特許第6763113号(P6763113)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6763113
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】センサベースのパーカッションデバイス
(51)【国際特許分類】
   G10H 3/14 20060101AFI20200917BHJP
   G10D 13/10 20200101ALI20200917BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20200917BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   G10H3/14 A
   G10D13/10 160
   H05K9/00 W
   H04R17/00
【請求項の数】30
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-515520(P2018-515520)
(86)(22)【出願日】2016年10月7日
(65)【公表番号】特表2018-537702(P2018-537702A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(86)【国際出願番号】US2016055997
(87)【国際公開番号】WO2017066096
(87)【国際公開日】20170420
【審査請求日】2019年8月23日
(31)【優先権主張番号】62/241,615
(32)【優先日】2015年10月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/287,520
(32)【優先日】2016年10月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514215929
【氏名又は名称】ビーボップ センサーズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マクミラン、ケイス エー.
(72)【発明者】
【氏名】スティネット、マキシム
(72)【発明者】
【氏名】アレン、ブレント
(72)【発明者】
【氏名】ヴィレ、グレゴリー
【審査官】 岩田 淳
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0239787(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0024132(US,A1)
【文献】 特開平05−165469(JP,A)
【文献】 特開平7−295561(JP,A)
【文献】 特開2009−128807(JP,A)
【文献】 特開2009−258200(JP,A)
【文献】 特表2013−508752(JP,A)
【文献】 特開2015−040899(JP,A)
【文献】 特開2015−052637(JP,A)
【文献】 特開2012−208487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10H 1/00− 7/12
G01L 1/00− 1/26
G01L 25/00
G10D 13/00−13/24
G10F 1/08− 1/10
H01L 27/20
H01L 41/00−41/47
H04R 17/00−17/10
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーカッションデバイスであって、
導電配線のアレイがその第1表面に形成された誘電体基板と、
前記誘電体基板に位置合わせされ、かつ、前記誘電体基板の前記第1表面、および前記導電配線と接しているピエゾ抵抗基板であって、前記導電配線および前記ピエゾ抵抗基板は、前記パーカッションデバイスの複数のセンサ領域を形成し、前記複数のセンサ領域の各々は、複数のセンサを含み、前記複数のセンサの各々は、対応するセンサ出力を含む、ピエゾ抵抗基板と、
前記複数のセンサを順次駆動し、前記センサ出力を順次サンプリングし、かつ、前記パーカッションデバイスの上面におけるヒットイベントを検出するセンサ回路であって、前記ヒットイベントに対応する、前記複数のセンサ領域のうち1つと、前記アレイに対する前記ヒットイベントの位置と、前記ヒットイベントの速度とをヒットイベント毎に判断する、センサ回路と
を備えるパーカッションデバイス。
【請求項2】
導電配線の前記アレイは、ほぼ円形であり、前記複数のセンサ領域の各々は、前記アレイの四分円に相当し、各ヒットイベントの前記位置は、前記アレイの中心に対して半径方向の距離である、請求項1に記載のパーカッションデバイス。
【請求項3】
前記アレイの前記導電配線は、同心円となるように配置され、前記導電配線のうち第1導電配線は、前記複数のセンサを駆動し、前記導電配線のうち第2導電配線は、前記センサ出力をサンプリングし、前記第1導電配線および前記第2導電配線は、前記同心円の交互に並んだものに相当する、請求項2に記載のパーカッションデバイス。
【請求項4】
各センサ領域に関連付けられる前記第1導電配線は、他のセンサ領域に関連付けられる前記第1導電配線と不連続であり、各センサ領域の前記第1導電配線は、半径方向の導電配線により互いに電気的に接続される、請求項3に記載のパーカッションデバイス。
【請求項5】
前記第2導電配線は、前記複数のセンサ領域の全てを通じて連続している、請求項3または4に記載のパーカッションデバイス。
【請求項6】
前記センサ回路は、第1センサ領域における前記センサ出力の複数の値に基づいて、前記第1センサ領域の第1ヒットイベントを検出し、前記複数の値の各々は、前記第1センサ領域に含まれる前記複数のセンサのうち1つに対応し、前記センサ回路は更に、前記複数の値を補間することにより前記第1ヒットイベントの前記位置を判断する、請求項1から5のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項7】
前記センサ回路は、前記複数の値の各々に関連付けられるセンサ位置と、前記複数の値の各々の大きさとを用いて、前記複数の値を補間する、請求項6に記載のパーカッションデバイス。
【請求項8】
前記センサ回路は、第1センサ領域における前記センサ出力の複数の値に基づいて、前記第1センサ領域の第1ヒットイベントを検出し、前記複数の値の各々は、前記第1センサ領域に含まれる前記複数のセンサのうち1つに対応し、前記センサ回路は更に、前記複数の値の中で最も大きい、前記複数の値のうち第1の値に基づいて、前記第1ヒットイベントの前記速度を判断する、請求項1から7のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項9】
