特許第6762389号(P6762389)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6762389
(24)【登録日】2020年9月10日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】流体移送装置、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F04B 9/14 20060101AFI20200917BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20200917BHJP
   G01N 1/14 20060101ALI20200917BHJP
   B01J 4/02 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   F04B9/14 Z
   G01N1/00 101K
   G01N1/14 A
   B01J4/02 B
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-26276(P2019-26276)
(22)【出願日】2019年2月18日
(62)【分割の表示】特願2017-553306(P2017-553306)の分割
【原出願日】2015年10月14日
(65)【公開番号】特開2019-132277(P2019-132277A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2019年2月19日
(31)【優先権主張番号】62/110,264
(32)【優先日】2015年1月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョーセフ・マルドゥーン
(72)【発明者】
【氏名】ルネ・ランビグレ
【審査官】 田中 尋
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−510996(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/137578(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0028586(US,A1)
【文献】 国際公開第98/046136(WO,A1)
【文献】 国際公開第95/021639(WO,A1)
【文献】 特表平08−502339(JP,A)
【文献】 特表2002−514941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 9/14
B01J 4/02
G01N 1/00; 1/14
F16L 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体源をサンプリングする方法であって、
流体移送アセンブリを流体源に結合するステップであって、流体移送アセンブリが、
流体源に連結された第1の流体移送装置と、
第1の流体移送装置に結合された第2の流体移送装置とを備え、
第1の流体移送装置がインターフェース構造を備え、第2の流体移送装置が、第1の流体移送装置のインターフェース構造に相補的なインターフェース構造を備え、
流体移送アセンブリを流体源に結合するステップの中で、第2の流体移送装置が、摺動自在に移動して、第1の流体移送装置および第2の流体移送装置のインターフェース構造を介して、第1の流体移送装置に対して位置決めする、ステップと、
第1の流体移送装置を介して、流体源から第2の流体移送装置の中にサンプルを引き込むステップと
を含み、
第2の流体移送装置を第3の流体移送装置と交換するステップを更に含み、
第3の流体移送装置が、第1の流体移送装置のインターフェース構造に相補的なインターフェース構造を備え、交換するステップが、第1の流体移送装置から第2の流体移送装置を摺動自在に移動させるステップと、第3の流体移送装置を第1の流体移送装置に対して摺動自在に位置決めするステップとを含み、
移動させるステップおよび位置決めするステップが、第1の流体移送装置、第2の流体移送装置、および第3の流体移送装置のインターフェース構造を介して、第3の流体移送装置を第2の流体移送装置に対して摺動自在に押すステップを含む、
方法。
【請求項2】
第1の流体移送装置のインターフェース構造が、1つまたは複数の舌部を備え、第2の流体移送装置のインターフェース構造が、1つまたは複数の舌部に相補的な1つまたは複数の溝を備え、流体移送アセンブリを流体源に結合するステップの中で、第2の流体移送装置が、摺動自在に移動されて、1つまたは複数の舌部および1つまたは複数の溝を介して、第1の流体移送装置に対して位置決めする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の流体移送装置が、第1の流体移送装置の少なくとも部分を囲み、開口を含むハウジングと、第1の流体移送装置のインターフェース構造に取り外し可能に取り付けられ、第1の流体移送装置のハウジングの中の開口を覆う保護膜とを備え、
第2の流体移送装置が、第2の流体移送装置の部分を囲み、開口を含むハウジングと、第2の流体移送装置のインターフェース構造に取り外し可能に取り付けられ、第2の流体移送装置のハウジングの中の開口を覆う保護膜とを備え、
流体移送アセンブリを流体源に結合するステップの中で、第2の流体移送装置が第1の流体移送装置に対して摺動自在に位置決めされる後に、第1の流体移送装置および第2の流体移送装置の保護膜が取り外され、それによって、第1の流体移送装置のハウジングおよび第2の流体移送装置ハウジングを結合する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第2の流体移送装置を第3の流体移送装置と交換するステップを更に含み、
第3の流体移送装置が、第3の流体移送装置の部分を囲み、開口を含むハウジングと、第1の流体移送装置のインターフェース構造に相補的なインターフェース構造と、第3の流体移送装置のインターフェース構造に取り外し可能に取り付けられ、第3の流体移送装置のハウジングの中の開口を覆う保護膜とを備え、
交換するステップが、第1の流体移送装置から第2の流体移送装置を摺動自在に移動させるステップと、第3の流体移送装置を第1の流体移送装置に対して摺動自在に位置決めするステップとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
