特許第6763636号(P6763636)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6763636
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】タービン静翼組品及びガスタービン
(51)【国際特許分類】
   F01D 9/02 20060101AFI20200917BHJP
【FI】
   F01D9/02 102
   F01D9/02 104
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-23682(P2020-23682)
(22)【出願日】2020年2月14日
【審査請求日】2020年3月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】松尾 咲生
(72)【発明者】
【氏名】白砂 大和
(72)【発明者】
【氏名】巽 直也
【審査官】 中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/152573(WO,A1)
【文献】 特開2019−078204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 9/02
F01D 25/12
F02C 7/12−7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一静翼と、
第二静翼と、
前記第一静翼と前記第二静翼とを結合する結合具と、
を備え、
前記第一静翼及び前記第二静翼は、いずれも、
燃焼ガスの流れる燃焼ガス流路内に配置され、翼形を成す翼体と、
前記翼体の翼高さ方向における端に設けられているシュラウドと、
を有し、
前記シュラウドは、
前記燃焼ガス流路の側を向くガスパス面と、前記ガスパス面と相反する側を向く内面とを有するシュラウド本体と、
前記シュラウド本体の周縁に沿って設けられ、前記内面から、前記ガスパス面を基準にして前記内面の側である反流路側に突出して、冷却空気が流入するキャビティを形成する周壁と、
を有し、
前記シュラウド本体は、
前記燃焼ガス流路内で前記燃焼ガスが流れてくる側である上流側を向く前端面と、
前記前端面と背合わせの関係を成し、前記燃焼ガス流路内で前記燃焼ガスが流れて行く側である下流側を向く後端面と、
前記前端面と前記後端面とを、前記翼体の背側面に近い側でつなぐ背側端面と、
前記背側端面と背合わせの関係を成し、前記前端面と前記後端面とを、前記翼体の腹側面に近い側でつなぐ腹側端面と、
前記キャビティから前記後端面に貫通し、前記背側端面と前記腹側端面とが並ぶ側方向に並んでいる複数の後端通路と、
を有し、
前記結合具は、前記第一静翼の前記背側端面と前記第二静翼の前記腹側端面とが接触している状態を維持可能に、前記第一静翼と前記第二静翼とを結合し、
前記第一静翼の前記複数の後端通路のうち、最も前記背側の後端通路である背側後端通路は、前記下流側に向かうに連れて次第に、前記第一静翼の前記背側端面に近づくよう、前記第一静翼の前記背側端面に対して傾斜しており、
前記第二静翼の前記複数の後端通路のうち、最も前記腹側の後端通路である腹側後端通路は、前記下流側に向かうに連れて次第に前記第二静翼の前記腹側端面に近づくよう、前記第二静翼の前記腹側端面に対して傾斜し
前記第一静翼における前記複数の後端通路のうち、前記背側後端通路を除く全ての後端通路は、互に平行であり、
前記第二静翼における前記複数の後端通路のうち、前記腹側後端通路を除く全ての後端通路は、互に平行である、
タービン静翼組品。
【請求項2】
請求項1に記載のタービン静翼組品において、
前記側方向における前記第一静翼の前記背側端面から前記背側後端通路の下流側の開口までの長さ寸法は、前記側方向における前記第一静翼の背側端面から前記第一静翼のキャビティまでの長さ寸法より短く、
前記側方向における前記第二静翼の前記腹側端面から前記腹側後端通路の下流側の開口までの長さ寸法は、前記側方向における前記第二静翼の腹側端面から前記第二静翼のキャビティまでの長さ寸法より短い、
タービン静翼組品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のタービン静翼組品において、
前記結合具は、ボルトとナットとを有する、
タービン静翼組品。
【請求項4】
請求項1からのいずれか一項に記載のタービン静翼組品において、
前記第一静翼及び前記第二静翼は、いずれも、複数の空気孔が形成され、前記内面に対して前記ガスパス面の側である流路側と前記反流路側とに、前記キャビティを仕切る衝突板を備える、
タービン静翼組品。
【請求項5】
請求項1からのいずれか一項に記載のタービン静翼組品を複数備えていると共に、
軸線を中心として回転可能なロータと、
前記ロータの外周側を覆うケーシングと、
燃料の燃焼により燃焼ガスを生成し、前記ケーシング内に前記燃焼ガスを送る燃焼器と、
を備え、
複数の前記タービン静翼組品は、前記ケーシングの内周側に取り付けられている、
ガスタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タービン静翼組品及びガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第一静翼と第二静翼とボルトとを有する静翼組品が開示されている。この静翼組品は、二段目の静翼列の一部を構成している。第一静翼と第二静翼とは、第一静翼におけるシュラウドの背側端面と第二静翼におけるシュラウドの腹側端面とが接触した状態でボルト結合されている。
