特許第6763502号(P6763502)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6763502載置物品回動機構及びそれを備える自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6763502
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】載置物品回動機構及びそれを備える自動車
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/14 20060101AFI20200917BHJP
   B60N 2/06 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   B60N2/14
   B60N2/06
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-176127(P2019-176127)
(22)【出願日】2019年9月26日
【審査請求日】2019年9月26日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日 令和1年5月22日 掲載アドレス https://www.youtube.com/watch?v=−06NDky6T38 〔刊行物等〕 掲載年月日 令和1年5月23日 掲載アドレス http://www.eonet.ne.jp/▲〜▼zaseki/
(73)【特許権者】
【識別番号】501334615
【氏名又は名称】加地 朝一
(74)【代理人】
【識別番号】100117374
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真一
(72)【発明者】
【氏名】加地 朝一
【審査官】 杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−067181(JP,A)
【文献】 特開平08−104160(JP,A)
【文献】 特開2004−034813(JP,A)
【文献】 特開平10−067263(JP,A)
【文献】 特開平11−263157(JP,A)
【文献】 実開昭62−201140(JP,U)
【文献】 実開平06−078059(JP,U)
【文献】 特開2009−067187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00−2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状に枠を組み形成される支持枠と、前記支持枠の枠上に支持され、前記枠体の長手方向に移動可能な、方形状に組まれ形成される枠体を有する回動スライド体を備え、
前記支持枠の一長辺の枠とその対向辺の枠との枠内に臨む面に、前記枠体の内方に向けて突出する支持部材を備え、支持部材の一端には上方に傾斜する斜面を備え、
前記回動スライド体は、前記枠体に固定される上板と、下板と、前記上板及び前記下板に介在する回動部とを備える回動盤を備え、前記下板の下部には、前記支持部材と対応する位置に下方に突出するスライド部材を備え、前記スライド部材の一端部に前記斜面と対面して一直線となる斜面を形成し、
前記回動スライド体の上板が、前記支持枠内に嵌ることによって、回動を阻止され、
前記回動スライド体が、前記支持枠の長辺方向にスライドしつつ、前記スライド部材が前記支持部材に乗り上げ、上方に移動して、前記回動スライド体の枠の下端が、前記支持枠の上端より上方に位置することにより、前記スライド体の枠が回動自在となることを特徴とする載置物品回動機構。
【請求項2】
前記スライド部材及び前記支持部材は、一端を斜面として形成される丸棒状材で形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の載置物品回動機構。
【請求項3】
前記回動スライド体の上部に自動車の座席を取り付けて、前記自動車の座席の回動を行うことをことを特徴とする請求項1又は2に記載の載置物品回動機構。
【請求項4】
請求項3に記載の自動車用座席回動機構を備えることを特徴とする自動車。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、載置された物品を回動する載置物品回動機構、特に、車両用の回動座席(載置物品)に好適な載置物品回動機構及びそれを自動車用座席回動機構として備える自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、車両用の回動座席に使用される回動機構としては、特許第35753547号(特許文献1)に示すような回動機構が公知である。前記公報記載の回動機構は、車両前方を向いた着座位置と車両側方を向いた乗降のための横向き位置との間を回動可能な車両用回動座席であって、座席本体を前記着座位置と前記横向き位置との間で水平回動可能に支持するための回動支持台と、前記座席本体を車幅方向に移動可能に支持するための幅方向支持台とを備え、前記幅方向支持台は、車両フロアまたは前記回動支持台に相互に平行に固定された左右一対の固定レールを有する固定枠体と、前記両固定レールの内側に沿って移動可能に支持された左右一対の第1可動レールと該両第1可動レール間を連結する連結板を有する中間スライド枠体と、前記両第1可動レールの内側に沿って移動可能に支持された左右一対の第2可動レールと該両第2可動レール間を連結する連結板を有するトップスライド枠体を備え、該トップスライド枠体に前記座席本体が支持されて、該座席本体を2 段階で車幅方向にスライド可能な構成とされるとともに、前記固定レール間に第1の駆動装置を配置し、該第1の駆動装置を前記中間スライド枠体の連結板に連結して該中間スライド枠体を前記固定枠体に対して移動させ、かつ前記第1可動レール間に第2の駆動装置を配置し、該第2の駆動装置を前記トップスライド枠体の連結板に連結して該トップスライド枠体を前記中間スライド枠体に対して移動させる構成とされている。
