(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の右側刺激エレメントは、複数の右側刺激エレメントの第1のグループと、複数の右側刺激エレメントの第2のグループと、を含み、前記複数の右側刺激エレメントの第1のグループは、前記複数の右側刺激エレメントの第2のグループと第2の距離離れている、請求項1に記載のコイル。
前記複数の左側刺激エレメントは、複数の左側刺激エレメントの第1のグループと、複数の左側刺激エレメントの第2のグループと、を含み、前記複数の左側刺激エレメントの第1のグループは、前記複数の左側刺激エレメントの第2のグループと第3の距離離れている、請求項2に記載のコイル。
前記複数の左側刺激エレメントは、複数の左側刺激エレメントの第1のグループと、複数の左側刺激エレメントの第2のグループと、を含み、前記複数の左側刺激エレメントの第1のグループは、前記複数の左側刺激エレメントの第2のグループと第2の距離離れている、請求項1に記載のコイル。
前記複数の右側刺激エレメントは、複数の右側刺激エレメントの第1のグループと、複数の右側刺激エレメントの第2のグループと、を含み、前記複数の右側刺激エレメントの第1のグループは、前記複数の右側刺激エレメントの第2のグループと第3の距離離れている、請求項5に記載のコイル。
【発明を実施するための形態】
【0027】
当然のことながら、説明の簡潔さおよび明確さのために、図面に示されるエレメントは、必ずしも正確に、または縮尺通りには描かれていない。例えば、いくつかのエレメントの寸法が明確さのために他のエレメントに比べて誇張されることもあり、いくつかの物理的構成要素が1つの機能ブロックまたはエレメントに含められることもある。さらにまた、適切と思われるところでは、対応または類似するエレメントを示すために複数の図面のうちで参照数字が繰り返されることもある。そのうえ、図面に示されるブロックのうちのいくつかが単一の機能に組み合わされることもある。
【0028】
以下の詳細な記載には、本発明の十分な理解を提供するために多くの具体的な詳細が提示される。本発明がこれらの具体的な詳細なしに実行できることを当業者は理解するであろう。他の事例では、本発明を曖昧にしないために、よく知られた方法、手順、構成要素および構造が詳細に記載されなかったこともある。
【0029】
本発明は、深部TMSのための中央ベース・コイルおよびその使用方法を対象とする。本発明によるシステムおよび方法の原理ならびに操作は、図面および付随する記載を参照するとさらによく理解できる。
【0030】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の記載に提示されるか、または図面に示される構造の詳細および構成要素の配置にはその適用が限定されないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態あるいは様々な方法での実行または実施が可能である。また、本明細書に使用される表現および用語は、説明のためであり、限定的であると見做してはならないことを理解すべきである。
【0031】
以下の各例は、特定の深部脳領域の効果的な活性化のために独自に設計されたコイル構造である。これらのコイルのそれぞれは、様々なコイル構成により脳に誘導される電界分布のコンピュータ・シミュレーション、様々なプロトタイプの構築およびそれらを用いた実験、生理的濃度の食塩水で満たされたファントム頭部モデルでの電界測定、ならびに特定の標的ごとに最適解を得るまでのコンピュータ・シミュレーションとファントム頭部測定との間の繰り返しを含む、複雑な開発プロセスの後に構成された。
【0032】
次に、本発明の実施形態による、中央ベース・コイルに関する刺激の原理を示す略図である
図1を参照する。
図1に示される実施形態において、ベース・コイルの略図は、本発明の実施形態による中央ベース・コイルのエレメントを示すが、これらのエレメントの実際の外観を示すわけではない。
図1に示されるように、中央ベース・コイル10は、ベース部12およびリターン部32を含む。中心軸14は、コイル10の中央部を定義する。中心軸14は、仮想軸としてよく、まっすぐでも曲線状であってもよく、本明細書では説明を目的として幾何学的方位に関して用いられることがすぐにわかるはずである。ベース部12は、中心軸14の右のベース部右側16および中心軸14の左のベース部左側18を含む。右側および左側の方向は、解剖学的定義により定義される。従って、この図では、ベース部右側16は図面の左側にあり、ベース部左側18は図面の右側にある。ベース部右側16は、電気の流れの方向を示すための矢印とともに
図1に示される、複数の右側刺激用エレメント20を含む。右側刺激用エレメント20は、距離D1により互いに離隔している。ベース部左側18は、電気の流れの方向を示すための矢印とともに
図1に示される、複数の左側刺激用エレメント22を含む。中心軸14に対する左側刺激用エレメント22の電気的刺激の方向は、右側刺激用エレメント20の電気的刺激の方向と実質的に同じである。左側刺激用エレメント22は、距離D2により互いに離隔している。
【0033】
リターン部32は、リターン部右側36およびリターン部左側38を含む。リターン部右側36は、複数の右側リターン・エレメント40を含み、リターン部左側38は、複数の左側リターン・エレメント42を含む。右側および左側リターン・エレメント40および42は、電気の流れの方向を示すための矢印とともに
図1に示される。右側および左側リターン・エレメント40および42のための電気の流れの方向は、中心軸14に対して取った、右側および左側刺激用エレメント20および22のための電気の流れの方向と反対であることが
図1からすぐにわかるはずである。接続用エレメント44を経由して右側リターン・エレメント40は右側刺激用エレメント20に接続し、左側リターン・エレメント42は左側刺激用エレメント22に接続する。このように、一実施形態において、電流は、右側刺激用エレメント20を通して刺激用方向と呼ばれる1つの方向に流れ、次に接続用エレメント44を通して刺激用方向を横切る横方向に流れ、その後、リターン・エレメント40を通して刺激用方向と反対のリターン方向と呼ばれる反対方向に流れる。いくつかの実施形態では、刺激用エレメント、接続用エレメントおよびリターン・エレメントのすべてまたはいくつかは、コイルの単一連続片からなり、コイルの単一片の異なる部分がそれらの場所および電流フローの方向により刺激用、接続用またはリターン・エレメントのいずれかとして設計される。
【0034】
右側リターン・エレメント40は、距離D3により互いに離隔している。左側リターン・エレメント42は、距離D4により互いに離隔している。右側ベース部16および右側リターン部36は、距離D5により互いに離隔している。左側ベース部18および左側リターン部38は、距離D6により互いに離隔している。十分に大きい距離D5およびD6を有することにより、刺激される領域に対するリターン電流の影響を最小限に抑えることが可能である。いくつかの実施形態において、距離D5およびD6は、4から10cmの範囲内にある。他の実施形態では、距離D5およびD6は、6から8cmの範囲内にある。距離D5およびD6は、同じあっても異なってもいずれでもよい。
【0035】
次に、本発明の実施形態による、ベース部12の略図である
図2A〜2Fを参照する。いくつかの実施形態では、
図2Aに示されるように、同じ数の右側刺激用エレメント20および左側刺激用エレメント22が用いられる。他の実施形態では、
図2Bに示されるように、右側刺激用エレメント20は、左側刺激用エレメント22より多いかまたは少ない数の刺激用エレメントを含みうる。いくつかの実施形態では、
