(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
作業室の内部に上方から下方に向かう一方向流の空気が流れるクリーン領域において、前記一方向流の流れ方向と略平行な1つの面にのみ盤面を配置した振動盤を超音波振動させて、前記盤面から垂直方向、且つ、前記一方向流の流れ方向と交差する方向に超音波による音響流を発生させ、
前記一方向流の空気に流されて上方から下方に向けて落下するパーティクルに音響放射圧による押圧を作用させることにより、その落下位置を前記振動盤の盤面から遠ざかる方向に制御することを特徴とするパーティクル制御方法。
前記振動盤の超音波振動の出力を変化させることにより、前記盤面から遠ざかる距離を変化させて、前記パーティクルの落下位置を任意の方向に制御することを特徴とする請求項1に記載のパーティクル制御方法。
作業室の内部に上方から下方に向かう一方向流の空気が流れるクリーン領域において、前記一方向流の流れ方向と略平行に互いの盤面を対向させた1対の振動盤と反射盤、又は、2つの振動盤を超音波振動させて、
前記各盤面から垂直方向、且つ、前記一方向流の流れ方向と交差する方向に超音波による定在波音場を発生させることにより、
前記一方向流の空気に流されて上方から下方に向けて落下するパーティクルに前記超音波を作用させ、当該パーティクルの落下位置を前記定在波音場の節の位置の下方に開口するパーティクルカウンター又は浮遊菌カウンターの捕集口に誘導するように制御することを特徴とするパーティクル制御方法。
作業室の内部に上方から下方に向かう一方向流の空気が流れるクリーン領域において、前記一方向流の流れ方向と略平行に互いの盤面を対向させた2つの振動盤を水平方向に角度を変えて配置した複数対の振動盤を超音波振動させて、
前記各盤面から垂直方向、且つ、前記一方向流の流れ方向と交差する方向に超音波の焦点を発生させることにより、
前記一方向流の空気に流されて上方から下方に向けて落下するパーティクルに前記超音波を作用させ、当該パーティクルの落下位置を前記超音波の焦点の位置の下方に開口するパーティクルカウンター又は浮遊菌カウンターの捕集口に誘導するように制御することを特徴とするパーティクル制御方法。
前記各振動盤の超音波振動の出力を相対的に変化させることにより、前記定在波音場の節の位置、又は、前記超音波の焦点の位置を変動させて、前記パーティクルの落下位置を任意の方向に移動するように制御することを特徴とする請求項4又は5に記載のパーティクル制御方法。
【背景技術】
【0002】
清浄な雰囲気で行われる作業、例えば、半導体や電子部品の製造段階の作業、或いは、医薬品の製造段階の作業においては、外部環境から汚染物質が入り込まないように内部を無塵・無菌状態に保った清浄な作業環境で作業が行われる。このような作業環境としては、一般にはクリーンルームが使用される。このクリーンルーム内では、無塵衣を身に付けた作業者が作業を行う。しかし、無塵性保証水準、無菌性保証水準を高めるためには、クリーンルーム内に更に高度なクリーン領域を構成して作業が行われる。
【0003】
高度なクリーン領域を構成する1つの方法として、RABS(アクセス制限バリアシステム)が利用される。このRABSは、クリーンルーム内の一部に下方部が解放された壁面で囲まれた領域を設け、その内部に上方から下方に流れる一方向流の清浄空気の層流(以下「ラミナーフロー」という)を流すと共に作業者の厳格なアクセス制限を行うようにしたものである。このRABSにおいては、作業者は壁面に設けられたグローブやハーフスーツを介して内部での作業を行う。また、高度なクリーン領域を構成する他の方法として、アイソレーター装置が利用される。このアイソレーター装置は、外部環境から密閉されたチャンバーを使用し、作業者がこのチャンバーの外部からグローブやハーフスーツを介して作業を行う。
【0004】
これらのRABSやアイソレーター装置の内部には、上方に設けられた清浄空気供給装置からHEPAフィルタなどを介して、下方に向かって上記ラミナーフローが流れている。また、RABSやアイソレーター装置は、作業者がその内部に入って作業を行うことがないので、高度な無塵・無菌状態のクリーン領域を確保することができる。しかし、このクリーン領域が、医薬品製造などで求められるグレードA(厚生労働省・無菌医薬品製造指針)を保証しているとしても、この空気中には粒径0.5μm以上の粒子(以下「パーティクル」という)が3520個/m
3を上限として含まれている可能性がある。これらのパーティクルは、ラミナーフローの流れに乗ってクリーン領域の上方から下方に向かって落下している。また、これらのパーティクルには、空気中の浮遊菌も含まれている。
【0005】
このようなクリーン領域において、例えば、医薬品の充填作業などが行われる。医薬品の充填作業においては、通常、外表面及び内部が滅菌されたバイアルなどの容器がコンベア或いはガイダーに沿って走行しながら充填機に向かう。次に、医薬品の充填を受けた容器は、その後、密封されて無菌充填が完了する。このとき、クリーン領域を充填機に向かう充填前の容器は、その開口部(充填口)を上方に向けて走行しており、ラミナーフローの流れに乗って落下してくる極微量のパーティクル(浮遊菌も含む)が充填前の容器の内部に混入する可能性がある。
