特許第6762955号(P6762955)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6762955アナログ干渉除去のためのロバスト係数計算
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6762955
(24)【登録日】2020年9月11日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】アナログ干渉除去のためのロバスト係数計算
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/525 20150101AFI20200917BHJP
   H04B 15/02 20060101ALI20200917BHJP
   H04B 7/005 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   H04B1/525
   H04B15/02
   H04B7/005
【請求項の数】12
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2017-547999(P2017-547999)
(86)(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公表番号】特表2018-511996(P2018-511996A)
(43)【公表日】2018年4月26日
(86)【国際出願番号】US2016021019
(87)【国際公開番号】WO2016148948
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2019年2月6日
(31)【優先権主張番号】14/658,047
(32)【優先日】2015年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】ホワン、インス
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ボンヨン
(72)【発明者】
【氏名】トランド、ヒューイ
(72)【発明者】
【氏名】アルカラ、オスバルド
(72)【発明者】
【氏名】ソリマン、サミール・サリブ
【審査官】 対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−046865(JP,A)
【文献】 米国特許第06862315(US,B1)
【文献】 特表2010−507337(JP,A)
【文献】 米国特許第08792598(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38−1/58
H04B 1/76−3/44
H04B 3/50−3/60
H04B 7/00−7/01
H04B 1/10−1/14
H04B 15/00−15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
干渉除去のための方法であって、
送信信号を受信するために受信機を使用することと、
係数の第1のセットを使用して第1のコスト関数値を計算することと、
第1の係数制御アルゴリズムを使用して係数の第2のセットを計算することと、
係数の前記第2のセットを使用して第2のコスト関数値を計算することと、
比較結果を与えるために前記第1のコスト関数値と前記第2のコスト関数値を比較することと、
前記干渉除去のために係数の前記第1のセットを適用するか前記第2のセットを適用するかを決定するために前記比較結果を使用することと、
基準信号をフィルタ処理するために係数の前記第2のセットまたは前記第1のセットのうちの1つを適用し、前記干渉除去のために前記受信された送信信号から前記フィルタ処理された基準信号を差し引くことと、
前記第2のコスト関数値が前記第1のコスト関数値より小さいことを前記比較結果が与える場合、第2の係数制御アルゴリズムを使用して係数の前記第2のセットに基づいて係数の第3のセットを計算することと、
を備える、方法。
【請求項2】
所定の条件が、使用のために前記第1の係数制御アルゴリズムをイネーブルする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定の条件は、受信信号強度指示(RSSI)しきい値より大きいRSSIであり、ここにおいて前記RSSIは、前記第1のコスト関数値に対応するものである、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のコスト関数値が前記第1のコスト関数値より小さいことを前記比較結果が示す場合、前記干渉除去のために係数の前記第2のセットを適用することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
係数の前記第3のセットを使用して第3のコスト関数値を計算することと、
アップデートされた比較結果を与えるために前記第2のコスト関数値と前記第3のコスト関数値を比較することと、
前記干渉除去のために係数の前記第3のセットを適用するかどうかを決定するために前記アップデートされた比較結果を使用することと、
をさらに備える、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のコスト関数値を前記計算することは、係数の前記適用された第2のセットからもたらされる複数のサンプルのサンプル平均または移動平均に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
係数の前記第1のセットおよび係数の前記第2のセットは、同相のおよび直交のコンポーネントによって示される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のコスト関数値を前記計算することは、第1の平均平方誤差に基づき、前記第2のコスト関数値を前記計算することは、第2の平均平方誤差に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
干渉除去のための装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
係数の第1のセットを記憶するためのメモリであって、前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合され、送信信号を受信するための受信機と、
係数の前記第1のセットを使用して第1のコスト関数値を計算するための手段と、
第1の係数制御アルゴリズムを使用して係数の第2のセットを計算するための手段と、
係数の前記第2のセットを使用して第2のコスト関数値を計算するための手段と、
比較結果を与えるために前記第1のコスト関数値と前記第2のコスト関数値を比較するための手段と、
前記干渉除去のために係数の前記第1のセットを適用するか前記第2のセットを適用するかを決定するために前記比較結果を使用するための手段と、
基準信号をフィルタ処理するために係数の前記第2のセットまたは前記第1のセットのうちの1つを適用するための手段と、
前記第2のコスト関数値が前記第1のコスト関数値より小さいことを前記比較結果が与える場合、第2の係数制御アルゴリズムを使用して係数の前記第2のセットに基づいて係数の第3のセットを計算するための手段と、
を備え、
ここにおいて前記受信機は、前記干渉除去のために前記受信された送信信号から前記フィルタ処理された基準信号を差し引く、装置。
【請求項10】
所定の条件が、使用のために前記第1の係数制御アルゴリズムをイネーブルし、前記所定の条件は、受信信号強度指示(RSSI)しきい値より大きいRSSIであり、前記RSSIは、前記第1のコスト関数値に対応するものである、請求項に記載の装置。
【請求項11】
係数の前記第3のセットを使用して第3のコスト関数値を計算するための手段と、
アップデートされた比較結果を与えるために前記第2のコスト関数値と前記第3のコスト関数値を比較するための手段と、
前記干渉除去のために係数の前記第3のセットを適用するかどうかを決定するために前記アップデートされた比較結果を使用するための手段と、
をさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも1つのプロセッサと、係数の第1のセットを記憶するためのメモリであって、前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリと、前記少なくとも1つのプロセッサに結合された受信機であって、ここにおいて前記受信機は送信信号を受信するように構成される、受信機と、を備えるデバイス上で、動作可能である、コンピュータ実行可能コードを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能コードは、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の方法を、前記少なくとも1つのプロセッサに実行させるための命令を備える、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本出願は、2015年3月13日に米国特許商標庁に出願された非仮出願第14/658,047号の利益および優先権を主張するもので、その内容全体が参照により本書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本開示は、概して、干渉除去システムおよび方法の分野に関し、特に、ベースバンド係数を使用して干渉除去の一部として残留DCオフセット(residual DC offsets)(すなわち、DCバイアス)の除去または最小化に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 先進ワイヤレスデバイスは、同一、近接、高調波(harmonic)周波数において動作する複数の無線機を有し得る。無線機は、ネットワーク、例えばワイヤレス広域ネットワーク(WWAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)、グローバルポジショニングシステム(GPS)、グローバルナビゲーション衛星システム(GLONASS)、BeiDouナビゲーション衛星システムなど、へのアクセスを提供し得る。無線機のいくつかの組み合わせは、それぞれの周波数間の干渉により共存する問題を生じさせる可能性がある。特に、1つの無線機が、別の無線機が受信しているのと同時に、および、同じまたはそれに近い周波数で、アクティブに送信している場合、送信無線機は、受信無線機に干渉を生じさせる(すなわち、デセンス(de-sense)する)可能性がある。例えば、同一帯域の干渉は、ブルートゥース(登録商標)(WPAN)および2.4GHz WiFi(WLAN)間で生じ得、近接帯域の干渉はWLANおよびロングタームエボリューション(LTE(登録商標))帯域7、40、41間で生じ得、高調波干渉は、5.7GHzISMおよび1.9GHz個人通信サービス(PCS)間で生じ得、相互変調問題は、7xxMHzおよびGPS受信機間で生じ得る。
【0004】
[0004] アナログ干渉除去(AIC)は、図1に示されるように、有線のAICパスにおける、および無線の結合路信号の位相および利得(gain)を一致させることによって受信無線機および送信無線機間の、干渉を除去し、ここにおいてdは送信(アグレッサ(aggressor))無線機102から送信された信号であり、hは、送信無線機102から受信(ビクティム(victim))無線機104への結合チャネル(ワイヤセル結合パス信号)である。AIC106は、AIC106の出力に対する、負のサインを介して反映されたような結合チャネルhの影響を、除去するように試みる。この除去は、別個の送信機-受信機アンテナのシナリオに対してのみならず、(1つまたは複数の)送信機および(1つまたは複数の)受信機が(1つまたは複数の)同じアンテナを共有するシナリオに対しても適用可能であり得る。後者の場合では、無線の結合チャネルが、有線チャネルに、さらに簡略化され得る。
【0005】
[0005] アナログ干渉除去は、RFまたはベースバンドにおいて計算された適応可能なフィルタ係数を使用して行われ得、ここにおいてベースバンドは、デジタル実施、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号処理(DSP)エレメントまたは特定用途向け集積回路(ASIC)を使用することを意味する。ベースバンド係数計算は、より正確な係数決定を可能にし得、それが、最適な干渉除去に通じ得る。かくして計算された係数は、望ましくない干渉を除去するために、基準信号を調整するためのアナログ干渉除去(AIC)回路に送られる。しかしながら、ベースバンド処理の1つのデメリットは、望ましくないDCオフセットリーク(offset leakage)である。すなわち、基準信号は、AIC調整の後に、残留dcバイアスを有し得、それが干渉除去の質を低下させ得る。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 下記は、本開示の1つまたは複数の態様の基本的な理解を提供するために、そのような態様の簡略化された概要を提示する。この概要は、本開示の全ての考慮された特徴の広範な概観ではなく、本開示の全ての態様の重要なまたはクリティカルな要素を特定することも、本開示の任意のまたは全ての態様の範囲を叙述することも意図していない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明への序文として、簡潔な形態で本開示の1つまたは複数の態様のいくつかの概念を提示することである。
【0007】
[0007] 本開示の様々な態様に従えば、干渉除去のための方法は、送信信号を受信するための受信機を使用することと、係数の第1のセットを使用して第1のコスト関数値を計算することと、第1の係数制御アルゴリズムを使用して係数の第2のセットを計算することと、係数の第2のセットを使用して第2のコスト関数値を計算することと、比較結果を与えるために第1のコスト関数値と第2のコスト関数値とを比較することと、干渉除去のために係数の第2のセットを適用するか第1のセットを適用するかを決定するためにその比較結果を使用することと、基準信号をフィルタ処理するために係数の第1のセットまたは第2のセットのうちの1つを適用し、干渉除去のために受信された送信信号からフィルタ処理された基準信号を差し引くことと、含む。