【0003】
この特許文献1の各静翼には、冷却空気が通る各種通路が形成されている。より具体的には、各静翼のシュラウドの周囲は、フランジ(周壁)で囲まれており、このフランジよりもシュラウド内側に、冷却空気が流入するキャビティが形成されている。さらに、これら各静翼のシュラウドのフランジには、背側通路と、腹側通路と、複数の後端通路とが形成されている。背側通路は、キャビティに連通して、シュラウドの背側端面に沿って延びて、シュラウドの後端面で開口している。腹側通路は、キャビティに連通して、シュラウドの腹側端面に沿って延びて、シュラウドの後端面で開口している。複数の後端通路は、キャビティを基準にして後端面側であって背側通路と腹側通路との間に並んで配置され、キャビティに連通して後端面で開口している。
【0004】
シュラウドの背側通路を流れる冷却空気は、シュラウドの背側端面、及びシュラウドのうちキャビティよりも下流側で且つ背側端面寄りの部分を冷却する。シュラウドの腹側通路を流れる冷却空気は、シュラウドの腹側端面、及びシュラウドのうちキャビティよりも下流側で且つ腹側端面寄りの部分を冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−254605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されているような複数の静翼列のうち、いずれかの段の静翼列の一部を構成する静翼組品では、ボルトで固定された第一静翼と第二静翼との各シュラウドのうち、第一静翼と第二静翼とが接触している互いの側端面に近い側で且つキャビティよりも下流側の部分における冷却効果を強化することが要望されている。しかしながら、特許文献1の静翼の冷却通路で冷却効果を強化しようとすると、冷却用の空気の使用量が増加してしまうという課題がある。
そこで、本開示は、効率よく冷却効果を強化することができるタービン静翼組品及びガスタービンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係るタービン静翼組品は、第一静翼と、第二静翼と、前記第一静翼と前記第二静翼とを結合する結合具と、を備える。前記第一静翼及び前記第二静翼は、いずれも、燃焼ガスの流れる燃焼ガス流路内に配置され、翼形を成す翼体と、前記翼体の翼高さ方向における端に設けられているシュラウドと、を有する。前記シュラウドは、前記燃焼ガス流路の側を向くガスパス面と、前記ガスパス面と相反する側を向く内面とを有するシュラウド本体と、前記シュラウド本体の周縁に沿って設けられ、前記内面から、前記ガスパス面を基準にして前記内面の側である反流路側に突出して、冷却空気が流入するキャビティを形成する周壁と、を有する。前記シュラウド本体は、前記翼体の後縁に対する前縁側の端面であって、前記燃焼ガス流路内で前記燃焼ガスが流れくる側である上流側を向く前端面と、前記前端面と背合わせの関係を成し、前記燃焼ガス流路内で前記燃焼ガスが流れて行く側である下流側を向く後端面と、前記前端面と前記後端面とをつなぎ、前記翼体の腹側面に対する背側面の側である背側を向く背側端面と、前記背側端面と背合わせの関係を成し、前記前端面と前記後端面とをつなぎ、前記翼体の前記背側面に対する前記腹側面の側である腹側を向く腹側端面と、前記キャビティから前記後端面に貫通し、前記背側端面と前記腹側端面とが並ぶ側方向に並んでいる複数の後端通路と、を有する。前記結合具は、前記第一静翼の前記背側端面と前記第二静翼の前記腹側端面とが接触している状態を維持できるように、前記第一静翼と前記第二静翼とを結合する。前記第一静翼の前記複数の後端通路のうち、最も前記背側の後端通路である背側後端通路は、前記下流側に向かうに連れて次第に、前記第一静翼の前記背側端面に近づくよう、前記第一静翼の前記背側端面に対して傾斜している。前記第二静翼の前記複数の後端通路のうち、最も前記腹側の後端通路である腹側後端通路は、前記下流側に向かうに連れて次第に前記第二静翼の前記腹側端面に近づくよう、前記第二静翼の前記腹側端面に対して傾斜している。前記第一静翼における前記複数の後端通路のうち、前記背側後端通路を除く全ての後端通路は、互に平行である。前記第二静翼における前記複数の後端通路のうち、前記腹側後端通路を除く全ての後端通路は、互に平行である。
【0008】
本開示に係るガスタービンは、上記タービン静翼組品を複数備えていると共に、軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータの外周側を覆うケーシングと、燃料の燃焼により燃焼ガスを生成し、前記ケーシング内に前記燃焼ガスを送る燃焼器と、を備えている。複数の前記タービン静翼組品は、前記ケーシングの内周側に取り付けられている。
【発明の効果】
【0009】
上記タービン静翼組品によれば、効率よく冷却効果を強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示に係る一実施形態におけるガスタービンの模式的断面図である。
図2】本開示に係る一実施形態におけるガスタービンの要部断面図である。
