特許第6762743号(P6762743)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6762743
(24)【登録日】2020年9月11日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】プラスチックラベル
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/02 20060101AFI20200917BHJP
   G09F 3/04 20060101ALI20200917BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20200917BHJP
   B65D 23/08 20060101ALI20200917BHJP
   B65D 23/00 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   G09F3/02 B
   G09F3/04 C
   B32B27/40
   B65D23/08 B
   B65D23/00 T
【請求項の数】6
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-64869(P2016-64869)
(22)【出願日】2016年3月29日
(65)【公開番号】特開2017-181612(P2017-181612A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2019年2月5日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110002239
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 彰
(72)【発明者】
【氏名】増岡 由貴子
【審査官】 藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−013443(JP,A)
【文献】 特開2004−238578(JP,A)
【文献】 特開平11−321870(JP,A)
【文献】 米国特許第05945183(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/00− 5/04
B32B 1/00−43/00
B65D 23/00−25/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルムを含むラベル基材と、
前記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた印刷層と、
前記印刷層を覆うように設けられた保護印刷層と、を有し、
前記保護印刷層が、ポリエステルポリオールに由来する構成単位をポリオール成分の主成分として含むウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物の反応物を少なくとも含有し、
前記印刷層が、イソシアネート基と反応する官能基を有する樹脂を含み、
前記芳香族ポリイソシアネート化合物は硬化剤であり、前記印刷層は溶剤乾燥型であることを特徴とするプラスチックラベル。
【請求項2】
前記ウレタン系樹脂における、ポリオール化合物に由来する構成単位の総重量に対する前記ポリエステルポリオールに由来する構成単位の割合が50重量%以上である、請求項1に記載のプラスチックラベル。
【請求項3】
前記ラベル基材として熱収縮性フィルムを用いたシュリンクラベルである請求項1又は2に記載のプラスチックラベル。
【請求項4】
記保護印刷層中の前記芳香族ポリイソシアネート化合物に由来する構造部の含有量が、前記ウレタン系樹脂の総重量に対して1〜70重量部である、請求項1〜のいずれか1項に記載のプラスチックラベル。
【請求項5】
前記保護印刷層をプラスチックラベルの表面に有する,請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラスチックラベル。
【請求項6】
請求項に記載のプラスチックラベルを用い、前記保護印刷層を最内面に有する筒状プラスチックラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックラベルに関する。より詳しくは、例えば、飲料、食品、トイレタリー、医薬品等の容器に装着される用途に適したプラスチックラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、お茶や清涼飲料水等の飲料用容器として、PETボトル等のプラスチック製ボトルや、ボトル缶等の金属製ボトル等が広く用いられている。これらの容器には、表示や装飾性、機能性の付与のためプラスチックラベルを装着する場合が多い。このようなプラスチックラベルとしては、例えば、装飾性、加工性(容器への追従性)、広い表示面積等のメリットから、シュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)に印刷層が設けられたシュリンクラベル等が広く使用されている。
【0003】
上記のようなシュリンクラベルは、ラベル基材の一方の面に印刷層が設けられ、筒状シュリンクラベルとした際に印刷層が最内層となるものが一般的である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−309771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、印刷層が最外層を構成するプラスチックラベルは、洗剤、スプレー等のトイレタリー用の容器のラベルとして使用される際、当該容器の内容物がラベルに付着し、これによってラベルの印刷層が溶解してしまう場合があった。このため、容器の内容物等に含まれる、化学成分に対する耐性(例えば、酸、アルカリ、有機溶剤等に対する耐溶解性等)に優れるラベルを得ることができるプラスチックラベルが求められている。
【0006】
従って、本発明の目的は、安定して化学成分に対する耐性に優れるラベルを得ることができるプラスチックラベルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、プラスチックフィルムを含むラベル基材と、前記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた印刷層と、前記印刷層を覆うように設けられた保護印刷層と、を有し、前記保護印刷層が、ポリエステルポリオールに由来する構成単位をポリオール成分の主成分として含むウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物の反応物を少なくとも含有することを特徴とするプラスチックラベルを提供する。
【0008】
前記ウレタン系樹脂における、ポリオール化合物に由来する構成単位の総重量に対する前記ポリエステルポリオールに由来する構成単位の割合は50重量%以上であることが好ましい。
【0009】
前記プラスチックラベルは、前記保護印刷層をプラスチックラベルの表面に有することが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記プラスチックラベルを用い、前記保護印刷層を最内面に有する筒状プラスチックラベルを提供する。
【0011】
前記プラスチックラベルは、前記ラベル基材として熱収縮性フィルムを用いたシュリンクラベルであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のプラスチックラベルは、上記構成を有することにより、安定して化学成分に対する耐性に優れたラベルを得ることができるため、プラスチックを洗剤、スプレー等のトイレタリー用の容器のラベルとして使用する際、ラベルは安定して化学成分に対する耐性に優れ、ラベルの印刷層は当該容器の内容物等によって溶解が起こりにくい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のプラスチックラベルの一例を示す概略図(部分断面図)である。
図2】本発明のプラスチックラベルの好ましい一実施形態を示す概略図(部分断面図)である。
図3】本発明のプラスチックラベルの一実施形態である筒状シュリンクラベルの一例を示す概略図である。
図4】本発明のプラスチックラベルの一実施形態である筒状シュリンクラベルの一例を示す概略図(図3のIV−IV’断面の要部拡大図)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のプラスチックラベルは、プラスチックフィルムを含むラベル基材、前記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた印刷層、及び前記印刷層を覆うように設けられた保護印刷層を少なくとも有する。また、上記保護印刷層は、ポリエステルポリオールに由来する構成単位をポリオール成分の主成分として含むウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物の反応物を少なくとも含有する層である。本明細書において、上記保護印刷層を、「本発明の保護印刷層」と称する場合がある。また、本明細書において、本発明の保護印刷層が覆う上記印刷層を、本発明の保護印刷層と区別する目的で「印刷層(X)」と称する場合がある。本発明のプラスチックラベルは、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記ラベル基材、上記印刷層(X)、本発明の保護印刷層以外の層(他の層)を含んでいてもよい。また、上記「ポリエステルポリオールに由来する構成単位をポリオール成分の主成分として含むウレタン系樹脂」を、「本発明のウレタン系樹脂」と称する場合がある。
【0015】
図1は、本発明のプラスチックラベルの一実施形態を示す概略図(部分断面図)である。図1に記載の本発明のプラスチックラベル1は、プラスチックフィルムを含むラベル基材2、印刷層(X)3、及び本発明の保護印刷層4を有する。図1に記載の本発明のプラスチックラベル1において、印刷層(X)3は、ラベル基材2の一方の面に設けられている。また、本発明の保護印刷層4は、印刷層(X)3を覆うように設けられている。
【0016】
[本発明の保護印刷層]
