(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一対のクリップアームを含み、前記クリップアームが、前記クリップアームの遠位端が互いに分離される組織受容形態と、前記クリップアームの前記遠位端が互いに向かって移動される組織クリッピング形態との間で移動可能であるように、カプセルのチャネル内にスライド可能に受容されるヨークに連結された前記クリップアームの近位端を含むクリップアセンブリと、
前記クリップアセンブリに解放可能に連結可能であり、前記組織受容形態および前記組織クリッピング形態との間で前記クリップアセンブリを移動させるように構成されたアプリケータであって、ブッシュとそれを貫通して延びる制御部材とを含み、前記ブッシュは複数の偏向可能なフィンガを含み、前記フィンガの遠位端は前記ブッシュの中心軸から半径方向に離れる方向に移動可能であり、複数の前記フィンガのそれぞれは、その遠位端に、前記クリップアセンブリの前記カプセルの対応する係合機構と係合する係合機構を含み、前記フィンガを半径方向外側の位置に押すように構成されたプッシャ要素と組み立てられ、前記プッシャ要素は、前記ブッシュのチャネル内に湾曲するU字形部分とそこから遠位方向に延びる長手方向部分とを含み、前記制御部材の拡大遠位端は前記ヨークに解放可能に連結可能であり、カムワッシャは前記制御部材の長さにわたってスライド可能であり、かつ、前記U字形部分の遠位に配置されるアプリケータと、
を含み、
前記カムワッシャは、遠位端から近位端に向かって先細になる外面を含み、前記外面は、前記ブッシュを前記カプセルから外すように、前記長手方向部分及びそれと組み合わされる複数の前記フィンガのうちの1つのフィンガを前記ブッシュの中心軸から半径方向に離れて移動させるために、前記プッシャ要素の前記U字形部分と相互に作用する、組織を治療するためのシステム。
前記カプセルの対応する前記係合機構は、前記カプセルの近位部分に沿って延びる拡径部分であり、前記拡径部分は、前記カプセルの残りの部分よりも大きい外径および内径を有する、請求項2に記載のシステム。
前記アプリケータが前記クリップアセンブリに連結されるとき、前記ブッシュの前記係合機構の前記タブは、前記拡径部分の遠位端と係合する、請求項3に記載のシステム。
前記係合機構の前記タブの遠位対向縁部は、前記拡径部分の近位端に対して角度を付けられ、前記遠位対向縁部が前記拡径部分の前記近位端に対して遠位方向に押されたとき、前記フィンガの各々は前記ブッシュの中心軸から半径方向に離れるように動かされ、前記フィンガが前記拡径部分を越えて遠位方向に移動可能であるように構成される、請求項3または4に記載のシステム。
前記クリップアームの近位端は、ロックタブを含み、前記クリップアームの近位端は、前記ロックタブが前記カプセルの前記拡径部分内に受容されたとき、前記クリップアームが前記組織クリッピング形態にロックされるように半径方向外側の位置に付勢される、請求項3に記載のシステム。
前記クリップアームは、前記クリップアームが前記カプセル内に近位方向に引き込まれ、前記カプセルの内面が前記クリップアームを前記組織クリッピング形態に向かって拘束するときに、前記組織受容形態に向かって付勢される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の概要】
【0003】
本実施形態は、一対のクリップアームを含み、クリップアームが、クリップアームの遠位端が互いに分離される組織受容形態と、クリップアームの遠位端が互いに向かって移動される組織クリッピング形態との間で移動可能であるように、カプセルのチャネル内にスライド可能に受容されるヨークに連結されたクリップアームの近位端を含むクリップアセンブリと、クリップアセンブリに解放可能に連結可能であり、組織受容形態および組織クリッピング形態との間でクリップアセンブリを移動させるように構成されたアプリケータと、を含む組織を治療するためのシステムに関する。アプリケータは、ブッシュとそれを貫通して延びる制御部材とを含み、ブッシュは複数の偏向可能なフィンガを含み、フィンガの遠位端はブッシュの中心軸から半径方向に離れる方向に移動可能であり、複数のフィンガのそれぞれは、その遠位端に、クリップアセンブリのカプセルの対応する係合機構と係合する係合機構を含み、フィンガを半径方向外側の位置に押すように構成されたプッシャ要素と組み立てられ、プッシャ要素は、ブッシュのチャネル内に湾曲するU字形部分とそこから遠位方向に延びる長手方向部分とを含み、制御部材の拡大遠位端はヨークに解放可能に連結可能であり、カムワッシャは制御部材の長さにわたってスライド可能であり、かつ、U字形部分の遠位に配置される。
【0004】
一実施形態では、複数のフィンガのそれぞれの係合機構は、フィンガの遠位端から半径方向内向きに延びるタブであり得る。
一実施形態では、カプセルの対応する係合機構は、カプセルの近位部分に沿って延びる拡径部分であり得、拡径部分は、カプセルの残りの部分よりも大きい外径および内径を有する。
【0005】
