(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記航路作成手段は、前記表示操作装置が前記航路入力状態のとき、前記表示操作装置の操作により前記経由地点または前記到着地点の一点が入力されると、入力された前記経由地点または前記到着地点を中心とした所定の半径の補助円を前記表示操作装置に表示する、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような航海計画を立てる際、過去の航海情報から適切な航路を選択したり、他の船舶が航海した際に収集した地理情報等を参照したりすることで、効率的に航海計画を立てることが可能であるため、他の装置と航路作成情報等を共有できることが望ましい。しかしながら、特許文献1に記載の航路計画装置は、航路作成情報を共有することが可能な構成にはなっていない。
【0007】
そこで本発明は、海図が表示されている画面上で航路を作成することが可能であり、作成した航路作成情報が管理装置との間で送受信され、複数の管理装置の間で共有化されて他の表示装置等でも参照可能な航海計画立案補助装置及び航海計画立案補助システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、海図情報及び陸上地形情報に基づいて海図を表示し、入力情報を受け付ける表示操作装置と、前記表示操作装置にて所定の操作が行われると、前記表示操作装置を航路入力状態に切り替える入力モード切替手段と、前記表示操作装置が前記航路入力状態のとき、前記表示操作装置の操作により船舶が航海する航路の出発地点、経由地点、及び到着地点が入力されると、前記出発地点、前記経由地点、及び前記到着地点の緯度及び経度を算出し、航路作成情報を生成して前記表示操作装置に表示する航路作成手段と、前記入力モード切替手段により前記表示操作装置が前記航路入力状態に切り替えられたとき、前記航路作成手段を起動する制御手段と、外部から前記海図情報及び前記陸上地形情報を受信し、前記外部との間で前記航路作成情報の送受信を行う通信手段と、を備え
、前記航路作成手段は、前記表示操作装置が前記航路入力状態のとき、前記表示操作装置の操作により前記経由地点または前記到着地点の一点が入力されると、入力された前記経由地点または前記到着地点の1つ前に入力された前記出発地点または前記経由地点から入力された前記経由地点または前記到着地点までを直線で結んだ航路線を前記表示操作装置に表示し、また、前記航路線が入力された前記経由地点または前記到着地点方向に延伸された延伸補助線と、入力された前記経由地点または前記到着地点にて前記延伸補助線と直角に交差する直角補助線と、を前記表示操作装置に表示する、ことを特徴とする航海計画立案補助装置である。
【0009】
この発明によれば、表示操作装置が入力モード切替手段により切り替えられて航路入力状態のとき、表示操作装置の操作により船舶が航海する航路の出発地点、経由地点、及び到着地点が入力されると、航路作成手段により出発地点、経由地点、及び到着地点の緯度及び経度を算出し、航路作成情報が生成されて表示操作装置に表示される。この航路作成情報は、通信手段によって外部との間で送受信される。
【0012】
請求項
2に記載の発明は、請求項
1に記載の航海計画立案補助装置において、前記延伸補助線及び前記直角補助線には、前記海図の縮尺に基づく距離を示す目盛りが設けられている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項
3に記載の発明は、請求項
1または2のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において、前記航路作成手段は、前記表示操作装置が前記航路入力状態のとき、前記表示操作装置の操作により前記経由地点または前記到着地点の一点が入力されると、入力された前記経由地点または前記到着地点を中心とした所定の半径の補助円を前記表示操作装置に表示する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項
4に記載の発明は、請求項
3に記載の航海計画立案補助装置において、前記補助円の所定の半径は、所定の操作により変更自在である、ことを特徴とする。
【0015】
請求項
5に記載の発明は、請求項
1ないし
4のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において、前記航路作成手段は、前記延伸補助線及び前記直角補助線を表示する状態と、前記延伸補助線及び前記直角補助線を表示しない状態とを切替可能であり、前記補助円を表示する状態と、前記補助円を表示しない状態とを切替可能である、ことを特徴とする。
【0016】
請求項
6に記載の発明は、請求項1ないし
5のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において、前記航路作成手段は、前記航路が、前記海図情報及び前記陸上地形情報の注意喚起領域を通過する場合、注意喚起情報を表示し、前記航路が、前記海図情報及び前記陸上地形情報の航行不能領域を通過する場合、航行不能情報を表示する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項
7に記載の発明は、請求項1ないし
6のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において、前記入力モード切替手段は、前記表示操作装置にて所定の操作が行われると、前記表示操作装置を手書き入力状態に切り替え
、前記表示操作装置が前記手書き入力状態のとき、前記表示操作装置の操作によって手書きによる文字または描画が入力されると、該入力箇所を着色し、手書き情報を生成して前記表示操作装置に表示する手書き手段を備え、前記制御手段は、前記入力モード切替手段により前記表示操作装置が前記手書き入力状態に切り替えられたとき、前記手書き手段を起動し、前記通信手段は、前記外部との間で前記手書き情報の送受信を行う、ことを特徴とする。
【0018】
請求項
8に記載の発明は、請求項
7に記載の航海計画立案補助装置において、前記手書き手段は、前記手書き情報が前記表示操作装置に表示されるときの色、太さ、または透過率を変更可能である、ことを特徴とする。
【0019】
請求項
9に記載の発明は、請求項
7または
8のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において、前記手書き情報は、前記表示操作装置の表示範囲が拡大または縮小されたとき、前記表示操作装置の拡大または縮小に合わせて拡大または縮小して表示される、ことを特徴とする。
【0020】
請求項
10に記載の発明は、請求項1ないし
9のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において、前記入力モード切替手段は、前記表示操作装置にて所定の操作が行われると、前記表示操作装置を定型文入力状態に切り替え
、前記表示操作装置が前記定型文入力状態のとき、航海する際に必要なイベントの一覧を表示し、前記表示操作装置の操作により前記航路作成情報に基づいて航海する際に前記イベントを行う位置が入力されると、前記イベントを行う位置の緯度及び経度、並びに時刻を示す定型文情報を生成して前記表示操作装置に表示する定型文手段を備え、前記制御手段は、前記入力モード切替手段により前記表示操作装置が前記定型文入力状態に切り替えられたとき、前記定型文手段を起動し、前記通信手段は、前記外部との間で前記定型文情報の送受信を行う、ことを特徴とする。
【0021】
請求項
11に記載の発明は、請求項1ないし
10のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において、前記入力モード切替手段は、前記表示操作装置にて所定の操作が行われると、前記表示操作装置をアイコン入力状態に切り替え
、前記表示操作装置が前記アイコン入力状態のとき、海域の地理情報として前記海図に表示させる所定のアイコンの一覧を表示し、前記表示操作装置の操作により前記アイコンの種類が選択され、選択された前記アイコンを表示させる位置の緯度及び経度が入力されると、前記アイコンを表示させる位置の緯度及び経度、並びに前記アイコンの種類を示すアイコン情報を生成して前記表示操作装置に表示するアイコン手段を備え、前記制御手段は、前記入力モード切替手段により前記表示操作装置が前記アイコン入力状態に切り替えられたとき、前記アイコン手段を起動し、前記通信手段は、前記外部との間で前記アイコン情報の送受信を行う、ことを特徴とする。
【0022】
