(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ローカル2ワイヤ・ループ・フィールドバス・ネットワークから前記ローカル・バスに電力供給するように構成されている第4の回路を更に含み、前記1つ又は複数のカプラ・モジュールのうちの少なくとも1つは、前記ローカル・バスからそれぞれの前記フォーリン・フィールドバス・ネットワークにもっぱら電力供給するように構成されている第5の回路を含む、請求項1に記載のモジュラー・フィールドバス・カプラ。
前記第1の回路が、FOUNDATION FIELDBUSプロトコル、PROFIBUSプロトコル、HARTプロトコル、MODBUSプロトコル、及びイーサネット(登録商標)プロトコルのうちの1つを使用して前記ローカル2ワイヤ・ループ・フィールドバス・ネットワークと通信するように構成されている、請求項1に記載のモジュラー・フィールドバス・カプラ。
前記1つ又は複数のカプラ・モジュールのうちの少なくとも1つのカプラ・モジュールが、それぞれの前記第2のフィールドバス・プロトコルを利用して伝送ライン又はスプール・ラインによってそれぞれの前記フォーリン・フィールドバス・ネットワークに連結され、それぞれの前記フォーリン・フィールドバス・ネットワークは、第1及び第2のフィールドバス・プロトコルと異なる第3のフィールドバス・プロトコルを利用している、請求項1に記載のモジュラー・フィールドバス・カプラ。
前記ゲートウェイ・モジュールは、前記ローカル2ワイヤ・ループ・フィールドバス・ネットワークを終端する抵抗器を含まない、請求項1に記載のモジュラー・フィールドバス・カプラ。
前記ローカル・バスは電力を伝送し、前記1つ又は複数のカプラ・モジュールのうちの少なくとも1つカプラ・モジュールは、前記ローカル・バスから当該少なくとも1つのカプラ・モジュールに電力を供給する追加回路を有する、請求項1に記載のモジュラー・フィールドバス・カプラ。
前記ローカル・バスが、前記ゲートウェイ・モジュールと、前記1つ又は複数のカプラ・モジュールのそれぞれとの間における通信のためのシリアル通信バスを含む、請求項1に記載のモジュラー・フィールドバス・カプラ。
前記1つ又は複数のカプラ・モジュールのうちの少なくとも1つの前記第2の回路は、それぞれの前記第2のフィールドバス・プロトコルを利用してワイヤレス通信を行うように構成されている、請求項1に記載のモジュラー・フィールドバス・カプラ。
【背景技術】
【0002】
フィールドバスは、プロセス・オートメーションにおいて使用されるネットワークであり、プロセス・オートメーションにおいては、フィールド・デバイスがネットワーク上のノードのうちのいくつかを形成し、ヘッド・ステーション又はホストが、ネットワーク上のノードのうちの1つを形成する。ネットワークは、電源に接続されているトランク又はホーム・ランと、トランクから延びているスプールとを含むことができ、フィールド・デバイスが、スプール上のノードを形成している。フィールドバス・ネットワークの機能は、信頼できるタイムリーな様式でノードとの間でデータを伝送することである。
【0003】
フィールドバス・ネットワークは典型的に、自分の通信プロトコルの基礎を、ISO(International Organization for Standardization)によってISO/IEC7498−1として保持されているOSI(Open Systems Interconnection)モデルに置いている。OSIモデルは、階層的なレイヤ構造の通信スタックを定義しており、その通信スタックにおいては、ネットワーク上での伝送のためにデータがデータ・フレームへ変換され、またデータ・フレームから変換される。それぞれのレイヤは、自分のすぐ上のレイヤ及びすぐ下のレイヤにサービスを提供する。
【0004】
OSIモデルの最も下のレイヤは、物理レイヤである。物理レイヤは、データ・フレームを、ネットワーク上で伝送される電気信号へ変換すること、及びネットワーク上で伝送される電気信号から変換することを取り扱う。物理レイヤは、ネットワークの物理的な仕様及び電気的な仕様(ネットワーク・トポロジー、配線仕様、電圧、ライン・インピーダンスなど)と、データ・フレームがネットワーク上でどのように表されるか(たとえば、マンチェスター・コーディング、リターン・トゥ・ゼロ・コーディング、ノンリターン・トゥ・ゼロ・インバーテッド・コーディングなど)とを定義する。
【0005】
多くのフィールドバス・ネットワークが、物理レイヤ仕様によって定義されている2ワイヤ・ループを利用している。2ワイヤ・ループは、電力をノードへ伝送し、ノードとホストとの間におけるデータ通信のために使用される。電力は通常、ループ上で搬送されるDC電圧によって伝送され、データは、ACデータ信号をDC電圧上に重ねることによって通信される。2ワイヤ・ループを利用するフィールドバス・ネットワークには、FOUNDATION FIELDBUS H1ネットワーク、PROFIBUS PAネットワーク、及び、POWER OVER ETHERNET(登録商標)(POE)ネットワークを含むイーサネット(登録商標)・ベースのネットワークが含まれる(有線のフィールドバス・ネットワークは、2ワイヤ・ループにおいて使用されているワイヤに加えて、その他のワイヤを含むことができるということに留意されたい)。
【0006】
図1は、(単一のライン14によって表されている)2ワイヤ・ループに接続されてループ14を介してデータ・フレーム16を送信及び受信する物理レイヤ12を有するフィールドバス通信スタック10を概略的に示している。それぞれのデータ・フレーム16は、DC電圧18の上に重ねられるACデータ信号によって定義される。データ・フレーム16どうしは、フレームどうしの間における「沈黙時間」20によって隔てられており、「沈黙時間」20は、データ・フレームどうしの間におけるコリジョン及び干渉を回避する。物理レイヤ仕様は、ACデータ信号のエンコーディングと、どのようにデータ・フレームどうしのコリジョンが回避されるかとを定義する。
【0007】
図2は、FOUNDATION FIELDBUS H1フィールドバス・ネットワークに関するデータ・フレーム16のエンコーディングを概略的に示している(DCコンポーネントは省略されている)。データ・ビットは、クロック信号22によって示されているように31.25kHzという周波数で伝送され、すなわちビット時間は、1秒の1/31,250である。
【0008】
それぞれのデータ・フレーム16のデータ部分は、同期マンチェスター・コーディング技術を使用してエンコードされており、ビット時間の最中における正の電圧変化は、論理「0」を表しており、ビット時間の最中における負の電圧変化は、論理「1」を表している。プリアンブル24に関して、並びにデータ・フレーム16のスタート・デリミタ26及びエンド・デリミタ28に関して、特別なコードが定義されている。
【0009】
フィールドバス・ネットワーク上のノードは、自分の内部クロックを、入ってくるデータ・フレーム16と同期化するためにプリアンブル24を使用し、データ・フレーム16のデータ部分の始まりを見つけ出すためにスタート・デリミタ26を使用する。ノードは、スタート・デリミタ26を見つけた後に、エンド・デリミタ28を受信するまで、データを受け入れる。スタート・デリミタ26及びエンド・デリミタ28は、ノードがスタート・デリミタ及びエンド・デリミタを認識するのを補助するために、ビット時間の最中に電圧を変化させないN+の信号及びN−の信号を含む。
【0010】
図2は、データ30を、データ信号32として日付フレーム16内にエンコードされている一連の論理バイト10011010を含むものとして示している。フィールドバス通信プロトコルは、データ・フレーム16内に含まれるデータ・ビットの最大数及び最小数を定義している。
【0011】
データ信号32は、2ワイヤ・ループ14上で伝送されるべきである理想のAC電圧信号を表している。2ワイヤ・ループ14の物理的な特徴及び周囲の物理的な環境に起因して、実際のAC電圧信号は、理想の電圧信号32から変動することになる。
図3は、理想化された電圧信号32と比較した実際のAC電圧信号34を示している。
【0012】
理想からの信号逸脱のうちのいくつかは、信号ノイズ、ジッタ、及びオーバーシューティングを含む。
図4は、最大振幅36を有する信号ノイズを示している。
図5は、ジッタ38を示しており、ジッタ38は、ゼロ電圧ラインと交差しているAC信号遷移と、ビット・サイクルの中間点との時間差である。フィールドバス・プロトコルは典型的に、許容可能なジッタ・リミット40を定義する。
