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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6763601
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】間欠割出装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 27/04 20060101AFI20200917BHJP
   F16H 25/00 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   F16H27/04 A
   F16H25/00 A
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-151347(P2016-151347)
(22)【出願日】2016年8月1日
(65)【公開番号】特開2018-21576(P2018-21576A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2019年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】511122075
【氏名又は名称】テクノダイナミックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 平三郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 尚功
【審査官】 小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−000159(JP,A)
【文献】 実開昭56−138261(JP,U)
【文献】 実開平03−094453(JP,U)
【文献】 特開平09−277094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 27/04
F16H 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸の連続回転運動を出力軸の間欠的な回転運動に変換する間欠割出装置であって、
前記入力軸に設けられたカムと、前記出力軸に固定され、前記カムに係合するカムフォロアとを有するカム装置と、
前記入力軸に設けられたトルク補償カムと、前記トルク補償カムに係合するトルク補償カムフォロアと、前記トルク補償カムフォロアに連結するように設けられたトルク補償回転体とを有し、前記入力軸に作用するトルク変動を軽減するトルク補償装置と
を備え、
前記トルク補償回転体は、前記出力軸と同一軸上で回転するように配置され、
前記出力軸に作用する回転の方向と、前記トルク補償回転体との回転の方向は同一方向である
ことを特徴とする間欠割出装置。
【請求項2】
前記カム装置には、前記カムが回転しても出力軸が回転しない停留期間と、前記カムの回転に伴って出力軸が回転する非停留期間とがあり、
前記トルク補償回転体が、一定間隔毎に回転速度の加速と減速とを交互に繰り返す回転運動をするように設けられ、
前記トルク補償回転体は、
前記停留期間では、最大値の回転速度を維持し、前記非停留期間では、前記停留期間よりも小さい回転速度になる
ことを特徴とする請求項1に記載の間欠割出装置。
【請求項3】
前記トルク補償回転体が、前記非停留期間の所定のタイミングで、最小値の回転速度になることを特徴とする請求項2に記載の間欠割出装置。
【請求項4】
前記出力軸に固定され、間欠割出運動が作用する割出用テーブルをさらに備え、
前記出力軸の線上において、前記割出用テーブルの重心位置と、前記トルク補償回転体の重心位置とは、前記トルク補償カムフォロアに対して同じ側にある
ことを特徴とする請求項1から3に記載の間欠割出装置。
【請求項5】
前記カム及び前記トルク補償カムは、パラレルカムである
ことを特徴とする請求項1から4に記載の間欠割出装置。
【請求項6】
前記カム及び前記トルク補償カムは、ローラギヤカムである
ことを特徴とする請求項1から4に記載の間欠割出装置。
【請求項7】
入力軸の連続回転運動を出力軸の間欠的な回転運動に変換する間欠割出装置における、前記入力軸に作用するトルク変動を軽減するトルク補償装置であって、
前記入力軸に設けられたトルク補償カムと、
前記トルク補償カムに係合するトルク補償カムフォロアと、
前記トルク補償カムフォロアに連結するように設けられたトルク補償回転体と
を備え、
前記トルク補償回転体は、前記出力軸と同一軸上で回転するように配置され、
前記出力軸に作用する回転の方向と、前記トルク補償回転体との回転の方向は同一方向である
ことを特徴とするトルク補償装置。
【請求項8】
