(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の電子時計及び外部の電子機器からなる通信システム1の全体図である。
本通信システムでは、電子時計40(スマートフォン10に対しての外部機器)とスマートフォン10などの電子機器(電子時計40に対しての所定の外部機器)との間でブルートゥース(登録商標:Bluetooth)といった近距離無線通信を用いて一対一での通信接続がなされて情報の授受がなされる。
【0012】
図2は、本実施形態の電子時計40の機能構成を示すブロック図である。
電子時計40は、CPU41(Central Processing Unit)(制御部)と、ROM42(Read Only Memory)と、RAM43(Random Access Memory)(電圧情報記憶部)と、発振回路44と、分周回路45と、計時部46と、操作受付部47と、表示部48と、通信モジュール49(通信部)及びアンテナAN4と、UART50(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)と、照明部51及びそのドライバ52と、ブザー部53及びそのドライバ54と、電力供給部55と、バス56などを備える。
【0013】
CPU41は、種々の演算処理を行い、電子時計40の全体動作を統括制御する。CPU41は、ROM42から電子時計40の動作に係る各種プログラムを読み出して実行する。また、CPU41は、電力供給部55の電圧検出回路551から電圧の計測値が取得されると、所定の出力電圧範囲ごとに予め設定された後述のバッテリレベルデータの値(BLD値;電圧レベル)にこの計測値を変換してRAM43のバッテリ履歴情報432を更新する。なお、電圧検出回路551が計測値をBLD値に変換して出力する構成であっても良い。また、CPU41は、取得されたBLD値に応じて電子時計40の各部の動作制限などに係る制御を行う。
【0014】
ROM42には、電子時計40の動作に係る各種制御プログラム及び初期設定データが格納されている。この制御プログラムには、スマートフォン10との通信を行うための通信制御プログラム421が含まれている。
【0015】
RAM43は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供し、また、一時データや各種設定データを記憶する。RAM43が記憶する設定データには、ブルートゥースによる電子時計40との通信接続相手となる外部機器に係る情報である接続先情報431や、電力供給部55のバッテリ552からの出力電圧の電圧検出回路551による計測値に応じたBLD値の時系列データ(出力電圧に係る時系列情報)を配列保持するバッテリ履歴情報432などが含まれる。ここでは、バッテリ履歴情報432には、最大12回(複数回)の計測に係る後述の2バイトデータが最大12個の配列データとして記憶可能となっている。即ち、後述のように、8時間ごとにBLD値が取得される場合、最大4日分(最大取得可能時間)のBLD値がバッテリ履歴情報432として記憶される。また、設定データには、表示部48に表示させる日時の地方時設定、即ち、タイムゾーンや夏時間の実施有無の情報などが含まれ得る。
【0016】
発振回路44は、所定の周波数信号を生成して出力する。分周回路45は、発振回路44が出力した周波数を電子時計40で用いられる適宜な周波数の信号に分周して出力する。
計時部46は、分周回路45から入力された信号の入力を計数して当該入力回数を初期日時データに加算することにより現在の日時を計数、保持するカウンタである。計時部46は、ハードウェア構成としてのカウンタに限られず、CPU41の制御によりソフトウェア的に計数された現在の日時が記憶される構成であっても良い。
【0017】
計時部46は、所定の基準に基づきUTCなどの現在日時に換算可能な独自の計数値を計数してUTC日時や現在位置として設定されている都市における地方時に換算するものであっても良いし、或いは、UTC日時や現在位置の地方時を直接計数するものであっても良い。また、独自の計数値をカウンタなどのハードウェア構成により計数し、換算されたUTC日時や地方時の日時をRAMに記憶させることとしても良い。このRAMは、RAM43と同一であっても良いし、別個に設けられていても良い。
【0018】
操作受付部47は、外部からの入力を受け付ける機構として押しボタンスイッチやりゅうずを有し、ユーザによる入力操作に応じた電気信号を発生させて入力信号としてCPU41に出力する。操作受付部47へのユーザ操作により、例えば、外部機器との通信接続(端末探索動作に係るものを含む)を手動で行わせたり解除したりすることが可能となっている。
【0019】
表示部48は、時刻の表示やその他各種情報の表示を選択的に又は並列に行う。表示部48としては、液晶表示画面及びそのドライバが設けられて液晶表示画面にデジタル表示を行うものであっても良いし、或いは、文字盤上に回動可能に設けられた複数の指針を駆動回路からの信号に基づいてステッピングモータを回転駆動することで歯車を介して回動させ、文字盤に対する位置関係に応じた表示を行うものであっても良い。
【0020】
通信モジュール49は、アンテナAN4を介してスマートフォン10などの外部機器との間でブルートゥース通信(無線通信)を行うための制御モジュールである。CPU41から送られた送信データは、UART50でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、通信モジュール49から外部機器に送信される。また、アンテナAN4及び通信モジュール49により受信された受信データは、UART50でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、CPU41へ出力される。
【0021】
照明部51は、CPU41からの制御信号によりドライバ52から出力された駆動電圧に応じて電子時計40の文字盤を照明する。照明部51としては、例えば、LED(発光ダイオード)が用いられる。また、ブザー部53は、CPU41からの制御信号によりドライバ54から出力された駆動信号に応じてブザー音(ビープ音)を発生させる。ブザー音の発生機構としては、例えば、圧電素子と金属板を組み合わせて圧電素子に印加する電圧に応じて金属板を振動させる方式を用いることが出来る。
【0022】
電力供給部55は、電圧検出回路551(電圧計測部)とバッテリ552とを有し、CPU41などの電子時計40の各部に動作電力を供給するとともに、電圧検出回路551によりその出力電圧を計測して計測値をCPU41に出力する。バッテリ552としては、ここでは、ソーラパネル552aと二次電池552bとが用いられている。ソーラパネル552aによる発電起電力が出力電圧と比較して高い場合には、二次電池552bが充電されつつ電力が各部に供給され、発電起電力が不十分な場合には、二次電池552bからの放電により各部に電力が供給される。ソーラパネル552aによる二次電池552bへの充電状況などにより、その時々で二次電池552bから放電可能なバッテリ残量は異なるが、二次電池552bがフル充電された状況から電子時計40の動作に必要な出力電圧を維持できなくなるまでに充電を行わずに放電可能な当該二次電池552bの放電容量は、予め概ね定まっており、当該放電容量に応じた電子時計40の連続動作時間は、例えば、数ヶ月程度である。
【0023】
バス56は、CPU41と各部とを接続し、通信情報のやり取りを行う通信経路である。
【0024】
図3は、スマートフォン10の機能構成を示すブロック図である。
スマートフォン10は、CPU11(制御部)と、ROM12と、RAM13と、記憶部14と、内蔵時計15と、表示部16及びそのドライバ17と、操作受付部18と、スピーカ19と、マイク20と、コーデック21と、RF送受信回路22と、RF通信電波の送受信用のアンテナAN11と、通信回路23と、近距離通信モジュール24(通信部)と、UART25と、近距離無線通信(ブルートゥース)に係る電波送受信用のアンテナAN12と、振動モータ26及びそのドライバ27と、バス29などを備えている。
