(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の表示装置によれば、表示装置の表示からユーザが連想したかごの混み具合と、実際のかごの状況からユーザが認識したかごの混み具合とが大きくずれることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に関するエレベータ装置の表示装置はかごの乗車率のレベルを表示する乗車率表示部と、前記乗車率が所定範囲に含まれることに基づいて規定される前記乗車率のレベルに応じて前記乗車率表示部の表示状態を制御する制御装置とを備えるエレベータ装置の表示装置であって、前記乗車率表示部は最小表示部、最大表示部、第1中間表示部、および、第2中間表示部を含むレベル表示部を備え、前記所定範囲は最小範囲、最大範囲、第1中間範囲、および、第2中間範囲を含み、前記制御装置は前記乗車率が前記最小範囲に含まれる場合に前記乗車率のレベルが最小レベルであると規定し、前記レベル表示部を前記最小表示部がオンである最小表示状態に設定し、前記乗車率が前記最大範囲に含まれる場合に前記乗車率のレベルが最大レベルであると規定し、前記レベル表示部を前記最大表示部がオンである最大表示状態に設定し、前記乗車率が前記第1中間範囲に含まれる場合に前記乗車率のレベルが前記最小レベルよりも1段階上の第1中間レベルであると規定し、前記レベル表示部を前記第1中間表示部がオンである第1中間表示状態に設定し、
前記乗車率が前記第2中間範囲に含まれる場合に前記乗車率のレベルが前記最大レベルよりも1段階下の第2中間レベルであると規定し、前記レベル表示部を前記第2中間表示部がオンである第2中間表示状態に設定し、前記第2中間範囲は乗車率が50%超の範囲である。
本願発明者は実際のかごの乗車状況を視認した被験者が認識するかごの混み具合と、乗車率表示部の表示から被験者が連想するかごの混み具合とが適合するように確認試験を実施し、その結果に基づいて乗車率の所定範囲を規定した。確認試験の結果に基づいて第2中間範囲が上記のように規定されているため、表示装置の表示からユーザが連想したかごの混み具合と、実際のかごの状況からユーザが認識したかごの混み具合とのずれが低減される。このため、レベル表示部が第2中間表示状態の場合、ユーザがかごに乗り込むことを断念し、新たに呼び登録を行わなければならない可能性が存在することを連想することについても妥当性がある。
【0006】
(2)本発明に関するエレベータ装置の表示装置はかごの乗車率のレベルを表示する乗車率表示部と、前記乗車率が所定範囲に含まれることに基づいて規定される前記乗車率のレベルに応じて前記乗車率表示部の表示状態を制御する制御装置とを備えるエレベータ装置の表示装置であって、前記乗車率表示部は最小表示部、最大表示部、第1中間表示部、および、第2中間表示部を含むレベル表示部を備え、前記所定範囲は最小範囲、最大範囲、第1中間範囲、および、第2中間範囲を含み、前記制御装置は前記乗車率が前記最小範囲に含まれる場合に前記乗車率のレベルが最小レベルであると規定し、前記レベル表示部を前記最小表示部がオンである最小表示状態に設定し、前記乗車率が前記最大範囲に含まれる場合に前記乗車率のレベルが最大レベルであると規定し、前記レベル表示部を前記最大表示部がオンである最大表示状態に設定し、前記乗車率が前記第1中間範囲に含まれる場合に前記乗車率のレベルが前記最小レベルよりも1段階上の第1中間レベルであると規定し、前記レベル表示部を前記第1中間表示部がオンである第1中間表示状態に設定し、前記乗車率が前記第2中間範囲に含まれる場合に前記乗車率のレベルが前記最大レベルよりも1段階下の第2中間レベルであると規定し、前記レベル表示部を前記第2中間表示部がオンである第2中間表示状態に設定し、前記第1中間範囲は乗車率が25%以下の範囲である。
本願発明者は実際のかごの乗車状況を視認した被験者が認識するかごの混み具合と、乗車率表示部の表示から被験者が連想するかごの混み具合とが適合するように確認試験を実施し、その結果に基づいて乗車率の所定範囲を規定した。確認試験の結果に基づいて第1中間範囲が上記のように規定されているため、ユーザが表示装置の表示から連想したかごの混み具合と、実際のかごの状況からユーザが認識したかごの混み具合とのずれが低減される。このため、レベル表示部が第1中間表示状態の場合、かごに乗り込んだ場合にかご内の乗客が2人のみとなり、犯罪に遭う可能性が存在するとユーザが連想することについても妥当性がある。
【0007】
(3)好ましい例では(1)または(2)に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記所定範囲は第3中間範囲を含み、前記レベル表示部は第3中間表示部を含み、前記制御装置は前記乗車率が前記第3中間範囲に含まれる場合に前記乗車率のレベルが前記第1中間レベルと前記第2中間レベルとの間の第3中間レベルであると規定し、前記レベル表示部を第3中間表示部がオンである第3中間表示状態に設定する。
レベル表示部が第3中間表示状態の場合、ユーザが1人でかごに乗り込んだ場合であってもかご内の乗客が2人だけとはならないため、犯罪に遭う可能性が低く、かつ、かごに乗り込むことを断念して新たに呼び登録を行わなければならない可能性が低いと連想することについても妥当性がある。
【0008】
(4)好ましい例では(3)に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記制御装置は前記最小表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最小表示部のみをオンに設定し、前記最大表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最大表示部のみをオンに設定し、前記第1中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記第1中間表示部のみをオンに設定し、前記第2中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記第2中間表示部のみをオンに設定し、前記第3中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記第3中間表示部のみをオンに設定する。
このため、レベル表示部の表示方式を針式表示にできる。
【0009】
(5)好ましい例では(3)に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記制御装置は前記最小表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最小表示部のみをオンに設定し、前記最大表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最小表示部、前記第1中間表示部、前記第3中間表示部、前記第2中間表示部、および、前記最大表示部のみをオンに設定し、前記第1中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最小表示部および前記第1中間表示部のみをオンに設定し、前記第2中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最小表示部、前記第1中間表示部、前記第3中間表示部、および、前記第2中間表示部のみをオンに設定し、前記第3中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最小表示部、前記第1中間表示部、および、前記第3中間表示部のみをオンに設定する。
