(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施形態の便器装置について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の便器装置の主要部の構成を示す模式的な斜視図である。
【0016】
図1に主要部の構成を示す本実施形態の便器装置100は、局部洗浄および使用前に便器への吐水が可能な水洗式大便器である。
便器装置100は、便器本体1、洗浄機構部2,および局部洗浄装置4を備える。ただし、
図1は主要部のみを記載しているため、例えば、周知の便座および便蓋を含む便座部、洗浄機構部2および局部洗浄装置4を覆うカバーケースなどの図示は省略されている。
【0017】
便器本体1は、トイレ空間の床面Fに設置され、図示略の排水配管に接続されている。
便器本体1は、便鉢のボウル部1aと、ボウル部1aの上部に設けられ、便器本体1の内側に突出しつつ外周縁を形成するリム部1bと、ボウル部1aの中央部に設けられた封水部1cと、を備える。
ボウル部1aの上面1dには、図示略の便座部が配置されている。便座部は、便器本体1に対して水平面上の横方向T1に延ばされた回動軸(図示略)を中心として、回動可能に支持されている。
洗浄機構部2は、便器本体1の上部において、ボウル部1aよりも後方に配置されている。
以下では、水平面において横方向T1と直交する方向を奥行き方向T2と言う。奥行き方向T2における相対位置を参照する場合、ボウル部1aが位置する方を前方、洗浄機構部2が位置する方を後方と言う。
【0018】
洗浄機構部2および局部洗浄装置4は、便器本体1の上部において後方側に配置されたベースプレート6A上に配置されている。ベースプレート6Aは、例えば、樹脂成形などによって形成される。
【0019】
洗浄機構部2は、例えば使用者によるリモコン操作を検知して便器本体1内のリム部1bの内周部、ボウル部1a、および封水部1cに洗浄水を流す本洗浄動作と、例えば使用者の着座を検知して使用前にボウル部1aおよび封水部1c等に予め洗浄水を吐水するプレ洗浄動作とを行う。
洗浄機構部2は、図示略のカバーケース内に収容されることで便器本体1に対して着脱可能に設けられている。
洗浄機構部2は、例えばリモコン操作によって洗浄水流路を開閉制御するコントロールバルブ、電磁バルブなどの開閉弁を備え、この開閉弁によって便器本体1のリム部1bに洗浄水を流すリム吐水、便器本体1のボウル部1a、封水部1cに洗浄水を流すジェット吐水の切替、吐水流量の制御が行えるように構成されている。
さらに、洗浄機構部2は、図示略の着座センサーの検出出力に応じて、図示略の吐水ノズルからボウル部1aに向けてプレ洗浄のためのプレ吐水の開始、終了、吐水流量の制御が行えるように構成されている。
【0020】
局部洗浄装置4は、例えば使用者のリモコン操作によって使用後に局部を洗浄する。
局部洗浄装置4は、洗浄機構部2とともに図示略のカバーケース内に収容して設けられている。
局部洗浄装置4は、後述する局部洗浄ノズルを進退可能に収容するノズルユニット11と、ノズルユニット11に局部を洗浄するための温水を供給する温水供給ユニット5と、温風によって洗浄後の局部を乾燥させる図示略の温風乾燥ユニットと、脱臭カートリッジおよび滅菌ユニットを有する図示略の脱臭ユニットとを備える。
【0021】
図2〜
図4を参照して、局部洗浄装置4におけるノズルユニット11の主要部の構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態の便器装置に用いる局部洗浄ノズルと吐水ノズルとの位置関係を示す模式的な斜視図である。
図3は、同じく局部洗浄ノズルと吐水ノズルとの位置関係を示す模式的な縦断面図である。
図4は、本発明の実施形態の便器装置における吐水ノズルの取付状態を示す模式的な斜視図である。
【0022】
図2に示すように、ベースプレート6A上のノズルユニット11は、肛門洗浄用ノズルである局部洗浄ノズル7と、ビデ用ノズルである局部洗浄ノズル8とを備える。
局部洗浄ノズル7、8は、それぞれ、略円柱棒状に形成され、後方側がシリンダカバー11a、11bによって軸線O7、O8に沿って進退可能に支持されている。
図2には、局部洗浄ノズル7、8が最も後方に退避した状態が図示されている。
局部洗浄ノズル7、8を進退させる進退機構は特に限定されない。例えば、局部洗浄ノズル7、8に一体形成されたラックと、ラックを駆動するピニオンが回転軸に取り付けたモータをと備える進退機構が用いられてもよい。
【0023】
軸線O7、O8は、前方に配置されたベースプレート6Aの前面部6dと交差する斜め方向に延びている。前面部6dには、軸線O7、O8とのそれぞれの交点を中心として、一対のノズル開口部9aが貫通されている。