前記センサ回路は、第1センサの前記センサ出力が指定の継続時間よりも長い時間にわたって振幅閾値を超えていると判断することにより、第1センサ領域における前記第1センサのヒットイベントを検出する、請求項1から8のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項10】
前記ピエゾ抵抗基板は、ピエゾ抵抗生地である、請求項1から9のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項11】
前記パーカッションデバイスの前記上面は、前記誘電体基板および前記ピエゾ抵抗基板を含むコンポーネントの積層体中にあるシリコーン基板である、請求項1から10のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項12】
前記センサ回路の少なくとも一部が、前記誘電体基板のノッチに配設される回路基板に含まれ、前記回路基板の導体が、前記誘電体基板上の前記導電配線のうち少なくとも幾つかに接続される、請求項1から11のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項13】
前記誘電体基板の前記第1表面とは反対側の、前記誘電体基板の第2表面に隣接する電磁波干渉(EMI)遮蔽を更に備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項14】
前記EMI遮蔽は、前記誘電体基板の前記第2表面と一体化された導電メッシュを含む、請求項13に記載のパーカッションデバイス。
【請求項15】
前記センサ回路は、センサ毎のオフセット値を繰り返し計算する、請求項1から14のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項16】
パーカッションデバイスであって、
導電配線のアレイがその表面に形成されたピエゾ抵抗基板であって、前記導電配線および前記ピエゾ抵抗基板は、前記パーカッションデバイスの複数のセンサ領域を形成し、前記複数のセンサ領域の各々は、複数のセンサを含み、前記複数のセンサの各々は、対応するセンサ出力を含む、ピエゾ抵抗基板と、
前記複数のセンサを順次駆動し、前記センサ出力を順次サンプリングし、かつ、前記パーカッションデバイスの上面におけるヒットイベントを検出するセンサ回路であって、前記センサ回路は、前記ヒットイベントに対応する、前記複数のセンサ領域のうち1つと、前記アレイに対する前記ヒットイベントの位置と、前記ヒットイベントの速度とをヒットイベント毎に判断する、センサ回路と
を備えるパーカッションデバイス。
【請求項17】
導電配線の前記アレイは、ほぼ円形であり、前記複数のセンサ領域の各々は、前記アレイの四分円に相当し、各ヒットイベントの前記位置は、前記アレイの中心に対して半径方向の距離である、請求項16に記載のパーカッションデバイス。
【請求項18】
前記アレイの前記導電配線は、同心円となるように配置され、前記導電配線のうち第1導電配線は、前記複数のセンサを駆動し、前記導電配線のうち第2導電配線は、前記センサ出力をサンプリングし、前記第1導電配線および前記第2導電配線は、前記同心円の交互に並んだものに相当する、請求項17に記載のパーカッションデバイス。
【請求項19】
各センサ領域に関連付けられる前記第1導電配線は、他のセンサ領域に関連付けられる前記第1導電配線と不連続であり、各センサ領域の前記第1導電配線は、半径方向の導電配線により互いに電気的に接続される、請求項18に記載のパーカッションデバイス。
【請求項20】
前記第2導電配線は、前記複数のセンサ領域の全てを通じて連続している、請求項18まは19に記載のパーカッションデバイス。
【請求項21】
前記センサ回路は、第1センサ領域における前記センサ出力の複数の値に基づいて、前記第1センサ領域の第1ヒットイベントを検出し、前記複数の値の各々は、前記第1センサ領域に含まれる前記複数のセンサのうち1つに対応し、前記センサ回路は更に、前記複数の値を補間することにより、前記第1ヒットイベントの前記位置を判断する、請求項16から20のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項22】
前記センサ回路は、前記複数の値の各々に関連付けられるセンサ位置と、前記複数の値の各々の大きさとを用いて、前記複数の値を補間する、請求項21に記載のパーカッションデバイス。
【請求項23】
前記センサ回路は、第1センサ領域における前記センサ出力の複数の値に基づいて、前記第1センサ領域の第1ヒットイベントを検出し、前記複数の値の各々は、前記第1センサ領域に含まれる前記複数のセンサのうち1つに対応し、前記センサ回路は更に、前記複数の値の中で最も大きい、前記複数の値のうち第1の値に基づいて、前記第1ヒットイベントの前記速度を判断する、請求項16から22のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項24】
前記センサ回路は、第1センサの前記センサ出力が指定の継続時間よりも長い時間にわたって振幅閾値を超えていると判断することにより、第1センサ領域における前記第1センサのヒットイベントを検出する、請求項16から23のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項25】
前記ピエゾ抵抗基板は、ピエゾ抵抗生地である、請求項16から24のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項26】
前記パーカッションデバイスの前記上面は、前記ピエゾ抵抗基板を含むコンポーネントの積層体中にあるシリコーン基板である、請求項16から25のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項27】
前記センサ回路の少なくとも一部が、前記ピエゾ抵抗基板のノッチに配設される回路基板に含まれ、前記回路基板の導体が、前記ピエゾ抵抗基板上の前記導電配線のうち少なくとも幾つかに接続される、請求項16から26のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項28】
電磁波干渉(EMI)遮蔽を更に備える、請求項16から27のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【請求項29】