図2Cに示されるように、右側刺激用エレメント20の間の距離D1は、可変的であってもよい。いくつかの実施形態では、左側刺激用エレメント22の間の距離D2は、可変的であってもよい。刺激用エレメントの間の距離D1および/またはD2は、一様、可変的または周期的(periodic)であってもよい。いくつかの実施形態では、
図2Cに示されるように、距離D1が可変的であり、一方でD2が一様であってもよく、またはその逆であってもよい。いくつかの実施形態では、右側および/または左側刺激用エレメント20、22は、複数の群を含みうる。
図2Dに示されるように、複数の右側群21および/または複数の左側群23が含まれてもよい。群間の距離D7、D8は、一様、可変的または周期的であってもよい。いくつかの実施形態では、
図2Eに示されるように、複数の中心軸14が含まれてもよく、それぞれの中心軸14は、異なる方向にあってもよく、右側刺激用エレメント20および左側刺激用エレメント22をもつそれ自体のベース部12を含む。他の実施形態では、
図2Fに示されるように、右側刺激用エレメント20は、中心軸14に対して左側刺激用エレメント22からある垂直距離にある。本明細書に示される実施形態は、ベース部の非限定の例であり、本発明の範囲内に他の構成が同様に含まれてもよいことがすぐにわかるはずである。
【0036】
次に、本発明の実施形態による、リターン部32の図である
図3を参照する。
図3に示されるのは、リターン部右側36であるが、リターン部左側が同様の構造を有しうることがすぐにわかるはずである。右側リターン・エレメント40は、2つの異なる高さで示され、右側リターン・エレメント40のうちのいくつかは、体の部分と接触するように構成される。これらの右側リターン・エレメント40は、接触型リターン・エレメント50と呼ばれる。右側リターン・エレメント40のうちのいくつかは、体の部分から突出するように構成され、突出型リターン・エレメント52と呼ばれる。突出型リターン・エレメント52がコイル10から突出するように構成されて、ベース部12が接触するように構成された体の部分とそれらが接触しないように構成される限り、突出型リターン・エレメント52は、ベース部12からある垂直距離またはある水平距離にありうる。従って、接続用エレメント44は、水平接続用エレメント46であってもよく、もしくは垂直接続用エレメント48であってもよく、またはリターン部32をベース部12に接続するために必要とされるような追加の構成を有してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、複数の右側リターン・エレメント40のうちのいくつかは、接触型リターン・エレメント50であり、複数の右側リターン・エレメント40のうちのいくつかは、突出型リターン・エレメント52である。いくつかの実施形態では、複数の右側リターン・エレメント40のすべてが接触型リターン・エレメント50である。いくつかの実施形態では、複数の右側リターン・エレメント40のすべてが突出型リターン・エレメント52である。いくつかの実施形態では、複数の左側リターン・エレメント42のうちのいくつかは、接触型リターン・エレメント50であり、複数の左側リターン・エレメント42のうちのいくつかは、突出型リターン・エレメント52である。いくつかの実施形態では、複数の左側リターン・エレメント42のすべてが接触型リターン・エレメント50である。いくつかの実施形態では、複数の左側リターン・エレメント42のすべてが突出型リターン・エレメント52である。右側リターン・エレメント40および左側リターン・エレメント42は、同じタイプまたは互いに異なるタイプであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、右側リターン・エレメント40のすべてが接触型リターン・エレメント50であり、一方で複数の左側リターン・エレメント42のうちのいくつかは、接触型リターン・エレメント50であり、複数の左側リターン・エレメントのうちのいくつかは、突出型リターン・エレメント52である。他の実施形態では、右および左側リターン・エレメント40および42のすべてが接触型リターン・エレメント50である。突出型および/または接触型リターン・エレメントの任意の組み合わせが可能であり、本発明の範囲内に含まれる。
【0038】
次に、頭100の解剖学的区分の図である
図4を参照する。本発明を説明するために、頭100は、4つの区分、すなわち、頭100の前部における前頭部102、前頭部102の後ろの頭100の頂部における頭頂部104、頭100の脇の側頭部106、および頭100の後部における後頭部108を有する。中央ベース・コイル10は、頭100の一方の側に右側刺激用エレメントおよび頭100の他方の側に左側刺激用エレメントを伴って中心軸14が頭100の中央に置かれるように構成される。他の実施形態では、中心軸14は、頭100の異なる位置、例えば、側頭部106に置かれ、右および左側刺激用エレメント20および22も側頭部106上に置かれてもよく、または頭100上の異なる位置に置かれてもよい。このように、例えば、ベース部12は、前−後中心線に沿って中心軸14が延びるようにして前頭部102上に置かれてもよい。別の実施形態では、ベース部12は、後−前中心線に沿って中心軸14が延びるようにして側頭部106上に置かれてもよい。さらに別の実施形態では、ベース部12は、後−前中心線に沿って中心軸14が延びるようにして頭頂部104上に置かれてもよい。さらに別の実施形態では、ベース部12は、外側−内側線に沿って中心軸14が延びるようにして前頭部102上に置かれてもよい。このようにして、ベース部12は、中心軸14の両側で脳の区分を刺激し、一方でリターン部は、刺激される脳の区分から離れた区分においてリターン電流を戻す。いくつかの実施形態では、ベース部12もリターン部32も頭に隣接し、いくつかの実施形態では、ベース部12は頭に隣接し、一方でリターン部32は頭から離れている。いくつかの実施形態では、ベース部12は頭に隣接し、一方でリターン部32エレメントのうちのいくつかは頭に隣接し、リターン部32エレメントのうちのいくつかは頭から離れている。いくつかの実施形態では、接続用エレメント44は頭に隣接し、他の実施形態では、接続用エレメント44は頭から離れている。さらに他の実施形態では、接続用エレメント44のうちのいくつかは頭に隣接し、それらのうちのいくつかは頭から離れている。いくつかの実施形態では、以下にさらに記載されるように、複数の中心軸を伴って複数のベース部12が用いられる。
【0039】
次に、本発明の実施形態による、中央ベース・コイル10の例である、コイル110の斜視図である
図5を参照する。コイル110は、中心軸14の両側にベース部右側16およびベース部左側18を有するベース部12を含む。ベース部右側16およびベース部左側18は、中心軸14に対して実質的に水平かつ平行である。ベース部12は、4つの群、すなわち、第1の右側群21、第2の右側群25、第1の左側群23、および第2の左側群27を有する。第1および第2の右側群21および25は、それぞれが右側刺激用エレメント20を有し、第1および第2の右側群21および25のそれぞれにおいて、右側刺激用エレメント20は、互いに比較的近く離隔しており、右側刺激用エレメント20の間の(比較的近接した間隔のため、斜視図には示されない)距離D1は、およそ0.3cmに等しい。第1および第2の右側群21および25の間の距離D7は、およそ2cmである。第1および第2の左側群23および27は、それぞれが左側刺激用エレメント22を有し、第1および第2の左側群23および27のそれぞれにおいて、左側刺激用エレメント22は、互いに比較的近く離隔しており、左側刺激用エレメント22の間の距離D2は、およそ0.3cmに等しい。第1および第2の左側群23および27の間の距離D8は、およそ2cmである。
【0040】