一実施形態では、アプリケータがクリップアセンブリに連結されるとき、ブッシュの係合機構のタブは、拡径部分の遠位端と係合することができる。
一実施形態では、係合機構のタブの遠位対向縁部は、拡径部分の近位端に対して角度を付けられ、遠位対向縁部が拡径部分の近位端に対して遠位方向に押されたとき、フィンガの各々はブッシュの中心軸から半径方向に離れるように動かされ、フィンガが拡径部分を越えて遠位方向に移動可能であるよう構成されてもよい。
【0006】
一実施形態では、カムワッシャは、遠位端から近位端に向かって先細になる外面を含み、前記外面は、ブッシュをカプセルから外すように、長手方向部分及びそれと組み合わされる複数のフィンガのうちの1つのフィンガをブッシュの中心軸から半径方向に離れて移動させるために、プッシャ要素のU字形部分と相互に作用し得る。
【0007】
一実施形態では、ヨークは、制御部材の本体の拡大遠位端を解放可能に受容するためにサイズおよび形状を決められたソケットを含み得る。
一実施形態では、ヨークは、拡大遠位端によってそこに及ぼされた力が所定の閾値を超えたときに変形するように構成されてもよい。
【0008】
一実施形態では、クリップアームの近位端は、ロックタブを含み、クリップアームの近位端は、ロックタブがカプセルの拡径部分内に受容されたとき、クリップアームが組織クリッピング形態にロックされるように半径方向外側の位置に付勢されてよい。
【0009】
一実施形態では、クリップアームは、クリップアームがカプセル内に近位方向に引き込まれ、カプセルの内面がクリップアームを組織クリッピング形態に向かって拘束するときに、組織受容形態に向かって付勢されてもよい。
【0010】
本開示はまた、一対のクリップアームを含み、クリップアームが、クリップアームの遠位端が互いに分離される組織受容形態と、クリップアームの遠位端が互いに向かって移動される組織クリッピング形態との間で移動可能であるように、カプセルのチャネル内にスライド可能に受容されるヨークに連結されたクリップアームの近位端を含むクリップアセンブリと、クリップアセンブリに解放可能に連結可能であり、組織受容形態および組織クリッピング形態との間でクリップアセンブリを移動させるように構成されたアプリケータと、を含む組織を治療するためのシステムに関する。アプリケータは、ブッシュとそれを貫通して延びる制御部材とを含み、ブッシュは、カプセルが受容されたときにカプセルの突出部と係合するようにそのチャネル内に延びるタブを含み、タブは、突出部を剪断するための鋭利な先端部を含み、タブによって突出部に及ぼされる近位力が所定の閾値を超えるとき、カプセルからブッシュを外す。
【0011】
一実施形態では、タブは、ブッシュが延びる中心軸に対して角度をなして延びるように、カプセルの壁に連結された第1の端部から、ブッシュの近位端に向かってカプセルのチャネル内に延びる第2の端部まで延びてよい。
【0012】
一実施形態では、タブは、カプセルの壁を通過して、カプセルのチャネル内に内向きに曲げられた切片によって形成されてよい。
一実施形態では、ヨークは、制御部材の本体の拡大遠位端を解放可能に受容するようにサイズおよび形状が決められたソケットを有し、拡大遠位端によって加えられた力が所定の閾値を超えると変形するように構成されてよい。
【0013】
一実施形態では、カプセルは、突出部の遠位でカプセルの外側の周りに延びるガイドリングを含むことができ、ガイドリングは、ブッシュとカプセルとが互いに同軸になるように、ブッシュがカプセルに係合しているときにブッシュの一部を支持する。
【0014】
本開示はまた、フィンガの係合機構がカプセルの対応する係合機構と係合するようにクリップアセンブリのカプセルの近位端上でアセンブリのブッシュのフィンガを動かし、制御部材の拡大遠位端をヨークのソケットに押し込み、アプリケータの制御部材を第1のクリップアセンブリのクリップアームの近位端でヨークに連結することによって、アプリケータに第1のクリップアセンブリを装填することと、装填されたクリップアセンブリを内視鏡の作業チャネルを介して生体内の標的部位に挿入することと、制御部材をカプセルに対して長手方向に動かすことによって、クリップアームの遠位端が互いに分離されている開放形態と、クリップアームの遠位端は互いに向かって引き寄せられている閉鎖形態との間で第1のクリップアセンブリを移動させることと、クリップアームの近位端のロックタブがカプセルの一部と係合するまで、制御部材をさらに近位に引くことによって、クリップアームを閉鎖形態にロックすることと、制御部材がヨークから外れ、制御部材の拡大遠位端がプッシャ要素のU字形部分に対してカムワッシャを近位方向に引っ張ってプッシャ要素の長手方向部分をブッシュの中心軸から半径方向に離れるように移動させて、プッシャ要素が組み付けられているブッシュのフィンガをカプセルから外すように、制御部材によってヨークに加えられる近位力が所定の閾値を超えるまでカプセルに対して制御部材をさらに近位に引くことによって、第1のクリップアセンブリをアプリケータから解放することと、を含む、組織を治療するための方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、以下の説明および添付の図面を参照してさらに理解することができ、ここで同様の要素は同じ参照番号で参照される。