特許第6761844号(P6761844)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6761844地図情報作成装置、地図情報作成方法、地図情報作成プログラムおよび記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6761844
(24)【登録日】2020年9月9日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】地図情報作成装置、地図情報作成方法、地図情報作成プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/31 20190101AFI20200917BHJP
   G06F 16/387 20190101ALI20200917BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   G06F16/31
   G06F16/387
   G09B29/00 F
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-207683(P2018-207683)
(22)【出願日】2018年11月2日
(65)【公開番号】特開2020-71837(P2020-71837A)
(43)【公開日】2020年5月7日
【審査請求日】2019年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】出口 悟
(72)【発明者】
【氏名】中西 健太
(72)【発明者】
【氏名】キン シン
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−162691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
POI(Points Of Interest)に係るPOI情報を含む地図情報と、入力されたデータからPOIに関する出来事や話題を示す情報を抽出するためのPOI学習モデルとを記憶する記憶部と、
文書を含む情報群の入力を受け付ける入力部と、
前記情報群から、前記POI学習モデルを用いて、1以上の前記POIに関する出来事や話題を示す情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した情報のうち、前記POI情報に含まれていない新出情報を特定する特定部と、
前記新出情報を、POIに係る新たな情報として前記POI情報に登録する登録部と、
前記登録部が特定した新出情報の有効期間を設定する設定部と、
を備える地図情報作成装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記1以上のPOIに関する出来事や話題を示す情報として抽出する際に、抽出した情報が前記POIに係る情報として適格か否かを示す確度を算出し、
前記設定部は、前記確度に基づいて前記有効期間を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図情報作成装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記情報群から、前記新出情報が抽出された頻度に基づいて前記有効期間を設定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の地図情報作成装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記情報群のうち、前記新出情報が抽出された情報源が互いに異なる2以上の情報源から抽出されたものである場合に、前記有効期間が長くなるように設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の地図情報作成装置。
【請求項5】
前記新出情報が情報として継続的な情報であるか否かを判定する判定部を更に備え、
前記設定部は、前記判定部が前記新出情報が継続的に抽出される情報であると判定した場合には、前記新出情報に対して前記有効期間を設定しない
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の地図情報作成装置。
【請求項6】
前記登録部は、前記新出情報に対して有効期間が設定されており、前記有効期間が経過した場合に、前記新出情報を無効化する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の地図情報作成装置。
【請求項7】
POI(Points Of Interest)に係るPOI情報を含む地図情報と、入力されたデータからPOIに関する出来事や話題を示す情報を抽出するためのPOI学習モデルとを記憶する記憶部を備える地図情報作成装置が実行する地図情報作成方法であって、
文書を含む情報群の入力を受け付ける入力ステップと、
前記情報群から、前記POI学習モデルを用いて、1以上の前記POIに関する出来事や話題を示す情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップが抽出した情報のうち、前記POI情報に含まれていない新出情報を特定する特定ステップと、
前記新出情報を、POIの内容に関する新たな情報として前記POI情報に登録する登録ステップと、
前記登録ステップが特定した新出情報の有効期間を設定する設定ステップと、
を含む地図情報作成方法。
【請求項8】
前記抽出ステップは、前記1以上のPOIに関する出来事や話題を示す情報として抽出する際に、抽出した情報がPOIの情報として適格か否かを示す確度を算出し、
前記設定ステップは、前記確度に基づいて前記有効期間を設定する
