【実施例】
【0084】
本発明を下記の実施例によってさらに説明して具体的に示す。しかし、本明細書のいずれかの場所でのこれらやその他の実施例の使用は、単に例示するためであり、決して本発明またはいずれか例示した用語の範囲および意味を限定するものではない。同様に、本発明は、本明細書に記載したいずれか特定の好ましい実施形態には限定されない。実際に、本発明の多数の修飾および変形は、本明細書を読めば当業者には明白であり、そのような変形は本発明の精神および範囲から逸脱せずに作成することができる。このため本発明は、本発明の特許請求項が権利を与えられている同等物の全範囲に沿って添付の特許請求項によってのみ限定される。
【0085】
実施例1:ラットにおける急性ドキソルビシン毒性の改善
材料および方法
この実験では、42匹のWistar系雄性ラット(180〜200g)(Stolbovaya nursery of Russian Academy of Medical Sciencesから入手)を使用した。動物は、自由に飼料と飲料水を摂取できる標準条件下で維持した。下記のように動物を7群(各群6匹)に無作為割り付けした:
1.第I群:コントロール群(ドキソルビシンなし、DNaseなし);
2.第II群:5日間にわたる3.75mg/kg/日の用量でのドキソルビシン(LENS)の連日静脈内(IV)注射+15mg/kg/日(30,000KU/kg/日)の用量でのヒト組換えDNase I(Pharmsynthez OJSC)の連日腹腔内(IP)注射によって処置した動物;ドキソルビシンとDNase I注射は同時に投与した;
3.第III群:5日間にわたる3.75mg/kg/日の用量でのドキソルビシン(LENS)の連日IV注射+プラセボ(注射用水[WFI])の連日IP注射によって処置した動物;
4.第IV群:5日間にわたる7.5mg/kg/日の用量でのドキソルビシン(LENS)の連日IV注射+15mg/kg/日(30,000KU/kg/日)の用量でのヒト組換えDNase I(Pharmsynthez OJSC)の連日IP注射によって処置した動物;ドキソルビシンとDNase I注射は同時に投与した;
5.第V群:5日間にわたる7.5mg/kg/日の用量でのドキソルビシン(LENS)の連日IV注射+プラセボ(WFI)の連日IP注射によって処置した動物;
6.第VI群:5日間にわたる10.0mg/kg/日の用量でのドキソルビシン(LENS)の連日IV注射+15mg/kg/日(30,000KU/kg/日)の用量でのヒト組換えDNase I(Pharmsynthez OJSC)の連日IP注射によって処置した動物;ドキソルビシンとDNase I注射は同時に投与した;
7.第VII群:5日間にわたる10.0mg/kg/日の用量でのドキソルビシン(LENS)の連日IV注射+プラセボ(WFI)の連日IP注射によって処置した動物。
【0086】
実験開始から2週間にわたり生存および体重について動物を監視した。
【0087】
結果
【表1】
【0088】
表1に要約した結果は、DNaseが、ドキソルビシンの致死性を抑制し、亜致死用量のドキソルビシンが負荷投与されたラットの寿命を延ばすことを証明している。生存している動物数によって測定した致死性の抑制は、用量依存的な様式で生じた。
【0089】
【表2】
【0090】
表2に要約した結果は、DNase処置が、3.75mg/kgのLD
50用量での急性ドキソルビシン負荷投与を生残したラットにおける体重減少を改善することを証明している。
【0091】
【表3】
【0092】
表3に要約した結果は、DNase処置が、3.75mg/kgのLD
50用量での急性ドキソルビシン負荷投与を生残したラットにおける骨髄毒性および血液生化学における異化変化を改善することを示している。
【0093】
(第IV群および第V群)からの亜致死用量のドキソルビシン(7.5mg/kg)を負荷投与された心臓死したラットを剖検した。各心臓からの連続心筋顕微鏡検査サンプルを、壊死領域(面積)を定量するために自動ビデオアナライザを使用して分析した。壊死領域の総計(S
na;nm
2)は、各個別剖検心臓からの連続スライド30枚中の壊死領域の総計として計算した(n=3、第IV群に関して(
図1、黒色棒);n=5、第V群に関して(
図1、斜線棒))。第IV群は15mg/kg用量でヒト組換えDNase Iの連日IP注射を受けたが、第V群はプラセボ(WFI)の連日IP注射を受けた。
【0094】
図1に提示した結果は、DNase処置が、亜致死用量のドキソルビシンを負荷投与されたラットにおける心筋壊死を減少させることを証明している。
【0095】
実施例2:5−フルオロウラシル/エトポシド併用化学療法の消化管毒性の改善
材料および方法
