(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の医療行為者をそれぞれ識別するための複数の医療行為者情報と、前記医療行為者により実施された医療行為に対応する複数の品目に関する複数の品目情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記複数の医療行為者の中から、診療報酬明細書に記載された複数の品目のうちの点検対象品目に対応する医療行為を実施した医療行為者を特定する特定部と、
前記特定された医療行為者に関する医療行為者情報を出力する出力部と、
を具備し、
前記特定部は、前記診療報酬明細書に記載される患者が外来患者である場合、前記点検対象品目を医療行為の種別に応じて分類した診療区分情報と前記患者に付された患者番号と前記患者が前記点検対象品目に対応する医療行為を受けた診療年月とから、前記点検対象品目に対応する医療行為を実施した医療行為者を前記複数の医療行為者の中から特定する、
医事会計システム。
前記記憶部は、前記診療報酬明細書に記載される患者に付された患者番号と、前記患者が入院患者であるか外来患者であるかを分類する入院外来区分と、前記患者が前記複数の品目に対応する医療行為を受けた診療年月と、前記複数の品目情報と、前記複数の品目を前記品目に対応する医療行為の種別に応じて分類した診療区分情報と、前記複数の医療行為者情報とを関連付けて記憶し、
前記特定部は、前記患者が入院患者である場合、前記患者番号と前記診療年月とから、前記点検対象品目に対応する医療行為を実施した前記医療行為者を特定する請求項1記載の医事会計システム。
前記出力部は、前記診療報酬明細書の点検を依頼する点検依頼者により指定される回答期限に近づいた場合、前記前記診療報酬明細書の点検を実施する医療行為者に対して警告を出力する請求項1記載の医事会計システム。
前記点検依頼者による前記診療報酬明細書の点検依頼時において、前記医療行為者に対して前記診療報酬明細書の点検に対する回答期限を指定するための入力部をさらに具備する請求項8記載の医事会計システム。
前記出力部は、前記特定部により特定された医療行為者が複数いる場合、前記特定された複数の医療行為者の名称を表示する請求項1乃至12のいずれか一項記載の医事会計システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る医事会計システムについて、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る医事会計システムの構成を示すブロック図である。医事会計システムは、審査支払機関に提出する診療報酬明細書(レセプト)の作成および管理を行うための医事会計サービスを実現するためのシステムである。
図1に示すように、医事会計システムは、第1医用端末1と、第2医用端末2と、医事会計サーバ3とを備える。第1医用端末1と、第2医用端末2と、医事会計サーバ3とは、ネットワークNWを介して互いに接続される。ここで、ネットワークNWとは、例えば、病院内で構築される院内ネットワークのことである。
【0011】
第1医用端末1は、医事課に所属する医事課職員が主として利用する情報処理装置である。医事課職員は、第1医用端末1を介して、医事会計サーバ3から提供される医事会計サービスを利用することが可能である。例えば、第1医用端末1では、当該医事会計サービスとしてレセプト作成機能とレセプト点検依頼機能とが提供される。第1医用端末1におけるレセプト作成機能を用いて、医事課職員によりレセプトが作成される。作成されたレセプトは、本第1医用端末1と接続される医事会計サーバ3で管理される。また、第1医用端末1におけるレセプト点検依頼機能を用いて、医事課職員によりレセプトの点検依頼が実施される。
【0012】
第1医用端末1は、処理回路11と、記憶回路12と、入力インターフェース回路(入力I/F回路)13と、通信インターフェース回路(通信I/F回路)14と、ディスプレイ15とを有する。
【0013】
処理回路11は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを含む。処理回路11のメモリは、記憶回路12に記憶される、本第1医用端末1と医事会計サーバ3とを接続するための接続プログラムを一時的に記憶する。処理回路11のプロセッサは、メモリに記憶される接続プログラムにより、本第1医用端末1と医事会計サーバ3とを通信可能に接続する。また、処理回路11のプロセッサは、メモリに記憶される制御プログラムにより、本第1医用端末1における各構成の動作を統括的に制御する。例えば、処理回路11は、入力インターフェース回路13から送られる操作者の指示に従って、ディスプレイ15を制御する。
【0014】
入力インターフェース回路13は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。入力インターフェース回路13は、処理回路11に接続されている。入力インターフェース回路13は、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し処理回路11へ出力する。なお、本実施形態において、入力インターフェース回路13は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路11へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース回路13の例に含まれる。