移動させるステップおよび位置決めするステップが、第1の流体移送装置、第2の流体移送装置、および第3の流体移送装置のインターフェース構造を介して、第3の流体移送装置を第2の流体移送装置に対して摺動自在に押すステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第2の流体移送装置が第1の流体移送装置から移動される間、および、または第3の流体移送装置が第1の流体移送装置に対して位置決めされている間に、第3の流体移送装置の保護膜を取り外すステップを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
第3の流体移送装置を第1の流体移送装置に対して位置決めするステップと同時に、保護膜が取り外される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
第1の流体移送装置を介して、流体源から第3の流体移送装置の中に追加のサンプルを引き込むステップを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
第2の流体移送装置および第3の流体移送装置が、シリンジ装置を備える、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
シリンジ装置が、
チャンバを画定する内面と、通路を含む遠位端部とを備えるシリンジバレルと、
チャンバ内部で摺動自在に移動可能な第1のプランジャであって、第1のプランジャが、近位端部分と、細長い本体部分と、遠位端部分とを備え、第1のプランジャの遠位端部分が、シリンジバレルの内面に対して周方向シールを提供する、第1のプランジャと、
チャンバ内部で摺動自在に移動可能な第2のプランジャであって、第2のプランジャが、近位端部分と、細長い本体部分と、遠位端部分とを備え、第2のプランジャの遠位端部分が、シリンジバレルの内面に対して周方向シールを提供する、第2のプランジャと
を備え、
第1のプランジャの遠位端部分および第2のプランジャの近位端部分が係合される場合、第1のプランジャの遠位端部分が、第2のプランジャの近位端部分と係合可能である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1のプランジャの細長い本体部分が内部チャネルを備え、第1のプランジャの遠位端部分が内部チャネルへの通過部を備え、
第2のプランジャの細長い本体部分が、通過部を通って摺動自在に移動可能であり、第2のプランジャの近位端部分が、第1のプランジャの遠位端部分に係合可能である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1のプランジャの遠位端部分の中の通過部が、第2のプランジャの細長い本体部分に対して周方向シールを提供する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1のプランジャが第2のプランジャに対して近位に移動される場合、第1のプランジャの遠位端部分と第2のプランジャの遠位端部分との間に密閉された第1の容積が画定され、第2のプランジャが第1のプランジャによって近位に移動される場合、第2のプランジャの遠位端部分とシリンジバレルの遠位端部分との間に第2の容積が画定される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
サンプルを第2の流体移送装置の中に引き込む前に、および、または追加のサンプルを第3の流体移送装置の中に引き込む前に、第1の流体移送装置および、または配管の中の流体を引き込み、密閉された第1の容積の中に流体を隔離することによって、第1の流体移送装置および、または第1の流体移送装置を流体源に結合する配管をきれいにするステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、流体移送装置、システムおよび方法に関する。特に、流体サンプリング装置および方法の様々な実施形態が記載される。
【背景技術】
【0002】
医薬品、バイオテクノロジー、食品、飲料、およびその他の産業では、工程開発を監視し、工程ステップを最適化するために多くのサンプルを採取することが所望されることが多い。従来の流体サンプリングは、一般に、小径の配管を介して、反応器または他の処理容器に結合された無針サンプリングバルブを用いて行われる。オペレータは、最初にサンプリングバルブの結合部を洗浄剤、典型的にはエタノールまたはメタノール溶液を用いて拭き取る。次に、標準的なシリンジが結合され、完全なサンプルが引き抜かれ、切り離されて、処分される。これは、不正確な読み取りをもたらすことになる、任意のデッドレッグの配管およびバルブをきれいにするために行われる。次に、サンプリングバルブが再び洗浄され、代表サンプルを採取するために新しいシリンジが結合される。
【0003】
従来の洗浄工程は、オペレータに依存し、容易に見落とされ、または不適切に行われる可能性がある。更に、サンプルを得るために、オペレータは異なるサンプリング装置を用いてシステムに2回結合する必要があり、汚染の可能性を倍増させる。したがって、従来の流体サンプリングにおける様々な欠点を克服することができる改良された流体移送装置、システム、および方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流体移送装置、アセンブリ、および方法の特定の実施形態が以下に説明される。これらの実施形態は、本発明が取り得る特定の形態の簡潔な概要を読者に提供するためだけに提示されており、これらの実施形態は本発明の範囲を限定するように意図されるものではないことを理解されたい。実際、本発明は、以下に説明されない可能性がある様々な実施形態または態様を包含することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、流体移送装置が、チャンバと、チャンバの内部で摺動自在に移動可能な第1のプランジャと、チャンバの内部で摺動自在に移動可能な第2のプランジャとを備えるシリンジバレルを含む。第1のプランジャの遠位端部分および第2のプランジャの近位端部分が係合される場合、第2のプランジャが第1のプランジャによって移動可能であるように、第1のプランジャの遠位端部分は、第2のプランジャの近位端部分に係合可能である。第1のプランジャの遠位端部分および第2のプランジャの近位端部分が係合されていない場合、第1のプランジャは第2のプランジャに対して移動可能である。チェックバルブを第2のプランジャの遠位端部分の中に組み込んで、第2のプランジャの近位端部分に向かう方向に流体が通過することを可能にし、第2のプランジャの近位端部分からの方向に流体が通過することを防止する。
【0006】