【0025】
CPU11は、各種演算処理を行い、スマートフォン10の全体動作の統括制御を行う。また、CPU11は、バッテリ管理アプリ141により、スマートフォン10と電子時計40とをブルートゥースにより通信接続させて、電子時計40のバッテリ状態の管理及び表示に係る動作を行う。
【0026】
ROM12は、CPU11が実行する種々のプログラムや初期設定データを格納する。なお、ROM12の少なくとも一部は、書き換え可能な不揮発性メモリであっても良い。
RAM13は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、作業用の一時データを記憶する揮発性メモリである。
【0027】
記憶部14は、読み取り及び上書き更新が可能な不揮発性のメモリ、例えば、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)を備える。この記憶部14に記憶されているデータには、バッテリ管理アプリ141(プログラム)、バッテリ履歴情報142、及び接続先情報143が含まれる。バッテリ管理アプリ141が読み出されてCPU11により実行された場合、CPU11は、接続先情報143で設定されている電子時計40からバッテリ履歴情報432の内容を取得してバッテリ履歴情報142を更新し、当該最新のバッテリ履歴情報142に基づいて電子時計40のバッテリ552のバッテリ残量の解析判定を行う。また、CPU11は、表示部16に電子時計40のバッテリ552の状態を含む各種表示を行わせる。
また、記憶部14には、電子時計40で設定されている時刻表示に係る情報、例えば、表示させる時刻のタイムゾーン設定及び夏時間の実施有無に係る設定といった地方時設定情報が含まれる。
バッテリ履歴情報142には、ここでは、バッテリ履歴情報432と同一の最大12個のBLD値を配列保持させることが出来るが、12個より多くのBLD値を保持してバッテリ残量の解析に用いても良い。
【0028】
内蔵時計15は、現在時刻を計数して保持するカウンタである。この現在時刻は、CPU11の動作によりソフトウェア的に計数されてRAMなどに記憶されても良い。内蔵時計15は、RTC(Real Time Clock)を有し、スマートフォン10の電源がオフされた後に再起動された場合には、このRTCから日時データが取得されて計数が再開される。スマートフォン10では、この内蔵時計15の現在時刻が読み出されて、必要に応じてタイムゾーンや夏時間の実施設定に応じて地方時を算出し、表示部16に表示されたり種々の処理に利用されたり、また、当該現在時刻と各種機能に係る設定時刻とが比較されて種々の動作が行われたりする。この内蔵時計15の現在時刻データは、RF送受信回路22による携帯電話通信の基地局との通信時に、随時当該基地局から取得される時刻データにより修正される。
【0029】
表示部16は、各種表示を行う表示画面を備える。表示画面としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)が用いられる。CPU11から送られた制御信号により動作するドライバ17(液晶ドライバ)は、当該制御信号に応じてLCDを駆動して表示画面に各種機能に係る表示を行わせる。この表示部16は、他の表示方式の表示画面、例えば、有機ELD(Electro-Luminescent Display)を備えても良く、ドライバ17は、表示画面の表示方式に応じて適宜選択される。表示部16は、更に、LEDランプなどを備えていても良い。
【0030】
操作受付部18は、タッチパネルを備え、表示部16の表示画面に重ねて設けられたタッチパネルに対するユーザのタッチ操作位置と操作内容とを検出して当該操作に応じた電気信号を発生させ、入力信号としてCPU11に出力する。操作受付部18は、更に、一又は複数の操作キーやスイッチを備え、ユーザが当該操作キーやスイッチに対して行った操作に基づく入力信号をCPU11に出力する構成であっても良い。
【0031】
スピーカ19は、コーデック21からの信号に基づいて電気信号を音声信号に変換して音声を出力する。また、マイク20は、音波を検知して電気信号に変換し、コーデック21に出力する。コーデック21は、符号化圧縮されたデジタル音声信号をデコードしてアナログ信号としてスピーカ19へ送るとともに、マイク20から取得された音声信号をエンコードしてCPU11や通信回路23へ出力する。なお、通話用のスピーカとその他の報知音などを外部に出力するためのスピーカとを別個に備えることとしても良い。
【0032】
RF送受信回路22は、RF通信の送受信用のアンテナAN11を介して携帯電話通信の基地局との間で行われる電話通信やデータ通信に係る信号の送受信処理を行う。通信回路23は、RF送受信回路22により送受信される送受信データに係る各種処理を行い、CPU11やコーデック21との間でデータの受け渡しを行う。また、RF送受信回路22は、無線LANのアクセスポイントに接続して、無線LANを介して外部データサーバを含むインターネット上の各所とデータの送受信(データ通信)が可能となっている。
【0033】
近距離通信モジュール24は、アンテナAN12を介して電子時計40などの外部機器との間で近距離無線通信、ここでは、ブルートゥースによる一対一での双方向通信を行うための制御モジュールである。或いは、通信接続を一対多で実行可能であっても良い。CPU11から送られた送信データは、UART25でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、近距離通信モジュール24から外部機器に送信される。また、外部機器から近距離通信モジュール24を用いて受信された受信データは、UART25でパラレル/シリアル変換などの処理が行われて、CPU11へ出力される。
【0034】
振動モータ26は、振動を発することでユーザに報知を行うためのものである。CPU11からドライバ27に制御信号が送られると、ドライバ27は、振動モータ26を動作させるのに必要な電圧信号に変換して出力する。振動モータ26としては、例えば、回転モータが用いられる。
【0035】
バス29は、CPU11とスマートフォン10内部の各構成との間で信号の送受信を可能に接続するデータ経路である。
【0036】
次に、本実施形態の電子時計40とスマートフォン10との間での通信接続動作について説明する。
本実施形態の電子時計40は、接続先情報431に基づいてスマートフォン10との間でブルートゥースによる一対一の通信接続を行って、データの送受信を行うことが出来る。この通信接続は、電子時計40の側から接続要求及び接続解除要求を送ることで、接続要求がスマートフォン10で受け入れられて通信接続が確立されてから、接続解除要求がスマートフォン10で受け入れられて通信接続が解除されるまで継続される。
【0037】
図4は、本実施形態の電子時計40において主に行われる通信接続要求の種別を示す図表である。
通信接続が行われるタイミングとしては、ユーザの操作受付部47への所定の入力操作に基づく任意のタイミングでの手動接続に加えて、一日に所定回数、ここでは4回予め定められた時刻、例えば、5時、11時、17時及び23時に電子時計40がスマートフォン10から正確な現在日時の情報を取得するために自動的に行われる日時取得動作に係る通信接続がある。また、ユーザの操作受付部47への所定の入力操作に基づいて、スマートフォン10と通信接続を行って当該スマートフォン10に所定の報知動作を行わせる端末探索動作に係る通信接続があり、この端末探索動作に係る通信接続は、ユーザがスマートフォン10で所定の停止命令を行った場合に手動で、又は報知動作が開始されてから所定の時間、例えば、30秒が経過した場合に自動で通信が解除される。
【0038】