コイル110は、リターン部右側36およびリターン部左側38を含んだリターン部32をさらに含む。リターン部右側36は、接触型リターン・エレメント50である右側リターン・エレメント40を含む。なぜなら、これらは、コイル110が所定の位置にあるときに頭蓋と接触するように構成されているからである。リターン部左側38は、やはり接触型リターン・エレメント50である左側リターン・エレメント42を含む。
【0041】
右ベース部21と右リターン部36との間の距離D5は、およそ5cmである。左ベース部23と左リターン部38との間の距離D6は、およそ5cmである。
【0042】
コイル110は、内側前頭皮質領域、例えば、内側前頭前皮質または内側運動皮質上に配置されるように構成されて、内側脳領域、例えば、前帯状皮質を刺激するために用いられ、例えば、眼瞼痙攣またはトゥレット症候群の治療に有用でありうる。
【0043】
次に、本発明の実施形態による、中央ベース・コイル10の別の例である、コイル210の斜視図である
図6を参照する。コイル210は、中心軸14の両側にベース部右側16およびベース部左側18を有するベース部12を含む。ベース部右側16およびベース部左側18は、中心軸14に対して部分的に垂直かつ部分的に平行である。ベース部右側16は、およそ0.3cmの距離D1により互いに離隔している複数の右側刺激用エレメント20を含む。ベース部左側18は、およそ0.3cmの距離D2により互いに離隔している複数の左側刺激用エレメント22を含む。右側刺激用エレメント20および左側刺激用エレメント22は、コイル210が頭上に配置されたときに、刺激用エレメント20および22が頭頂から額および/またはこめかみの一部にわたって延びるように構成される。コイル210の頂部では、ベース部右側16およびベース部左側18は互いに隣接し、刺激用エレメント20および22が下降するにつれて、ベース部右側16およびベース部左側18は互いに角度をなして遠ざかり、最も広い箇所では、ベース部右側16およびベース部左側18は互いにおよそ2cmの距離D10にある。
【0044】
コイル210は、リターン部右側36およびリターン部左側38を含んだリターン部32をさらに含む。リターン部右側36は、接触型リターン・エレメント50である右側リターン・エレメント40を含む。なぜなら、これらは、コイル210が所定の位置にあるときに頭蓋と接触するように構成されているからである。リターン部左側38は、やはり接触型リターン・エレメント50である左側リターン・エレメント42を含む。接続用エレメント44は、右側刺激用エレメント20を右側リターン・エレメント40に接続し、左側刺激用エレメント22を左側リターン・エレメント42に接続する。右側刺激用エレメント20、接続用エレメント44および右側リターン・エレメント40は、実質的に三角形を形成し、左側刺激用エレメント22、接続用エレメント44および左側リターン・エレメント42は、実質的に三角形を形成し、左側の三角形および右側の三角形は、コイル210の頂部において実質的に互いに接触する。
【0045】
コイル210は、内側前頭皮質領域、例えば、内側前頭前皮質および/または眼窩前頭皮質上に配置されるように構成されて、傍帯状皮質を含む眼窩前頭皮質領域を刺激するために用いられ、例えば、自閉症およびアスペルガー疾患の治療に有用でありうる。
【0046】
次に、本発明の実施形態による、中央ベース・コイル10の別の例である、コイル310の斜視図である
図7を参照する。コイル310は、中心軸14の両側にベース部右側16およびベース部左側18を有するベース部12を含む。ベース部右側16およびベース部左側18は、中心軸14に実質的に水平かつ平行である。ベース部右側16は、およそ0.3cmの距離D1により互いに離隔している複数の右側刺激用エレメント20を含む。ベース部左側18は、およそ0.3cmの距離D2により互いに離隔している複数の左側刺激用エレメント22を含む。右側刺激用エレメント20および左側刺激用エレメント22は、コイル310が頭上に配置されたときに、刺激用エレメント20および22が頭と接触するように構成される。一実施形態において、コイル310は、刺激用エレメント20および22が内側頭部領域の頂部に位置するように、頭頂上に左右対称に置かれる。別の実施形態では、コイル310は、刺激用エレメント20および22が外側頭部領域に隣接するように、外側頭部領域、例えば、左または右前頭前皮質上に置かれる。ベース部左側18とベース部右側16との間の距離D10は、およそ4〜5cmである。
【0047】
コイル310は、リターン部右側36およびリターン部左側38を含んだリターン部32をさらに含む。リターン部右側36は、接触型リターン・エレメント50である右側リターン・エレメント40を含む。なぜなら、これらは、コイル310が所定の位置にあるときに頭蓋と接触するように構成されているからである。リターン部左側38は、やはり接触型リターン・エレメント50である左側リターン・エレメント42を含む。接続用エレメント44は、右側刺激用エレメント20を右側リターン・エレメント40に接続し、左側刺激用エレメント22を左側リターン・エレメント42に接続する。一実施形態では、
図7に示されるように、右側刺激用エレメント20、接続用エレメント44および右側リターン・エレメント40は、実質的に矩形を形成し、左側刺激用エレメント22、接続用エレメント44および左側リターン・エレメント42は、実質的に矩形を形成し、左側の矩形および右側の矩形は、頭の頂部に位置するように構成される。他の実施形態では、右側刺激用エレメント20、接続用エレメント44および右側リターン・エレメント40は、他の形状、例えば、角度を付けた角をもつ実質的な矩形、楕円形、円形、またはその組み合わせを形成する。同様に、左側刺激用エレメント22、接続用エレメント44および左側リターン・エレメント42は、他の形状、例えば、角度を付けた角をもつ実質的な矩形、楕円形、円形、またはその組み合わせを形成する。
【0048】
ベース部右側16とリターン部右側36との間の距離D5は、およそ5cmである。ベース部左側18とリターン部左側38との間の距離D6は、およそ5cmである。
【0049】
コイル310は、内側前頭皮質領域、例えば、内側前頭前皮質もしくは内側運動皮質上、または外側前頭前皮質上に配置されるように構成されて、内側および/または外側前頭前皮質領域、内側および/または外側運動皮質領域を刺激するために用いられ、例えば、多発性硬化症の治療に有用でありうる。
【0050】
次に、本発明の実施形態による、中央ベース・コイル10の別の例である、コイル410の斜視図である
図8を参照する。コイル410は、中心軸14の両側にベース部右側16およびベース部左側18を有するベース部12を含む。ベース部右側16およびベース部左側18は、中心軸14に実質的に水平かつ平行である。ベース部右側16は、およそ0.3cmの距離D1により互いに離隔している複数の刺激用エレメント20をそれぞれが含んだ、2つの右側群21および25を含む。ベース部左側18は、およそ0.3cmの距離D2により互いに離隔している複数の左側刺激用エレメント22をそれぞれが含んだ、2つの左側群23および27を含む。第2の右側群25および第2の左側群27は、中心軸14の両側で互いに隣接する。右側刺激用エレメント20および左側刺激用エレメント22は、コイル410が頭上に配置されたときに、刺激用エレメント20および22が頭頂に沿って位置するように構成される。右側群21および25の間の距離D7は、およそ2cmである。左側群23および27の間の距離D8は、およそ2cmである。
【0051】