別の態様では、流体移送アセンブリが、流体源に連結することができる第1の流体移送装置と、第1の流体移送装置に連結することができる第2の流体移送装置とを備える。第1の流体移送装置が、インターフェース構造を備え、第2の流体移送装置が、第1の流体移送装置のインターフェース構造に相補的なインターフェース構造を備えて、第2の流体移送装置が、第1の流体移送装置に対して位置決めするステップの中で摺動自在に移動することができる。第1の流体移送装置のインターフェース構造が、1つまたは複数の舌部を備え、第2の流体移送装置のインターフェース構造が、1つまたは複数の舌部に相補的な1つまたは複数の溝を備え、それによって、第2の流体移送装置が、第1の流体移送装置に対して位置決めするステップの中で摺動自在に移動することができる。別法として、第1の流体移送装置のインターフェース構造が、1つまたは複数の溝を備え、第2の流体移送装置のインターフェース構造が、1つまたは複数の溝に相補的な1つまたは複数の舌部を含むことができる。
【0007】
追加の態様では、流体源をサンプリングする方法が、流体源に結合された第1の流体移送装置と、第1の流体移送装置に結合された第2の流体移送装置とを備える流体移送アセンブリに流体源を結合するステップと、第1の流体移送装置を介して、流体源からのサンプルを第2の流体移送装置の中に引き込むステップとを含む。第1の流体移送装置が、インターフェース構造を備え、第2の流体移送装置が、第1の流体移送装置のインターフェース構造に相補的なインターフェース構造を備える。流体移送アセンブリを流体源に結合するステップの中で、第2の流体移送装置が、第1の流体移送装置および第2の流体移送装置のインターフェース構造を介して、第1の流体移送装置に対して位置決めするために摺動自在に移動する。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、第2の流体移送装置を第3の流体移送装置と交換するステップを更に含む。第2の流体移送装置を交換するステップが、第2の流体移送装置を第1の流体移送装置から摺動自在に移動させ、第3の流体移送装置を第1の流体移送装置に対して摺動自在に位置決めするステップを含む。
【0008】
これらおよび様々な他の特徴および利点は、添付の図面および添付の特許請求の範囲と併せて、以下の詳細な説明を読むことにより、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示のいくつかの実施形態による流体移送装置の斜視図である。
図1A図1の流体移送装置の分解図であり、シリンジバレル、第1のプランジャ、および第2のプランジャをそれぞれ示す図である。
図1B】本開示のいくつかの実施形態による流体移送装置の断面図である。
図1C図1Bの流体移送装置の部分拡大断面図である。
図1D】本開示のいくつかの実施形態による流体移送装置の中に組み込まれたダックビル型チェックバルブの拡大底面図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による流体移送装置の断面図であり、第1のプランジャがある位置まで引っ込められていることを示す図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による流体移送装置の断面図であり、第1のプランジャと第2のプランジャとの係合および第1のプランジャと第2のプランジャとの間に形成された隔離された容積を示す図である。
図3A図3に示す流体移送装置の部分拡大断面図である。
図4】本開示のいくつかの実施形態による流体移送装置の断面図であり、第2のプランジャに係合された第1のプランジャを引っ込めることによって、代表的なサンプルをシリンジバレルの中に引き込むことを示す図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による流体移送装置の断面図であり、第2のプランジャと係合された第1のプランジャを押すことによって代表的なサンプルを分注することを示す図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態による装置の遠位端部分を囲むハウジングを備える流体移送装置を概略的に示す図である。
図7】第1の移送装置、第2の流体移送装置、ならびに第1の流体移送装置および第2の流体移送装置上のそれぞれのインターフェース構造を備える、本開示のいくつかの実施形態による流体移送アセンブリを概略的に示す図である。
図8】第2の流体移送装置を第1の流体移送装置に対して定位置に位置決めするステップ、および第1の流体移送装置および第2の流体移送装置のそれぞれのインターフェース構造上の保護膜を取り外すステップを概略的に示す図である。
図9】第2の流体移送装置を第1の流体移送装置に対して位置決めするステップを概略的に示し、保護膜が取り外されていることを示す図である。
図10】本開示のいくつかの実施形態による、第2の流体移送装置を次の第3の流体移送装置と交換するステップを概略的に示す図である。
図11】本開示のいくつかの実施形態による、第2の流体移送装置を第3の流体移送装置と交換するステップ中の経過を概略的に示す図である。
図12】本開示のいくつかの実施形態による、第2の流体移送装置を第3の流体移送装置と交換するステップの完了を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
流体移送装置、システム、および方法の様々な実施形態が説明される。本開示は、当然のことながら変更可能であるものとして説明される特定の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。特定の実施形態に関連して説明される態様は、必ずしもその実施形態に限定されず、任意の他の実施形態の中で実施され得る。
【0011】
本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、特に別途定義されない限り、当業者の一人によって一般的に理解される意味を有する。明細書および添付の特許請求の範囲の中で使用される場合、「a」、「an」および「the」の単数形は、文脈上そうではないと明確に指示されない限り、複数の参照を含む。用語「または(or)」は、文脈がそうではないと明確に指示しない限り、非排他的な「または」を意味する。以下の説明では、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にすることを回避するために、既知の構成要素またはステップは、詳細に説明されない可能性がある。
【0012】
本明細書で使用される場合、「近位端部分」という語句は、使用時にユーザにより近い、装置、部材、または構成要素の先端を含む部分を指す。「遠位端部分」という語句は、使用時にユーザにより遠い、装置、部材、または構成要素の先端を含む部分を指す。
【0013】
次いで流体移送装置、システム、および方法の例示的な実施形態が、図面を参照して説明されることになる。いくつかの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないことに留意すべきである。図面は、特定の実施形態の説明を促進することのみを意図されており、網羅的な説明または本開示の範囲に対する限定として意図されているのではない。
【0014】
