特許第6763556号(P6763556)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6763556
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】ロック機構
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20200917BHJP
   H01R 12/72 20110101ALI20200917BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   G02B6/42
   H01R12/72
   H01R13/639 Z
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-69971(P2019-69971)
(22)【出願日】2019年4月1日
【審査請求日】2019年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】古川 貴啓
【審査官】 井部 紗代子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−152428(JP,A)
【文献】 特開2010−076167(JP,A)
【文献】 米国特許第06304436(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00
G02B 6/02
G02B 6/24 − 6/27
G02B 6/30 − 6/34
G02B 6/36 − 6/43
G02B 6/46 − 6/54
E05B 1/00 −65/44
E05B65/46
E05B65/462 −85/28
H01L31/00 −31/02
H01L31/0232
H01L31/0248
H01L31/0264
H01L31/08
H01L31/10
H01L31/107 −31/108
H01L31/111
H01L31/18
H01L51/42
H01R13/56 −13/72
H05K 5/00 − 5/06
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケージに挿入可能なプラガブル光インタフェースモジュールに設けられたストッパと、
前記ストッパに当接するロック位置と、前記ストッパから回避するロック解除位置とに移動可能な係止部と、
作動機構と、を備え、
前記作動機構は、
前記ケージに設けられ、
前記ケージに前記プラガブル光インタフェースモジュールを押し込む際に、前記プラガブル光インタフェースモジュールの押込力により、押込方向に移動可能な押込みロッドと、
前記押込みロッドで押し込まれることにより、押込方向に対して交差する方向に回転する回転軸と、
前記回転軸に設けられ、前記係止部を前記ロック位置と前記ロック解除位置とに保持可能なカム部と、
を備えるロック機構。
【請求項2】
前記プラガブル光インタフェースモジュールは、
押込みロッドに当接することにより、前記プラガブル光インタフェースモジュールの押込力により、前記押込みロッドを押込方向に移動可能なプリント基板を備える請求項に記載のロック機構。
【請求項3】
前記作動機構は、
前記押込みロッドの押込力により前記回転軸を押込方向に対して交差する方向に回転させる回転機構を備える請求項1または2に記載のロック機構。
【請求項4】
前記作動機構は、
前記回転軸を回転可能に支持する支持部を備える請求項1から3の何れか一項に記載のロック機構。
【請求項5】
前記作動機構は、
前記カム部に対して前記押込みロッドの反対側に設けられ、前記回転軸を回転可能に支持する支持部と、
前記支持部および前記カム部の間に介在され、前記回転軸を前記押込みロッドに当接する弾性部材と、
を備える請求項1から4の何れか一項に記載のロック機構。
【請求項6】
前記弾性部材は、コイルバネである請求項に記載のロック機構。
【請求項7】
前記係止部は、
前記ケージに設けられ、
前記カム部により移動する方向に延びる脚部と、
前記脚部に対して交差する方向に延びて、先端部が前記ストッパに当接可能な当接部と、
を有する請求項1から6の何れか一項に記載のロック機構。
【請求項8】
前記ストッパは、前記プラガブル光インタフェースモジュールの端部に設けられた請求項1からの何れか一項に記載のロック機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロック機構に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の光トランシーバの挿抜機構には、ベイルを下方に回転する操作により光トランシーバをケージからロック解除する構成と、プルタブを前方に引く操作により光トランシーバをケージからロック解除する構成とが開示されている。なお、ベイルの操作でロックを解除する際には、例えば、光トランシーバの光レセプタクルから光ファイバを抜いて取り外した後、ベイルを下方に回転操作して光トランシーバをケージからロック解除する。以下、光トランシーバを「プラガブル光インタフェースモジュール」と称する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−81767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のベイルによる挿抜機構は、ベイルの操作でロックを解除する際に、プラガブル光インタフェースモジュールから光ファイバを抜いて取り外す操作が必要となる。プラガブル光インタフェースモジュールから光ファイバを取り外した場合、例えば、光コネクタの端面に塵埃などが付着して光コネクタの端面が汚れることがある。