本発明の保護印刷層(例えば、図1における本発明の保護印刷層4)は、本発明のプラスチックラベルにおける必須の層であり、ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられている。本発明の保護印刷層は、ポリエステルポリオールに由来する構成単位を、ウレタン系樹脂を構成するポリオール成分の主成分として含むウレタン系樹脂と、芳香族ポリイソシアネート化合物と、の反応物を少なくとも含有する。なお、本発明の保護印刷層は、未反応(芳香族ポリイソシアネート化合物と未反応)の本発明のウレタン系樹脂や、未反応の芳香族ポリイソシアネート化合物を含有していてもよい。即ち、本発明の保護印刷層において、本発明のウレタン系樹脂及び芳香族ポリイソシアネート化合物は、そのうちの一部が反応していればよく、全てが反応している必要はない。本発明のプラスチックラベルは、このような保護印刷層が印刷層(X)を覆うように設けられていることにより、該印刷層(X)が化学成分による溶解から保護されるため、安定して化学成分に対する耐性に優れる。なお、上記反応物としては、本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物とがウレタン結合により結合(又は架橋)した化合物が挙げられる。
【0017】
本発明の保護印刷層は、単層であってもよいし、複層であってもよい。複層の場合、例えば、白色顔料を含有する本発明の保護印刷層と、色材を含有しない無色の透明な本発明の保護印刷層とからなる2層構成が挙げられる。なお、透明であるとは、ラベル基材や印刷層等の層を通して隣接する層を視認することができる程度の透明性を有することをいう。
【0018】
本発明の保護印刷層は、ラベル基材の少なくとも一方の面に、本発明のウレタン系樹脂及び芳香族ポリイソシアネート化合物を含有する組成物を塗布し、乾燥固化し、本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物とが反応して得られる。本発明の保護印刷層において、本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物の反応が十分ではない場合は、上記反応がさらに進行することにより、化学成分に対する耐性に優れるプラスチックラベルが得られる。
【0019】
上記反応としては、活性エネルギー線硬化、熱硬化、2液反応硬化等の硬化反応が挙げられる。上記反応が2液反応硬化である場合、上記反応が常温で進行するものであっても、常温で進行しないものであってもよい。上記反応が常温で進行する2液反応硬化である場合、2液(例えば、本発明のウレタン系樹脂を含む液体と芳香族ポリイソシアネート化合物を含む液体)を混合したときから経時とともに反応が進行してもよい。上記反応が常温で進行しない又はしにくい2液反応硬化である場合、活性エネルギー線照射や加熱により反応を促進してもよい。
【0020】
(本発明のウレタン系樹脂)
本発明のウレタン系樹脂は、ポリエステルポリオールに由来する構成単位を、ウレタン系樹脂を構成するポリオール成分の主成分として含む。具体的には、本発明のウレタン系樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる樹脂であって、ポリオール化合物の主成分としてポリエステルポリオールを用いた樹脂である。即ち、本発明のウレタン系樹脂は、ポリイソシアネート化合物に由来する構成単位とポリオール化合物に由来する構成単位を有し、ポリオール化合物に由来する構成単位としてポリエステルポリオールに由来する構成単位を主成分として含む。上記ポリエステルポリオールは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。なお、本明細書において「主成分」とは、成分中に含まれる材料(成分)の中で最も多い材料(成分)をいう。従って、本発明のウレタン系樹脂を構成する全ポリオール化合物中の最も多い成分はポリエステルポリオールである。
【0021】
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等の公知のジイソシアネート類が挙げられる。上記ジイソシアネート類としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。また、必要に応じて3官能以上のポリイソシアネート類やポリイソシアネートアダクト体を上記ジイソシアネート類と組み合わせて用いることもできる。上記ポリイソシアネート化合物は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0022】
上記ポリエステルポリオールは、分子内(1分子内)に2個以上の水酸基を有するポリエステル化合物であり、中でも、分子内に2個の水酸基を有するポリエステルジオールが好ましい。上記ポリエステルポリオールは、特に限定されないが、ジカルボン酸とジオールを必須の構成成分として構成された重合体であることが好ましい。即ち、上記ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸に由来する構成単位とジオールに由来する構成単位を少なくとも有することが好ましい。また、必要に応じて上記のジオールと、3官能以上のポリオール化合物(ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等)とを混合して用いることもできる。
【0023】
上記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3’−スチルベンジカルボン酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、ドコサン二酸、1,12−ドデカンジオン酸、及びこれらの置換体等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。中でも、本発明の保護印刷層の変色(黄変)を抑制する観点から、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が好ましく、より好ましくはアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸である。中でも、本発明の保護印刷層の柔軟性を保持する観点から、脂肪族ジカルボン酸を少なくとも用いることがさらに好ましい。上記ジカルボン酸は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0024】
上記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2,4−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,10−デカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環式ジオール;2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のビスフェノール系化合物のエチレンオキシド付加物、キシリレングリコール等の芳香族ジオール等が挙げられる。中でも、脂肪族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール(NPG)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンメタノールである。上記ジオールは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0025】
上記ポリオール化合物としては、ポリエステルポリオール以外に、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリルポリオール、多価アルコール等の他のポリオール化合物が用いられていてもよい。また、上記他のポリオール化合物は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0026】
ポリオール化合物に由来する構成単位の総重量(100重量%)に対する、上記ポリエステルポリオールに由来する構成単位の割合は、ポリオール化合物に由来する構成単位の主成分であれば特に限定されないが、50重量%以上(例えば、50〜100重量%)が好ましく、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。上記割合が50重量%以上であると、化学成分に対する耐性がより向上する傾向がある。
【0027】
上記ポリエステルポリオールは、上記ジカルボン酸、上記ジオール以外にも、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸;安息香酸、ベンゾイル安息香酸等のモノカルボン酸;トリメリット酸等の多価カルボン酸;ポリアルキレングリコールモノメチルエーテル等の1価アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール;カプロラクトン等の環状エステル等に由来する構成単位を含んでいてもよい。
【0028】
本発明の保護印刷層中の本発明のウレタン系樹脂(即ち、芳香族ポリイソシアネート化合物等の他の成分と反応していない本発明のウレタン系樹脂)の水酸基価は、特に限定されないが、0.1〜50mgKOH/gが好ましく、より好ましくは0.5〜30mgKOH/g、さらに好ましくは1〜20mgKOH/gである。上記水酸基価が0.1mgKOH/g以上であると、芳香族ポリイソシアネート化合物との反応性が向上することによるものと推測されるが、化学成分の耐性により優れる傾向がある。上記水酸基価が50mgKOH/g以下であると、保護印刷層の過剰な反応が抑制され、ラベル基材を変形させた際に保護印刷層がその変形に追従性し易く、本発明のプラスチックラベルがシュリンクラベルである場合はラベル基材における熱収縮性フィルムの熱収縮に対する保護印刷層の追従性が向上する。なお、本明細書において、水酸基価は、JIS K 0070に準拠して電位差滴定法により測定することができる。また、本発明の保護印刷層が二種以上の本発明のウレタン系樹脂を含有する場合、上記水酸基価は、トータルの本発明のウレタン系樹脂の水酸基価である。
【0029】
本発明の保護印刷層中の本発明のウレタン系樹脂(即ち、芳香族ポリイソシアネート化合物等の他の成分と反応していない本発明のウレタン系樹脂)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、1万〜10万が好ましく、より好ましくは1.5万〜9万、さらに好ましくは2万〜8万である。上記重量平均分子量が1万以上であると、保護印刷層の密着性や耐もみ性に優れる。上記重量平均分子量が10万以下であると、保護印刷層の印刷適性が良好である。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば、GPCにより標準ポリスチレン換算で測定することができる。また、本発明の保護印刷層が二種以上の本発明のウレタン系樹脂を含有する場合、上記重量平均分子量は、トータルの本発明のウレタン系樹脂の重量平均分子量である。
【0030】
本発明の保護印刷層中の本発明のウレタン系樹脂(即ち、芳香族ポリイソシアネート化合物等の他の成分と反応していない本発明のウレタン系樹脂)のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、−80〜90℃が好ましく、より好ましくは−70〜80℃、さらに好ましくは−60〜70℃である。