この実験では、64匹のWistar系雄性ラット(170〜200g)(Stolbovaya nursery of Russian Academy of Medical Sciencesから入手)を使用した。動物は、自由に飼料と飲料水を摂取できる標準条件下で維持した。1日目に、エトポシド(LANCE)200mg/kgおよび5−フルオロウラシル(5−FU;EBEWE)400mg/kgを500μLの9%グルコース溶液中において、供給用ニードルを介して経口投与した。動物を各群16匹のラットごとの4群に分けた。エトポシド/5−FU負荷投与の2時間後に、ラットを以下のように処置した:
1.第I群:IVプラセボ(WFI);
2.第II群:1.5mg/kg(3,000KU/kg)用量のIVでのヒト組換えDNase I(Pharmsynthez OJSC);
3.第III群:50mg/kg(100,000KU/kg)用量のIVでのヒト組換えDNase I(Pharmsynthez OJSC);
4.第IV群:50mg/kg用量のIVでのシメチジン溶液(Gedeon Richter)。
【0096】
36時間後、全動物を安楽死させ、胃を切除し、自動ビデオアナライザシステムを使用してびらんおよび出血の存在について分析した。
【0097】
結果
【表4】
【0098】
表4に要約した結果は、DNaseが、エトポシドおよび5−FUで処置した動物において用量依存的な様式で化学療法誘導性潰瘍を抑制し、消化管びらんを示さない動物数を増加させることを証明している。50mg/kgのDNase I用量は、1.5mg/kgのDNase I用量および50mg/kg用量のシメチジンの両方と比較して、達成される保護に関して有意に優れていた。
【0099】
図2は、第III群からのラット(A)および第I群からのラット(B)の染色した胃を示している。第I群動物からの胃には多数のびらんおよび潰瘍が見られるが、第III群の動物からの胃は肉眼的異常を全く有していない。
【0100】
実施例3:タキサン誘導性免疫抑制の改善
材料および方法
10匹の6週齢の雄性(CBAxC57Bl6)F1マウス(Rappolovo animal houseから入手)に単回の20mg/kg用量のパクリタキセル(Paclitaxel−Teva)をIV投与した。1時間後に、1群5匹のパクリタキセル処置マウスに、2mg/kg用量IPで組換えマウスDNase γ(USCN Life Science Inc.)をIP注射した。1群5匹の非処置マウスには、コントロールとして機能させるために1mlのプラセボ(WFI)を同時にIP注射した。全マウスを、頸椎脱臼によって24時間後に致死させた。各群からの胸腺を収集し、セパレータ内の10%ウシ胎児血清添加RPMI 1640培地中でホモジナイズした。胸腺細胞の懸濁液を濾過し、2分間にわたり400×gで遠心機内で沈殿させ、次に同一培地を用いて再懸濁させた。胸腺細胞を、96ウエルプレートに播種し(1ウエル当たり、200μLの10%ウシ胎児血清(FCS))添加RPMI 1640中の900,000cells)、37℃、湿度100%および5% CO
2雰囲気下で32時間にわたりインキュベートした。次に各ウエルに
3Hチミジン(1μC/10μl/ウエル)およびコンカナバリンA(Con A;50μL;1.25μg/mL)を添加した。さらに24時間のインキュベーション後、胸腺細胞を採取して乾燥させた。標識
3Hチミジン取込みを、ベックマン(Beckman)シンチレーションカウンタを使用して測定した。Con A誘導性リンパ球幼若化に関するデータを下記の表5に要約した。
【0101】
結果
【表5】
【0102】
表5に要約した結果は、DNaseが、胸腺細胞の増殖活性のタキサン誘導性抑制を改善することを証明している。
【0103】
実施例4:シクロホスファミド誘導性好中球減少症の改善
材料および方法
この実験では、30匹の10〜12週齢の雌性BALB/Cマウス(Rappolovo animal houseから入手)を使用した。動物は、自由に飼料と飲料水を摂取できる標準条件下で維持した。1日目に、200μLのWFI中の200mg/kgのシクロホスファミド(Cyclophosphanum−LANS)の単回IP注射によって好中球減少症を誘導した。2日目に開始して、その後以下のように処置した:
1.第I群(n=10):コントロール(処置なし);
2.第II群(n=10):2〜5日目に25mg/kg/日(50,000KU/kg/日)の用量でヒト組換えDNase I(Pharmsynthez OJSC)をIV注射して動物を処置した;
3.第III群(n=10):2〜5日目に200μg/kg/日の用量でヒト組換えGM−CSF(Neostim、Pharmsynthez OJSC)を皮下(SC)注射して動物を処置した。
【0104】
各動物における白血球数(WBC)を、血球計数装置を使用して10日間の実験の間毎日監視した。
【0105】
結果
図3のグラフは、3つの実験群における白血球数(WBC)の動態を要約している。垂直軸は、10
9WBC/Lの単位を用いてWBCを表す。水平軸は、シクロホスファミド注射後の日数を表す。
【0106】