図3】本開示に係る一実施形態における静翼を径方向外側から見た静翼の斜視図である。
図4】本開示に係る一実施形態における静翼組品の外側シュラウドを径方向外側から見た図である。
図5図4の第一静翼の背側後端通路と第二静翼の腹側後端通路との拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態のガスタービン静翼組品及びガスタービンを図面に基づき説明する。
【0012】
《ガスタービンの構成》
図1に示すように、本実施形態のガスタービン10は、空気Aを圧縮する圧縮機20と、圧縮機20で圧縮された空気A中で燃料Fを燃焼させて燃焼ガスGを生成する燃焼器30と、燃焼ガスGにより駆動するタービン40と、を備えている。
【0013】
圧縮機20は、軸線Arを中心として回転する圧縮機ロータ21と、圧縮機ロータ21を覆う圧縮機車室25と、複数の静翼段26と、を有する。タービン40は、軸線Arを中心として回転するタービンロータ41と、タービンロータ41を覆うタービン車室45と、複数の静翼段46と、を有する。
【0014】
圧縮機ロータ21とタービンロータ41とは、同一軸線Ar上に位置し、互いに接続されてガスタービンロータ11を成す。このガスタービンロータ11には、例えば、発電機GENのロータが接続されている。また、圧縮機車室25とタービン車室45とは、互いに接続されてガスタービン車室15を成す。なお、以下の説明では、軸線Arが延びる方向を軸線方向Da、軸線Arを中心とした周方向を単に周方向Dcとし、軸線Arに対して垂直な方向を径方向Drとする。軸線方向Daでタービン40を基準にして圧縮機20側を軸線上流側Dau、その反対側を軸線下流側Dadとする。また、径方向Drで軸線Arに近づく側を径方向内側Dri、その反対側を径方向外側Droとする。
【0015】
圧縮機ロータ21は、軸線Arを中心として軸線方向Daに延びるロータ軸22と、このロータ軸22に取り付けられている複数の動翼段23と、を有する。複数の動翼段23は、軸線方向Daに並んでいる。各動翼段23は、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の動翼23aで構成されている。複数の動翼段23の各軸線下流側Dadには、静翼段26が配置されている。各静翼段26は、圧縮機車室25の内側に設けられている。各静翼段26は、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の静翼26aで構成されている。
【0016】
図1図2に示すように、タービンロータ41は、軸線Arを中心として軸線方向Daに延びるロータ軸42と、このロータ軸42に取り付けられている複数の動翼段43と、を有する。複数の動翼段43は、軸線方向Daに並んでいる。各動翼段43は、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の動翼43aで構成されている。複数の動翼段43の各軸線上流側Dauには、静翼段46が配置されている。各静翼段46は、タービン車室45の内側に設けられている。各静翼段46は、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数のガスタービン静翼46aで構成されている。なお、以下の説明では、ガスタービン静翼を単に静翼と呼ぶ。
【0017】
タービン車室45は、その外殻を構成する筒状の外側車室45aと、外側車室45aの内側に固定されている内側車室45bと、内側車室45bの内側に固定されている複数の分割環45cとを有する。複数の分割環45cは、いずれも、複数の静翼段46の相互の間の位置に設けられている。従って、各分割環45cの径方向内側Driには、動翼段43が配置されている。
【0018】
径方向Drにおけるロータ軸42とタービン車室45との間であって、静翼46a及び動翼43aが配置されている空間は、燃焼器30からの燃焼ガスGが流れる燃焼ガス流路49を成す。この燃焼ガス流路49は、軸線Arを中心として環状を成し、軸線方向Daに長い。タービン車室45の内側車室45bには、径方向外側Droから径方向内側Driに貫通する冷却空気通路45pが形成されている。この冷却空気通路45pを通った冷却空気は、静翼46a内、及び分割環45c内に導入されて、静翼46a及び分割環45cの冷却に利用される。なお、ガスタービン車室15内の空気が冷却空気通路45pを介して静翼段46に冷却空気として供給される場合について説明したが、静翼46aへ冷却空気を供給する経路は、上記に限られない。
【0019】
《ガスタービンの動作》
図1に示すように、圧縮機20は、空気Aを圧縮して圧縮空気を生成する。この圧縮空気は、燃焼器30内に流入する。燃焼器30には、燃料Fが供給される。燃焼器30内では、圧縮空気中で燃料Fが燃焼して、高温高圧の燃焼ガスGが生成される。この燃焼ガスGは、燃焼器30からタービン40内の燃焼ガス流路49に送られる。燃焼ガスGは、燃焼ガス流路49を軸線下流側Dadへ流れる過程で、タービンロータ41を回転させる。このタービンロータ41の回転で、ガスタービンロータ11に接続されている発電機GENのロータが回転する。その結果、発電機GENは発電する。
【0020】
《静翼組品の構成》