次いで図1から図6を参照して、本開示の一態様による流体移送装置100の様々な実施形態が説明される。
【0015】
図1および図1Aに示すように、流体移送装置100は、シリンジバレル110、第1のプランジャ200、および第2のプランジャ300を含む。第1のプランジャ200は、シリンジバレル110内部で摺動自在に移動可能であり、近位端部分202、細長い本体部分204、および遠位端部分206を含む。第2のプランジャ300もやはり、シリンジバレル110の内部で摺動自在に移動可能であり、近位端部分302、細長い本体部分304、および遠位端部分306を含む。第1のプランジャ200の遠位端部分206および第2のプランジャ300の近位端部分302が係合される場合、第2のプランジャ300が、第1のプランジャ200によって移動可能であり、第1のプランジャ200の遠位端部分206および第2のプランジャ300の近位端部分302が脱係合される場合、第1のプランジャ200が、第2のプランジャ300に対して移動可能であるように、第1のプランジャ200の遠位端部分206は、第2のプランジャ300の近位端部分302と係合可能である。
【0016】
図1Aを参照すると、シリンジバレル110は、近位端部分112、遠位端部分114、および細長い本体部分116を含むことができる。近位端部分112は、開放式であってもよく、例えば、第1のプランジャ200がシリンジバレル110に対して移動される場合、装置を保持するための指グリップ、フランジなどを含むことができる。細長い本体部分116は、流体を保持するためのチャンバ120を画定する内面118を含む。細長い本体部分116は、一般に、円筒形または任意の他の適切な形状であることができる。遠位端部分114は、チャンバ120と流体連通する通路124を含む先端部122を備えることができる。先端部122は、サンプリング装置の中に挿入され得るように構成可能である。例えば、先端部122は、ルアーサンプリングバルブと係合するように構成されてもよく、そのときルアーサンプリングバルブは、適切な配管を介して流体源に結合可能である。別法として、先端部122は、流体源に直接挿入され得るように構成されてもよい。流体源は、製薬、生物医薬品、食品または飲料加工などの加工が行われる反応器または容器を含むことができ、あるいは反応器または容器に結合された任意の導管を含むことができる。シリンジバレル110は、プラスチック、ガラス、金属などの任意の適切な材料から構成され得る。
【0017】
図1Aおよび図1Bを参照すると、第1のプランジャ200は、シリンジバレル110内部で摺動自在に移動可能であり、近位端部分202、細長い本体部分204、および遠位端部分206を含む。細長い本体部分204は、第1のプランジャ100がシリンジバレル110に対して摺動自在に動くことを可能にするために、シリンジバレル110の内径よりも小さい外寸を含む断面を含むことができる。第1のプランジ200の細長い本体部分204は、中空であってもよく、あるいは細長い本体部分204の一部または全部を通って近位端部分202から遠位端部分206まで延在する内部チャネル208を含むことができ、202の近位端部分まで更に延在することができる(図1B)。細長い本体204の外面は、シリンジバレル110内部の第1のプランジャ200の移動を容易にするために、一般に、円筒状であるか、または任意の他の適切な形状であってもよい。
【0018】
第1のプランジャ200の近位端部分202は、シリンジバレル110に対して第1のプランジャ200を保持し、かつ移動させるための指グリップ、フランジなどを含むことができる。第1のプランジャ200の遠位端部分206は、遠位端206の周囲の周りにシリンジバレル110の内面118に対する液密シールを提供する。第1のプランジャ200の遠位端部分206または遠位端部分206の一部が、適切なシーリング材料、例えば、エラストマーポリマーによって構成されることが可能であって、遠位端部分206とシリンジバレル110の内面118との間の周方向シールを提供する。別法として、周方向シールは、第1のプランジャ200の遠位端部分に結合された1つまたは複数の別個のシール部材によって提供されてもよい。図1Bおよび図1Cに示される例示的なシール部材210は、第1のプランジャ200の細長い本体部分204の遠位端部分212を受けるように構成された内部またはレセプタクルを画定する環状側面および基部を含む、略カップ形状であることができる。シール部材210の環状側面の外面は、シリンジバレル110の内面118に対して安定した液密シールを提供するために、それらの間に環状リムおよび凹部を含むことができる。環状側面の内面およびシール部材210の基部は、内面によって画定されるレセプタクルが、第1のプランジャ200の細長い本体部分204の遠位端部分212の形状と一致するように構成され得る。実施例として、遠位端部212は、遠位端部分212と細長い本体部分204との間に減少した断面寸法および溝を含むことができる。シール部材210は、溝の中に受けられるように内側に延在するフランジを含む環状縁部を含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、第1のプランジャ200の遠位端部分206は、シール部材210と細長い本体部分204の遠位端部212との組み合わせを含むことができる。シール部材210および遠位端部分212は、第2のプランジャ300の細長い本体部分304が第1のプランジャ200の細長い本体部分204の内部チャネル208の中にそれを通って延在することができるように構成された通過部または開口214(図1A)を含むことができ、以下により詳細に説明される。
【0019】
やはり図1Aおよび図1Bを参照すると、第2のプランジャ300は、シリンジバレル110の内部で摺動自在に移動可能であり、近位端部分302、細長い本体部分304および遠位端部分306を含む。第2のプランジャ300の遠位端部分306は、遠位端部の周囲に沿って、シリンジバレル110の内面118に対して液密シールを提供する。周方向シールは、第2のプランジャ300の遠位端部分に結合された1つまたは複数の別個のシール部材によって提供されてもよい。図1Bおよび図1Cに示される例示的なシール部材326は、第1のプランジャ200の遠位端部分212に結合されるシール部材210と同様の形状を含むことができる。例えば、第2のプランジャ300の細長い本体部分304の遠位端部分328に結合されたシール部材326は、第2のプランジャ300の遠位端部分328を受けるように構成された内部またはレセプタクルを画定する、基部および環状側面を含む、略カップ形状であることができる。シール部材326の環状側面の外面は、シリンジバレル110の内面118に対して安定した液密シールを提供するために、それらの間に環状リムおよび凹部を含むことができる。環状側面の内面およびシール部材326の基部は、内面によって画定されるレセプタクルが、細長い本体部分304の遠位端部分328の形状と一致するように構成され得る。実施例として、遠位端部分328は、遠位端部分328と細長い本体部分304との間に拡大された断面寸法および後方テーパ面を含むことができる。シール部材326は、後方テーパ面と係合するように構成された、内側に延在するフランジを含む環状縁部を含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、第2のプランジャ300の遠位端部分306が、シール部材326と細長い本体部分304の遠位端部328との組み合わせを含むことができる。