図3に示した結果は、DNaseが、例えばシクロホスファミドなどのアルキル化剤により誘導された好中球減少症を改善することを証明している。特に重要なのは、DNase処置はWBC数の典型的な初期減少を防止するが、GM−CSF処置は初期減少を防止できないことである。
【0107】
実施例5:DNase処置と抗癌化学療法との相乗作用
材料および方法
DNaseとヌクレオシドアナログ化学療法薬であるシトシンアラビノシド(AraC)とを併用した場合に起こりうる相乗作用を評価するために、DBA2マウス(8〜10週齢;24〜26g;Rappolovo animal houseから入手)に、癌を誘導するために0日目にL1210白血病細胞(1x10
5cells/マウス;Petrov Institite of Oncology collectionから入手した細胞)をIP移植した。DNaseおよびAraCによる処置は、実験1日目に開始した。シトシンアラビノシド(AraC;Cytosar;Pfizer)は、2、5および8日目に1,000mg/kgの用量でIP注射した。注射した用量は、以前の実験(13〜14)に基づき、そのモデルおよび注射経路に関して適切であると考えられた。DNase II(Wornington)は、1、3、5、8、10、12、15、17および19日目に15mg/kg/日および45mg/kg/日の用量でIP注射した。
【0108】
下記のように動物を6群(各群6匹)に無作為割り付けした:
1.第I群:陰性コントロール(処置なし);
2.第II群:陽性コントロール(AraCにより処置した動物);
3.第III群:AraCおよび15mg/kgのDNaseにより処置した動物;
4.第IV群:AraCおよび45mg/kgのDNaseにより処置した動物;
5.第V群:AraCを使用せずに15mg/kgのDNaseにより処置した動物;
6.第VI群:AraCを使用せずに45mg/kgのDNaseにより処置した動物
【0109】
結果
生存データを
図4に要約した。
図4の垂直軸は、L1210白血病細胞の移植後の日数で測定した生存性を表している。6つの実験群が水平軸上に示されている:第1群−陰性コントロール;第2群−AraC(陽性コントロール);第3群−AraC+DNase II(15mg/kg);第4群−AraC+DNase II(45mg/kg);第5群−DNase II(15mg/kg);第6群−DNase II(45mg/kg)。
【0110】
図4に要約した結果は、AraC単独(第II群)およびDNase II単独(第V群および第VI群)による処置がいずれも、非処置マウス(第I群)と比較して優れた生存率を生じさせることを示している。しかしながら、AraCとDNaseの併用は、いずれかの処置単独と比較して明白な生存率の利点を生じさせる。生存率に対するこの併用処置の相乗作用は、DNaseの用量増加に対して用量依存性であった。
【0111】
実施例6:DNase処置は有効性を増加させ、癌照射療法の毒性を低下させる
材料および方法
DNaseと放射線療法を併用した場合に起こりうる相乗作用を評価するために、60匹のSHRマウス(12〜14週齢;28〜32g;Rappolovo animal houseから入手)に、腹水腫瘍増殖を誘導するために0日目にエールリヒ(Erlich)癌細胞(1x10
6cells/マウス;Petrov Institite of Oncology collectionから入手した細胞)をIP移植した。照射療法は、コバルト60遠隔治療装置を使用して実施した。マウスの腹部領域を外部照射によって処置した。分割照射線量は、5日間にわたり1日当たり200cGyであった。動物を、以下のように処置した6群に分けた:第1群:照射療法単独(5日間にわたり、1日当たり外部照射200cGy);第2群:1日2回20mg/kg/日での組換えヒトDNAse 1(Pharmsynthez)の筋肉内投与;第3群:1日2回40mg/kg/日での組換えヒトDNAse 1(Pharmsynthez)の筋肉内投与;第4群:照射療法(5日間にわたる外部照射で1日当たり200cGy)+1日2回20mg/kg/日での組換えヒトDNAse I(Pharmsynthez)の筋肉内投与;第5群:照射療法(5日間にわたる外部照射で1日当たり200cGy)+1日2回40mg/kg/日での組換えヒトDNAse I(Pharmsynthez)の筋肉内投与。第6群は、プラセボ(注射用水)を摂取したコントロール群であった。
【0112】
結果
エールリヒ癌の移植後16日目の動物の生存率および体重の動態を表6に要約した。
【表6】
【0113】
表6に要約した結果は、放射線療法単独(第1群)およびDNase I単独(第2群および第3群)での処置がいずれも、非処置マウス(第6群)と比較して優れた生存率を生じさせることを示している。しかしながら、放射線療法とDNaseの併用は、いずれかの処置単独と比較して明白な生存率の利点を生じさせる。生存率に対するこの併用処置の相乗作用は、DNaseの用量増加に対して用量依存性であった。DNase処置は、放射線療法により誘導される体重減少も明白に防止する。
