【文献】
IWAO ANDO,SYNTHESIS AND BIOLOGICAL ACTIVITY OF CYCLIC IMIDE DERIVATIVES AND RELATED COMPOUNDS,AGRICULTURAL AND BIOLOGICAL CHEMISTRY,1989年,PAGE(S):2001-2003,URL,http://dx.doi.org/10.1080/00021369.1989.10869600
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Dが、置換または非置換のフリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、ピリジル、ピリドニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、または1,3,5−トリアジニル環であり、Dが、置換される場合、少なくとも1つの環炭素原子上においてR8で、および/または環窒素原子上においてR9で置換される、請求項1または2に記載の化合物。
望ましくない植物の成長を制御する方法であって、請求項1〜12のいずれか一項に記載の式(I)の化合物または請求項13もしくは14に記載の除草組成物を、前記望ましくない植物またはその所在地に適用する工程を含むことを特徴とする、方法。
【発明を実施するための形態】
【0005】
式(I)の化合物は、不斉中心またはキラリティー軸を含有してもよく、単一の鏡像異性体、任意の割合の鏡像異性体対として存在してもよく、または2つ以上の不斉中心/キラリティー軸が存在する場合、あらゆる可能な比率でジアステレオ異性体を含有する。典型的に、鏡像異性体の1つは、他の可能な鏡像異性体と比較して向上した生物学的活性を有する。
【0006】
同様に、二置換アルケンがある場合、これらは、E体もしくはZ体で、または任意の割合の両方の混合物として存在してもよい。
【0007】
さらに、式(I)の化合物は、別の互変異性体と平衡状態にあり得る。例えば、式(I−i)の化合物、すなわち、式(I)(式中、A
2がNR
11であり、R
11が水素であり、A
3がC(O)であり、Gが水素である)の化合物は、少なくとも5つの互変異性体で描かれ得る。
【化4】
【0008】
同様に、式(I−ii)の化合物、すなわち、式(I)(式中、A
2がCR
10aR
10bであり、A
3がS(O)
2であり、Gが水素である)の化合物は、2つの互変異性体で描かれ得る。
【化5】
【0009】
全ての互変異性体(単一の互変異性体またはそれらの混合物)、ラセミ混合物および単一の異性体が本発明の範囲内に含まれることが理解されるべきである。
【0010】
単独かまたはより大きい基(アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニルまたはジアルキルアミノカルボニルなど)の一部としての各アルキル部分は、直鎖状または分枝鎖状であり得る。典型的に、アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチルまたはn−ヘキシルである。アルキル基は、一般に、C
1〜C
6アルキル基(より狭い意味で既に定義されている場合を除く)であるが、好ましくは、C
1〜C
4アルキルまたはC
1〜C
3アルキル基であり、より好ましくは、C
1〜C
2アルキル基(メチルなど)である。
【0011】
アルケニルおよびアルキニル部分は、直鎖状または分枝鎖状の形態であり得、アルケニル部分は、必要に応じて(E)−または(Z)−配置のいずれかのものであり得る。アルケニルまたはアルキニル部分は、典型的に、C
2〜C
4アルケニルまたはC
2〜C
4アルキニル、より詳細には、ビニル、アリル、エチニル、プロパルギルまたはプロパ−1−イニルである。アルケニルおよびアルキニル部分は、1つまたは複数の二重結合および/または三重結合を任意の組合せで含有し得るが、好ましくは、1つのみの二重結合(アルケニルの場合)または1つのみの三重結合(アルキニルの場合)を含有する。
【0012】
好ましくは、シクロアルキルという用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを指す。
【0013】
ハロゲン(またはハロ)は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を包含する。これは、相応して、ハロアルキルまたはハロフェニルなどの他の定義に関連してハロゲンに適用される。
【0014】
1〜6つの炭素原子の鎖長を有するハロアルキル基は、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1−ジフルオロ−2,2,2−トリクロロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロエチルおよび2,2,2−トリクロロエチル、ヘプタフルオロ−n−プロピルおよびペルフルオロ−n−ヘキシルである。
【0015】
アルコキシ基は、好ましくは、1〜6つの炭素原子の鎖長を有する。アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブトキシまたはペンチルオキシまたはヘキシルオキシ異性体、好ましくは、メトキシおよびエトキシである。2つのアルコキシ置換基が同じ炭素原子上に存在してもよいことも理解されるべきである。
【0016】
ハロアルコキシは、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシまたは2,2,2−トリクロロエトキシ、好ましくは、ジフルオロメトキシ、2−クロロエトキシまたはトリフルオロメトキシである。
【0017】
C
1〜C
6アルキル−S−(アルキルチオ)は、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオまたはtert−ブチルチオ、好ましくは、メチルチオまたはエチルチオである。
【0018】
C
1〜C
6アルキル−S(O)−(アルキルスルフィニル)は、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n−ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec−ブチルスルフィニルまたはtert−ブチルスルフィニル、好ましくは、メチルスルフィニルまたはエチルスルフィニルである。
【0019】
C
1〜C
6アルキル−S(O)
2−(アルキルスルホニル)は、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニルまたはtert−ブチルスルホニル、好ましくは、メチルスルホニルまたはエチルスルホニルである。
【0020】
本明細書において使用される際の「ヘテロシクリル」という用語は、少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、かつ典型的に単環式形態である環系を包含する。好ましくは、ヘテロシクリル基は、好ましくは、窒素、酸素および硫黄から選択される2つ以下のヘテロ原子を含有する。このようなヘテロシクリル基は、好ましくは、3員〜8員、より好ましくは、3員〜6員環である。複素環式基の例としては、オキセタニル、チエタニルおよびアゼチジニル基が挙げられる。ヘテロ原子として単一の酸素原子を含有するヘテロシクリル基が好ましい。
【0021】
本明細書において使用される際の「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する芳香環系を意味し、単一の環からなる。好ましくは、単一の環は、5員または6員であり、かつ窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1、2または3つの環ヘテロ原子を含有する。典型的に、本発明に関連して使用される際の「ヘテロアリール」としては、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルおよびトリアジニル環が挙げられ、これらは、本明細書に記載されるように置換されていてもまたは置換されていなくてもよい。
【0022】
基(B)
【化6】
(式中、A
2、A
3、A
4、A
5およびGが、本明細書に定義されるとおりである)は、本明細書において二環式部分と呼ばれ、ここで、Bが、分子の残りの部分への(すなわち、−T−O−CH
2−D部分と呼ばれることもある、任意選択的に置換されるヘテロアリール−アルキル−オキシ−ヘテロアリール/フェニル部分への)結合点を示す。
【0023】
本発明は、式(I)の化合物がアミン(例えば、アンモニア、ジメチルアミンおよびトリエチルアミン)、アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩基または第四級アンモニウム塩基とともに形成し得る農学的に許容できる塩も含む。塩形成剤として使用されるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、アルコキシドおよび炭酸水素塩および炭酸塩の中でも、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムの水酸化物、アルコキシド、酸化物および炭酸塩、特にナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの水酸化物、アルコキシド、酸化物および炭酸塩が強調される。対応するトリメチルスルホニウム塩も使用され得る。本発明に係る式(I)の化合物は、塩形成中に形成され得る水和物も含む。
【0024】
A
2、A
3、A
4、A
5、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10a、R
10b、B、G、D、X、X
1、X
2、X
3、X
4、X
21、X
22、X
23、X
24、Y、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5およびmの好ましい値は、以下に記載されるとおりであり、本発明に係る式(I)の化合物は、前記値の任意の組合せを含み得る。任意の特定の組の実施形態についての値が、任意の他の組の実施形態についての値と組み合わされ得る(このような組合せが互いに矛盾しない場合)ことを当業者は理解するであろう。
【0025】
本明細書に記載されるように、A
2が、CR
10aR
10bまたはNR
11である。A
2がCR
10aCR
10bである場合、好ましくは、R
10aおよびR
10bが、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8ハロアルキルまたはC
2〜C
8アルキニルである。R
10aおよびR
10bについての好ましい基の例としては、フルオロ、メチル、エチル、ジフルオロエチルおよびプロパルギルが挙げられる。好ましい一実施形態において、R