ことを特徴とする請求項7に記載の地図情報作成方法。
【請求項9】
前記設定ステップは、前記情報群から、前記新出情報が抽出された頻度に基づいて前記有効期間を設定する
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の地図情報作成方法。
【請求項10】
前記設定ステップは、前記情報群のうち、前記新出情報が抽出された情報源が互いに異なる2以上の情報源から抽出されたものである場合に、前記有効期間が長くなるように設定する
ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の地図情報作成方法。
【請求項11】
前記新出情報が情報として継続的な情報であるか否かを判定する判定ステップを更に備え、
前記設定ステップは、前記判定ステップが前記新出情報が継続的に抽出される情報であると判定した場合には、前記新出情報に対して前記有効期間を設定しない
ことを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の地図情報作成方法。
【請求項12】
前記登録ステップは、前記新出情報に対して有効期間が設定されており、前記有効期間が経過した場合に、前記新出情報を無効化する
ことを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の地図情報作成方法。
【請求項13】
POI(Points Of Interest)に係るPOI情報を含む地図情報と、入力されたデータからPOIに関する出来事や話題を示す情報を抽出するためのPOI学習モデルとを記憶する記憶機能にアクセス可能なコンピュータに、
文書を含む情報群の入力を受け付ける入力機能と、
前記情報群から、前記POI学習モデルを用いて、1以上の前記POIに関する出来事や話題を示す情報を抽出する抽出機能と、
前記抽出機能が抽出した情報のうち、前記POI情報に含まれていない新出情報を特定する特定機能と、
前記新出情報を、POIの内容に関する新たな情報として前記POI情報に登録する登録機能と、
前記登録機能が特定した新出情報の有効期間を設定する設定機能と、
を実現させる地図情報作成プログラム。
【請求項14】
前記抽出機能は、前記1以上のPOIに関する出来事や話題を示す情報として抽出する際に、抽出した情報がPOIの情報として適格か否かを示す確度を算出し、
前記設定機能は、前記確度に基づいて前記有効期間を設定する
ことを特徴とする請求項13に記載の地図情報作成プログラム。
【請求項15】
前記設定機能は、前記情報群から、前記新出情報が抽出された頻度に基づいて前記有効期間を設定する
ことを特徴とする請求項13又は14に記載の地図情報作成プログラム。
【請求項16】
前記設定機能は、前記情報群のうち、前記新出情報が抽出された情報源が互いに異なる2以上の情報源から抽出されたものである場合に、前記有効期間が長くなるように設定する
ことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の地図情報作成プログラム。
【請求項17】
前記新出情報が情報として継続的な情報であるか否かを判定する判定機能を更に備え、
前記設定機能は、前記判定機能が前記新出情報が継続的に抽出される情報であると判定した場合には、前記新出情報に対して前記有効期間を設定しない
ことを特徴とする請求項13〜16のいずれか一項に記載の地図情報作成プログラム。
【請求項18】
前記登録機能は、前記新出情報に対して有効期間が設定されており、前記有効期間が経過した場合に、前記新出情報を無効化する
ことを特徴とする請求項13〜17のいずれか一項に記載の地図情報作成プログラム。
【請求項19】
請求項13〜18のいずれか一項に記載の地図情報作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な情報からPOIに関する出来事や話題を示す情報を特定して地図に設定できる地図情報作成装置、地図情報作成方法、地図情報作成プログラム、および当該プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーションシステムにおいて利用される地図情報には、ユーザが興味を示す可能性がある場所や施設を示すPOI(Points Of Interest)に係る情報が登録されている。POIに係る情報とは、POIの関連する情報全般のことであり、POIの名称、場所の他、その特徴(例えば、飲食店であればどのようなジャンルの飲食物を提供するのかなど)を示す情報などが含まれてよい。基本的には、POIに係る情報は、地図情報を作成するオペレータが一つ一つ手入力して登録する。しかしながら、その作業は膨大になるため、処理の自動化が望まれている。そこで、特許文献1には、情報流通サイト上で入手可能な元情報のURLにアクセスし、URLで表示されるウェブサイトのソースコードをスクレイピングして、施設情報を抽出する技術が開示されている。また、特許文献2には、複数の投稿情報からイベント名称と、対応するイベント開催スポット名称を含むイベント情報を抽出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−182818号公報