図3に示すように、本実施形態の静翼段(ガスタービン)46は、周方向Dcに並んで配置された複数の静翼組品46Asを備えている。この静翼組品46Asは、二つの静翼46aである第一静翼46aA及び第二静翼46aBと、これら第一静翼46aAと第二静翼46aBとを結合する結合具Btと、を少なくとも備えている。言い換えれば、本実施形態の静翼組品46Asは、周方向Dcで隣り合う二つの静翼46aを、結合具Btにより結合させた組品である。
【0021】
図3図4に示すように、第一静翼46aA及び第二静翼46aBは、何れも、翼体51と、内側シュラウド60iと、外側シュラウド60oと、を少なくとも有している。
翼体51は、翼形を成し径方向Drに延びている。つまり、翼体51の翼高さ方向は、径方向Drとなる。この翼体51は、燃焼ガスGが通る燃焼ガス流路49(図2参照)内に配置されている。内側シュラウド60iは、翼体51の径方向内側Driの端に形成されている。この内側シュラウド60iは、環状の燃焼ガス流路49の径方向内側Driの位置を画定する。外側シュラウド60oは、翼体51の径方向外側Droの端に形成されている。この外側シュラウド60oは、環状の燃焼ガス流路49の径方向外側Droの位置を画定する。
【0022】
翼体51のうち軸線上流側Dauの端部は、前縁部52を成す。また、翼体51のうち軸線下流側Dadの端部は、後縁部53を成す。この翼体51の表面で、周方向Dcを向く面のうち、凸状の面が背側面55n(=負圧面)を成し、凹状の面が腹側面55p(=正圧面)を成す。翼体51には、径方向Drに延びる複数の翼空気通路71が形成されている。各翼空気通路71は、いずれも、外側シュラウド60oから、翼体51を経て、内側シュラウド60iにまで連なって形成されている。複数の翼空気通路71は、翼体51のキャンバーライン(図示せず)に沿って並んでいる。隣接する翼空気通路71の一部は、径方向外側Droの部分、又は径方向内側Driの部分で互いに連通している。また、複数の翼空気通路71のうち、いずれかは、後述する外側シュラウド60oにおける凹部66の底で開口している。さらに、複数の翼空気通路71のうち、いずれかは、内側シュラウド60iにおける凹部の底で開口している。なお、以下の説明の都合上、周方向Dcを側方向Dcと呼ぶこともある。また、周方向Dcで背側面55nに対して腹側面55pが存在する側を周方向腹側Dcp、周方向Dcで腹側面55pに対して背側面55nが存在する側を周方向背側Dcnとする。また、軸線方向Daの軸線上流側Dauを前側、軸線方向Daの軸線下流側Dadを後側ということもある。また、径方向Drを翼高さ方向Drと呼ぶこともある。
【0023】
《外側シュラウドの構成》
外側シュラウド60oは、外側シュラウド本体61と、周壁65と、を有する。
外側シュラウド本体61は、軸線方向Da及び周方向Dcに広がる板状に形成されている。外側シュラウド本体61は、前端面62fと、後端面62bと、腹側端面63pと、背側端面63nと、ガスパス面64と、内面64aとを有している。前端面62fは、軸線上流側Dauを向く端面である。後端面62bは、前端面62fと背合わせの関係を成し、軸線下流側Dadを向く端面である。腹側端面63pは、前端面62fと後端面62bとを翼体51の腹側面55pに近い側でつなぎ、周方向腹側Dcpを向く端面である。背側端面63nは、前端面62fと後端面62bとを翼体51の背側面55nに近い側でつなぎ、周方向背側Dcnを向く端面である。ガスパス面64は、燃焼ガスGに接する面であり、径方向内側Driを向いている。内面64aは、ガスパス面64と反対側を向く面である。本実施形態の前端面62fと後端面62bとは、ほぼ平行であり、本実施形態の腹側端面63pと背側端面63nとは、ほぼ平行である。これにより、外側シュラウド本体61は、径方向Drから見て(図4参照)、平行四辺形状を成している。
【0024】
周壁65は、外側シュラウド本体61の外周縁に沿って外側シュラウド本体61から径方向外側Droに突出している。本実施形態の周壁65は、外側シュラウド本体61の外周縁に沿って全周に形成されている。周壁65は、軸線方向Daで互いに対向する前周壁65f及び後周壁65bと、周方向Dcで互いに対向する一対の側周壁65p,65nと、を有している。
【0025】
前周壁65f及び後周壁65bは、いずれも側周壁65p,65nよりも径方向外側Droに大きく突出して、フック部を成している。このフック部を成す前周壁65f及び後周壁65bにより、静翼46aは、タービン車室45(図2参照)の内周側に取り付けられる。外側シュラウド60oには、外側シュラウド本体61と周壁65とにより、径方向内側Driに向かって凹む凹部66が形成されている。なお、上記の如く周壁65が形成された静翼46aは、軸線上流側Dauから数えて三つ目の静翼段46(言い換えれば、三段静翼)に用いることができる。周壁65は、外側シュラウド本体61の剛性を高めており、これにより外側シュラウド本体61をより薄板に形成することができるため、外側シュラウド本体61の冷却効率を向上可能となっている。
【0026】
図3に示すように、衝突板67は、外側シュラウド60oの凹部66を径方向外側Droの領域と径方向内側Driの領域であるキャビティ69とに仕切っている。衝突板67には、径方向Drに貫通する複数の空気孔68が形成されている。静翼46aの径方向外側Droに存在する冷却空気Acの一部は、この衝突板67の空気孔68を経て、キャビティ69内に流入する。キャビティ69は、外側シュラウド60oのうち、ガスパス面64とは径方向外側Droを向く面と、衝突板67の径方向内側Driを向く面と、周壁65(前周壁65f、後周壁65b、側周壁65p,65n)の内壁面65aとで囲まれた領域内に形成される。
