(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6763517
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】コマ玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 1/00 20190101AFI20200917BHJP
【FI】
A63H1/00 F
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-127666(P2019-127666)
(22)【出願日】2019年7月9日
【審査請求日】2020年1月21日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(73)【特許権者】
【識別番号】591056846
【氏名又は名称】株式会社東京ユニーク
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂東 陽平
(72)【発明者】
【氏名】前田 竹明
【審査官】
東 芳隆
(56)【参考文献】
【文献】
特許第6431630(JP,B1)
【文献】
中国実用新案第200995064(CN,Y)
【文献】
中国実用新案第201120144(CN,Y)
【文献】
特許第6258541(JP,B1)
【文献】
特開2018−126411(JP,A)
【文献】
[新シリーズ]ベイブレードバーストGTで何が変わった?ガチで全貌を徹底解説!!,ToyBi [online],2019年 4月10日,(特に「ウエイト」の項等を参照)[2020年2月28日検索],URL,https://toybi.jp/3249
【文献】
タカラトミー ベイブレードバースト ゴールドターボGETキャンペーン 斬ウエイト ゴールドターボVer.,うたかたの日々 [online],2019年 4月29日,(特に、「斬ウエイト ゴールドターボVer.」の説明文や、その下部に掲載される写真等を参照)[2020年2月28日検索],URL,http://auraclover.hatenablog.com/entry/2019/04/29/024021
【文献】
進化が止まらない!B-134 ブースター スラッシュヴァルキリー.Bi.Pw 烈[レビュー],遊びを学ぶブログ [online],2019年 5月15日,(特に、「3枚刃に相性◎ 左右非対称 3点ウエイト 烈」の項等を参照)[2020年2月28日検索],URL,https://haruki000.com/beyblade-burst-b-134-booster-slash-valkyrie/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体と軸部を備えるコマ玩具であって、
前記胴体は、外周に複数の可動外周構成部品が付設された胴主体と、
前記胴主体に着脱可能に構成された胴装着部品と、を備え、
前記胴装着部品には、装着状態で前記可動外周構成部品に係合可能に構成され係合した前記可動外周構成部品の動きを規制する規制部が形成され、前記規制部は、前記胴装着部品の装着によって1つ以上の前記可動外周構成部品の動きを規制することを特徴とするコマ玩具。
【請求項2】
前記胴装着部品を複数備え、この複数の前記胴装着部品は互いに交換可能に構成され、前記規制部は、複数の前記胴装着部品の間で、互いに規制態様が異なるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコマ玩具。
【請求項3】
前記胴主体には複数の前記可動外周構成部品が複数付設されるとともに、前記胴装着部品を複数備え、この複数の前記胴装着部品は互いに交換可能に構成され、前記規制部は、複数の前記胴装着部品の間で、互いに規制態様、及び、規制対象とする前記可動外周構成部品の少なくとも一方が異なるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコマ玩具。
【請求項4】
前記可動外周構成部品は、外部衝撃を受けた場合に所定の軸を中心に回動する部品であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコマ玩具。
【請求項5】
前記可動外周構成部品は前記胴主体から出没可能に構成され、前記規制部は、前記可動外周構成部品と係合したときに当該可動外周構成部品を突出した位置に保持することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコマ玩具。
【請求項6】
前記可動外周構成部品は、前記コマ玩具の回転に伴う遠心力によって前記胴主体から突出する方向に動作することを特徴とする請求項5に記載のコマ玩具。
【請求項7】