これらのうち、手動接続時、及び日時取得動作に係る自動通信接続のうち一日のうちで初回の接続時には、併せて、上述のバッテリ履歴情報432が電子時計40からスマートフォン10に送信される。即ち、スマートフォン10では、少なくとも一日に1回の頻度(情報更新期間)でバッテリ履歴情報432が取得される。バッテリ履歴情報432の取得頻度は、これに限られるものではないが、少なくともバッテリ履歴情報432の最大取得可能時間以下に定められる。
【0039】
次に、本実施形態のバッテリ状態検出動作について説明する。
図5は、BLDの分類を示す図表、及び出力電圧とバッテリ使用量との関係を示す図である。
【0040】
図5(a)に示すように、電子時計1では、電圧検出回路551によりバッテリ552の出力電圧が計測されると、当該出力電圧が2バイトのバッテリレベルの値(BLD値)として8段階に分類されて保持される。BLD値の範囲は、基準となる各電圧VF、VM1、VM2、VM3、VL1、VL2、VCによって区切られ、電圧の高い順に、ここでは、0x18〜0x11の値がそれぞれ設定される。ここでは、これらのBLD値0x18〜0x11に対して、それぞれバッテリ残量の推定レベルとして「FULL」、「HIGH」、「MID−1」、「MID−2」、「MID−3」、「LOW−1」、「LOW−2」、及び「CHARGE」が対応付けられて設定されている。
【0041】
図5(b)に示すように、バッテリ552がフル充電された状態から電子時計40に通常の時刻計数及び表示に係る動作を開始させると、二次電池の特性上、当初、電圧値が若干低下した後、暫くほとんど電圧降下が生じないまま電力消費(バッテリ552からの放電)進み、放電深度(ここでは、公称容量に対する値。実際には、当初、公称容量より容量が大きいことが多い)が上昇、即ち、バッテリ残量が低下していく。その後、更に放電深度が上がると、再び出力電圧が降下し始め、電圧VCを下回った後、完全に放電される直前で電子時計40の動作に必要な動作下限電圧を割り込んで動作不能(「CHARGE」レベル以下)となる。ここでは、通常動作が可能な「MID−3」レベルでの動作時間(放電深度の差)に比した出力電圧の低下が小さく、この「MID−3」レベルが長時間維持される一方で、「LOW−2」、「LOW−1」レベルになってから「CHARGE」レベルに至るまでの間は、動作時間に比した出力電圧の低下が大きくなり、「MID−3」レベルと比較して継続時間が非常に短い。
【0042】
一方で、二次電池の出力電圧は、温度などの周囲の環境によって変化する。電子腕時計のように種々の環境で使用される電子機器に用いられるバッテリ552の出力電圧は、実線で示した室温状態(25℃)に対して、点線で示したように(ここでは、−10℃〜60℃)変化し得る。特に、動作時間(放電深度)のうち大きな割合を占める「MID−3」レベルの期間では、放電深度の上昇に応じた電圧低下と比較して、温度変化に応じた電圧変化の方が大きく、現在の出力電圧から放電深度を細かく見積もるのは困難となる。
【0043】
電子時計40の動作を安定させて継続させるには、「CHARGE」レベルとなって更に動作停止になるタイミングよりも前に予め余裕を持って充電が必要である旨の表示を行う必要がある。一方で、あまり早く要充電を示す表示を開始し過ぎると頻繁に要充電となってユーザに不要な充電に係る手間を強いることになる。即ち、この表示は、従来の「LOW−1」レベルになったタイミングでは既に遅く、「MID−3」レベルになった当初からでは早過ぎる。本実施形態の電子時計40のバッテリ残量管理は、スマートフォン10によって行われ、スマートフォン10では、現在の出力電圧の計測値だけではなく、その時系列情報、即ち、配列データ内におけるBLD値の変化傾向に基づいてバッテリ残量の推定を行い、充電の必要性に係る表示開始タイミングを決定する。
【0044】
図6は、本実施形態の電子時計40におけるバッテリ管理に係る制御処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
【0045】
図6(a)には、電圧計測処理の制御手順のフローチャートを示す。
この電圧計測処理は、所定時間、例えば、10分に一回自動的に起動されて実行される。電圧計測処理が開始されると、CPU41は、電圧検出回路551から出力電圧の計測値を取得し、BLD値に変換して現在値として記憶する(ステップS401)。CPU41は、現在の日時が8時間おき(所定の時間間隔)の所定タイミング、例えば、0時、8時、16時のそれぞれちょうどのタイミングであるか否かを判別する(ステップS402)。8時間おきの所定タイミングではないと判別された場合には(ステップS402で“NO”)、CPU41は、電圧計測処理を終了する。8時間おきの所定タイミングであると判別された場合には(ステップS402で“YES”)、CPU41は、電圧検出回路551から出力電圧値の計測値を再度取得し、取得された電圧値に応じたBLD値をバッテリ履歴情報432の最新の値として記憶させる(ステップS403)。或いは、CPU41は、現在値をコピーしてバッテリ履歴情報432の最新の値としても良い。
なお、上述のように、バッテリ履歴情報432には、最大12個のBLDが記憶可能であるが、12個のデータが既に記憶されている場合には、CPU41は、最も古いデータを削除し、残りのデータをそれぞれ順番に対応した配列位置に移動させるか、又は、配列の先頭位置情報を変更することで、FIFO(First-In First-Out)で履歴データを管理保持する。
そして、CPU41は、電圧計測処理を終了する。
【0046】
図6(b)には、通信制御処理の制御手順のフローチャートを示す。
この通信制御処理は、上述の通信接続要求の種別のうち、日時情報取得動作(所定の目的での通信接続)及び手動接続動作に応じて自動又は手動で呼び出されて起動される。
【0047】
通信制御処理が開始されると、CPU41は、通信接続要求がその日2回目以降の日時情報取得動作に係るものである否かを判別する(ステップS421)。2回目以降の日時情報取得動作に係るものであると判別された場合には(ステップS421で“YES”)、CPU41は、通信制御処理を終了する。
【0048】
通信接続要求の種別が2回目以降の日時情報取得動作に係るものではない、即ち、1回目の日時情報取得動作に係るものであるか、又は、手動接続動作によるものであると判別された場合には(ステップS421で“NO”)、CPU41は、BLD値の現在値が0x14以上であるか否かを判別する(ステップS422)。0x14以上ではないと判別された場合には(ステップS422で“NO”)、既に出力電圧が通信動作を安定して実行可能な下限値未満となるバッテリ残量であるので、CPU41は、通信制御処理を終了する。
【0049】
BLD値の現在値が0x14以上であると判別された場合には(ステップS422で“YES”)、CPU41は、接続先情報431を参照して当該参照された接続先外部機器であるスマートフォン10に通信接続の要求を送信する(ステップS423)。通信接続(無線通信接続)が確立されると、CPU41は、スマートフォン10にバッテリ管理アプリ141の起動を要求する(ステップS424)。
【0050】
また、CPU41は、現在値と、バッテリ履歴情報432として記憶されている全ての履歴値をスマートフォン10に送信する(ステップS425)。CPU41は、送信が完了したバッテリ履歴情報432を全て削除する(ステップS426)。CPU41は、スマートフォン10に通信接続の解除要求を行って通信接続を解除する(ステップS427)。そして、CPU41は、通信制御処理を終了する。
【0051】
図7は、スマートフォン10のバッテリ管理アプリ141に基づいて行われるバッテリ残量管理処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。
このバッテリ残量管理処理は、本発明のバッテリ残量管理方法の実施形態であって、電子時計40から起動要求が取得された場合、及び、ユーザの操作受付部47への入力操作に基づいて手動でなされた起動命令が検出された場合に開始される。
【0052】