【0006】
これに対応する方法としては、クリーン領域内の無塵・無菌状態を更にグレードアップする方法が考えられる。しかし、RABSやアイソレーター装置の内部の無塵・無菌状態を更にグレードアップして医薬品の充填作業などを行うことは現実的に困難である。
【0007】
そこで、無菌充填装置において、これらのクリーン領域内の極微量のパーティクルをできるだけ排除するために種々の工夫がなされている。例えば、下記特許文献1に提案されている無菌充填方法においては、予め密封され内部が滅菌された容器を使用する。この容器を特定の充填装置に連結し、容器内にノズルを挿入して医薬品を充填する。次に、容器の内部の医薬品が容器の外部の空気にさらされない状態のまま封着して密封するというものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記特許文献1に提案されている無菌充填方法は、無菌室及び無菌装置を使用しなくても生産性のよい無菌充填が可能であるとしている。また、この無菌充填方法においては、クリーン領域内の空気に触れることがないので、空気中のパーティクルが容器内部に混入することがない。しかし、この方法においては、特殊な充填装置が必要であり、また、使用できる容器に制限がある。更に、このような特殊な装置、特殊な容器に対応できる医薬品は限られるものであり、液体から紛体、粒状物を含む多種多様な医薬品及びこれらに対応した様々な形状の容器を使用することができない。
【0010】
従って、多種多様な医薬品及びこれらに対応した様々な形状の容器に使用できる汎用の充填装置をRABSやアイソレーター装置の内部で使用する場合、これらのクリーン領域内をラミナーフローの流れに乗って落下してくる極微量のパーティクルを排除することができないという問題があった。
【0011】
一方、RABSやアイソレーター装置の内部の無塵・無菌状態は、パーティクルカウンターや浮遊菌カウンターなどでモニターされる。これらのカウンターは、クリーン領域内の一定量の空気をサンプルとして捕集口から吸引し、その中のパーティクルや浮遊菌を光学系計測器などで検出するものである。特に近年、光学系計測器を利用した浮遊菌カウンターは、微生物迅速検査法(RMM)として従来の培養法に比べ大幅に作業効率を図ることができる。
【0012】
しかし、RABSやアイソレーター装置のクリーン領域においては、極微量のパーティクル(浮遊菌を含む)がラミナーフローの流れに乗って直線的に落下しており、カウンターの捕集口から吸引されるサンプル空気は、捕集口の真上の部分の空気が中心となり、クリーン領域全体をモニターできないという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、上記の諸問題に対処して、RABSやアイソレーター装置の内部のようなラミナーフローが流れるクリーン領域内をラミナーフローの流れに乗って落下してくる極微量のパーティクルの動きを制御することにより、特定位置に落下させない、或いは、特定位置に誘導して落下させることのできるパーティクル制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、ラミナーフローが流れるクリーン領域内に配置した振動盤を超音波振動させることによりラミナーフローの流れに乗って落下してくる極微量のパーティクルの動きを制御することができることを見出して本発明の完成に至った。
【0015】
即ち、本発明に係るパーティクル制御方法は、請求項1の記載によれば、
作業室の内部に上方から下方に向かう一方向流の空気が流れるクリーン領域(10)において、前記一方向流の流れ方向と略平行
な1つの面にのみ盤面を配置した振動盤を超音波振動させて、前記盤面から垂直方向、且つ、前記一方向流の流れ方向と交差する方向に超音波
による音響流を発生させ、
前記一方向流の空気に流されて上方から下方に向けて落下するパーティクルに
音響放射圧による押圧を作用させることにより、その落下位置を
前記振動盤の盤面から遠ざかる方向に制御することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、
請求項2の記載によれば、
請求項1に記載のパーティクル制御方法であって、
前記振動盤の超音波振動の出力を変化させることにより、前記盤面から遠ざかる距離を変化させて、前記パーティクルの落下位置を任意の方向に制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、
請求項3の記載によれば、
請求項1又は2に記載のパーティクル制御方法であって、
前記クリーン領域内を連続して走行する上方が開口した複数の容器の開口部に前記落下するパーティクルが混入しないようにする方法であって、
