(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
格納棚へ搬送されるパレットに車両が載置され、前記車両の運転者が前記車両に乗降可能な乗降室を有し、利用者によって所持する携帯型認証媒体が送信する操作信号に応じて動作する機械式駐車装置の乗降室内確認装置であって、
前記乗降室内に設置され、前記乗降室内を撮像するカメラと、
前記乗降室外に設置され、前記カメラが撮像した画像を表示するモニタと、
前記携帯型認証媒体に対する操作指示を示す指示画像を前記モニタに表示させる指示画像表示手段と、
前記モニタに表示された前記指示画像が示す操作と同じ操作が前記携帯型認証媒体に対して行われた場合に、前記乗降室内の確認が行われたと判定する判定手段と、
を備え、
前記カメラが撮像した画像と前記指示画像とを共に前記モニタに表示させ、
前記カメラは、前記乗降室内に複数設置され、
前記指示画像は、各前記カメラが撮像した画面毎に異なる操作指示を示す機械式駐車装置の乗降室内確認装置。
前記モニタは、前記機械式駐車装置を現在利用中の利用者が前記操作盤の前に居ると判定された場合に、前記カメラが撮像した画像の表示を開始する請求項2記載の機械式駐車装置の乗降室内確認装置。
前記機械式駐車装置の起動前に、前記カメラが撮像した画像及び前記指示画像が前記モニタに表示され、前記判定手段による判定が行われる請求項1から請求項3の何れか1項記載の機械式駐車装置の乗降室内確認装置。
格納棚へ搬送されるパレットに車両が載置され、前記車両の運転者が前記車両に乗降可能な乗降室を有し、利用者によって所持する携帯型認証媒体が送信する操作信号に応じて動作する機械式駐車装置の乗降室内確認方法であって、
前記乗降室内に設置されたカメラによって前記乗降室内を撮像し、
前記乗降室外に設置されたモニタに、前記カメラが撮像した画像と前記携帯型認証媒体に対する操作指示を示す指示画像とを共に表示し、
前記モニタに表示された前記指示画像が示す操作と同じ操作が前記携帯型認証媒体に対して行われた場合に、前記乗降室内の確認が行われたと判定し、
前記カメラは、前記乗降室内に複数設置され、前記指示画像は、各前記カメラが撮像した画面毎に異なる操作指示を示す機械式駐車装置の乗降室内確認方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る機械式駐車装置の乗降室内確認装置、機械式駐車装置、及び機械式駐車装置の乗降室内確認方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る機械式駐車装置(以下「立体駐車装置」という。)1の縦断面図である。なお、本発明は、
図1に示されるようなエレベータ式の立体駐車装置に限らず、複数の駐車スペースに搬送機で駐車車両を入出庫させる機械式駐車装置であれば、他の様々な形式のものにも幅広く適用することができる。
【0026】
立体駐車装置1は、複数の車両2を収容可能なタワー型の駐車塔3を備えている。駐車塔3の一階部分には車両2を入出庫させる入出庫口4が開設されており、その外側上部に雨よけの庇5が設けられている。入出庫口4には上下スライド式の入出庫扉4aが設けられている。
【0027】
駐車塔3の地上階は
図2にも示す乗降室7(乗入階ともいう。)となっている。乗降室7では、車両格納棚17へ搬送されるパレット18に車両2が載置され、運転者がパレット18に載置された車両2に乗降可能とされる。乗降室7の床面には車両2の方向を転換させるターンテーブル8が設置されている。ターンテーブル8は、乗降室7の床面に形成された凹状のピット9内に旋回板10と旋回駆動部11が設けられた構成である。
【0028】
駐車塔3の中心部には垂直な昇降通路13が形成されており、この中にリフト14(エレベータ状のパレット搬送機)が上下に昇降可能に設けられている。リフト14は、例えば駐車塔3の上部に設けられた図示しないウインチから下方に延びる4組のワイヤロープ15に四隅を吊持され、上記ウインチが起動することにより昇降通路13内を上下に昇降することができる。
【0029】
一方、昇降通路13の両側には車両格納棚17が設けられている。この車両格納棚17は、昇降通路13を挟むようにして上下に多階層状に設けられており、それぞれの車両格納棚17には車両2を積載するためのパレット18が1枚ずつ収容されている。なお、車両格納棚17の支柱等は図示が省略されている。
【0030】
リフト14と車両格納棚17の床面には、両者14,17の床面の高さが一致した時に、空荷のパレット18、または車両2が積載されたパレット18を、リフト14から車両格納棚17に、または車両格納棚17からリフト14に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が設けられている。
【0031】
車両2の入庫時は、まず空のパレット18が収容されている車両格納棚17から、リフト14によって空のパレット18が乗降室7に降ろされ、このパレット18に車両2が乗り上げて、そのままパレット18ごとターンテーブル8によって90°方向転回された後、リフト14で昇降通路13を上昇し、車両格納棚17に収容される。
【0032】
