【課題を解決するための手段】
【0016】
冒頭で言及した交換式ダイの場合、この目的は、ダイシャンクが、ダイヘッドに隣接した、第1のシャンク部分直径を有する第1の軸線方向シャンク部分を有し、ここでダイシャンクが、ダイヘッドから見て第1の軸線方向シャンク部分の軸線方向反対側に配置された、第1のシャンク部分直径より小さい第2のシャンク部分直径を有する第2の軸線方向シャンク部分を有することで達成される。
【0017】
さらに、上記目的は、冒頭で言及した型式の接合工具であって、ダイ受入れ部分が、ダイ受入れ部分の導入開口部に隣接した、第1の受入れ直径を有する第1の軸線方向受入れ部分を有し、ダイ受入れ部分が、導入開口部から見て第1の軸線方向受入れ部分の反対側に配置された、第1の受入れ直径より小さい第2の受入れ直径を有する第2の軸線方向受入れ部分を有する、接合工具によって達成される。
【0018】
最後に、上記目的は、冒頭で言及したタイプの接合方法であって、本発明による型式の接合工具が接合工具として用いられ、及び/又は本発明による型式の交換式ダイが交換式ダイとして用いられる方法によって達成される。
【0019】
このようにして実現される接合システムにおいて、ダイシャンク及びダイ受入れ部分は、協働する対を形成し、ここで、第1の軸線方向シャンク部分は、第1の軸線方向受入れ部分に割り当てられ、第2の軸線方向シャンク部分は、第2の軸線方向受入れ部分に割り当てられる。ダイシャンク及び/又はダイ受入れ部分を異なる直径を有する第1及び第2の軸線方向部分に細分することで、特許文献1に記載の型式の交換式ダイと比べて案内長さを短くすることが可能である。これにより、ロボットなどの手段によって自動化方式で交換式ダイを接合工具に導入し及び引き抜くことが可能になり、ダイと接合工具との間の傾斜した位置決めによる詰まりのリスクが軽減される。したがって、出し入れの際の「スティック−スリップ」と呼ばれる現象を防止し又は低減することができる。加えて、この構成は、多くの変形において、プラグ・アンド・ターン接続を確立するための締結輪郭を半径方向でコンパクトに形成することを可能にする。
【0020】
多くの変形において、これはまた、ダイ受入れ部分がこの領域内で剛直に形成されるという点で、生じる張力に関して導入開口部の領域内のダイ受入れ部分を最適化することもまた可能にする。
【0021】
ダイシャンク及びダイ受入れ部分の第1及び第2の軸線方向部分はそれぞれ、各々がゼロより大きい長さを有する。好ましくは、直径は、各々の場合において、これらの軸線方向部分において均一又は一定であり、その結果、軸線方向部分の少なくとも1つは、交換式ダイとダイ受入れ部分との間で傾きなく案内するための役割を果たすことができるようになっている。
【0022】
ダイシャンク及びダイ受入れ部分の軸線方向部分は、それぞれ中間部分によって分離されることが好ましい。中間部分は、同様にゼロより大きい長さを有することが好ましい。好ましくは、中間部分は、第1の直径から第2の直径への移行を実現するために、円錐形又はほぼ円錐状に形成される。
【0023】
第2の直径は、第1の直径の0.8倍未満であることが好ましい。ダイシャンク及びダイ受入れ部分の第1の軸線方向部分の軸線方向長さは、それぞれ、第2の軸線方向部分の軸線方向長さの0.8倍と第2の軸線方向部分の軸線方向長さの1.2倍との間にあることが好ましい。中間部分の軸線方向長さは、それぞれ、ダイシャンク及びダイ受入れ部分の第1の軸線方向部分の軸線方向長さの少なくとも半分であることが好ましく、この軸線方向長さの少なくとも4分の3であることが好ましい。
【0024】
ダイヘッドに対し隣接した第1の軸線方向シャンク部分の配置は、第1の軸線方向シャンク部分が、ダイヘッドに直接隣接することもできるが、移行部分、例えば溝付き部分を介してダイヘッド又はその下面に隣接することもできることを意味する。