前記複数の容器の走行方向と略平行に前記振動盤の盤面を配置して、前記パーティクルの落下位置が前記盤面から前記容器の開口部を超えた位置になるように制御することを特徴とする。
【0019】
また、
本発明に係るパーティクル制御方法は、請求項4の記載によれば、
作業室の内部に上方から下方に向かう一方向流の空気が流れるクリーン領域において
、前記一方向流の流れ方向と略平行に互いの盤面を対向させた1対の振動盤と反射盤、又は、2つの振動
盤を超音波振動させて、
前記各盤面から垂直方向、且つ、前記一方向流の流れ方向と交差する方向に超音波による定在波音場を発生させることにより、
前記一方向流の空気に流されて上方から下方に向けて落下するパーティクルに前記超音波を作用させ、当該パーティク
ルの落下位置を前記定在波音場の節の位置の下方
に開口するパーティクルカウンター又は浮遊菌カウンターの捕集口に誘導するように制御することを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係るパーティクル制御方法は、請求項5の記載によれば、
作業室の内部に上方から下方に向かう一方向流の空気が流れるクリーン領域において、前記一方向流の流れ方向と略平行に互いの盤面を対向させた2つの振動盤を水平方向に角度を変えて配置した複数対の振動盤を超音波振動させて、
前記各盤面から垂直方向、且つ、前記一方向流の流れ方向と交差する方向に超音波の焦点を発生させることにより、
前記一方向流の空気に流されて上方から下方に向けて落下するパーティクルに前記超音波を作用させ、当該パーティクルの落下位置を
前記超音波の焦点の位置の下方に開口するパーティクルカウンター又は浮遊菌カウンターの捕集口に誘導するように制御することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、
請求項6の記載によれば、
請求項4又は5に記載のパーティクル制御方法であって、
前記各振動盤の超音波振動の出力を相対的に変化させることにより、前記定在波音場の節の位置、又は、前記超音波の焦点の位置を変動させて、前記パーティクルの落下位置を任意の方向に移動するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
上記構成によれば、本発明に係るパーティクル制御方法は、作業室の内部に上方から下方に向かう一方向流の空気の流れ方向と略平行に振動盤の盤面を配置する。次に、この振動盤を超音波振動させて、超音波による音響流を発生させる。この音響流は、振動盤の盤面から垂直方向に発生し、且つ、一方向流の流れ方向と交差する方向に発生する。このようにして発生した音響流は、一方向流の空気に流されて上方から下方に向けて落下するパーティクルに音響放射圧による押圧を及ぼす。このことにより、パーティクルの落下位置を振動盤の盤面から遠ざかる方向に制御することができる。
【0024】
また、上記構成によれば、振動盤の超音波振動の出力を変化させるようにしてもよい。このことにより、パーティクルが盤面から遠ざかる距離が変化して、その落下位置を任意の方向に制御することができる。
【0025】
また、上記構成によれば、クリーン領域内を連続して走行する複数の容器の走行方向と略平行に前記振動盤の盤面を配置する。次に、この振動盤を超音波振動させて、超音波による音響流を発生させ、パーティクルに音響放射圧による押圧を及ぼす。このことにより、走行する複数の容器の開口部が上方を向いている場合であっても、落下するパーティクルが容器内に混入しないように制御することができる。
【0026】
また、上記構成によれば、本発明に係るパーティクル制御方法は、作業室の内部に上方から下方に向かう一方向流の空気の流れ方向と略平行に1対の振動盤と反射盤を互いの盤面を対向させて配置する。次に、振動盤を超音波振動させて、超音波による定在波音場を発生させる。この定在波音場は、振動盤及び反射盤の盤面から垂直方向に発生し、且つ、一方向流の流れ方向と交差する方向に発生する。このようにして発生した定在波音場には、音圧分布による定在波音場の節が形成され、上方から下方に向けて落下するパーティクルは定在波音場の節の方向に誘導される。このことにより、パーティクルの落下位置を定在波音場の節の位置の下方に制御することができる。なお、上記1対の振動盤と反射盤の代わりに2つの振動盤を使用するようにしてもよい。
【0027】
また、上記構成によれば、本発明に係るパーティクル制御方法は、作業室の内部に上方から下方に向かう一方向流の空気の流れ方向と略平行に、例えば、2対からなる4つの振動盤を各対の盤面を互いに対向させて配置する。次に、これらの振動盤を超音波振動させて、超音波の焦点を発生させる。この超音波の焦点は、振動盤の盤面から垂直方向に発生し、且つ、一方向流の流れ方向と交差する方向に発生する。上方から下方に向けて落下するパーティクルは、この超音波の焦点の方向に誘導される。このことにより、パーティクルの落下位置を超音波の焦点の位置の下方に制御することができる。なお、上記2対からなる4つの振動盤の代わりに3対以上の振動盤を水平方向に角度を変えて複数対配置するようにしてもよい。