【0027】
図3図4に示すように、本実施形態の第一静翼46aA及び第二静翼46aBの側周壁65nには、背側フランジ部65Fnが形成され、側周壁65pには、腹側フランジ部65Fpが形成されている。背側フランジ部65Fnは、側周壁65nから径方向外側Droに向かって突出している。腹側フランジ部65Fpは、側周壁65pから径方向外側Droに向かって突出している。これら背側フランジ部65Fnと腹側フランジ部65Fpとは、それぞれ軸線方向Daにおける側周壁65n,65pの中間部に配置されている。これら背側フランジ部65Fn及び腹側フランジ部65Fpは、周方向Dcで対称に配置されている。
【0028】
結合具Btは、一つの静翼組品46Asを構成する第一静翼46aAと第二静翼46aBとを結合する。本実施形態で例示する結合具Btは、ボルトB及びナットNからなる。結合具Btは、第一静翼46aAの背側フランジ部65Fnと、第二静翼46aBの腹側フランジ部65Fpとを結合する。
【0029】
本実施形態の第一静翼46aAの背側フランジ部65Fnと、第二静翼46aBの腹側フランジ部65Fpとには、結合具Bt用のボルト孔が形成されている。その一方で、本実施形態の第一静翼46aAの腹側フランジ部65Fpと、第二静翼46aBの背側フランジ部65Fnとは、結合具Bt用のボルト孔を有していない。つまり、第一静翼46aAの腹側フランジ部65Fpと、第二静翼46aBの背側フランジ部65Fnとは、静翼46同士の結合に用いられない。
【0030】
本実施形態における腹側フランジ部65Fpと、背側フランジ部65Fnとは、外側シュラウド60o及び内側シュラウド60iにそれぞれ形成されている。つまり、結合具Btは、一つの静翼組品46Asを構成する第一静翼46aAと第二静翼46aBとを、径方向外側Dro及び径方向内側Driの二個所で結合している。腹側フランジ部65Fpと背側フランジ部65Fnとを結合具Btで結合することで、第一静翼46aAの背側端面63nと第二静翼46aBの腹側端面63pとが接触する。なお、静翼46同士の結合に用いていない第一静翼46aAの腹側フランジ部65Fpと、第二静翼46aBの背側フランジ部65Fnとは、省略してもよい。
【0031】
ここで、静翼段46は、第一静翼46aAと第二静翼46aBとの間に、それぞれシールSiを備えている。これらシールSiは、静翼46aの腹側端面63p及び背側端面63nに沿って延びている。そして、静翼組品46Asは、結合具Btで結合された第一静翼46aAと第二静翼46aBとの間に、シール溝を介してシールSiを挟み込んでいる。この挟み込まれたシールSiは、第一静翼46aAと第二静翼46aBとによって押圧されて弾性変形した状態となる。これにより結合具Btで結合された第一静翼46aAと第二静翼46aBとの間のシールSiによる気体の遮断が強固なものとなる。その一方で、周方向Dcで隣り合う静翼組品46As同士は、結合具Btで結合されていない。そのため、これら結合具Btによって結合されていない静翼組品46As同士の間には、僅かな隙間が形成されて気体の流通を許容した状態となる。これにより、周方向Dcにおける静翼組品46As同士の間には、径方向外側Droから径方向内側Driに向かって冷却空気Acが僅かに流れる状態となる。
【0032】
《後端通路の構成》
図4に示すように、外側シュラウド本体61には、複数の後端通路76が形成されている。これら複数の後端通路76は、キャビティ69から後端面62bに貫通している。また複数の後端通路76は、背側端面63nと腹側端面63pとが並ぶ周方向(側方向)Dcに並んでいる。第一静翼46aAの後端通路76は、主後端通路76mと、背側後端通路76nと、を有している。一方で、第二静翼46aBの後端通路76は、主後端通路76mと、腹側後端通路76pと、を備えている。
【0033】
第一静翼46aAの主後端通路76mと、第二静翼46aBの主後端通路76mとは、同一構成である。これら主後端通路76mは、キャビティ69を基準にして軸線下流側Dadに形成されている。主後端通路76mは、周方向Dcに間隔をあけて複数並んでいる。本実施形態の複数の主後端通路76mは、何れも外側シュラウド60oの側周壁65p,65nの延びる方向と同方向に延びている。言い換えれば、複数の主後端通路76mは、外側シュラウド本体61の背側端面63n及び腹側端面63pと平行に延びるとともに、互いに平行に延びている。本実施形態の複数の主後端通路76mは、周方向Dcで等間隔に並んでいる。
【0034】
図4図5に示すように、第一静翼46aAの背側後端通路76nは、第一静翼46aAに形成された後端通路76のうち最も周方向背側Dcnに形成された後端通路76である。背側後端通路76nは、主後端通路76mと同様に、キャビティ69を基準にして軸線下流側Dadに配置されている。本実施形態では、背側後端通路76nが一つだけ形成されている場合を例示している。
【0035】