このため、レベル表示部の表示方式をバーグラフ表示にできる。
【0010】
(6)好ましい例では(3)〜(5)のいずれか一項に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記所定範囲は第4中間範囲を含み、前記レベル表示部は第4中間表示部を含み、前記制御装置は前記乗車率が前記第4中間範囲に含まれる場合に前記乗車率のレベルが前記第3中間レベルと前記第2中間レベルとの間の第4中間レベルであると規定し、前記レベル表示部を前記第4中間表示部がオンである第4中間表示状態に設定する。
レベル表示部が第3中間表示状態または第4中間表示状態の場合、ユーザが1人でかごに乗り込んだ場合であってもかご内の乗客が2人だけとはならないため、犯罪に遭う可能性が低く、かつ、かごに乗り込むことを断念して新たに呼び登録を行わなければならない可能性が低いと連想することについても妥当性がある。
【0011】
(7)好ましい例では(6)に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記制御装置は前記最小表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最小表示部のみをオンに設定し、前記最大表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最大表示部のみをオンに設定し、前記第1中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記第1中間表示部のみをオンに設定し、前記第2中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記第2中間表示部のみをオンに設定し、前記第3中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記第3中間表示部のみをオンに設定し、前記第4中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記第4中間表示部のみをオンに設定する。
このため、レベル表示部の表示方式を針式表示にできる。
【0012】
(8)好ましい例では(6)に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記制御装置は前記最小表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最小表示部のみをオンに設定し、前記最大表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最小表示部、前記第1中間表示部、前記第3中間表示部、前記第4中間表示部、前記第2中間表示部、および、前記最大表示部のみをオンに設定し、前記第1中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最小表示部および前記第1中間表示部のみをオンに設定し、前記第2中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最小表示部、前記第1中間表示部、前記第3中間表示部、前記第4中間表示部、および、前記第2中間表示部のみをオンに設定し、前記第3中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの前記最小表示部、前記第1中間表示部、および、前記第3中間表示部のみをオンに設定し、前記第4中間表示状態において、前記レベル表示部のうちの最小表示部、第1中間表示部、前記第3中間表示部、および、前記第4中間表示部のみをオンに設定する。
このため、レベル表示部の表示方式をバーグラフ表示にできる。
【0013】
(9)好ましい例では(1)〜(8)のいずれか一項に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記制御装置は前記かごの床の総面積に対する前記かごの全積載物の占有面積の割合である占有割合に基づいて前記乗車率を算出する。
このため、占有割合に基づいてレベル表示部の表示状態を変更できる。
【0014】
(10)好ましい例では(9)に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記最小範囲は前記乗車率が0%以下の範囲である。
このため、レベル表示部が最小表示状態の場合、かごが無人状態であるとユーザが連想することについても妥当性がある。
【0015】
(11)好ましい例では(9)または(10)に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記最大範囲は前記乗車率が100%以上の範囲である。
このため、レベル表示部が最大表示状態の場合、かごが満員状態であるとユーザが連想することについても妥当性がある。
【0016】
(12)好ましい例では(9)〜(11)のいずれか一項に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記第1中間範囲は前記乗車率が0%超〜25%以下の範囲である。
レベル表示部が第1中間表示状態の場合、かごに乗り込んだ場合にかご内の乗客が2人のみとなり、犯罪に遭う可能性が存在するとユーザが連想することについても妥当性がある。
【0017】
(13)好ましい例では(9)〜(12)のいずれか一項に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記第2中間範囲は前記乗車率が50%超〜100%未満の範囲である。
レベル表示部が第2中間表示状態の場合、ユーザがかごに乗り込むことを断念し、新たに呼び登録を行わなければならない可能性が存在することを連想することについても妥当性がある。
【0018】
(14)好ましい例では(3)を引用する(9)〜(13)のいずれか一項に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記第3中間範囲は前記乗車率が25%超〜50%以下の範囲である。
レベル表示部が第3中間表示状態の場合、ユーザが1人でかごに乗り込んだ場合であってもかご内の乗客が2人だけとはならないため、犯罪に遭う可能性が低く、かつ、かごに乗り込むことを断念して新たに呼び登録を行わなければならない可能性が低いと連想することについても妥当性がある。
【0019】
(15)好ましい例では(6)を引用する(14)に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記第3中間範囲は前記乗車率が25%超〜35%以下の範囲であり、前記第4中間範囲は前記乗車率が35%超〜50%以下の範囲である。