【0015】
通信インターフェース回路14は、ネットワークNWを介して、本第1医用端末1を第2医用端末2および医事会計サーバ3と通信可能にするための回路である。通信インターフェース回路14は、有線あるいは無線にて第2医用端末2および医事会計サーバ3と通信する。
【0016】
ディスプレイ15は、処理回路11による制御に従い種々のデータを表示機器に表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイまたは当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。ディスプレイ15は、本第1医用端末1と医事会計サーバ3との接続を契機として、医事会計サーバ3から提供される医事会計サービスの操作画面を表示する。具体的には、ディスプレイ15は、医事会計サービスの操作画面として、レセプトの点検依頼を実施するための依頼画面を表示する。
【0017】
第2医用端末2は、医師や薬剤師等の医療行為者が主として利用する情報処理装置である。医療行為者は、第2医用端末2を介して、医事会計サーバ3から提供される医事会計サービスを利用することが可能である。例えば、第2医用端末2では、当該医事会計サービスとして、レセプト点検機能が提供される。第2医用端末2におけるレセプト点検機能を用いて、点検依頼を受けた医療行為者により、点検依頼に対応するレセプトの点検が実施される。点検が完了したレセプトは、本第2医用端末2と接続される医事会計サーバ3で管理される。
【0018】
第2医用端末2は、処理回路21と、記憶回路22と、入力インターフェース回路(入力I/F回路)23と、通信インターフェース回路(通信I/F回路)24と、ディスプレイ25とを有する。
【0019】
処理回路21は、ハードウェア資源として、CPUやMPU等のプロセッサと、ROMやRAM等のメモリとを含む。処理回路21のメモリは、記憶回路22に記憶される、本第2医用端末2と医事会計サーバ3とを接続するための接続プログラムを一時的に記憶する。処理回路21のプロセッサは、メモリに記憶される接続プログラムにより、本第2医用端末2と医事会計サーバ3とを接続する。また、処理回路21のプロセッサは、メモリに記憶される制御プログラムにより、本第2医用端末2における各構成の動作を統括的に制御する。例えば、処理回路21は、入力インターフェース回路23から送られる操作者の指示に従って、ディスプレイ25を制御する。
【0020】
入力インターフェース回路23は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。入力インターフェース回路23は、処理回路21に接続されている。入力インターフェース回路23は、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し処理回路11へ出力する。
【0021】
なお、本実施形態において、入力インターフェース回路23は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路11へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース回路23の例に含まれる。
【0022】
通信インターフェース回路24は、ネットワークNWを介して、本第2医用端末2を第1医用端末1および医事会計サーバ3と通信可能にするための回路である。通信インターフェース回路24は、有線あるいは無線にて第1医用端末1および医事会計サーバ3と通信する。
【0023】
ディスプレイ25は、処理回路21による制御に従い種々のデータを表示機器に表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイまたは当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。ディスプレイ25は、本第2医用端末2と医事会計サーバ3との接続を契機として、医事会計サーバ3から提供される医事会計サービスの操作画面を表示する。具体的には、ディスプレイ15は、医事会計サービスの操作画面として、レセプトの点検依頼を受けた場合に対応する依頼受領画面を表示する。
【0024】
医事会計サーバ3は、PCやワークステーション等を用いた当該医事会計サービスを提供するための情報処理装置である。医事会計サーバ3は、入力インターフェース回路31と、通信インターフェース回路32と、ディスプレイ33と、処理回路35と、データベース34とを備える。
【0025】
入力インターフェース回路31は、主として医事会計サーバ3の管理者により利用されるものである。入力インターフェース回路31は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。入力インターフェース回路31は、処理回路35に接続されている。入力インターフェース回路31は、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し処理回路35へ出力する。