入力軸の連続回転運動を出力軸の間欠的な回転運動に変換する間欠割出装置における、前記入力軸に作用するトルク変動を軽減するトルク補償方法であって、
前記入力軸に設けられたトルク補償カムと、前記トルク補償カムに係合するトルク補償カムフォロアと、前記トルク補償カムフォロアに連結するように設けられたトルク補償回転体とを備え、
前記トルク補償回転体を、前記出力軸と同一軸上で、かつ、前記出力軸に作用する回転の方向と同一方向に回転させる
ことを特徴とするトルク補償方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間欠割出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カム式の間欠割出装置では、運転時に駆動状態と停止状態とを交互に繰り返すため、割出装置の出力軸に作用するトルクが絶えず変動する一方、そのトルクの反力がトルク変動として割出装置の入力軸に作用する。この入力軸に作用するトルク変動は、入力軸の均一な回転を妨げ、割出装置に強い機械振動を生じさせる原因となっている。このため、特に高速で運転させる必要がある割出装置等では、トルク変動はできる限り小さく抑える必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3799123号公報
【特許文献2】特許第4084477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の先行技術文献では、入力軸に作用するトルク変動を抑える手段として、トルク補償カムを備えたトルク補償装置が開示されている。しかし、これらのトルク補償装置は、入力軸に作用するトルク変動を相殺するものの、出力軸に作用するトルク変動とのバランスについては、考慮されていなかった。つまり、上述の先行技術文献には、出力軸に作用するトルク変動を補償しようという考え方は存在しなかった。また、特定の割出装置、例えば重量の大きい製品を出力軸に連結したテーブルに載置する場合などには、出力軸に作用するトルク変動による振動の影響が無視できない場合があった。
【0005】
本発明は、一つの機構で間欠割出装置の入力軸と出力軸との両方のトルク変動を軽減し、トルク変動に起因する間欠割出装置への振動の影響を抑制する、トルク補償装置を備えた間欠割出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、入力軸の連続回転運動を出力軸の間欠的な回転運動に変換する間欠割出装置であって、前記入力軸に設けられたカムと、前記出力軸に固定され、前記カムに係合するカムフォロアとを有するカム装置と、前記入力軸に設けられたトルク補償カムと、前記トルク補償カムに係合するトルク補償カムフォロアと、前記トルク補償カムフォロアに連結するように設けられたトルク補償回転体とを有し、前記入力軸に作用するトルク変動を軽減するトルク補償装置とを備え、前記トルク補償回転体は、回転軸が前記出力軸と同一軸上になるように配置され、前記出力軸に作用する回転の方向と、前記トルク補償回転体との回転の方向は同一方向であることを特徴とする間欠割出装置である。
【0007】
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一つの機構で間欠割出装置の入力軸と出力軸との両方のトルク変動を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態の間欠割出装置1Aの概略説明図である。
図2図2は、第1実施形態の間欠割出装置1Aの断面図である。
図3図3は、割出用カム10の重なり状態及び割出用カムフォロア11の重なり状態を示す図である。
図4図4は、割出用カム装置9Aの動作を表すカム曲線図である。
図5図5は、トルク補償カム13の重なり状態及びトルク補償カムフォロア14の重なり状態を示す図である。
図6図6は、トルク補償装置12Aの動作を表すカム曲線図である。
図7図7は、入力系トルク振動の時間的変化を表す図である。
図8図8は、出力系トルク振動の時間的変化を表す図である。
図9図9は、第1実施形態の変形例に係る間欠割出装置1Bの概略説明図である。
図10図10は、第1実施形態の変形例に係る間欠割出装置1Bの詳細説明図である。
図11図11は第2実施形態の間欠割出装置1Cの上面図(一部断面図)である。
図12図12は第2実施形態の間欠割出装置1Cの側面図(一部断面図)である。
図13図13は第2実施形態の間欠割出装置1Cの割出用カム装置9B部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
===開示の概要===
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