【0003】
しかしながら、前記回動機構は、車両外に身体障害者等を着座したまま移動させる構成であるので、例えば、3列シートや4列シートからなる車両において、例えば、2列目の座席を3列目の座席と対面するように回動させる回動機構としては不適である。
【0004】
また、前記の3列シートや4列シートからなる車両において、完成車に後付けで位置のシートを回動対面シートとする改造を行う場合には、前記シートが回動する場合に、内側壁と抵触しないように回動しろを設ける必要があるとともに、簡易な構造であることが要求される。
【0005】
【特許文献1】特許第35753547号 図3図5図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点を解決するためになされたものであり、簡易な構成で安価に製造することができる載置物品回動機構を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、載置物品回動機構を、自動車の座席の回動機構として使用する場合に、座席が回動する場合に、内側壁と抵触しないように回動代を設けることができる回動機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の載置物品回動機構は、長方形状に枠を組み形成される支持枠と、前記支持枠の枠上に支持され、前記枠体の長手方向に移動可能な、方形状に組まれ形成される枠体を有する回動スライド体を備え、前記支持枠の一長辺の枠とその対向辺の枠との枠内に臨む面に、前記枠体の内方に向けて突出する支持部材を備え、支持部材の一端には上方に傾斜する斜面を備え、前記回動スライド体は、前記枠体に固定される上板と、下板と、前記上板及び前記下板に介在する回動部を備える回動盤とを備え、前記下板の下部には、前記支持部材と対応する位置に下方に突出するスライド部材を備え、前記スライド部材の一端部に前記斜面と対面して一直線となる斜面を形成し、前記回動スライド体の上板が、前記支持枠内に嵌ることによって、回動を阻止され、前記回動スライド体が、前記支持枠の長辺方向にスライドしつつ、前記スライド部材が前記支持部材に乗り上げ、上方に移動して、前記回動スライド体の枠の下端が、前記支持枠の上端より上方に位置することにより、前記スライド体の枠が回動自在となることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の載置物品回動機構にあっては、簡易な構成で安価に製造することができる。また、前記回動スライド体はスライドして回動するため、回動代を生じさせることができる。
【0010】
請求項2に記載の載置物品回動機構は、請求項1に記載の載置物品回動機構において、前記スライド部材及び前記支持部材は、一端を斜面として形成される丸棒状材で形成されてなることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の載置物品回動機構にあっては、前記スライド部材及び前記支持部材を丸棒状材で形成しているので、前記スライド部材が前記支持部材に乗り上げて移動する場合は、両者の接点は点となり、摺動抵抗が小さく、スムースに摺動することができる。また、前記スライド部材及び前記支持部材を鋼製の棒材で形成するができるので、製造コストが安く、簡易に製造することができる。
【0012】
請求項3に記載の載置物品回動機構は、請求項1に記載の載置物品回動機構において、前記回動スライド体の上部に自動車の座席を取り付けて、前記自動車の座席の回動を行うことをことを特徴とする自動車用座席回動機構。
【0013】
請求項3に記載の載置物品回動機構にあっては、自動車の座席の回動機構として使用する場合に、座席が回動する場合に、内側壁と抵触しないように回動代を設けることができる。
【0014】
請求項4に記載の自動車は、請求項2に記載の自動車用座席回動機構を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の自動車にあっては、自動車の座席の回動機構として使用する場合に、座席が回動する場合に、内側壁と抵触しないように回動代を設けることができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の載置物品回動機構に依れば、長方形状に枠を組み形成される支持枠と、前記支持枠の枠上に支持され、前記枠体の長手方向に移動可能な、方形状に組まれ形成される枠体を有する回動スライド体を備え、前記支持枠の一長辺の枠とその対向辺の枠との枠内に臨む面に、前記枠体の内方に向けて突出する支持部材を備え、支持部材の一端には上方に傾斜する斜面を備え、前記回動スライド体は、前記枠体に固定される上板と、下板と、前記上板及び前記下板に介在する回動部とを備える回動盤を備え、前記下板の下部には、前記支持部材と対応する位置に下方に突出するスライド部材を備え、前記スライド部材の一端部に前記斜面と対面して一直線となる斜面を形成し、前記回動スライド体の上板が、前記支持枠内に嵌ることによって、回動を阻止され、前記回動スライド体が、前記支持枠の長辺方向にスライドしつつ、前記スライド部材が前記支持部材に乗り上げ、上方に移動して、前記回動スライド体の枠の下端が、前記支持枠の上端より上方に位置することにより、前記スライド体の枠が回動自在となるので、簡易な構成からなり、また、市販の材料を使用して、簡易かつ安価に製造することができる。
【0017】