前記胴装着部品は前記胴体に組込み可能なメタルから構成され、前記規制部は、重りを構成することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のコマ玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコマ玩具に関するもので、特にバトルゲームに好適なコマ玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コマ玩具を使用したバトルゲームとして、コマ玩具を互いに衝突させ、その衝撃力によって相手方のコマ玩具の回転を止めたり、相手方のコマ玩具を弾き飛ばしたり、相手方のコマ玩具を分解させたりするものがある。
【0003】
このようなコマ玩具では、攻撃力や防御力を変更させるための工夫がされている。例えば、複数の可動フィンを備え、可動フィンが遠心力の作用によって半径方向外方に投げ出されて攻撃部を形成し、コマ玩具の回転が減速すると可動フィンが復帰ばねの付勢力によって半径方向内方に動作し防御状態とるように構成されたものがある(例えば、特許文献1) 。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】CN200977398Y公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に開示されたコマ玩具の場合、バトル中に攻撃力や防御力を変更させることはできるが、全体としての強さは胴体で一義的に決まってしまい、遊戯者自らの意思でコマ玩具の強さを変えることはできなかった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、遊戯者自らが可動外周構成部品の動きを規制してコマ玩具の特性を簡単に変化させることができるコマ玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の手段は、
胴体と軸部を備えるコマ玩具であって、
前記胴体は、外周に
複数の可動外周構成部品が付設された胴主体と、
前記胴主体に着脱可能に構成された胴装着部品と、を備え、
前記胴装着部品には、装着状態で前記可動外周構成部品に係合可能に構成され係合した前記可動外周構成部品の動きを規制する規制部が形成され
、前記規制部は、前記胴装着部品の装着によって1つ以上の前記可動外周構成部品の動きを規制することを特徴とする。
【0009】
第2の手段は、第1の手段であって、前記胴装着部品を複数備え、この複数の前記胴装着部品は互いに交換可能に構成され、前記規制部は、複数の前記胴装着部品の間で、互いに規制態様が異なるように構成されていることを特徴とする。
【0010】
第3の手段は、第1の手段であって、前記胴主体には複数の前記可動外周構成部品が複数付設されるとともに、前記胴装着部品を複数備え、この複数の前記胴装着部品は互いに交換可能に構成され、前記規制部は、複数の前記胴装着部品の間で、互いに規制態様、及び、規制対象とする前記可動外周構成部品の少なくとも一方が異なるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
第4の手段は、第1の手段から
第3の手段のいずれか一の手段であって、前記可動外周構成部品は、外部衝撃を受けた場合に所定の軸を中心に回動する部品であることを特徴とする。
【0012】
第5の手段は、第1の手段から
第4の手段のいずれか一の手段であって、前記可動外周構成部品は前記胴主体から出没可能に構成され、前記規制部は、前記可動外周構成部品と係合したときに当該可動外周構成部品を突出した位置に保持することを特徴とする。
【0013】
第6の手段は、
第5の手段であって、前記可動外周構成部品は、前記コマ玩具の回転に伴う遠心力によって前記胴主体から突出する方向に動作することを特徴とする。
【0014】
第7の手段は、第1の手段から
第6の手段のいずれか一の手段であって、前記胴装着部品は前記胴体に組込み可能なメタルから構成され、前記規制部は、重りを構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
第1の手段によれば、胴装着部品を胴主体に装着するだけで、可動外周構成部品の動きを規制してコマ玩具の特性を簡単に変化させることができる。
【0016】
また、第1の手段によれば、胴装着部品を胴主体に装着するだけで、複数ある可動外周構成部品のうちの1つ以上の可動外周構成部品の動きを規制することができる。
【0017】
第2の手段によれば、複数の胴装着部品の中から1つの胴装着部品を選んで胴主体に装着するだけで、装着した胴装着部品に応じて、コマ玩具の特性を簡単に変化させることができる。
【0018】
第3の手段によれば、複数の胴装着部品の中から1つの胴装着部品を選んで胴主体に装着するだけで、装着した胴装着部品に応じて、規制態様や規制対象を変えることができる。
【0019】
第4の手段によれば、胴装着部品を胴主体に装着するだけで、回動する特定の可動外周構成部品の動きを規制することができる。
【0020】
第5の手段及び
第6の手段によれば、胴装着部品を胴主体に装着するだけで、胴装着部品に出没可能な可動外周構成部品を突出状態に保つことができる。
【0021】
第7の手段によれば、規制部がコマ玩具の重心を変化させる重りで構成されているので、胴装着部品を胴主体に装着するだけで、特定の可動外周構成部品の動きだけでなく、コマ玩具の重心を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】軸部及びフライホイールの半部を示した縦断斜視図である。