入力軸の連続回転運動を出力軸の間欠的な回転運動に変換する間欠割出装置であって、前記入力軸に設けられたカムと、前記出力軸に固定され、前記カムに係合するカムフォロアとを有するカム装置と、前記入力軸に設けられたトルク補償カムと、前記トルク補償カムに係合するトルク補償カムフォロアと、前記トルク補償カムフォロアに連結するように設けられたトルク補償回転体とを有し、前記入力軸に作用するトルク変動を軽減するトルク補償装置とを備え、前記トルク補償回転体は、前記出力軸と同一軸上で回転するように配置され、前記出力軸に作用する回転の方向と、前記トルク補償回転体との回転の方向は同一方向であることを特徴とする間欠割出装置が明らかとなる。このような間欠割出装置によれば、一つの機構で間欠割出装置の入力軸と出力軸との両方のトルク変動を軽減することが可能である。
【0012】
前記カム装置には、前記カムが回転しても出力軸が回転しない停留期間と、前記カムの回転に伴って出力軸が回転する非停留期間とがあり、前記トルク補償回転体が、一定間隔毎に回転速度の加速と減速とを交互に繰り返す回転運動をするように設けられ、前記停留期間では、最大値の回転速度を維持し、前記非停留期間では、前記停留期間よりも小さい回転速度になることが望ましい。これにより、一つの機構で間欠割出装置の入力軸と出力軸との両方のトルク変動を軽減することが可能である。
【0013】
前記トルク補償回転体が、前記非停留期間の所定のタイミングで、最小値の回転速度になることが望ましい。これにより、一つの機構で間欠割出装置の入力軸と出力軸との両方のトルク変動を軽減することが可能である。
【0014】
前記出力軸に固定され、間欠割出運動が作用する割出用テーブルをさらに備え、前記出力軸の線上において、前記割出用テーブルの重心位置と、前記トルク補償回転体の重心位置とは、前記カムフォロアに対して同じ側にあることが望ましい。これにより、モーメント荷重による外乱を少なくすることが可能である。
【0015】
前記カム及び前記トルク補償カムは、パラレルカムであることが望ましい。これにより、一つの機構で間欠割出装置の入力軸と出力軸との両方のトルク変動を効率的に軽減することが可能である。
【0016】
前記カム及び前記トルク補償カムは、ローラギヤカムであることが望ましい。これにより、一つの機構で間欠割出装置の入力軸と出力軸との両方のトルク変動を効率的に軽減することが可能である。
【0017】
入力軸の連続回転運動を出力軸の間欠的な回転運動に変換する間欠割出装置における、前記入力軸に作用するトルク変動を軽減するトルク補償装置であって、前記入力軸に設けられたトルク補償カムと、前記トルク補償カムに係合するトルク補償カムフォロアと、前記トルク補償カムフォロアに連結するように設けられたトルク補償回転体とを備え、前記トルク補償回転体は、前記出力軸と同一軸上で回転するように配置され、前記出力軸に作用する回転の方向と、前記トルク補償回転体との回転の方向は同一方向であることを特徴とするトルク補償装置が明らかとなる。このようなトルク補償装置によれば、一つの機構で間欠割出装置の入力軸と出力軸との両方のトルク変動を軽減することが可能である。
【0018】
入力軸の連続回転運動を出力軸の間欠的な回転運動に変換する間欠割出装置における、前記入力軸に作用するトルク変動を軽減するトルク補償方法であって、前記入力軸に設けられたトルク補償カムと、前記トルク補償カムに係合するトルク補償カムフォロアと、前記トルク補償カムフォロアに連結するように設けられたトルク補償回転体とを備え、前記トルク補償回転体を、前記出力軸と同一軸上で、かつ、前記出力軸に作用する回転の方向と同一方向に回転させることを特徴とするトルク補償方法が明らかとなる。このようなトルク補償装置によれば、一つの機構で間欠割出装置の入力軸と出力軸との両方のトルク変動を軽減することが可能である。
【0019】
===第1実施形態===
図1は、第1実施形態の間欠割出装置1Aの概略説明図である。図2は、第1実施形態の間欠割出装置1Aの断面図である。まず、図1に示す間欠割出装置1Aの基本的な構成を説明し、その後に、図2に示す間欠割出装置1Aのカム機構8の詳細な構成と動作について説明する。
【0020】
第1実施形態の以下の説明では、図1及び図2に示すように各方向を定義する。すなわち、間欠割出装置1Aの出力軸4に平行な方向を「上下方向」とし、割出用テーブル7から見てカム機構8の側を「下」とし、逆側を「上」とする。上下方向のことを「出力軸方向」と呼ぶこともある。本実施形態では、上下方向は鉛直方向になっている。また、入力軸3と出力軸4を両方含む面において、上下方向に垂直な方向を「左右方向」とし、図1及び図2が描かれた紙面の右側を「右」とし、左側を「左」とする。また、上下方向及び左右方向に垂直な方向を「前後方向」とし、図1及び図2が描かれた紙面の表側を「前」とし、裏側を「後」とする。
【0021】
<間欠割出装置1Aの基本構成>