請求項
12に記載の発明は、請求項1ないし
11のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において、前記入力モード切替手段は、前記表示操作装置にて所定の操作が行われると、前記表示操作装置をメモ入力状態に切り替え
、前記表示操作装置が前記メモ入力状態のとき、前記表示操作装置の操作により前記海図に表示させる文言が入力され、前記海図の上に前記文言を表示させる位置が入力されると、前記文言を表示させる位置の緯度及び経度、並びに前記文言を示すメモ情報を生成して前記表示操作装置に表示するメモ手段を備え、前記制御手段は、前記入力モード切替手段により前記表示操作装置が前記メモ入力状態に切り替えられたとき、前記メモ手段を起動し、前記通信手段は、前記外部との間で前記メモ情報の送受信を行う、ことを特徴とする。
【0023】
請求項
13に記載の発明は、請求項1ないし
12のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において、前記入力モード切替手段は、前記表示操作装置にて所定の操作が行われると、前記表示操作装置を計測ツール使用状態に切り替え
、前記表示操作装置が前記計測ツール使用状態のとき、前記表示操作装置の操作により複数の点が入力されると、これら複数の点が入力された順にこれら複数の点の間の距離及び到達時間を算出し、これら複数の点の位置の緯度及び経度、並びに距離及び到達時間を示す計測ツール情報を生成して前記表示操作装置に表示する計測ツール手段を備え、前記制御手段は、前記入力モード切替手段により前記表示操作装置が前記計測ツール使用状態に切り替えられたとき、前記計測ツール手段を起動し、前記通信手段は、前記外部との間で前記計測ツール情報の送受信を行う、ことを特徴とする。
【0024】
請求項
14に記載の発明は、請求項1ないし
13のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において、前記入力モード切替手段は、前記表示操作装置にて所定の操作が行われると、前記表示操作装置を同心円入力状態に切り替え
、前記表示操作装置が前記同心円入力状態のとき、前記表示操作装置の操作により点が入力されると、この点を中心とする所定の間隔の半径を持つ複数の同心円を表示し、前記所定の間隔の距離が入力可能であり、この点の位置の緯度及び経度、並びに前記所定の間隔の距離を示す同心円表示情報を生成して前記表示操作装置に表示する同心円表示手段を備え、前記制御手段は、前記入力モード切替手段により前記表示操作装置が前記同心円入力状態に切り替えられたとき、前記同心円表示手段を起動し、前記通信手段は、前記外部との間で前記同心円表示情報の送受信を行う、ことを特徴とする。
【0025】
請求項
15に記載の発明は、請求項1ないし
14のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において、前記入力モード切替手段は、前記表示操作装置にて所定の操作が行われると、前記表示操作装置を海図情報表示状態に切り替え
、前記表示操作装置が前記海図情報表示状態のとき、前記表示操作装置の操作により点が入力されると、この点に基づいて予め記憶された所定の地理情報を前記表示操作装置に表示する海図情報取得手段を備え、前記制御手段は、前記入力モード切替手段により前記表示操作装置が前記海図情報表示状態に切り替えられたとき、前記海図情報取得手段を起動する、ことを特徴とする。
【0026】
請求項
16に記載の発明は、請求項1ないし
15のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において、前記入力モード切替手段は、前記表示操作装置にて所定の操作が行われると、前記表示操作装置をディバイダ入力状態に切り替え
、前記表示操作装置が前記ディバイダ入力状態のとき、前記表示操作装置の操作により複数の点が入力されると、これら複数の点の間の距離と、これら複数の点を結んだ線分の方位角とを算出して前記表示操作装置に表示するディバイダ手段を備え、前記制御手段は、前記入力モード切替手段により前記表示操作装置が前記ディバイダ入力状態に切り替えられたとき、前記ディバイダ手段を起動する、ことを特徴とする。
【0027】
請求項
17に記載の発明は、請求項1ないし
16のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において
、前記表示操作装置の操作により前記海図の縮尺に基づく定規を前記表示操作装置に表示する定規手段を備えた、ことを特徴とする。
【0028】
請求項
18に記載の発明は、請求項1ないし
17のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において
、前記表示操作装置の操作により前記表示操作装置の表示方向を変更する表示方向変更手段を備えた、ことを特徴とする。
【0029】
請求項
19に記載の発明は、請求項1ないし
18のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置において
、前記表示操作装置の操作により前記表示操作装置を明るく表示する日中表示状態と、暗く表示する夜間表示状態とを変更する表示輝度変更手段を備えた、ことを特徴とする。
【0030】
請求項
20に記載の発明は、請求項1ないし
19のいずれか1項に記載の航海計画立案補助装置と、前記航海計画立案補助装置と通信可能であり、前記海図情報及び前記陸上地形情報を記憶して前記航海計画立案補助装置へ送信する管理装置と、を備えた航海計画立案補助システムであって、前記管理装置は、前記航海計画立案補助装置が前記外部との間で送受信を行う情報を受信し、受信情報を記憶して送受信可能である、ことを特徴とする航海計画立案補助システムである。
【0031】
請求項
21に記載の発明は、請求項
20に記載の航海計画立案補助システムにおいて、前記管理装置は、前記受信情報を時系列に紐付くデータベースに記憶する、ことを特徴とする。
【0032】
請求項
22に記載の発明は、請求項
21に記載の航海計画立案補助システムにおいて、前記管理装置を複数備え、複数の前記管理装置は互いに通信可能であり、前記データベースは、複数の前記管理装置の間で共有化されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
請求項1に記載の発明によれば、表示操作装置の操作により船舶が航海する航路の出発地点、経由地点、及び到着地点が入力されると、航路作成手段により出発地点、経由地点、及び到着地点の緯度及び経度を算出し、航路作成情報が生成されて表示操作装置に表示され、航路作成情報が通信手段によって外部との間で送受信されるので、航路作成情報が外部との間で共有化されて他の表示装置等でも参照可能になるため、他の船舶の航路作成情報を参考にして効率的に航海計画を立てることが可能になる。また、表示操作装置が航路入力状態のとき、表示操作装置の操作により航路の出発地点、経由地点、及び到着地点が入力されると、出発地点、経由地点、及び到着地点の緯度及び経度を算出し、航路作成情報が生成される航路作成手段を備えたことにより、容易に航海計画を立てることが可能になる。
【0034】
請求項
1に記載の発明によれば、
また、1つ前に入力された出発地点または経由地点から、経由地点または到着地点までを直線で結んだ航路線が表示操作装置に表示されるので、生成された航路作成情報が海図上のどの位置を通るのかを明確に認識することができるため、より正確な航海計画を容易に立てることが可能になる。
【0035】
請求項
1に記載の発明によれば、
さらに、航路線が経由地点または到着地点方向に延伸された延伸補助線と、経由地点または到着地点にて延伸補助線と直角に交差する直角補助線とが表示操作装置に表示されるので、例えば灯台等の所定の目標物が真横に見えた時に変針する正横変針を行う場合、航路作成情報の経由地点または到着地点を所定の目標物が真横に見える位置に設定することができるため、航海計画において正横変針を行う経由地点を正確に決定することが可能になる。
【0036】
請求項
2に記載の発明によれば、延伸補助線及び直角補助線には、海図の縮尺に基づく距離を示す目盛りが設けられているので、正横変針を行うための所定の目標物までの距離を正確に把握することができるため、所定の目標物までの距離を考慮した航海計画を容易に立てることが可能になる。
【0037】
請求項
3に記載の発明によれば、経由地点または到着地点を中心とした所定の半径の補助円が表示操作装置に表示されるので、航路作成情報の経由地点または到着地点が、灯台等の所定の目標物や障害物からどの程度離れているか認識することができるため、所定の目標物や障害物を考慮した航海計画を容易に立てることが可能になる。