【0025】
このようにして、目的が完全に達成される。
【0026】
本発明によれば、
さらに、交換式ダイの締結輪郭は、第2の軸線方向シャンク部分の領域内に形成される。
この場合に、締結輪郭の半径方向範囲は、第1のシャンク部分直径以下
とすることができる。
【0027】
この
構成を有する本発明において、第1の軸線方向シャンク部分は、もっぱら、ダイ受入れ部分の領域内での、特にその第1の軸線方向受入れ部分における案内の目的で役立つことができる。第2の軸線方向シャンク部分は、特にダイ受入れ部分の第2の軸線方向受入れ部分において、同様に案内の役割を果たすことができる。接合工具に対するプラグ・アンド・ターン接続を確立するための締結輪郭を第2の軸線方向シャンク部分の領域内に設けるという対策の結果として、締結輪郭は、半径方向に突出した輪郭として形成することができる。さらに、ダイ受入れ部分の中に受入れスリーブを挿入することが可能であり、第2の軸線方向シャンク部分はこの受入れスリーブの中に通され、交換式ダイの締結輪郭との組合せでプラグ・アンド・ターン接続を実現するための締結装置は、好ましくはこの受入れスリーブ上に設けられる。
【0028】
第2の軸線方向シャンク部分の領域内での締結輪郭の形成は、軸線方向で第2の軸線方向シャンク部分の第1の軸線方向端と第2の軸線方向端との間に締結輪郭を形成することができることを意味する。しかしながら、代替的な実施形態において、第2の軸線方向シャンク部分に隣接して締結輪郭を形成することもでき、これも同様にその領域内の形成を表すことを意図する。
【0029】
締結輪郭の半径方向範囲は、第1のシャンク部分直径以下であり、第2の軸線方向シャンク部分は、第2のシャフト部分直径より少しだけ大きい開口部の中に容易に導入することができ、したがってその案内の役割を果たすことができる。
【0030】
さらなる好ましい実施形態によれば、締結輪郭は、ダイシャンクに対して半径方向に突出した少なくとも1つのロック部材を有する。
【0031】
ロック部材は、例えば、差込み型プラグ・アンド・ターン接続の差込みスロットに導入可能な、差込み突起の様式で形成することができる。
【0032】
好ましくは、ロック部材は、第2の軸線方向シャンク部分に対して半径方向に突出する。第2の軸線方向シャンク部分上の対称な位置にロック部材を形成することが特に好ましい。
【0033】
この点に関して、締結輪郭は、ペグ様突起によって形成されることが特に有利であり、これはダイシャンクと一体に形成することもでき、又はダイシャンク内の半径方向穴に導入される半径方向ペグとして形成することもできる。
【0034】
ペグ様突起、又は半径方向穴は、具体的には、第2の軸線方向シャンク部分の領域内に形成することができる。ペグ様突起、又は半径方向ペグは、半径方向穴の軸線方向の両側でダイシャンクに対して外方に延びることができる。
【0035】
上述の実施形態において、プラグ・アンド・ターン接続が確立され、この場合、ロック部材は交換式ダイ上に形成され、差込みスロットの形態の締結装置は接合工具のダイ受入れ部分上に実現される。
【0036】
代替的な実施形態において、交換式ダイの締結輪郭は、第2の軸線方向シャンク部分の自由端の領域内に配置されたノーズ機構上に形成された少なくとも1つの差込みスロットを有する。
【0037】
この実施形態においてもまた、締結輪郭は、結果として第2の軸線方向シャンク部分の領域内に形成される。この場合、交換式ダイは、接合工具とのプラグ・アンド・ターン接続を確立するように構成され、接合工具のダイ受入れ部分上に、ダイの差込みスロットと相互作用することができる半径方向に延びたロック部材が形成される。
【0038】