バッテリ残量管理処理が開始されると、CPU11は、電子時計40から送信されたバッテリ552の出力電圧に係る現在値及び履歴情報を取得する(ステップS201)。CPU11は、取得された履歴情報を含む最新の最大12個のBLDによりバッテリ履歴情報142を更新する(ステップS202)。即ち、CPU11は、取得された履歴情報内の各BLDを全てバッテリ履歴情報142に記憶させるとともに、取得された履歴情報内のBLDが12個未満の場合には、前回までの取得時に取得されてバッテリ履歴情報142に元々記憶されていたBLDの中から新しい順に12個(傾向取得配列数)になるまで履歴情報に残す。
ステップS201、S202により残量取得ステップ(残量取得手段)が構成される。
【0053】
CPU11は、取得されたBLD値の現在値が0x14であるか否かを判別する(ステップS203)。0x14ではないと判別された場合には(ステップS203で“NO”)、現在値は0x15以上であり、CPU11は、現在値に応じたバッテリ残量の推定レベル(即ち、「FULL」〜「MID−2」)を選択する(ステップS204)。それから、CPU11の処理は、ステップS210に移行する。
【0054】
BLD値が0x14であると判別された場合には(ステップS203で“YES”)、CPU11は、バッテリ履歴情報142に含まれる最大12個のBLD値の中に0x15以上のものが含まれるか否かを判別する(ステップS205)。含まれると判別された場合には(ステップS205で“YES”)、CPU11は、バッテリ残量の推定レベルを「MID−3H」に設定(即ち、バッテリ残量の推定)する(ステップS206)。それから、CPU11の処理は、ステップS210に移行する。
【0055】
バッテリ履歴情報142に含まれるBLDの中に値が0x15以上のものが含まれないと判別された場合には(ステップS205で“NO”)、CPU11は、BLD値が0x13以下のものが含まれるか否かを判別する(ステップS208)。含まれないと判別された場合、即ち、バッテリ履歴情報142に含まれる全てのBLD値が0x14である場合には(ステップS208で“NO”)、CPU11は、バッテリ残量の推定レベルを「MID−3M」に設定する(ステップS208)。それから、CPU11の処理は、ステップS210に移行する。
【0056】
バッテリ履歴情報142に含まれるBLD値に0x13以下のものが含まれると判別された場合には(ステップS208で“YES”)、CPU11は、バッテリ残量の推定レベルを「MID−3L」に設定する(ステップS209)。それから、CPU11の処理は、ステップS210に移行する。
ステップS203〜S209の処理により残量推定ステップ(残量推定手段)が構成される。
【0057】
ステップS204、S206、S208、S209の何れかの処理からステップS210の処理に移行すると、CPU11は、ドライバ17に制御信号を出力して、得られたバッテリ残量の推定レベルに応じた表示を表示部16に行わせる(ステップS210)。CPU11は、推定レベルが「MID−3M」又は「MID−3L」であるか否かを判別する(ステップS211)。何れでもないと判別された場合には(ステップS211で“NO”)、CPU11は、バッテリ残量管理処理を終了する。
【0058】
ステップS211の判別処理で、バッテリ残量の推定レベルが「MID−3M」又は「MID−3L」であると判別された場合には(ステップS211で“YES”)、CPU11は、本日中(単位報知期間)にステップS213の通知動作要求を既に行ったか否かを判別する(ステップS212)。通知動作の要求済みである、即ち、本日中で2回目以降の「MID−3M」、「MID−3L」レベルの推定であると判別された場合(単位報知期間内における2回目以降の推定時)には(ステップS212で“YES”)、CPU11は、バッテリ残量管理処理を終了する。
【0059】
通知動作の要求済みではないと判別された場合には(ステップS212で“NO”)、CPU11は、スマートフォン10のOSにバッテリ552の電力量の残量不足に係る通知をローカルプッシュで通知する動作を行うように要求する(ステップS213)。通知内容としては、例えば、直接残量不足の警告を行う内容、及び/又は、バッテリ552の充電を要求する内容などが挙げられる。そして、CPU11は、バッテリ残量管理処理を終了する。
なお、バッテリ残量管理処理が表示のロック中などに起動された場合には、バックグラウンドで動作すれば良く、その場合には、以上の処理のうち表示動作をリアルタイムで行わせる必要はない。この推定結果は、後にバッテリ管理アプリ141が起動されて、電子時計40と通信接続がなされない場合に呼び出して表示させることが出来る。
ステップS211、S213の処理が表示制御ステップ(表示制御手段)を構成する。この表示制御手段には、S212の処理も含まれ得る。
【0060】
図8は、スマートフォン10の表示部16の表示画面への表示例を示す図である。
バッテリ管理アプリ141の起動中には、表示部16の表示画面には、上部エリア16aにバッテリ管理アプリ141の実行表示中である表示が行われるとともに、記憶部14に保持されている電子時計40の地方時設定情報に基づいて、中央エリア16bに当該地方時での現在時刻及びタイムゾーンや夏時間実施に係る設定情報が表示される。また、下部エリア16cには、バッテリ残量に関して設定された推定レベルに応じた表示161がなされる。なお、電子時計40の地方時とスマートフォン10の地方時とが常に同期される設定の場合には、地方時設定情報を参照せずに直接スマートフォン10の内蔵時計15が計数する日時及び地方時設定を用いて表示を行わせても良い。
【0061】
図9は、バッテリ残量に係る表示161の設定例を示す図である。
上述のように、スマートフォン10において設定されているバッテリ残量の推定レベルは、「FULL」〜「MID−2」及び「MID−3H」、「MID−3M」、「MID−3L」の7段階であり、バッテリ管理アプリ141では、これら7段階にそれぞれ応じた表示パターン(バッテリ残量の表示)が設定されている。ここでは、電池型形状の枠内に5つのブロックが設定され、バッテリ残量が多いほど黒色に色づけされるブロック数が多くなるように表示が行われる。
【0062】
また、特に、バッテリ552の直近の出力電圧のみでの分類である「MID−3」がバッテリ履歴情報142内でのBLD値の変化傾向に基づいて更に分割(細分化)された3つのレベル(詳細レベル)のうち、「MID−3M」、「MID−3L」レベルでは、バッテリ残量の不足による動作停止が近づいていることを知らせるために、色づけされるブロックの点滅動作を行わせたり(ここでは、「MID−3M」、「MID−3L」レベルの両方)、更に、色を他の色(例えば、赤色)に変更させたり(ここでは、「MID−3L」レベルの場合)する。
【0063】
図10は、ローカルプッシュによる通知の表示例を示す図である。
バッテリ残量の推定レベルが「MID−3M」、「MID−3L」とされた場合、ユーザに充電を促す必要のある基準となる基準残量をバッテリ残量が下回ったとして、アプリ起動時の表示動作だけではなく、ローカルプッシュ通知を用いてアプリ外でもユーザに通知を行う。即ち、スマートフォン10では、ユーザがアプリを立ち上げない場合であってもバッテリの充電の必要性が高まってきた状況では、より確実に二次電池552bの充電を促す通知(表示)をユーザに伝える動作(所定の表示)を行わせる。ここでは、表示部16により表示された通知の一覧表示画面16dに腕時計アプリからの通知内容としてバッテリの残量不足に係る表示が含まれる。
【0064】
ローカルプッシュによる通知における表示内容は、バッテリ残量に応じて、即ち、推定レベルが「MID−3M」、「MID−3L」の場合でそれぞれ異ならせることが出来る。例えば、「MID−3M」の場合には、「そろそろ充電が必要です」、「MID−3L」の場合には、「要充電です」などと表示内容を予め定めておくことが出来る。
【0065】