【特許文献2】特開2016−24545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1や特許文献2に記載の技術を利用すれば、POIに係る情報を抽出したり、関連するイベント情報を抽出したりすることができる可能性がある。そして、抽出した情報をPOIに係る情報として自動登録することが考えられるが、このように抽出された情報は高い鮮度を確保できる反面、地図情報のPOI情報として必ずしも適切であるとは言えない。このとき間違った情報がPOI情報として登録された場合には、地図情報として不備のある情報を掲載することになり、ナビゲーションシステムが誤った情報をユーザに提供する可能性があるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述のような問題を解決するために、不備のある情報が登録されたとしても、その不備を解消することができる地図情報作成装置、地図情報作成方法および地図情報作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る地図情報作成装置は、POIに係るPOI情報を含む地図情報と、入力されたデータからPOIに関する出来事や話題を示す情報を抽出するためのPOI学習モデルとを記憶する記憶部と、文書を含む情報群の入力を受け付ける入力部と、情報群から、POI学習モデルを用いて、1以上のPOIに関する出来事や話題を示す情報を抽出する抽出部と、抽出部が抽出した情報のうち、POI情報に含まれていない新出情報を特定する特定部と、新出情報を、POIに係る新たな情報としてPOI情報に登録する登録部と、登録部が特定した新出情報の有効期間を設定する設定部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る地図情報作成方法は、POIに係るPOI情報を含む地図情報と、入力されたデータからPOIに関する出来事や話題を示す情報を抽出するためのPOI学習モデルとを記憶する記憶部を備える地図情報作成装置が実行する地図情報作成方法であって、文書を含む情報群の入力を受け付ける入力ステップと、情報群から、POI学習モデルを用いて、1以上のPOIに関する出来事や話題を示す情報を抽出する抽出ステップと、抽出ステップが抽出した情報のうち、POI情報に含まれていない新出情報を特定する特定ステップと、新出情報を、POIの内容に関する新たな情報としてPOI情報に登録する登録ステップと、登録ステップが特定した新出情報の有効期間を設定する設定ステップと、を含む。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る地図情報作成プログラムは、POIに係るPOI情報を含む地図情報と、入力されたデータからPOIに関する出来事や話題を示す情報を抽出するためのPOI学習モデルとを記憶する記憶機能にアクセス可能なコンピュータに、文書を含む情報群の入力を受け付ける入力機能と、情報群から、POI学習モデルを用いて、1以上のPOIに関する出来事や話題を示す情報を抽出する抽出機能と、抽出機能が抽出した情報のうち、POI情報に含まれていない新出情報を特定する特定機能と、新出情報を、POIの内容に関する新たな情報としてPOI情報に登録する登録機能と、登録機能が特定した新出情報の有効期間を設定する設定機能と、を実現させる。
【0009】
上記地図情報作成装置において、抽出部は、1以上のPOIに関する出来事や話題を示す情報として抽出する際に、抽出した情報がPOIに係る情報として適格か否かを示す確度を算出し、設定部は、確度に基づいて有効期間を設定することとしてもよい。
【0010】
上記地図情報作成装置において、設定部は、情報群から、新出情報が抽出された頻度に基づいて有効期間を設定することとしてもよい。
【0011】
上記地図情報作成装置において、設定部は、情報群のうち、新出情報が抽出された情報源が互いに異なる2以上の情報源から抽出されたものである場合に、有効期間が長くなるように設定することとしてもよい。
【0012】
上記地図情報作成装置において、新出情報が情報として継続的な情報であるか否かを判定する判定部を更に備え、設定部は、判定部が新出情報が継続的に抽出される情報であると判定した場合には、新出情報に対して有効期間を設定しないこととしてもよい。
【0013】
上記地図情報作成装置において、登録部は、新出情報に対して有効期間が設定されており、有効期間が経過した場合に、新出情報を無効化することとしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様に係る地図情報作成装置は、POIに新出の出来事や話題を示す情報を登録することができるとともに、その情報が誤った情報である可能性をふまえて、その情報が有効である有効期間を設定することができる。したがって、誤った情報が登録されたとしても、有効期間が過ぎればその情報が無効になることから、地図情報作成装置は、不備のある情報が登録されたとしてもその不備を補てんすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】地図情報作成装置の機能構成例を示すブロック図である。
図2】POI情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図3】地図情報作成装置が更新したPOI情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図4】地図情報作成装置の動作を示すフローチャートである。
図5】POI学習モデルの作成と、判定の流れとを示すイメージ図である。
図6】地図情報作成装置の他の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施態様に係る地図情報作成装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
<実施の形態>
<地図情報作成装置の構成>