各ノズル開口部9aは、局部洗浄ノズル7、8が前方に進出したとき、局部洗浄ノズル7、8がそれぞれ挿通可能な大きさの略円状の開口である。
局部洗浄ノズル7、8の先端部は、各ノズル開口部9aを通って前方に進出すると、図示略の便座に着座した使用者の洗浄対象となる局部の斜め後側に位置する。局部洗浄ノズル7、8の先端部には、上方に開口する図示略のノズル穴が形成されている。
局部洗浄ノズル7、8の基端部には図示略の給水ホースを介して、洗浄水が供給される。
【0024】
前面部6dの上端には、横方向T1に沿って鉛直方向に延びる壁状の前方側面部6eが設けられている。前方側面部6eには、図示略のカバーが上方から取り付けられる。
前面部6dにおいて、局部洗浄ノズル8を挿通するノズル開口部9aの隣には、図示略の温風乾燥ユニットから温風を便器本体1に導入する温風開口部9bが貫通されている。
【0025】
ベースプレート6Aの前面部6dにおいて、ノズル開口部9a、温風開口部9bを含む横方向T1に長い帯状の領域は、全体として、外周部からベースプレート6Aの内側(上方側)にくぼんだ穴部である。この穴部は、各ノズル開口部9aおよび温風開口部9bを開閉する図示略のシャッタが装着可能なシャッタ装着部9を構成している。
図3に示すように、シャッタ装着部9は、カバーケースのうち洗浄機構部2を覆うカバー6Bによって、上方から覆われている。シャッタ装着部9は、上面1d上に便座3aが配置された時に、便座3aの後方の部分の下方に位置している。
シャッタ10がシャッタ装着部9に装着されている状態では、各ノズル開口部9aおよび温風開口部9bが閉じられている。このため、例えば、汚物、洗浄水の飛沫などが局部洗浄ノズル7、8にかかったり、ベースプレート6Aの内部に入り込んだりすることが防止される。
【0026】
シャッタ10は、局部洗浄ノズル7、8の進出動作と連動する図示略のシャッタ動作機構によって、局部洗浄ノズル7または局部洗浄ノズル8の前進時に開放される。
具体的には、局部洗浄ノズル7(8)が前進すると、シャッタ動作機構によって回動可能に支持されたシャッタ10の背面が局部洗浄ノズル7(8)によって押圧される。これにより、シャッタ10は、シャッタ装着部9の前方に回動されて、シャッタ10が局部洗浄ノズル7(8)の前進の妨げとならないように、局部洗浄ノズル7(8)の進出経路の上方に移動する。
一方、局部洗浄ノズル7(8)がノズル開口部9aを通してベースプレート6A内に退避すると、シャッタ10の押圧状態が解除されてシャッタ10は、自動的に回動し、シャッタ装着部9に戻る。これにより、ノズル開口部9aおよび温風開口部9bがシャッタ10によって閉止される。
【0027】
次に、
図3を参照して、前面部6dの近傍におけるベースプレート6A、ノズルユニット11、および洗浄機構部2の構成について説明する。
図3は、便器装置100における横方向T1の略中心を通る鉛直面の断面を示している。
図3では、局部洗浄ノズル8および図示略の局部洗浄ノズル7は、いずれも退避状態である。このため、シャッタ10は、シャッタ装着部9に嵌り込んでおり、ノズル開口部9aおよび図示略の温風開口部9bはシャッタ10によって塞がれている。
【0028】
ベースプレート6Aの前面部6dは、横方向T1から見たときの軸線O8と略直交する斜め方向に傾斜している。
前面部6dの下端部におけるベースプレート6Aには、後方に向かって斜め上方に延びる庇部6q(飛散規制部)と、庇部6qの上端部から後方に向かって斜め下方に延びる前方傾斜面部6cと、前方傾斜面部6cの下端部から後方に向かって斜め上方に延びる後方傾斜面部6bとが形成されている。後方傾斜面部6bの上端部は、便器本体1の上面1dに沿って水平に延びる底面部6aに接続している。
このため、横方向T1から見て、庇部6qと前方傾斜面部6cとは、上に凸の山形の屈曲部を構成している。横方向T1から見て、前方傾斜面部6cと後方傾斜面部6bとは、下に凸のV字状の屈曲部を構成している。
庇部6q、前方傾斜面部6c、および後方傾斜面部6bは、いずれも、シャッタ装着部9に収容されたシャッタ10よりも後方に位置している。
【0029】
本実施形態では、横方向T1から見た前方傾斜面部6cと後方傾斜面部6bとのなす角度は、直角である。
横方向T1から見た水平面に対する前方傾斜面部6cの傾斜角は、横方向T1から見た水平面に対する前面部6dの傾斜角よりも小さい。横方向T1から見た水平面に対する後方傾斜面部6bの傾斜角φは、横方向T1から見た水平面に軸線O8の傾斜角θよりも大きい。
このため、ボウル部1a上には、シャッタ10が配置される前面部6dよりも後方側かつ局部洗浄ノズル7、8の進退経路よりも下側において、横方向T1から見て上に凸の屈曲部と下に凸の断面V字状の屈曲部とが、前方から後方に向かってこの順に形成されている。
【0030】