また、出庫時は、出庫する車両2が収容されている車両格納棚17の高さまでリフト14が上昇し、パレット18ごと出庫車両がリフト14に引き取られ、そのままパレット18はリフト14によって乗降室7に降ろされ、出庫車両が入出庫口4から出庫する。
【0033】
図2は、乗降室7を示す斜視透視図である。外側から見て、入出庫口4に向かって左側に非常用出入口20があり、入出庫口4の上部に青と赤のランプを備えた入庫管制灯21が設けられている。また、
図1、
図2、及び
図5に示すように、入出庫口4に向かって右側、且つ庇5の下に操作盤22(入出庫予約盤)が設けられている。
【0034】
操作盤22は、利用者が各自で、利用者認証と、入出庫予約と、入出庫扉4aの開閉操作等を含む機械操作とを行う入力部であり、庇5の下に設置されることによって風雨から保護されている。さらに、操作盤22の上方の壁面等に、緑、黄、赤の3色を有する三色灯23が設置されている。
また、立体駐車装置1を操作するために乗降室7外に設置される操作盤22の近傍(一例として上部)には、モニタ83が配置されている。モニタ83は、乗降室7内に設置された複数のカメラ78(
図9参照)によって撮像された乗降室7内の画像を表示する。なお、モニタ83は、一例として、利用者が画面を見やすいように、下向きに傾斜している。
【0035】
乗降室7の内部には、中央部にパレット18が設置されるスペースがあり、入出庫口4の正面の壁には車両2の位置をドライバーが確認するための鏡24と、「前進」、「停車」、「後退」の指示を行う電光式の停車位置指示灯25が設けられている。また、乗降室7の両側面の壁には、車両2の大きさや前後位置を検知するための人感・車両センサ26,27や、非常停止ボタン28等が設けられている。停車位置指示灯25は、人感・車両センサ26,27により検知される車両位置のデータに基づいて、車両2のドライバーに車両位置の指示を行う。
【0036】
さらに、
図1、
図2及び
図5に示すように、乗降室7の内部等に、この立体駐車装置1の全体の制御を行う主制御部(CPU)30が設置されている。主制御部30は、後述する制御装置60の主要部であり、入出庫口4、ターンテーブル8、リフト14等による一連の入出庫動作(機械操作)を実行する装置である。主制御部30には操作盤22が接続されており、操作盤22と情報を交換しながら入出庫操作を実行する。
【0037】
図3に示すように、操作盤22は、手前側に開口する筐体33と、この筐体33の開口部を覆う開閉可能な蓋34とを備えており、筐体33の内部には、
図4に示すように、例えばタッチパネル式の液晶画面である操作画面35(表示部35aと入力部35bとを備える)と、認証用のトランスポンダリーダー36(無電源認証信号受信部:利用者にはIDタッチパネルと説明されている)と、非常停止ボタン37等とが設置されている。操作画面35を使用しない時には、蓋34を閉じることで操作画面35を外部から覆い、部外者の悪戯や風雨等から保護することができる。
【0038】
また、蓋34には、引き開けるための取手を兼ねるとともに、蓋34を施錠するための施錠部38が設けられている。施錠部38は、蓋34が閉められると同時に施錠されるオートロック形式であるが、主制御部30からの解錠信号を受けると、図示しないソレノイド等の駆動機構によって解錠されるように構成されている。さらに、施錠部38は、蓋34の開閉状態を主制御部30に出力することができる。
【0039】
施錠部38は、そのキーシリンダ38aに、後述する携帯型認証媒体であるリモコン送信機50に内蔵された専用の機械式キー56を差し込んで捻ることにより、手動で解錠及び施錠することができるが、リモコン送信機50を用いれば、主制御部30から解錠司令を出力させて自動解錠させることができる。さらに、蓋34には、施錠部38の解錠時に緑色に点灯し、施錠時に赤色に点灯する施錠灯39と、ディスプレイ画面41(表示部)と、リモコン操作専用の3色(緑、黄、赤)を有する三色灯42等が設置されている。また、例えば筐体33の下面にLF送信アンテナ46(リモコン照合信号送信部)とユーザー検知部47とが設けられている。
【0040】
LF送信アンテナ46は、LF信号であるリモコン照合信号SDを送信する。このリモコン照合信号SDは、リモコン送信機50に対して認証(ID)を問い合わせる信号であり、この信号の最大到達距離L1(
図5参照)は、操作盤22の直近に居る利用者の位置まで、例えば0.5〜1メートル程度に設定されている。
ユーザー検知部47は、例えば人感センサであり、利用者や車両2が操作盤22の正面に停止したことを検知し、後述するようにLF送信アンテナ46にリモコン照合信号SDを送信させるトリガー信号を発信する。
【0041】
また、
図2〜
図5に示すように、操作盤22にはRF受信アンテナ48(リモコン信号受信部)が設けられている。このRF受信アンテナ48は、例えば庇5の下部に設置されており、利用者が所持しているリモコン送信機50から発信される各種のリモコン信号SA,SB,SCを受信し、操作盤22に設けられた後述の操作盤制御部65に伝送するアンテナである。
【0042】
一方、