レベル表示部が第3中間表示状態または第4中間表示状態の場合、ユーザが1人でかごに乗り込んだ場合であってもかご内の乗客が2人だけとはならないため、犯罪に遭う可能性が低く、かつ、かごに乗り込むことを断念して新たに呼び登録を行わなければならない可能性が低いと連想することについても妥当性がある。
【0020】
(16)好ましい例では(1)〜(15)のいずれか一項に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記制御装置は前記かごの定格積載重量に対する前記かごの全積載物の重量の割合である重量割合、および、前記かごの床の総面積に対する前記かごの全積載物の占有面積の割合である占有割合に基づいて前記乗車率を算出する。
このため、多様な観点からレベル表示部の表示状態を変更できる。
【0021】
(17)好ましい例では(1)〜(16)のいずれか一項に記載のエレベータ装置の表示装置において、前記制御装置は前記かごの全積載物に人のみが含まれる場合と、前記かごの全積載物に人および車が含まれる場合とで前記乗車率表示部の表示状態の制御に用いる前記所定範囲を変更する。
このため、全積載物に含まれる各積載物の種類に応じて、レベル表示部の表示状態を変更できる。
【発明の効果】
【0022】
上記エレベータ装置の表示装置によれば、ユーザが乗車率表示部の表示から連想するかごの混み具合と、実際のかごの状況からユーザが認識するかごの混み具合とのずれが低減される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1実施形態)
図1に示されるように、エレベータ装置100が設置された建築物200の各フロアにはエレベータ装置100のかご110への乗車を予定している人(以下では「ユーザ」)が待機するための乗り場200Aが設けられている。かご110が移動する昇降路(図示略)と乗り場200Aとを区画する建築物200の壁240には昇降路と乗り場200Aとを繋げる開口220が設けられている。開口220には開口220を開閉する乗降戸230が設けられている。
【0025】
図2に示されるように、エレベータ装置100は情報表示部20、制御装置30、操作盤300(
図1参照)、重量検出部400、および、回転検出部500を備えている。情報表示部20はエレベータ装置100に関する様々な情報(以下では「エレベータ情報」)を表示する。情報表示部20は制御装置30と電気的に接続されている。情報表示部20および制御装置30はシステムとして表示装置10を構成する。制御装置30は重量検出部400および回転検出部500が送信する検出信号を受信できるように各検出部400、500と電気的に接続されている。重量検出部400はエレベータ装置100のかご110の積載物の重量を検出する。回転検出部500はエレベータ装置100の綱車(図示略)の回転量を検出する。操作盤300は壁240における開口220の側方の部分に設けられ、ユーザによって操作される。
【0026】
制御装置30は重量検出部400および回転検出部500の検出結果に基づいて、第1制御、第2制御、および、第3制御を実行する。第1制御は回転検出部500の検出結果に基づいて、昇降路におけるかご110の位置であるかご位置を算出する制御である。第2制御は重量検出部400の検出結果に基づいて、かご110の乗車率等を算出する制御である。第3制御はかご位置、および、乗車率に基づいて、情報表示部20の表示を変更する制御である。なお、各制御を実行する制御装置を個別に設けてもよい。
【0027】
かご110の各積載物の種類は第1種積載物、第2種積載物、および、第3種積載物に分類される。第1種積載物はかご110に乗車している人である。第2種積載物はかご110に乗車している人、および、その人がつれている車の組である。第2種積載物に含まれる車は第1種車および第2種車に分類される。第1種車は人が乗っていない車である。第1種車の一例はショッピングカートである。第2種車は人が乗っている車である。第2種車の一例はベビーカーおよび車椅子である。第3種積載物は人が乗っている車である。第3種積載物に含まれる車の一例は車椅子である。
【0028】
制御装置30は第2制御において、エレベータ情報の一例として乗車率を算出する。乗車率の規定の仕方は任意に選択できる。一例では、乗車率はかご110の定格積載量に対する全積載物の重量の割合(以下「重量割合」)、および、かご110の床の総面積に対する全積載物の占有面積の割合(「占有割合」)を含む。重量割合は重量検出部400の信号に基づいて算出される。占有割合は全積載物の占有面積をかご110の床の総面積で除すことにより算出される。全積載物の占有面積は全積載物をかご110の床に投影した面積である。全積載物の占有面積の求め方は任意に選択できる。第1例では、全積載物の占有面積は例えば特開2012−193007号公報に記載されているように、かご110の出入口またはその近傍に設けられる光電センサ(図示略)の検出結果に基づいて、制御装置30がかご110の各積載物の種類を判定し、予め規定される各積載物の種類と占有面積との関係から各積載物の占有面積を算出する。そして、算出した各積載物の占有面積を合算して全積載物の占有面積を算出する。第2例では、全積載物の占有面積はかご110内を撮影するカメラ等の画像情報に基づいて算出される。
【0029】
図3は情報表示部20および操作盤300の正面図である。情報表示部20および操作盤300は上下に並べて壁240に設けられている。情報表示部20はユーザが視認しやすいように操作盤300よりも上方に設けられている。
【0030】
操作盤300は壁240に取り付けられているブラケット(図示略)に固定されたフェースプレート300C、ならびに、フェースプレート300Cに形成された孔から突き出た上方呼び登録ボタン300Aおよび下方呼び登録ボタン300Bを備えている。上方呼び登録ボタン300Aは上のフロアに移動する場合にかご110を呼ぶボタンである。下方呼び登録ボタン300Bは下のフロアに移動する場合にかご110を呼ぶボタンである。
【0031】
情報表示部20は壁240に取り付けられているブラケット(図示略)に固定された樹脂板40、かご位置に関する情報、および、かご110の進行方向に関する情報を表示するかご情報表示部50、ならびに、かご110の乗車率に関する情報を表示する乗車率表示部60を備えている。
【0032】
樹脂板40を構成する材料は半透明の樹脂材料である。樹脂板40の表面は着色されている。表面の色の一例はブルースモークである。樹脂板40には第1窓41および第2窓42が形成されている。第1窓41の形状は縦長の長方形である。第2窓42は第1窓41の下方に形成されている。第2窓42の形状は横長の長方形である。
【0033】
かご情報表示部50は第1窓41に配置されたLEDドットマトリクス51(
図2参照)を含む。LEDドットマトリクス51はかご110の進行方向を示す矢印、および、かご110が着床している階、または、走行しているかご110の最も近い階を示す数字を表示する。
【0034】
乗車率表示部60は第2窓42に配置された光拡散シート61、ならびに、光拡散シート61の背面側に配置された複数のLEDランプ62(
図2参照)を備えている。光拡散シート61は乳白色の樹脂シートである。光拡散シート61の表面には複数のLEDランプ62(