この通知動作は、所定の頻度、ここでは一日に一回のみ行われるが、頻度の設定は、ユーザ操作により変更されても良い。但し、通知頻度が高く設定された場合、一度BLD値が0x13以下に低下した後、充電途中で0x14に戻り、0x15には到達していない場合に再度同様の通知がなされやすくなる。
【0066】
なお、ここでは、バッテリ552を備える電子時計40では一切バッテリ残量不足に係る表示を行わないこととしているが、スマートフォン10で設定されたバッテリ残量の推定レベルに係る情報をブルートゥースによる通信で電子時計40に送信し、電子時計40のCPU41が表示部16に表示を行わせることとしても良い。この場合の表示方法としては、例えば、予め文字盤上に設けられたバッテリ残量不足を示す標識を所定の指針で指し示させたり、デジタル表示画面に設けられたバッテリ残量不足を示すセグメントを点灯させたりする、などが挙げられる。所定の指針での表示は、当該所定の指針が通常日時表示に用いられる指針では無い場合には、継続して行わせても良い。日時表示に用いられる指針により表示を行わせる場合には、表示期間を推定レベルの情報が受信されてから所定時間、或いは、ユーザの操作受付部47への所定の入力操作によって解除されるまでとしても良い。
【0067】
以上のように、第1実施形態のスマートフォン10は、表示部16と、CPU11と、を備える電子機器であって、CPU11は、電子時計40のバッテリ552の出力電圧に係るバッテリ履歴情報432を取得し、取得されたバッテリ履歴情報432(142)に基づいてバッテリ552が放電可能なバッテリ残量を推定し、推定されたバッテリ残量が所定の基準残量未満である場合に、表示部16に所定の表示を行わせる。
このように、計測された時点のバッテリ552の出力電圧から直接バッテリ残量を推定するのではなく、現在までのバッテリ552の出力電圧に係る時系列データであるバッテリ履歴情報432に基づいて過去の出力電圧を考慮しながらバッテリ残量を推定することで、二次電池の特性上出力電圧が大きく低下しないバッテリ残量の期間、即ち、バッテリ残量が中程度からまもなくバッテリ残量不足に陥る手前の間での推定精度を向上させて、ユーザにバッテリの残量が不足するよりも前に、より適切にバッテリ残量不足に係る表示動作を行うことが出来る。
また、電子時計40におけるバッテリ552の出力電圧が低下し始めると、最終的な動作下限電圧を下回る前に、最低限日時の計数を正確に保つために、スマートフォン10との通信が困難になったり、表示部48における通常の表示、例えば、毎秒の指針動作などを制限する必要が生じたりするので、このような状態になる前に前もって充電を行うように適切に表示を行ってユーザに通知することが出来、これにより、適切なタイミングでユーザに充電を行わせることで、電子時計40における機能動作の制限を行わずに継続的に安定動作を続けさせることが出来る。
【0068】
また、バッテリ履歴情報432は、複数回の出力電圧の計測値を各々所定の電圧範囲ごとに設定された電圧レベル(0x18〜0x11)に変換した当該電圧レベルの配列データを含み、CPU11は、このバッテリ履歴情報432(142)における電圧レベルの変化傾向に基づいてバッテリ残量を推定する。
即ち、出力電圧値を直接用いないことで、温度変化などに応じた細かい出力電圧値の変化の影響を低減させ、全体的な出力電圧の変化を見やすくしてバッテリ残量を推定することが出来る。また、2バイト値を用いることでデータの記憶や転送に係るサイズを低減することが出来る。
【0069】
また、CPU11は、直近の出力電圧の計測値が対応する電圧レベルを更に、その前の電圧レベルの変化傾向に基づいて細分化した詳細レベル(MID−3H〜MID−3L)を決定し、当該詳細レベルに応じてバッテリ残量を推定する。即ち、電力消費に比して出力電圧の変化の少ない「MID−3」レベルを直近の出力電圧値だけではなく、過去の出力電圧値の傾向にも応じて更に細かく区分けしてバッテリ残量を推測するので、より適切にバッテリ残量を取得することが出来る。
【0070】
また、CPU11は、直近の出力電圧の計測値が対応する電圧レベルに応じて推定されるバッテリ残量の範囲内にバッテリ552の残量不足と判定するための基準残量が含まれる場合、即ち、「MID−3」レベルの場合に、「MID−3H」〜「MID−3L」レベルの決定を行う。これにより、より精度良く、充電の必要があまりない「MID−3H」レベルと充電の必要が高まる「MID−3M」レベル以下とを区切ることが出来るので、バッテリ残量不足に係る表示開始の精度が高まる。
【0071】
また、CPU41は、直近の出力電圧の計測値が対応する電圧レベルに応じて推定されるバッテリ残量の範囲内に基準残量が含まれる場合、即ち、電圧レベルが0x14である場合に、当該電圧レベル0x14より上の電圧レベルのデータが、バッテリ履歴情報142(432)におけるこの直近の電圧レベルのデータの側から12個以内、即ち、ここでは、バッテリ履歴情報142として保持可能な数のデータに含まれているか否かにより、基準残量以上のバッテリ残量であるか否かを判別する。即ち、電力消費の増加に比して出力電圧がほとんど変化しないレベルである0x14のデータとともに0x15以上のデータがバッテリ履歴情報142に含まれている場合には、当該出力電圧がほとんど変化しないレベルに入ってまだ多くの時間が経っていないので、バッテリ残量不足になるまでに余裕があると判断出来る一方、0x15以上のデータがなくなると、バッテリ残量不足になるまでの余裕がなくなって来ていると判断できるので、単純に直近の出力電圧値に応じた電圧レベルである0x14を更に適切に分割してより精度良くバッテリ残量不足が近いか否かを判別することが出来る。
【0072】
また、CPU11は、同日内にバッテリ残量が基準残量未満であると複数回推定した場合に、その日における2回目以降の推定時には、バッテリ残量不足に係るローカルプッシュ通知による表示要求を行わない。従って、バッテリ残量不足に実際に陥るまでの日単位の変化に比してあまり頻繁且つ繰り返し表示をユーザに見せないこととすることが出来る。また、特に、一日で最初にバッテリ残量不足が推定されたタイミングに表示を行うことで、日常動作中、特に、ソーラパネルによる充電が行われる場合に日中にユーザに充電を行わせやすくすることが出来る。
【0073】
また、電子時計40と無線通信を行う近距離通信モジュール24を備え、CPU11は、電子時計40に動作電力を供給するバッテリ552のバッテリ履歴情報432を近距離通信モジュール24により取得する。
即ち、電子時計40のバッテリ552の状態をスマートフォン10で取得して解析し、表示を行うことで、細かい表示や操作の行いづらい電子時計40よりも容易にバッテリ552の残量管理を行うことが出来、また、電子時計40のCPU41やRAM43の性能を従来の時計動作に必要なもの以上に向上させる必要がない。
【0074】
また、CPU11は、電子時計40におけるバッテリ履歴情報432の最大取得可能時間である4日以下の1日ごとに少なくとも一回、電子時計40からバッテリ履歴情報432を取得し、当該バッテリ履歴情報432が新たに取得されるごとにバッテリ残量の推定を行う。即ち、電子時計40の出力電圧情報を切れ目なく取得しつつ、電子時計40のバッテリ残量を必要な時間間隔で適切に推定し、表示を行わせることが出来る。
【0075】
また、電子時計40からバッテリ履歴情報432の最大取得可能時間である4日よりも短い期間のデータが取得された場合には、CPU11は、当該新たに取得されたバッテリ履歴情報432と、前回までに取得されてバッテリ履歴情報142として保持されている情報のうち新しい側の一部と、を組み合わせて4日分のバッテリ履歴情報142を生成する。即ち、電子時計40の側では、バッテリ履歴情報432の更新タイミング等の管理が不要となり、スマートフォン10で適切な長さ、即ち、常に4日分の出力電圧の計測値に係るバッテリ履歴情報142を用いてバッテリ残量の推定を行うことが出来る。
【0076】
