(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のコイル導体層のそれぞれは、前記複数のコンデンサ導体層のいずれか一つと同層に位置し、1周未満に巻回され、両端部の間の切り欠き部が同層に位置する前記コンデンサ導体層に向いている請求項1〜4の何れか1項に記載の電子部品。
前記複数のコイル導体層には、前記複数のコンデンサ導体層のいずれか一つと同層に位置し、1周未満に巻回され、両端部の間の切り欠き部が同層に位置する前記コンデンサ導体層に向いていないコイル導体層が含まれる請求項1〜4の何れか1項に記載の電子部品。
前記素体は、前記第1の側面及び前記実装面と直交する第1の端面及び第2の端面を有し、前記第1の端面からは前記第1外部電極のみが露出し、前記第2の端面からは前記第2外部電極のみが露出する請求項8に記載の電子部品。
前記素体内において、前記第1の側面と平行な主面に沿って延び、前記複数のコイル導体層の少なくとも一つと、前記第1外部電極とを電気的に接続する第1引出導体層と、
前記第1引出導体層と同層に位置し、前記複数のコイル導体層、前記複数のコンデンサ導体層、前記第1外部電極、前記第2外部電極及び前記第1引出導体層のいずれにも接続されていないダミー導体層と、
をさらに備え、
前記積層方向から視て、前記ダミー導体層は、前記複数のコンデンサ導体層のいずれかと重なる請求項7〜9の何れか1項に記載の電子部品。
前記複数のコンデンサ導体層には、前記第1引出導体層と同層に位置する第3コンデンサ導体層と、前記第3コンデンサ導体層と前記積層方向において隣り合う第4コンデンサ導体層と、が含まれ、
前記積層方向から視て、前記第1引出導体層及びダミー導体層は、前記第4コンデンサ導体層とは重ならない請求項10に記載の電子部品。
前記複数のコンデンサ導体層は、一定の第3間隔を空けて前記第1外部電極及び前記第2外部電極の少なくとも一方に沿った形状を有する請求項7〜11の何れか1項に記載の電子部品。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の一態様である実施形態を説明する。
なお、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、または別の図面中のものと異なる場合がある。また、断面図では、理解を容易にするためにハッチングを付しているが、一部の構成要素についてはハッチングを省略している場合がある。
【0023】
図1は、電子部品1の外観を示す概略斜視図である。電子部品1は、素体10を備えている。素体10は、電子部品1の各部材を配置する基体であり、概略で直方体状である。なお、本明細書において、「直方体状」には、角部や稜線部が面取りされた直方体や、角部や稜線部が丸められた直方体が含まれるものとする。また、「直方体状」は、主面及び側面の一部又は全部に凹凸などが形成された形状であってもよく、対向する面が完全に平行となっておらず、多少の傾きがある形状であってもよい。
【0024】
素体10は、実装面11を有している。この実装面11は、電子部品1を回路基板に実装する際に、回路基板と対向する面を意味する。素体10は、実装面11と平行な上面12を有している。また、素体10は、実装面11に対して直交する二対の面を有している。この二対の面のうちの一方の一対の面を第1の側面13及び第2の側面14とし、二対の面のうちの他方の一対の面を第1の端面15及び第2の端面16とする。なお、第1の端面15及び第2の端面16は、第1の側面13及び第2の側面14と直交する。
【0025】
本明細書において、上面12及び実装面11と垂直な方向を「高さ方向」、第1の側面13と第2の側面14と垂直な方向を「幅方向」、第1の端面15と第2の端面16と垂直な方向を「長さ方向」とする。具体的な例示として、「長さ方向L」、「高さ方向T」、「幅方向W」を
図1に図示する。そして、「幅方向」の大きさを「幅寸法」、「高さ方向」の大きさを「高さ寸法」、「長さ方向」の大きさを「長さ寸法」とする。なお、以下では電子部品1の高さ方向における実装面11側を下側、上面12側を上側とする。
【0026】
素体10において、長さ方向Lの大きさ(長さ寸法L1)は、0mmよりも大きく、1.0mm以下が好ましい。本実施形態では、例えば、長さ寸法L1は、0.6mmである。また、素体10において、幅方向Wの大きさ(幅寸法W1)は、0mmよりも大きく、0.6mm以下であることが好ましい。幅寸法W1は、0.36mm以下であることがさらに好ましく、0.33mm以下であることがより好ましい。本実施形態では、例えば、素体10の幅寸法W1は、0.3mmである。また、素体10において、高さ方向Tの大きさ(高さ寸法T1)は、0mmよりも大きく、0.8mm以下であることが好ましい。本実施形態では、例えば、素体10の高さ寸法T1は、0.4mmである。また、本実施形態において、素体10は、幅寸法W1に対して高さ寸法T1が大きい(T1>W1)。
【0027】
図2、
図3及び
図4は、電子部品1の内部構造を含む各部の構成を説明するための図である。電子部品1は、第1外部電極20及び第2外部電極30と、コイル40と、コンデンサ50とをさらに備えている。
図2、
図3及び
図4では、素体10内に位置するコイル40と、コンデンサ50と、後述する第1外部電極20及び第2外部電極30の外部端子電極21,31とを実線にて示すとともに、素体10と、素体10外に位置する後述の第1外部電極20及び第2外部電極30の被覆層22,32とを二点鎖線にて示すことにより、素体10の内外を判り易くしている。また、
図2では、コイル40とコンデンサ50とが重なっているため、コイル40のコイル部40aを塗り潰し、コンデンサ50と区別して判り易くしている。また、コンデンサ50の上端(最も上面12に近い端部)の部分にハッチングを付し、第1外部電極20,第2外部電極30と区別して判り易くしている。
【0028】
図5に示すように、素体10は、第1の側面13と平行な主面を有する長方形の板状の複数の絶縁体層60を含み、複数の絶縁体層60が第1の側面13と垂直な幅方向Wに積層されて構成された直方体状である。従って、幅方向Wは、絶縁体層60の積層方向である。また、幅方向Wと垂直な長さ方向L及び高さ方向Tは、積層方向と垂直な層内方向の一つである。個々の絶縁体層には、それぞれを区別する符号「61,62,63a〜63j,64,65」を付している。以下の説明において、複数の絶縁体層を区別しない場合には符号「60」を用い、個々を区別する場合には符号「61,62,63a〜63j,64,65」を用いる。
【0029】
なお、絶縁体層60の主面は、導体層形成、積層、焼成、硬化などの製造プロセスによって、第1の側面13とは完全に平行とはならず、多少の傾きを有する場合や、面内に凹凸を含む場合がある。このような場合も、絶縁体層60の主面は、第1の側面13と実質的に平行とする。また、焼成や硬化等の製造プロセスによって、絶縁体層60同士の界面が明確となっていない場合がある。
【0030】
絶縁体層60の材料としては、例えば、比透磁率が「2」以下の材料が好ましく、例えば、硼珪酸ガラスなどのガラス、アルミナ、ジルコニア、ポリイミド樹脂等の非磁性材料を用いることができる。なお、絶縁体層60の材料は、比透磁率が「1」に近いことがより好ましい。ただし、電子部品1の使用態様によって、絶縁体層60は磁性体材料からなってもよく、フェライトや磁性粉含有樹脂などを材料に用いてもよい。
