(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記組成物の15重量%〜30重量%の、非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート、非アミン中和アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含む、請求項1又は2に記載の液体洗濯洗剤組成物。
前記非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が、非エトキシ化アルキルサルフェート、平均エトキシ化度が1〜5であるエトキシ化アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
前記エトキシ化非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が、平均エトキシ化度1若しくは3を有するか又はこれらの混合物である、請求項5に記載の液体洗濯洗剤組成物。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸マグネシウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、アルキル硫酸マグネシウム、又はこれらの混合物を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
前記ヒドロキシル含有アミンが、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
前記非イオン性界面活性剤が、脂肪族アルコールエトキシレート、オキソ合成脂肪族アルコールエトキシレート、又はこれらの混合物を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0010】
液体洗濯洗剤組成物
本発明は、液体洗濯洗剤組成物を目的とする。用語「液体」は、水性組成物、非水性組成物、ゲル、ペースト、分散液などを包含する。洗濯洗剤組成物とは、本明細書では洗濯の洗浄及び/又はすすぎ操作において使用することができる組成物を意味する。洗濯洗剤組成物は、洗濯前処理組成物であってもよい。
【0011】
好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、1000s
−1の剪断速度で300mPa・s〜700mPa・s、より好ましくは350mPa・s〜600mPa・sの粘度を有する。粘度を測定するための例示的な方法は、製造業者の説明書に従って、20℃で1000μmのギャップを使用してTA instruments製のレオメータDHR1を使用することである。
【0012】
液体洗濯洗剤組成物は、水溶性単位用量物品中に存在していてよい。このような実施形態では、水溶性単位用量物品は、単位用量物品が水溶性フィルムによって包囲された少なくとも1つの内部区画を含むような形状の少なくとも1枚の水溶性フィルムを含む。少なくとも1つの区画は、液体洗濯洗剤組成物を含む。水溶性フィルムは、保管中に液体洗濯洗剤組成物が区画から漏れ出さないように封止される。しかし、水溶性単位用量物品を水に添加すると、水溶性フィルムが溶解して、内部区画の内容物が洗浄液中へと放出される。水溶性単位用量物品については、以下でより詳細に説明する。
【0013】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の10重量%〜50重量%の、非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート、非アミン中和アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含む。好適な非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート及び非アミン中和アルキルサルフェートについては、以下でより詳細に説明する。
【0014】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0重量%〜25重量%の非イオン性界面活性剤を含む。好適な非イオン性界面活性剤については、以下で詳述する。
【0015】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の5重量%〜40重量%の、20〜400の分子量を有し、かつ以下に記載されたアルコールeRH試験を介して測定したときに20℃で50%〜80%のeRHを有するアルコールを含む。好適なアルコールについては、以下でより詳細に説明する。
【0016】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の5重量%未満のヒドロキシル含有アミン化合物を含む。好適なアミンについては、以下でより詳細に説明する。
【0017】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.5重量%〜15重量%の水を含む。
【0018】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の15重量%〜50重量%のアニオン性界面活性剤を含み得る。アニオン性界面活性剤は、アミン又は非アミンで中和され得る。アニオン性界面活性剤は、アミン中和アルキルサルフェート、アミン中和エトキシ化アルキルサルフェート、アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート、非アミン中和アルキルサルフェート、非アミン中和エトキシ化アルキルサルフェート、非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート、又は混合物を含み得る。
