(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を説明する。なお、以下では、シート巻取装置に設けられた切断機構に本発明を適用した場合について説明する。
【0019】
−構成−
まず、
図1、
図5〜
図7および
図10を参照して、本実施形態によるシート巻取装置100の構成について説明する。なお、
図1などにおいて、Y1およびY2方向が前後方向であり、X1およびX2方向が左右方向であり、Z1およびZ2方向が上下方向である。また、
図6および
図7などでは、説明のために、シート150などの図示を省略したり、実際の構造とは異なる部分がある。
【0020】
シート巻取装置100は、
図1に示すように、上流側(Y2方向側)の前工程から供給されるシート150を巻き取るとともに、そのシート150を巻き取る巻芯50を切替可能に構成されている。このシート巻取装置100は、巻取機構1と、切断機構2と、接着剤塗布機3とを備えている。なお、シート150は、たとえば樹脂製であり、帯状に形成されている。
【0021】
[巻取機構]
巻取機構1は、ターレット機構11と、タッチローラ12と、ガイドローラ13とを含み、前工程から供給されるシート150を巻き取るように構成されている。
【0022】
ターレット機構11は、2つの巻芯50が着脱可能に装着され、装着された巻芯50を回転可能に構成されている。また、ターレット機構11は、回動軸11aを中心にして回動(旋回)可能であり、巻芯50の一方が巻取位置P1に配置され、巻芯50の他方が交換位置P2に配置されている。このため、ターレット機構11が180度回動されることにより、巻取位置P1に位置する巻芯50が交換位置P2に移動されるとともに、交換位置P2に位置する巻芯50が巻取位置P1に移動されるようになっている。
【0023】
そして、ターレット機構11は、シート150の巻取時に、巻取位置P1の巻芯50によりシート150を巻き取るように構成され、かつ、巻芯50の切替時に、巻き取りを行っている巻芯50を交換位置P2に退避させるとともに、巻取位置P1に新しい巻芯50を供給するように構成されている。また、ターレット機構11には、巻芯50の切替時にシート150の搬送経路を規定するためのガイドローラ11bが回転可能に設けられている。
【0024】
タッチローラ12は、シート150を巻取位置P1の巻芯50側に押圧するために設けられている。このタッチローラ12は、回転可能であり、巻取位置P1の巻芯50に巻き付けられたシート150の巻径に応じて移動するように構成されている。
【0025】
ガイドローラ13は、回転可能であり、前工程から供給されるシート150をターレット機構11にガイドするために設けられている。
【0026】
[切断機構]
切断機構2は、受けローラ21と、ガイドローラ22と、切断部40とを含み、巻芯50の切替時に搬送中のシート150を切断するように構成されている。
【0027】
受けローラ21は、シート150の切断時に、そのシート150が巻き掛けられ、表面(外周面)に沿って軸方向(X1およびX2方向)に移動される切断部40の回転刃44(
図7参照)を受けるように構成されている。この受けローラ21は、ストレート形状(円柱状)に形成され、アーム23の先端部に配置されている。アーム23は、シート150の幅方向(X1およびX2方向)において対向するように左右一対で設けられ、その間に受けローラ21が回転可能に設けられている。アーム23の基端部には回動軸23aが形成され、その回動軸23aは後述するアーム31の先端部に設けられている。
【0028】
ガイドローラ22は、アーム24の先端部に配置され、切断部40は、アーム24の中間部に配置されている。アーム24は、シート150の幅方向において対向するように左右一対で設けられ、その間にガイドローラ22および切断部40が設けられている。アーム24は、基端部に形成された回動軸24aを中心にして回動可能に構成されている。このため、アーム24は、シート150の巻取時にガイドローラ22および切断部40を下方に退避させ、巻芯50の切替時にガイドローラ22および切断部40を上方の切替時位置(
図5参照)に移動させるようになっている。ガイドローラ22は、回転可能であり、巻芯50の切替時にシート150の搬送経路を規定するために設けられている。
【0029】