局部洗浄ノズル7、8の下方には、局部洗浄ノズル7、8の進退経路と、前方傾斜面部6cと、後方傾斜面部6bとに囲まれた、横方向T1から見て三角形状の空間Kが形成されている。空間Kには、洗浄機構部2におけるプレ洗浄動作を行うミストノズル20(吐水ノズル)が配置されている。
【0031】
図4に示すように、ミストノズル20は、略円筒状の部材であり、軸方向の先端部が前方傾斜面部6cにおける係合バー6h、6iにおいて固定されている。ミストノズル20の側面には、ミストノズル20に洗浄水を供給する給水ホース24が連結されている。
給水ホース24は、空間K内を横方向T1に沿って延ばされてから、後方傾斜面部6bの傾斜に沿って、斜め後方かつ上方に向かって延ばされている。
給水ホース24における図示略の基端部は、図示略の温水タンク5a(
図1参照)に接続されている。
【0032】
ここで、
図5〜
図8を参照して、ミストノズル20の詳細構成について説明する。
図5は、本発明の実施形態の便器装置に用いる吐水ノズルの構成例を示す模式的な斜視図である。
図6は、本発明の実施形態の便器装置に用いる吐水ノズルの第1端部の模式的な断面図である。
図7は、
図5におけるE視図である。
図8は、
図7におけるG視図である。
【0033】
図5に示すように、ミストノズル20は、ノズル本体21を備える。
ノズル本体21は、軸線O20に沿って延びる略円筒状の筒部21aを有する。筒部21aの側面には、軸線O20と交差する方向に延びる軸線O21bを中心とする筒状のホース連結部21bが突出している。本実施形態では、軸線O21bは、一例として、軸線O20に直交している。
ホース連結部21bの外周部には、給水ホース24(
図4参照)の内周面に食い込む凹凸部が形成されている。
ホース連結部21bの内周部には、突出方向における端部の開口から軸線O21bに沿って筒状の給水口21gが延びている。給水口21gは、筒部21aの側面に貫通している。
【0034】
ノズル本体21の軸線O20に沿う方向の第1端部E1(
図5における下端部)は、ベースプレート6Aの前方傾斜面部6cとの固定部を構成している。以下では、軸線O20に沿う方向において、第1端部E1と反対側の端部を第2端部E2と言う。
第1端部E1には、ベースプレート6Aに設けられた後述の取付穴に嵌合する嵌合部21dが形成されている。嵌合部21dの先端部には、軸線O20に直交する平面からなる先端係止面S(係止部)と、先端係止面Sの中央部から軸線O20を中心として突出する凸部21qとが形成されている。
【0035】
図6に示すように、ノズル本体21において第1端部E1の外周部には、先端係合部21e、21fが外側に張り出されている。先端係合部21e、21fは、ベースプレート6Aに設けられている後述の係合バー6i、6h(
図6の二点鎖線および
図4参照)とそれぞれ係合することによって、ノズル本体21をベースプレート6Aに固定する。
【0036】
先端係合部21e、21fは、筒部21aの外周面から弓形に張り出した支持部21rと、支持部21rの中央部から径方向外側に突出した突起部21sとを、それぞれ備える。
先端係合部21e、21fは、軸線O20を挟んで互いに対向して配置されており、第2軸線O20を含む平面に関して互いに面対称の形状を有する。
各突起部21sの径方向の各先端部の間の距離は、W1である。
各突起部21sにおける第2端部E2側(
図6における図示上側)の端面は、第1端部E1側から第2端部E2に向かうにつれて軸線O21に向かって傾斜する傾斜面になっており、先端係止面Sからの距離がH0からH1(ただし、H1>H0)の範囲に形成されている。
【0037】
ノズル本体21の内部には、第1端部E1から第2端部E2に向かって、管路が形成されている。
ノズル本体21に関して軸線O20に沿う相対位置を説明する場合、誤解のおそれが無ければ、第1端部E1寄りの部位を先端部、第2端部E2寄りの部位を後端部という場合がある。
ノズル本体21の内部の管路において、第1端部E1には、軸線O20に沿って貫通する貫通孔からなるノズル部21cが形成されている、ノズル部21cは、給水口21gと連通している。
【0038】
図5に示すように、ノズル本体21の先端側の外周面において先端係合部21e、21fの間には、第1の回り止め突起21m(係合部、第1の回り止め部)が突出されている。ノズル本体21の周方向における第1の回り止め突起21mの幅はW3である。
第1の回り止め突起21mにおける径方向外側の端部は、第1端部E1から第2端部E2に向かうにつれて径方向の長さが長くなる傾斜面になっている。
図7に示すように、本実施形態では、第1の回り止め突起21mの先端側(図示下端側)の面は、先端係止面Sと同一平面上に形成されている。このため、第1の回り止め突起21mは、先端係止面Sと同様に係止部の一部を構成している。ただし、第1の回り止め突起21mは、先端係止面Sよりもわずかに後端側に引っ込んで形成されてもよい。この場合には、第1の回り止め突起21mは、単に、ミストノズル20の回り止めに用いられる。
