特許第6763180号(P6763180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6763180
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20200917BHJP
   H01S 5/022 20060101ALI20200917BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20200917BHJP
   A61B 1/07 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   G02B6/42
   H01S5/022
   G02B23/26 B
   A61B1/07 730
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-74342(P2016-74342)
(22)【出願日】2016年4月1日
(65)【公開番号】特開2017-187543(P2017-187543A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2019年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長野 仁
【審査官】 山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−244291(JP,A)
【文献】 特開昭58−217905(JP,A)
【文献】 特開2015−052626(JP,A)
【文献】 特開2006−091257(JP,A)
【文献】 特開2005−038831(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0146569(US,A1)
【文献】 特開2007−094213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/42,23/26
H01S 5/022
A61B 1/06
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する複数の光源と、
前記光源から出射された光が入射され、該光を、断面が円形状である導光体の入射面に向けて出射する光学系と、を備え、
前記光学系の光軸が前記入射面と交差する位置は、前記入射面の中心から離れた位置であり、
前記複数の光源の少なくとも一つから出射された光の光軸は、前記導光体の内部で、前記導光体の光軸と交差する、光源装置であって
前記光学系は、入射された光を前記入射面に向けて出射する少なくとも一つのレンズであって、
前記レンズの光軸が前記入射面と交差する位置は、前記入射面の中心から離れた位置である、光源装置。
【請求項2】
前記レンズは、入射された光を前記入射面に向けて集束させて出射する集束レンズであって、
前記集束レンズの焦点の位置は、前記導光体の光軸から前記導光体の径方向に離れた位置である、請求項に記載の光源装置。
【請求項3】
光を出射する複数の光源と、
前記光源から出射された光が入射され、該光を、断面が円形状である導光体の入射面に向けて出射する光学系と、を備え、
前記光学系の光軸が前記入射面と交差する位置は、前記入射面の中心から離れた位置であり、
前記複数の光源の少なくとも一つから出射された光の光軸は、前記導光体の内部で、前記導光体の光軸と交差する、光源装置であって
前記光学系は、側面で光の反射を繰り返して光を光軸方向に伝搬させる少なくとも一つの伝搬光学系であって、
前記伝搬光学系の断面は、非円形状に形成され、
前記伝搬光学系の光軸が前記入射面と交差する位置は、前記入射面の中心から離れた位置である、光源装置。
【請求項4】
光を出射する複数の光源と、
前記光源から出射された光が入射され、該光を、断面が円形状である導光体の入射面に向けて出射する光学系と、を備え、
前記光学系の光軸が前記入射面と交差する位置は、前記入射面の中心から離れた位置であり、
前記複数の光源の少なくとも一つから出射された光の光軸は、前記導光体の内部で、前記導光体の光軸と交差する、光源装置であって
前記光学系は、側面で光の反射を繰り返して光を光軸方向に伝搬させる一つの伝搬光学系であって、
前記伝搬光学系の光軸が前記入射面と交差する位置は、前記入射面の中心から離れた位置であり、
前記伝搬光学系の断面は、前記伝搬光学系から出射された光が前記入射面に入射する際のビーム形状が、前記入射面の中心から離れるほど大きくなるように、形成される、光源装置。
【請求項5】
前記伝搬光学系の断面は、前記伝搬光学系から出射された光が前記入射面に入射する際のビーム形状が、前記入射面の中心から離れるほど大きくなるように、形成される、請求項3に記載の光源装置。
【請求項6】
前記伝搬光学系の断面は、扇形状に形成される、請求項4又は5に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を出射する光源と、光源が出射した光が入射され、該光を、断面が円形状である導光体の入射面に向けて出射する光学系を備える光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源装置として、光を出射する光源と、光源が出射した光が入射され、該光を、光ファイバの入射面に向けて集束させて出射する集束レンズとを備える光源装置が、知られている(例えば、特許文献1)。なお、光ファイバの断面は、一般的に、円形状に形成されている。
【0003】