切断部40は、巻芯50の切替時に、回転刃44を受けローラ21の軸方向に移動させることにより、受けローラ21に巻き掛けられた搬送中のシート150を切断するように構成されている。この切断部40は、
図7に示すように、本体部41と、スライド部材42と、アーム43と、回転刃44と、圧縮コイルばね45と、ガイド部材46と、モータ(駆動力源)47と、ラックアンドピニオン機構48とを含んでいる。なお、以下では、切替時位置に配置された状態の切断部40について説明する。
【0030】
本体部41は、シート150の幅方向に延びるように形成され、一対のアーム24の間に架け渡されている。本体部41には、ガイドレール411およびラック48aが長手方向(X1およびX2方向)に延びるように形成されている。ラック48aは、平面的に見て、ガイドレール411に対して上流側(Y2方向側)に配置されている。
【0031】
スライド部材42は、ガイドレール411に嵌合され、そのガイドレール411に沿って移動可能に構成されている。すなわち、スライド部材42は、本体部41の長手方向(受けローラ21の軸方向)にスライド移動可能に設けられている。このスライド部材42は、モータ47からの駆動力によって移動されるようになっている。また、スライド部材42には、ラック48aと噛合するピニオン48bが設けられている。ラック48aおよびピニオン48bによりラックアンドピニオン機構48が構成されている。
【0032】
アーム43は、スライド部材42のシャフト423(
図6参照)に回動可能に設けられている。アーム43は、平面的に見て、スライド部材42の下流側(Y1方向側)に配置され、本体部41と受けローラ21との間に配置されている。また、アーム43は、回動中心であるシャフト423から左右方向(X2方向)に延びるように設けられている。そして、アーム43は、
図6に示すように、下流側から見て本体部41の長手方向(左右方向)に対して傾斜するように配置されている。アーム43には、ガイド部材46と当接するコロ431が設けられている。コロ431は、平面的に見て、アーム43の先端側(X2方向側)に配置されるとともに、アーム43の上流側(Y2方向側)に配置されている。なお、コロ431の回転軸は、上下方向を向くように配置されている。
【0033】
回転刃44は、搬送中のシート150を切断する機能を有する。この回転刃44は、円板状に形成され、外周部に円環状の刃部を有する。回転刃44は、アーム43に回転可能に支持されている。このため、回転刃44の回転面が受けローラ21の軸方向に対して傾斜されている。具体的には、シート150の切断時のスライド部材42の移動方向側(X1方向側)が上側(Z1方向側)に配置されるように回転刃44が傾斜されている。また、回転刃44は、駆動回転されるように構成されている。なお、回転刃44への動力伝達系統については後述する。
【0034】
圧縮コイルばね45は、回転刃44を受けローラ21に押し付けるために設けられている。圧縮コイルばね45は、スライド部材42に設けられ、アーム43を付勢するように構成されている。なお、圧縮コイルばね45は、本発明の「付勢部材」の一例である。
【0035】
ガイド部材46は、シート150の切断時にスライド部材42が移動される場合に、回転刃44を受けローラ21に対して円滑に接離させるために設けられている。ガイド部材46は、
図7に示すように、本体部41の長手方向の一方端部(X1方向側の端部)に配置されるガイド部材461と、本体部41の長手方向の他方端部(X2方向側の端部)に配置されるガイド部材462とを有する。ガイド部材461は、一方端部から内側(X2方向側)に延びるように形成され、ガイド部材462は、他方端部から内側(X1方向側)に延びるように形成されている。ガイド部材461および462は、平面的に見て、本体部41に対して下流側(Y1方向側)に配置され、アーム43のコロ431と受けローラ21との間に配置されている。ガイド部材461は、長手方向の外側(X1方向側)に進むほど受けローラ21から離れるように傾斜する傾斜面461aを有する。ガイド部材462は、長手方向の内側(X1方向側)に進むほど受けローラ21に近づくように傾斜する傾斜面462aを有する。傾斜面461aおよび462aは、ガイド部材461および462の上流側の面であり、アーム43のコロ431が当接されるようになっている。
【0036】