【0019】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の20重量%〜40重量%の補助成分を含む。好適な補助成分については、以下で説明する。
【0020】
液体洗濯洗剤組成物は、香料原材料であって、好ましくは、アルデヒド、ケトン、又はこれらの混合物から選択される、香料原材料を含み得る。
【0021】
更に、ヒドロキシル含有アミンの除去によって、処方が相分離する恐れがある(すなわち、少なくとも2つの明白に異なる相が見えることがある)。本発明は、相分離を最小限に抑えながら、低い相対湿度及びより低濃度のヒドロキシル含有アミン化合物を有する組成物を提供するという更なる効果を提供する。
【0022】
非アミン中和界面活性剤
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の10重量%〜50重量%の、非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート、非アミン中和アルキルサルフェート、及びこれらの混合物を含む。直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、又はこれらの混合物は、液体洗濯洗剤組成物で分散した固体の形態で存在し得る。「固体」とは、本明細書では、粒子、結晶、層状液晶、及びこれらの混合物を意味する。粒子は、噴霧乾燥された粒塊、押出品、又はこれらの混合物を含み得る。好ましくは、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、又はこれらの混合物は、層状液晶形態である。「層状液晶」とは、本明細書では、界面活性剤分子が、溶媒の薄層によって分離されている溶融状態の界面活性剤の二層の積層体に構築されている状態である系を意味する。この構造は、流動体の観点における液体特性及び構造化の観点における固体特性の両方を有する。この構造は、そのd−スペーシング、二層の厚さの合計、及びシート間の溶媒層によって特徴付けられる。この構造の繰り返し及び周期性によって、結晶相に特徴的な急峻なx線回折ピークが得られる。
【0023】
液体洗濯洗剤組成物は、当該洗濯洗剤組成物の15重量%〜30重量%の、非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート、非アミン中和アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含み得る。液体洗濯洗剤組成物は、当該洗濯洗剤組成物の15重量%〜50重量%、又は更には15重量%〜30重量%の、層状液晶直鎖アルキルベンゼンスルホネート、層状液晶非アミン中和アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含み得る。
【0024】
非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アミン以外の中和物質を用いて、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸が、対応する直鎖アルキルベンゼンスルホネートに中和されているものである。このような中和基の非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸マグネシウム、又はこれらの混合物であってよい。
【0025】
非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、C
10〜C
16直鎖アルキルベンゼンスルホネート若しくはC
11〜C
14直鎖アルキルベンゼンスルホネート、又はこれらの混合物であってよい。
【0026】
例示的な直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、C
10〜C
16アルキルベンゼンスルホン酸又はC
11〜C
14アルキルベンゼンスルホン酸である。「直鎖」とは、本明細書では、アルキル基が直鎖状であることを意味する。アルキルベンゼンスルホネートは、当該技術分野において周知である。特に有用なのは、アルキル基の炭素原子の平均数が約11〜14である、直鎖線状アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、カリウム、及びマグネシウムである。
【0027】
液体洗濯洗剤組成物は、アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含み得る。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の10重量%未満、又は更には5重量%未満、又は更には3重量%未満のアミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含む。
【0028】
液体洗濯洗剤組成物は、非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含み得る。液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の10重量%〜30重量%の非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート、好ましくは、アルカリ土類金属非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートと、当該液体洗濯洗剤組成物の10重量%未満、又は更には5重量%未満、又は更には3重量%未満のアミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート、好ましくは、モノエタノールアミン直鎖アルキルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミン直鎖アルキルベンゼンスルホネート、又はこれらの混合物とを含み得る。
【0029】