本発明の一態様に係る地図情報作成装置は、POIに係るPOI情報を含む地図情報と、入力されたデータからPOIに関する出来事や話題を示す情報を抽出するためのPOI学習モデルとを記憶する記憶部(図1の104参照)と、文書を含む情報群の入力を受け付ける入力部(図1の101参照)と、情報群から、POI学習モデルを用いて、1以上のPOIに関する出来事や話題を示す情報を抽出する抽出部(図1の105参照)と、抽出部が抽出した情報のうち、POI情報に含まれていない新出情報を特定する特定部(図1の105参照)と、新出情報を、POIに係る新たな情報としてPOI情報に登録する登録部(図1の105参照)と、登録部が特定した新出情報の有効期間を設定する設定部(図1の105参照)と、を備える。
【0018】
ここで、POIとは、ユーザが興味を覚えると思われる場所や施設などのことをいう。また、POIに関する出来事や話題を示す情報とは、そのPOIに関し、POIについての状態が理解できる情報であればどのような情報であってもよく、例えば、POIの状態の変化(例えば、リニューアル、閉店など)、POIで実行されているサービスやその変化、POIが提供している期間限定のサービス、POIの人気、話題になっていることなどが含まれてよい。
【0019】
図1は、地図情報作成装置100の機能構成例を示すブロック図である。図1に示すように、地図情報作成装置100は、入力部101と、出力部103と、記憶部104と、CPU105とを備える。
【0020】
地図情報作成装置100は、一例として、ナビゲーションシステムが利用する地図に含まれる各種のPOIについて、そのPOIの出来事や話題に関する情報を、様々な文書情報から取得する。地図情報作成装置100が、POIの出来事や話題を取得することで、POIの情報として登録すべき情報の探索をオペレータが行わずに済むので、オペレータの処理を軽減する。また、地図情報作成装置100は、POIに係る情報、即ち、POIの出来事や話題に関する情報をタグ情報として、登録するとともに、そのタグ情報に対して、有効期間を設けることができる。以下、そのような地図情報作成装置100の各機能部について詳細に説明する。
【0021】
入力部101は、地図情報作成装置100のユーザからの入力を受け付けて、CPU105に伝達する機能を有する。入力部101は、例えば、地図情報作成装置100に備えられたハードウェアキーや、タッチキーなどのソフトキーなどにより実現することができる。入力部101は、例えば、オペレータから、POIの出来事や話題を判定(特定)する対象となる文書情報の入力を受け付ける。入力部101は、受け付けた入力内容を示す文書情報をCPU105に伝達する。なお、入力部101に対する入力は音声による入力であってもよい。音声による入力の場合は、一例として、POIの情報を含む文書をオペレータが読み上げる態様で入力するものであってもよい。また、入力部101は、他の装置から情報を受信する通信インターフェースを兼ねてよく、文書を含む情報群を、判定対象の文書群として入力を受け付けることとしてもよい。
【0022】
出力部103は、CPU105からの指示に従って、指示されたデータを出力する機能を有する。出力部103は、外部の装置に対して、CPU105から指定された情報を出力する通信インターフェースとして機能する。出力部103は、例えば、モニターやスピーカ等の外部装置にデータを出力することができる。出力部103は、例えば、CPU105が文書から発見したPOIの出来事や話題を示す情報を出力する。
【0023】
記憶部104は、地図情報作成装置100が動作するうえで必要とする各種のプログラムおよび地図情報を含む各種のデータを記憶する記録媒体である。記憶部104は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)等により実現される。記憶部104は、POI学習モデル141と、POI情報142と、を記憶している。これらの情報は、予め記憶部104に記憶されていてよい。POI学習モデル141は、地図情報作成装置100が学習の結果得たモデルを記憶したものであってもよい。POI学習モデル141は、判定対象の文書(テキストデータ)を入力として、そのテキストデータにPOIに係る出来事や話題に関する言葉が含まれていた場合に、POIに係る出来事や話題に関する言葉を特定することができるモデルである。POI学習モデル141は、機械学習(深層学習)により、入力された情報にPOIに係る出来事や話題がどのような情報で、どのようなPOIに対応しているのかを学習したモデルであり、所謂、ディープラーニングにおける推定処理が可能なモデルである。POI情報142は、POIに係る各種の情報を含むデータベースである。POI情報142の詳細については、後述する。
【0024】
CPU105は、記憶部104に記憶されている各種のプログラムおよび各種のデータを利用して、地図情報作成装置100が実行すべき処理を実行するプロセッサである。
【0025】
CPU105は、POI学習モデル141に対して、入力部101から伝達された情報群を入力する。そして、CPU105は、POI学習モデル141を用いて、伝達された情報群に、POIに関する出来事や話題に関する言葉が含まれているか、含まれている場合に、その出来事や話題が何であるか、そして、何のPOIに対応するのかを特定する機能を有する。
【0026】
また、CPU105は、特定した言葉が、新出の情報であるか否かを判定する。そして、CPU105は、新出の情報である場合には、更に、その情報が継続的な情報であるか否かを判定する。新出の情報でなかった場合には、CPU105は何もしない。新出の情報であった場合には、その新出であると判定した情報が、入力された情報群のなかで、継続的に抽出される情報であるかを判定する。
【0027】
そして、CPU105は、継続的に抽出される情報である場合には、その新出の情報を新たなタグデータとして、後述するPOI情報142のタグデータ215に登録する。一方、継続的に抽出される情報ではなかった場合にも、CPU105は、その新出の情報を新たなタグデータとして、タグデータ215に登録するが、このとき、CPU105は、そのタグデータに対して、有効期間を算出し、算出した有効期間を対応付けて有効期間217に登録する。また、併せて、その登録を行った日時を、登録日216に登録する。