【0038】
請求項
4に記載の発明によれば、補助円の所定の半径が所定の操作により変更自在であるので、灯台等の所定の目標物や障害物からどの程度離れているかをより正確に認識することができるため、所定の目標物や障害物までの距離を考慮した航海計画を容易に立てることが可能になる。
【0039】
請求項
5に記載の発明によれば、延伸補助線及び直角補助線を表示する状態と表示しない状態とを切替可能であり、補助円を表示する状態と表示しない状態とを切替可能であるので、航海計画の際に必要に応じて、延伸補助線及び直角補助線と、補助円との表示/非表示を容易に切り替えることができる。
【0040】
請求項
6に記載の発明によれば、生成された航路作成情報の航路が、海図情報及び陸上地形情報の注意喚起領域を通過する場合、注意喚起情報を表示し、海図情報及び陸上地形情報の航行不能領域を通過する場合、航行不能情報を表示するので、安全に航行可能な航路を容易に選択することが可能になるため、効率的に航海計画を立てることが可能になる。
【0041】
請求項
7に記載の発明によれば、表示操作装置が手書き入力状態のとき、表示操作装置の操作によって手書きによる文字または描画が入力されると、その入力箇所が着色して手書き情報を生成する手書き手段を備えたことにより、航海中に必要な情報を記録しておくことが可能になる。また、手書き情報が通信手段によって外部との間で送受信されるので、手書き情報が共有化されて他の表示装置等でも参照可能になるため、手書き情報を参考にして効率的に航海計画を立てることが可能になる。
【0042】
請求項
8に記載の発明によれば、手書き手段は、手書き情報が表示操作装置に表示されるときの色、太さ、または透過率を変更可能であるため、海図上に表示されている他の情報によって見えなくなることを防止できる。
【0043】
請求項
9に記載の発明によれば、手書き情報は、表示操作装置の表示範囲が拡大または縮小されたとき、表示操作装置の拡大または縮小に合わせて拡大または縮小して表示されるため、表示範囲の変化により海図上に表示されている他の情報が変化しても、見えなくなることを防止できる。
【0044】
請求項
10に記載の発明によれば、表示操作装置が定型文入力状態のとき、航海する際に必要なイベントの一覧を表示し、イベントを行う位置が入力されると、イベントを行う位置の緯度及び経度、並びに時刻を示す定型文情報を生成する定型文手段を備えたことにより、航海中に必要なイベントのスケジュールを管理することが可能になる。また、定型文情報が通信手段によって外部との間で送受信されるので、イベントを行う位置や時刻の情報が共有化されて他の表示装置等でも参照可能になるため、定型文情報を参考にして効率的に航海計画を立てることが可能になる。
【0045】
請求項
11に記載の発明によれば、表示操作装置がアイコン入力状態のとき、海域の地理情報として海図に表示させる所定のアイコンの一覧を表示し、アイコンの種類が選択され、選択されたアイコンを表示させる位置の緯度及び経度が入力されると、アイコンを表示させる位置の緯度及び経度、並びに前記アイコンの種類を示すアイコン情報を生成するアイコン手段を備えたことにより、航海に必要な海域の地理情報を一目で把握することが可能になる。また、アイコン情報が通信手段によって外部との間で送受信されるので、航海に必要な海域の地理情報が共有化されて他の表示装置等でも参照可能になるため、効率的に航海計画を立てることが可能になる。
【0046】
請求項
12に記載の発明によれば、表示操作装置がメモ入力状態のとき、海図に表示させる文言が入力されて海図上に表示させる位置が入力されると、文言を表示させる位置の緯度及び経度、並びに文言を示すメモ情報を生成するメモ手段を備えたことにより、航海に必要な情報等をメモとして残しておきたい場合にメモを残すことが可能になる。また、メモ情報が通信手段によって外部との間で送受信されるので、航海に必要な情報等が共有化されて他の表示装置等でも参照可能になるため、効率的に航海計画を立てることが可能になる。
【0047】
請求項
13に記載の発明によれば、表示操作装置が計測ツール使用状態のとき、複数の点が入力されると、これらの点が入力された順にその間の距離及び到達時間を算出し、これら複数の点の位置の緯度及び経度、並びに距離及び到達時間を示す計測ツール情報を生成する計測ツール手段を備えたことにより、海図上の任意の点の間の距離を算出し、任意の船舶の速度による到達時間を算出することが可能になるので、例えば気象条件の変化等により航路を変更するような場合に、必要に応じて距離や到達時間の計算を行うことが可能になる。また、計測ツール情報が通信手段によって外部との間で送受信されるので、一度計算した任意の点の間の距離が共有化されるため、必要に応じて他の表示装置等でも参照することが可能になる。
【0048】
請求項
14に記載の発明によれば、表示操作装置が同心円入力状態のとき、点が入力されると、この点を中心とする所定の間隔の半径を持つ複数の同心円が表示されて所定の間隔の距離が変更可能であり、この点の位置の緯度及び経度、並びに所定の間隔の距離を示す同心円表示情報を生成する同心円表示手段を備えたことにより、航海中に、例えば現在地から所定時間経過毎に船舶が移動する位置を把握することが可能になるので、船員が交替するときの船舶の位置等を把握することが可能になる。また、同心円表示情報が通信手段によって外部との間で送受信されるので、一度表示した同心円表示情報が共有化されるため、必要に応じて他の表示装置等でも参照することが可能になる。
【0049】
請求項
15に記載の発明によれば、表示操作装置が海図情報表示状態のとき、点が入力されると、この点に基づいて予め記憶された所定の地理情報を表示する海図情報取得手段を備えたことにより、港湾施設の情報等、航海中に必要となる情報を参照することが可能になる。
【0050】
請求項
16に記載の発明によれば、表示操作装置がディバイダ入力状態のとき、複数の点が入力されると、これら複数の点の間の距離と、これら複数の点を結んだ線分の方位角とを算出して表示するディバイダ手段を備えたことにより、航海中に航路を変更する場合等、海図上の任意の点の間の距離を何度も算出する必要がある場合、簡便に距離を算出することが可能になる。
【0051】
請求項
17に記載の発明によれば、海図の縮尺に基づく定規を表示する定規手段を備えたことにより、航海中に航路を変更する場合等、表示されている海図の縮尺に応じた距離を把握する必要がある場合、簡便に距離を算出することが可能になる。
【0052】
請求項
18に記載の発明によれば、表示操作装置の表示方向を変更する表示方向変更手段を備えたことにより、複数人で
航海計画立案補助装置を囲んで検討する場合等、表示方向を変更したい場合に対応することが可能になる。
【0053】
請求項
19に記載の発明によれば、表示操作装置を明るく表示する日中表示状態と、暗く表示する夜間表示状態とを変更する表示輝度変更手段を備えたことにより、夜間の海域情報を表示させ、
航海計画立案補助装置の消費電力を抑制することが可能になる。
【0054】
請求項
20に記載の発明によれば、管理装置を備え、航海計画立案補助装置が外部との間で送受信を行う情報を受信し、受信情報を記憶して送受信可能であるため、航路作成情報等が共有化されるため、効率的に航海計画を立てることが可能になるとともに、スマートフォン等の他の装置からでも参照することが可能になる。
【0055】
請求項
21に記載の発明によれば、管理装置は、受信情報を時系列に紐付くデータベースに記憶するため、表示させる航路作成情報等を、作成時期により選択することが可能になるので、一定の季節の情報のみ表示させ、特定の事象(事故や工事等)による影響がある情報を表示させることや、除外することが可能になる。
【0056】
請求項
22に記載の発明によれば、管理装置を複数備えて互いに通信可能であり、データベースが複数の管理装置の間で共有化されているため、航路作成情報等をさらに広範囲で共有することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0059】
この発明の実施の形態に係る航海計画立案補助システム1は、海図情報を提供するためのシステムであり、例えば、船舶の航海時に使用される海図や、そのときに航海を行っている船舶の位置や進行方向等を表示し、新たな航路を入力して航路作成情報を生成可能なシステムである。この航海計画立案補助システム1は、