本開示は、クリッピングシステムに関し、特に、再装填可能な内視鏡的クリッピングシステムに関する。本開示の例示的実施形態は、内視鏡処置の前にアプリケータアセンブリの遠位端に装填され得るクリップアセンブリを記載する。クリップが体内の所望の標的領域に配置されると、アプリケータアセンブリに新しいクリップを再装填することができる。特に、アプリケータアセンブリは、クリップアセンブリと解放可能に係合するためのブッシュを含む。ブッシュは、クリップアセンブリのカプセルを覆って留める複数のフィンガを含む。クリップアセンブリをブッシュから解放するために、カムワッシャは、複数のフィンガのそれぞれと組み合わされたプッシャ要素のU字形部分に対して近位方向に押されて、プッシャ要素がフィンガを半径方向外側に移動させてクリップアセンブリを解放し、クリップアセンブリを体内の標的組織上にクリップ留めしたままにする。本明細書で使用するとき、用語「近位」および「遠位」は、装置の使用者に向かう方向(近位)および離れる方向(遠位)を指すことを意図していることに留意されたい。
【0017】
図1〜
図12に示すように、本開示の例示的な実施形態によるシステム100は、標的組織をクリッピングするためにシステム100を生体内に挿入する前にアプリケータ104の遠位部分に装着可能なクリップアセンブリ102を含む。アプリケータ104は、生体内にクリップアセンブリ102を配置した後、新しいクリップアセンブリ102をアプリケータ104上に装填することができるように構成されているので、同じアプリケータ104を使用して新しいクリップアセンブリ102を生体内の標的組織の第二の部分に送達することができる。この実施形態による各クリップアセンブリ102は、カートリッジ106内に格納することができ、これは、クリップアセンブリ102のアプリケータ104への装填を容易にする。特に、アプリケータ104は、クリップアセンブリ102に解放可能に係合するためにその遠位端にブッシュ108を含む。以下により詳細に説明されるように、ブッシュ108は、クリップアセンブリ102の一部を覆って留めるためにその遠位端114に係合機構112を含む複数のフィンガ110を含む。複数のフィンガ110の各々は、U字形部分118を含むプッシャ要素116と組み立てられる。以下でより詳細に説明するように、U字形部分118がカムワッシャ120によって係合されたとき、プッシャ要素116の長手方向部分122をフィンガ110に押し付けて、クリップアセンブリ102との係合から外れるように、フィンガ110を半径方向外側に移動させる。
【0018】
クリップアセンブリ102は一対のクリップアーム124を含み、一対のクリップアーム124の近位端部126は、この実施形態では、カプセル130内に摺動可能に受容されたヨーク128に連結されている。この実施形態のクリップアーム124は、カプセル130内に引き込まれていないときにその遠位端132が互いに離れて組織受容形態に移行するように付勢されている。カプセル130内に引き込まれると、カプセル130の内面はクリップアーム124を拘束し、クリップアーム124の遠位端132を一緒に組織クリッピング形態に保持する。ヨーク128はカプセル130内で長手方向に摺動可能であり、クリップアーム124を組織受容形態と組織クリッピング形態との間で移動させる。
【0019】
クリップアーム124のそれぞれは、近位端126から遠位端132まで延びる。この実施形態におけるクリップアーム124のそれぞれの遠位端132は、クリップアーム124の他方の遠位端132に向かって横方向内向きに突出し、それらの間の標的組織の把持を容易にしてもよい。遠位端132は、例えば、歯および/または突出部などの他の把持機構をさらに含み得る。クリップアーム124は、組織クリッピング形態においてカプセル130内でクリップアーム124をロックするための機構を含み得る。例えば、クリップアーム124の近位端126のそれぞれは、そこから横方向外側に延びるロックタブ134を含み得る。クリップアーム124は、クリップアーム124が組織クリッピング形態でロックされているときに、各クリップアーム124のロックタブ134が外向きに跳ね上がってカプセル130の一部とロック係合するように付勢されている。ロックタブ134をカプセル130と係合させることにより、クリップアセンブリ102を組織クリッピング形態にロックして、クリップアーム124の遠位端132間に受容されたあらゆる組織をしっかりと掴み、クリップアーム124がカプセル130から近位に移動するのを防ぐ。
【0020】
クリップアーム124の各々の近位部分(例えば、近位端126でのロックタブ134の遠位)は、ヨーク128の対応する突出部138をその中に受容するようなサイズおよび形状の開口部136を含み得、したがって、クリップアーム124は、ヨーク128と係合して整列される。したがって、カプセル130に対してヨーク