前記EMI遮蔽は、誘電体基板と一体化され、かつ、前記ピエゾ抵抗基板から電気的に分離された導電メッシュを有する、請求項28に記載のパーカッションデバイス。
【請求項30】
前記センサ回路は、センサ毎のオフセット値を繰り返し計算する、請求項16から29のいずれか一項に記載のパーカッションデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願データ] 本出願は、2015年10月14日に出願されたPercussion Instrumentと題する米国仮特許出願第62/241,615号(代理人整理番号KSMOP010P)と、2016年10月6日に出願されたSensor−Based Percussion Deviceと題する米国特許出願第15/287,520号(代理人整理番号KSMOP010)とに対する優先権を主張するものであり、その開示内容全体が、全ての目的のために参照により本明細書へ組み込まれる。
【発明の概要】
【0002】
ある特定の部類の実装によれば、パーカッションデバイスが、導電配線のアレイがその第1表面に形成された誘電体基板を備える。ピエゾ抵抗基板が誘電体基板と位置合わせされ、誘電体基板の第1表面、および導電配線と接している。導電配線およびピエゾ抵抗基板は、パーカッションデバイスの複数のセンサ領域を形成する。これらのセンサ領域の各々は複数のセンサを含む。これらのセンサの各々はセンサ出力に対応する。センサ回路がセンサを順次駆動し、センサ出力を順次サンプリングし、かつ、パーカッションデバイスの上面におけるヒットイベントを検出するように構成される。センサ回路は、ヒットイベントに対応する、センサ領域のうち1つと、アレイに対するヒットイベントの位置と、ヒットイベントの速度とをヒットイベント毎に判断するように構成される。
【0003】
幾つかの実装によれば、導電配線のアレイはほぼ円形であり、センサ領域の各々はアレイの四分円に相当し、各ヒットイベントの位置はアレイの中心に対して半径方向の距離である。ある具体的な実装によれば、アレイの導電配線は同心円状に配置される。導電配線のうち第1導電配線は、センサを駆動するように構成される。導電配線のうち第2導電配線は、センサ出力をサンプリングするように構成される。第1導電配線および第2導電配線は、同心円の交互に並んだものに相当する。より具体的な実装によれば、各センサ領域に関連付けられる第1導電配線は、他のセンサ領域に関連付けられる第1導電配線と不連続であり、各センサ領域の第1導電配線は、半径方向の導電配線により互いに電気的に接続される。別の具体的な実装によれば、第2導電配線は、センサ領域の全てを通じて連続している。
【0004】
幾つかの実装によれば、センサ回路は、第1領域におけるセンサ出力の複数の値に基づいて、第1センサ領域における第1ヒットイベントを検出するように構成される。これらの値の各々は、第1センサ領域に含まれるセンサのうち1つに対応する。センサ回路は、これらの値を補間することにより第1ヒットイベントの位置を判断するように構成される。ある具体的な実装によれば、センサ回路は、これらの値の各々に関連付けられるセンサ位置と、これらの値の各々の大きさとを用いて、これらの値を補間するように構成される。
【0005】
幾つかの実装によれば、センサ回路は、第1領域におけるセンサ出力の複数の値に基づいて、第1センサ領域における第1ヒットイベントを検出するように構成される。これらの値の各々は、第1センサ領域に含まれるセンサのうち1つに対応する。センサ回路は、これらの値の中で最も大きい、これらの値のうち第1の値に基づいて、第1ヒットイベントの速度を判断するように構成される。
【0006】
幾つかの実装によれば、センサ回路は、第1センサのセンサ出力が指定の継続時間よりも長い時間にわたって振幅閾値を超えていると判断することにより、第1センサ領域における第1センサのヒットイベントを検出するように構成される。
【0007】
幾つかの実装によれば、ピエゾ抵抗基板はピエゾ抵抗生地である。
【0008】
幾つかの実装によれば、パーカッションデバイスの上面は、誘電体基板およびピエゾ抵抗基板を含むコンポーネントの積層体中にあるシリコーン基板である。
【0009】
幾つかの実装によれば、センサ回路の少なくとも一部が、誘電体基板のノッチに配設された回路基板に含まれる。回路基板の導体が、誘電体基板上の導電配線のうち少なくとも幾つかに接続される。
【0010】
幾つかの実装によれば、パーカッションデバイスは、誘電体基板の第1表面とは反対側の、誘電体基板の第2表面に隣接する電磁波干渉(EMI)遮蔽を含む。ある具体的な実装によれば、EMI遮蔽は、誘電体基板の第2表面と一体化された導電メッシュを含む。
【0011】
別の部類の実装によれば、パーカッションデバイスが、導電配線のアレイがその表面に形成されたピエゾ抵抗基板を備える。導電配線およびピエゾ抵抗基板は、パーカッションデバイスの複数のセンサ領域を形成する。これらのセンサ領域の各々は複数のセンサを含む。これらのセンサの各々はセンサ出力に対応する。センサ回路がセンサを順次駆動し、センサ出力を順次サンプリングし、かつ、パーカッションデバイスの上面におけるヒットイベントを検出するように構成される。センサ回路は、ヒットイベントに対応する、センサ領域のうち1つと、アレイに対するヒットイベントの位置と、ヒットイベントの速度とをヒットイベント毎に判断するように構成される。
【0012】
幾つかの実装によれば、導電配線のアレイはほぼ円形であり、センサ領域の各々はアレイの四分円に相当し、各ヒットイベントの位置はアレイの中心に対して半径方向の距離である。ある具体的な実装によれば、アレイの導電配線は同心円状に配置される。導電配線のうち第1導電配線は、センサを駆動するように構成される。導電配線のうち第2導電配線は、センサ出力をサンプリングするように構成される。第1導電配線および第2導電配線は、同心円の交互に並んだものに相当する。より具体的な実装によれば、各センサ領域に関連付けられる第1導電配線は、他のセンサ領域に関連付けられる第1導電配線と不連続であり、各センサ領域の第1導電配線は、半径方向の導電配線により互いに電気的に接続される。別の具体的な実装によれば、第2導電配線は、センサ領域の全てを通じて連続している。
【0013】
幾つかの実装によれば、センサ回路は、第1領域におけるセンサ出力の複数の値に基づいて、第1センサ領域における第1ヒットイベントを検出するように構成される。これらの値の各々は、第1センサ領域に含まれるセンサのうち1つに対応する。センサ回路は、これらの値を補間することにより第1ヒットイベントの位置を判断するように構成される。ある具体的な実装によれば、センサ回路は、これらの値の各々に関連付けられるセンサ位置と、これらの値の各々の大きさとを用いて、これらの値を補間するように構成される。