【
図4】胴体を上方から見た状態を示した分解斜視図である。
【
図5】胴体を下方から見た状態を示した分解斜視図である。
【
図8】可動可動外周構成部品ブレードとメタルとの係合関係を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のコマ玩具を図面に示した実施形態に基づいて説明する。
【0024】
(全体)
図1はコマ玩具を示した斜視図、
図2はコマ玩具の分解斜視図である。
このコマ玩具1は、例えば、コマ玩具同士の衝突を通じて勝敗を競うバトルゲーム等に使用される。このコマ玩具1は軸部10、フライホイール30及び胴体40を備えている。
【0025】
(細部)
1.軸部10及びフライホイール30
図3は軸部10及びフライホイール30の半部を示した斜視図である。この半部に対して残りの半部は点対称となっている。なお、軸部10及びフライホイール30の説明において、上下、左右、前後は
図3に示す方向を言うものとする。
このうち軸部10は、下端部に接地部11、上下方向中間部に鍔12、上端部に円筒体13を備える。
鍔12と円筒体13とは一体的に形成されている。円筒体13の中心には柱体14が設けられている。柱体14の上端部外周の前後には半径方向外方に張り出す爪17が1個ずつ形成されている。この柱体14は、軸下部10aに固定して設けられている。軸下部10aの外周面は、鍔12側から接地部11の先端側に向けて段階的に縮径し、全体として略逆円錐状に形成されている。この軸下部10aは、図示しないネジ等によって鍔12に固定されている。
鍔12及び円筒体13の前後には孔15が1個ずつ鍔12及び円筒体13に亘って開口して形成されている。また、円筒体13の外周面の左右には、突出部16が1個ずつ形成されている。各突出部16の外面は鍔12の外周面と面一となっている。
【0026】
また、軸部10は環状の可動部材18を備えている。可動部材18は、柱体14の上端部の外側に嵌まり合う形の環状の上端部18bを有している。この可動部材18は、円筒体13の内側で柱体14を取り囲むようにして設置されている。可動部材18の下端部外周の前後には半径方向外方に張り出す脚部18aが1個ずつ形成されている。
【0027】
この可動部材18は、各脚部18aがそれに対応する孔15から露出するように組み付けられる。孔15は脚部18aの上下方向の移動を許容するが、孔15の上縁で脚部18aの上方への移動を規制する。また、可動部材18は、スプリング19によって上方に付勢されている。なお、可動部材18の上端部18bの上面には、左右それぞれに半径方向に延びる凸条(突起)20が1個ずつ形成されている。
【0028】
2.フライホイール30
フライホイール30は環状に形成されている。このフライホイール30はなくともコマ玩具1として利用できる。フライホイール30の下面内周側には軸部10の鍔12を下方から収容可能な環状段部30aが形成されている。このフライホイール30の上面の左右には、上方に向けて張り出す突出部31が1個ずつ形成されている。各突出部31の下側部分には、軸部10の突出部16を下方から収容可能な凹部32が形成されている。また、フライホイール30の上面には、各突出部31の直ぐ外側に上方に延びる舌片33が形成されている。舌片33は突出部31よりも上方に突出している。
【0029】
3.胴体40
図4は胴体40を上方から見た分解斜視図、
図5は胴体40を下方から見た分解斜視図、
図6は胴主体41の平面図である。なお、胴体40の説明において、上下、左右、前後は
図4に示す方向を言うものとする。
本実施形態の胴体40は、胴主体41と、メタル42と、チップ43とを備えている。
【0030】
(1)胴主体41
胴主体41は、基体を構成する円盤状の下層部品41aと、外周に固定ブレード50aが形成された環状の上層部品41bとを備えている。下層部品41a及び上層部品41bの外形は後述の固定ブレード50aの箇所も含めて平面視で略同じ形に形成されている。そして、胴主体41の上面側は、上層部品41bが胴主体41の外周部を形成し、上層部品41bで囲まれ下層部品41aが露出する部分が各種部品を装着するための凹部となっている。
なお、固定ブレード50aは下層部品41aに形成されていても、下層部品41aと上層部品41bに固定ブレード50aの半部がそれぞれ形成されていてもよい。
【0031】
胴主体41の外周部には、下層部品41aと上層部品41bとの間に、計6個の回動ブレード50bが円周方向に所定間隔で設けられている。回動ブレード50bは、
図8に示すように、先端が尖ったブレード部500bと、軸41cにより支持される被軸支部501bを備える。この回動ブレード50bは、軸41cを中心に回動可能に構成され、回動ブレード50bが上層部品41bに突き当たることによって回動範囲が規制されている。例えば、回動ブレード50bは、回動の一端でブレード部500bが胴主体41から半径方向外方に突出する突出位置を取り、回動の他端でブレード部500bが胴主体41内に没する没入位置を取る。この回動ブレード50bには被係止部502bが形成されている。