128を動かすと、それに対応して、クリップアーム124がカプセル130に対して動かされ、クリップアーム124がヨーク128の移動を介して組織受容形態と組織クリッピング形態との間で移動され得る。
【0021】
ヨーク128は、近位端140から遠位端142まで長手方向に延び、その外面から横方向外側に延びる一対の突出部138を含む。各突出部138は、クリップアーム124の対応する開口部136内に収容されるようにサイズおよび形状が決められている。上述のように、クリップアーム124の対応する開口部136内に各突出部138を収容することにより、クリップアーム124が、互いに、及びヨーク128およびカプセル
130に対し整列される。ヨーク128は、ヨーク128の近位端140の近位開口部146から遠位部分150まで延びる長手方向スロット144をさらに含み、遠位部分150は、アプリケータ104の制御部材152の拡大端部154を受容するようなサイズおよび形状である。例示的な一実施形態では、拡大端部154は、遠位部分150の対応するサイズおよび形状のソケット内に受容されるボールとして構成することができる。スロット144の近位部分156は、近位開口部146から遠位部分150の狭い開口部158までテーパ状になっていてもよい。狭い開口部158は、遠位部分150内の拡大端部154を受容するように広がることができる近位部分156の対向部分160を有する遠位部分150の断面積よりも、小さい断面積(例えば、直径)を有する。対向部160は互いに向かって付勢され、それにより、拡大端部154が狭い開口部158を越えて遠位部分150内に遠位方向に移動すると、対向部160は拡大端部154を遠位部分150内にロックするように弾発し、制御部材152をヨーク128に連結する。したがって、カプセル130に対する制御部材152の長手方向の移動は、組織受容形態と組織クリッピング形態との間のクリップアーム124の移動を制御し得る。
【0022】
カプセル130は、近位端部162から遠位端部164まで長手方向に延び、それを通って長手方向に延びるチャネル166を含む。チャネル166は、ヨーク128およびその中に少なくともクリップアーム124の近位部分を受容するようなサイズおよび形状である。この実施形態によるカプセル130は、その近位部分に沿った拡径部分168を含み、その拡径部分168は、カプセル130の残りの部分に対してそれに沿ってカプセル130の内径および外径の両方を増大させる。拡径部分168はロックタブ134を受容するように大きさ、形状および位置を決められている。上述のように、クリップアーム124の近位端部126は外側に付勢され、それにより、
図10に示すように、ロックタブ134が近位で拡径部分168内に引き込まれるまで、ロックタブ134がカプセル130の内面に沿って移動することができる。
【0023】
ロックタブ134がカプセル130の拡径部分168内に受容されると、ロックタブ134が拡径部分168の内部に係合するまで、クリップアーム124の近位端部126の外側への弾発が許容され、組織クリッピング形態それにより、クリップアセンブリ102が組織クリッピング形態にロックされる。
【0024】
拡径部分168はカプセル130に沿って位置決めされ、それにより、組織クリッピング形態組織受容形態組織クリッピング形態ロックタブ134が拡径部分168と係合するように
拡大端部154をさらに近位方向に動かすことによって、クリップアセンブリ102を組織クリッピング形態にロックすることが望まれるまで、クリップアーム124は組織受容形態とクリッピング形態との間で繰り返し移動されることが可能である。
【0025】
拡径部分168はまた、クリップアセンブリ102のアプリケータ104への結合を容易にする。具体的には、アプリケータ104のブッシュ108は、ブッシュ108のフィンガ110の係合機構112が拡径部分168の外側に係合するまで、カプセル130の近位部分上に押し込まれ得る。以下でさらに詳細に説明するように、フィンガ110は、フィンガ110のそれぞれの係合機構112が拡径部分
168上に留め、これにより、アプリケータ104とクリップアセンブリ102とが互いに連結されるまで、カプセル130の近位部上を遠位方向に移動する。
【0026】
アプリケータ104に装填される前に、クリップアセンブリ102は、
図1に示されるような例えば、基部170と蓋172とを備える格納容器として構成されてもよいカートリッジ106内に格納される。基部170および蓋172は、クリップアセンブリ102がその中に確実に格納され得るように、基部170および蓋172を互いに結合するための機構を含む。組み立てられると、基部170および蓋172は、その中にクリップアセンブリ102を収容するサイズおよび形状の空間を画定する。この実施形態では、クリップアセンブリ102は、組織受容形態で組み立てられたカートリッジ106に格納される。カートリッジ106は、以下でさらに詳細に説明するように、クリップアセンブリ102に連結されるようにアプリケータ104の遠位部分が挿入され得る近位開口部174を含む。カートリッジは、アプリケータ104への装填を容易にするためにクリップアセンブリ102を定位置に保持する。