図1に示すように、主として情報管理装置(管理装置)2と、海図表示装置(航海計画立案補助装置)3とを備え、気象・航路提供システム100にネットワークを介して接続されている。さらに、通信装置200を介して外部システムである電子海図表示システム(ECDIS:Electronic Chart Display and Information System)300及び陸上サーバ400にネットワークを介して接続されている。
【0060】
情報管理装置2は、航路作成情報や現在地を示す情報、他の船舶の状態を示す情報、海図情報や陸上の地形情報、気象・航路提供システム100、電子海図表示システム300及び陸上サーバ400から取得した情報を記憶し、海図表示装置3へ送信する装置であり、例えば、サーバコンピュータにより構成されている。この情報管理装置2は、
図1に示すように、例えば、航海中の船舶に配設され、または地上の監視設備等に配設され、主として各種DB21と、Chart情報DB22と、GIS情報DB23とを備えている。この情報管理装置2は、複数設けられ、複数の装置の間でデータが共有化されている。
【0061】
各種DB21は、例えば、船舶の識別情報であるAIS(Automatic Identification System:自動船舶識別装置)情報や、他の船舶が現在航海している位置情報や、船舶内に配置されているセンサ類から取得された当該船舶の位置や針路、速力等を示すコニング情報、気象情報等を格納するとともに、後述するように、
図2に示す、海図表示装置3にて作成された航路作成情報211、手書き情報212、定型文情報213、アイコン情報214、メモ情報215、計測ツール情報216、及び同心円表示情報217を格納するデータベースである。この各種DB21では、これらの情報を格納するときに、作成された日時により時系列に紐付いて格納される。これは、例えば、これらの情報を海図表示装置3に表示させるときに、作成時期により表示させるものを選択することを可能にするためである。
【0062】
航路作成情報211は、タッチパネルの上に接触物が接触されて入力された航路の出発地点、経由地点、及び到着地点の緯度及び経度を示す情報である。手書き情報212は、タッチパネルの上に接触物が接触されて摺動されることで生成される、タッチパネルの摺動箇所を着色した情報である。定型文情報213は、航路作成情報211に基づいて生成される、航海する際に必要なイベントを行う位置の緯度及び経度、並びに時刻を示す情報である。ここで、航海する際に必要なイベントとは、例えば、キャプテンの呼出しや、外国港に寄港する場合の立入検査等がある。アイコン情報214は、海域の地理情報として海図に表示させる位置の緯度及び経度、並びにアイコンの種類を示す、所定のアイコン情報である。ここで、海域の地理情報として海図に表示させる所定のアイコン情報とは、例えば錨を下すのに適した海域を示すアイコンや、レジャーボート等が頻繁に停泊している海域を示すアイコン等である。メモ情報215は、海図の上にメモとして表示させる文言と、表示させる位置の緯度及び経度を示す情報である。計測ツール情報216は、タッチパネル上に入力された複数の点の入力順に算出された、複数の点の位置の緯度及び経度、並びに距離及び到達時間を示す情報である。同心円表示情報217は、タッチパネル上に入力された点から表示される、所定の間隔ごとの複数の円の位置の緯度及び経度、並びに所定の間隔の距離を示す情報である。
【0063】
Chart情報DB22は、海の水深や灯台等の各種設備の情報である海図情報が格納されているデータベースである。GIS情報DB23は、陸地の地形や道路等の情報である陸上地形情報が格納されている。Chart情報DB22及びGIS情報DB23には、各地域の緯度経度ごとに海域または陸地の地理情報が格納されており、その海域が、船舶が安全に航行可能な領域であるか、船舶が航行する際に注意が必要な注意喚起領域であるか、または船舶が航行不可能な航行不能領域であるかが判断できるように格納されている。なお、陸地については航行不能であると判断される。これらの各種情報は、海図表示装置3との間で送受信される情報であり、適宜気象・航路提供システム100、電子海図表示システム300、及び陸上サーバ400にアクセスされて最新情報に更新されるようになっている。具体的には、例えば、気象・航路提供システム100との間で気象情報を定期的に送受信して取得し、航路作成情報211等が電子海図表示システム300との間で送受信されて共有化され、他の船舶の位置情報や、コニング情報、気象情報等を定期的に送受信することにより陸上サーバ400との間で他の船舶の位置情報や、コニング情報、気象情報等を定期的に送受信して更新している。
【0064】
海図表示装置3は、情報管理装置2から地形情報や現在地情報等を取得し、表示画面に海図を表示する装置であり、
図1に示すように、主として制御部(制御手段)31、タッチパネル(表示操作装置)32、通信I/F33、海図表示機能341、航路作成機能(航路作成手段)342、航路表示機能343、手書き機能(手書き手段)344、定型文機能(定型文手段)345、アイコン機能(アイコン手段)346、メモ機能(メモ手段)347、計測ツール機能(計測ツール手段)348、同心円表示機能(同心円表示手段)349、海図情報取得機能(海図情報取得手段)350、ディバイダ機能(ディバイダ手段)351、定規機能(定規手段)352、表示モード切替機能(表示方向変更手段、表示輝度変更手段)353、及び入力モード切替機能(入力モード切替手段)354を備えている。この海図表示装置3は、情報管理装置2に対して複数備えていても良い。
【0065】
制御部31は、タッチパネル32及び通信I/F33をプログラム制御し、海図表示機能341、航路作成機能342、航路表示機能343、手書き機能344、定型文機能345、アイコン機能346、メモ機能347、計測ツール機能348、同心円表示機能349、海図情報取得機能350、ディバイダ機能351、定規機能352、表示モード切替機能353、及び入力モード切替機能354を起動する装置であり、コンピュータ等により構成されている。タッチパネル32は、海図等の情報管理装置2からの表示情報を表示し、例えば、接触物(指やタッチペン等)による入力情報を受け付ける表示操作装置である。
【0066】
タッチパネル32に表示される画面は、
図3に示すように、主として航海作成ボタン32aと、海図表示ボタン32bと、手書き作成ボタン32cと、航路作成ボタン32dと、ツール起動ボタン32eと、機能切替ボタン32fと、ウィンドウ切替ボタン32gと、表示輝度変更ボタン32hと、表示方向変更ボタン32iと、ディバイダボタン32jと、定規ボタン32kと、緊急時押下ボタン32lとを備えている。これらのボタン等は、すべてタッチパネル32にアイコンとして表示される。また、タッチパネル32には、航路の行先を示す行先表示32mが表示される。
【0067】
航海作成ボタン32aは、タッチパネル32において航海を新規作成するアイコンである。海図表示ボタン32bは、タッチパネル32に海図を表示させるアイコンである。手書き作成ボタン32cは、タッチパネル32を手書き入力状態に切り替えるアイコンである。航路作成ボタン32dは、航海計画を立てる際に、航路を作成するアイコンである。ツール起動ボタン32eは、タッチパネル32を計測ツール使用状態、同心円入力状態、及び海図情報表示状態に切り替えるアイコンである。機能切替ボタン32fは、タッチパネル32を定型文入力状態、アイコン入力状態、及びメモ入力状態に切り替えるアイコンである。
【0068】
ウィンドウ切替ボタン32gは、表示画面を全画面表示の状態とウィンドウ表示の状態との間で切り替えるアイコンである。表示輝度変更ボタン32hは、タッチパネル32を明るく表示する日中表示状態と、暗く表示する夜間表示状態とを変更するアイコンである。表示方向変更ボタン32iは、タッチパネル32の表示方向を変更するアイコンである。ディバイダボタン32jは、タッチパネル32をディバイダ入力状態に切り替えるアイコンである。定規ボタン32kは、タッチパネル32に海図の縮尺に基づく定規を表示させるアイコンである。緊急時押下ボタン32lは、人命に関わるような緊急時に押下することで通報を行うアイコンである。
【0069】
通信I/F33は、所定の通信プロトコルに基づいて情報管理装置2と通信を行うための通信制御装置である。
【0070】
海図表示機能341は、情報管理装置2からコニング情報、Chart情報DB22、及びGIS情報DBを取得し、例えば、航路の出発地点からあらかじめ定められた所定の表示範囲の海図をタッチパネル32に表示し、接触物がタッチパネル32に接触して摺動されることで海図の表示位置が移動される操作が行われた場合、その摺動距離に応じて移動された位置から所定の表示範囲の海図を表示する機能を有している。