非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、液体洗濯洗剤組成物内に分散した固体の形態で存在し得る。「固体」とは、本明細書では、粒子、結晶、層状液晶、及びこれらの混合物を意味する。
【0030】
非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、アミン以外の中和物質を用いて、界面活性剤酸が対応する塩に中和されているものである。このような中和基の非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びこれらの混合物が挙げられる。非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸ナトリウムアニオン性界面活性剤、アルキル硫酸カリウムアニオン性界面活性剤、アルキル硫酸マグネシウムアニオン性界面活性剤、又はこれらの混合物であってよい。
【0031】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、エトキシ化アルキルサルフェート又は非エトキシ化アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含み得る。
【0032】
非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、好ましくは平均エトキシ化度が1〜5、より好ましくは1〜3である、エトキシ化非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含み得る。エトキシ化非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、1若しくは3の平均エトキシ化度を有し得るか又はこれらの混合物であってよく、好ましくは、エトキシ化非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、1の平均エトキシ化度を有する。
【0033】
非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、非エトキシ化アルキルサルフェート及びエトキシ化アルキルサルフェートであって、平均エトキシ化度が1〜5、より好ましくは1〜3であるエトキシ化アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含み得る。
【0034】
非イオン性界面活性剤
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0重量%〜25重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0035】
非イオン性界面活性剤は、天然又は合成的に誘導された非イオン性界面活性剤であってよい。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、天然又は合成的に誘導された脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤を含む。好ましい合成的に誘導された脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤、又はオキソ合成プロセスから誘導されたもの、すなわち、いわゆるオキソ合成非イオン性界面活性剤。上記の組成物は、当該組成物の0重量%〜30重量%、又は更には0.1重量%〜25重量%の脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0036】
エトキシ化非イオン性界面活性剤は、例えば、一級及び二級アルコールエトキシレート、特にアルコール1モル当たり平均1〜50モル、又は更には20モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたC
8〜C
20脂肪族アルコール、より特にアルコール1モル当たり平均1〜10モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたC
10〜C
15一級及び二級脂肪族アルコールであってよい。
【0037】
エトキシ化アルコール非イオン性界面活性剤は、例えば、3〜8モルのエチレンオキシドと、1モルの、9〜15個の炭素原子を有する一級アルコールとの縮合生成物であり得る。
【0038】
非イオン性界面活性剤は、式R(EO)
n(式中、Rは、4〜30個の炭素原子のアルキル鎖を表し、(EO)は、エチレンオキシドモノマーの1単位を示し、nは、0.5〜20の平均値を有する)の脂肪族アルコールエトキシレートを含み得る。
【0039】
上記の組成物は、他の非イオン性界面活性剤、好ましくは、天然又は合成非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0040】
アルコール
上記の組成物は、当該組成物の5重量%〜40重量%、又は更には5重量%〜20重量%、又は更には5重量%〜15重量%のアルコールを含み、当該アルコールは、20〜400の分子量を有し、かつアルコールeRH試験を介して測定したときに20℃で50%〜80%、又は更には52%〜75%のeRHを有する。
【0041】
アルコールeRH試験は、脱イオン水中80%アルコールの溶液を調製する工程と、続いて、室温(20℃+/−1℃)で、較正したRotronic Hygrolab meter(深さ14mmのプラスチックサンプルライナにおいて)にこれを添加する工程と、これを25分間較正する工程と、最後に、記録されたeRHを測定する工程とを含む。用いたサンプルの体積は、プラスチックサンプルライナを充填するのに十分であった。
【0042】
「アルコール」とは、本明細書では、全てまとめたとき、それぞれが20〜400の分子量を有し、かつeRH試験を介して測定したときに20℃で50%〜80%の、化合物又は混合物の全体eRHを有する、単一化合物又は化合物の混合物のいずれかを意味する。理論に束縛されるものではないが、アルコールは、少なくとも1つのOH単位、好ましくはポリオール及びジオール、より好ましくはジオールを含む任意の化合物である。好ましいジオールとしては、グリコールが挙げられる。