【0014】
幾つかの実装によれば、センサ回路は、第1領域におけるセンサ出力の複数の値に基づいて、第1センサ領域における第1ヒットイベントを検出するように構成される。これらの値の各々は、第1センサ領域に含まれるセンサのうち1つに対応する。センサ回路は、これらの値の中で最も大きい、これらの値のうち第1の値に基づいて、第1ヒットイベントの速度を判断するように構成される。
【0015】
幾つかの実装によれば、センサ回路は、第1センサのセンサ出力が指定の継続時間よりも長い時間にわたって振幅閾値を超えていると判断することにより、第1センサ領域における第1センサのヒットイベントを検出するように構成される。
【0016】
幾つかの実装によれば、ピエゾ抵抗基板はピエゾ抵抗生地である。
【0017】
幾つかの実装によれば、パーカッションデバイスの上面は、ピエゾ抵抗基板を含むコンポーネントの積層体中にあるシリコーン基板である。
【0018】
幾つかの実装によれば、センサ回路の少なくとも一部が、ピエゾ抵抗基板のノッチに配設された回路基板に含まれる。回路基板の導体が、ピエゾ抵抗基板上の導電配線のうち少なくとも幾つかに接続される。
【0019】
幾つかの実装によれば、パーカッションデバイスは、電磁波干渉(EMI)遮蔽を含む。ある具体的な実装によれば、EMI遮蔽は、誘電体基板と一体化され、かつ、ピエゾ抵抗基板から電気的に分離された導電メッシュを含む。
【0020】
本明細書および図面の残りの部分を参照することにより、様々な実装の本質および利点について更に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】パーカッションデバイスの斜視図である。
【0022】
図2】パーカッションデバイスの分解図である。
【0023】
図3】パーカッションデバイスの円形センサアレイの図である。
【0024】
図4A】パーカッションデバイスのセンサ回路の例を示す。
図4B】パーカッションデバイスのセンサ回路の例を示す。
【0025】
図5】パーカッションデバイスのEMI遮蔽を示す。
【0026】
図6】パーカッションデバイスの円形センサアレイの一部分の図である。
【0027】
図7】パーカッションデバイスにおけるヒットイベントの検出を示した2つのグラフを含む。
【0028】
図8】パーカッションデバイスのヒットイベント検出を示すフローチャートである。
【0029】
図9】パーカッションデバイスのヒットイベント処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示は、電子センサ技術を採用したパーカッションデバイスについて説明し、係るデバイスの実現を可能にする。本明細書では、想定される最良の形態をはじめ、具体的な実装について説明する。これらの実装の例を添付図面に示す。しかしながら、本開示の範囲が、記載されている実装に限定されることはない。本開示はむしろ、これらの実装の代替手段、修正形態および等価物を包含することを目的としている。以下の説明では、記載されている実装について十分に理解できるよう、具体的な詳細を記載する。実装によっては、これらの具体的な詳細の一部または全てがなくても実施され得る。更に、明瞭性を高めるために、よく知られている特徴については詳細に記載していないこともある。
【0031】
ピエゾ抵抗材料には、この材料に加えられる機械的な力(例えば、圧力、衝撃、歪曲など)に応じて電気抵抗の変化を示すある部類の材料のいずれかが含まれる。本明細書に記載のデバイスのうち1つの部類は、誘電体基板に隣接している、および/または誘電体基板と密接に一体化され、かつ、誘電体上の配線のうち少なくとも幾つかと接しているピエゾ抵抗材料を用いた誘電体基板に直接形成されるか、さもなければ、係る誘電体基板と一体化された導電配線を含む。本明細書に記載のデバイスのうち別の部類は、ピエゾ抵抗材料(例えば、ピエゾ抵抗生地)の基板に直接形成されるか、さもなければ、係る基板と一体化された導電配線を含む。係るどちらか一方の種類のデバイスに力が加えられると、ピエゾ抵抗材料により接続された配線の間の抵抗が経時的に変化し、加えられた力を表す。
【0032】
加えられた力の大きさを表す信号が、抵抗の変化に基づいて生成される。この信号は、(例えば、電圧または電流として)導電配線を介して取得され、(例えば、アナログ/デジタル変換器を介して)デジタル化され、(例えば、関連付けられたプロセッサ、コントローラまたは適切な回路により)処理され、(例えば、関連付けられたプロセッサ、コントローラもしくは回路、または個別の制御システムにより)事実上いずれの種類のプロセス、デバイスまたはシステムの制御および/または動作と連動して使用されてもよい制御機能にマッピングされる。本明細書に記載の実装では、係る制御機能に打楽器の音声表現の生成が含まれる。
【0033】
配線が接している、または配線が形成されるピエゾ抵抗材料は、ピエゾ抵抗特性を有する様々な織布および不織布のいずれであってもよい。ピエゾ抵抗材料が、ピエゾ抵抗特性を有する様々な可撓性材料、伸縮性材料か、さもなければ可塑性材料(例えば、ゴム、またはスパンデックスもしくはオープンメッシュ生地のような伸縮性生地)のいずれでもあり得るような実装も想定される。導電配線は、様々な導電インクまたは導電塗料のいずれを用いて誘電体基板またはピエゾ抵抗材料に形成されてもよい。より一般的に言うと、どちらか一方の種類の基板に形成され得る任意の導電材を用いて導電配線が形成されるような実装が想定される。具体的な材料および手法を参照しながら具体的な実装について説明しているものの、本開示の範囲がそのように限定されるものではないことを、上記を参照して理解すべきである。
【0034】
例えば、導電配線が基板の片面または両面にプリントまたは形成され得るような片面実装および両面実装がどちらも想定される。当然のことながら、両面実装は、基板の一方の側にある導電配線を他方の側にある導電配線と接続するための何らかの機構を必要とすることもある。実装によっては、この接続を確立するために、導電インクまたは導電塗料が流れるためのビアを使用する。代替的に、基板を通して接続を行うために、例えば、予め形成された導電ビア、リベット、ステープル、ワイヤ、導電糸などをはじめとする広範な導電要素が挿入されてもよい。片面実装および両面実装はどちらも、導電配線の上方または下方に形成された断熱材料を使用してもよい。これにより、導電配線および信号線の積み重ねまたは階層化が可能となる。例えば、プリント回路基板の異なる層と類似したやり方で、信号線を分離構造へルーティングすることが可能となる。