【0071】
航路作成機能342は、航海計画を立てる際に、航海する航路を作成する機能であり、タッチパネル32が航路入力状態のとき、タッチパネル32に航路の出発地点、経由地点、及び到着地点が入力されると、出発地点、経由地点、及び到着地点の緯度及び経度を算出し、航路作成情報211を生成してタッチパネル32に表示する機能を有している。また、航路作成機能342は、後述するように航海計画において、灯台等の所定の目標物が真横に見えた時に変針する正横変針を行う場合に用いられる延伸補助線、直角補助線及び補助円をタッチパネル32に表示する機能を有している。航路表示機能343は、航路作成機能342によって作成された航路作成情報211や、他の海図表示システムによって作成された航路作成情報を、情報管理装置2を経由して取得して表示する機能を有している。
【0072】
手書き機能344は、タッチパネル32が手書き入力状態のとき、タッチパネル32に接触物が接触されて摺動されると、タッチパネル32の摺動箇所を着色し、手書き情報212を生成してタッチパネル32に表示する機能を有し、さらに他の海図表示システムによって作成された手書き情報を、情報管理装置2を経由して取得して表示する機能を有している。また、手書き機能344は、手書き情報212がタッチパネル32に表示されるときの色、太さ、または透過率を変更する機能も有している。
【0073】
定型文機能345は、タッチパネル32が定型文入力状態のとき、航海する際に必要なイベントの一覧を表示し、タッチパネル32に航路作成情報211が表示されているときにその航海の際にイベントを行う位置が入力されると、定型文情報213を生成してタッチパネル32に表示する機能を有し、さらに他の海図表示システムによって作成された定型文情報を、情報管理装置2を経由して取得して表示する機能を有している。アイコン機能346は、タッチパネル32がアイコン入力状態のとき、海域の地理情報として海図に表示させるアイコンの一覧を表示し、このアイコンの種類が選択されてそのアイコンを表示させる位置の緯度及び経度が入力されると、アイコン情報214を生成してタッチパネル32に表示する機能を有している。メモ機能347は、タッチパネル32がメモ入力状態のとき、海図に表示させる文言が入力されてその表示させる位置が入力されると、メモ情報215を生成してタッチパネル32に表示する機能を有している。
【0074】
計測ツール機能348は、タッチパネル32が計測ツール使用状態のとき、タッチパネル32上の複数の任意の点が入力されると、その点が入力された順にその間の距離を算出し、任意の船舶の速度による到達時間を算出し、計測ツール情報216を生成してタッチパネル32に表示する機能を有している。同心円表示機能349は、タッチパネル32が同心円入力状態のとき、タッチパネル32の任意の点が入力されると、その点から所定の間隔ごとに複数の同心円を表示し、所定の間隔の距離が入力可能であり、同心円表示情報217を生成してタッチパネル32に表示する機能を有している。海図情報取得機能350は、タッチパネル32が海図情報表示状態のとき、タッチパネル32の任意の点が入力されると、この点に基づいて予め記憶された所定の地理情報をタッチパネル32に表示する機能を有している。ここで、予め記憶された所定の地理情報とは、その海域の水深情報や、海底ケーブル等の設置情報等がある。
【0075】
ディバイダ機能351は、タッチパネル32がディバイダ入力状態のとき、タッチパネル32の複数の任意の点が入力されると、その点の間の距離とその点を結んだ線分の方位角とを算出し、タッチパネル32に表示する機能を有している。定規機能352は、タッチパネル32の所定の操作により海図の縮尺に基づく定規をタッチパネル32に表示する機能を有している。表示モード切替機能353は、タッチパネル32の所定の操作によりタッチパネル32の表示方向を変更したり、タッチパネル32を明るく表示する日中表示状態と暗く表示する夜間表示状態とを変更したりする機能を有している。入力モード切替機能354は、タッチパネル32の所定の操作により、航路入力状態と、手書き入力状態と、定型文入力状態と、アイコン入力状態と、メモ入力状態と、計測ツール使用状態と、同心円入力状態と、海図情報表示状態と、ディバイダ入力状態と、を切り替える機能を有している。
【0076】
気象・航路提供システム100は、例えば、気象情報や航路情報を提供するシステムである。通信装置200は、例えば、他の船舶の位置情報や、コニング情報、気象情報等を集約及び提供するためのコンピュータであり、各種DB21、Chart情報DB22、及びGIS情報DB23の格納情報を電子海図表示システム300及び陸上サーバ400との間で送受信して最新の状態に更新する装置である。電子海図表示システム300は、船舶を操舵する際に参照される、海図を表示する情報システムである。陸上サーバ400は、他の船舶の位置情報や、コニング情報、航路情報、気象情報等を複数の情報管理装置2の間で共有化するためのサービスである。
【0077】
次に、この航海計画立案補助システム1の操作方法及び作用等について説明する。
【0078】
まず、海図表示装置3が起動すると、
図4に示すように、既に作成済の航海を表示する航海ボタン32n1,32n2,32n3,32n4,32n5を押下するか、または新たな航海を作成する新規航海計画作成ボタン32oを押下するかを促すメニュー画面が表示される。ここで、航海ボタン32n1,32n2,32n3,32n4,32n5が接触物により押下されると、制御部31によって海図表示機能341が起動され、情報管理装置2から各種DB21、Chart情報DB22、及びGIS情報DB23が取得され、押下した航海ボタンに対応する航海の出発地点からあらかじめ定められた所定の表示範囲の海図が、タッチパネル32の画面上に表示される。そして、制御部31によって航路表示機能343が起動され、押下した航海ボタンに対応する航海が、
図6に示す出発地点33a1、経由地点33a2,33a3,33a4、到着地点33a5のように、タッチパネル32の画面上に表示される。
【0079】
また、新規航海計画作成ボタン32oが接触物により押下された場合、メニュー画面にて出発地点及び到着地点が接触物により入力される。すると、タッチパネル32が航路入力状態に切り替えられ、
図5に示すように、入力された出発地点からあらかじめ定められた所定の表示範囲の海図が、タッチパネル32の画面上に表示される。また、出発地点の緯度及び経度が算出され、航路の詳細情報を表示する詳細表示32pがタッチパネル32の画面右側に表示される。ここで、詳細表示32pには、出発地点の緯度及び経度を示す出発地点情報32p11、他の航路情報を取得するインポートボタン32p2、他の航路情報へ情報を提供するエクスポートボタン32p3、入力された航路情報を取り消すクリアボタン32p4が表示されている。ここで表示されている出発地点情報32p11は、メニュー画面で入力した出発地点の情報が仮に表示されている。
【0080】
この状態で、
図6に示すように、接触物により出発地点33a1、経由地点33a2,33a3,33a4、到着地点33a5の順にタッチされると、制御部31によって航路作成機能342が起動され、出発地点33a1と経由地点33a2との間、経由地点33a2と経由地点33a3との間、経由地点33a3と経由地点33a4との間、経由地点33a4と到着地点33a5との間がそれぞれ線分で接続され、航路線33a6,33a7,33a8,33a9が表示される。そして、出発地点33a1、経由地点33a2,33a3,33a4、到着地点33a5の緯度及び経度が算出され、詳細表示32pには、各地点の緯度及び経度を示す出発地点情報32p11、経由地点情報32p12,32p13,32p14、到着地点情報32p15が表示され、航路作成情報211が生成される。また、出発地点33a1、経由地点33a2,33a3,33a4、到着地点33a5は、タッチパネル32の画面上で再度タッチすることで移動可能であり、移動するとそれに合わせて再度航路作成情報211が生成されるようになっている。
【0081】
なお、詳細表示32pには、注意喚起情報32p51が表示されている。これは、出発地点33a1、経由地点33a2,33a3,33a4、到着地点33a5を通る航路線33a6,33a7,33a8,33a9が、Chart情報DB22及びGIS情報DB23に格納されている注意喚起領域を通る場合に表示されるものであり、ここでは、
図6に示す海域33a10が注意喚起領域であるため、注意喚起情報32p51が表示されている。また、Chart情報DB22及びGIS情報DB23に格納されている航行不能領域を通る場合、注意喚起情報32p51と同様に航行不能情報が表示される。
