特許第6761854号(P6761854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6761854自律走行車のための車両の位置点の配信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6761854
(24)【登録日】2020年9月9日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】自律走行車のための車両の位置点の配信方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20200917BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20200917BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20200917BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20200917BHJP
   B60W 30/10 20060101ALI20200917BHJP
   B60W 40/10 20120101ALI20200917BHJP
【FI】
   G08G1/16 A
   G08G1/00 X
   G01C21/26 A
   G08G1/0968 B
   B60W30/10
   B60W40/10
【請求項の数】21
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-517305(P2018-517305)
(86)(22)【出願日】2017年1月17日
(65)【公表番号】特表2019-503523(P2019-503523A)
(43)【公表日】2019年2月7日
(86)【国際出願番号】US2017013788
(87)【国際公開番号】WO2018063426
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2018年4月3日
(31)【優先権主張番号】15/277,822
(32)【優先日】2016年9月27日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516267603
【氏名又は名称】バイドゥ・ユーエスエイ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Baidu USA LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュー,ファン
(72)【発明者】
【氏名】コン,チー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,コアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チンカオ
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−358122(JP,A)
【文献】 特開2011−075471(JP,A)
【文献】 特開2007−206099(JP,A)
【文献】 特開2016−146061(JP,A)
【文献】 特開2016−123378(JP,A)
【文献】 特開平10−243708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
B60W 30/10
B60W 40/10
G01C 21/26
G08G 1/00
G08G 1/0968
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行車を走行させるためのコンピュータ実施方法であって、
前記自律走行車の後方車軸の近接領域内に装着されたGPSソースから受信されたGPS(Global Positioning System)データに基づいて、自律走行車の後輪セットと関連付けられる第1の位置を決定するステップと、
オンボード慣性計測ユニット(IMU)から受信された方向データに基づいて、前記自律走行車の移動方向を決定するステップと、
前記自律走行車の前記第1の位置と前記移動方向に基づいて、前記自律走行車の前輪セットに関連付けられる第2の位置を算出するステップと、
前記自律走行車の現在位置としての前記第2の位置に基づいて、ルートのルートセグメントを計画し、前記ルートセグメントに対する計画及び制御データを生成するステップと、
前記計画及び制御データに基づいて、前記ルートセグメントに沿って、前記自律走行車を制御し、走行させるステップと、を含み、
前記第1の位置および前記第2の位置は、x、y、z座標を含む3次元座標で表現され、前記移動方向は、3次元ベクトルである、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の位置は、前記自律走行車の前記後輪に関連付けられる第1の車軸の中心の位置である、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記第2の位置は、前記自律走行車の前記前輪に関連付けられる第2の車軸の中心の位置である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記前輪は、前記自律走行車の旋回ホイールである、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記第2の位置は、さらに、前記前輪の前方車軸と前記後輪の後方車軸との間の距離に基づいて算出される、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記第2の位置は、前記後輪の前記第1の位置を、前記移動方向と、前記前方車軸と前記後方車軸との間の距離との積に加えることにより決定される、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法において、
前記距離は、前記第1の車軸の第1の中心と前記後方車軸の第2の中心との間で測定される、方法。
【請求項8】
コマンドが記憶されており、
前記コマンドがプロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに自律走行車を走行させる動作を実行するようにする、非一時的機械可読媒体であって、
前記動作は、
前記自律走行車の後方車軸の近接領域内に装着されたGPSソースから受信されたGPS(Global Positioning System)データに基づいて、自律走行車の後輪セットと関連付けられる第1の位置を決定することと、
オンボード慣性計測ユニット(IMU)から受信された方向データに基づいて、前記自律走行車の移動方向を決定することと、
前記自律走行車の前記第1の位置と前記移動方向に基づいて、前記自律走行車の前輪セットに関連付けられる第2の位置を算出することと、
前記自律走行車の現在位置としての前記第2の位置に基づいて、ルートのルートセグメントを計画し、前記ルートセグメントに対する計画及び制御データを生成することと、