なお、本実施形態において、入力インターフェース回路31は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路35へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース回路31の例に含まれる。
【0026】
通信インターフェース回路32は、ネットワークNWを介して、本医事会計サーバ3を第1医用端末1および第2医用端末2と通信可能にするための回路である。通信インターフェース回路32は、有線あるいは無線にて外部装置と通信する。
【0027】
ディスプレイ33は、主として医事会計サーバ3の管理者により利用されるものであり、処理回路35による制御に従い種々のデータを表示機器に表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイまたは当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
【0028】
データベース34は、医事課において作成されたレセプト、当該レセプトに記載される記載項目を示すレセプト項目情報を記憶する、HDD(hard disk drive)やSSD(solid state drive)、集積回路記憶装置等の大容量の記憶装置である。データベース34には、当該レセプト項目情報として、一般に、レセプトに記載される記載事項に対応する情報が記憶される。具体的には、レセプト項目情報として、患者情報、入院外来区分情報、保険区分情報、患者が診療を受けた診療年月情報、施設情報、患者の傷病名情報、診療開始日情報、診療終了日情報、診療実日数情報、診療内容情報、請求点数情報が記憶される。患者情報は、患者氏名、生年月日、住所、性別、患者を識別するための患者番号等を示す。入院外来区分情報は、患者が入院患者か外来患者かを示す。保険区分情報は、患者が加入している保険内容を示す。施設情報は、患者が診療を受けた医療機関や診療科を示す。診療開始日情報は、患者が診療を開始した日を示す。診療終了日情報は、患者が診療を終了した日を示す。診療実日数情報は、患者が当該診療年月において実際に診療を受けた日数を示す。診療内容情報は、実施された診療内容を示す。請求点数情報は、請求点数の合計を示す。
【0029】
特に、診療内容情報は細かく区分されており、レセプトに記載される複数の品目に対応する医療行為(例えば、検査、処置、投薬、手術)の実施回数、当該品目に対応する医療行為を実施した医療行為者が所属する診療科等を記憶する。複数の品目は、当該医療行為の種別に応じて分類した診療区分ごとにレセプトに記載される。診療区分とは、レセプトにおいて用いられる初診、再診、医学管理、在宅、投薬、注射、処置、手術、検査、画像診断等の区分のことである。また、データベース34は、医事会計システム上で医療行為者を識別するための医療行為者コードと、当該医療行為者コードに対応する医療行為者の氏名とを関連付けて記憶する。また、データベース34は、医事会計システム上で医事課職員を識別するための医事課職員コードを記憶する。
【0030】
なお、上記データベース34の構築は、病院ごと、あるいはシステムを構築するメーカごとに異なり、上記記載項目に限定されない。
【0031】
処理回路35は、本実施形態に係る医事会計システムの中枢として機能する。処理回路35は、CPUやMPU等のプロセッサと、ROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路35は、メモリに記憶されたレセプト点検支援プログラムを実行することにより、当該レセプト点検支援プログラムに対応する機能を実現する。
【0032】
具体的には、処理回路35は、当該レセプト点検支援プログラムを実行することにより、点検実施者特定機能351、アラート機能352、進捗管理機能353、および表示制御機能354を実現する。
【0033】
点検実施者特定機能351として、処理回路35は、レセプトに記載された点検対象品目の点検を実施する点検実施者を特定する。具体的には、処理回路35は、患者が外来患者である場合、患者番号と診療年月と点検対象品目とに対応する診療区分を取得し、取得された診療区分と患者番号と診療年月とから、点検対象品目に対応する医療行為を実施した医療行為者を複数の医療行為者の中から特定する。また、処理回路35は、患者が入院患者である場合、患者番号と診療年月とから、点検対象品目に対応する医療行為を実施した医療行為者を複数の医療行為者の中から特定する。処理回路35は、特定された医療行為者に関する医療行為者情報を第1医用端末1へ出力する。
【0034】
アラート機能352として、処理回路35は、点検依頼者により指定される回答期限に近づいた場合、レセプトの点検を実施する医療行為者に対して、回答期限が近づいていることを通知する警告を第2医用端末2へ出力する。なお、点検依頼者によるレセプトの点検依頼時において、入力インターフェース回路31によりレセプトの点検に対する回答期限を指定する。
【0035】
進捗管理機能353として、処理回路35は、点検依頼されたレセプトの点検進捗状況を管理する。また、処理回路35は、複数の医療行為者ごとのレセプトに対する点検の実績を管理する。