【0031】
絶縁体層61,65の色は、他の絶縁体層62,63a〜63j,64の色と異なる。
図1では、これらの絶縁体層61,65をハッチング及び実線にて他の絶縁体層と区別して示している。これにより、電子部品1の実装時に、電子部品1の横転等の検出が可能となる。
【0032】
第1外部電極20及び第2外部電極30は、電子部品1内のコイル40及びコンデンサ50に対する電気信号の入出力端子であり、電子部品1を回路基板に実装する際の回路配線との接続部分となる。第1外部電極20は、素体10の実装面11において露出している。また、第1外部電極20は、素体10の第1の端面15においても露出している。
【0033】
同様に、第2外部電極30は、素体10の実装面11において露出している。また、第2外部電極30は、素体10の第2の端面16においても露出している。
つまり、素体10の実装面11では、第1外部電極20及び第2外部電極30が露出している。言い換えると、素体10において、第1外部電極20及び第2外部電極30が露出する面を実装面11としている。
【0034】
本実施形態において、第1外部電極20は、外部端子電極21と被覆層22とを含む。外部端子電極21は、素体10に埋め込まれている。外部端子電極21は、幅方向Wから視てL字状に形成されている。この外部端子電極21は、素体10の第1の端面15から露出する端面電極23aと、素体10の実装面11から露出する下面電極23bとを含み、端面電極23aと、下面電極23bとが第1の端面15と実装面11との間の稜線上で一体化した構造を有する。被覆層22は、素体10の第1の端面15及び実装面11から露出する外部端子電極21を覆うように形成されている。従って、第1外部電極20は、素体10の表面のうち、幅方向Wと平行な面のみから露出しており、具体的には実装面11及び第1の端面15の2面のみから露出する。
【0035】
本実施形態において、第2外部電極30は、外部端子電極31と被覆層32とを含む。外部端子電極31は、素体10に埋め込まれている。外部端子電極31は、幅方向Wから視てL字状に形成されている。この外部端子電極31は、素体10の第2の端面16から露出する端面電極33aと、素体10の実装面11から露出する下面電極33bとを含み、端面電極33aと、下面電極33bとが第2の端面16と実装面11との間の稜線上で一体化した構造を有する。被覆層32は、素体10の第2の端面16及び実装面11から露出する外部端子電極31を覆うように形成されている。従って、第2外部電極30は、素体10の表面のうち、幅方向Wと平行な面のみから露出しており、具体的には実装面11及び第2の端面16の2面のみから露出する。
【0036】
上記の構成では、第1,第2外部電極20,30は、素体10の表面のうち、幅方向Wと平行な面のみから露出しているため、コイル40の中心を幅方向Wに通過する磁束が、第1,第2外部電極20,30に遮られない。また、電子部品1を回路基板に実装した場合に、上記磁束は回路基板の主面と平行となり、回路基板の回路配線に遮られ難くなる。従って、電子部品1のQ値を向上できる。
【0037】
特に、第1,第2外部電極20,30は、素体10の表面のうち、幅方向Wと平行な2面(第1の端面15及び実装面11、並びに、第2の端面16及び実装面11)のみから露出しており、3面以上から露出している場合と比較して、コイル40の外側を通過する磁束が、第1,第2外部電極20,30に遮られる割合を低減することができ、電子部品1のQ値を向上できる。一方で、第1,第2外部電極20,30が、実装面11に加えて、第1の端面15、第2の端面16からも露出していることにより、実装面11のみから露出している場合と比較して、回路基板に電子部品1を実装する際の実装性が向上する。
【0038】
第1外部電極20は、第1の端面15において、素体10の実装面11から、素体10の高さ寸法T1の略1/2の長さに形成されている。第1外部電極20は、幅方向Wにおいて、素体10の略中央に形成されている。本実施形態において、幅方向Wにおける第1外部電極20の大きさ(幅寸法)は、素体10の幅寸法W1より小さい。すなわち、素体10の表面のうち、幅方向Wの両端にある第1の側面13及び第2の側面14からは第1外部電極20は露出していない。なお、第1外部電極20の幅寸法は、適宜変更されてもよく、例えば素体10の幅方向Wの全体に亘って形成されて第1の側面13及び第2の側面14から露出していてもよい。また、第1外部電極20は、実装面11からは露出するが第1の端面15からは露出しない構成であってもよく、その逆であってもよい。
【0039】
第2外部電極30は、第2の端面16において、素体10の実装面11から、素体10の高さ寸法T1の略1/2の長さに形成されている。第2外部電極30は、幅方向Wにおいて、素体10の略中央に形成されている。本実施形態において、幅方向Wにおける第2外部電極30の大きさ(幅寸法)は、素体10の幅寸法W1より小さい。すなわち、素体10の表面のうち、幅方向Wの両端にある第1の側面13及び第2の側面14からは第2外部電極30は露出していない。なお、第2外部電極30の幅寸法は、適宜変更されてもよく、例えば素体10の幅方向Wの全体に亘って形成されて第1の側面13及び第2の側面14から露出していてもよい。また、第2外部電極30は、実装面11からは露出するが第2の端面16からは露出しない構成であってもよく、その逆であってもよい。
【0040】
第1外部電極20及び第2外部電極30の実装面11から露出する部分の長さ方向Lの大きさ、第1の端面15、第2の端面16から露出する部分の高さ方向Tの大きさはそれぞれ、0.1mm以上、0.2mm以下であることが好ましく、本実施形態では、例えば0.15mmである。
【0041】
外部端子電極21,31は、低い電気抵抗かつ広い表面積によって、コイル40及びコンデンサ50に対する電気信号の入出力を円滑に行う比較的厚みの大きい導体部分である。外部端子電極21,31は、それぞれ絶縁体層63a〜63jを幅方向Wに貫通し、幅方向Wから視てL字板状の外部導体層21a〜21j、外部導体層31a〜31jの積層によって構成されている。外部導体層21a〜21jは、絶縁体層63a〜63jの実装面11及び第1の端面15に相当する部分が交差する角部に設けられている。また、外部導体層31a〜31jは、外部導体層21a〜21jと対称となるように、絶縁体層63a〜63jの実装面11及び第2の端面16に相当する部分が交差する角部に設けられている。
【0042】
詳述すると、外部導体層21a,31aは、絶縁体層63aの主面上に位置する。外部導体層21b〜21j,31b〜31jはそれぞれ、絶縁体層63b〜63jの主面上に位置する平面部と、絶縁体層63b〜63j内を貫通する接続部とを含む。
図2では、平面部と平面部よりややL方向の厚みが小さい接続部とが幅方向Wに交互に配置された状態が示されている。外部導体層21a〜21jは接続部を介して互いに接続されて外部端子電極21を形成し、外部導体層31a〜31jは接続部を介して互いに接続されて外部端子電極31を形成する。ただし、外部端子電極21,31はこの形状に限られず、平面部と接続部が全く同じ形状の外部導体層21a〜21j,31a〜31jが接続された構成であってもよいし、接続部を有さず互いに接続されていない外部導体層21a〜21j,31a〜31jが被覆層22,32を介して電気的に接続される構成であってもよい。
