【実施例】
【0027】
以下に図面を参照して、本発明の実施例に係る食生活管理装置について詳細に説明する。
【0028】
本実施例に係る食生活管理装置1は、
図1に示すように、食事者の頭部にカチューシャ型又はネックバンド型の態様で装着可能な帯体状弾性材からなり全体として略U状を呈するように湾曲形成した頭部装着フレーム2と、この頭部装着フレーム2により保持され、食事者の食事時においてその頭部両側の側頭筋の動きを検知する一対構成の検知手段3、3と、前記頭部装着フレーム2の長さ方向中央部(湾曲部の最深部)に配置した情報処理ユニット4と、前記一対構成の検知手段3、3と、前記情報処理ユニット4とを各々接続する一対構成で二芯構造の検知信号用ケーブル6、6と、前記情報処理ユニット4と無線にて交信する報知手段80を構成するスマートフォン8又はタブレット型コンピュータ9等からなる多機能通信端末7と、前記頭部装着フレーム2に組み込んだ傾斜センサ81(又はジャイロセンサ、加速度センサ等)からなる姿勢検知手段10と、を有している。
【0029】
次に、前記検知手段3について
図2、
図3をも参照して説明する。
【0030】
前記検知手段3は、気密性を有し、チューブ状のエアパッド11からなり、このエアパッド11自体の弾性力によって内部の空隙12を保持するとともに、前記エアパッド11の元端に前記検知信号用ケーブル6に接続するとともに、食事者の咀嚼に伴うエアパッド11内の空隙12における空気振動を電気信号である検知信号に変換する第1の伝達媒体変換手段13を設けている。
【0031】
前記エアパッド11は、例えば、熱可塑性エラストマー製で、JIS K 6253にて規定されたデュロメータ硬さ試験のタイプAに基づく硬度範囲がA20〜A60のものを使用し、その具体的仕様としては、肉厚:0.1mm〜2.0mm、長さ50〜100mmとしている。
【0032】
また、前記エアパッド11は、前記頭部装着フレーム2と食事者の側頭筋(厳密には側頭筋外側の頭皮)に挟まれるように配置するものである。
【0033】
前記第1の伝達媒体変換手段13は、前記エアパッド11の元端に取り付けた端部カバー体14と、前記エアパッド11内の空隙12に臨ませた弾性を有する薄板材からなる受圧電極板15と、この受圧電極板15に対してその外側で対向させた固定電極板16とを保持筒17により保持してコンデンサ18として前記エアパッド11の元端に配置し、前記受圧電極板15に接続した第1信号線21aを端部カバー体14内を経てかつ途中に電池(例えばボタン型電池)19を介在させつつ前記検知信号用ケーブル6の一方の芯線に接続し、また、前記固定電極板16に接続した第2信号線21bを端部カバー体14内を経て前記検知信号用ケーブル6の他方の芯線に接続し、さらに、前記第1信号線21a、第2信号線21b間に前記コンデンサ18と並列接続となるように抵抗20を接続して構成したコンデンサマイク22と、を有する構成としている。
【0034】
そして、食事者の咀嚼に伴うエアパッド11内の空隙12における空気(エア)振動によって変化する前記コンデンサ18の静電容量の変化に応じた抵抗20の両端からの電気信号を食事者の咀嚼状態に対応する検知信号として前記検知信号用ケーブル6に出力するように構成している。
【0035】
前記第1の伝達媒体変換手段13としては、上述した場合の他、
図3に示すように、前記エアパッド11内に内部保持筒23を用いてコンデンサマイク22を配置する構成としても、
図2に示す場合と同様な作用を発揮させることができる。
【0036】
尚、
図3に示す構成において
図2に示す場合と同一の要素には同一の符号を付して示す。
【0037】
尚、前記エアパッド11内にエアの代わりに液体を充満した構成とすることもできる。
【0038】
図4は、前記エアパッド11の断面形状の構成例3態を示すものであり、前記エアパッド11としては、その断面が円筒形状、楕円筒形状、D型筒形状のうちのいずれかのものを選定した実施するものである。
【0039】
次に、
図5、
図6を参照して本実施例に係る食生活管理装置1の全体及び個別構成要素のブロック構成について説明する。
【0040】
図5は本実施例に係る食生活管理装置1の全体構成を示すものである。
【0041】
この食生活管理装置1は、前記一対の検知手段3、3及び姿勢検知手段10を情報処理ユニット4に接続するとともに、前記情報処理ユニット4に本実施例の食生活管理装置1全体の動作を実行するための動作プログラムを格納したプログラムメモリ32と、前記動作プログラムに基づき食生活管理装置1の各要素の制御を行う制御部31と、この食生活管理装置1の動作に必要な電力供給を行う一次電池又は二次電池からなる電源部40と、を有している。
【0042】
前記一対の検知手段3、3からの検知信号は各々増幅器33、33により増幅され、また、前記姿勢検知手段10からの姿勢検知信号は別の増幅器33により増幅された後、周波数フィルター34により各々フィルター処理され、さらにA/D変換器35によりデジタル信号に変換されて前記制御部31に伝送されるように構成している。