10aおよびR
10bがそれぞれメチルである。R
10aおよびR
10bが、それらが結合される炭素原子と一緒に結合して、炭素環を形成するさらなる実施形態において、炭素環は、好ましくは、シクロプロピルである。
【0026】
A
2がNR
11である場合、R
11が、好ましくは、水素、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
3ハロアルキル、C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
4ハロアルケニル、C
2〜C
4アルキニル、C
2〜C
4ハロアルキニル、C
3〜C
6シクロアルキル、C
3〜C
6シクロアルキル−C
1〜C
4アルキル−、C
1〜C
6アルコキシ−C
1〜C
4アルキル−、C
1〜C
6シアノアルキル−、C
1〜C
6アルコキシカルボニル−C
1〜C
4アルキル−、N−C
1〜C
3アルキル−アミノカルボニル−C
1〜C
3アルキル−、N,N−ジ−(C
1〜C
3アルキル)−アミノカルボニル−C
1〜C
4アルキル−、アリール−C
1〜C
4アルキル−もしくはアリール−C
1〜C
4アルキル−(ここで、アリール部分が、1〜3つのR
12で置換される)、またはヘテロシクリル−C
1〜C
4アルキル−もしくはヘテロシクリル−C
1〜C
4アルキル−(ここで、ヘテロシクリル部分が、1〜3つのR
12で置換される)であり、ここで、R
12が、好ましくは、クロロ、ブロモ、フルオロ、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3ハロアルキル、C
1〜C
3アルコキシまたはC
1〜C
3ハロアルコキシである。
【0027】
より好ましくは、R
11が、水素、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4ハロアルキル、C
2〜C
4アルケニル、C
2〜C
4ハロアルケニル、C
2〜C
4アルキニルまたはC
2〜C
4ハロアルキニルである。
【0028】
さらにより好ましくは、R
11が、水素、C
1〜C
2アルキル、C
1〜C
2ハロアルキル、C
2〜C
3アルケニルまたはC
2〜C
3アルキニルである。なおさらにより好ましくは、R
11が、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、2−メチルプロピル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、アリル、ブタ−3−エン−1−イルまたはプロパルギルである。R
11についてのこのような最も好ましい基の例は、水素、メチル、エチル、2,2−ジフルオロエチル、アリルおよびプロパルギルである。
【0029】
本明細書に記載されるように、A
3が、C(O)またはS(O)
2のいずれかである。1つの組の好ましい実施形態において、A
3がC(O)である。別の組の好ましい実施形態において、A
3がS(O)
2である。
【0030】
本明細書に記載されるように、A
4が、CR
1、N(R
13)
n、OまたはSであり、A
5が、CR
2、N(R
14)
n、OまたはSである。R
13またはR
14に適用されるnの値は、0または1であり、A
4および/またはA
5の性質に応じて変化する。それは、二環式部分の左側の5員環の性質が芳香族のままであるように選択される。
【0031】
1つの組の実施形態において、A
4がNR
13またはNである一方、第2の組の実施形態において、A
4がCR
1である。
【0032】
好ましくは、R
1が、水素、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
3−アルコキシ、C
1〜C
3アルコキシ−C
1〜C
3アルコキシ−、C
1〜C
3−アルキルチオ、C
1〜C
3−アルキルスルホニル、C
3〜C
4−シクロアルキル、C
1〜C
3アルコキシ−C
1〜C
3−アルキルおよびC
1〜C
3−アルキルチオ−C
1〜C
3−アルキルからなる群から選択される。より好ましくは、R
1が、水素、メチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、−S−メチル、メチルスルホニルおよびメトキシエトキシ−から選択される。最も好ましくは、R
1が水素である。
【0033】
好ましくは、R
13が、好ましくは、水素、メチルまたはC
1ハロアルキル、より好ましくは、水素またはメチルである。
【0034】
第3の組の実施形態において、A
4がSであり、第4の組の実施形態において、A
4がOである。
【0035】
上述されるように、A
5が、CR
2、N(R
14)
n、OまたはSである。A
5がCR
2である実施形態において、R
2が、水素、ハロゲン、メチルまたはC
1ハロアルキルであるが、R
2が水素であるのが特に好ましい。A
5がNまたはNR
14である実施形態において、A
5がNであるか、またはR
14が、水素またはメチル、より好ましくは、水素であるのが好ましい。
【0036】
特に好ましい実施形態において、
(i)A
4がNまたはNR
13であり、かつA
5がSであり、
(ii)A
4がNまたはNR
13であり、かつA
5がCR
2であり、
(iii)A
4がNR
13であり、かつA
5がNであり、
(iv)A
4がCR
1であり、かつA
5がNまたはNR
14であり、
(v)A
4がCR
1であり、かつA
5がSであり、
(vi)A
4がCR
1であり、かつA
5がCR2であり、
(vii)A
4がCR
1であり、かつA
5がOであり、
(viii)A
4がSであり、かつA
5がNまたはNR
14であり、
(ix)A
4がSであり、かつA
5がCR
2であり、
(x)A
4がOであり、かつA
5がCR
2であり、および
(xi)A
4がOであり、かつA
5がNである。
【0037】
本明細書に記載されるように、Gが、水素または−C(O)−R
3であり得、R
3が、C
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、C
1〜C
6アルキル−S−、C
1〜C
6アルコキシ、−NR
4R
5および1つまたは複数のR
6で任意選択的に置換されるフェニルからなる群から選択される。本明細書に定義されるように、R
4およびR
5が、独立して、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6アルコキシ−からなる群から選択されるか、またはそれらは一緒にモルホリニル環を形成することができる。好ましくは、R
4およびR
5は、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシおよびプロポキシからなる群から選択される。R
6が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3ハロアルキル、C
1〜C
3アルコキシおよびC
1〜C
3ハロアルコキシからなる群から選択される。
【0038】
好ましくは、R
3が、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、C
2〜C
3アルケニル、C
2〜C
3アルキニル、−C
1〜C
3アルコキシまたは−NR
4R
5であり、ここで、R
4およびR
5が一緒にモルホリニル環を形成する。より好ましくは、R
3が、イソプロピル、t−ブチル、メチル、エチル、プロパルギル、メトキシ、エトキシまたはtert−ブトキシである。
【0039】
1つの組の実施形態において、Gが、水素または−C(O)−R
3であり、ここで、R
3が、C
1〜C
4アルキル、C
2〜C
3アルケニル、C
2〜C
3アルキニルまたは−C
1〜C
3アルコキシである。さらなる組の実施形態において、Gが、水素または−C(O)−R
3、であり、ここで、R
3が、イソプロピル、t−ブチル、メチル、エチル、プロパルギルまたはメトキシである。しかしながら、Gが水素であるのが特に好ましい。
【0040】
上述されるように、Tが、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1、2または3つのヘテロ原子を含有する5員または6員単環式ヘテロアリール環系であり、前記5員環系が、X、YおよびR
7から選択される1つまたは複数の基で置換され、および前記6員環系が、X
1、X
2、X
3、X
4およびR
7から選択される1つまたは複数の基で置換され、オキシ−アルキル−D部分および二環式部分が、互いに対してオルトに位置するように環Tを介して結合されるか、またはTが、式(Tp)
【化7】
の置換フェニル環であり、式中、X
21、X
22、X
23、X
24が、本明細書に定義されるとおりである。
【0041】
Tが5員単環式ヘテロアリール環である場合、それは、好ましくは、X、YおよびR
7から独立して選択される1つまたは複数の基で置換されるフリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルまたはオキサジアゾリル環である。Tが、6員単環式ヘテロアリール環である場合、それは、好ましくは、X
1、X
2、X
3、X
4およびR
7から独立して選択される1つまたは複数の基で置換されるピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルまたはトリアジニル環である。いずれの場合も、オキシ−アルキル−D部分および基(B)が、互いに対してオルトに位置するように環Tを介して結合されることが重要である。
【0042】
例えば、Tが、以下に示される(Tp)または(T1)〜(T62):
【化8】
【化9】
【化10】
(式中、X、X
1、X
2、X
3、X
4、Y、R
7、AおよびBが、本明細書に定義されるとおりである)のいずれか1つから選択されてもよく、ここで、Aが、オキシ−アルキル−D部分への結合点を示し、およびBが、基(B)への結合点を示す。
【0043】
Tが(Tp)である実施形態において、X
22が、好ましくは、水素であり、X
21が、好ましくは、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3ハロアルキルまたはハロゲン、より好ましくは、C
1〜C
3アルキル、C
1ハロアルキルまたはハロゲン、さらにより好ましくは、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチルまたはトリフルオロメチル、最も好ましくは、クロロ、フルオロまたはトリフルオロメチルである。X
23およびX
24が、好ましくは、独立して、水素、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3ハロアルキルまたはハロゲンである。好ましくは、X
