(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6762235
(24)【登録日】2020年9月10日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】係合構造及びディスプレイ機器
(51)【国際特許分類】
F16B 35/00 20060101AFI20200917BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20200917BHJP
F16M 13/00 20060101ALI20200917BHJP
F16B 5/10 20060101ALI20200917BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
F16B35/00 U
G09F9/00 350Z
F16M13/00 P
F16B5/10 D
F16B5/02 E
【請求項の数】15
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-569615(P2016-569615)
(86)(22)【出願日】2015年6月15日
(65)【公表番号】特表2018-511004(P2018-511004A)
(43)【公表日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】CN2015081419
(87)【国際公開番号】WO2016115814
(87)【国際公開日】20160728
【審査請求日】2018年6月13日
(31)【優先権主張番号】201520035871.7
(32)【優先日】2015年1月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】516350145
【氏名又は名称】北京京▲東▼方多媒体科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE MULTIMEDIA TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲賈▼ 新▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】李 慧▲軍▼
【審査官】
保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−270959(JP,A)
【文献】
特開2013−062785(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/086089(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B5/00−5/12
23/00−43/02
F16M1/00−13/08
G09F9/00
H04N5/64−5/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
係合構造であって、第一装置と、第二装置と、前記第一装置と前記第二装置を固定接続するためのストッパーと、を含み、
前記ストッパーは、第一装置に配置された予め係合段階部と、第二装置に配置されたネジ部と、前記予め係合段階部と前記ネジ部との間に設けられる逃げ部と、を含み、
前記ストッパーは、ストッパー段階部をさらに含み、前記ストッパー段階部は、前記予め係合段階部と前記逃げ部との間に配置されるとともに前記第一装置で固定面に接触し、
前記逃げ部の高さは、前記第二装置が前記ストッパーより固定接続される面である固定面に前記ストッパー段階部が接触するように設定され、
当該係合構造は、第三装置をさらに含み、前記ストッパーが前記第三装置を抜けて前記第一装置と前記第二装置とを固定接続することによって、前記第一装置と前記第三装置との間に隙間のない接触面を形成する、係合構造。
【請求項2】
前記逃げ部の高さは0.05mm以下である、請求項1に記載の係合構造。
【請求項3】
前記ネジ部と前記逃げ部は、前記第二装置に完全に固定されるとともに、前記予め係合段階部は、前記第一装置に完全に固定される、請求項1に記載の係合構造。
【請求項4】
前記ストッパー段階部の直径は、前記ネジ部の最大外径よりも大きい、請求項1に記載の係合構造。
【請求項5】
前記逃げ部の直径は、前記ネジ部の最小内径の以下である、請求項1に記載の係合構造。
【請求項6】
前記ストッパーの前記第一装置での差し込む方向は、前記接触面に平行する、請求項1に記載の係合構造。
【請求項7】
前記ストッパーの数量は2個である、請求項1に記載の係合構造。
【請求項8】
前記第一装置と前記第二装置を接続するための位置決め装置をさらに含み、前記第二装置の底に前記位置決め装置に対応する溝が設けられ、前記第一装置は、溝に差し込む前記位置決め装置によって前記第二装置に固定される、請求項1に記載の係合構造。
【請求項9】
前記位置決め装置の第二装置での差し込む方向は、前記ストッパーの第二装置での差し込む方向に直交する、請求項8に記載の係合構造。
【請求項10】
前記第一装置は、基台であって、第二装置は、基台固定ブラケットである、請求項1に記載の係合構造。
【請求項11】
前記第三装置は、ハウジングである、請求項1に記載の係合構造。
【請求項12】
前記第一装置は溝を含み、
前記溝は、球状部と、前記球状部と連通する円筒状部と、を含み、
前記ストッパーが前記球状部から自由に出し入れることができるように、前記球状部の直径が前記ストッパーの前記予め係合段階部の直径より大きく、
前記ストッパーの前記ストッパー段階部が前記円筒状部に係合できるように、前記円筒状部の直径が前記ストッパーの前記ストッパー段階部の直径より小さい、請求項1に記載の係合構造。
【請求項13】
前記係合構造は、前記第一装置と前記第二装置を接続するための位置決め装置をさらに含み、
前記第二装置の底に前記位置決め装置に対応する溝が設けられており、その結果、前記第一装置は、溝に差し込む前記位置決め装置によって前記第二装置に固定され、前記位置決め装置の前記第二装置での差し込む方向は、前記ストッパーの前記第二装置での差し込む方向に直交する、請求項1に記載の係合構造。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の係合構造を含む、ディスプレイ機器。