前記計画及び制御データに基づいて、前記ルートセグメントに沿って、前記自律走行車を制御し、走行させることと、を含み、
前記第1の位置および前記第2の位置は、x、y、z座標を含む3次元座標で表現され、前記移動方向は、3次元ベクトルである、非一時的機械可読媒体。
【請求項9】
請求項8に記載の非一時的機械可読媒体において、
前記第1の位置は、前記自律走行車の前記後輪に関連付けられる第1の車軸の中心の位置である、非一時的機械可読媒体。
【請求項10】
請求項8に記載の非一時的機械可読媒体において、
前記第2の位置は、前記自律走行車の前記前輪に関連付けられる第2の車軸の中心の位置である、非一時的機械可読媒体。
【請求項11】
請求項8に記載の非一時的機械可読媒体において、
前記前輪は、前記自律走行車の旋回ホイールである、非一時的機械可読媒体。
【請求項12】
請求項8に記載の非一時的機械可読媒体において、
前記第2の位置は、さらに、前記前輪の前方車軸と前記後輪の後方車軸との間の距離に基づいて算出される、非一時的機械可読媒体。
【請求項13】
請求項12に記載の非一時的機械可読媒体において、
前記第2の位置は、前記後輪の前記第1の位置を、前記移動方向と、前記前方車軸と前記後方車軸との間の距離との積に加えることにより決定される、非一時的機械可読媒体。
【請求項14】
請求項12に記載の非一時的機械可読媒体において、
前記距離は、前記第1の車軸の第1の中心と前記後方車軸の第2の中心との間で測定される、非一時的機械可読媒体。
【請求項15】
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されてコマンドを記憶するメモリと、を含み、
前記コマンドが前記プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに自律走行車を走行させる動作を実行するようにする、データ処理システムにおいて、
前記動作は、
前記自律走行車の後方車軸の近接領域内に装着されたGPSソースから受信されたGPS(Global Positioning System)データに基づいて、自律走行車の後輪セットと関連付けられる第1の位置を決定することと、
オンボード慣性計測ユニット(IMU)から受信された方向データに基づいて、前記自律走行車の移動方向を決定することと、
前記自律走行車の前記第1の位置と前記移動方向に基づいて、前記自律走行車の前輪セットに関連付けられる第2の位置を算出することと、
前記自律走行車の現在位置としての前記第2の位置に基づいて、ルートのルートセグメントを計画し、前記ルートセグメントに対する計画及び制御データを生成することと、
前記計画及び制御データに基づいて、前記ルートセグメントに沿って、前記自律走行車を制御し、走行させることと、を含み、
前記第1の位置および前記第2の位置は、x、y、z座標を含む3次元座標で表現され、前記移動方向は、3次元ベクトルである、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記第1の位置は、前記自律走行車の前記後輪に関連付けられる第1の車軸の中心の位置である、システム。
【請求項17】
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記第2の位置は、前記自律走行車の前記前輪に関連付けられる第2の車軸の中心の位置である、システム。
【請求項18】
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記前輪は、前記自律走行車の旋回ホイールである、システム。
【請求項19】
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記第2の位置は、さらに、前記前輪の前方車軸と前記後輪の後方車軸との間の距離に基づいて算出される、システム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムにおいて、
前記第2の位置は、前記後輪の前記第1の位置を、前記移動方向と、前記前方車軸と前記後方車軸との間の距離との積に加えることにより決定される、システム。
【請求項21】
請求項19に記載のシステムにおいて、
前記距離は、前記第1の車軸の第1の中心と前記後方車軸の第2の中心との間で測定される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的に自律走行車を走行させることに関する。より詳細に、本発明の実施形態は、自律走行車のための車両の位置点の配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行モード(例えば、運転者なしに)で走行している車両において、搭乗者、特に運転者は、運転に関連する担当事項の一部から軽減されることができる。自律走行モードで走行する際、車両はオンボードセンサを用いて様々な位置へナビゲートすることができ、その結果、最小限の人間とのインタラクションで、又は、一部の場合、乗客なしに車両の移動が可能となる。
【0003】
モーション計画及び制御は、自律走行において重要な動作である。しかし、従来のモーション計画動作は、指定された経路を完了する難しさを、主に経路の曲率(curvature)とスピードから推定する。典型的な車両は、旋回ホイールとして前輪を含むが、後輪は非旋回(non−turning)ホイールである。したがって、特に、旋回動作中に、前輪は後輪に先立って動く。ほとんどの従来の車両は、車両の後方車軸に基づいて車両の位置を決定する。したがって、車両の計画及び制御は、前輪が旋回ホイールである場合に、駆動ホイールとしての後輪の位置に基づいて実行される。このような構成は、不必要なシステム遅延をもたらす。
【0004】
本発明の実施形態は、同様の参照番号で同様の要素を示す添付の図面において、例示として説明され、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の一実施形態に係るネットワークシステムを示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る自律走行車の一例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る自律走行車とともに使用されるデータ処理システムの一例を示すブロック図である。
図4A】異なる位置に基づく自律走行車の走行の例を示す図である。
図4B】異なる位置に基づく自律走行車の走行の例を示す図である。
図5A】慣性計測ユニットによって提供される移動方向ベクトルの例を示す図である。
図5B】本発明の一実施形態に係る自律走行車の前輪に関連付けられる位置を算出する方法を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る自律走行車を走行させるプロセスを示すフローチャートである。