図6は、大きさ42を有する過渡オーバーシュート、並びに大きさ44を有するDCオフセットを有するAC信号を示している。理想からのその他の信号逸脱は、変形した波形、高すぎる又は低すぎるDC電力レベル、電圧スパイクなどを含む。理想からのこれらの信号逸脱及び波形変動は、フィールドバスの分野においてよく知られているので、それらについてさらに詳細に論じることはしない。
【0013】
標準化されたフィールドバス通信プロトコルの需要は、フィールドバス・ネットワークが、異なる通信プロトコルを有するその他のフィールドバス・ネットワークと通信することを困難にしている。
【0014】
さらに、フィールドバス通信プロトコルの需要は、ネットワークの信頼できるオペレーションのためにフィールドバス・ネットワークの物理レイヤが保持されることを必要とする。2ワイヤ・ループ14に接続し、フィールドバス・ネットワークの物理レイヤをモニタして、バス電圧、信号ノイズ、再送回数、シールド・ショート、信号レベル、並びに、フィールドバス物理レイヤ診断の技術分野において知られているその他の電気的な及び物理的なパラメータ及びイベントを測定及び評価する物理レイヤ診断デバイスが知られている。
【0015】
例示的な知られているフィールドバス物理レイヤ診断デバイスが、ドイツのBlombergのPhoenix Contact GmbHによって販売されているField Diagnostic Moduleである。この診断モジュールは、フィールドバス・ネットワークの物理レイヤの健全性を評価するのに有用なAC及びDCの電気関連測定からのデータを提供する。
【0016】
いくつかの物理レイヤ診断デバイスは、電源付近のトランク上に連結されるように設計されている。しかしながら、特に、絶縁されている又は電圧を規制されているスプールのケースにおいては、スプールに関する電気パラメータは、トランクと同じではない。個々のフィールド・デバイスのさらなる情報、たとえば電流引き込みが、トランクに連結されている診断デバイスにとって利用可能ではない場合がある。その他の診断デバイスは、スプールに連結されるように設計されており、その診断デバイスは、フィールド・バス・ネットワークを介して通信を行うための通信回路を含む。しかし、そのような診断デバイスをスプールに付加することは、高くつく。
【0017】
いくつかのフィールドバス物理レイヤ診断デバイスは、その診断デバイス内にオシロスコープを組み込んでいる。オシロスコープは、そのデバイスによって提供される唯一の診断ツールである場合もあり、又はそのデバイスによって提供される診断ツールのセットの一部である場合もある。オシロスコープは、ユーザが、継続的にフィールドバスの通信をモニタして信号波形を見ることを可能にする。オシロスコープは、分析のために波形に関する診断情報を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図7は、2ワイヤ・ループとして形成されて電源414によって電力供給されるトランク又はホーム・ラン412を有するFOUNDATION FIELDBUS H1フィールドバス・ネットワーク410を示している(明確にするために、任意の必要とされる終端抵抗器など、ネットワークのいくつかの従来の機能は、
図7において示されていない)。ホスト416が、トランク412に接続されており、トランク412から延びているスプール420に接続されているFOUNDATION FIELDBUS H1フィールド・デバイス418と通信する。図面をシンプルにするために、それぞれのスプール420は、1つのフィールド・デバイス418のみに接続されているものとして示されている。これらの機能は従来のものであり、したがって、さらに詳細に説明することはしない。
【0037】
スプール420は、モジュラー・デバイス・カプラ110によってトランク412に連結されており、デバイス・カプラ110は、トランク412に接続されているそれぞれのスプール420に関してスプール・モジュール(以降でさらに詳細に説明する)を有している。それぞれのスプール・モジュールは、以降でさらに詳細に説明するように、スプール・モジュールに連結されているスプールの物理的な特性を評価する専用の統合された物理レイヤ診断回路を含む。
【0038】
以降でさらに詳細に説明するように、従来のものではないIOポイント、たとえば、その他のタイプの有線又はワイヤレスのプロセス・ネットワーク又はフィールド・デバイスを、フィールドバス・ネットワーク410に接続するモジュラー・リモート・フィールドバス・カプラ210も、トランク412に連結されている。フィールドバス・カプラ210は、FOUNDATION FIELDBUS H1フィールドバス410を、HARTネットワーク422、MODBUSネットワーク424、及びWIRELESSHARTネットワーク426という3つのフォーリン・ネットワークに結合しているところを示されている。フィールドバス・カプラ210は、フィールドバス・ネットワーク410とフォーリン・ネットワーク422、424、426との間におけるネットワークツーネットワーク通信を可能にする。
【0039】
フォーリン・ネットワーク422、424、426もそれぞれ、ネットワークツーネットワーク通信のためにフォーリン・フィールドバス・ネットワークに連結されているフィールドバス・カプラ(たとえば、フォーリン・ネットワーク422に接続されているフィールドバス・カプラ427。カプラ427は、フィールドバス・カプラ210に類似している)を含む。フィールドバス・カプラ210は、それぞれの有線カプラ・スプール・ライン422S、424Sによってフォーリン・ネットワーク422、424に連結されているフィールドバス・カプラに接続されている。スプール・ライン422Sなどのカプラ・スプール・ラインは、そのカプラ・スプール・ラインによって接続されているフィールドバス・ネットワークのうちの1つの物理レイヤ仕様に準拠することができ、又はそのカプラ・スプール・ラインによって相互接続されているフィールドバス・ネットワークの両方とは異なるフィールドバス・ネットワークの物理レイヤ仕様に準拠することもできる。たとえば、スプール・ライン422Sは、HARTプロトコルに準拠しており、スプール・ライン424Sは、FOUNDATION FIELDBUS H1プロトコルに準拠している。
【0040】
フィールドバス・カプラ210に連結されているカプラ・スプール・ラインのプロトコルが、そのカプラ210が連結されているローカル・フィールドバス・ネットワークと同じである場合には、フィールドバス・カプラ210は、データ・プロトコルを変更することなく、ローカル・フィールドバス・ネットワークとカプラ・スプール・ラインとの間においてデータを中継する。フィールドバス・カプラ210に連結されているカプラ・スプール・ラインのプロトコルがローカル・フィールドバス・ネットワークとは異なる場合には、フィールドバス・カプラ210は、ローカル・フィールドバス・ネットワークとカプラ・スプール・ラインとの間におけるデータ伝送のためにデータを1つのプロトコルからその他のプロトコルへ変換する。
【0041】
ワイヤレス・ネットワーク426に連結されているフィールドバス・カプラは、たとえばWIRELESSHARTプロトコル又はZIGBEEプロトコルなどの従来のワイヤレス・プロトコルを利用する破線426Sによって表されている「ワイヤレス伝送ライン」を介してフィールドバス・カプラ210と通信する。
【0042】
フィールドバス・カプラ210はまた、Foundation Fieldbus H1フィールドバス410を、有線カプラ・スプール・ライン428Sを介してPROFIBUSフィールド・デバイス428に結合しているところを示されている。カプラ・スプール・ライン428Sは、PROFIBUS物理レイヤ仕様に準拠している。すなわち、フィールド・デバイス428の観点からは、デバイス428は、FOUNDATION FIELDBUS H1ネットワークにではなく、適合するPROFIBUSネットワークに連結されている。
【0043】
診断フィールド・デバイス310もまた、スプール430によってネットワーク410に連結されている。診断フィールド・デバイス310は、以降でさらに詳細に説明するように、スプール30を介してネットワーク・データ通信をサンプリングするための統合されたオシロスコープを含む。
【0044】
モジュラー・デバイス・カプラ110が、
図8において示されており、ゲートウェイ・モジュール112と、1つ又は複数のスプール診断モジュール114とを含む。
図8は、3つのスプール診断モジュール114を伴うデバイス・カプラ110を示しているが、必要に応じて、より多くの又はより少ない診断モジュール114を使用してデバイス・カプラ110を形成することができるということがわかる。
【0045】