【0043】
また、本実施例に係る食生活管理装置1は、食事者の検知信号を基に当該食事者の咀嚼情報、これに関連する咀嚼関連情報を生成する咀嚼情報生成処理部37と、食事者の姿勢検知信号を基に前記咀嚼情報に関連する姿勢情報、姿勢関連情報を生成する姿勢情報生成処理部38と、年月日及び現在時刻の情報や食事者の食事時間の計時情報を出力する時計・計時部39と、含む咀嚼関連情報生成処理手段36を備えている。
【0044】
さらに、本実施例に係る食生活管理装置1は、前記情報処理ユニット4に設けられ、前記咀嚼関連情報生成処理手段36からの咀嚼情報、これに関連する咀嚼関連情報や姿勢情報、これに関連する姿勢関連情報に基づいて頭部装着フレーム2とは別体構成の報知手段80に各種の信号を送出する詳細は後述する無線通信手段69と、を備えている。
【0045】
前記無線通信手段69は、赤外線通信、ブルートゥース(登録商標)通信、又は、無線LAN(Wi-Fi)通信のいずれかの方式により無線通信を行うように構成としている。
【0046】
次に、
図6を参照して、前記咀嚼関連情報生成処理手段36を構成する咀嚼情報生成処理部37、姿勢情報生成処理部38について説明する。
【0047】
前記咀嚼情報生成処理部37は、前記検知手段3からの食事者の食事に伴う経時的な咀嚼状態を示す検知信号と、前記時計・計時部39からの年月日及び現在時刻の情報と、この時計・計時部39の計時機能とによって、食事者の食事開始から終了までの食事時間、総咀嚼回数、
図23に示すような連続した咀嚼と次の連続した咀嚼との間隔の時間、等からなる咀嚼情報を測定する咀嚼情報測定部51と、連続した咀嚼と次の連続した咀嚼との間隔の時間に応じた一口の終わりを意味する一口判断時間(例えば2.5秒)、予め定められた連続した咀嚼についての基準時間、及び、予め定められた一口ごとの基準咀嚼回数の情報を記憶保持し、前記咀嚼情報に基づき、連続した咀嚼回数が予め定められた一口ごとの基準咀嚼回数に達しない場合に「咀嚼不足(よくかまない)」と判定し、予め定められた前記基準時間を超えずに連続して咀嚼が繰り返された場合は「早食い」と判定し、「咀嚼不足」からなる咀嚼関連情報、「早食い」からなる咀嚼関連情報、を生成する咀嚼関連情報生成部52と、前記年月日及び現在時刻の情報、前記咀嚼情報、咀嚼関連情報を記憶する咀嚼関連情報記憶部53と、を有している。
【0048】
前記姿勢情報生成処理部38は、
図6に示すように、前記姿勢検知手段10からの食事者の食事時の経時的な姿勢変化を伴う姿勢検知信号と、前記時計・計時部39からの年月日及び現在時刻の情報と、この時計・計時部39の計時機能とにより、食事者の食事開始から終了までの当該食事者の姿勢状態において身体が後方へある角度(例えば30度)以上傾いている状態が5秒以上続いているか否か測定し、身体が前方へある角度(例えば30度)以上傾いている状態が5秒以上続いているか否か測定し、身体が左方へ又は右方へある角度(例えば左方へ又は右方へ15度)以上の傾いている状態が3秒以上続いているか否か測定する姿勢情報測定部55と、この姿勢情報測定部55の測定結果を基に、当該食事者に関して身体が後方へある角度(例えば30度)以上傾いている状態が5秒以上続いている場合に「のけ反り状態」からなる姿勢関連情報を生成し、身体が前方へある角度(例えば30度)以上傾いている状態が5秒以上続いている場合に「猫背状態」からなる姿勢関連情報を生成し、身体が左方へある角度(15度)以上の傾いている状態が3秒以上続いている場合に「左傾き状態」からなる姿勢関連情報を生成し、身体が右方へある角度(15度)以上の傾いている状態が3秒以上続いている場合に「右傾き状態」からなる姿勢関連情報を生成する姿勢関連情報生成部56と、前記年月日及び現在時刻の情報、姿勢情報、姿勢関連情報を記憶する姿勢関連情報記憶部57と、を有している。
【0049】
すなわち、本実施例に係る食生活管理装置1においては、頭部装着フレーム2に後述する報知手段駆動部41や、報知手段80を設けずに、これらの報知手段80の処理を前記無線通信手段69の機能と、多機能通信媒体7のソフトウェアー制御で行って、多機能通信媒体7に設けられた表示機能、音声発生機能、振動機能を用いて前記年月日及び現在時刻の情報、前記咀嚼情報、咀嚼関連情報、姿勢情報、姿勢関連情報を報知するものである。
【0050】
図7及び
図9は、本実施例に係る食生活管理装置1の変形例に係る食生活管理装置1Aの全体構成を示すものである。
【0051】
この変形例に係る食生活管理装置1Aは、基本的構成は
図1に示す場合と同様であるが、
図7に示すように、前記頭部装着フレーム2自体に例えば表示器5等からなる報知手段80を備えることが特徴である。
【0052】
この変形例に係る食生活管理装置1Aは、前記実施例と同様、