図2参照)の少なくとも1つから出力された光を吸収する遮光層61Aが設けられている。遮光層61Aは黒色塗料の層である。遮光層61Aに設けられる孔はレベル表示部80および目盛線85を構成している。レベル表示部80は乗車率のレベルを表示する。レベル表示部80は最小表示部80A、最大表示部80B、および、複数の中間表示部81〜84を含む。
【0035】
レベル表示部80および目盛線85は複数のLEDランプ62(
図2参照)のうちの対応するLEDランプ62の光を乗り場200A側に透過させる。制御装置30はエレベータ装置100の電源が投入されているとき、かご110の乗車率を算出し、算出した乗車率に基づいて複数のLEDランプ62の点灯および消灯を制御する。
【0036】
図2に示されるように、複数のLEDランプ62は最小レベルランプ62A、最大レベルランプ62B、第1ランプ71、第2ランプ72、第3ランプ73、第4ランプ74、および、目盛ランプ75を含む。複数のLEDランプ62が出力する光の色は任意に選択できる。第1例では、複数のLEDランプ62は互いに同一の色を出力する。出力する色の一例は黄色、緑色、または、赤色である。第2例では、複数のLEDランプ62のうちの少なくとも2つのLEDランプは互いに異なる色を出力する。なお、乗車率表示部60を光拡散シート61、および、複数のLEDランプ62を用いて構成したが、光拡散シート61および複数のLEDランプ62に代えて、乗車率表示部60を液晶ディスプレイにより構成することもできる。
【0037】
レベル表示部80の表示は対応するLEDランプ62の点灯状態に応じてオンまたはオフをとる。レベル表示部80の表示がオンとは最小表示部80A、最大表示部80B、および、複数の中間表示部81〜84のそれぞれに対応するLEDランプ62が点灯し、最小表示部80A、最大表示部80B、および、複数の中間表示部81〜84がその光を透過している状態である。レベル表示部80の表示がオフとは最小表示部80A、最大表示部80B、および、複数の中間表示部81〜84のそれぞれに対応するLEDランプ62が消灯し、最小表示部80A、最大表示部80B、および、複数の中間表示部81〜84がLEDランプ62の光を透過していない状態である。最小レベルランプ62Aは最小表示部80Aの表示のオンとオフとを切り替える。最大レベルランプ62Bは最大表示部80Bの表示のオンとオフとを切り替える。第1ランプ71は第1中間表示部81の表示のオンとオフとを切り替える。第2ランプ72は第2中間表示部82の表示のオンとオフとを切り替える。第3ランプ73は第3中間表示部83の表示のオンとオフとを切り替える。第4ランプ74は第4中間表示部84の表示のオンとオフとを切り替える。目盛ランプ75は常に点灯している。このため、目盛線85の表示は常にオンである。
【0038】
乗車率表示部60は乗車率のレベルに応じて最小表示部80A、最大表示部80B、および、複数の中間表示部81〜84のいずれか1つの表示部がオンとなり、他の表示部がオフとなることにより乗車率のレベルを表示する針式表示である。なお、乗車率表示部60は乗車率のレベルに応じて最小表示部80A、最大表示部80B、および、複数の中間表示部81〜84の表示部がオンとなる数が変化することにより乗車率のレベルを表示するバーグラフ表示であってもよい。乗車率表示部60のバーグラフ表示の一例では、乗車率のレベルが増加するにつれて最小表示部80A、最大表示部80B、および、複数の中間表示部81〜84のうちの表示部がオンとなる数が増加し、乗車率のレベルが減少するにつれて表示部がオンとなる数が減少することにより乗車率のレベルを表示する。
【0039】
最小表示部80A、最大表示部80B、および、複数の中間表示部81〜84は左右方向において最小表示部80A、第1中間表示部81、第3中間表示部83、第4中間表示部84、第2中間表示部82、および、最大表示部80Bの順に整列している。最小表示部80A、最大表示部80B、および、複数の中間表示部81〜84は対応するLEDランプ62の光を乗り場200A側に透過させることができるようにLEDランプ62に対して乗り場200A側に設けられている。
【0040】
図4に示されるように、最小表示部80Aは人が搭乗していないかごを連想させる形状を有し、目盛線85の複数の刻み85Aのうちの最も左側を指している。このため、最小表示部80Aは乗車率が低いことをユーザに連想させることができるシンボルとして機能する。最大表示部80Bは複数の人が搭乗しているかごを連想させる形状を有し、目盛線85の複数の刻み85Aのうちの最も右側を指している。このため、最大表示部80Bは乗車率が高いことをユーザに連想させることができるシンボルとして機能する。複数の中間表示部81〜84は棒形状である。複数の中間表示部81〜84の長手方向の寸法は第2中間表示部82、第4中間表示部84、第3中間表示部83、および、第1中間表示部81の順に長い。目盛線85の複数の刻み85Aは最小表示部80A、最大表示部80B、および、複数の中間表示部81〜84が乗車率のレベルを表示していることを連想させる。
【0041】
制御装置30は乗車率である重量割合および占有割合に応じてレベル表示部80の表示状態を制御する。制御装置30はかご110の乗車率の所定範囲とレベル表示部80の表示状態とが対応付けられた変換テーブルを用いてレベル表示部80の表示状態を制御する。変換テーブルに規定される乗車率の所定範囲は重量割合の範囲と占有割合の範囲とが組み合わせられたものである。重量割合の範囲は所定割合WA%未満の範囲である第1重量範囲、および、所定割合WA%以上の範囲である第2重量範囲を含む。所定割合WAは重量割合が高いことにより、占有割合に関わらず、かご110の乗車率のレベルが最大レベルであると判定できる割合である。一例では、所定割合WAは80%である。占有割合の範囲は範囲の小さい順に最小占有範囲、第1占有範囲、第3占有範囲、第4占有範囲、第2占有範囲、および、最大占有範囲を含む。
【0042】
乗車率の所定範囲は最小範囲、第1中間範囲、第3中間範囲、第4中間範囲、第2中間範囲、および、最大範囲を含む。最小範囲は第1重量範囲と最小占有範囲とが組み合わせられた範囲である。第1中間範囲は第1重量範囲と第1占有範囲とが組み合わせられた範囲である。第3中間範囲は第1重量範囲と第3占有範囲とが組み合わせられた範囲である。第4中間範囲は第1重量範囲と第4占有範囲とが組み合わせられた範囲である。最大範囲は第1重量範囲と最大占有範囲とが組み合わせられた範囲である。乗車率の所定範囲は第2重量範囲と任意の占有割合の範囲とが組み合わせられた超過範囲をさらに含む。超過範囲における乗車率のレベルは最大範囲における乗車率のレベルと同レベルである。
【0043】
制御装置30は乗車率が最小範囲に含まれる場合に乗車率のレベルが最小レベルであると規定する。制御装置30は乗車率が最大範囲または超過範囲に含まれる場合に乗車率のレベルが最大レベルであると規定する。制御装置30は乗車率が第1中間範囲に含まれる場合に乗車率のレベルが最小レベルよりも1段階上の第1中間レベルであると規定する。制御装置30は乗車率が第2中間範囲に含まれる場合に乗車率のレベルが最大レベルよりも1段階下の第2中間レベルであると規定する。制御装置30は乗車率が第3中間範囲に含まれる場合に乗車率のレベルが第1中間レベルと第2中間レベルとの間の第3中間レベルであると規定する。制御装置30は乗車率が第4中間範囲に含まれる場合に乗車率のレベルが第3中間レベルと第2中間レベルとの間の第4中間レベルであると規定する。