このため、挿抜操作が困難となる場合がある。
また、ベイルのなかには、ベイルを下方まで回転した状態において、プラガブル光インタフェースモジュールの底面よりも低い位置まで下がるものがある。このため、ベイルの可動範囲に位置する物にベイルが当たることがあり、挿抜操作が困難となる場合がある。
また、特許文献1のプルタブによる挿抜機構は、プルタブの操作でロックを解除する際に、例えば、前方に引いたプルタブが装置の前面板に接触することが考えられる。このため、プルタブが邪魔になることがあり、挿抜操作が困難となる場合がある。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題のいずれかを解決するロック機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の態様のロック機構は、ケージに挿入可能なプラガブル光インタフェースモジュールに設けられたストッパと、前記ストッパに当接するロック位置と、前記ストッパから回避するロック解除位置とに移動可能な係止部と、前記プラガブル光インタフェースモジュールが前記ケージに押し込まれることにより、前記係止部を前記ロック位置と、前記ロック解除位置とに保持可能な作動機構と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
上述の態様によれば、挿抜操作における困難性を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一実施形態におけるロック機構をロック位置に配置した状態を示す模式図である。
図2図1のII部を拡大した模式図である。
図3図1のIII−III線に沿う断面図である。
図4】第一実施形態におけるロック機構をロック解除位置に配置した状態を示す模式図である。
図5図4のV−V線に沿う断面図である。
図6】最小構成の第二実施形態におけるロック機構をロック位置に配置した状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0010】
<第一実施形態>
ロック機構20の第一実施形態について、図1から図5を参照して説明する。以下、プラガブル光インタフェースモジュール10のロック機構20を「ロック機構20」と略記する場合がある。
【0011】
なお、本実施形態は、プラガブル光インタフェースモジュール10を実装するスペースを確保可能な電気コネクタに構成に適用可能である。例えば、電気コネクタとして、CFP(Centum gigabit Form Factor Pluggable)、CFP2、CFP4、CFP8、SFP(Small Form-factor Pluggable)、SFP+、SFP28が挙げられる。さらに、電気コネクタとして、QSFP+(Quad Small Form-Factor Pluggable Plus)、QSFP28、QSFP−DD、XFP(10 Gigabit Small Form Factor Pluggable)などが挙げられる。
【0012】
図1に示すように、プラガブル光インタフェースモジュール10は、例えば、直方体状に形成され、プリント基板12を備える。プラガブル光インタフェースモジュール10は、ホストシステムのケージ14に挿入して使用される。プラガブル光インタフェースモジュール10がケージ14に挿入された状態において、プリント基板12の電気信号端子(図示せず)が電気コネクタ16に接続される。
【0013】
また、プラガブル光インタフェースモジュール10の挿抜方向に関し、プラガブル光インタフェースモジュール10のうちプリント基板12を備える側の反対側の部位10aに光ファイバ(図示せず)が接続される。プリント基板12は、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に挿入する際に、押込みロッド25(後述する)に当接する。
以下、プラガブル光インタフェースモジュール10の挿抜方向のうち、挿入方向を後方と称する場合がある。
また、プラガブル光インタフェースモジュール10の挿抜方向のうち、抜出方向を前方と称する場合がある。
【0014】
プラガブル光インタフェースモジュール10は、ケージ14に挿入された状態においてロック機構20により挿入位置に保持される。ロック機構20は、係止部21と、ストッパ22と、作動機構23と、を備えている。係止部21および作動機構23は、ケージ14の内部に設けられている。ストッパ22は、プラガブル光インタフェースモジュール10に設けられている。
係止部21および作動機構23がケージ14の内部に設けられることにより、係止部21および作動機構23をプラガブル光インタフェースモジュール10が備える必要がない。よって、プラガブル光インタフェースモジュール10の構成は簡素化される。
【0015】
図2図3に示すように、作動機構23は、押込みロッド25と、回転軸26と、回転機構27と、保持部28と、支持部31と、弾性部材32と、を備えている。
押込みロッド25は、例えば、円柱形状、あるいは円筒形状を有する。
押込みロッド25は、ケージ14に固定された電気コネクタ16に対し、周方向に固定され、かつ、軸方向へ移動可能に電気コネクタ16に支持されている。
押込みロッド25が、周方向に固定され、かつ、軸方向へ移動可能に支持されるように構成するには、例えば、押込みロッド25が外周に軸方向に延びる溝を有し、電気コネクタ16が内周に突起を有していればよい。