図8に示すように、前記一対の検知手段3、3からの検知信号は各々増幅器33、33により増幅され、また、前記姿勢検知手段10からの姿勢検知信号は別の増幅器33により増幅された後、周波数フィルター34により各々フィルター処理され、さらにA/D変換器35によりデジタル信号に変換されて前記制御部31に伝送されるように構成している。 尚、検知手段3を一対にすることで、左右バランスよく咀嚼しているか否かを確認することができる。
【0053】
また、変形例に係る食生活管理装置1Aは、食事者の検知信号を基に当該食事者の咀嚼情報、これに関連する咀嚼関連情報を生成する咀嚼情報生成処理部37と、食事者の姿勢検知信号を基に前記咀嚼情報に関連する姿勢情報、姿勢関連情報を生成する姿勢情報生成処理部38と、年月日及び現在時刻の情報や食事者の食事時間の計時情報を出力する時計・計時部39と、含む咀嚼関連情報生成処理手段36と、報知手段駆動部41と、を備えている。
【0054】
前記報知手段駆動部41は、
図9に示すように、前記咀嚼関連情報、姿勢関連情報に対応した振動報知パターン情報を記憶した振動報知パターン情報記憶部62を備え、前記咀嚼関連情報、姿勢関連情報の内容に対応して異なる振動報知パターンで前記振動モータ43を駆動し振動させる振動モータ駆動部61と、前記咀嚼関連情報、姿勢関連情報に対応した鳴動報知パターン情報を記憶した鳴動報知パターン情報記憶部64を備え、前記咀嚼関連情報、姿勢関連情報の内容に対応して異なる鳴動報知パターンで前記ブザー44を駆動し鳴動させるブザー駆動部63と、前記咀嚼関連情報、姿勢関連情報に対応した「よくかんでたべましょう」、「もっとゆっくりたべましょう」、「姿勢を正しましょう」等の音声報知パターン情報を記憶した音声報知パターン情報記憶部66を備え、前記咀嚼関連情報、姿勢関連情報の内容に対応した音声報知パターンで前記音声発生器45を駆動し音声を発生させる音声発生器駆動部65と、前記咀嚼情報、咀嚼関連情報、姿勢情報、姿勢関連情報に対応した表示報知パターン情報を記憶した表示報知パターン情報記憶部68Aと、前記咀嚼情報、咀嚼関連情報、姿勢情報、姿勢関連情報の内容に応じて実際に前記表示器5に表示させる表示情報を作成する表示情報作成部68Bとを備え、前記咀嚼情報、咀嚼関連情報、姿勢情報、姿勢関連情報に対応し表示報知パターン情報を用いて作成した表示情報を前記示器5の画面に表示させる表示器駆動部67と、を具備している。
【0055】
前記報知手段80としては、
図8に示すように、前記頭部装着フレーム2に組み込んだ例えば振動モータ43、ブザー44、例えば骨伝導スピーカからなる音声発生器45、液晶ディスプレイからなる表示器5のうちのいずれか又はこれら各要素の任意の組み合わせにより構成する例を挙げることができる。
【0056】
尚、変形例の場合においても、食生活管理手段1のように、前記報知手段80を構成するスマートフォン8又はタブレット型コンピュータ9からなる多機能通信端末7との間で無線通信を行う第2の伝達媒体変換手段である無線通信手段69を使って、多機能通信端末7の表示機能、音声発生機能、振動機能を制御する構成とすることもできる。
【0057】
次に、本実施例に係る食生活管理装置1における頭部装着フレーム2の詳細について説明する。
【0058】
一般に、咀嚼動作は、開口筋、閉口筋の連続的な動作によって成り立っている。この場合、開口筋は、外側翼突筋(下頭)、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、顎二腹筋の4種類からなり、閉口筋は、咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋(上頭)の4種類からなる。
【0059】
食物を噛みしめる動作として検知するには閉口筋の動作が適切である。
【0060】
しかし、閉口筋のうち咬筋の動作は会話等でも頻繁に動くため、咀嚼検知対象としては側頭筋の検知が適切であると考えられる。
【0061】
また、頭部(脳頭蓋)の成長は、一般的に6歳ごろには成人の脳頭蓋容量の90%以上を占めるようになると言われている
【0062】
したがって、児童から成人への成長に伴い側頭筋の場所に大きな変化は見られないと推定される。
【0063】
そこで本実施例では、噛みしめたときの側頭筋の膨らみを検知する構成を採用するものである。
【0064】
また、本実施例において、頭部装着フレーム2の形状は
図10に示すようにカチューシャ型(頭頂部を挟むように装着)と、ネックハンド型(頸部から前方に挟むように装着)のどちらの装着スタイルでも測定可能な形状となっており、いずれの装着スタイルも食事者の側頭筋に接触させて装着することが可能となっている。
【0065】
次に複数の食事者の個人差による頭部の大きさについて検討する。
【0066】
図11に示すような人体計測データによると、耳珠間頭頂弧長(同図点線で示すL0)では、女性の場合最小値:約320mm、最大値:約400mmで、全体で80mm(片側40mm)の差がある。
【0067】
したがって、個人差によって頭部装着フレーム2の大きさが同じ場合には接触する場所が異なるため、検討する必要が生じる。
【0068】