【0028】
また、CPU105は、POI情報142において、登録日216から有効期間217が経過したタグデータ215がある場合に、そのタグデータを無効化する。ここでタグデータを無効化とは、POI情報142において、そのタグデータが無効であることを示す情報(フラグ)が対応付けられることであってもよいし、POI情報142から削除されることであってもよい。タグデータの内容はPOIの検索等に用いることができるが、このときにタグデータが無効であることを示す情報が対応付けられている場合には、その検索には用いないこととする。
【0029】
以上が地図情報作成装置100の構成例である。
【0030】
<データ>
図2は、地図情報作成装置100の記憶部104に記憶されているPOI情報142の構成例を示すデータ概念図である。
【0031】
図2に示すように、POI情報142は、識別番号211と、POI名称212と、POI位置213と、所在地214と、タグデータ215と、登録日216と、有効期間217とが対応付けられた情報である。
【0032】
識別番号211は、POI情報142において各POIを地図情報作成装置100が一意に特定できるように設定された識別情報である。
【0033】
POI名称212は、対応するPOIの名称を示す情報であり、店名、施設名、地名などが該当する。
【0034】
POI位置213は、対応するPOIの位置座標を示す情報であり、その経緯度情報を示す。この経緯度情報は、対応するPOIの敷地の中心の位置座標であってもよいし、敷地内のどこかの位置座標であってもよいし、POIの敷地全体の範囲を示す位置座標であってもよい。
【0035】
所在地214は、対応するPOIの所在地を示す情報であり、その住所を示す。この住所は、おおよその場所だけを示す情報であってもよい。
【0036】
タグデータ215は、対応するPOIに係る情報であって、その特徴、状態、POIにおける出来事や話題などの情報のことである。タグデータ215は、対応付けられている情報ごとに区別して管理される。
【0037】
登録日216は、対応するタグデータ215がPOI情報142に登録された日付を示す情報である。
【0038】
有効期間217は、対応するタグデータ215の有効期間を示す情報である。ここでは、対応する登録日216から、どこまで有効であるかを示す情報であり、日数で示されることとするが、これは、有効期日の年月日、即ち、有効期限を示す情報であってもよい。図2の例では、登録日216に有効期間で示される日数を加算した年月日が、有効期限となる。また、有効期間217は、無期限である場合には、設定されず、図2においては、有効期間が設定されていない場合には、「−」で表現することとする。
【0039】
図2の例で言えば、識別番号211が、「P101112」で示されるPOIの名称は、「Aフレンチ」であり、そのPOI位置は、「(X1、Y1)」という座標を有し、「東京都新宿区」に居を構え、タグデータ215として、「新装開店」、「駅地下」、「スタイリッシュ」などの情報が対応付けられ、それらの情報の登録日が「2018年4月20日」であることが理解できる。また、「Aフレンチ」の各タグデータには、有効期間が設定されていないことが理解できる。
【0040】
図3は、POI情報142であって、地図情報作成装置100により更新されたPOI情報142の例を示している。
【0041】
地図情報作成装置100は、入力された情報群に新出の情報が含まれていた場合に、その新出情報を抽出するにあたって、算出された確度に応じて算出された有効期間とともに、新たにPOI情報142に登録する。
【0042】
図3の例では、BイタリアンというPOIに対して、「ハロウィン」という言葉がPOIに関する出来事や話題に係る言葉として抽出されて、タグデータ215に新たに登録された例を示している。
【0043】
そして、その「ハロウィン」というタグデータに対応付けて、「65日」という有効期間が設定されている。このように、地図情報作成装置100が抽出したPOIに関する出来事や話題に関する情報を新たに登録した場合には、有効期間を設ける。この有効期間を設けることによって、仮に、新たに登録されたタグデータの内容が、POIの情報として誤っていたとしても、有効期間が経過すれば無効になるので、地図情報に含まれるPOI情報142は自動的に正されることとなる。
【0044】
<地図情報作成装置の動作>
図4は、地図情報作成装置100によるPOIの出来事や話題を特定して、その内容が新出の情報であれば、POI情報142に登録する処理を示すフローチャートである。
【0045】
図4に示すように、地図情報作成装置100の入力部101は、文書の入力を受け付ける(ステップS401)。この文書は、ネットワーク上でPOIに関する出来事や話題が含まれていることが望ましく、例えば、ブログ、ツイッター(登録商標)、ネットニュース、ウェブサイト(ホームページ)等から、収集したものを入力としてよい。これらの情報は、地図情報作成装置100が、ネットワークを巡回して自動収集したものを用いてもよいし、地図情報作成装置100のオペレータが収集したものを用いてもよい。入力部101は、入力された情報をCPU105に伝達する。
【0046】