モータ47は、スライド部材42および回転刃44を駆動するために設けられている。このモータ47は、本体部41に取り付けられている。モータ47は、平面的に見て、本体部41の上流側(Y2方向側)に配置されるとともに、本体部41の長手方向の一方側(X1方向側)に配置されている。
【0037】
図6に示すように、モータ47の出力軸にはプーリ471が取り付けられている。本体部41には、長手方向の一方端部にシャフト412が回転可能に設けられ、長手方向の他方端部にシャフト413が回転可能に設けられている。シャフト412には、プーリ412aおよび412bが取り付けられ、シャフト413には、プーリ413aが取り付けられている。プーリ471および412aにはベルト491(
図7参照)が巻き掛けられている。プーリ412bおよび413aにはベルト492(
図7参照)が巻き掛けられ、ベルト492にはスライド部材42が連結されている。これにより、モータ47の出力がベルト491および492を介してスライド部材42に伝達される。
【0038】
また、
図5に示すように、スライド部材42には、シャフト421〜423が回転可能に設けられている。シャフト421は、軸方向が前後方向(Y1およびY2方向)を向くように配置されている。シャフト422および423は、軸方向が上下方向に対して左右側(X1およびX2方向側)に傾斜されている。シャフト421の一方端部(Y2方向側の端部)にはピニオン48bが取り付けられ、シャフト421の他方端部(Y1方向側の端部)にはかさ歯車421aが取り付けられている。シャフト422の下側にはかさ歯車422aが取り付けられ、そのかさ歯車422aがシャフト421のかさ歯車421aに噛合されている。シャフト422の上側には平歯車422bが取り付けられ、シャフト423には平歯車423aが取り付けられ、その平歯車422bおよび423aが噛合されている。なお、シャフト423にはアーム43が回動可能に取り付けられている。
【0039】
また、
図6に示すように、アーム43には、シャフト432および433が回転可能に設けられている。シャフト432および433は、軸方向が上下方向に対して左右側(X1およびX2方向側)に傾斜されている。具体的には、シャフト422、423、432および433は、平行に配置されている。シャフト432には平歯車432aが取り付けられ、その平歯車432aがシャフト423の平歯車423aに噛合されている。シャフト433には平歯車433aが取り付けられ、その平歯車433aがシャフト432の平歯車432aに噛合されている。また、シャフト433には、回転刃44が取り付けられている。
【0040】
したがって、スライド部材42の移動に連れてピニオン48bが回転されることにより、回転刃44が回転される。具体的には、切断時の移動方向(X1方向)にスライド部材42が移動されることにより、シャフト421が
図6において右回り(時計回り)に回転され、シャフト422および432が
図7において左回り(反時計回り)に回転され、シャフト423および433が
図7において右回りに回転される。すなわち、スライド部材42の切断時の移動方向(X1方向)への移動時に、回転刃44が
図7において右回りに回転される。
【0041】
ここで、回転刃44の回転速度は、回転刃44の表面速度(外周部の刃部の速度)が、シート150に対する回転刃44の走査速度になるように設定されている。たとえば、
図10に示すように、シート150の搬送速度V1が200m/minであり、スライド部材42の移動速度V2が346.4m/minである場合には、シート150に対する回転刃44の走査速度V3がほぼ400m/minになる。この場合には、回転刃44の表面速度が走査速度V3(400m/min)になるように、回転刃44の回転速度が設定されている。また、この場合には、シート150の幅方向(X1方向)に対する回転刃44の走査方向の角度θがほぼ30度になる。このため、回転刃44の回転面が回転刃44の走査方向を向くように回転刃44が傾斜されている。すなわち、回転刃44の回転軸であるシャフト433が走査方向と直交するように配置されており、回転刃44がシート150の幅方向に対して角度θ(30度)傾斜されている。
【0042】
[接着剤塗布機]
接着剤塗布機3は、