請求項2に記載の載置物品回動機構に依れば、請求項1に記載の載置物品回動機構において、前記スライド部材及び前記支持部材は、一端を斜面として形成される丸棒状材で形成されているので、前記スライド部材が前記支持部材に乗り上げて移動する場合は、両者の接点は点となり、摺動抵抗が小さく、スムースに摺動することができる。また、前記スライド部材及び前記支持部材を鋼製の棒材で形成するができるので、製造コストが安く、簡易に製造することができる。
【0018】
請求項3に記載の載置物品回動機構に依れば、請求項1に記載の載置物品回動機構に加えて、前記回動スライド体の上部に自動車の座席を取り付けて、前記自動車の座席の回動を行うことができるので、自動車の座席の回動機構として使用する場合に、座席が回動する場合に、内側壁と抵触しないように回動代を設けることができる。
【0019】
請求項4に記載の自動車に依れば、請求項2に記載の自動車用座席回動機構を備えているので、請求項1に記載の載置物品回動機構に加えて、前記回動スライド体の上部に自動車の座席を取り付けて、前記自動車の座席の回動を行うことができるので、自動車の座席の回動機構として使用する場合に、座席が回動する場合に、内側壁と抵触しないように回動代を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る載置物品回動機構の斜視図であり、(a)は回動スライド体が支持枠に固定された状態であり、(b)は回動スライド体を上方に持ち上げるようにスライドさせて回動位置まで移動させた状態であり、(c)は回動スライド体を回動させた状態を示し、(d)は回動スライド体が回動した状態を示し、(e)は回動スライド体をもとの固定位置まで移動させた状態を示す斜視図である。
図2】回動スライド体の分解斜視図である。
図3】前記載置物品回動機構の平面図であり、(a)は回動スライド体が支持枠に固定された状態を示す平面図であり、(b)は回動スライド体を上方に持ち上げるようにスライドさせて回動位置まで移動させた状態の平面図である。
図4】(a)は図3のA−A線断面図であり、(b)は図3のB−B線断面図である。
図5】(a)は図3のC−C線断面図であり、(b)は図3のD−D線断面図である。
図6】(a)は載置物品回動機構を自動車の座席回動機構に適用した要部斜視図であり、(b)は要部側面図である。
図7】自動車の座席回動機構の回動状態を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る載置物品回動機構を実施するための実施形態について、図面にしたがって説明する。
【0022】
図1は本発明の実施形態に係る載置物品回動機構の斜視図であり、(a)は回動スライド体が支持枠に固定された状態であり、(b)は回動スライド体を上方に持ち上げるようにスライドさせて回動位置まで移動させた状態であり、(c)は回動スライド体を回動させた状態を示し、(d)は回動スライド体が回動した状態を示し、(e)は回動スライド体をもとの固定位置まで移動させた状態を示す斜視図である。図2は回動スライド体の分解斜視図であり、図3は前記載置物品回動機構の平面図であり、(a)は回動スライド体が支持枠に固定された状態を示す平面図であり、(b)は回動スライド体を上方に持ち上げるようにスライドさせて回動位置まで移動させた状態の平面図である。また、図4(a)は図3のA−A線断面図であり、(b)は図3のB−B線断面図であり、図5(a)は図3のC−C線断面図であり、(b)は図3のD−D線断面図である。
【0023】
図1乃至図5中、10は本実施形態に係る載置物品回動機構を示し、前記載置物品回動機構10は、物品を載置し回動する回動スライド体20と、前記回動スライド体20を支持する支持枠30とを備える。
【0024】
前記回動スライド体20は、図2の分解斜視図に示すように、鋼製の角状管材を正方形状に組んで形成した、枠21a,枠21b,枠21c,枠21dで構成する枠体21の内側に、回動盤22を固定して形成されている。
【0025】
そして、前記回動盤22は、上板22bと下板22cの間に、多数の鋼球(図示せず)を備える回動部22aを介在させて、前記上板22bと下板22cとを、中央で貫通する回動軸22dを中心に相対的に回動するように構成されており、前記回動軸22dは、固定部材22eで固定されており、前記回動部23aと前記下板22cの間にはスペーサー22fを介在させている。
【0026】
そして、前記下板22cの一辺の底面部には、所定間隔を隔てたの二カ所において、一端を下方に向けた斜面24(24a,24b)を形成する鋼製の丸棒材から形成されるスライド部材23(23a,23b)を溶接し固定しており、前記下板22cの対向辺の底面部においても、所定間隔を隔てたの二カ所において、一端を下方に向けた斜面24(24c,24d)を形成する鋼製の丸棒材から形成されるスライド部材23(23c,23d)を溶接し固定している。
【0027】
そして、前記回動盤22は、前記上板22bの前記一辺および対向辺を、前記枠21aと前記枠21aに対向する前記枠21bの内側面に固定されるアングル材Lに、ボルトとナットにより固定されている。このとき、前記アングル材L、Lの下面は、前記前記枠21a、21bの下面と同面となるように固定されており、したがって、前記上板22bは、その厚さ分だけ、前記枠体21の下面より下方に突出して取り付けられている。なお、前記枠21cの上部には、前記回動スライド体20の回動位置を確認するための、位置表示マークMを設けている。
【0028】
一方、前記支持枠30は、鋼製の角状管材を長方形状に組んで形成した、枠31a,枠31b,枠31c,枠31dで構成する枠体31で構成されており、長辺にあたる角柱の枠体31a、31bの内側には、前記スライド部材23(23a,23b,23c,23d)を摺動可能に支持する支持部材32(32a,32b,32c,32d)を、それぞれ各2カ所ずつ溶接固定し、前記回動スライド体20を長手方向に(長辺方向)に向けてスライド自在となるように支持させている。