【0028】
また、上記構成によれば、各振動盤の超音波振動の出力を相対的に変化させるようにしてもよい。このことにより、定在波音場の節の位置、又は、超音波の焦点の位置が変化して、パーティクルの落下位置を任意の方向に制御することができる。
【0029】
また、上記構成によれば、クリーン領域内を落下するパーティクル又はこれに含まれる浮遊菌の量を計測するためのパーティクルカウンター又は浮遊菌カウンターの捕集口を定在波音場の節の位置の下方、又は、超音波の焦点の位置の下方に配置する。次に、各振動盤を超音波振動させて、定在波音場の節、又は、超音波の焦点を発生させ、パーティクル又はこれに含まれる浮遊菌を定在波音場の節、又は、超音波の焦点に誘導する。このことにより、クリーン領域内を直線的に落下するパーティクル又はこれに含まれる浮遊菌を捕集口から効率的に捕捉するように制御することができる。
【0030】
よって、上記構成によれば、RABSやアイソレーター装置の内部のようなラミナーフローが流れるクリーン領域内をラミナーフローの流れに乗って落下してくる極微量のパーティクルの動きを制御することにより、特定位置に落下させない、或いは、特定位置に誘導して落下させることのできるパーティクル制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係るパーティクル制御方法の各実施形態を図面に従って説明する。
【0033】
《第1実施形態》
本第1実施形態は、グレードAに維持されたアイソレーター装置の内部(クリーン領域)に医薬品の充填装置が配設された状態におけるパーティクル制御方法について説明する。
図1は、本第1実施形態におけるクリーン領域内の振動盤と充填容器との位置関係を示す概要斜視図である。なお、
図1において、クリーン領域を構成するアイソレーター装置の内壁面は省略する。
【0034】
図1において、クリーン領域10には、医薬品の充填装置11が配設され、この充填装置11に向かってコンベア12が走行している。このコンベア12の上には、医薬品を充填する前の複数の充填容器(バイアル瓶)13が一列に整列して充填装置11の方向に走行している。この充填前の充填容器13の上部には、医薬品を充填するための開口部13aが設けられている。充填装置11において医薬品を充填された充填容器13は、その後、密封される。
【0035】
本第1実施形態において、クリーン領域10に配設された充填装置11は、汎用型の装置であって様々な形状の容器に対応できる。また、充填装置11を別の機種に変更することにより、液体から紛体、粒状物を含む多種多様な医薬品及びこれらに対応した様々な形状の容器を使用した医薬品充填工程を設定することができる。
【0036】
図1において、クリーン領域10の無塵・無菌状態は、医薬品製造などで求められるグレードAに維持されている。本第1実施形態においては、アイソレーター装置を使用しており、給気用ブロワーに吸引された空気は、給気用フィルタユニットのHEPAフィルタで清浄化され、クリーン領域10の上方から下方に向かうラミナーフローを形成する。また、クリーン領域10の下方の空気は、排気口及び排気用フィルタを通して排気用ブロワーにより吸引排気される。
【0037】
このような環境において、上述のように、グレードAの空気中には粒径0.5μm以上のパーティクルが3520個/m
3を上限として含まれている可能性がある。また、これらのパーティクルには、空気中の浮遊菌も含まれている。従って、グレードAが維持されているクリーン領域10においても、清浄空気中に存在するパーティクル及びこれに含まれる浮遊菌が、ラミナーフローの流れに乗ってクリーン領域の上方から下方に向かって直線的に落下している。
【0038】
よって、
図1において、上方から下方に向かって直線的に落下するパーティクル(浮遊菌も含む)が、コンベア12の上を一列に整列して走行する充填容器13の内部に開口部13aから混入する可能性がある。本第1実施形態は、このようにして充填容器13の開口部13aから内部に混入するパーティクル(浮遊菌も含む)を排除することを目的とする。
【0039】
そのために、
図1においては、一列に整列した充填容器13の横に振動盤14が設けられている。この振動盤14の盤面(振動面)14aは、クリーン領域10の上方から下方に向かうラミナーフロー(図示しない)の流れの方向と略平行に配置されている。また、この盤面14aは、一列に整列した複数の充填容器13の走行方向(図示左下から右上方向)と平行に配置されている。また、この盤面14aは、一列に整列した複数の充填容器13の上方向及び幅方向に一定の面積をもって設けられている。また、この盤面14aの下端部は、少なくとも開口部13aに対向する位置より下方まで設けられていることが好ましい。なお、一列に整列した複数の充填容器13が、ある地点から方向を変えて走行する場合には、各走行方向に平行に複数の振動盤を配置するようにしてもよい。
【0040】