【0032】
図6に示すように、胴主体41の下層部品41aの中央部には孔41dが形成されている。孔41dは、小径部分410dと、孔41dの中心を挟んで互いに対向する2つの箇所に設けられた切欠きから構成された大径部分411dを有する。
胴主体41の下面には、平面視弧状の突出部41e(
図5参照)が小径部分410cの縁から垂下するようにして設けられている。この突出部41eの内面下端には内方に張り出す爪410eが形成されている。
また、孔41dの大径部分411dには、後述のチップ43の突出部43a(
図5参照)が上方から差し込まれる。突出部43aの下端には、上記凸条20に噛合する起伏部43bが形成されている。
【0033】
胴主体41の下層部品41aの前後には、上層部品41bの内縁近くに孔41fが1つずつ形成されている。この孔41fには、チップ43の両端から垂下された被係止片43cが上方から挿入される。また、胴主体41の下層部品41aの前後には、各孔41fよりも内方に矩形の孔41gが1つずつ形成されている。この孔41gには、チップ43を固定するための固定部品44の操作部44a(
図5参照)が位置している。なお、孔41fと孔41gとの間には、固定部品44を上方から押さえるための台形状の押さえ板45が取り付けられている。
【0034】
また、胴主体41の下層部品41aには、孔41dの左右外方に弧状スリット41iが1つずつ形成されている。この弧状スリット41iには、フライホイール30の舌片33が下方から挿入される。弧状スリット41iの内側に縁には、チップ43の切欠き43dが嵌合する突起41jが立設されている。
【0035】
胴主体41の上層部品41bには、外周に固定ブレード50aが形成され、内周には各回動ブレード50bに対応した位置に台形状の切欠き41kが1つずつ形成されている。台形状の切欠き41k内には、回動ブレード50bの回動に伴って回動ブレード50bの被軸支部501bに形成された被係止部502bが入り込む。一方、この切欠き41kには、メタル42の重りを構成する6角状の回動規制部42bの半部(台形状部分)が嵌合するようになっている。そして、回動ブレード50bを突出状態にした後に、メタル42の回動規制部42bの半部を切欠き41kに嵌合させれば、回動規制部42bの一辺が当接し、回動ブレード50bの回動が阻止される。実施形態のコマ玩具1では、回動ブレード50bが突出状態に保持される。
【0036】
(2)メタル42
メタル42は、棒状部材を繋いだ形の6角リングを2つ結合した形をしている。中央部分には突起42aが設けられている。例えば、メタル42の3つの角部には回動規制部42bが形成されている。回動規制部42bは他の部分よりも肉厚な6角形ブロックとなっている。この回動規制部42bは上層部品41bの切欠き41kに対応した位置に設けられている。そして、回動規制部42bの半部(台形状部分)が切欠き41kに嵌合するようになっている。そして、回動規制部42bの半部の一辺が回動ブレード50bの被係止部502bに当接することで回動ブレード50bが突出状態に保持される。
【0037】
実施形態のコマ玩具1では、このようなメタル42が複数用意されている。
図7にはその一例が示されている。
図7(A)のメタル42は
図4及び
図5のメタル42と全体としては同形であるが、6個の回動規制部42bを有する点で異なっている。また、
図7(B)のメタル42は逆S字状であり、4個の回動規制部42bを有している。
なお、メタル42は
図8に示されるように胴主体41に取り付けられ、胴主体41の凹部に嵌合し、上方からチップ43によって押さえられる。この例では、メタル42の回動規制部42bに対応する2つの回動ブレード50bだけが突出状態に保持されている。残りの4つの回動ブレード50bはフリーである。
【0038】
(3)チップ43
図4及び
図5に示すように、チップ43の長手方向の中央部分には、上記メタル42の突起42aに嵌合される孔43eが形成されている。また、チップ43の中央部左右に切欠き43dが1つずつ形成されている。さらに、チップ43の前後方向の端には下方に延びる被係止片43cが1個ずつ形成されている。各被係止片43cの内面には凹部43fが形成されている。
また、チップ43の下面には、下方に垂下する平面視で孤状の突出部43aが左右に1個ずつ設けられている。この突出部43aの下端には複数の山を連ねて形成された起伏部43bが形成されている。
【0039】
(4)チップ43の固定
胴主体41には、チップ43を固定するための固定部品44が設けられている。この固定部品44は、下層部品41aの上面に沿って半径方向に往復動作可能なスライド部(図示せず)と、スライド部の内端に垂設され孔41gから下方に突出する操作部44aを備えている。そして、胴主体41の下方から操作部44aを操作することで固定部品44は半径方向に動作し、半径方向外方に操作部44aを操作することで、スライド部が上記チップ43の凹部43fに半径方向内側から挿入され、チップ43が胴主体41に固定される。
【0040】
(コマ玩具1の組立方法)
次に、コマ玩具1の全体の組立方法を説明する。