【0035】
基板上および基板外における信号のルーティングは、様々な方法で実現されてよい。例えば、実装によっては、導電ゴムおよび非導電ゴムを、それらが(例えば、基板の縁部において)接続する導電配線の幅よりも一般的に一桁大きい密度で交互に並べたエラストマコネクタ(例えば、ZEBRA(登録商標)コネクタ)を使用してよい。代替的に、回路基板または導体の束が基板にリベット留めされてもよいし、さもなければ、基板に固定されてもよい。リベットを使用すると、接続部に対する機械的補強も為され得る。
【0036】
幾つかの実装によれば、基板および回路基板上のマッチする導電配線または導電パッドが、例えば、次に互いに合わされる表面のうち一方または両方に塗布された導電接着剤(例えば、ニュージャージー州ハッケンサックにあるMasterbond社のMasterbond EP79のような導電エポキシ)の層を用いて互いに固定されてよい。導電配線または導電パッドは、音波溶接またはリベットのような更なる機械的要素で留め合わされてもよい。導電配線への基板の電気的接続に導電リベットが使用される場合は、導電接着剤を必要としないこともある。基板の導電配線を外部アセンブリに接続するために導電糸が使用されてもよい。基板上の導電配線を外部回路へ接続するための手法の他の例がFlexible Sensors and Applicationsと題する米国特許出願公開第2015/0331533号に記載されており、その開示内容全体が、全ての目的のために参照により本明細書へ組み込まれる。より一般的に言うと、本開示の範囲内における広範な変形が当業者には明らかとなるであろう。
【0037】
ある特定の部類の実装によれば、ピエゾ抵抗材料は、カリフォルニア州ピノールのEeonyx社により製造される感圧生地である。この生地は、生地に懸濁させておくためにポリマー化された導電粒子を含む。基材(例えば、ポリエステル製のフェルトであってよい)は、密度および厚さの均一性のために選択される。なぜなら、これにより、出来上がったピエゾ抵抗生地の導電性の均一性が更に高まるからである。すなわち、導電粒子を含有するスラリーが導入されると、基材の機械的な均一性が導電粒子のより均一な分布をもたらす。実装によっては、生地が織物であってよい。代替的に、生地は、例えば、化学的、機械的、熱的または溶媒処理により接合された繊維などの光沢生地のような不織物であってもよい。導電配線がピエゾ抵抗生地に形成されるような実装では、光沢材料が、導電インクのより正確なスクリーンプリントを促す滑らかな外面を呈してよい。
【0038】
生地中の導電粒子は、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、炭素などをはじめとする多様な材料のいずれであってもよい。実装によっては、炭素グラフェン粒子を採用してよい。係る材料は、2008年12月23日に発行されたElectroconductive Woven and Non−Woven Fabricという米国特許第7,468,332号に記載の手法を用いて製作されてよく、その開示内容全体が、全ての目的のために参照により本明細書へ組み込まれる。しかしながら、材料に力が加えられると抵抗または導電性の変化を示す多様な材料がいずれも、本明細書に記載するようなセンサの実装に適切であり得ることに、ここでも留意すべきである。
【0039】
ある特定の部類の実装によれば、様々なレベルの導電性を有する導電配線が、例えば、デラウェア州ウィルミントンのE.I. du Pont de Nemours and Company (DuPont)および/またはマサチューセッツ州エアのCreative Materialsにより製造される導電シリコーン系インクを用いて、誘電体基板またはピエゾ抵抗材料に形成される。様々な実装と併用するための高導電配線を実装するのに適した導電インクの例としては、Creative Materialsの製品番号125−19が挙げられ、これは可撓性がある高温の電気的導電インクである。様々な実装と併用するための低導電性配線を実装するための導電インクの例としては、DuPontの製品番号7102および7105が挙げられ、これらは両方とも炭素導電組成物である。様々な実装と併用するための絶縁体を実装するのに適した誘電材料の例としては、DuPontの製品番号5018および5036が挙げられ、これらはそれぞれ、UV硬化可能な誘電体、および封止材である。これらのインクには可撓性と耐久性がある。異なる配線および用途の場合の伝導度は、シリコーン中に懸濁された導電粒子(例えば、銀、銅、アルミニウム、炭素など)の量または濃度により制御されてよい。これらのインクは、スクリーンプリントされるか、またはインクジェットプリンタからプリントされ得る。幾つかの実装によれば、インクがプリントされる基板は非伸縮性であり、これにより、可撓性および/または伸縮性が低い低コストのインクの使用が可能となる。別の部類の実装では、EMI遮蔽およびESD保護のために通常使用されるような導電塗料(例えば、塗料と混合された炭素粒子)を使用する。
【0040】
本開示により可能となる様々な実装と併用され得るセンサ技術および関連手法の更なる例が、2010年10月14日に出願されたFoot−Operated Controllerと題する米国特許出願公開第2011/0088536号、2013年3月13日に出願されたMulti−Touch Pad Controllerと題する米国特許出願公開第2013/0239787号、2014年6月9日に出願されたPiezoresistive Sensors and Applicationsと題する米国特許出願公開第2015/0331522号、および2014年8月20日に出願されたTwo−Dimensional Sensor Arraysと題する米国特許出願公開第US2015/0331523号に記載されており、これらの各々の開示内容全体が、全ての目的のために参照により本明細書へ組み込まれる。しかしながら、様々な他の適切なセンサ技術を採用した実装が想定されることにも留意すべきである。従って、これらの例を参照することにより本開示の範囲が限定されるべきではない。
【0041】
図1には、パーカッションデバイス100の例を示す。図2には、パーカッションデバイス100の分解図を示す。ある特定の部類の実装によれば、パーカッションデバイスは4つの四分円を有する。各四分円は、(MIDIノートを形成するのに役立つ)初期ヒット速度をはじめ、ヒットイベントを検出および報告するように構成される。各四分円は、パーカッションデバイス100の上面におけるヒットイベントの力の連続範囲および位置(例えば、半径方向の距離)を検出および報告するようにも構成される。