24が、ハロゲン、メチルまたはトリフルオロメチルであり、より好ましくは、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチルまたはトリフルオロメチルであり、さらにより好ましくはクロロである。
【0044】
Tが5員単環式ヘテロアリール環であり、Tが2つ以上のX基を有する実施形態において、X基が、それぞれ独立して、水素、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
3ハロアルキル、C
1〜C
3ハロアルコキシまたはハロゲンから選択される。Tが、基(B)に対してオルトに位置するX置換基を有する場合、そのX置換基は、好ましくは、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
3ハロアルキル、C
1〜C
3ハロアルコキシまたはハロゲンである。
【0045】
より好ましくは、Tが、基(B)に対してオルトであるX置換基を含有する場合[例えば(T4)、(T5)、(T7)、(T8)、(T9)、(T11)、(T13)、(T14)、(T15)、(T17)、(T18)、(T20)、(T21)、(T22)、(T32)、(T33)、(T37)および(T38)において]、それは、独立して、ハロゲン、より好ましくは、フルオロ、クロロまたはブロモ、さらにより好ましくは、フルオロまたはクロロである。
【0046】
Tが、基(B)または任意選択的に置換されるオキシ−アルキル−D部分のいずれかに対してメタに位置するX置換基を含有する場合[例えば(T1)、(T6)、(T10)、(T11)、(T12)、(T15)、(T16)、(T19)、(T25)、(T26)、(T29)、(T30)、(T35)および(T36)において]、各Xが、好ましくは、独立して、水素またはハロゲン、より好ましくは、水素、フルオロ、クロロまたはブロモ、さらにより好ましくは、水素、フルオロまたはクロロである。
【0047】
Tが、Y置換基を含有する場合[例えば(T1)、(T2)、(T3)、(T7)、(T8)、(T9)、(T10)、(T11)、(T12)、(T13)、(T14)、(T15)、(T16)、(T17)、(T18)、(T19)、(T20)、(T21)、(T37)および(T40)において]、それは、好ましくは、水素、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3ハロアルキルまたはハロゲンである。より好ましくは、Yが、水素、クロロ、フルオロまたはブロモである。
【0048】
Tが、環Tの遊離窒素(「遊離窒素」とは、環Tを基(B)またはオキシ−アルキル−D部分のいずれかに結合するのに関与していない、環T内の窒素を意味する)上にある置換基であるR
7置換基を含有する場合[例えば(T2)、(T3)、(T4)、(T5)、(T6)、(T12)、(T13)、(T14)、(T24)および(T28)において]、それは、好ましくは、水素、C
1〜C
3アルキルまたはC
1〜C
3ハロアルキルである。このようなR
7置換基が基(B)に対してオルトに位置する場合、それは、好ましくは、C
1〜C
3アルキルまたはC
1〜C
3ハロアルキル、より好ましくは、メチルまたはハロメチルである。
【0049】
1つの組の実施形態において、Tが、(Tp)であるか、または
【化11】
からなる群から選択される任意選択的に置換されるピラゾリル環であり、式中、
XおよびYが、それぞれ独立して、水素、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
3ハロアルキル、C
1〜C
3ハロアルコキシまたはハロゲンであり、
R
7が、水素、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
3ハロアルキルまたはC
1〜C
3ハロアルコキシであり、
Aが、オキシ−アルキル−D部分への結合点を示し、およびBが、二環式部分への結合点を示す。
【0050】
Tが、(T1)、(T2)、(T3)、(T4)および(T5)からなる群から選択される任意選択的に置換されるピラゾリル環であり、ここで、TがX置換基を含有する実施形態において、すなわち(T1)、(T4)および(T5)において、Xが、好ましくは、水素またはハロゲン、より好ましくは、水素、フルオロ、クロロまたはブロモ、さらにより好ましくは、水素、フルオロまたはクロロである。より好ましくは、Xが基(B)に対してオルトに位置するこれらの実施形態において(すなわち(T4)および(T5)において)、Xが、好ましくは、ハロゲン、より好ましくは、フルオロ、クロロまたはブロモ、さらにより好ましくは、フルオロまたはクロロである。
【0051】
同様に、TがY置換基を含有するこのような実施形態において、すなわち(T1)、(T2)および(T3)において、Yが、好ましくは、水素、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3ハロアルキルまたはハロゲンである。より好ましくは、Yが、水素、クロロ、フルオロまたはブロモである。同様に、Tが、ピラゾリル環の遊離窒素上にある置換基であるR
7置換基を含有するこのような実施形態において、すなわち(T2)、(T3)、(T4)および(T5)において、R
7が、好ましくは、C
1〜C
3アルキルまたはC
1〜C
3ハロアルキル、より好ましくは、メチルまたはハロメチルである。
【0052】
1つの組の実施形態において、Tが(T3)または(T4)であるのが好ましい。これらの実施形態のいくつかの例において、R
7が、C
1〜C
3アルキル、好ましくは、メチルまたはエチル、より好ましくは、メチルであり、Yが、C
1〜C
3アルキル、好ましくは、メチルまたはエチルであり、およびXが、ハロゲン、好ましくは、ブロモ、クロロまたはフルオロ、より好ましくは、クロロである。
【0053】
さらなる組の実施形態において、Tが、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1、2または3つのヘテロ原子を含有する6員単環式ヘテロアリール環系であり、前記6員環系が、X
1、X
2、X
3、X
4およびR
7から選択される1つまたは複数の基で置換される。このような実施形態において、Tが、好ましくは、任意選択的に置換されるピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルまたはトリアジニル環であり、より好ましくは、(T43)、(T44)、(T45)、(T46)、(T47)、(T48)、(T49)、(T50)、(T51)、(T52)、(T53)、(T54)、(T55)、(T56)、(T57)、(T58)、(T59)、(T60)、(T61)および(T62)からなる群から選択される。
【0054】
このような実施形態において、X
1が、好ましくは、オキソ、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3ハロアルキルまたはハロゲン、より好ましくは、C
1〜C
3アルキルまたはハロゲン、さらにより好ましくは、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチルまたはトリフルオロメチルである。同様に、X
2およびX
4が、それぞれ独立して、好ましくは、水素、オキソ、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3ハロアルキルまたはハロゲン、より好ましくは、水素またはオキソである。このような実施形態において、X
3が、好ましくは、水素、C
1〜C
3アルキルまたはC
1〜C
3ハロアルキルである。このような実施形態において、R
7が、好ましくは、水素、C
1〜C
3アルキルまたはC
1〜C
3ハロアルキルである。R
7が基(B)に対してオルトである場合、それは、より好ましくは、C
1〜C
3アルキルまたはC
1〜C
3ハロアルキルである。
【0055】
本明細書に記載されるように、Dが、基(Dp)であるか、または酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1、2または3つのヘテロ原子を含有する置換または非置換の5員または6員単環式ヘテロアリール環であり、Dは、置換される場合、少なくとも1つの環炭素原子上においてR
8で、および/または環窒素原子上においてR
9で置換される。Dが、置換または非置換5員または6員単環式複素環式環である場合、それは、好ましくは、置換(本明細書に記載されるように)または非置換フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、ピリジル、ピリドニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニルまたは1,3,5−トリアジニル環である。
【0056】
より好ましくは、このような実施形態において、Dが、置換(本明細書に記載されるように)または非置換ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリドニル、ピリミジニル、ピリダジニルまたはピラジニル環である。
【0057】
さらにより好ましくは、このような実施形態において、Dが、置換(本明細書に記載されるように)または非置換のオキサゾリル、チアゾリルまたはピリジル環である。
【0058】
好ましくは、各R
8が、独立して、オキソ、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C
1〜C
4アルコキシまたはC
1〜C
4アルキルチオである。
【0059】
好ましくは、各R
9が、独立して、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4ハロアルキル、ヒドロキシル、C
1〜C
4アルコキシまたはC
1〜C
4アルキルチオである。
【0060】
しかしながら、上述されるように、Dが、代わりに基(Dp)
【化12】
であってもよく、式中、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4およびZ
5が、それぞれ独立して、水素、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
3ハロアルキル、C
1〜C
3ハロアルコキシまたはハロゲンから選択され、pが分子の残りの部分への結合点である。
【0061】
好ましくは、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4およびZ
5が、それぞれ独立して、水素、ハロゲン(特にクロロ)、メチル、メトキシおよびトリフルオロメチルから選択される。
【0062】
1つの組の実施形態において、Z
1、Z
2、Z
4およびZ
5のそれぞれが水素であり、Z
3が水素でない。好ましくは、この組の実施形態において、Z
3が、ハロゲン、より好ましくは、クロロである。
