特許第6763313号(P6763313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TDK株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6763313-蓄電池のヒューズ判定回路 図000002
  • 特許6763313-蓄電池のヒューズ判定回路 図000003
  • 特許6763313-蓄電池のヒューズ判定回路 図000004
  • 特許6763313-蓄電池のヒューズ判定回路 図000005
  • 特許6763313-蓄電池のヒューズ判定回路 図000006
  • 特許6763313-蓄電池のヒューズ判定回路 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6763313
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】蓄電池のヒューズ判定回路
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/18 20060101AFI20200917BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20200917BHJP
   H01H 85/46 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   H02H7/18
   H02J7/00 302C
   H02J7/00 S
   H01H85/46
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-16418(P2017-16418)
(22)【出願日】2017年2月1日
(65)【公開番号】特開2018-125969(P2018-125969A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(72)【発明者】
【氏名】山嶋 雅之
(72)【発明者】
【氏名】三野 孝之
【審査官】 辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−119249(JP,A)
【文献】 特開2016−207646(JP,A)
【文献】 特開平11−023676(JP,A)
【文献】 特開2008−076339(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/168491(WO,A1)
【文献】 特開2010−081721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 7/18
H02J 7/00
H01H 85/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器又は負荷が接続される電源配線と複数の蓄電池との間にそれぞれ接続された複数のヒューズの状態を判定するヒューズ判定回路であって、
対応する前記ヒューズを介して前記蓄電池又は前記電源配線に接続され、制御信号に応答して前記ヒューズの状態を示す検出信号を出力する複数の検知部と、
前記複数の検知部からそれぞれ出力される前記検出信号を受けるマルチプレクサと、
前記マルチプレクサの出力に基づいて前記複数のヒューズの状態を判定する判定部と、を備え
前記複数の検知部は、前記ヒューズが接続状態のときに前記制御信号に応答して活性化する第1のトランジスタと、前記ヒューズを介することなく前記電源配線に接続され、前記第1のトランジスタの出力によって制御される第2のトランジスタとをそれぞれ含むことを特徴とするヒューズ判定回路。
【請求項2】
前記制御信号は、前記複数の検知部に対して共通に供給されることを特徴とする請求項1に記載のヒューズ判定回路。
【請求項3】
前記複数のヒューズは、前記蓄電池と前記電源配線との間に直列に接続された第1及び第2のヒューズをそれぞれ含み、
前記第1のトランジスタは、前記第1及び第2のヒューズの接続点とグランドとの間に接続され、前記制御信号に応答してオンオフ制御されることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒューズ判定回路。
【請求項4】
前記複数の検知部は、前記第1のトランジスタのオン電流を前記第2のトランジスタの制御電極の電位レベルに変換する抵抗をそれぞれ含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のヒューズ判定回路。
【請求項5】
前記複数のヒューズにそれぞれ割り当てられ、ヒューズ切断信号に応答して前記ヒューズを切断する複数の切断回路をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のヒューズ判定回路。
【請求項6】
前記複数の切断回路には、前記ヒューズ切断信号が共通に供給されることを特徴とする請求項に記載のヒューズ判定回路。
【請求項7】
前記複数の切断回路には、それぞれ個別の前記ヒューズ切断信号が供給されることを特徴とする請求項に記載のヒューズ判定回路。
【請求項8】