【0043】
好ましくは、アルコールは、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,2プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,3ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールホルマルジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0044】
より好ましくは、アルコールは、エチレングリコール、1,2プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールホルマルジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0045】
更により好ましくは、アルコールは、1,2プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0046】
最も好ましくは、アルコールは、1,2プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0047】
アミン
洗剤組成物は、当該組成物の5重量%未満のヒドロキシル含有アミン化合物、又は更には当該組成物の0.1重量%〜5重量%、又は更には0.1重量%〜4重量%のヒドロキシル含有アミン化合物を含む。「ヒドロキシル含有アミン化合物」とは、本明細書では、アルコール(OH)基及びアミン基を含む化合物を意味する。ヒドロキシル含有アミン化合物は、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノアミノヘキサノール、2−[(2−メトキシエチル)メチルアミノ]−エタノール、プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノブタノールアミン、イソブタノールアミン、モノペンタノールアミン、1−アミノ−3−(2−メトキシエトキシ)−2−プロパノール、2−メチル−4−(メチルアミノ)−2−ブタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、ヘプタミノール、イソエタリン、ノルエピネフリン、スフィンゴシン、フェニルプロパノールアミン、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0048】
ヒドロキシル含有アミン化合物は、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0049】
好ましくは、ヒドロキシル含有アミン化合物は、500未満、又は更には250未満の分子量を有する。
【0050】
洗剤組成物は、他のアミン含有化合物を含み得る。
【0051】
構造化剤
本発明の組成物は、当該組成物の2重量%未満の構造化剤を含み得る。構造化剤が存在する場合、好ましくは、当該組成物は、0.05重量%〜2重量%、好ましくは0.1重量%〜1重量%の構造化剤を含む。構造化剤は、非ポリマー構造化剤又はポリマー構造化剤から選択され得る。構造化剤は、非ポリマー構造化剤、好ましくは、結晶化可能なグリセリドであり得る。構造化剤は、ポリマー構造化剤、好ましくは、繊維系ポリマー構造化剤、より好ましくは、セルロース繊維系構造化剤であり得る。構造化剤は、結晶化可能なグリセリド、セルロース繊維系構造化剤、TiO
2、シリカ、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0052】
好適な構造化剤は、好ましくは、十分な降伏応力又は低剪断粘度を付与して、組成物の洗浄性界面活性剤の任意の構造化効果とは独立に、すなわち、当該効果以外によって液体洗濯洗剤組成物を安定化させる成分である。好ましくは、構造化剤は、21℃、20sec−1で1〜1500cpsの高剪断粘度及び5000cpsを超える低剪断粘度(21℃、0.05sec−1)を洗濯洗剤組成物に付与する。粘度は、直径40mmの平板鋼製スピンドル及びギャップサイズ500μmを用いて、TA instruments製のAR550レオメータを使用して測定される。20s
−1における高剪断粘度及び0.5s
−1における低剪断粘度は、21℃で3分間の対数剪断速度掃引0.1−1〜25−1から得ることができる。
【0053】
構造化剤は、結晶化可能なグリセリド、好ましくは、硬化ヒマシ油、すなわち「HCO」を含むポリマー結晶質ヒドロキシ官能性構造化剤であってよい。HCOは、本明細書で使用するとき、最も一般的には、非ポリマー結晶質ヒドロキシ官能性構造化剤プレミックスにおいて結晶化することができる限り、任意の硬化ヒマシ油又はその誘導体であってよい。ヒマシ油としては、ヒドロキシル基を組み込むC
10〜C
22アルキル又はアルケニル部分を含む、グリセリド、特にトリグリセリドを挙げることができる。HCOを生成するために、ヒマシ油を水素化して、出発油中にリシノレイル部分として存在し得る二重結合を変換する。その結果、リシノレイル部分は、飽和ヒドロキシアルキル部分、例えば、ヒドロキシステアリルに変換される。本明細書におけるHCOは、トリヒドロキシステアリン、ジヒドロキシステアリン、及びこれらの混合物から選択され得る。HCOは、固形、溶融物、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない任意の好適な出発形態で加工することができる。
【0054】
本発明で使用するHCOとしては、市販されているものが挙げられる。本発明で使用する市販のHCOの非限定的な例としては、Rheox,Inc.製のTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。