【0039】
図7に示すように、ノズル本体21の筒部21aの後端側の外周面において第1の回り止め突起21mと反対側の表面には、第2の回り止め突起21n(係合部、第2の回り止め部)が突出されている。
図8に示すように、本実施形態における第2の回り止め突起21nは、軸線O20に関する径方向外側から見ると、周方向の幅がW2の範囲に形成されたU字状のリブで構成されている。
第2の回り止め突起21nの軸線O20に沿う方向の位置は、ホース連結部21bが突出された位置と略重なっている。
本実施形態では、第2の回り止め突起21nにおいて距離W2だけ離間された線状の部位は、
図7に示すように、先端係止面Sから測って距離D1からD2(ただし、D2>D1)までの領域に形成されている。
筒部21aの外周面からの第2の回り止め突起21nの突出高さは、H2である。高さH2は、後述するノズル本体21の位置決め状態において、後方傾斜面部6bまでの距離以下であって、後述する回り止め突起6mと周方向に係合できる高さであればよい。
例えば、H2は、後述するノズル本体21の位置決め状態において、後方傾斜面部6bまでの距離に等しくてもよい。この場合、第2の回り止め突起21nは、後方傾斜面部6bと当接することによって、ミストノズル20の径方向の位置決め部を兼ねることができる。
【0040】
次に、ベースプレート6Aにおいてミストノズル20を固定する固定部の詳細構成について説明する。
図9は、
図4におけるA視の斜視図である。
図10は、
図4におけるB視の斜視図である。
図9には、ミストノズル20の固定部における後方傾斜面部6b、前方傾斜面部6cの上面側の構成が示されている。
図10には、ミストノズル20の固定部における後方傾斜面部6b、前方傾斜面部6cの下面側の構成が示されている。
【0041】
図4に示すように、ミストノズル20の固定姿勢は、軸線O20、O21bが後方傾斜面部6bに平行であり、軸線O20が前方傾斜面部6cに直交する姿勢である。ホース連結部21bは、
図2に示すように、横方向T1において局部洗浄ノズル7側に延ばされている。
このため、ホース連結部21bに連結された給水ホース24は、後方傾斜面部6bに沿って横方向T1に延ばされてから、斜め上方に向かって湾曲され、後方傾斜面部6bに沿って上方に向かうように配回されている。さらに給水ホース24の基端側では、
図1に示すように、局部洗浄ノズル7、8およびノズルユニット11のいずれとも接触することなく、局部洗浄ノズル7の側方を通って、上方の温水タンク5aまで延ばされている。
【0042】
図9に示すように、前方傾斜面部6cには、ミストノズル20の先端部を取り付けるミストノズル取付穴6fが形成されている。ミストノズル取付穴6fは、ミストノズル20のノズル本体21の先端部を上方から挿入可能な円穴である。ただし、ミストノズル取付穴6fの横方向T1の両側部には、後述する係合バー6h、6iの成形都合による孔部6n、6pが貫通している。このため、ミストノズル取付穴6fは、孔部6n、6pによって、2箇所の円弧状部分に分割されている。以下、それぞれのミストノズル取付穴6fを区別する場合には、それぞれ、前面部6d寄りのミストノズル取付穴6f、後方傾斜面部6b寄りのミストノズル取付穴6fと言う場合がある。
各ミストノズル取付穴6fの内周面には、それぞれノズル本体21の先端係止面Sと当接する突き当て部6g(第1の位置決め部)が径方向内側に延ばされている。各突き当て部6gは、同一平面上に整列しており、先端係止面Sの外周部と密着可能である。
このため、本実施形態では、各突き当て部6gの全体に、先端係止面Sの外周部が当接すことが可能である。
ただし、ベースプレート6Aに固定されるミストノズル20の軸線O20の姿勢を規定する先端係止面Sの姿勢が許容範囲であれば、先端係止面Sの外周部が突き当て部6gの一部と当接しているだけでもよい。
【0043】
前面部6d寄りのミストノズル取付穴6fの外周部には、ノズル本体21の第1の回り止め突起21mを係合する係合穴6j(第2の位置決め部)が形成されている。本実施形態では、係合穴6jの穴底面は、突き当て部6gと同一平面上に整列している。このため、ノズル本体21の先端係止面Sが突き当て部6gに当接すると、ノズル本体21の第1の回り止め突起21mの先端面も係合穴6jの穴底面に当接する。
突き当て部6gの周方向に沿う係合穴6jの開口幅w3は、第1の回り止め突起21mを着脱可能に嵌合できるように、第1の回り止め突起21mの幅W3よりもわずかに広い。
【0044】
後方傾斜面部6b上には、ミストノズル取付穴6fの近傍から奥行き方向T2に沿って線状に延ばされた一対の回り止め突起6m(第2の位置決め部)が形成されている。