図5に示すように、この立体駐車装置1を利用する利用者には、当該利用者自身の固有の認証情報(ID)を記憶されたリモコン送信機50を貸与され、利用者が立体駐車装置1を利用する時に所持することが求められる。このリモコン送信機50は、例えばタグやキーホルダー状に形成され、車両2のキーと一緒に持ち歩いたり、鞄やバック等に入れたりして持ち運ぶものである。リモコン送信機50は、電池70(ボタン型電池等)を内蔵されており(
図8参照)、この電池70から電力を供給されて、後述するように利用者認証や操作盤22の遠隔操作等を行う各種のリモコン信号SA,SB,SCを送信することができる。
【0043】
図6,7に示すように、リモコン送信機50には、その本体ケース51の片面に、認証ボタン52と、起動ボタン(呼出ボタン)53と、扉開ボタン54と、送信ランプ55とが設けられるとともに、操作盤22の蓋34の施錠を解錠可能な機械式キー56が付属している。機械式キー56は、例えば本体ケース51の内部に抜き差し可能に内蔵され、図示しないロックボタンを押すことによって本体ケース51から抜き取ることができる。この機械式キー56を操作盤22のキーシリンダ38aに差し込んで捻ることにより、施錠部38の施錠を手動で解錠し、操作盤22の蓋34を開けることができる。
また、認証ボタン52、起動ボタン53と、扉開ボタン54には、各々○、△、□等のマークが記されている。すなわち、以下の説明において、例えば、○ボタンは認証ボタン52であり、△ボタンは起動ボタン53であり、□ボタンは扉開ボタン54である。
【0044】
操作盤22のRF受信アンテナ48がリモコン送信機50から送信されるリモコン信号SA,SB,SCを受信できる距離(検知範囲)は、例えば10m程度に設定されている。これにより、遠くに居る他の利用者のリモコン信号SA,SB,SCを無用に受信してしまうことが防止されるとともに、入出庫する利用者が車両2に乗車したままでもリモコン信号SA,SB,SCを送信できるようになっている。なお、RF受信アンテナ48を庇5の下部に設けることによって風雨や落雷等から保護することができる。
【0045】
図8は、この立体駐車装置1の制御装置の全体概略構成を示すブロック図である。
この制御装置60は、乗降室7の内部に設置された主要部である主制御部30と、操作盤22と、利用者が所持するリモコン送信機50とを備えて構成されている。
【0046】
まず、主制御部30には、データベース61、機械制御部62、施錠制御部63等が含まれている。データベース61には、立体駐車装置1内の在車状況、各契約車両に対応するパレット形状、EV(電動車両)の充電の必要の有無、利用者登録情報等の各データが記憶されている。機械制御部62は、旋回駆動部11、リフト14、入出庫扉4a等の制御を行う。施錠制御部63は、操作盤22の蓋34の施錠状態、開閉状態を把握するとともに、蓋34の施錠部38を解錠させる解錠信号を発信する。
【0047】
一方、操作盤22には、操作盤制御部65が内蔵され(
図5も参照)、この操作盤制御部65に、操作画面35を構成する表示部35aおよび入力部35bと、ディスプレイ画面41と、前述の非常停止ボタン37、施錠部38、キーシリンダ38a、RF受信アンテナ48、LF送信アンテナ46、トランスポンダリーダー36等が接続されている。トランスポンダリーダー36は電磁波EMWを発信している。
【0048】
他方、リモコン送信機50には、リモコン制御部68が内蔵され、このリモコン制御部68に、前述の認証ボタン52、起動ボタン53、扉開ボタン54、送信ランプ55等が接続されている。また、リモコン送信機50には電源となる電池70が交換可能に内蔵され、リモコン制御部68に電力を供給している。さらに、リモコン制御部68には、電池残量センサ71、RF送信アンテナ72(リモコン信号送信部)、LF受信アンテナ73(リモコン照合信号受信部)、トランスポンダ74(無電源認証信号送信部)等が接続されている。
【0049】
リモコン送信機50のRF送信アンテナ72は、操作盤22のRF受信アンテナ48に各種のリモコン信号SA,SB,SCを送信するアンテナである。ここで、SAはリモコンID信号であり、利用者がリモコン送信機50の認証ボタン52又は起動ボタン53を操作することにより発信される。また、SBは機械操作信号、SCは電池残量警告信号である。また、LF受信アンテナ73は、操作盤22のLF送信アンテナ46から送信されるリモコン照合信号SDを受信するアンテナである。
【0050】
リモコン送信機50のトランスポンダ74は、利用者の認証情報を記憶しており、電池70の電力を使用することなく、操作盤22のトランスポンダリーダー36から発信される電磁波EMWを受信することにより自ら励磁電力を発生させて起動し、利用者の認証情報を無電源認証信号SEに変換して操作盤22に送信するように構成されている。
【0051】
また、電池残量センサ71は、電池70の残量を監視する、所謂AD変換機であり、電池70の電圧のアナログ値を検出してデジタル値に変換し、その結果をリモコン制御部68に随時入力するようになっている。
【0052】
操作盤22のトランスポンダリーダー36は、電磁波EMWを発信しながら、リモコン送信機50が所定の距離以内に接近した時に、リモコン送信機50のトランスポンダ74から送信される無電源認証信号SEを受信するようになっている。