また、CPU11は、電子時計40が日時情報を取得するために通信接続を行った場合のうち少なくとも一部に併せて当該電子時計40からバッテリ履歴情報432を取得する。このように他の目的での通信接続時に併せてバッテリ履歴情報432を取得することで、通信接続及び解除に係る手間を不要に増やさずに効率良く電圧レベルの情報を取得することが出来る。特に、日時情報の取得のように、定期的に行われる通信接続に併せて取得することで、取得のタイミングや頻度をより安定且つ確実に定めることが出来る。
【0077】
また、バッテリ履歴情報432の取得先の外部機器は、電子時計40である。即ち、電子時計40のように、継続的に動作し、且つ一日当たりの消費電力量に大きな差が生じることの小さい電子機器のバッテリ残量は、電圧レベルの時系列情報からより正確に推測しやすいので、本発明をより効果的に用いてバッテリ残量の不足に係る表示を適切に行うことが出来る。
【0078】
また、CPU11は、推定されたバッテリ残量が基準残量未満の場合に、バッテリ残量レベル「MID−3M」、「MID−3L」にそれぞれ応じた所定の表示を行わせる。従って、ユーザは、充電の必要性に係る切迫度を更に正確に認識することが出来る。
【0079】
また、CPU11は、推定されたバッテリ残量を表示部16に表示させる。従って、ユーザは、バッテリ残量不足が近い場合だけでなく、バッテリ残量がどの程度であるかを容易に知得することが出来る。特に、スマートフォン10の表示部16で表示させる場合には、表示が容易且つ表現の幅が広がるので、ユーザがバッテリ残量の状態を認識しやすい。
【0080】
また、バッテリ552には、二次電池552bが含まれ、バッテリ残量不足が近づいた場合の表示として、二次電池552bの充電を促す表示を行うので、バッテリ切れ目前ではなく、且つ早過ぎないタイミングで適切に充電や充電の準備を行うことが出来る。
【0081】
また、表示部16を備える本実施形態のスマートフォン10によるバッテリ残量管理方法では、バッテリ552の出力電圧に係る時系列配列データを含むバッテリ履歴情報432を取得する残量取得ステップ、取得されたバッテリ履歴情報432に基づいてバッテリ552が今後放電可能なバッテリ残量を推定する残量推定ステップ、推定されたバッテリ残量が所定の基準残量未満である場合に、表示部16に所定の表示を行わせる表示制御ステップ、を含む。
このように、バッテリ残量の推定を一回の出力電圧の計測値のみに行うのではなく、履歴に基づいて行うことで、バッテリの電力消費の増加に伴う出力電圧の変化の少ないバッテリ残量が中程度からバッテリ残量不足間際までの間において、より精度良く適切にバッテリ残量の推定を行うことが出来る。従って、実際にバッテリ残量不足になる前の適切なタイミングでバッテリ残量不足に係る表示を行わせることが出来るので、ユーザが予めバッテリ552の充電を行わせることで、より確実且つ安定して電子時計40の動作を継続させることが出来る。
【0082】
また、バッテリ管理アプリ141は、表示部16を備えるスマートフォン10のコンピュータ(CPU11)を、バッテリ552の出力電圧に係る時系列配列データであるバッテリ履歴情報432を取得する残量取得手段、取得されたバッテリ履歴情報432に基づいてバッテリ552が今後放電可能なバッテリ残量を推定する残量推定手段、推定されたバッテリ残量が所定の基準残量未満である(推定レベルがMID−3M又はMID−3L)場合に、OSにローカルプッシュ通知の要求を行って表示部16に所定の表示を行わせる表示制御手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
従って、このバッテリ管理アプリ141をスマートフォン10にインストールして当該スマートフォン10と通信、ここでは、ブルートゥースによる相互通信が可能な電子時計40と組み合わせることで、二次電池の特性上出力電圧が大きく低下しないバッテリ残量の期間、即ち、バッテリ残量が中程度からまもなくバッテリ残量不足に陥る手前の間での推定精度を向上させることが出来るので、電子時計40のバッテリ残量の管理がより適切且つ容易になり、電子時計40のバッテリ残量が不足する前の適切なタイミングでバッテリ552の充電を促してユーザに充電を行わせることで、必要以上の手間をかけずに電子時計40の動作を安定的に継続させることが出来る。
【0083】
そして、本実施形態の電子時計40は、バッテリ552と、バッテリ552の出力電圧を計測する電圧検出回路551と、電圧検出回路551で計測された出力電圧に応じた電圧レベルの時系列配列データをバッテリ履歴情報432として記憶するRAM43と、外部機器と無線通信を行う通信モジュール49と、現在の日時を計数する計時部46と、計時部46が計数する現在の日時に基づいて日時を表示する表示部48と、CPU41と、を備え、CPU41は、8時間間隔で電圧検出回路551により複数回計測された出力電圧に応じた電圧レベルの時系列配列データをRAM43にバッテリ履歴情報432として記憶させ、通信モジュール49によりスマートフォン10と無線通信接続がなされた場合に、このバッテリ履歴情報432をスマートフォン10に送信する。
これにより、電子時計40ではバッテリ残量の管理を行わずとも、スマートフォン10で行わせることが出来るので、バッテリ残量の管理が容易になる。即ち、特に、指針式の電子時計やセグメント方式による簡易な表示を行う電子時計において、これらのバッテリ残量の管理に係る表示を行わせるための構成を設ける必要なくなる。
【0084】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の電子時計40aについて説明する。
図11は、第2実施形態の電子時計40aの機能構成を示すブロック図である。
【0085】
この電子時計40aは、ROM42aにバッテリ管理プログラム422が記憶されている点を除き、第1実施形態の電子時計40の構成と同一であり、同一の構成については同一の符号を用いることとして説明を省略する。
【0086】
バッテリ管理プログラム422は、第1実施形態の電子時計40において、スマートフォン10の記憶部14に記憶されたバッテリ管理アプリ141と対応する処理動作を行うためのプログラムである。即ち、この電子時計40aでは、スマートフォン10を用いずに電子時計40a単体でバッテリ履歴情報432を用いてバッテリ残量の推定レベルを決定し、表示部48により決定された推定レベルに応じた表示を行わせる。
なお、ここでは、ブルートゥースによるスマートフォン10との通信も可能であるので、分類に応じた表示動作を電子時計40aとスマートフォン10の両者で並行して行わせることも可能である。この場合のスマートフォン10での動作は、第1実施形態の電子時計40と同一であっても良いし、単純に電子時計40aから決定された推定レベルの情報が取得されて表示やローカルプッシュによる要充電の表示要求動作が行われても良い。
【0087】
図12は、本実施形態の電子時計40aで実行される電圧計測処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
図12(a)に示すように、この電圧計測処理では、ステップS403の処理の後に、CPU41が
図12(b)に示すバッテリ残量管理処理を呼び出して実行する点のみが異なり、他の点は上記第1実施形態の電子時計40と同様であるので、同一の処理内容には同一の符号を付して説明を省略する。
【0088】
ステップS404の処理で呼び出されるバッテリ残量管理処理は、ステップS401、S403の処理で取得、更新された現在値及びバッテリ履歴情報432が直接参照されて実行される。また、このバッテリ残量管理処理におけるステップS443〜S450の各処理は、スマートフォン10で実行されるバッテリ残量管理処理におけるステップS203〜S210の各処理と各々対応する。これらの処理のうち、ステップS444の処理内容とステップS204の処理内容との違いについて以下に説明する。
【0089】