【0082】
次に、航海計画を作成するときに、航路線とともに延伸補助線、直角補助線及び補助円がタッチパネル32に表示される例について説明する。前述と同様に、接触物により出発地点33a1、経由地点33a2,33a3,33a4,33a5の順にタッチされると、航路作成機能342によって、航路線33a6,33a7,33a8,33a9が表示され、それと共に、
図7に示すように、タッチパネル32の画面上に延伸補助線33a11、直角補助線33a12、及び補助円33a13が表示される。延伸補助線33a11は、航路線33a9が経由地点33a5より針路方向に延伸された直線である。直角補助線33a12は、経由地点33a5にて延伸補助線33a11と直角に交差する直線である。補助円33a13は、経由地点33a5を中心とした所定の半径の円である。なお、この延伸補助線33a11、直角補助線33a12、及び補助円33a13は、新規に経由地点または到着地点を作成する場合に表示され、既に作成済の経由地点または到着地点を再度タッチした場合にも表示される。つまり、延伸補助線33a11、直角補助線33a12、及び補助円33a13の機能として、経由地点または到着地点を新規作成する場合に同時に表示させて経由地点または到着地点の設定を補助したり、既存の経由地点または到着地点に対して表示させて、位置の変更や修正を容易にさせたりすることができる。
【0083】
このとき、詳細表示32pには、補助線表示選択チェックボックス32p5、補助円表示選択チェックボックス32p6、補助円半径変更スライダ32p7が表示されている。補助線表示選択チェックボックス32p5は、延伸補助線33a11及び直角補助線33a12の表示/非表示を選択可能なチェックボックスであり、このチェックボックス上のタッチパネル32をタッチしてチェックを入れると、
図7及び
図8に示すように延伸補助線33a11及び直角補助線33a12が表示され、チェックを外すと、
図9に示すように延伸補助線33a11及び直角補助線33a12が表示されなくなる。補助円表示選択チェックボックス32p6は、補助円33a13の表示/非表示を選択可能なチェックボックスであり、このチェックを入れると、
図7及び
図9に示すように補助円33a13が表示され、チェックを外すと、
図8に示すように補助円33a13が表示されなくなる。補助円半径変更スライダ32p7は、補助円33a13の所定の半径を変更可能なスライダであり、このスライダ上のタッチパネル32を左右にスライドさせると、タッチパネル32の画面上に表示されている補助円33a13の半径が大きくなったり小さくなったりする。補助円半径変更スライダ32p7の右側に表示されている数字は、補助円33a13の半径が示す距離であり、例えば5.0NMであることを示している。
【0084】
この延伸補助線33a11、直角補助線33a12、及び補助円33a13は、航海計画を作成する際、灯台等の所定の目標物が真横に見えたときに変針する正横変針を行うような航路を作成する場合に適している。例えば、経由地点33a5をタッチして移動すると、延伸補助線33a11、直角補助線33a12、補助円33a13も同時に移動する。この状態で、直角補助線33a12が灯台等の目標物に重なるように経由地点33a5を移動する。安全な航路を確保するために経由地点33a5から灯台等の目標物までの距離を適切に設定したい場合は、補助円半径変更スライダ32p7を操作して補助円33a13の半径を変更し、灯台等の目標物に重なるようにすることで求めることが可能であり、経由地点33a5を移動することで経由地点33a5から灯台等の目標物までの距離を適切に設定することができる。
【0085】
このようにして経由地点33a5を変針点に決定すると、延伸補助線33a11上の点がそのまま航海した場合(変針しない場合)の航路に当たるので、延伸補助線33a11を参考にして左右どちらに経由地点または到着地点を設けるかを決定し、タッチパネル32の画面上をタッチする。これにより、航海計画において正横変針を行う経由地点を正確に決定することが可能である。
【0086】
なお、補助線表示選択チェックボックス32p5及び補助円表示選択チェックボックス32p6を設け、延伸補助線33a11、直角補助線33a12、及び補助円33a13の表示/非表示を選択可能にしたのは、正横変針を行わない場合には延伸補助線33a11及び直角補助線33a12の表示は不要である場合もあり、また、障害物等までの距離を求めたい場合等、補助円33a13のみ表示させたい場合に対応するため、延伸補助線33a11及び直角補助線33a12の表示/非表示、補助円33a13の表示/非表示をそれぞれ選択可能にしたものである。
【0087】
また、
図10に示すように、延伸補助線33a11及び直角補助線33a12に、海図の縮尺に基づく距離を示す目盛りを設けても良い。その場合、例えば正横変針を行うための経由地点を灯台等の目標物から決定すると共に、灯台等の目標物までの距離を同時に求めることが可能である。これにより、所定の目標物までの距離を考慮した航海計画を容易に立てることが可能になる。
【0088】
タッチパネル32の手書き作成ボタン32cが接触物により押下された場合、タッチパネル32が手書き入力状態に切り替えられる。この状態で、タッチパネル32に接触物が接触されて摺動されると、制御部31によって手書き機能344が起動され、
図11に示すように、タッチパネル32の摺動箇所が手書き情報33bとして着色されてタッチパネル32の上に表示される。また、手書き情報212が生成され、手書き詳細表示32rがタッチパネル32の画面右側に表示される。ここで、手書き詳細表示32rには、手書き情報の概略を示す手書き概略表示32r1、他の手書き情報を取得するインポートボタン32r2、手書き情報を追加する手書き追加ボタン32r3、及び手書き情報212の色、太さ、または透過率を変更する表示変更画面32r4が表示されている。表示変更画面32r4により色、太さ、または透過率を変更すると、手書き情報212が更新される。
【0089】
タッチパネル32の機能切替ボタン32fが接触物により押下された場合、
図12に示すように、機能切替ボタン32fの上方にアイコン切替ボタン32f1、メモ切替ボタン32f2、及び定型文切替ボタン32f3が表示される。ここで、定型文切替ボタン32f3が押下されると、タッチパネル32が定型文入力状態に切り替えられ、制御部31によって定型文機能345が起動され、
図13に示すように、航海する際に必要なイベントの一覧を表示するイベント表示32sが表示される。ここで、イベント表示32sには、イベントのタイトルと、そのイベント情報を海図上に表示させるPutボタンからなるイベント情報32s11,32s12,32s13,32s14,32s15,32s16、及びイベントの日時が入力可能なイベント詳細32s2が表示されている。この状態で、イベント情報32s11,32s12,32s13,32s14,32s15,32s16のPutボタンが接触物により押下されると、イベント表示33c1,33c2が海図上に表示される。このイベント表示33c1,33c2は海図上を移動可能であり、航路作成情報211に基づく航路等の任意の拠点に移動させる。そして、イベント詳細32s2にそのイベントが発生する時刻を入力する。これにより、イベント表示33c1,33c2の緯度及び経度、並びにイベント詳細32s2の時刻から定型文情報213が生成される。
【0090】
図12に示すアイコン切替ボタン32f1が接触物により押下されると、タッチパネル32がアイコン入力状態に切り替えられ、制御部31によってアイコン機能346が起動され、
図14に示すように、海域の地理情報として海図に表示させるアイコンの一覧を表示するアイコン表示32tが表示される。ここで、アイコン表示32tには、表示されているアイコンを示す表示アイコン情報32t1、及びアイコンの種類を示すアイコン種類32t21,32t22,32t23,32t24が表示されている。この状態で、アイコン種類32t21,32t22,32t23,32t24のいずれかが接触物により押下されると、表示アイコン情報32t1に新たなアイコン情報が表示され、該当するアイコン33dが海図上に表示される。このアイコン33dは海図上を移動可能であり、海図上表示させたい場所に移動させる。これにより、アイコン33dの緯度及び経度、並びにアイコンの種類からアイコン情報214が生成される。
【0091】
図12に示すメモ切替ボタン32f2が接触物により押下されると、タッチパネル32がメモ入力状態に切り替えられ、制御部31によってメモ機能347が起動され、