【0055】
構造化剤は、繊維系構造化剤を含み得る。構造化剤は、典型的には高いアスペクト比(長さの断面寸法に対する比)を有する、ナノサイズのセルロースフィブリルから構成される材料であるミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含み得る。典型的な横方向寸法は、1〜100又は5〜20ナノメートルであり、長手方向寸法は、ナノメートル〜数マイクロメートルの広範囲にわたる。構造化の改善のために、ミクロフィブリル化セルロースは、好ましくは、50〜200,000、より好ましくは、100〜10,000の平均アスペクト比(l/d)を有する。ミクロフィブリル化セルロースは、細菌セルロース、柑橘類繊維、及び植物(例えば、テンサイ、チコリー根、ジャガイモ、ニンジンなど)を含む任意の好適な供給源に由来し得る。
【0056】
構造化剤は、二酸化チタン、二酸化スズ、修飾TiO
2の任意の形態、TiO
2又は酸化第二スズ、オキシ塩化ビスマス又はオキシ塩化ビスマスでコーティングされたTiO
2、シリカでコーティングされたTiO
2又は金属酸化物でコーティングされたTiO
2、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。修飾TiO
2は、炭素修飾TiO
2、金属ドープTiO
2、又はこれらの混合物を含み得る。金属ドープTiO
2は、白金ドープTiO
2、ロジウムドープTiO
2から選択され得る。
【0057】
構造化剤は、シリカを含み得る。当業者は、使用するのに好適なシリカ物質を理解している。シリカは、ヒュームドシリカを含み得る。
【0058】
水及び平衡相対湿度
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.5重量%〜15重量%の水を含む。液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.5重量%〜12重量%、又は更には0.5重量%〜10重量%の水を含み得る。
【0059】
液体洗濯洗剤組成物は、20℃で65%未満の平衡相対湿度を有し得る。
【0060】
当該組成物のeRHを測定するのに好ましい方法は、組成物eRH試験を介するものである。組成物eRH試験は、室温(20℃+/−1℃)で、較正されたRotronic Hygrolab meter(深さ14mmのプラスチックサンプルライナにおいて)に当該組成物のサンプルを添加する工程と、これを25分間較正する工程と、最後に、記録されたeRHを測定する工程とを含む。用いたサンプルの体積は、プラスチックサンプルライナを充填するのに十分であった。
【0061】
補助成分
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の20重量%〜40重量%の補助成分を含む。補助成分は、漂白剤、漂白触媒、染料、色調染料、アルコキシル化ポリアミン及びポリエチレンイミンを含む洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性剤、溶媒、移染抑制剤、キレート剤、酵素、香料、カプセル化香料、ポリカルボキシレートポリマー、セルロースポリマー、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0062】
色調染料:液体洗濯洗剤組成物は、色調染料を含み得る。本洗濯ケア組成物で使用される色調染料は、ポリマー又は非ポリマー染料、色素、又はこれらの混合物を含み得る。好ましくは、色調染料は、発色団成分とポリマー成分とを含むポリマー染料を含む。発色団成分は、光に曝露すると、青、赤、スミレ色、紫、又はこれらの組み合わせの波長域の光を吸収することを特徴とする。一態様では、発色団成分は、水及び/又はメタノール中で最大約520ナノメートル〜約640ナノメートルの吸収スペクトルを示し、別の態様では、水及び/又はメタノール中で約560ナノメートル〜約610ナノメートルの吸収スペクトルを示す。
【0063】
任意の好適な発色団を使用することができるが、染料発色団は、好ましくは、ベンゾジフラン、メチン、トリフェニルメタン、ナフタルイミド、ピラゾール、ナフトキノン、アントラキノン、アゾ、オキサジン、アジン、キサンテン、トリフェノジオキサジン及びフタロシアニンの染料発色団から選択される。モノ及びジアゾ染料発色団が好ましい。
【0064】
色調染料は、少なくとも3つの連続する繰り返し単位のうちの1つ以上に共有結合した発色団を含む染料ポリマーを含み得る。繰り返し単位自体は、発色団を含む必要がないということを理解すべきである。染料ポリマーは、少なくとも5個、少なくとも10個、又は更には少なくとも20個の連続する繰り返し単位を含み得る。
【0065】
繰り返し単位は、例えば、オキシアルキレンオキシ及びポリオキシアルキレンオキシと組み合わせられたフェニルジカルボキシレートなどの有機エステルに由来し得る。繰り返し単位は、アルケン、エポキシド、アジリジン、及び変性セルロースを含む単位を含む炭水化物に由来し得、当該変性セルロースは、例えば、ヒドロキシアルキルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;ヒドロキシブチルセルロース;及びヒドロキシブチルメチルセルロース、又はこれらの混合物である。繰り返し単位は、アルケン若しくはエポキシド、又はこれらの混合物に由来し得る。繰り返し単位は、好ましくはC2〜C4アルキレンオキシドに由来する、時にアルコキシ基と呼ばれるC2〜C4アルキレンオキシ基であり得る。繰り返し単位は、C2〜C4アルコキシ基、好ましくはエトキシ基であり得る。
【0066】