コイル410は、リターン部右側36およびリターン部左側38を含んだリターン部32をさらに含む。リターン部右側36は、突出型リターン・エレメント52である右側リターン・エレメント40を含む。なぜなら、これらは、コイル410が所定の位置にあるときに頭蓋から突出するように構成されているからである。リターン部左側38は、やはり突出型リターン・エレメント52である左側リターン・エレメント42を含む。接続用エレメント44は、右側刺激用エレメント20を右側リターン・エレメント40に接続し、左側刺激用エレメント22を左側リターン・エレメント42に接続する。右側刺激用エレメント20、接続用エレメント44および右側リターン・エレメント40は、実質的に矩形を形成し、左側刺激用エレメント22、接続用エレメント44および左側リターン・エレメント42は、実質的に矩形を形成し、左側の矩形および右側の矩形は、ベース部12が頭の上部に位置し、リターン部14が頭から突出して位置するように構成される。
【0052】
ベース部右側16とリターン部右側36との間の距離D5は、およそ5cmである。ベース部左側18とリターン部左側38との間の距離D6は、およそ5cmである。
【0053】
コイル410は、内側前頭皮質および/または内側頭頂葉皮質上に配置されるように構成されて、内側運動皮質を刺激するために用いられ、例えば、慢性痛の治療、または発作後の患者のリハビリに有用でありうる。
【0054】
次に、本発明の実施形態による、中央ベース・コイル10の別の例である、コイル510の斜視図である
図9を参照する。コイル510は、中心軸14の両側にベース部右側16およびベース部左側18を有するベース部12を含む。ベース部右側16およびベース部左側18は、中心軸14に対して実質的に水平である。ベース部右側16は、およそ0.3cmの距離D1により互いに離隔している複数の右側刺激用エレメント20を含む。ベース部左側18は、およそ0.3cmの距離D2により互いに離隔している複数の左側刺激用エレメント22を含む。右側刺激用エレメント20および左側刺激用エレメント22は、コイル510が頭上に配置されたときに、刺激用エレメント20および22が頭頂にわたって延び、頭の側面を僅かに下降してベース部右側16およびベース部左側18が互いに角度をなして遠ざかるように構成される。ベース部左側18とベース部右側16との間の距離D10は、およそ4〜5cmである。
【0055】
コイル510は、リターン部右側36およびリターン部左側38を含んだリターン部32をさらに含む。リターン部右側36は、接触型リターン・エレメント50である右側リターン・エレメント40を含む。なぜなら、これらは、コイル510が所定の位置にあるときに頭蓋と接触するように構成されているからである。リターン部左側38は、やはり接触型リターン・エレメント50である左側リターン・エレメント42を含む。接続用エレメント44は、右側刺激用エレメント20を右側リターン・エレメント40に接続し、左側刺激用エレメント22を左側リターン・エレメント42に接続する。右側刺激用エレメント20、接続用エレメント44および右側リターン・エレメント40は、実質的に三角形を形成し、左側刺激用エレメント22、接続用エレメント44および左側リターン・エレメント42は、実質的に矩形を形成し、左側の矩形および右側の三角形は、コイル510の頂部において実質的に互いに接触する。
【0056】
ベース部右側16とリターン部右側36との間の距離D5は、およそ5cmである。ベース部左側18とリターン部左側38との間の距離D6は、およそ5cmである。
【0057】
コイル510は、内側前頭皮質、例えば、内側前頭前皮質または内側運動皮質上に配置されるように構成されて、3〜5cmまでの深さの深部運動皮質領域を刺激するために用いられ、例えば、慢性痛、発作のリハビリ、または任意の運動疾患の治療に有用でありうる。
【0058】
次に、本発明の実施形態による、中央ベース・コイル10の別の例である、コイル610の斜視図である
図10を参照する。コイル610は、中心軸14の両側にベース部右側16およびベース部左側18を有するベース部12を含む。ベース部右側16およびベース部左側18は、中心軸14に実質的に水平かつ平行である。ベース部右側16は、およそ0.3cmの距離D1により互いに離隔している複数の右側刺激用エレメント20を含む。ベース部左側18は、およそ0.3cmの距離D2により互いに離隔している複数の左側刺激用エレメント22を含む。右側刺激用エレメント20および左側刺激用エレメント22は、コイル610が頭上に配置されたときに、刺激用エレメント20および22が頭頂に沿って位置するように構成される。ベース部左側18とベース部右側16との間の距離D10は、およそ4〜5cmである。
【0059】
コイル610は、リターン部右側36およびリターン部左側38を含んだリターン部32をさらに含む。リターン部右側36は、接触型リターン・エレメント50である右側リターン・エレメント40を含む。なぜなら、これらは、コイル610が所定の位置にあるときに頭蓋と接触するように構成されているからである。リターン部左側38は、やはり接触型リターン・エレメント50である左側リターン・エレメント42を含む。接続用エレメント44は、右側刺激用エレメント20を右側リターン・エレメント40に接続し、左側刺激用エレメント22を左側リターン・エレメント42に接続する。右側刺激用エレメント20、接続用エレメント44および右側リターン・エレメント40は、実質的に矩形を形成し、左側刺激用エレメント22、接続用エレメント44および左側リターン・エレメント42は、実質的に矩形を形成し、左側の矩形および右側の矩形は、頭の頂部に位置するように構成される。
【0060】
ベース部右側16とリターン部右側36との間の距離D5は、およそ5cmである。ベース部左側18とリターン部左側38との間の距離D6は、およそ5cmである。
【0061】
コイル610は、内側前頭皮質領域、例えば、内側前頭前皮質または内側運動皮質上に配置されるように構成されて、運動皮質領域を刺激するために用いられ、例えば、慢性痛、発作のリハビリ、または任意の運動疾患の治療に有用でありうる。
【0062】
次に、本発明の実施形態による、中央ベース・コイル10の別の例である、コイル710の斜視図である
図11を参照する。コイル710は、単一のヘルメット内に一緒に置かれた2つの分離したコイルからなる組み合わせコイルである。中心軸14は、2つのコイルを互いに隔てる。第1のコイル710Rは、中心軸14の右側に置かれ、第2のコイル710Lは、中心軸14の左側に置かれる。第1のコイル710Rは、第1のコイル中心軸14Rの両側に第1のコイル・ベース部右側16Rおよび第1のコイル・ベース部左側18Rを有する第1のコイル・ベース部12Rを含む。第2のコイル710Lは、第2のコイル中心軸14Lの両側に第2のコイル・ベース部左側16Lおよび第2のコイル・ベース部左側18Lを有する第2のコイル・ベース部12Lを含む。第1のコイル・ベース部右側16Rおよび第1のコイル・ベース部左側18Rは、第1のコイル中心軸14Rに実質的に水平かつ平行である。第2のコイル・ベース部右側16Lおよび第2のコイル・ベース部左側18Lは、第2のコイル中心軸14Lに実質的に水平かつ平行である。第1のコイル・ベース部右側16Rは、およそ0.3cmの距離D1により互いに離隔している複数の第1のコイル外側区分刺激用エレメント20Rを含む。第1のコイル・ベース部左側18Rは、およそ0.3cmの距離D2により互いに離隔している複数の第1のコイル内側部刺激用エレメント22Rを含む。第2のコイル・ベース部右側16Lは、およそ0.3cmの距離D1により互いに離隔している複数の第2のコイル内側部刺激用エレメント20Lを含む。第2のコイル・ベース部左側18Lは、およそ0.3cmの距離D2により互いに離隔している複数の第2のコイル外側部刺激用エレメント22Lを含む。コイル710は、頭上に配置されたときに、刺激用エレメント20R、20L、22R、22Lが頭の脇に沿って位置するように構成される。第1のコイル・ベース部左側18Rと第1のコイル・ベース部右側16Rとの間の距離D10は、およそ2cmである。第2のコイル・ベース部左側18Lと第2のコイル・ベース部右側16Lとの間の距離D11は、およそ2cmである。
【0063】