【0063】
さらなる組の実施形態において、Z
1、Z
4およびZ
5のそれぞれが水素であり、Z
2およびZ
3が水素でない。この組の実施形態において、Z
2およびZ
3が、それぞれ独立して、ハロゲンであるのが特に好ましく、Z
2およびZ
3が両方ともクロロであるのがより好ましい。
【0064】
1つの特に好ましい組の実施形態において、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4およびZ
5が全て水素を保有する。
【0065】
以下の表1〜17中の化合物は、本発明の化合物を例示する。
【0066】
表1:
以下の表X中、X=1である場合、表1は、式(I−iii)(式中、Dが、表1中に列挙される値を有する)の21種の化合物1.01〜1.21を提供する。式(I−iii)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化13】
【0067】
表2:
以下の表X中、X=2である場合、表2は、式(I−iv)(式中、Dが、表2中に列挙される値を有する)の21種の化合物2.01〜2.21を提供する。式(I−iv)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化14】
【0068】
表3:
以下の表X中、X=3である場合、表3は、式(I−v)(式中、Dが、表3中に列挙される値を有する)の21種の化合物3.01〜3.21を提供する。式(I−v)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化15】
【0069】
表4:
以下の表X中、X=4である場合、表4は、式(I−vi)(式中、Dが、表4中に列挙される値を有する)の21種の化合物4.01〜4.21を提供する。式(I−vi)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化16】
【0070】
表5:
以下の表X中、X=5である場合、表5は、式(I−vii)(式中、Dが、表5中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−vii)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化17】
【0071】
表6:
以下の表X中、X=6である場合、表6は、式(I−viii)(式中、Dが、表6中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−viii)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化18】
【0072】
表7:
以下の表X中、X=7である場合、表7は、式(I−ix)(式中、Dが、表7中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−ix)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化19】
【0073】
表8:
以下の表X中、X=8である場合、表8は、式(I−x)(式中、Dが、表8中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−x)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化20】
【0074】
表9:
以下の表X中、X=9である場合、表9は、式(I−xi)(式中、Dが、表9中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−xi)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化21】
【0075】
表10:
以下の表X中、X=10である場合、表10は、式(I−xii)(式中、Dが、表10中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−xii)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化22】
【0076】
表11:
以下の表X中、X=11である場合、表11は、式(I−xiii)(式中、Dが、表11中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−xiii)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化23】
【0077】
表12:
以下の表X中、X=12である場合、表12は、式(I−xiv)(式中、Dが、表12中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−xiv)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化24】
【0078】
表13:
以下の表X中、X=13である場合、表13は、式(I−xv)(式中、Dが、表13中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−xv)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化25】
【0079】
表14:
以下の表X中、X=14である場合、表14は、式(I−xvi)(式中、Dが、表14中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−xvi)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化26】
【0080】
表15:
以下の表X中、X=15である場合、表15は、式(I−xvii)(式中、Dが、表15中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−xvii)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化27】
【0081】
表16:
以下の表X中、X=16である場合、表16は、式(I−xviii)(式中、Dが、表16中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−xviii)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化28】
【0082】
表17:
以下の表X中、X=17である場合、表17は、式(I−xix)(式中、Dが、表17中に列挙される値を有する)の25種の化合物を提供する。式(I−xix)の化合物は、式(I)の化合物の例である。
【化29】
【0084】
本発明の化合物は、以下のスキーム(式中、A
3、A
4、A
5、R
11、X
21、X
22、X
23、X
24、TおよびDが、(特に明記しない限り)本明細書において上述される定義を有する)に従って調製され得る。
【0085】
本発明の特定の化合物(1)は、反応スキーム1に示されるように式(2)の化合物から調製され得る。化合物(1)は、式(I)(式中、Gが水素であり、A
2がNR
11である)の化合物である。
【0086】
反応スキーム1および反応スキーム2に記載されているプロセスは、溶媒および塩基の同じ組合せによって促進され得ることがあるため、反応スキーム2で表される式(2)の化合物の計画された調製により、本発明の化合物(1)が直接得られる(「ワンポット」または「はめ込み(telescoped)」プロセス)ことが観察されることがある。
【0087】
反応スキーム1
【化30】
式(1)の化合物は、−10〜50℃の温度において、好適な溶媒中での好適な塩基による化合物(2)の処理によって調製され得る。好適な塩基の例は、水素化ナトリウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジドまたはカリウムヘキサメチルジシラジドである。好適な溶媒の例は、アセトニトリル、テトラヒドロフランまたはN,N−ジメチルホルムアミドである。
【0088】
式(2)の化合物は、反応スキーム2に示されるように式(3)の化合物から調製され得る。
【0089】
反応スキーム2
【化31】
式(2)の化合物は、0〜100℃の温度において、好適な塩基および溶媒の存在下での求電子的アルキル化剤による化合物(3)のN−アルキル化によって調製され得る。好適な求電子試薬の例は、臭化プロパルギル、ヨウ化メチル、硫酸ジメチルまたは2,2−ジフルオロエチルトリフレートである。好適な塩基の例は、水素化ナトリウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ジイソプロピルエチルアミンまたは炭酸カリウムである。好適な溶媒の例は、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルである。
【0090】
式(3)の化合物は、反応スキーム3に示されるように、塩化物(4)とのアミノ−複素環(5)のカップリングによって調製され得る。
【0091】
反応スキーム3
【化32】
式(3)の化合物は、好適な溶媒中において、塩基[ピリジンまたはトリエチルアミンなど]の存在下で塩化物(4)をアミノ−複素環(5)と反応させることによって調製され得る。好適な溶媒の例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルである。化合物(4)の例は、反応スキーム6に従って調製される塩化アシル(4−i)(式中、A
3がC(O)である)である。化合物(4)のさらなる例は、反応スキーム13に従って調製される塩化スルホニル(4−ii)(式中、A
3がS(O)
2である)である。アミノ−複素環(5)の例は、反応スキーム4(PCT特許出願国際公開第2012/087976号から公知の方法)に従って調製されるアミノ−チアゾール(5−i)である。アミノ−複素環(5)のさらなる例は、反応スキーム5に従って調製され得る。
【0092】
反応スキーム4
【化33】
反応スキーム4を参照すると、シアニミドジチオ炭酸モノメチルエステル一カリウム塩が市販されている。
【0093】
反応スキーム5
【化34】
式(5)のアミノ−複素環は、−20℃〜80℃の温度において、溶媒[酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリルまたはそれらの混合物]中で式(16)のアミノ酸を1,1’−カルボニルジイミダゾール、次にメタノールで処理することによって調製され得る。反応スキーム5を参照すると、式(16)の多くのアミノ酸が市販されている。例は、4−アミノ−[1,2,5]チアジアゾール−3−カルボン酸および3−アミノイソチアゾール−4−カルボン酸である。
【0094】
反応スキーム6
【化35】