図12は、七人の被験者1〜7について咀嚼時に触診によって活動範囲(咀嚼活動範囲)をシールで可視化表示したものを各々線図で表すとともに、七人の被験者1〜7の頭部に対して、カチューシャ型と、ネックハンド型の2種の頭部装着フレーム2を各々同時に装着した態様を線図で示すものである。
【0069】
図13は、七人の被験者1〜7に関しての性別、頭囲、
図11に対応する頭部図、咀嚼活動範囲にあたる頭部装着フレーム部位(カチューシャ型と、ネックハンド型の2種)、実機での計測可能か否かの測定結果を一部グラフ形式で示すものである。
【0070】
また、
図14は、七人の被験者1〜7に関しての性別、氏名、頭囲、頭囲のprecentile、咀嚼活動範囲にあたる頭部装着フレーム部位(カチューシャ型と、ネックハンド型の2種)、実機1、2での計測可能か否かの測定結果を表形式で示すものである。
【0071】
実機1、2での計測条件は以下の通りである。
1頭囲:眉間中心から後頭部までの1周の長さを計測(巻尺)。
2咀嚼活動範囲:咀嚼者にガム等で咀嚼動作させ、触診にて活動範囲をシール等で可視化。
3咀嚼活動範囲にある頭部装着フレーム部位:
計測用頭部装着フレーム(長さ400mm、中央部を0mmとし、スケールを貼り付けたもの)を、中央部が頭頂にくるようにカチューシャ型、ネックバンド型の2通りで装着してもらい、活動範囲に重なる頭部装着フレームの位置を記録。
4実機による計測:
エアーパッドの位置が異なる2種類の頭部装着フレーム(実機1、実機2)を、カチューシャ型、ネックバンド型の2通りで装着してもらい、計測が可能か否かを○(入力値最大値55%以上)、△(入力値最大値20%以上55%未満)、×(入力値最大値20%未満)で評価。
ここに、実機1のエアーパッドの位置は100〜160mmとし、実機2のエアーパッドの位置は80〜200mmとした。
【0072】
尚、
図14において50(percentile)(百分位数)は分布の中央値を示すものである。
【0073】
図13、
図14から明らかなように、6歳以上の子供から成人まで本実施例のような検知手段3を設けた頭部装着フレーム2は、カチューシャ型でもネックバンドでも使用が可能であり、咀嚼時に被験者の側頭筋の動きが顕著に現れる適正位置をカバーすることが可能である。
【0074】
例えば6歳児であれば頭囲が一般に494mm〜535mm位に分布していて、被験者1の頭囲500mmの女児の場合は、50(percentile)以下で分布される。カチューシャ型、ネックバンド型の2スタイルで装着してもらうと、カチューシャ型装着では、頭部装着フレーム2の中央部から100〜175mmまで咀嚼活動範囲に接触し、ネックバンド型装着では105〜195mmの範囲まで咀嚼活動範囲に接触していることが分かる。
【0075】
このように被験者1〜7の人まで計測すると、カチューシャ型、ネックバンド型のどちらの装着スタイルであっても、135mm〜160mmまでは6歳児から成人まで咀嚼活動範囲を網羅していることが分かる。
【0076】
一般的に6歳ごろにはその脳頭蓋容積は成人の脳頭蓋容積の90%以上を占めるようになると言われているので、子供から大人まで上述した寸法範囲をカバーしておけば適正な咀嚼情報が得られることが判明した。
【0077】
また、実際に前記検知手段3を頭部装着フレーム2に取付けて実測した。そして、計測結果が良好な場合は○、不安定な場合は△、測定不能の場合は×で評価した。
【0078】
すると、検知手段3(エアーパッド)が頭部装着フレーム2の中央から100mm〜160mmをカバーできる実機1の場合は全ての被験者1〜7について各々良好に測定ができ、検知手段3(エアーパッド)が頭部装着フレーム2の中央から80mm〜200mmをカバーできる実機2の場合も各々良好に測定ができた。
【0079】
以上の結果から、検知手段が頭部装着フレームの長手方向中央部から少なくとも135mm〜160mmの範囲を網羅するように前記頭部装着フレームの片側若しくは両側に配置することで6歳以上の子供から成人まで良好に測定ができることが分かった。
【0080】
尚、不安定△、測定不能×の実験結果は出現しなかった。
【0081】
次に上述した本実施例に係る食生活管理装置1における食事者の食生活管理に関する動作を、咀嚼不足支援、早食い支援、姿勢傾き支援に場合分けし、
図15乃至
図34を参照して説明する。
【0082】
(咀嚼不足支援)
まず、
図15乃至
図22を参照して本実施例に係る食生活管理装置1により主に咀嚼不足支援を行う場合について説明する。
【0083】
食事者が食生活管理装置1を動作状態にした後、前記頭部装着フレーム2を自己の頭部に装着し、食事を開始すると、前記一対の検知手段3、3からの検知信号、前記姿勢検知手段10からの姿勢検知信号が情報処理ユニット4に伝送され、これらの検知信号、姿勢検知信号は、上述した構成の咀嚼関連情報生成処理手段36により処理され、咀嚼情報、これに関連する咀嚼関連情報や姿勢情報、これに関連する姿勢関連情報、さらには年月日、時刻の情報が報知手段駆動部41に伝送され、報知手段駆動部41における報知動作により処理されて、前記振動モータ43、ブザー44、音声発生器45、表示器5、スマートフォン8又はタブレット型コンピュータ9等の多機能通信端末7に各々以下に述べるような個別の態様で伝送され、当該食事者に報知される。