第1のコイル710Rは、第1のコイル・リターン部内側区分36Rおよび第1のコイル・リターン部外側区分38Rを含んだ、第1のコイル・リターン部32Rをさらに含む。第1のコイル・リターン部内側区分36Rは、突出型リターン・エレメント52である第1のコイル内側区分リターン・エレメント40Rを含む。なぜなら、これらは、コイル710が所定の位置にあるときに頭蓋から垂直方向に突出するように構成されているからである。いくつかの実施形態において、第1のコイル内側区分リターン・エレメント40Rは、すべての第1のコイル内側区分リターン・エレメントがリターン・エレメントの垂直方向に突出したコラムを形成するまで、第1のリターン・エレメントが頭蓋と接触するように構成され、第2のリターン・エレメントが第1のリターン・エレメントの直上に置かれるなどのように構成される。第1のコイル・リターン部外側区分38Rは、接触型リターン・エレメント50である第1のコイル外側区分リターン・エレメント42Rを含む。同様に、第2のコイル710Lは、第2のコイル・リターン部内側区分36Lおよび第2のコイル・リターン部外側区分38Lを含んだ第2のコイル・リターン部32Lをさらに含む。第2のコイル・リターン部内側区分36Lは、突出型リターン・エレメント52である第2のコイル内側区分リターン・エレメント40Lを含む。なぜなら、これらは、コイル710が所定の位置にあるときに頭蓋から垂直方向に突出するように構成されているからである。いくつかの実施形態において、第2のコイル内側区分リターン・エレメント40Lは、すべての第1のコイル内側区分リターン・エレメントがリターン・エレメントの垂直方向に突出するコラムを形成するまで、第1のリターン・エレメントが頭蓋と接触するように構成され、第2のリターン・エレメントが第1のリターン・エレメントの直上に置かれるなどのように構成される。第2のコイル・リターン部外側区分38Lは、接触型リターン・エレメント50である第2のコイル外側区分リターン・エレメント42Lを含む。接続用エレメント44は、第1のコイル右側刺激用エレメント20Rを第1のコイル内側区分リターン・エレメント40Rに接続し、第1のコイル左側刺激用エレメント22Rを第1のコイル外側区分リターン・エレメント42Rに接続し、第2のコイル右側刺激用エレメント20Lを第2のコイル内側区分リターン・エレメント40Lに接続し、そして第2のコイル左側刺激用エレメント22Lを第2のコイル外側区分リターン・エレメント42Lに接続する。第1のコイル右側刺激用エレメント20R、接続用エレメント44および第1のコイル内側区分リターン・エレメント40Rは、実質的に矩形を形成し、第1のコイル左側刺激用エレメント22R、接続用エレメント44および第1のコイル外側区分リターン・エレメント42Rは、実質的に矩形を形成し、第1のコイル710Rの左側の矩形および右側の矩形は、頭の右側に位置するように構成される。第2のコイル右側刺激用エレメント20L、接続用エレメント44および第2のコイル内側区分リターン・エレメント40Lは、実質的に矩形を形成し、第2のコイル左側刺激用エレメント22L、接続用エレメント44および第2のコイル外側区分リターン・エレメント42Lは、実質的に矩形を形成し、第2のコイル710Lの左側の矩形および右側の矩形は、頭の左側に位置するように構成される。
【0064】
第1のコイル・ベース部右側16Rと第1のコイル・リターン部外側区分38Rとの間の距離D5aは、およそ2.5cmである。第1のコイル・ベース部左側18Rと第1のコイル・リターン部内側区分36Rとの間の距離D5bは、およそ2.5cmである。第2のコイル・ベース部右側16Lと第2のコイル・リターン部内側区分36Lとの間の距離D9aは、およそ2.5cmである。第2のコイル・ベース部左側18Lと第2のコイル・リターン部外側区分38Lとの間の距離D9bは、およそ2.5cmである。
【0065】
コイル710は、内側または外側前頭皮質領域、例えば、内側または外側前頭前皮質上に配置されるように構成されて、前頭前皮質領域を刺激するために用いられ、例えば、多発性硬化症、もしくは注意欠陥・多動性障害(ADHD:attention deficit and hyperactivity disorder)、または大うつ病の治療に有用でありうる。
【0066】
次に、本発明の実施形態による、中央ベース・コイル10の別の例である、コイル810の斜視図である
図12を参照する。コイル810は、中心軸14の両側にベース部右側16およびベース部左側18を有するベース部12を含む。ベース部右側16およびベース部左側18は、中心軸14に実質的に水平かつ平行である。ベース部右側16は、およそ0.3cmの距離D1により互いに離隔している複数の右側刺激用エレメント20を含む。ベース部左側18は、およそ0.3cmの距離D2により互いに離隔している複数の左側刺激用エレメント22を含む。右側刺激用エレメント20および左側刺激用エレメント22は、コイル810が頭上に配置されたときに、刺激用エレメント20および22が頭の内側部分の頂部に沿って位置するように構成される。ベース部左側18とベース部右側16との間の距離D10は、2から5cmの間である。
【0067】
コイル810は、リターン部右側36およびリターン部左側38を含んだリターン部32をさらに含む。リターン部右側36は、接触型リターン・エレメント50である右側リターン・エレメント40を含む。なぜなら、これらは、コイル810が所定の位置にあるときに頭蓋と接触するように構成されているからである。リターン部左側38は、やはり接触型リターン・エレメント50である左側リターン・エレメント42を含む。接続用エレメント44は、右側刺激用エレメント20を右側リターン・エレメント40に接続し、左側刺激用エレメント22を左側リターン・エレメント42に接続する。接続用エレメント44ならびに右および左側リターン・エレメント40および42は、右側刺激用エレメント20、接続用エレメント44および右側リターン・エレメント40が実質的に円形を形成し、左側刺激用エレメント22、接続用エレメント44および左側リターン・エレメント42が実質的に円形を形成するように曲線状である。それぞれの円形は、頭の頂部および側部に位置するように構成される。
【0068】
ベース部右側16とリターン部右側36との間の(図面の角度ゆえに示されない)距離D5は、およそ5cmである。ベース部左側18とリターン部左側38との間の距離D6は、およそ5cmである。
【0069】
コイル810は、内側前頭皮質領域、例えば、内側前頭前皮質または内側運動皮質上に配置されるように構成されて、前帯状皮質を刺激するために用いられ、例えば、大うつ病性障害を含む気分障害、薬物中毒もしくは他のタイプの中毒、強迫性障害(OCD:obsessive−compulsive disorder)、慢性痛、トゥレット症候群、または眼瞼痙攣の治療に有用でありうる。
【0070】
次に、それぞれコイル910の詳細および頭上のコイル910のポジショニングを示す、コイル910の斜視図である
図13Aおよび13Bを参照する。コイル910は、本発明の実施形態による中央ベース・コイル10の別の例である。コイル910は、中心軸14の両側にベース部右側16およびベース部左側18を有するベース部12を含む。この実施形態については、中心軸14は、コイル910が頭蓋上に置かれたときに、ベース部右側16がベース部左側の前に位置するように外側/内側方向に延びる。ベース部右側16およびベース部左側18は、中心軸14に実質的に水平かつ平行であり、頭蓋の形状に追随するように曲線状である。ベース部右側16は、およそ0.3cmの距離D1により互いに離隔している複数の右側刺激用エレメント20を含む。ベース部左側18は、およそ0.3cmの距離D2により互いに離隔している複数の左側刺激用エレメント22を含む。右側刺激用エレメント20および左側刺激用エレメント22は、コイル810が頭上に配置されたときに、刺激用エレメント20および22が頭の外側/内側部分の頂部に沿って位置するように構成される。ベース部左側18とベース部右側16との間の距離D10は、4から7cmの間にある。