【0053】
そして、操作盤22は、後述するようにRF受信アンテナ48によるリモコン信号(リモコンID信号SA)の2度の受信、またはトランスポンダリーダー36による無電源認証信号SEの受信が行われることによって利用者の認証(以下「ユーザー認証」という。)を行うことができる。
【0054】
トランスポンダリーダー36とトランスポンダ74とを設けたことにより、リモコン送信機50の電池70が切れてリモコン機能が失われたとしても、利用者は認証を受けて立体駐車装置1を利用することができる。即ち、リモコン送信機50に付属する機械式キー56で操作盤22の施錠を解錠して蓋34を開き、リモコン送信機50をトランスポンダリーダー36に近付ければ、電磁波EMWに応答して無電源認証信号SEが発信される。これによりID認証が行われ、操作画面35が起動し、この操作画面35を利用者が手動操作することによって入出庫操作を行うことができる。
【0055】
なお、
図5、
図8に示すように、リモコン送信機50は、電池70の残量が所定値(例えば本来通常3Vの電圧がある電池なら2.5V程度)を下回った時に、リモコン信号の送信時に電池残量警告信号SCを同時に送信する。
一方、操作盤22(操作盤制御部65)は、この電池残量警告信号SCを受信した時に、電池70の残量が少ないことを利用者に警告する。具体的には、操作盤22の蓋34のディスプレイ画面41に「リモコンの電池を交換して下さい」と表示するとともに、音声でも警告する。同時に、例えば
図2、
図3、
図5に示す三色灯23,42を点灯表示から点滅表示に切り替えるようにしてもよい。
【0056】
このように、リモコン送信50機の電池70の残量が少なくなったことが利用者に警告されるため、利用者は、電池残量が少ないことを早目に認識することができ、早期に電池交換を行ってリモコン送信機50の動作不良を未然に防止することができる。
【0057】
さて、操作盤22に内蔵されている操作盤制御部65は、利用者が認証を受ける際に、LF送信アンテナ46にリモコン照合信号SDを送信させる。具体的には、利用者や車両2が操作盤22の前に停止し、これをユーザー検知部47が検知してトリガー信号を発信し、このトリガー信号が発信されている間のみ、リモコン照合信号SDを送信させるようになっている。
【0058】
一方、リモコン送信機50のリモコン制御部68は、上記のように操作盤22のLF送信アンテナ46から送信されたリモコン照合信号SDがLF受信アンテナ73に受信されると、それに応えてリモコン信号送信部72から自動的にリモコンID信号SAを返信させる。
【0059】
そして、操作盤制御部65は、リモコン信号送信部72から自動的に返信されたリモコンID信号SAを受信することによりリモコン送信機50の照合を行う。具体的には、データベース61に記憶されているユーザー登録情報から、送信されたリモコンID信号SAに対応する利用者を特定する。これが第1のID照合となる。
【0060】
この第1のID照合が行われると同時に、操作盤制御部65は、利用者に対し、リモコン送信機50の認証ボタン52を操作するように要請する認証要請表示をディスプレイ画面41に表示する。例えば、ディスプレイ画面41に、「リモコンの認証ボタンを押して下さい」と表示する。この表示の内容を同時に音声で案内してもよい。
【0061】
このようにディスプレイ画面41に表示された認証要請表示を確認した利用者が認証ボタン52を操作してリモコンID信号SAが再度送信され、この再送信されたリモコンID信号SAが操作盤22のRF受信アンテナ48に受信されることにより、操作盤制御部65はリモコン送信機50のID照合を再び行う。これが第2のID照合となる。
【0062】
そして、操作盤制御部65は、第1のID照合における照合結果(ユーザーID)と第2のID照合における照合結果(ユーザーID)とが合致したら、当該利用者のID認証を成立させ、入出庫動作を開始する。具体的には、例えばリモコン送信機50の起動ボタン53を有効化し、利用者に起動ボタン53を操作するように表示する。あるいは、よりダイレクトに、入庫時には空荷のパレット18の呼び出しを開始し、出庫時には出庫車両が搭載されたパレット18の呼び出しを開始することも考えられる。
【0063】
このように、本実施形態に係る立体駐車装置1は、利用者が所持し、利用者の認証情報を信号化したリモコンID信号を送信するリモコン送信機50によって、利用者の認証を行う。なお、立体駐車装置1の利用者には、例えば、車両2の運転者の他にも、時間貸し等に用いられる立体駐車装置1の操作員等も含まれる。
【0064】
図9は、本実施形態に係る乗降室7の上面図である。乗降室7には、退避スペース75(退避場所)が設けられている。退避スペース75は、ターンテーブル8等の可動装置が設置されている場所を避け、可動装置から離れた安全な領域に設けられている。なお、
図9では、
図2に示される構成の一部を省略している。
【0065】
本実施形態に係る乗降室7内には、複数の退避スペース75が設けられ、