【0042】
ある具体的な実装によれば、パーカッションデバイスの四分円は、誘電体基板(例えば、図2に示すような、ポリエチレン・テレフタレートすなわちPETの基板202)に直接形成されるか、さもなければ、それと一体化された導電配線(例えば、スクリーンプリントされた導電インクまたは導電塗料)のアレイにより形成される。図3には、係るアレイの例を誘電体基板202のより詳細な図で示す。図2のセンサ配線がピエゾ抵抗基板204の側へ下向きになっている点で、図3の誘電体202の向きが図2に示すものとは逆であることに留意されたい。
【0043】
ピエゾ抵抗基板204(例えば、ピエゾ抵抗生地)は、誘電体基板202上の導電配線、すなわち、基板202の、基板204を向いた側にある、絶縁体により覆われていない配線のうち少なくとも幾つかと接している。これらの基板は、アレイを保護し、かつ、衝撃エネルギーを誘電体基板202およびピエゾ抵抗基板204に伝達するシリコーンゴム206および208の層の間に固定される。
【0044】
センサ配線がピエゾ抵抗生地に形成されるような実装では、下にあるゴムの層によりピエゾ抵抗生地の膨張が可能となり、生地の、衝撃の影響を受ける面積が増大し得る。下にある生地センサアレイのより広い面積が影響を受けるように、衝撃イベント(例えば、ドラムスティックの打撃)の力を拡散するための拡散層(例えば、PET0.5mm)が含まれてもよい。これらの特徴のどちらか一方または両方により、センサ配線の間隔を広げることが可能となり、ひいては、検出および処理すべきセンサ信号を減らすことが可能となり得る。
【0045】
センサアレイは、誘電体基板202のノッチ212でセンサアレイと電気的に接合されるプリント回路基板(PCB)210に位置するアナログ回路およびプロセッサにより給電され、情報の問い合わせが行われる。ここでも、導電配線が代わりにピエゾ抵抗基板に直接形成されるか、さもなければ、それと一体化されるような実装が想定されることに留意すべきである。係る実装では、PCB210が同様のやり方でピエゾ抵抗基板のセンサアレイと電気的に接合されてよい。係る実装の1つでは、図3に示すアレイとほぼ同様のやり方で導電配線が構成される。
【0046】
デバイス100の構造は、留め具218を用いて上部カバー214を底部カバー216に固定することにより完成する。接着剤、例えば、PSA222を用いて、底部カバー216にゴム足220が固定される。
【0047】
図4Aおよび図4Bは、本明細書に記載の実装と共に使用するための、例えば、PCB210または別の接続されたアセンブリに設けられ得るセンサ回路の簡略図である。例えば、図1から図3に示す実装では、係るセンサ回路が、(センサアレイ401で表すような)誘電体基板202上の導電配線に接続され得る。センサのうち1つに圧力が加えられると、結果として得られた(例えば、対応する配線を介して取得された)信号が(リファレンスアンプ402を介して)受信され、(マルチプレクサ403を介して)多重化され、(A/D変換器404を介して)デジタル化される。この信号は、(例えば、プロセッサ406により)ローカルに処理されてよく、および/または、有線接続(例えば、USBコネクタ411)または無線接続(例えば、Bluetooth(登録商標)送受信機(図示せず)など)を介して、接続されるシステムまたはデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ409)に伝送されてよい。センサアレイ401のセンサは(例えば、プロセッサ406のGPIO(汎用入出力)ピンの制御下で)センサ回路により選択的に給電されてよい。プロセッサ406は、有線または無線インタフェースを介してリモートシステムと通信してよい。電力は、1つまたは複数のバッテリをはじめとする様々な機構のいずれを用いてセンサ回路に供給されてもよい。当然のことながら、図4Aに示すセンサ回路は単なる例に過ぎない。示されているものよりもはるかに広い範囲のセンサ回路コンポーネント、構成および機能が想定される。ある特定の実装によれば、プロセッサ406は(テキサス州オースティンのSilicon Labsにより提供される)C8051F380−GMコントローラに含まれてよい。(プロセッサ406に含まれてもよいし、含まれなくてもよい)メモリ407は、多様な種類の揮発性および不揮発性ストレージ媒体のいずれであってもよい非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含み、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、ロジック、ファームウェア、および/または、本明細書に記載の機能を実装またはサポートする他のデータを含んでよい。
【0048】
示されている実装では、プロセッサ406からのPWM信号が、PWM信号のデューティサイクルを変えることにより、0VとVdd(コントローラの供給電圧)との間の電圧Vrefを生成するために使用される。ローパスフィルタがPWM信号の高いキャリア周波数および調波を遮断し、デューティサイクルに比例するほぼ一定の電圧Vrefがもたらされる。
【0049】
VrefはADC404にも供給されて、(例えば、ミリボルト/カウント単位で)より高い解像度のセンサ出力信号読み出しが可能となる。ADCカウントは、正のVrefから負のVrefを引いてADCレンジで除したものに(mV単位で)等しい。図4Aの例において、正のVrefはフィルタリングされたPWM信号であり、負のVrefはグラウンドであり、ADCレンジは1024カウント(10ビット解像度)である。Vref=Vdd=3.3Vの場合は(3.3V−0V)/1024カウント=3.22mV/カウントとなり、これに対して、Vref=Vdd/2=1.65Vの場合は(1.65V−0V)/1024カウント=1.61mV/カウントとなる。反転増幅器の構成上、増幅器の出力は、Vrefを決して上回らず、それを下回るのみである。これにより、Vrefからグラウンドまでの電圧範囲を、ADCへの入力がVrefを上回ることなく、ADCの動作範囲を超えて拡大することが可能となる。このように、ADC入力範囲を制限して増幅器の出力範囲に合わせることにより、mV/カウント単位のADCステップサイズが減少し得る。
【0050】