背側後端通路76nは、軸線下流側Dadに向かうに連れて次第に、第一静翼46aAの背側端面63nに近づくよう、第一静翼46aAの背側端面63nに対して傾斜している。言い換えれば、背側後端通路76nは、軸線下流側Dadに向かうに連れて次第に、周方向Dcで隣り合う第一静翼46aAの主後端通路76mから離れるよう、主後端通路76mに対して傾斜している。背側後端通路76nは、第一静翼46aAの背側端面63nと後端面62bとが交差する隅部C1の近くの後端面62bに開口76noを有している。本実施形態の背側後端通路76nの流路断面積は、背側後端通路76nの長さ方向で一定とされ、第一静翼46aAの主後端通路76mの流路断面積と同一になっている。
【0036】
第二静翼46aBの腹側後端通路76pは、第二静翼46aBに形成された後端通路76のうち最も周方向腹側Dcpに形成された後端通路76である。腹側後端通路76pは、第二静翼46aBの主後端通路76mと同様に、キャビティ69を基準にして軸線下流側Dadに配置されている。本実施形態では、背側後端通路76nと同様に腹側後端通路76pが一つだけ形成されている場合を例示している。
【0037】
腹側後端通路76pは、軸線下流側Dadに向かうに連れて次第に、第二静翼46aBの腹側端面63pに近づくよう、第二静翼46aBの腹側端面63pに対して傾斜している。言い換えれば、腹側後端通路76pは、軸線下流側Dadに向かうに連れて次第に、周方向Dcで隣り合う第二静翼46aBの主後端通路76mから離れるよう、主後端通路76mに対して傾斜している。腹側後端通路76pは、第二静翼46aBの腹側端面63pと後端面62bとが交差する隅部C2の近くの、後端面62bに開口76poを有している。本実施形態の腹側後端通路76pの流路断面積は、腹側後端通路76pの長さ方向で一定とされ、第二静翼46aBの主後端通路76mの流路断面積と同一になっている。さらに本実施形態の腹側後端通路76pの流路断面積は、上述した背側後端通路76nの流路断面積と同一になっている。
【0038】
図5示すように、周方向Dcにおける背側後端通路76nの開口76noから第一静翼46aAの背側端面63nまでの長さ寸法L1は、周方向Dcにおける第一静翼46aAの背側端面63nから第一静翼46aAのキャビティ69までの寸法D1よりも短い。本実施形態では、寸法D1は、第一静翼46aAの背側周壁65nの厚さ寸法と等しい。同様に、周方向Dcにおける腹側後端通路76pの開口76poから第二静翼46aBの腹側端面63pまでの長さ寸法L2は、周方向Dcにおける第二静翼46aBの腹側端面63pから第二静翼46aBのキャビティ69までの寸法D2よりも短い。
【0039】
本実施形態では、寸法D2は、第二静翼46aBの腹側周壁65pの厚さ寸法と等しい。そして、本実施形態では、上記長さ寸法L1と長さ寸法L2とは同一となっている。なお、長さ寸法L1と長さ寸法L2とは異なっていてもよい。また、本実施形態では、図4図5に示す断面において背側後端通路76nは、流路断面積が一定の直線状に形成されている場合を例示しているが、この構成に限られない。例えば、背側後端通路76nは、上記断面において、流路断面積が変化したり、湾曲したりしてもよい。
【0040】
《作用効果》
本実施形態のタービン静翼組品46Asは、第一静翼46aAと、第二静翼46aBと、結合具Btとを備えている。第一静翼46aA及び第二静翼46aBの外側シュラウド60oは、キャビティ69から外側シュラウド本体61の後端面62bに貫通し、背側端面63nと腹側端面63pとが並ぶ周方向(側方向)Dcに並ぶ複数の後端通路76を有している。そして、第一静翼46aAの後端通路76のうち、最も周方向背側Dcnの後端通路76である背側後端通路76nは、軸線下流側Dadに向かうに連れて次第に、第一静翼46aAの背側端面63nに近づくように、第一静翼46aAの背側端面63nに対して傾斜している。さらに、第二静翼46aBの後端通路76のうち、最も周方向腹側Dcpの後端通路76である腹側後端通路76pは、軸線下流側Dadに向かうに連れて次第に、第二静翼46aBの腹側端面63pに近づくように、第二静翼46aBの腹側端面63pに対して傾斜している。
【0041】
上記実施形態のタービン静翼組品46Asでは、第一静翼46aAと第二静翼46aBとが結合具Btによって結合されているため、これら第一静翼46aAと第二静翼46aBとの間に冷却空気Acが殆ど流れない。そのため、第一静翼46aAと第二静翼46aBとが接触している互いの腹側端面63p及び背側端面63nに近い側で且つキャビティ69よりも軸線下流側Dadの部分の冷却が不十分になる可能性が有る。
【0042】
しかし、本実施形態のタービン静翼組品46Asでは、背側後端通路76n及び腹側後端通路76pによって、キャビティ69から、第一静翼46aAと第二静翼46aBとが接触している第二静翼46aBの腹側端面63pに近い側、及び第一静翼46aAの背側端面63nに近い側で、且つキャビティ69よりも軸線下流側Dadの部分に、冷却空気Acを供給できるため、当該部分の冷却効果を向上できる。また、背側後端通路76n及び腹側後端通路76pは、主後端通路76mと同様にキャビティ69の軸線下流側Dadから冷却空気Acを供給しているので、腹側後端通路76pと背側後端通路76nとを短く形成できる。そのため、第一静翼46aAと第二静翼46aBとが接触している第二静翼46aBの腹側端面63pに近い側、及び第一静翼46aAの背側端面63nに近い側で、且つキャビティ69よりも軸線下流側Dadの部分に冷却空気Acが到達する前に冷却空気Acが温度上昇することを抑制できる。したがって、冷却空気Acの使用量が増加することを抑制して、効率よく冷却効果を強化することが可能となる。