【0071】
コイル910は、リターン部右側36およびリターン部左側38を含んだリターン部32をさらに含む。リターン部右側36は、上右側リターン部39および下右側リターン部41を含む。上右側リターン部39および下右側リターン部41は、2〜3cmの距離D30により互いに分離している。右側リターン・エレメント40は、接触型リターン・エレメント50である。なぜなら、これらは、コイル910が所定の位置にあるときに頭蓋と接触するように構成されているからである。本明細書に示される実施形態において、右側リターン・エレメント40は、頭の前部(例えば、額)と接触するように構成され、頭の前部の解剖学的構造に少なくとも部分的に追随するように曲線状である。リターン部左側38は、突出型リターン・エレメント52である左側リターン・エレメント42を含み、左側リターン・エレメント42は、頭蓋の後部から突出する。本明細書に示される実施形態において、左側リターン・エレメント42は、実質的に真っすぐであるが、他の構成も同様に可能である。接続用エレメント44は、右側刺激用エレメント20を右側リターン・エレメント40に接続し、左側刺激用エレメント22を左側リターン・エレメント42に接続する。
【0072】
ベース部右側16とリターン部右側36との間の距離D5は、およそ10cmである。ベース部左側18とリターン部左側38との間の距離D6は、およそ10cmである。
【0073】
コイル910は、内側前頭皮質または内側頭頂葉皮質上に配置されるように構成されて、後帯状皮質および他の頭頂葉皮質領域を刺激するために用いられ、例えば、軽度認知障害(MCI:mild cognitive impairment)およびアルツハイマー病の治療に有用でありうる。
【0074】
次に、本発明のさらに追加の実施形態による、コイル1010の斜視図である
図14を参照する。
【0075】
コイル1010は、中心軸14の両側にベース部右側16およびベース部左側18を有するベース部12を含む。ベース部右側16およびベース部左側18は、中心軸14に対して実質的に水平かつ平行である。ベース部右側16は、およそ0.3cmの距離D1により互いに離隔している複数の右側刺激用エレメント20を含む。ベース部左側18は、およそ0.3cmの距離D2により互いに離隔している複数の左側刺激用エレメント22を含む。右側刺激用エレメント20および左側刺激用エレメント22は、コイル1010が頭上に配置されたときに、刺激用エレメント20および22が頭の内側部分の頂部に沿って位置するように構成される。ベース部左側18とベース部右側16との間の距離D10は、4から8cmの間にある。
【0076】
コイル1010は、リターン部右側36およびリターン部左側38を含んだリターン部32をさらに含む。リターン部右側36は、接触型リターン・エレメント50である右側リターン・エレメント40を含む。なぜなら、これらは、コイル1010が所定の位置にあるときに頭蓋と接触するように構成されているからである。リターン部左側38は、やはり接触型リターン・エレメント50である左側リターン・エレメント42を含む。接続用エレメント44は、右側刺激用エレメント20を右側リターン・エレメント40に接続し、左側刺激用エレメント22を左側リターン・エレメント42に接続する。接続用エレメント44ならびに右および左側リターン・エレメント40および42は、右側刺激用エレメント20、接続用エレメント44および右側リターン・エレメント40が実質的に円形を形成し、左側刺激用エレメント22、接続用エレメント44および左側リターン・エレメント42が実質的に円形を形成するように曲線状である。それぞれの円形は、頭の頂部および側部に位置するように構成される。
【0077】
ベース部右側16とリターン部右側36との間の距離D5は、およそ6cmである。ベース部左側18とリターン部左側38との間の距離D6は、およそ6cmである。
【0078】
コイル1010は、内側前頭皮質領域、例えば、内側前頭前皮質または内側運動皮質上に配置されるように構成されて、運動皮質領域を含む内側皮質領域を刺激するために用いられ、例えば、慢性痛の治療および発作後のリハビリに有用でありうる。
【0079】
次に、本発明の追加の実施形態による、コイル1110の斜視図である
図15を参照する。
【0080】
コイル1110は、中心軸14の両側にベース部右側16およびベース部左側18を有するベース部12を含む。ベース部右側16およびベース部左側18は、中心軸14に対して実質的に曲線状である。ベース部右側16は、およそ0.3cmの距離D1により互いに離隔している複数の右側刺激用エレメント20を含む。ベース部左側18は、およそ0.3cmの距離D2により互いに離隔している複数の左側刺激用エレメント22を含む。いくつかの実施形態において、刺激用エレメント22は、ペアに分けられ、刺激用エレメント22のそれぞれのペアは、およそ1cmの距離D8により刺激用エレメント22の別のペアから離隔している。右側刺激用エレメント20および左側刺激用エレメント22は、コイル1110が頭上に配置されたときに、刺激用エレメント20および22が頭の内側部分の頂部に沿って位置するように構成される。ベース部左側18とベース部右側16との間の距離D10は、4から7cmの間である。
【0081】
コイル1110は、リターン部右側36およびリターン部左側38を含んだリターン部32をさらに含む。リターン部右側36は、接触型リターン・エレメント50である右側リターン・エレメント40を含む。なぜなら、これらは、コイル1110が所定の位置にあるときに頭蓋と接触するように構成されているからである。リターン部左側38は、やはり接触型リターン・エレメント50である左側リターン・エレメント42を含む。接続用エレメント44は、右側刺激用エレメント20を右側リターン・エレメント40に接続し、左側刺激用エレメント22を左側リターン・エレメント42に接続する。接続用エレメント44ならびに右および左側リターン・エレメント40および42は、右側刺激用エレメント20、接続用エレメント44および右側リターン・エレメント40が実質的に円形を形成し、左側刺激用エレメント22、接続用エレメント44および左側リターン・エレメント42が実質的に円形を形成するように曲線状である。それぞれの円形は、頭の頂部および側部に位置するように構成される。
【0082】
ベース部右側16とリターン部右側36との間の距離D5は、およそ6〜7cmである。ベース部左側18とリターン部左側38との間の距離D6は、およそ6〜7cmである。
【0083】
コイル1110は、前頭皮質領域、例えば、内側前頭前皮質または外側前頭前皮質上に配置されるように構成できて、右または左片側前頭前皮質領域を含む内側または外側皮層領域を刺激するために用いられ、例えば、注意欠陥障害(ADHD)、うつ病、双極性障害、老年期うつ病の治療に有用でありうる。
【0084】
次に、本発明の実施形態による、コイル1210の斜視図である
図16を参照する。
【0085】
コイル1210は、中心軸14の両側にベース部右側16およびベース部左側18を有するベース部12を含む。ベース部右側16は、右側刺激用エレメント20を含む。ベース部左側18は、左側刺激用エレメント22を含み、右および左側刺激用エレメント20および22は、中心軸14に対して実質的に平行かつ水平である。コイル1210は、リターン部右側36およびリターン部左側38を含んだリターン部32をさらに含む。リターン部右側36は、複数の右側リターン・エレメント40を含み、リターン部左側38は、複数の左側リターン・エレメント42を含む。右側および左側リターン・エレメント40および42の両方とも接触型リターン・エレメント50である。本明細書に示される実施形態において、ベース部12は、頭100の側頭部106上に置かれるように構成され、リターン部右側36は、ベース部12の上方で頭頂部104により近く置かれるように構成される。コイル1210は、2つの円形からなり、両方の円形の中央群−右および左側刺激用エレメント20および22−がベース部を形成する。ベース部右側16および左側18は、それらの間におよそ3cmの距離D5を有する