【0043】
外部端子電極21(外部導体層21a〜21j)の材料としては、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)等の電気抵抗の小さい金属や、これらの金属を主成分とする合金等の導電性材料などを用いることができる。外部端子電極31(外部導体層31a〜31j)の材料としては、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)等の電気抵抗の小さい金属や、これらの金属を主成分とする合金等の導電性材料などを用いることができる。
【0044】
被覆層22,32は、外部端子電極21,31を保護するとともに、外部端子電極21,31と回路基板の回路配線との接続を確保する比較的薄い膜状の部分である。被覆層22,32の材料としては、耐はんだ性やはんだ濡れ性の高い材料を用いることができる。例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、錫(Sn)、金(Au)等の金属、又はこれらの金属を含む合金などを用いることができる。また、被覆層22,32は、複数の層により構成されていてもよい。本実施形態では、被覆層22,32は、外部端子電極21,31の素体10からの露出部分を覆うNiめっきと、Niめっきの表面を覆うSnめっきの2層構成である。Niめっきの膜厚は、3.0μm以上、9.0μm以下であることが好ましく、本実施形態では、Niめっきの膜厚は、例えば、4.5μmである。Snめっきの膜厚は、2.0μm以上、6.0以下であることが好ましく、本実施形態では、Snめっきの膜厚は、例えば、3.5μmである。なお、被覆層22,32は、省略されてもよい。その場合、外部端子電極21を第1外部電極20、外部端子電極31を第2外部電極30とすることができる。
【0045】
コイル40及びコンデンサ50は、電子部品1の機能を担う素子であり、
図4に示すように、コイル40とコンデンサ50は、素体10内に設けられている。コイル40の第1端は第1外部電極20に接続され、コイル40の第2端は第2外部電極30に接続されている。コンデンサ50は、第1外部電極20と第2外部電極30との間、つまりコイル40に電気的に並列に接続されている。コイル40とコンデンサ50は、LC並列共振回路を構成する。電子部品1は、回路基板に実装される際、コイル40及びコンデンサ50が、第1外部電極20及び第2外部電極30を介して、回路基板の回路配線に電気的に接続される。
【0046】
図3に示すように、コイル40は、第1外部電極20及び第2外部電極を介して入出力される電流により発生する磁束を集中させ、大きなインダクタンスを発生させるコイル部40aと、コイル部40aの両端を第1外部電極20,第2外部電極30に電気的に接続する第1引出導体層40b,第2引出導体層40cとを有している。
図2、
図4に示すように、コイル部40aは、素体10内において幅方向Wに配列された複数のコイル導体層41a〜41fと、コイル導体層41a〜41fを幅方向Wに接続するビア導体層42a〜42fを含む。
【0047】
図3に示すように、コイル導体層41a〜41fは、幅方向Wから視て、一部が互いに重なりあって略円形状の軌道を形成している。従って、コイル部40aは、幅方向Wから視て、略円形状に形成されている。なお、「互いに重なる」とは、製造ばらつき等により、僅かに重ならない場合も含む。なお、コイル部40aの形状はこの形状に限定されず、例えば、外形が楕円形、矩形、又はその他の多角形、これら複数の図形の組み合わせ、等の形状の軌道を形成してもよい。
【0048】
本実施形態のコイル部40aにおいて、コイル部40aの内周のうちの最も低い、つまり実装面11に近い点を最下点PDとする。また、コイル部40aの内周のうちの最も高い、つまり実装面11から最も遠い点を最上点PUとする。なお、コイル部40aの内周とは、複数のコイル導体層41a〜41fが互いに重なり合った略円形状の軌道の内周である。例えば、
図3において、破線にて示されるコイル導体層41fに重なるコイル導体層41c,41d(
図5参照)の内周がコイル部40aの内周である。そして、最下点PDと最上点PUの中間の点を、コイル部40aの中間点PCとする。本実施形態において、コイル部40aの中間点PCは、高さ方向Tにおいて素体10の中心よりも上方に位置している。つまり、コイル部40aの中間点PCは、素体10の中心より上方にオフセットされている。
【0049】
素体10の高さ寸法をT1、コイル部40aの中間点PCの実装面11からの高さをD1とする。高さ寸法T1に対する高さD1の比D1/T1は、例えば0.51≦D1/T1≦0.71の範囲であることが好ましい。比D1/T1が0.51以上であると、電子部品1を回路基板に実装した際に、コイル部40aにより発生する磁束が回路基板の回路配線に遮られ難くなる。また、比D1/T1が0.71以下であると、コイル部40aの内径を確保し易く、よってコイル40のL値、Q値を確保し易い。
【0050】
本実施形態において、第1外部電極20と第2外部電極30は、それぞれの上端が素体10の高さ方向Tにおいて、素体10の高さ寸法の1/2の高さに位置している。従って、本実施形態において、コイル部40aの中間点PCは、第1外部電極20と第2外部電極30の上端よりも上方(素体10の実装面11とは反対側)に位置している。
【0051】
コイル40のコイル導体層41a〜41f、ビア導体層42a〜42f及び第1引出導体層40b、第2引出導体層40cの材料としては、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)等の電気抵抗の小さい金属や、これらの金属を主成分とする合金等の導電性材料などを用いることができる。
【0052】
図5に示すように、コイル導体層41a〜41fは、素体10内において、絶縁体層63c〜63hの主面に沿って1周未満に巻回された平面状の導体層である。各コイル導体層41a〜41fは、絶縁体層63d〜63hを幅方向Wに貫通するビア導体層42a〜42fを介して電気的に直列に接続されている。なお、
図5では、ビア導体層42a〜42fが一点鎖線にて示されている。このように、1周未満に巻回された複数のコイル導体層41a〜41fがビア導体層42a〜42fを介して、互いに電気的に直列に接続されることにより、コイル部40aは、立体螺旋状(ヘリカル状)に周回する螺旋を構成する。
【0053】
なお、コイル導体層41a〜41fは、第1外部電極20と第2外部電極30との間で全体的に直列に接続されていればよい。例えば、コイル導体層41c、41dは部分的に互いに並列に接続された並列部を有するが、コイル導体層41bと接続されたコイル導体層41cの端部から、コイル導体層41eと接続されたコイル導体層41dの端部までの経路で見るとコイル導体層41c、41dは直列に接続されていると言える。従って、コイル部40aは、複数のコイル導体層41a〜41fが電気的に直列に接続されたものである。
【0054】