【0031】
本明細書において、樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、JIS K 7121に準拠して、DSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。DSC測定は、特に限定されないが、例えば、セイコーインスツル(株)製、示差走査熱量計「DSC6200」を用いて、昇温速度10℃/分の条件で行うことができる。
【0032】
本発明の保護印刷層は、本発明のウレタン系樹脂を一種単独で含んでいてもよいし、二種以上を含んでいてもよい。
【0033】
(芳香族ポリイソシアネート化合物)
上記芳香族ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基を2以上有する芳香族化合物である。芳香族ポリイソシアネート化合物を本発明のウレタン系樹脂と組み合わせて用いることにより、本発明の保護印刷層の硬度を上昇、あるいは本発明の保護印刷層のラベル基材又は印刷層(X)に対する密着性を向上する、また、印刷層(X)がイソシアネート基と反応する官能基を有する樹脂(例えば、ウレタン系樹脂)を含む場合は保護印刷層中の芳香族ポリイソシアネート化合物が印刷層(X)に浸透し印刷層(X)も併せて硬化することによると推測されるが、化学成分に対する耐性を向上させる。上記芳香族ポリイソシアネート化合物としては、公知の芳香族ジイソシアネート類が挙げられ、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。また、必要に応じて3官能以上の芳香族ポリイソシアネート類やポリイソシアネートアダクト体を上記芳香族ジイソシアネート類と混合して用いることもできる。上記芳香族ポリイソシアネート化合物は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
【0034】
本発明の保護印刷層は、本発明のウレタン系樹脂及び芳香族ポリイソシアネート化合物並びにこれらの反応物以外の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。上記成分としては、特に限定されないが、本発明のウレタン系樹脂以外の樹脂(例えば、アクリル系樹脂、本発明のウレタン系樹脂以外のウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂等)、イソシアネート系樹脂、ロジン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂(PVA系樹脂)、イミン系樹脂等)、顔料や染料等の着色剤(色材)、添加剤(例えば、芳香族ポリイソシアネート化合物以外の硬化剤、滑剤、可塑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、架橋剤、消泡剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤、スリップ剤等)等が挙げられる。上記成分は一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
【0035】
上記顔料としては、特に限定されず、例えば、公知の印刷層において用いられる顔料を用いることができる。上記顔料は、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)等の白色顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍色顔料、縮合アゾ系顔料等の赤色顔料、アゾレーキ系顔料等の黄色顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)、その他着色顔料等を用途に合わせて選択、使用できる。また、上記顔料として、その他にも、光沢調整等の目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。
【0036】
本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物の含有量の合計は、特に限定されないが、本発明の保護印刷層の総重量(100重量%)に対して、例えば8重量%以上(例えば、8〜99重量%)、13〜98重量%であってもよく、好ましくは50〜97重量%、より好ましくは60〜95重量%、さらに好ましくは70〜90重量%である。
【0037】
本発明の保護印刷層が酸化チタン等の白色顔料を含む場合(例えば、本発明の保護印刷層が背面印刷層である場合)、本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物の含有量の合計は、特に限定されないが、本発明の保護印刷層の総重量(100重量%)に対して、8〜70重量%が好ましく、より好ましくは13〜65重量%、さらに好ましくは15〜60重量%である。
【0038】
一方、本発明の保護印刷層が着色顔料を含まない無色透明の保護印刷層である場合、本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物の含有量の合計は、特に限定されないが、本発明の保護印刷層の総重量(100重量%)に対して、50〜99重量%が好ましく、より好ましくは60〜97重量%、さらに好ましくは70〜95重量%である。
【0039】
芳香族ポリイソシアネート化合物の含有量は、特に限定されないが、本発明のウレタン系樹脂の総重量(100重量部)に対して、1〜70重量部が好ましく、より好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは10〜40重量部である。上記含有量が1重量部以上であると、化学成分に対する耐性がより向上する。上記含有量が70重量部以下であると、本発明の保護印刷層を形成する組成物の塗工性が向上し、また、本発明の保護印刷層を本発明のプラスチックラベルの表面に有する場合は、ブロッキング防止性が向上する。
【0040】
本発明の保護印刷層が酸化チタン等の白色顔料を含む場合(例えば、本発明の保護印刷層が背面印刷層である場合)、白色顔料の含有量は、特に限定されないが、本発明の保護印刷層の総重量(100重量%)に対して、5〜89重量%が好ましく、より好ましくは20〜85重量%、さらに好ましくは30〜80重量%である。
【0041】
本発明の保護印刷層が本発明のプラスチックラベルの表面の層である場合、本発明の保護印刷層は、さらに、滑剤を含有することが好ましい。この場合の滑剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の保護印刷層の総重量(100重量%)に対して、1〜20重量%が好ましい。
【0042】
なお、本明細書において、本発明のウレタン系樹脂の含有量には、本発明のウレタン系樹脂そのもの(即ち、未反応の本発明のウレタン系樹脂)に加えて、本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物等の他の成分との反応物における本発明のウレタン系樹脂に由来する構成単位も含まれる。同様に、芳香族ポリイソシアネート化合物の含有量には、芳香族ポリイソシアネート化合物そのもの(即ち、未反応の芳香族ポリイソシアネート化合物)に加えて、芳香族ポリイソシアネート化合物と本発明のウレタン系樹脂等の他の成分との反応物における芳香族ポリイソシアネート化合物に由来する構成単位も含まれる。さらに、本発明のウレタン系樹脂の総重量についても同様である。
【0043】
また、本明細書において、各層に含まれる各成分(例えば、本発明のウレタン系樹脂、芳香族ポリイソシアネート化合物、顔料等)の含有量は、それぞれ、層中の含有量の合計が100重量%以下となるように、記載の範囲内から適宜選択することができる。
【0044】
本発明の保護印刷層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.3〜5μmである。上記厚みが0.1μm以上であると、上記印刷層(X)を十分に保護できるため、化学成分に対する耐性により優れる。また、保護印刷層を均一に設けることが容易となる。一方。上記厚みが10μm以下であると、保護印刷層がもろくなり剥離しやすくなったりすることを抑制しやすい。また、保護印刷層を形成する組成物の消費を最小限とすることができ、コストを抑えることができる。さらに、均一に塗布することがより容易となる。
【0045】
[印刷層(X)]
上記印刷層(X)(例えば、図1における印刷層(X)3)としては、特に限定されず、例えば、プラスチックラベルにおいて用いられる公知乃至慣用の印刷層等が挙げられる。また、上記印刷層(X)としては、例えば、商品名、イラスト、取り扱い注意事項等の図やデザイン等の意匠印刷層(カラー印刷層等)、白等の単一色で形成された背面印刷層、フィルムと印刷層の密着性を高めるために設けられるプライマー印刷層等が挙げられる。上記印刷層(X)は、中でも、意匠印刷層を含むことが好ましい。意匠印刷層は、上述のようにイラストや取り扱い注意事項を含むため、化学成分による溶解、消失を特に防止すべきであり、本発明の保護印刷層により特に保護されるべきであるためである。
【0046】
上記印刷層(X)は、特に限定されないが、上記ラベル基材の片面側のみに設けられていてもよいし、上記ラベル基材の両面側に設けられていてもよい。また、上記印刷層(X)は、上記ラベル基材の表面の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。さらに、上記印刷層(X)は、特に限定されないが、単層であってもよいし、複層であってもよい。また、上記印刷層(X)は、周知乃至慣用の印刷方法により設けることができる。より具体的には、上記印刷層(X)は、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、デジタル印刷等の周知又は公知の印刷法によって設けられることが好ましい。
【0047】
上記印刷層(X)を構成する印刷層の種類は、特に限定されないが、溶剤乾燥型の印刷層が好ましい。
【0048】
上記印刷層(X)を構成する印刷層は、バインダー樹脂を必須成分として含むことが好ましい。さらに、顔料や染料等の着色剤(色材)を含むことが好ましい。上記顔料としては、本発明の保護印刷層に含まれていてもよい顔料として例示及び説明された顔料が挙げられる。上記バインダー樹脂等は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0049】
印刷層(X)は、中でも、意匠印刷層が好ましく、特に、着色剤の異なる印刷層を2以上組み合わせて構成された意匠印刷層であることが好ましい。この場合、それぞれの意匠印刷層中の印刷層同士は、重なる領域に設けられていてもよいし、重ならない別々の領域に設けられていてもよい。また、意匠印刷層は、所望のデザインとなるように着色顔料の異なる複数の印刷層によって形成されていることが好ましい。