【0084】
図15は、多機能通信端末7の一つであるスマートフォン8の表示部に、計測結果として前記咀嚼関連情報生成処理手段36の動作を基に生成した当該食事者の総咀嚼回数、食事時間(経過時間)、姿勢が良好であることを示す姿勢報知パターン情報を無線通信し表示した例を示すものである。
【0085】
図16は、前記頭部装着フレーム2の表示器5に計測結果として年月日、時刻、食事時の総咀嚼回数、食事時間を伝送し表示した例を示すものである。
【0086】
図17は前記スマートフォン8の表示部に、食事中の計測画面として当該食事者の総咀嚼回数、食事時間、当該食事者の連続した咀嚼回数(現在のもの(上)とひとつ前のもの(下))、姿勢が良好であることを示す姿勢報知パターン情報を無線通信し表示した例を示すものである。
【0087】
図18は前記スマートフォン8の表示部に、「とてもいいかんじ このちょうしでよくかんでたべましょう」という咀嚼状態が良好であることを意味するメッセージ付きの報知パターン情報を無線通信し表示した例を示すものである。
【0088】
図19は、食事者の連続した咀嚼回数が目標回数以下、すなわち咀嚼不足である場合に、前記頭部装着フレーム2に内蔵した振動モータ43(同図には図示せず)を咀嚼不足に対応する振動報知パターンで振動させる状態、及び、前記頭部装着フレーム2に内蔵したブザー44(同図には図示せず)を咀嚼不足に対応する鳴動報知パターンで鳴動させる状態を示すものである。
【0089】
図20は食事中の計測画面として食事者の連続咀嚼が終了した後に、咀嚼回数が目標値に達していないとき、前記スマートフォン8の表示部に、目標咀嚼回数(30モグ)、現在リアルタイムの連続咀嚼回数(2モグ)、ひとつ前の終了した連続咀嚼回数(18モグ)、食事時間及び目標食事時間(20分)、姿勢情報、「もっとかみましょう」という咀嚼状態の改良を促すメッセージ付きの報知パターンを無線通信し表示した例を示すものである。
【0090】
図21は、前記スマートフォン8の表示部に、計測結果として食事者の朝食、昼食、夕食の各食事時における各々の総咀嚼回数、食事時刻、食事時間、姿勢報知パターン情報を無線通信し区別して表示した状態を示すものである。
【0091】
この場合、朝食時の姿勢報知パターン情報は、猫背状態を表し、昼食時、夕食時の姿勢各々報知パターン情報は各々姿勢が良好であることを表している。
【0092】
図22は、前記スマートフォン8の表示部に、計測結果として一人の食事者に関するある年の四月1日から11日までの食事時間、咀嚼回数(例えば一日三食の平均値)の推移を折れ線グラフ形式で表示したものである。
【0093】
同図に示すグラフにおいて、横軸は日付、縦軸(左)は咀嚼回数、縦軸(右)は食事時間の各数値を示している。
【0094】
また、同図に示す実線の折れ線は咀嚼回数の経日的変化を、点線の折れ線は食事時間の推移を表している。
【0095】
このようにすれば、食事者の咀嚼回数の経日的変化をグラフ表示により一覧的に確認できる利点がある。
【0096】
尚、
図22は日付の変化に応じた食事時間や咀嚼回数の推移を示したものであるが、この他、前記スマートフォン8の画面に設けるタップボタンの押下により当該食事者に関する週別の又は月別の食事時間、咀嚼回数の推移を表示するようにすることも可能である。
【0097】
(早食い支援)
次に、
図23乃至
図27を参照して本実施例に係る食生活管理装置1により主に早食い支援を行う場合について説明する。
【0098】
図23は前記咀嚼関連情報生成部52における連続した咀嚼と次の連続した咀嚼との間隔(時間)による一口の終わりの判定基準を示すものであり、その時間が2.5秒以上となるとき食事者の一口の終わりと判定する。
【0099】
また、連続した咀嚼と次の連続した咀嚼との間隔の時間が、例えば1.9秒であるような場合には、食事者が一口の間において既に口中で食べ物を噛んでいる途中に次の食べ物を口に入れたと判定する。
【0100】
図24は、食事中の計測画面として連続した咀嚼回数が目標回数を超えた場合(例えば2倍)に、食事を流し込んで食べていると判断し、前記スマートフォン8の表示部に、「流し込んで食べていませんか」という早食いを抑制するためのメッセージ付きの表示報知パターン情報、当該食事者の連続した咀嚼回数(72回)、食事時間、姿勢が良好であることを示す姿勢報知パターン情報を表示した状態を示すものである。
【0101】
前記表示報知パターン情報に「箸を休めてもう少しゆっくり食べましょう」という早食いを抑制するためのメッセージ付加することももちろん可能である。
【0102】
図25は、食事中の計測画面として前記スマートフォン8の表示部に、1秒当たりの咀嚼回数が2回を超えると、「ゆっくりかみましょう」という早食いを抑制するためのメッセージ付きの表示報知パターン情報、当該食事者の連続した咀嚼回数(18回)、食事時間、姿勢が良好であることを示す姿勢報知パターン情報を表示した状態を示すものである。