第1引出導体層40bは、素体10内において、絶縁体層63cの主面上を直線状に延びる形状であり、コイル部40aの第1端側となるコイル導体層41aと、第1外部電極20のうち、コイル導体層41aと同層にある外部導体層21cとを電気的に接続する。本実施形態では、第1引出導体層40bは、絶縁体層63cの主面の上方かつコイル部40aの略円形状の軌道の上部付近から、外部導体層21cの上端に向かって直線状に延びる形状である。第2引出導体層40cは、素体10内において、絶縁体層63hの主面上を直線状に延びる形状であり、コイル部40aの第2端側となるコイル導体層41fと、第2外部電極30のうち、コイル導体層41fと同層にある外部導体層31hとを電気的に接続する。本実施形態では、第2引出導体層40cは、絶縁体層63hの主面の上方かつコイル部40aの略円形状の軌道の上部付近から、外部導体層31hの上端に向かって直線状に延びる形状である。
【0055】
図3に示すように、コンデンサ50は、素体10の少なくとも実装面11とコイル40との間に設けられている。本実施形態において、コンデンサ50は、素体の実装面11と第1の端面15及び第2の端面16とコイル40との間に設けられている。
【0056】
コンデンサ50は、素体10の実装面11とコイル40との間に設けられた第1容量部50aと、素体10の第1の端面15とコイル40との間に設けられた第2容量部50bと、素体10の第2の端面16とコイル40との間に設けられた第3容量部50cとを含む。従って、コンデンサ50は、幅方向Wから視て、コイル部40aと重ならない。このため、コンデンサ50は、コイル部40aにより発生する磁束を遮らないため、コイル40のインダクタンス値(L値)の取得効率を向上でき、コイル40のQ値の低下を抑制できる。なお、本実施形態では、コンデンサ50において、第1容量部50a、第2容量部50b及び第3容量部50cは一体化しており、明確な区別はない。
【0057】
図5に示すように、コンデンサ50は、素体10内に設けられ、絶縁体層63a〜63jの主面上に沿った板状の複数のコンデンサ導体層51a〜51jを含む。
絶縁体層63aの主面上において、コンデンサ導体層51aは外部導体層21aに接続されている。コンデンサ導体層51aは、長方形の一部を円により切り欠いた略U字状である。具体的には、コンデンサ導体層51aは、幅方向Wから視て、一定の間隔を空けてコイル部40aの略円形状に沿った形状を有する。つまり、コンデンサ導体層51aは、第1容量部50a、第2容量部50b及び第3容量部50cに相当する部分を含む。また、コンデンサ導体層51aは、一定の間隔を空けて同層に位置する外部導体層21a,31aに沿った形状を有する。
【0058】
絶縁体層63bの主面上において、コンデンサ導体層51bは、外部導体層31bに接続されている。コンデンサ導体層51bは、外部導体層21a,31bとの接続部分を除いて、コンデンサ導体層51aと同様の略U字状である。従って、コンデンサ導体層51bは、第1容量部50a、第2容量部50b及び第3容量部50cに相当する部分を含む。また、コンデンサ導体層51bは、幅方向Wから視て、一定の間隔を空けてコイル部40aの略円形状に沿った形状を有し、一定の間隔を空けて同層に位置する外部導体層21b,31bに沿った形状を有する。
【0059】
絶縁体層63cの主面上において、コンデンサ導体層51cは外部導体層21cに接続されている。コンデンサ導体層51cは、同層に位置するコイル40の第1引出導体層40bと接触しておらず、外部導体層31cが形成された角部を挟む2つの辺に沿って延びる略L字状である。従って、コンデンサ導体層51cは、第1容量部50a及び第3容量部50cに相当する部分を含み、第2容量部50bに相当する部分を含まない。また、コンデンサ導体層51cは、一定の間隔を空けて同層に位置するコイル導体層41a及び外部導体層21c,31cに沿った形状を有する。
【0060】
絶縁体層63dの主面上において、コンデンサ導体層51dは、外部導体層31dに接続されている。コンデンサ導体層51dは、外部導体層21c,31dとの接続部分を除いて、コンデンサ導体層51cと同様の略L字状である。つまり、コンデンサ導体層51dは、幅方向Wから視て、第1引出導体層40bと重ならない。また、コンデンサ導体層51dは、第1容量部50a及び第3容量部50cに相当する部分を含み、第2容量部50bに相当する部分を含まない。さらに、コンデンサ導体層51dは、一定の間隔を空けて同層に位置するコイル導体層41b及び外部導体層21d,31dに沿った形状を有する。
【0061】
絶縁体層63eの主面上において、コンデンサ導体層51eは外部導体層21eに接続されている。コンデンサ導体層51eは、コンデンサ導体層51aと同様の略U字状である。従って、コンデンサ導体層51eは、第1容量部50a、第2容量部50b及び第3容量部50cに相当する部分を含む。また、コンデンサ導体層51eは、一定の間隔を空けて同層に位置するコイル導体層41c及び外部導体層21e,31eに沿った形状を有する。
【0062】
絶縁体層63fの主面上において、コンデンサ導体層51fは外部導体層31fに接続されている。コンデンサ導体層51fは、コンデンサ導体層51bと同様の略U字状である。従って、コンデンサ導体層51fは、第1容量部50a、第2容量部50b及び第3容量部50cに相当する部分を含む。また、コンデンサ導体層51fは、一定の間隔を空けて同層に位置するコイル導体層41d及び外部導体層21f,31fに沿った形状を有する。
【0063】
絶縁体層63gの主面上において、コンデンサ導体層51gは外部導体層21gに接続されている。コンデンサ導体層51gは、外部導体層21gが形成された角部を挟む2つの辺に沿って延びる略L字状である。このコンデンサ導体層51gは、幅方向Wから視て、後述する絶縁体層63hの第2引出導体層40cと重ならない。また、コンデンサ導体層51gは、第1容量部50a及び第2容量部50bに相当する部分を含み、第3容量部50cに相当する部分を含まない。さらに、コンデンサ導体層51gは、一定の間隔を空けて、同層に位置するコイル導体層41e及び外部導体層21g,31gに沿った形状を有する。
【0064】
絶縁体層63hの主面上において、コンデンサ導体層51hは、外部導体層31hに接続されている。コンデンサ導体層51hは、絶縁体層63hに形成された第2引出導体層40cと接触しておらず、外部導体層21hが形成された角部を挟む2つの辺に沿って延びる略L字状である。従って、コンデンサ導体層51hは、第1容量部50a及び第2容量部50bに相当する部分を含み、第3容量部50cに相当する部分を含まない。また、コンデンサ導体層51hは、一定の間隔を空けて、同層に位置するコイル導体層41f及び外部導体層21h,31hに沿った形状を有する。
【0065】
絶縁体層63i,63jの主面上において、コンデンサ導体層51iは外部導体層21iに接続され、コンデンサ導体層51jは外部導体層31jに接続されている。コンデンサ導体層51i,51jはそれぞれ、コンデンサ導体層51a,51bと同様のU字状である。従って、コンデンサ導体層51i,51jは、第1容量部50a、第2容量部50b及び第3容量部50cに相当する部分を含む。また、コンデンサ導体層51i,51jは、幅方向Wから視て、一定の間隔を空けてコイル部40aの略円形状に沿った形状を有し、一定の間隔を空けて同層に位置する外部導体層21i,31i,21j,31jに沿った形状を有する。