反応スキーム6を参照すると、カルボン酸(6)は、様々な方法によって調製され得る。式(6−i)の化合物は、式(6)(式中、Tが、式(Tp)の置換フェニル環である)の化合物である。化合物(6−i)は、反応スキーム7に示されるように調製され得る。式(6)の他のカルボン酸は、反応スキーム11に示されるように調製され得る。
【0095】
反応スキーム7
【化36】
式(6−i)の化合物は、0〜40℃の温度において、水および酢酸エチル、ジクロロメタンまたはアセトニトリルのリストからの1つまたは複数の有機溶媒を含有する溶媒系中で、三塩化ルテニウム水和物および過ヨウ素酸ナトリウムからインサイチュで生成される四酸化ルテニウムによる化合物(7)の処理によって調製され得る。
【0096】
式(7)の化合物は、反応スキーム8に示されるようにフェノール(8)から調製され得る。
【0097】
反応スキーム8
【化37】
式(7)の化合物は、20〜70℃の温度において、好適な塩基および溶媒の存在下での式(9)[式中、LGが、塩化物、臭化物、ヨウ化物、メシレートまたはトシレートなどの脱離基である]のアルキル化剤によるフェノール(8)の処理によって調製され得る。好適な塩基の例は、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムおよびトリエチルアミンである。好適な溶媒の例は、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエンおよびアセトニトリルである。式(9)の多くのアルキル化剤またはそれらの塩が市販されており[2−(ブロモメチル)ピリジン臭化水素酸塩、2−クロロ−5−(クロロメチル)チアゾールまたは臭化ベンジルなど]、または当業者に公知の方法によって作製され得る。
【0098】
フェノール(8)は、反応スキーム9に示されるように調製され得る。
【0099】
反応スキーム9
【化38】
フェノール(8)は、180〜220℃の温度において、任意選択的に溶媒[N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアニリンなど]の存在下で化合物(10)を加熱することによって調製され得る。
【0100】
反応スキーム9を参照すると、化合物(10)の例は、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.2,2001,1824に従って調製される2−アリルオキシ−1,4−ジクロロ−ベンゼンである。式(10)の他の化合物は、反応スキーム10に従って同様に合成され得る。
【0101】
反応スキーム10
【化39】
化合物(10)は、20〜70℃の温度において、炭酸カリウムおよびアセトンの存在下での臭化アリルによるフェノール(11)の処理によって調製され得る。
【0102】
反応スキーム10を参照すると、多くのフェノール化合物(11)が市販されている。例は、2,5−ジクロロフェノールおよび2−クロロ−5−フルオロフェノールである。
【0103】
反応スキーム11
【化40】
式(6)のカルボン酸は、20〜100℃の温度において、メタノールと水との混合物中でアルカリ金属水酸化物によるエステル(12)[式中、n=1または2である]の加水分解によって調製され得る。好適なアルカリ金属水酸化物の例は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムである。
【0104】
式(12)のエステルは、反応スキーム12に示されるように化合物(13)から調製され得る。
【0105】
反応スキーム12
【化41】
エステル(12)[式中、n=1または2である]は、20〜70℃の温度において、アセトン中の炭酸カリウムの存在下での式(9)[式中、LGが、塩化物、臭化物、ヨウ化物、メシレートまたはトシレートなどの脱離基である]のアルキル化剤によるフェノール(13)[式中、n=1または2である]のアルキル化によって調製され得る。フェノール(13)の例は、エチル(5−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アセテート[PCT特許出願国際公開第03/099793号に従って調製される]およびメチルα−(1,3−ジメチル−4−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−5−イル)アセテート[欧州特許出願公開第0702005号明細書に従って調製される]である。他のフェノール(13)は、反応スキーム16に従って調製され得る。
【0106】
反応スキーム13
【化42】
塩化スルホニル(4−ii)は、反応スキーム13に示されるように、好適な溶媒[アセトニトリルまたはテトラヒドロフランなど]中において、N−クロロ−スクシンイミド(NCS)および塩酸による式(14)のチオアセテートの処理によって調製され得る。式(14)のチオアセテートは、反応スキーム14に従って作製される。
【0107】
反応スキーム14
【化43】
式(14)のチオアセテートは、任意選択的に加熱を用いて、好適な溶媒[アセトンまたはエタノールなど]中での臭化物(15)とチオ酢酸カリウムとの反応によって調製され得る。式(15)の臭化物は、反応スキーム15に従って調製される。
【0108】
反応スキーム15
【化44】
式(15)の臭化物は、反応スキーム15に示されるように、任意選択的に加熱および任意選択的に紫外線による反応物の照射を用いて、好適な溶媒[ジクロロメタン、クロロホルムまたは四塩化炭素など]中でのブロモトリクロロメタンおよび2−メルカプトピリジンN−オキシドナトリウム塩による塩化アシル(4−i)の処理によって調製され得る。塩化アシル(4−i)は、反応スキーム6に従って調製される。
【0109】
反応スキーム16
【化45】
フェノール(13)[式中、n=1または2である]は、−10℃〜120℃の温度において、アルコール[特にメタノール(式中、n=1である)またはエタノール(式中、n=2である)]および酸[硫酸または塩酸など]による式(17)の化合物の処理によって調製され得る。式(17)の化合物は、反応スキーム17に従って調製される。
【0110】
反応スキーム17
【化46】
式(17)の化合物は、0〜40℃の温度において、水および酢酸エチル、ジクロロメタンまたはアセトニトリルのリストからの1つまたは複数の有機溶媒を含有する溶媒系中で、三塩化ルテニウム水和物および過ヨウ素酸ナトリウムからインサイチュで生成される四酸化ルテニウムによる化合物(18)の処理によって調製され得る。化合物(18)の例は、式(18−i)(式中、TがTpであり、アリル部分が、メトキシメトキシ部分に対してオルトである)の化合物である。式(18−i)の化合物は、反応スキーム18に従って作製される。
【0111】
反応スキーム18
【化47】
式(18−i)の化合物は、−20℃〜100℃の温度において、塩基[水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムなど]および溶媒[テトラヒドロフラン、アセトンまたはエタノールなど]の存在下でのクロロメチルメチルエーテルによるフェノール(8)のアルキル化によって作製され得る。フェノール(8)は、反応スキーム9に従って作製される。
【0112】
本発明に係る化合物は、非修飾形態で除草剤として使用され得るが、それらは、一般に、担体、溶媒および表面活性物質などの製剤化補助剤を用いて様々な方法で組成物へと製剤化される。製剤は、様々な物理的形態、例えば粉剤、ゲル、水和剤、水和性粒剤、水分散性錠剤、発泡性ペレット、乳化性濃縮物、マイクロ乳化性濃縮物、水中油乳剤、油性フロアブル剤、水性分散液、油性分散液、サスポエマルション(suspo−emulsion)、カプセル懸濁剤、乳化性粒剤、可溶性液体、水溶性濃縮物(担体として水または水混和性有機溶媒を含む)、含浸ポリマーフィルムの形態または例えばManual on Development and Use of FAO and WHO Specifications for Pesticides,United Nations,First Edition,Second Revision(2010)から公知の他の形態であり得る。このような製剤は、直接使用されるかまたは使用前に希釈され得る。希釈は、例えば、水、液体肥料、微量栄養素、生物有機体、油または溶媒を用いて行われ得る。
【0113】
製剤は、微粉化された固体、粒剤、液剤、分散液または乳剤の形態の組成物を得るために、例えば活性成分を製剤化補助剤と混合することによって調製され得る。活性成分はまた、微粉化された固体、鉱油、植物もしくは動物由来の油、植物もしくは動物由来の変性油、有機溶媒、水、表面活性物質またはそれらの組合せなどの他の補助剤とともに製剤化され得る。
【0114】
活性成分はまた、微細なマイクロカプセル中に含有され得る。マイクロカプセルは、多孔質担体中に活性成分を含有する。これにより、活性成分を制御された量で環境中に放出させることができる(例えば、持続放出)。マイクロカプセルは、通常、0.1〜500μmの直径を有する。マイクロカプセルは、カプセル重量の約25〜95重量%の量で活性成分を含有する。活性成分は、モノリシック固体の形態、固体もしくは液体分散体中の微粒子の形態または好適な溶液の形態であり得る。封入用の膜は、例えば、天然もしくは合成ゴム、セルロース、スチレン/ブタジエンコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタンまたは化学修飾ポリマーおよびデンプンキサンテート(starch xanthate)または当業者に公知の他のポリマーを含み得る。あるいは、活性成分が基剤の固体マトリクス中に微粉化された粒子の形態で含まれた微細なマイクロカプセルが形成され得るが、このマイクロカプセル自体は封入されない。
【0115】