図9の例では、乗降室7の四隅に設けられている(退避スペース75_1〜75_4)。しかし、これに限らず、退避スペース75は、例えば、対向する2隅のみや乗降室7の4辺の中央等、複数であれば他の領域に設けられてもよい。また、各退避スペース75には、利用者が退避スペース75の場所を認識しやすいように、退避スペース75の識別番号(文字又は数字等)を示した表記がされている。
【0066】
一方、
図9における円状ライン76内は、立体駐車装置1が運転状態の場合に、パレット18が搬送され、ターンテーブル8が回転する領域であるため、危険エリアとされている。
【0067】
退避スペース75は、ライン(以下「退避ライン」という。)77によって、退避スペース75の内外が区切られる。退避ライン77は、例えば白線であるが、退避ライン77に沿って例えば発光手段(蛍光灯や複数のLED)が床面に設置されてもよい。この発光手段が例えば明滅することによって、利用者は退避スペース75の場所を容易に認識できる。
【0068】
さらに、乗降室7の4隅、すなわち退避スペース75の壁面には、乗降室7内を撮像するカメラ78(78_1〜78_4)が設置されている。なお、カメラ78_1〜78_4は、乗降室7内の撮影画像に死角が生じないように設置される。このため、一例として、カメラ78_1のレンズはカメラ78_2の方向を向き、カメラ78_2のレンズはカメラ78_3の方向を向き、カメラ78_3のレンズはカメラ78_4の方向を向き、カメラ78_4のレンズはカメラ78_1の方向を向く。
【0069】
なお、
図9に示されるカメラ78の配置位置及び台数は一例であり、これに限られない。例えば、カメラ78は360°全方位を撮像できるものとされ、乗降室7の上方であって撮影画像に死角が生じない位置に一つのみ設置されてもよい。また、若干の死角が生じることを容認して、カメラ78が一つのみ設置されえてもよい。
【0070】
カメラ78によって撮像された画像は、乗降室7外に設置されたモニタ83に表示される。モニタ83は、上述した様に、一例として、操作盤22の上方に設置される(
図2参照)。
【0071】
図10は、カメラ78によって撮像され、モニタ83に表示される画像の一例である。
図10の例では、モニタ83の画面が疑似的に複数に分割され、分割された画面(以下「分割画面」という。)84_1〜84_4毎に、カメラ78_1〜78_4で撮像された画像が表示される。
また、一例としてモニタ83の画面下方には、リモコン送信機50に対する操作指示を示す指示画像85を表示する指示画像表示画面86が分割して設けられる。
図10の例における指示画像85は、「△ボタンを押してください」である。なお、指示画像85が示す操作指示の「△ボタン」、「□ボタン」、「○ボタン」の表記は、毎回同じではなくランダムに表示される。
【0072】
そして、本実施形態に係る立体駐車装置1では、乗降室7内の安全確認及び無人確認に関する処理である乗降室内確認処理が行われる。本実施形態に係る乗降室内確認処理は、モニタ83に表示された指示画像85が示す操作と同じ操作がリモコン送信機50に対して行われた場合に、乗降室7内の確認が行われたと判定する処理を含むものである。
【0073】
図11は、本実施形態に係る乗降室内確認処理に関する装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0074】
主制御部30は、乗降室内確認部90を備える。
乗降室内確認部90は、カメラ78_1〜78_4からの画像を指示画像85と共にモニタ83に表示させる。また、乗降室内確認部90は、リモコン送信機50から送信された操作信号(機械操作信号)及びリモコンID信号が操作盤22を介して入力され、利用者が乗降室7内の確認を行ったか否かを判定する。
【0075】
乗降室内確認部90は、カメラ画像表示部91、指示画像表示部92、及び確認判定部93を備える。
【0076】
カメラ画像表示部91は、カメラ78_1〜78_4から出力される画像信号を処理し、カメラ78_1〜78_4で撮像した画像を分割画面84_1〜84_4毎にモニタ83に表示させる。
【0077】
指示画像表示部92は、指示画像85を示す画像信号を生成し、指示画像85をモニタ83の指示画像表示画面86に表示させる。
【0078】
確認判定部93は、モニタ83に表示された指示画像85が示す操作と同じ操作がリモコン送信機50に対して行われた場合に、乗降室7内の確認が行われたと判定(以下「画像確認判定」という。)する。
【0079】
具体的には、指示画像85として「△ボタンを押してください」という画像が表示された場合、利用者は、リモコン送信機50のボタンのうち、△マークが記されているボタン(起動ボタン53)を押す(以下「ボタン操作」という。)。これにより、リモコン送信機50が備えるRF送信アンテナ72から上記ボタン操作に応じた操作信号が送信される。そして、操作盤22が備えるRF受信アンテナ48を介して確認判定部93に上記操作信号が入力される。この操作信号が示すボタン操作と指示画像85が示す操作とが同じ場合に、モニタ83に表示される画像によって利用者が乗降室7内の確認を行ったと判定される。
【0080】
このように、立体駐車装置1の利用者は、モニタ83に表示される指示画像85に応じたボタン操作をリモコン送信機50に行うことで、視点をモニタ83から移動させることなく、乗降室7内の安全確認の完了を装置(主制御部30)へ通知できる。従って、本実施形態に係る立体駐車装置1は、利用者が乗降室7に入ることなく、乗降室7内の安全確認を確実かつ容易に行うことができる。