【0066】
以上のように、複数のコンデンサ導体層51a〜51jは、第1外部電極20と第2外部電極30のいずれか一方と電気的に接続され、第1外部電極20と接続されたコンデンサ導体層51a,51c,51e,51g,51iと、第2外部電極30と接続されたコンデンサ導体層51b,51d,51f,51h,51jとが、幅方向Wに沿って交互に配列されている。これにより、コンデンサ50は、第1外部電極20と第2外部電極30との間において、電気的に並列に接続された複数のコンデンサを構成する。
【0067】
各コンデンサ導体層51a〜51jの材料としては、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)等の電気抵抗の小さい金属や、これらの金属を主成分とする合金等の導電性材料などを用いることができる。
【0068】
ここで、
図2、
図3に示すように、電子部品1では、幅方向Wにおいて、互いに隣り合うコンデンサ導体層51c,51dについて、同層に位置するコイル導体層41bとコンデンサ導体層51dとの最短間隔が、同じく同層に位置するコイル導体層41aとコンデンサ導体層51cとの最短間隔よりも大きい。
【0069】
また、電子部品1では、上記最短間隔だけでなく、コンデンサ導体層51dのコイル導体層41bに沿った形状部分におけるコイル導体層41bとの一定の間隔(第1間隔)は、コンデンサ導体層51cのコイル導体層41aに沿った形状部分におけるコイル導体層41aとの一定の間隔(第2間隔)よりも大きい。
【0070】
また、
図2に示すように、電子部品1では、コンデンサ導体層51cとコンデンサ導体層51dとの間において、上記最短間隔、一定の間隔の関係を満たすだけでなく、コイル導体層41a〜41fと同層に位置するコンデンサ導体層51c〜51hのうち、幅方向Wにおいて、互いに隣り合うどの2つのコンデンサ導体層についても、同様の関係を満たしている。特に、コイル導体層41a〜41fと同層に位置するコンデンサ導体層51c〜51hは、一定の間隔を空けて当該コイル導体層41a〜41fに沿った形状を有し、その一定の間隔が、幅方向Wに沿って、交互に上記の第1間隔、上記の第2間隔となっている。
【0071】
なお、上記の最短間隔、一定の間隔の大きさの差異は、例えば、5μmである。
コイル導体層41a〜41fの幅は、例えば、12μm以上、20μm以下が好ましい。例えば、幅は16μmである。コイル導体層41a〜41fの厚さは、例えば、6μm以上、10μm以下が好ましい。例えば、厚さは8μmである。絶縁体層の厚さは、例えば、5.5μm以上、11μm以下が好ましい。例えば、絶縁体層の厚さは、例えば8μmである。なお、ここで示す絶縁体層の厚さは、例えば、
図2に示すコイル導体層41aとコイル導体層41bとに挟まれた絶縁体層の厚さである。コイル40のコイル長(
図2において、コイル部40aの幅方向Wの下端から上端までの長さ)は、例えば80μm以上、85μm以下が好ましい。例えば、コイル40のコイル長さは、例えば82μmである。
【0072】
コンデンサ50の対向面の面積は、例えば、0.01mm
2以上、0.4mm
2が好ましい。コンデンサ50の対向面の面積は、例えば0.25mm
2である。
最外層厚さは、例えば27.5μm以上、32.5μm以下が好ましい。最外層厚さは、例えば、30μmである。サイドギャップは、20μm以上、50μm以下が好ましい。サイドギャップは、例えば35μmである。なお、サイドギャップは、内部導体(コイル導体層41a〜41f、コンデンサ導体層51a〜51j)の最も外側の点から、絶縁体層60の外周(素体10の上面12等)までの間隔を言う。
【0073】
図2、
図3及び
図5に示すように、コイル部40a及び第1,第2引出導体層40b,40cは、実装面11と直交する軸線に対して、対称(180度回転)な構造を有している。このため、第1外部電極20及び第2外部電極30と、第1外部電極20及び第2外部電極30が接続される基板配線の接続関係を逆にしても、同様の特性が得られる。
【0074】
(製造方法)
次に、上述の電子部品1の製造方法について、
図5を参照して説明する。
先ず、マザー絶縁体層を形成する。マザー絶縁体層とは、複数の素体10となる部分が行列状に繋がった状態の絶縁体層である。具体的には、例えばフィルム上に硼珪酸ガラスを主成分とする絶縁ペーストをスクリーン印刷により塗布してシート化した絶縁体シート(グリーンシート)を複数枚用意する。
【0075】
次に、上記絶縁体シートにおいて、
図5に示す外部導体層21a〜21i,31a〜31j、コンデンサ導体層51a〜51j、コイル導体層41a〜41f、及びビア導体層42a〜42fを形成すべき部分に上述したコイル40に用いる導電性材料を含む導電ペーストをスクリーン印刷により塗布する。詳述すると、
図5に示す絶縁体層63aを形成する絶縁シートの主面上において、外部導体層21a,31a及びコンデンサ導体層51aを形成すべき部分に導電ペーストを塗布する。また、絶縁体層63bを形成する絶縁シートにおいて、外部導体層21b,31bを形成すべき部分にレーザー等で貫通孔を形成し、当該貫通孔内及び絶縁シートの主面上において、外部導体層21b,31b及びコンデンサ導体層51bを形成すべき部分に導電ペーストを塗布する。また、絶縁体層63cを形成する絶縁シートにおいて、外部導体層21c,31cを形成すべき部分に貫通孔を形成し、当該貫通孔内及び絶縁シートの主面上において、外部導体層21c,31c及びコイル導体層41a及びコンデンサ導体層51bを形成すべき部分に導電ペーストを塗布する。また、絶縁体層63d〜63hを形成する絶縁シートにおいて、外部導体層21d〜21h,31d〜31h及びビア導体層42a〜42hを形成すべき部分に貫通孔を形成し、当該貫通孔内及び絶縁シートの主面上において、外部導体層21d〜21h,31d〜31h、コイル導体層41b〜41f、コンデンサ導体層51d〜51h、及びビア導体層42a〜42fを形成すべき部分に導電ペーストを塗布する。また、絶縁体層63i,63jを形成する絶縁シートにおいて、外部導体層21i,21j,31i,31jを形成すべき部分に貫通孔を形成し、当該貫通孔内及び絶縁シートの主面上において、外部導体層21i,21j,31i,31j及びコンデンサ導体層51i,51jを形成すべき部分に導電ペーストを塗布する。このように導電性ペーストを塗布した絶縁体シート、及び絶縁体層61,62,64,65を形成する絶縁シートを積層した後、圧着することにより、マザー絶縁体層を形成する。
【0076】
次に、マザー絶縁体層をダイシングやギロチン等で切断し、素体10となる絶縁体層に個片化する。さらに、個片化した絶縁体層を焼成炉などで焼成することで、外部導体層21a〜21j,31a〜31j、コイル導体層41a〜41f、コンデンサ導体層51a〜51j及びビア導体層42a〜42fが埋め込まれた素体10が形成される。なお、焼成の際に絶縁体層が収縮することを考慮し、個片化する絶縁体層のサイズは素体10よりも大きく切断される。
【0077】