本発明に係る組成物の調製に好適な製剤化補助剤はそれ自体公知である。液体担体として、以下のものが使用され得る:水、トルエン、キシレン、石油エーテル、植物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酸無水物、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2−ブタノン、炭酸ブチレン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸のアルキルエステル、ジアセトンアルコール、1,2−ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p−ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールアビエテート、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロキシトール(diproxitol)、アルキルピロリドン、酢酸エチル、2−エチルヘキサノール、炭酸エチレン、1,1,1−トリクロロエタン、2−ヘプタノン、α−ピネン、d−リモネン、乳酸エチル、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、グリセロール、酢酸グリセロール、二酢酸グリセロール、三酢酸グリセロール、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、酢酸イソアミル、酢酸イソボルニル、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、酸化メシチル、メトキシプロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリン酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、塩化メチレン、m−キシレン、n−ヘキサン、n−オクチルアミン、オクタデカン酸、オクチルアミンアセテート、オレイン酸、オレイルアミン、o−キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール、プロピオン酸、乳酸プロピル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、p−キシレン、トルエン、リン酸トリエチル、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびアミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノールなどのより高い分子量のアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、N−メチル−2−ピロリドンなど。
【0116】
好適な固体担体は、例えば、タルク、二酸化チタン、葉ろう石粘土、シリカ、アタパルジャイト粘土、珪藻土、石灰石、炭酸カルシウム、ベントナイト、カルシウムモンモリロナイト、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、粉砕されたクルミ殻、リグニンおよび同様の物質である。
【0117】
多くの表面活性物質は、固体および液体製剤の両方中、特に、使用前に担体で希釈され得る製剤中で有利に使用され得る。表面活性物質は、アニオン性、カチオン性、非イオン性またはポリマーであってもよく、それらは、乳化剤、湿潤剤もしくは懸濁化剤としてまたは他の目的のために使用され得る。典型的な表面活性物質としては、例えば、ラウリル硫酸ジエタノールアンモニウムなどの硫酸アルキルの塩;ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなどのアルキルアリールスルホネートの塩;ノニルフェノールエトキシレートなどのアルキルフェノール/アルキレンオキシド付加生成物;トリデシルアルコールエトキシレートなどのアルコール/アルキレンオキシド付加生成物;ステアリン酸ナトリウムなどの石けん;ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレンスルホネートの塩;ナトリウムジ(2−エチルヘキシル)スルホスクシネートなどのスルホコハク酸塩のジアルキルエステル;オレイン酸ソルビトールなどのソルビトールエステル;ラウリルトリメチルアンモニウムクロリドなどの第四級アミン、ポリエチレングリコールステアレートなどの脂肪酸のポリエチレングリコールエステル;エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー;ならびにモノ−およびジ−アルキルリン酸エステルの塩;ならびにさらに例えばMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual,MC Publishing Corp.,Ridgewood New Jersey(1981)に記載されているさらなる物質が挙げられる。
【0118】
殺有害生物製剤に使用され得るさらなる補助剤としては、結晶化抑制剤、粘度調整剤、懸濁化剤、染料、酸化防止剤、発泡剤、光吸収剤、混合助剤、消泡剤、錯化剤、中和剤またはpH調整物質および緩衝液、腐食防止剤、香料、湿潤剤、吸収向上剤、微量栄養素、可塑剤、滑剤、潤滑剤、分散剤、増粘剤、不凍剤、殺菌剤、ならびに液体および固体肥料が挙げられる。
【0119】
本発明に係る組成物は、植物もしくは動物由来の油、鉱油、このような油のアルキルエステルまたはこのような油と油誘導体との混合物を含む添加剤を含み得る。本発明に係る組成物中の油添加剤の量は、一般に、適用される混合物を基準にして0.01〜10%である。例えば、油添加剤は、スプレー混合物が調製された後、所望の濃度でスプレータンクに加えられ得る。好ましい油添加剤は、鉱油または植物由来の油、例えばナタネ油、オリーブ油もしくはヒマワリ油、乳化植物油、植物由来の油のアルキルエステル、例えばメチル誘導体または魚油もしくは牛脂などの動物由来の油を含む。好ましい油添加剤は、C
8〜C
22脂肪酸のアルキルエステル、特にC
12〜C
18脂肪酸のメチル誘導体、例えばラウリン酸、パルミチン酸およびオレイン酸のメチルエステル(それぞれラウリン酸メチル、パルミチン酸メチルおよびオレイン酸メチル)を含む。多くの油誘導体が、Compendium of Herbicide Adjuvants,10
th Edition,Southern Illinois University,2010から公知である。
【0120】
除草組成物は、一般に、0.1〜99重量%、特に0.1〜95重量%の式Iの化合物および1〜99.9重量%の製剤化補助剤(これは、好ましくは0〜25重量%の表面活性物質を含む)を含む。本発明の組成物は、一般に、0.1〜99重量%、特に0.1〜95重量%の本発明の化合物および1〜99.9重量%の製剤化補助剤(これは、好ましくは0〜25重量%の表面活性物質を含む)を含む。市販の製品は、好ましくは濃縮物として製剤化され得るが、最終使用者は、通常、希釈製剤を用いるであろう。
【0121】
適用量は、広い範囲内で変化し、土壌の性質、適用方法、作物植物、防除される有害生物、そのときの気候条件、ならびに適用方法、適用の時期および標的作物に左右される他の要因に応じて決まる。一般的な指針として、化合物は、1〜2000l/ha、特に10〜1000l/haの割合で適用され得る。
【0122】
好ましい製剤は、以下の組成を有し得る(重量%)。
【0123】
乳剤濃縮物:
活性成分: 1〜95%、好ましくは60〜90%
表面活性剤: 1〜30%、好ましくは5〜20%
液体担体: 1〜80%、好ましくは1〜35%
【0124】
ダスト剤:
活性成分: 0.1〜10%、好ましくは0.1〜5%
固体担体: 99.9〜90%、好ましくは99.9〜99%
【0125】
懸濁濃縮物:
活性成分: 5〜75%、好ましくは10〜50%
水: 94〜24%、好ましくは88〜30%
表面活性剤: 1〜40%、好ましくは2〜30%
【0126】
水和剤:
活性成分: 0.5〜90%、好ましくは1〜80%
表面活性剤: 0.5〜20%、好ましくは1〜15%
固体担体: 5〜95%、好ましくは15〜90%
【0127】
粒剤:
活性成分: 0.1〜30%、好ましくは0.1〜15%
固体担体: 99.5〜70%、好ましくは97〜85%
【0128】
以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、本発明を限定するものではない。
【0129】
この組合せは、補助剤と十分に混合され、混合物が好適なミルにおいて十分に粉砕され、これにより水和剤が得られ、これは、水で希釈されて所望の濃度の懸濁液が得られる。
【0130】
この組合せは、補助剤と十分に混合され、混合物が好適なミルにおいて十分に粉砕され、種子処理に直接使用され得る粉剤が得られる。
【0131】
植物保護に使用され得る、任意の所要の希釈率の乳剤は、水による希釈によってこの濃縮物から得られる。
【0132】
即時使用可能なダスト剤が、担体と組み合わせて混合し、混合物を好適なミルにおいて粉砕することによって得られる。このような粉末は、種子の乾式粉衣(dry dressing)にも使用され得る。
【0133】
この組合せは補助剤と混合され、粉砕され、混合物は水で濡らされる。混合物は押し出され、次に空気流中で乾燥される。
【0134】
この微粉化された組合せは、ミキサー中において、ポリエチレングリコールで濡らされたカオリンに均一に適用される。このように、ほこりのない被覆粒剤が得られる。
【0135】
この微粉化された組合せが補助剤と均質混合され、懸濁濃縮物が得られ、この懸濁濃縮物から任意の所望の希釈率の懸濁液が水による希釈によって得られる。このような希釈を用いて、生きた植物ならびに植物繁殖材料が噴霧、注ぎかけまたは浸漬によって処理され、微生物による寄生から保護され得る。
【0136】
この微粉化された組合せが補助剤と均質混合され、懸濁濃縮物が得られ、この懸濁濃縮物から任意の所望の希釈率の懸濁液が水による希釈によって得られる。このような希釈を用いて、生きた植物ならびに植物繁殖材料が噴霧、注ぎかけまたは浸漬によって処理され、微生物による寄生から保護され得る。
【0137】
持続放出性カプセル懸濁剤
28部のこの組合せを2部の芳香族溶媒および7部のトルエンジイソシアネート/ポリメチレン−ポリフェニルイソシアネート−混合物(8:1)と混合する。この混合物を所望の粒度が得られるまで1.2部のポリビニルアルコールと、0.05部の消泡剤と、51.6部の水との混合物中で乳化する。この乳剤に5.3部の水中の2.8部の1,6−ジアミノヘキサンの混合物を加える。混合物を重合反応が完了するまで撹拌する。得られたカプセル懸濁剤を、0.25部の増粘剤および3部の分散剤を加えることによって安定化させる。カプセル懸濁剤製剤は、28%の活性成分を含有する。カプセルの中間直径は8〜15μmである。得られた製剤を該当する目的に好適な装置中で水性懸濁液として種子に適用する。
【0138】
本発明に係る組成物は、少なくとも1つの付加的な農薬(pesticide)をさらに含み得る。例えば、本発明に係る化合物はまた、他の除草剤または植物成長調節剤と組み合わせて使用され得る。好ましい実施形態において、付加的な農薬は、除草剤および/または除草剤毒性緩和剤である。
【0139】