パーカッションデバイスのセンサアレイの動作については、図4Bの簡略回路図を参照して理解され得る。ここでは(Vin−Vref)に等しいプログラム可能電圧が(例えば、プロセッサ406により)ピエゾ抵抗生地センサf全体に加えられる。生地センサを流れる電流は(例えば、ADC404により)デジタル値に変換され、プロセッサにより取得される。ある特定の実装によれば、プロセッサは4つの異なる導電配線を交互に駆動し、6つの異なるアナログチャネルをサンプリングし、それにより、24のセンサ領域またはセンサ位置をアドレス指定する。打楽器奏者の入力に関する情報を取得し、それをUSB出力を通して標準MIDIへ変換するために、これらのセンサ位置はそれぞれ、1秒あたり1000回以上にわたってサンプリングされる。
【0051】
当然のことながら、本開示により可能となるアレイ状センサの応答は互いに相対的な変動を示してよい。幾つかの実装によれば、較正されたセンサデータが(例えば、プロセッサ406のメモリ407に)記憶されてよく、このセンサデータはセンサの各々の応答を表す。係るデータは、センサ出力が処理される方法で一貫性を確保するために使用されてよく、および/または加えられる力を表すために使用されてよい。較正中、(例えば、ADC404により取得されるような)各センサの出力は、入力された既知の力の範囲に関して測定される。このようにして、センサ毎に1セットのデータ点が(例えば、メモリ407のテーブルにおいて)取得され、ADC値と対応する力(例えば、グラムまたはキログラム単位の重量)とを関連付ける。センサ毎のデータセットは、可能性のある全てのADC出力値について力値(またはオフセット値)を取得してよい。代替的に、より少ないデータ点が取得されてもよく、センサ回路は、データセットで表されないADC出力に関する力値を導出するために、補間法を使用してもよい。
【0052】
幾つかの実装によれば、浮遊磁場が性能に影響を及ぼすのを防ぐために、電磁波干渉(EMI)からの遮蔽が行われる。係る浮遊磁場は、例えば、送電網60サイクルハム、近隣無線デバイス、ユーザの手とプリント配線との静電容量結合などに起因することもある。EMI遮蔽は多数の方法で提供され得る。例えばセンサ配線がピエゾ抵抗生地に形成されるような実装では、ピエゾ抵抗生地よりも上および/または下にあるPETシートに導電塗料(例えば、ニッケル塗料)が提供され得る。遮蔽は、上述の拡散層(例えば、生地から見て拡散体の他方の側の導電塗料)と併用されてよい。
【0053】
センサ配線が誘電体基板に形成されるある特定の実装によれば、センサ配線から見て誘電体基板の反対側に導電メッシュが提供される。図5の例に示すように、網目状の導電メッシュ502がスクリーンプリントされるか、さもなければ、誘電体基板202の上面に設置されてよい。網目状のメッシュは、例えば、導電ビア(図示せず)を用いて、PCB210上の接地パッド、および/または、誘電体基板202の他方の側にある接地パッドと電気的に接続されてよい。
【0054】
パーカッションデバイスの各四分円は、プロセッサにより駆動されている4つのラインのうち1つに相当する。各四分円の導電配線の構成については、図6を参照して理解され得る。分かりやすくするために、図6では誘電体基板202の配線のうちほんの幾つかを示しているに過ぎない。左上の四分円における実線の配線は全て(半径方向の配線602により)互いに電気的に接続され、プロセッサからの駆動信号により四分円を給電するための配線である。円形配線(破線)の各々は、各四分円のセンサをサンプリングするための、6つの独立したチャネルのうち1つを表す。すなわち、四分円におけるヒットイベントは、PCB上のプロセッサ(図示せず)に対するそれぞれのセンサ出力として伝送される、これらのセンス配線上の信号に表される。各円形センス配線の、ある特定の四分円と一致する部分は、その四分円において隣接する駆動配線と共にセンサを形成する。ある特定の実装によれば、四分円の係る各センサに関連付けられる位置は、センス配線の対応する部分の、アレイの中心に対して半径方向の距離である。これらの駆動配線を表す破線が連続した導体であり、破線で表したものが単に例示目的に過ぎないことに留意されたい。
【0055】
図3および図6に示すように、円形センス配線が4つの四分円全てを通じて連続している一方で、各四分円の湾曲した駆動配線は、他の四分円の駆動配線と不連続であり、四分円の縁部で終端する。これは、拡大図で示すように、センス配線(例えば、センス配線606)が四分円の各々における半径方向の配線と交差するのを可能とする、半径方向の配線602の表面に絶縁体604を使用することにより可能となる。絶縁体604は、半径方向の配線602をピエゾ抵抗基板からも絶縁する。同様の絶縁体が他の半径方向の駆動配線(図示せず)、および、センサ出力を受信するための半径方向のセンス配線と併せて使用される。
【0056】
プロセッサは、駆動配線を順次駆動し、センス配線を順次サンプリングすることで、ヒットイベントのデータセットを生成する。このデータセットの生成は繰り返し行われる。示されている実装において、ヒットイベントのデータセットは、駆動配線とセンス配線との24個の組み合わせ各々に関する値を含む。当然のことながら、異なる実装では、データセットを生成するために使用されるシーケンスが変化してよい。例えば、シーケンスはセンス配線または駆動配線により編成され得る。これも当然のことながら、デバイスの中心または縁部からの半径方向の距離について言うと、順次駆動および順次サンプリングすることにより、四分円におけるヒットイベントの位置を検出することが可能となる。
【0057】
ある特定の部類の実装によれば、ADC読み出しを(例えば、メモリ407に)記憶された、対応するセンサのオフセット値と比べることによりヒット検出が行われる。上述のように、このオフセットは、ピエゾ抵抗材料における抵抗の変化によりセンサ毎に異なる。オフセットの大きさには、無限インパルス応答(IIR)フィルタを用いて達する。新たな読み出しが、フィードフォワード係数を乗じた現在のオフセットに加えられ、次にこの合計が、フィードフォワード係数に1を足したものと等しい、フィードバック係数で除される。この計算については以下に示す。
【数1】
ここで、offsetは予め計算されたオフセットであり、rawは最新のADC読み出しであり、aはフィードバック係数であり、bはフィードフォワード係数であり、offsetは結果として得られる新たに計算されたオフセットである。例えば、環境効果によるノイズまたは材料の抵抗の変化を算定するために、センサ毎のオフセットが繰り返し再計算され、(例えば、メモリ407に)記憶される。ヒットが記録されない場合は、再計算されたこのオフセットが保存される。
【0058】