ここで、振動盤14について説明する。本発明において、振動盤とは、超音波振動する盤面を有するものであれば、特に限定するものではなく、1つ又は複数の超音波振動子である圧電振動子を接続した板状の振動盤であってもよい。また、超音波振動子を格子状に2次元配列したトランスデューサー等であってもよく、或いは、超音波領域に対応したスピーカー等であってもよい。また、発生する超音波の周波数と出力は、クリーン領域中のパーティクルを動かすことのできる範囲にあればよく、また、周波数と出力が可変に操作できるものであってもよい。例えば、本第1実施形態においては、一定面積を有するステンレス板にランジュバン型振動子を固定した振動盤を使用した。
【0041】
図2は、
図1のクリーン領域10内の振動盤14を上方から見た概要平面図である。なお、
図2においては、アイソレーター装置の内壁面、充填装置11、コンベア12、充填容器13を省略する。
図2において、振動盤14が超音波振動すると、盤面14aから垂直方向(図示右方向)に空気中を進行する音響流15が発生する。この音響流15を物体(
図2ではパーティクル16)で遮ると、このパーティクル16を音響流15の流れる方向に押す力(音響放射圧15a)が生じる。このことにより、音響放射圧15aがパーティクル16を振動盤14の盤面14aから遠ざかる方向(図示右方向)に押しやることとなる。なお、
図2においては、パーティクル16をラミナーフローの上流側から下流側に向けて見ているので、ラミナーフローの作用は表していない。
【0042】
一方、
図3は、
図1のクリーン領域10内の振動盤14を横方向から見た概要側面図である。なお、
図3においても、アイソレーター装置の内壁面、充填装置11、コンベア12、充填容器13を省略する。
図3において、振動盤14が超音波振動すると、盤面14aから垂直方向(図示右方向)に空気中を進行する音響流15が発生する。この音響流15の音響放射圧15aがパーティクル16に作用して、パーティクル16を振動盤14の盤面14aから遠ざかる方向(図示右方向)に押しやることとなる。
【0043】
また、
図3においては、クリーン領域10を上方から下方に向かうラミナーフロー17が流れている。このラミナーフロー17の流れによる押圧(以下「流動圧17a」という)がパーティクル16に作用して、パーティクル16をラミナーフロー17の下流方向(図示下方向)に押しやることとなる。その結果、クリーン領域10内のパーティクル16は、振動盤14による音響放射圧15aとラミナーフロー17による流動圧17aの両方の作用により、これらの合力18の方向(図示右下方向)に押しやられることとなる。
【0044】
図4は、
図1のクリーン領域内の振動盤、充填容器、及びパーティクルの位置関係を示す概要側面図である。なお、
図4においては、アイソレーター装置の内壁面、充填装置11及び音響流15を省略する。
図4において、クリーン領域10には充填装置(図示しない)に向うコンベア12の上に充填容器13が載置されている。この充填容器13は、医薬品を充填する前の状態にありその上部は開口部13aとなっている。
【0045】
図4において、充填容器13の横には振動盤14が設けられている。
図4においては、振動盤14の側面が描かれている。この振動盤14の盤面14aは、クリーン領域10の上方から下方に向かうラミナーフロー17の流れの方向と略平行に配置されている。また、この盤面14aは、一列に整列した複数の充填容器13の走行方向(図に垂直な方向)と平行に配置されている。また、この盤面14aは、一列に整列した複数の充填容器13の上方向(図の上下方向)及び幅方向(図に垂直な方向)に一定の面積をもって設けられている。また、この盤面14aの下端部は、充填容器13の開口部13aに対向する位置より下まで設けられている。
【0046】
ここで、振動盤14に対向する位置よりも上方においては、パーティクル16はラミナーフロー17の流動圧17aの作用を受けて、直線的に落下している。一方、振動盤14に対向する位置においては、パーティクル16はラミナーフロー17の流動圧17aの作用と共に、振動盤14による音響放射圧15a(図示しない)の作用を受けて、これらの合力18の方向(図示右下方向)に落下している。このことにより、グレードAの清浄空気中に存在する極微量のパーティクル(浮遊菌も含む)が、開口部13aから充填容器13の内部に混入することがない。
【0047】
よって、本第1実施形態によれば、RABSやアイソレーター装置の内部のようなラミナーフローが流れるクリーン領域内をラミナーフローの流れに乗って落下してくる極微量のパーティクルの動きを制御することにより、充填容器の開口部という特定位置に落下させないパーティクル制御方法を提供することができる。
【0048】
《第2実施形態》