【0044】
図5は従来の変換テーブル(以下「第1変換テーブル」)の一例である。第1変換テーブでは、乗車率の所定範囲が最小範囲の場合の最小占有範囲は10%以下であり、この場合、レベル表示部80は最小表示状態に設定される。最小表示状態では、レベル表示部80のうちの最小表示部80Aのみがオンに設定される。
【0045】
乗車率の所定範囲が第1中間範囲の場合の第1占有範囲は10%超〜30%以下であり、この場合、レベル表示部80は第1中間表示状態に設定される。第1中間表示状態では、レベル表示部80のうちの第1中間表示部81のみがオンに設定される。
【0046】
乗車率の所定範囲が第3中間範囲の場合の第3占有範囲は30%超〜50%以下であり、この場合、レベル表示部80は第3中間表示状態に設定される。第3中間表示状態では、レベル表示部80のうちの第3中間表示部83のみがオンに設定される。
【0047】
乗車率の所定範囲が第4中間範囲の場合の第4占有範囲は50%超〜70%以下であり、この場合、レベル表示部80は第4中間表示状態に設定される。第4中間表示状態では、レベル表示部80のうちの第4中間表示部84のみがオンに設定される。
【0048】
乗車率の所定範囲が第2中間範囲の場合の第2占有範囲は70%超〜90%未満であり、この場合、レベル表示部80は第2中間表示状態に設定される。第2中間表示状態では、レベル表示部80のうちの第2中間表示部82のみがオンに設定される。
【0049】
乗車率の所定範囲が最大範囲の場合の最大占有範囲は90%以上であり、この場合、レベル表示部80は最大表示状態に設定される。乗車率の所定範囲が超過範囲の場合、レベル表示部80は最大表示状態に設定される。最大表示状態では、レベル表示部80のうちの最大表示部80Bのみがオンに設定される。
【0050】
レベル表示部80の表示状態の制御に関して、従来の第1変換テーブルを用いた場合、乗車率表示部60の表示からユーザが連想したかご110の混み具合と、実際のかご110の状況からユーザが認識したかご110の混み具合とのずれが大きい。このため、本願発明者はレベル表示部80の表示状態の制御に関して、実際のかご110の乗車状況を視認した被験者が認識するかごの混み具合と、レベル表示部80の表示から被験者が連想するかご110の混み具合とが適合するように確認試験を実施し、その結果に基づいて乗車率の所定範囲を規定した。確認試験の結果に基づいて規定される乗車率の所定範囲を含む変換テーブルは全積載物に第1種積載物のみが含まれる場合と、全積載物に第2種積載物および第3種積載物の少なくとも一方が含まれる場合とで使い分けた方が好ましい。以下では、前者の場合に用いる変換テーブルを第2変換テーブルと称し、後者の場合に用いる変換テーブルを第3変換テーブルと称する。
【0051】
図6を参照して、第2変換テーブルおよび第3変換テーブルについて説明する。
乗車率の所定範囲が最小範囲の場合の最小占有範囲はRE%以下であり、この場合、レベル表示部80は最小表示状態に設定される。レベル表示部80の表示方式が針式表示の場合、最小表示状態では、レベル表示部80のうちの最小表示部80Aのみがオンに設定される。レベル表示部80が最小表示状態の場合、かご110が無人状態であるとユーザに連想させることができる。なお、レベル表示部80の表示方式がバーグラフ表示の場合であっても、最小表示状態では、レベル表示部80のうちの最小表示部80Aのみがオンに設定される。
【0052】
乗車率の所定範囲が第1中間範囲の場合の第1占有範囲はRE%超〜RA%以下であり、この場合、レベル表示部80は第1中間表示状態に設定される。レベル表示部80の表示方式が針式表示の場合、第1中間表示状態では、レベル表示部80のうちの第1中間表示部81のみがオンに設定される。レベル表示部80が第1中間表示状態の場合、かご110に乗り込んだ場合にかご110内の乗客が2人のみとなり、犯罪に遭う可能性が存在するとユーザに連想させることができる。なお、レベル表示部80の表示方式がバーグラフ表示の場合、第1中間表示状態では、レベル表示部80のうちの最小表示部80Aおよび第1中間表示部81のみがオンに設定される。
【0053】
乗車率の所定範囲が第3中間範囲の場合の第3占有範囲はRA%超〜RB%以下であり、この場合、レベル表示部80は第3中間表示状態に設定される。レベル表示部80の表示方式が針式表示の場合、第3中間表示状態では、レベル表示部80のうちの第3中間表示部83のみがオンに設定される。なお、レベル表示部80の表示方式がバーグラフ表示の場合、第3中間表示状態では、レベル表示部80のうちの最小表示部80A、第1中間表示部81、および、第3中間表示部83のみがオンに設定される。
【0054】
乗車率の所定範囲が第4中間範囲の場合の第4占有範囲はRB%超〜RC%以下であり、この場合、レベル表示部80は第4中間表示状態に設定される。レベル表示部80の表示方式が針式表示の場合、第4中間表示状態では、レベル表示部80のうちの第4中間表示部84のみがオンに設定される。なお、レベル表示部80の表示方式がバーグラフ表示の場合第4中間表示状態では、レベル表示部80のうちの最小表示部80A、第1中間表示部81、第3中間表示部83、および、第4中間表示部84のみがオンに設定される。
【0055】
レベル表示部80が第3中間表示状態または第4表示状態の場合、1人でかご110に乗り込んだ場合であってもかご110内の乗客が2人のみとはならないため、犯罪に遭う可能性が低く、かつ、かご110に乗り込むことを断念して新たに呼び登録を行わなければならない可能性が低いとユーザに連想させることができる。さらに、レベル表示部80が第3中間表示状態の場合、かご110の乗車率が比較的低いことをユーザに連想させることができる。一方、レベル表示部80が第4中間表示状態の場合、かご110の乗車率が比較的高いことをユーザに連想させることができる。
【0056】
乗車率の所定範囲が第2中間範囲の場合の第2占有範囲はRC%超〜RF%未満であり、この場合、レベル表示部80は第2中間表示状態に設定される。レベル表示部80の表示方式が針式表示の場合、第2中間表示状態では、レベル表示部80のうちの第2中間表示部82のみがオンに設定される。レベル表示部80が第2中間表示状態の場合、かご110に乗り込むことを断念し、新たに呼び登録を行わなければならない可能性が存在することをユーザに連想させることができる。なお、レベル表示部80の表示方式がバーグラフ表示の場合、第2中間表示状態では、レベル表示部80のうちの最小表示部80A、第1中間表示部81、第3中間表示部83、第4中間表示部84、および、第2中間表示部82のみがオンに設定される。
【0057】