横方向T1における各回り止め突起6mの間の隙間幅w2は、ノズル本体21の第1の回り止め突起21mを着脱可能に嵌合できるように、第2の回り止め突起21nの幅W2よりもわずかに広い。
各回り止め突起6mの延在方向の先端は、突き当て部6gから測ってそれぞれ距離d2の位置にある。距離d2は、突き当て部6gに先端係止面Sを突き当てた状態のノズル本体21において第2の回り止め突起21nを、各回り止め突起6mの間に挟むことができる長さである。すなわち、d2>D1である。
各回り止め突起6mの後方傾斜面部6bから突出高さh2は、嵌合部21dがミストノズル取付穴6fに内嵌し、かつ先端係止面Sが突き当て部6gに密着する位置決め状態における後方傾斜面部6bまでの距離に等しいか、またはわずかに短い。ただし、回り止め突起6mと位置決め状態の筒部21aの外周面との間に隙間ができる場合でも、各回り止め突起6mの高さh2は、第2の回り止め突起21nを間に挟める程度の高さとされる。
【0045】
孔部6n、6pの上方には、後方傾斜面部6b上の突起部の間にそれぞれ係合バー6h、6iが架設されている。係合バー6h、6iは、それぞれ突き当て部6gに平行な平面に沿って、奥行き方向T2に延ばされている。
係合バー6h、6iの下面の位置は、図
6に二点鎖線で示すように、突き当て部6gからそれぞれ高さh1である。ここで、高さh1は、H1<h1<H2を満足する。
図9に示すように、係合バー6h、6iとの間の横方向T1の間隔
は、幅w1である。図
6に示すように、幅w1は、w1<W1を満足している。
【0046】
図10に示すように、前方傾斜面部6cの下面側には、ミストノズル取付穴6fと、庇部6qとの間に鉛直下方に向かって、遮蔽板部6k(飛散規制部、飛散規制板)が突出されている。
遮蔽板部6kは、鉛直下方から見ると、ミストノズル取付穴6fの中心を中心とする円弧状に延びている。遮蔽板部6kの突出高さおよび周方向の長さは、ミストノズル20から噴射される洗浄水あるいはその飛沫が、便座3aに着座した使用者の臀部等の身体にかからないように設定されている。
【0047】
次に、ミストノズル20とベースプレート6Aとの固定方法および固定構造について説明する。
図11は、
図4におけるD視図である。
図12は、
図4におけるC−C断面図である。
【0048】
ミストノズル20をベースプレート6Aに固定するには、ミストノズル20が、係合穴6jおよび各回り止め突起6mに対して位置合わせされた状態で、ベースプレート6A上に保持される。すなわち、ミストノズル20のこの保持状態では、
図11に示すように、軸線O20から見て、第1の回り止め突起21mおよび第2の回り止め突起21nが、それぞれ、ベースプレート6Aの係合穴6jおよび各回り止め突起6mの間に対向している。
給水ホース24は、予めホース連結部21bに連結されていてもよいし、ミストノズル20をベースプレート6Aに固定した後から、ホース連結部21bに連結されてもよい。
【0049】
次に、ミストノズル20は、この保持状態から、
図12に白抜き矢印で示すように後方傾斜面部6bの傾斜に沿って、ミストノズル取付穴6fに向けて移動される。このとき、第2の回り止め突起21nがミストノズル20の径方向の位置決め部を兼ねている場合には、第2の回り止め突起21nを後方傾斜面部6b上に滑らせて移動させるとよい。
ミストノズル20の第2の回り止め突起21nが、各回り止め突起6mの間の隙間に嵌合すると、ミストノズル20の軸線O20回りの動きが制限される。
このため、第1の回り止め突起21mが、軸線O20に沿う方向において係合穴6jに対向する。
この状態でミストノズル20がさらにミストノズル取付穴6f側に移動されると、第1の回り止め突起21mが係合穴6jに進入する。このため、第1の回り止め突起21mと第2の回り止め突起21nとの2箇所で、ミストノズル20の軸線O20回りの動きがより確実に制限される。
【0050】
ミストノズル20が、さらにミストノズル取付穴6f側に移動されると、先端係合部21e、21fが、係合バー6h、6iに挟まれる領域に進入する。
図6に示すように、先端係合部21e、21fの各突起部21sの距離W1は、係合バー6h、6iの間の距離w1よりも大きい。
先端係合部21e、21fが係合バー6h、6iの間に押し込まれると、係合バー6h、6iが弾性変形する。このため、先端係合部21e、21fは、係合バー6h、6i間を通過する。
各突起部21sが係合バー6h、6iを通過すると、
図12に示すように、先端係止面Sが突き当て部6gに突き当たる。このとき、
図6に示すように、先端係合部21e、21fの各突起部21sは、係合バー6h、6iの下面側に係止される。この結果、ミストノズル20のノズル本体21は、係合バー6h、6iから反力によって、突き当て部6g側に押圧された状態で、ベースプレート6Aに固定される。
【0051】
このような本実施形態におけるミストノズル20の固定状態では、