【0027】
アプリケータ104は、ブッシュ108と、ブッシュ108から近位方向に延びる可撓性部材176と、ブッシュ108および可撓性部材176を貫通して延びる制御部材152とを含む。アプリケータ104はさらに、制御部材上に摺動可能に取り付けられるカムワッシャ120を含む。可撓性部材176の近位端は、それに結合された、例えばスプール180などのアクチュエータを含むハンドル部材178に連結されている。一例では、
図1に示されるように、スプール180は、クリップアセンブリ102がアプリケータ104上に装填されると、上述のように、クリップアセンブリ102を組織受容形態と組織クリッピング形態との間で移動させるために、スプール180が長手方向にハンドル部材178上を滑動することができるように、制御部材
152の近位端182に連結される。具体的には、ハンドル部材178上でスプール180をスライドさせると、アプリケータ104に係合しているカプセル
130に対して制御部材
152が移動する。したがって、スプール180をハンドル部材178に対して移動させてクリップアセンブリ102を組織クリッピング形態にロックすることもクリップアセンブリを生体内に展開することもできる。
【0028】
可撓性部材176は、それを通って制御部材152が拡大遠位端154から近位端182まで延在するワイヤのコイルとして形成されてもよい。当業者には理解されるように、ワイヤのコイルは、生体の曲がりくねった経路さえも通過するのに十分な可撓性を有することが好ましく、この実施形態では、それが内視鏡または他の挿入装置の作業チャネルを通過することを可能にするサイズおよび形状である。可撓性部材176はワイヤのコイルとして図示および説明されているが、可撓性部材176がクリップアセンブリ102から制御部材152にかかる張力に対抗するのに十分である圧縮力を提供することができる限り、任意の他の適切な可撓性構造を採用できることが当業者には理解されよう。アプリケータ104はスプール180を含むように記載されているが、アプリケータ104は、クリップアーム124の動きを制御するために制御部材152を移動させるための様々な作動機構のうちのいずれかを含むことができる。
【0029】
図3および
図4に示すように、ブッシュ108は、可撓性部材176に連結された近位端部192から遠位端部114まで中心軸に沿って長手方向に延在し、それを通って延在するチャネル194を含む。上述のように、ブッシュ108は、クリップアセンブリ102とアプリケータ104とを互いに結合するために、クリップアセンブリ102のカプセル130上を移動可能な複数のフィンガ110を画定する。各フィンガ110の遠位端114は、カプセル130の拡径部分168と係合するための係合機構112を含む。フィンガ110の係合機構112は、ブッシュ108の中心軸に向かって半径方向内向きに延びるタブとして構成されて、拡径部分168の遠位端196と係合することができる。複数のフィンガ110は、偏向可能に構成され、それにより、フィンガ110の端部114が
図8に示すように、拡径部分に対して遠位方向に押されると、拡径部分168を越えて遠位方向に移動するようにその中心軸から半径方向に離れるように移動することができる。例えば、係合機構112の遠位対向縁部115は、拡径部分168の近位端198に対して角度を付けられ、それにより、遠位対向縁部115が遠位方向に押されると、フィンガ110をブッシュ108の中心軸から半径方向に離れるように移動させるためにそれぞれの係合機構112に沿ってスライドする。
図9に示すように、係合機構112が拡径部分168の遠位端196を越えて遠位方向に移動すると、フィンガ110は元の位置に戻り、係合機構112のタブがフィンガ110上に留められ遠位端196と係合されてよい。ブッシュ108は、係合機構112が拡径部分168に係合すると、カプセル130がアプリケータ104に結合され、ブッシュ108に対して長手方向に動くことを防止されるようにサイズおよび形状が決められている。特に、係合機構112は、いったん係合機構112が拡径部分168に係合すると、それに加えられた近位力がカプセル130からブッシュ108を外さないように構成されている。例えば、係合機構112の近位向きの表面は、拡径部分168の遠位端196に対して傾斜していない。
【0030】
図3および
図5に示すように、各フィンガ110は、U字形部分118とそこから遠位方向に延びる長手方向部分122とを含むプッシャ要素116と組み立てられる。U字形部分118は、長手方向部分122が各フィンガ110の長さに沿って延びるように、各フィンガ110の近位端に近接して位置決めされる。U字形部分118は、チャネル194内に延びる実質的なU字形に湾曲し、カムワッシャ120がU字形部分118の一部と接する。以下にさらに詳細に説明するように、カムワッシャ120がU字形部分118と接触すると、長手方向部分122はブッシュ108の中心軸から離れるように半径方向外向きに移動し、それによってともに組み立てられているフィンガ110をそれに対応してブッシュ108の中心軸から離れるように押し、カプセル130をブッシュから切り離す。