乗車率の所定範囲が最大範囲の場合の最大占有範囲はRF%以上であり、この場合、レベル表示部80は最大表示状態に設定される。乗車率の所定範囲が超過範囲の場合、レベル表示部80は最大表示状態に設定される。レベル表示部80の表示方式が針式表示の場合、最大表示状態では、レベル表示部80のうちの最大表示部80Bのみがオンに設定される。レベル表示部80が最大表示状態の場合、かご110が満員状態であるとユーザに連想させることができる。なお、レベル表示部80の表示方式がバーグラフ表示の場合、最大表示状態では、レベル表示部80のうちの最小表示部80A、第1中間表示部81、第3中間表示部83、第4中間表示部84、第2中間表示部82、および、最大表示部80Bのみがオンに設定される。各所定値RE、RF、RA〜RCの大小関係はRE≦RA≦RB≦RC≦RFである。
【0058】
第2変換テーブルおよび第3変換テーブルにおける各所定値RE、RF、RA〜RCは確認試験に基づいて規定される値である。確認試験の主たる目的は実際のかご110の乗車状況に適合するレベル表示部80の表示状態を規定することである。実際のかご110の乗車状況は制御装置30において、乗車率が所定範囲に含まれることに基づいて規定される乗車率のレベルとして表現される。このため、本願発明者は確認試験において、乗車率のレベルで表現される実際のかご110の乗車状況からユーザが認識するかご110の混み具合とレベル表示部80の表示状態からユーザが連想するかご110の混み具合とが合致するような組み合わせを規定することとした。このような組み合わせは乗車率が所定範囲に含まれることに基づいて規定される乗車率のレベルとレベル表示部80の表示状態との組み合わせとして第2変換テーブルおよび第3変換テーブルに規定して制御装置30に組み込まれる。
【0059】
第2変換テーブルを規定する確認試験の手順について説明する。
まず、占有割合が0%〜100%の全範囲に含まれる所定の占有割合(以下「所定占有割合」)を偏らないように複数決定し、全積載物に含まれる積載物の種類が第1種積載物のみである状態で、各所定占有割合となるようにしたかご110内を撮影した複数の画像(以下「試験画像」)を準備する。
【0060】
次に、複数の試験画像の中から任意の試験画像を抽出し、抽出した試験画像を任意の被験者に提示する(以下「提示作業」)。抽出した試験画像を確認した被験者に対して、最小表示部80A、第1中間表示部81、第2中間表示部82、第3中間表示部83、第4中間表示部84、または、最大表示部80Bのうちのいずれの表示部の表示がオンであることが妥当であるかを回答してもらう(以下「回答要求作業」)。提示作業および回答要求作業は全ての試験画像について全ての被験者に対して行う。被験者の数は数十人である。
【0061】
次に、回答要求作業で得られた被験者の回答結果を
図7のグラフにプロットする(以下「プロット作業」)。プロット作業は全ての回答結果について行う。プロット作業の結果を表の形式でまとめたものが
図6の表のうちの重量割合がWA%未満の部分である。確認試験の結果では、所定値REは0、所定値RAは25、所定値RBは35、所定値RCは50、および、所定値RFは100が好ましい値であることが確認された。なお、確認試験の結果に基づいて規定される最小占有割合は0%であり、最大占有割合は100%であるが、第2変換テーブルに実際に規定される最小占有割合は0%以下の範囲であり、最大占有割合は100%以上の範囲としている。この理由は制御装置30が算出する占有割合に誤差が含まれる可能性を考慮したためである。また、第3変換テーブルに関しても第2変換テーブルを規定するための確認試験と同様の試験を行うことにより、各所定値RE、RF、RA〜RCを規定できる。第3変換テーブルを規定する確認試験では、試験画像として、全積載物に含まれる積載物の種類に第2種積載物および第3種積載物の少なくとも一方が含まれる状態で、各所定占有割合となるようにしたかご110内を撮影した複数の画像(以下「試験画像」)が準備される。
【0062】
図4および
図6を参照して、表示装置10の動作について説明する。
乗車率が最小範囲に含まれる場合、レベル表示部80は最小表示状態に設定される。乗車率が第1中間範囲に含まれる場合、レベル表示部80は第1中間表示状態に設定される。乗車率が第3中間範囲に含まれる場合、レベル表示部80は第3中間表示状態に設定される。乗車率が第4中間範囲に含まれる場合、レベル表示部80は第4中間表示状態に設定される。乗車率の所定範囲が第2中間範囲である場合、レベル表示部80は第2中間表示状態に設定される。乗車率が最大範囲または超過範囲に含まれる場合、レベル表示部80は最大表示状態に設定される。
【0063】
表示装置10によれば、次のような作用および効果が得られる。
確認試験の結果に基づいて第2中間範囲および第1中間範囲が上記のように規定されているため、表示装置10の表示からユーザが連想したかご110の混み具合と、実際のかご110の状況からユーザが認識したかご110の混み具合とのずれが低減される。
【0064】
(第2実施形態)
第2実施形態の表示装置210は第1実施形態の乗車率表示部60(
図4参照)に代えて、
図8に示される乗車率表示部260を備えている。なお、以下の説明では第1実施形態と共通する事項に関する説明を省略している。
【0065】
乗車率表示部260はシンボル290、レベル表示部280、および、目盛線285を備える。シンボル290は第1シンボル291および第2シンボル292を備える。第1シンボル291、第2シンボル292、および、目盛線285は乗車率に関わらず常に表示がオンとなる。レベル表示部280は最小表示部280A、最大表示部280B、および、複数の中間表示部281〜284を備える。乗車率表示部260は乗車率のレベルに応じて最小表示部280A、最大表示部280B、および、複数の中間表示部281〜284のうちのいずれか1つの表示部がオンとなり、他の表示部がオフとなることにより乗車率のレベルを表示する針式表示である。なお、乗車率表示部260は乗車率のレベルに応じて最小表示部280A、最大表示部280B、および、複数の中間表示部281〜284のうちの表示部がオンとなる数が変化することにより乗車率のレベルを表示するバーグラフ表示であってもよい。一例では、乗車率表示部260は乗車率のレベルが増加するにつれて、最小表示部280A、最大表示部280B、および、複数の中間表示部281〜284のうちの表示部がオンとなる数が増加し、乗車率のレベルが減少するにつれて、表示部がオンとなる数が減少する。
【0066】
シンボル290、最小表示部280A、最大表示部280B、および、複数の中間表示部281〜284は左右方向において、第1シンボル291、最小表示部280A、第1中間表示部281、第3中間表示部283、第4中間表示部284、第2中間表示部282、最大表示部280B、および、第2シンボル292の順に整列している。
【0067】
シンボル290は最小表示部280A、最大表示部280B、複数の中間表示部281〜284が乗車率を表示していることをユーザに連想させる。第1シンボル291は人が搭乗していないかごを連想させるかご部291A、および、かご部291Aが上下方向に移動することを連想させる矢印部291Bを含む。このため、かご部291Aは乗車率が低いことをユーザに連想させることができるシンボルとしても機能する。
【0068】
第2シンボル292は複数の人がかごに搭乗していることを連想させるかご部292A、および、かご部292Aが上下方向に移動することを連想される矢印部292Bを備える。このため、かご部292Aは乗車率が高いことをユーザに連想させることができるシンボルとしても機能する。
