(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6763752
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】溶接用トーチ及びワイヤー狙いガイド
(51)【国際特許分類】
B23K 9/29 20060101AFI20200917BHJP
【FI】
B23K9/29 D
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-222287(P2016-222287)
(22)【出願日】2016年11月15日
(65)【公開番号】特開2018-79486(P2018-79486A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2019年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231235
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 勝則
【審査官】
岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/145430(WO,A1)
【文献】
国際公開第2015/163346(WO,A1)
【文献】
特開2013−039623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被溶接物との間でアークを発生させる非消耗電極と、
前記非消耗電極を内側に挿入した状態で支持するコレットと、
前記非消耗電極を先端側から突出させた状態で前記コレットを内側に保持するコレットボディと、
前記コレットボディが取り付けられるトーチボディと、
前記非消耗電極の周囲を囲んだ状態で前記コレットボディに取り付けられると共に、前記アークによって生じた被溶接物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズルと、
前記トーチボディと前記トーチノズルとの間に配置されるインシュレータと、
前記インシュレータに取り付けられると共に、前記被溶接物の溶融池に向かって溶接ワイヤーを送給するワイヤー狙いガイドとを備え、
前記インシュレータは、一対の絶縁リングに分割され、
前記ワイヤー狙いガイドは、前記一対の絶縁リングとの間に支持具が挟み込まれた状態で、前記インシュレータに前記支持具を介して取り付けられた送給ヘッドの先端部から前記被溶接物の溶融池に向かって溶接ワイヤーを送給することを特徴とする溶接用トーチ。
【請求項2】
前記支持具は、前記インシュレータに保持されるリング部と、前記リング部から前方に向かって延長されたアーム部とを有し、
前記送給ヘッドは、前記アーム部の先端側に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の溶接用トーチ。
【請求項3】
前記送給ヘッドは、前記支持具に対する前後方向の位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接用トーチ。
【請求項4】
前記送給ヘッドは、前記支持具に対する軸回りの位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の溶接用トーチ。
【請求項5】
前記送給ヘッドは、軸線方向に延長された直線ノズルと、その先端側が非消耗電極の先端側に向かって湾曲した湾曲ノズルとを有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の溶接用トーチ。
【請求項6】
前記湾曲ノズルは、前記直線ノズルに対する前後方向の位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の溶接用トーチ。
【請求項7】
前記湾曲ノズルは、前記直線ノズルに対する軸回りの位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の溶接用トーチ。
【請求項8】
前記トーチボディが取り付けられると共に、使用者が把持するトーチグリップを備え、
前記ワイヤー狙いガイドは、前記送給ヘッドの先端部に向かって溶接ワイヤーを送給するライナーを有し、
前記ライナーは、前記送給ヘッドの基端部から前記トーチグリップに向けて湾曲された形状を有することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の溶接用トーチ。
【請求項9】
前記ライナーを保持するライナーグリップを備え、
前記ライナーグリップが、前記ライナーグリップの内側に前記ライナーを挿入した状態で前記トーチグリップに取り付けられていることを特徴とする請求項8に記載の溶接用トーチ。
【請求項10】
被溶接物との間でアークを発生させる非消耗電極と、
前記非消耗電極を内側に挿入した状態で支持するコレットと、
前記非消耗電極を先端側から突出させた状態で前記コレットを内側に保持するコレットボディと、