【0031】
上述のように、制御部材152は、ヨーク128に解放可能に連結可能である拡大遠位端154とスプール180に連結される近位端182との間に延在する。カムワッシャ120は、ブッシュ108のチャネル194内に位置決めされた制御部材152の長さにわたってスライド可能に取り付けられている。カムワッシャ120は、U字形部分118の遠位に配置されているので、カムワッシャ120は、拡大遠位端154とU字形部分118との間で制御部材152に沿って摺動可能である。カムワッシャ120は、
図6に示すように、遠位端188から近位端190に向かって先細になる外面186を含む。クリップアセンブリ102を展開することが望まれるとき、制御部材152は、
図11に示されるように拡大遠位端部154がヨーク128を外すまで近位方向に引き寄せられる。制御部材152のさらなる近位方向の動きは、拡大遠位端部154を移動させてカムワッシャ120と接触させ、その結果、制御部材152の近位方向の動きは、カムワッシャ120をU字形部分118に対して近位方向に引き寄せる。カムワッシャ120がU字形部分118に対して近位方向に引っ張られると、カムワッシャ120のテーパ状外面186は湾曲したU字形部分118と接触する。外面186はU字形部分118に対して摺動し、そこから延在する長手方向部分122をブッシュ108の中心軸から半径方向に離れるように移動させる。長手方向部分122の半径方向の動きは、
図12に示されるように、それと共に組み立てられるフィンガ110をブッシュ108の中心軸から半径方向に離れて押し、各フィンガ110の係合機構112をカプセル130の拡径部分168から係合解除させ、クリップアセンブリ102をアプリケータ104から解放し、クリップアセンブリ102を生体内に展開させる。
【0032】
カートリッジ106内に収容されたクリップアセンブリ102をアプリケータ104に装填するための例示的な方法は、カートリッジ106の近位開口部174を通してアプリケータ104の制御部材152およびブッシュ108を挿入することを含む。例えば、スプール180をハンドル部材178に対して遠位方向に移動させることによって、制御部材152をカートリッジ106に対して移動させる。制御部材152の拡大端部154は、例えば、スプール180をハンドル部材178に対して遠位方向に移動させることによってカートリッジ106に対して移動される。
図7に示すように、ヨーク128に対して拡大端部154によって及ぼされる遠位方向の力が、ヨーク128の対向部分160を互いに離れるように移動させ、拡大端部154をヨーク128の狭い開口部158を越えて遠位部分150内に遠位に移動させる所定の閾値を超えるまで、拡大端部154は、ヨーク128に対して遠位方向に押される。拡大端部154が遠位部分150内に受容されると、ヨーク128はその拡大端部154をその中に保持して元の位置に戻る。
【0033】
制御部材152をヨーク128に連結すると、ブッシュ108がカプセル130の近位部上にて遠位方向に移動される。ブッシュ108の各フィンガ110の係合機構112は、
図8に示すように、係合機構112が拡径部分168に対して遠位方向に押されると、フィンガ110が拡径部分168上を遠位方向に摺動するにつれて、フィンガ110が半径方向外側に移動するように構成される。それぞれのフィンガ110の係合機構112は、係合機構112が拡径部分168の遠位端169を越えて遠位方向に移動するまで、拡径部分168の外面に沿って動く。
図9に示されるように、フィンガ110は、その後、それらの元の位置に戻り、拡径部分110の上を留め、クリップアセンブリ102のアプリケータ104への装填を完了する。したがって、制御部材152をカートリッジ106に対して近位に移動させて、クリップアセンブリ102を組織受容形態から組織クリッピング形態へと移動させることができる。したがって、制御部材152は、近位方向に移動され得る。クリップアセンブリ102が組織クリッピング形態になったら、アプリケータ104全体をカートリッジ106に対して近位に移動させて、クリップアセンブリ102を近位開口部174を介してカートリッジから引き出すことができる。
【0034】