ステップS444の処理では、CPU41は、現在値に応じたバッテリ残量の推定レベルを選択する(ステップS444)。このとき、CPU41は、BLD値が0x14より大きい場合だけではなく、0x14より小さい場合の値(0x13〜0x11)も取得可能であり、BLD値に応じてバッテリ残量の推定レベルが「LOW−1」、「LOW−2」、「CHARGE」にそれぞれ設定される。
【0090】
電子時計40aにおいて、ステップS450の処理で所定の表示動作を行わせる場合には、上記第1実施形態で推定レベル情報が電子時計40に戻されて当該電子時計40で表示を行わせた場合と同様に、例えば、予め文字盤上に設けられたバッテリ残量不足を示す標識を所定の指針で指し示させたり、デジタル表示画面に設けられたバッテリ残量不足を示すセグメントを点灯させたりする。
【0091】
なお、これらの表示制御とは別個に、現在値又はこれより更に短い時間間隔(例えば、毎秒)で取得される電圧値の計測値(又は変換されたBLD値)に基づいて、出力電圧がVL1未満となった場合には、随時表示動作や機能動作の実行を制限する。例えば、CPU41は、出力電圧が電圧VL1未満となった場合には、表示部48の秒針の動作を2秒ごととし、また、通信モジュール49による外部の電子機器(スマートフォン10)との通信を禁止する。また、出力電圧が電圧VC未満となった場合には、全ての表示動作を中止し、現在日時の計数のみを行わせる。
【0092】
以上のように、第2実施形態の電子時計40aは、バッテリ552と、バッテリ552の出力電圧を計測する電圧検出回路551と、電圧検出回路551で計測された出力電圧に応じた電圧レベルの時系列配列データをバッテリ履歴情報432として記憶するRAM43と、を備え、CPU41は、電圧検出回路551による出力電圧の計測値に基づく電圧レベルの時系列情報をバッテリ履歴情報432としてRAM43に記憶させ、当該RAM43に記憶されたバッテリ履歴情報432に基づいてバッテリ残量を推定する。
このように、電子時計40a自身が電圧レベルの時系列情報に基づいてバッテリ残量を推定可能であるので、スマートフォン10などの外部機器を用いずに電子時計40aで従来よりも精度良くバッテリ残量不足になる前にバッテリ残量の状況をユーザが認識することが出来、従って、より適切にバッテリ切れ前に充電を行うことが出来る。
【0093】
また、現在の日時を計数する計時部46と、計時部46が計数する現在の日時に基づいて日時を表示する表示部48と、を備える電子時計40aにおいて、上述のバッテリ残量の推定及び表示を行うことが出来るので、このような1日当たりの電力消費量の増減が比較的少ない電子機器において、より正確にバッテリ残量の推定を行って、適切なタイミングでバッテリ残量不足が近づいている旨表示を行うことが出来る。
【0094】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、計測値を電圧レベルに換算した後に当該電圧レベルの変化傾向に基づいてバッテリ残量の推定を行ったが、出力電圧の計測値を直接処理、解析してバッテリ残量の推定を行っても良い。この場合、例えば、計測値の変化に対してローパスフィルタをかけて解析を行っても良い。
【0095】
また、上記実施の形態では、所定間隔の計測値に応じた電圧レベルのみを配列データとして保持したが、計測の間隔は、不均一であっても良い。この場合には、取得タイミングや前回からの間隔のデータを併せて保持するなどしても良く、また、取得頻度などに応じた重みを付けて解析を行っても良い。
【0096】
また、上記実施の形態では、推定レベル「MID−3」の場合のみ、「MID−3L」、「MID−3M」、「MID−3H」に更に分割したが、他の推定レベルの場合にも細分化をすることを妨げるものではない。
【0097】
また、上記実施の形態では、レベル「MID−3M」とレベル「MID−3L」とを分離したが、必ずしもこれらを分けなくても良く、或いは、分けられない場合を含めても良い。少なくともバッテリ残量の不足に係る表示を行わないレベル(ここでは「MID−3H」)と当該表示を行うレベルとが、出力電圧に係る時系列情報に基づいて区別されれば良い。また、レベル「MID−3M」とレベル「MID−3L」とが区別された場合であっても、これらに対して各々異なる表示を表示部16に行わせなくても良い。
【0098】
また、上記実施の形態では、直近の出力電圧の計測値(電圧レベル)に応じたバッテリ残量の推定レベルを計測値(電圧レベル)の履歴によって細分化することにより、より適切な推定レベルを得ることとしたが、これに限られるものではない。例えば、温度などの環境変化による直近の電圧レベルのずれが明らか場合などに、電圧レベルの履歴に応じて当該直近の電圧レベルに応じた推定レベルとは異なる推定レベルが得られる場合があっても良い。
【0099】
また、上記実施の形態では、直近の電圧レベルが0x14の場合に、バッテリ履歴情報142に他の電圧レベルのデータが含まれているか否かによりレベルの細分化を行ったが、これに限られるものではない。例えば、他の電圧レベルのデータが含まれたタイミング(配列内における位置)やそれらの位置関係などが考慮されても良い。
【0100】
また、上記実施の形態では、12個の電圧レベルのデータを用いてバッテリ残量の推定を行ったが、これに限られない。例えば、電子時計40では、4日分の12個の電圧レベルのデータしか保持しない場合であっても、スマートフォン10ではより多くの電圧レベルのデータを保持して、バッテリ残量の推定を行うこととしても良い。例えば、スマートフォン10では、電圧レベル0x14の想定継続時間に対して所定の割合(半分など)に応じた長さの電圧レベルのデータを保持しても良い。
【0101】
また、上記実施の形態では、日時情報取得動作に係る通信接続のうちその日最初のタイミングと、手動接続のタイミングの際にバッテリ履歴情報432を送受信することとしたが、これに限られない。例えば、日時情報取得動作の通信接続時には毎回バッテリ履歴情報432を取得しても良いし、手動接続の場合には、スマートフォン10でバッテリ管理アプリ141が立ち上げられていない限り取得しないこととしても良い。或いは、その他異なる目的による通信接続時にバッテリ履歴情報432が取得されても良い。
【0102】
また、上記実施の形態では、スマートフォン10に送信されたバッテリ履歴情報432は削除されることとしたが、常に12個の電圧レベルデータを保持することとしても良い。この場合、電子時計40からは、毎回当該12個の電圧レベルデータを含むバッテリ履歴情報432をスマートフォン10に送信し、スマートフォン10では、受信されたバッテリ履歴情報432をそのままバッテリ履歴情報142として解析に用いても良い。なお、上述のように、スマートフォン10で保持される電圧レベルデータの数が電子時計40で保持される電圧レベルのデータと異なる(多い)場合には、例えば、前回の取得タイミングからの経過時間などに応じて電子時計40のバッテリ履歴情報432の配列データとスマートフォン10のバッテリ履歴情報142の配列データとの位置対応関係を同定して位置合わせをする必要がある。
【0103】
また、上記実施の形態では、電子時計40のバッテリ552のバッテリ残量を推定する場合を例に挙げて説明したが、推定対象のバッテリは、電子時計のものには限られず、その他の電子機器あっても良い。この場合、電子機器としては、一日当たりの消費電力量の増減があまり多くないものがより好ましく、例えば、毎日所定期間又は常時計測を行うセンサなどが挙げられる。
【0104】
また、上記実施の形態では、推定レベルの表示を行わせることとしたが、バッテリ残量不足前の表示動作のみとして、通常時の推定レベルの表示を行わせないこととしても良い。
【0105】
また、上記実施の形態では、スマートフォン10においてローカルプッシュ通知によりバッテリ残量不足に係る表示を行わせたが、これに限られない。バックグラウンドで実行されたバッテリ残量の推定動作に基づく表示を表示可能であれば、例えば、ウィンドウ表示画面のシステムコンソールにエラー出力表示させるといった同様の表示処理であっても良い。或いは、表示状態に拘わらず割り込み表示を行わせるものではなく、電子メールなどを送信することで当該電子メールがフェッチされて表示された際にユーザに知得されるものであっても良い。