【0086】
コイル1210は、紡錘状回内の顔認識領域(FFA)および上側頭溝(STS:superior temporal sulcus)を含む右または左半球いずれかの頭頂葉および側頭葉脳領域を刺激するために用いられ、例えば、小児および成人における自閉症の治療に有用でありうる。
【0087】
次に、本発明の追加の実施形態による、コイル1310の斜視図である
図17Aを参照する。
【0088】
コイル1310は、右または左島における神経構造を活性化するためにヒトの右または左こめかみ(すなわち、頭100の側頭部106)に隣接して配置されるように設計される。
図17に示されるコイル1310は、右コイルである。左コイルは、
図17に示される右コイルの鏡像である。コイル1310は、第1の中心軸14Aおよび第2の中心軸14Bを含み、第1および第2の中心軸14Aおよび14Bは、実質的に互いに垂直である。本明細書に示される実施形態において、第1の中心軸14は、後−前方向に沿って置かれるように構成され、第2の中心軸14は、下−上軸に沿って置かれるように構成される。第1のベース部12Aは、第1の中心軸14Aに実質的に平行に置かれる。第1のベース部12Aは、第1のベース部右側16Aおよび第1のベース部左側18Aを含み、第1のベース部右側16Aは、複数の第1のベース部右側刺激用エレメント20Aを含み、第1のベース部左側18Aは、複数の第1のベース部左側刺激用エレメント22Aを含む。第2のベース部12Bは、第2の中心軸14Bに実質的に平行に置かれる。第2のベース部12Bは、第2のベース部右側16Bおよび第2のベース部左側18Bを含み、第2のベース部右側16Bは、複数の第2のベース部右側刺激用エレメント20Bを含み、第2のベース部左側18Bは、複数の第2のベース部左側刺激用エレメント22Bを含む。
【0089】
コイル1310は、第1のベース部12Aに対応する第1のリターン部32A、および第2のベース部12Bに対応する第2のリターン部32Bをさらに含む。第1のリターン部32Aは、第1のリターン部右側リターン・エレメント40Aを有する第1のリターン部右側36A、および第1のリターン部左側リターン・エレメント42Aを有する第1のリターン部左側38Aを含む。接続用エレメント44Aは、刺激用エレメントを対応するリターン・エレメントに接続する。従って、第1のベース部右側刺激用エレメント20A、接続用エレメント44Aおよび第1のリターン部右側リターン・エレメント40Aは、実質的に矩形を形成し、第1のベース部左側刺激用エレメント22A、接続用エレメント44Aおよび第1のリターン部左側リターン・エレメント42Aは、実質的に矩形を形成し、各矩形は、第1の中心軸14Aの一方の側にある。本明細書に示される実施形態において、右側ベース部16Aおよび右側リターン部32Aからなる矩形は、第1の軸14Aの下方にあり、左側ベース部18Aおよび左側リターン部38Aからなる矩形は、第1の中心軸14Aの上方にある。
【0090】
第2のリターン部32Bは、第2のリターン部右側リターン・エレメント40Bを有する第2のリターン部右側36B、および第2のリターン部左側リターン・エレメント42Bを有する第2のリターン部左側38Bを含む。接続用エレメント44Bは、刺激用エレメントを対応するリターン・エレメントに接続する。従って、第2のベース部右側刺激用エレメント20B、接続用エレメント44Bおよび第2のリターン部右側リターン・エレメント40Bは、実質的に矩形を形成し、第2のベース部左側刺激用エレメント22B、接続用エレメント44Bおよび第2のリターン部左側リターン・エレメント42Bは、実質的に矩形を形成し、各矩形は、第2の中心軸14Bの一方の側にある。本明細書に示される実施形態において、右側ベース部16Bおよび右側リターン部32Bからなる矩形は、第2の中心軸14Bの一方の側にあり、第2の中心軸14Bの他方の側にある、左側ベース部18Bおよび左側リターン部38Bからなる矩形からある垂直距離にある。
【0091】
本明細書に示される実施形態において、第2のベース部右側刺激用エレメント20Bは、第1のベース部左側刺激用エレメント22Aを第1のベース部左側リターン・エレメント42Aに接続する接続用エレメント44Aでもある。加えて、第1のベース部左側刺激用エレメント22Aおよび第1のベース部左側リターン・エレメント32Aは、第2のベース部右側刺激用エレメント20Bを第2のリターン部右側リターン・エレメント40Bに接続する接続用エレメント44Bでもある。
【0092】
刺激用エレメント20A、20B、22Aおよび22Bは、およそ0.3cmの距離D1により互いに離隔している。第1のベース部右側16Aおよび第1のベース部左側18Aは、およそ4.5cmの距離D10により互いに分離している。第2のベース部右側16Bおよび第2のベース部左側は、およそ4cmの距離D12により互いに分離している。
【0093】
第1のベース部右側16Aと第1のリターン部右側36Aとの間の距離D5は、およそ5〜6cmである。第1のベース部左側18Aと第1のリターン部左側38Aとの間の距離D6(distance D6 first base portion left side 18A and second return portion left side 38A)は、およそ5〜6cmである。第2のベース部左側18Bと第2のリターン部左側38Bとの間の距離D7は、およそ7cmである。第2のベース部右側16Bと第2のリターン部右側36Bとの間の距離D8は、およそ10cmである。
【0094】
次に、本発明の実施形態による、それぞれ側面および背面から見た、頭100上のコイル1310のポジショニングを示す図である
図17Bおよび17Cを参照する。第2のリターン部左側38Aは、頭の内側前頭皮質の上方に突出するように構成される。第1のリターン部右側リターン・エレメント40Aは、顎および頬の筋肉の過剰活性化に起因する望ましくない副作用を最小限に抑えるべく頭から遠ざかるようにそれらが曲がっているため、突出型リターン・エレメント52である。第2の左側リターン・エレメント42Bは、頭から離れて前脳の前面に位置するため、突出型リターン・エレメント52である。第2の左側リターン・エレメント40Bは、接触型リターン・エレメント50であり、頭頂および側頭皮質領域において頭と接触するように構成される。
【0095】
コイル1310は、右または左島皮質および嗅内皮質における領域を片側性に刺激するために用いることができ、例えば、肥満症、拒食症、過食症、他の摂食障害、喫煙中毒、薬物中毒、アルコール中毒を含む様々なタイプの中毒の治療に有用であり、幻聴に苦しむ分裂病の被験者の治療にも有用でありうる。
【実施例】
【0096】
上記の中央ベース・コイルの設計が有効であるためには、設計がエネルギー消費、コイル加熱速度、小型および操作の容易さに関して効率的でなければならず、関連する母集団の大部分の運動閾値および刺激強度が利用可能な刺激装置電力出力に対して許容範囲内にあることを保証しなければならない。これらのパラメータおよび各コイルの有効性を特定の徴候に対して試験するために、次の実験を行った。
【0097】
次に、
図5のコイル110の電界分布マップの図である