図7】一実施形態に係るデータ処理システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、検討した詳細を参照して本発明の様々な実施形態及び態様を説明し、添付の図面は、前記様々な実施形態を示す。以下の説明及び図面は、本発明の例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の様々な実施形態の完全な理解を提供するために、多くの詳細が記載されている。しかしながら、場合によって、本発明の実施形態の説明の簡潔さから、周知又は従来の詳細は記載されていない。
【0007】
本明細書において、「一実施形態」又は「実施形態」とは、当該実施形態に説明した特定の特徴、構造、又は特性を本発明の少なくとも1つの実施形態に含めることができることを意味する。本明細書を通じて使用される「一実施形態では」という語句は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すとは限らない。
【0008】
一部の実施形態によると、自律走行車の前輪の位置は、所定の公式を使用して後輪の位置から導出される。その後、自律走行車の位置としての後輪の位置に基づいて、計画及び制御動作が行われる。その結果、前輪は、駆動ホイールと回転ホイールとの両方として車両の計画及び制御に使用される。システムの遅延は、大幅に減少することができる。
【0009】
一実施形態では、自律走行車の後輪セットと関連付けられる第1の位置(例えば、前方車軸の中心)は、自律走行車に装着されたGPS受信機やGPSユニットの一部としての、GPS(global positioning system )センサのようなGPSソースから受信されたGPSデータに基づいて決定される。自律走行車の移動方向は、オンボード慣性計測ユニット(IMU)から受信された方向データに基づいて決定される。自律走行車の前輪セットに関連付けられる第2の位置(例えば、後方車軸の中心)は、自律走行車の第1の位置と移動方向に基づいて算出される。自律走行車の現在位置としての第2の位置をもとに、ルートのルートセグメントが計画される。ルートセグメントに対する計画及び制御データが生成される。自律走行車は、計画および制御データをもとに制御され、駆動される。
【0010】
図1は、本発明に係る一実施形態に係る自律走行車のネットワーク配置を示すブロック図である。図1を参照して、ネットワーク配置100は、ネットワーク102によって1つ以上のサーバ103〜104に通信可能に接続することができる自律走行車101を含む。1つの自律走行車を示すが、ネットワーク102によって、複数の自律走行車が互いに接続され、及び/又はサーバ103〜104に接続されることができる。ネットワーク102は、任意のタイプのネットワーク、例えば有線又は無線のローカルエリアネットワーク(LAN)、例えばインターネットのような広域ネットワーク(WAN)、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク又はその組み合わせであってもよい。サーバ103〜104は、任意のタイプのサーバ又はサーバクラスタ、例えばWebサーバ又はクラウドサーバ、アプリケーションサーバ、バックエンドサーバ又はその組み合わせであってもよい。サーバ103〜104は、データ分析サーバ、内容サーバ、交通情報サーバ、地図(マップ)及び興味のあるポイント(MPOI)サーバ又は位置サーバ等であってもよい。
【0011】
自律走行車とは、運転者からの入力が非常に少ない又はない場合に案内されて環境を通過する自律走行モードに設置される車両である。自律走行車は、車両が走行している環境にかかる情報を検出するように配置される1つまたは複数のセンサを含むセンサシステムを備える。車両及びそれに関連しているコントローラが、検出された情報で案内して環境を通過する。自律走行車101が手動モード、完全自律走行モードまたは部分自律走行モードで運転されることができる。
【0012】
一実施形態において、自律走行車101は、データ処理システム110と、車両制御システム111と、無線通信システム112と、ユーザインターフェースシステム113と、インフォテイメントシステム114と、センサシステム115とを含むが、これらに限定されない。自律走行車101は、通常の車両に含まれるある一般的な構成要素(部材)、例えばエンジン、車輪、ハンドル、変速機等をさらに含んでもよく、前記構成要素は、車両制御システム111及び/又はデータ処理システム110により多種の通信信号及び/又はコマンド(例えば、加速信号又はコマンド、減速信号又はコマンド、ステアリング信号又はコマンド、ブレーキ(制動)信号又はコマンド等)を使用して制御されることができる。
【0013】
構成要素110〜115は、インターコネクト、バス、ネットワーク又はそれらの組み合わせを介して互いに通信可能に接続することができる。例えば、構成要素110〜115は、コントローラローカルエリアネットワーク(CAN)バスを介して互いに通信可能に接続することができる。CANバスは、マイクロコントローラ及び装置がホストコンピューターのない応用において互いに通信することを許可するような車両バス標準として設計される。それは、最初に自動車内における多重化された電線のために設計されたメッセージに基づくプロトコルであるが、他のたくさんの環境(状況)にも用いられる。
【0014】
図2を参照すると、一実施形態において、センサシステム115は、1つ以上のカメラ211と、全地球測位システム(GPS)ユニット212と、慣性計測ユニット(IMU)213と、レーダーユニット214と、光検出及び測距(LIDAR)ユニット215とを含むが、これらに限定されない。GPSユニット212は、送受信機を含んでもよく、前記送受信機は、自律走行車の位置に関する情報を提供するように操作されることができる。IMUユニット213は、慣性加速度に基づいて自律走行車の位置及び方向変化を感知することができる。レーダーユニット214は、無線信号を利用して自律走行車のローカル環境内の対象を感知するシステムを示すことができる。一部の実施形態において、対象を感知する以外、レーダーユニット214は、対象の速度及び/又は走行方向をさらに感知することができる。LIDARユニット215は、レーザを使用して自律走行車の位置する環境における対象を感知することができる。その他のシステム構成要素以外、LIDARユニット215は、1つ以上のレーザ光源、レーザースキャナ及び1つ以上の検出器をさらに含んでもよい。カメラ211は、自律走行車の周辺環境の画像をキャプチャするための1つ以上の装置を含んでもよい。カメラ211は、スチルカメラ及び/又はビデオカメラであってもよい。カメラは、例えば回転及び/又は傾斜のプラットフォームに取り付けられる、機械的に移動可能なものであってもよい。
【0015】
センサシステム115は、その他のセンサ、例えばソナーセンサ、赤外線センサ、ステアリング(転向)センサ、スロットルセンサ、ブレーキセンサ、及びオーディオセンサ(例えば、マイクロフォン)をさらに含んでもよい。オーディオセンサは、自律走行車周辺の環境から音をキャプチャするように配置されてもよい。ステアリングセンサは、ハンドル、車両の車輪又はその組み合わせのステアリング角を感知するように配置されてもよい。スロットルセンサ及びブレーキセンサは、それぞれ車両のスロットル位置及びブレーキ位置を感知する。一部の場合、スロットルセンサ及びブレーキセンサは、集積型スロットル/ブレーキセンサに一体化されてもよい。