ところで、特許文献1に係る光源装置においては、集束レンズから出射された光の光軸が光ファイバの入射面に入射する位置は、光ファイバの入射面の中心の位置である。これにより、光ファイバに入射された光は、光ファイバの側面で反射を繰り返して、光ファイバの光軸方向に伝搬される際に、光ファイバの光軸の位置に集中して伝搬されることになる。したがって、光ファイバの出射面の光強度は、出射面の中心付近で大きくなり、全体的には不均一となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−080949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、断面が円形状である導光体の出射面において、光強度が全体的に均一となる光源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
光源装置は、光を出射する光源と、前記光源から出射された光が入射され、該光を、断面が円形状である導光体の入射面に向けて出射する光学系と、を備え、前記光学系の光軸が前記入射面と交差する位置は、前記入射面の中心から離れた位置である。
【0007】
また、光源装置においては、前記光学系は、入射された光を前記入射面に向けて出射する少なくとも一つのレンズであって、前記レンズの光軸が前記入射面と交差する位置は、前記入射面の中心から離れた位置である、という構成でもよい。
【0008】
また、光源装置においては、前記レンズは、入射された光を前記入射面に向けて集束させて出射する集束レンズであって、前記集束レンズの焦点の位置は、前記導光体の光軸から前記導光体の径方向に離れた位置である、という構成でもよい。
【0009】
また、光源装置においては、前記光源は、複数備えられ、前記複数の光源の少なくとも一つから出射された光の光軸は、前記導光体の内部で、前記導光体の光軸と交差する、という構成でもよい。
【0010】
また、光源装置においては、前記光学系は、側面で光の反射を繰り返して光を光軸方向に伝搬させる少なくとも一つの伝搬光学系であって、前記伝搬光学系の断面は、非円形状に形成され、前記伝搬光学系の光軸が前記入射面と交差する位置は、前記入射面の中心から離れた位置である、という構成でもよい。
【0011】
また、光源装置においては、前記光学系は、側面で光の反射を繰り返して光を光軸方向に伝搬させる一つの伝搬光学系であって、前記伝搬光学系の光軸が前記入射面と交差する位置は、前記入射面の中心から離れた位置である、という構成でもよい。
【0012】
また、光源装置においては、前記伝搬光学系の断面は、前記伝搬光学系から出射された光が前記入射面に入射する際のビーム形状が、前記入射面の中心から離れるほど大きくなるように、形成される、という構成でもよい。
【0013】
また、光源装置においては、前記伝搬光学系の断面は、扇形状に形成される、という構成でもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上の如く、光源装置は、断面が円形状である導光体の出射面において、光強度が全体的に均一となる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態に係る光源装置の全体概要図である。
図2】同実施形態に係るレンズの入射面側の図であって、光の入射位置を示す図である。
図3】同実施形態に係る導光体の入射面側の図であって、光の入射位置及び光の進行方向を示す図である。
図4】比較例に係る導光体の入射面側の図であって、光が導光体の内部を伝搬される状態を示す図である。
図5図3に係る導光体の入射面側の図であって、光が導光体の内部を伝搬される状態を示す図である。
図6】光源装置の作用効果を検証する装置の全体概要図である。
図7】比較例に係る導光体の入射面側の図であって、光の入射位置及び光の進行方向を示す図である。
図8】同比較例に係る導光体の入射面における位置と光強度との関係を示すグラフである。
図9】同比較例に係る導光体の出射面側の図であって、光が導光体の内部を伝搬される状態を示す図である。
図10】同比較例に係る導光体の出射面における位置と光強度との関係を示すグラフである。
図11】実施例に係る導光体の出射面側の図であって、光が導光体の内部を伝搬される状態を示す図である。
図12】同実施例に係る導光体の出射面における位置と光強度との関係を示すグラフである。
図13】別の実施例に係る導光体の出射側の図であって、光が導光体の内部を伝搬される状態を示す図である。
図14】同実施例に係る導光体の出射面における位置と光強度との関係を示すグラフである。
図15】他の実施形態に係る光源装置の要部概要図である。
図16図15のXVI−XVI線の拡大断面図である。
図17図16の変形例を示す拡大断面図である。
図18】さらに他の実施形態に係る光源装置の要部概要図である。
図19図18のXIX−XIX線の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、光源装置における第1の実施形態について、図1図14を参酌して説明する。なお、各図(図15図19も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る光源装置1は、光を出射する複数の光源部2と、光源部2から出射された光が入射される光学系3とを備えている。そして、光源装置1は、光学系3から出射された光が入射される導光体4と、導光体4から出射された光が入射される結像部5とを備えている。
【0018】
光源装置1は、光源部2及び光学系3を収容する第1筐体6と、結像部5を収容する第2筐体7とを備えている。なお、光源装置1は、光源部2から出射された光が光学系3に入射するように、光の進行方向を変更させる第1進路変更部8と、光学系3から出射された光が導光体4に入射するように、光の進行方向を変更させる第2進路変更部9とを備えている。
【0019】
なお、図1図2以降も同様)において、第1方向D1は、所定の方向(図1図5においては、光源部2から出射された光が光学系3に入射される際に進行している方向)である。また、第2方向D2は、第1方向D1と直交する方向であり、第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2とそれぞれ直交する方向である。
【0020】