【0050】
上記バインダー樹脂は、特に限定されず、公知乃至慣用の印刷層、印刷インキ用のバインダー樹脂を用いることができる。上記バインダー樹脂は、特に限定されないが、上記印刷層(X)を形成する主たる樹脂成分としての役割を担う。上記バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂等)、イソシアネート系樹脂、ロジン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂(PVA系樹脂)、イミン系樹脂等が挙げられる。中でも、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂が好ましく、ウレタン系樹脂がより好ましい。上記バインダー樹脂は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
【0051】
上記溶剤乾燥型の印刷層は、例えば、上記バインダー樹脂、溶媒、必要に応じて、上記着色顔料及びその他添加剤等を混合することにより製造された印刷インキを、印刷機を用いて塗布した後、溶媒を揮発させて設けられる。
【0052】
上記印刷層(X)を構成する印刷層は、硬化剤(架橋剤)を実質的に含まない印刷層(即ち、硬化剤(架橋剤)に由来する構成単位を実質的に含有しない層)であることが好ましい。印刷層(X)が複数の印刷層から形成される場合、一部の印刷層が硬化剤を実質的に含まない印刷層であってもよく、全部の印刷層が硬化剤を実質的に含まない印刷層であってもよいが、中でも、印刷層(X)を形成する全ての印刷層が硬化剤を実質的に含まない印刷層であることが特に好ましい。上記印刷層(X)(特に、バインダー樹脂としてウレタン系樹脂を含む印刷層(X))を形成する印刷インキが硬化剤を含む場合、形成された印刷層は硬度が比較的高く耐性に優れるが、印刷中に粘度変化が起こり色ブレが発生しやすくなる等、印刷適性が悪くなる。また、出来上がったラベルの美粧性が劣る傾向があった。しかしながら、本発明の保護印刷層を設けることによりこのような印刷層は硬化剤を必要としないため、硬化剤を含まない又は少量である印刷層は印刷適性に優れる。このため、本発明のプラスチックラベルにおいて、上記印刷層(X)が硬化剤を実質的に含まない印刷層である場合、特に効果的である。さらに、硬化剤を実質的に含まないことにより、上記印刷層(X)を形成する印刷インキはリサイクル適性にも優れ、経済的である。
【0053】
なお、上記の実質的に含まないとは、具体的には、印刷層(X)を構成する印刷層の総重量(100重量%)に対する含有量が、例えば5重量%未満(下限は、例えば、0重量%)、好ましくは3重量%未満、より好ましくは1重量%未満であることをいう。
【0054】
上記印刷層(X)を構成する印刷層に実質的に含まれないことが好ましい硬化剤としては、具体的には、イソシアネート系硬化剤が好ましく、より好ましくはイソシアネート系硬化剤、アジリジン系硬化剤、さらに好ましくはヒドロキシ基と反応性を有する硬化剤である。なお、イソシアネート系硬化剤には、上記芳香族ポリイソシアネート化合物が含まれる。
【0055】
上記印刷層(X)を構成する印刷層は、上述の各成分以外の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。上記成分としては、特に限定されないが、添加剤(例えば、滑剤、可塑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、消泡剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤、スリップ剤等)等が挙げられる。上記成分は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
【0056】
上記印刷層(X)中のバインダー樹脂の含有量は、特に限定されないが、印刷層(X)の総重量(100重量%)に対して、10重量%以上(例えば、10〜100重量%)が好ましく、より好ましくは20〜95重量%、さらに好ましくは30〜90重量%である。上記印刷層(X)が着色顔料を含む場合、上記バインダー樹脂の含有量は、特に限定されないが、10〜90重量%がより好ましい。
【0057】
上記印刷層(X)の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1〜15μmが好ましく、より好ましくは0.2〜10μmである。上記厚みが0.1μm未満では、印刷層(X)を均一に設けることが困難である場合があり、部分的な「かすれ」が起こり、装飾性が損なわれる場合や、デザイン通りの印刷が困難となる場合がある。また、上記厚みが15μmを超えると、印刷インキを多量に消費するため、コストが高くなったり、均一に塗布することが困難となったり、印刷層(X)がもろくなり剥離しやすくなったりする場合がある。
【0058】
[ラベル基材]
本発明のプラスチックラベルにおけるラベル基材(例えば、図1におけるラベル基材2)は、上記印刷層(X)及び本発明の保護印刷層の支持体となり、ラベルの強度、剛性や収縮特性に主たる影響を及ぼす。
【0059】
上記ラベル基材は、プラスチックフィルムを少なくとも含む。上記プラスチックフィルムの種類は、プラスチックラベルの種類等に応じて適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、本発明のプラスチックラベルがシュリンクラベル(熱収縮性ラベル)の場合には、上記プラスチックフィルムはシュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)であり、本発明のプラスチックラベルがストレッチラベルの場合には、上記プラスチックフィルムはストレッチフィルムであり、本発明のプラスチックラベルがタックラベル、ロールラベル、又はインモールドラベルの場合は熱収縮性フィルムであってもよく非収縮性フィルムであってもよい。中でも、上記プラスチックフィルムは、熱収縮性フィルムが好ましい。
【0060】
上記プラスチックフィルムを形成する樹脂の種類は、要求物性、用途、コスト等に応じて、適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。さらに、同種又は異種の樹脂を積層して積層フィルムとして用いてもよい。特に、化学成分に対する耐性がより向上する観点から、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエステル系樹脂が好ましい。例えば、上記プラスチックフィルムは、ポリエステル系樹脂を主成分とするポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするポリオレフィン系フィルム、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした異種積層フィルムが好ましい。上記のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂としては、例えば、特開2008−170822号公報、特開2008−170697号公報、特開2008−163215号公報、特開2008−163231号公報に記載のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。上記プラスチックフィルムがストレッチフィルムである場合はポリオレフィン系フィルムが好ましい。
【0061】
上記ポリエステル系フィルムに用いられるポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)、ポリ乳酸(PLA)等が挙げられる。中でも好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂である。上記PET系樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(CHDM共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ネオペンチルグリコール(NPG)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(NPG共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ジエチレングリコールを共重合成分として用いた共重合ポリエステル等のジオール変性PET;ジカルボン酸成分として、テレフタル酸を主成分、イソフタル酸及び/又はアジピン酸を共重合成分として用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いた共重合ポリエステル等のジカルボン酸変性PET等が挙げられる。
【0062】
上記異種積層フィルムに用いられるポリスチレン系樹脂としては、構成モノマーとして、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体を一種又は二種以上含む樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、汎用ポリスチレン(GPPS)、スチレン−ブタジエン共重合体(例えば、SBS等)、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体(SBIS)、スチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
【0063】
上記ポリオレフィン系フィルムに用いられるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒系LLDPE(mLLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体等のポリプロピレン系樹脂;環状オレフィン樹脂等が挙げられる。特に、上記ポリオレフィン系フィルムとしては、環状オレフィン樹脂を外層とするものが好ましく、例えば、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層(中心層)とするものが好ましい。
【0064】
上記プラスチックフィルムは、単層構成であってもよいし、積層構成を有していてもよい。即ち、上記プラスチックフィルムは、単層フィルムであってもよいし、要求物性、用途等に応じて、複数のフィルム層を積層した積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムの場合、同種の樹脂からなるフィルム層を積層していてもよいし、異なる樹脂からなるフィルム層を積層していてもよい。積層フィルムの場合、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした積層フィルムや、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層とした積層フィルムが好ましい。