次に、上記素体10にバレル加工を施し素体10の角をR面取りする。この際、バレルめっきにより、素体10の表面にニッケル、銅、錫の順に被覆層22,32を形成し、第1,第2外部電極20,30を形成すれば、電子部品1が完成する。
【0078】
なお、上記の製造方法は例示であって、電子部品1の構造が実現できるのであれば、他の公知の製造方法で置き換えたり、追加したりしてもよい。
(作用)
次に、上記の電子部品1の作用を説明する。
【0079】
電子部品1では、上記のように、第1の側面13を有する素体10と、素体10内において、第1の側面13と平行な主面に沿って巻回された複数のコイル導体層41a〜41fと、素体10内に設けられ、第1の側面13と平行な板状の複数のコンデンサ導体層51a〜51jと、を備える。また、複数のコイル導体層41a〜41f及び複数のコンデンサ導体層51a〜51jは、第1の側面13と垂直な幅方向W(積層方向)に配列される。複数のコンデンサ導体層51a〜51jには、幅方向Wにおいて互いに隣り合うコンデンサ導体層51d(第1コンデンサ導体層の一例)及びコンデンサ導体層51c(第2コンデンサ導体層の一例)が含まれる。複数のコイル導体層41a〜41fには、コンデンサ導体層51dと同層に位置するコイル導体層41b(第1コイル導体層の一例)と、コンデンサ導体層51cと同層に位置するコイル導体層41a(第2コイル導体層の一例)と、が含まれる。そして、コイル導体層41bとコンデンサ導体層51dとの最短間隔が、コイル導体層41aとコンデンサ導体層51cとの最短間隔よりも大きい。
【0080】
この構成により、
図2〜4に示すように、コンデンサ導体層51cのコイル導体層41a側の端部は、幅方向Wから視て、コンデンサ導体層51dとは重なっていない。従って、例えば、製造プロセスにおいて、コンデンサ導体層51cのコイル導体層41a側の端部の形成位置がずれたとしても、元々コンデンサ導体層51dと対向しない部分の位置が変動するだけであり、コンデンサ導体層51cとコンデンサ導体層51dとの間に発生する容量値に与える影響は小さい。よって、この構成によれば、幅方向Wに対向するコンデンサ導体層51c,51dの間の容量値のばらつきを抑制できる。
【0081】
また、電子部品1では、コンデンサ導体層51dは、一定の第1間隔を空けてコイル導体層41bに沿った形状を有し、コンデンサ導体層51cは、一定の第2間隔を空けてコイル導体層41aに沿った形状を有し、第1間隔が、第2間隔よりも大きい。
【0082】
この構成により、
図2〜4に示すように、コンデンサ導体層51cのコイル導体層41aに沿った形状部分についても、幅方向Wから視て、コンデンサ導体層51dとは重なっていない。従って、上記最短距離と同様の理由により、幅方向Wに対向するコンデンサ導体層51c,51dの間の容量値のばらつきをより抑制できる。
【0083】
また、電子部品1では、複数のコイル導体層41a〜41fのそれぞれは、複数のコンデンサ導体層51c〜51hのいずれか一つと同層に位置し、コイル導体層41a〜41fと同層に位置するコンデンサ導体層51c〜51hは、一定の間隔を空けて当該コイル導体層41a〜41fに沿った形状を有する。そして、上記一定の間隔が、幅方向Wに沿って、交互に上記第1間隔、上記第2間隔となっている。
【0084】
この構成により、コンデンサ導体層51cだけでなく、コンデンサ導体層51e,51gも、コイル導体層41c,41eに沿った形状部分について、幅方向Wから視て、コンデンサ導体層51d,51f,51hとは重なっていないため、上記と同様の理由により、幅方向Wに対向するコンデンサ導体層51d〜51hの間の容量値のばらつきを抑制できる。
【0085】
以上より、電子部品1では、容量値のばらつきを抑制できる。
なお、電子部品1において、容量値は、コイル40とコンデンサ50が構成するLC共振回路の共振周波数に影響する。従って、電子部品1では、上記のように容量値のばらつきを抑制することにより、共振周波数のばらつきを抑制できる。
【0086】
なお、上述の構成を有する電子部品1の実施例と、比較例として同層に位置するコイル導体層41a〜41fとコンデンサ導体層51c〜51hとの間隔がすべて一定である電子部品とを所定個数n(例えばn=500)作製し、それぞれの特性を測定した。
【0087】
上述の実施例及び比較例において、コイル40は、周波数が500MHzの入力信号に対して、2.7nHのインダクタンス値(L値)、14.0のQ値を示すように設定した。同じく、実施例及び比較例において、コンデンサ50は、周波数が500MHzの入力信号に対して、1.58pFの容量値Cを示すように設定した。このとき、実施例は、狙い値である2.4GHzの共振周波数f0に対して、そのばらつきは、±54MHzであった。一方、比較例では、狙い値である2.4GHzの共振周波数f0に対して、そのばらつきは±130MHzであった。従って、上述の電子部品1の構成によれば、特性(共振周波数)のばらつきを低減できる。
【0088】
また、電子部品1では、
図5に示すように、コイル導体層41a〜41fは、ビア導体層42cとビア導体層42dとの間において、コイル導体層41cとコイル導体層41dとが互いに電気的に並列に接続された並列部を有している。このような並列部は、コイル40の電気抵抗値を低減し、コイル40のQ値、つまりLC共振回路のQ特性を高くすることができる。
【0089】
また、電子部品1では、
図3及び
図5に示すように、コンデンサ50のコンデンサ導体層51a〜51jは、長方形状の外形を有し、コイル導体層41a〜41fと重ならないように切り欠かれている。従って、コンデンサ導体層51a〜51jは、一定の第3間隔を空けて第1外部電極20及び第2外部電極30に沿った形状を有する。このため、第1,第2外部電極20,30とコンデンサ導体層51a〜51jとの間においても容量値を発生させ、容量値の取得効率を向上できる。このため、定められた電子部品1の外形寸法に対しても、共振周波数をより低周波側とすることができ、電子部品1の設計範囲を拡げることができる。
【0090】
また、電子部品1では、
図2〜4に示すように、コンデンサ導体層51b,51d,51f、51h,51jの上記第3間隔が、コンデンサ導体層51a,51c,51e,51g,51iの上記第3間隔よりも大きい。この構成により、電子部品1では、容量値のばらつきをさらに抑制することができる。
【0091】
また、電子部品1では、
図5に示すように、コイル導体層41a〜41fのそれぞれは、巻回数(ターン数)が1周未満に巻回され、円環の一部を切り欠いた形状である。このコイル導体層41a〜41fの両端部の間の切り欠き部分において、コイル導体層41a〜41fは、他の層のコイル導体層41a〜41fに接続される。つまり、この切り欠き部は、形成する層を切り替える切替部となる。そして、コイル導体層41a〜41fの切り欠き部は、同層に位置するコンデンサ導体層51c〜51hに向いている。この場合、素体10において、コンデンサ導体層51a〜51jが配置されていない上面12側に各コイル導体層41a〜41fの切り欠き部が来ない。従って、素体10内の導体層の配置の偏りを低減できるため、素体10内の熱応力の差を小さくできる。上記熱応力の差は電子部品1の信頼性に影響するため、上記構成により、電子部品1では信頼性を向上できる。
【0092】