モジュール112、114は、本出願人によって所有されていて本出願と共通する1人又は複数の共通の発明者を有する米国特許第8,180,938号において記載されているようなローカル通信バス118及びローカル電力バス120を含むローカル・バス116を介してローカルに互いに通信する。ローカル・バス116は、シリアル接続バス、又は、フィールドバス・ネットワーク410から切り離されているバックプレーン・タイプの接続システム、たとえば、欧州特許公開第EP2053697号若しくは米国特許出願公開第20090194814号において記載されているTBUS(商標)接続システムであることが可能である。TBUSシステムは、’938号特許において記載されているように、欠陥のある診断モジュール114が、電力及びその他の診断モジュールへの通信に影響を与えずに除去及び交換されることを可能にする。ゲートウェイ・モジュール112及び1つ又は複数のデバイス・モジュール114を従来のDINレール(図示せず)上に据え付けて、モジュール112、114をローカル・バス116に接続することができる。
【0046】
デバイス・カプラ・ゲートウェイ・モジュール112は、ネットワーク2ワイヤ・ループから電力供給されるためにネットワーク2ワイヤ・ループに連結して、フィールドバス・ネットワーク410上のノードを形成し、そのノードは、その他のネットワーク・ノード(ホスト416など)と通信する。例示されているゲートウェイ・モジュール112は、ネットワーク・トランク412に接続されているところが示されており、フィールドバス・ループからゲートウェイ・モジュール112に電力供給するための回路122と、フィールドバス・ループからローカル電力バス120に電力供給するための回路124とを含む。
図9を参照されたい。ゲートウェイ・モジュール112はまた、フィールドバス・ループを介して通信を行うためのネットワーク通信回路126と、ローカル通信バス118を介して0〜N個の診断モジュール114と通信するためのローカル通信回路128とを含む。
【0047】
例示されているゲートウェイ・モジュール112は、2プロセス・ループと直列に、そのループの両端の中間に接続されている。ゲートウェイ・モジュール112は、電源から離れたループの端に配置される場合には、モジュール式ではない従来のデバイス・カプラを伴って既に実施されているような終端を提供するための電気抵抗器(図示せず)を備えることができる。
【0048】
診断モジュール114は、ローカル・バス116を利用してスプール420を2ワイヤ・ループ412に接続するためのデバイス・カプラ110の一部を形成するように意図されている。例示されている診断モジュール114は、スプール420に接続されているところが示されており、実際には、スプール420を診断モジュール114に接続するためのモジュール端子131に接続されている内部のスプール・セグメント130を含む。
図10を参照されたい。
【0049】
診断モジュール114は、ローカル電力バス120から診断モジュール114に電力供給するための回路132と、ローカル電力バス120から、デバイス・モジュール114に連結されているスプール420に電力供給するための回路134とを含む。スプール電力回路134は、本出願人によって所有されていて本出願と共通する少なくとも1人の発明者を有する米国特許第7,940,508号「Inherently Safe Modular Control System」において記載されているような、スプール420をローカル・バス116から、及びゲートウェイ・モジュール112に連結されている2ワイヤ・ループ412から絶縁するための絶縁回路(図示せず)を含むことができる。
【0050】
診断モジュール114は、ローカル通信バス118を介してゲートウェイ・モジュール112と通信するためのローカル通信回路136と、スプール420を介して通信を行うためのスプール通信回路138とをさらに含む。スプール通信回路138は、スプール420と、ゲートウェイ・モジュール112に連結されている2ワイヤ・ループとの間における通信をもたらすためにローカル通信回路136に接続されている。
【0051】
上述のような診断モジュール114の電力回路及び通信回路は、診断モジュール114が、スプール420を絶縁した状態でトランク412と接続するデバイス・カプラとして機能することを可能にする。しかしながら、診断モジュール114は、スプール物理レイヤ診断のためにスプール・セグメント130に接続されている回路140をさらに含む。診断回路140は、物理レイヤ測定値と、端子132に接続されているスプール420に関する情報とを提供することができる。診断回路140は、診断データをホスト416に返信することを含めて、診断回路140とホスト416との間における双方向通信を可能にするためにローカル通信回路136に接続されている。
【0052】
その他の可能な実施例における診断モジュール114は、通信及びナンバークランチング・リソースのさらに効率的な利用のためにホスト18からリモートで診断データの分析を実行するようにプログラムされているマイクロプロセッサ(図示せず)を含む。
【0053】
モジュラー・フィールドバス・カプラ210が、
図11において示されており、フィールドバス・カプラ・ゲートウェイ・モジュール212と、1つ又は複数のフィールドバス・カプラ・モジュール214とを含む。
図11は、ローカル・フィールドバス・ネットワーク411に連結されているカプラ・ゲートウェイ・モジュール212と、(バス116のような)ローカル・バス216を通じてカプラ・ゲートウェイ・モジュール212に接続されている3つのフィールドバス・カプラ・モジュール214とを伴うフィールドバス・カプラ210を示している。カプラ・モジュール214はまた、それぞれのカプラ・スプール215A、215B、215Cに連結されている。
【0054】
フォーリン・カプラ210のモジュールどうしの間におけるモジュール間通信及び電力のためのローカル・バス216の使用は、デバイス・カプラ110のモジュールどうしのモジュール間通信のためのバス116に関して前述したのと同じであり、したがって、さらに詳細に説明することはしない。
【0055】
フィールドバス・カプラ・ゲートウェイ・モジュール212は、
図9において示されているデバイス・カプラ・ゲートウェイ・モジュール112と実質的に同様であるが、フィールド・デバイスであるように設計されているだけであり、したがってフィールドバス・トランクの通信及び電力を「通過」させない。フィールドバス・カプラ210が、デバイス・カプラ110と同様にローカル・トランク通信を通過させるように設計されている場合には、前述と同様の終端機能を提供することができる。フィールドバス・カプラ・ゲートウェイ・モジュール212は、ローカル通信バス216を介して0〜N個のカプラ・モジュール214と通信する。
【0056】
カプラ・モジュール214は、ローカル・バス216を利用してフォーリン・フィールドバス・ネットワークをローカル・フィールドバス・ネットワーク10に接続することを意図されている。
図12におけるカプラ・モジュール214は、ローカル・フィールドバス・ネットワーク10と、フォーリン・フィールドバス・ネットワーク又はフォーリン・フィールドバス・デバイス(図示せず)との間における通信のために有線スプール215に接続されているところが示されている。フォーリン・フィールドバス・プロトコルは、データ・フォーマット・レベルで、又は物理的なレベルで、ローカル・フィールドバス410のプロトコルと必ずしも適合するとは限らない。
【0057】
カプラ・モジュール214は、ローカル電力バス220から診断モジュール214に電力供給するための回路232、及び必要な場合には、ローカル電力バス220から、デバイス・モジュール214に連結されているスプール・ライン215に電力供給するための破線で示されている回路234を含む。伝送電力回路234は、診断モジュール114に関して前述したような、伝送ライン215をローカル・バス216及びローカル・フィールドバス・ネットワーク410から絶縁するための絶縁回路(図示せず)を含むことができる。
【0058】
カプラ・モジュール214は、ローカル通信バス218を介してゲートウェイ・モジュール212と通信するためのローカル通信回路236と、カプラ・モジュール214とフォーリン・フィールドバス・ネットワークとの間においてスプール215を介して通信を行うための伝送通信回路238をさらに含む。伝送通信回路238は、フォーリン・フィールドバス・カプラ210を通じてローカル・フィールドバス・ネットワーク410とフォーリン・フィールドバス・ネットワークとの間において通信を行うためにローカル通信回路236に接続されている。
【0059】
カプラ・モジュール214が、ローカル・フィールドバス・ネットワークと、リモートのフォーリン・フィールドバス・ネットワーク又はフォーリン・フィールドバス・デバイスとの間におけるワイヤレス通信用に設計されている場合には、スプール215は、ワイヤレス伝送ライン、すなわちデータのワイヤレス伝送を表す。カプラ・モジュール214のそのような実施例においては、伝送回路238は、データのワイヤレス送信及び受信のためにアンテナ240(