ある特定の実装によれば、ヒット検出にはヒステリシス方式が実装される。なぜなら、単に高いADC読み出しを報告するだけでは、個々のノイズスパイクに起因する誤動作をもたらすことがあるからである。この方式では2つの閾値を採用する。そのうち1つは振幅の閾値、1つは継続時間の閾値である。振幅閾値は、オフセット値とその閾値とを足したものに等しいか、またはそれよりも大きい、センサのADC読み出しを必要とする。ADC読み出しの大きさが十分に大きい場合は、ピークが構成され、隣接ピークの数を記録するカウンタがインクリメントされる。継続時間の閾値は、その閾値に等しいか、またはそれよりも多い隣接ピークの数を必要とする。続けて出現するピークの数が十分に多い場合は、このイベントの報告に備えて、ヒットが登録され、プロセッサが内部フラグをセットする。ヒット検出方式に関するある特定の実装の動作については、図7のサンプル波形と(ある特定の四分円に関する「ヒット検出」アルゴリズムを表す)図8のフローチャートとを参照して理解され得る。
【0059】
全てのセンサが起動時に「アイドル」状態(802)へ初期化される。センサのADC読み出し702がオンの振幅閾値704を上回ってピークに達する(804)と、例えば、ピーク状態706で表すように、そのセンサのカウンタがインクリメントされる(806)。オンの振幅閾値を上回るこの連続的なサンプルのカウントがオンの長さ閾値を満たす(808)場合は、例えば、ピーク710と同様に、センサの状態708が状態マシンの「ヒット」状態(810)、例えば、712へと進む。このセンサは、後で「ヒットプロセス」機能に使用できるよう、ブール値のフラグを用いてヒットとマークされる。サンプルカウントがオンの長さ閾値を満たさない場合は、例えば、ピーク714と同様に、センサの状態が「アイドル」のままである。
【0060】
「ヒット」状態(812)にあるセンサが、例えば、716において、オフの振幅閾値を下回る(814)場合は、別のカウンタがインクリメントする(816)。オフの振幅閾値を下回るこの連続的なサンプルのカウントがオフの長さ閾値を満たす(818)場合は、センサが状態マシンの「アイドル」状態(820)に戻る。このイベントでセンサヒットフラグはクリアされる。
【0061】
半径補間のための四分円の重心の計算は「ヒット検出」機能において行われる。センサがヒットされている(830)場合は、その振幅が(四分円のアクティブなセンサの中で最も大きければ)保持され(832)、その圧力を乗じたその半径がアキュムレータに加算され(834)、アキュムレータは、四分円内のアクティブなセンサ全てについてこれらの積を含有する。全ての項が累積された後、積の合計が圧力の合計で除されて補間された半径を返し(836)、四分円がヒットを登録したものとしてマークされる(838)。四分円における最大圧力(すなわち、最大振幅)は、四分円の圧力として記憶される(840)。
【0062】
ある特定の実装によれば、ヒットの補間された位置は、ヒットが報告される、対象の四分円における全てのヒットセンサの速度から計算される。3つのセンサ(a、bおよびc)が四分円におけるヒットを登録するような例では、以下の加重平均方程式を用いてヒットの補間された位置が計算されてよい。
【数2】
ここで、radiusは、センサとセンサアレイの中心との間の距離(すなわち、アレイの中心から、ヒットが関連している特定の円形センス線までの半径方向の距離)を指し、velocityは、オフセットを上回る、ヒットのADC読み出しの大きさを指し、a、bおよびcは、位置の計算に使用されるヒットが報告されたセンサを指し、xは補間された位置を指す。幾つかの実装によれば、衝撃速度は、速度の中で最大のものと考えられる。他の実装によれば、衝撃速度は、単に速度の平均により計算されてよい。
【0063】
図9の(ある特定の四分円に関する「ヒットプロセス」アルゴリズムを表す)フローチャートは、「ヒット検出」機能において計算される四分円の圧力値および半径値を用いたMIDIメッセージを介するモドライン(modline)出力を示す。「モドライン」は、センサ出力を所望の動作に変換する、(例えば、デバイス構成ユーザインタフェースにおいて)ユーザにより指定される1セットのパラメータである。例えば、モドラインが入力を選択し、その入力に対して利得(例えば、乗算)およびオフセット(例えば、加算または減算)のような変換を加え、その変換された値を指定されたメッセージ形式(例えば、「MIDIノートオン」または「MIDIピッチベンド」)で出力してよい。モドラインは、最小および最大の範囲制限を課すだけでなく、応答の形状を変える変換(例えば、線形、対数、指数)を加えてもよい。例えば、ユーザは、マイナス50%のオフセットを指定することにより、センサの範囲がわずか50%となって初めて、センサへの圧力が登録され始めるように指定することができる。次に2xの利得係数を指定することにより、センサの有効範囲は、例えば、より望ましいジェスチャ応答へとシフトする。
【0064】
ここで図9を参照すると、全ての四分円が「アイドル」状態(902)に初期化されている。四分円がフラグによりヒットと指定される(904)場合は、現在の圧力値および半径値をそれぞれ初期圧力値および初期半径値に保持した(906)まま、「ヒット_スタート」状態(908)へと進む。四分円がヒットされていない場合は、「アイドル」状態のままである。
【0065】
「ヒット_スタート」状態(910)において、四分円が依然としてヒットされており(911)、現在の圧力値が以前の初期圧力値よりも大きい(912)場合は、新たな圧力値および半径値が初期値として保持される(914)。現在の圧力が以前の初期値よりも小さいか、またはこれに等しい場合は、四分円が初期圧力値および半径値を用いて全てのアクティブなモドラインを送出し(918)、「ヒット_ストリーム」状態(916)へと進む。
【0066】
「ヒット_ストリーム」状態(920)において、四分円が依然としてヒットされている(922)場合は、連続出力にセットされた全てのモドラインが現在の圧力値および半径値を用いて送出される(924)。
【0067】
四分円が「ヒット_スタート」状態または「ヒット_ストリーム」状態にあるときにもはやヒットされていない場合は、「アイドル」状態に戻る。MIDIメッセージを介するモドライン出力が行われる「ヒット_ストリーム」状態から戻る場合は、予めオンにしておいた任意のノートのためにノートオフメッセージが送信される(926)。
【0068】
当業者であれば、本明細書に記載の実装の形態および詳細の変更が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解するであろう。更には、様々な実装を参照して様々な利点、態様および目的について説明してきたが、本開示の範囲は、係る利点、態様および目的を参照することにより限定されるべきではない。本開示の範囲はむしろ、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9