【0065】
上記プラスチックフィルムは、無配向フィルムであってもよいし、配向フィルムであってもよい。中でも、上記プラスチックフィルムが熱収縮性フィルムである場合には、シュリンク特性(熱収縮性)を発揮する観点から、少なくとも一方向に配向したフィルム(例えば、一方向に配向したフィルムや、一方向及び一方向と異なる方向に配向したフィルム)であることが好ましい。熱収縮性フィルムが積層フィルムの場合には、積層フィルム中の少なくとも1層のフィルム層が配向していることが好ましく、全てのフィルム層が少なくとも一方向に配向したフィルムであることが好ましい。全てのフィルム層が無配向の場合には、十分なシュリンク特性を発揮できない場合がある。熱収縮性フィルムとしては、特に一方向に配向したフィルム(1軸配向フィルム)又は一方向及び一方向と直交する方向に配向したフィルム(2軸配向フィルム)が用いられることが多く、中でも、1軸配向フィルム(一方向に主に延伸され、当該一方向と直交する方向にわずかに延伸された、実質的に一方向に延伸されたフィルムを含む)が一般的に用いられる。なお、上記プラスチックフィルムがストレッチフィルムである場合は、無配向フィルムであってもよいが、わずかに配向(例えば、1.5倍未満の延伸により配向)していてもよい。また、上記プラスチックフィルムが非収縮性フィルムの場合は、無配向フィルムであってもよく、わずかに配向(例えば、1.5倍未満の延伸により配向)していてもよく、2軸配向フィルムであってもよいが、2軸配向フィルムが最も汎用的に用いられる。
【0066】
上記少なくとも一方向に配向したフィルムは、未延伸フィルムを、少なくとも一方向に延伸することで得られる。例えば、上記少なくとも一方向に配向したフィルムが1軸配向フィルムである場合は未延伸フィルムを一方向に延伸することで得られ、2軸配向フィルムである場合は未延伸フィルムを一方向及び当該一方向と直交する方向に延伸することで得られる。なお、シュリンクラベルは、熱収縮性フィルムの配向方向に主に熱収縮できる。
【0067】
上記プラスチックフィルムは、溶融製膜または溶液製膜等の慣用の方法によって作製することができる。また、市販のプラスチックフィルムを用いることも可能である。積層構成のプラスチックフィルムを作製する場合、積層の方法としては、慣用の方法、例えば、共押出法、ドライラミネート法等を用いることが可能である。プラスチックフィルムに配向を施す方法としては、例えば、長手方向(フィルムの製造ライン方向。縦方向又はMD方向とも称する)及び幅方向(長手方向と直交する方向。横方向又はTD方向とも称する)の2方向への延伸、長手方向又は幅方向の一方向への延伸等を用いることができる。延伸方式は、例えば、ロール方式、テンター方式、チューブ方式等を用いることができる。例えば、幅方向に実質的に一方向に延伸されたフィルムの延伸処理は、70〜100℃程度の温度で、必要に応じて長手方向に例えば1.01〜1.5倍、好ましくは1.05〜1.3倍程度延伸した後、幅方向に3〜8倍、好ましくは4〜7倍程度延伸することにより行うことができる。
【0068】
上記プラスチックフィルムが熱収縮性フィルムである場合、上記熱収縮性フィルムの、主収縮方向の、90℃、10秒における熱収縮率(「熱収縮率(90℃、10秒)」と称する場合がある)は、特に限定されないが、30〜90%が好ましく、より好ましくは40〜85%である。上記熱収縮性フィルムの、主収縮方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、−3〜15%が好ましい。なお、上記「主収縮方向」とは最も熱収縮率が大きい方向であり、一般的には主に延伸処理された方向であり、例えば、幅方向に実質的に一方向に延伸されたフィルムの場合には幅方向である。
【0069】
また、上記プラスチックフィルムが非収縮性フィルムである場合、プラスチックフィルムの熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、いずれの方向においても5%を超えないことが好ましい。
【0070】
上記プラスチックフィルムがストレッチフィルムである場合、上記ストレッチフィルムは、少なくとも一方向に1.25倍以上伸長可能で、且つ、1.25倍伸長させた後の歪みが、1.25倍伸長前のストレッチフィルムの長さを100%として、10%以下であることが好ましい。なお、上記歪みは、例えば、公知乃至慣用の引張試験機を用いて測定することができる。上記引張試験機としては、例えば、島津製作所(株)製「島津オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)」等が挙げられる。なお、試験条件等は、必要に応じて、JIS K 7161を参考にすることができる。
【0071】
上記ラベル基材として用いられるプラスチックフィルムは、市販品を用いることも可能である。熱収縮性フィルムとしては、例えば、東洋紡績(株)製「スペースクリーン S7042」、「SV−808」、三菱樹脂(株)製「LX−10S」、「LX−18S」、「LX−61S」(以上、ポリエステル系フィルム);シーアイ化成(株)製「ボンセット」、グンゼ(株)製「GMLS」(以上、ポリスチレン系フィルム);グンゼ(株)製「FL」(ポリオレフィン系フィルム);三菱樹脂(株)製「エコロージュ」(ポリ乳酸系フィルム);三菱樹脂(株)製「DL」、グンゼ(株)製「HGS」(以上、表層がポリエステル系樹脂、中心層がポリスチレン系樹脂の積層フィルム)等が挙げられる。ストレッチフィルムとしては、例えば、アイセロ化学(株)製「スズロンL」等が挙げられる。非収縮性フィルムとしては、例えば、三井化学東セロ(株)製「OP」、「FOS」、東レ(株)製「トレファン」(以上、二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等が挙げられる。
【0072】
上記ラベル基材は、プラスチックフィルム以外の層を有していてもよい。上記プラスチックフィルム以外の層としては、例えば、アンカーコート層、プライマーコート層、保護層、帯電防止層、滑り層、断熱層、金属や金属酸化物の蒸着層等が挙げられる。また、上記プラスチックフィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理、プライマー処理、帯電防止コーティング処理等の慣用の表面処理が施されていてもよい。
【0073】
上記プラスチックフィルムが透明である場合には、上記プラスチックフィルムのヘイズ(ヘーズ)値[JIS K 7136準拠、厚み40μm換算、単位:%]は、特に限定されないが、10%以下が好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。ヘイズ値が10%を超える場合には、ラベル基材の内側(プラスチックラベルを容器に装着したときに容器側になる面側)に印刷を施し、ラベル基材を通して印刷を見せるプラスチックラベル(裏印刷プラスチックラベル)用途においては、製品とした際に、印刷が曇り、装飾性が低下することがある。ただし、ヘイズ値が10%を超える場合であっても、ラベル基材を通して印刷を見せる上記用途以外の用途(表印刷プラスチックラベル)においては不透明であってもよく、十分に使用可能である。また、不透明のラベル基材におけるプラスチックフィルムとしては、特に限定されないが、例えば、乳白フィルム、金属蒸着フィルム等を用いることができる。
【0074】
上記プラスチックフィルムの厚みは、特に限定されないが、10〜150μmが好ましい。熱収縮性フィルムや非収縮性フィルムの場合、10〜100μmが好ましく、より好ましくは12〜80μm、さらに好ましくは15〜60μmである。ストレッチフィルムの場合、50〜150μmが好ましい。
【0075】
[他の層]
上記他の層(上記ラベル基材、上記印刷層(X)、本発明の保護印刷層以外の層)は、特に限定されないが、例えば、本発明の保護印刷層以外の保護層、接着剤層(感圧性接着剤層、感熱性接着剤層等)、アンカーコート層、プライマーコート層、コーティング層、インナーコート層、帯電防止層、金属や金属酸化物の蒸着層、遮光層、断熱層、バリア層、滑り層等が挙げられる。また、上記他の層としては、上記印刷層(X)以外の印刷層、即ち、本発明の保護印刷層により覆われていない印刷層も挙げられる。
【0076】
[プラスチックラベル]
本発明のプラスチックラベルは、本発明の保護印刷層をプラスチックラベルの表面に有することが好ましい。本発明の保護印刷層とラベル基材とで挟まれた領域が化学成分から保護されるため、本発明の保護印刷層を本発明のプラスチックラベルの表面に有することにより、化学成分から保護される領域が最大限となる。
【0077】
本発明のプラスチックラベルは、表印刷プラスチックラベルであってもよいし、裏印刷プラスチックラベルであってもよいし、両面印刷プラスチックラベルであってもよいが、裏印刷プラスチックラベルが好ましい。なお、本明細書において、表印刷ラベルとは、ラベル基材を通さず印刷を見せるラベルであり、ラベルを見る際に、ラベル基材よりも手前に意匠印刷層があるラベルをいう。また、裏印刷ラベルとは、ラベル基材を通して印刷を見せるラベルであり、ラベルを見る際に、ラベル基材よりも奥側に意匠印刷層があるラベルをいう。また、両面印刷ラベルとは、ラベル基材の両面側に意匠印刷層を有するラベルをいう。
【0078】
本発明のプラスチックラベルは、特に限定されないが、例えば、ストレッチラベル、シュリンクラベル(ストレッチシュリンクラベルを含む)、インモールドラベル、タックラベル、ロールラベル(巻き付け方式の糊付ラベル)、感熱ラベル等が挙げられる。中でも、シュリンクラベル、ロールラベル、感熱ラベルが好ましく、特にシュリンクラベルが好ましい。本発明のプラスチックラベルがシュリンクラベルの場合、熱収縮前後において安定して化学成分に対する耐性に優れるため、特に有用である。
【0079】
本発明のプラスチックラベルの厚み(総厚み)は、特に限定されないが、10〜170μmが好ましい。シュリンクラベル、インモールドラベル、ロールラベル、感熱ラベルの場合、10〜120μmが好ましく、より好ましくは15〜90μm、さらに好ましくは20〜65μmである。タックラベルの場合、25〜150μmが好ましい。ストレッチラベルの場合、50〜170μmが好ましい。
【0080】
(本発明のプラスチックラベルの好ましい実施形態)
本発明のプラスチックラベルの好ましい第一の実施形態について、図1を用いて説明する。第一の実施形態は、図1において、ラベル基材2がポリエステル系の熱収縮性フィルムであり、印刷層(X)3がバインダー樹脂としてウレタン系樹脂を用いた意匠印刷層であり、本発明の保護印刷層4が本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物の反応物、酸化チタン、及び滑剤を含有する背面印刷層であるシュリンクラベルである。なお、当該シュリンクラベルにおいて、本発明の保護印刷層は、本発明の保護印刷層の総重量(100重量%)に対して、本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物を合計して8〜70重量%(好ましくは13〜65重量%、より好ましくは15〜60重量%)、酸化チタンを5〜89重量%(好ましくは20〜85重量%、より好ましくは30〜80重量%)、滑剤を1〜20重量%含む白色の背面印刷層である。上記シュリンクラベルは、熱収縮性フィルムが透明(好ましくは無色透明)であり、熱収縮性フィルムを通して印刷を見せる裏印刷シュリンクラベルである。