【0008】
[0008] 様々な態様では、干渉除去のための装置は、少なくとも1つのプロセッサと、係数の第1のセットを記憶するためのメモリであって、少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリと、少なくとも1つのプロセッサに結合された受信機であって、送信信号を受信するように構成された受信機と、少なくとも1つのプロセッサに結合された係数コントローラであって、以下の、係数の第1のセットを使用して第1のコスト関数値を計算することと、第1の係数制御アルゴリズムを使用して係数の第2のセットを計算することと、係数の第2のセットを使用して第2のコスト関数値を計算することと、比較結果を与えるために第1のコスト関数値と第2のコスト関数値とを比較することと、干渉除去のために係数の第2のセットを適用するか第1のセットを適用するかを決定するためにその比較結果を使用することを行うように構成された係数コントローラと、基準信号をフィルタ処理するために係数の第1のセットまたは第2のセットのうちの1つを適用するためのアナログ干渉除去(AIC)回路と、を含み、ここにおいて受信機は、干渉除去のために受信された送信信号からフィルタ処理された基準信号を差し引く。
【0009】
[0009] 様々な態様では、干渉除去のための装置は、少なくとも1つのプロセッサと、係数の第1のセットを記憶するためのメモリであって、少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリと、少なくとも1つのプロセッサに結合され、送信信号を受信するための受信機と、係数の第1のセットを使用して第1のコスト関数値を計算するための手段と、第1の係数制御アルゴリズムを使用して係数の第2のセットを計算するための手段と、係数の第2のセットを使用して第2のコスト関数値を計算するための手段と、比較結果を与えるために第1のコスト関数値と第2のコスト関数値とを比較するための手段と、干渉除去のために係数の第2のセットを適用するか第1のセットを適用するかを決定するためにその比較結果を使用するための手段と、基準信号をフィルタ処理するために係数の第1のセットまたは第2のセットを適用するための手段と、を含み、ここにおいて受信機は、干渉除去のために受信された送信信号からフィルタ処理された基準信号を差し引く。
【0010】
[0010] 様々な態様では、少なくとも1つのプロセッサと、係数の第1のセットを記憶するためのメモリであって、少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリと、少なくとも1つのプロセッサに結合された受信機であって、送信信号を受信するように構成された受信機と、を備えるデバイス上で動作可能なコンピュータ実行可能コードを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータ実行可能コードは、係数の第1のセットを使用して第1のコスト関数値を計算することを少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、第1の係数制御アルゴリズムを使用して係数の第2のセットを計算することを少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、係数の第2のセットを使用して第2のコスト関数値を計算することを少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、比較結果を与えるために第1のコスト関数値と第2のコスト関数値とを比較することを少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、干渉除去のために係数の第2のセットを適用するか第1のセットを適用するかを決定するためにその比較結果を使用することを少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、基準信号をフィルタ処理するために係数の第1のセットまたは第2のセットを適用することを少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、を含み、ここにおいて受信機は、干渉除去のために受信された送信信号からフィルタ処理された基準信号を差し引くようにさらに構成される。
【0011】
[0011] 本開示のこれらの態様および他の態様は、以下に続く詳細の説明を検討すると、より十分に理解されるであろう。本開示の他の態様、特徴、および実施形態は、添付の図面と併せて、以下に続く本開示の具体的で実例的な実施形態の説明を検討すると、当業者には明らかになるだろう。本発明の特徴は、以下のある特定の実施形態および図面に関連して説明され得るが、本開示の全ての実施形態は、本書で説明される有利な特徴の1つまたは複数を含み得る。言い換えれば、1つまたは複数の実施形態は、特定の有利な特徴を有するものとして説明され得るが、そのような特徴の1つまたは複数もまた、本書で説明される開示の様々な実施形態に従って使用され得る。同様の方法で、例示的な実施形態は、デバイス、システム、または方法の実施形態として以下に説明され得るが、そのような実例的な実施形態が、様々なデバイス、システム、および方法で実施され得ることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】アナログ干渉除去システムを例示するブロック図である。
図2】1つまたは複数のワイヤレス通信デバイスを含むネットワーク環境を例示する図である。
図3】本開示の様々な実施形態に従って、複数の送信機と複数の受信機を有するワイヤレス通信デバイスを例示するブロック図である。
図4】本書に開示された様々な態様に従って干渉除去を行うように適応され得るシステムを例示するブロック図である。
図5】ワイヤレス通信システムにおいて受信機のための係数コントローラの実施を例示するブロック図である。
図6a】受信機おいて干渉除去を実施する間に電圧走査(voltage sweeping)を使用して残留dcバイアスを最小化するための係数を決定するための例としてのアルゴリズムのフロー図を例示する。
図6b】受信機おいて干渉除去を実施する間に電圧走査を使用して残留dcバイアスを最小化するための係数を決定するための例としてのアルゴリズムのフロー図を例示する。
図6c】受信機おいて干渉除去を実施する間に電圧走査を使用して残留dcバイアスを最小化するための係数を決定するための例としてのアルゴリズムのフロー図を例示する。
図7a】受信機おいて干渉除去を実施する間に確率近似(stochastic approximation)を使用して残留dcバイアスを最小化するための係数を決定するための例としてのアルゴリズムのフロー図を例示する。
図7b】受信機おいて干渉除去を実施する間に確率近似を使用して残留dcバイアスを最小化するための係数を決定するための例としてのアルゴリズムのフロー図を例示する。
図7c】受信機おいて干渉除去を実施する間に確率近似を使用して残留dcバイアスを最小化するための係数を決定するための例としてのアルゴリズムのフロー図を例示する。
図8a】受信機おいて干渉除去を実施する間に簡略化された確率近似(simplified stochastic approximation)を使用して残留dcバイアスを最小化するための係数を決定するための例としてのアルゴリズムのフロー図を例示する。
図8b】受信機おいて干渉除去を実施する間に簡略化された確率近似を使用して残留dcバイアスを最小化するための係数を決定するための例としてのアルゴリズムのフロー図を例示する。
図8c】受信機おいて干渉除去を実施する間に簡略化された確率近似を使用して残留dcバイアスを最小化するための係数を決定するための例としてのアルゴリズムのフロー図を例示する。
図9a】干渉除去のための方法のフロー図を例示する。
図9b】干渉除去のための方法のフロー図を例示する。
図10】本書に開示される特定の態様に従って適応された処理回路を利用した処理を利用する装置のためのハードウェア実施の例を例示する図である。
図11】本書に開示される特定の態様に従って適応され得る処理回路を利用する装置の例を例示するブロック図である。
【詳細な説明】
【0013】
[0023] 添付された図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成の説明として意図され、本明細書に説明される概念が実施され得る唯一の構成を表すようには意図されない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を提供することを目的とした特定の詳細を含む。しかしながら、これらの概念がこれらの特定の詳細なしで実現され得ることは、当業者に明らかであろう。いくつかの事例では、周知の構造およびコンポーネントが、このような概念を曖昧にすることを避けるために、ブロック図の形式で示される。
【0014】
[0024] 本開示の様々な態様は、第2の無線機(トランシーバ)の受信性能に影響を与える1つの無線機(トランシーバ)による送信によってもたらされたローカル干渉を除去するための方法およびシステムに関する。特定の態様では、干渉除去システムは、異なる無線機の組み合わせに適応可能である。例えば、無線機の第1の組み合わせに起因する共存の問題に関しては、送信無線機(例えば、WiFi)は、干渉除去(IC)回路の入力のために選択され得、受信無線機(例えば、ブルートゥース)は、干渉除去回路の出力のために選択され得る。無線機の第2の(異なる)組み合わせに起因する共存の問題に関しては、送信無線機(例えば、WiFi)は、干渉除去回路の入力のために選択され得、受信無線機(例えば、LTE帯域7)は、干渉除去回路の出力のために選択され得る。(干渉除去のような)除去という用語およびそれの変形は、少なくともいくつかの干渉が減じられるという点において、減少(reduction)、軽減(mitigation)および/または同様の語と同じ意味であり得ることが、留意されるべきである。
【0015】
[0025] 本開示の範囲内では、任意の適切な干渉除去回路が使用され得る。本開示のいくつかの態様では、干渉除去回路は、結合路における信号と干渉除去路における信号とを一致させるように構成されたアナログのワンタップ適応フィルタ(analog one-tap adaptive filter)であり得る。様々な例では、アナログのワンタップ適応フィルタは、アナログのワンタップ最小二乗平均(LMS:least mean square)適応フィルタである。LMS適応フィルタは、それが、エラー信号の最小二乗平均を生成するために計算されたフィルタ係数を使用して所望のフィルタを模倣するように、動作し得、それは、観測されたまたは受信された信号と所望の信号との間の差異を示し得る。従来のワンタップ干渉除去フィルタは、理想的には、周波数におけるそれのピークの除去エネルギーに焦点を当て、ここにおいて干渉する信号のパワーは、それの最大であり、従って複数の周波数の帯域または1つの周波数に影響を与える干渉、および/または干渉の1つのタイプに典型的に対処できる。DCオフセットは、除去センターをアクティブに操るために、フィルタに適用され得、受信機から得られたベースバンド信号に従ってデジタルドメインにおいて自動的に計算されるDCオフセットの値を備える。DCオフセットは、ベースバンド信号に従ってデジタルドメインにおいて計算されたフィルタ係数を使用して生成され得る。
【0016】
[0026] 本開示の特定の態様に従って、フィルタ係数(すなわち未知のdcバイアス)が決定され、コスト関数を最小化すること、すなわち除去エラーを最小化することによって干渉除去のためにAIC回路に提供される。
【0017】
[0027] 図2は、1つまたは複数のワイヤレス通信デバイス202a乃至202dを含むネットワーク環境200を例示するブロック図である。各ワイヤレス通信デバイス202a乃至202dは、少なくとも1つのアクセスポイント206、208、210へ/から、ワイヤレス信号を送信および/または受信するように構成され得るか、適応され得る。いくつかの例では、ワイヤレス通信デバイス202a乃至202dは、少なくとも1つの他のワイヤレス通信デバイス202a乃至202dへ/から、ワイヤレス信号を送信および/または受信するように構成され得るか、適応され得る。1つまたは複数のワイヤレス通信デバイス202a乃至202dは、移動可能である間、静止したままでいることを主に意図されるデバイス、および/またはモバイルデバイスを含み得る。様々な例では、デバイスは、セルラー携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、携帯コンピュータデバイス、ウェアラブルコンピュータデバイス、および電化製品、メディアプレーヤ、ナビゲーションデバイス、タブレットなどであり得る。1つまたは複数のワイヤレス通信デバイス202a乃至202dはまた、ワイヤレス信号を送信および/または受信するためにイネーブルされる静止デバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、マシンタイプ通信デバイスなど)を含み得る。1つまたは複数のワイヤレス通信デバイス202a乃至202dは、別のデバイスでの使用のために機能するようにイネーブルされ得る1つまたは複数の集積回路、回路ボード、および/または同等のものによって構成される、または具現化される装置またはシステムを含み得る。かくして、本書で使用されるように、「デバイス」および「モバイルデバイス」という用語は、各用語がワイヤレス信号を送信および/または受信し得るデバイスの任意の組み合わせ可能なグループ、または任意の単一のデバイスに言及することが意図される場合、同義で使用され得る。
【0018】