図5に示すように、巻芯50の切替時に、巻取位置P1の新しい巻芯50にホットメルト接着剤(図示省略)を塗布することにより、新しい巻芯50に切断されたシート150を巻き付けるために設けられている。この接着剤塗布機3は、アーム31の先端部に設けられている。アーム31は、シート150の幅方向において対向するように左右一対で設けられ、その間に接着剤塗布機3が設けられている。アーム31は、基端部に形成された回動軸31a(
図1参照)を中心にして回動可能に構成されている。また、アーム31の先端部には、アーム23の回動軸23aが設けられている。
【0043】
−動作−
次に、
図1〜
図10を参照して、本実施形態によるシート巻取装置100の動作について説明する。
【0044】
[シートの巻取時]
まず、
図1に示すように、前工程から供給されるシート150が、ガイドローラ13を介して、巻取位置P1の巻芯50とタッチローラ12との間に搬送される。そして、巻取位置P1の巻芯50が
図1において左回りに回転されることにより、その巻芯50にシート150が巻き取られる。このとき、ガイドローラ22および切断部40が下方(Z2方向)に配置されるとともに、受けローラ21および接着剤塗布機3が上方(Z1方向)に配置されており、シート150の搬送経路から退避されている。
【0045】
そして、
図2に示すように、シート150の巻き取りに起因して巻径が増大すると、その巻径の増大に応じてタッチローラ12が上流側(Y2方向側)に移動される。
【0046】
[巻芯の切替時]
そして、巻芯50の切り替えが開始されると、まず、ターレット機構11が回動軸11aを中心にして
図2において左回りに180度回動される。これにより、
図3に示すように、巻取位置P1に位置していた巻芯50が交換位置P2に退避されるとともに、交換位置P2に位置していた新しい巻芯50が巻取位置P1に搬送される。
【0047】
ここで、この巻芯50の切替時において、シート150が巻取位置P1の新しい巻芯50に巻き付けられるまでは、交換位置P2の巻芯50によりシート150が巻き取られる。すなわち、前工程から供給されるシート150の搬送が停止されることなく、巻芯50の切り替えが行われる。なお、巻取位置P1の新しい巻芯50から交換位置P2の巻芯50に向かうシート150は、ガイドローラ11bによりガイドされる。
【0048】
次に、アーム24が回動軸24aを中心にして
図3において右回りに回動されることにより、
図4に示すように、ガイドローラ22および切断部40が上方に移動される。このとき、ガイドローラ13からタッチローラ12に向かうシート150にガイドローラ22が接触されることにより、そのガイドローラ22によりシート150の搬送経路が変更される。
【0049】
また、アーム31が回動軸31aを中心にして
図3において右回りに回動されることにより、接着剤塗布機3が巻取位置P1の新しい巻芯50の近傍に配置されるとともに、受けローラ21がタッチローラ12の上方に配置される。そして、アーム23が回動軸23aを中心にして
図4において左回りに回動されることにより、受けローラ21が搬送中のシート150を介してタッチローラ12の上側に接触される。
【0050】
このように、切断部40および受けローラ21が切替時位置に配置された状態(
図4に示す状態)では、ガイドローラ22は、受けローラ21の上方に配置されるとともに、受けローラ21に対して上流側(Y2方向側)に隣接するように配置されている。このため、ガイドローラ22から受けローラ21に向かうシート150がほぼ真下を向くようになる。そして、受けローラ21にシート150が巻き掛けられ、受けローラ21の周方向において90度の角度範囲でシート150が接触される。また、切断部40が受けローラ21と対向するように配置される。このとき、
図7に示すように、スライド部材42は、受けローラ21に対して外側(X2方向側)に配置されている。すなわち、スライド部材42は、シート150の幅方向において、シート150に対して外側(X2方向側)に配置されている。
【0051】
そして、スライド部材42がガイドレール411に沿って長手方向(X1方向)にスライド移動されることにより、回転する回転刃44が受けローラ21の表面に沿って軸方向(X1方向)に移動され、受けローラ21に巻き掛けられた搬送中のシート150が切断される。回転刃44および回転刃44を支持するアーム43は、