【0016】
一実施形態では、車両制御システム111は、ステアリングユニット201、スロットルユニット202(加速ユニットとも呼ばれる)、ブレーキ(制動)ユニット203、コンピュータビジョンシステム204、ナビゲーションユニット205(ナビゲーションとルートシステム、またはナビゲーション/ルートシステムとも呼ばれる)および衝突回避ユニット206(障害物回避システムとも呼ばれる)を含むが、これに限定されない。ステアリングユニット201は、車両の方向または進路(または行進方向)を調整するものである。スロットルユニット202は、モータやエンジンの速度を制御して、さらに車両の速度と加速度を制御するためのものである。制動ユニット203は、車両の車輪またはタイヤを減速させるように摩擦を提供することで、車両を減速させるものである。
【0017】
コンピュータビジョンユニットまたはシステム204は、自律走行車の環境内の物体および/または特徴を識別するための1つ以上のカメラ211によってキャプチャされた画像を処理し、分析するものである。物体は、交通信号、道路境界、他の車両、歩行者、および/または障害物などを含むことができる。コンピュータビジョンシステム204は、物体認識アルゴリズム、ビデオトラッキング(tracking)および他のコンピュータビジョン技術を使用することができる。一部の実施形態では、コンピュータビジョンシステム204は、環境をマッピングして、物体を追跡し、物体の速度を推定することなどを行うことができる。
【0018】
ナビゲーションユニットまたはシステム205は、自律走行車の走行ルートを決定するものである。例えば、ナビゲーションシステムは、一連の速度と進行方向(directional heading)を決定して、感知された障害物を実質的に避けるルートに沿って自律走行車の移動を行いながら、最終的な目的地に至る車線のルートに基づいて自律走行車を前進させる。目的地は、ユーザインタフェースを介してユーザの入力に応じて設定されてもよい。ナビゲーションシステム205は、自律走行車が走行している間、走行経路を動的に更新することができる。ナビゲーションシステム205は、自律走行車のための走行ルートを決定するように、GPSシステム、および1つ以上のマップからのデータを統合してもよい。
【0019】
衝突回避ユニットまたはシステム206は、自律走行車の環境での潜在的な障害物を識別、評価、回避、交渉(negotiate)するものである。例えば、衝突回避システム206は、緊急回避操作、旋回操作、制動操作などを行うために、制御システムの1つ以上のサブシステムを操作して、自律走行車のナビゲーションの変化を行うことができる。衝突回避システム206は、周辺の交通パターン、道路状況等に基づいて、実現可能な障害物回避操作を自動的に決定することができる。衝突回避システム206は、自律走行車が緊急回避して進入する隣接領域において、車両、建物の障害物などが他のセンサシステムにより検出されるとき、緊急回避操作が行われないように構成することができる。衝突回避システム206が、使用可能でありながら自律走行車の乗員の安全を最大限にする操作を自動的に選択することができる。衝突回避システム206は、自律走行車の乗客室に対して最低限の加速を引き起こすと予想される回避操作を選択することができる。注意すべきなことは、図2に示すような構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア又はその組み合わせで実現されてもよい。
【0020】
図1を再び参照すると、無線通信システム112は、自律走行車101と、例えば装置、センサ、その他の車両等の外部システムとの間の通信を可能にする。例えば、無線通信システム112は、1つ以上の装置に直接に又は通信ネットワークを介して無線通信し、例えばネットワーク102によってサーバ103〜104に通信することができる。無線通信システム112は、任意のセルラ通信ネットワーク又は無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)(例えばWiFi)を使用して他の構成要素やシステムに通信することができる。無線通信システム112は、例えば赤外線リンク、ブルートゥース等を使用して装置(例えば、乗客の移動装置、車両101内の表示装置、スピーカ)に直接に通信することができる。ユーザインターフェースシステム113は、車両101内で実行される周辺装置の一部であってもよく、例えばキーボード、タッチスクリーン表示装置、マイクロフォン、及びスピーカ等を含む。
【0021】
自律走行車101の一部又は全ての機能は、特に自律走行モードで走行する場合、データ処理システム110により制御されたり管理されたりすることができる。データ処理システム110は、必要なハードウェア(例えば、プロセッサ、メモリ、記憶装置)、及びソフトウェア(例えば、オペレーティングシステム、計画及びルーティングプログラム)を含み、センサシステム115、車両制御システム111、無線通信システム112、及び/又はユーザインターフェースシステム113から情報を受信し、受信された情報を処理し、出発地から目的地までのルートや経路を計画し、そして、計画及び制御情報に基づいて車両101を走行させる。代替的に、データ処理システム110と車両制御システム111とは一体化されてもよい。
【0022】
例えば、乗客であるユーザは、例えばユーザインタフェースによって行程の出発位置及び目的位置を指定することができる。データ処理システム110は、行程に関連するデータを取得する。例えば、データ処理システム110は、MPOIサーバから位置及び経路情報を取得することができ、前記MPOIサーバは、サーバ103〜104の一部であってもよい。位置サーバは、位置サービスを提供し、かつ、MPOIサーバは、マップサービス及びある位置のPOIを提供する。あるいは、このような位置及びMPOI情報は、データ処理システム110の永続記憶装置にローカルでキャッシュされることができる。
【0023】
自律走行車101が経路に沿って走行する期間に、データ処理システム110は、さらに交通情報システムやサーバ(TIS)からリアルタイム交通情報を取得することができる。注意すべきなのは、サーバ103〜104は、第三者のエンティティにより動作されることができる。あるいは、サーバ103〜104の機能は、データ処理システム110と一体化されてもよい。リアルタイム交通情報、MPOI情報、位置情報、及びセンサシステム115が検出又は感知したリアルタイムなローカル環境データ(例えば、障害物、対象、付近車両)に基づいて、データ処理システム110は、指定された目的地に安全で効果的に到達するように、最適な経路を計画し、かつ計画された経路により、例えば車両制御システム111を介して車両101を走行させることができる。
【0024】