【0106】
また、上記実施の形態では、電子機器としてスマートフォン10を例に挙げて説明したが、これに限られない。電子時計40などの外部機器と定期的にブルートゥースによる通信接続が可能であり、且つユーザがある程度の頻度でバッテリ残量不足に係る通知を認識可能なもの、例えば、タブレット端末や携帯電話などであっても良い。
【0107】
また、上記実施の形態では、バッテリ552が二次電池552bを含み、当該二次電池552bの充電要否についての判断及び表示を行うこととしたが、二次電池552bの代わりに乾電池が用いられ、乾電池の交換要否(交換準備の要否)についての判断及び表示を行うこととしても良い。
【0108】
また、上記実施の形態では、無線通信手段としてブルートゥースが用いられることとしたが、その他の通信規格に基づく無線通信手段が用いられても良い。
【0109】
また、上記実施の形態では、プロセッサ(制御部)としてのCPU11(CPU41)がバッテリ残量の管理に係る全ての制御処理を行ったが、プロセッサ(制御部)の処理のうち一部又は全部が専用のハードウェア回路などで実行されても良い。
【0110】
また、以上の説明では、本発明のバッテリ残量管理処理に係るバッテリ管理アプリ141(バッテリ管理プログラム422)を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどからなる記憶部14やROM42aを例に挙げて説明したが、これらに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD(Hard Disk Drive)、CD−ROMやDVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した構成、制御手順や表示例などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0112】
[付記]
<請求項1>
表示部と、制御部と、を備える電子機器であって、
前記制御部は、
バッテリの出力電圧に係る時系列情報を取得し、
前記取得された時系列情報に基づいて前記バッテリが放電可能なバッテリ残量を推定し、
推定された前記バッテリ残量が所定の基準残量未満である場合に、前記表示部に所定の表示を行わせる
ことを特徴とする電子機器。
<請求項2>
前記時系列情報は、複数回の出力電圧の計測値を各々所定の電圧範囲ごとに設定された電圧レベルに変換した当該電圧レベルの配列データを含み、
前記制御部は、前記配列データにおける前記電圧レベルの変化傾向に基づいて前記バッテリ残量を推定する
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
<請求項3>
前記制御部は、直近の出力電圧の計測値が対応する前記電圧レベルを前記変化傾向に基づいて細分化した詳細レベルを決定し、当該詳細レベルに応じて前記バッテリ残量を推定することを特徴とする請求項2記載の電子機器。
<請求項4>
前記制御部は、前記直近の出力電圧の計測値が対応する前記電圧レベルに応じて推定される前記バッテリ残量の範囲内に前記基準残量が含まれる場合に、前記詳細レベルの決定を行うことを特徴とする請求項3記載の電子機器。
<請求項5>
前記制御部は、直近の出力電圧の計測値が対応する前記電圧レベルに応じて推定される前記バッテリ残量の範囲内に前記基準残量が含まれる場合に、当該電圧レベルより上の電圧レベルのデータが、前記配列データにおける前記直近の電圧レベルのデータの側から所定の傾向取得配列数以内のデータに含まれているか否かにより前記基準残量以上のバッテリ残量であるか否かを判別することを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項6>
前記制御部は、所定の単位報知期間内に前記バッテリ残量が前記基準残量未満であると複数回推定した場合に、当該単位報知期間内における2回目以降の推定時には前記所定の表示を行わせないことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項7>
外部機器と無線通信を行う通信部を備え、
前記制御部は、前記外部機器に動作電力を供給する前記バッテリの前記時系列情報を前記通信部により取得する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項8>
前記制御部は、前記外部機器における前記時系列情報の最大取得可能時間以下の所定の情報更新期間ごとに少なくとも一回、前記外部機器から前記時系列情報を取得し、当該時系列情報が新たに取得されるごとに前記バッテリ残量の推定を行うことを特徴とする請求項7記載の電子機器。
<請求項9>
前記外部機器から前記最大取得可能時間よりも短い期間の前記時系列情報が取得された場合には、前記制御部は、当該新たに取得された前記時系列情報と、前回までに取得された前記時系列情報のうち一部と、を組み合わせて前記最大取得可能時間の前記時系列情報を生成することを特徴とする請求項8記載の電子機器。
<請求項10>
前記制御部は、前記外部機器と所定の目的での通信接続を行った場合のうち少なくとも一部に併せて前記時系列情報を取得する
ことを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項11>
前記外部機器は、電子時計であることを特徴とする請求項10記載の電子機器。
<請求項12>
バッテリと、
前記バッテリの出力電圧を計測する電圧計測部と、
前記電圧計測部で計測された前記出力電圧に係る時系列情報を記憶する電圧情報記憶部と、
を備え、
前記制御部は、前記電圧計測部による前記出力電圧の計測値に基づく前記時系列情報を前記電圧情報記憶部に記憶させ、当該電圧情報記憶部に記憶された前記時系列情報に基づいて前記バッテリ残量を推定する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項13>
現在の日時を計数する計時部と、
前記計時部が計数する現在の日時に基づいて日時を表示する表示部と、
を備えることを特徴とする請求項12記載の電子機器。
<請求項14>
前記制御部は推定された前記バッテリ残量が前記基準残量未満の場合に、当該バッテリ残量に応じた前記所定の表示を行わせることを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項15>
前記制御部は、推定された前記バッテリ残量を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項16>
前記バッテリには、二次電池が含まれ、
前記所定の表示は、前記二次電池の充電を促す表示である
ことを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項17>
表示部を備える電子機器によるバッテリ残量管理方法であって、
バッテリの出力電圧に係る時系列情報を取得する残量取得ステップ、
前記取得された時系列情報に基づいて前記バッテリが放電可能なバッテリ残量を推定する残量推定ステップ、
推定された前記バッテリ残量が所定の基準残量未満である場合に、前記表示部に所定の表示を行わせる表示制御ステップ、
を含むことを特徴とするバッテリ残量管理方法。
<請求項18>
表示部を備える電子機器のコンピュータを、
バッテリの出力電圧に係る時系列情報を取得する残量取得手段、
前記取得された時系列情報に基づいて前記バッテリが放電可能なバッテリ残量を推定する残量推定手段、
推定された前記バッテリ残量が所定の基準残量未満である場合に、前記表示部に所定の表示を行わせる表示制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。