[0028] アクセスポイント206、208、210のうちの1つまたは複数は、無線アクセス技術(RAT)を使用した接続性を提供する無線アクセスネットワーク(RAN)204、214と連携され得る。RAN204、214は、コアネットワークに1つまたは複数のワイヤレス通信デバイス202a乃至202dを接続し得る。様々な例では、RAN204、214は、WWAN、WLAN、WPAN、ワイヤレスメトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、ブルートゥース通信システム、WiFi通信システム、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))システム、エボリューションデータオンリー/エボリューションデータオプティマイズド(EVDO)通信システム、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)通信システム、LTE通信システム、衛星移動サービス補完的地上コンポーネント(MSS−ATC:Mobile Satellite Service- Ancillary Terrestrial Component)通信システム、および/または同等のものを含み得る。
【0019】
[0029] RAN204、214は、クラウド212によって簡単に示されるように、他のデバイスおよび/またはリソースと通信するためにイネーブルされ得、そうでなければ他のデバイスおよび/またはリソースにわたって機能するようにアクセス可能であり得る。例えば、クラウド212は、1つまたは複数の通信デバイス、システム、ネットワーク、またはサービス、および/または、1つまたは複数のコンピュータデバイス、システム、ネットワーク、またはサービス、および/または同等のもの、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0020】
[0030] 様々な例では、RAN204、214は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)などを含むが、それらに限定されない、任意の適切な多元接続および多重化スキームを使用し得る。RAN204、214がWWANである例では、ネットワークは、デジタルアドバンスドモバイルフォンシステム(D−AMPS)、IS−95、cdma2000、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)、UMTS、eUTRA(LTE)、または任意の他の適切なRATを実施し得る。GSM、UMTSおよびeUTRAは、「第3世代パートナシッププロジェクト」(3GPP(登録商標))と称するコンソーシアムからの文書において説明されている。IS−95およびcdma2000は、「第3世代パートナシッププロジェクト2」(3GPP2)と称するコンソーシアムからの文書において説明されている。3GPPおよび3GPP2の文書は、公的に入手可能である。RAN204、214がWLANである例では、ネットワークは、IEEE802.11xネットワーク、または他の任意の適切なネットワークタイプであり得る。RAN204、214がWPANである例では、ネットワークは、ブルートゥースネットワーク、IEEE802.15x、または他の任意のネットワークタイプであり得る。
【0021】
[0031] ワイヤレス通信デバイス202a乃至202dは、少なくとも1つの無線機(トランシーバとも呼ばれる)を含み得る。本書に使用されるように、「無線機」または「トランシーバ」という用語は、ワイヤレス信号を受信、および/またはワイヤレス信号を送信するためにイネーブルされ得る、任意の回路、および/または同等のものに言及し得る。特定の態様では、2つ以上の無線機は、回路、および/または同等のもの(例えば処理ユニット、メモリなど)の一部分を共有するためにイネーブルされ得る。すなわち、「無線機」または「トランシーバ」という用語は、信号を送信および受信どちらも行う能力を有するデバイスを含むと解釈され得、それは、別個の送信機および受信機を有するデバイス、信号を送信および受信するための組み合された回路を有するデバイス、および/または同等のものを含む。
【0022】
[0032] いくつかの態様では、ワイヤレス通信デバイス202a乃至202dは、RAN204、214の少なくとも第1のネットワークと関連するワイヤレス信号を受信および/または送信するためにイネーブルされる第1の無線機と、RAN204、214と一緒に配置されるか地理的にそれらにオーバーラップし得る他の送信機、ピアデバイス、またはアクセスポイント206、208、210と関連するワイヤレス信号を受信および/または送信するためにイネーブルされる第2の無線機、および/または、ナビゲーションシステム(例えば衛星ポジショニングシステムおよび/または同等のもの)を含み得る。
【0023】
[0033] 図3は、本書に開示される特定の態様に従って、複数の送信機302a乃至302dおよび複数の受信機310a乃至310dを含むワイヤレス通信デバイス300を例示するブロック図である。M個の送信機302a乃至302dおよびN個の310a乃至310dは、最大MxN個の受信機/送信機(Rx/Tx)回路として提供され得る。当業者は、Mの量とNの量とが同じであることも同じでないこともあることを理解するであろう。そして、いくつかの場合では、それら量のいずれかはゼロであり得る。共存の問題は、1つまたは複数の送信機302a乃至302dがアクティブに送信しているとき、および1つまたは複数の受信機310a乃至310dがアクティブに受信しているときに、生じ得る。
【0024】
[0034] Rx/Tx回路310a/302a、310b/302b、310c/302c、および/または310d/302dの各々は、例えば、それぞれの周波数、グループ遅延を有する無線周波数回路、他のTx/Rx回路、Rx/Tx回路310a/302a、310b/302b、310c/320c、310d/302dへの結合チャネル利得(coupling channel gains)、および/または同等のものを含む、特定のパラメータに従って動作するように構成され得る。例えば、第1のTx/Rx回路310a/302aは、第1の遅延dで第1の周波数fにおいて動作し得、第2のTx/Rx回路310b/302bは、第2の遅延dで第2の周波数fにおいて動作し得、第3のTx/Rx回路310c/302cは、第3の遅延d3で第3の周波数fにおいて動作し得る、など。第1のTx/Rx回路310a/302aは、第2のTx/Rx回路310b/302bへの結合チャネル利得h12、第3のTx/Rx回路310c/302cへの結合チャネル利得h13、などを有し得る。Tx/Rx回路310/302は様々な他のTx/Rx回路への異なる結合チャネル利得を有し得る。
【0025】
[0035] 様々な態様では、装置300は、例えば、同一、近接、高調波、または低調波(sub-harmonic)周波数で動作するTx/Rx回路310a/302a、310b/302b、310c/302c、310d/302d間で生成される干渉を減じるように構成される。装置300は、異なるTx/Rx回路の組み合わせのために適応され得、または構成され得る。すなわち、装置300は、Tx/Rx回路310a/302a、310b/302b、310c/302c、および/または310d/302dの現在の組み合わせに起因する共存の問題に基づいて干渉を除去するように構成され得る。例えば、時間T1における共存の問題は、第1の送信機302aがWiFiのために使用され、第2の受信機310bがブルートゥースのために使用されるときに生起し得る。いくつかのシステムでは、装置は、干渉除去(IC)回路306に第1の送信機302aの出力を選択的に提供するように構成され得、そしてそれは、第2の受信機310bに干渉除去信号316を提供し得る。従って、干渉除去回路306、ビクティムTx/Rx回路310b/302bに対してアグレッサTx/Rx回路310a/302aに起因する干渉が、減じられることができる。様々な例では、アグレッサ310a/302aからビクティムTx/Rx回路310b/302bへの結合チャネル利得は、2つのアンテナの分離に基づいて−10dBであり得、干渉除去回路306は、干渉除去の成功のためにこの利得を一致させるように構成され得る。動作の態様では、装置300は、干渉除去構成を選択するように制御され得るデマルチプレクサ(DEMUX:demultiplexer)回路308およびマルチプレクサ(MUX)回路304を含み得る。
【0026】
[0036] 図4は、本書に開示される特定の態様に従って、送信機402と受信機420との間でローカルな干渉を除去するためのシステム400の特定の態様を例示する。システム400は、1つまたは複数のサブシステム、装置、デバイス、またはコンポーネントと連携され得る。送信機(TX)402は、オフェンディング送信機(offending transmitter)であり得、受信機420は、ビクティム受信機(victim receiver)であり得る。すなわち、送信機402は、ビクティム受信機420によって受信される無線の干渉信号406と関連してローカルな干渉を生成する、または生じさせるオフェンダ(offender)であり得る。オフェンディング送信機402およびビクティム受信機420は、同じデバイスの一部であり得る。さらに、単一の送信機402および単一の受信機420が示されるが、1つ以上の送信機402および/または1つ以上の受信機420が、本開示の態様に従って提供され得る。様々な態様では、送信機402は、図3に示される複数の送信機302のうちの1つであり、受信機420は、図3に示される複数の受信機310のうちの1つである。
【0027】
[0037] 送信機402は、電力増幅器(PA)408およびTXフィルタ410に連携され得るか、これらに結合され得、それらのコンポーネントは、当業者には周知であり、よってさらなる説明は、簡潔にするために省略される。PA408は、TX402による送信に関わるデータまたは信号を受信し得る。
【0028】
[0038] 送信機402は、カプラ412と連携され得る。カプラ412は、AIC回路416に基準信号r(t)404を提供するために使用され得る。基準信号は、送信機402によって送信される信号のいくつかの部分または関数に対応し得、受信フィルタ414を通じて提供され得る。様々な例では、AIC回路416は、ワンタップ適応フィルタ(例えば、ワンタップ最小二乗平均(LMS:least mean square)適応フィルタ)を含み得る。
【0029】
[0039] おおむね、AIC出力がローカルな干渉信号を除去するために破壊的なやり方で無線の干渉信号406と組み合され得るように、AIC回路416は、所与の許容差(tolerance)内で無線の干渉信号406と一致する出力信号を生成するように構成され得る。AIC回路416は、残留dcバイアスを最小化するために、係数コントローラからDCオフセットを受信し得る。AIC回路416は、加算器(adder)422への第1の入力として供給され得る出力を生成するように構成され得る。コンポーネント422が図4で加算器として図示されるが、当業者は、コンポーネント422が、信号を加える、または組み合わせる別のコンポーネント、積算器(integrator)、または結合器(combiner)である得ることを理解するであろう。加算器422への第2の入力は、RX420によって受信された無線の干渉信号406も対応し得る。いくつかの例では、無線の干渉信号406は、受信フィルタ424を通じて加算器422に提供され得る。
【0030】
[0040] 加算器422は、低雑音増幅器(LNA:low-noise amplifier)426に提供される出力を生成するためにそれの入力を組み合わせるように構成され得る。様々な例では、加算器422は、受信フィルタ424から受信された入力からAIC回路416によって提供された入力を差し引くように構成され得る。フィルタ係数の選択が完全であるという理想的な場合では、干渉がLNA426に提供された信号において除去されるように、加算器422の第1の入力において提供された信号は、無線の干渉信号406に関連する干渉と同等である。この点において、カプラ412から、受信フィルタ414を通じて、AIC回路416への経路は、基準信号r(t)を提供するために、基準経路として機能し得る。
【0031】
[0041] システム400は、特定の許容差の範囲内で同じフィルタ特性を有するように受信機アンテナに結合された受信フィルタ424と基準信号経路における受信フィルタ414を提供し得る。すなわち、同じ方法で両信号をフィルタ処理することは、受信された信号(すなわち、無線の干渉信号406)と基準信号r(t)との間のいかなるタイミングの不一致も減じられる、または除去されることを確実にすることを、助けることができる。
【0032】
[0042] いくつかの例では、AIC回路416は、受信された信号がベースバンド信号に転換された後に、それに基づく情報を使用して、構成され得る。様々な例では、係数コントローラ450は、ベースバンド信号から1つまたは複数の係数を取り出し、係数に基づいてAIC回路416を構成し得る。すなわち、LNA426からの出力y(t)は、ミキサ428およびAIC回路416に提供され得る。そしてミキサ428は、LNA426からの出力y(t)を、第1の信号ドメインまたは周波数から第2の信号ドメインまたは周波数に、転換する。例えば、第1の信号ドメインは、選択された無線周波数に関連し得、第2の信号ドメインは、ベースバンド周波数に関連し得る。ここでは、ベースバンド信号は、例えば最大20kHzの可聴範囲に対応するいくつかの例では、非変調信号、ローパス信号、または比較的低い周波数の信号を含み得る。いくつかの例では、ミキサ428は、ベースバンドへの転換を提供するために、電圧制御発振器(VCO)のような発振器から信号を受信し得る。
【0033】
[0043] ミキサ428からの出力ベースバンド信号は、アンチエイリアスフィルタ(anti-aliasing filter)として動作し得るアナログのフィルタ430に提供され得る。アナログフィルタ430の出力は、係数コントローラ450内に存在するように示されるアナログデジタルコンバータ(ADC)432に提供され得る。ADC432の出力は、受信機420の応答の測定を提供するために、アルゴリズムエンジン434に提供される。様々な例では、受信機の応答は、受信機の出力に存在する所望の信号、干渉および騒音の重ね合わせである。アルゴリズムエンジン434は、1つまたは複数のアルゴリズムに対応し得る。例えば、アルゴリズムは、(1つまたは複数の)コスト関数を計算するために使用され得、一方で別のアルゴリズムが、係数制御のために使用され得る。