図12に示すように、ノズル本体21の先端部において、第1の回り止め突起21mが前面部6d寄りの突き当て部6gの外周側に形成された係合穴6jの穴底面に当接している。本実施形態では、係合穴6jの穴底面は、突き当て部6gと同一平面である。
また、ノズル本体21の先端部において第1の回り止め突起21mよりも図示下方側に位置し、第1の回り止め突起21mの反対側となる嵌合部21dの先端係止面Sは、後方傾斜面部6b寄りの突き当て部6gに当接している。
【0052】
このようにして、ミストノズル20がベースプレート6Aに固定された状態では、嵌合部21dの先端係止面Sが突き当て部6gに当接することによって、ミストノズル20が軸線O20に沿う方向において位置決めされている。このため、ミストノズル20におけるノズル部21cの位置が、ベースプレート6Aの前方傾斜面部6cに対して、正確に位置決めされる。
ミストノズル20における前方傾斜面部6cの面内方向の位置は、嵌合部21dと、ミストノズル取付穴6fとの嵌合によって位置決めされる。
ミストノズル20の軸線O20の突き当て部6gに対する角度は、先端係止面Sと軸線O20とのなす角度(本実施形態では、直角)に一致する。
【0053】
さらに、固定状態のミストノズル20においては、ノズル本体21の先端部にて第1の回り止め突起21mが係合穴6jに嵌合し、ノズル本体21の後端部にて第2の回り止め突起21nが各回り止め突起6mの内側に嵌合している。このため、ミストノズル20は軸線O20に沿う2箇所において、軸線O20回りの回転が規制され、回り止めされている。
このため、ミストノズル20は、ホース連結部21bに連結される給水ホース24から給水ホース24の配回しによる外力、あるいは給水ホース24から給水時における水圧を受けても、軸線O20回りの回転が抑制される。
【0054】
ミストノズル20では、ホース連結部21bが、軸線O20に沿う方向において、第1の回り止め突起21mおよび先端係合部21e、21fと、第2の回り止め突起21nとの間となる筒部21aの側面から突出されている。このため、ホース連結部21bに連結された給水ホース24からミストノズル20に対して、軸線O20および軸線O21bに交差する軸線回りの力のモーメントが給水ホース24から作用しても、第1の回り止め突起21mおよび第2の回り止め突起21nによって、効率的に力のモーメントに抗することができる。
例えば、給水ホース24が、ミストノズル20の後端側に連結されると、給水ホース24から外力が、ミストノズル20の後端側に直接的に作用するため、第2の回り止め突起21nが外れやすくなる。
【0055】
さらに、給水ホース24は、筒部21aの側方に延在するため、ミストノズル20の近傍において、ミストノズル20と離れる方向に配回される。このため、給水ホース24とミストノズル20とが干渉しないように給水ホース24を配回すことが容易となる。
【0056】
次に、便器装置100の動作について、ミストノズル20に関連する動作を中心に説明する。
便器装置100は、適宜のタイミングで、給水ホース24を介してミストノズル20に洗浄水を供給することによって、ミストノズル20から洗浄水を吐水するプレ洗浄動作が行う。
ミストノズル20から吐水するタイミングは、ボウル部1aおよび封水部1cに吐水する必要に応じて決めておくことができる。本実施形態では、少なくとも、便器装置100の使用者が便座3aに着座したことが図示略の着座センサーによって検出されると、ミストノズル20から吐水が行われる。予め決められた所定量の洗浄水が吐出されると、給水ホース24への給水が停止され、吐水が終了する。
【0057】
給水口21gに連結された給水ホース24から洗浄水が供給されると、洗浄水は、給水口21gを経由して筒部21aに導入される。
筒部21aに導入された洗浄水は、ノズル部21cに圧送され、ノズル部21cから軸線O20に沿ってノズル部21cの前方に噴射(吐水)される。
このとき、洗浄水は、急激に減圧されるため、
図3に二点鎖線で示すように、軸線O20を中心とする円錐状の吐水領域f(吐水範囲)に噴射される。このとき、洗浄水はミスト化される。
このように、本実施形態において、軸線O20は、ノズル部21cからの吐水方向の中心軸線になっており、吐水方向に沿う軸線になっている。
【0058】
ミストノズル20は、ボウル部1aの後方側からボウル部1aおよび封水部1cに向かう斜め方向に吐水されるため、封水部1cの後方側の縁と、この縁に続く後方側のボウル部1a上とに吐水される。この後方側の封水部1cとボウル部1aとの境界近傍の領域は、便器装置100の使用時に、特に汚物が飛散、付着しやすい領域である。すなわち、便器装置100では、ミストノズル20が、局部洗浄ノズル7、8の退避状態の位置の下方に固定されているため、汚物が飛散、付着しやすい領域の近くから吐水できるため、ボウル部1aにおいて特に汚れやすい領域に効率的に吐水できる。