図12において破線で示されている)に接続されている。データのワイヤレス通信のために利用することができるワイヤレスFieldbusプロトコルの例は、(フィールドバスの技術分野において知られている数あるプロトコルのうちでも)WIRELESSHARTプロトコル及びZIGBEEプロトコルを含む。有線スプールに電力供給するための回路は、代わりにワイヤレス伝送ラインに電力供給するように構成されることになり、すなわち、
図12において破線で示されているアンテナ240に電力供給するように構成されることになる。
【0060】
示されている実施例においては、ローカル通信回路236は、フォーリン・フィールドバス・ネットワーク上のノードとして機能することができ、フォーリン・フィールドバス・プロトコルをローカル・フィールドバス・プロトコルに変換することを取り扱う。伝送ライン215は、事実上、フォーリン・フィールドバスの物理レイヤ要件と適合するフォーリン・フィールドバスのスプールである。カプラ・モジュール214は、フォーリン・ネットワークによって、フォーリン・ネットワーク上の別のノードとみなされる。したがって、スプール215に連結されているフォーリン・フィールドバス・ネットワーク上のカプラは、単に、(上述のようなスプール診断を含むことができる)スプールを接続するためのデバイス・カプラであることが可能である。フォーリン・デバイス・カプラは、スプール215に電力を提供することもできる。
【0061】
その他の可能な実施例においては、伝送通信回路238は、ローカル・フィールドバス・ネットワーク上のノードとして機能することができ、プロトコルの対応する変換は、たとえば、(たとえば、
図7において示されているカプラ・モジュール427のような)カプラ・モジュール214と同様のカプラ・モジュールを利用して、フォーリン・ネットワーク上で行われる。伝送ライン215は、実際には、接続されているカプラ・モジュールのうちの1つによって電力供給されるFOUNDATION FIELDBUS H1スプールであろうし、カプラ・モジュール214から、フォーリン・フィールドバス・ネットワーク上の対応するカプラ・モジュールの伝送通信回路へ延びているであろう。ローカル・ネットワークのプロトコルと、接続スプールのプロトコルとが同じである実施例においては、伝送通信回路238は、データをプロトコルどうしの間において変換せず、単に、スプール215とローカル通信回路236との間において同じプロトコルを使用してデータを再送するように機能する。
【0062】
さらに他の可能な実施例においては、スプール215は、ローカル・フィールドバス・ネットワーク210のプロトコル及びフォーリン・フィールドバス・ネットワーク・プロトコルとは異なる第3のフィールドバス・プロトコルに適合することができる。これは、たとえば、第3のフィールドバス・プロトコルによってスプールの長さをより長くすることができる場合に、又は2つの有線フィールドバス・ネットワークの間においてワイヤレス通信が望まれる場合に、必要となる可能性がある。そのような実施例においては、スプールの両端におけるフィールドバス・カプラが、それぞれのローカル・プロトコルから第3のプロトコルへの変換を行い、すなわち、第3のプロトコルのみが、結合されているネットワークどうしの間における中間プロトコルとして使用される。
【0063】
カプラ・モジュール214は、ゲートウェイ・モジュール210を通じてローカル・フィールドバスとの通信を行うカプラ・モジュール214の物理レイヤ診断回路140に類似している、スプール215の診断に専用の物理レイヤ診断デバイス又は回路を含むこともできる。
【0064】
診断フィールド・デバイス310は、一体型オシロスコープを組み込んでおり、フィールドバス・ループによって電力供給され、フィールドバス・ループを介して通信を行う。
図13は、例示されているフィールド・デバイス310の機能ブロック図であり、フィールド・デバイス310は、端子312のセットを含み、端子312は、フィールド・デバイス310を2ワイヤ・プロセス・ループ412に電気的に接続する。フィールド・デバイス310は、2ワイヤ・ループ412からフィールド・デバイス310に電力供給する端子312に接続されている電力回路316と、2ワイヤ・プロセス・ループ412を介してデータを送信及び受信する通信回路318とを含む。通信回路318は、フィールド・デバイス310へと入る、及びフィールド・デバイス310から出る唯一の通信パスであり、したがって通信スピードは、ローカル・フィールドバス・ネットワーク410そのものの能力によって制限される。
【0065】
示されている実施例においては、フィールド・デバイス310は、もっぱら2ワイヤ・プロセス・ループ412を通じて電力供給される。フィールド・デバイス310は、(FOUNDATION FIELDBUS H1に適合する実施例に関しては)200mW未満の(すなわち、9ボルトで30mA未満の)電力で稼働するように設計されている。例示されているフィールド・デバイス310は、好ましいことに、「低電力」フィールド・デバイスの業界標準の期待を満たしている。
【0066】
フィールド・デバイス310は、端子312を介して2ワイヤ・プロセス・ループ412に接続されているデジタル・オシロスコープ320を含む。マイクロプロセッサ又はコントローラ322が、オシロスコープ320及び通信回路318に接続されている。オシロスコープ320及びマイクロプロセッサ322は、メモリ324との間で読み取り及び書き込みを行う。
図13において示されているブロック図は、オシロスコープ320及びマイクロプロセッサ322が共通のメモリ324を共有しているということを示しているが、オシロスコープ320及びマイクロプロセッサ322はそれぞれ、パフォーマンス及び互換性の理由から必要な場合には専用のメモリを有することができる(たとえば、オシロスコープ320は、マイクロプロセッサ322よりも高速のメモリを必要とする可能性がある)。
【0067】
フィールド・デバイス310はまた、通信回路318を使用して2ワイヤ・ループを介して物理レイヤ診断データを通信する、当技術分野において知られている物理レイヤ診断のための回路(図示せず)を含む。
【0068】
図14は、オシロスコープ320の機能ブロック図である。入力インターフェース326が、オシロスコープ320を端子312に接続し、そのオシロスコープが2ワイヤ・プロセス・ループ412上で電圧Vを「見る」ことを可能にする。入力インターフェース326は、増幅器328へ接続されることが可能であり、増幅器328は、入ってくる電圧信号を、トリガー検知器330及びアナログ/デジタル・コンバータ332によって使用するのに十分な程度に増幅する。トリガー検知器330は、入力信号からトリガー・イベントを検知し、a/dコンバータ332は、クロック334によって特定されたサンプル周波数で入力信号をデジタル化する。ユーザは、フィールドバス・ネットワークを通じたリモート・コマンドを介して、1秒あたり100,000個のデータ・サンプルと、1秒あたり2,000,000個のデータ・サンプルとの間においてサンプル・レートを設定することができる(その他の実施例は、異なる最小サンプリング・レート及び最大サンプリング・レートを提供することができる)。デジタル化されたデータは、メモリ336(これは、メモリ324であることも可能である)内に格納される。分析/コントロール論理回路338が、オシロスコープ320のオペレーションをコントロールし、通信インターフェース340を通じてデータを伝送し、コントロール・コマンドを受け取る。
【0069】
トリガー検知器330は、オシロスコープ320が、入力信号に関連したイベントの発生時に信号データを取り込むことを可能にする。例示されているデジタル・オシロスコープ320は、入力信号を絶えず処理するが、トリガー検知器330は、トリガー・イベントに関連したデータをメモリに保存又は記録することを開始するようオシロスコープ・コントロール回路338にアラートする。オシロスコープ320は、トリガー・イベントの前に生じるデータを保存することもできる。なぜなら、処理されたデータは、一時バッファに保存されることが可能であり、その後にトリガー・イベントが発生しなかった場合に破棄されるからである。これは、
図15において概略的に示されており、トリガー・イベント342は事実上、オシロスコープが、トリガー・イベントよりもいくらかの時間前に開始する信号データ、並びにトリガー・イベントよりもいくらかの時間後に終了する信号データを保存するようにさせる。
【0070】
