
また、サブ制御部91は、特別状態中のゲームにおいて特定条件が成立した場合であって、特別状態の終了条件が成立する場合に、有利状態終了報知及び特定報知としての特典付与示唆報知をともに行う構成では、有利状態終了報知を行わせる期間と特典付与示唆報知を行わせる特定期間とが重複する場合には、有利状態終了報知の終了後に特典付与示唆報知を行わせる構成とすることで、有利状態終了報知を先に行われた後に、特典付与示唆報知が行われるので、有利状態終了報知により有利状態の終了を確実に認識させることができる。
【0085】
また、このような構成では、サブ制御部91は、遊技者により操作可能であり演出に用いられる演出用スイッチ56を備え、有利状態中のゲームにおいて特定条件が成立したことで、特定期間において特典付与示唆報知を行わせることが可能な状況であるが、特典付与示唆報知を行わせる特定期間と有利状態終了報知を行わせる期間とが重複する場合には、演出用スイッチ56が操作されたことにより有利状態終了報知を終了させて特典付与示唆報知を行わせる構成とすることで、遊技者の操作により有利状態終了報知が終了し、特典付与示唆報知が行われるため、有利状態終了報知により有利状態の終了を確実に認識させることができるとともに、特典付与示唆報知が遊技者の操作を契機として行われるので特典付与示唆報知の興趣を高めることができる。また、演出用スイッチ56が操作されたことにより有利状態終了報知を終了させて特典付与示唆報知を行わせる構成として、例えば、図12に示すように、有利状態中のゲームにおいて特定条件が成立した後、有利状態の終了条件が成立して有利状態終了報知を開始させる場合には、液晶表示器51にて有利状態終了報知を開始させた後、演出用スイッチ56の操作を行う旨を示唆する操作示唆画像(図12では、演出用スイッチ56の画像及び当該スイッチの押下を示唆する矢印の画像、「押せ!」のメッセージ画像)を表示させて、演出用スイッチ56の操作を促す操作促進演出を行わせ、その後、演出用スイッチ56が操作されたときに、有利状態終了報知を終了させて、特典付与示唆報知を行わせる構成とすることで、遊技者の操作により特典付与示唆報知を行わせる構成とすることができる。尚、このような構成では、操作促進演出を開始するタイミングは、有利状態終了報知が開始されたときであっても良いし、有利状態終了報知が開始された後、予め定められた所定の待機期間が経過したときであっても良い。また、演出用スイッチ56が操作されたときに、有利状態終了報知を終了させずに継続させて、有利状態終了報知とともに特典付与示唆報知を行わせるようにしても良い。
【0086】
また、演出用スイッチ56が操作されたことにより有利状態終了報知を終了させて特典付与示唆報知を行わせる構成では、有利状態終了報知を開始させた後、操作促進演出を行わせず、演出用スイッチ56が操作されることで、特典付与示唆報知を行わせる構成としても良い。このような構成では、遊技店等において設置されている小冊子やスロットマシン1の筐体等で、特典付与示唆報知が行われ得ることを認識可能とすることで、演出用スイッチ56の操作を促すことができる。
【0087】
また、サブ制御部91は、特定条件が成立した場合であって、特別状態の終了条件が成立する場合に、有利状態終了報知及び特定報知としての特典付与示唆報知をともに行う構成では、有利状態終了報知を行わせる期間と特典付与示唆報知を行わせる特定期間とが重複する場合には、特典付与示唆報知が行われる期間よりも長い時間にわたり有利状態終了報知を行わせる構成とすることで、特典付与示唆報知が行われる期間よりも長い期間にわたり有利状態終了報知が行われるので、有利状態の終了を確実に認識させることができる。このような構成として、有利状態終了報知を開始させた後、所定の第1の待機期間が経過することで、特典付与示唆報知を開始させ、その後、第1の待機期間より短い所定の第2の待機期間が経過したときに、特典付与示唆報知を終了させるように制御することで、特典付与示唆報知が行われる期間よりも長い時間にわたり有利状態終了報知を行わせることができる。また、特典付与示唆報知が行われる期間よりも長い時間にわたり有利状態終了報知を行わせる構成において、特典付与示唆報知の終了後に有利状態終了報知を行わせる構成としても良く、特典付与示唆報知が行われる期間よりも長い期間にわたり有利状態終了報知が行われるので、有利状態の終了を確実に認識させることができる。
【0088】
本実施例のサブ制御部91は、特定の条件として、内部抽選にてATの権利が付与される役が当選したことにより特定条件が成立することで、特定報知として特典付与示唆報知を行うことが可能な構成であるが、特定条件は、内部抽選にてATの権利が付与される役が当選したこと以外の条件により構成されても良く、例えば、内部抽選にてATの権利が付与される抽選対象役が当選したこと、予め定められた特定の図柄の組合せがゲームの結果としてリール2L、2C、2Rに停止されたこと、またはリール2L、2C、2Rを停止させる際に、ストップスイッチ8L、8C、8Rが特定の操作態様(例えば、特定の停止順(右中左の停止順等)で操作すること、リールに特定の図柄を停止させる操作タイミングで操作すること等)で操作されたことのうちの一の条件または複数の条件を含む構成とすることで、特定条件は、有利状態において必ず成立するものではないため、特典付与示唆報知が行われる頻度が高まり過ぎることがなく、特典付与示唆報知の希少性が高まり、特典付与示唆報知が行われることによる興趣を高めることができる。また、特に、ストップスイッチ8L、8C、8Rが特定の操作態様で操作されることで特定条件が成立する場合には、遊技者の操作すなわち遊技者の意思により、特定条件を成立させて特典付与示唆報知を行わせるか否かを選択させることができ、遊技者の意思に反して特典付与示唆報知が行われることを制限できる。