図15に示すように、海図に表示させる文言が入力可能なメモ情報の一覧を表示するメモ表示32uが表示される。ここで、メモ表示32uには、海図に表示させる文言を入力可能な入力パッド32u1、入力パッド32u1を編集可能にする編集ボタン32u21、メモ情報を追加するメモ追加ボタン32u22、及びメモ情報215の色、太さ、または透過率を変更する表示変更画面32u3が表示されている。この状態で、入力パッド32u1に海図に表示させる文言を入力すると、該当するメモ33eが海図上に表示される。このメモ33eは海図上を移動可能であり、海図上表示させたい場所に移動させる。これにより、メモ33eの緯度及び経度、並びに表示させる文言からメモ情報215が生成される。
【0092】
タッチパネル32のツール起動ボタン32eが接触物により押下された場合、
図16に示すように、各種ツールが表示されるツール表示32vが表示される。ここで、ツール表示32vには、タッチパネル32を計測ツール使用状態に切り替える計測ツールボタン32v1、タッチパネル32を同心円入力状態に切り替える同心円ボタン32v2、及びタッチパネル32を海図情報表示状態に切り替える海図情報表示ボタン32v3が表示されている。この状態で、接触物により計測ツールボタン32v1が押下されると、タッチパネル32が計測ツール使用状態に切り替えられ、制御部31によって計測ツール機能348が起動される。そして、
図16に示すように、接触物によりタッチパネル32上の複数の任意の点33f1,33f2の順にタッチされると、点33f1と点33f2との間の距離が算出され、任意の船舶の速度による到達時間が算出され、点33f2の箇所に表示される。そして、点33f1,33f2の緯度及び経度、並びに距離から計測ツール情報216が生成され、ツール表示32vには、点33f1と点33f2との間の距離32v11が表示される。なお、計測ツール情報を追加したい場合には、計測ツール追加ボタン32v12を押下する。
【0093】
図16に示す同心円ボタン32v2が接触物により押下されると、タッチパネル32が同心円入力状態に切り替えられ、制御部31によって同心円表示機能349が起動される。そして、
図17に示すように、接触物によりタッチパネル32上の任意の点がタッチされると、その点から所定の間隔ごとに複数の同心円33g1,33g2,33g3,33g4が表示され、ツール表示32vには、同心円33g1,33g2,33g3,33g4の間隔32v21、同心円を追加したい場合に押下される同心円追加ボタン32v22、及び同心円33g1,33g2,33g3,33g4の間隔を変更する間隔変更表示32v23が表示される。間隔変更表示32v23により同心円33g1,33g2,33g3,33g4の間隔が決定されると、中心点の緯度及び経度、並びに同心円33g1,33g2,33g3,33g4の間隔から同心円表示情報217が生成される。なお、同心円を追加したい場合には、同心円追加ボタン32v22を押下する。
【0094】
図16に示す海図情報表示ボタン32v3が接触物により押下されると、タッチパネル32が海図情報表示状態に切り替えられ、制御部31によって海図情報取得機能350が起動される。そして、
図18に示すように、海図上にルーペ33hが表示される。このルーペ33hは接触物にて摺動させることにより移動可能であり、ルーペ33hを移動させてタッチパネル32上の任意の点に移動させられると、その点に基づいて、情報管理装置2に予め記憶された所定の地理情報が、ツール表示32vの地理情報32v31に表示される。
【0095】
ディバイダボタン32jが接触物により押下されると、タッチパネル32がディバイダ入力状態に切り替えられ、制御部31によってディバイダ機能351が起動される。そして、
図19に示すように、接触物によりタッチパネル32上の複数の任意の点33i1,33i2の順にタッチされると、点33i1と点33i2との間の距離及び方位角が算出され、距離表示33i3に表示される。
【0096】
定規ボタン32kが接触物により押下されると、制御部31によって定規機能352が起動される。そして、
図20に示すように、定規33jが表示される。この定規33jは、定規33j上を接触物により接触させて摺動させることにより、角度を変更可能になっている。なお、定規33jは細長状の直線定規に限られず、三角定規等にしても良い。
【0097】
表示方向変更ボタン32iが接触物により押下されると、制御部31によって表示モード切替機能353が起動される。そして、
図21に示すように、90°回転ボタン32i1、180°回転ボタン32i2、270°回転ボタン32i3が表示される。90°回転ボタン32i1が押下されると、タッチパネル32への表示状態が90°回転して、
図21の右辺側が下になるように表示される。180°回転ボタン32i2が押下されると、タッチパネル32への表示状態が180°回転して、
図21の上辺側が下になるように表示される。270°回転ボタン32i3が押下されると、タッチパネル32への表示状態が270°回転して、
図21の左辺側が下になるように表示される。
【0098】
表示輝度変更ボタン32hが接触物により押下されると、制御部31によって表示モード切替機能353が起動される。そして、
図22に示すように、夜間表示ボタン32h1が表示される。夜間表示ボタン32h1が押下されると、タッチパネル32の表示状態が暗く表示する夜間表示状態に切り替えられる。
【0099】
海図表示装置3の各機能によって生成された航路作成情報211、手書き情報212、定型文情報213、アイコン情報214、メモ情報215、計測ツール情報216、及び同心円表示情報217は、通信I/F33を経由して情報管理装置2に送信される。その後、情報管理装置2によって通信装置200を介して電子海図表示システム300及び陸上サーバ400へ送信され、外部システムとの間で共有化される。
【0100】
以上のように、この航海計画立案補助システム1によれば、タッチパネル32が航路入力状態に切り替えられた状態で、接触物により出発地点33a1、経由地点33a2,33a3,33a4、到着地点33a5の順にタッチされると、制御部31によって航路作成機能342が起動される。そして、出発地点33a1、経由地点33a2,33a3,33a4、到着地点33a5の緯度及び経度が算出され、航路作成情報211が生成される。航路作成情報211は、通信I/F33を経由して情報管理装置2に送信され、通信装置200を介して電子海図表示システム300及び陸上サーバ400へ送信される。これにより、外部システムとの間で共有化されて他の表示装置等でも参照可能になるため、他の船舶の航路作成情報を参考にして効率的に航海計画を立てることが可能になる。また、容易に航海計画を立てることが可能になる。
【0101】
航海計画を作成する際、経由地点33a5がタッチされると、航路線33a9が表示されると共に、航路線33a9が針路方向に延伸された延伸補助線33a11と、経由地点33a5にて延伸補助線33a11と直角に交差する直角補助線33a12と、経由地点33a5を中心とした所定の半径の補助円33a13が表示される。この補助円33a13は、補助円半径変更スライダ32p7により所定の半径を変更自在である。そのため、灯台等の所定の目標物が真横に見えた時に変針する正横変針を行う場合、経由地点33a5を所定の目標物が真横に見える位置に設定することが可能であり、所定の目標物からの距離を適切に設定することが可能である。これにより、航海計画において正横変針を行う経由地点33a5を正確に決定することが可能になる。
【0102】
延伸補助線33a11及び直角補助線33a12は、補助線表示選択チェックボックス32p5により表示/非表示を選択可能であり、補助円33a13は、補助円表示選択チェックボックス32p6により表示/非表示を選択可能である。これにより、航海計画の際に必要に応じて、延伸補助線33a11、直角補助線33a12、及び補助円33a13の表示/非表示を容易に切り替えることができる。
【0103】
航路作成情報211の航路が、Chart情報DB22及びGIS情報DB23に格納されている注意喚起領域を通る場合、注意喚起情報32p51が表示され、航行不能領域を通る場合、航行不能情報が表示されるので、安全に航行可能な航路を容易に選択することが可能になるため、効率的に航海計画を立てることが可能になる。
【0104】