図6に示すように、スライド部材42の移動方向(X1方向)に対して傾斜されている。
【0052】
なお、スライド部材42の移動開始前の状態では、
図7に示すように、圧縮コイルばね45により、アーム43がシャフト423を中心にして
図7において左回りに付勢され、アーム43のコロ431がガイド部材462の傾斜面462aに押し付けられている。このため、回転刃44は、前後方向(Y1およびY2方向)において受けローラ21と所定の間隔を隔てて配置されている。
【0053】
そして、モータ47によりスライド部材42がX1方向に移動されると、ラック48aと噛合されるピニオン48bが回転されるとともに、ピニオン48bと連結される回転刃44が回転される。なお、回転刃44は、
図7において右回りに回転される。
【0054】
スライド部材42の移動初期時には、圧縮コイルばね45によりアーム43のコロ431がガイド部材462の傾斜面462aに押し付けられており、コロ431が傾斜面462aに沿って移動される。傾斜面462aは、X1方向側に進むほど受けローラ21に近づくように傾斜されている。このため、スライド部材42がX1方向に移動されながら、回転刃44が受けローラ21に徐々に近づけられる。すなわち、回転刃44は、X1方向に移動されるに連れてY1方向に移動される。なお、コロ431が傾斜面462aに沿って移動されるときに、コロ431は従動回転される。
【0055】
次に、
図8に示すように、回転刃44が受けローラ21に接触されると、コロ431が傾斜面462aから離間される。そして、回転する回転刃44が、圧縮コイルばね45により受けローラ21に押し付けられながら、スライド部材42により受けローラ21の表面に沿ってX1方向に移動される。これにより、受けローラ21に巻き掛けられた搬送中のシート150が切断される。
【0056】
その後、スライド部材42の移動末期時には、アーム43のコロ431がガイド部材461の傾斜面461aに当接される。傾斜面461aは、X1方向側に進むほど受けローラ21から離れるように傾斜されている。このため、スライド部材42がX1方向に移動されながら、コロ431が傾斜面461aに沿って移動されると、回転刃44が受けローラ21から徐々に離れて離間される。すなわち、回転刃44は、X1方向に移動されるに連れてY2方向に移動される。なお、コロ431が傾斜面461aに沿って移動されるときに、コロ431は従動回転される。
【0057】
そして、
図9に示すように、スライド部材42は、受けローラ21に対して外側(X1方向側)まで移動される。つまり、スライド部材42が本体部41の他方端部(X2方向側の端部)から一方端部(X1方向側の端部)まで移動され、その移動範囲内に受けローラ21およびシート150が配置されている。
【0058】
ここで、回転刃44の回転速度は、回転刃44の表面速度が、シート150に対する回転刃44の走査速度V3になるように設定されている。なお、回転刃44の走査速度V3は、
図10に示すように、シート150の搬送速度V1およびスライド部材42の移動速度V2に基づいて算出することが可能である。また、回転刃44の回転面が回転刃44の走査方向を向くように、回転刃44が移動方向(X1方向)に対して角度θ傾斜されている。
【0059】
また、接着剤塗布機3(
図5参照)では、巻取位置P1の新しい巻芯50にホットメルト接着剤が塗布される。このホットメルト接着剤の塗布タイミングは、切断されたシート150の先端部(上流側の切断端)が新しい巻芯50とタッチローラ12との間を通過する際に、新しい巻芯50に塗布されたホットメルト接着剤が新しい巻芯50とタッチローラ12との間に位置するように設定されている。すなわち、切断されたシート150の先端部が新しい巻芯50とタッチローラ12との間を通過するタイミングと、新しい巻芯50に塗布されたホットメルト接着剤が新しい巻芯50とタッチローラ12との間を通過するタイミングとが一致するように設定されている。
【0060】
このため、切断されたシート150の先端部が新しい巻芯50とタッチローラ12との間を通過するときに、切断されたシート150の先端部がホットメルト接着剤により新しい巻芯50に貼り付けられる。これにより、切断されたシート150が新しい巻芯50により巻き取られ、前工程から供給されるシート150を巻き取る巻芯50が切り替えられる。なお、切断されたシート150の後端部(下流側の切断端)は、交換位置P2の巻芯50により巻き取られる。