前記コレットボディが取り付けられるトーチボディと、
前記非消耗電極の周囲を囲んだ状態で前記コレットボディに取り付けられると共に、前記アークによって生じた被溶接物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズルと、
前記トーチボディと前記トーチノズルとの間に配置されるインシュレータとを備える溶接用トーチに取り付けられて、前記被溶接物の溶融池に向かって溶接ワイヤーを送給するワイヤー狙いガイドであって、
前記インシュレータは、一対の絶縁リングに分割され、
前記一対の絶縁リングとの間に支持具が挟み込まれた状態で、前記インシュレータに前記支持具を介して取り付けられた送給ヘッドの先端部から前記被溶接物の溶融池に向かって溶接ワイヤーを送給することを特徴とするワイヤー狙いガイド。
【請求項11】
前記支持具は、前記インシュレータに保持されるリング部と、前記リング部から前方に向かって延長されたアーム部とを有し、
前記送給ヘッドは、前記アーム部の先端側に取り付けられていることを特徴とする請求項10に記載のワイヤー狙いガイド。
【請求項12】
前記送給ヘッドは、前記支持具に対する前後方向の位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする請求項10又は11に記載のワイヤー狙いガイド。
【請求項13】
前記送給ヘッドは、前記支持具に対する軸回りの位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする請求項10〜12の何れか一項に記載のワイヤー狙いガイド。
【請求項14】
前記送給ヘッドは、軸線方向に延長された直線ノズルと、その先端側が非消耗電極の先端側に向かって湾曲した湾曲ノズルとを有することを特徴とする請求項10〜13の何れか一項に記載のワイヤー狙いガイド。
【請求項15】
前記湾曲ノズルは、前記直線ノズルに対する前後方向の位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする請求項14に記載のワイヤー狙いガイド。
【請求項16】
前記湾曲ノズルは、前記直線ノズルに対する軸回りの位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする請求項14又は15に記載のワイヤー狙いガイド。
【請求項17】
前記溶接用トーチは、前記トーチボディが取り付けられると共に、使用者が把持するトーチグリップを備え、
前記ワイヤー狙いガイドは、前記送給ヘッドの先端部に向かって溶接ワイヤーを送給するライナーを有し、
前記ライナーは、前記送給ヘッドの基端部から前記トーチグリップに向けて湾曲された形状を有することを特徴とする請求項10〜16の何れか一項に記載のワイヤー狙いガイド。
【請求項18】
前記ライナーを保持するライナーグリップを備え、
前記ライナーグリップが、前記ライナーグリップの内側に前記ライナーを挿入した状態で前記トーチグリップに取り付けられていることを特徴とする請求項17に記載のワイヤー狙いガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接用トーチ及びワイヤー狙いガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、金属や非鉄金属などを母材として用いた構造物(被溶接物)の溶接には、従来よりTIG溶接(Tungsten Inert Gas welding)等のGTAW(Gas Tungsten Arc welding)と呼ばれる非消耗電極式のガスシールドアーク溶接が用いられている。
【0003】
TIG溶接では、一般にTIG溶接用トーチを使用し、非消耗電極と被溶接物との間でアークを発生させて、このアークの熱により被溶接物を溶かして溶融池(プール)を形成しながら溶接が行われる。また、溶接中は非消耗電極の周囲を囲むトーチノズルからシールドガスを放出し、このシールドガスで大気(空気)を遮断しながら溶接が行われる。
【0004】
ここで、
図8(A),(B)に示すように、従来より使用されている汎用のTIG溶接用トーチ100の一例について説明する。なお、
図8(A)は、TIG溶接用トーチ100の一例を示す側面図であり、
図8(B)は、
図8(A)に示すTIG溶接用トーチ100の要部断面図である。
【0005】
TIG溶接用トーチ100は、
図8(A),(B)に示すように、被溶接物との間でアークを発生させる非消耗電極101と、非消耗電極101を内側に挿入した状態で支持するコレット102と、非消耗電極101を先端側から突出させた状態でコレット102を内側に保持するコレットボディ103と、コレットボディ103が取り付けられるトーチボディ104と、非消耗電極101の周囲を囲んだ状態でコレットボディ103に取り付けられると共に、アークによって生じた被溶接物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズル105と、トーチボディ104とトーチノズル105との間に配置される前側インシュレータ106と、トーチボディ104との間に後側インシュレータ107を配置した状態で取り付けられるトーチキャップ108と、トーチボディ104が取り付けられると共に、使用者が把持するトーチグリップ109とを概略備えている。