【0020】
図1B図1Cおよび図1Dを参照すると、いくつかの実施形態では、第2のプランジャ300の遠位端部分306が、チェックバルブ330を含むことができる。チェックバルブ330は、第2のプランジャの遠位端部分から近位端部分に向かう方向に流体が通過することを可能にし、第2のプランジャの近位端部分から遠位端部分に向かう方向に流体が通過することを防止する。適切なチェックバルブの例としては、ダックビル型チェックバルブが含まれるが、これに限定されない。ダックビル型チェックバルブは、ダックビル形状のエラストマーリップを含むことができる。ダックビル型チェックバルブは、例えば、正の差圧で前方への流れを可能にし、負の差圧で逆流を防止するように構成され得る。材料の弾力性は、十分な背圧がない場合、くちばし部分を閉じた位置に保持する。ダックビル型チェックバルブは、既知であり、市販されている。図1Cにより詳細に示すように、ダックビル型チェックバルブ330は、シール部材326の中に固定されることが可能であり、ダックビル部分332(図3)は第2のプランジャ300の細長い本体部分304の内側に配置された状態である。ダックビル型チェックバルブ330は、一体型装置として構成され、圧入係合または他の適切な係合によってシール部材326の中に固定され得る。ダックビル型チェックバルブ330は、シリンジバレル110の先端部122の中の通路124と位置合わせされることが可能である。別法として、他のタイプのチェックバルブが第2のプランジャの中で使用されることができるが、本開示はそれに限定されない。
【0021】
図2を参照すると、第2のプランジャ300の細長い本体部分304は、第1のプランジャ200の遠位端部分206の開口214を通って、第1のプランジャ200の細長い本体部分204の内部チャネル208の中に延在する。第2のプランジャ300の細長い本体部分304は、第1のプランジャ200の細長い本体部分204の内部チャネル208の断面の寸法よりも小さい外寸を含む断面を含むことができて、第1のプランジャ200が第2のプランジャ300に対して移動することを可能にする。例えば、第2のプランジャ300の細長い本体部分304は、第1のプランジャ200が第2のプランジャ300に対して移動する場合、開口214を介して内部チャネル208に中へ、および外へと摺動自在に移動可能である。いくつかの実施形態では、第2のプランジャ300の細長い本体部分304が、第1のプランジャ200の遠位端部分206の中で摺動自在に移動可能であり、細長い本体部分204の中に延在する必要がなく、第1のプランジャ200が、第2のプランジャ300に対して摺動自在に移動することができる。
【0022】
2つのプランジャの配置は、以下でより詳細に説明される潜在的なデッドレッグ流体を保持するために、第1のプランジャ200の遠位端部分と第2のプランジャ300の遠位端部分との間に密閉容積130を形成することを可能にする。いくつかの実施形態では、第2のプランジャ300の細長い本体部分304は、シリンジバレル110の断面と比較して概ねより小さい断面を含むことができて、より大きい密閉容積130の形成を可能にする。
【0023】
第1のプランジャ200の遠位端部分206の中の開口214の周囲に沿って、第2のプランジャ300の細長い本体部分304に対する液密シールが提供され得る。実施例として、第1のプランジャ200の遠位端部分212に結合されたシール部材210は、弾性および、または可撓性材料から構成されることができ、開口214は、第1のプランジャ200が第2のプランジャ300に対して摺動自在に移動される場合、細長い本体部分304に対してシーリングを提供するために、第2のプランジャ300の細長い本体部分304の断面の外寸よりもわずかにより小さい寸法に成形され得る。第1のプランジャ200の遠位端部分に結合されたシール部材210は、第2のプランジャ300の細長い本体部分304に対して低摩擦シーリング面を提供することができる材料で作製され得る。シール部材210を構成するために適する材料には、ゴム、シリコーン、熱可塑性エラストマー、および当技術分野で既知の様々な他の材料が含まれるが、これらに限定されるのではない。
【0024】
図3および図3Aを参照すると、第2のプランジャ300の近位端部分302は、第1のプランジャ200の遠位端部分206と係合するように構成され得る。実施例として、第2のプランジャ300の近位端部分302は、第1のプランジャ200の遠位端部分206の開口214の寸法よりも大きい直径を含む外側に延在されたフランジを含むことができる。近位端部分302は、第2のプランジャ300の細長い本体部分304の一体型部分であってもよい。第1のプランジャ200が所定の距離に引っ込められると、近位端部分302が第1のプランジャ200の遠位端部分206と係合されることができる。この係合により、第1のプランジャ200が更に引っ込められる場合、第2のプランジャ300が第1のプランジャ200と共に移動することが可能になる。
【0025】
更に図3および図3Aを参照すると、第2のプランジャ300の細長い本体部分304は、シリンジバレル110の先端部122の中のチェックバルブ330および通路124と流体連通する内部通路334を含むことができる。第2のプランジャ300の細長い本体部分304の中に、穴、スロットなどの開口336が設けられることが可能であり、内部通路334もまた、第1のプランジャ200の遠位端部分206と第2のプランジャ300の遠位端部分306との間に形成される密閉容積130と流体連通する。
【0026】
図2に戻ると、第2のプランジャ300の近位端部分302および第1のプランジャ200の遠位端部分206が係合されていないとき、第1のプランジャ200は第2のプランジャ300に対して移動可能であり、例えば、第1のプランジャ200がシリンジバレル110に対して引っ込められる場合、第2のプランジャ300が静止した状態に留まる。これにより、第1のプランジャ200の遠位端部分と第2のプランジャ300の遠位端部分との間に密閉された第1の容積130を形成する。図3に示すように、第2のプランジャ300の近位端部分および第1のプランジャ200の遠位端部分が最初に係合されるときに、密封された第1の容積130は最大である。シリンジバレル110の内面に対する第1のプランジャ200および第2のプランジャ300の遠位端部分の周方向シールは、密封された第1の容積130の中に真空または負圧を生成する。これにより、シリンジバレル110の先端部122の中の通路124、チェックバルブ330、第2のプランジャ300の細長い本体部分304の中の内部通路334および開口336を介して、密封された第1の容積130の中に流体が流れることを可能にする。