【0081】
図1に記載のシュリンクラベルにおいて、意匠印刷層は、熱収縮性フィルムの一方の表面に、部分的に設けられている。意匠印刷層は、所望のデザインとなるように着色顔料の異なる複数の印刷層によって形成されている。上記複数の印刷層は硬化剤を含んでいない。このため、上記複数の印刷層を形成する印刷インキが残った場合は再利用可能である。また、意匠印刷層は、透明であっても不透明であってもよい。意匠印刷層の厚みは、特に限定されないが、0.1〜8μmが好ましい。
【0082】
背面印刷層は、熱収縮性フィルムの一方の表面に、意匠印刷層を覆うように設けられている。具体的には、背面印刷層は意匠印刷層より広い領域で形成され、意匠印刷層の全面を覆うように設けられている。なお、背面印刷層は、熱収縮性フィルムの一方の表面に、部分的に設けられているが、全面に設けられていてもよい。背面印刷層は、中でも、筒状シュリンクラベルを形成した際にシール部となる部分付近以外の全面に設けられていることが好ましい。背面印刷層は、シュリンクラベルを筒状シュリンクラベルとした際、筒の外側から観察したときの意匠印刷層の背景となる印刷層である。背面印刷層の厚みは、特に限定されないが、0.5〜10μmが好ましい。なお、第一の実施形態では背面印刷層を不透明としたが、透明であってもよい。
【0083】
第一の実施形態である上記シュリンクラベルは、背面印刷層として本発明の保護印刷層を用いている。即ち、本発明の保護印刷層は、背面印刷層としての役割と、意匠印刷層を化学成分による溶解等から保護する役割とを有する。上記シュリンクラベルは、上記構成を有することにより、本発明の保護印刷層である背面印刷層の硬度が上昇、あるいは該背面印刷層の熱収縮性フィルム及び/又は意匠印刷層に対する密着性が向上する、また、背面印刷層中の芳香族ポリイソシアネート化合物が意匠印刷層に浸透して意匠印刷層中のウレタン系樹脂と反応することによるものと推測されるが、熱収縮前後において安定して化学成分に対する耐性が高い。そして、熱収縮性フィルム、意匠印刷層、及び背面印刷層を有する従来のシュリンクラベルの構成に、さらに層を追加せずとも化学成分に対する耐性に優れるラベルを得ることができる。
【0084】
本発明のプラスチックラベルの好ましい第二の実施形態について、図2を用いて説明する。図2は、本発明のプラスチックラベルの好ましい第二の実施形態を示す概略図(部分断面図)である。図2に記載の本発明のプラスチックラベルは、熱収縮性フィルム6、意匠印刷層7、背面印刷層8、及び透明印刷層9を有するシュリンクラベル5である。なお、図2に記載のシュリンクラベル5は、熱収縮性フィルム6が透明(好ましくは無色透明)であり、熱収縮性フィルム6を通して印刷を見せる裏印刷シュリンクラベルである。
【0085】
熱収縮性フィルム6はラベル基材に該当し、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリスチレン系樹脂を内層とした積層フィルムである。具体的には、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を80重量%以上含有する2つの外層と、その2つの外層間に位置するポリスチレン系樹脂を50重量%以上含有する内層とを有し、好ましくは外層と内層との間に接着樹脂層を有する積層フィルムである。接着樹脂層は、内層と外層との接着性を良好にすることができるものが例示でき、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とポリスチレン系樹脂の混合樹脂層、軟質ポリエチレンテレフタレート系樹脂層、軟質ポリスチレン系樹脂層等が挙げられる。
【0086】
意匠印刷層7は、印刷層(X)に該当し、熱収縮性フィルム6の一方の表面に、部分的に設けられている。また、意匠印刷層7は、第一の実施形態における意匠印刷層と同様に、バインダー樹脂としてウレタン系樹脂を用いた意匠印刷層であり、所望のデザインとなるように着色顔料の異なる複数の印刷層によって形成されている。上記複数の印刷層は硬化剤を含んでおらず、上記複数の印刷層を形成する印刷インキが残った場合は再利用可能である。また、意匠印刷層7は、透明であるが不透明であってもよい。意匠印刷層7の厚みは、特に限定されないが、0.1〜8μmが好ましい。なお、第一の実施形態とは異なり、意匠印刷層7は、背面印刷層8に覆われた意匠印刷層と、背面印刷層8に覆われていない意匠印刷層から構成されている。
【0087】
背面印刷層8は、本発明の保護印刷層ではなく、印刷層(X)に該当し、熱収縮性フィルム6の一方の表面に、一部の意匠印刷層7を覆うように設けられている。具体的には、背面印刷層8は上記一部の意匠印刷層7より広い領域で形成されている。背面印刷層8は、背面印刷層8の総重量(100重量%)に対して、バインダー樹脂としてウレタン系樹脂を10〜90重量%、酸化チタンを10〜90重量%(好ましくは、ウレタン系樹脂を15〜70重量%、酸化チタンを30〜85重量%)含む白色の印刷層である。シュリンクラベル5において、背面印刷層8が設けられた領域は不透明となり、背面印刷層8が設けられていない領域は透明となる。
【0088】
透明印刷層9は、本発明の保護印刷層に該当し、透明な層であり、熱収縮性フィルム6の一方の表面に、背面印刷層8及び意匠印刷層7を覆うように設けられている。なお、透明印刷層9は、熱収縮性フィルム6の一方の表面に、部分的に設けられているが、全面に設けられていてもよい。透明印刷層9は、中でも、筒状シュリンクラベルを形成した際にシール部となる部分付近以外の全面に設けられていることが好ましい。
【0089】
透明印刷層9は、透明印刷層9の総重量(100重量%)に対して、本発明のウレタン系樹脂及び芳香族ポリイソシアネート化合物を合計して50〜99重量%(好ましくは60〜97重量%、より好ましくは70〜95重量%)、滑剤を1〜20重量%含有する層である。透明印刷層9の厚みは、特に限定されないが、0.5〜10μmが好ましい。なお、透明印刷層9は、無色透明であることが好ましい。
【0090】
第二の実施形態である図2に記載のシュリンクラベル5は、背面印刷層8として本発明の保護印刷層ではない印刷層を用い、透明印刷層9として本発明の保護印刷層を用いている。即ち、図2に記載のシュリンクラベルでは、背面印刷層としての役割を果たすことを主な目的としない本発明の保護印刷層を有する。これにより、化学成分に対する耐性に特に優れるラベルを得ることができる。また、上記構成を有することにより、本発明の保護印刷層である透明印刷層9の硬度が上昇、あるいは透明印刷層9の熱収縮性フィルム6、意匠印刷層7、及び/又は背面印刷層8に対する密着性が向上する、また、透明印刷層9中の芳香族ポリイソシアネート化合物が意匠印刷層7や背面印刷層8に浸透して意匠印刷層7や背面印刷層8中のウレタン系樹脂と反応することによるものと推測されるが、熱収縮前後において安定して化学成分に対する耐性が高い。
【0091】
なお、第二の実施形態では、部分的に背面印刷層8を設け、不透明な領域と、透明な領域とを有するラベルとしたが、背面印刷層8を設けずに、全体が透明な領域のラベルとすることができる。
【0092】
本発明のプラスチックラベルは、例えば、ラベル両端を溶剤や接着剤でシールし筒状にしてから被着体に装着されるタイプの筒状プラスチックラベル(例えば、筒状シュリンクラベル、筒状ストレッチラベル、ロールオンシュリンクオンラベル(ROSOラベル))や、ラベルの一端を被着体に接着剤等で貼り付け、ラベルを被着体に巻き回した後、他端を一端に重ね合わせて筒状にする巻き付け方式のプラスチックラベル(巻き付け方式のシュリンクラベル、タックラベル、感熱ラベル)として用いることができる。本発明のプラスチックラベルは、筒状プラスチックラベルに特に好ましく用いられる。即ち、本発明のプラスチックラベルは、筒状プラスチックラベルであることが好ましい。以下、本発明のプラスチックラベルを用いた筒状プラスチックラベルを、「本発明の筒状プラスチックラベル」と称する場合がある。
【0093】
(筒状プラスチックラベル)
本発明の筒状プラスチックラベルは、本発明の保護印刷層を最内面(筒状としたときに最も内側となる面)に有することが好ましい。裏印刷ラベルである筒状プラスチックラベルを容器等に装着した場合、ラベル基材よりも内側にあるデザイン等を含む印刷層(X)を化学成分から保護する必要があるため、本発明の保護印刷層を本発明の筒状プラスチックラベルの最内面に有することにより、上記印刷層(X)が適切に化学成分から保護される。
【0094】
図3及び図4を用いて、本発明のプラスチックラベルの好ましい実施形態である筒状シュリンクラベルの一例について説明をする。図2に記載の筒状シュリンクラベル10は、矩形状に形成された、熱収縮性フィルムであるラベル基材、印刷層(X)、及び本発明の保護印刷層を含むシュリンクラベルを、当該シュリンクラベルの一端部の外側に他端部を重ね合わせて筒状とし、他端部の内面と一端部の外面とを溶剤又は接着剤で接合しシール部11が形成された筒状体である。筒状シュリンクラベル10は、熱収縮性フィルムの主収縮方向が筒状シュリンクラベルの周方向Dとなるように筒状にされており、当該方向に熱収縮可能である。
【0095】
図4は、図3におけるIV−IV’断面、即ち、筒状シュリンクラベル10のシール部11付近の要部拡大図である。具体的には、シュリンクラベルは、ラベル基材2の一方の面(筒状体の内側の面)の他端部の端42から所定幅の領域を除いた領域に印刷層(X)3が形成され、その印刷層(X)3を覆うように、ラベル基材2の一方の面の他端部の端42から所定幅の領域を除いた領域の略全域に本発明の保護印刷層4が形成されている。このため、シュリンクラベルには、他端部の端42から所定幅の領域は、印刷層(X)3及び本発明の保護印刷層4が形成されておらず、ラベル基材2が露出し、ラベル基材露出面が形成されている。筒状シュリンクラベル10は、具体的には、シュリンクラベルの他端部の内面側に形成されたラベル基材露出面と、一端部の外面側に形成されたラベル基材露出面とを、溶剤又は接着剤12によって接合されている。なお、印刷層(X)3及び本発明の保護印刷層4は、それぞれ、単層であってもよいし、複層であってもよい。また、図3及び図4における筒状シュリンクラベルの層構成は、当該図3及び図4に示された層構成(即ち、図1に示す本発明のプラスチックラベルの層構成)に限定されず、他の層構成(例えば、図2に示す層構成)であってもよい。
【0096】