【0036】
表示制御機能354として、処理回路35は、第1医用端末1と第2医用端末2とに備えられるディスプレイ15,25を制御して、ディスプレイ15,25に種々のデータを表示する。処理回路35は、ディスプレイ15,25に医事会計サービスの操作画面を表示させる。具体的には、処理回路35は、レセプトの点検依頼を実施するための点検依頼画面をディスプレイ15に表示させる。処理回路35は、レセプトの点検依頼を受けた場合に対応する依頼受領画面をディスプレイ25に表示させる。処理回路35は、点検依頼されたレセプトの点検進捗状況をディスプレイ15、またはディスプレイ25に表示させる。また、処理回路35は、複数の医療行為者ごとのレセプトに対する点検の実績をディスプレイ15、またはディスプレイ25に表示させる。
【0037】
ここで、本実施形態に係る医事会計システムにおけるレセプトに記載される点検対象品目に対する点検依頼について説明する。
【0038】
(レセプトの点検を実施する医療行為者の特定機能)
図2は、本実施形態に係る医事会計システムにおいて、点検依頼者による点検対象品目の指定から当該指定された点検対象品目の点検を実施する医療行為者を特定するまでの流れを示すフローチャートである。本実施形態では、具体例として、
図3に示す、診療年月「2015/10」、患者番号「00003095」、患者名「患者 太郎」、入院外来区分「1(外来)」、診療科「複数科(全科)」の条件下で発行されたレセプトにおける点検対象品目の点検を依頼する過程について記載する。
【0039】
ステップSa1において、処理回路35は、表示制御機能354として、第1医用端末1のディスプレイ15にレセプトの点検依頼を実施するための点検依頼画面を表示する。
図4は、
図1に示す第1医用端末1のディスプレイ15に表示される、レセプトの点検依頼を実施するための点検依頼画面を示す図である。
図4に示すように、レセプトの点検依頼画面20は、レセプト表示欄30、検索結果表示欄40、表示されるレセプトに対応する患者情報欄50、コメント欄60、進捗状況表示欄70等を有する。医事課職員は、当該点検依頼画面20を参照して、表示されたレセプトから点検依頼を行いたい点検対象品目(例えば、検査名、指導名、薬剤名)を指定する。具体的には、医事課職員は、レセプトに記載された傷病名「かぜ」,「盲腸炎」と複数の品目とを比較する。医事課職員は、複数の品目のうち、「検査(HbA1c)」に対応する傷病名が記載されていないことを認識する。医事課職員は、対応する傷病名が記載されていない「検査(HbA1c)」を点検対象品目として指定する。なお、点検対象品目は、複数の品目それぞれに貼られたリンクを入力インターフェース回路13により指定しても、当該点検依頼画面20とは別枠で入力画面を設け、入力インターフェース回路13による当該入力画面への入力により指定してもよい。
【0040】
ステップSa2において、処理回路35は、点検依頼者により指定された点検対象品目の名称を取得する。ステップSa1において指定された点検対象品目が「検査(HbA1c)」であるため、処理回路35は、点検対象品目の名称「HbA1c」を取得する。
【0041】
ステップSa3において、処理回路35は、点検実施者特定機能351として、レセプトに記載されたレセプト項目情報のうち、患者番号情報、入院外来区分情報、診療年月情報を取得する。
図5は、
図1に示すデータベース34に記憶されるレセプト集計情報テーブルを示す図である。
図5に示すレセプト集計情報テーブルは、レセプトに記載される記載項目をテーブルとして集計したものである。例えば、レセプト集計情報テーブルは、患者番号、入院外来区分、診療年月、診療実日数、請求点数、当該請求点数に対応する請求金額等を関連付ける。本実施形態において、処理回路35は、
図5に示すレセプト集計情報テーブルから患者番号「3095」、入院外来区分「1(外来)」、診療年月「2015/10」を取得する。
【0042】
ステップSa4において、処理回路35は、ステップSa2において取得された入院外来区分情報から、レセプトに記載された患者が入院患者であるか、外来患者であるかを判定する。ステップSa3において取得された入院外来区分が「1(外来)」であるため、処理回路35は、患者が外来患者であると判定する。
【0043】
ステップSa5において、処理回路35は、ステップSa4で判定された入院外来区分が「1(外来)」である場合、ステップSa2において取得された点検対象品目の名称と、ステップSa3において取得された診療年月情報とに基づいて、点検対象品目に対応する品番情報を取得する。
図6は、
図1に示すデータベース34に記憶される点数マスタテーブルを示す図である。
図6に示す点数マスタテーブルは、レセプトに記載される複数の品目ごとに設定される請求点数をテーブルとしてまとめたものである。点数マスタテーブルは、医事会計システム上で複数の品目それぞれを識別するための品番、複数の品目それぞれの正式名称、複数の品目に対応する医療行為を実施した場合の点数を関連付ける。加えて、同一名称で、品番あるいは点数が異なる複数の品目が含まれている可能性があるため、診療年月により候補を絞れるよう、品目に対応する当該品番の適用開始日と適用終了日とを関連付ける。後述する診療明細品番情報テーブルには、当該点検対象品目の名称が記憶されておらず、当該点検対象品目に対応する品番が記憶されている。本実施形態において、処理回路35は、点検対象品目の名称「HbA1c」および診療年月「2015/10」に基づいて点数マスタテーブルを検索し、点検対象品目の名称「HbA1c」、かつ適用開始日「2014/4/1」≦診療年月「2015/10」≦適用終了日「9999/12/31」という条件を満たす品番を満たす品番「6000722」を点数マスタテーブルの中から取得する。