便器装置100では、この領域に使用前に吐水することによって、便器本体1の表面を濡らすことができる。このため、この後の使用時に、便器本体1に汚物が飛散したり,付着したりしても、吐水によって形成された水膜を介しているため、汚物の付着力は、水膜がない場合に比べて小さい。
【0059】
本実施形態では、ミストノズル20は、局部洗浄ノズル7、8に固定されることなく、ベースプレート6Aに固定されている。
ミストノズル20は、ベースプレート6Aにおける第1の位置決め部である突き当て部6gに直接当接されて、軸線O20に沿う方向が位置決めされている。さらに、前方傾斜面部6cの面内方向は、嵌合部21dと、第3の位置決め部であるミストノズル取付穴6fとの嵌合によって位置決めされている。
これにより、ベースプレート6Aに対するノズル部21cの位置および吐水方向を決める軸線O20の姿勢が、高精度に固定されるため、ミストノズル20の取付誤差および取付位置の変動に起因する吐水領域fの形成範囲が安定する。
例えば、ボウル部1aに吐水する吐水ノズルを、ベースプレート上に可動支持される局部洗浄ノズルと一体に設ける場合に比べて、吐水領域fを格段に安定させることができる。
このため、吐水領域fがばらつくことによって、洗浄水が使用者の臀部等にかかって使用者を不快にすることが防止される。
このように、本実施形態の便器装置100によれば、ミストノズル20がベースプレート6Aに直接的に位置決めされて固定されるため、便器本体1を洗浄する吐水ノズルであるミストノズル20による吐出水の吐出範囲のばらつきを低減することができる。
【0060】
ミストノズル20から噴射される洗浄水が、高速であったりミスト化したりしていると、吐水領域fの外縁部における洗浄水の流れは、噴射に伴う乱流などの影響である程度のばらつきが生じる。
特に、ノズル部21cの近傍では、噴流の流速が速く、かつ便座3aに着座した使用者との距離も短いため、理論的な吐水領域fの範囲外に飛散したミストや飛沫が、使用者にかかるおそれがある。
本実施形態では、前方傾斜面部6cの下面に、遮蔽板部6kが設けられている。
図3に示すように、ミストノズル20の近傍で、遮蔽板部6kが下方に突き出されていることによって、吐水領域fの上限fuは、ノズル部21cの開口中心と、遮蔽板部6kの先端とを結ぶ直線の下方側に制限される。
このため、便器装置100では、上述のような理論的な吐水領域fよりも上側に飛散するミストが、使用者に達することも確実に防止することができる。
したがって、便器装置100によれば、洗浄水の飛沫が使用者にかからないように、吐水領域fを狭くするなどしなくても、吐水領域fの下方側の範囲の面積を確保しつつ、洗浄水の上方への飛散を抑制することができる。
【0061】
遮蔽板部6kは、ミストノズル20の吐水位置よりも前方において、鉛直方向に沿って延びている。このため、遮蔽板部6kによって飛散が規制された洗浄水は、遮蔽板部6kに沿って鉛直下方に速やかに落下する。
【0062】
さらに、本実施形態では、ミストノズル20が、シャッタ10およびシャッタ装着部9よりも後方に配置されているため、シャッタ装着部9の下端部と前方傾斜面部6cとの間に、遮蔽板部6kよりも横方向T1において広い範囲に庇部6qが延びている(
図10参照)。庇部6qは、局部洗浄ノズル7、8の進退経路の下方に配置されている。
吐水領域fの上限fuは、庇部6qによっても規制される。この結果、遮蔽板部6kよりも前方に飛散した洗浄水は、庇部6qによって、飛散範囲が規制される。このため、洗浄水の飛沫が使用者にかからないように、吐水領域fを狭くするなどしなくても、吐水領域fの下方側の範囲の面積を確保しつつ、洗浄水の上方への飛散を抑制することができる。
本実施形態では、庇部6qは、遮蔽板部6kとともに飛散規制部を構成している。
なお、庇部6qのみによって、必要な飛散範囲の規制が可能であれば、遮蔽板部6kを設けない構成とすることも可能である。
【0063】
便器装置100では、例えば、使用後に使用者が図示略の肛門洗浄ボタンをリモコン操作すると、これを制御装置が検知するとともに動作指令を出して、図示略の進退機構を制御する。これにより、肛門洗浄用ノズルである局部洗浄ノズル7が前方に進出し、局部洗浄ノズル7による局部洗浄の動作が行われる。
使用者が図示略のビデボタンをリモコン操作すると同様にして、ビデ用ノズルである局部洗浄ノズル8が前方に進出し、局部洗浄ノズル8による局部洗浄の動作が行われる。
このとき、局部洗浄ノズル7(8)から吐出された洗浄水や洗浄に伴う汚物がボウル部1aあるいは封水部1c内に飛散するが、ミストノズル20は、局部洗浄ノズル7、8の退避状態の位置の下方に固定されている。すなわち、ミストノズル20は、進出状態の局部洗浄ノズル7(8)の先端部よりも後方となる位置に配置されている。