本発明の目的に関して、少なくとも3つの連続する繰り返し単位が、ポリマー成分を形成する。ポリマー成分は、直接又は連結基を介して間接的に、発色団基に共有結合し得る。好適なポリマー成分の例としては、複数の繰り返し単位を有するポリオキシアルキレン鎖が挙げられる。一態様では、ポリマー成分は、2個〜約30個の繰り返し単位、2個〜約20個の繰り返し単位、2個〜約10個の繰り返し単位、又は更には約3個若しくは4個〜約6個の繰り返し単位を有するポリオキシアルキレン鎖を含む。ポリオキシアルキレン鎖の非限定的な例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、グリシドールオキシド、ブチレンオキシド、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0067】
キレート剤:また、本明細書の組成物は、任意に、1つ以上の銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤を含有し得る。使用される場合、キレート剤は、一般的に、本明細書の組成物の約0.1重量%〜約15重量%、又は更には本明細書の組成物の約3.0重量%〜約15重量%含まれる。好適なキレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン酸)、エチレンジアミン−N’N’−二コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエタンジ(メチレンホスホン酸)、及びこれらの任意の組み合わせから選択され得る。好適なキレート剤は、エチレンジアミン−N’N’−二コハク酸(EDDS)及び/又はヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)である。洗濯洗剤組成物は、エチレンジアミン−N’N’−二コハク酸又はその塩を含み得る。エチレンジアミン−N’N’−二コハク酸は、S,Sエナンチオマー形態であってよい。上記の組成物は、4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩、グルタミン酸−N,N−二酢酸(GLDA)及び/又はこれらの塩、2−ヒドロキシピリジン−1−オキシド、BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能なTrilon P(商標)を含み得る。炭酸カルシウム結晶成長阻害剤も好適なキレート剤であり得る。好適な炭酸カルシウム結晶成長阻害剤は、1−ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩;N,N−ジカルボキシメチル−2−アミノペンタンー1,5−二酸及びその塩;2−ホスホノブタンー1,2,4−トリカルボン酸及びその塩;並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0068】
上記の組成物は、1−ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩;N,N−ジカルボキシメチル−2−アミノペンタンー1,5−二酸及びその塩;2−ホスホノブタンー1,2,4−トリカルボン酸及びその塩;並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0069】
水溶性パウチ
液体洗濯洗剤組成物は、水溶性単位用量物品中に存在していてよい。このような実施形態では、水溶性単位用量物品は、単位用量物品が水溶性フィルムによって包囲された少なくとも1つの内部区画を含むような形状の少なくとも1枚の水溶性フィルムを含む。少なくとも1つの区画は、液体洗濯洗剤組成物を含む。水溶性フィルムは、保管中に液体洗濯洗剤組成物が区画から漏れ出さないように封止される。しかし、水溶性単位用量物品を水に添加すると、水溶性フィルムが溶解して、内部区画の内容物が洗浄液中へと放出される。
【0070】
区画は、組成物を保持する、単位用量物品内の閉じた内部空間を意味すると理解されるべきである。好ましくは、単位用量物品は水溶性フィルムを含む。単位用量物品は、水溶性フィルムが組成物を完全に取り囲み、それによって組成物が存在する区画が画定されるように製造される。単位用量物品は、2枚のフィルムを含んでよい。第1のフィルムは、組成物が添加される開放された区画を含むような形状であってよい。次いで、区画の開口部を閉じるような配向で第1のフィルムを第2のフィルムで覆う。次いで、封止領域に沿って第1及び第2のフィルムを互いに封止する。フィルムについては、以下により詳細に説明する。
【0071】
単位用量物品は、2つ以上の区画、更には少なくとも2つの区画、又は更には少なくとも3つの区画を含んでよい。区画は、重ね合わせ配向、すなわち、一方が他方の上に位置するように配置してよい。あるいは、区画は、並列配向、すなわち、一方が他方に隣接するように位置してもよい。更に、区画は、「タイヤとリム」の配置で配向してもよく、すなわち、第1の区画が第2の区画に隣接して位置するが、第1の区画が第2の区画を少なくとも部分的に取り囲むが、第2の区画を完全には封入しない。あるいは、1つの区画が別の区画内に完全に封入されていてもよい。
【0072】
単位用量物品が少なくとも2つの区画を含む場合、区画の一方が他方の区画よりも小さくてよい。単位用量物品が少なくとも3つの区画を含む場合、区画のうちの2つが第3の区画よりも小さくてよく、好ましくは、小さい方の区画が大きい方の区画の上に重ね合わせられる。重ね合わせられた区画は、好ましくは、並列に配向される。
【0073】
多区画配向では、本発明に係る組成物が区画のうちの少なくとも1つに含まれ得る。例えば、上記の組成物は、1つの区画内のみに含まれていてもよく、又は2つの区画、若しくは更には3つの区画に含まれていてもよい。
【0074】
本発明のフィルムは、水溶性又は水分散性である。水溶性フィルムは、好ましくは20〜150マイクロメートル、好ましくは35〜125マイクロメートル、更により好ましくは50〜110マイクロメートル、最も好ましくは約76マイクロメートルの厚さを有する。
【0075】