【0034】
[0044] アルゴリズムエンジン434は、DCオフセットを代表する1つまたは複数の信号を生成および出力し、および/または係数をAIC回路416にフィルタ処理するように、構成され得る。アルゴリズムエンジン434は、デジタルフォーマットにおいて出力を生成し得、出力は、デジタルアナログコンバータ(DAC)440に提供され得る。そしてDAC440の出力は、AIC回路416に提供され得る。図5に示されるように、アルゴリズムエンジン434は、様々な例では、以下の、コスト関数計算モジュール505、記憶コスト関数モジュール510、コスト関数比較モジュール520、係数計算アルゴリズム選択モジュール530、係数計算モジュール555および/または係数アプリケーションモジュール570であるコンポーネントのうちの1つまたは複数を含み得る。当業者は、アルゴリズムエンジン434内のコンポーネントのリストが排他的なリストではなく、他のコンポーネントが含まれ得、それらが本開示の精神および範囲内にあり得ることを、理解するであろう。
【0035】
[0045] AIC回路416は、多相コンポーネント481および485を含み得る。多相コンポーネント481および485は、基準信号404に対して直交信号出力、および同相信号出力を生成するために使用され得る。同相信号出力は、位相シフトの無い(例えば、0度の位相シフトの)基準信号404を単純にパスすることによって生成され得る。直交信号出力は、基準信号404に90度の位相シフトを適用することによって生成され得る。
【0036】
[0046] 第1の多相コンポーネント481による同相信号出力は、ミキサ482に提供される。第1の多相コンポーネント481による直交信号出力は、ミキサ484に提供される。ミキサ482、484の出力は、加算器、積算器、または結合器483に提供される。加算器483の出力は、加算器422への入力として機能する。
【0037】
[0047] 第2の多相コンポーネント485による同相信号出力は、ミキサ486に提供される。第2の多相コンポーネント485による直交信号出力は、ミキサ490に提供される。ミキサ486、490は、各々、LNA426の出力に対応する第2の入力を受信する。かくして、本開示のいくつかの態様では、受信機420の出力信号に対応するフィードバックは、AIC回路416への入力として提供される。
【0038】
[0048] ミキサ486の出力は、第1の加算器または積算器487に提供される。ミキサ490の出力は、第2の加算器または積算器491に提供される。積算器487、491の各々への第2の入力は、係数コントローラ450によって提供され、それは、AIC回路416を操るために使用され得るデジタル化された受信信号から係数を生成する。積算器487、491の出力は、第1および第2のローパスフィルタ(LPF)488および492を、それぞれ、含む、1つまたは複数のフィルタに提供され得る。第1および第2のLPF488、492の出力は、1つまたは複数の増幅器489および493に、それぞれ、提供され得る。増幅器489、493は、各々、独立して制御された利得(G)値を有し得る。いくつかの例では、共通の利得は、増幅器489および493の両方と関連して使用され得る。増幅器489、493の出力は、ミキサ482および484に、それぞれ、入力として提供され得る。
【0039】
[0049] 積算器487、491の各々への第2の入力は、係数コントローラ450によって実行されるアルゴリズムエンジン434によって出力されたオフセットおよび/または係数に対応する。係数は、LNA426によるRF信号出力に直接には基づかず、むしろ、係数は、受信された信号に、それがアナログデジタルコンバータ(ADC)432を使用してベースバンド信号に転換された後に、基づく。すなわち、係数コントローラ450は、AIC回路416を操るためにベースバンド信号から1つまたは複数の係数を生成し得る。デジタル係数は、デジタルアナログコンバータ440を使用してアナログ信号に転換され得る。
【0040】
[0050] 本書に開示された特定の態様に従って提供された干渉除去回路は、受信機に影響を与え得る複数の干渉ソースおよび/またはタイプに同時に対処するように適応され得る。様々な例では、干渉のソースは、LTEに割り当てられた周波数においてLTE信号を送信する近隣および/またはローカル送信アンテナであり得る。これらのLTE信号は、WiFi受信アンテナにおいて強い干渉を生成する可能性がある。帯域外(OOB)輻射(out-of-band emission)、基本波輻射(fundamental emission)、および位相ノイズに起因する干渉を含む、異なるタイプの干渉が、生成され得る。干渉は、たとえWiFiチャネルによって使用される周波数がLTEによって使用される周波数と全く異なる場合であっても、生成され得る。1つの特定の例では、干渉は、LTE帯域40(B40)におけるLTE送信と2.462GHz Wi−Fiチャネル11との間に生じ得る、それは、100MHzの帯域幅を有する2.4GHzと2.3GHzとの間の周波数が割り当てられる。干渉は、アナログのアンチエイリアスフィルタであり得るチャンネライゼーションフィルタがミキサの後に配置され、過大なエネルギーがWiFi帯域に流れ込み、RXフロントエンドを飽和状態にするので、生じ得る。
【0041】
[0051] 図5は、ワイヤレス通信システムにおいて受信機のための係数コントローラの実施を例示するブロック図である。様々な例では、受信されたベースバンド信号s(t)は、直交信号コンポーネント、同相受信ベースバンド信号i(t)および直交受信ベースバンド信号q(t)に分解される。各直交信号コンポーネントは、i(t)およびq(t)であり、アナログ入力信号処理モジュール501および502によって、それぞれ、処理される。様々な例では、アナログ入力信号処理モジュール501および502は、ローパスフィルタリング、増幅、アンチエイリアスフィルタリング、dcバイアス補償などのような、ベースバンド信号処理機能を含み得る。次に、処理された直交信号コンポーネントは、その後、アナログデジタルコンバータを使用して、デジタル直交信号コンポーネント、x(n)およびy(n)、に転換される。様々な例では、処理された直交信号コンポーネントは、別個のアナログデジタルコンバータ432aおよび432bによって転換され、デジタル直交信号コンポーネント、x(n)およびy(n)、を生成する。様々な例では、別個のアナログデジタルコンバータは、信号帯域幅Bの少なくとも2倍の高さのサンプルレートRで、動作する(例えばNyquist-Shannonサンプリング基準)。別の例では、別個のアナログデジタルコンバータは、Nビットに対応する振幅分解能(amplitude resolution)で動作する。これらのデジタル直交信号コンポーネントは、係数コントローラ450内でアルゴリズムエンジン434への入力として機能する。様々な例では、アルゴリズムエンジン434は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ソフトウェアベースのプロセッサ、または任意の適切なタイプの計算プラットフォームとして実施され得る。
【0042】
[0052] 次に、デジタル直交信号コンポーネントx(n)およびy(n)は、コスト関数計算モジュール505に入力される。コスト関数計算モジュール505は、干渉除去のためにAIC回路416に関わる係数を使用してコスト関数値を計算する。様々な例では、初期の係数値は、記憶された値、ランダム値であり得るか、0値に設定され得る。次の計算は、アップデートされている現在生成された値を使用する。様々な例では、コスト関数計算モジュール505は、AIC回路416で使用される係数(例えば、ベースバンド係数)を最適化するために使用されるコスト関数C(r)を生成する。別の例では、コスト関数計算モジュール505は、デジタル直交信号コンポーネントx(n)およびy(n)の複数のサンプルのためにコスト関数C(r)を生成し、ここで、r=x+jyおよびjは虚数単位(imaginary unit)(すなわち、−1の平方根)である。例えば、コスト関数C(r)は、サンプル平均、すなわち、所定の量のサンプルMにわたるデジタル直交信号コンポーネントのマグニチュードの平方の非荷重合計(unweighted summation of the square of the magnitudes)、(すなわち、所定の持続時間)として計算され得る。
【0043】
【数1】
【0044】
[0053] 代わって、コスト関数C(r)は、荷重係数αを有するデジタル直交信号コンポーネントのマグニチュードの平方の移動平均として計算され得る。
【0045】
【数2】
【0046】
ここで、
【0047】
【数3】
【0048】
【数4】
【0049】
[0054] 様々な例では、荷重係数αは、数字上の利便性のために、(1−α)が2(例えば、2、2−1、2−2...)のパワーであるように、選択され得、または、完全に設定可能なものとして選択され得る。様々な態様では、移動平均は、αの構成を通じて変更可能な持続時間の利点を有する。他の態様では、移動平均は、より簡潔なハードウェア実施(例えば、分割の回避)を可能にし得る。
【0050】
[0055] コスト関数比較モジュール520は、複数のコスト関数値を比較する。次に、コスト関数C(r)は、コスト関数記憶モジュール510において記憶される。そしてコスト関数C(r)は、次に、コスト関数記憶モジュール510から取り出され、係数をアップデートするか、または係数を(AIC回路416で使用されるために)その値に保持するかを決定するために、コスト関数しきい値Cと比較される。
【0051】
[0056] 様々な例では、コスト関数C(r)がコスト関数しきい値Cを超過する場合、その後係数はアップデートされる。そうではない場合は、係数はその値に保持される(すなわち、フリーズされる(frozen))。様々な態様では、コスト関数は、受信信号強度指示(RSSI)に対応し、コスト関数比較は、RSSIがRSSIしきい値より強い(例えば、干渉がAIC回路416のためにアップデートされたベースバンド係数を保証するのに十分な程度に強い)か否かを決定する。様々な例では、コスト関数は、(1つまたは複数の)干渉対信号レベルのような他のシステムパラメータに基づき得る。
【0052】
[0057] 係数計算アルゴリズム選択モジュール530は、干渉除去のために係数のセットを適用するか、または係数のセットをアップデートするか、を決定し得る。係数のセットが干渉除去のために適用される場合、係数のセットは、係数計算アルゴリズム選択モジュール530から(ライン531を介して)係数アプリケーションモジュール570に送られる。係数のセットがアップデートされる場合、係数計算アルゴリズムは、係数計算アルゴリズム選択モジュール530によって選択される。様々な例では、係数計算アルゴリズムは、電圧走査モジュール540内の電圧走査アルゴリズム、簡略化された確率近似モジュール550内の簡略化された確率近似アルゴリズム、または確率近似モジュール560内の確率近似アルゴリズム間で選択され得る。当業者は、(本書にリストアップされたものとは異なる)他の係数計算アルゴリズムが本開示の範囲または精神から逸脱せずに他の例で使用され得ることを、理解するであろう。次に、アップデートされたベースバンド係数は、選択された係数計算アルゴリズムによって計算され、係数アプリケーションモジュール570に送られる。様々な例では、係数アプリケーションモジュール570は、アルゴリズムエンジン434の出力として、アップデートされた係数(例えば、直交ベースバンド係数bおよびb)を供給する。
【0053】
[0058] 次に、アップデートされたベースバンド係数は、アップデートされたベースバンド係数をアナログ形式に転換するために、デジタルアナログコンバータに送られる。様々な例では、アップデートされた直交ベースバンド係数bおよびbは、アップデートされたアナログ係数cおよびcを生成するために、別個のアナログデジタルコンバータ440aおよび440bによって転換される。次に、アップデートされたアナログ係数cおよびcは、アップデートされかつ処理されたアナログ係数dおよびdを生成するために、アナログ出力信号処理モジュール571および572によって処理される。様々な例では、アナログ出力信号処理モジュール571および572は、ローパスフィルタリング、増幅、dcバイアス補償などのような、ベースバンド信号処理機能を含み得る。
【0054】
[0059] そして、アップデートされかつ処理されたアナログ係数dおよびdは、干渉除去のためにAIC回路416に送られる。様々な例では、アップデートされかつ処理されたアナログ係数dおよびdは、AIC回路416に送られる前に、増幅器495によって増幅される。
【0055】
[0060] 図6a乃至6cは、受信機おいて干渉除去を実施する間に残留dcバイアスを最小化するための係数を決定するために電圧走査(voltage sweeping)を使用するための例としてのアルゴリズムのフロー図を例示する。様々な態様では、係数計算アルゴリズムは、第1のデジタル信号コンポーネントx(n)および第2のデジタル信号コンポーネントy(n)を、入力として使用する。電圧走査を使用する係数計算アルゴリズムは、第1のベースバンド係数bおよび第2のベースバンド係数bを、出力として生成する。第1のデジタル信号コンポーネントx(n)は、同相信号コンポーネントと呼ばれ、第2のデジタル信号コンポーネントy(n)は、直交信号コンポーネントと呼ばれる。それに応じて、第1のベースバンド係数bは、同相係数と呼ばれ、第2のベースバンド係数bは、直交係数と呼ばれる。様々な例では、電圧走査を使用する係数計算アルゴリズムは、(図4に示される)アルゴリズムエンジン434内に存在する。
【0056】
[0061] 様々な例では、係数計算アルゴリズムは、最適な性能を決定するためにコスト関数Cを使用する。最適な性能は、コスト関数Cが最小化されるときに得られ得る。
【0057】
直交コンポーネントを固定し、電圧走査を使用して同相コンポーネントをインクリメントする