デジタル・オシロスコープ・トリガー検知器は、シンプルなトリガー・タイプ及び進んだトリガー・タイプの両方を含み、それらのトリガー・パラメータは、ユーザによって設定されることが可能である。オシロスコープ320によって実施されることが可能である、デジタル・オシロスコープの技術分野において知られているこれらのトリガー・タイプは、シンプルなエッジ・トリガー(信号が、設定しきい値よりも上で低下又は上昇する)、複雑なエッジ・トリガー(信号が、2つの設定しきい値の間において低下及び上昇する)、ウィンドウ・トリガー(信号波形が、設定電圧レンジに入る、又は設定電圧レンジから出る)、パルス幅トリガー(あるしきい値及び持続時間内の信号パルス)、インターバル・トリガー(信号が、設定持続時間内で設定しきい値よりも上に上昇しない、又は設定しきい値よりも下に低下しない)、ウィンドウ・パルス幅トリガー(ウィンドウ・トリガーとパルス幅トリガーとの組合せ)、レベル・ドロップアウト・トリガー(エッジを有する信号の後に、エッジを伴わない設定持続時間が続く)、ウィンドウ・ドロップアウト・トリガー(ウィンドウ・ドロップアウト・トリガーとレベル・ドロップアウト・トリガーとの組合せ)、ラント・トリガー(第1の設定しきい値と交わるが第2の設定しきい値とは交わらない信号パルス)、スパイク・トリガー(設定された大きさを超える信号スパイク)、プロトコル・トリガー(FOUNDATION FIELDBUS H1又はPROFIBUSデータ・フレーム・プロトコルなどの標準的なデータ・フレーム・プロトコルに準拠する信号波形)、マルチステート・トリガー(一連の個々のトリガー・イベントによって引き起こされるトリガリング)、並びにソフトウェア・トリガー(ユーザ定義の信号波形)を含むが、それらに限定されない。
【0071】
オシロスコープ320は、2ワイヤ・プロセス・ループ412を通じて伝送するための限られた量のデータをオシロスコープ320に取り込ませて格納させるトリガー・イベントを含む。この示されている実施例においては、単一のデータ取り込みは、低解像度で相対的に短い取り込みウィンドウに関する3キロバイトのデータから、高解像度で相対的に長い取り込みウィンドウに関する約30キロバイトのデータに及ぶ。詳細さと、フィールドバス・ネットワークを介した長いデータ伝送時間とのバランスの柔軟性を提供するために、中間のデータ取り込みが提供される。例示されているオシロスコープ320は、トリガーされるイベントのタイプに基づいてデフォルトのサンプリング・レートを設定する。詳細さと、データ伝送時間とのバランスを最適化するために、高い周波数のイベントは、より高いサンプリング・レート及びより短い取り込みウィンドウのデフォルト選択という結果となり、その一方で、より低い周波数のイベントは、より低いサンプリング・レート及びより長い取り込みウィンドウのデフォルト選択という結果となる。
【0072】
図15は、2ワイヤ・プロセス・ループ314をモニタしている間にオシロスコープ320によって認識されることが可能である限られたデータ・トリガー・イベントのうちのいくつか(ただし、必ずしもすべてではない)を示している。これらのトリガー・イベントは、「トリガー・イベント・ボックス」によって表されており、時間軸に沿ったトリガー・イベント・ボックスの幅は、トリガー・イベントに関連したデータが記録及び格納されるタイム・インターバルを表している。イベント・ボックスをサンプリングして生成及び格納されたデータの量は、前述のようにサンプリング・レートの関数である。
【0073】
トリガー・イベント・ボックス344は、所与のタイム・スパン内に生じる指定の大きさを超える(正又は負の)電圧スパイクによって引き起こされたトリガー・イベントをカバーしている。電圧スパイクは、データ・フレームどうしの伝送の間における沈黙時間中に生じているところを示されているが、データ・フレーム内で生じることもある。オシロスコープは、電圧スパイク・データをデジタル化して保存し、そしてまた、トリガー・イベント・ボックスの幅によって表されるスパイク前及びスパイク後の信号データを保存する。電圧スパイクは、限られた持続時間のイベントであるので、オシロスコープ320からループ412を通じて伝送されることになる相対的に高いサンプリング・レートでさえ生成された相対的に少ない数のデータ・ポイントがある。
【0074】
トリガー・イベント・ボックス346は、データ・フレームの始まりによって引き起こされたトリガー・イベントをカバーしている。記録されたデータは、データ・フレームの始まりの直前の沈黙時間のうちのいくらか、及びデータ・フレームのスタート・ビットのうちのいくつか(FOUNDATION FIELDBUS H1データ・フレームのプリアンブルの最初の1つ又は2つのビットなど)をカバーしている。トリガー・イベント・ボックス348は、データ・フレームの終わりによって引き起こされたトリガー・イベントをカバーしている。記録されたデータは、データ・フレームのエンド・ビットのうちのいくつか、及びデータ・フレームの終わりの直後の沈黙時間のうちのいくらか(FOUNDATION FIELDBUS H1データ・フレームのエンド・デリミタの最後の1つ又は2つのビットなど)をカバーしている。トリガー・イベント・ボックス346、348はそれぞれ、全体としてのデータ・フレームと比較して相対的に短い持続時間であるので、オシロスコープ320からループ412を通じて伝送されることになる相対的に高いサンプリング・レートでさえ生成された相対的に少ない数のデータ・ポイントがある。
【0075】
オシロスコープ320はまた、相対的に多くの量のデータを生成するトリガー・イベントを含み、そのようなトリガー・イベントを選択すると、オシロスコープ320がループ412を通じてデータを伝送するのに、専用の通信回線を介した伝送と比較して、相対的に長い時間が必要となるであろうということをユーザは認識する。
【0076】
そのようなより大きなデータのトリガー・イベントの例が、
図16においても示されている。トリガー・イベント・ボックス350は、データ・フレームの伝送によって引き起こされたトリガー・イベントをカバーしている。記録されたデータは、データ・フレームの始まりの直前の沈黙時間のうちのいくらか、データ・フレームそのもの、及びデータ・フレームの始まりの直後の沈黙時間のうちのいくらかをカバーしている。トリガー・イベント・ボックス352は、データ・フレームどうしの間における沈黙時間によってトリガーされたトリガー・イベントをカバーしている。
【0077】
トリガー・イベントは、ユーザによって選択された特定のフィールド・デバイスがデータを伝送したときにのみ生じるようにセットアップされることが可能であり、又は仕様から外れたイベントが生じたときにトリガーするようにセットアップされることが可能であり、又は従来のオシロスコープ・フィールドバス・モニタリングの技術分野において知られているユーザによって選択可能なその他のトリガー・イベントであることが可能である。
【0078】
上述のトリガー・イベントを使用して時間ドメイン・データを生成することに加えて、分析/コントロール回路338はまた、スペクトル・アナライザ回路353(
図17を参照されたい)を含み、スペクトル・アナライザ回路353は、たとえば従来の高速フーリエ変換分析を使用して、時間ドメイン・データを周波数ドメイン・データに変換し、周波数スペクトル・データを保存する。周波数ドメイン・データは、フィールドバス・ネットワークの物理レイヤに関する貴重な情報を提供する。たとえば、50/60Hzのピークは、ACメイン電力ライン・ピックアップに起因するノイズを示唆している。より高い周波数ピークは、電源切り替えノイズ、デジタル回路ノイズなどを示唆している可能性がある。
【0079】
ユーザが、データ信号ビット周波数と比較して相対的に低い周波数ピークに関心がある場合(たとえば、ユーザがFOUNDATION FIELDBUS H1ネットワーク上での50/60Hzのピークに関心があるとき)には、オシロスコープ320は、関心のある周波数に見合ったさらに低いサンプリング・レートでデータをサンプリングするように設定されることが可能である。オシロスコープ320は、低いサンプリング・レートでトリガー・イベント・ボックス352を利用して50/60Hzのピークを検知することができ、複数のトリガー・イベント・ボックス352からのデータを使用して周波数ドメイン分析のための十分なデータを得ることができる。
【0080】
オシロスコープ320は、相対的に多くの量の時間ドメイン・データ又は周波数ドメイン・データを生成することができる。そのようなデータは、ループ314を通じた(ユーザにとって)許容できないほど長い伝送時間を必要とする場合がある。伝送時間を減らすために、オシロスコープ320は、ループ314を通じた伝送時間を減らしながら効果的な診断データをユーザに提供するさらなる機能を含む。例示されているオシロスコープ320は、関連データを視覚化するイメージを生成する回路と、関連データに基づいてテキストベースのレポートを生成するレポート・ライタとを含む。