【0006】
以上のようなTIG溶接用トーチ100では、溶接ケーブルCを接続し、溶接ケーブルCを介して供給されるシールドガスをトーチノズル105から放出すると共に、溶接ケーブルCを介して供給される電力によって非消耗電極101と被溶接物との間でアークを発生させながら、このTIG溶接用トーチ100を用いて溶接を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2015/163346号
【特許文献2】国際公開第2013/145430号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述したTIG溶接では、溶加材(溶加棒)の供給を手動で行いながら、TIG溶接用トーチ100を用いて溶接が行われる。この場合、使用者が左右の手で溶加材の供給とTIG溶接用トーチ100の操作を同時に行わなければならず、そのための熟練技術が必要となる。
【0009】
一方、上述したTIG溶接用トーチ100にワイヤー狙いガイド(フィラーガイドとも言う。)を取り付けることによって、溶加材である溶接ワイヤー(フィラーとも言う。)の送給を自動で行いながら、半自動のTIG溶接を行うことも可能である(特許文献1,2を参照。)。この場合、溶加材の供給が容易となる一方で、TIG溶接用トーチ100に取り付けられたワイヤー狙いガイドによって、このTIG溶接用トーチ100の操作性が悪くなることがあった。
【0010】
具体的に、上述した汎用のTIG溶接用トーチ100にワイヤー狙いガイドを取り付けて半自動のTIG溶接を行った場合には、このワイヤー狙いガイドを取り付けたトーチ周りが大きくなり、使い勝手が非常に悪くなる。
【0011】
また、ワイヤー狙いガイドは、トーチノズル105の外周部付近に取付治具を介して取り付けられるため、アークによる熱の影響を受け易い。また、作業中にワイヤー狙いガイドが動いてしまい、溶接ワイヤーの送給位置が定まらなくなるといった問題が生じてしまう。さらに、取付治具は、汎用性がないため、製造メーカの異なるTIG溶接用トーチの間で取付治具を共有して使用することは不可能である。
【0012】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、ワイヤー狙いガイドの小型化を図りつつ、使い勝手の更なる向上を可能とした溶接用トーチ及びワイヤー狙いガイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
(1) 被溶接物との間でアークを発生させる非消耗電極と、
前記非消耗電極を内側に挿入した状態で支持するコレットと、
前記非消耗電極を先端側から突出させた状態で前記コレットを内側に保持するコレットボディと、
前記コレットボディが取り付けられるトーチボディと、
前記非消耗電極の周囲を囲んだ状態で前記コレットボディに取り付けられると共に、前記アークによって生じた被溶接物の溶融池に向かっ
てシールドガスを放出するトーチノズルと、
前記トーチボディと前記トーチノズルとの間に配置されるインシュレータと、
前記インシュレータに取り付けられると共に、前記被溶接物の溶融池に向かって溶接ワイヤーを送給するワイヤー狙いガイドとを備え、
前記インシュレータは、一対の絶縁リングに分割され、
前記ワイヤー狙いガイドは、前記一対の絶縁リングとの間に支持具が挟み込まれた状態で、前記インシュレータに前記支持具を介して取り付けられた送給ヘッドの先端部から前記被溶接物の溶融池に向かって溶接ワイヤーを送給することを特徴とする溶接用トーチ。
(2) 前記支持具は、前記インシュレータに保持されるリング部と、前記リング部から前方に向かって延長されたアーム部とを有し、
前記送給ヘッドは、前記アーム部の先端側に取り付けられていることを特徴とする前記(1)に記載の溶接用トーチ。
(3) 前記送給ヘッドは、前記支持具に対する前後方向の位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の溶接用トーチ。
(4) 前記送給ヘッドは、前記支持具に対する軸回りの位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする前記(1)〜(3)の何れか一項に記載の溶接用トーチ。
(5) 前記送給ヘッドは、軸線方向に延長された直線ノズルと、その先端側が非消耗電極の先端側に向かって湾曲した湾曲ノズルとを有することを特徴とする前記(1)〜(4)の何れか一項に記載の溶接用トーチ。
(6) 前記湾曲ノズルは、前記直線ノズルに対する前後方向の位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする前記(5)に記載の溶接用トーチ。