一実施形態によると、自律走行車101は、車両101の乗客に情報とエンターテインメント(entertainment)を提供するインフォテイメントシステム114をさらに含むことができる。情報及びエンターテイメントコンテンツは、ローカルおよび/またはリモート(例えば、サーバ103乃至104によって提供される)に記憶されたコンテンツ情報に基づいて、受信され、コンパイルされて、レンダリングされる。情報は、例えば、ネットワーク102を介して任意のサーバ103乃至104からリアルタイムでストリーミングされて車両101の表示装置上に表示される。情報は、例えば、一つまたは複数のカメラでリアルタイムにキャプチャされたローカル情報により増強される(augmented)ことができ、そして、増強されたコンテンツは、仮想現実の方法で表示されることができる。
【0025】
一実施形態では、位置及びルート情報、MPOI情報、および/またはリアルタイムの交通情報に基づいて、インフォテインメントシステム114および/またはデータ処理システム110は、現在の交通環境(例えば、MPOI)に適切なコンテンツの特定のタイプを決定する。システムは、例えば、リアルタイム行程(移動)情報に基づいて、コンテンツアイテムの候補としてリストコンテンツアイテム(例えば、スポンサーされたコンテンツや広告)を識別するために、コンテンツのインデックス(図示せず)からのルックアップ動作を実行する。
【0026】
一実施形態では、システムは、様々なランキングアルゴリズムを使用してリスト内のコンテンツのアイテムの順位を決定する。コンテンツアイテムは、ユーザのユーザプロファイルに基づいて、順位を決定してもよい。例えば、コンテンツアイテムは、ユーザプロファイルから導出できる、ユーザの優先事項に基づいて、順位を決定してもよい。ユーザプロファイルは、過去のユーザ操作の履歴に基づいて、コンパイルすることができる。一実施形態では、システムは、それぞれのコンテンツアイテムのランキングスコアを決定するために、1つ以上のコンテンツのランキングモデルをコンテンツアイテムのそれぞれに適用する。所定のしきい値を超えているランキングのスコアを有するコンテンツアイテムを選択することができる。コンテンツランキングモデルは、過去に同じような移動環境や交通条件を示す既知の特徴のセットを使用して訓練することができる。コンテンツランキングモデルは、類似したユーザのユーザプロファイルに基づいて訓練してもよい。
【0027】
選択されたコンテンツアイテムは、その後に自律走行車の表示装置上に描画し表示される。一実施形態では、システムは、自律走行車の1つ以上のカメラを使用して特定の時点でキャプチャされた画像上に、選択されたコンテンツアイテムを追加(augment)させる。一実施形態では、画像に対して画像認識を実行して、画像によって表現されたコンテンツを導出し理解する。例えば、画像やPOIを記述するためには、1つ以上のキーワードが導き出される。コンテンツアイテムのリストは、画像によって表現された1つ以上のキーワード又はPOIに基づいて識別されてもよい。その後、システムは、選択されたコンテンツアイテムをイメージ上に追加して、コンテンツアイテムがイメージ上に重畳される増強画像を生成する。その後、増強画像は、自律走行車の表示装置上に表示される。一部の実施形態によると、インフォテイメントシステム114は、データ処理システム110と一体化されてもよい。
【0028】
代替的には、ユーザは、コンテンツリポジトリまたはデータベースからプリコンパイルされたコンテンツ(例えば、ビデオ、映画)のリストから選択することができ、前記コンテンツリポジトリまたはデータベースは、ネットワーク(例えば、クラウドネットワーク)を介してコンテンツプロバイダのコンテンツサーバから定期的に更新できる。したがって、ユーザは、例えば、データストア125から検出された、表示装置上に表示されるリアルタイムにキャプチャされたリアルタイムの実際のコンテンツ、または予めレンダリングされたコンテンツを特定的に選択することができる。例えば、自律走行車101がニューヨーク市で雪のたくさん降る日に移動する場合に、ユーザは自律走行車101が晴れた日に走行するように、ハワイでの明るい環境を表示するように表示装置をスイッチングすることができる。コンテンツは、コラボレーションや協動された方法で(つまり、仮想現実方法で)複数の表示装置(例えば、複数のウィンドウ)に表示されてもよい。
【0029】
一実施形態によると、データ処理システム110は、自律走行車の前輪に関連付けられる位置を算出するための前輪位置計算機を含む。特に、自律走行車の前輪に関連付けられる位置は、所定の公式またはアルゴリズムを使用して、後輪に関連付けられた位置から導出される。後輪に関連付けられる位置は、GPSデータに基づいて決定することができる。GPSデータは、GPSソース(例えば、リモートサーバおよび/または衛星)からGPS受信機によって受信され、処理されることができる。そして、車両の前輪に関連付けられる位置は、後輪に関連付けられる位置と車両の移動方向とから導出することができる。その後、自律走行車の位置としての前輪の位置に基づいて、計画及び制御動作が行われる。その結果、前輪は、駆動ホイールと回転ホイールの両方として車両の計画及び制御に使用される。システムの遅延は、大幅に減少することができる。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態に係る自律走行車とともに使用されるデータ処理システムの一例を示すブロック図である。システム300は、図1のシステム110の一部として実現することができる。図3Aを参照すると、データ処理システム300は、計画モジュール301、制御モジュール302、マップ及びルートモジュール303、および前輪位置計算機または決定モジュール304を含むが、これに限定されない。データ処理システム300は、この形態では、センサシステム115および制御システム111に通信可能に接続されることができる。
【0031】
計画モジュール301は、センサシステム115から受信されたセンサデータおよび/または様々なソース(例えば、位置、地図、地図と興味点の一部としてのPOI、またはマップとルートモジュール303によって提供されるMPOIデータベース)から受信されたリアルタイム情報に基づいて、自律走行車のための経路またはルートを計画するものである。計画及び制御データは、計画モジュール311によって生成される。計画及び制御データに基づいて、制御モジュール302は、計画及び制御データによって定義されたルートまたは経路に沿って、車両制御システム111に適切なコマンドまたは信号を送信することで、自律走行車を制御するためのものである。計画及び制御データには、経路またはルート上の異なる時点において、適切な車両設定または走行パラメータ(例えば、スロットル、ブレーキ、および転回コマンド)を使用して、ルートまたは経路の第1地点から第2地点まで車両を走行させることができる、十分な情報が含まれている。計画モジュール301と制御モジュール302は、図2の車両制御システム111のナビゲーションユニット205に通信可能に接続されたり一体化されてもよい。
【0032】