【0081】
分析/コントロール論理回路338は、視覚化回路354をさらに含み、視覚化回路354は、保存されたデータ(時間ドメイン・データ又は周波数ドメイン・データ)に基づいてイメージを生成し、そのイメージを、標準化されたイメージ・ファイル・フォーマット(たとえば、JPG、TIFF、BMP、GIFなど)のファイルとして保存する。
図17を参照されたい。保存されたイメージ・ファイルは、従来のイメージ圧縮技術を使用して圧縮されることが可能である。
【0082】
図18は、トリガー・イベント・ボックス350から保存されたデータから生成されたイメージ・ファイル内に格納されているイメージ356を示している。イメージ356は、曲線又は関数358としてプロットされている信号データを含み、データ・フレームがプロトコルにどれぐらいよく準拠しているかをユーザが視覚化するのを補助するフィールドバス物理レイヤ仕様のACデータ信号の電圧上限及び電圧下限を表す視覚化境界ライン360及び362をさらに含む。
【0083】
イメージ356は、信号データがどのようにプロットされるか、どの信号データがプロットされるか、及び、信号データをユーザが評価するのを補助するためにどんなその他の視覚化デバイス、ラベル、又はマーキングをイメージ内に組み込むことができるかに関して限定的であることを意図されているものではない。
【0084】
選択する元になる事前に定義された複数のイメージ・タイプ及びイメージ・フォーマットをオシロスコープ320がユーザに提供することが考えられる。たとえば、ユーザは、信号強度を周波数の関数としてプロットするイメージを生成するために使用される時間ドメイン・データから得られた周波数ドメイン・データを使用してイメージを生成するようにも分析/論理回路338に指示することができる。
【0085】
再び
図17を参照すると、分析/コントロール論理回路338はまた、オシロスコープ・データに基づいてテキストベースのレポートを生成するレポート・ライティング回路364を含む。たとえば、レポート・テキストは、データ・フレーム16の波形が物理レイヤ仕様に準拠しているということを単に述べることができる。テキスト・レポートは、ASCII又はUNICODEフォーマットで作成され、ループ314を通じて伝送される。時間ドメイン及び周波数ドメインの両方において選択する元になる事前に定義された複数のレポート・タイプをオシロスコープ320がユーザに提供することが考えられる。さらに他の可能な実施例においては、レポート・テキストは、「合格/不合格」又は「はい/いいえ」又はその他のバイナリー基準を示すブーリアン型のデータ・ビットから構成されることが可能である。
【0086】
フィールド・デバイス310は、特定の重大なトリガー・イベントが発生した場合には、スケジュールされていないデータ・フレーム又はメッセージを、フィールドバスのスケジュールされていないデータ伝送プロトコルに従ってループ314を通じて伝送するように構成されている。たとえば、フィールド・デバイス310は、電圧スパイクが所与の大きさを超えた場合、又は電圧スパイクが所与の最小周波数で生じた場合には、スケジュールされていないデータ・フレームを伝送することができる。
【0087】
フィールド・デバイス310はまた、新たなトリガー・イベント、イメージ又はテキストに基づく報告、ユーティリティー・オペレーションなどを定義するオシロスコープ320及び/又はマイクロプロセッサ322のためのプログラミングを含む2ワイヤ・ループ412からのデータを受信する。
【0088】
フィールド・デバイス310のマイクロプロセッサ322は、フィールド・デバイス310のための数値処理、イメージ処理、レポート処理などのうちのいくつか又はすべてを実行することができる。その他の可能な実施例においては、マイクロプロセッサ322を除去することができ、マイクロプロセッサの機能は、もっぱらオシロスコープ320によって実行されることが可能である。
【0089】
さらに他の可能な実施例においては、フィールド・デバイス310は、2ワイヤ・ループ412又は連結されているスプールのその他の物理的な特徴に関するデータをモニタ、測定、及び伝送するためにフィールド・デバイス端子312を通じて2ワイヤ・ループ412に接続されている従来の物理レイヤ診断回路を含むことができる。
【0090】
またさらなる可能な実施例においては、フィールド・デバイス310を診断スプール・モジュール114内に組み込むことができる。
【0091】
本明細書において開示され、非限定的な実施例のモジュラー・デバイス・カプラ110において例示されているモジュラー・デバイス・カプラの特徴は、下記の特徴を単独で、又は1つ若しくは複数のその他の特徴との任意の組合せで含むが、必ずしもそれらに限定されない。
【0092】
1.フィールドバス・ネットワークのためのモジュラー・デバイス・カプラであって、ネットワークを介して電力及びデータを伝送するトランク・ラインと、トランク・ラインから延びている1つ又は複数のスプールとを結合し、
ゲートウェイ・モジュール、少なくとも1つのスプール・カプラ・モジュール、及びローカル・バスを含み、ローカル・バスが、トランク・ラインから切り離されており、
ゲートウェイ・モジュールが、トランク・ラインを介して通信を行うように構成されている第1の回路と、トランク・ラインからゲートウェイ・モジュールに電力供給するための第2の回路と、ローカル・バスを介して少なくとも1つのスプール・カプラ・モジュールと通信するように構成されている第3の回路とを含み、
それぞれの少なくとも1つのスプール・カプラ・モジュールが、トランク・ラインからそれぞれのスプール・カプラ・モジュールに電力供給するように構成されている第1の回路と、スプールと通信するように構成されている第2の回路と、ローカル・バスを介してゲートウェイ・モジュールと通信するように構成されている第3の回路とを含む、モジュラー・デバイス・カプラ。
【0093】
2.ゲートウェイ・モジュールの第1の回路が、ゲートウェイ・モジュールにもっぱら電力供給して、その他のいかなるモジュールにも電力供給しないように構成されている、特徴1に記載のモジュラー・デバイス・カプラ。
【0094】
3.ゲートウェイ・モジュールが、トランク・ラインからローカル・バスに電力供給する第4の回路を含み、それぞれの少なくとも1つのスプール・カプラ・モジュールの第1の回路が、ローカル・バスからそれぞれのスプール・カプラ・モジュールに電力供給するように構成されている、特徴1に記載のモジュラー・デバイス・カプラ。
【0095】
4.それぞれの少なくとも1つのスプール・カプラ・モジュールの第1の回路が、それぞれのスプール・カプラ・モジュールに連結されているスプールに電力供給するように構成されている回路を含む、特徴3に記載のモジュラー・デバイス・カプラ。
【0096】
5.それぞれの少なくとも1つのスプール結合モジュールの第1の回路が、それぞれのスプール・カプラ・モジュールのその他の回路から絶縁されている、特徴4に記載のモジュラー・デバイス・カプラ。
【0097】
6.ローカル・バスが、ゲートウェイ・モジュールと、それぞれの少なくとも1つのカプラ・モジュールとの間における通信のためのシリアル通信バスを含む、特徴1に記載のモジュラー・デバイス・カプラ。
【0098】
7.シリアル通信バスを介して通信を伝送するように構成されているバックプレーン接続システムをさらに含む、特徴6に記載のモジュラー・デバイス・カプラ。
【0099】
8.トランク・ラインと、それぞれの少なくとも1つのスプール・カプラ・モジュールとの間における通信のために1つのゲートウェイ・モジュールが必要とされるだけである、特徴7に記載のモジュラー・デバイス・カプラ。
【0100】
9.さらなる1つ又は複数のスプール・カプラ・モジュールが、トランク・ラインと、さらなる1つ又は複数のスプールとの間における通信を可能にするためにバックプレーン接続システムに連結されることが可能である、特徴8に記載のモジュラー・デバイス・カプラ。
【0101】
10.ゲートウェイ・モジュールの第1の回路が、FOUNDATION FIELDBUSプロトコル、PROFIBUSプロトコル、HARTプロトコル、MODBUSプロトコル、及びイーサネット(登録商標)ベースのプロトコルのうちの1つを使用してトランクと通信するように構成されている、特徴1に記載のフィールドバス・カプラ。
【0102】
11.それぞれの少なくとも1つのスプール・カプラ・モジュールが、それぞれのカプラ・モジュールに連結されているスプールの物理レイヤ診断を測定して提供するように構成されている物理レイヤ診断デバイスを含む、前述の特徴のうちのいずれか1つに記載のモジュラー・デバイス・カプラ。