(7) 前記湾曲ノズルは、前記直線ノズルに対する軸回りの位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする前記(5)又は(6)に記載の溶接用トーチ。
(8) 前記トーチボディが取り付けられると共に、使用者が把持するトーチグリップを備え、
前記ワイヤー狙いガイドは、前記送給ヘッドの先端部に向かって溶接ワイヤーを送給するライナーを有し、
前記ライナーは、前記送給ヘッドの基端部から前記トーチグリップに向けて湾曲された形状を有することを特徴とする前記(1)〜(7)の何れか一項に記載の溶接用トーチ。
(9) 前記ライナーを保持するライナーグリップを備え、
前記ライナーグリップが、前記ライナーグリップの内側に前記ライナーを挿入した状態で前記トーチグリップに取り付けられていることを特徴とする前記(8)に記載の溶接用トーチ。
(10) 被溶接物との間でアークを発生させる非消耗電極と、
前記非消耗電極を内側に挿入した状態で支持するコレットと、
前記非消耗電極を先端側から突出させた状態で前記コレットを内側に保持するコレットボディと、
前記コレットボディが取り付けられるトーチボディと、
前記非消耗電極の周囲を囲んだ状態で前記コレットボディに取り付けられると共に、前記アークによって生じた被溶接物の溶融池に向かっ
てシールドガスを放出するトーチノズルと、
前記トーチボディと前記トーチノズルとの間に配置されるインシュレータとを備える溶接用トーチに取り付けられて、前記被溶接物の溶融池に向かって溶接ワイヤーを送給するワイヤー狙いガイドであって、
前記インシュレータは、一対の絶縁リングに分割され、
前記一対の絶縁リングとの間に支持具が挟み込まれた状態で、前記インシュレータに前記支持具を介して取り付けられた送給ヘッドの先端部から前記被溶接物の溶融池に向かって溶接ワイヤーを送給することを特徴とするワイヤー狙いガイド。
(11) 前記支持具は、前記インシュレータに保持されるリング部と、前記リング部から前方に向かって延長されたアーム部とを有し、
前記送給ヘッドは、前記アーム部の先端側に取り付けられていることを特徴とする前記(10)に記載のワイヤー狙いガイド。
(12) 前記送給ヘッドは、前記支持具に対する前後方向の位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする前記(10)又は(11)に記載のワイヤー狙いガイド。
(13) 前記送給ヘッドは、前記支持具に対する軸回りの位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする前記(10)〜(12)の何れか一項に記載のワイヤー狙いガイド。
(14) 前記送給ヘッドは、軸線方向に延長された直線ノズルと、その先端側が非消耗電極の先端側に向かって湾曲した湾曲ノズルとを有することを特徴とする前記(10)〜(13)の何れか一項に記載のワイヤー狙いガイド。
(15) 前記湾曲ノズルは、前記直線ノズルに対する前後方向の位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする前記(14)に記載のワイヤー狙いガイド。
(16) 前記湾曲ノズルは、前記直線ノズルに対する軸回りの位置を調整自在に取り付けられていることを特徴とする前記(14)又は(15)に記載のワイヤー狙いガイド。
(17) 前記溶接用トーチは、前記トーチボディが取り付けられると共に、使用者が把持するトーチグリップを備え、
前記ワイヤー狙いガイドは、前記送給ヘッドの先端部に向かって溶接ワイヤーを送給するライナーを有し、
前記ライナーは、前記送給ヘッドの基端部から前記トーチグリップに向けて湾曲された形状を有することを特徴とする前記(10)〜(16)の何れか一項に記載のワイヤー狙いガイド。
(18) 前記ライナーを保持するライナーグリップを備え、
前記ライナーグリップが、前記ライナーグリップの内側に前記ライナーを挿入した状態で前記トーチグリップに取り付けられていることを特徴とする前記(17)に記載のワイヤー狙いガイド。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、ワイヤー狙いガイドの小型化を図りつつ、使い勝手の更なる向上を可能とした溶接用トーチ及びワイヤー狙いガイドを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係るワイヤー狙いガイドが取り付けられた溶接用トーチの構成を示す側面図である。
【
図2】
図1に示すワイヤー狙いガイドが取り付けられた溶接用トーチの構成を示す分解側面図である。
【
図3】
図1に示すワイヤー狙いガイドの構成を示し、(A)はその側面図、(B)はその分解側面図、(C)はその正面図である。
【
図4】
図1に示すワイヤー狙いガイドの送給ヘッドを前後方向にスライドさせた状態を示し、(A)はその後方側にスライドさせた状態を示す側面図、(B)はその前方側にスライドさせた状態を示す側面図である。