一実施形態では、前輪位置計算機304は、後輪に関連付けられる位置と車両の移動方向とに基づいて、自律走行車の前輪に関連付けられる位置を導出及び算出する。後輪に関連付けられる位置は、GPSユニット212によって提供されるGPSデータに基づいて決定することができる。GPSユニット212は、後方車軸の近接領域内に装着することができる。一実施形態では、後輪と関連付けられる位置は、後方車軸の中心の所定の近接範囲内にある。車両の移動方向は、IMU213によって提供され、この移動方向は、IMU213によって提供される移動ベクトルまたは方向ベクトルによって表現することができる。
【0033】
一実施形態では、前輪に関連付けられる位置は、後輪に関連付けられる位置、車両の移動方向、および前輪と後輪の間の距離に基づいて決定してもよい。図4Bに示すように、車両を計画および制御する際に、前輪と関連付けられる位置は、自律走行車の現在位置として使用され、前輪は、車両の駆動輪と旋回ホイールの両方として使用される。図4Aに示すように、従来の車両は、駆動ホイールとして後輪を使用して、不必要なシステム遅延をもたらす。前記したように、通常、車両の前輪は、特に旋回中において、後輪に先立って動く。前輪の移動方向は、車両の移動方向とより同期されている。しかし、ほとんどの自律走行車のGPSユニットやGPS受信機およびIMUは、一般的に後輪の付近に位置する。前輪と関連付けられる位置に基づいて車両を計画し制御することは、システムの遅延を減少することができる。
【0034】
移動方向は、図5Aに示すように、IMU213によって提供される移動ベクトルによって表現される。移動ベクトルのx、y、z座標は、以下の式を満足する:平方根/SQRT(x2+y2+z2)=1。ここで、図5Bを参照すると、後輪と関連付けられる位置551は、GPSセンサによって提供される。一実施形態では、前輪と関連付けられる位置552は、位置551、前輪と後輪との間の距離553、及び車両の移動方向(移動ベクトルで表される)に基づいて算出することができる。代替的に、位置552は、位置551と、距離553と車両の移動方向との積とに基づいて算出してもよい。
【0035】
一実施形態では、位置551は、後輪が装着される後方車軸の中心の位置を示す。位置552は、前輪が装着される前方の車軸の中心の位置を示す。距離553は、前方車軸と後方車軸の中心の間で測定される。一特定の実施形態では、位置552は、次のように算出される:
FWP=RWP+(D*V)
FWPは、前輪と関連付けられる位置(例えば、前方車軸の中心で表示される前輪の位置)を示す。RWPは、後輪と関連付けられる位置(例えば、後方車軸の中心で表示される後輪の位置)を示す。Dは、前輪と後輪の間の距離(例えば、前方車軸と後方車軸の中心の間の距離)を示す。Vは、図5Aに示すような3次元(3D)ベクトルであり、IMU213によって提供された方向ベクトルまたは移動ベクトルを示す。
【0036】
実際に、位置は、x、y、z座標を含んで、3Dで表現される。したがって、後輪に関連付けられる位置のx座標(RWPx)と方向ベクトル(Vx)のx座標に基づいて、前輪と関連付けられる位置のx座標(FWPx)が算出される:FWPx=RWPx+(D*Vx)。同様に、FWPy=RWPy+(D*Vy)であり、FWPz=RWPz+(D*Vz)である。
【0037】
図6は、本発明の一実施形態に係る自律走行車を走行させるプロセスを示すフローチャートである。プロセス600は、ソフトウェア、ハードウェア、またはこれらの組み合わせを含む処理ロジックによって実行されることができる。例えば、プロセス600は、図1のデータ処理システム110によって実行されてもよい。図6を参照すると、ブロック601において、処理ロジックは、自律走行車に取り付けられたGPSセンサから取得したGPSデータに基づいて、自律走行車の後輪に関連付けられている第1の位置を決定する。ブロック602において、処理ロジックは、車両に取り付けられたIMUユニットにより提供された方向データに基づいて、車両の移動方向を決定する。ブロック603において、処理ロジックは、第1の位置と移動方向に基づいて、車両の前輪と関連付けられている第2の位置を算出する。一実施形態では、第2の位置は、移動方向と、前輪と後輪の間の距離との積に、第1の位置を加えることで算出される。ブロック604において、処理ロジックは、車両の現在位置としての前輪に関連付けられる第2の位置に基づいて、ルートまたはルートセグメントを計画して計画及び制御データを生成する。ブロック605において、計画および制御データに基づいて、自律走行車を制御し、駆動させる。
【0038】
注意すべき点は、前記図示された構成要素の一部または全部は、ソフトウェア、ハードウェア、またはこれらの組み合わせにより実現されることができる。たとえば、これらの構成要素は、本明細書全体に記載されたプロセスまたはステップを実行するために、プロセッサ(図示せず)によってメモリにロードされて実行されることができる永続記憶装置にインストールされて記憶されるソフトウェアとして実現ことができる。代案として、これらの構成要素は、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路またはASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)のような専用のハードウェアにプログラムされたり内蔵された実行可能コードとして実現されることができ、これは、アプリケーションから対応するドライバおよび/またはオペレーティングシステムを介してアクセスすることができる。さらに、これらの構成要素は、1つ以上の特定のコマンドを使用してソフトウェアコンポーネントによってアクセス可能なコマンドセットの一部であり、プロセッサまたはプロセッサコアの特定のハードウェアロジックとして実現することができる。
【0039】
図7は、本出願の一実施形態と組み合わせて使用されるデータ処理システムを例示的に示すブロック図である。例えば、システム1500は、前記プロセス又は方法のいずれか(例えば、図1のデータ処理システム110、及びサーバ103〜104のいずれか)を実行する前記任意のデータ処理システムを示してもよい。システム1500は、複数の異なる構成要素を含んでもよい。これらの構成要素は、集積回路(IC)、集積回路の一部、分散型電子装置又は回路基板(例えば、コンピュータシステムのマザーボード又はアドインカード)に適用された他のモジュール、又は他の方式でコンピュータシステムのシャシーに組み込まれた構成要素として実現されることができる。
【0040】
さらに、システム1500は、コンピュータシステムの複数の構成要素の高レベルビューを示すことを目的とする。しかしながら、一部の実現形態では、付加的構成要素が存在する場合があることを理解すべきである。また、他の実現形態において示される構成要素が異なる配置を有してもよい。システム1500は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、携帯電話、メディアプレーヤー、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、スマート腕時計、パーソナルコミュニケーター、ゲーム装置、ネットワークルータ又はハブ、無線アクセスポイント(AP)又はリピーター、セットトップボックス、又はそれらの組合せを示してもよい。また、単一の機器又はシステムのみを示したが、用語「機器」又は「システム」は、さらに、独立又は共同で1つ(又は複数)のコマンドセットを実行することにより本明細書に説明される任意の1種又は複数種の方法を実行する機器又はシステムの任意のセットを含むことを理解すべきである。