CPU105は、伝達された情報群に対して、POI学習モデル141を用いて、POIの出来事や話題が含まれるかを判定する(ステップS402)。ここで、CPU105は、どのPOIに関し、どのような出来事あるいは話題であるかを判定し、特定する。図5に示す実施形態において一具体例を示しているが、まず、文書にPOIに関する情報が含まれるか否かを判定し、POIに関する情報が含まれると判定された文書から、POIを特定可能な情報を抽出するとともに、文脈解析により、そのPOIに関する情報を抽出する。一例として、「名古屋にいいところがあるよ」という文書には、POIは含まれていないと判定する。一方で、「名古屋のA店の○○がおいしいよ」というような文書には、「A店」というPOIが含まれ、「○○がおいしい」という情報が出来事や話題(新出情報の候補)として抽出することができ、「今、B店で□□やっているよ」というような文書には、「B店」というPOIが含まれ、「□□やっている」という情報が出来事や話題として抽出することができる。なお、これは、先に、ある特定のPOIに関する文書であるか否かを判定し、その特定のPOIに関する文書であると判定された文書から、その特定のPOIに関する情報を抽出することにより実現するものであってもよい。即ち、先に特定のPOIを特定してもよいし、後から、特定のPOIを特定することとしてもよい。
【0047】
POIの出来事や話題が含まれると判定された場合には(ステップS403のYES)、CPU105は、その情報が、対応するPOIについて、新出の情報であるか否かを判定する(ステップS404)。新出の情報であるか否かは、POIの出来事や話題であるとして特定された言葉が、POI情報142において対応するPOIのタグデータ215として既に登録されているか否かにより判定することができる。また、その新出の情報がどのPOIに対応するかについては、抽出対象の文書に対する形態素解析を利用した文脈を解析することにより特定する。一例として、「A店が、B企業の協賛のもと、期間限定イベントを開催中」というような文書があった場合に、「期間限定イベント」が進出の情報として抽出できたときに、「A店」が、対応するPOIとなる。
【0048】
CPU105が入力された情報群から抽出したPOIの出来事や話題の情報が、新出の情報であった場合には(ステップS404のYES)、その新出の情報が継続的に抽出される情報であるか否かを判定する(ステップS405)。ここで、継続的に抽出される情報とは、入力された情報群内において、頻出する情報であって、入力された情報群内で登場する時期(期間)が所定よりも長い情報のことをいう。入力された情報群内で登場する時期は、各情報が投稿された日時に基づいて特定することができる。
【0049】
また、登場する時期が所定よりも長いというのは、POIの出来事や話題として特定された情報が掲載されている記事の日時情報(例えば、記事が投稿された日時、あるいは、記事内に含まれる記事と関連する日時)が、一定の年月にわたっていることを意味する。即ち、一定期間(例えば、半年)以上、そのPOIに対して、その出来事あるいは話題に関する情報が抽出できることを意味する。
【0050】
CPU105が抽出したPOIの出来事や話題の情報が、継続的に抽出される情報であると判定した場合には(ステップS405のYES)、CPU105は、抽出した言葉を、対応するPOIの永続的なタグデータとして、タグデータ215に登録し(ステップS406)、処理を終了する。
【0051】
一方、新出の情報が継続的に抽出される情報ではないと判定した場合には(ステップS405のNO)、CPU105は、その継続的に抽出される情報ではないと判定した情報を、POI情報142のタグデータ215に登録する。
【0052】
また、その際には、CPU105は、抽出した言葉に対して、対応するPOIの出来事や話題であると判定したその確度に応じた有効期間を算出する。そして、CPU105は、算出した有効期間を対応するタグデータ215に対応付けて、POI情報142に登録して(ステップS407)、処理を終了する。
【0053】
なお、CPU105は、タグデータ215の登録にあたって、登録日216も併せて登録するが、この日時は、対応するタグデータが抽出できた情報が、投稿された(ウェブ上に掲載された)最新の日時を、登録する。なお、この日時は、地図情報作成装置が、その新出の情報を抽出した日時で代替することとしてもよい。
【0054】
また、POIの出来事や話題が特定できなかった場合(ステップS403のNO)や、POIの出来事や話題が特定できたとしても、その情報が新出でなかった場合には(ステップS404のNO)、処理を終了する。
【0055】
このようにして、地図情報作成装置100は、POIに関する出来事や話題を、入力された新たな情報から特定して地図情報のPOI情報として登録することができる。また、その際には、地図情報作成装置100は、その登録する情報に有効期間を設けたうえで設定することにより、登録した情報が誤りであった場合の被害が大きくなることを防ぐことができる。
【0056】
<地図情報作成装置による学習と判定のイメージ>
図5は、地図情報作成装置100による学習と、学習の結果を利用した判定の流れ、学習したモデルの利用のされ方を示すイメージ図である。図5においては、一点鎖線で囲んでいる範囲内の処理が学習処理に該当し、鎖線で囲った領域内の処理が判定処理に該当する。なお、点線で囲った領域内の処理は、学習処理における前処理に該当する。
【0057】
図5に示すように単語の特徴ベクトル学習のための文書の入力に対して、形態素解析を行い、単語の特徴ベクトルを学習することで、単語特徴ベクトルモデルを生成することができる。図5に示すように、単語特徴ベクトルモデルは、POIの有無の学習、POIの出来事や話題の学習のいずれの段階においても利用することができる。なお、単語の特徴ベクトル学習のための文書とは、一例として、電子辞書やネットワーク上のウィキペディア等の情報を用いることができる。また、単語の特徴ベクトルの学習には、一例として、fasttextを利用することができる。fasttextは、単語のベクトル化とテキスト分類をサポートする機械学習のためのライブラリ(ニューラルネットワーク)である。なお、fasttextはあくまで一例であり、その他の手法を用いて学習を行ってもよい。