【
図5】
図1に示すワイヤー狙いガイドの送給ヘッドを軸回りに回動させた状態を示し、(A)は送給ヘッドの先端部から送給された溶接ワイヤーと非消耗電極との位置がずれた状態を示す正面図、(B)は送給ヘッドの先端部から送給された溶接ワイヤーと非消耗電極との位置が一致した状態を示す正面図である。
【
図6】ワイヤー狙いガイドの別の構成例を示し、(A)はその側面図、(B)はその分解側面図、(C)はその要部断面図である。
【
図7】
図6に示すワイヤー狙いガイドの送給ヘッドを前後方向にスライドさせた状態を示し、(A)はその後方側にスライドさせた状態を示す側面図、(B)はその前方側にスライドさせた状態を示す側面図である。
【
図8】従来のTIG溶接用トーチの一例を示し、(A)はその側面図、(B)はその要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を適用した溶接用トーチ及びワイヤー狙いガイドについて、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態として、例えば
図1及び
図2に示すワイヤー狙いガイド50が取り付けられた溶接用トーチ1について説明する。なお、
図1は、ワイヤー狙いガイド50が取り付けられた溶接用トーチ1の構成を示す側面図である。
図2は、ワイヤー狙いガイド50が取り付けられた溶接用トーチ1の構成を示す分解側面図である。
【0017】
本実施形態の溶接用トーチ1は、
図1及び
図2に示すように、被溶接物との間でアークを発生させる非消耗電極2と、非消耗電極2を内側に挿入した状態で支持するコレット3と、非消耗電極2を先端側から突出させた状態でコレット3を内側に保持するコレットボディ4と、コレットボディ4が取り付けられるトーチボディ5と、非消耗電極2の周囲を囲んだ状態でコレットボディ4に取り付けられると共に、アークによって生じた被溶接物の溶融池に向かってシールドガスを放出するトーチノズル6と、トーチボディ5とトーチノズル6との間に配置される前側インシュレータ7と、トーチボディ5との間に後側インシュレータ8を配置した状態で取り付けられるトーチキャップ9と、トーチボディ5が取り付けられると共に、使用者が把持するトーチグリップ10と、この溶接用トーチ1の作動のオン/オフ(ON/OFF)を切り替えるトーチスイッチ11とを備えている。
【0018】
溶接用トーチ1は、図示を省略する溶接ケーブルを介して溶接電源装置と接続されている。そして、この溶接ケーブルを介して溶接電源装置から溶接用トーチ1へと電力及びシールドガスを供給することが可能となっている。なお、シールドガスについては、例えばアルゴン(Ar)やヘリウム(He)といった不活性ガス等を挙げることができる。
【0019】
なお、本実施形態の溶接用トーチ1では、上述したトーチノズル6からシールドガスを放出する一重ノズル構造となっているが、このような構造に必ずしも限定されるものではない。例えば、シールドガスとして、内側のトーチノズル(インナーノズル)から不活性ガスを放出すると共に、それよりも外側のトーチノズル(アウターノズル)から酸化性ガスを放出するといった二重ノズル構造とすることも可能である。また、内側のトーチノズル(インナーノズル)や外側のトーチノズル(アウターノズル)に導入するシールドガスとして、例えば、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、窒素(N
2)、水素(H
2)などの単体ガス又はこれらの中から選択される2種類以上の混合ガスを使用することが可能である。
【0020】
また、本実施形態の溶接用トーチ1については、空冷式を採用した構成を例示しているが、水冷式を採用することも可能である。水冷式を採用した場合は、溶接電源装置に接続された冷却装置によって溶接用トーチ内を流れる冷却液を循環させることで、溶接用トーチを強制的に冷却することが可能である。
【0021】
本実施形態の溶接用トーチ1は、上記
図8(a),(b)に示す汎用のTIG溶接用トーチ100に、被溶接物の溶融池に向かって溶接ワイヤーを送給する本実施形態のワイヤー狙いガイド50が取り付けられた構成である。
【0022】
具体的に、この溶接用トーチ1は、前側インシュレータ7にワイヤー狙いガイド50を取り付けるため、上記前側インシュレータ106の代わりに、一対の絶縁リング7a,7bに分割された前側インシュレータ7を備えている。すなわち、この溶接用トーチ1は、上記汎用のTIG溶接用トーチ100が備える前側インシュレータ106を前側インシュレータ7(絶縁リング7a,7b)と交換し、この前側インシュレータ7にワイヤー狙いガイド50が取り付けられた構成となっている。
【0023】
これにより、新たにTIG溶接用トーチを用意するといった必要がなく、本実施形態の溶接用トーチ1をより安価に提供することが可能である。また、本実施形態のワイヤー狙いガイド50は、製造メーカの異なるTIG溶接用トーチの間で共有して使用することが可能である。
【0024】