【0041】
一実施形態において、システム1500は、バス又はインターコネクト1510によって接続されたプロセッサ1501、メモリ1503及び装置1505〜1508を備える。プロセッサ1501は、単一のプロセッサコア又は複数のプロセッサコアを含む単一のプロセッサ又は複数のプロセッサを示してもよい。プロセッサ1501は、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)等のような1つ又は複数の汎用プロセッサを示してもよい。より具体的には、プロセッサ1501は、複雑コマンドセット計算(CISC)マイクロプロセッサ、縮小コマンドセットコンピュータ(RISC)マイクロプロセッサ、超長コマンド語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他のコマンドセットを実現するプロセッサ、又はコマンドセットの組合せを実現するプロセッサであってもよい。プロセッサ1501は、さらに、専用集積回路(ASIC)、セルラ又はベースバンドプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、グラフィックプロセッサ、ネットワークプロセッサ、通信プロセッサ、暗号プロセッサ、コプロセッサ、組み込みプロセッサのような1つ又は複数の専用プロセッサ、あるいはコマンド処理可能な任意の他のタイプのロジックであってもよい。
【0042】
プロセッサ1501(超低電圧プロセッサのような低電力マルチコアプロセッサソケットであってもよい)は、前記システムの各種の構成要素と通信するための主処理ユニット及び中央ハブとして用いられてもよい。このようなプロセッサは、システムオンチップ(SoC)として実現されることができる。プロセッサ1501は、本明細書に説明される動作及びステップを実行するためのコマンドを実行するように構成される。また、システム1500は、選択可能なグラフィックサブシステム1504と通信するグラフィックインターフェースをさらに含んでもよく、グラフィックサブシステム1504は、ディスプレイコントローラ、グラフィックプロセッサ及び/又は表示装置をさらに備えてもよい。
【0043】
プロセッサ1501は、メモリ1503と通信してもよく、メモリ1503は、一実施形態において複数のメモリによって所定量のシステムメモリを提供する。メモリ1503は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)又は他のタイプのメモリのような1つ又は複数の揮発性記憶装置(又はメモリ)を備えてもよい。メモリ1503は、プロセッサ1501又は任意の他の装置により実行されるコマンド列を含む情報を記憶できる。例えば、複数種のオペレーティングシステム、装置ドライバ、ファームウェア(例えば、基本入出力システム又はBIOS)及び/又はアプリケーションの実行可能なコード及び/又はデータは、メモリ1503にロードされて、プロセッサ1501により実行されてもよい。オペレーティングシステムは、ロボットオペレーティングシステム(ROS)、Microsoft(登録商標)会社からのWindows(登録商標)オペレーティングシステム、アップル会社からのMacOS(登録商標)/iOS(登録商標)、Google(登録商標)会社からのAndroid(登録商標)、Linux、Unix又は他のリアルタイム又は組み込みオペレーティングシステムのような任意のタイプのオペレーティングシステムであってもよい。
【0044】
システム1500は、IO装置、例えば装置1505〜1508をさらに備えてもよく、ネットワークインターフェースデャバイス1505、選択可能な入力装置1506及び他の選択可能なIO装置1507を備えてもよい。ネットワークインターフェース装置1505は、無線送受信機及び/又はネットワークインターフェースカード(NIC)を備えてもよい。前記無線送受信機は、WiFi送受信機、赤外送受信機、ブルートゥース送受信機、WiMax送受信機、無線セルラーホン送受信機、衛星送受信機(例えば、全地球測位システム(GPS)送受信機)又は他の無線周波数(RF)送受信機又はそれらの組合せであってもよい。NICは、イーサネットカードであってもよい。
【0045】
入力装置1506は、マウス、タッチパッド、タッチスクリーン(それは表示装置1504と集積されてもよい)、ポインタデバイス(例えばスタイラス)及び/又はキーボード(例えば、物理キーボード、又はタッチスクリーンの一部として表示された仮想キーボード)を備えてもよい。例えば、入力装置1506は、タッチスクリーンに接続されるタッチスクリーンコントローラを含んでもよい。タッチスクリーン及びタッチスクリーンコントローラは、例えば複数種のタッチ感度技術(容量式、抵抗式、赤外式及び表面音波の技術を含むが、それらに限定されない)のいずれか、及びタッチスクリーンの1つ又は複数の接触点を決定するための他の近接センサアレイ又は他の素子を用いて、そのタッチ点及び移動又は断続を検出することができる。
【0046】
O装置1507は、音声装置を備えてもよい。音声装置は、スピーカ及び/又はマイクロフォンを含んでもよく、それにより音声認識、音声コピー、デジタル記録及び/又は電話機能のような音声サポートの機能を促進する。他のIO装置1507は、汎用シリアルバス(USB)ポート、パラレルポート、シリアルポート、印刷機、ネットワークインターフェース、バスブリッジ(例えば、PCI〜PCIブリッジ)、センサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、光センサ、コンパス、近接センサ等のような動きセンサ)又はそれらの組合せをさらに備えてもよい。装置1507は、結像処理サブシステム(例えば、カメラ)をさらに備えてもよく、前記結像処理サブシステムは、カメラ機能(例えば、写真及びビデオ断片の記録)を促進するための電荷カップリング装置(CCD)又は相補型金属酸化物半導体(CMOS)光学センサのような光学センサを備えてもよい。あるセンサは、センサハブ(図示せず)によってインターコネクト1510に接続されてもよく、キーボード又は熱センサのような他の装置は、組み込みコントローラ(図示せず)により制御されてもよく、これはシステム1500の特定配置又は設計により決められる。
【0047】
データ、アプリケーション、1つ又は複数のオペレーティングシステム等のような情報の永続記憶を提供するために、大容量メモリ(図示せず)が、プロセッサ1501に接続されてもよい。様々な実施形態において、薄型化と軽量化のシステム設計を実現しかつシステムの応答能力を向上させるために、このような大容量メモリは、ソリッドステート装置(SSD)によって実現されることができる。なお、他の実施形態において、大容量メモリは、主にハードディスクドライブ(HDD)で実現されてもよく、少量のSSD記憶量は、SSDキャッシュとして、停電イベント期間にコンテキスト状態及び他のこのような情報の不揮発性記憶を実現し、それによりシステム動作が再開する時に通電を速く実現することができる。さらに、フラッシュデバイスは、例えばシリアルペリフェラルインターフェース(SPI)によってプロセッサ1501に接続されてもよい。このようなフラッシュデバイスは、システムソフトウェアの不揮発性記憶に用いられてもよく、前記システムソフトウェアは、前記システムのBIOS及び他のファームウェアを備える。