【0089】
本実施例のサブ制御部91は、液晶表示器51にて有利状態終了報知及び特典付与示唆報知を行わせることが可能な構成であり、有利状態終了報知の報知態様と特典付与示唆報知の報知態様とが類似する構成であるが、有利状態終了報知を行わせる期間と特典付与示唆報知を行わせる特定期間とが重複する期間においては、特典付与示唆報知を行わせず、有利状態終了報知を行わせるので、有利状態終了報知の報知態様と特典付与示唆報知の報知態様とが類似していても、有利状態の終了を確実に認識させることができる。
【0090】
尚、本実施例のサブ制御部91は、液晶表示器51にて有利状態終了報知及び特典付与示唆報知を行わせることが可能な構成であり、有利状態終了報知の報知態様と特典付与示唆報知の報知態様とが類似している構成であるが、有利状態終了報知を行わせる期間と特典付与示唆報知を行わせる特定期間とが重複する期間においては、特典付与示唆報知よりも有利状態終了報知が強調して行われる構成とすることで、有利状態終了報知の報知態様と特典付与示唆報知の報知態様とが類似していても、有利状態の終了を確実に認識させることができる。
【0091】
また、本実施例では、有利状態終了報知と特典付与示唆報知とは、いずれも同種の情報として数字を表示させるので類似し、いずれも同じ種類の情報としてメッセージの文字を表示させるので類似し、表示態様を同様の態様でとするので、類似する構成であるが、少なくとも同じ種類の情報が表示されることで、類似する構成であっても良いし、少なくとも同様の表示態様で表示されることで類似する構成であっても良い。また、有利状態終了報知及び特典付与示唆報知おいて、同じ種類の情報として、いずれもキャラクタの画像が表示されることで類似する構成、同じ種類の情報として、いずれも特殊な模様が表示されることで類似する構成であっても良い。例えば、図13(a)(b)に示すように、有利状態終了報知では、特別状態において行われたゲーム数を示す数字及び特別状態において払い出されたメダルの総枚数を示す数字が表示される、すなわち複数種類の数字が表示されるのに対して、特典付与示唆報知では、ATの権利の当選により付与されるATのゲーム数を示す数字のみが表示される、すなわち一の種類の数字が表示されるような構成でも、有利状態終了報知の報知態様と特典付与示唆報知の報知態様とは、いずれも同種の情報として数字を表示させるので類似する。また、例えば、図14(a)(b)に示すように、有利状態終了報知では、第1のキャラクタの画像が表示されるのに対して、特典付与示唆報知では、第1のキャラクタの画像とはことなる第2のキャラクタの画像が表示されるような構成でも、有利状態終了報知の報知態様と特典付与示唆報知の報知態様とは、いずれも同種の情報としてキャラクタを表示させるので類似する。尚、有利状態終了報知と特典付与示唆報知とで、表示されるキャラクタ数やキャラクタの種類、ポーズ等が異なる場合でも、いずれもキャラクタの画像が表示されることで類似することになる。
【0092】
本実施例のサブ制御部91は、メイン制御部41側において特別状態に制御されている期間中にわたり、液晶表示器51にて有利状態中演出を行わせ、特別状態が終了される際に有利状態終了報知を行う構成であり、このような構成において、有利状態中演出として、特別状態でゲームが行われる毎にストーリーが進展するストーリー演出を行い、特別状態が終了される際に行わせる有利状態終了報知で、有利状態中演出のストーリーの結末を報知する構成としても良く、このような構成であっても、有利状態終了報知を行わせる期間と特典付与示唆報知を行わせる特定期間とが重複する期間においては、特典付与示唆報知を行わせず、有利状態終了報知を行わせること、または、特典付与示唆報知よりも有利状態終了報知が強調して行わせることにより、有利状態におけるストーリー性のある報知の結末が特典付与示唆報知によって邪魔されてしまうことを防止できる。
【0093】
以上、本発明の実施例及び変形例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0094】
前記実施例及び変形例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0095】
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
【符号の説明】
【0096】
1 スロットマシン
2L、2C、2R リール
6 MAXBETスイッチ
7 スタートスイッチ
8L、8C、8R ストップスイッチ
41 メイン制御部
91 サブ制御部
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