なお、前側インシュレータ7(絶縁リング7a,7b)には、高温状態のトーチノズル6からトーチボディ5及びトーチグリップ10への伝熱を低減するため、樹脂又はセラミック製の絶縁部材が用いられている。
【0025】
本実施形態のワイヤー狙いガイド50は、この前側インシュレータ7に支持具51を介して取り付けられた送給ヘッド52の先端部から被溶接物の溶融池に向かって溶接ワイヤーを送給する。
【0026】
具体的に、このワイヤー狙いガイド50の構成について、
図3(A)〜(C)を参照して説明する。なお、
図3は、ワイヤー狙いガイド50の構成を示し、(A)はその側面図、(B)はその分解側面図、(C)はその正面図である。
【0027】
支持具51は、
図3(A)〜(C)に示すように、前側インシュレータ7に保持されるリング部51aと、このリング部51aの外周部から突出し、前方に向かって延長されたアーム部51bとを有している。なお、支持具51には、コレット3やコレットボディ4よりも熱伝導率が低い導電性金属材料、例えば軟鋼やステンレス鋼などの鋼材又は真鍮等が用いられている。
【0028】
支持具51は、一対の絶縁リング7a,7bとの間にリング部51aが挟み込まれた状態で、これら絶縁リング7a,7b及びリング部51aを貫通するコレットボディ4にトーチノズル6を取り付けることによって、トーチボディ5とトーチノズル6との間に挟み込まれた前側インシュレータ7により保持されている。また、絶縁リング7a,7bの突き合わせ部分には、溝部7c,7dが設けられ、この溝部7c,7dが形成された突き合わせ部分をリング部51aの内側に嵌め込む構成となっている。これにより、ワイヤー狙いガイド50を安定した状態で取り付けることができる。
【0029】
なお、絶縁リング7a,7bの形状、その突き合わせ部分の形状、又はその溝部7c,7dの形状については、必ずしも上記実施形態の形状に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0030】
本実施形態のワイヤー狙いガイド50では、このような構成によって溶接用トーチ1に対する脱着が容易となっており、保護用グローブを装着したままでも、トーチノズル6を脱着するだけで、ワイヤー狙いガイド50の取り付け又は取り外し作業が行えるようになっている。
【0031】
さらに、リング部51aの絶縁リング7a,7bと接触する面には、回り止めとなるローレット(凹凸)加工や溝加工などを施してもよい。同様に、絶縁リング7a,7bのリング部51aと接触する面に、回り止めとなるローレット(凹凸)加工や溝加工などを施してもよい。
【0032】
この場合、溶接作業中に何らかの原因でトーチノズル6が緩んだとしても、ワイヤー狙いガイド50が周方向に回転することを抑制することが可能である。また、溶接作業中にワイヤー狙いガイド50が動いて、溶接ワイヤーWの送給位置が定まらなくなるといった問題の発生を防ぐことができる。
【0033】
送給ヘッド52は、アーム部51bの先端側に設けられた取付部51cを介して取り付けられている。取付部51cは、送給ヘッド52が挿入される孔部51dと、孔部51dの一部が開放され、この開放部分の両端部に一対のフランジ部51eとを有している。一対のフランジ部51eには、ネジ孔(図示せず。)が形成されている。
【0034】
取付部51cは、このネジ孔に締結ネジ53を締結することによって、孔部51dを縮径する方向に一対のフランジ部51eを弾性変形させながら、孔部51dに挿入された送給ヘッド52を固定することが可能となっている。一方、取付部51cは、締結ネジ53による締結状態を解除することによって、送給ヘッド52を取り外すことも可能である。
【0035】
送給ヘッド52は、軸線方向に延長された直線ノズル52aと、その先端側が非消耗電極2の先端側に向かって湾曲した湾曲ノズル52bとを有している。直線ノズル52aは、取付部51cの孔部51dに挿入された状態で取り付けられている。湾曲ノズル52bは、直線ノズル52aの先端側から挿入された状態で取り付けられている。なお、直線ノズル52a及び湾曲ノズル52bには、例えば銅又は銅合金などの電気伝導性及び熱伝導性に優れた金属材料が用いられている。
【0036】
直線ノズル52aに対する湾曲ノズル52bの取付方法については、直線ノズル52aに対して湾曲ノズル52bを螺合により取り付ける方法や、直線ノズル52aに対して湾曲ノズル52bを嵌入により取り付ける方法などを用いることができる。また、送給ヘッド52は、直線ノズル52aの先端が湾曲ノズル52bの基端側に挿入された状態で取り付けられた構成であってもよい。
【0037】
なお、送給ヘッド52は、上述した直線ノズル52aと湾曲ノズル52bとに分割された構成に限らず、これら直線ノズル52a及び湾曲ノズル52bが一体に形成された構成としてもよい。
【0038】