上記で接合工具に対する交換式ダイのプラグ・アンド・ターン接続に言及する場合、このようなプラグ・アンド・ターン接続は、交換式ダイと移送ステーションとの間にも確立することができることが理解されるであろう。しかしながら、別の選択肢として、交換式ダイは、そのような移送ステーションにおいて回転駆動輪郭で保持されることもでき、その回転駆動輪郭は、上記の2つの実用新案公報に開示されるように、例えばダイヘッド上に形成される。
【0039】
本発明による接合工具において、ダイ受入れ部分は、本体と、受入れスリーブとを有することが有利であり、受入れスリーブが挿入される穴が本体に形成される。
【0040】
本体は、例えばドーム状に形成することができ、これは、そのような接合工具のC形フレームのC端に取外し可能又は取外し不能な方式で取り付けられる。
【0041】
本体の受入穴は、止まり穴とすることができるが、貫通穴であることが好ましい。
【0042】
交換式ダイのダイシャンクの少なくとも一部を、受入れスリーブの中に導入することができる。
【0043】
第2の軸線方向受入れ部分は、受入れスリーブによって形成されることが特に有利である。
【0044】
この実施形態において、第1の軸線方向受入れ部分は、本体の受入れ穴によって形成されることが特に有利である。
【0045】
交換式ダイに対するプラグ・アンド・ターン接続を確立するための締結装置は、ダイ受入れ部分の本体上に配置することができる。
【0046】
しかしながら、締結装置は、受入れスリーブ上に形成されることが特に有利であり、この場合、受入れスリーブは、プラグ・アンド・ターン接続を確立するために交換式ダイの締結輪郭と相互作用することができる受入れスリーブ輪郭を有することが好ましい。
【0047】
好ましくは、受入れスリーブ輪郭は、プラグ・アンド・ターン接続を確立するために交換式ダイの半径方向突起又は他の何らかのロック手段が係合することができる、少なくとも1つのスリーブ差込みスロットを有する。
【0048】
変形において、受入れスリーブ輪郭は、この場合、プラグ・アンド・ターン接続を確立するために交換式ダイの差込みスロットと係合することができる、少なくとも1つの半径方向内方に突出した受入れ突起を有する。
【0049】
請求項6の前文との組合せで別個の発明を表すさらなる好ましい実施形態によれば、接合工具は、予備張力ばね機構を有し、これにより、ダイ受入れ部分に挿入された交換式ダイに、ダイ受入れ部分の導入開口部から遠ざかる方向に予備張力がかけられる。
【0050】
結果として、予備張力ばね機構によって、ダイヘッドの下面を、導入開口部の領域内のダイ受入れ部分の上側に常に当接させることが可能である。したがって、ダイに逆方向に予備張力がかけられている場合には生じる可能性がある接合プロセス中の微小運動を、回避することができる。
【0051】
予備張力ばね機構の予備張力は、プラグ・アンド・ターン接続のラッチ配置を固定するために用いることもできる。この場合、例えば、プラグ・アンド・ターン接続の差込みスロットは、軸線方向溝を有することができ、交換式ダイの接合工具上での締結位置をラッチ方式で固定するために、ロック部材又は半径方向突起がその軸線方向溝の中に予備張力ばね機構によって押し込まれる。
【0052】
一般に、予備張力ばね機構は、この場合、交換式ダイとダイ受入れ部分の本体との間で作用することができる。
【0053】
しかしながら、受入れスリーブに、本体に対して導入開口部から遠ざかる方向で軸線方向に予備張力をかけることが特に好ましい。
【0054】
この実施形態は、プラグ・アンド・ターン接続を確立することができる締結装置が受入れスリーブ上に形成される場合に特に有利である。
【0055】
さらに、ここでは、受入れスリーブに、その導入開口部から遠い方の端の領域内で予備張力ばね機構によって予備張力をかけることが有利であり、予備張力ばね機構は、この場合、受入れスリーブと本体に堅固に接続された予備張力ペグとの間に作用する。
【0056】