【0081】
また、リモコン送信機50はRF送信アンテナ72によって比較的遠方からでも、操作盤22に対して機械操作信号を送信できる。このため、モニタ83から遠方、すなわちモニタ83に表示される画像を十分に確認し難い位置からでも、利用者は、乗降室7内の確認を行ったとすることができる。遠方からモニタ83を確認するのでは、乗降室7内の無人確認及び安全確認が不十分となる可能性がある。
【0082】
そこで、確認判定部93は、利用者がモニタ83の近傍に居るかを判定する。
このため、確認判定部93による画像確認判定の前又は後に、操作盤22が備えるLF送信アンテナ46からリモコン照合信号が送信され、操作盤22が備えるRF受信アンテナ48がリモコン送信機50から送信されるリモコンID信号を受信したか否かが確認判定部93によって判定(以下「位置確認判定」という。)される。もし、リモコン照合信号の送信にもかかわらず、リモコンID信号が受信されない場合は、利用者がボタン操作を行ったとしても、乗降室7内の確認が行われたとは判定されない。
【0083】
この位置確認判定によれば、利用者がモニタ83近傍の操作盤22の近くに居なければLF送信アンテナ46からのリモコン照合信号を受信してリモコン送信機50からリモコンID信号を送信できないため、利用者がモニタ83を遠方から確認することを防止できる。
【0084】
さらに、立体駐車装置1を現在利用中の利用者(以下「現在の利用者」ともいう。)とモニタ83を介して乗降室7内の確認を行う者とが異なることは好ましくない。
そこで、確認判定部93は、現在の利用者が操作盤22の前、すなわち、モニタ83の前に居るか否かをリモコンID信号に基づいて判定(以下「利用者確認判定」という。)する。このために、現在の利用者のリモコンID信号を予め取得し、ボタン操作が行われたリモコン送信機50のリモコンID信号と予め取得したリモコンID信号とを比較する。もし、比較した2つのリモコンID信号が異なる場合は、利用者がボタン操作を行ったとしても、乗降室7内の確認が行われたとは判定されない。
【0085】
この利用者確認判定によれば、現在の利用者とは異なる他の利用者によってモニタ83を介した乗降室7内の安全確認がされることを防止できる。
【0086】
図12,13は、本実施形態に係る立体駐車装置1において、車両2の入庫時における乗降室7内の安全確認の流れを示したフローチャートである。
図12,13では、左端から入出庫口4前の状況、乗降室7の状況、主制御部30の処理状態、立体駐車装置1(立駐)の動作状態を示している。
なお、
図12,13及び後述する
図14,15は、立体駐車装置1の利用者を車両2の運転者として説明する。しかしながら、これに限らず、利用者を例えば時間貸し等に用いられる立体駐車装置1の操作員としてもよい。この場合、操作員がリモコン送信機50を所持する一方、車両2の運転者はリモコン送信機50を所持せずに、操作員の指示に従って車両2を入庫又は出庫させる。
【0087】
立体駐車装置1に入庫させる車両2が入出庫口4前に到着すると(S100)、車両2の運転者である利用者はリモコン送信機50の認証ボタン52を押す(S102)。このとき、認証ボタン52は、入出庫口4前が安全であることを確認した場合に押される安全確認ボタンとして機能する。認証ボタン52を押すことによって、リモコン送信機50が備えるRF送信アンテナ72からリモコンID信号が送信される。このリモコンID信号を操作盤22が備えるRF受信アンテナ48が受信すると、主制御部30は、受信したリモコンID信号が予め登録されている利用者のリモコンIDと同じであるか認証(ユーザー認証)する(S300)。
【0088】
ここで、利用者は、RF送信によってリモコンID信号を送信するため、必ずしも操作盤22前に居るとは限らない。利用者が操作盤22前に居ないと、利用者はモニタ83の画面をより明確に確認できず、そのような状態で後述する画像確認判定を行っても無人確認の精度は低い。
このため、主制御部30は、操作盤22が備えるLF送信アンテナ46からリモコン照合信号を送信させる(S104)。操作盤22前の利用者が所持するリモコン送信機50がリモコン照合信号を受信すると、リモコン送信機50は、リモコンID信号を返信する(S106)。すなわち、利用者が操作盤22前に居ない場合は、操作盤22から送信されるリモコン照合信号がリモコン送信機50に到達しないので、後述する画像確認判定に至らない。このような場合、利用者は、操作盤22前に移動する必要がある。
【0089】
そして、操作盤22が備えるRF受信アンテナ48がリモコンID信号を受信すると、主制御部30は、受信したリモコンID信号とS102で安全確認ボタンを押した利用者(現在利用中の利用者)とが同じであるか否かを判定する。これにより、主制御部30は、S102で安全確認ボタンを押した利用者が操作盤22前に居ると確認する(S302)。
【0090】
これらS102〜S302の処理は、上述した位置確認判定に相当する。