本第2実施形態は、グレードAに維持されたアイソレーター装置の内部(クリーン領域)の無塵状態をパーティクルカウンターで計測する際のパーティクル制御方法について説明する。ここで、パーティクルカウンターとは、微粒子測定器ともいわれ、空気中にある埃や微粒子、不純物などを計数する計測器のことをいう。クリーン領域の清浄度を測定するには、通常、クリーン領域に配置した捕集口から採取したサンプル空気にレーザー光を照射してその光散乱強度から微粒子の大きさや個数を計測する。
【0049】
本第2実施形態においては、クリーン領域内にラミナーフローが流れており、HEPAフィルタを通してクリーン領域内に供給される清浄空気には、ラミナーフローの流れに乗ってクリーン領域の上方から下方に向かって直線的に落下する極微量のパーティクルが存在する。一方、パーティクルカウンターの捕集口は、ラミナーフローの下流域の極限られた面積で開口している。従って、パーティクルが直線的に落下することにより、捕集口から採取するサンプル空気は、捕集口の真上から供給される空気が大部分を占めることとなる。その結果、クリーン領域全域の清浄度を正確に計測することが難しい。
【0050】
そこで、本第2実施形態においては、クリーン領域内を直線的に落下する極微量のパーティクルの動きを制御して、その大部分をパーティクルカウンターの捕集口に集めて採取することを目的とする。このことにより、グレードAに維持されたクリーン領域全体の清浄度がより正確に把握できる。
【0051】
本第2実施形態においては、クリーン領域の上方から下方に向かって流れるラミナーフローの流れ方向と略平行に互いの盤面を対向させた1対の振動盤と反射盤を配置する。
図5は、本第2実施形態におけるクリーン領域20に配置された振動盤21と反射盤22の位置関係を上方から見た概要平面図である。なお、
図5においては、アイソレーター装置の内壁面、パーティクルカウンターの捕集口を省略する。
図5において、振動盤21と反射盤22は、互いの盤面を対向させた状態に配置されている。
【0052】
ここで、本第2実施形態で使用する振動盤は、特に限定するものではなく、上記第1実施形態と同様に1つ又は複数の超音波振動子である圧電振動子を接続した板状の振動盤であってもよい。また、超音波振動子を格子状に2次元配列したトランスデューサー等であってもよく、或いは、超音波領域に対応したスピーカー等であってもよい。また、発生する超音波の周波数と出力は、クリーン領域中のパーティクルを動かすことのできる範囲にあればよく、また、周波数と出力が可変に操作できるものであってもよい。例えば、本第2実施形態においては、一定面積を有するステンレス板にランジュバン型振動子を固定した振動盤を使用した。また、反射盤には、振動盤と同じ面積を有するステンレス板を使用した。
【0053】
図5において、振動盤21が超音波振動すると、互いに対向する振動盤21の盤面21aと反射盤22の盤面22aとの間に各盤面から垂直方向、且つ、ラミナーフローの流れ方向と交差する方向に超音波による定在波音場23が発生する。この定在波音場23とは、振動盤21からその盤面に21aに垂直に発せられた音響流が反射盤22の盤面22aにぶつかると反射して入射波と反射波とが重なり波が動かない状態になることをいう。
図5においては、振動盤21の盤面21aと反射盤22の盤面22aとの間に3/4波長の定在波音場23が発生している。
図5において、波長をλとして半波長のλ/2を示している。
【0054】
この定在波音場23の節24の位置では気圧が低くなり、定在波音場23の中に存在する物体(
図5ではパーティクル25)は、定在波音場23の節24の方向への誘導圧24aを受ける。なお、
図5においては、パーティクル25をラミナーフローの上流側から下流側に向けて見ているので、ラミナーフローの作用は表していない。
【0055】
一方、
図6は、
図5のクリーン領域20内の振動盤21と反射盤22を横方向から見た概要側面図である。なお、
図6においては、アイソレーター装置の内壁面は省略する。
図6において、パーティクルカウンター26の捕集口26aをラミナーフロー27の下流側に表している。
図6において、振動盤21が超音波振動すると、上述のように、振動盤21と反射盤22との間で定在波音場23が発生し、パーティクル25は定在波音場23の節24の方向への誘導圧24aを受ける。
【0056】
また、
図6においては、クリーン領域20を上方から下方に向かうラミナーフロー27が流れている。このラミナーフロー27の流れによる押圧(以下「流動圧27a」という)がパーティクル25に作用して、パーティクル25をラミナーフロー27の下流方向(図示下方向)に押しやることとなる。その結果、定在波音場23の中に存在するパーティクル25は、定在波音場23の節24の方向への誘導圧24aとラミナーフロー27による流動圧27aの両方の作用により、これらの合力28の方向(図示右下方向)に押しやられることとなる。
【0057】
定在波音場23の節24の下方に到達したパーティクル25は、その後、定在波音場23の影響を受けることなく、ラミナーフロー27による流動圧27aの作用により節24の下方に開口するパーティクルカウンター26の捕集口26aに捕集される。なお、定在波音場23の節24が複数個所存在する場合には、各節24の下方にそれぞれパーティクルカウンター26の捕集口26aを設けることが好ましい。