好ましくは、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターの使用後に本明細書に記載の方法によって測定したとき、フィルムは、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を有する。
【0076】
予め秤量した3Lのビーカーに、5グラム±0.1グラムのフィルム材料を添加し、2L±5mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した、電磁攪拌器(Lablineモデル番号1250又は等価物)及び5cmの電磁式攪拌器上にて、30℃で30分間激しく攪拌する。次いで、この混合物を、上に定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳まれた定性焼結ガラスフィルターで濾過する。回収した濾液から任意の従来の方法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。次いで、溶解度又は分散度の割合を計算することができる。
【0077】
好ましいフィルム材料は、好ましくは、ポリマー材料である。フィルム材料は、当該技術分野において既知であるとおり、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形によって得ることができる。
【0078】
パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー、又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有していてよく、好ましくは、約1000〜1,000,000、より好ましくは、約10,000〜300,000、更により好ましくは、約20,000〜150,000である。
【0079】
ポリマー混合物をパウチ材料として使用してもよい。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はパウチの機械的特性及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物としては、例えば、あるポリマーが別のポリマーよりも高い水溶性を有し、及び/又はあるポリマーが別のポリマーよりも高い機械強度を有する混合物が挙げられる。異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、約10,000〜40,000、好ましくは20,000前後の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーと、約100,000〜300,000、好ましくは150,000前後の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーとの混合物も好適である。ポリマーブレンド組成物、例えば、加水分解によって分解可能でありかつ水溶性であるポリマーブレンド(例えば、典型的には約1〜35重量%のポリラクチド及び約65重量%〜99重量%のポリビニルアルコールを含む、ポリラクチド及びポリビニルアルコールを混合することによって得られる、ポリラクチド及びポリビニルアルコール)を含むポリマーブレンド組成物も本明細書において好適である。本明細書に用いるのに好ましいのは、材料の溶解特性を改善するために約60%〜約98%加水分解された、好ましくは約80%〜約90%加水分解されたポリマーである。
【0080】
好ましいフィルムは、冷水、すなわち、加熱されていない蒸留水中で良好な溶解を呈するものである。好ましくは、このようなフィルムは、24℃、更により好ましくは10℃で良好な溶解を呈する。良好な溶解とは、上記のとおり、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターの使用後に本明細書に記載の方法によって測定したとき、フィルムが、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を呈することを意味する。
【0081】
好ましいフィルムは、Monosolによって商品参照番号M8630、M8900、M8779、M8310として供給されているものである。
【0082】
本明細書に記載のフィルム中の全PVA樹脂含有量のうち、PVA樹脂は、約30〜約85重量%の第1のPVAポリマー、又は約45〜約55重量%の第1のPVAポリマーを含み得る。例えば、PVA樹脂は、各PVAポリマーを約50重量%含有し得、第1のPVAポリマーの粘度は約13cPであり、第2のPVAポリマーの粘度は約23cPである。
【0083】
当然のことながら、異なるフィルム材料及び/又は異なる厚さのフィルムを、本発明の区画の作製に用いてよい。異なるフィルムを選択する利点は、得られる区画が、異なる溶解性、すなわち放出特性を呈し得る点である。
【0084】
また、本明細書のフィルム材料は、1つ以上の添加剤成分を含んでいてもよい。例えば、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物などの可塑剤を添加することが有益である場合がある。他の添加剤としては、水、及び洗浄水に送達される、界面活性剤を含む機能性洗剤添加剤、例えば、有機ポリマー分散剤などを挙げることができる。
【0085】
フィルムは、不透明、半透明又は透明であってよい。フィルムは、印刷された領域を含んでよい。印刷された領域は、フィルム表面の10〜80%、又は区画の内部空間と接触しているフィルム表面の10〜80%、又はフィルム表面の10〜80%、及び区画表面の10〜80%を覆い得る。
【0086】
印刷領域は、フィルムの連続した部分を覆っていてもよく、又は連続した部分の一部を覆っていてもよく、すなわち、より小さい印刷領域を含んでいてもよく、その合計は、フィルム表面若しくは区画の内部空間と接触しているフィルム表面、又はこれら両方の10〜80%を占める。
【0087】