間欠割出装置1Aは、入力軸の連続回転運動を出力軸の間欠的な回転運動に変換する装置である。間欠割出装置は、インデックス装置や、インデックスユニット等と呼ぶこともある。本実施形態の間欠割出装置1Aは、カム式の間欠割出装置である。カム式の間欠割出装置は、カムを備えた入力軸を回転動作させることによって、カムと係合するカムフォロアが固定された出力軸に間欠的な回転運動を発生させる装置である。ここで「間欠的な回転運動」とは、連続的でないという意味であって、例えば、所定時間間隔毎に回転する期間と、回転しない(停留する)期間とを繰り返すという意味である。
【0022】
間欠割出装置1Aは、ハウジング2と、入力軸3と、出力軸4と、軸受5と、割出用テーブル7と、カム機構8とを有する。
【0023】
ハウジング2は、カム機構8の一部を収容し、保護する筐体部品である。また、ハウジング2は、後述する軸受5を介して入力軸3と、出力軸4と、トルク補償回転軸16とを回転可能に支持する。
【0024】
入力軸3は、回転駆動力をカム機構8に入力するための回転可能な軸部材である。入力軸3のハウジング2外部側の一端には、モータ等の駆動源6(図1では不図示)が設けられ、駆動源6からの回転駆動力を受けて、入力軸3は回転する。駆動源6と入力軸3とを含む、入力側の要素をまとめて「原節」と呼ぶことがある。
【0025】
出力軸4は、カム機構8により発生した間欠的な回転運動を割出用テーブル7に伝達するための回転可能な軸部材である。割出用テーブル7は出力軸4のハウジング2外部側の一端に設けられ、出力軸4とともに間欠的な回転運動をする。出力軸4と割出用テーブル7を含む、出力側の要素をまとめて「従節」と呼ぶことがある。
【0026】
軸受5は、ハウジング2に対して入力軸3と、出力軸4と、後述するトルク補償回転軸16とを回転可能に支持する部材である。本実施形態の軸受5は、転がり軸受であるが、これに限られず、軸受の機能を有するものであれば、どのような種類の軸受であってもよい。
【0027】
割出用テーブル7は、製品を上部に載置して、割出作業をするテーブル部材である。割出用テーブル7は、割出盤や、インデックステーブルと呼ぶこともある。割出用テーブル7は、出力軸4のハウジング2外部側の一端に設けられ、出力軸4と同一の間欠的な回転運動をする。
【0028】
カム機構8は、入力軸3の連続回転運動を、出力軸4の間欠的な回転運動に変換する運動変換機構であるとともに、入力軸3および出力軸4に発生するトルク変動を軽減するトルク補償機構を備える。以下、この出力軸4の間欠的な回転運動を、「間欠割出運動」と呼ぶ。カム機構8は、割出用カム装置9Aと、トルク補償装置12Aとを有する(図2参照)。以下の説明では、割出用カム装置9Aの構成と動作について述べ、その後、トルク補償装置12Aの構成と動作について述べる。
【0029】
<割出用カム装置9Aの構成と動作>
割出用カム装置9Aは、間欠割出運動を発生させるカム機構である。割出用カム装置9Aは、2枚の板カムと、それぞれの板カムと係合する2列複数個のカムフォロアとの組み合わせで間欠割出運動を発生させるパラレルカムである。パラレルカムでは、入力軸3と出力軸4とが平行に配置されている。割出用カム装置9Aは、割出用カム10と、割出用カムフォロア11とを有する。なお、「割出用カム装置」、「割出用カム」、「割出用カムフォロア」を、それぞれ単に「カム装置」、「カム」、「カムフォロア」と呼ぶことがある。
【0030】
図3は、割出用カム10(上側カム17A・下側カム17B)の重なり状態及び割出用カムフォロア11(上側カムフォロア19A・下側カムフォロア19B)の重なり状態を示す図である。上側カム17Aと下側カム17Bとを総称して、単に「割出用カム10」と呼ぶことがある。また、上側カムフォロア19Aと下側カムフォロア19Bとを総称して、単に「割出用カムフォロア11」と呼ぶことがある。
【0031】
図3では、上側カム17Aの外形線を実線で、下側カム17Bの外形線を破線で示している。また、上側カムフォロア19Aの外形線を実線で、下側カムフォロア19Bの外形線を破線で示している。
【0032】
上側カム17Aと、下側カム17Bとは、同一形状をしており、一方(例えば、上側カム17A)が他方(例えば、下側カム17B)に対して裏返しになって、回転方向に位相をずらして入力軸3に取り付けられている。なお、上側カム17A及び下側カム17Bは、入力軸3に設けられた駆動基台の上下両側面にそれぞれ固定されてもよい。
【0033】
割出用カム10には、割出用カムフォロア11と係合することで、出力軸4を回転させる凸部18Aと、割出用カムフォロア11と係合せず、出力軸4を回転させない円弧部18Bとが形成されている。
【0034】
上側カムフォロア19Aと、下側カムフォロア19Bとは、同一形状をしており、回転方向に30度位相をずらして出力軸4に取り付けられている。なお、上側カムフォロア19A及び下側カムフォロア19Bは、出力軸4に設けられたターレット(不図示)の上下両側面にそれぞれ固定されてもよい。