図18を参照する。コイル110によって生成した電界分布をヒト頭部ファントムモデルで測定した。1mmの分解能をもつ変位システムを用い、プローブをファントムモデルの内部で3方向に移動させて、全頭部モデル体積におけるコイル110の電界分布を1cmの解像度で測定した。軸状(Axial)および冠状(coronal)電界マップを生成した。各解剖学的脳領域における誘導電界を示すために、電界マップを解剖学的T1強調MRI冠状スライスに重ね合わせた。電界マップを下肢閾値の100%にセットした刺激装置出力に対して示す。暗画素は、神経活性化のための閾値を超えた電界の大きさを示す。閾値は、運動活性化に必要な閾値の許容範囲内である100V/mにセットした。電界の分布を表すマップをコイルごとに描くために用いる刺激装置電力出力の強度は、下肢運動皮質部位のおよその深さに従い、3cmの深さにおいて、神経運動閾値の100%を得るために必要なレベルにセットした。コイルのベース部を前頭前皮質を覆って配置したときに、閾上電界(supra−threshold field)が前帯状を含む内側前頭前領域の両側に誘導されることがわかる。
【0098】
次に、
図6のコイル210の電界分布マップの図である
図19を参照する。コイル210によって生成した電界分布を
図18に関連して上述した方法を用いて測定した。電界マップを手の運動閾値の110%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を前頭前皮質を覆って配置したときに、閾上電界が傍帯状皮質を含む内側前頭前および眼窩前頭領域の両側に誘導されることがわかる。
【0099】
次に、
図7のコイル310の電界分布マップの図である
図20を参照する。コイル310によって生成した電界分布を
図18に関連して上述した方法を用いて測定した。電界マップを手の運動閾値の120%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を前頭前皮質を覆って配置したときに、閾上電界が右または左半球のいずれかの外側および内側前頭前領域に誘導されることがわかる。
【0100】
次に、
図8のコイル410の電界分布マップの図である
図21を参照する。コイル410によって生成した電界分布を
図18に関連して上述した方法を用いて測定した。電界マップを下肢運動閾値の100%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を運動皮質を覆って配置したときに、閾上電界が外側および内側運動皮質領域の両側に誘導されることがわかる。
【0101】
次に、
図9のコイル510の電界分布マップの図である
図22を参照する。コイル510によって生成した電界分布を
図18に関連して上述した方法を用いて測定した。電界マップを下肢運動閾値の100%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を運動皮質を覆って配置したときに、閾上電界が外側および内側運動皮質領域の両側に誘導されることがわかる。
【0102】
次に、
図10のコイル610の電界分布マップの図である
図23を参照する。コイル610によって生成した電界分布を
図18に関連して上述した方法を用いて測定した。電界マップを下肢運動閾値の100%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を運動皮質を覆って配置したときに、閾上電界が外側および内側運動皮質領域の両側に誘導されることがわかる。
【0103】
次に、
図11のコイル710の電界分布マップの図である
図24を参照する。コイル710によって生成した電界分布を
図18に関連して上述した方法を用いて測定した。電界マップを手の運動閾値の120%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を前頭前皮質を覆って配置したときに、閾上電界が右または左半球のいずれかの外側および内側前頭前領域に誘導されることがわかる。
【0104】
次に、
図12のコイル810の電界分布マップの図である
図25を参照する。コイル810によって生成した電界分布を
図18に関連して上述した方法を用いて測定した。電界マップを下肢運動閾値の100%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を前頭前皮質を覆って配置したときに、閾上電界が前帯状皮質を含む内側前頭前領域の両側に誘導されることがわかる。コイル810は、コカイン中毒、トゥレット症候群、慢性痛およびOCDに苦しむ被験者を治療する際にこのデバイスの安全性および有効性を試験する臨床研究に用いられている。OCDに苦しむ9人の被験者のOCD研究からの中間結果は、40%の被験者が(YBOCSアンケートにおける少なくとも35%の改善として定義される)反応を示したが、一方でプラセボ対照群では何も改善が見られなかったことを示した。
【0105】
次に、
図13Aおよび13Bのコイル910の電界分布マップの図である
図26を参照する。コイル910によって生成した電界分布を
図18に関連して上述した方法を用いて測定した。電界マップを下肢運動閾値の110%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を頭頂葉皮質を覆って配置したときに、閾上電界が後帯状皮質を含む内側頭頂葉領域の両側に誘導されることがわかる。
【0106】
次に、
図14のコイル1010の電界分布マップの図である
図27を参照する。コイル1010によって生成した電界分布を
図18に関連して上述した方法を用いて測定した。電界マップを下肢運動閾値の100%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を運動皮質を覆って配置したときに、閾上電界が内側および外側運動皮質領域の両側に誘導されることがわかる。
【0107】
次に、
図15のコイル1110の電界分布マップの図である
図28を参照する。コイル1110によって生成した電界分布を
図18に関連して上述した方法を用いて測定した。電界マップを手の運動閾値の120%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を前頭前皮質を覆って配置したときに、閾上電界が右または左半球のいずれかの外側および内側前頭前領域に誘導されることがわかる。
【0108】
次に、
図16のコイル1210の電界分布マップの図である
図29を参照する。コイル1210によって生成した電界分布を
図18に関する同じ方法を用いて測定した。電界マップを運動閾値の120%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルを右頭頂葉皮質を覆って配置したときに、閾上電界が深い方の領域を含む主に右頭頂および側頭領域に誘導されることがわかる。
【0109】
次に、
図17Aのコイル1310の電界分布マップの図である
図30を参照する。コイル1310によって生成した電界分布を
図18に関連して上述した方法を用いて測定した。電界マップを手の運動閾値の120%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を側頭皮質を覆って配置したときに、閾上電界が島および嗅内皮質領域を含む関連する半球の外側前頭前および側頭領域に誘導されることがわかる。
【0110】
当然のことながら、明確さのために、別々の実施形態の文脈で記載された本発明のいくらかの特徴は、また、単一の実施形態における組み合わせで提供されてもよい。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈で記載された本発明の様々な特徴は、別々に、また、任意の適切な部分的組合せで提供されてもよい。
【0111】
本発明のいくらかの特徴が本明細書に図示され、記載されたが、多くの修正、置換、変更、および均等物を当業者は想起するであろう。それゆえに、添付される特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨に含まれるすべてのかかる修正および変更に及ぶことが理解されるべきである。