ここで、溶接ワイヤーWは、送給ヘッド52の内部を通過するときの角度及び曲率、その材質等によって、大きく影響を受けることになる。具体的に、この溶接ワイヤーWが送給ヘッド52の内部を通過するときの抵抗を低減するためには、湾曲ノズル52bの湾曲した角度範囲Aを10〜70°(より好ましくは20〜55°)、湾曲ノズル52bの曲率半径Bを20〜80mm(より好ましくは30〜55mm)、直線ノズル52aの非消耗電極2の軸線方向に対する傾斜角度Cを5〜40°(より好ましくは5〜30°)とすることが好ましい。
【0039】
ワイヤー狙いガイド50では、
図4(A),(B)に示すように、取付部51c(支持具51)に直線ノズル52a(送給ヘッド52)を固定する前に、直線ノズル52a(送給ヘッド52)を前後方向にスライドさせることによって、湾曲ノズル52b(送給ヘッド52)の先端部から送り出される溶接ワイヤーWの先端から溶融池までの距離を任意に調整することが可能である。なお、
図4(A)は、送給ヘッド52を支持具51に対して後方側にスライドさせた状態を示し、
図4(B)は、送給ヘッド52を支持具51に対して前方側にスライドさせた状態を示している。
【0040】
また、ワイヤー狙いガイド50では、
図5(A),(B)に示すように、取付部51c(支持具51)に直線ノズル52a(送給ヘッド52)を固定する前に、直線ノズル52a(送給ヘッド52)を軸回りに回動させることによって、湾曲ノズル52b(送給ヘッド52)の先端部から送り出される溶接ワイヤーWの位置を任意に調整することが可能である。なお、
図5(A)は、送給ヘッド52の先端部から送給された溶接ワイヤーWと非消耗電極2との位置がずれた状態を示し、
図5(B)は、送給ヘッド52の先端部から送給された溶接ワイヤーWと非消耗電極2との位置が一致した状態を示している。
【0041】
なお、本実施形態の溶接用トーチ1では、上述したワイヤー狙いガイド50がトーチノズル6の上方に配置され、トーチノズル6の上方から前方のトーチノズル6の先端に向けて溶接ワイヤーWを送給する構成となっているが、前側インシュレータ7に支持具51を固定する前に、支持具51の前側インシュレータ7に対する軸回りの位置を切り替えることも可能である。この場合、支持具51の前側インシュレータ7に対する軸回りの位置を切り替えることによって、ワイヤー狙いガイド50による溶接ワイヤーWの送給位置を任意に変更することも可能である。
【0042】
本実施形態のワイヤー狙いガイド50は、
図1及び
図2に示すように、送給ヘッド52の先端部に向かって溶接ワイヤーWを送給するライナー54を有している。ライナー54は、送給ヘッド52の基端部からトーチグリップ10に向けて湾曲された形状を有している。ライナー54は、ワイヤー送給装置(図示せず。)と接続されており、このワイヤー送給装置によって溶接用トーチ1に溶接ワイヤーWを自動で送給することが可能となっている。
【0043】
本実施形態の溶接用トーチ1は、ライナー54を保持するライナーグリップ12を備えている。ライナーグリップ12は、その内側にライナー54を挿入した状態で、トーチグリップ10に取り付けられている。これにより、ライナー54をトーチグリップ10に沿って配置できるため、溶接作業中にライナー54が膨らんで邪魔になることを防ぐことが可能である。
【0044】
なお、トーチグリップ10に対するライナーグリップ12の取付方法については、特に限定されるものではなく、例えば、結束バンドや、マジックテープ
(登録商標)、ビニールテープなどを用いて、トーチスイッチ11と共にライナーグリップ12に取り付けることが可能である。また、ライナーグリップ12を用いずに、ライナー54をトーチグリップ10に直接取り付けてもよい。
【0045】
以上のような構成を有する溶接用トーチ1を用いて溶接を行う際は、被溶接物と非消耗電極2との間でアークを発生させて、このアークの熱により被溶接物を溶かして溶融池(プール)を形成する。そして、溶接中は、非消耗電極2の周囲を囲むトーチノズル6からシールドガスを放出し、このシールドガスで大気(空気)を遮断する。さらに、溶接中は、被溶接物の溶融池に向かって溶接ワイヤーWを自動で送給し、アーク中で溶接ワイヤーWを溶融させながら溶接が行われる。この場合、溶接ワイヤーWが自動で送給されるため、溶接用トーチ1を片手で操作することができ、安定且つ容易に溶接作業を行うことが可能である。
【0046】
上述したように、本実施形態の溶接用トーチ1は、上記汎用のTIG溶接用トーチ100が備える前側インシュレータ106を前側インシュレータ7と交換し、この前側インシュレータ7にワイヤー狙いガイド50が取り付けられた構成となっている。また、本実施形態のワイヤー狙いガイド50は、前側インシュレータ7に支持具51を介して取り付けられた送給ヘッド52の先端部から被溶接物の溶融池に向かって溶接ワイヤーWを送給する構成となっている。
【0047】
一般に、溶接ワイヤーWとしては、フラックス入りワイヤーとソリッドワイヤーが用いられる。ワイヤーの金属組成にも大きく影響を受けるが、どちらのワイヤーも硬度が高いため、小さく折り畳むことができない。したがって、どちらの溶接ワイヤーも大きく撓んだ状態で使用する必要がある。
【0048】