その際、電気コネクタ16の突起が、押込みロッド25の軸方向に延びる溝に対向する位置に、押込みロッド25の軸方向に延びる溝に嵌るように構成されることにより、押込みロッド25は、周方向に固定され、かつ、軸方向へ移動可能とされる。
例えば、押込みロッド25が外周に突起を有し、電気コネクタ16が内周に軸方向に延びる溝を有してもよい。
【0016】
また、押込みロッド25は、ケージ14にプラガブル光インタフェースモジュール10を挿入する際に、前端部25aがプリント基板12の後端部12aに当接する位置に配置されている。押込みロッド25の前端部25aがプリント基板12の後端部12aに当接した状態において、ケージ14にプラガブル光インタフェースモジュール10が一層押し込まれる。これにより、プラガブル光インタフェースモジュール10の押込力により、押込みロッド25が押込方向(挿入方向)に押し込まれる。
【0017】
このように、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に挿入する際に、押込みロッド25にプリント基板12が当接する。そのため、プラガブル光インタフェースモジュール10の押込力により、押込みロッド25をプリント基板12により押込方向に押し込むことができる。よって、押込みロッド25を移動させるために専用の押込部材を用意する必要がない。
これにより、ロック機構20の部品点数は、少なくできる。また、ロック機構20の構成が簡素化される。
【0018】
押込みロッド25の後方には、回転軸26が配置されている。
回転軸26は、電気コネクタ16に対し回転可能で、かつ、軸方向へ移動可能に、電気コネクタ16に支持されている。
回転軸26は、押込みロッド25で押込方向へ押し込まれることにより、押込方向に対して交差する方向に回転する。
例えば、回転軸26は、押込みロッド25で押込方向へ押し込まれることにより、押込方向に対して周方向に回転してもよい。
【0019】
回転機構27は、後方側の部分である押込みロッド25の後端部25bと、前方側の部分である回転軸26の前端部26aとにより構成されている。
回転機構27は、押込みロッド25を後方に移動させることで、回転軸26が押込みロッド25に対し、周方向に回転するように構成されている。
【0020】
押込みロッド25を後方に移動させることで、回転軸26が周方向に回転するように構成するには、例えば、回転機構27が、押込みロッド25の後端部25bに設けられた傾斜面35と、回転軸26の前端部26aに設けられた突起36と、を備えればよい。
その際、傾斜面35と、突起36とは、押込みロッド25(又は回転軸26)の軸中心から径方向にずれた位置において、押込みロッド25(又は回転軸26)の軸方向に対向している。
また、傾斜面35は、押込みロッド25の後端部25bの軸中心から径方向にずれた位置において、周方向に沿って傾斜するように構成されている。
さらに、突起36は、回転軸26の前端部26aの軸中心から径方向にずれた位置において、軸方向に前端部26aから突起している。
【0021】
このような構成によれば、押込みロッド25が後方に移動することで、傾斜面35に沿って突起36が周方向に移動するため、回転軸26は、押込みロッド25に対し、周方向に回転させることができる。
【0022】
例えば、回転軸26を180度回転させるために、傾斜面35は、後端部25bに周方向に少なくとも180度の範囲に亘り設けられてもよい。
例えば、対向する傾斜面35及び突起36の組は、周方向に複数組設けられてもよい。
【0023】
本実施形態では、回転機構27が、押込みロッド25の後端部25bに設けられた傾斜面35と、回転軸26の前端部26aに設けられた突起36と、を備えているが、どのような構成であってもよい。
【0024】
例えば、回転機構27は、押込みロッド25の後端部25bに設けられた突起と、回転軸26の前端部26aに設けられた傾斜面と、を備えてもよい。
また、本実施形態においては、回転機構27を傾斜面35と突起36により構成する例について説明するが、これに限らない。
その他の例として、回転機構27は、回転軸26の前端外周に設けられた螺旋状の溝と、押込みロッド25の後端内周に設けられた突起とを備えてもよい。その際、突起は、螺旋状の溝に対向する位置において、螺旋状の溝に嵌りながら移動自在に構成される。
【0025】
回転機構27によれば、押込みロッド25が後方に押し込まれることにより、傾斜面35で突起36を押圧する。これにより、突起36が傾斜面35に沿って周方向に移動することにより回転軸26が回転する。
【0026】
回転軸26に保持部28が設けられている。保持部28として、例えば、カム部28が使用されている。実施形態においては、保持部28としてカム部28を例に説明するが、保持部28として他の部材を使用することも可能である。
【0027】
カム部28は、例えば、カム面28aに一対の隆起面28bと、一対の低面28cと、を有するカム部28が使用されている。隆起面28bと低面28cとは、例えば、回転軸26の周方向に交互に、等間隔に形成されている。なお、隆起面28bおよび低面28cの個数や配置箇所は適宜選択することが可能である。
【0028】
カム部28の後方に支持部31が設けられている。
すなわち、支持部31は、カム部28に対して押込みロッド25の反対側に設けられる。
支持部31は、ケージ14に固定され、回転軸26を、回転可能で、かつ、軸方向に移動可能に支持している。
支持部31とカム部28との間に弾性部材32が介在されている。弾性部材32として、例えば、コイルバネ32を例示するが、その他の弾性部材を使用することも可能である。