なお、車両2を入庫させる場合、通常、利用者である運転者は乗車したままである。このため、車両2の運転席が操作盤22から離れている場合、操作盤22から送信されるリモコン照合信号がリモコン送信機50に到達しない。このような場合は、利用者は一旦降車し、操作盤22前に移動する必要がある。
【0091】
S302で利用者が操作盤22前に居ると確認されると、主制御部30はモニタ83の電源をオンとする(S304)。すなわち、モニタ83は、リモコンID信号に基づいて、現在の利用者が操作盤22前に居ると判定された場合に、カメラ78_1〜78_4が撮像した画像の表示を開始することとなる。
これにより、乗降室7内の確認が必要な場合にのみ、モニタ83が乗降室7内の画像を表示するのでモニタ83の消費電力を削減できる。
【0092】
なお、乗降室7内の確認が不要な時には、モニタ83の電源をオフとするのではなく、乗降室7内の画像とは異なる画像がモニタ83に表示されてもよい。この異なる画像とは、例えば、立体駐車装置1が商業施設に併設されている場合は、この商業施設に関する広告であったり、立体駐車装置1がマンションに併設されている場合は、居住者への連絡事項であったりする。
【0093】
そして、操作盤22前において、利用者はモニタ83に表示されるカメラ78_1〜78_4の画像を確認する(S108)。これにより、車両2を入庫させようとする乗降室7内が無人であり、障害物等も無いことを利用者は確認することとなる。画像を確認した利用者は、モニタ83に表示される指示画像85に応じてリモコン送信機50のボタン操作を行う(S110)。このボタン操作に応じた操作信号及びリモコンID信号がRF送信アンテナ72から送信される。
主制御部30は、RF受信アンテナ48を介して入力された操作信号と指示画像85が示す操作とが同じであるか否かの判定をすると共に、送信されたリモコンID信号に基づいてユーザー認証を行う(S306)。S306のユーザー認証は、受信したリモコンID信号がS300で認証した現在の利用者のリモコンIDと同じであることの確認(再認証)である。
これらS108〜S306の処理は、上述した画像確認判定に相当する。
【0094】
そして、主制御部30は、操作盤22に設置されているLF送信アンテナ46からリモコン照合信号を送信させる(S112)。
操作盤22前の利用者が所持するリモコン送信機50がリモコン照合信号を受信すると、リモコン送信機50は、リモコンID信号を返信する(S114)。主制御部30は、受信したリモコンID信号がS306で認証した現在の利用者のリモコンIDと同じであることの確認(再認証)を行う(S308)。
これらS112〜S308の処理も、上述した位置確認判定に相当する。
【0095】
S308のユーザー認証が完了すると、立体駐車装置1は、車両2が載置されていないパレット18(以下「空パレット」という。)を車両格納棚17から取り出して乗降室7へ搬送する(S400)。乗降室7に空パレットが到着すると、入出庫扉4aが開かれる(S402)。
【0096】
入出庫扉4aが開かれると、利用者は空パレットに車両2を停車させ(S200)、車両2から降りる(S202)。その後、利用者は乗降室7から退室し(S204)、操作盤22前へ移動する(S116)。
【0097】
そして、操作盤22前において、利用者はモニタ83に表示されるカメラ78_1〜78_4の画像を確認する(S118)。これにより、利用者は、車両2をパレット18に載置した後の乗降室7内が無人であり、障害物等も無いことを確認することとなる。画像を確認した利用者は、モニタ83に表示される指示画像85に応じてリモコン送信機50のボタン操作を行う(S120)。このボタン操作に応じた操作信号及びリモコンID信号がRF送信アンテナ72から送信される。
主制御部30は、RF受信アンテナ48を介して入力された操作信号と指示画像85が示す操作とが同じであるか否かの判定をすると共に、送信されたリモコンID信号に基づいてユーザー認証を行う(S310)。S310のユーザー認証は、受信したリモコンID信号がS300で認証した現在の利用者のリモコンIDと同じであることの確認(再認証)である。
これらS118〜S310の処理は、上述した画像確認判定に相当する。
【0098】
そして、主制御部30は、操作盤22に設置されているLF送信アンテナ46からリモコン照合信号を送信させる(S122)。操作盤22前の利用者が所持するリモコン送信機50がリモコン照合信号を受信すると、リモコン送信機50は、リモコンID信号を返信する(S124)。主制御部30は、受信したリモコンID信号がS310で認証した現在の利用者のリモコンIDと同じであることの確認(再認証)を行い(S312)、乗降室7内の無人確認が完了したと判定する。
これらS122〜S312の処理も、上述した位置確認判定に相当する。
【0099】
乗降室7内の無人確認完了を受けて、操作盤22の操作画面35に安全確認ボタンが表示され(S126)、利用者は安全確認ボタンを押す(S128)。これにより、主制御部30は、立体駐車装置1の安全確認が完了したと判定する(S314)。安全確認完了を受けて、操作盤22の操作画面35に入出庫扉4aの閉ボタンが表示され(S130)、利用者は入出庫扉4aの閉ボタンを押す(S132)。これにより、立体駐車装置1は、入出庫扉4aを閉じる(S404)。その後、車両2が載置されたパレット18(以下「実パレット」という。)は、車両格納棚17へ格納される。