【0103】
食物を噛む咀嚼動作が速すぎると、よく噛めているとしても早食いにつながることからこれを抑制しようとするものである。
【0104】
図26は、食事終了時、食事の総時間が、満腹中枢が刺激され始める15分〜20分を超えていない場合において、前記スマートフォン8の表示部に、「次回は20分以上かけてたべましょう」という早食いを抑制するためのメッセージ付きの報知パターン情報を表示した例を示すものである。
【0105】
図27は、
図26に示す場合と同様に、前記頭部装着フレーム2の表示器5に、「次回は20分以上かけてたべましょう」という早食いを抑制する25ためのメッセージ付きの報知パターン情報を表示した例を示すものである。
なお、ここでは早食い支援について説明したが、同様に連続した咀嚼回数が目標回数に達しない場合は「咀嚼不足」と判断し「咀嚼不足」を意味するメッセージを表示部に表示することができる。
【0106】
ここで、本実施例の食生活管理装置1と従来例の一つとの比較説明を行う。
従来例である特開2012−5664号には、頭部に装着された非伸縮性ベルトで構成され、咀嚼センサ部は、第1の面上電極と第2の面上電極との間にスポンジ層を挟んで対向配置し静電容量の変化を検出する咀嚼センサ部を備える咀嚼計数装置が開示されている。
【0107】
この従来例の咀嚼計数装置の場合、ベルトの締め付け力や咀嚼センサ部の固定位置による影響を受けにくくするために、センサ感度を一定になるように増幅率を変化させる機能を有して、締め付け力除去回路から出力される信号を増幅して出力する自動ゲイン補正回路を設けるものであるため、もともと締め付け力が小の場合は、検出信号も弱く、電気的にゲインを上げて増幅しているためにノイズ成分まで増幅され、適正な咀嚼信号を得られず誤検出の原因となるという問題を包含している。
【0108】
これに対して、本実施例の食生活管理装置1においては、被験者の頭部に保持可能な弾性材からなる前記頭部装着フレーム2、前記検知手段3を備える構成からなるため、カチューシャ型や、ネックバンド型のスタイルで被験者の頭部に容易に装着可能であるとともに、前記検知手段3は、被験者の側頭筋の動きを密着した空気振動として正確に捉え、さらに空気振動で変化する電極間の静電容量の変化として捉えるため検知手段3そのものの感度が高く、大人、子供の体格差による締め付け力に影響されずに正確な検知信号を得ることができるという利点がある。
【0109】
次に、本実施例の食生活管理装置1における食事者に対する姿勢傾き(姿勢が悪い)支援に対する支援動作について説明する。
【0110】
この場合の姿勢傾き支援に関連する各要素についての初期設定態様は、例えば以下の二通りである。
【0111】
(1)頭部装着フレーム2と多機能通信端末7の組み合わせで食事者の姿勢測定に関する初期設定を行う場合には、まず、本実施例の食生活管理装置1を動作状態とした後、食事者が、頭部装着フレーム2を
図28に示すように例えばネックバンド型で(又はカチューシャ型でもよい)頭部に装着し、次に
図29に示すように例えば食事者が眼前の食卓上に置いた例えばスマートフォン8の表示部に「いただきます」ボタンを表示して、食事者に「いただきます」ボタン押下させ、さらに、スマートフォン8の表示部に「姿勢を正してください」と表示する。
【0112】
そして、前記姿勢検知手段10からの姿勢検知信号に基づき、姿勢情報測定部55、姿勢関連情報生成部56により「いただきます」ボタン押下時から3秒間の平均の姿勢情報を生成しこれを基準姿勢情報として姿勢関連情報記憶部57に記憶し、前記基準姿勢情報を基に以降の姿勢傾き支援動作を実行する。前記基準姿勢情報の具体的内容は
図30に示すようなものである。
【0113】
(2)頭部装着フレーム2の操作のみで食事者の姿勢測定に関する初期設定を行う場合には、報知手段80である表示器5を備えるとともに、姿勢検知手段10である傾斜センサ81、振動モータ43及び「いただきますボタン」82(食事開始スイッチ)を搭載した
図31に示すような頭部装着フレーム2を使用し、本実施例の食生活管理装置1を動作状態とした後、
図32に示すように、食事者がこの頭部装着フレーム2を手に持っている間に「いただきますボタン」82を押下する。
【0114】
そして、食事者が頭部装着フレーム2を頭部に装着する時間の間(「いただきますボタン」押下後例えば5秒)振動モータ43を作動させて頭部装着フレーム2を振動間隔が徐々に狭まるように振動させ、準備動作時間の終了が近づいていることを知らせる。(準備動作)
【0115】
次に、5秒経過して準備動作時間が終了すると、振動モータ43を一定間隔で3秒間振動させ、この3秒の間に前記姿勢情報生成処理部38により3秒間平均の姿勢情報を生成し、記憶して、これを基準姿勢情報として以降の姿勢傾き支援動作作を実行する(キャリブレーション動作)。
【0116】