【0035】
割出用カムフォロア11には、割出用カム10の凸部18Aと係合する係合部20Aが形成されている。係合部20Aは、回転方向に等間隔、かつ放射状に形成されている。なお、本実施形態では、係合部20Aは、上側カムフォロア19A毎又は下側カムフォロア19B毎に6個、60度間隔で形成されている。上述したように上側カムフォロア19Aと、下側カムフォロア19Bとは、回転方向に30度位相がずれているので、割出用カムフォロア11(上側カムフォロア19A及び下側カムフォロア19B)は、計12個、30度間隔で形成されていることになる。
【0036】
図3において、割出用カム10と割出用カムフォロア11とは、入力軸3が反時計周りに1回転すると、出力軸4が時計周りに60度回転するように構成されている。すなわち、割出用カム10が反時計周りに1回転すると、割出用カムフォロア11(上側カムフォロア19A及び下側カムフォロア19B)が時計周りに2個分送り出される。なお、入力軸3(割出用カム10)の回転方向は、反時計回りに限定されるものではなく、時計周りであってもよい。この場合、出力軸4(割出用カムフォロア11)は反時計回りとなる。
【0037】
図4は、割出用カム装置9Aの動作を表すカム曲線図である。図4に示すカム曲線図は、入力軸3(割出用カム10)が1回転したときの、出力軸4(割出用カムフォロア11)の回転方向の変位(角度)、速度(角速度)、加速度(角加速度)の時間的な変化を表した図である。図4では、変位を実線、速度を破線、加速度を点線で示している。
【0038】
図4において、割出用カム10の凸部18Aが割出用カムフォロア11の係合部20Aに係合し、出力軸4を回転させる期間を非停留期間(図4のX)と呼ぶ。また、割出用カム10の凸部18Aが割出用カムフォロア11の係合部20Aに係合せず、出力軸4を回転させない期間を停留期間(図4のY)と呼ぶ。本実施形態の割出用カム装置9Aの動作では、入力軸3(割出用カム10)が1回転したとき、この非停留期間と、停留期間とが1つずつあるが、動作の態様はこれに限られるものではない。例えば、割出用カム10と割出用カムフォロア11のカム面の形状等の特性を変更することで、入力軸3(割出用カム10)が1回転したとき、非停留期間と、停留期間が2つずつ、あるいはそれ以上となってもよい。また、非停留期間と停留期間の数が異なっていてもよい。
【0039】
図4に示すカム曲線の始点は、非停留期間の始点、すなわち、割出用カム10の凸部18Aが割出用カムフォロア11の係合部20Aに係合し始め、出力軸4を回転駆動し始めるタイミングである。この後、速度はゼロから加速され(加速期間)、非停留期間Xのほぼ中間のタイミングで最高速度となり、その後、減速される(減速期間)。そして、非停留期間Xの終点において、速度は再びゼロとなる。また、停留期間Yにおいては、速度はゼロのまま維持される。
【0040】
上述の通り速度が変化するため、出力軸4の加速度は、加速期間においては、正の加速度、減速期間においては、負の加速度となるように変化する。
【0041】
<トルク変動について>
ところで、入力軸3の連続回転運動を出力軸4の間欠割出運動に変換する割出用カム装置9Aにおいては、その駆動時に出力軸4に作用するトルクが絶えず変動する。すなわち、上述の通り出力軸4の正と負の交互に繰り返す加速度変化に基づいて、出力軸4にトルク変動が発生する。このトルク変動が間欠割出装置1Aに生じる機械振動の原因の一つとなっている。一方、出力軸4に作用するトルクの反力が、入力軸3にも作用し、このトルク変動もまた、間欠割出装置1Aに生じる機械振動の原因の一つとなっている。
【0042】
このように、間欠割出装置1Aに生じる機械振動の原因としては、入力軸3に発生するトルク振動(以下、入力系トルク振動と呼ぶ)と、出力軸4に発生するトルク振動(以下、出力系トルク振動と呼ぶ)との2つがある。この2つのトルク変動を抑える機構として、本実施形態ではトルク補償装置12Aが設けられている。
【0043】
<トルク補償装置12Aの構成と動作>
トルク補償装置12Aは、入力系トルク振動と出力系トルク振動を軽減する装置である(図2参照)。トルク補償装置12Aは、トルク補償カム13と、トルク補償カムフォロア14と、トルク補償回転体15と、トルク補償回転軸16とを有する。トルク補償装置12Aのトルク補償カム13と、トルク補償カムフォロア14は、後述するようにカム面等の特性は異なるが、割出用カム装置9Aと同様にパラレルカムで構成されている。
【0044】
図5は、トルク補償カム13(上側トルク補償カム21A・下側トルク補償カム21B)の重なり状態及びトルク補償カムフォロア14(上側トルク補償カムフォロア22A・下側トルク補償カムフォロア22B)の重なり状態を示す図である。上側トルク補償カム21Aと下側トルク補償カム21Bとを総称して、単に「トルク補償カム13」と呼ぶことがある。また、上側トルク補償カムフォロア22Aと下側トルク補償カムフォロア22Bとを総称して、単に「トルク補償カムフォロア14」と呼ぶことがある。