印刷領域は、インク、顔料、染料、青み付け剤、又はこれらの混合物を含み得る。印刷領域は、不透明、半透明、又は透明であってよい。
【0088】
印刷領域は、単色を含んでいてもよく、又は複数の色、更には3色を含んでいてもよい。印刷領域は、白色、黒色、青色、赤色、又はこれらの組み合わせを含み得る。印刷は、フィルム表面上に層として存在してもよく、又はフィルムに少なくとも部分的に浸透していてもよい。フィルムは、第1の側面及び第2の側面を含む。印刷領域は、フィルムの片側に存在してもよく、又はフィルムの両側に存在してもよい。あるいは、印刷領域は、フィルム自体内に少なくとも部分的に含まれていてもよい。
【0089】
印刷領域は、インクを含んでよく、当該インクは顔料を含む。フィルム上に印刷するためのインクは、好ましくは、水中での所望の分散等級を有する。インクは、白、赤及び黒を含む任意の色であってよい。インクは、重量当たり10%〜80%、又は20%〜60%、又は25%〜45%の水を含む水系インクであってよい。インクは、重量当たり20%〜90%、又は40%〜80%、又は50%〜75%の固形分を含んでよい。
【0090】
インクは、剪断速度1000s
−1、温度20℃で測定された粘度が、1〜600cPs、又は50〜350cPs、又は100〜300cPs又は150〜250cPsであり得る。この測定値は、TA instrumentsのAR−550レオメータにおいてコーンプレート形状を用いて得ることができる。
【0091】
印刷領域は、フレキソ印刷又はインクジェット印刷などの標準的な技術を使用して得ることができる。好ましくは、印刷領域は、フレキソ印刷を介して得られ、この場合、フィルムは印刷された後、開口区画の形状に成形される。次いで、この区画に洗剤組成物を充填し、区画上方に第2のフィルムを配置し、第1のフィルムに封止される。印刷領域は、フィルムの片側に存在してもよく、又はフィルムの両側に存在してもよい。
【0092】
あるいは、フィルムの全部又は少なくとも一部が着色されるように、インク又は顔料をフィルムの製造中に添加してもよい。
【0093】
フィルムは、例えば苦味剤などの嫌悪剤を含んでよい。好適な苦味剤としては、ナリンギン、オクタ酢酸スクロース、塩酸キニーネ、安息香酸デナトニウム、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の好適な濃度の嫌悪剤をフィルムに使用してよい。好適な濃度としては、1〜5000ppm、又は更には100〜2500ppm、又は更には250〜2000rpmが挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
製造方法
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、当該技術分野において既知の任意の好適な製造技術を使用して製造され得る。当業者であれば、本発明に係る組成物を製造するのに適切な方法及び機器を理解するであろう。
【0095】
HCOプレミックスは、HCOを融解させ、小体積の温液体洗濯洗剤組成物(酵素も香料材料も含まない)に添加することによって形成され得る。次いで、HCOプレミックスを他の成分に添加して、液体洗濯洗剤組成物を形成する。
【0096】
使用方法
本発明の組成物又は単位用量物品は、洗濯物が既に存在しているか、又は洗濯物が加えられる洗浄液に添加してよい。上記の組成物又は物品は、洗濯機の稼働中に使用してよく、ドラムに直接添加しても、引き出し式ディスペンサー(dispenser drawer)に添加してもよい。洗濯機は、自動洗濯機であっても、半自動洗濯機であってもよい。布地柔軟剤又はしみ除去剤などの他の洗濯洗剤組成物と組み合わせて使用してもよい。洗浄液に添加する前に、前処理組成物として、しみに使用してもよい。
【0097】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【実施例】
【0098】
様々な組成物の粘度を比較した。以下の組成物を調製した。
【0099】
【表1】
【0100】
10cmのインペラを備えるIKA Eurostar 200ミキサを有する1Lのビーカーを調製することによって、組成物を製造した。これを250rpmで稼働させた。回転インペラを備えるビーカーに溶媒材料を添加し、続いて、界面活性剤材料を添加した。これらが分散したら、ポリマー及び塩を添加した。組成物のpHをNaOHを用いて約&(Sartorius PT−10 pH計を用いて測定)に調整した。次いで、残りの成分を添加し、混合した。全ての材料をMettler Toledo PB3002−S秤を用いて計量した。
【0101】
組成物Cは、当該組成物Cの6.25重量%のモノエタノールアミンを含んでいた。組成物A及びBは、モノエタノールアミンを含んでいなかった。
【0102】
次いで、20℃で1000μmのギャップを使用してTA instruments製のレオメータDHR1を用いて、組成物の粘度を測定した。サンプルを、0.05s
−1で1分間平衡化し、続いて、10分間にわたって0.05s
−1〜1200s
−1の流動曲線を測定した。0.05s
−1〜1000s
−1の結果を表2に示す。
【0103】
【表2】
【0104】
0.05s
−1における剪断力は、消費者が組成物を注いでいる間に組成物が受ける剪断力に相当する。1000s
−1における剪断力は、製造中に組成物が受ける剪断力に相当する。
【0105】
6.25%のモノエタノールアミンを含む組成物Cは、消費者注入剪断力及び加工投入剪断力に相当する低及び高剪断力において、許容可能な粘度プロファイルを示す。
【0106】
しかし、組成物Aにおいてモノエタノールアミンを除去した(そして、対応して、界面活性剤を炭酸ナトリウムで中和した)とき、粘度が許容不可能なレベルに増大する。
【0107】
モノエタノールアミンが除去され、界面活性剤が炭酸ナトリウムで中和されているだけでなく、1,2−プロパンジオールも添加されている組成物Bは、本発明に相当する。粘度は、許容可能なレベルまで戻る。