【0029】
前記支持部材32は、前記スライド部材23と同様の鋼製の丸棒材から形成されており、前記支持部材32の一端であって、前記スライド部材23と対向する面は、上方に向けた斜面33(33a,33b,33c,33d)を形成しており、前記斜面32と前記斜面24とは同一の斜度となるように形成されており、向かい合って接合した場合、一直線となるように形成されている。
【0030】
図1(a)、図3(a)及び図4(a)(b)は、前記回動スライド体20の上板22bが前記支持枠30内に嵌り込んで固定された状態を示す図であり、その状態においては、前記斜面33と前記斜面24とは、向かい合って接合した場合一直線となるように配置されており、長さ方向においては、前記回動スライド体20の前記枠21dが 前記支持枠30の前記枠31dの上で支持された状態で、前記上板22bの端部が前記支持枠30a及び前記支持枠31bの内側に当設しているので、前記回動スライド体20は前記支持枠30に対して水平回動不能に前記支持枠30上に載置されている。
【0031】
そして、この状態から前記回動スライド体20を回動させるには、前記回動スライド体20を長手方向に向かって引っ張ると、前記斜面24は、前記斜面33に沿って、斜め上方に向かって摺動してゆき、さらに、前記スライド部材23が前記支持部材32の上に乗り上がりるように移動してゆく。そして、図1(b)、図3(b)及び図5(a)(b)に示すように、前記スライド部材23が前記支持部材32の上に位置する状態において、前記上板22bが、前記支持部材31の上面より上に位置すると共に、前記下板22cは前記枠体31の上端より下方に位置する状態となり、前記枠体21は前記支持枠30に対して回動可能な状態となる。
【0032】
そして、図1(c)に示すように、前記回動スライド体20を回動させて、回動させた位置(図1(d))において、前記回動スライド体20を前記支持枠30の長手方向に沿って、もとの固定位置に移動させ、前記斜面24を前記斜面33と一直線となるように、前記回動スライド体20を前記支持枠30に嵌め落として、図1(e)に示すように、前記回動スライド体20を前記支持枠30に対して回動不能に固定するのである。
【0033】
なお、図4及び図5中、40は載置物品であり、41は前記載置物品40を前記回動スライド体20に取り付けるためのステーである。前記ステー41は、設ける必要がない場合は、特に設けることなく、前記載置物品40を前記回動スライド体20に直接取り付けても良い。
【0034】
本発明に係る前記載置物品回動機構は、以上の構成からなるため、市販の鋼製角材や丸材や、回動盤を使用して簡単に製造することができ、簡易な構成で安価に提供することができる。
【0035】
図6(a)は載置物品回動機構を自動車の座席回動機構に適用した要部斜視図であり、(b)は要部側面図である。図7は自動車の座席回動機構の回動状態を示す概略平面図である。
【0036】
図6及び図7は、本発明に係る載置物品回動機構10を、自動車の座席の回動機構として使用する場合を示すものであり、図6に示すように、前記載置物品回動機構の前記回動スライド体20の上部にステー41を取り付けて、前記ステーに自動車の座席STを取り付けたものである。そして、前記支持枠30の四隅下部には支持脚を取り付けて、自動車の床にボルトで固定している。
【0037】
図7は、自動車の座席にSTの回動状態を示す図であり、まず、前記載置物品回動機構10の前記回動スライド体20を前記支持枠30に固定した状態(図1(a)の状態)で、前記回動スライド体20を前記座席STの下部中央の位置となるように取り付けている(図7(a))。この位置で前記座席STを回動しようとすると、自動車の内壁SWと抵触し、回動することができない。そこで、図7(b)に示すように、前記回動スライド体20を矢印方向に引っ張る。そうすると、前記座席STは、自動車の幅方向にズレ、前記自動車の内壁SWとの間に空間が生じ、前記座席STの回動代が生じる。
【0038】
そして、図7(c)のに示すように、回動させて後部の座席と対面する位置で固定し(図7(d))、前記回動スライド体20を、もとの位置(図7(a)の位置)に押し戻し、前記回動スライド体20を、回動不能に固定するのである。
【0039】
以上のように、本発明に係る載置物品回動機構10を、自動車の座席の回動機構として使用する場合には、前記内壁SWと前記座席STとの間に回動代を形成し、回動することができ、好適なものとなる。また、簡易な構成からなるため、完成車に後付することも容易に行うことができる。
【0040】
また、前記スライド部材23及び前記支持部材32を丸棒状材で形成しているので、前記スライド部材23が前記支持部材32に乗り上げて移動する場合は、両者の接点は点となり、摺動抵抗が小さく、スムースに摺動することができる。また、鋼製の棒材で形成するができるので、製造コストが安く、簡易に製造することができる。
【0041】
なお、本実施例においては、前記回転スライド体20は、正方形状に前記体21を組んで形成したが、長方形状に組んで形成しても良い。また、前記スライド部材23及び/又は前記支持部材32は丸棒状材で形成しているが、角状材で形成しても良い。さらに、前記スライド部材23及び/又は前記支持部材32は、当接する箇所を断面円弧状となるように形成しても良い。
【0042】
なお、本発明は、自動車のシートに適用されるだけでなく、たとえば、家具等に使用してもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 載置物品回動機構