選択信号に基づいて前記ヒューズ切断信号を前記複数の切断回路にそれぞれ分配するデマルチプレクサをさらに備えることを特徴とする請求項に記載のヒューズ判定回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒューズ判定回路に関し、特に、蓄電池に設けられたヒューズの状態を判定するヒューズ判定回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車やハイブリッド自動車などに用いられる電源として、リチウムイオン電池などの蓄電池が広く用いられている。リチウムイオン電池は、過電流又は過電圧による発火などを防止するため、過電流又は過電圧が発生した場合に切断されるヒューズを備えていることがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−109596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数のリチウムイオン電池を並列接続して使用する場合、一部のリチウムイオン電池に割り当てられたヒューズが切断されていても、この状態を外部から認識することができなかった。このため、メンテナンスに支障が生じるばかりでなく、一部のリチウムイオン電池がヒューズによって切り離された結果、全体の電池容量が減少しているにもかかわらず、外部からこれを認識できないため、想定される残容量に大きな誤差が生じるという問題もあった。
【0005】
したがって、本発明は、蓄電池に設けられたヒューズの状態を判定可能なヒューズ判定回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるヒューズ判定回路は、充電器又は負荷が接続される電源配線と複数の蓄電池との間にそれぞれ接続された複数のヒューズの状態を判定するヒューズ判定回路であって、対応する前記ヒューズを介して前記蓄電池又は前記電源配線に接続され、制御信号に応答して前記ヒューズの状態を示す検出信号を出力する複数の検知部と、前記複数の検知部からそれぞれ出力される前記検出信号を受けるマルチプレクサと、前記マルチプレクサの出力に基づいて前記複数のヒューズの状態を判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、各検知部から出力される検出信号が判定部に入力されることから、どのヒューズが切断されているのか判定することができる。しかも、複数の検出信号がマルチプレクサを介して判定部に入力されることから、判定部に供給される信号の本数を大幅に削減することが可能となる。
【0008】
本発明において、前記制御信号は前記複数の検知部に対して共通に供給されることが好ましい。これによれば、制御信号に必要な信号配線数を最小限とすることができる。
【0009】
本発明において、前記複数の検知部は、前記ヒューズが接続状態のときに前記制御信号に応答して活性化する第1のトランジスタと、前記ヒューズを介することなく前記電源配線に接続され、前記第1のトランジスタの出力によって制御される第2のトランジスタとをそれぞれ含むことが好ましい。これによれば、制御信号が非活性状態である場合には第1のトランジスタが非活性化されることから、ヒューズ判定回路による消費電力を最小限に抑えることが可能となる。
【0010】
本発明において、前記複数のヒューズは、前記蓄電池と前記電源配線との間に直列に接続された第1及び第2のヒューズをそれぞれ含み、前記第1のトランジスタは、前記第1及び第2のヒューズの接続点とグランドとの間に接続され、前記制御信号に応答してオンオフ制御されることが好ましい。このような3端子ヒューズ回路を用いれば、異常発生時に蓄電池を確実に切り離すことが可能となる。
【0011】
本発明において、前記複数の検知部は、前記第1のトランジスタのオン電流を前記第2のトランジスタの制御電極の電位レベルに変換する抵抗をそれぞれ含むことが好ましい。これによれば、簡単な回路構成によってヒューズの状態を判定することが可能となる。
【0012】
本発明によるヒューズ判定回路は、前記複数のヒューズにそれぞれ割り当てられ、ヒューズ切断信号に応答して前記ヒューズを切断する複数の切断回路をさらに備えることが好ましい。これによれば、異常発生時にヒューズを切断することが可能となる。この場合、複数の切断回路にヒューズ切断信号が共通に供給される構成であっても構わないし、複数の切断回路にそれぞれ個別のヒューズ切断信号が供給される構成であっても構わない。
【発明の効果】
【0013】
このように、本発明によれば、蓄電池に設けられたヒューズの状態を簡単な回路構成によって判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の第1の実施形態によるヒューズ判定回路を備える蓄電池システムのブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態において用いる制御回路40の構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態におけるヒューズ制御回路1〜nの回路図である。
図4図4は、本発明の第2の実施形態によるヒューズ判定回路を備える蓄電池システムのブロック図である。