【0029】
支持部31とカム部28との間にコイルバネ32が介在されることにより、コイルバネ32の付勢力によりカム部28が前方へ向けて押し付けられている。よって、コイルバネ32の付勢力により回転軸26の前端部26aを押込みロッド25の後端部25bに当接させることができる。これにより、回転機構27を好適に作動させることができる。
【0030】
カム部28の上方に係止部21が配置されている。係止部21は、ケージ14に上下方向へ移動可能に支持された脚部41と、脚部41に対して交差する方向に延びる当接部42と、を有する。脚部41は、例えば、カム部28のカム面28aに下端部41aが弾性部材(図示せず)のばね力により当接している。よって、脚部41は、カム部28のカム面28aに追従して上下方向に移動する。
【0031】
当接部42は、脚部41の上端部41bからストッパ22に向けて後方に延びている。係止部21は、脚部41および当接部42で側面視L字状に形成されている。よって、係止部21を簡素な形状で形成できる。
【0032】
係止部21は、脚部41の下端部41aがカム面28aの隆起面28bに当接した状態においてロック位置P1に保持される。
この状態において、当接部42の先端部42aがストッパ22(後述する)に当接する。
【0033】
図4図5に示すように、係止部21は、脚部41の下端部41aがカム面28aの低面28cに当接した状態においてロック解除位置P2に保持される。この状態において、当接部42の先端部42aがストッパ22から回避するようにストッパ22の下方に位置する。
すなわち、係止部21は、カム部28のカム面28aに追従してロック位置P1(図2参照)とロック解除位置P2とに移動可能に支持されている。
また、保持部28としてカム部28を使用することにより、簡単な形状のカム部28で係止部21をロック位置P1とロック解除位置P2とに移動させることができる。
【0034】
図2に示すように、係止部21の後方にストッパ22が設けられている。
ストッパ22は、プラガブル光インタフェースモジュール10の後方の端である後端部(端部)45に設けられている。
ストッパ22をプラガブル光インタフェースモジュール10の後端部45に設けることにより、ストッパ22を簡素な構成で強固にプラガブル光インタフェースモジュール10に取り付けることができる。
【0035】
つぎに、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に挿入する例を図1から図5に基づいて説明する。
図4図5に示すように、係止部21の脚部41の下端部41aがカム面28aの低面28cに当接して、係止部21がロック位置P1からロック解除位置P2に移動してロック解除位置P2に保持されている。係止部21がロック解除位置P2に保持されることにより、当接部42の先端部42aがストッパ22の下方に位置してストッパ22から回避されている。
この状態において、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に矢印Aの如く後方に挿入する。
【0036】
プラガブル光インタフェースモジュール10がケージ14に挿入されることにより、プラガブル光インタフェースモジュール10のプリント基板12が電気コネクタ16に接続される。また、電気コネクタ16にプリント基板12が接続された状態において、プリント基板12の後端部12aが押込みロッド25の前端部25aに当接する。さらに、ストッパ22が係止部21を超えて、係止部21の上側後方に位置する。
この状態において、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に対し矢印Aの如く、後方に継続して挿入する。
【0037】
図1図2図3に示すように、プリント基板12で押込みロッド25を後方に押し込む。押込みロッド25が後方に押し込まれることにより、回転機構27により回転軸26が回転する。回転軸26が回転することによりカム部28が回転する。カム部28が回転することにより、脚部41の下端部41aがカム面28aの隆起面28bに当接した状態に保持される。
よって、係止部21がロック位置P1に保持され、当接部42の先端部42aがストッパ22に当接する。これにより、プラガブル光インタフェースモジュール10がケージ14から抜け出すことを係止部21で防止できる。この状態において、プラガブル光インタフェースモジュール10がケージ14に挿入された状態に取り付けられる。
【0038】
ついで、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14から抜き出す例を図1図3から図5に基づいて説明する。
図1図3に示すように、プラガブル光インタフェースモジュール10がケージ14に挿入された状態に取り付けられている。この状態において、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に対し矢印Aの如く、後方に押し込む。よって、プリント基板12が後方へ向けて押し込まれ、プリント基板12により押込みロッド25が後方に押し込まれる。
押込みロッド25が後方に押し込まれることにより、回転機構27により回転軸26が回転する。回転軸26が回転することによりカム部28が回転する。
【0039】
図4図5に示すように、カム部28が回転することにより、脚部41の下端部41aがカム面28aの低面28cに当接した状態に保持される。よって、係止部21がロック位置P1(図1参照)からロック解除位置P2に移動してロック解除位置P2に保持される。