【0103】
12.それぞれの少なくとも1つのスプール・カプラ・モジュールの物理レイヤ診断デバイスが、ゲートウェイ・モジュールとのみ通信して、その他のいかなるモジュールとも通信しないように構成されている、特徴11に記載のモジュラー・デバイス・カプラ。
【0104】
13.それぞれの少なくとも1つのスプール・カプラ・モジュールの物理レイヤ診断デバイスと、ゲートウェイ・モジュールとの間におけるすべての通信がローカル・バスを通る、特徴12に記載のモジュラー・デバイス・カプラ。
【0105】
14.それぞれのスプール・カプラ・モジュールの物理レイヤ診断デバイスが、もっぱらローカル・バスから電力供給される、特徴11に記載のモジュラー・デバイス・カプラ。
【0106】
本明細書において開示され、非限定的な実施例のモジュラー・フィールドバス・カプラ210において例示されているフィールドバス・カプラの特徴は、下記の特徴を単独で、又は1つ若しくは複数のその他の特徴との任意の組合せで含むが、必ずしもそれらに限定されない。
【0107】
1.第1のフィールドバス・プロトコルを利用するローカル・フィールドバス・ネットワークを、第1のフィールドバス・プロトコルとは異なる第2のフィールドバス・プロトコルを利用する相互接続しているネットワーク伝送ラインを通じて、フォーリン・フィールド・デバイス又はフォーリン・フィールドバス・ネットワークに結合するためのフィールドバス・カプラであって、
第1のフィールドバス・プロトコルを使用してローカル・フィールドバス・ネットワークを介して通信を行うように構成されている第1の回路と、
フィールドバス・カプラを、相互接続しているネットワーク伝送ラインと接続して、第2のフィールドバス・プロトコルを使用して、相互接続しているネットワーク伝送ラインを介して通信を行うように構成されている第2の回路と、
第1及び第2の回路と通信するように構成されていて、相互接続しているネットワーク伝送ラインを介して、ローカル・フィールドバス・ネットワークと、フォーリン・フィールドバス・ネットワーク又はフォーリン・フィールドバス・デバイスとの間における通信を可能にするために第1及び第2の回路との間でデータを伝送することができる第3の回路とを含むフィールドバス・カプラ。
【0108】
2.第2の回路が、有線フィールドバス・プロトコルを使用して、相互接続しているネットワーク伝送ラインと通信するように構成されている、特徴1に記載のフィールドバス・カプラ。
【0109】
3.第2の回路が、ワイヤレス・フィールドバス・プロトコルを使用して、相互接続しているネットワーク伝送ラインと通信するように構成されている、特徴1に記載のフィールドバス・カプラ。
【0110】
4.ローカル・フィールドバス・ネットワークから、相互接続しているネットワーク伝送ラインにもっぱら電力供給するように構成されている第4の回路を含む、特徴1に記載のフィールドバス・カプラ。
【0111】
5.第4の回路が、第1の回路から電気的に絶縁されている、特徴4に記載のフィールドバス・カプラ。
【0112】
6.第3の回路が、ローカル・フィールドバス・ネットワークから切り離されているローカル・バスを通じて第1の回路と通信する、特徴1に記載のフィールドバス・カプラ。
【0113】
7.第1の回路が、FOUNDATION FIELDBUS有線プロトコル、PROFIBUS有線プロトコル、HART有線プロトコル、MODBUS有線プロトコル、及びイーサネット(登録商標)ベースの有線プロトコルのうちの1つを使用してローカル・フィールドバス・ネットワークと通信するように構成されており、第2の回路が、FOUNDATION FIELDBUS有線プロトコル、PROFIBUS有線プロトコル、HART有線プロトコル、MODBUS有線プロトコル、イーサネット(登録商標)ベースの有線プロトコル、WIRELESSHARTワイヤレス・プロトコル、ZIGBEEワイヤレス・プロトコル、PROFIBUSワイヤレス・プロトコル、及びFOUNDATION FIELDBUSワイヤレス・プロトコルのうちの別の1つを使用して、相互接続しているネットワーク伝送ラインと通信するように構成されている、特徴1に記載のフィールドバス・カプラ。
【0114】
8.第1の回路が、ローカル・フィールド・バス・ネットワーク及び第3の回路の両方との双方向通信を行うことができる、特徴1に記載のフィールドバス・カプラ。
【0115】
9.第2の回路が、第2のフィールドバス・プロトコルを使用するネットワーク伝送ラインの1つの端部に連結されており、その伝送ラインが、やはり第2のフィールドバス・プロトコルを使用するフォーリン・フィールドバス・デバイス又はフォーリン・フィールドバス・ネットワークに連結されている第2の端部を含む、特徴1に記載のフィールドバス・カプラ。
【0116】
10.第2の回路が、第2のフィールドバス・プロトコルを使用するネットワーク伝送ラインの1つの端部に連結されており、その伝送ラインが、第2のプロトコルとは異なるフィールドバス・プロトコルを使用するフォーリン・フィールドバス・デバイス又はフォーリン・フィールドバス・ネットワークに連結されている第2の端部を含む、特徴1に記載のフィールドバス・カプラ。
【0117】
11.第2のフィールドバス・カプラが、伝送ラインと、フォーリン・フィールドバス・デバイス又はフォーリン・フィールドバス・ネットワークとの間における通信のために、伝送ラインの第2の端部をフォーリン・フィールドバス・デバイス又はフォーリン・フィールドバス・ネットワークに接続する、特徴10に記載のフィールドバス・カプラ。
【0118】
12.ゲートウェイ・モジュール、少なくとも1つのカプラ・モジュール、及びローカル・バスを含み、
ゲートウェイ・モジュールが、第1の回路を含み、
少なくとも1つのカプラ・モジュールのそれぞれが、第2の回路及び第3の回路を含み、それぞれのカプラ・モジュールが、それぞれの伝送ラインと通信するためにそれぞれの相互接続しているネットワーク伝送ラインに接続可能であり、
第1の回路が、ローカル・バスを介してそれぞれの少なくとも1つのカプラ・モジュールの第3の回路と通信し、
ローカル・バスが、ローカル・フィールドバス・ネットワークから切り離されている、
特徴1に記載のフィールドバス・カプラ。
【0119】
13.ゲートウェイ・モジュールが、ローカル・フィールドバス・ネットワークからローカル・バスに電力供給するための第4の回路を含み、それぞれの少なくとも1つのカプラ・モジュールが、ローカル・バスから少なくとも1つのカプラ・モジュールにもっぱら電力供給するための第5の回路を含む、特徴12に記載のフィールドバス・カプラ。
【0120】
14.それぞれの少なくとも1つのカプラ・モジュールの第2の回路が、それぞれのカプラ・モジュールの第3の回路及び第4の回路から絶縁されている、特徴13に記載のフィールドバス・カプラ。
【0121】
15.それぞれの少なくとも1つのカプラ・モジュールが、ローカル・バスからそれぞれのカプラ・モジュールに連結されている相互接続しているネットワーク伝送ラインにもっぱら電力供給する第6の回路を含む、特徴13に記載のフィールドバス・カプラ。
【0122】
16.それぞれの少なくとも1つのカプラ・モジュールの第6の回路が、それぞれのカプラ・モジュールの第2及び第3の回路から絶縁されている、特徴13に記載のフィールドバス・カプラ。
【0123】
17.ローカル・バスが、ゲートウェイ・モジュールと、それぞれの少なくとも1つのカプラ・モジュールとの間における通信のためのシリアル通信バスを含む、特徴12に記載のフィールドバス・カプラ。
【0124】
18.シリアル通信バスを介して通信を伝送するように構成されているバックプレーン接続システムをさらに含む、特徴17に記載のフィールドバス・カプラ。
【0125】
19.さらなる1つ又は複数のカプラ・モジュールが、ローカル・フィールドバス・ネットワークと、さらなる1つ又は複数のフォーリン・フィールドバス・デバイス又はフォーリン・フィールドバス・ネットワークとの間における通信を可能にするためにバックプレーン接続システムに連結されることが可能である、18に記載のフィールドバス・カプラ。
【0126】
20.ローカル・フィールドバス・ネットワークと、それぞれの少なくとも1つのカプラ・モジュールとの間における通信のために1つのゲートウェイ・モジュールが必要とされるだけである、特徴12に記載のフィールドバス・カプラ。
【0127】
21.ゲートウェイ・モジュールの第1の回路が、ローカル・フィールドバス・ネットワークとの双方向通信を行うことができ、それぞれの少なくとも1つのカプラ・モジュールの第3の回路との双方向通信を行うことができる、特徴12に記載のフィールドバス・カプラ。
【0128】