上記シール部の幅は、特に限定されないが、0.2〜10mmが好ましく、より好ましくは0.3〜5mm、さらに好ましくは0.4〜2mmである。
【0097】
なお、図3及び図4に示された筒状シュリンクラベル10では、シール部11として、他端部の内面と一端部の外面とを接合する接合形態(封筒貼り)を示したが、本発明の筒状プラスチックラベルにおける接合形態は、これに限定されるものではなく、一端部と他端部の内面側の面同士、あるいは外面側の面同士を重ね合わせ、この重ね合わせ部分をヒートシール等により接合(合掌貼り)する接合形態であってもよい。この場合においても、内面側又は外面側に形成された露出面同士を重ね合わせて接合することが好ましい。
【0098】
また、図4における筒状シュリンクラベル10では、一端部は、その端41が他端部の本発明の保護印刷層4と重なる位置まで延びてきており、一端部と他端部の本発明の保護印刷層4同士が重なる領域が形成されている。このため、厚み方向においていずれの印刷層も存在しない領域は存在しない。筒状シュリンクラベルは、図4に示すような、一端部の端41と他端部側の本発明の保護印刷層4と重なる構造であってもよいし、一端部の端が他端部のラベル基材露出面と重なる領域まで延び、一端部の端が他端部側の本発明の保護印刷層4と重なる位置まで延びてきていない、一端部の端と他端部側の本発明の保護印刷層4とが重ならない構造であってもよい。
【0099】
本発明のプラスチックラベルは、ラベル基材の少なくとも一方の面に、印刷層と、該印刷層を覆うように設けられた保護印刷層とを有している。そして、上記保護印刷層は、ポリエステルポリオールに由来する構成単位をポリオール成分の主成分として含むウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物との反応物を含む層である。本発明のプラスチックラベルは、保護印刷層として、特定のウレタン系樹脂と組み合わせて、数あるイソシアネート化合物の中でも芳香族ポリイソシアネート化合物を用いることを重要な特徴としている。本発明のプラスチックラベルは、このような構成を有することにより、安定して化学成分に対する耐性に優れるラベルを得ることができる。具体的には、本発明の保護印刷層中の本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物とが十分に反応した層である場合、本発明の保護印刷層が硬いこと、上記印刷層(印刷層(X))との密着性が高いこと、ラベル基材に対する密着性が高いこと等に起因するものと推測されるが、被装着物が溶解性の強い内容物を充填された容器であっても、デザイン等を構成する印刷層が該内容物によって溶解されにくく、安定して化学成分に対する耐性に優れる。一方、本発明の保護印刷層中の本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物との反応が不十分である場合、上記反応を進行させることにより、化学成分に対する耐性に優れるプラスチックラベルとすることができるため、安定して化学成分に対する耐性に優れるラベルを得ることができる。また、本発明のプラスチックラベルがシュリンクラベルである場合、印刷層(X)及び本発明の保護印刷層の、熱収縮フィルムの熱収縮に対する追従性にも優れる。
【0100】
また、従来のプラスチックラベルでは、化学成分に対する耐性を高くするために、デザイン等を構成する印刷層に硬化剤を添加する方法がとられることがあった。しかしながら、このような印刷層は硬度が比較的高く上記耐性に優れるが、印刷中に粘度変化が起こり色ブレが発生しやすくなる等、印刷適性が悪くなることがあった。またその結果、出来上がったラベルの美粧性が劣る場合があった。これに対し、本発明のプラスチックラベルにおいてデザイン等を構成する印刷層は硬化剤を必要としないため、デザイン等を構成する印刷層が硬化剤を含まない又は少量である場合は、色調変化が起こりにくい。さらに、デザイン等を構成する印刷層が硬化剤を含まない又は少量とすることにより、上記印刷層を形成する印刷インキはリサイクル適性にも優れ、経済的である。
【0101】
[本発明のプラスチックラベルの製造方法、加工方法]
本発明のプラスチックラベルの製造方法及び加工方法(筒状プラスチックラベルの製造方法等)の例を下記に示す。
【0102】
本発明のプラスチックラベルの製造方法は、ラベル基材の少なくとも一方の面に印刷層(X)を形成する工程(印刷層(X)形成工程)、及び、ラベル基材の少なくとも一方の面に本発明の保護印刷層を形成する工程(本発明の保護印刷層形成工程)を少なくとも含む。
【0103】
(印刷層(X)形成工程)
上記印刷層(X)形成工程では、ラベル基材の少なくとも一方の面上に、印刷層(X)を形成する印刷インキを塗布し、乾燥や硬化等によって固化させることにより印刷層(X)が形成される。上記印刷インキを塗布する方法としては、公知慣用の方法を用いることができ、中でも、グラビア印刷、フレキソ印刷、デジタル印刷が好ましい。上記印刷層(X)が意匠印刷層である場合、意匠印刷層を設ける段階では、一般的に、上記印刷インキの塗布は、色ごとに、複数回行われ、複層である印刷層(X)が形成される。
【0104】
溶剤乾燥型の印刷インキを用いる場合、上記印刷層(X)は、当該印刷インキを塗布して塗膜を形成し、当該塗膜から上記溶媒を乾燥除去し、塗膜を固化させることによって形成できる。
【0105】
上記溶剤乾燥型の印刷インキは、例えば、上記バインダー樹脂(即ち、上記印刷層(X)に含まれるバインダー樹脂)、上記着色顔料(即ち、上記印刷層(X)に含まれる着色顔料)、溶媒及びその他添加剤等を、必要に応じて、混合することにより製造される。混合は、公知慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、ペイントシェイカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパー等のミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミル等のミル、ニーダー等の混合装置が用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた印刷インキは、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(バインダー樹脂、着色顔料、溶媒、その他の添加剤)は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0106】
上記溶媒としては、グラビア印刷やフレキソ印刷等に使用される印刷インキに通常用いられる水や有機溶剤等を用いることができる。上記有機溶剤としては、例えば、酢酸エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル)等のエステル;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル等が挙げられる。上記溶媒は、印刷インキを上記ラベル基材に塗布した後、乾燥により除去することができる。なお、上記溶媒には、「分散媒」の意味も含む。
【0107】
(本発明の保護印刷層形成工程)
本発明の保護印刷層形成工程では、印刷層(X)を有する側のラベル基材の面上に、該印刷層(X)を覆うように保護印刷層を形成する組成物(印刷インキ等)を塗布し、乾燥等によって固化させることにより印刷層が形成される。上記印刷層において本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物とが反応することにより、本発明の保護印刷層が形成される。
【0108】
本発明の保護印刷層が溶剤乾燥型の印刷層である場合、印刷層(X)を有する側のラベル基材の面上に本発明の保護印刷層を形成する組成物を塗布し、必要に応じて乾燥固化することにより印刷層が形成される。上記塗布された組成物の層(塗布層)を加熱、送風(例えば、冷風、常温の風、温風)等により乾燥する際には、印刷装置上で乾燥が可能な、一般的な加熱装置、送風装置を好ましく用いることができる。安全性、乾燥効率の観点から、上記加熱装置としては、好ましくは、温風ヒーター等を用いることができる。
【0109】
上記組成物を塗布する方法としては、コストや生産性等の観点から、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式が好ましく、中でも、グラビア印刷方式が特に好ましい。
【0110】
上記組成物は、例えば、本発明のウレタン系樹脂、芳香族ポリイソシアネート化合物、溶媒、必要に応じて他の成分を混合することによって製造される。混合は、公知乃至慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、上述の印刷層(X)を形成する印刷インキの混合装置として例示及び説明された混合装置等が使用できる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた組成物は、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(本発明のウレタン系樹脂、芳香族ポリイソシアネート化合物、溶媒、他の成分)は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0111】
上記溶媒としては、印刷インキに通常用いられる有機溶剤等を用いることができる。上記溶媒としては、例えば、上述の印刷層(X)を形成する印刷インキ中に含まれていてもよい有機溶剤として例示及び説明された有機溶剤等が挙げられる。上記溶媒は、上記組成物をラベル基材に塗布した後、乾燥により除去することができる。
【0112】
上記組成物の粘度(23±2℃)は、特に限定されないが、例えば、グラビア印刷により塗工される場合には、10〜1000mPa・sが好ましく、より好ましくは20〜500mPa・sである。上記組成物の粘度は、本発明のウレタン系樹脂、芳香族ポリイソシアネート化合物やその他の各成分の種類や配合量(含有量)、増粘剤、減粘剤等によって制御することが可能である。なお、本明細書では、「粘度」とは、特に限定しない限り、E型粘度計(円錐平板形回転粘度計)を用い、23±2℃、円筒の回転数50回転の条件下、JIS Z 8803に準じて測定した値を意味している。
【0113】
上記のようにして形成された印刷層は、該印刷層中の本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物とが反応することにより本発明の保護印刷層となる。本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物の反応としては、上述のように、活性エネルギー線硬化、熱硬化、2液反応硬化等が挙げられる。上記熱硬化は、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーター、恒温槽等の公知乃至慣用の加熱装置を用いて行うことができる。また、2液反応硬化は、常温(例えば、15〜25℃)で経時によって反応が進むものであってもよく、常温で進行しないものであってもよい。常温で反応が進行する2液反応硬化の場合、上記2液反応硬化は、2液を混合する以外の操作は特に必要ない。この場合、例えば、上記所定温度の恒温槽(又は恒温恒湿槽)で8〜48時間のエージング処理を行うことで硬化させることができる。常温で進行しない又はしにくい2液反応硬化の場合、反応を促進させるために加熱装置や調湿装置、活性エネルギー線照射装置等を用いて反応を促進してもよい。