すなわち、当接部42の先端部42aがストッパ22の下方のストッパ22を回避した位置に配置される。これにより、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14から抜去できる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態のロック機構20によれば、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に挿入する際に押し込むことにより、係止部21をロック位置P1に保持できる。この状態において、係止部21がストッパ22に当接し、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に挿入した状態に保持(ロック)できる。
また、プラガブル光インタフェースモジュール10がケージ14に保持(ロック)された状態において、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に押し込むことにより、係止部21をロック解除位置P2に保持できる。この状態において、係止部21がストッパ22から回避し、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14から抜去できる。
【0041】
よって、プラガブル光インタフェースモジュール10から光ファイバを取り外すことなく、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に挿入した状態に保持(ロック)でき、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14から抜去できる。これにより、例えば、光ファイバを取り外すことにより光コネクタに塵埃などが付着することを防止できる。
【0042】
また、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に押し込むことにより、ベイルやプルタブを操作することなく、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に挿入した状態に保持(ロック)でき、ケージ14から抜去できる。したがって、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に挿入した状態に保持(ロック)する際や、ケージ14から抜去する際に、ベイルやプルタブが可動範囲に位置する物に当たるおそれがなく、操作性の不具合を解消できる。
以上、本実施形態のロック機構20によれば、挿抜操作における困難性を軽減できる。
【0043】
<ロック機構20の最小構成の第二実施形態>
ロック機構20の最小構成の第二実施形態について、図6を参照して説明する。
ロック機構20は、ストッパ22と、係止部21と、作動機構23と、を備える。
ストッパ22は、ケージ14に挿入可能なプラガブル光インタフェースモジュール10に設けられている。
係止部21は、ストッパ22に当接するロック位置P1と、ストッパ22から回避するロック解除位置P2とに移動に支持されている。
作動機構23は、プラガブル光インタフェースモジュール10がケージ14に押し込まれることにより、係止部21をロック位置P1と、ロック解除位置P2とに保持する。
【0044】
このため、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に押し込むことにより、係止部21をストッパ22に当接させることができる。よって、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に挿入した状態に保持(ロック)できる。
また、ケージ14に保持(ロック)されたプラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14に押し込むことにより、係止部21をストッパ22から回避させることができる。よって、プラガブル光インタフェースモジュール10をケージ14から抜去できる。これにより、光ファイバを取り外すことにより光コネクタに塵埃などが付着することを防止でき、操作性の不具合を解消できる。
以上、本実施形態のロック機構20によれば、挿抜操作における困難性を軽減できる。
【0045】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0046】
10 プラガブル光インタフェースモジュール
12 プリント基板
14 ケージ
20 ロック機構
21 係止部
22 ストッパ
23 作動機構
25 押込みロッド
26 回転軸
27 回転機構
28 保持部(カム部)
31 支持部
32 弾性部材(コイルバネ)
41 脚部
42 当接部
45 後端部(端部)
P1 ロック位置
P2 ロック解除位置
【要約】
【課題】挿抜操作における困難性を軽減可能なロック機構を提供する。
【解決手段】ロック機構20は、ストッパ22と、係止部21と、作動機構23と、を備える。ストッパ22は、ケージ14に挿入可能なプラガブル光インタフェースモジュール10に設けられている。係止部21は、ストッパ22に当接するロック位置P1と、ストッパ22から回避するロック解除位置とに移動に支持されている。作動機構23は、プラガブル光インタフェースモジュール10がケージに押し込まれることにより、係止部21をロック位置P1と、ロック解除位置とに保持する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6