図5図5は、第2の実施形態において用いる制御回路40の構成を示すブロック図である。
図6図6は、第2の実施形態におけるヒューズ制御回路1〜nの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態によるヒューズ判定回路を備える蓄電池システムのブロック図である。
【0017】
図1に示す蓄電池システムは、n個の蓄電池B1〜Bnが並列接続された構成を有している。蓄電池B1〜Bnは例えばリチウムイオン電池であり、並列接続することによって電池容量が大容量化されている。蓄電池B1〜Bnに対する充電は、充電器51によって行われる。充電器51及び蓄電池B1〜Bnは、電源配線PLを介してモータなどの負荷52に動作電圧を供給する。
【0018】
図1に示すように、蓄電池B1〜Bnの負極(−)はグランド配線GNDに共通に接続され、蓄電池B1〜Bnの正極(+)はそれぞれ3端子ヒューズ回路F1〜Fnを介して電源配線PLに共通に接続される。電源配線PLとグランド配線GNDとの間の電圧、つまり蓄電池B1〜Bnの出力電圧は、電圧監視部30によって監視されている。
【0019】
3端子ヒューズ回路とは、直列接続された2つのヒューズ及びその接続点に設けられた抵抗からなる回路であり、過電流によって自ら溶断するだけでなく、ヒータ抵抗を用いた加熱によっても溶断することができる。蓄電池B1に対応する3端子ヒューズ回路F1はヒューズFA1,FB1及び抵抗R1からなり、蓄電池B2に対応する3端子ヒューズ回路F2はヒューズFA2,FB2及び抵抗R2からなり、蓄電池Bnに対応する3端子ヒューズ回路FnはヒューズFAn,FBn及び抵抗Rnからなる。
【0020】
蓄電池B1〜Bnに割り当てられたこれらのヒューズには、それぞれ検知部11〜1n及び切断部21〜2nが接続されている。ここで、3端子ヒューズ回路F1、検知部11及び切断部21はヒューズ制御回路1を構成し、3端子ヒューズ回路F2、検知部12及び切断部22はヒューズ制御回路2を構成し、3端子ヒューズ回路Fn、検知部1n及び切断部2nはヒューズ制御回路nを構成する。
【0021】
検知部11〜1nは、それぞれ対応するヒューズの状態、つまり接続状態であるか切断状態(溶断された状態)であるかを検知する回路であり、制御回路40から供給される制御信号CTLによって活性化される。検知部11〜1nからそれぞれ出力される検出信号DET1〜DETnは、制御回路40にフィードバックされる。特に区別する必要がない場合には、検出信号DET1〜DETnを単に検出信号DETと表記することがある。
【0022】
切断部21〜2nは、それぞれ対応するヒューズを切断するための回路であり、制御回路40から供給されるヒューズ切断信号FCによって活性化される。本実施形態においては、ヒューズ切断信号FCが切断部21〜2nに対して共通に入力されており、したがってヒューズ切断信号FCが活性化すると、蓄電池B1〜Bnに割り当てられた全てのヒューズが切断される。このため、蓄電池システムに何らかの深刻な異常が生じた場合、制御回路40はヒューズ切断信号FCを活性化させることによって、全ての蓄電池B1〜Bnを電源配線PLから切り離すことができる。
【0023】
制御回路40は、電圧監視部30にも接続されている。制御回路40は、検出信号DETを用いたヒューズ判定を行うとともに、蓄電池システムの制御及び監視を行う回路であり、例えば、蓄電池B1〜Bnの全体の残容量の算出などを行う。
【0024】
図2は、制御回路40の構成を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、制御回路40は、MPU41とマルチプレクサ42を備えている。MPU41は、蓄電池システム全体の制御を行う回路であり、ヒューズ判定を行うための判定部41aを含んでいる。また、MPU41は、制御信号CTL及びヒューズ切断信号FCの生成も行う。ここで、判定部41aの機能は、ハードウェアによって実現されるものであっても構わないし、一部又は全部がソフトウェアによって実現されるものであっても構わない。
【0026】
マルチプレクサ42は、検出信号DET1〜DETnを受け、選択信号SEL1に基づき選択した検出信号DET1〜DETnのいずれかをMPU41に出力する。マルチプレクサ42から一度に出力される検出信号DET1〜DETnは、1つのみであっても構わないし、2つ以上であっても構わない。MPU41は、選択信号SEL1の値を切り替えることによって検出信号DET1〜DETnを順次選択し、これによって全ての検出信号DET1〜DETnを取り込むことができる。MPU41に取り込まれた検出信号DET1〜DETnは、判定部41aによって解析され、これにより各ヒューズの状態を判定することができる。
【0027】
このように、検出信号DET1〜DETnがMPU41に直接入力されるのではなく、マルチプレクサ42を介してMPU41に入力されることから、検出信号DET1〜DETnの信号本数(=n)が多い場合であっても、MPU41の入力端子数を増やす必要が無く、汎用のMPUを用いることが可能となる。
【0028】
図3は、ヒューズ制御回路1〜nの回路図である。
【0029】