導光体4の断面は、円形状に形成されている。導光体4は、長尺に形成されている。そして、導光体4は、第1の端面である入射面41から入射された光を、側面43で反射を繰り返すことで光軸方向に伝搬させ、第2の端面である出射面42から出射させる。
【0021】
入射面41及び出射面42のそれぞれは、平面状に形成され、導光体4の光軸方向と直交するように配置されている。本実施形態においては、導光体4は、可撓性を有する光ファイバである。なお、例えば、導光体4は、剛性を有する(即ち、可撓性を有さない)ロッドでもよい。
【0022】
結像部5は、被写体100に向けて、光を出射している。具体的には、結像部5は、導光体4の出射面42の像を、被写体100に結像している。したがって、導光体4の出射面42の光強度が均一化されていれば、被写体100を照射する領域の光強度は、均一になる。
【0023】
第1筐体6は、導光体4の入射面41側を接続する第1接続部61を備えている。導光体4が、第1接続部61に接続されることにより、導光体4の入射面41は、光学系3に対して位置決めされる。そして、導光体4は、第1接続部61に着脱可能に構成されている。なお、導光体4は、第1接続部61に着脱不能に固定されている、という構成でもよい。
【0024】
第2筐体7は、導光体4の出射面42側を接続する第2接続部71を備えている。導光体4は、第2接続部71に接続されることにより、導光体4の出射面42は、結像部5に対して位置決めされる。そして、導光体4は、第2接続部71に着脱可能に構成されている。なお、導光体4は、第2接続部71に着脱不能に固定されている、という構成でもよい。
【0025】
光源部2は、光を出射する光源21と、光源21から出射される光を平行光にするコリメートレンズ22とを備えている。本実施形態においては、光源21は、発光部を1つ有する半導体レーザとしている。また、本実施形態においては、光源部2は、4つ備えられているが、その数量は、限定されない。
【0026】
光学系3は、入射された光を導光体4の入射面41に向けて出射するレンズ31としている。本実施形態においては、光学系3は、レンズ31を1つ備えている。なお、光学系3は、レンズ31を複数備えている、という構成でもよい。そして、光源21から出射された光は、第1進路変更部8で進行方向を変更された後に、レンズ31の入射面31aに入射されている。
【0027】
なお、第1進路変更部8は、光源21から出射された光を反射することで、当該光(及びその光軸X21〜X24)の進行方向を変更させている。本実施形態においては、第1進路変更部8は、反射部材(例えば、ミラー)である。
【0028】
レンズ31の光軸方向(第1方向D1)の寸法は、レンズ31の当該光軸方向と直交する方向(例えば、第2方向D2や第3方向D3)の寸法よりも、小さくなっている。具体的には、レンズ31は、複数の光源21から出射された光が入射される集束レンズ31としている。そして、集束レンズ31は、入射された光を、導光体4の入射面41に向けて集束させて出射している。
【0029】
集束レンズ31から出射された光は、第2進路変更部9で進行方向を変更された後に、導光体4の入射面41に入射されている。なお、第2進路変更部9は、光源21から出射された光を反射することで、当該光(及びその光軸X21〜X24)の進行方向を変更させている。これにより、集束レンズ31の光軸X3の方向も、第2進路変更部9により、変更されている。本実施形態においては、第2進路変更部9は、反射部材(例えば、ミラー)である。
【0030】
図1図3以降も同様)においては、1点鎖線は、光源21から出射された光の光軸X21〜X24と、導光体4の光軸X4とを示しており、太線は、光学系3(本実施形態では、集束レンズ31)の光軸X3を示している。なお、図1においては、光軸X23,X24は、集束レンズ31の光軸X3と重なるため、一部のみ図示している。
【0031】
ところで、図2に示すように、光源21から出射された光は、第1進路変更部8を経由して、集束レンズ31の入射面31aに入射されている。なお、図2図3以降も同様)において、光軸X21〜X24を囲う丸は、入射面31aにおける光のビーム形状を示している。
【0032】
なお、第1及び第2の光源21から出射された第1及び第2の光における、光軸X21,X22は、集束レンズ31の光軸X3から第3方向D3に離れた位置で、集束レンズ31の入射面31aに入射している。また、第3及び第4の光源21から出射された第3及び第4の光における、光軸X23,X24は、集束レンズ31の光軸X3から第2方向D2に離れた位置で、集束レンズ31の入射面31aに入射している
【0033】
そして、図3に示すように、光学系3(即ち、集束レンズ31)の光軸X3が導光体4の入射面41と交差する位置(以下、単に「交差位置」という)P3は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置である。具体的には、交差位置P3は、導光体4の入射面41の中心P41から第1方向D1に離れた位置である。
【0034】
また、集束レンズ31の焦点の位置は、導光体4の光軸X4から導光体4の径方向(具体的には、第1方向D1)に離れた位置である。しかも、集束レンズ31の焦点の位置は、導光体4の入射面41上の位置である。即ち、集束レンズ31の焦点の位置は、交差位置P3と一致している。これにより、光源21から出射された光の光軸X21〜X24は、交差位置P3で、導光体4の入射面41に入射される。
【0035】
したがって、第1の光の光軸X21は、導光体4の入射面41に入射した後、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、導光体4の側面43で反射されるまで、第1方向D1の反矢印方向に進行する。同様に、導光体4の入射面41に入射した後、導光体4の側面43で反射されるまで、第2の光の光軸X22は、第1方向D1の矢印方向に進行し、第3の光の光軸X23は、第2方向D2の反矢印方向に進行し、そして、第4の光の光軸X24は、第2方向D2の矢印方向に進行する。
【0036】