このため、局部洗浄ノズル7(8)から吐出された洗浄水や洗浄に伴う汚物の付着することが防止される。この結果、ノズル本体21が清潔に保たれるとともに、汚物の飛散などによってノズル部21cにノズル詰まりを生じることが防止される。
【0064】
使用者のリモコン操作によって、局部洗浄ノズル7または局部洗浄ノズル8による局部洗浄が完了すると、自動的にあるいは使用者のリモコン操作に応じた制御などによって、図示略の進退機構が作動し、局部洗浄ノズル7または局部洗浄ノズル8が後方に退避する。
【0065】
このようにして、局部洗浄が終了すると、自動的に、あるいは使用者のリモコン操作に応じて、図示略の温風乾燥ユニットが作動し、温風によって局部を乾燥させる。
この後、自動的に、あるいは使用者のリモコン操作に応じて、洗浄機構部2が作動し、本洗浄動作が行われる。このとき、ボウル部1a上に付着している汚物は、プレ洗浄動作において形成された水膜を介しているため、ボウル部1aの表面に対する付着力が小さい。このため、円滑な洗浄が行われる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態の便器装置100では、便器本体を洗浄する吐水ノズルによる吐出水の便器本体に対する吐出範囲を狭めることなく、吐出範囲のばらつきを低減することができる。このため、プレ洗浄動作において、例えば、吐出水の吐出範囲がばらつくことによって、吐出水の飛沫が使用者の臀部などにかかったりしないため、使用者に不快感を与えずに、プレ洗浄を行うことができる。
【0067】
なお、上記の実施形態の説明では、ミストノズル20がベースプレート6Aの係合バー6h、6iの間に係合して固定された場合に例で説明したが、ミストノズル20の固定方法は、これには限定されない。例えば、ミストノズル20は、ねじ締結、螺合、接着などによってベースプレート6Aに固定されてもよい。
【0068】
上記実施形態の説明では、ミストノズル20が吐水方向における先端部に係止部である先端係止面Sを備える場合の例で説明した。しかし、ミストノズル20の係止部は、ベースプレート6Aに形成される第1の位置決め部と係止できる係止部であれば、これには限定されない。
例えば、前方傾斜面部6cに凸部21qが係止される凹部等を設けておけば、凸部21qをミストノズル20の係止部とする構成も可能である。
さらに、ミストノズル20の係止部の形成部位は、ミストノズル20の先端部には限定されず、ミストノズル20のどの部位に形成されてもよい。
例えば、第1の回り止め突起21mが係合穴6jの穴底面に当接する係止部を構成し、第2の回り止め突起21nが各回り止め突起6mの内側または後方傾斜面部6bに当接する係止部を構成してもよい。この場合、先端係止面Sと突き当て部6gとは互いに当接しなくてもよい。
例えば、ミストノズル20の係止部は、筒部21aの側面のみに設けられてもよい。
【0069】
上記実施形態の説明では、ミストノズル20が、吐水方向に沿う軸線O20回りの位置が位置決めされる係合部として、それぞれ、第1の回り止め部、第2の回り止め部である第1の回り止め突起21m、第2の回り止め突起21nを備える場合の例で説明した。しかし、回り止めの手段は、これら突起状の係合部には限定されない。例えば、ベースプレート6Aに凸状の第2の位置決め部が形成されている場合には、この凸状の第2の位置決め部と係合する凹状部で構成されてもよい。
さらに、係合部は、回り止め可能であれば、2つには限定されない。例えば、係合部は、1箇所に設けられているだけでもよいし、3箇所以上に設けられてもよい。
また、係合部は、ベースプレート6Aに、非円形の凹状の嵌合穴が形成されている場合に、ミストノズル20の係合部は、周方向においてこの嵌合穴全体に嵌合する非円形の外周形状を有していてもよい。
【0070】
上記実施形態の説明では、ミストノズル20が、洗浄水をミスト化して吐水する場合の例で説明したが、洗浄水が必要な範囲のボウル部1a上を濡らすことができれば、洗浄水はミスト化されなくてもよい。
【0071】
上記実施形態の説明では、遮蔽板部6kが形成される場合の例で説明したが、ミストノズル20の位置決めによって取付誤差が抑制されることで、吐水範囲のばらつきが許容範囲内に収められる場合には、遮蔽板部6kが省略されてもよい。
上記実施形態の説明では、遮蔽板部6kがベースプレート6Aに一体成形された場合の例で説明した。このため、ミストノズル20との相対位置が高精度に決まるため、遮蔽板部6kの配置誤差による、規制範囲のばらつきが低減される。ただし、洗浄水の飛散の規制が許容範囲内に収まる場合には、遮蔽板部6kは、ベースプレート6Aと別体の部材で形成されてもよい。さらに、遮蔽板部6kは、ベースプレート6A以外の支持部材に固定されてもよい。
【0072】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。