図3に示すように、ヒューズ制御回路1〜nは互いに同じ回路構成を有しているため、代表してヒューズ制御回路1の回路構成について説明する。ヒューズ制御回路1は、3端子ヒューズ回路F1、検知部11及び切断部21からなる。
【0030】
上述の通り、3端子ヒューズ回路F1は、電源配線PLと蓄電池B1との間に直列に接続されたヒューズFA1,FB1と、ヒューズFA1,FB1の接続点に設けられた抵抗R1からなる。抵抗R1は、ヒューズFA1,FB1を溶断するための熱を発生させるヒータとしての役割も果たす。
【0031】
検知部11は、Pチャンネル型のMOSトランジスタTPと、Nチャンネル型のMOSトランジスタTN1を備えている。トランジスタTPのソースは抵抗R1を介してヒューズFA1,FB1の接続点に接続され、ドレインは抵抗R11,R12を介してグランド配線GNDに接続され、ゲート電極は抵抗R13を介して自己のソースに接続されている。また、トランジスタTPのゲート電極にはダイオードDのアノードも接続されている。ダイオードDのカソードには、制御回路40から制御信号CTLが供給される。ダイオードDのアノードとグランド配線GNDとの間には、抵抗R14が接続されている。この抵抗R14は、フローティング防止用の抵抗であり、抵抗R13と比べて十分に高抵抗である必要がある。
【0032】
かかる構成により、制御信号CTLがハイレベルである場合には、抵抗R13にほとんど電流が流れないことから、トランジスタTPのゲート−ソース間電圧がほぼゼロとなり、トランジスタTPはオフ状態となる。これに対し、制御信号CTLがローレベルに活性化すると、ヒューズFA1,FB1の状態に応じてトランジスタTPのオンオフ状態が決まる。つまり、ヒューズFA1,FB1が接続状態である場合には、抵抗R13に電流が流れることから、トランジスタTPのゲート−ソース間電圧がしきい値電圧を超え、トランジスタTPはオン状態となる。これに対し、ヒューズFA1,FB1が切断状態である場合には、抵抗R13にほとんど電流が流れないことから、トランジスタTPはオフ状態となる。
【0033】
このように、トランジスタTPは、ヒューズFA1,FB1を介して電源配線PL及び蓄電池B1に接続されていることから、制御信号CTLがローレベルに活性化すると、ヒューズFA1,FB1の状態に応じてオンオフ状態が決まることになる。
【0034】
一方、Nチャンネル型MOSトランジスタTN1のドレインは、ヒューズFA1,FB1を介することなく抵抗R15を介して電源配線PLに接続され、ソースはグランド配線GNDに接続され、ゲート電極は抵抗R11と抵抗R12の接続点に接続されている。また、トランジスタTN1のドレインからは、検出信号DET1が出力される。
【0035】
かかる構成により、トランジスタTPがオンすると、抵抗R12に流れるオン電流によって、トランジスタTN1のゲート−ソース間電圧がしきい値電圧を超え、トランジスタTN1はオン状態となる。つまり、抵抗R12は、トランジスタTN1のオン電流をゲート−ソース間電圧に変換する役割を果たす。トランジスタTN1がオンすると、検出信号DET1はグランドレベル(ローレベル)となる。これに対し、トランジスタTPがオフ状態である場合には、トランジスタTN1のゲート−ソース間電圧がゼロとなり、トランジスタTN1はオフ状態となる。トランジスタTN1がオフ状態である場合、検出信号DET1はハイレベルとなる。
【0036】
他の検知部12〜1nについても同様の回路構成を有しているため、重複する説明は省略する。また、制御信号CTLは検知部11〜1nに対して共通である。このため、制御信号CTLをローレベルに活性化させると、検知部11〜1nが同時に活性化し、蓄電池B1〜Bnにそれぞれ対応する検出信号DET1〜DETnが同時に生成される。
【0037】
このようにして生成された検出信号DET1〜DETnは、図2に示す制御回路40に供給される。そして、制御回路40に含まれるMPU41は、選択信号SEL1を用いてマルチプレクサ42を制御することにより、検出信号DET1〜DETnを順次取り込む。これにより、各ヒューズの状態を判定部41aによって判定することが可能となる。
【0038】
判定部41aによる判定結果は、MPU41による蓄電池システムの制御に利用される。例えば、いくつかのヒューズが切断されていることが分かれば、蓄電池システムの全体の電池容量が減少していることが分かるため、例えば、電圧監視部30から供給される現在の電圧レベルに基づいた残容量の計算に補正を加えることができる。その結果、ユーザが意図しない残容量の低下を回避することが可能となる。また、ヒューズ切断の有無に関する情報は、制御回路40を介して外部に出力することができ、これにより、メンテナンス性を高めることも可能となる。
【0039】
制御信号CTLの活性化は、定期的に短時間行えば足りる。制御信号CTLがハイレベルに非活性化している期間は、ヒューズの状態とは無関係に全てのトランジスタTP,TN1がオフ状態となることから、検知部11〜1nによる電力消費は生じない。したがって、本実施形態によれば、消費電力の増大を最小限に抑えつつ、任意のタイミングでヒューズの状態を判定することが可能となる。
【0040】