【0114】
上記2液反応硬化が、2液(例えば、本発明のウレタン系樹脂を含む液体と芳香族ポリイソシアネート化合物を含む液体)を混合したときから経時とともに反応が進行する場合、上記印刷層を形成する前の組成物中において本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物の反応が開始しているため、上記印刷層中には本発明のウレタン系樹脂と芳香族ポリイソシアネート化合物の反応物が含まれており、該印刷層は本発明の保護印刷層に該当することとなる。
【0115】
上記のようにして、ラベル基材の少なくとも一方の面に、印刷層(X)及び本発明の保護印刷層が形成された本発明のプラスチックラベルを作製することができる。
【0116】
(筒状プラスチックラベルの製造方法)
本発明の筒状プラスチックラベルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、下記の通りである。長尺状の本発明のプラスチックラベルを、所定の幅にスリットして、本発明のプラスチックラベルが長尺方向(長手方向)に複数個連なったラベル長尺体を得る。このラベル長尺体を、幅方向(即ち、ラベル基材の幅方向)が周方向となるように、上記ラベル長尺体の一端部と他端部の内面側の面同士、あるいは外面側の面同士を重ね合わせて筒状に形成し、当該重ね合わせた部分を所定の幅で帯状にシールして両端部を接合して、又は、上記ラベル長尺体を、幅方向が周方向となるように他端部が一端部の外側になるように重ね合わせて筒状に形成し、当該重ね合わせた部分を所定幅で帯状にシールして両端部を接合して、長尺筒状のラベル連続体(長尺筒状プラスチックラベル)を得ることができる。この長尺筒状プラスチックラベルを周方向に切断することで、高さ方向に所定の長さを有する1つの筒状プラスチックラベル(本発明の筒状プラスチックラベル)を得ることができる。
【0117】
[ラベル付き容器]
本発明のプラスチックラベルは、特に限定されないが、容器に装着して、ラベル付き容器として用いられる。なお、本発明のプラスチックラベルは、容器以外の被装着物(被着体)に用いられてもよい。例えば、本発明のプラスチックラベル(特に、筒状プラスチックラベル)を容器に装着することにより、ラベル付き容器(本発明のプラスチックラベルを有するラベル付き容器)が得られる。上記容器には、例えば、ソフトドリンク用ボトル、宅配用牛乳瓶、調味料、カップ麺等の食品用容器、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、洗剤、スプレー等の化学製品の容器、トイレタリー用の容器等が含まれる。上記容器の形状としては、特に限定されないが、例えば、円筒状、角形等のボトルタイプや、カップタイプ等の様々な形状が挙げられる。また、上記容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、オレフィン系樹脂等のプラスチック、ガラス、金属等が挙げられる。
【0118】
容器への筒状プラスチックラベルの装着は公知乃至慣用の方法で行うことができる。例えば、ラベル付きプラスチック製ボトルは、筒状に形成された本発明の筒状プラスチックラベルを自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、通常内容物を充填したプラスチック製ボトルに、ボトル本体側面のほぼ全面又は所定部位を覆うように連続的に被嵌し、必要に応じて、加熱により熱収縮させて装着することにより製造することができる。
【0119】
本発明のプラスチックラベルがシュリンクラベルの場合、具体的には、例えば、筒状シュリンクラベルを所定の容器に外嵌した後、加熱処理によって筒状シュリンクラベルを熱収縮させ、容器に追従密着させること(シュリンク加工)によって作製できる。上記加熱処理の方法としては、例えば、熱風トンネルやスチームトンネルを通過させる方法、赤外線等の輻射熱で加熱する方法等が挙げられる。特に、80〜100℃のスチームで処理する(スチーム及び湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)方法が好ましい。また、101〜140℃のドライスチームを用いることもできる。上記加熱処理は、特に限定されないが、熱収縮性フィルムの温度が85〜100℃(特に、90〜97℃)となる温度範囲で実施することが好ましい。また、加熱処理の処理時間は、生産性、経済性の観点から、4〜20秒が好ましい。
【0120】
一方、本発明のプラスチックラベルがストレッチラベルの場合、具体的には、例えば、被装着物である容器のラベルが装着される部分の最小直径よりも小さな直径の筒状ストレッチラベルを、外力により上記被装着物である容器よりも大きな径となるように伸張させて該容器に外嵌した後、外力を解除することにより、上記筒状ストレッチラベルを自己収縮させて該容器に追従密着させることによって製造することができる。
【実施例】
【0121】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、表1に、実施例及び比較例で作製したシュリンクラベルの構成及び評価結果等を示した。また、表2には、実施例及び比較例で用いた印刷インキ中の原料の詳細(商品名、メーカー名等)等を示した。
【0122】
実施例1
(印刷インキ)
ウレタン系樹脂溶液(商品名「TA24−242」、日立化成(株)製)、アクリルビーズ、オレフィンワックス、シリコーンワックス、及び溶剤を、表1に示す割合で混合し、ミキサーを用いて分散し、印刷インキを得た。
【0123】
(シュリンクラベル)
ポリエステル(PET)系フィルム(熱収縮性フィルム)(三菱樹脂(株)製、商品名「LX−18S」、厚み:40μm)の片面に、ウレタン系カラーインキ(商品名「NTハイラミック 紅」、大日精化(株)製)を、卓上グラビア印刷機((株)日商グラビア製、商品名「GRAVO PROOF MINI」)を用いて塗布、乾燥固化し、シール部となる部分以外の全面にカラー印刷層を形成した。次いで、上記カラー印刷層の表面に、上記で得られた印刷インキと商品名「VMハードナー XB」(東洋インキ(株)製)とを表1に示す割合となるようにミキサーを用いて混合したものを、上記卓上グラビア印刷機を用いて塗布、乾燥固化し、その後27±3℃で24時間のエージング処理を行って、シール部となる部分以外の全面に保護印刷層を形成した。
【0124】
上記のようにして、PET系フィルム(厚み:40μm)/カラー印刷層(厚み:1μm)/保護印刷層(厚み:1μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
【0125】
実施例2、3、比較例1〜3
印刷インキ及びポリイソシアネート化合物として、表1に示す組成の印刷インキ及びポリイソシアネート化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にしてシュリンクラベルを得た。
【0126】
(評価)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルについて、以下の評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0127】
(1)化学成分に対する耐性(滴下試験)
台紙に、実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから25mm×80mmにカットした試験片を貼り付け、試験片の印刷層が設けられている部分に所定の試験液を0.1mlずつ3箇所に滴下し、40℃で24時間放置した。その後、試験片に水道水を流しながら、滴下した部分を指で20往復軽く擦って試験液を洗い流した後、ラベル基材側から滴下した部分の印刷層の状態を目視観察し、化学成分に対する耐性を下記の基準で評価した。滴下試験で用いた試験液及び評価結果を表1に示す。
化学成分に対する耐性が良好(◎) : カラー印刷層の剥がれがない
化学成分に対する耐性が使用可能なレベル(○) : カラー印刷層に10%未満の剥がれがある
化学成分に対する耐性が不良(×) : カラー印刷層に10%以上の剥がれがある
【0128】
(2)化学成分に対する耐性(浸漬試験)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから25mm×80mmにカットした試験片を、密閉可能な容器に入れた。該容器に、試験片が浸漬する量の所定の試験液を注ぎ、40℃で24時間放置した。その後、試験片を容器から取り出し、試験片に水道水を流しながら、印刷層が設けられた部分を指で20往復軽く擦って試験液を洗い流した後、ラベル基材側から印刷層の状態を目視観察し、化学成分に対する耐性を下記の基準で評価した。滴下試験で用いた試験液及び評価結果を表1に示す。
化学成分に対する耐性が良好(◎) : カラー印刷層の剥がれがない
化学成分に対する耐性が使用可能なレベル(○) : カラー印刷層の剥がれが10%未満
化学成分に対する耐性が不良(×) : カラー印刷層の剥がれが10%以上
【0129】
(3)密着性(耐もみ性)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、100mm(主収縮方向)×100mm(主収縮方向に対して直交方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルの両端を両手でつかみ、10回手でもんだ。測定用サンプルの表面の保護印刷層を目視で観察し、密着性を下記の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
密着性が良好(○) : 剥離なし
密着性が使用可能なレベル(△) : 皺に沿った剥がれがある
密着性が不良(×) : 皺の周辺部にも剥がれがある
【0130】
【表1】
【0131】
【表2】
【0132】
評価結果からわかるとおり、本発明のプラスチックラベルであるシュリンクラベル(実施例)は密着性に優れていた。また、比較例のシュリンクラベルと比較して、化学成分に対する耐性に優れていた。
【符号の説明】
【0133】
1 本発明のプラスチックラベル
2 ラベル基材
3 印刷層(X)
4 本発明の保護印刷層
5 シュリンクラベル
6 熱収縮性フィルム
7 意匠印刷層
8 背面印刷層
9 透明印刷層
10 筒状シュリンクラベル
11 シール部
12 溶剤又は接着剤
41 一端部の端
42 他端部の端
図1
図2
図3
図4