これに対して、本実施形態のワイヤー狙いガイド50では、前側インシュレータ7に支持具51を介して送給ヘッド52が取り付けられた構成のため、この送給ヘッド52をトーチノズル6の先端に近づけて配置することができる。一方、ライナー54については、送給ヘッド52の基端部からトーチグリップ10に向けて湾曲させたときの曲率を緩やかにすることができる。
【0049】
これにより、ライナー54から送給ヘッド52の先端部に向けて送給される溶接ワイヤーWの撓みを緩やかなものとしながら、このワイヤー狙いガイド50をコンパクトに設計することが可能である。
【0050】
したがって、本実施形態の溶接用トーチ1では、このような小型化されたワイヤー狙いガイド50を取り付けることによって、狭小部における溶接作業の際に、ワイヤー狙いガイド50が被溶接物と干渉することを最小限に抑えることが可能である。
【0051】
以上のように、本実施形態の溶接用トーチ1では、ワイヤー狙いガイド50の小型化を図りつつ、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0052】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
具体的に、上記ワイヤー狙いガイド50については、上述した構成に必ずしも限定されることなく、例えばアーム部51bに対して取付部51cがヒンジ部(図示せず。)を介して回動自在に支持された構成としてもよい。この構成の場合、アーム部51bに対して取付部51cを取り付ける角度を変更することによって、送給ヘッド52の傾き角を任意に調整することが可能である。
【0053】
また、上記ワイヤー狙いガイド50については、例えば
図6(A)〜(C)に示すワイヤー狙いガイド50Aのような構成としてもよい。なお、
図6は、ワイヤー狙いガイド50Aの構成を示し、(A)はその側面図、(B)はその分解側面図、(C)はその要部断面図である。また、以下の説明では、上記ワイヤー狙いガイド50と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0054】
ワイヤー狙いガイド50Aは、上記支持具51の代わりに、支持具51Aを備えた構成である。それ以外は、上記ワイヤー狙いガイド50と基本的に同じ構成を有している。
【0055】
具体的に、この支持具51Aは、上記取付部51cの代わりに、取付部51fを有している。取付部51fは、直線ノズル52aが挿入される後側孔部51gと、湾曲ノズル52bが挿入される前側孔部51hとを有し、この取付部51fに設けられたネジ孔に締結ネジ53a,53bを締結することによって、直線ノズル52aと湾曲ノズル52bとを別々に取り付ける構成となっている。
【0056】
ワイヤー狙いガイド50Aでは、
図7(A),(B)に示すように、取付部51f(支持具51A)に湾曲ノズル52b(送給ヘッド52)を固定する前に、この湾曲ノズル52b(送給ヘッド52)を前後方向にスライドさせることによって、湾曲ノズル52b(送給ヘッド52)の先端部から送り出される溶接ワイヤーWの先端から溶融池までの距離を任意に調整することが可能である。なお、
図7(A)は、送給ヘッド52を支持具51Aに対して後方側にスライドさせた状態を示し、
図7(B)は、送給ヘッド52を支持具51Aに対して前方側にスライドさせた状態を示している。
【0057】
また、ワイヤー狙いガイド50Aでは、上記
図5(A),(B)に示す場合と同様に、取付部51f(支持具51A)に湾曲ノズル52b(送給ヘッド52)を固定する前に、この湾曲ノズル52b(送給ヘッド52)を軸回りに回動させることによって、湾曲ノズル52b(送給ヘッド52)の先端部から送り出される溶接ワイヤーWの位置を任意に調整することが可能である。
【0058】
また、上記溶接用トーチ1では、上記汎用のTIG溶接用トーチ100が備える前側インシュレータ106を前側インシュレータ7(絶縁リング7a,7b)と交換し、この前側インシュレータ7にワイヤー狙いガイド50が取り付けられた構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではない。すなわち、前側インシュレータ7を交換することなく、この前側インシュレータ7の外周部に支持具51,51Aを介して送給ヘッド50,50Aが取り付けられた構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0059】
1…溶接用トーチ 2…非消耗電極 3…コレット 4…コレットボディ 5…トーチボディ 6…トーチノズル 7…前側インシュレータ 7a,7b…絶縁リング 8…後側インシュレータ 9…トーチキャップ 10…トーチグリップ 11…トーチスイッチ 12…ライナーグリップ 50,50A…ワイヤー狙いガイド 51,51A…支持具 51a…リング部 51b…アーム部 51c…取付部 52…送給ヘッド 52a…直線ノズル 52b…湾曲ノズル 53,53a,53b…締結ネジ 54…ライナー W…溶接ワイヤー