一方、切断部21は、抵抗R1とグランド配線GNDとの間に接続されたNチャンネル型MOSトランジスタTN2と、トランジスタTN2のゲート電極とグランド配線GNDとの間に接続された抵抗R16とを備える。そして、トランジスタTN2のゲート電極にはヒューズ切断信号FCが供給される。尚、抵抗R16は、通常時においてトランジスタTN2のゲート電極を接地するためのプルダウン抵抗であり、十分に高い抵抗値を有している。また、トランジスタTN2のトランジスタサイズは、少なくともトランジスタTPよりも大きく設計される。
【0041】
これにより、ヒューズ切断信号FCがローレベルに非活性化している場合には、トランジスタTN2はオフ状態であり、抵抗R1には電流が流れない。これに対し、ヒューズ切断信号FCがハイレベルに活性化すると、トランジスタTN2がオンすることから、抵抗R1を介してヒューズFA1,FB1に大電流が流れ、溶断される。したがって、制御回路40は、ヒューズ切断信号FCをハイレベルに活性化させることにより、全てのヒューズを切断することが可能となる。
【0042】
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態によるヒューズ判定回路を備える蓄電池システムのブロック図である。
【0043】
図4に示すように、本実施形態によるヒューズ判定回路は、ヒューズ切断信号FCが切断部21〜2nに対してそれぞれ個別に割り当てられている点において、第1の実施形態によるヒューズ判定回路と相違する。具体的には、ヒューズ切断信号FCがnビットのヒューズ切断信号FC1〜FCnによって構成され、これらがそれぞれ切断部21〜2nに供給される。その他の構成は、第1の実施形態によるヒューズ判定回路と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0044】
図5は、本実施形態において用いる制御回路40の構成を示すブロック図である。
【0045】
図5に示すように、本実施形態において用いる制御回路40は、デマルチプレクサ43が追加されている点において、図2に示した制御回路40と相違している。デマルチプレクサ43は、MPU41から出力されるヒューズ切断信号FCを受け、これを選択信号SEL2に基づいてヒューズ切断信号FC1〜FCnのいずれかとして出力する回路である。これにより、制御回路40は、任意の切断部21〜2nに対してヒューズ切断信号FC1〜FCnを供給することができる。このように、デマルチプレクサ43を用いて切断信号FC1〜FCnを各切断部21〜2nに分配すれば、MPU41の出力端子数を増やす必要が無く、汎用のMPUを用いることが可能となる。
【0046】
図6は、本実施形態におけるヒューズ制御回路1〜nの回路図である。
【0047】
図6に示すように、本実施形態においては、ヒューズ切断信号FC1〜FCnがそれぞれ切断部21〜2nに個別に供給される。これにより、制御回路40は、切断部21〜2nを用いて任意のヒューズを切断することができる。したがって、特定の蓄電池に深刻な異常が発生した場合、当該蓄電池に対応するヒューズだけを選択的に切断することにより、異常が発生していない他の蓄電池の機能を維持することができる。
【0048】
そして、本実施形態においても、制御信号CTLを活性化させることにより、検知部11〜1nから検出信号DET1〜DETnを得ることができ、これにより各ヒューズの状態を検出することができる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0050】
例えば、上記実施形態では、本発明をリチウムイオン電池に適用した場合を例に説明したが、本発明の対象がリチウムイオン電池に限定されるものではなく、他の種類の蓄電池に適用することも可能である。
【0051】
また、上記実施形態では、検知部11〜1nに対して共通の制御信号CTLを割り当てているが、検知部11〜1nごとに制御信号CTLを個別に割り当てても構わないし、複数の検知部11〜1nをいくつかのグループに分類し、グループごとに制御信号CTLを個別に割り当てても構わない。この場合、第2の実施形態と同様、デマルチプレクサを用いれば、MPU41の出力端子数の増加を最小限とすることができる。
【0052】
さらに、上記実施形態では、トランジスタTN1を電源配線PLに接続しているが、ヒューズの状態にかかわらず動作電圧が得られる限り、トランジスタTN1を電源配線PLに接続することは必須でなく、例えば、蓄電池に接続しても構わない。
【0053】
さらに、上記実施形態では、3端子ヒューズ回路を用いた場合を例に説明したが、蓄電池と充電器との間に切断可能であればこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0054】
1〜n ヒューズ制御回路
11〜1n 検知部
21〜2n 切断部
30 電圧監視部
40 制御回路
41a 判定部
42 マルチプレクサ
43 デマルチプレクサ
51 充電器
52 負荷
B1-Bn 蓄電池
D ダイオード
F1-Fn 3端子ヒューズ回路
FA1,FB1,FA2,FB2,FAn,FBn ヒューズ
GND グランド配線
PL 電源配線
R1〜Rn,R11〜R16 抵抗
TN1,TN2 Nチャンネル型MOSトランジスタ
TP Pチャンネル型MOSトランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6