【0044】
ステップSa6において、処理回路35は、ステップSa3において特定された患者番号情報、入院外来区分情報、診療年月情報、ステップSa5において取得された品番情報に基づいて、当該品目に対応する医療行為を実施した医療行為者が所属する診療科を識別するための診療科コード、当該複数の品目に対応する医療行為ごとに分類した診療区分、レセプトに記載される各診療区分の登場回数を示す区切番号を特定する。
図7は、
図1に示すデータベース34に記憶される診療明細品番情報テーブルを示す図である。
図7に示す診療明細品番情報テーブルは、レセプトに記載される各情報を
図6に示す点数マスタテーブルに記憶される内容と関連付けてまとめたものである。診療明細品番情報テーブルは、レセプトに記載される患者番号、入院外来区分、診療年月、品番と共に、診療科コード、診療区分、区切番号、医療材料の数量を関連付ける。医療材料とは、対応する医療行為の提供に必要な医療機器、医療器具、医薬品のことである。本実施形態において、処理回路35は、ステップSa3において取得された患者番号「3095」、入院外来区分「1(外来)」、診療年月「2015/10」、ステップSa5において取得された品番「6000722」に基づいて診療明細品番情報テーブルを検索し、患者番号「3095」、入院外来区分「1(外来)」、診療年月「2015/10」、品番「6000722」という条件を満たす診療科コード「9」、診療区分「60(検査)」、区切番号「1」を診療明細品番情報テーブルの中から特定する。
【0045】
ステップSa7において、処理回路35は、ステップSa3において特定された患者番号情報、入院外来区分情報、診療年月情報、ステップSa6において特定された診療科コード情報、診療区分情報、区切番号情報に基づいて、当該点検対象品目に対応する医療行為を実施した医療行為者を識別するための医療行為者コードを取得する。
図8は、
図1に示すデータベース34に記憶される診療明細医師部門情報テーブルを示す図である。
図8に示す診療明細医師部門情報テーブルは、
図7に示す診療明細品番情報テーブルから取得される各情報を、医療行為者を識別するための医療行為者コードと関連付けてまとめたものである。診療明細医師部門情報テーブルは、患者番号、入院外来区分、診療年月、診療科コード、診療区分、区切番号、医療行為者を識別するための医療行為者コードを関連付ける。ここで、検査「HbA1c」は、医師により実施される検査であるため、医療行為者コードとして、医師コードが診療明細医師部門情報テーブルにより関連付けられる。本実施形態において、処理回路35は、ステップSa3において取得された患者番号「3095」、入院外来区分「1(外来)」、診療年月「2015/10」、ステップSa6において取得された診療科コード「9」、診療区分「60(検査)」、区切番号「1」に基づいて診療明細医師部門情報テーブルを検索し、患者番号「3095」、入院外来区分「1(外来)」、診療年月「2015/10」、診療科コード「9」、診療区分「60(検査)」、区切番号「1」という条件を満たす当該医師コード「2」を診療明細医師部門情報テーブルの中から取得する。
【0046】
一方、ステップSa8において、処理回路35は、ステップSa4で判定された入院外来区分が「2(入院)」である場合、ステップSa3で取得された患者番号情報、診療年月情報に基づいて、当該医療行為者コードを取得する。
図9は、
図1に示すデータベース34に記憶される患者入院情報テーブルを示す図である。
図9に示す患者入院情報テーブルは、入院中または退院した患者の入院時における情報をまとめたものである。患者入院情報テーブルは、患者番号、患者が入院した入院開始日、患者が退院した入院終了日、担当の医療行為者に対応する医療行為者コードを関連付ける。ここで、ステップSa7と同様に、検査「HbA1c」は、医師により実施される検査であるため、医療行為者コードとして、医師コードが患者入院情報テーブルにより関連付けられる。本実施形態において、処理回路35は、ステップSa3で取得された患者番号「3095」、かつ入院開始日「2015/10/5」≦診療年月「2015/10」または入院終了日「2015/10/10」≦診療年月の最終日「2015/10/31」である医師コード「2」を取得する。
【0047】
ステップSa9において、処理回路35は、ステップSa7またはステップSa8で特定された医療行為者コードに基づいて、当該医療行為者コードに対応する医療行為者の名称を特定する。
図10は、
図1に示すデータベース34に記憶される医師マスタテーブルを示す図である。
図10に示す医師マスタテーブルは、医師コード、医師コードに対応する医師の名称を関連付ける。処理回路35は、ステップSa7またはステップSa8で特定された医師コード「2」に対応する医師の名称「医師 次郎」を特定する。