[0062] ブロック610において、初期の直交係数by0を得るために直交係数を固定値に設定し、初期の同相係数bx0を得るために同相係数を初期の値Vminに初期化する。直交係数固定値は、例えば、同様に初期の直交係数by0を得るために、Vminに設定され得る。ブロック615において、AIC回路416に初期の同相係数bx0および初期の直交係数by0を供給し、初期の同相応答rを得る。様々な例では、初期の同相応答rは、サンプル平均として、または移動平均として、得られる。初期の同相応答rは、r=(x,y)によって示され得る。
【0058】
[0063] ブロック620において、初期の同相応答rにおいて判断される初期のコスト関数C(r)を計算する。ブロック625において、所定の条件Cと初期のコスト関数C(r)を比較する。様々な例では、所定の条件は、最小のRSSIレベルに対応する。初期のコスト関数C(r)がCより大きい場合、ブロック635に進む。そうでない場合、ブロック630に進み、初期の同相係数をbx0に、初期の直交係数をby0にフリーズさせる。
【0059】
[0064] ブロック635において、第1のアップデートされた同相係数bx1を得るために、初期の値VminをVstepだけインクリメントすることによって初期の同相係数bx0をアップデートする。ここでは、bx1.=bx0+Vstepとなり、ここにおいてVstepは電圧インクリメントである。ブロック640において、干渉除去のためにAIC回路416に第1のアップデートされた同相係数bx1および初期の直交係数by0を供給し、第1のアップデートされた同相応答rを得る。第1のアップデートされた同相応答rは、r=(x,y)によって示され得る。ブロック645において、第1のアップデートされた同相応答rにおいて判断される最初のアップデートされた同相コスト関数C(r)を計算する。様々な例では、第1のアップデートされた同相応答rは、サンプル平均として、または移動平均として、得られる。本書には示されていないが、アップデートされた同相コスト関数(C(r)、C(r)...C(r))を得るためにVstepだけインクリメントすることによる同相係数のさらなるアップデートが、行われ得る。同相係数のアップデートがVstepによる先の同相係数のインクリメントに基づくことが、理解される。ブロック650において、同相コスト関数(C(r)、C(r)、C(r)、C(r)...C(r))からの最小の同相コスト関数に基づいて最適な同相係数bxoptを決定する。
【0060】
同相コンポーネントを固定し、電圧走査を使用して直交コンポーネントをインクリメントする
[0065] ブロック655において、初期の同相係数bx0を得るために同相係数を固定値に、例えばVminに、設定し、初期の直交係数by0を得るために直交係数を初期の値Vminに初期化する。ブロック660において、AIC回路416に初期の同相係数bx0および初期の直交係数by0を供給し、初期の直交応答s0を得る。初期の直交応答sは、s0=(x,y)によって示され得る。様々な例では、初期の直交応答s0は、サンプル平均として、または移動平均として、得られる。
【0061】
[0066] ブロック665において、初期の直交応答s=(x,y)において判断される初期のコスト関数C(s)を計算する。ブロック670において、所定の条件Cと初期のコスト関数C(s)を比較する。Cは、上記の同相関数計算においてCと同じ値を有し得る。様々な例では、所定の条件Cは、最小のRSSIレベルに対応する。様々な例では、所定の条件Cは、RSSIレベルに基づいて測定された値または記憶された値であり得る。初期のコスト関数C(s)がCより大きい場合、ブロック680に進む。そうでない場合、ブロック675に進み、初期の同相係数をbx0に、初期の直交係数をby0にフリーズさせる。
【0062】
[0067] ブロック680において、第1のアップデートされた直交係数by1を得るために、初期の値VminをVstepだけインクリメントすることによって初期の直交係数by0をアップデートする。ここでは、by1.=by0+Vstep.となる。ブロック685において、干渉除去のためにAIC回路416に第1のアップデートされた直交係数by1および初期の同相係数bx0を供給し、第1のアップデートされた直交応答sを得る。第1のアップデートされた直交応答sは、s=(x,y)によって示され得る。ブロック690において、第1のアップデートされた直交応答sにおいて判断される第1のアップデートされた直交コスト関数C(s)を計算する。様々な例では、第1のアップデートされた直交応答sは、サンプル平均として、または移動平均として、得られる。本書には示されていないが、アップデートされた直交コスト関数(C(s)、C(s)...C(s))を得るためにVstepだけインクリメントすることによる直交係数のさらなるアップデートが、行われ得る。直交係数のアップデートがVstepによる先の直交係数のインクリメントに基づくことが、理解される。ブロック695において、直交コスト関数(C(s)、C(s)、C(s)、C(s)...C(s))からの最小の直交コスト関数に基づいて最適な直交係数byoptを決定する。
【0063】
[0068] ブロック699において、残留dcバイアスを最小化するためにAIC回路416に、最小の同相および直交コスト関数に基づく最適な係数bxoptおよびbyoptを供給する。
【0064】
[0069] 図7a乃至7cは、受信機おいて干渉除去を実施する間に残留dcバイアスを最小化するための係数を決定するために確率近似を使用するための例としてのアルゴリズムのフロー図を例示する。様々な態様では、係数計算アルゴリズムは、第1のデジタル信号コンポーネントx(n)および第2のデジタル信号コンポーネントy(n)を、入力として使用する。確率近似を使用する係数計算アルゴリズムは、第1のベースバンド係数bおよび第2のベースバンド係数bを、出力として生成する。第1のデジタル信号コンポーネントx(n)は、同相信号コンポーネントと呼ばれ、第2のデジタル信号コンポーネントy(n)は、直交信号コンポーネントと呼ばれる。それに応じて、第1のベースバンド係数bは、同相係数と呼ばれ、第2のベースバンド係数bは、直交係数と呼ばれる。様々な例では、確率近似を使用する係数計算アルゴリズムは、(図4に示される)アルゴリズムエンジン434内に存在する。
【0065】
直交コンポーネントを固定し、確率近似を使用して同相コンポーネントをインクリメントする
[0070] ブロック710において、同相コンポーネントおよび直交コンポーネントを有する初期の係数cに係数を設定する。初期の係数cは、(bx0,by0)として示され得、ここにおいてbx0は初期の同相係数であり、by0は初期の直交係数である。例が同相および直交係数で示されるが、それは任意の二次元、すなわち第1次元および第2次元、に一般化され得る。
【0066】
[0071] ブロック715において、第1の同相インクリメントΔだけ初期の同相係数bx0をインクリメントすることによって第1の同相係数bx1を得る、すなわち、bx1=bx0+Δ。かくして、同相インクリメントによる第1の2−D係数(first 2-D coefficient-via-in-phase-increment)(c)は、(bx1、by0)として示される。ブロック720において、AIC回路416に同相インクリメントによる第1の2−D係数(c)を供給し、第1の同相応答rを得る。
【0067】
[0072] ブロック725において、第1の同相インクリメントΔだけ初期の同相係数bx0をデクリメントすることによって第2の同相係数bx2を得る、すなわち、bx2=bx0−Δ。かくして、同相インクリメントによる第2の2−D係数(c)は、(bx2、by0)として示される。ブロック730において、AIC回路416に同相インクリメントによる第2の2−D係数(c)を供給し、第2の同相応答rを得る。ブロック753において、第1の同相応答rと第2の同相応答rとの間の差異から同相勾配(in-phase gradient)Gを計算する。様々な例では、
【0068】
【数5】
【0069】
[0073] ブロック740において、最適な同相勾配、GIopt、を計算する。本書には示されていないが、同相勾配Gのさらなるアップデートは、Δだけ同相インクリメントによる第1および第2の2−D係数(c、c)をインクリメントおよびデクリメントし、同相勾配Gが勾配しきい値Gより小さくなるまで715乃至735のブロックを繰り返すことによって、行われ得る。勾配しきい値Gより小さい、イテレーション(iteration)からの第1の同相勾配Gを、最適な同相勾配、GIoptと呼ぶ。第1の同相インクリメントΔは、正または負の値であり得る。
【0070】
同相コンポーネントを固定し、確率近似を使用して直交コンポーネントをインクリメントする
[0074] ブロック745において、初期の同相係数としてbx0を、初期の直交係数としてby0を選択する。ブロック750において、第1の直交インクリメントΔだけ初期の直交係数by0をインクリメントすることによって第1の直交係数by1を得る、すなわち、by1=by0+Δ。かくして、直交インクリメントによる第1の2−D係数(first 2-D coefficient-via-quadrature-increment)(d)は、(bx0、by1)として示される。ブロック755において、AIC回路416に直交インクリメントによる第1の2−D係数(d)を供給し、第1の直交応答sを得る。
【0071】
[0075] ブロック760において、第1の直交インクリメントΔだけ初期の直交係数by0をデクリメントすることによって第2の直交係数by2を得る、すなわち、by2=by0−Δ。かくして、直交インクリメントによる第2の2−D係数(d)は、(bx0、by2)として示される。ブロック765において、AIC回路416に直交インクリメントによる第2の2−D係数(d)を供給し、第2の直交応答sを得る。ブロック770において、第1の直交応答sと第2の直交応答sとの間の差異から直交勾配Gを計算する。様々な例では、
【0072】
【数6】
【0073】
[0076] ブロック775において、最適な直交勾配、GQopt、を計算する。本書には示されていないが、直交勾配Gのさらなるアップデートは、Δだけ第1および直交インクリメントによる第2の2−D係数(d、d)をインクリメントおよびデクリメントし、直交勾配Gが同様に勾配しきい値Gより小さくなるまで750乃至770のブロックを繰り返すことによって、行われ得る。勾配しきい値Gより小さい、イテレーションからの第1の直交勾配Gを、最適な直交勾配、GQoptと呼ぶ。第1の直交インクリメントΔは、正または負の値であり得る。
【0074】
合成係数を形成する
[0077] ブロック780において、最適な同相勾配、GIopt、および最適な直交勾配、GQopt、から合成係数wを形成する。
【0075】
【数7】
【0076】
[0078] 様々な例では、係数インクリメントΔは、第1の同相インクリメントΔまたは第1の直交インクリメントΔに等しい。
【0077】
[0079] ブロック785において、残留dcバイアスを最小化するために、AIC回路416に合成係数wを供給する。様々な態様では、同相および直交係数は、別々にアップデートされる。
【0078】
[0080] 図8a乃至8cは、受信機おいて干渉除去を実施する間に残留dcバイアスを最小化するための係数を決定するために簡略化された確率近似を使用するための例としてのアルゴリズムのフロー図を例示する。様々な態様では、係数計算アルゴリズムは、第1のデジタル信号コンポーネントx(n)および第2のデジタル信号コンポーネントy(n)を、入力として使用する。簡略化された確率近似を使用する係数計算アルゴリズムは、第1のベースバンド係数bおよび第2のベースバンド係数bを、出力として生成する。第1のデジタル信号コンポーネントx(n)は、同相信号コンポーネントと呼ばれ、第2のデジタル信号コンポーネントy(n)は、直交信号コンポーネントと呼ばれる。それに応じて、第1のベースバンド係数bは、同相係数と呼ばれ、第2のベースバンド係数bは、直交係数と呼ばれる。様々な例では、簡略化された確率近似を使用する係数計算アルゴリズムは、(図4に示される)アルゴリズムエンジン434内に存在する。
【0079】
初期のコスト関数C(z)を計算する
[0081] ブロック810において、同相コンポーネントおよび直交コンポーネントを有する初期の係数cに係数を設定する。初期の係数cは、(bx0,by0)として示され得、ここにおいてbx0は初期の同相係数であり、by0は初期の直交係数である。例が同相および直交係数で示されるが、それは任意の二次元、すなわち第1次元および第2次元、に一般化され得る。ブロック815において、AIC回路416に初期の係数cを供給し、初期の応答zを得る。ブロック820において、初期の応答zにおいて判断される初期のコスト関数C(z)を計算する。様々な例では、初期の応答zは、サンプル平均として、または移動平均として、得られる。初期のコスト関数C(z)は、初期の係数cに対応する。
【0080】
直交コンポーネントを固定し、簡略化された確率近似を使用して同相コンポーネントをインクリメントする
[0082] ブロック825において、第1の同相インクリメントΔだけ初期の同相係数bx0をインクリメントすることによって第1の同相係数bx1を得る、すなわち、bx1=bx0+Δ。かくして、同相インクリメントによる第1の2−D係数(c)は、(bx1、by0)として示される。ブロック830において、AIC回路416に同相インクリメントによる第1の2−D係数(c)を供給し、第1の同相応答rを得る。ブロック835において、第1の同相応答rにおいて判断される増分の同相コスト関数C(r)を計算する。様々な例では、第1の同相応答rは、サンプル平均として、または移動平均として、得られる。増分の同相コスト関数C(r)は、同相インクリメントによる第1の2−D係数(c)に対応する。第1の同相インクリメントΔは、正または負の値であり得る。
【0081】
同相コンポーネントを固定し、簡略化された確率近似を使用して直交コンポーネントをインクリメントする