本実施形態に係る光源装置1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る光源装置1の作用について、説明する。
【0037】
まず、比較例の光源装置1として、交差位置P3が、導光体4の入射面41の中心P41である構成について、図4を参酌して説明する。
【0038】
第1の光の光軸X21は、導光体4の入射面41に入射した後、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、導光体4の側面43で反射されるまで、第1方向D1の反矢印方向に進行する。そして、第1の光の光軸X21は、導光体4の側面43で、第1方向D1の矢印方向、即ち、導光体4の光軸X4に向けて反射される。なお、第2の光の光軸X22は、第1の光の光軸X21と対称となるため、図示していない。
【0039】
第3の光の光軸X23は、導光体4の入射面41に入射した後、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、導光体4の側面43で反射されるまで、第2方向D2の反矢印方向に進行する。そして、第3の光の光軸X23は、導光体4の側面43で、第2方向D2の矢印方向、即ち、導光体4の光軸X4に向けて反射される。なお、第4の光の光軸X24は、第3の光の光軸X23と対称となるため、図示していない。
【0040】
このように、光は、導光体4の入射面41にどの方向から入射されても、導光体4の光軸X4の位置に集中して伝搬されることになる。したがって、交差位置P3が、導光体4の入射面41の中心P41である構成では、導光体4の出射面42の光強度は、出射面42の中心付近で大きくなり、全体的には不均一となる。
【0041】
次に、本実施形態の光源装置1について説明する。具体的には、交差位置P3が、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置である構成について、図5を参酌して説明する。
【0042】
第1の光の光軸X21は、導光体4の入射面41に入射した後、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、導光体4の側面43で反射されるまで、第1方向D1の反矢印方向に進行する。そして、第1の光の光軸X21は、導光体4の側面43で、第1方向D1の矢印方向、即ち、導光体4の光軸X4に向けて反射される。なお、第2の光の光軸X22は、第1の光の光軸X21と対称となるため、図示していない。
【0043】
第3の光の光軸X23は、導光体4の入射面41に入射した後、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、導光体4の側面43で反射されるまで、第2方向D2の反矢印方向に進行する。そして、第3の光の光軸X23は、導光体4の側面43で、第1方向D1の反矢印方向及び第2方向D2の矢印方向の間の方向に向けて反射される。
【0044】
その後、第3の光の光軸X23は、導光体4の側面43で反射を繰り返すことで、導光体4の光軸X4回りを進行する。なお、第4の光の光軸X24は、第3の光の光軸X23と対称となるため、図示していない。
【0045】
このように、光は、導光体4の光軸X4の位置に集中して伝搬されることなく、分散して伝搬されることになる。したがって、交差位置P3が、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置である構成では、導光体4の出射面42の光強度は、全体的に均一となる。
【0046】
しかも、複数の光の光軸X21〜X24のうち、一部の光軸X21,X22は、導光体4の内部で、導光体4の光軸X4と交差している。これにより、導光体4の出射面42において、出射面42の中心の光強度が小さくなり過ぎることを抑制できる。したがって、導光体4の出射面42の光強度は、全体的により均一となる。
【0047】
光源装置1の効果を具体的に示すため、光源装置1の実施例とその比較例とを、図6図14を参酌して、以下に説明する。
【0048】
図6に示すように、検証するための光源装置1は、光を出射する二つ光源部2と、光源部2が出射した光が入射される集束レンズ31と、集束レンズ31から出射された光が入射される断面が円形状の導光体(光ファイバ)4とを備えている。そして、導光体4の出射面42の光強度分布を演算することで、導光体4の出射面42における、光強度の均一度を検証した。
【0049】
光源装置1の各構成については、以下の通りである。
・各光源21から出射された光の光軸X21,X22が導光体4の入射面41に入射する入射角θ1,θ2は、それぞれ10°である。
・集束レンズ31の焦点は、交差位置P3と一致している。
・導光体4の入射面41に入射される光のビーム径は、直径0.2mmである。なお、導光体4の入射面41に入射される光は、比較例及び実施例間で、導光体4の入射面41の入射位置のみ異なる(例えば、光強度分布は、同じである)。
・導光体4の直径は、0.8mmである。
・導光体4の長さは、1.5mである。
【0050】
まず、比較例について、図7図10を参酌して、説明する。
【0051】
図7に示すように、比較例においては、交差位置P3(即ち、集束レンズ31の焦点)は、導光体4の入射面41の中心P41である。そして、導光体4の入射面41に入射した後、導光体4の側面43で反射されるまで、第1の光の光軸X21は、第1方向D1の反矢印方向に進行し、また、第2の光の光軸X22は、第1方向D1の矢印方向に進行する。
【0052】
このとき、図8に示すように、導光体4の入射面41の光強度は、交差位置P3(即ち、集束レンズ31の焦点)で極端に大きくなっている。なお、図8は、導光体4の入射面41に対して、第1方向D1の端点41a,41b同士を結ぶ直線の位置と、第2方向D2の端点41c,41d同士を結ぶ直線の位置とにおける、光強度を示している。
【0053】