【0048】
記憶装置1508は、任意の1種又は複数種の本明細書に記載の方法又は機能を実現する1つ又は複数のコマンドセット又はソフトウェア(例えば、モジュール、ユニット及び/又はロジック1528)が記憶されるコンピュータアクセス可能な記憶媒体1509(機械可読記憶媒体又はコンピュータ可読媒体とも呼ばれる)を備えてもよい。処理モジュール/ユニット/ロジック1528は、例えば、図3の前輪位置計算機304のような前記構成要素のいずれかを示してもよい。処理モジュール/ユニット/ロジック1528は、さらにデータ処理システム1500、メモリ1503及びプロセッサ1501により実行される期間に、メモリ1503内及び/又はプロセッサ1501内に完全又は少なくとも部分的に存在してもよく、ここで、メモリ1503及びプロセッサ1501も、機器アクセス可能な記憶媒体を構成する。処理モジュール/ユニット/ロジック1528は、さらにネットワークによってネットワークインターフェース装置1505を経由して送受信されてもよい。
【0049】
コンピュータ可読記憶媒体1509は、以上に説明された一部のソフトウェア機能の一部を永続的に記憶してもよい。コンピュータ可読記憶媒体1509は、例示的な実施形態において単一の媒体として示されたが、用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、前記1つ又は複数のコマンドセットが記憶される単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を備えることを理解すべきである。用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、さらにコマンドセットを記憶又はコーディング可能な任意の媒体を備えることを理解すべきであり、前記コマンドセットは、機器により実行されかつ前記機器に本発明の任意の1種又は複数種の方法を実行させる。従って、用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、ソリッドステートメモリ及び光学媒体と磁気媒体又は任意の他の非一時的機械可読媒体を備えるが、それらに限定されないことを理解すべきである。
【0050】
本明細書に記載の処理モジュール/ユニット/ロジック1528、構成要素及び他の特徴は、ディスクリートハードウェア構成要素として実現されてもよく、又はハードウェア構成要素(例えばASIC、FPGA、DSP又は類似装置)の機能に統合されてもよい。さらに、処理モジュール/ユニット/ロジック1528は、ハードウェア装置内のファームウェア又は機能回路として実現されてもよい。また、処理モジュール/ユニット/ロジック1528は、ハードウェア装置及びソフトウェアコンポーネントの任意の組合せで実現されてもよい。
【0051】
なお、システム1500は、データ処理システムの各種の構成要素を有するように示されているが、構成要素の相互接続のいかなる特定のアーキテクチャー又は方式を示すものではないことに注意すべきであり、それは、このような詳細が本発明の実施形態に密接な関係がないためである。また、より少ない構成要素又はより多くの構成要素を有するネットワークコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯電話、サーバ及び/又は他のデータ処理システムは、本発明の実施形態と共に使用されてもよい。
【0052】
前記詳細な説明の一部は、コンピュータメモリにおけるデータビットに対する演算のアルゴリズム及び記号表現で示される。これらのアルゴリズムの説明及び表現は、データ処理分野における当業者によって使用され、それらの作業実質を所属分野の他の当業者に最も効果的に伝達する方法である。ここで、アルゴリズムは、通常、所望の結果につながる首尾一貫した動作列(sequence of operations)と考えられる。これらの動作とは、物理量に対して物理的動作を行う必要となるステップを指す。
【0053】
ただし、これらの全ての及び類似の用語は、いずれも適切な物理量に関連付けられ、かつただこれらの量に適用される適切なラベルであることに注意すべきである。特に断らない限り、本出願の全体にわたって用語(例えば、添付している特許請求の範囲に説明された用語)による説明とは、コンピュータシステム又は類似の電子算出装置の動作及び処理であり、前記コンピュータシステム又は電子算出装置は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリに物理(例えば、電子)量としてデータを示し、かつ前記データをコンピュータシステムメモリ又はレジスタ又は他のこのような情報記憶装置、伝送又は表示装置内において類似に物理量として示される他のデータに変換する。
【0054】
本発明の実施形態は、さらに本明細書における動作を実行するためのコンピュータプログラムに関連付けられる。このようなコンピュータプログラムは、非揮発性のンピュータ可読媒体に記憶される。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)可読な形態で情報を記憶する任意の機構を備える。例えば、機械可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、機械(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリメモリ)を備える。
【0055】
前記図面に示される手順又は方法は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック等)、ソフトウェア(例えば、非揮発性のコンピュータ可読媒体に具現化される)、又は両方の組合せを含む処理ロジックにより実行されてもよい。前記手順又は方法は、本明細書において特定の順序に応じて説明されるが、説明された動作の一部は、異なる順序に応じて実行されてもよい。また、一部の動作は、順番ではなく並行に実行されてもよい。
【0056】
本発明の実施形態は、いずれかの特定のプログラミング言語を参照して説明されていないが、複数種のプログラミング言語で本明細書に記載の本発明の実施形態の教示を実現できることを理解すべきである。
【0057】
以上の明細書では、本発明の具体的な例示的な実施形態を参照してその実施形態を説明した。明らかなように、添付している特許請求の範囲に記載の本発明のより広い趣旨及び範囲を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。従って、限定的なものではなく例示的なものとして本明細書及び図面を理解すべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7