また、電子部品1は、素体10において、第1外部電極20と第2外部電極30とが露出する実装面11を回路基板に向けて実装される。コイル40は、実装面11と直交する第1の側面13及び第2の側面14と垂直な方向に配列された複数のコイル導体層41a〜41fを直列に接続した螺旋状のコイルである。従って、コイル40のコイル軸は、実装された回路基板に対し平行となる。このため、コイル40により生じる磁束は、回路基板の回路配線によって遮られ難い。このため、コイル40のインダクタンス値(L値)の取得効率が向上し、コイル40及び電子部品1のQ値の低下が抑制される。
【0093】
また、電子部品1では、第1外部電極20、コイル40(第1引出導体層40b、複数のコイル導体層41a〜41f、第2引出導体層40c)、第2外部電極30が、この順に電気的に直列接続され、コンデンサ導体層51a〜51jのそれぞれは、第1外部電極20と第2外部電極30のいずれか一方と電気的に接続されている。そして、第1外部電極20と接続されたコンデンサ導体層51a,51c,51e,51g,51iと、第2外部電極30と接続されたコンデンサ導体層51b,51d,51f,51h,51jとが、幅方向Wに沿って交互に配列されている。この構成によれば、第1外部電極20と第2外部電極30との間で並列LC共振回路を構成できる。
【0094】
また、電子部品1では、実装面11と直交する高さ方向Tに沿って、実装面11、コンデンサ導体層51c〜51h、コイル導体層41a〜41fが、この順に並ぶ。この構成によれば、回路基板(回路配線)に対して、相対的にコイル40が遠く、コンデンサ50が近くなり、コイル40のQ値、コンデンサ50の容量値を共に向上でき、電子部品の特性を向上できる。
【0095】
また、電子部品1では、第1の端面15からは第1外部電極20のみが露出し、第2の端面16からは第2外部電極30のみが露出する。この構成によれば、第1外部電極20、第2外部電極30が、回路基板に対して垂直な第1の端面15及び第2の端面16からも露出し、実装時に実装はんだがフィレットを形成するため、電子部品の実装性を向上できる。
【0096】
また、電子部品1では、
図5に示すように、コンデンサ導体層51a〜51jには、第1引出導体層40bと同層に位置するコンデンサ導体層51cと、コンデンサ導体層51c(第3コンデンサ導体層の一例)と幅方向Wにおいて隣り合うコンデンサ導体層51d(第4コンデンサ導体層の一例)とが含まれる。そして、幅方向Wから視て、コンデンサ導体層51dは、コンデンサ導体層51cと重ならない。第1引出導体層40bの線幅は細い(例えば、15μm)ため、第1引出導体層40bと重なるコンデンサ導体層51dによる容量値はばらつきとなりやすい。このため、コンデンサ導体層51dを第1引出導体層40bと重ならないように形成することで、容量値のばらつきを抑制できる。これは、
図5に示すように、第2引出導体層40cとコンデンサ導体層51gとの間についても同様である。
【0097】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)電子部品1では、第1の側面13を有する素体10と、第1の側面13と平行な主面に沿って巻回されたコイル導体層41a〜41fと、第1の側面13と平行な板状のコンデンサ導体層51a〜51jと、を備える。コイル導体層41a〜41f及びコンデンサ導体層51a〜51jは、第1の側面13と垂直な幅方向Wに配列される。コンデンサ導体層51a〜51jには、幅方向Wにおいて互いに隣り合うコンデンサ導体層51d及びコンデンサ導体層51cが含まれる。コイル導体層41a〜41fには、コンデンサ導体層51dと同層に位置するコイル導体層41bと、コンデンサ導体層51cと同層に位置するコイル導体層41aと、が含まれる。コイル導体層41bとコンデンサ導体層51dとの最短間隔が、コイル導体層41aとコンデンサ導体層51cとの最短間隔よりも大きい。これにより、幅方向Wに対向するコンデンサ導体層51c,51dの間の容量値のばらつきを抑制できる。電子部品1において、容量値は、コイル40とコンデンサ50が構成するLC共振回路の共振周波数に影響する。
【0098】
(2)電子部品1では、コンデンサ導体層51dは、一定の第1間隔を空けてコイル導体層41bに沿った形状を有し、コンデンサ導体層51cは、一定の第2間隔を空けてコイル導体層41aに沿った形状を有し、第1間隔が、第2間隔よりも大きい。コンデンサ導体層51cのコイル導体層41aに沿った形状部分についても、幅方向Wから視て、コンデンサ導体層51dとは重なっていない。従って、幅方向Wに対向するコンデンサ導体層51c,51dの間の容量値のばらつきをより抑制できる。
【0099】
(3)電子部品1では、複数のコイル導体層41a〜41fのそれぞれは、複数のコンデンサ導体層51c〜51hのいずれか一つと同層に位置し、コイル導体層41a〜41fと同層に位置するコンデンサ導体層51c〜51hは、一定の間隔を空けて当該コイル導体層41a〜41fに沿った形状を有する。そして、上記一定の間隔が、幅方向Wに沿って、交互に上記第1間隔、上記第2間隔となっている。この構成により、幅方向Wに対向するコンデンサ導体層51d〜51hの間の容量値のばらつきを抑制できる。
【0100】
(4)電子部品1において、容量値は、コイル40とコンデンサ50が構成するLC共振回路の共振周波数に影響する。従って、電子部品1では、上記のように容量値のばらつきを抑制することにより、共振周波数のばらつきを抑制できる。
【0101】
(5)電子部品1では、コイル導体層41a〜41fは、ビア導体層42cとビア導体層42dとの間において、コイル導体層41cとコイル導体層41dとが互いに電気的に並列に接続された並列部を有している。このような並列部は、コイル40の電気抵抗値を低減し、コイル40のQ値、つまりLC共振回路のQ特性を高くすることができる。
【0102】
(6)コンデンサ50のコンデンサ導体層51a〜51jは、長方形状の外形を有し、コイル導体層41a〜41fと重ならないように切り欠かれている。従って、コンデンサ導体層51a〜51jは、一定の第3間隔を空けて第1外部電極20及び第2外部電極30に沿った形状を有する。このため、第1,第2外部電極20,30とコンデンサ導体層51a〜51jとの間においても容量値を発生させ、容量値の取得効率を向上できる。そして、電子部品1の共振周波数を低周波側とすることができ、電子部品1の設計範囲を拡げることができる。
【0103】
(7)コイル導体層41a〜41fのそれぞれは、巻回数(ターン数)が1周未満に巻回され、円環の一部を切り欠いた形状である。このコイル導体層41a〜41fの両端部の間の切り欠き部分は、同層に位置するコンデンサ導体層51c〜51hと対向しており、素体10において、コンデンサ導体層51a〜51jが配置されていない上面12側に各コイル導体層41a〜41fの切り欠き部がこない。従って、素体10内の導体層の配置の偏りを低減できるため、素体10内の熱応力の差を小さくできる。上記熱応力の差は電子部品1の信頼性に影響するため、上記構成により、電子部品1では信頼性を向上できる。
【0104】
(8)電子部品1では、コンデンサ導体層51b,51d,51f、51h,51jの第3間隔が、コンデンサ導体層51a,51c,51e,51g,51iの第3間隔よりも大きい。この構成により、電子部品1では、容量値のばらつきをさらに抑制することができる。