図9に示すように、比較例においては、第1の光の光軸X21は、導光体4の入射面41に入射した後、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、導光体4の側面43で反射されるまで、第1方向D1の反矢印方向に進行する。そして、第1の光の光軸X21は、導光体4の側面43で、第1方向D1の矢印方向、即ち、導光体4の光軸X4に向けて反射される。
【0054】
なお、第1の光は、ある程度の面積(直径0.2mmのビーム径)を有しているため、図9図11及び図13も同様)において、実線矢印で示すように、光軸X21の方向以外の方向に進行する光(光軸X21の方向よりも小さい強度の光)も有する。そして、これらの光も、導光体4の側面43で反射された後、導光体4の光軸X4に向けて反射される。なお、第2の光の光軸X22は、第1の光の光軸X21と対称となるため、図示していない。
【0055】
このように、光は、導光体4の光軸X4の位置に集中して伝搬されることになる。これにより、図10に示すように、導光体4の出射面42の光強度は、出射面42の中心P42付近で大きくなる。したがって、比較例においては、導光体4の出射面42の光強度は、不均一である。なお、図10図12及び図14も同様)は、導光体4の出射面42に対して、第1方向D1の端点42a,42b同士を結ぶ直線の位置と、第2方向D2の端点42c,42d同士を結ぶ直線の位置とにおける、光強度を示している。
【0056】
次に、実施例1について、図11及び図12を参酌して、説明する。
【0057】
実施例1においては、交差位置P3は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置である。具体的には、交差位置P3は、導光体4の入射面41の中心P41から、第2方向D2に離れた位置である。
【0058】
実施例1においては、第1の光の光軸X21は、導光体4の入射面41に入射した後、図11に示すように、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、導光体4の側面43で反射されるまで、第1方向D1の反矢印方向に進行する。そして、第1の光の光軸X21は、導光体4の側面43で、第1方向D1の矢印方向及び第2方向D2の反矢印方向の間の方向に向けて反射される。
【0059】
その後、第1の光の光軸X21は、導光体4の側面43で反射を繰り返すことで、導光体4の光軸X4回りを進行する。なお、第2の光の光軸X22は、第1の光の光軸X21と対称となるため、図示していない。
【0060】
このように、光は、導光体4の光軸X4の位置に集中して伝搬されることなく、分散して伝搬されることになる。これにより、実施例1においては、図12に示すように、導光体4の出射面42の光強度は、全体的に均一となっている。
【0061】
次に、実施例2について、図13及び図14を参酌して、説明する。
【0062】
実施例2においては、交差位置P3は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置である。具体的には、交差位置P3は、導光体4の入射面41の中心P41から、第1方向D1に離れた位置である。なお、第1方向D1は、光源21が並列されている方向である。
【0063】
実施例2においては、第1の光の光軸X21は、導光体4の入射面41に入射した後、図13に示すように、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、導光体4の側面43で反射されるまで、第1方向D1の反矢印方向に進行する。そして、第1の光の光軸X21は、導光体4の側面43で、第1方向D1の矢印方向、即ち、導光体4の光軸X4に向けて反射される。
【0064】
また、第1の光のうち、光軸X21の方向以外の方向に進行する光は、導光体4の側面43で反射を繰り返すことで、導光体4の光軸X4回りを進行する。したがって、第1の光のうち、光軸X21方向に進行する光は、導光体4の光軸X4の位置にも伝搬される一方、光軸X21の方向以外の方向に進行する光は、分散して伝搬されている。なお、第2の光の光軸X22は、第1の光の光軸X21と対称となるため、図示していない。
【0065】
このように、光は、導光体4の光軸X4の位置に集中して伝搬されることなく、分散して伝搬されることになる。これにより、実施例2においては、図14に示すように、導光体4の出射面42の光強度は、全体的に均一となっている。
【0066】
しかも、実施例2においては、光は、導光体4の側面43で反射を繰り返して、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、光軸X21以外の方向に進行する光で、さまざまな位置に分散されつつ、光軸X21の方向に進行する光で、導光体4の光軸X4にも充分に通過するように伝搬されている。したがって、実施例2は、出射面42の中心P42の光強度が相対的に小さくなることを抑制できているため、実施例1よりも、導光体4の出射面42の光強度をさらに全体的に均一化できている。
【0067】
以上より、本実施形態に係る光源装置1は、光を出射する光源21と、前記光源21から出射された光が入射され、該光を、断面が円形状である導光体4の入射面41に向けて出射する光学系3と、を備え、前記光学系3の光軸X3が前記入射面41と交差する位置P3は、前記入射面41の中心P41から離れた位置である。
【0068】
斯かる構成によれば、光学系3は、光源21から出射された光が入射され、該光を、断面が円形状である導光体4の入射面41に向けて出射している。そして、光学系3の光軸X3が導光体4の入射面41と交差する位置P3は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置である。
【0069】
これにより、光学系3から出射された光の少なくとも一部が、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置に入射される。したがって、導光体4に入射された光は、導光体4の側面43で反射を繰り返して、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、さまざまな位置に分散されて伝搬される。その結果、導光体4の出射面42の光強度は、全体的に均一となる。