使用中、クリップアセンブリ102がアプリケータ104上に装填された後、クリップアセンブリ102は、内視鏡の作業チャネル(または任意の他の挿入デバイス)を通して挿入され、そして、クリップされるべき組織の標的部分に隣接する部位まで(例えば、天然の体管腔を通して)身体内に挿入される。クリップアセンブリ102は、作業チャネルを通過するのを容易にする閉鎖形態で標的組織に挿入される。標的組織の部位に到達すると、クリップアセンブリ102は作業チャネルの遠位端から外に前進し、クリップアーム124はカプセル130から遠位に延在し、クリップアーム124はそれらの固有の付勢力で互いから離れて広がり、組織受容形態になる。クリップアーム124は、例えば、スプール180をハンドル部材178に対して遠位にスライドさせることによって、カプセル130から遠位に外へ延ばされてもよい。クリップアーム124は、組織の標的部分がクリップアーム124の間で所望通りに把持されるまで、クリップアセンブリを開放形態と閉鎖形態との間で移動させるために繰り返しカプセル130から出し入れすることができる。ここで、制御部材152をクリップアセンブリ102に対して近位に移動させることによって、クリップアーム124がさらに近位に引き寄せられる。組織の所望の部分がクリップアーム124の間に把持されたことが確認されると(例えば、出血創傷の反対側の組織の部分)、制御部材152は、(スプール180を介して)クリップアセンブリ102に対してさらに近位方向に引き寄せられて、クリップアセンブリ102を閉鎖形態にロックする。すなわち、
図10に示されるように、クリップアーム124は、その近位端126でロックタブ134がカプセル130の拡径部分168内に受容されるまでカプセル130内にさらに近位に引き込まれ、それによってクリップアセンブリ102を組織クリッピング形態にロックする。
【0035】
クリップアセンブリ102が組織クリッピング形態でロックされると、クリップアーム124およびヨーク128はカプセル130に対して固定される。したがって、クリップアセンブリ102に対してさらに近位に制御部材152を引き寄せることは、ヨーク128に力を加える。制御部材152の拡大端部154が所定の閾値よりも大きい近位力をヨーク128に加えると、ヨーク128は変形して(例えば対向部分160が互いに離れるように移動する)、
図11に示すように、拡大端部154をそこから解放することを可能にする。拡大端部154がヨーク128から解放されると、拡大端部154はカムワッシャ120と接触し、それはプッシャ要素116のU字形部分118と係合する。
図12に示されるように、カムワッシャ185は湾曲したU字形部分に対して近位方向に摺動され、プッシャ要素116を移動させ、長手方向部分122をブッシュ108の中心軸から半径方向に離れさせる。長手方向部分122のこの動きは、各フィンガ110を中心軸から半径方向に離れるように偏向させ、各フィンガ110の係合機構112を拡径部分168との係合から外れるように動かす。制御部材152は、ブッシュ108がカプセル130から完全に外れるまで近位方向に引かれ、クリップアセンブリ102をアプリケータ104から解放する。クリップアセンブリ102は、アプリケータ104から引き抜かれるときに標的組織上にクリップ留めされた状態で体内に残される。必要に応じて、次に、上記と同じ方法で新しいクリップアセンブリ102をアプリケータ104上に装填し、それによって装置を使用して組織の第2の部分をクリップ留めすることができる。このプロセスは、同じアプリケータ104を使用して、必要に応じてまたは所望による回数だけ繰り返すことができる。
【0036】
例示的なシステム100は、カプセル
130の上に
ブッシュ108を取り付けることによってクリップアセンブリ102をアプリケータ104上に装填するように図示および説明されているが、クリップアセンブリはまた、カプセルの近位開口部内にアプリケータ一部を受け取ることによってアプリケータに解放可能に係合され得る。さらに、係合
機構112は、
ブッシュ108のフィンガ110に沿って曲がるように図示および説明されているが、他の係合
機構112も可能である。
【0037】
図13〜
図14に示すように、本開示の別の例示的実施形態によるシステム200は、システム100と実質的に同様であり得、システム200を生体内に挿入する前に、標的組織をクリップするためにアプリケータ204の遠位部分上に装填可能なクリップアセンブリ202を含み得る。アプリケータ104と同様に、アプリケータ204は、クリップアセンブリ202のカプセル230に連結されるように構成されたブッシュ208を含む。しかしながら、カプセル230の一部に係合するための複数のフィンガではなく、ブッシュ208は、以下により詳細に説明されるように、カプセル230の一部と係合するためにそのチャネル294内に延びるタブ210を含む。タブ210は、クリップアセンブリ202を体内に展開することが望まれるときにタブ210が係合しているカプセル230の部分を剪断する鋭利な先端212をその端部214に含むことができる。
【0038】