【0048】
これにより、本実施形態に係る医事会計システムは、レセプトに記載された点検対象品目に対する点検を実施する医療行為者の名称を特定することができる。
【0049】
さらに、上記特定された医療行為者に対してレセプトの点検依頼を行うための依頼画面を第2医用端末2に表示するための処理を実施する。ステップSa10において、処理回路35は、特定したい医師の数をカウントする。ステップSa11において、処理回路35は、ステップSa10においてカウントされた医師数が1人であるか複数であるかを判定する。ステップSa12において、ステップSa10においてカウントされた医療行為者数が1人の場合、処理回路35は、表示制御機能354として、特定された医師に対してレセプトの点検依頼を行うための依頼登録画面を第1医用端末1に表示する。
図11は、第1医用端末1のディスプレイ15に表示される点検依頼登録画面を示す図である。
図11に示す点検依頼登録画面80は、担当医師表示欄90、回答期限入力欄100、優先度設定欄110、依頼内容入力欄120等を有する。点検依頼者は、ディスプレイ15に表示された点検依頼登録画面80に上記回答期限、当該点検の優先度、依頼内容を入力する。入力完了後、入力インターフェース回路13により当該回答期限、優先度、依頼内容の入力を承認することで、点検依頼者は、点検を実施する医療行為者に対してレセプトに記載された点検対象品目に対する点検を依頼することができる。
【0050】
一方、ステップSa13において、ステップSa10においてカウントされた医療行為者数が複数の場合、処理回路35は、表示制御機能354として、特定された複数の医療行為者の名称を表示し、点検を依頼する医療行為者を点検依頼者により選択させるための点検依頼先選択画面を第1医用端末1に表示する。
図12は、第1医用端末1のディスプレイ15に表示される点検依頼先選択画面を示す図である。点検依頼先選択画面130は、レセプトの点検を依頼する医療行為者の選択を促す文言の表示欄140、レセプトの点検を依頼する医療行為者の選択欄150等を有する。点検依頼者は、点検依頼先選択画面130にてレセプトの点検を依頼する医療行為者「医師 次郎」を入力インターフェース回路13により選択する。
【0051】
選択後、処理回路35は、ステップSa13で選択された医療行為者の名称「医師 次郎」が表示された点検依頼登録画面80を第1医用端末1のディスプレイ15に表示する。さらに、点検依頼者は、ステップSa12と同様に、ディスプレイ15に表示された点検依頼登録画面80に上記回答期限、優先度、依頼内容を入力する。入力完了後、入力インターフェース回路13により当該回答期限、優先度、依頼内容の入力を承認することで、点検依頼者に対してレセプトに記載された点検対象品目に対する点検を依頼することができる。レセプトの点検を依頼された医療行為者は、点検対象品目に対する点検依頼を受け、レセプトに記載された点検対象品目に対する点検を実施する。
【0052】
上記医療行為者の特定機能により、医事課職員の点検依頼先医師決定に要する時間を短縮することができる。
【0053】
さらに、上記点検依頼者によるレセプトの点検依頼時、上記取得された複数の情報を関連付けたテーブルがデータベース34に構築される。
図13は、
図1に示すデータベース34に記憶される点検依頼テーブルを示す図である。
図13に示す点検依頼テーブルは、レセプトの点検依頼ごとに蓄積されるレセプトの点検依頼に関連する情報をまとめたものである。点検依頼テーブルは、レセプトに記載された患者番号、入院外来区分、診療年月、点検依頼者により上記点検依頼登録画面80に入力された依頼内容、点検依頼を実施した点検依頼者を識別するための点検依頼者コード、点検依頼者により入力された回答期限、更新日時、点検依頼者により上記点検依頼登録画面80に入力された優先度、レセプトの点検を依頼された医療行為者を識別するための医療行為者コード、レセプトごとの点検の進捗具合を示す点検進捗状況を関連付ける。本実施形態において、点検進捗状況は、例えば、「点検依頼中」、「点検中」、「点検完了」、「医事課確認中」、「医事課確認完了」という複数のステータスに分かれる。具体的には、点検依頼テーブルは、
図2に示すフローチャートで特定された医療行為者「医師 次郎」に対して、患者番号「3095」、入院外来区分「1(外来)」、診療年月「2015/10」、依頼内容「病名」、点検依頼者コード「0001」、回答期限「2015/12/2」、医療行為者「医師 次郎」に対応する箇所の更新日時「2015/9/1」、優先度「中」、医師コード「2」、進捗状況「点検中」を関連付ける。
【0054】
本実施形態に係る医事会計システムは、当該点検依頼テーブルを用いて、下記に示す機能を実現する。
【0055】
(アラート通知機能)
図14は、本実施形態に係る医事会計システムにおける、未回答の点検依頼の抽出からアラート通知までの流れを示すフローチャートである。ステップSb1において、処理回路35は、アラート機能352として、
図13に示す点検依頼テーブルから未回答の点検依頼案件レコードを抽出する。具体的には、
図13に示す複数の点検依頼案件レコードのうち、進捗状況が「点検依頼中」、または「点検中」となっている点検依頼案件レコードを抽出する。