【0070】
また、本実施形態に係る光源装置1においては、前記光学系3は、入射された光を前記入射面41に向けて出射する少なくとも一つのレンズ31であって、前記レンズ31の光軸X3が前記入射面41と交差する位置P3は、前記入射面41の中心P41から離れた位置である、という構成である。
【0071】
斯かる構成によれば、レンズ31の光軸X3が導光体4の入射面41と交差する位置P3は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置である。これにより、レンズ31から出射された光の少なくとも一部は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置に入射される。
【0072】
したがって、導光体4に入射された光は、導光体4の側面43で反射を繰り返して、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、さまざまな位置に分散されて伝搬されることになる。その結果、導光体4の出射面42の光強度は、全体的に均一となる。
【0073】
また、本実施形態に係る光源装置1においては、前記レンズ31は、入射された光を前記入射面41に向けて集束させて出射する集束レンズ31であって、前記集束レンズ31の焦点の位置は、前記導光体4の光軸X4から前記導光体4の径方向に離れた位置である、という構成である。
【0074】
斯かる構成によれば、集束レンズ31の焦点の位置は、導光体4の光軸X4から導光体4の径方向に離れた位置である。これにより、集束レンズ31から出射された光の少なくとも一部は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置に入射される。したがって、導光体4に入射された光は、導光体4の側面43で反射を繰り返して、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、さまざまな位置に分散されて伝搬されることになる。その結果、導光体4の出射面42の光強度は、全体的に均一となる。
【0075】
また、本実施形態に係る光源装置1においては、前記光源21は、複数備えられ、前記複数の光源21の少なくとも一つから出射された光の光軸X21,X22は、前記導光体4の内部で、前記導光体4の光軸X4と交差する、という構成である。
【0076】
斯かる構成によれば、複数の光源21の少なくとも一つから出射された光の光軸X21,X22は、導光体4の内部で、導光体4の光軸X4と交差する。これにより、導光体4に入射された光は、導光体4の側面43で反射を繰り返して、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、さまざまな位置に分散されつつ、導光体4の光軸X4にも充分に通過するように伝搬される。したがって、出射面42の中心P42の光強度が相対的に小さくなることを抑制できるため、導光体4の出射面42の光強度は、全体的により均一となる。
【0077】
なお、光源装置1は、上記した第1実施形態に係る光源装置1の構成及び作用に限定されるものではない。例えば、上記した第1実施形態に係る光源装置1に対して、以下のような変更が行われてもよい。
【0078】
上記第1実施形態に係る光源装置1においては、レンズ31は、入射された光を導光体4の入射面41に向けて集束させて出射する集束レンズ31である、という構成である。しかしながら、光源装置は、斯かる構成に限られない。例えば、レンズ31は、コリメートレンズである、という構成でもよい。また、例えば、レンズ31は、フライアイレンズである、という構成でもよい。
【0079】
また、上記第1実施形態に係る光源装置1においては、集束レンズ31の焦点の位置は、導光体41の入射面41上に位置している、という構成である。しかしながら、光源装置は、斯かる構成に限られない。例えば、集束レンズ31の焦点の位置は、導光体41の内部に位置している、という構成でもよい。また、例えば、集束レンズ31の焦点の位置は、導光体41の外部に位置している、という構成でもよい。
【0080】
また、上記第1実施形態に係る光源装置1においては、一部の光源21から出射された光の光軸X21,X22は、導光体4の内部で、導光体4の光軸X4と交差する、という構成である。しかしながら、光源装置は、斯かる構成に限られない。例えば、全ての光源21から出射された光の光軸X21〜X24は、導光体4の内部で、導光体4の光軸X4と交差する、という構成でもよい。また、例えば、全ての光源21から出射された光の光軸X21〜X24は、導光体4の内部で、導光体4の光軸X4と交差しない、という構成でもよい。
【0081】
また、上記第1実施形態に係る光源装置1は、第2進路変更部9を備えている、という構成である。しかしながら、光源装置は、斯かる構成に限られない。例えば、光源装置は、第2進路変更部9を備えておらず、集束レンズ31の光軸X3の方向は、導光体4の入射面41まで変更されずに、導光体4の入射面41と交差位置P3で交差する、という構成でもよい。
【0082】
<第2実施形態>
次に、光源装置1における第2の実施形態について、図15及び図16を参酌して説明する。なお、図15及び図16において、図1図14の符号と同一の符号を付した部分は、第1実施形態と略同様の構成又は略同様の機能(作用)を有する要素を表し、その説明は、繰り返さない。
【0083】
図15及び図16に示すように、第2実施形態に係る光源装置1は、第1実施形態に係る光源装置1に対して、光学系3及び第1進路変更部8の構成で相違しており、また、第2進路変更部9を備えていない点でも相違している。したがって、以下、光学系3及び第1進路変更部8について、説明する。
【0084】
光学系3は、側面32aで光の反射を繰り返して光を光軸方向に伝搬させる伝搬光学系32である。本実施形態においては、光学系3は、伝搬光学系32を1つ備えている。なお、光学系3は、伝搬光学系32を複数備えていてもよい。