【0114】
参考文献
1. Joshi et al.,2007,J.Neurosci.Res.85:497−503.
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18. Gerber D.,Am Fam Physician,2008;77(3):311−319
【0115】
本発明は、本明細書に記載した特定の実施形態により範囲を限定することは意図されていない。実際に、本明細書に記載した形態に加えた本発明の様々な修飾は、上述の説明から当業者には明白になるであろう。そのような修飾は、添付の特許請求項の範囲内に含まれることが意図されている。
【0116】
本明細書で言及した全ての特許、出願、刊行物、試験方法、文献およびその他の物質は、あたかも本明細書に物理的に存在するかのように、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
他の実施形態
1.細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性化学療法に関連する毒性を、がんに罹患しかつ前記化学療法を受けているかまたは受けると考えられる対象において予防または改善する方法であって、前記対象に治療有効量のDNase酵素を投与する工程を含み、前記量のDNase酵素は、前記化学療法の少なくとも1つの副作用を予防または改善するのに有効である、方法。
2.細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性化学療法の有効性を、がんに罹患しかつ前記化学療法を受けているかまたは受けると考えられる対象において高める方法であって、前記対象に治療有効量のDNase酵素を投与する工程を含み、前記量のDNase酵素は、前記化学療法の少なくとも1つの副作用を予防または改善するのに有効であり、前記DNaseの投与は前記化学療法に関連する毒性の予防または改善をもたらす、方法。
3.前記化学療法の副作用は、体重減少、骨髄毒性、血液生化学における異化変化、心筋壊死、消化管毒性、免疫抑制および好中球減少症からなる群より選択される、実施形態1または2に記載の方法。
4.細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性化学療法に関連する体重減少をもたらす異化状態を、がんに罹患しかつ前記化学療法を受けているかまたは受けると考えられる対象において予防または改善する方法であって、前記対象に治療有効量のDNase酵素を投与する工程を含み、前記量のDNase酵素は、前記化学療法に関連する体重減少をもたらす異化状態を予防または改善するのに有効である、方法。
5.細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性化学療法に関連する骨髄毒性および/または血液生化学における異化変化を、がんに罹患しかつ前記化学療法を受けているかまたは受けると考えられる対象において予防または改善する方法であって、前記対象に治療有効量のDNase酵素を投与する工程を含み、前記量のDNase酵素は、前記化学療法に関連する骨髄毒性および/または血液生化学における異化変化を予防または改善するのに有効である、方法。
6.細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性化学療法に関連する心臓毒性を、がんに罹患しかつ前記化学療法を受けているかまたは受けると考えられる対象において予防または改善する方法であって、前記対象に治療有効量のDNase酵素を投与する工程を含み、前記量のDNase酵素は、前記化学療法に関連する心臓毒性を予防または改善するのに有効である、方法。
7.前記心臓毒性は心筋壊死である、実施形態6に記載の方法。
8.細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性化学療法に関連する消化管毒性を、がんに罹患しかつ前記化学療法を受けているかまたは受けると考えられる対象において予防または改善する方法であって、前記対象に治療有効量のDNase酵素を投与する工程を含み、前記量のDNase酵素は、前記化学療法に関連する消化管毒性を予防または改善するのに有効である、方法。
9.細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性化学療法に関連する免疫抑制を、がんに罹患しかつ前記化学療法を受けているかまたは受けると考えられる対象において予防または改善する方法であって、前記対象に治療有効量のDNase酵素を投与する工程を含み、前記量のDNase酵素は、前記化学療法に関連する免疫抑制を予防または改善するのに有効である、方法。