【0105】
(9)電子部品1は、素体10において、第1外部電極20と第2外部電極30とが露出する実装面11を回路基板に向けて実装される。コイル40は、実装面11と直交する第1の側面13及び第2の側面14と垂直な方向に配列された複数のコイル導体層41a〜41fを直列に接続した螺旋状のコイルである。従って、コイル40のコイル軸は、実装された回路基板に対し平行となる。このため、コイル40により生じる磁束は、回路基板のグランド配線やパッドによって磁束が遮られ難い。このため、コイル40のインダクタンス値(L値)の取得効率が向上し、コイル40及び電子部品1のQ値の低下を抑制できる。
【0106】
(10)電子部品1では、第1外部電極20、コイル40(第1引出導体層40b、複数のコイル導体層41a〜41f、第2引出導体層40c)、第2外部電極30が、この順に電気的に直列接続され、コンデンサ導体層51a〜51jのそれぞれは、第1外部電極20と第2外部電極30のいずれか一方と電気的に接続されている。そして、第1外部電極20と接続されたコンデンサ導体層51a,51c,51e,51g,51iと、第2外部電極30と接続されたコンデンサ導体層51b,51d,51f,51h,51jとが、幅方向Wに沿って交互に配列されている。このため、第1外部電極20と第2外部電極30との間で並列LC共振回路を構成できる。
【0107】
(11)電子部品1では、実装面11と直交する高さ方向Tに沿って、実装面11、コンデンサ導体層51c〜51h、コイル導体層41a〜41fが、この順に並ぶ。このため、回路基板(回路配線)に対して、相対的にコイル40が遠く、コンデンサ50が近くなり、コイル40のQ値、コンデンサ50の容量値を共に向上でき、電子部品の特性を向上できる。
【0108】
(12)電子部品1では、
図5に示すように、コンデンサ導体層51a〜51jには、第1引出導体層40bと同層に位置するコンデンサ導体層51cと、コンデンサ導体層51cと幅方向Wにおいて隣り合うコンデンサ導体層51dとが含まれる。そして、幅方向Wから視て、コンデンサ導体層51dは、コンデンサ導体層51cと重ならない。このように、コンデンサ導体層51dを第1引出導体層40bと重ならないように形成することで、容量値のばらつきを抑制できる。第2引出導体層40cとコンデンサ導体層51gとの間についても同様に、容量値のばらつきを抑制できる。
【0109】
(13)電子部品1では、第1の端面15からは第1外部電極20のみが露出し、第2の端面16からは第2外部電極30のみが露出する。この構成によれば、第1外部電極20、第2外部電極30が、回路基板に対して垂直な第1の端面15及び第2の端面16からも露出し、実装時に実装はんだがフィレットを形成するため、電子部品の実装性を向上できる。
【0110】
尚、上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・
図6に示すように、第1引出導体層40bと同層に位置し、複数のコイル導体層41a〜41f、複数のコンデンサ導体層51a〜51j、第1外部電極20、第2外部電極30及び第1引出導体層40b、第2引出導体層40cのいずれにも接続されていないダミー導体層101を形成してもよい。この際、幅方向Wから視て、ダミー導体層101は、複数のコンデンサ導体層51a〜51jのいずれかと重なることが好ましい。なお、図は省略するが、
図5に示す第2引出導体層40cと同層にも、同様のダミー導体層を形成してもよい。ダミー導体層101により、素体10内の導体層の配置の偏りを低減できるため、素体10内の熱応力の差を小さくできる。このため、容量値へ影響を与えずにコイル導体層41a〜41fとコンデンサ導体層51a〜51jとの間のショート発生率を低減できる。
【0111】
・上記実施形態に対し、複数のコイル導体層41a〜41fには、両端部の間の切り替え部が同層に位置するコンデンサ導体層(51c〜51hのいずれか)に向いていないコイル導体層が含まれていてもよい。
【0112】
例えば、
図7に示すように、絶縁体層111のコイル導体層112の切替部(切り欠き部)は、コンデンサ導体層113と反対側に向いている。この場合、コイル導体層112とコンデンサ導体層113とが対向する部分が、実施形態(例えば
図5に示すコイル導体層41b)と比べて多くなる。このため、コイルとコンデンサとの間で発生する容量値を大きくすることができ、電子部品1において、取得できる容量値の調整範囲をより大きくすることができる。
【0113】
・上記実施形態に対し、並列部を有していないコイルとしてもよい。
図8に示すように、絶縁体層63eには、コイル導体層121が形成されている。このコイル導体層121は、
図5に示すコイル導体層41cと比べ、ビア導体層42cを接続するためのビアパッドが省略されている。このコイル導体層121を用いた場合、例えば、
図5に示す絶縁体層63fには、ビア導体層42dが接続されるビアパッドから、ビア導体層42eが接続されるビアパッドまでコイル導体層を形成する。
【0114】
・上記実施形態において、絶縁体層、コイル導体層、コンデンサ導体層、外部導体層の層数を適宜変更してもよい。
例えば、
図5に示す絶縁体層63b,63iにコイル導体層を形成してもよい。また、絶縁体層63a,63b,63i,63jにコイル導体層を形成してもよい。また、絶縁体層63a,63bにコイル導体層を形成してもよい。また、絶縁体層63i,63jにコイル導体層を形成してもよい。このようにすると、同じ数の絶縁体層60を積層した素体において、コイル40の巻回数を増やすことができ、インダクタンス値L値を大きくすることができる。つまり、同じ大きさの素体を含む電子部品において、L値の取得範囲を大きくすることができる。
【0115】
また、絶縁体層63a,63jのコンデンサ導体層51a,51jを省略してもよい。また、絶縁体層63a,63b,63i,63jのコンデンサ導体層51a,51b,51i,51jを省略してもよい。また、絶縁体層63a,63bのコンデンサ導体層51a,51bを省略してもよい。また、絶縁体層63i,63jのコンデンサ導体層51i,51jを省略してもよい。
【0116】
・上記実施形態において、第1外部電極20の外部端子電極21と第2外部電極30の外部端子電極31とを素体10に埋め込みとしたが、素体10の外部に設けるようにしてもよい。
【0117】
・上記実施形態において、コンデンサ導体層51c〜51hのうち、幅方向Wにおいて、互いに隣り合うどの2つのコンデンサ導体層についても、最短間隔、一定の間隔について、同様の関係を満たしたが、これは必須ではなく、幅方向Wにおいて、少なくとも1つの互いに隣り合うコンデンサ導体層の組み合わせにおいて、最短間隔、一定の間隔が異なればよい。
【0118】
・上記実施形態において、コンデンサ導体層51b,51d,51f、51h,51jの上記第3間隔が、コンデンサ導体層51a,51c,51e,51g,51iの上記第3間隔よりも大きい構成であったが、これに限られない。例えば、幅方向Wにおいて、互いに隣り合うコンデンサ導体層の第3間隔は等しくてもよいし、コンデンサ導体層51a〜51jすべてにおいて第3間隔が一定であってもよいし、特定の関係を持たないようにばらばらに設定されていてもよい。