先ず、コマ玩具1の組立段階で、どのメタル42を選択するかを決め、選択したメタル42とチップ43とを胴主体41に装着しておく。次に、胴体40側の爪410eと軸部10側の爪17とが上下方向で重なり合わない位置で胴体40と軸部10とを上下方向から突き合わせる。すると、爪410eが可動部材18をスプリング19の付勢力に抗して下方に押し下げる。この状態で、胴体40を軸部10に対して軸心を中心として一方向に所定量相対回転させる。そして、爪410eの上面と爪17の下面とを上下方向で重なり合わせて胴体40と軸部10とを結合させる。この際、凸条20と起伏部43dとが上下方向で当接される。
【0041】
(遊び方等)
続いて、このコマ玩具1を使用しての遊び方の一例を説明する。
先ず、コマ玩具1の回転力のチャージを行う。このチャージは、
図9に示すランチャ60によって行われる。このランチャ60は、ハンドル61で引くと、ゼンマイ動力によりコマホルダ62が回転されるように構成されている。このコマホルダ62の回転は、下方に突設されたフォーク63によってコマ玩具1に伝達され、コマ玩具1を回転させる。この場合、フォーク63は胴体40の弧状スリット41iに差し込まれ、フォーク63の内側に形成された突起63bを孤状スリット41iの縁下に潜り込ませる。そして、ランチャ60のハンドル61を引き切ると、コマホルダ62の回転が停止する一方で、コマ玩具1は慣性力によって尚も回転するので、フォーク63の傾斜面63aに倣ってコマ玩具1がコマホルダ62から外れる。
【0042】
このようにして放たれたコマ玩具1が相手方コマ玩具に衝突すると、衝突による衝撃力によって、胴体40の下面の起伏部43bと凸条20とは、胴体40に対して軸部10が相対回転をするに伴って、噛み合い位置を変更する。そして結合解除位置に達すると、胴体40側の爪410eと軸部10側の爪17との係止が解除され、軸部10内のばね19の付勢力によって胴体40がフライホイール30や軸部10から離反して、別々に分解され、軸部10も倒れる。
【0043】
(本発明の変形)
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は、かかる実施形態には限定されず、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0044】
例えば、上記実施形態では、可動外周構成部品の一例として回動ブレード50bを説明したが、可動外周構成部品は半径方向に直線的に往復動作する可動外周構成部品であってもよいし、又は円周方向に往復動作する可動外周構成部品であってもよい。円周方向に動作する可動外周構成部品であっても、固定ブレード(固定外周構成部品)との組み合わせによってコマ玩具の特性を変更することができる。要は、相手方コマ玩具や遊戯台からの外部衝撃を受けうる外周構成部品であることである。
【0045】
また、上記実施形態では、回動ブレード50bを胴主体41から出没可能に構成したが、回動ブレード50bは、胴主体41から常時突出し、回動によって、その突出量を変化させるものであってもよい。この場合には、回動規制部はその突出量(可動域)を規制するものとなる。
【0046】
さらに、上記実施形態では、回動規制部42bは、回動ブレード50bが突出状態となるように胴主体41の被突当て部に突き当てた状態で胴主体41の切欠き41kに嵌め込まれ、当該被突当て部と協働して1つの箇所に回動ブレード50bを停止させるものだったが、回動規制部42bは、回動ブレード50bを胴主体41の被突当て部に突き当てることなく、単に、回動ブレード50bの被係止部502bの可動域途中で係合して、可動ブレード50bの一方向の動作を規制して全体の可動域を制限するものであってもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、回動規制部は、回動ブレードを突出状態に保つようになっているが、没入状態に保つように構成されていてもよい。
【0048】
また、規制される可動外周構成部品、又は、その動きを規制する胴装着部品は1つであってもよい。この場合、胴装着部品の装着によって、可動外周構成部品の規制態様、例えば、胴主体から突出した状態で可動外周構成部品を保持したり、胴主体から没した状態で保持したり、可動域の大きさを変えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 コマ玩具
10 軸部
40 胴体
41 胴主体
42 メタル(胴装着部品)
42b 規制部
42a 不均重り
42b 回動規制部
43 チップ
50b 回動ブレード(可動外周構成部品)
500b ブレード部
501b 被軸支部
502b 被係止部
【要約】
【課題】遊戯者自らが可動外周構成部品の動きを規制してコマ玩具の特性を簡単に変化させることができるコマ玩具を提供すること。
【解決手段】胴体40と軸部10を備えるコマ玩具1であって、 前記胴体40は、外周に可動外周構成部品50bが付設された胴主体41と、前記胴主体41に着脱可能に構成された胴装着部品42と、を備え、前記胴装着部品42には、装着状態で前記可動外周構成部品50bに係合可能に構成され係合した前記可動外周構成部品50bの動きを規制する規制部が形成されている。
【選択図】
図8