【0058】
また、地図情報作成装置100は、POIの有無が判定済みの教師データに対して、形態素解析、文書正規化、文書の特徴ベクトル生成といった前処理を行った上で、POIの有無を学習することにより、POI有無学習モデルを生成することができる。形態素解析は、文書を解析して、形態素(要素)に分解することであり、文書の正規化とは、文書内での単語の用いられかた(表現の揺らぎ)を是正(若しくは、揺らぎのある単語を同一の単語であると認識)したり、文書の特徴ベクトル生成に適した形式に整形することをいう。
【0059】
図5において、前処理を行うことで、文書の特徴ベクトルが生成され、生成された文書の特徴ベクトルに対して、例えば、ランダムフォレストを利用して、POIの有無を学習することができる。
【0060】
ランダムフォレストは、機械学習のアルゴリズムの一種であり、ランダムサンプリングされた教師データの組み合わせから予め定められた個数(例えば千種類)の判定用のモデルを作成する。そして、ランダムフォレストは、判定の際には、作成された全ての判定用のモデルを用いた判定結果の多数決で、最終の判定結果を得る学習モデルである。したがって、ランダムフォレストは、各学習(判定)モデルから、文書についての判定結果を、確率で出力することもできる。本実施形態の場合、入力されたPOI有無判定済み教師データ各々から生成された文書の特徴ベクトルをランダムサンプリングして、判定用のモデルを生成し、POI有無学習モデルとする。なお、POIの有無が判定済みの教師データとは、その文書にPOIに関する情報が含まれているか否かが、既に人の手で判定された情報のことであり、情報に対して、POIの有無を示すフラグ情報が対応付けられた情報のことである。図5に示すように、POI有無学習モデルは、入力された情報に対して、その情報の中にPOIに関する情報が含まれているか否かを判定するPOI有無判定処理を行う際に用いられる。
【0061】
また、地図情報作成装置100は、POIの出来事や話題について判定済みの教師データに対して、形態素解析、文書正規化、文書の特徴ベクトル生成といった前処理を行った上で、POIの出来事や話題を学習することにより、POI学習モデル141を生成することができる。POIの出来事や話題について判定済みの教師データとは、その情報の内容から、どのPOIに関する、何という出来事や話題があるのかの情報が対応付けられた情報である。POIの出来事や話題の学習にもランダムフォレストを利用することができる。
【0062】
そして、POIの出来事や話題を特定するにあたっては、図5に示すように地図情報作成装置100は、まず、判定対象の文書(情報群)の入力を受け付けて、まず先に、その情報群の各文書について、POIに関連するか否かをPOI有無学習モデルを用いて判定する。そして、判定の結果POI有無判定ラベル付文書を得る。
【0063】
その次に、地図情報作成装置100は、判定対象の情報群のうち、POIの有無において、POIに関する情報が含まれるとされた文書群に対して、POI学習モデル141を用いて、POIの出来事や話題を特定する。そして、CPU105は、特定した出来事や話題を示す文言のタグデータとしての確度を算出し、その確度を用いて、有効期間を算出し、POI情報142に登録する。
【0064】
前述のようにPOI学習モデル141はランダムフォレストを用いて生成した場合には、その判定モデルを複数(例えば、千種)含み、それぞれの判定モデルからの出力結果を得ることができる。即ち、入力された一つの情報に対して、その情報から、POIの出来事や話題として特定した情報が複数個(例えば、千個)出力されることになる。
【0065】
そして、出力された結果のうち、最も多い情報をPOIの出来事・話題であるとして、タグデータ215として登録すべき文言であると特定する。このとき、地図情報作成装置100のCPU105は、その文言が、全出力結果のうち、どの程度の判定モデルがその結果を出力したのかを、その文言の確度とする。そして、CPU105は、その算出した確度を用いて、その文言の有効期間を算出する。一例として、例えば、千の判定モデルのうち、ある文書から、POIの出来事として、POIとしての「Aフレンチ」に対して、「大行列」という出来事・話題が特定できたとする。その「Aフレンチ」と「大行列」という組み合わせを出力した判定モデルの個数がK個あったとする。この場合、CPU105が算出する「大行列」という文言に対する確度として、K/1000を用いることができる。そして、CPU105は、一例として、このK/1000という数値に対して、所定の係数(例えば、100)を乗じた値を有効期間の日数とすることができる。仮に、Kが400であれば、Aフレンチのタグデータ215として、「大行列」という文言が登録され、有効期間217として、「40日」が登録されることになる。また、その登録日216は、Aフレンチと大行列という文言が抽出できる情報元がウェブ上で登録された最新の日付を用いることができる。
【0066】
他の、一具体例を挙げれば、例えば、「Bイタリアンでハロウィンパーティー」とか、「Bイタリアンが、D社ハロウィン大賞受賞」などといった内容の情報群を入力されていたとして、「ハロウィン」という情報が、「Bイタリアン」というPOIに対する出来事・話題があることが特定できたとする。そして、千の判定モデルのうち、600個の判定モデルが、「ハロウィン」を特定したとする。このとき、「ハロウィン」という文言のタグデータとしての確度は、600/1000=0.6と算出することができる。予め、有効期間としての初期値(例えば、30日)を設定しておき、算出した確度に所定の演算を施した値を、その初期値に乗じた値を有効期間とすることが考えられる。例えば、所定の演算として算出した確度に1を足すという演算を行う場合には、有効期間として、(0.6+1)×30=48日という日数を算出することができる。