【0058】
このように、グレードAの清浄空気中に極微量に存在するパーティクルの動きを制御して、その大部分をパーティクルカウンター26の捕集口26aに集めて採取することができる。このことにより、グレードAに維持されたクリーン領域全体の清浄度がより正確に把握できる。
【0059】
よって、本第2実施形態によれば、RABSやアイソレーター装置の内部のようなラミナーフローが流れるクリーン領域内をラミナーフローの流れに乗って落下してくる極微量のパーティクルの動きを制御することにより、パーティクルカウンターの捕集口という特定位置に誘導して落下させることのできるパーティクル制御方法を提供することができる。
【0060】
《第3実施形態》
本第3実施形態は、グレードAに維持されたアイソレーター装置の内部(クリーン領域)において、極微量に存在するパーティクルに含まれる浮遊菌を浮遊菌カウンターで計測する際のパーティクル制御方法について説明する。以下、本第3実施形態においては、単に「パーティクル」と記載した場合であっても「浮遊菌を含むパーティクル」を表すものとする。
【0061】
ここで、浮遊菌カウンターとは、上記第2実施形態のパーティクルカウンターと同様に、空気中にある埃や微粒子などに含まれる浮遊菌を計数する計測器のことをいう。本第3実施形態においては、特に、微生物迅速検査法(RMM)に使用される浮遊菌カウンターを採用する。この浮遊菌カウンターを使用してクリーン領域の浮遊菌を測定するには、通常、クリーン領域に配置した捕集口から採取したサンプル空気にレーザー励起蛍光(LIF)を照射して浮遊菌の構成成分による自家発光を検出して浮遊菌の大きさや個数を計測する。なお、浮遊菌の計測だけでなく、上記第2実施形態のパーティクルカウンターの機能を兼ね備え、浮遊微粒子と浮遊菌の両方を計測するようにしてもよい。
【0062】
本第3実施形態においては、クリーン領域内にラミナーフローが流れており、HEPAフィルタを通してクリーン領域内に供給される清浄空気には、ラミナーフローの流れに乗ってクリーン領域の上方から下方に向かって直線的に落下する極微量のパーティクルが存在する。一方、浮遊菌カウンターの捕集口は、ラミナーフローの下流域の極限られた面積で開口している。従って、パーティクルが直線的に落下することにより、捕集口から採取するサンプル空気は、捕集口の真上から供給される空気が大部分を占めることとなる。その結果、クリーン領域全域の無菌状態を正確に計測することが難しい。
【0063】
そこで、本第3実施形態においては、クリーン領域内を直線的に落下する極微量のパーティクルの動きを制御して、その大部分を浮遊菌カウンターの捕集口に集めて採取することを目的とする。このことにより、グレードAに維持されたクリーン領域全体の清浄度がより正確に把握できる。
【0064】
本第3実施形態においては、クリーン領域の上方から下方に向かって流れるラミナーフローの流れ方向と略平行に互いの盤面を対向させた2つの振動盤を1対として配置し、これに略直角に交差する他の1対の振動盤を水平方向に配置して合計4つの振動盤を配置する。
図7は、本第3実施形態におけるクリーン領域30に配置された4つの振動盤31、32、33、34の位置関係を上方から見た概要平面図である。なお、
図7においては、アイソレーター装置の内壁面、浮遊菌カウンターの捕集口を省略する。
【0065】
図7において、2つの振動盤31、32は、互いの盤面31a、32aを対向させた状態に配置されている。また、2つの振動盤33、34は、互いの盤面33a、34aを対向させると共に、振動盤31、32の盤面31a、32aと略直角をなす状態に配置されている。このことにより、クリーン領域30は、4つの振動盤31、32、33、34の各盤面31a、32a、33a、34aによって4方を囲まれた状態にある。
【0066】
ここで、本第3実施形態で使用する振動盤は、特に限定するものではなく、上記第1実施形態と同様に1つ又は複数の超音波振動子である圧電振動子を接続した板状の振動盤であってもよい。また、超音波振動子を格子状に2次元配列したトランスデューサー等であってもよく、或いは、超音波領域に対応したスピーカー等であってもよい。また、発生する超音波の周波数と出力は、クリーン領域中のパーティクルを動かすことのできる範囲にあればよく、また、周波数と出力が可変に操作できるものであってもよい。例えば、本第3実施形態においては、一定面積を有するステンレス板にランジュバン型振動子を固定した振動盤を使用した。
【0067】
図7において、4つの振動盤31、32、33、34が超音波振動すると、各盤面の間に各盤面から垂直方向、且つ、ラミナーフローの流れ方向と交差する方向に各振動盤からの音響流35による超音波の焦点36を発生する。
【0068】
このように、超音波の焦点36が発生すると、各盤面の間に存在する物体(
図7ではパーティクル37)は、超音波の焦点36の方向への誘導圧36aを受ける。なお、