【0085】
伝搬光学系32は、長尺に形成されている。そして、伝搬光学系32は、第1の端面である入射面32bから入射された光を、側面32aで反射を繰り返すことで光軸方向に伝搬させ、第2の端面である出射面32cから出射させる。なお、伝搬光学系32の断面は、非円形状に形成されている。
【0086】
入射面32b及び出射面32cのそれぞれは、平面状に形成され、伝搬光学系32の光軸方向と直交するように配置されている。本実施形態においては、伝搬光学系32は、剛性を有する(即ち、可撓性を有さない)ロッドである。なお、例えば、伝搬光学系32は、可撓性を有する光ファイバでもよい。本明細書において、ロッドのうち、断面が非円形であるロッドは、ロッドインテグレータという。
【0087】
そして、伝搬光学系32の光軸X3が導光体4の入射面41と交差する位置P3は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置である。なお、非円形状の断面である伝搬光学系32の光軸X3は、伝搬光学系32の側面32aに内接する内接面の中心を通る。
【0088】
本実施形態においては、伝搬光学系32の断面は、矩形状(特に、正方形状)に形成されている。そして、伝搬光学系32の断面の角は、伝搬光学系32の光軸方向(第3方向D3)で、導光体4の入射面41の中心P41と重なっている。これにより、伝搬光学系32の断面は、伝搬光学系32から出射された光が導光体4の入射面41に入射する際のビーム形状が、導光体4の入射面41の中心P41から導光体4の径方向に離れるほど大きくなるように、形成されている。
【0089】
第1進路変更部8は、光を反射することで、光の進行方向を変更させる反射部材81と、光を透過することで、集束し且つ焦点位置に向けて光の進行方向を変更させる集光部材82とを備えている。そして、光源21から出射された光は、第1進路変更部8で進行方向を変更された後に、集束するようにして、伝搬光学系32の入射面32bに入射されている。
【0090】
以上より、本実施形態に係る光源装置1は、光を出射する光源21と、前記光源21から出射された光が入射され、該光を、断面が円形状である導光体4の入射面41に向けて出射する光学系3と、を備え、前記光学系3の光軸X3が前記入射面41と交差する位置P3は、前記入射面41の中心P41から離れた位置である。
【0091】
斯かる構成によれば、光学系3は、光源21から出射された光が入射され、該光を、断面が円形状である導光体4の入射面41に向けて出射している。そして、光学系3の光軸X3が導光体4の入射面41と交差する位置P3は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置である。
【0092】
これにより、光学系3から出射された光の少なくとも一部が、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置に入射される。したがって、導光体4に入射された光は、導光体4の側面43で反射を繰り返して、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、さまざまな位置に分散されて伝搬される。その結果、導光体4の出射面42の光強度は、全体的に均一となる。
【0093】
また、本実施形態に係る光源装置1においては、前記光学系3は、側面32aで光の反射を繰り返して光を光軸方向に伝搬させる少なくとも一つの伝搬光学系32であって、前記伝搬光学系32の断面は、非円形状に形成され、前記伝搬光学系32の光軸X3が前記入射面41と交差する位置P3は、前記入射面41の中心P41から離れた位置である、という構成である。
【0094】
斯かる構成によれば、伝搬光学系32は、側面32aで光の反射を繰り返して光を光軸方向に伝搬させている。また、伝搬光学系32の断面は、非円形状に形成されている。そして、伝搬光学系32の光軸X3が導光体4の入射面41と交差する位置P3は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置である。
【0095】
これにより、伝搬光学系32から出射された光の少なくとも一部は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置に入射される。したがって、導光体4に入射された光は、導光体4の側面43で反射を繰り返して、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、さまざまな位置に分散されて伝搬される。その結果、導光体4の出射面42の光強度は、全体的に均一となる。
【0096】
また、本実施形態に係る光源装置1においては、前記光学系3は、側面32aで光の反射を繰り返して光を光軸方向に伝搬させる一つの伝搬光学系32であって、前記伝搬光学系32の光軸X3が前記入射面41と交差する位置P3は、前記入射面41の中心P41から離れた位置である、という構成である。
【0097】
斯かる構成によれば、伝搬光学系32は、側面32aで光の反射を繰り返して光を光軸方向に伝搬させている。そして、伝搬光学系32の光軸X3が導光体4の入射面41と交差する位置P3は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置である。
【0098】
これにより、伝搬光学系32から出射された光の少なくとも一部は、導光体4の入射面41の中心P41から離れた位置に入射される。したがって、導光体4に入射された光は、導光体4の側面43で反射を繰り返して、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、さまざまな位置に分散されて伝搬される。その結果、導光体4の出射面42の光強度は、全体的に均一となる。
【0099】