10.細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性化学療法に関連する好中球減少症を、がんに罹患しかつ前記化学療法を受けているかまたは受けると考えられる対象において予防または改善する方法であって、前記対象に治療有効量のDNase酵素を投与する工程を含み、前記量のDNase酵素は、前記化学療法に関連する好中球減少症を予防または改善するのに有効である、方法。
11.前記化学療法は、代謝拮抗物質、アルキル化剤、抗がん抗生物質、微小管標的薬、トポイソメラーゼ阻害剤、アルカロイド類および標的治療薬からなる群より選択される1種以上の化合物の投与を含む、実施形態1〜10のいずれかに記載の方法。
12.前記化学療法は、アントラサイクリン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル(5−FU)、エトポシド、タキサンおよびシクロホスファミドからなる群より選択される1種以上の化合物の投与を含む、実施形態1〜10のいずれかに記載の方法。
13.前記化学療法は、アントラサイクリン含有療法である、実施形態1〜7のいずれかに記載の方法。
14.前記化学療法は、5−フルオロウラシルおよび/またはエトポシド含有療法である、実施形態1〜3および8のいずれかに記載の方法。
15.前記化学療法は、タキサン含有療法である、実施形態1〜3および9のいずれかに記載の方法。
16.前記化学療法は、シクロホスファミド含有療法である、実施形態1〜3および10のいずれかに記載の方法。
17.前記DNase酵素は、前記化学療法の1サイクル中に投与される、実施形態1〜16のいずれかに記載の方法。
18.前記DNase酵素は、前記化学療法の1サイクル後に投与される、実施形態1〜16のいずれかに記載の方法。
19.放射線療法に関連する毒性を、がんに罹患しかつ前記放射線療法を受けている対象において予防または改善する方法であって、前記対象に治療有効量のDNase酵素を投与する工程を含み、前記量のDNase酵素は前記放射線療法の少なくとも1つの副作用を予防または改善するのに有効である、方法。
20.放射線療法の有効性を、がんに罹患しかつ前記放射線療法を受けている対象において高める方法であって、前記対象に治療有効量のDNase酵素を投与する工程を含み、前記量のDNase酵素は前記放射線療法の少なくとも1つの副作用を予防または改善するのに有効であり、前記DNaseの投与は前記放射線療法に関連する毒性の予防または改善をもたらす、方法。
21.前記放射線療法の副作用は、皮膚の刺激もしくは損傷、疲労、悪心、嘔吐、線維症、腸損傷、記憶喪失、不妊症および二次がんからなる群より選択される、実施形態19または20に記載の方法。
22.放射線療法に関連する体重減少を、がんに罹患しかつ前記放射線療法を受けている対象において予防または改善する方法であって、前記対象に治療有効量のDNase酵素を投与する工程を含み、前記量のDNase酵素は、前記放射線療法に関連する体重減少を予防または改善するのに有効である、方法。
23.前記放射線療法は、外照射療法または全身性ラジオアイソトープ療法である、実施形態19〜22のいずれかに記載の方法。
24.前記DNase酵素は、前記放射線療法の1サイクル中に投与される、実施形態19〜23のいずれかに記載の方法。
25.前記DNase酵素は、前記放射線療法の1サイクル後に投与される、実施形態19〜23のいずれかに記載の方法。
26.前記DNase酵素は、DNase Iまたはそのアナログである、実施形態1〜25のいずれかに記載の方法。
27.前記DNase I酵素アナログは、DNase γである、実施形態26に記載の方法。
28.前記DNase I酵素は、ヒト組換えDNase Iである、実施形態26に記載の方法。
29.前記DNase酵素は、DNase IIである、実施形態1〜26のいずれかに記載の方法。
30.前記DNase酵素は、延長された半減期を有する、実施形態1〜26のいずれかに記載の方法。
31.前記DNase酵素の治療有効量は、0.5〜50mg/kg/日の範囲内にある、実施形態1〜30のいずれかに記載の方法。
32.前記DNase酵素の治療有効量は、1.5〜50mg/kg/日の範囲内にある、実施形態1〜30のいずれかに記載の方法。
33.前記DNase酵素の治療有効量は、10〜50mg/kg/日の範囲内にある、実施形態1〜30のいずれかに記載の方法。
34.前記DNase酵素は、静脈内または腹腔内投与される、実施形態1〜33のいずれかに記載の方法。
35.前記DNase酵素は、経腸投与される、実施形態1〜33のいずれかに記載の方法。
36.前記DNase酵素は、経口投与される、実施形態35に記載の方法。
37.前記対象はヒトである、実施形態1〜36のいずれかに記載の方法。