図7においては、パーティクル37をラミナーフローの上流側から下流側に向けて見ているので、ラミナーフローの作用は表していない。
【0069】
一方、
図8は、
図7のクリーン領域30内の対向する2つの振動盤31、32を横方向から見た概要側面図である。なお、
図8においては、振動盤33、34、アイソレーター装置の内壁面は省略する。
図8において、浮遊菌カウンター38の捕集口38aをラミナーフロー39の下流側に表している。
図8において、振動盤31、32、33、34が超音波振動すると、上述のように、各盤面の間に超音波の焦点36が発生し、パーティクル37は超音波の焦点36の方向への誘導圧36aを受ける。
【0070】
また、
図8においては、クリーン領域30を上方から下方に向かうラミナーフロー39が流れている。このラミナーフロー39の流れによる押圧(以下「流動圧39a」という)がパーティクル37に作用して、パーティクル37をラミナーフロー39の下流方向(図示下方向)に押しやることとなる。その結果、各盤面の間に存在するパーティクル37は、超音波の焦点36の方向への誘導圧36aとラミナーフロー39による流動圧39aの両方の作用により、これらの合力40の方向(図示右下方向)に押しやられることとなる。
【0071】
超音波の焦点36の下方に到達したパーティクル37は、その後、超音波の焦点36の影響を受けることなく、ラミナーフロー39による流動圧39aの作用により超音波の焦点36の下方に開口する浮遊菌カウンター38の捕集口38aに捕集される。
【0072】
このように、グレードAの清浄空気中に極微量に存在するパーティクルの動きを制御して、その大部分を浮遊菌カウンター38の捕集口38aに集めて採取することができる。このことにより、グレードAに維持されたクリーン領域全体の清浄度がより正確に把握できる。
【0073】
よって、本第2実施形態によれば、RABSやアイソレーター装置の内部のようなラミナーフローが流れるクリーン領域内をラミナーフローの流れに乗って落下してくる極微量のパーティクル(浮遊菌を含む)の動きを制御することにより、浮遊菌カウンターの捕集口という特定位置に誘導して落下させることのできるパーティクル制御方法を提供することができる。
【0074】
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限らず、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記各実施形態においては、高度なクリーン環境としてアイソレーター装置を使用するものである。しかし、これに限るものではなく、RABS(アクセス制限バリアシステム)による高度なクリーン環境、或いは、これらに匹敵する高度なクリーン環境を使用するようにしてもよい。
(2)上記各実施形態においては、アイソレーター装置内のクリーン環境に振動盤を配置するものである。しかし、これに限るものではなく、アイソレーター装置の内壁面を振動盤として超音波振動させるようにしてもよい。
(3)上記各実施形態においては、振動盤として一定面積を有するステンレス板にランジュバン型振動子を固定して使用した。しかし、これに限るものではなく、超音波振動する盤面を有するものであればどのような振動盤を使用するようにしてもよい。
(4)上記第1実施形態においては、1つの振動盤を使用するものである。しかし、これに限るものではなく、盤面が交差する方向に複数の振動盤を使用するようにしてもよい。
(5)上記第2実施形態においては、互いに盤面が対向する1つの振動盤と1つの反射盤を使用するものである。しかし、これに限るものではなく、互いに盤面が対向する2つの振動盤を1対として使用するようにしてもよい。
(6)上記第2実施形態においては、定在波音場の節をパーティクルカウンターに利用するものである。しかし、これに限るものではなく、定在波音場の節を浮遊菌カウンターに利用するようにしてもよい。
(7)上記第2実施形態においては、定在波音場の節をパーティクルカウンターの捕集口の上方に固定するものである。しかし、これに限るものではなく、超音波振動の周波数を変調させるようにして定在波音場の節を移動させながらパーティクルカウンター又は浮遊菌カウンターの捕集口の上方に移動させるようにしてもよい。
(8)上記第3実施形態においては、互いに盤面が対向する2つの振動盤を1対として、2対の振動盤を使用するものである。しかし、これに限るものではなく、2対或いは3対以上の振動盤を使用するようにしてもよい。
(9)上記第3実施形態においては、超音波の焦点を浮遊菌カウンターに利用するものである。しかし、これに限るものではなく、超音波の焦点をパーティクルカウンターに利用するようにしてもよい。
(10)上記第3実施形態においては、超音波の焦点を浮遊菌カウンターの捕集口の上方に固定するものである。しかし、これに限るものではなく、各振動盤の超音波振動の周波数と出力を変調させるようにして超音波の焦点を移動させながらパーティクルカウンター又は浮遊菌カウンターの捕集口の上方に移動させるようにしてもよい。