【0045】
図5では、上側トルク補償カム21Aの外形線を実線で、下側トルク補償カム21Bの外形線を破線で示している。また、上側トルク補償カムフォロア22Aの外形線を実線で、下側トルク補償カムフォロア22Bの外形線を破線で示している。
【0046】
上側トルク補償カム21Aと、下側トルク補償カム21Bとは、同一形状をしており、一方(例えば、上側トルク補償カム21A)が他方(例えば、下側トルク補償カム21B)に対して裏返しになって、回転方向に位相をずらして入力軸3に取り付けられている。なお、上側トルク補償カム21A及び下側トルク補償カム21Bは、入力軸3に設けられた駆動基台の上下両側面にそれぞれ固定されてもよい。図2に示されているように、トルク補償カム13は、割出用カム10と同一の軸(入力軸3)に取り付けられている。
【0047】
トルク補償カム13には、トルク補償カムフォロア14と係合することで、トルク補償回転軸16を速度Vmaxで回転させる凸部18C及び接続部18Eと、トルク補償カムフォロア14と係合することで、トルク補償回転軸16を速度VmaxからVminに変速させ、その後速度Vminから速度Vmaxに変速させる接続部18Dとが形成されている。
【0048】
上側トルク補償カムフォロア22Aと、下側トルク補償カムフォロア22Bとは、同一形状をしており、回転方向に30度位相をずらしてトルク補償回転軸16に取り付けられている。なお、上側トルク補償カムフォロア22A及び下側トルク補償カムフォロア22Bは、トルク補償回転軸16に設けられたターレット(不図示)の上下両側面にそれぞれ固定されてもよい。
【0049】
トルク補償カムフォロア14には、トルク補償カム13の凸部18Cと係合する係合部20Bが形成されている。係合部20Bは、回転方向に等間隔、かつ放射状に形成されている。なお、本実施形態では、係合部20Bは、上側トルク補償カムフォロア22A毎又は下側トルク補償カムフォロア22B毎に6個、60度間隔で形成されている。上述したように上側トルク補償カムフォロア22Aと、下側トルク補償カムフォロア22Bとは、回転方向に30度位相がずれているので、トルク補償カムフォロア14(上側トルク補償カムフォロア22A及び下側トルク補償カムフォロア22B)は、計12個、30度間隔で形成されていることになる。
【0050】
図5において、トルク補償カム13とトルク補償カムフォロア14とは、入力軸3が反時計周りに1回転すると、トルク補償回転軸16が時計周りに180度回転するように構成されている。すなわち、トルク補償カム13が反時計周りに1回転すると、トルク補償カムフォロア14(上側トルク補償カムフォロア22A及び下側トルク補償カムフォロア22B)が時計周りに6個分送り出される。なお、入力軸3(トルク補償カム13)の回転方向は、反時計回りに限定されるものではなく、時計周りであってもよい。この場合、トルク補償回転軸16(トルク補償カムフォロア14)は反時計回りとなる。
【0051】
入力軸が1回転したときの、出力軸(カムフォロア)の回転度合いに対するトルク補償回転軸(トルク補償カムフォロア)の回転度合いの比率を出力回転比率と呼ぶ。本実施形態では、入力軸3が1回転すると、出力軸4が60度回転する(割出用カムフォロア11の送り出し数は2個である)。また、同じく入力軸3が1回転すると、トルク補償回転軸16が180度回転する。この場合、出力回転比率は3である。
【0052】
トルク補償回転体15は、重心に回転軸(トルク補償回転軸16)が配置された慣性体である。トルク補償回転体15は、フライホイールと呼ぶこともある。トルク補償回転体15の慣性モーメントの大きさは組み込まれる割出用カム装置9Aに応じて設計されるが、上述の出力回転比率を大きくすることで、トルク補償回転体15の慣性モーメントの大きさを抑えることができる。トルク補償回転体15は、後述するトルク補償回転軸16のハウジング2外部側の一端に設けられ、トルク補償回転軸16ともに回転運動をする。
【0053】
トルク補償回転軸16は、トルク補償カム13とトルク補償カムフォロア14により発生する補償トルクを伝達するための回転可能な軸部材である(図1、2参照)。トルク補償回転軸16の中心軸は、出力軸4の中心軸と同一軸上である。本実施形態(図1、2)では、出力軸4の外周にトルク補償回転軸16が設けられている。また、後述するように、トルク補償回転軸16の回転方向は、出力軸4の回転方向と同一である。
【0054】
なお、本実施形態の間欠割出装置1Aでは、トルク補償回転体15を割出用テーブル7と同じ側、すなわち、間欠割出装置1Aの上部に両方配置したことによって、割出用テーブル7とトルク補償回転体15の重心間の距離Lを小さくしている(図1参照)。言い換えると、割出用テーブル7の重心位置と、トルク補償回転体15の重心位置とは、トルク補償カムフォロア14に対して同じ側にある。これにより、モーメント荷重による外乱を少なくすることができる。