【0100】
なお、モニタ83は、入出庫扉4aが閉められた後、所定時間経過後(例えば1分後)に電源がオフとされる。
【0101】
次の
図14,15は、本実施形態に係る立体駐車装置1において、車両2の出庫時における乗降室7内の安全確認の流れを示したフローチャートである。
【0102】
車両2を出庫させる利用者が操作盤22前に到着すると(S150)、利用者はリモコン送信機50の認証ボタン52を押し(S152)、ユーザー認証(S350)を行う。その後のS154〜S358に係る画像確認判定及び2回の位置確認判定は、
図12のS104〜S308と同様である。
そして、S358でユーザー認証が完了すると、立体駐車装置1は、ユーザー認証を行った利用者の車両2が載置された実パレットを車両格納棚17から取り出して乗降室7へ搬送する(S450)。乗降室7に実パレットが到着すると、入出庫扉4aが開かれる(S452)。
【0103】
入出庫扉4aが開かれると、利用者は乗降室7内に入り(S250)、車両2へ乗車する(S252)。その後、利用者は乗降室7から退車し(S254)、立体駐車装置1の前で一旦停車(S166)して降車した後に、操作盤22前へ移動する(S168)。
【0104】
そして、操作盤22前において、利用者はモニタ83に表示されるカメラ78_1〜78_4の画像を確認する(S170)。その後の画像確認判定及び位置確認判定を含むS170〜S456に係る処理は、
図13のS120〜S406と同様であり、S406の後に、乗降室7内の空パレットは車両格納棚17へ格納される。
【0105】
なお、
図12,13及び
図14,15の例では、位置確認判定を複数回行っているが、必ずしも全ての位置確認判定を行う必要はない。
また、S108〜S306及びS158〜S356の画像確認判定は、立体駐車装置1の起動前に行われる画像確認判定であり、これを行うことにより、立体駐車装置1を起動させる前に、乗降室7内の無人を確認でき、より立体駐車装置1の安全性が向上する。なお、立体駐車装置1の起動前とは、例えば、入庫又は出庫のために入出庫扉4aが開かれる前である。
【0106】
以上説明したように、本実施形態に係る立体駐車装置1は、乗降室7内に設置されたカメラ78によって乗降室7内を撮像し、乗降室7外に設置され
たモニタ83に、カメラ78が撮像した画像を表示すると共に、リモコン送信機50に対する操作指示を示す指示画像85を表示する。そして、立体駐車装置1が備える乗降室内確認部90は、モニタ83に表示された指示画像85が示す操作と同じボタン操作がリモコン送信機50に対して行われた場合に、乗降室7内の確認が行われたと判定する。
【0107】
これにより、立体駐車装置1の利用者は、モニタ83に表示される指示画像85に応じたボタン操作をリモコン送信機50に行うことで、視点をモニタ83から移動させることなく、乗降室7内の安全確認の完了を立体駐車装置1へ通知できる。従って、本実施形態に係る立体駐車装置1は、利用者が乗降室7に入ることなく、乗降室7内の安全確認を確実かつ容易に行える。
【0108】
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0109】
例えば、上記実施形態では、モニタ83に表示される指示画像85は一つであり、一回のボタン操作で画像確認判定を行う形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、
図16,17に示されるように、モニタ83に表示される指示画像85は複数種類であり、各カメラ78が撮像した画面毎に異なる操作指示を示してもよい。
【0110】
図16の例では、分割画面84_1〜84_4毎に、各々異なる指示画像85が表示され、全ての指示画像85が示す操作と同じボタン操作が行われた場合に、乗降室7内の確認をしたと判定される。
また、
図17の例では、モニタ83は一つのカメラ78毎に画像を表示し、指示画像85が示す操作と同じボタン操作が行われる毎にカメラ78の画像が切り替わり、全てのカメラ78の画像を確認した場合に、乗降室7内の確認をしたと判定される。
【0111】
なお、複数の指示画像85がモニタ83に表示され、全ての指示画像85が示す操作と同じボタン操作が行われる前に、乗降室7内に人が入室した場合、それまでのボタン操作はキャンセルされ、入室した人が乗降室7から退室したと判定された後に、最初から画像確認判定が行われることとなる。なお、画像確認判定中において、乗降室7内への人の入室及び退室は、入出庫口4に設置される人感センサによって検知される。
また、複数の指示画像85がモニタ83に表示されるものの、連続して行われるべきボタン操作に予め定められた間隔(例えば10秒)以上の時間間隔が生じた場合、それまでのボタン操作はキャンセルされ、最初から画像確認判定が行われることとなる。
【0112】
また、上記実施形態で説明した車両2の入庫時又は出庫時における処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。