図13に示す点検依頼テーブルでは、患者番号「110」、患者番号「990」および患者番号「3095」の点検依頼が「点検中」となっているため、未回答の点検依頼案件レコードとして抽出される。
【0056】
ステップSb2において、処理回路35は、ステップSb1で抽出された未回答の点検依頼案件レコードを医療行為者別にカウントする。
図13に示す点検依頼テーブルでは、医師コード「2」に対応する医師が未回答の点検依頼案件レコードを3件有する。ステップSb3において、処理回路35は、ステップSb1で取得した未回答の点検依頼案件に関する点検依頼情報とステップSb2で取得した未回答件数に基づいて、対象となる医師にアラートを通知する。通知方法としては、例えば、上記医師コードに対応する医師のメールアドレスを取得し、対象の医師に対してアラートメールを配信する。これにより、対象の医師は、未回答の点検依頼を持つことを認識することができる。なお、メール配信タイミングについては、例えば、医事会計サーバ3の管理者側で入力インターフェース回路31を介して定めることとする。また、メール配信タイミングは、例えば、一日に一回、または週に一回と設定する。
【0057】
(期限アラート表示機能)
図15は、本実施形態に係る医事会計システムにおける、回答期限が近付いている点検依頼があることを通知する流れを示すフローチャートである。ここで、ログインする医療行為者が医師であると仮定する。
【0058】
ステップSc1において、処理回路35は、アラート機能352として、医師が第2医用端末2からログインを行ったことを契機として、
図13に示す点検依頼テーブルからログインした医師の未回答の点検依頼レコードに関する情報を抽出する。具体的には、第2医用端末2にログインした医師が医師コード「2」に対応する医師であった場合、
図13に示す点検依頼テーブルから、患者番号「110」に関する点検依頼の回答期限「2015/11/30」、患者番号「990」に関する点検依頼の回答期限「2015/11/30」および患者番号「3095」に関する点検依頼の回答期限「2015/12/2」を抽出する。
【0059】
ステップSc2において、処理回路35は、アラート表示日数を取得する。アラート表示日数とは、回答期限と現在の日付を比較し、所定の日数以内となった場合にアラートを表示するために設定されるパラメータである。アラート表示日数は、予め医事会計サーバ3の管理者により入力インターフェース回路31を介して設定しておくものとする。本実施形態では、アラート表示日数を「3」とする。
【0060】
ステップSc3において、処理回路35は、「アラート表示日数≧(現日付−回答期限)」という条件を満たす未回答の点検依頼の件数をカウントする。具体的には、現日付を「2015/11/27」と仮定すると、ステップSc1において抽出された情報のうち、上記条件を満たすのは、患者番号「110」に関する点検依頼の回答期限「2015/11/30」、および患者番号「990」に関する点検依頼の回答期限「2015/11/30」である。すなわち、回答期限が近付いている未回答の点検依頼の件数は「2件」である。
【0061】
ステップSc4において、処理回路35は、未回答の点検依頼が少なくとも1件以上あるか否かを判定する。ステップSc4において、未回答の点検依頼がゼロであると判定された場合、処理を終了する。ステップSc4において、少なくとも1件以上の未回答の点検依頼があると判定された場合、ステップSc5において、処理回路35は、表示制御機能354として、回答期限が近付いていることを示す期限アラート画面を第2医用端末2に表示する。
図16は、第2医用端末2のディスプレイ25に表示される期限アラート画面を示す図である。期限アラート画面160には、回答期限に近づいている案件の件数を通知する通知表示欄170、承認ボタン180等が表示される。
図16で示すように、処理回路35は、ステップSc3においてカウントされた、回答期限「2015/11/30」に近づいている案件が2件あることを通知する期限アラート画面160を第2医用端末2のディスプレイ25に表示する。これにより、未回答の点検依頼を持つ医師に対して、回答期限が近付いていることを通知することができる。
【0062】
なお、上記期限アラート表示機能は、医師が第2医用端末2からログインを契機とするとしたが、本実施形態はこれに限定されない。具体的には、第2医用端末2内に点検依頼チェックの監視プログラムを常駐させ、医師が第2医用端末2からログインしなくても、
図15に示す処理を実行し、期限アラート画面160を表示してもよい。加えて、回答期限までの日数に応じて点検依頼レコードの文字色や背景色を変更し、視覚的に回答期限を警告してもよい。
【0063】
(点検進捗状況表示機能)
処理回路35は、進捗管理機能353として、点検依頼テーブルに記憶された情報を基に、点検依頼されたレセプトの点検進捗状況を管理する。点検進捗状況とは、点検依頼されたレセプトごとの点検の進捗具合(ステータス)を示す。本実施形態において、点検進捗状況は、例えば、「点検依頼中」、「点検中」、「点検完了」、「医事課確認中」、「医事課確認完了」という複数のステータスに分かれる。また、処理回路35は、表示制御機能354として、管理されるレセプトの点検進捗状況をディスプレイ15、またはディスプレイ25に表示させる。