【0055】
図6は、トルク補償装置12Aの動作を表すカム曲線図である。図6に示すカム曲線図は、入力軸3(トルク補償カム13)が1回転したときの、トルク補償回転軸16(トルク補償カムフォロア14)の回転方向の変位(角度)、速度(角速度)、加速度(角加速度)の時間的な変化を表した図である。図6では、変位を実線、速度を破線、加速度を点線で示している。また、上述の割出用カム装置9Aの動作を表すカム曲線(図4)との時間的な比較のため、図4で述べたカム装置の非停留期間(X期間)と、カム装置の停留期間(Y期間)とを図6でも記載している。
【0056】
図6に示すとおり、停留期間においてはある速度Vmaxのまま維持されている。カム装置の非停留期間Xの始点以降、減速され(減速期間)、カム装置の非停留期間Xの略中間のタイミングで速度Vminとなり、その後加速される(加速期間)。そして、カム装置の非停留期間Xの終点において、速度は再び速度Vmaxとなる。
【0057】
上述の動作を、図4及び図6を参照して、割出用テーブル7(出力軸4)及びトルク補償回転体15(トルク補償回転軸16)の動作で説明する。すなわち、割出用テーブル7が回転し始めるタイミングにおいて、速度Vmaxを維持していたトルク補償回転体15が減速をし始める。割出用テーブル7の割出の中間のタイミングでトルク補償回転体15は速度Vminとなり、その後トルク補償回転体15が加速し始める。割出用テーブル7の割出の終了のタイミングでトルク補償回転体15は再び速度Vmaxとなる。
【0058】
<入力軸3及び出力軸4に作用するトルク変動の軽減について>
図7は、入力系トルク振動の時間的変化を表す図である。実線は、割出用テーブル7の回転駆動による入力軸3に作用するトルクTc1であり、点線は、トルク補償回転体15の回転駆動による入力軸3に作用するトルクTc2である。図7に示すように、本実施形態のトルク補償装置12Aは、入力軸3に作用するTc1とTc2とを互いに打ち消すように作用する。Tc1とTc2との差分が、入力軸3に作用するトルク変動として現われてくるので、図7においては、入力軸3に作用するトルク変動は実質的にゼロとなる。すなわち、入力軸3に作用するトルクは、トルク補償回転体15の回転によるトルクによって相殺されている。これにより、本実施形態のトルク補償装置12Aにより、入力系トルク振動は軽減されている。
【0059】
これを別の観点から述べると、割出用テーブル7のトルク特性とトルク補償回転体15のトルク特性とがお互いに相殺されるように設定しているため、割出用テーブル7の回転に必要な慣性トルクは、トルク補償回転体15の回転駆動によって供給される。したがって、割出用テーブル7の回転を維持するには、この慣性トルク以外のトルクのみ入力するだけでよい。つまり、本実施形態のトルク補償装置12Aは、入力系トルク振動を抑えることにより駆動源6のモータ容量を軽減できるので、省エネルギー効果を有する。
【0060】
図8は、出力系トルク変動の時間的変化を表す図である。実線は、割出用テーブル7の加速度A1であり、破線は、トルク補償回転体15の加速度A2である。そして、A1とA2の差分を点線で示している。カム装置の非停留期間Xにおいては、割出用テーブル7とトルク補償回転体15のいずれも加速度変化が生じ、これに基づく出力系トルク変動が発生している。
【0061】
上述した通り、本実施形態のトルク補償装置12Aでは、トルク補償回転体15(トルク補償回転軸16)の回転軸は割出用テーブル7(出力軸4)の回転軸と同一軸上であり、かつ、回転方向も同一である。したがって、割出用テーブル7の加速度A1とトルク補償回転体15の加速度A2との差分(図8中の点線)に基づいて、出力軸4に作用するトルク変動として現われてくる。これにより、本実施形態のトルク補償装置12Aでは、出力系トルク変動は軽減されている。
【0062】
===第1実施形態(変形例)===
図9は、第1実施形態の変形例に係る間欠割出装置1Bの概略説明図である。図10は、第1実施形態の変形例に係る間欠割出装置1Bの詳細説明図である。上述の第1実施形態の間欠割出装置1Aでは、出力軸4上において同じ側(図2では、上側)に割出用テーブル7とトルク補償回転体15とが配置されているのに対し、本実施形態の変形例に係る間欠割出装置1Bでは、出力軸4上において一方の側(図9及び図10では、上側)に割出用テーブル7が、他方の側(図9及び図10では、下側)にトルク補償回転体15が配置されている。この割出用テーブル7とトルク補償回転体15との配置関係以外は、第1実施形態で述べた間欠割出装置1Aの構成と同様である。
【0063】