[0083] ブロック840において、初期の同相係数としてbx0を、初期の直交係数としてby0を選択する。ブロック845において、第1の直交インクリメントΔだけ初期の直交係数by0をインクリメントすることによって第1の直交係数by1を得る、すなわち、by1=by0+Δ。かくして、直交インクリメントによる第1の2−D係数(d)は、(bx0、by1)として示される。ブロック850において、AIC回路416に直交インクリメントによる第1の2−D係数(d)を供給し、第1の直交応答sを得る。ブロック855において、第1の直交応答sにおいて判断される増分の直交コスト関数C(s)を計算する。様々な例では、第1の直交応答sは、サンプル平均として、または移動平均として、得られる。増分の直交コスト関数C(s)は直交インクリメントによる第1の2−D係数(d)に対応する。第1の直交インクリメントΔは、正または負の値であり得る。
【0082】
係数をアップデートする
[0084] ブロック860において、次の論理に従ってアップデートされた係数wを得るために初期の係数cをアップデートする、
C(r)<C(z)およびC(s)<C(z)の場合、w=c+(Δ+jΔ)に設定する、
あるいはC(r)>C(z)およびC(s)<C(z)の場合、w=c+(−Δ+jΔ)に設定する、
あるいはC(r)<C(z)およびC(s)>C(z)の場合、w=c+(Δ−jΔ)に設定する、
あるいは、w=c+(−Δ−jΔ)に設定する。
【0083】
[0085] ブロック865において、AIC回路416にアップデートされた係数wを供給し、アップデートされた応答zを得る。ブロック870において、アップデートされた応答zにおいて判断されるアップデートされたコスト関数C(z)を計算する。様々な例では、アップデートされた応答zは、サンプル平均として、または移動平均として、得られる。アップデートされたコスト関数C(z)は、アップデートされた係数wに対応する。
【0084】
[0086] ブロック875において、最適なアップデートされた係数woptを得るために、ブロック825乃至835および845乃至870を繰り返す。最適なアップデートされた係数woptは、最適なコスト関数に対応し、ここにおいて最適なコスト関数は、コスト関数しきい値Cthresholdより小さいコスト関数である。コスト関数しきい値Cthresholdの値が以下の、アナログデジタルコンバータ(ADC432)量子化レベル(quantization level)、ADC432における熱雑音(thermal noise)、ADC432における干渉、デジタル信号の存在、などのうちの1つまたは複数に依存し得ることが理解されるであろう。
【0085】
[0087] ブロック880において、残留dcバイアスを最小化するために、AIC回路に最適な係数woptを供給する。様々な態様では、同相および直交係数は、別々にアップデートされる。
【0086】
[0088] 図9aおよび図9bは、干渉除去のための方法のフロー図を例示する。方法は、1つまたは複数の送信機および1つまたは複数の受信機を有するデバイスによって行われ得る。様々な例では、1つまたは複数の送信機および受信機は、両者とも、同じ無線アクセス技術(RAT)に従って動作する。別の例では、デバイスは、第2のRATに従って信号を受信する間に第1のRATに従って信号を送信するように構成される。ブロック905において、デバイスは、送信信号を受信する。様々な態様では、受信機(例えば、図4に示される受信機420)は、送信信号を受信するために使用される。様々な例では、受信機は、1つまたは複数のブロック910乃至990におけるステップを行うように構成された少なくとも1つのプロセッサに結合され得る。ブロック910において、デバイスは、係数の第1のセットを使用して第1のコスト関数値を計算し得る。様々な態様では、デバイスは、第1のコスト関数値を計算するために、(図5に示される)コスト関数計算モジュール505を使用し得る。様々な例では、係数の第1のセットは、記憶された値であり、例えば、デバイスの一部であるメモリに記憶される。
【0087】
[0089] ブロック920において、デバイスは、第1の係数制御アルゴリズムを使用して係数の第2のセットを計算し得る。様々な例では、第1の係数制御アルゴリズムは、以下の、電圧走査アルゴリズム、確率近似アルゴリズム、または簡略化された確率近似アルゴリズムのうちの1つであり得る。様々な態様では、デバイスは、係数の第2のセットを計算するために係数計算モジュール555を含み、ここにおいて係数計算モジュール555は、以下のモジュールのうちの1つまたは複数を含み得る、電圧走査モジュール540、簡略化された確率近似モジュール550、または確率近似アルゴリズム560(図5に図示)。様々な例では、係数計算モジュール555は、(1つまたは複数の)他の係数計算アルゴリズムのための他の(1つまたは複数の)モジュールを含み得る。所定の条件が、第1の係数制御アルゴリズムをイネーブルし得る。様々な例では、所定の条件は、受信信号強度指示(RSSI)しきい値より大きいRSSIであり、RSSIは、第1のコスト関数値に関連付けされる。RSSIと先のRSSIとの差が所定の値より大きい場合、RSSIは、第1のコスト関数値に関連付けされる。様々な例では、所定の値は、熱雑音レベル、干渉レベルおよび/または伝搬条件(propagation conditions)などに基づき得る。様々な例では、係数の第1のセットおよび係数の第2のセットは、同相の、直交コンポーネントによって示される。
【0088】
[0090] ブロック930において、デバイスは、係数の第2のセットを使用して第2のコスト関数値を計算し得る。例えば、デバイスは、係数の適用された第2のセットからもたらされた複数のサンプルのサンプル平均または移動平均に基づいて第2のコスト関数値を計算し得る。様々な例では、デバイスは、第1のコスト関数値および第2のコスト関数値をそれぞれの平均平方誤差に基づいて計算し得る。様々な態様では、デバイスは、第2のコスト関数値を計算するために、(図5に示される)コスト関数計算モジュール505を使用し得る。
【0089】
[0091] ブロック940において、デバイスは、比較結果を与えるために第1のコスト関数値と第2のコスト関数値を比較し得る。様々な態様では、デバイスは、第1のコスト関数値と第2のコスト関数値を比較するために、(図5に示される)コスト関数比較モジュール520を使用し得る。
【0090】
[0092] ブロック950において、デバイスは、干渉除去のために係数の第1のセットを適用するか第2のセットを適用するかを決定するために比較結果を使用し得る。例えば、第2のコスト関数値が第1のコスト関数値より小さいことを比較結果が示す場合、係数の第2のセットが干渉除去のために適用される。様々な態様では、デバイスは、干渉除去のために係数の第1のセットを適用するか第2のセットを適用するかを決定するために(図5に示される)係数計算アルゴリズム選択モジュール530を使用し得る。
【0091】
[0093] ブロック960において、第2のコスト関数値が第1のコスト関数値より小さいことを比較結果が与える場合、デバイスは、第2の係数制御アルゴリズムを使用して係数の第2のセットに基づいて係数の第3のセットを計算し続ける。第2の係数制御アルゴリズムは、第1の係数制御アルゴリズムと同じであり得る。例えば、アルゴリズムは、以下の、電圧走査アルゴリズム、確率近似アルゴリズム、簡略化された確率近似アルゴリズムうちの1つであり得る。別の例では、第2の係数制御アルゴリズムは、第1の係数制御アルゴリズムとは異なる。様々な例では、第1の係数制御アルゴリズムおよび第2の係数制御アルゴリズムは、各々、以下の、電圧走査アルゴリズム、確率近似アルゴリズム、簡略化された確率近似アルゴリズムのうちの1つであり得る。そして、デバイスは、係数の第3のセットを計算するために、係数計算モジュール555を使用し得る。または、デバイスは、係数の第3のセットを計算するために、(1つまたは複数の)対応するモジュール、電圧走査モジュール540、簡略化された確率近似モジュール550、または確率近似モジュール560(図5に示される)、を使用し得る。
【0092】
[0094] ブロック970において、デバイスは、係数の第3のセットを使用して第3のコスト関数値を計算し得る。様々な態様では、デバイスは、第3のコスト関数値を計算するために、(図5に示される)コスト関数計算モジュール505を使用し得る。ブロック980において、デバイスは、アップデートされた比較結果を与えるために第2のコスト関数値と第3のコスト関数値を比較し得る。様々な態様では、デバイスは、第2のコスト関数値と第3のコスト関数値を比較するために、(図5に示される)コスト関数比較モジュール520を使用し得る。
【0093】
[0095] ブロック990において、デバイスは、干渉除去のために係数の第3のセットを適用するかどうかを決定するためにアップデートされた比較結果を使用し得る。様々な態様では、デバイスは、干渉除去のために係数の第3のセットを適用するかどうかを決定するために(図5に示される)係数計算アルゴリズム選択モジュール530を使用し得る。様々な例では、デバイスは、コスト関数値および係数のさらに1つまたは複数のセットのために960乃至990のブロックを繰り返し得る。様々な態様では、ブロック910乃至990は、係数コントローラ450によって行われ得、係数コントローラ450は、ブロック910乃至990のステップを行うように構成された少なくとも1つのプロセッサに結合され得る。
【0094】
[0096] ブロック995において、(例えばAIC回路416を使用する)デバイスは、基準信号をフィルタ処理するために係数のセット(例えば第1のセット、第2のセット、第3のセットなど)のうちの1つを適用し、そして、干渉除去のために受信された送信信号からフィルタ処理された基準信号を(例えば受信機420を使用して)差し引き得る。様々な例では、係数のセットは、AIC回路416に入力された基準信号をフィルタ処理するAIC回路416の周波数応答を修正するために、AIC回路416に入力される。フィルタ処理された基準信号は、その後AIC回路416から加算器422(図4に図示)に出力される。加算器422において、フィルタ処理された基準信号は、干渉除去をもたらす、(ブロック905からの)受信された送信信号から差し引かれる。
【0095】
[0097] 図10は、処理回路1002を用いる装置1000のためのハードウェア実施の簡略化された例を示す図である。処理回路は、典型的に、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、シーケンサ、およびステートマシンのうちの1つまたは複数を含み得るプロセッサ1016を有する。処理回路1002は、概してバス1020によって表される、バスアーキテクチャで実施され得る。バス1020は、処理回路1002の特定のアプリケーションおよび全体的な設計制約に依存して、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バス1020は、プロセッサ1016、モジュールまたは回路1004および1008、1つまたは複数のアンテナ1014にわたって通信するように設定可能なトランシーバ回路1012、およびコンピュータ可読媒記憶体1018によって表された、1つまたは複数のプロセッサおよび/またはハードウェアモジュールを含む様々な回路を結合する。バス1020はまた、タイミングソース、周辺機器、電圧レギュレータ、および電力管理回路のような様々な他の回路をリンクし得るが、それらは、当該技術において良く知られており、従って、これ以上は説明されない。
【0096】
[0098] プロセッサ1016は、コンピュータ可読記憶媒体1018に記憶されたソフトウェアの実行を含む汎用処理を担う。様々な例では、コンピュータ可読記憶媒体は、デバイス上で動作可能なコンピュータ実行可能コードを記憶する。ソフトウェアは、プロセッサ1016によって実行されたとき、処理回路1002に、任意の特定の装置のために、上記に説明された様々な機能を行わせる。コンピュータ可読記憶媒体1018はまた、ソフトウェアを実行するとき、プロセッサ1016によって操作されるデータを記憶するために使用され得、そのデータは、データレーンおよびクロックレーンとして構成され得る、1つまたは複数のアンテナ1014にわたって送信されるRF信号において送信または受信されるデータを含む。処理回路1002はさらに、モジュール1004、および1008のうちの少なくとも1つを含む。モジュール1004および1008は、プロセッサ1016において実行中でありコンピュータ可読記憶媒体1018において存在する/記憶されたソフトウェアモジュール、プロセッサ1016に結合された1つまたは複数のハードウェアモジュール、またはそれらの何らかの組み合わせであり得る。モジュール1004および/または1008は、マイクロコントローラ命令、ステートマシン構成パラメータ、またはそれらの何らかの組み合わせを含み得る。
【0097】
[0099] 1つの構成では、ワイヤレス通信のための装置1000は、装置1000によって送信される干渉信号を代表する基準信号を受信および処理するように構成されたモジュールおよび/または回路1004、RFを使用してフィルタを構成するように構成されたモジュールおよび/または回路1008、ベースバンドまたはデジタルフィードバック、およびRF信号において干渉を除去するように構成されたモジュールおよび/または回路1010を含む。モジュール/回路(例えば1004、1008、1010、1012、1018)がプロセッサ1016の外にあることが図10において示されるが、これらのモジュール/回路の1つまたは複数がプロセッサ1016の内部に存在し得ることが理解されるであろう。
【0098】
[00100] 図11は、本書に開示される1つまたは複数の機能を行うように構成され得る処理回路1102を使用する装置のためのハードウェア実施の簡略化された例を例示する概念図1100である。本開示の様々態様に従って、要素、または要素の任意の一部、または本書に開示されるような要素の任意の組み合わせは、処理回路1102を使用して実施され得る。処理回路1102は、ハードウェアおよびソフトウェアモジュールの何らかの組み合わせによって制御される1つまたは複数のプロセッサ1104を含み得る。プロセッサ1104の例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、ステートマシン、シーケンサ、ゲートロジック、離散ハードウェア回路、および、本開示全体を通して説明される様々な機能性を行うように構成された他の適切なハードウェアを含む。1つまたは複数のプロセッサ1104は、特定の機能を行い、複数のソフトウェアモジュール1116のうちの1つによって構成、拡大、または制御され得る特殊なプロセッサを含み得る。1つまたは複数のプロセッサ1104は、初期化の間にロードされるソフトウェアモジュール1116の組み合わせによって構成され得、さらに、動作の間に1つまたは複数のソフトウェアモジュール1116をロードまたはアンロードすることによってさらに構成され得る。