本実施例の食生活管理装置1における実際の姿勢傾き支援動作においては、前記姿勢検知手段10からの姿勢検知信号に基づき、姿勢情報測定部55により食事者の食事中の姿勢情報を測定する。
【0117】
そして、姿勢関連情報生成部56により、測定した姿勢情報と、上述した姿勢基準情報とを比較し、食事者の身体において後方へのある角度(例えば30度)以上の傾きが5秒以上続いた場合に「のけ反り:そり背」(
図33左欄)であるとの姿勢関連情報を生成し、食事者の身体において前方へのある角度(例えば30度)以上の傾きが5秒以上続いた場合に「猫背」(
図33中欄)であるとの姿勢関連情報を生成し、食事者の身体において左方へのある角度(例えば15度)以上の傾きが3秒以上続いた場合に「傾き」(
図33右欄)であるとの姿勢関連情報を生成する。尚、食事者の身体の「右傾き」についても同様である。
【0118】
そして、上述した姿勢情報、姿勢関連情報は、姿勢関連情報記憶部70に記憶される。
【0119】
図34は、前記スマートフォン8の表示部に、「姿勢を正しましょう」という姿勢傾きを抑制する支援のためのメッセージ付きの報知パターン、総咀嚼回数、継続した咀嚼数及び一口の目標咀嚼数、食事時間及び目標食事時間、姿勢情報を無線送信し、表示した例を示すものである。
【0120】
尚、前記食生活管理装置1Aの場合は、姿勢傾きを検知すると、正しい姿勢になるまでブザー44が鳴動する構成を採用している。
【0121】
以上説明した本実施例に係る食生活管理装置1(又は食生活管理装置1A)によれば、以下のような種々の効果を発揮できる。
【0122】
[1]前記一対の検知手段3を備える頭部装着フレーム2を主要素とすることから、既述した従来例であるヘアバンド式チューイングメーターや咀嚼計数装置に比べ個々の食事者に合わせた調整が少ないため、簡単手軽に頭部装着フレーム2をカチューシャ型又はネックバンド型のスタイルで頭部に装着し、側頭筋の動きを計測することができ、耳を塞ぐ・口にあたる等の煩雑さを伴うことなく自らの咀嚼不良や早食い等の咀嚼状態を的確に確認することが可能になるという顕著な効果を奏する。
【0123】
[2]また、本実施例に係る食生活管理装置1(又は食生活管理装置1A)によれば、頭部装着フレーム2に一対の検知手段3、3を配置する構成としているので、当該食事者の頭部の左右の側頭筋の動きに関する検知信号を得ることができ、これにより、食事者の偏咀嚼(咀嚼の左右バランス)に関する咀嚼情報、咀嚼関連情報を解析することも可能となる。
【0124】
[3]さらに、食生活管理装置1の場合スマートフォン8やタブレット型コンピュータ9にも咀嚼情報、咀嚼関連情報、姿勢情報、姿勢関連情報を蓄積記憶し、再生することもできるので、医療現楊で生活習價のアドバイス等にも活用することが可能となる。
【0125】
[4]頭部装着フレーム2の表示器5又はスマートフォン8、タブレット型コンピュータ9の表示部に咀嚼情報、咀嚼関連情報、姿勢情報、姿勢関連情報を種々の態様で表示でき、特にグラフ形式で咀嚼情報や咀嚼関連情報を表示することで、食事者の食事に伴う咀嚼状態を経時的に又は経日的に一覧形式で確認することも可能となる。
【0126】
[5]頭部装着フレーム2に報知手段80として骨伝導スピーカを使用する構成とすれば、食事中に食事者以外には聞こえない状態でアドバイス等の音声による報知が可能となり、隣人等に迷惑をかけない周囲環境に配慮した食生活管理装置1を実現できる。
【0127】
[6]本実施例の食生活管理装置1によれば、スマートフォン8やタブレット型コンピュータ9を利用することで、食事中においても咀嚼回数を容易に確認することができ、咀嚼回数を常に意識しつつ食事をする食事者にとって、自己の一口の咀嚼回数が咀嚼目標回数(例えば一口30回等)に達しているか否かの判断も極めて容易で、この点からも食事者の食生活管理を有効に行うことができる。
【0128】
[7]本実施例に係る食生活管理装置1(又は食生活管理装置1A)によれば、前記表示器駆動部67から前記表示器5又は多機能通信端末7へ送信する表示情報を経時的に記憶する表示履歴記憶部70を備えているので、食事後においていつでも前記頭部装着フレーム2に設けた表示器5の画面やスマートフォン8、タブレット型コンピュータ9の表示部において自己の食事結果を視認し確認することも可能となる。
【0129】
このことは、前記食生活管理装置1(又は食生活管理装置1A)を普段使用する上で、食事後に食事内容を確認するだけで十分であるような用途に極めて有益である。
【0130】
例えば、食事中にスマートフォン8、タブレット型コンピュータ9を卓上におけない状況、また教育現場(幼稚園、保育園、小学校、中学校等)で使用する状況、食事中に咀嚼回数を確認する必要が無い場合等において極めて有益である。
【0131】