【0027】
図4を参照すると、第2のプランジャ300の近位端部分および第1のプランジャ200の遠位端部分が係合される場合、第1のプランジャ200を更に引っ込めることにより、第2のプランジャ300が第1のプランジャ200と共に移動することができる。第2のプランジャ300が第1のプランジャ200と共に移動することによって、第2のプランジャ300の遠位端部分とシリンジバレル110の遠位端部分との間に第2の容積132を形成する。シリンジバレル110に対する第2のプランジャ300の遠位端部分の周方向シールは、第2の容積132内に真空または負圧を生成する。これにより、代表的なサンプルが、シリンジバレル110の先端部122の中の通路124を介して第2の容積132の中に引き込まれることを可能にする。
【0028】
チェックバルブ330を第2のプランジャ300の中に組み込むことにより、第1の容積130内の流体、例えばデッドレッグ流体が、代表的なサンプルを保持する第2の容積132の中に逆流することを防止する。チェックバルブ330を使用することにより、代表的なサンプルが引き込まれる前に、流体移送システムの配管および、またはバルブのデッドレッグまたはトラップ内の流体が取り除かれ、密封された第1の容積130の中に隔離されることを可能にする。配管のデッドレッグまたはトラップおよびサンプリングバルブの中の流体は長期間に亘って停滞していた可能性があり、デッドレッグ流体によって汚染され、または混合される場合、代表的なサンプルの不正確な読み取りを招くことになる。従来は、別個の標準的シリンジが使用されて、十分なサンプルを引き込むことによって配管およびバルブをきれいにする。十分なサンプルを含むシリンジが、切り離され、廃棄される。次に、代表的なサンプルを採取するために新しいシリンジが結合される。
【0029】
本開示の特定の実施形態によれば、上述の流体移送装置100は、潜在的なデッドレッグ流体を取り除き、隔離し、代表的なサンプルを採取するために使用され得る。配管およびバルブのデッドレッグ内の流体は、密閉された第1の容積130の中に引き込まれることが可能である。チェックバルブ330は、デッドレッグ流体の逆流を防止し、したがってデッドレッグ流体を密封された第1の容積130の中に隔離された状態に保つ。次に、きれいにされた配管およびバルブを介して、代表的なサンプルが引き込まれる。代表的サンプルは、第2の容積132の中に保持され得る。
【0030】
潜在的デッドレッグ流体の容積は、流体移送システムの中に使用される配管およびバルブに基づいて予め決定され得る。密封された第1の容積130の最大容量は、デッドレッグ流体の少なくとも全てを収容するように画定され得る。実施例として、第2のプランジャ300の細長い本体部分の長さおよびシリンジバレル110の断面の寸法は、約1mlから約50mlの範囲の流体を保持するために、第1の容積130の最大容量を提供するように構成され得る。
【0031】
図5を参照すると、代表的なサンプルは、その後、第1のプランジャ200を押すことによって分析のために分注され得る。第2のプランジャ300の遠位端部分の中に内蔵されたチェックバルブ330は、第1のプランジャ200が押される場合、密封された第1の容積130の内部にデッドレッグ流体を保持する。第1のプランジャ200を押すことにより、第2の容積に圧力を加え、代表的なサンプルが第2の容積132から分注されることが可能になる。
【0032】
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、流体移送装置100が、ハウジング150を更に含むことができる。ハウジング150は、流体移送装置を汚染から保護し、および、または流体移送装置をサンプリング装置と結合することを容易にするように機能することができる。例えば、ハウジング150は、サンプリング装置と係合するように構成されたシリンジバレルの任意の先端部分を含む、装置100の遠位端部分を覆う、または取り囲むように作製または構成され得る。ハウジング150は、シリンジバレル110がハウジング150の内部および外部に軸方向に摺動して、サンプリング装置と係合し、またはサンプリング装置から脱係合することができるように構成され得る。装置100の遠位端部分を周囲環境から密封するために、Oリングなどのような1つまたは複数のシール152が設けられてもよい。
【0033】
流体移送装置100は、以下でより詳細に説明されるように、サンプリング装置内の相補的なインターフェース構造に結合するように構成されたインターフェース構造160を含むことができる。インターフェース構造160は、サンプリング装置内の相補的な対合構造に係合するように構成された任意の適切な対合構造を含むことができる。図6に示すように、例示的なインターフェース構造160は、サンプリング装置内の1つまたは複数の舌部と摺動自在に係合するように構成された1つまたは複数の溝162を含む。図6に示されるインターフェース構造160は、保護膜168によって覆われた開口166を含む枠状部材を備える。一対の平行な溝162が、サンプリングバルブの相補的なインターフェース構造内の一対の舌部と摺動自在に係合するように構成された枠状部材の両側に設けられている。
【0034】
保護膜168は、ハウジング150の開口166を覆うように構成されて、サンプリング装置と係合される先端部を含む装置100を埃、汚れ、細菌などによる汚染から保護する。保護膜168は、紙、金属箔、ポリマー膜などの形態であることができる。保護膜168は、接着または他の適切な手段を介してインターフェース構造160に取り付け可能であり、インターフェース構造160から剥離される、または他の方法で取り外されることが可能である。保護膜168は、流体移送装置100のインターフェース構造160がサンプリング装置内の相補的なインターフェース構造に連結される後に、または流体移送装置100をサンプリング装置に連結する間に、以下により詳細に説明されるように、インターフェース構造160から膜を剥がすことを容易にするための余分な長さ169、タブなどを含むことができる。
【0035】
図7から図12を参照して、本開示の別の態様による流体移送アセンブリ400の様々な実施形態が次いで説明される。
【0036】