【0061】
その後、アーム24が回動されることによりガイドローラ22および切断部40が下方に退避され、アーム31が回動されることにより受けローラ21および接着剤塗布機3が上方に退避される。また、交換位置P2の巻芯50が取り外され、交換位置P2に新しい巻芯50が装着される。
【0062】
以上の動作が繰り返し行われることにより、巻芯50の切り替えを行いながら、シート150が連続的に巻き取られる。
【0063】
−効果−
本実施形態では、上記のように、回転刃44が駆動回転されることによって、回転刃44が摺動されるのを抑制することができるので、回転刃44が偏摩耗するのを抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態では、ラックアンドピニオン機構48が設けられ、スライド部材42のスライド移動に連れて回転刃44が回転されることによって、スライド部材42を移動させるモータ47からの駆動力を用いて回転刃44を回転させることができる。
【0065】
また、本実施形態では、アーム43にコロ431が設けられるとともに、アーム43のコロ431をガイドするガイド部材46が設けられることによって、スライド部材42が軸方向に移動される場合に、回転刃44を受けローラ21に対して円滑に接離させることができる。したがって、受けローラがテーパ状に形成される場合と異なり、回転刃が受けローラの表面に沿って軸方向に移動されるときに、回転刃がテーパ部から円柱部(非テーパ部)に移る際に、回転刃が受けローラから一時的に離間された後に衝突されるという不都合が発生しないようにすることができる。これによっても、回転刃44が偏摩耗するのを抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、回転刃44が移動方向(X1方向)に対して角度θ傾斜されることによって、受けローラ21の軸方向に移動される回転刃44を、シート150に対する回転刃44の走査方向を向くようにすることができるので、切断品質の向上を図ることができる。
【0067】
また、本実施形態では、回転刃44の表面速度がシート150に対する回転刃44の走査速度V3になるように、回転刃44の回転速度が設定されることによって、切断品質の向上を図ることができる。
【0068】
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0069】
たとえば、上記実施形態では、ターレット機構11に2つの巻芯50が装着される例を示したが、これに限らず、ターレット機構に3つ以上の巻芯が装着されていてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、ホットメルト接着剤を用いてシート150を新しい巻芯50に巻き付ける例を示したが、これに限らず、その他の接着剤を用いてシートを新しい巻芯に巻き付けるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、ホットメルト接着剤が新しい巻芯50に塗布される例を示したが、これに限らず、ホットメルト接着剤がシートに塗布されるようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、圧縮コイルばね45により回転刃44が受けローラ21に押し付けられる例を示したが、これに限らず、圧縮コイルばね以外の付勢部材により回転刃が受けローラに押し付けられるようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、シート150に対する回転刃44の走査速度V3の値が400m/minである例を示したが、これに限らず、シートに対する回転刃の走査速度の値が400m/min以外であってもよい。なお、シートに対する回転刃の走査速度は、シートの搬送速度およびスライド部材の移動速度に応じて変化する。
【0074】
また、上記実施形態では、シート150の幅方向に対する回転刃44の走査方向の角度θの値が30度である例を示したが、これに限らず、シートの幅方向に対する回転刃の走査方向の角度の値が30度以外であってもよい。なお、シートの幅方向に対する回転刃の走査方向の角度は、シートの搬送速度およびスライド部材の移動速度に応じて変化する。