図17は、本実施形態に係る医事会計システムにおける点検進捗状況を表示するための点検進捗画面を示す図である。
図17に示す点検進捗画面190は、点検進捗表示欄200、承認ボタン210等を有する。当該点検進捗画面190では、当該レセプトの点検進捗状況および点検依頼案件の件数をステータス毎に表示する。それぞれのタブには、点検進捗状況を示す「点検依頼中」、「点検中」、「点検完了」、「医事課確認中」、「医事課確認完了」が付されている。これにより、タブごとに点検進捗状況を表示することが可能である。また、点検進捗画面190には、点検依頼レコードごとに関連付けられた患者番号、患者の氏名、診療科、担当医師、回答予定日等が表示される。
また、医事課職員が特定の点検依頼を実施した依頼先の医師に向けてメール送信を行う場合、例えば、
図18に示す点検進捗画面190とは別枠で設けられるコメント入力画面220に設けられるコメント入力欄230に、入力インターフェース回路23を介してコメントを入力する。コメントを入力後、当該承認ボタン210を入力インターフェース回路23によりクリックする。これにより、処理回路35は、当該特定の点検依頼を実施した依頼先の医師に対してメール送信が行われる。
【0064】
上記アラート通知機能、期限アラート表示機能、点検進捗状況表示機能により、レセプト回収まで進捗状況の把握を容易にすることができる。また、上記医事課職員および医師が点検進捗状況について容易に把握できることにより、点検時間軽減と未回答者へのフォローに利用することで点検依頼の滞留を防止することができる。
【0065】
(点検実績表示機能)
処理回路35は、進捗管理機能353として、点検依頼テーブルに記憶された情報を基に、点検依頼されたレセプトに対する点検実績を管理する。また、処理回路35は、表示制御機能354として、管理されるレセプトに対する点検実績をディスプレイ15、またはディスプレイ25に表示させる。
図19は、本実施形態に係る医事会計システムにおける、レセプトの点検実績を表示する表示画面を示す図である。
図19に示すレセプト点検実績表示画面240では、グラフの種別を選択するためのソート選択欄250、表示させるレセプトの診療年月を選択するためのソート選択欄260、表示の種別を選択するためのソート選択欄270、各ソート選択欄での選択に応じた、レセプト点検実績表示欄280等を有する。レセプト点検実績表示画面240には、点検を実施する医療行為者により指定された集計対象について、指定された期間に集計された、指定のステータスの案件数が表示される。集計対象には、医師、診療科、病棟別等が含まれる。期間には、当月、前月、前々月等が含まれる。ステータスには、「点検依頼中」、「点検中」、「点検完了」、「医事課確認中」、「医事課確認完了」が含まれる。例えば、
図19には、医師ごとに集計された当月の未点検件数を示すレセプト点検実績表示画面240が表示される。
【0066】
上記点検実績表示機能により、月途中での未回答件数、回答済み件数、過去の点検実績、返戻、査定数等の結果をグラフで表示し、他の医師、診療科、病棟別等の成績を比較することができる。また、他の医師の過去の点検実績を比較・閲覧可能にすることにより、レセプト点検実施に対して動機付けを与え、医師に点検依頼の滞留を防止することができる。
【0067】
(総括)
上記の説明の通り、本実施形態に係る医事会計システムは、データベース34と、処理回路35とを備える。データベース34は、複数の医療行為者をそれぞれ識別するための複数の医療行為者情報と、医療行為者により実施された医療行為に対応する複数の品目に関する複数の品目情報とを関連付けて記憶する。処理回路35は、複数の医療行為者の中から、診療報酬明細書に記載された複数の品目のうちの点検対象品目に対応する医療行為を実施した医療行為者を特定し、特定された医療行為者に関する医療行為者情報を出力する。上記の構成によれば、本実施形態に係る医事会計システムは、医事会計に関するチェックの負担軽減およびチェック精度の向上を可能とする。また、点検作業と点検進捗管理に係る作業時間、費用コストを軽減し、医師と医事課職員との間での円滑なコミュニケーションを可能とする。
【0068】
かくして、本実施形態に係る医事会計システムは、レセプトの点検効率を向上させることができる。
【0069】
また、上記説明において用いた「所定のプロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のprocessor、circuit(circuitry)、processing circuit(circuitry)、operation circuit(circuitry)、arithmetic circuit(circuitry)、あるいは、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等を意味する。また、本実施形態の各構成要素(各処理部)は、単一のプロセッサに限らず、複数のプロセッサによって実現するようにしてもよい。さらに、複数の構成要素(複数の処理部)を、単一のプロセッサによって実現するようにしてもよい。
【0070】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。