予備張力ペグは、例えば、本体内の横穴を通って案内される横方向ペグとすることができ、受入れスリーブに導入開口部から遠ざかる方向に張力をかけるために、予備張力ばね機構をこの横方向ペグに当接して支持することができる。
【0057】
この場合、このような予備張力ペグ又は横方向ペグを通すための軸線方向に細長い孔を、受入れスリーブ内に設けることができる。これは、同時に、受入れスリーブの軸線方向移動をこのような細長い孔によって制限することも可能にする。最大移動は、例えば、例えば差込みスロットの領域内に設けたラッチ溝の深さに対応するものとすることができる。全体として、ダイ・ラッチ手段を交換式ダイ上に形成して、交換式ダイが接合工具に対して回転位置及び/又は長手位置でラッチ方式で固定可能になるようにすることがさらに好ましい。
【0058】
結果として、交換式ダイとダイ受入れ部分との間の形状による嵌合い(form−fitting)及び/又は力による嵌合い(force−fitting)接続が偶発的に外れないことを保証することができる。
【0059】
全体として好ましいさらなる実施形態によれば、交換式ダイ上に回転駆動輪郭が形成され、交換式ダイを回転させるための回転装置をこの回転駆動輪郭に作用させることが可能であり、この回転駆動輪郭は、好ましくはダイヘッド上に形成される。
【0060】
このような回転駆動輪郭によって、第一に、プラグ・アンド・ターン接続を確立するために、交換式ダイを標的を定めた方式で回転させることが可能である。
【0061】
さらに、回転駆動輪郭によって、移送ステーション内で定められた回転位置に交換式ダイを保持することが可能である。
【0062】
移送ステーションは、少なくとも1つの交換式ダイを一時保管する役割を果たし、交換式ダイは、その交換式ダイを用いる少なくとも1つの接合動作を行うために接合工具によって移送ステーションから取り出すことができ、ひとたび接合動作が行われると、移送ステーションに戻されて再び保管することができる。好ましくは、このような移送ステーションは、交換式ダイが保管から取り出されたときに交換式ダイと接合工具との間にプラグ・アンド・ターン接続が確立されるように交換式ダイを回転させるための回転装置を有する。
【0063】
このような移送ステーションは、接合工具及び複数の交換式ダイと共に接合工具システムを形成することができる。
【0064】
移送ステーション内で、交換式ダイは、もっぱらそのヘッドによってその中に保持されることがさらに好ましく、このときダイシャンクは移送ステーションの交換式ダイ・レセプタクルに対して突き出しており、接合工具は、移送ステーションに保持されている交換式ダイのダイシャンクが接合工具のダイ受入れ部分に導入されるように動くことができる。
【0065】
回転駆動輪郭によって、交換式ダイは、プラグ・アンド・ターン接続を確立するために、この場合には、好ましくは、回転状態でセットする(又は回転位置で保持する)ことができる。
【0066】
さらに好ましい構成によれば、交換式ダイは、随意に検出可能な識別手段を備え、及び/又は、ダイ受入れ部分に対する交換式ダイの相対運動が発生した場合に音響的に検出可能な音響信号を生じさせることができる識別手段を備える。
【0067】
さらに、本発明による接合工具において、回転位置及び/又は長手方向位置においてラッチ方式でダイ受入れ部分内に交換式ダイを固定するために、ダイ・ラッチ手段と相互作用するように構成された工具ラッチ手段を設けることが全体として有利である。
【0068】
上記特徴及び後述する特徴は、各事例で与えられる組合せのみならず、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組合せで、又はそれ自体で使用できることは言うまでもない。
【0069】
本発明の例示的な実施形態は、図面に示され、より詳細に以下の説明において説明される。