[8]さらに、咀嚼情報、咀嚼関連情報をスマートフォン8やタブレット型コンピュータ9に記憶、蓄積できることはもちろんのこと、主食・主菜・副菜等の食事内容をスマートフォン8や、タブレット型コンピュータ9の撮像機能を利用して記憶し、蓄積することも可能であり、撮像した情報を基に一回の食事毎の摂取カロリーを演算して取得したり、咀嚼回数と厚生労働省が提唱している身体活動量のMETs(メッツ)を計算することで消費カロリーの取得が可能となり、食事者の食生活管理を有効に行うことができる。
【0132】
図35は、本実施例に係る食生活管理装置1のさらに別の変形例である食生活管理装置1Bを示すものであり、この食生活管理装置1Bは、上述した実施例に係る食生活管理装置1(又は食生活管理装置1A)の場合と略同様な構成であるが、前記頭部装着フレーム2に対して食事者の頭部左側の側頭筋のみの動きを検知する一つの検知手段3のみを配置した構成としたことが特徴である。尚、食事者の頭部右側の側頭筋のみの動きを検知する構成とすることももちろん可能である。
【0133】
図35に示す変形例の食生活管理装置1Bの場合においても、上述した食事者の偏咀嚼解析機能の点を除いて実施例の食生活管理装置1(又は食生活管理装置1A)の場合と同様な効果を発揮させることができる。
【0134】
次に
図36、
図37を参照してさらに別の変形例である食生活管理装置1Cについて説明する。
【0135】
図36は本実施例に係る食生活管理装置1のさらに別の変形例である食生活管理装置1Cの外観構成を示し、
図37は別の変形例である食生活管理装置1Cの全体構成を示す概略ブロック構成を示すものである。
【0136】
尚、
図36、
図37に示す食生活管理装置1Cにおいて、実施例に係る食生活管理装置1の場合と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0137】
別の変形例である食生活管理装置1Cは、実施例の食生活管理装置1の場合と基本的構成は略同様であるが、前記情報処理ユニット4に第2の伝達媒体変換手段である無線タグ(例えばRFID(Radio Frequency IDentification)タグ)91を付加したこと、報知手段80を構成するスマートフォン8としてNFC(近距離無線通信)対応のものを使用すること、同じく報知手段80を構成する前記タブレット型コンピュータ9として読取装置である無線タグリーダ92を備えるものを使用することが特徴である。
【0138】
NFC(近距離無線通信)技術としては、例えば公知のZigbee(登録商標)(IEEE802,15,4))等の無線通信手段を使用するものである。
【0139】
このような構成からなる別の変形例である食生活管理装置1Cによれば、既述した実施例に係る食生活管理装置1の場合と同様な効果を発揮させることに加え、以下のような斬新な効果を発揮させることができる。
【0140】
実際の使用現場では、複数台の頭部装着フレーム2を同時的に使用するような環境(例えば、レストラン、学校等における多数の食事者の食事)において、前記頭部装着フレーム2の台数分だけ多機能通信端末7を用意することは容易ではない。
【0141】
このような状況下では食生活管理装置1Cを構成する各頭部装着フレーム2に各々無線タグ91を設けて、1台の多機能通信端末7(前記スマートフォン8又は前記タブレット型コンピュータ9)にかざすことで先に既述したような咀嚼情報、咀嚼関連情報、姿勢情報、姿勢関連情報を無線にて送信することが極めて有効である。
【0142】
すなわち、個々の無線タグ91には、固有ID(固有識別情報)と測定情報(咀嚼回数・食事時間等)を記録させ、終了後に1台の多機能通信端末7に無線送信し集計して多数の食事者の咀嚼や姿勢に関する情報を集中管理するシステムを構築することが可能となる。
【0143】
さらに付言すると、前記各頭部装着フレーム2に組み込んだ無線タグ91に固有ID、測定開始から測定終了までの咀嚼回数・食事時間(実時間)、さらには過去複数回分データ等を記憶させ、食事終了後に例えば前記タブレット型コンピュータ9に設けた無線タグリーダ92に送信してその情報を読み取らせることで多数の食事者の咀嚼や姿勢の情報を集中管理することが可能となる。
【0144】
また、複数台の頭部装着フレーム2を同時的に利用する際に、図示しないコンピュータ(ノート型又はデスクトップ型)に既述したような咀嚼情報、咀嚼関連情報、姿勢情報、姿勢関連情報を無線にて送信し集中管理を行うシステムを構築することも可能となる。
【0145】
さらには、NFC対応の前記スマートフォン8を前記各頭部装着フレーム2に組込まれた無線タグ91にかざすことで、1台の前記スマートフォン8に無線送信し集計して多数の食事者の咀嚼や姿勢の情報を集中管理するシステムを構築することが可能となる。
【0146】
以上の説明では、無線タグ91を組み込んだ食生活管理装置1Cについて説明したが、既述した食生活管理装置1A又は1Bに無線タグ91を組み込んだ構成を採用することもちろん可能である。
【0147】
また、既述した食生活管理装置1、1A、1B、1Cにおいては、前記姿勢検知手段10を情報処理ユニット4の外に配置した構成を示したが、前記姿勢検知手段10を情報処理ユニット4に内蔵する構成とすることもできる。