22.少なくとも1つのカプラ・モジュールが、2つのカプラ・モジュールを含み、それらの2つのカプラ・モジュールの第2の回路どうしが、別々のフィールドバス・プロトコル用に構成されている、特徴12に記載のフィールドバス・カプラ。
【0129】
23.少なくとも1つのカプラ・モジュールが、2つのカプラ・モジュールを含み、それらの2つのカプラ・モジュールの第2の回路どうしが、同じフィールドバス・プロトコル用に構成されている、特徴12に記載のフィールドバス・カプラ。
【0130】
24.それぞれの少なくとも1つのカプラ・モジュールが、伝送ラインに関する物理レイヤ診断データを提供するために、それぞれのカプラ・モジュールに接続されている伝送ラインに電気的に接続されるように構成されている物理レイヤ診断回路を含む、特徴12に記載のフィールドバス・カプラ。
【0131】
本明細書において開示されているオシロスコープを含み、非限定的な実施例のフィールドバス診断デバイス310において例示されているフィールドバス診断デバイスの特徴は、下記の特徴を単独で、又は1つ若しくは複数のその他の特徴との任意の組合せで含むが、必ずしもそれらに限定されない。
【0132】
1.伝送ラインを介して電力及びデータの両方を搬送するフィールドバス・ネットワークのための診断デバイスであって、データが、アナログ波形を含む電気信号として伝送ラインを介して伝送され、診断デバイスが、
診断デバイスを伝送ラインと電気的に接続するように構成されている端子のセットと、
フィールドバス・ネットワークを介して通信を行うために端子に接続されている第1の回路であり、診断デバイスへと入る、及び診断デバイスから出る唯一の通信パスである第1の回路と、
その他のいかなる電力源も伴わずに伝送ラインから診断デバイスにもっぱら電力供給するために端子に接続されている第2の回路と、
波形データをデジタル化する目的でオシロスコープを伝送ラインと接続するために端子のセットに接続されているオシロスコープであり、伝送ラインから受け取られる電力によってもっぱら電力供給され、また、オシロスコープへと入る、及びオシロスコープから出るデータ通信のために第1の回路に接続されているオシロスコープとを含み、
オシロスコープが、有限な持続時間を有するトリガー・イベント・ボックスを定義する、ユーザによって選択可能なトリガー・イベントを生成するトリガー検知器と、メモリと、トリガー・イベント・ボックス内のフィールドバス信号をデジタル化するためのアナログ/デジタル・コンバータと、デジタル化されたデータをメモリ内に格納する、メモリに結合されている分析/コントロール論理回路と、フィールドバス・ネットワークとオシロスコープとの間における通信のためにメモリを第1の回路と通信させる通信インターフェースとを含む、診断デバイス。
【0133】
2.トリガー・イベント・ボックスに関連したデータを、そのトリガー・イベント・ボックスに関連したすべてのデータがメモリ内に格納された後に転送するように構成されている、特徴1に記載の診断デバイス。
【0134】
3.データが、データ・フレームの始まりにおける最初のビット、データ・フレームの終わりにおけるその最初のビットの後に時間を空けた最後のビット、及び1つ又は複数の中間ビットを表すアナログ波形を伴うデータ・フレームとしてネットワーク上で伝送され、トリガー検知器が、最初のビットの始まりの前に開いてデータ・フレームの終わりの前に閉じるトリガー・イベント・ボックスを開くように構成されている、特徴1に記載の診断デバイス。
【0135】
4.データが、データ・フレームの始まりにおける最初のビット、その最初のビットの後に時間を空けた最後のビット、及び1つ又は複数の中間ビットを表すアナログ波形を伴うデータ・フレームとしてネットワーク上で伝送され、トリガー検知器が、データ・フレームの始まりの後に開いて最後のビットの終わりの後に閉じるトリガー・イベント・ボックスを開くように構成されている、特徴1に記載の診断デバイス。
【0136】
5.データが、最初のビット、その最初のビットの後に時間を空けた最後のビット、及び1つ又は複数の中間ビットを表すアナログ波形を伴うデータ・フレームとしてネットワーク上で伝送され、トリガー検知器が、データ・フレームの始まりの前に開いてデータ・フレームの終わりの後に閉じるトリガー・イベント・ボックスを開くように構成されている、特徴1に記載の診断デバイス。
【0137】
6.トリガー検知器が、フィールドバス・ネットワーク上で通信している所定のフィールド・デバイスによって生成された波形を検知したときにのみトリガー・イベント・ボックスを開くように構成されている、特徴3から5までのいずれか1つに記載の診断デバイス。
【0138】
7.トリガー・デバイスが、所定の大きさを超える電圧スパイクを含むトリガー・イベント・ボックスを開くように構成されている、特徴1に記載の診断デバイス。
【0139】
8.トリガー・イベント・ボックスが、電圧スパイクの始まりの前に開き、電圧スパイクの終わりの後に閉じる、特徴7に記載の診断デバイス。
【0140】
9.データが、データ・フレームどうしの間における沈黙時間によって隔てられているデータ・フレームとしてネットワーク上で伝送され、トリガー検知器が、1つの沈黙時間中に開いて閉じるトリガー・イベント・ボックスを開くように構成されている、特徴7に記載の診断デバイス。
【0141】
10.オシロスコープが、そのオシロスコープのサンプリング・レートを特定するクロックを含み、そのサンプリング・レートが、最小のサンプリング・レートと、最大のサンプリング・レートとの間においてユーザによって選択可能である、特徴1に記載の診断デバイス。
【0142】
11.トリガー検知器が、オシロスコープのサンプリング・レートに反比例する持続時間にわたって開いたままでいた後に閉じるトリガー・イベント・ボックスを開く、特徴10に記載の診断デバイス。
【0143】
12.アナログ/デジタル・コンバータが、時間ドメイン・データを生成し、分析/コントロール論理回路が、時間ドメイン・データから周波数ドメイン・データを生成して格納するスペクトル・アナライザ回路を含む、特徴1に記載の診断デバイス。
【0144】
13.スペクトル・アナライザ回路が、時間ドメイン・データの高速フーリエ変換分析を実行することができる、特徴12に記載の診断デバイス。
【0145】
14.分析/コントロール論理回路が、メモリ内に格納されているオシロスコープ・データからイメージを生成して、そのイメージ・データをメモリ内に格納するように構成されている視覚化回路を含む、特徴1又は特徴12に記載の診断デバイス。
【0146】
15.視覚化回路が、JPG又はJPEGフォーマット、TIFFフォーマット、BMPフォーマット、及びGIFフォーマットというイメージ・フォーマットのうちの少なくとも1つでイメージを生成して格納するように構成されている、特徴14に記載の診断デバイス。
【0147】
16.視覚化回路が、オシロスコープ・データから生成されたイメージに加えてラベル又はマーキングを含めるように構成されている、特徴14に記載の診断デバイス。
【0148】
17.ラベル又はマーキングが、フィールドバス・ネットワークに関する物理レイヤ仕様に基づく、特徴16に記載の診断デバイス。
【0149】
18.分析/コントロール論理回路が、メモリ内に格納されているオシロスコープ・データからレポートを生成して、そのレポートをメモリ内に格納するレポート・ライタを含む、特徴1又は特徴12に記載の診断デバイス。
【0150】
19.レポートが、トリガー・イベント・ボックス内で測定された波形又は波形の一部がフィールドバス・ネットワークの少なくとも1つの物理レイヤ仕様に準拠しているか否かを示す、特徴18に記載の診断デバイス。
【0151】
20.データが、データ・フレームとしてネットワーク上で伝送され、それらのデータ・フレームが、オシロスコープから診断デバイスを介してフィールドバス・ネットワークへ伝送され、それらのデータ・フレームがそれぞれ、一意の識別子を表すデータを含み、その識別子が、たとえオシロスコープ・データ・フレームが正しい時間順序から外れて送信又は受信されても、それらのデータ・フレームが正しい時間順序で配置されることを可能にする、特徴1に記載の診断デバイス。
【0152】
21.物理レイヤ診断回路をさらに含み、その物理レイヤ診断回路が、伝送ラインから受け取られる電力によってもっぱら電力供給され、また、その物理レイヤ診断回路の間におけるデータ通信のために第1の回路に接続されている、特徴1に記載の診断デバイス。
【0153】
1つ又は複数の実施例について説明してきたが、これは修正が可能であるということ、及び本開示は、述べられている厳密な詳細に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の範疇内に収まる変更及び改変を含むということがわかる。