図7に示すように、流体移送アセンブリ400が、第1の流体移送装置500および第2の流体移送装置100を含む。第1の流体移送装置500は、インターフェース構造512を含むことができる。第2の流体移送装置100は、第1の流体移送装置500のインターフェース構造512に相補的なインターフェース構造160を含むことができる。第1のインターフェース構造512および第2のインターフェース構造160は、摺動自在に互いに係合するように構成されることが可能であり、第2の流体装置100が摺動可能に移動して、第1の流体移送装置500に対して位置決め、または位置合わせすることができる。第1の流体移送装置500は、反応器またはコンテナなどの流体源、あるいは反応器またはコンテナと流体連通する導管に結合するように構成され得る。第2の流体移送装置100は、第1の流体移送装置500を介して流体源をサンプリングするために、第1の流体移送装置500と無菌的に係合するように構成され得る。
【0037】
第1の流体移送装置500のインターフェース構造512は、1つまたは複数の舌部514などの対合構造を含むことができる。第2の流体移送装置100のインターフェース構造160は、インターフェース構造512および160が互いに摺動自在に係合することを可能にする1つまたは複数の溝162などの対合構造を含むことができる。別法として、第1の流体移送装置500のインターフェース構造が、1つまたは複数の溝を備え、第2の流体移送装置100のインターフェース構造が、1つまたは複数の舌部を備える。装置が一旦定位置に置かれると、結合を固定するために、ラッチ、スロット、フォーク、止め具など(図示せず)のようなロック機構が、インターフェース構造の中に含まれることが可能である。
【0038】
やはり図7を参照すると、いくつかの実施形態では、第1の流体移送装置500はハウジング520を含むことができ、インターフェース構造512はハウジング520の一部であることができる。第2の流体移送装置100は、ハウジング150を含むことができ、インターフェース構造160は、ハウジング150の一部であることができる。このように、インターフェース構造512は、ハウジング520内に囲まれた装置500を汚染から保護するために、保護膜518によって覆われた開口516を含む枠状部材を含むことができる。インターフェース構造160は、ハウジング150内に囲まれた装置100または装置100の遠位端部分を汚染から保護するために、保護膜168によって覆われた開口166を含む枠状部材を含むことができる。一旦第1の流体移送装置500および第2の流体移送装置100が、互いに対して定位置に位置決めされる、または適切に位置合わせされると、保護膜518および168が取り外されることができて、ハウジング520および150を開き、または第2の流体移送装置100を第1の流体移送装置500と結合または係合させるための通過部を生成する。インターフェース構造512および160は、第2の流体移送装置100が第1の流体移送装置500に対して定位置に位置決めされ、保護膜168および518が取り外される場合、インターフェース構造512、160が互いに当接し、ハウジング520および150のための、周囲環境からのシールを形成するように構成されることができる。
【0039】
第1の流体移送装置500のインターフェース構造512は、ハウジング520に組み立てられた別個に構成されたユニットであることができ、または別法として、ハウジング520と一体である。第2の流体移送装置100のインターフェース構造160は、ハウジング150に組み立てられた別個に構成されたユニットであることができ、または別法として、ハウジング150と一体である。第1の流体移送装置500のハウジング520および第2の流体移送装置100のハウジング150は、プラスチック、金属などの任意の適切な材料で構成され得る。ハウジング520および150は、透明、半透明または不透明であることができる。
【0040】
やはり図7を参照すると、保護膜518および168は、接着または他の適切な手段を介してそれぞれインターフェース構造512および160に取り付けられることができ、両方とも、剥がす、または引っ張ることによって取り外すことができる。保護膜518および168は、埃、汚れ、細菌などの汚染物質の通過を妨げる適切な材料から構成されることができ、紙、金属箔、ポリマー膜などの形態であり得る。いくつかの実施形態では、第2の流体移送装置100および第1の流体移送装置500が以下でより詳細に説明されるように定位置に位置決めされる後に、インターフェース構造512および160に取り付けられた膜518および168を剥がし易くするために、保護膜518および168は、第1の流体移送装置500のインターフェース構造512の中のスロット522を通る、または通過する延長された部分519および169をそれぞれ含むことができる。
【0041】
第1の流体移送装置500および第2の流体移送装置100の最初の組立ては、それらのインターフェース構造512および160を介してそれらを摺動自在に接合することによって達成され得る。例えば、第1の流体移送装置500のインターフェース構造が舌部または溝を含み、第2の流体移送装置100のインターフェース構造が相補的な溝または舌部を含む実施形態では、対応するインターフェース構造の舌部および溝は、第2の流体移送装置100を第1の流体移送装置500に対して摺動させることによって位置合わせされ、接合され得る。舌部および溝が位置合わせされ、接合される前に、第2の流体移送装置100の保護膜168の延長された部分169は、第1の流体移送装置500の中のスロット522を通ることができる。第2の流体移送装置100が第1の流体移送装置500に対して摺動する間、延長された膜部分169は、スロット522を通って引き戻され、第2の流体移送装置100の上に折り畳まれることが可能である。したがって、一旦第2の流体移送装置100が第1の流体移送装置500に対して摺動自在に位置決めされ、位置合わせされると、延長された膜部分169の長さは、その端部がスロット522の外側に留まるように選択されることができて、インターフェース構造160に取り付けられている膜168を引っ張ることができる。
【0042】
一旦第2の流体移送装置100が第1の流体移送装置500に対して定位置に位置決めされる、または位置合わせされると、第1のインターフェース構造512に取り付けられた保護膜518および第2のインターフェース構造160に取り付けられた保護膜168が、例えば、引っ張る、または剥がすことによって、取り外されることができて、それによって、ハウジング520および150をそれぞれ開き、または第2の流体移送装置100を第1の流体移送装置500と結合または係合させるための通過部を生成する。図8は、第2の流体移送装置が、第1の流体移送装置500に対して定位置に位置決めされ、保護膜518および168が剥がされていることを示す。図9は、保護膜518および168が完全に取り外され、通過部を生成して、第2の流体移送装置100が第1の流体移送装置500と係合することができることを示す。
【0043】
第2の流体移送装置100は、例えば、第1流体装置500に対して第2流体装置100を軸方向に押すことによって、第1の流体移送装置500と係合することができる。次いでサンプル流体は、第1の流体移送装置500を介して第2の流体移送装置100によって引き込まれることが可能である。