【0099】
[00101] 例示される例では、処理回路1102は、一般に、バス1110によって表されるバスアーキテクチャで実施され得る。バス1110は、処理回路1102の特定のアプリケーションおよび全体的な設計制約に依存して、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バス1110は、1つまたは複数のプロセッサ1104および記憶装置1106を含む様々な回路を結合する。記憶装置1106は、メモリデバイスおよび大容量記憶デバイスを含み得、コンピュータ可読記憶媒体および/またはプロセッサ可読記憶媒体と本書では呼ばれ得る。バス1110はまた、タイミングソース、タイマー、周辺機器、電圧レギュレータ、および電力管理回路のような様々な他の回路を結合し得る。バスインターフェース1108は、バス1110と1つまたは複数のトランシーバ1112との間のインターフェースを提供し得る。トランシーバ1112は、処理回路によってサポートされる各ネットワーク技術のために提供され得る。いくつかの例では、多数のネットワーク技術は、トランシーバ1112に見られる回路または処理モジュールのうちのいくつかまたは全てを共有し得る。各トランシーバ1112は、送信媒体を通じて様々な他の装置と通信するための手段を提供する。装置の性質に依存して、ユーザインターフェース1118(例えば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、ジョイスティック)もまた提供され得、バス1110に直接、またはバスインターフェース1108を通じて、通信可能に接続され得る。
【0100】
[00102] プロセッサ1104は、記憶装置1106を含み得るコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェアの実行を含み得る一般的な処理、およびバス1110の管理を担い得る。この点において、プロセッサ1104を含む処理回路1102は、本書に開示された方法、機能および技術のうちのいずれかを実施するために使用され得る。記憶装置1106は、ソフトウェアを実行するとき、プロセッサ1104によって操作されるデータを記憶するために使用され得、ソフトウェアは、本書に開示された方法のいずれか1つを実施するように構成され得る。
【0101】
[00103] 処理回路1102における1つまたは複数のプロセッサ1104は、ソフトウェアを実行し得る。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはその他の名称で呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数、アルゴリズムなどを意味するように広く解釈されるべきである。ソフトウェアは、外部のコンピュータ可読記憶媒体に、または記憶装置1106にコンピュータ可読の形態で存在し得る。外部のコンピュータ可読記憶媒体および/または記憶装置1106は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例のために、磁気記憶デバイス(例えば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストライプ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、「フラッシュドライブ」、カード、スティック、またはキードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM:read only memory)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能なPROM(EPROM)、電気的に消去可能なPROM(EEPROM(登録商標))、レジスター、リムーバブルディスク、およびコンピュータによって読み取りおよびアクセスされ得る命令および/またはソフトウェアを記憶するためのその他任意の適切な媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体および/または記憶装置1106はまた、例として、コンピュータによってアクセスおよび読み取りされ得るソフトウェアおよび/または命令を送信するための、搬送波、送信回線、および任意の他の適切な媒体を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体および/または記憶装置1106は、処理回路1102内、プロセッサ1104内、処理回路1102の外に存在し得、または処理回路1102を含む多数のエンティティにわたって分散され得る。コンピュータ可読記憶媒体および/または記憶装置1106は、コンピュータプログラム製品に統合され得る。例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料にコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。当業者は、システム全体に課される全体の設計制約および特定のアプリケーションに依存して、この開示の全体にわたって提示され説明された機能をどのように実施するのが最善かを認識するであろう。
【0102】
[00104] 記憶装置1106は、ロード可能なコードセグメント、モジュール、アプリケーション、プログラムなどにおいて組織され、および/または維持されるソフトウェアを維持し得、それは、ソフトウェアモジュール1116と本書では呼ばれ得る。ソフトウェアモジュール1116の各々は、処理回路1102にロードまたはインストールされるとき、および1つまたは複数のプロセッサ1104によって実行されるとき、1つまたは複数のプロセッサ1104の動作を制御するランタイムイメージ1114に貢献する命令およびデータを含み得る。実行されるとき、特定の命令は、本書に説明される特定の方法、アルゴリズム、およびプロセスに従って機能を処理回路1102に行わせ得る。
【0103】
[00105] ソフトウェアモジュール1116のいくつかは、処理回路1102の初期化の間にロードされ得、これらのソフトウェアモジュール1116は、本書に開示される様々な機能の実行をイネーブルするように処理回路1102を構成し得る。例えば、いくつかのソフトウェアモジュール1116は、プロセッサ1104の論理回路1122および/または内部デバイスを構成し得、トランシーバ1112、バスインターフェース1108、ユーザインターフェース1118、タイマー、数学的コプロセッサなどのような外部デバイスへのアクセスを管理し得る。ソフトウェアモジュール1116は、割込みハンドラ(interrupt handler)およびデバイスドライバと相互作用する、および処理回路1102によって提供される様々なリソースへのアクセスを制御する、動作システムおよび/または制御プログラムを含み得る。リソースは、メモリ、処理時間、トランシーバ1112へのアクセス、ユーザインターフェース1118などを含み得る。
【0104】
[00106] 処理回路1102の1つまたは複数のプロセッサ1104は、多機能であり得、それによってソフトウェアモジュール1116のいくつかは同じ機能の異なる例または異なる機能を行うように構成およびロードされる。1つまたは複数のプロセッサ1104は、例えば、ユーザインターフェース1118、トランシーバ1112、およびデバイスドライバからの入力に応答して開始されるバックグラウンドタスクを管理するようにさらに適応され得る。多数の機能の実行をサポートするために、1つまたは複数のプロセッサ1104は、マルチタスク環境を提供するように構成され得、それによって複数の機能の各々は、必要に応じて、または要求通りに、1つまたは複数のプロセッサ1104によってサービスされるタスクのセットとして実施される。様々な例では、マルチタスク環境は、異なるタスク間のプロセッサ1104の制御を送るタイムシェアリングプログラム1120を使用して実施され得、それによって各タスクは、割込みのような入力に応答して、および/または、任意の未処理の動作の完了時に、タイムシェアリングプログラム1120に1つまたは複数のプロセッサ1104の制御を返送する。タスクが1つまたは複数のプロセッサの制御を有する場合、処理回路は、制御しているタスクと関連する機能によって対処される目的のために有効に特殊化される。タイムシェアリングプログラム1120は、動作システム、ラウンドロビン方式で制御を送るメインループ、機能の優先順位付けに従って1つまたは複数のプロセッサ1104の制御を割り当てる機能、および/または1つまたは複数のプロセッサ1104の制御を操作機能に提供することによって外部のイベントに応答する割込み駆動のメインループ、を含み得る。
【0105】
[00107] さらに、図10および11において説明されるコンポーネントは、図6乃至9におけるフロー図のいくつかまたはすべてのブロックを行うように実施され得る。テレコミュニケーションシステムのいくつかの態様が提示されている。当業者は、本開示全体にわたって説明された様々な態様が、様々なタイプの電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格に拡大され得ることを容易に理解するであろう。
【0106】
[00108] 本開示内で、「例示的(exemplary)」という用語は、「例示、実例、または例証として提供すること」を意味するために使用される。「例示的」なものとして本明細書で説明された任意の実装または態様は、必ずしも、本開示の他の態様よりも好ましい、または利点を有するものと解釈されるべきではない。同様に、「態様(aspects)」という用語は、本開示のすべての態様が、説明された特徴、利点、または動作モードを含むことを必要としない。「結合(された)(coupled)」という用語は、本明細書において、2つのオブジェクト間の直接または間接的な結合に言及するために使用される。例えば、オブジェクトAがオブジェクトBに物理的に接触しており、オブジェクトBがオブジェクトCに接触している場合、オブジェクトAとCとは、それらが互いに直接物理的には接触していない場合であっても、依然として、互いに結合しているものとして見なされ得る。例えば、たとえ第1のダイ(die)が第2のダイと直接的に物理的に接触していなくても、第1のダイは、パッケージの中の第2のダイと接続され得る。「回路(circuit)」および「回路(circuitry)」の用語が広く使用されており、接続および構成されるとき、電気回路のタイプに関する制限なく、本開示に記載の機能の実施をイネーブルするコンダクタおよび電気デバイスのハードウェア実施、並びに、プロセッサによって実行されるとき、本開示に記載の機能の実施をイネーブルする命令および情報のソフトウェア実施を、両方含むことが意図される。
【0107】
[00109] 図面に例示される1つまたは複数のコンポーネント、ブロック、特徴および/または機能は、単一のコンポーネント、ブロック、特徴または機能へと組み合わされるおよび/または再配置されるか、あるいはいくつかのコンポーネント、ブロック、または機能に統合され得る。追加の要素、コンポーネント、ブロック、および/または機能もまた、本書に開示される新規な特徴から逸脱することなく追加され得る。様々な図面に例示される装置、デバイス、および/またはコンポーネントは、本書において説明される1つまたは複数の方法、特徴、またはブロックを行うように構成され得る。本書で説明された新規なアルゴリズムもまた、ソフトウェアで効率的に実施され得る、および/またはハードウェアに組み込まれ得る。
【0108】
[00110] 開示された方法におけるブロックの特定の順序または階層は、例示的なプロセスの例示であることが理解されるべきである。設計の優先性に基づいて、方法におけるブロックの特定の順序または階層は並べ替えられ得るということが理解される。付随の方法の請求項は、サンプルの順序で様々なブロックの要素を提示し、そこに明確に記載されていない限り、提示された特定の順序または階層に限定されることは意図されない。
【0109】
[00111] 先の説明は、いかなる当業者にも本書で説明された様々な態様を実施することイネーブルするように、提供される。これらの態様への様々な修正は、当業者に容易に明らかとなり、本書に定義された包括的な原理は、他の態様に適用され得る。かくして、請求項は、本明細書に示される態様に限定されることは意図されておらず、請求項の文言と一貫する全範囲であると認められるべきであり、ここで、単数のエレメントへの参照は、そのように明確に述べられていない限りは「1つおよび1つのみ」を意味することは意図されず、むしろ「1つまたは複数」を意味することが意図される。そうではないと明確に記載されていない限り、用語「何らかの」は、1つまたは複数を意味する。項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」に関する表現は、単一の要素を含む、それらの項目のうちの任意の組み合わせに言及する。一例として、「a、b、またはcの少なくとも1つ」は、aと、bと、cと、aおよびbと、aおよびcと、bおよびcと、a、b、およびcとを含むことが意図される。当業者には周知である、またはのちに周知となるであろう、本開示全体にわたって説明される様々な態様の要素と同等の全ての機能および構造は、参照によって本書に明確に組み込まれ、本請求項に含まれることが意図される。さらに、本書で開示されたものは、このような開示が特許請求の範囲中に明示的に列挙されるか否かにかかわらず、公に捧げられることを意図していない。特許請求の範囲の要素はいずれも、その要素が明確に「〜のための手段」という表現を使用して記載されていない限り、または、方法の請求項の場合には、その要素が「〜のためのステップ」という表現を使用して記載されていない限り、35U.S.C.§112、第6段落の規定の下に解釈されるべきではない。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] 干渉除去のための方法であって、