したがって、式(I)の化合物は、様々な除草剤混合物を提供するために、1つまたは複数の他の除草剤と組み合わせて使用され得る。このような混合物の具体例としては、(ここで、「I」は、式(I)の化合物を表す):−I+アセトクロール;I+アシフルオルフェン−ナトリウム;I+アクロニフェン;I+アラクロル;I+アロキシジム;I+アメトリン;I+アミカルバゾン;I+アミドスルフロン;I+アミノシクロピラクロール;I+アミノピラリド;I+アミトロール;I+アシュラム;I+アトラジン;I+ベンスルフロン−メチル;I+ベンタゾン;I+ビシクロピロン;I+ビフェノックス;I+ビスピリバック−ナトリウム;I+ブロマシル;I+ブロモキシニル;I+ブタフェナシル;I+カフェンストロール;I+カルフェントラゾン−エチル;I+クロリムロン−エチル;I+クロロトルロン;I+シノスルフロン;I+クレトジム;I+クロジナホップ−プロパルギル;I+クロマゾン;I+クロピラリド;I+シハロホップ−ブチル;I+2,4−D(そのコリン塩および2−エチルヘキシルエステルを含む);I+ダイムロン;I+デスメジファム;I+ジカンバ(そのアルミニウム塩、アミノプロピル塩、ビス−アミノプロピルメチル塩、コリン塩、ジグリコールアミン塩、ジメチルアミン塩、ジメチルアンモニウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩を含む);I+ジクロホップ−メチル;I+ジフェンゾコート;I+ジフルフェニカン;I+ジフルフェンゾピル;I+ジメタクロール;I+ジメテナミド−P;I+ジクワットジブロミド;I+ジウロン;I+エスプロカルブ;I+エトフメセート;I+フェノキサプロップ−P−エチル;I+フェンキノトリオン;I+フラザスルフロン;I+フロラスラム;I+フルアジホップ−P−ブチル;I+フルカルバゾン−ナトリウム;I+フルフェナセット;I+フルメトラリン;I+フルメトスラム;I+フルミオキサジン;I+フルピルスルフロン−メチル−ナトリウム;I+フルロキシピル−メプチル;I+フルチアセット−メチル;I+ホメサフェン;I+ホラムスルフロン;I+グルホシネート(そのアンモニウム塩を含む);I+グリホサート(その二アンモニウム塩、イソプロピルアンモニウム塩およびカリウム塩を含む);I+ハラウキシフェン−メチル;I+ハロスルフロン−メチル;I+ハロキシホップ−メチル;I+ヘキサジノン;I+イマザモックス;I+イマザピック;I+イマザピル;I+イマザキン;I+イマゼタピル;I+インダジフラム;I+ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム;I+イオフェンスルフロン;I+イオフェンスルフロン−ナトリウム;I+イオキシニル;I+イプフェンカルバゾン;I+イソキサベン;I+イソキサフルトール;I+ラクトフェン;I+リニュロン;I+メコプロップ−P;I+メフェナセット;I+メソスルフロン;I+メソスルフロン−メチル;I+メソトリオン;I+メタミトロン;I+メトブロムロン;I+メトラクロール;I+メトクスロン;I+メトリブジン;I+メトスルフロン;I+モリネート;I+ナプロパミド;I+ニコスルフロン;I+ノルフルラゾン;I+オルソスルファムロン;I+オキサジアルギル;I+オキサジアゾン;I+オキシフルオルフェン;I+パラコートジクロリド;I+ペンジメタリン;I+ペノキススラム;I+フェンメジファム;I+ピクロラム;I+ピコリナフェン;I+ピノキサデン;I+プレチラクロール;I+プリミスルフロン−メチル;I+プロジアミン;I+プロメトリン;I+プロパクロール;I+プロパニル;I+プロパキザホップ;I+プロファム;I+プロピザミド;I+プロスルホカルブ;I+プロスルフロン;I+ピラスルホトール;I+ピラゾリネート、I+ピラゾスルフロン−エチル;I+ピリベンゾキシム;I+ピリデート;I+ピリフタリド;I+ピリチオバック−ナトリウム;I+ピロキサスルホン;I+ピロックススラム;I+キンクロラック;I+キザロホップ−P−エチル;I+リムスルフロン;I+サフルフェナシル;I+セトキシジム;I+S−メトラクロール;I+スルコトリオン;I+スルフェントラゾン;I+テブチウロン;I+テフリルトリオン;I+テンボトリオン;I+テルブチラジン;I+テルブトリン;I+チエンカルバゾン;I+チフェンスルフロン;I+チアフェナシル;I+トルピラレート;I+トプラメゾン;I+トラルコキシジム;I+トリアファモン;I+トリアスルフロン;I+トリベヌロン−メチル;I+トリクロピル;I+トリフロキシスルフロン−ナトリウム;I+トリフルジモキサジンおよびトリトスルフロンが挙げられる。
【0140】
このような混合物の特に好ましい例としては、−I+アメトリン;I+アトラジン;I+ビシクロピロン;I+ブタフェナシル;I+クロロトルロン;I+クロジナホップ−プロパルギル;I+クロマゾン;I+2,4−D(そのコリン塩および2−エチルヘキシルエステルを含む);I+ジカンバ(そのアルミニウム塩、アミノプロピル塩、ビス−アミノプロピルメチル塩、コリン塩、ジグリコールアミン塩、ジメチルアミン塩、ジメチルアンモニウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩を含む);I+ジメタクロール;I+ジクワットジブロミド;I+フルアジホップ−P−ブチル;I+フルメトラリン;I+ホメサフェン;I+グルホシネート−アンモニウム;I+グリホサート(その二アンモニウム塩、イソプロピルアンモニウム塩およびカリウム塩を含む);I+メソトリオン;I+モリネート;I+ナプロパミド;I+ニコスルフロン;I+パラコートジクロリド;I+ピノキサデン;I+プレチラクロール;I+プリミスルフロン−メチル;I+プロメトリン;I+プロスルホカルブ;I+プロスルフロン;I+ピリデート;I+ピリフタリド;I+ピラゾリネート、I+S−メトラクロール;I+テルブチラジン;I+テルブトリン;I+トラルコキシジム;I+トリアスルフロンおよびI+トリフロキシスルフロン−ナトリウムが挙げられる。
【0141】
穀物(特にコムギおよび/またはオオムギ)における雑草防除のための好ましい除草剤混合物生成物としては、−I+アミドスルフロン;I+アミノピラリド;I+ブロモキシニル;I+カルフェントラゾン−エチル;I+クロロトルロン;I+クロジナホップ−プロパルギル;I+クロピラリド;I+2,4−D(そのコリン塩および2−エチルヘキシルエステルを含む);I+ジカンバ(そのアルミニウム塩、アミノプロピル塩、ビス−アミノプロピルメチル塩、コリン塩、ジグリコールアミン塩、ジメチルアミン塩、ジメチルアンモニウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩を含む);I+ジフェンゾコート;I+ジフルフェニカン;I+フェノキサプロップ−P−エチル;I+フロラスラム;I+フルカルバゾン−ナトリウム;I+フルフェナセット;フルピルスルフロン−メチル−ナトリウム;I+フルロキシピル−メプチル;I+ハラウキシフェン−メチル;I+ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム;I+イオフェンスルフロン;I+イオフェンスルフロン−ナトリウム;I+メソスルフロン;I+メソスルフロン−メチル;I+メトスルフロン;I+ペンジメタリン;I+ピノキサデン;I+プロスルホカルブ;I+ピラスルホトール;I+ピロキサスルホン;I+ピロックススラム;I+トプラメゾン;I+トラルコキシジム;I+トリアスルフロンおよびI+トリベヌロン−メチルが挙げられる。
【0142】
トウモロコシにおける雑草防除のための好ましい除草剤混合物生成物としては、−I+アセトクロール;I+アラクロル;I+アトラジン;I+ビシクロピロン;I+2,4−D(そのコリン塩および2−エチルヘキシルエステルを含む);I+ジカンバ(そのアルミニウム塩、アミノプロピル塩、ビス−アミノプロピルメチル塩、コリン塩、ジグリコールアミン塩、ジメチルアミン塩、ジメチルアンモニウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩を含む);I+ジフルフェンゾピル;I+ジメテナミド−P;I+フルミオキサジン;I+フルチアセット−メチル;I+ホラムスルフロン;I+グルホシネート(そのアンモニウム塩を含む);I+グリホサート(その二アンモニウム塩、イソプロピルアンモニウム塩およびカリウム塩を含む);I+イソキサフルトール;I+メソトリオン;I+ニコスルフロン;I+プリミスルフロン−メチル;I+プロスルフロン;I+ピロキサスルホン;I+リムスルフロン;I+S−メトラクロール、I+テルブチラジン;I+テンボトリオン;I+チエンカルバゾンおよびI+チフェンスルフロンが挙げられる。
【0143】
コメにおける雑草防除のための好ましい除草剤混合物生成物としては、−I+2,4−D;I+2,4−Dコリン塩;I+2,4−D−2−エチルヘキシルエステル;I+ベンスルフロン−メチル;I+ビスピリバック−ナトリウム;I+カフェンストロール;I+シノスルフロン;I+クロマゾン;I+シハロホップ−ブチル;I+ダイムロン;I+ジカンバ(そのアルミニウム塩、アミノプロピル塩、ビス−アミノプロピルメチル塩、コリン塩、ジグリコールアミン塩、ジメチルアミン塩、ジメチルアンモニウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩を含む);I+エスプロカルブ;I+フェノキサプロップ−P−エチル;I+フロラスラム;I+ハラウキシフェン−メチル;I+ハロスルフロン−メチル;I+イオフェンスルフロン;I+イプフェンカルバゾン;I+メフェナセット;I+メソトリオン;I+メトスルフロン;I+モリネート;I+オルソスルファムロン;I+オキサジアルギル;I+オキサジアゾン;I+ペンジメタリン;I+ペノキススラム;I+プレチラクロール;I+ピラゾリネート、I+ピラゾスルフロン−エチル;I+ピリベンゾキシム;I+ピリフタリド;I+キンクロラック;I+テフリルトリオン;I+トリアファモンおよびI+トリアスルフロンが挙げられる。
【0144】
ダイズにおける雑草防除のための好ましい除草剤混合物としては、−I+アシフルオルフェン−ナトリウム;I+アメトリン;I+アトラジン;I+ベンタゾン;I+ビシクロピロン;I+ブロモキシニル;I+カルフェントラゾン−エチル;I+クロリムロン−エチル;I+クレトジム;I+クロマゾン;I+2,4−D(そのコリン塩および2−エチルヘキシルエステルを含む);I+ジカンバ(そのアルミニウム塩、アミノプロピル塩、ビス−アミノプロピルメチル塩、コリン塩、ジグリコールアミン塩、ジメチルアミン塩、ジメチルアンモニウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩を含む);I+ジクワットジブロミド;I+ジウロン;I+フェノキサプロップ−P−エチル;I+フルアジホップ−P−ブチル;I+フルフェナセット;I+フルミオキサジン;I+ホメサフェン;I+グルホシネート(そのアンモニウム塩を含む);I+グリホサート(その二アンモニウム塩、イソプロピルアンモニウム塩およびカリウム塩を含む);I+イマゼタピル;I+ラクトフェン;I+メソトリオン;I+メトラクロール;I+メトリブジン;I+ニコスルフロン;I+オキシフルオルフェン;I+パラコートジクロリド;I+ペンジメタリン;I+ピロキサスルホン;I+キザロホップ−P−エチル;I+サフルフェナシル;I+セトキシジム;I+S−メトラクロールおよびI+スルフェントラゾンが挙げられる。
【0145】
例えばThe Pesticide Manual,Fourteenth Edition,British Crop Protection Council,2006に記載されているように、式(I)の化合物の混合相手は、エステルまたは塩の形態でもあり得る。