【0069】
最小表示部280A、最大表示部280B、および、複数の中間表示部281〜284は目盛線285の複数の刻み285Aを指す針式表示である。一例では最小表示部280A、最大表示部280B、複数の中間表示部281〜284は全て同じ形状である。目盛線285の複数の刻み285Aは最小表示部280A、最大表示部280B、および、複数の中間表示部281〜284が乗車率のレベルを表示していることを連想させる。
【0070】
第2実施形態の表示装置210の動作について説明する。第2実施形態の表示装置210ではエレベータ装置100の電源が投入されているとき、第1シンボル291、第2シンボル292、および、目盛線285は常に表示がオンとなる。なお、以下ではレベル表示部280の表示方式が針式表示の場合を例に説明するが、レベル表示部280の表示方式をバーグラフ表示とすることもできる。
【0071】
乗車率が最小範囲に含まれる場合、制御装置30により目盛ランプ75を除く複数のLEDランプ62のうちの最小レベルランプ62Aのみが点灯され、最小表示部280Aの表示のみがオンとなる。
【0072】
乗車率が第1中間範囲に含まれる場合、制御装置30により目盛ランプ75を除く複数のLEDランプ62のうちの第1ランプ71のみが点灯され、第1中間表示部281の表示のみがオンとなる。
【0073】
乗車率が第3中間範囲に含まれる場合、制御装置30により目盛ランプ75を除く複数のLEDランプ62のうちの第3ランプ73のみが点灯され、第3中間表示部283の表示のみがオンとなる。
【0074】
乗車率が第4中間範囲に含まれる場合、制御装置30により目盛ランプ75を除く複数のLEDランプ62のうちの第4ランプ74のみが点灯され、第4中間表示部284の表示のみがオンとなる。
【0075】
乗車率が第2中間範囲に含まれる場合、制御装置30により目盛ランプ75を除く複数のLEDランプ62のうちの第2ランプ72のみが点灯され、第2中間表示部282の表示のみがオンとなる。
【0076】
乗車率が最大範囲または超過範囲に含まれる場合、制御装置30により目盛ランプ75を除く数のLEDランプ62のうちの最大レベルランプ62Bのみが点灯され、最大表示部280Bの表示のみがオンとなる。
【0077】
(第3実施形態)
第3実施形態の表示装置310は第2実施形態の乗車率表示部260(
図8参照)に代えて、
図9に示される乗車率表示部360を備えている。なお、以下の説明では第2実施形態と共通する事項に関する説明を省略している。
【0078】
乗車率表示部360はシンボル390、レベル表示部380、および、目盛線385を備える。シンボル390は第1シンボル391、第2シンボル392、および、第3シンボル393を備える。第1シンボル391〜第3シンボル393、および、目盛線385は乗車率に関わらず常に表示がオンとなる。
【0079】
レベル表示部380は最小表示部380A、最大表示部380B、および、複数の中間表示部381〜383を備える。最小表示部380A、最大表示部380B、および、複数の中間表示部381〜383は左右方向において、最小表示部380A、第1中間表示部381、第3中間表示部383、第2中間表示部382、および、最大表示部380Bの順に弧を描くように整列している。
【0080】
乗車率表示部360は乗車率のレベルが増加するごとに最小表示部380A、最大表示部380B、および、複数の中間表示部381〜383の表示部がオンとなる数が変化することにより乗車率のレベルを表示するバーグラフ表示である。一例では、乗車率表示部360は乗車率のレベルが増加するにつれて、最小表示部380A、最大表示部380B、および、複数の中間表示部381〜383のうちの表示部がオンとなる数が増加し、乗車率のレベルが減少するにつれて、表示部がオンとなる数が減少することにより乗車率のレベルを表示する。
【0081】
第1シンボル391は目盛線385の下方に設けられている。第1シンボル391は最小表示部380A、最大表示部380B、および、複数の中間表示部381〜383が乗車率を表示していることをユーザに連想させる。第1シンボル391は人が搭乗しているかごを連想させるかご部391A、および、かご部391Aが上下方向に移動することを連想させる矢印部391Bを含む。
【0082】
第2シンボル392は目盛線385の一部を構成し、乗車率が低いことをユーザに連想させることができるシンボルである。第2シンボル392は目盛線385の一方の端部に設けられている。第2シンボル392はEmptyの頭文字である「E」を表示している。
【0083】
第3シンボル393は目盛線385の一部を構成し、乗車率が高いことをユーザに連想させることができるシンボルである。第3シンボル393は目盛線385の他方の端部に設けられている。第3シンボル393はFullの頭文字である「F」を表示している。目盛線385の複数の刻み385Aは最小表示部380A、最大表示部380B、および、複数の中間表示部381〜383が乗車率のレベルを表示していることを連想させる。
【0084】
第3実施形態の表示装置310の動作について説明する。第3実施形態の表示装置310ではエレベータ装置100の電源が投入されているとき、第1シンボル391〜第3シンボル393、および、目盛線385は常に表示がオンとなる。なお、以下ではレベル表示部380の表示方式がバーグラフ表示の場合を例に説明するが、レベル表示部380の表示方式を針式表示とすることもできる。
【0085】
乗車率が最小範囲に含まれる場合、最小表示部380Aの表示のみがオンとなる。乗車率が第1中間範囲に含まれる場合、最小表示部380Aおよび第1中間表示部381の表示のみがオンとなる。乗車率が第3中間範囲または第4中間範囲に含まれる場合、最小表示部380A、第1中間表示部381、および、第3中間表示部383の表示のみがオンとなる。乗車率が第2中間範囲に含まれる場合、最小表示部380A、第1中間表示部381、第3中間表示部383、および、第2中間表示部382の表示のみがオンとなる。乗車率が最大範囲または超過範囲に含まれる場合、最小表示部380A、第1中間表示部381、第3中間表示部383、第2中間表示部382、および、最大表示部380Bの表示がオンとなる。
【0086】
(第4実施形態)
第4実施形態の表示装置410は第3実施形態の乗車率表示部460(
図9参照)に代えて、
図10に示される乗車率表示部460を備えている。なお、以下の説明では第3実施形態と共通する事項に関する説明を省略している。
【0087】
乗車率表示部460はシンボル490およびレベル表示部480を備える。シンボル490は乗車率に関わらず常に表示がオンとなる。
【0088】
シンボル490はレベル表示部480が乗車率を表示していることをユーザに連想させる。シンボル490はかごを連想させるかご部491、および、かご部491が上下方向に移動することを連想させる矢印部492を含む。
【0089】