アプリケータ204は、システム100に関して上述したアプリケータ104と実質的に同様であり得る。アプリケータ204の遠位部分は、そのチャネル294を通って延びる制御部材252を有するブッシュ208を含む。しかしながら、上述のように、ブッシュ208は、カプセル230と係合するためにチャネル294内に延びるタブ210を含む。タブ210は、ブッシュ208の壁218に連結された第1の端部216から、タブ210がブッシュ208の中心軸に対して斜めに延びるように、ブッシュ208の近位端292に向かってチャネル294内に延びる第2の自由端部214まで延びる。一実施形態では、タブ210は、ブッシュ208の壁218を通り、チャネル294内に内方に曲げられている切片として構成されてもよい。第2の端部214は、クリップアセンブリ202をアプリケータ204から展開することが望まれる場合、タブ210が係合されるカプセル230の一部を剪断するための鋭利な先端212を含む。
【0039】
クリップアセンブリ202は、システム100に関して上述したクリップアセンブリ102と実質的に同様であり、クリップアーム224を含み、その近位端226はカプセル230内に摺動可能に収容され、組織受容形態と組織クリッピング形態との間でクリップアセンブリ202を移動させるヨーク228に連結されている。クリップアセンブリ102と同様に、ヨーク228は、アプリケータ204の制御部材252の拡大遠位端254に解放可能に係合するように構成されている。クリップアセンブリ202は、クリップアセンブリ102と実質的に同様の方法で、制御部材252の移動を介して組織受容形態と組織クリッピング形態との間で移動され得る。所望の標的組織がクリップアーム224の間で把持されると、クリップアーム224は、クリップアセンブリ102と同様の方法で、組織クリッピング形態にロックされてもよい。
【0040】
カプセル230は、システム100のカプセル130と実質的に同様である。しかしながら、アプリケータ204のブッシュ208と係合するための拡径部分ではなく、カプセル230は、ブッシュ208と係合するためにカプセル230の外面231から外向きに延びる突出部268を含む。突出部268の遠位で、カプセル230は、カプセル230の上に取り付けられたブッシュ208を支持するために、その外面231の周りに延びるガイドリング220をさらに含むことができる。言い換えれば、ガイドリング220は、カプセル230に対するブッシュ208の整列を維持し、それにより、ブッシュ208とカプセル230とは同軸上に整列することができる。
【0041】
例示的な実施形態は単一のタブ210および突出部268を記載しているが、ブッシュ208およびカプセル230はそれぞれ1つより多いタブ210および突出部268を含んでもよい。一例では、
図14に示すように、ブッシュ208は、カプセル230の直径方向に対向する突出部268と係合するために、互いに直径方向に対向する2つのタブ210を含むことができる。しかしながら、ブッシュ208およびカプセル230は、それぞれ任意の数の対応するタブ210および突出部268を含み得る。これらの突出部268は、分離された端部を横切って連結されている場合、実質的にリング状の形態を形成することができる。
【0042】
クリップアセンブリ202は、システム100と実質的に同様の方法でアプリケータ204に装着され、アプリケータの制御部材252の拡大遠位端254をクリップアセンブリ202のヨーク228に、およびブッシュ208をカプセル230に連結する。しかしながら、タブ210がカプセル230の突出部268上に留められるまで、および/またはカプセル230の近位端262がブッシュ208の内部ショルダ293に当接するまで、ブッシュ208をカプセル230上で遠位方向に動かすことによって、ブッシュ208はカプセル230に連結される。言い換えれば、タブ210の第2の端部214は突出部268の遠位端296と係合し、ショルダ部293はカプセル230に対するブッシュ208のさらなる遠位方向への移動を防止する。クリップアセンブリ202がアプリケータ204に装填されると、クリップアセンブリ202は、標的組織をクリップするために身体内に挿入され得る。
【0043】
クリップアセンブリ202は、所望の標的組織がクリップアーム224を介してクリップされるまで、組織受容形態と組織クリッピング形態との間で移動され得る。所望の組織がクリップされると、システム100に関して実質的に上述した通り、クリップアセンブリ202は組織内にロックされ得る。クリップアセンブリ202が組織クリッピング形態にロックされると、クリップアセンブリ202は、拡大遠位端254がヨーク228を外すまで制御部材252をカプセル230に対して近位に引くことによって展開されてもよい。タブ210の鋭利な先端部212が突出部268を通って剪断するまでブッシュ208をカプセル230から近位方向に引くことによってブッシュ208をカプセル230から外す。その後、クリップアセンブリ202は、標的組織上にクリップ留めされたまま、制御部材252およびブッシュ208を含むアプリケータ204全体を体から取り外すことができる。システム100に関して上述したように、必要に応じて、アプリケータ204に新しいクリップアセンブリ202を装填して体内の追加の組織をクリップ留めすることができる。
【0044】
本開示の範囲から逸脱することなく、本開示に様々な修正を加えることができることが当業者には明らかであろう。