【0043】
上記実施形態のタービン静翼組品46Asでは、更に、周方向Dcにおける第一静翼46aAの背側端面63nから背側後端通路76nの軸線下流側Dadの開口76noまでの長さ寸法L1は、周方向Dcにおける第一静翼46aAの背側端面63nから第一静翼46aAのキャビティ69までの長さ寸法D1より短い。同様に、周方向Dcにおける第二静翼46aBの腹側端面63pから腹側後端通路76pの軸線下流側Dadの開口76poまでの長さ寸法L2は、周方向Dcにおける第二静翼46aBの腹側端面63pから第二静翼46aBのキャビティ69までの長さ寸法D2より短い。
【0044】
このようにすることで、腹側後端通路76pと背側後端通路76nとを、より隅部C1,C2の近くに形成できる。したがって、冷却空気Acの使用量が増加することを更に抑制し、冷却効果の強化の効率をより一層向上することが可能となる。
【0045】
上記実施形態のガスタービン10では、上記タービン静翼組品46Asを備えているため、タービン静翼組品46Asに生じる熱応力を緩和して、信頼性及び商品性を向上することが可能となる。
【0046】
《その他の実施形態》
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上記実施形態では、静翼組品46Asが二つの静翼46aである第一静翼46aAと第二静翼46aBとを結合具Btにより結合してなる場合を例示した。しかし、静翼組品46Asは、周方向Dcで並ぶ三つ以上の静翼46aを、複数の結合具Btを用いて結合してなるようにしてもよい。そして、例えば、三つ以上の静翼46aを結合する場合、周方向Dcで中間位置に配置された静翼46aには、腹側後端通路76pと背側後端通路76nとの両方を設けてもよい。
【0047】
上記実施形態では、更に、腹側後端通路76pと背側後端通路76nとを外側シュラウド60oに設ける場合について説明した。しかし、内側シュラウド60iに対しても、必要に応じて、外側シュラウド60oと同様に、後端通路76(主後端通路76m、腹側後端通路76p、背側後端通路76n)を設けるようにしてもよい。
【0048】
<付記>
上記実施形態に記載の静翼組品46As及びガスタービン10は、例えば以下のように把握される。
【0049】
(1)第1の態様に係るタービン静翼組品46Asは、第一静翼46aAと、第二静翼46aBと、第一静翼46aAと第二静翼46aBとを結合する結合具Btと、を備え、第一静翼46aA及び第二静翼46aBは、いずれも、燃焼ガス流路49内に配置され、翼形を成す翼体51と、翼体51の翼高さ方向における端に設けられているシュラウド60oと、を有し、シュラウド60oは、燃焼ガス流路49の側を向くガスパス面64と、ガスパス面64と相反する側を向く内面64aとを有するシュラウド本体61と、シュラウド本体61の周縁に沿って設けられ、内面64aから、ガスパス面64を基準にして内面64aの側である反流路側に突出して、冷却空気Acが流入するキャビティ69を形成する周壁65と、を有し、シュラウド本体61は、燃焼ガス流路49内で燃焼ガスGが流れてくる側である上流側Dauを向く前端面62fと、前端面62fと背合わせの関係を成し、燃焼ガス流路49内で燃焼ガスGが流れて行く側である下流側を向く後端面62bと、前端面62fと後端面62bとを、翼体51の背側面55nに近い側でつなぐ背側端面63nと、背側端面63nと背合わせの関係を成し、前端面62fと後端面62bとを、翼体51の腹側面55pに近い側でつなぐ腹側端面63pと、キャビティ69から後端面62bに貫通し、背側端面63nと腹側端面63pとが並ぶ側方向に並んでいる複数の後端通路76と、を有し、結合具Btは、第一静翼46aAの背側端面63nと第二静翼46aBの腹側端面63pとが接触している状態を維持可能に、第一静翼46aAと第二静翼46aBとを結合し、第一静翼46aAの複数の後端通路76のうち、最も背側Dcnの後端通路76である背側後端通路76nは、下流側Dadに向かうに連れて次第に、第一静翼46aAの背側端面63nに近づくよう、第一静翼46aAの背側端面63nに対して傾斜しており、第二静翼46aBの複数の後端通路76のうち、最も腹側Dcpの後端通路76である腹側後端通路76pは、下流側Dadに向かうに連れて次第に第二静翼46aBの腹側端面63pに近づくよう、第二静翼46aBの腹側端面63pに対して傾斜している。
【0050】
このタービン静翼組品46Asでは、背側後端通路76n及び腹側後端通路76pによって、キャビティ69から、第一静翼46aAと第二静翼46aBとが接触している第二静翼46aBの腹側端面63pに近い側、及び第一静翼46aAの背側端面63nに近い側で、且つキャビティ69よりも下流側Dadの部分に、冷却空気Acを供給できるため、当該部分の冷却効果を向上できる。また、背側後端通路76n及び腹側後端通路76pは、キャビティ69の下流側Dadから冷却空気Acを供給するので、腹側後端通路76pと背側後端通路76nとを短く形成できる。そのため、第一静翼46aAと第二静翼46aBとが接触している第二静翼46aBの腹側端面63pに近い側、及び第一静翼46aAの背側端面63nに近い側で、且つキャビティ69よりも下流側Dadの部分に冷却空気Acが到達する前に冷却空気Acが温度上昇することを抑制できる。したがって、冷却空気Acの使用量が増加することを抑制して、効率よく冷却効果を強化することが可能となる。