【請求項15】
ディスプレイと、基台と、を更に含み、前記係合構造によって前記ディスプレイが前記基台に固定される、請求項14に記載のディスプレイ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2015年1月19日出願の中国特許出願第201520035871.7号に基づく優先権を要求し、そのすべての内容はここに参照として取り込まれる。
【0002】
本発明の実施例は、係合構造及びディスプレイ機器に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、ディスプレイは、机或いは地面に置かれた基台によって机或いは地面に配置される。基台は、ディスプレイを支持し固定するものとして機能する。
【0004】
通常、基台は、ディスプレイの後ハウジングに取り付けられる。例えば、
図1に示すように、基台における後ハウジングに接触する基台端面に予め位置決め構造が設けられ、この構造によって、基台を後ハウジングに係合することができる。基台は、ストッパーによって基台固定ブラケットにロックされることで固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
但し、上記構造では、ストッパーの実際の取付け高さが理想の取付け高さよりも高いため、ストッパーが基台を完全に固定することができない。基台端面に平行する方向で基台に力が付勢される場合、基台端面と後ハウジングの端面との間の隙間が大きくなりやすく、基台を変形させ反らせる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の発明は、係合構造であって、第一装置と、第二装置と、前記第一装置と前記第二装置を固定接続するためのストッパーと、を含み、
前記ストッパーは、第一装置に設けられた予め係合段階部と、第二装置に設けられたネジ部と、前記予め係合段階部と前記ネジ部との間に設けられる逃げ部と、を含み、
前記逃げ部の高さは、前記第二装置が前記ストッパーより固定接続される端面である固定面に前記予め係合段階部が接触するように設定される。
第二の発明は、前述した係合構造を含む、ディスプレイ機器である。
【0007】
本願実施例の構成を明らかにするために、以下は実施例の図面を簡単に説明する。無論、以下の説明における図面はあくまでも本発明の実施例の一部に関するものであり、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、従来技術にかかる係合構造の構成模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例にかかるストッパーの構成模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例にかかるストッパーに嵌め合う溝の構成模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例にかかる
図2のストッパーを含む係合構造の構成模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例にかかる係合構造を含むディスプレイ機器の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明実施例の目的、構成及び効果を更に明確するためには、以下は本発明実施例の図面を結合して、本発明実施例の技術案を明瞭かつ全面に説明する。無論、説明した実施例は本発明の一部であり、すべての実施例ではない。説明した本発明の実施例に基づいて、当業者は創造的な労働を払わずに得られる他の実施例のすべてが、本発明の保護範囲に含まれる。
【0011】
図2から
図4を参照し、本発明の実施例1は、第一装置22と、第二装置33と、前記第一装置22と前記第二装置33を固定接続するためのストッパー11と、を含む係合構造10を提供する。第一装置22は、例えば、基台である。第二装置33は、例えば、基台固定ブラケットである。ストッパー11は、例えば、スクリューである。
【0012】
図2に示したように、ストッパー11は、ネジ部111と、逃げ部112と、予め係合段階部113と、を含み、逃げ部112は、予め係合段階部113とネジ部111との間に設けられる。
【0013】
逃げ部112の高さは、ストッパー11のネジ部111と逃げ部112が第二装置33に完全に固定られ、前記予め係合段階部113が第一装置22に完全に固定られるとともに、第二装置33がストッパー11により固定接続される端面である固定面に前記予め係合段階部113(例えば、その下の表面)が接触するように、予定の範囲内に設定されることができる。
【0014】
ネジ部111がスクリューを有するため、ストッパー11を第二装置33に捻じ込むことに役に立つ。
【0015】
従来技術において、ネジ部は、容易に完全ロックされることができないので、その取付け高さが所定の高さより高くなり、ストッパーが移動しやすい問題が発生する。そのため、本発明の実施例は、ストッパーのネジ部の完全のロックが容易になり、ストッパーの取付け高さを予定の高さの範囲内に設定し、ストッパーの移動が難しくなることができる。
【0016】
本発明の少なくとも1つの実施例において、逃げ部の高さは、0.05mm以下であるように設定される。
【0017】
0.2〜0.5mmしかない従来の高さに対して、上記の高精度は、ネジ部を完全にロックさせることができる。つまり、本発明の実施例の高精度は、ストッパー1の高さと予め定の高さとを一致させることができ、ストッパーの移動が難しくなる。
【0018】
本発明の少なくとも1つの実施例において、逃げ部112の直径は、ネジ部111の最小内径の以下である。
【0019】
本発明の少なくとも1つの実施例において、ストッパー11は、ストッパー段階部114をさらに含み、ストッパー段階部114は、予め係合段階部113と逃げ部112との間に設けられる。例えば、ストッパー段階部114の直径は、ネジ部111の最大外径より大きい。
【0020】