【0067】
また、更には、その「ハロウィン」という文言が、どれだけの回数が、入力された情報群に登場したかを示す頻度を用いて、有効期間を算出する(補正する)こととしてもよい。この頻度が高ければ高いほど、有効期間を長く設定し、頻度が低いと、有効期間を短く設定するようにする。例えば、頻度が、特定した文言を情報群の総数で除した値を用いたとして、上記した手法で算出した有効期間に対して、その頻度を乗じた値を最終的な有効期間とすることができる。
【0068】
また、「ハロウィン」という文言が特定できた情報源の種別(ネットニュース、ブログ、ツイッター、ウェブサイト、新聞、…)によっても、有効期間を設定(補正)するようにしてもよい。即ち、情報源の種別が多いほど、有効期間を長く設定し、情報源の種別が少ないほど、有効期間を短く設定するようにする。一例として、情報源の種別が一種類であれば、上述した手法で算出した有効期間をそのまま用い、二種類であれば、有効期間を2割増し、三種類であれば、有効期間を3割増しというように有効期間を長くすることが考えられる。
【0069】
有効期間の算出方法は、上述した算出方法に限定するものではなく、適宜、適切な長さの期間になるように、他の算出方法を用いてもよい。この算出に当たって、文言の出来事や話題としての確度を入力変数として用いてさえいればよい。
【0070】
なお、図5においては、まず入力された情報群にPOIそのものに関する情報が含まれているか否かを判定してふるい分けをしているが、入力部101に対して入力された情報を、そのままPOI学習モデル141に入力することとしてもよい。しかしながら、その事前に、POI有無学習モデルで、情報にPOIに関する情報が含まれているか否かでふるい分けをしておくことで、より精度の高い情報を得ることができる可能性を高めることができる。
【0071】
<まとめ>
本実施の形態に係る地図情報作成装置100によれば、ネットワーク等から収集した各種の情報の中から、POIに係る情報であって、POIの出来事や話題に関する情報を特定して、その情報をPOI情報として登録することができる。また、その際に、その抽出した情報の、POIのタグデータとしての確度に基づいて、有効期間を設定することで、仮にそのタグデータがPOIの情報として誤っていたとしても、有効期間後には無効とすることで、地図情報作成装置は、自身でその誤りを訂正することができる。
【0072】
<補足>
上記実施の形態に係る地図情報作成装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、他の手法により実現されてもよいことは言うまでもない。以下、各種変形例について説明する。
【0073】
(1)上記実施の形態においては、ナビゲーションに用いられる地図情報において用いられるPOI情報に対して、新たなタグデータ、そして、その有効期間を設定する例を示したが、タグデータの登録及び有効期間の設定は、ナビゲーションシステムの地図情報で利用されるPOI情報を対象に限定するものではない。ナビゲーションシステムの地図情報用のPOI情報以外の登録先であってもよく、データベースとして、POIに関する情報を含み、そのPOIに関連する情報として、タグデータを登録しているようなデータベースであれば、どのようなデータベースに対しても適用可能である。
【0074】
(2)上記実施の形態においては、地図情報作成装置における文書からPOIの出来事や話題を特定し、その話題をPOI情報に登録する手法として、地図情報作成装置のプロセッサが地図情報作成プログラム等を実行することにより登録することとしているが、これは装置に集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、上記実施の形態に示した複数の機能部の機能は1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。すなわち、図6に示すように、地図情報作成装置100は、入力回路101a、出力回路103a、記憶回路104a、制御回路105a、とから構成されてよく、それぞれ、入力部101、出力部103、記憶部104、CPU105、に相当する。
【0075】
また、上記地図情報作成プログラムは、プロセッサが読み取り可能な記録媒体に記録されていてよく、記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記地図情報作成プログラムは、当該地図情報作成プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記プロセッサに供給されてもよい。つまり、例えば、スマートフォン等の情報処理機器を利用して、ネットワーク上から地図情報作成プログラムをダウンロードして実行する構成としてもよい。本発明は、上記地図情報作成プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0076】
なお、上記地図情報作成プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【0077】
(3)上記実施の形態に示した各種の実施例や、<補足>に示した各種の例は適宜組み合わせることとしてもよい。また、各フローチャートに示した各動作は、結果として矛盾がなければその実行順序を入れ替えたり、並列に実行したりすることとしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
100 地図情報作成装置
101 入力部
103 出力部
104 記憶部
105 CPU(抽出部、特定部、登録部、設定部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6