20 回動スライド体
21 枠体
21a 枠
21b 枠
21c 枠
21d 枠

22 回動盤
22a 回動部
22b 上板
22c 下板
22d 回動軸
22e 固定部材
22f 固定部材

23 スライド部材
23a スライド部材
23b スライド部材
23c スライド部材
23d スライド部材

24 斜面
24a 斜面
24b 斜面
24c 斜面
24d 斜面

30 支持枠
31 枠体
31a 枠
31b 枠
31c 枠
31d 枠

32 支持部材
32a 支持部材
32b 支持部材
32c 支持部材
32d 支持部材

33 斜面
33a 斜面
33b 斜面
33c 斜面
33d 斜面

40 載置物品
41 ステー

50 支持脚

60 固定具

ST 自動車シート
HR ヘッドレスト
SW 自動車のサイドウォール
【要約】      (修正有)
【課題】簡易な構成で安価に製造することができる載置物品回動機構を提供することにある。
【解決手段】長方形状の枠21で形成される支持枠30と、前記支持枠の枠上に支持され、前記枠体の長手方向に移動可能な、正方形状の枠体を有する回動スライド体20を備え、前記回動スライド体に固定される上板22bと、下板と、前記上板及び前記下板に介在する回動部22aとを備える回動盤22を備え、前記下板の下部には、前記支持部材と対応する位置に下方に突出するスライド部材を備え、前記回動スライド体の上板が、前記支持枠の高さ方向の内部に嵌ることによって、回動を阻止され、前記回動スライド体が、前記支持枠の長辺方向にスライドしつつ、前記スライド部材が前記支持部材に乗り上げ、上方に移動して、前記回動スライド体の上板が、前記支持枠の上端より上方に位置することにより、前記スライド体の枠が回動自在となるよう構成した。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7