ストッパー11によって第一装置22と第二装置33とを接続する場合、ストッパー段階部114は、第一装置に位置されるとともに前記固定面に接触し、ストッパー11の逃げ部112が第二装置33に完全に沈む。
【0021】
本発明の少なくとも1つの実施例において、上述した構造を有するストッパー11は、ストッパー11の緩みが困難になるように、
図3に示したような溝12に取り付けることができる。溝12は、球状部121と円筒状部122とを含み、球状部121の直径がストッパー11の予め係合段階部113の直径よりやや大きいので、ストッパーが球状部121から自由に出し入れることができる。それに、円筒状部122の直径がストッパー11のストッパー段階部114の直径よりやや小さいので、ストッパー11のストッパー段階部114が円筒状部122に係合されることができる。具体的に、使用する場合、まずストッパー11の上端部をx方向に沿って溝12の球状部121に差し込み、次にストッパー11がx方向に直交するy方向の溝12の円筒状部122に沿って移動することによって、ストッパー段階部114を円筒状部122に係合させる。
【0022】
以上、ストッパー構造にマッチする溝の形状及び対応する係合過程について、例を挙げて説明することのみであり、本発明は、当該実施形態に記載の溝構造及び形態に限らず、本発明のストッパー構造にマッチできる溝の複数の構造及び形態にて実現することである。
【0023】
ネジ部111と逃げ部112が第二装置33に固定される場合、ストッパー11の予め係合段階部113は、前記第一装置に内蔵され。よって、第一装置22の外部からストッパー11を見ようとする際に、ストッパー11は見えない。
【0024】
図4に示したように、ストッパー11は、第一装置22と第二装置33との接続に適用されることができ、ただし、第一装置22の中に
図3に示したような溝が設けられ、ストッパー11を第一装置22の溝に係合させることができる。ストッパー11の予め係合段階部113は、第一装置22に内蔵することができる。これによって、第一装置22の外部からストッパー11を見ようとする際に、ストッパー11が見えない。このようなストッパー11が第一装置22に内蔵される構造形態は、第一装置22の外観が美しくなり、一体化に形成される。
【0025】
本発明の少なくとも1つの実施例において、係合構造10は、第三装置44をさらに含み、
図4に示したように、第三装置は例えばハウジングであって、第二装置33と第三装置44とは接続される。ストッパー11がこの第三装置を抜けて第一装置22と第二装置33とを固定接続した後に、前記第一装置22と前記第三装置33との間に隙間のない接触面が形成され、例えば、第一装置22の1つの端面221は、第三装置44の1つの端面441にスムーズに接触される。
【0026】
第一装置の端面221に予め位置決め構造が設けられる(
図1に示したように)従来技術に異なり、本発明の実施例では、第一装置の端面221と第三装置の端面441とはスムーズに接触する。本発明にかかる構造において、ストッパー11を第一装置に固定する前に、人でアライメントする必要がなく、より簡単に第一装置を第三装置に取り付けることができることはわかられる。
【0027】
本発明の実施例において、第一装置22は、大きいベースプレートと一定の高さを有する支柱とによって構成され、かつ第一装置22の重心が一般的にシャーシに近いことを考慮した。そのため、ストッパー11は、第一装置22と第三装置44との接触面、例えば、第一装置22の端面221に近いように設けられる。第一装置が
図4に示した方向の外力を受けると、第一装置の端面221と第三装置の端面441との隙間が大きくなりにくい。
【0028】
本発明の少なくとも1つの実施例において、ストッパー11の第一装置22での差し込む方向は、第一装置22と第三装置44との接触面に平行する。
【0029】
図4を参照し、ストッパー11の第一装置22での差し込む方向は、第一装置の端面221に平行することによって、第一装置が
図4に示した外力を受ける場合に変形や撓み或いは隙間の増大という問題が発生しないことが可能になり、構造が美しくなる。
【0030】
なお、
図4は係合構造の断面図のみである。当該断面図にストッパーが1つのみ表示された。実際に、係合構造の全体にストッパーが2つ設けられてもよい。通常の4〜6つのストッパーが必要となる従来技術に比較すると、ストッパーをより少なく使用することができるため、コストが低下する。
【0031】
本発明の少なくとも1つの実施例において、係合構造は、前記第一装置22と第二装置33を接続するための位置決め装置66をさらに含み、第二装置33の底に位置決め装置66に対応する溝が設けられ、第一装置22は、溝に差し込まれた位置決め装置66によって第二装置33に固定される。位置決め構造66は、例えばスクリューである。
【0032】
図4に示したように、位置決め装置66の第二装置33での差し込む方向は、前記ストッパー11の第二装置33での差し込む方向に直交し、当該位置決め装置66を設けることによって、基台をハウジングに接続される基台固定ブラケットにさらに安定に固定することができる。それに、位置決め構造は、基台の底に設けられ、容易に見られなくて、外観が美しくなる。
【0034】
本発明の実施例2は、ディスプレイ機器1であって、
図5に示したように、当該ディスプレイ機器1は、ディスプレイ20と、ディスプレイ回路30と、上述したいずれの1つの実施例に記載の係合構造10と、を含む。当該ディスプレイ機器は、基台(図示せず)をさらに含み、前記係合構造によって前記ディスプレイが基台に固定される。
【0035】
係合構造10の具体的な構造は、
図2〜4を参照し、ここで省略する。
【0036】
以上記載したのは、本発明の保護範囲を限定するものではなく、本発明の実施形態の例示に過ぎない。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって確定される。
【符号の説明】
【0037】
11 ストッパー
111 ネジ部
112 逃げ部
113 予め係合段階部
114 ストッパー段階部
12 溝
121 球状部
122 円筒状部
22 第一装置
33 第二装置
44 第三装置
221 第一装置端面
441 第三装置端面
66 位置決め装置
10 係合構造
1 ディスプレイ機器
20 ディスプレイ
30 ディスプレイ回路