【0044】
いくつかの実施形態では、第2の流体移送装置100は、図1図5に関連して上述したように、シリンジバレル、2つのプランジャおよびチェックバルブを含むことができる。そのようなものとして、デッドレッグ内の流体、例えば、流体源に結合する配管の流体、および、または第1の流体装置500のバルブの中の流体は、第2の流体移送装置100の中の密封された第1の容積の中に引き込まれることによって取り除かれることが可能である。チェックバルブを組み込むことにより、デッドレッグ流体の逆流を防止し、第1の容積内で隔離された状態にデッドレッグ流体を保つ。次いで、チェックバルブによって第1の容積から隔離される第2の容積の中に代表的なサンプルが引き込まれることができる。
【0045】
代表的なサンプルが引き込まれる後、第2の流体移送装置100は、第1の流体移送装置500から脱係合されることができ、次いで移動され、または除去されて、例えば、分析のためにサンプルが分注されることができ、および、または次の、または第3の流体移送装置が、第1の流体移送装置500に対して位置決めし、係合することを可能にして、流体源から追加のサンプルを採取する。第2の流体移送装置100は、例えば、第2流体装置100を第1流体装置500から離れて軸方向に引っ込めることによって、第1の流体移送装置500から脱係合され得る。次いで、第2の流体移送装置100は、インターフェース構造512および160を介して摺動することによって、第1の流体移送装置500の位置から移動され得る。
【0046】
図10は、第2の流体移送装置100を第3の流体移送装置600と交換する方法を示す。第3の流体移送装置600は、第2流体移送装置100と同一または概ね同一の構造を含むことができる。別法として、第3の流体移送装置600は、第2の流体移送装置100とは異なる構造を含むことができる。第3の流体装置600は、装置の遠位端部分を囲むハウジング602、1つまたは複数の溝などのインターフェース構造604、およびハウジング602の中の開口部を覆うインターフェース構造604に取り外し可能に取り付けられた保護膜606を含むことができる。保護膜606は、第1の流体移送装置500のインターフェース構造内のスロット522を通過することができる余分な長さまたはタブを含むことができる。
【0047】
図10を参照すると、いくつかの実施形態では、第1の流体移送装置500から第2の流体移送装置100を移動するステップ、および第1の流体移送装置500に対して第3の流体移送装置600を位置決めするステップは、同時に実施され得る。第2の移送装置100が第1の流体移送装置500から移動されるとき、第3の流体移送装置600が、第1の流体移送装置500に対して定位置に位置決めされるように、インターフェース構造を介して第3の流体移送装置600を第2の流体移送装置100に対して摺動自在に押すことによって、このことは達成され得る。第3の流体移送装置600に取り付けられた保護膜606は、第3の流体移送装置600が第2の流体移送装置100に対して押されている間に徐々に剥がされることが可能であり、それによって、徐々に第3の流体移送装置600のハウジング602が開き、ハウジング602を第1の流体装置500のハウジング520に無菌的に結合する。言い換えれば、第3の流体移送装置600の上の保護膜606は、第3の流体移送装置600を第1の流体移送装置500に対して位置決めするステップと同時に取り外されることが可能である。一旦第3の流体移送装置600が第1の流体移送装置500に対して定位置に配置される、または位置合わせされると、保護膜606は、完全に取り外されることが可能である。先の、または第2の流体移送装置100が、次の、または第3の流体移送装置600に交換されている間、システムの無菌状態が維持され得るので、上述した実施形態による交換方法は有利である。
【0048】
図11は、先の、または第2の流体移送装置100が第1の流体移送装置500に対する位置から移動される場合、第3の流体移送装置600が第1の流体移送装置500に対して定位置に配置され、保護膜606が剥がされ、一方で、第3の流体移送装置600が第1の流体移送装置100に対して摺動し、第3の流体移送装置600のハウジングを徐々に開き、第1の流体移送装置500のハウジングに第3の流体移送装置600のハウジングを無菌的に結合する、交換するステップの経過を概略的に示す。図12は、第2の流体移送装置100が第1の流体移送装置500から移動され、第3の流体移送装置600が第1の流体移送装置500に対して位置決めされ、または位置合わせされ、第3の流体移送装置600の上の保護膜が完全に取り外されることを概略的に示す。
【0049】
一旦第3の流体移送装置600が定位置に配置され、第1の流体移送装置500に連結または係合されると、第2の流体移送装置100に関連して上述された方法と同じまたは同様の方法で、追加の代表的サンプルが引き込まれ得る。
【0050】
第1の流体移送装置500は、ルアー作動式バルブサンプリング装置などを含む任意の適切なサンプリング装置であることができる。様々なルアー作動式バルブが当技術分野で知られており、それらの詳細な説明は、本開示の実施形態の説明に焦点を合わせるために、本明細書では省略される。本発明の譲受人に対する米国特許第8544497号明細書は、本開示の第1の流体移送装置として使用され得るバルブの様々な実施形態を開示している。米国特許第8544497号明細書の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
第2の流体移送装置100、第3の流体移送装置600、または第1の流体移送装置500に連結され得る任意の次の流体移送装置は、当技術分野で利用可能な任意の適切なシリンジ装置を含むことができる。本開示のいくつかの好ましい実施形態では、第2、第3および次の流体移送装置は、シリンジバレル、シリンジバレル内部でそれぞれ摺動自在に移動可能な2つのプランジャ、および図1から図5に関連して上述されたチェックバルブを含むことができる。
【0052】
「第1」、「第2」および「第3」という用語は、様々な実施形態の説明を容易にするために本明細書で使用され、「第3の」流体移送装置が、第2の流体移送装置と交換後に、「第3の」が、「第2の」になることができ、用語「第3の」が、同一または概ね同一の構造を含む複数の流体移送装置に対する参照を含むことを理解されるべきである。
【0053】
流体移送装置、アセンブリ、および方法が説明された。当業者であれば、本発明の精神および範囲内で様々な他の修正形態が作製可能であることを理解するであろう。これら、または他の変形形態および修正形態は全て、本発明者らによって企図され、本発明の範囲内である。
図1
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12