送信信号を受信するために受信機を使用することと、
係数の第1のセットを使用して第1のコスト関数値を計算することと、
第1の係数制御アルゴリズムを使用して係数の第2のセットを計算することと、
係数の前記第2のセットを使用して第2のコスト関数値を計算することと、
比較結果を与えるために前記第1のコスト関数値と前記第2のコスト関数値を比較することと、
前記干渉除去のために係数の前記第1のセットを適用するか前記第2のセットを適用するかを決定するために前記比較結果を使用することと、
基準信号をフィルタ処理するために係数の前記第2のセットまたは前記第1のセットのうちの1つを適用し、前記干渉除去のために前記受信された送信信号から前記フィルタ処理された基準信号を差し引くことと、を備える、方法。
[C2] 前記第1の係数制御アルゴリズムは、以下の、電圧走査アルゴリズム、確率近似アルゴリズム、または簡略化された確率近似アルゴリズムうちの1つである、C1に記載の方法。
[C3] 所定の条件が、使用のために前記第1の係数制御アルゴリズムをイネーブルする、C1に記載の方法。
[C4] 前記所定の条件は、受信信号強度指示(RSSI)しきい値より大きいRSSIであり、ここにおいて前記RSSIは、前記第1のコスト関数値に関連付けされる、C3に記載の方法。
[C5] 前記第2のコスト関数値が前記第1のコスト関数値より小さいことを前記比較結果が示す場合、前記干渉除去のために係数の前記第2のセットを適用することをさらに備える、C1に記載の方法。
[C6] 前記第2のコスト関数値が前記第1のコスト関数値より小さいことを前記比較結果が与える場合、第2の係数制御アルゴリズムを使用して係数の前記第2のセットに基づいて係数の第3のセットを計算することをさらに備える、C1に記載の方法。
[C7] 係数の前記第3のセットを使用して第3のコスト関数値を計算することと、
アップデートされた比較結果を与えるために前記第2のコスト関数値と前記第3のコスト関数値を比較することと、
前記干渉除去のために係数の前記第3のセットを適用するかどうかを決定するために前記アップデートされた比較結果を使用することと、をさらに備える、C6に記載の方法。
[C8] 前記第2の係数制御アルゴリズムは、前記第1の係数制御アルゴリズムと同じであり、ここにおいて前記第1の係数制御アルゴリズムは、以下の、電圧走査アルゴリズム、確率近似アルゴリズム、または簡略化された確率近似アルゴリズムのうちの1つである、C6に記載の方法。
[C9] 前記第2の係数制御アルゴリズムは、前記第1の係数制御アルゴリズムとは異なり、ここにおいて前記第1の係数制御アルゴリズムおよび前記第2の係数制御アルゴリズムは、以下のうちの2つである、電圧走査アルゴリズム、確率近似アルゴリズム、または簡略化された確率近似アルゴリズム、C6に記載の方法。
[C10] 前記第2のコスト関数値を前記計算することは、係数の前記適用された第2のセットからもたらされる複数のサンプルのサンプル平均または移動平均に基づく、C1に記載の方法。
[C11] 係数の前記第1のセットおよび係数の前記第2のセットは、同相のおよび直交のコンポーネントによって示される、C1に記載の方法。
[C12] 前記第1のコスト関数値を前記計算することは、第1の平均平方誤差に基づき、第2のコスト関数値を前記計算することは、第2の平均平方誤差に基づく、C1に記載の方法。
[C13] 干渉除去のための装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
係数の第1のセットを記憶するためのメモリであって、前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合された受信機であって、送信信号を受信するように構成された受信機と、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合され、以下の、
係数の前記第1のセットを使用して第1のコスト関数値を計算することと、
第1の係数制御アルゴリズムを使用して係数の第2のセットを計算することと、
係数の前記第2のセットを使用して第2のコスト関数値を計算することと、
比較結果を与えるために前記第1のコスト関数値と前記第2のコスト関数値を比較することと、
前記干渉除去のために係数の前記第1のセットを適用するか前記第2のセットを適用するかを決定するために前記比較結果を使用することと、を行うように構成された係数コントローラと、
基準信号をフィルタ処理するために係数の前記第2のセットまたは前記第1のセットのうちの1つを適用するためのアナログ干渉除去(AIC)回路と、
を備え、ここにおいて前記受信機は、前記干渉除去のために前記受信された送信信号から前記フィルタ処理された基準信号を差し引く、装置。
[C14] 所定の条件が、使用のために前記第1の係数制御アルゴリズムをイネーブルし、前記所定の条件は、受信信号強度指示(RSSI)しきい値より大きいRSSIであり、前記RSSIは、前記第1のコスト関数値に関連付けされる、C13に記載の装置。
[C15] 前記第2のコスト関数値が前記第1のコスト関数値より小さいことを前記比較結果が示す場合、前記アナログ干渉除去(AIC)回路は、前記干渉除去のために係数の前記第2のセットを適用する、C13に記載の装置。
[C16] 前記係数コントローラは、前記第1のコスト関数値および前記第2のコスト関数値を計算するためのコスト関数計算モジュールと、係数の前記第2のセットを計算するための係数計算モジュールと、前記第1のコスト関数値と前記第2のコスト関数値とを比較するためのコスト関数比較モジュールと、係数の前記第2のセットを適用するか係数の前記第1のセットを適用するかを決定するために前記比較結果を使用するための係数計算アルゴリズム選択モジュールとを備える、C13に記載の装置。
[C17] 前記係数計算モジュールは、以下の、電圧走査アルゴリズムを行うための電圧走査モジュール、確率近似アルゴリズムを行うための確率近似モジュール、または簡略化された確率近似アルゴリズムを行うための簡略化された確率近似モジュールであるモジュールのうち少なくとも1つを備える、C16に記載の装置。
[C18] 前記第2のコスト関数値が前記第1のコスト関数値より小さいことを前記比較が指示する場合、前記係数計算モジュールは、第2の係数制御アルゴリズムを使用して係数の前記第2のセットに基づいて係数の第3のセットを計算する、C16に記載の装置。
[C19] 前記コスト関数計算モジュールは、係数の前記第3のセットを使用して第3のコスト関数値を計算し、
前記コスト関数比較モジュールは、アップデートされた比較結果を与えるために前記第2のコスト関数値と前記第3のコスト関数値を比較し、
前記係数計算アルゴリズム選択モジュールは、前記干渉除去のために係数の前記第3のセットを適用するかどうかを決定するために前記アップデートされた比較結果を使用する、C18に記載の装置。
[C20] 前記第2のコスト関数値は、係数の前記適用された第2のセットからもたらされた複数のサンプルのサンプル平均または移動平均に基づいて計算される、C13に記載の装置。
[C21] 係数の前記第1のセットおよび係数の前記第2のセットは、同相の、および直交のコンポーネントによって示される、C13に記載の装置。
[C22] 前記第1のコスト関数値は、第1の平均平方誤差に基づいて計算され、前記第2のコスト関数値は、第2の平均平方誤差に基づいて計算される、C13に記載の装置。
[C23] 干渉除去のための装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
係数の第1のセットを記憶するためのメモリであって、前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合され、送信信号を受信するための受信機と、 係数の前記第1のセットを使用して第1のコスト関数値を計算するための手段と、
第1の係数制御アルゴリズムを使用して係数の第2のセットを計算するための手段と、 係数の前記第2のセットを使用して第2のコスト関数値を計算するための手段と、
比較結果を与えるために前記第1のコスト関数値と前記第2のコスト関数値を比較するための手段と、
前記干渉除去のために係数の前記第1のセットを適用するか前記第2のセットを適用するかを決定するために前記比較結果を使用するための手段と、
基準信号をフィルタ処理するために係数の前記第2のセットまたは前記1のセットのうちの1つを適用するための手段と、
を備え、
ここにおいて前記受信機は、前記干渉除去のために前記受信された送信信号から前記フィルタ処理された基準信号を差し引く、装置。
[C24] 所定の条件が、使用のために前記第1の係数制御アルゴリズムをイネーブルし、前記所定の条件は、受信信号強度指示(RSSI)しきい値より大きいRSSIであり、前記RSSIは、前記第1のコスト関数値に関連付けされる、C23に記載の装置。
[C25] 前記第2のコスト関数値が前記第1のコスト関数値より小さいことを前記比較結果が示す場合、前記干渉除去のために係数の前記第2のセットを適用するための手段をさらに備える、C23に記載の装置。
[C26] 前記第2のコスト関数値が前記第1のコスト関数値より小さいことを前記比較結果が与える場合、第2の係数制御アルゴリズムを使用して係数の前記第2のセットに基づいて係数の第3のセットを計算するための手段と、
係数の前記第3のセットを使用して第3のコスト関数値を計算するための手段と、
アップデートされた比較結果を与えるために前記第2のコスト関数値と前記第3のコスト関数値を比較するための手段と、
前記干渉除去のために係数の前記第3のセットを適用するかどうかを決定するために前記アップデートされた比較結果を使用するための手段と、
をさらに備える、C23に記載の装置。
[C27] 前記第2のコスト関数値を計算するための前記手段は、係数の前記適用された第2の係数からもたらされる複数のサンプルのサンプル平均または移動平均に基づいて前記第2のコスト関数値を計算し、前記第1のコスト関数値を計算するための前記手段は、第1の平均平方誤差に基づいて前記第1のコスト関数値を計算し、前記第2のコスト関数値を前記計算することは、第2の平均平方誤差に基づく、C23に記載の装置。
[C28] コンピュータ実行可能コードを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、少なくとも1つのプロセッサと、係数の第1のセットを記憶するためのメモリと、前記メモリは前記少なくとも1つのプロセッサに結合される、前記少なくとも1つのプロセッサに結合された受信機と、ここにおいて前記受信機は送信信号を受信するように構成される、前記コンピュータ実行可能コードと、を備えるデバイス上で動作可能であり、前記コンピュータ実行可能コードは、
係数の前記第1のセットを使用して第1のコスト関数値を計算することを前記少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、
第1の係数制御アルゴリズムを使用して係数の第2のセットを計算することを前記少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、
係数の前記第2のセットを使用して第2のコスト関数値を計算することを前記少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、
比較結果を与えるために前記第1のコスト関数値と前記第2のコスト関数値を比較することを前記少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、
干渉除去のために係数の前記第1のセットを適用するか前記第2のセットを適用するかを決定するために前記比較結果を使用することを前記少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、
基準信号をフィルタ処理するために係数の前記第2のセットまたは前記第1のセットのうちの1つを適用することを前記少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、を備え、ここにおいて前記受信機は、前記干渉除去のために前記受信された送信信号から前記フィルタ処理された基準信号を差し引くようにさらに構成される、コンピュータ可読記憶媒体。
[C29] 前記コンピュータ実行可能コードは、前記第2のコスト関数値が前記第1のコスト関数値より小さいことを前記比較結果が示す場合、前記干渉除去のために係数の前記第2のセットを適用すること、または、前記第2のコスト関数値が前記第1のコスト関数値より小さいことを前記比較結果が与える場合、第2の係数制御アルゴリズムを使用し係数の前記第2のセットに基づいて係数の第3のセットを計算すること、を前記少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令を、さらに備える、C28に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[C30] 前記コンピュータ実行可能コードは、
係数の前記第3のセットを使用して第3のコスト関数値を計算することを前記少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、
アップデートされた比較結果を与えるために前記第2のコスト関数値と前記第3のコスト関数値を比較することを前記少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、
前記干渉除去のために係数の前記第3のセットを適用するかどうかを決定するために前記アップデートされた比較結果を使用することを前記少なくとも1つのプロセッサにさせるための命令と、をさらに備える、C29に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図10
図11