レベル表示部480は最小表示部480A、最大表示部480B、および、複数の中間表示部481〜483を備える。レベル表示部480はかご491に乗車している人の形状を有する。レベル表示部480はシンボル490のかご部491に囲まれている。乗車率表示部460は乗車率のレベルが増加するごとに最小表示部480A、最大表示部480B、および、複数の中間表示部481〜483のうちの表示部がオンとなる数が変化することにより乗車率のレベルを表示するバーグラフ表示である。一例では、乗車率表示部460は乗車率のレベルが増加するにつれて、最小表示部480A、最大表示部480B、および、複数の中間表示部481〜483のうちの表示部がオンとなる数が増加し、乗車率のレベルが減少するにつれて、表示部がオンとなる数が減少することにより乗車率のレベルを表示する。
【0090】
第4実施形態の表示装置410の動作について説明する。第4実施形態の表示装置410ではエレベータ装置100の電源が投入されているとき、シンボル490は常に表示がオンとなる。
【0091】
乗車率が最小範囲に含まれる場合、レベル表示部480のうちの最小表示部480Aの表示のみがオンとなる。乗車率が第1中間範囲に含まれる場合、レベル表示部480のうちの最小表示部480Aおよび第1中間表示部481の表示のみがオンとなる。乗車率が第3中間範囲または第4中間範囲に含まれる場合、レベル表示部480のうちの最小表示部480A、第1中間表示部481、および、第3中間表示部483の表示のみがオンとなる。乗車率が第2中間範囲に含まれる場合、レベル表示部480のうちの最小表示部480A、第1中間表示部481、第3中間表示部483、および、第2中間表示部482の表示のみがオンとなる。乗車率が最大範囲または超過範囲に含まれる場合、レベル表示部480のうちの最小表示部480A、第1中間表示部481、第3中間表示部483、第2中間表示部482、および、最大表示部480Bの表示がオンとなる。
【0092】
(第5実施形態)
第5実施形態の表示装置510は第1実施形態の乗車率表示部60(
図4参照)に代えて、
図11に示される乗車率表示部560を備えている。なお、以下の説明では第1実施形態と共通する事項に関する説明を省略している。
【0093】
乗車率表示部560はシンボル570およびレベル表示部600を備える。レベル表示部600はバーグラフ表示部580および針式表示部590を含む。バーグラフ表示部580は外郭形状が四角形であり、かごを連想させる。シンボル570はバーグラフ表示部580の上方に設けられ、バーグラフ表示部580が上下方向に移動することを連想させる矢印形状を含む。シンボル570は乗車率のレベルに関わらず常に表示がオンとなる。
【0094】
バーグラフ表示部580は最大表示部580B、および、複数の中間表示部581〜584を備える。最大表示部580Bは乗車率のレベルがかご110内が満員の状態に対応する最大レベルであることを表示する。複数の中間表示部581〜584は乗車率のレベルが最小レベルと最大レベルとの間の中間レベルであることを表示する。最大表示部580B、および、複数の中間表示部581〜584は高さ方向において、第1中間表示部581、第3中間表示部583、第4中間表示部584、第2中間表示部582、および、最大表示部580Bの順に整列している。バーグラフ表示部580は乗車率のレベルが増加するごとに最大表示部580B、および、複数の中間表示部581〜584のうちの表示部がオンとなる数が変化する。一例では、バーグラフ表示部580は乗車率のレベルが増加するにつれて、最大表示部580B、および、複数の中間表示部581〜584のうちの表示部がオンとなる数が増加し、乗車率のレベルが減少するにつれて、表示部がオンとなる数が減少することにより乗車率のレベルを表示する。
【0095】
針式表示部590はバーグラフ表示部580の側方に設けられる。針式表示部590は最小表示部590A、最大表示部590B、および、複数の中間表示部591〜594を備える。最小表示部590Aは第1中間表示部581の最も低い位置を指すように設けられる。最大表示部590Bは最大表示部580Bのうちの最も高い位置を指すように設けられる。
【0096】
第1中間表示部591は第1中間表示部581と第3中間表示部583との間を指すように設けられる。第2中間表示部592は最大表示部580Bと第2中間表示部582との間を指すように設けられる。第3中間表示部593は第3中間表示部583と第4中間表示部584との間を指すように設けられる。第4中間表示部594は第3中間表示部582と第4中間表示部584との間を指すように設けられる。針式表示部590は乗車率のレベルに応じて最小表示部590A、最大表示部590B、および、複数の中間表示部591〜594のうちのいずれか1つの表示部がオンとなり、他の表示部がオフとなることにより乗車率のレベルを表示する。
【0097】
第5実施形態の表示装置510の動作について説明する。
乗車率が最小範囲に含まれる場合、レベル表示部600のうちの最小表示部590Aの表示のみがオンとなる。乗車率が第1中間範囲に含まれる場合、レベル表示部600のうちの第1中間表示部581、および、第1中間表示部591の表示のみがオンとなる。乗車率が第3中間範囲に含まれる場合、レベル表示部600のうちの第1中間表示部581、第3中間表示部583、および、第3中間表示部593の表示のみがオンとなる。乗車率が第4中間範囲に含まれる場合、レベル表示部600のうちの第1中間表示部581、第3中間表示部583、第4中間表示部584、および、第4中間表示部594の表示のみがオンとなる。乗車率が第2中間範囲に含まれる場合、レベル表示部600のうちの第1中間表示部581、第3中間表示部583、第4中間表示部584、中間表示部582、および、第2中間表示部592の表示のみがオンとなる。乗車率が最大範囲または超過範囲に含まれる場合、レベル表示部600のうちの第1中間表示部581、第3中間表示部583、第4中間表示部584、第2中間表示部582、最大表示部580B、および、最大表示部590Bの表示がオンとなる。
【0098】
(変形例)
上記実施形態は本発明に関するエレベータ装置の表示装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関するエレベータ装置の表示装置は実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは省略した形態、または実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
【0099】
・乗車率表示部60の構成は任意に変更できる。第1実施形態の第1変形例の表示装置10では、乗車率表示部60から第4中間表示部84および第4ランプ74が省略される。第1変形例の表示装置10では、第3中間範囲の第3占有範囲がRA%超〜RC%以下に設定される。第1変形例の表示装置10においても第1実施形態の表示装置10に準じた効果が得られる。第1実施形態の第2変形例の表示装置10は5つ以上の中間表示部を備える。
【0100】
・第1実施形態の変形例の表示装置10は占有割合のみに基づいて乗車率を表示する。すなわち、第1実施形態の変形例の表示装置10は重量割合を乗車率として考慮しない。
【0101】
・情報表示部20の設置箇所は任意に選択できる。変形例の表示装置10はかご110内のユーザが乗車率を認識できるように、情報表示部20がかご110内に設置される。