第1実施形態の変形例では、割出用テーブル7を間欠割出装置1Bの上部に、トルク補償回転体15を間欠割出装置1Bの下部に配置したことによって、割出用テーブル7とトルク補償回転体15の重心間の距離Lが第1実施形態の間欠割出装置1Aと比べて大きくなっている。なお、第1実施形態の変形例のトルク補償装置12Bでも、トルク補償回転体15(トルク補償回転軸16)の回転軸は割出用テーブル7(出力軸4)の回転軸と同一軸上であり、かつ、回転方向も同一である。このため、重心間の距離Lの大きさに関わらず、入力系トルク振動および出力系トルク振動を抑えることができる。
【0064】
===第2実施形態===
図11は第2実施形態の間欠割出装置1Cの上面図(一部断面図)である。図12は第2実施形態の間欠割出装置1Cの側面図(一部断面図)である。図13は第2実施形態の間欠割出装置1Cの割出用カム装置9B部分を示す図である。
【0065】
第2実施形態の以下の説明では、図11及び図12に示すように各方向を定義する。すなわち、間欠割出装置1Cの出力軸4に平行な方向を「上下方向」とし、割出用テーブル7から見て割出用カム装置9Bの側を「下」とし、逆側を「上」とする。上下方向のことを「出力軸方向」と呼ぶこともある。本実施形態では、上下方向は鉛直方向になっている。また、入力軸3を含む面において、入力軸3に垂直な方向を「左右方向」とし、図11及び図12が描かれた紙面の右側を「右」とし、左側を「左」とする。また、入力軸3に平行な方向を「前後方向」とし、割出用テーブル7から見てトルク補償回転体15の側を「前」とし、逆側を「後」とする。
【0066】
第1実施形態の間欠割出装置1Aの割出用カム装置9Aは、パラレルカムで構成されるのに対し、第2実施形態の間欠割出装置1Cの割出用カム装置9Bは、ローラギヤカムで構成される。以下、本実施形態の間欠割出装置1Cにおける、第1実施形態の間欠割出装置1Aとの相違点を中心に説明する。
【0067】
第1実施形態のパラレルカムで構成された間欠割出装置1Aと異なり、本実施形態のローラギヤカムで構成された間欠割出装置1Cは、入力軸3と出力軸4とがねじれの位置で配置されている。このように、本実施形態の間欠割出装置1Cは、入力軸3の回転方向に対して、出力軸4の回転方向を自由に選択することができる。
【0068】
本実施形態の割出用カム装置9Bは、割出用ローラギヤカム23Aと、割出用ローラフォロア24Aとを有する。
【0069】
割出用ローラギヤカム23Aは、入力軸3に設けられたカム部分の機構である。割出用ローラギヤカム23Aは、後述するローラフォロア係合部25Bが係合するテーパリブ25Aが前後方向に対し斜めの方向に構成されている。
【0070】
割出用ローラフォロア24Aは、出力軸4に設けられたカムフォロア部分の機構である。割出用ローラフォロア24Aは、ターレット25Cに設けられたローラフォロア係合部25Bを備えている。本実施形態のローラフォロア係合部25Bは、ターレット25Cの回転方向に等間隔、かつ放射状に形成されている。
【0071】
なお、トルク補償装置12Bのカム機構も、トルク補償ローラギヤカム23Bと、トルク補償ローラフォロア23Bとからなるローラギヤカムにて構成されているが、トルク補償ローラギヤカム23Bと、トルク補償ローラフォロア23Bとによって発生した運動を割出用テーブル7の下部に設けられたトルク補償回転体15に伝達するために、回転伝達部26を有している。
【0072】
===その他の実施形態===
上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
【0073】
上述の実施形態のカム機構は、パラレルカム機構(第1実施形態)とローラギヤカム機構(第2実施形態)で構成されていたが、これに限らず、バレルカムにて構成されてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1A,1B,1C 間欠割出装置、2 ハウジング、3 入力軸、4 出力軸、
5 軸受、6 駆動源、7 割出用テーブル、8 カム機構、
9A,9B 割出用カム装置、10 割出用カム、11 割出用カムフォロア、
12A,12B トルク補償装置、13 トルク補償カム
14 トルク補償カムフォロア、15 トルク補償回転体、16 トルク補償回転軸、
17A 上側カム、17B 下側カム、18A,18C 凸部、
18B 円弧部、18D,18E 接続部、
19A 上側カムフォロア、19B 下側カムフォロア、
20A,20B 係合部、
21A 上側トルク補償カム、21B 下側トルク補償カム、
22A 上側トルク補償カムフォロア、22B 下側トルク補償カムフォロア
23A 割出用ローラギヤカム 23B トルク補償ローラギヤカム
24A 割出用ローラフォロア 24B トルク補償ローラフォロア
25A テーパリブ 25B ローラフォロア係合部 25C ターレット
26 回転伝達部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13