また、本実施形態に係る光源装置1においては、前記伝搬光学系32の断面は、前記伝搬光学系32から出射された光が前記入射面41に入射する際のビーム形状が、前記入射面41の中心P41から離れるほど大きくなるように、形成される、という構成である。
【0100】
斯かる構成によれば、伝搬光学系32から出射された光が導光体4の入射面41に入射する際のビーム形状が、導光体4の入射面41の中心P41から離れるほど大きくなる。これにより、導光体4の入射面41に入射される光量は、入射面41の中心P41から離れるほど、大きくなる。
【0101】
したがって、導光体4に入射された光は、導光体4の側面43で反射を繰り返して、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、導光体4の径方向外側にも充分に通過するように搬送される。その結果、出射面42の径方向外側の光強度も大きくなるため、導光体4の出射面42の光強度は、全体的により均一となる。
【0102】
なお、光源装置1は、上記した第2実施形態に係る光源装置1の構成及び作用に限定されるものではない。例えば、上記した第2実施形態に係る光源装置1に対して、以下のような変更が行われてもよい。
【0103】
上記第2実施形態に係る光源装置1においては、伝搬光学系32の断面は、矩形状に形成されている、という構成である。しかしながら、光源装置は、斯かる構成に限られない。例えば、伝搬光学系32の断面は、多角形状に形成されている、という構成でもよい。また、例えば、図17に示すように、伝搬光学系32の断面は、扇形状に形成されている、という構成でもよい。
【0104】
図17に係る構成によれば、伝搬光学系32の断面は、扇形状に形成されているため、伝搬光学系32から出射された光が導光体4の入射面41に入射する際のビーム形状が、導光体4の径方向に亘って、入射面41の中心P41から離れるほど大きくなる。これにより、導光体4の入射面41に入射される光量は、導光体4の径方向に亘って、中心P41から離れるほど大きくなる。
【0105】
したがって、導光体4に入射された光は、導光体4の側面43で反射を繰り返して、導光体4の光軸方向に伝搬される際に、導光体4の径方向外側にも充分に通過するように伝搬される。その結果、出射面42の径方向外側の光強度も大きくなるため、導光体4の出射面42の光強度は、全体的により均一となる。
【0106】
また、例えば、図18及び図19に示すように、伝搬光学系32の断面は、円形状に形成されている、という構成でもよい。図18及び図19に係る伝搬光学系32は、可撓性を有する光ファイバである。なお、例えば、伝搬光学系32は、剛性を有する(即ち、可撓性を有さない)ロッドでもよい。
【0107】
図18及び図19に係る伝搬光学系32の直径は、導光体4の半径よりも大きくなっている。なお、伝搬光学系32の直径は、導光体4の半径よりも小さい、という構成でもよい。また、光学系3は、断面が円形状に形成される伝搬光学系32を複数備えることはない。但し、光学系3は、断面が円形状に形成される伝搬光学系32とは別に、断面が非円形状に形成される伝搬光学系32を備えている、という構成でもよい。
【0108】
なお、光源装置は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、光源装置は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記した複数の実施形態の各構成や各方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る各構成や各方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0109】
上記第1及び第2実施形態に係る光源装置1においては、光源21は、発光部を1つ有する半導体レーザである、という構成である。しかしながら、光源装置は、斯かる構成に限られない。例えば、光源装置においては、光源21は、LEDである、という構成でもよく、また、ランプである、という構成でもよい。また、光源部2は、所定方向に沿って並列される複数の光源(発光部)21を有する半導体レーザ(所謂、アレイタイプの半導体レーザ)を備える、という構成でもよい。
【0110】
また、上記第1及び第2実施形態に係る光源装置1は、第1進路変更部8を備えている、という構成である。しかしながら、光源装置は、斯かる構成に限られない。例えば、光源装置は、第1進路変更部8を備えておらず、光源21から出射された光の進行方向は、光学系3まで変更されずに、光学系3に入射される、という構成でもよい。
【0111】
また、上記第1及び第2実施形態に係る光源装置1は、結像部5を備えている、という構成である。しかしながら、光源装置は、斯かる構成に限られない。例えば、光源装置は、結像部5を備えていない、という構成でもよい。例えば、被写体100が導光体4の出射面42の近くに位置している場合には、光源装置は、結像部5を備えていなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0112】
光源装置1は、被写体100に照射する領域の光強度が均一であるため、例えば、被写体100を照らす照明装置(例えば、内視鏡用照明装置)や、被写体100を加工する加工装置(例えば、溶融加工装置)に採用できる。そして、照明装置として採用された光源装置1は、照度ムラを抑制することができ、また、加工装置として採用された光源装置1は、加工ムラや変質ムラを抑制することができる。
【符号の説明】
【0113】
1…光源装置、2…光源部、3…光学系、4…導光体、5…結像部、6…第1筐体、7…第2筐体、8…第1進路変更部、9…第2進路変更部、21…光源、22…コリメートレンズ、31…集束レンズ(レンズ)、31a…入射面、32…伝搬光学系、32a…側面、32b…入射面、32c…出射面、41…入射面、42…出射面、43…側面、61…第1接続部、71…第2接続部、81…反射部材、82…集光部材、100…被写体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19