【0051】
(2)第2の態様に係るタービン静翼組品46Asは、(1)のタービン静翼組品46Asであって、側方向Dcにおける第一静翼46aAの背側端面63nから背側後端通路76nの下流側Dadの開口までの長さ寸法は、前記側方向Dcにおける前記第一静翼46aAの背側端面63nから前記第一静翼46aAのキャビティ69までの長さ寸法より短く、側方向Dcにおける第二静翼46aBの腹側端面63pから腹側後端通路76pの下流側Dadの開口までの長さ寸法は、側方向Dcにおける第二静翼46aBの腹側端面63pから第二静翼46aBのキャビティ69までの長さ寸法より短い。
【0052】
このタービン静翼組品46Asでは、腹側後端通路76pと背側後端通路76nとを、より隅部C1,C2の近くに形成できる。したがって、冷却空気Acの使用量が増加することを更に抑制し、冷却効果の強化の効率をより一層向上することが可能となる。
【0053】
(3)第3の態様に係るタービン静翼組品46Asは、(1)又は(2)の静翼組品46Asであって、第一静翼46aAにおける複数の後端通路76のうち、背側後端通路76nを除く複数の後端通路76mは、互に平行であり、第二静翼46aBにおける複数の後端通路76のうち、腹側後端通路76pを除く複数の後端通路76mは、互に平行である。
背側後端通路76nを除く複数の後端通路76mや、腹側後端通路76pを除く複数の後端通路76mの例としては、主後端通路76mを例示できる。
【0054】
(4)第4の態様に係るタービン静翼組品46Asは、(1)から(3)の何れか一つのタービン静翼組品46Asであって、結合具Btは、ボルトBとナットNとを有する。
【0055】
(5)第5の態様に係るタービン静翼組品46Asは、(1)から(4)の何れか一つのタービン静翼組品46Asであって、第一静翼46aA及び第二静翼46aBは、いずれも、複数の空気孔68が形成され、内面64aに対してガスパス面64の側である流路側Driと反流路側Droとに、キャビティ69を仕切る衝突板67を備える。
【0056】
(6)第6の態様に係るガスタービン10は、(1)から(5)の何れか一つのタービン静翼組品46Asと、軸線Arを中心として回転可能なロータ41と、ロータ41の外周側Droを覆うケーシング45と、燃料の燃焼により燃焼ガスGを生成し、ケーシング45内に燃焼ガスGを送る燃焼器30と、を備え、複数のタービン静翼組品46Asは、ケーシング45の内周側Driに取り付けられている。
このガスタービン10によれば、タービン静翼組品46Asのシュラウド60oに生じる熱応力を緩和して、信頼性及び商品性を向上することが可能となる。
【符号の説明】
【0057】
10 ガスタービン
11 ガスタービンロータ
15 ガスタービン車室
20 圧縮機
21 圧縮機ロータ
22 ロータ軸
23 動翼段
23a 複数の動翼
25 圧縮機車室
26 静翼段
26a 静翼
30 燃焼器
40 タービン
41 タービンロータ(ロータ)
42 ロータ軸
43 動翼段
43a 動翼
45 タービン車室(ケーシング)
45a 外側車室
45b 内側車室
45c 分割環
45p 冷却空気通路
46 静翼段
46a 静翼(ガスタービン静翼)
46aA 第一静翼
46aB 第二静翼
46As 静翼組品(タービン静翼組品)
49 燃焼ガス流路
51 翼体
52 前縁部
53 後縁部
55n 背側面
55p 腹側面
60i 内側シュラウド
60o 外側シュラウド(シュラウド)
61 外側シュラウド本体(シュラウド本体)
62b 後端面
62f 前端面
63n 背側端面
63p 腹側端面
64 ガスパス面
64a 内面
65 周壁
65a 内壁面
65b 後周壁
65f 前周壁
65Fn 背側フランジ部
65Fp 腹側フランジ部
65n 背側周壁(側周壁)
65p 腹側周壁(側周壁)
66 凹部
67 衝突板
68 空気孔
69 キャビティ
71 翼空気通路
76 後端通路
76m 主後端通路
76n 背側後端通路
76no 開口
76p 腹側後端通路
76po 開口
A 空気
aB 及び第二静翼
Ac 冷却空気
Ar 軸線
B ボルト
Bt 結合具
F 燃料
G 燃焼ガス
GEN 発電機
N ナット
Si シール
【要約】      (修正有)
【課題】効率よく冷却効果を強化できるタービン静翼を提供する。
【解決手段】第一静翼46aA及び第二静翼46aBの外側シュラウド60oは、キャビティ69からシュラウド本体61の後端面62bに貫通し、背側端面63nと腹側端面63pとが並ぶ側方向に並ぶ複数の後端通路76を有している。第一静翼46aAの後端通路76のうち、最も周方向背側の後端通路76である背側後端通路76nは、軸線下流側に向かうに連れて次第に、第一静翼46aAの背側端面63nに近づくように、第一静翼46aAの背側端面63nに対して傾斜している。さらに、第二静翼46aBの後端通路76のうち、最も周方向腹側の後端通路76である腹側後端通路76pは、軸線下流側に向かうに連れて次第に、第二静翼46aBの腹側端面63pに近づくように、第二静翼46aBの腹側端面63pに対して傾斜している。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5