タッチパネル32が手書き入力状態に切り替えられた状態で、タッチパネル32に接触物が接触されて摺動されると、制御部31によって手書き機能344が起動され、タッチパネル32の摺動箇所が手書き情報33bとして着色されてタッチパネル32の上に表示され、手書き情報212が生成される。手書き情報212は、通信I/F33を経由して情報管理装置2に送信され、通信装置200を介して電子海図表示システム300及び陸上サーバ400へ送信される。これにより、航海中に必要な情報を記録しておくことが可能になる。また、手書き情報212が共有化されて他の表示装置等でも参照可能になるため、手書き情報212を参考にして効率的に航海計画を立てることが可能になる。
【0105】
手書き情報212は、タッチパネル32に表示されるときの色、太さ、または透過率を変更可能であるため、海図上に表示されている他の情報によって見えなくなることを防止できる。
【0106】
手書き情報212は、タッチパネル32の表示範囲が拡大または縮小されたとき、タッチパネル32の拡大または縮小に合わせて拡大または縮小して表示されるため、表示範囲の変化により海図上に表示されている他の情報が変化しても、見えなくなることを防止できる。
【0107】
タッチパネル32が定型文入力状態に切り替えられた状態で、制御部31によって定型文機能345が起動され、航海する際に必要なイベントの一覧を表示するイベント表示32sが表示される。イベント表示33c1,33c2が海図上に表示され、海図上を移動させて航路作成情報211に基づく航路等の任意の拠点に移動させる。イベント詳細32s2にイベントが発生する時刻を入力し、イベント表示33c1,33c2の緯度及び経度、並びにイベント詳細32s2の時刻から定型文情報213が生成される。定型文情報213は、通信I/F33を経由して情報管理装置2に送信され、通信装置200を介して電子海図表示システム300及び陸上サーバ400へ送信される。これにより、航海中に必要なイベントのスケジュールを管理することが可能になる。また、定型文情報213が共有化されて他の表示装置等でも参照可能になるため、定型文情報213を参考にして効率的に航海計画を立てることが可能になる。
【0108】
タッチパネル32がアイコン入力状態に切り替えられた状態で、制御部31によってアイコン機能346が起動され、海域の地理情報として海図に表示させるアイコンの一覧を表示するアイコン表示32tが表示される。アイコン33dが海図上に表示され、海図上表示させたい場所に移動させると、アイコン33dの緯度及び経度、並びにアイコンの種類からアイコン情報214が生成される。アイコン情報214は、通信I/F33を経由して情報管理装置2に送信され、通信装置200を介して電子海図表示システム300及び陸上サーバ400へ送信される。これにより、航海に必要な海域の地理情報を一目で把握することが可能になる。また、アイコン情報214が共有化されて他の表示装置等でも参照可能になるため、効率的に航海計画を立てることが可能になる。
【0109】
タッチパネル32がメモ入力状態に切り替えられた状態で、制御部31によってメモ機能347が起動され、海図に表示させる文言が入力可能なメモ情報の一覧を表示するメモ表示32uが表示される。メモ表示32uの入力パッド32u1に海図に表示させる文言を入力すると、該当するメモ33eが海図上に表示され、海図上表示させたい場所に移動させると、メモ33eの緯度及び経度、並びに表示させる文言からメモ情報215が生成される。メモ情報215は、通信I/F33を経由して情報管理装置2に送信され、通信装置200を介して電子海図表示システム300及び陸上サーバ400へ送信される。これにより、航海に必要な情報等をメモとして残しておきたい場合にメモを残すことが可能になる。また、メモ情報215が共有化されて他の表示装置等でも参照可能になるため、効率的に航海計画を立てることが可能になる。
【0110】
タッチパネル32が計測ツール使用状態に切り替えられた状態で、制御部31によって計測ツール機能348が起動され、接触物によりタッチパネル32上の複数の任意の点33f1,33f2の順にタッチされると、点33f1と点33f2との間の距離が算出され、任意の船舶の速度による到達時間が算出され、点33f2の箇所に表示される。そして、点33f1,33f2の緯度及び経度、並びに距離から計測ツール情報216が生成される。計測ツール情報216は、通信I/F33を経由して情報管理装置2に送信され、通信装置200を介して電子海図表示システム300及び陸上サーバ400へ送信される。これにより、海図上の任意の点の間の距離を算出することが可能になるので、例えば気象条件の変化等により航路を変更するような場合に、必要に応じて距離計算を行うことが可能になる。また、計測ツール情報216が共有化されるため、必要に応じて他の表示装置等でも参照することが可能になる。
【0111】
タッチパネル32が同心円入力状態に切り替えられた状態で、制御部31によって同心円表示機能349が起動され、接触物によりタッチパネル32上の任意の点がタッチされると、その点から所定の間隔ごとに複数の同心円33g1,33g2,33g3,33g4が表示される。同心円33g1,33g2,33g3,33g4の間隔を間隔変更表示32v23により決定すると、中心点の緯度及び経度、並びに同心円33g1,33g2,33g3,33g4の間隔から同心円表示情報217が生成される。同心円表示情報217は、通信I/F33を経由して情報管理装置2に送信され、通信装置200を介して電子海図表示システム300及び陸上サーバ400へ送信される。これにより、航海中に、例えば現在地から所定時間経過毎に船舶が移動する位置を把握することが可能になるので、船員が交替するときの船舶の位置等を把握することが可能になる。また、同心円表示情報217が共有化されるため、必要に応じて他の表示装置等でも参照することが可能になる。
【0112】
タッチパネル32が海図情報表示状態に切り替えられた状態で、制御部31によって海図情報取得機能350が起動され、海図上にルーペ33hが表示される。このルーペ33hを移動させてタッチパネル32上の任意の点に移動させられると、その点に基づいて、情報管理装置2に予め記憶された所定の地理情報が、ツール表示32vの地理情報32v31に表示される。これにより、港湾施設の情報等、航海中に必要となる情報を参照することが可能になる。
【0113】
タッチパネル32がディバイダ入力状態に切り替えられた状態で、制御部31によってディバイダ機能351が起動され、接触物によりタッチパネル32上の複数の任意の点33i1,33i2の順にタッチされると、点33i1と点33i2との間の距離及び方位角が算出され、距離表示33i3に表示される。これにより、航海中に航路を変更する場合等、海図上の任意の点の間の距離を何度も算出する必要がある場合、簡便に距離を算出することが可能になる。
【0114】
定規ボタン32kが接触物により押下されると、制御部31によって定規機能352が起動され、定規33jが表示される。これにより、航海中に航路を変更する場合等、表示されている海図の縮尺に応じた距離を把握する必要がある場合、簡便に距離を算出することが可能になる。
【0115】
表示方向変更ボタン32iが接触物により押下されると、制御部31によって表示モード切替機能353が起動され、90°回転ボタン32i1が押下されると、タッチパネル32への表示状態が90°回転する。180°回転ボタン32i2が押下されると、タッチパネル32への表示状態が180°回転する。270°回転ボタン32i3が押下されると、タッチパネル32への表示状態が270°回転する。これにより、複数人で海図表示装置3を囲んで検討する場合等、表示方向を変更したい場合に対応することが可能になる。
【0116】
表示輝度変更ボタン32hが接触物により押下されると、制御部31によって表示モード切替機能353が起動され、夜間表示ボタン32h1が押下されると、タッチパネル32の表示状態が暗く表示する夜間表示状態に切り替えられる。これにより、夜間の海域情報を表示させ、海図表示装置の消費電力を抑制することが可能になる。
【0117】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、表示操作装置として接触物による入力情報を受け付けるタッチパネル32により構成したが、ディスプレイに海図等を表示させ、キーボードやマウスにより入力を受け付けるPC等により構成にしても良い。
【0118】
また、航路作成情報211を生成する際に、接触物により海図上の画面をタッチして航路を作成したが、港の情報を直接入力して航路を作成する構成にしても良い。
【0119】
また、定型文機能345を、イベントの一覧を表示して選択する構成としたが、文を自由に入力して作成する構成にしても良い。
【0120】
また、メモ情報215を作成する際、入力パッド32u1に文言を入力する構成としたが、タッチパネル32上にキーボードを表示させ、キーボードにより文言を入力する構成にしても良い。