【0146】
式(I)の化合物はまた、The Pesticide Manualにおいて例が示されている殺真菌剤、殺線虫剤または殺虫剤などの他の農薬との混合物中で使用され得る。
【0147】
式(I)の化合物対混合相手の混合比は、好ましくは、1:100〜1000:1である。
【0148】
混合物は、上記の製剤中で有利に使用され得る(その場合、「活性成分」は、式Iの化合物と混合相手とのそれぞれの混合物に関する)。
【0149】
本発明の式(I)の化合物はまた、除草剤毒性緩和剤と組み合わされ得る。好ましい組合せ(ここで、「I」は、式(I)の化合物を表す)としては、−I+ベノキサコール、I+クロキントセット−メキシル;I+シプロスルファミド;I+ジクロルミド;I+フェンクロラゾール−エチル;I+フェンクロリム;I+フルキソフェニム;I+フリラゾールI+イソキサジフェン−エチル;I+メフェンピル−ジエチル;I+N−(2−メトキシベンゾイル)−4−[(メチルアミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドおよびI+オキサベトリニルが挙げられる。
【0150】
特に好ましいのは、式Iの化合物と、シプロスルファミド、イソキサジフェン−エチル、クロキントセット−メキシルおよび/またはN−(2−メトキシベンゾイル)−4−[(メチル−アミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドとの混合物である。
【0151】
例えばThe Pesticide Manual,14
th Edition(BCPC),2006に記載されているように、式(I)の化合物の毒性緩和剤は、エステルまたは塩の形態でもあり得る。国際公開第02/34048号に開示されているように、クロキントセット−メキシルへの言及は、そのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、アンモニウム塩、第四級アンモニウム塩、スルホニウム塩またはホスホニウム塩にも適用され、フェンクロラゾール−エチルへの言及は、フェンクロラゾールなどにも適用される。
【0152】
好ましくは、式(I)の化合物対毒性緩和剤の混合比は、100:1〜1:10、特に20:1〜1:1である。
【0153】
混合物は、上記の製剤中で有利に使用され得る(その場合、「活性成分」は、式(I)の化合物と毒性緩和剤とのそれぞれの混合物に関する)。
【0154】
本発明の式(I)の化合物は、除草剤として有用である。したがって、本発明は、望ましくない植物を防除するための方法であって、有効量の本発明の化合物または前記化合物を含有する除草組成物を前記植物またはそれらを含む所在地に適用する工程を含む方法をさらに含む。「防除」は、殺滅し、成長を低減するかもしくは遅らせるか、または発芽を防止もしくは低減することを意味する。一般に、防除される植物は、望ましくない植物(雑草)である。「所在地」は、植物が生育しているかまたは生育する予定の場所を意味する。
【0155】
式(I)の化合物の適用量は、広い範囲内で変化してもよく、土壌の性質、適用方法(出芽前または出芽後;種子粉衣;まき溝への適用;不耕起適用(no tillage application)など)、作物植物、防除される雑草、そのときの気候条件、ならびに適用方法、適用の時期および標的作物に左右される他の要因に応じて決まる。本発明に係る式(I)の化合物は、一般に、10〜2000g/ha、特に50〜1000g/haの割合で適用される。
【0156】
適用は、一般に、典型的に、広い範囲のために、トラクターに取り付けられた噴霧器によって組成物を噴霧することによって行われるが、散布(粉末の場合)、滴下または灌注処理(drench)などの他の方法も使用され得る。
【0157】
本発明に係る組成物を使用することが可能な有用な植物としては、穀物、例えばオオムギおよびコムギ、ワタ、ナタネ、ヒマワリ、トウモロコシ、コメ、ダイズ、テンサイ、サトウキビおよび芝生などの作物が挙げられる。
【0158】
作物植物は、果樹、ヤシの木、ココヤシの木または他の堅果類などの樹木も含み得る。ブドウなどのつる植物、果実のなる低木、果実植物および野菜類も含まれる。
【0159】
作物は、従来の交配法または遺伝子組み換えにより、除草剤または除草剤のクラスに対して耐性にされた作物も含むと理解されるべきである(例えば、ALS−、GS−、EPSPS−、PPO−、ACCase−およびHPPD−阻害剤)。従来の交配法によってイミダゾリノン、例えばイマザモックスに対して耐性にされた作物の例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ)である。遺伝子組み換え法によって除草剤に対して耐性にされた作物の例としては、商品名RoundupReady(登録商標)およびLibertyLink(登録商標)で市販されている例えばグリホサート−およびグルホシネート抵抗性トウモロコシ品種が挙げられる。特に好ましい態様において、作物植物は、例えば、国際公開第2010/029311号に教示されているように、ホモゲンチシン酸ソラネシルトランスフェラーゼ(homogentisate solanesyltransferase)を過剰発現するように操作されている。
【0160】
作物はまた、遺伝子組み換え法によって有害な昆虫に対する抵抗性が与えられたもの、例えばBtトウモロコシ(アワノメイガに対して抵抗性)、Btワタ(メキシコワタノミゾウムシに対して抵抗性)およびさらにBtジャガイモ(コロラドハムシに対して抵抗性)であると理解されるべきである。Btトウモロコシの例は、NK(登録商標)(Syngenta Seeds)のBt 176トウモロコシハイブリッドである。Bt毒素は、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)土壌中細菌によって天然に形成されるタンパク質である。毒素またはこのような毒素を合成することが可能なトランスジェニック植物の例は、欧州特許出願公開第451 878号明細書、欧州特許出願公開第374 753号明細書、国際公開第93/07278号、国際公開第95/34656号、国際公開第03/052073号および欧州特許出願公開第427 529号明細書に記載されている。殺虫抵抗性をコードし、1つまたは複数の毒素を発現する1つまたは複数の遺伝子を含むトランスジェニック植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(ワタ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)およびProtexcta(登録商標)である。植物作物またはその種子材料は、除草剤に対して抵抗性であると同時に、昆虫の摂食に対して抵抗性であることが可能である(「多重(stacked)」トランスジェニック事象)。例えば、種子は、グリホサートに対して耐性であると同時に、殺虫性Cry3タンパク質の発現能を有することが可能である。
【0161】
作物はまた、従来の交配法または遺伝子組み換えによって得られ、いわゆる出力形質(例えば、向上した貯蔵安定性、より高い栄養価および向上した風味)を含む作物を含むと理解されるべきである。
【0162】
他の有用な植物としては、例えばゴルフ場、芝生、公園および沿道にあるか、または芝生用に商業的に栽培された芝草および花または低木などの観賞植物が挙げられる。
【0163】
式Iの化合物および本発明の組成物は、典型的に、様々な単子葉植物および双子葉植物雑草種を防除するのに使用され得る。典型的に防除され得る単子葉植物種の例としては、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、ニクキビ(Brachiaria plantaginea)、ウマノチャヒキ(Bromus tectorum)、ショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli)、ホソムギ(Lolium perenne)、ネズミムギ(Lolium multiflorum)、キビ(Panicum miliaceum)、スズメノカタビラ(Poa annua)、エノコログサ(Setaria viridis)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)およびモロコシ(Sorghum bicolor)が挙げられる。防除され得る双子葉植物種の例としては、イチビ(Abutilon theophrasti)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、コセンダングサ(Bidens pilosa)、シロザ(Chenopodium album)、ショウジョウソウモドキ(Euphorbia heterophylla)、シラホシムグラ(Galium aparine)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)、ホウキギ(Kochia scoparia)、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)、コハコベ(Stellaria media)、オオイヌノフグリ(Veronica persica)およびオナモミ(Xanthium strumarium)が挙げられる。
【0164】
ここで、本発明の様々な態様および実施形態は、例としてより詳細に例示される。本発明の範囲から逸脱せずに詳細の変更がなされ得ることが理解されるであろう。
【実施例】
【0165】
調製実施例
実施例1 6−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]−7−ヒドロキシ−4−プロパ−2−イニル−チアゾロ[4,5−b]ピリジン−5−オンの調製
【化48】
1.1 2−アリルオキシ−1,4−ジクロロ−ベンゼン
N
2下でアセトン(300mL)中の2,5−ジクロロフェノール(50g、307mmol)の撹拌溶液に炭酸カリウム(42.4g、337mmol)を加え、混合物を室温で10分間撹拌した。臭化アリル(41g、337mmol)を加え、反応物を60℃で4時間加熱した。混合物を室温に冷まし、ろ過し、残渣をアセトン(300ml)で洗浄し、組み合わされたろ液を減圧下で濃縮したところ、2−アリルオキシ−1,4−ジクロロ−ベンゼンが黄色の油(60g、96%)として得られ、それをさらに精製せずに次の工程に進ませた。
【化49】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ:7.27(d,J=8.3、1H)、6.89−6.86(m,2H)、6.09−5.99(m,1H)、5.46(d,J=17.3、1H)、5.33(d,J=10.6、1H)、4.59(d,J=4.9、2H).
【0166】
1.2 2−アリル−3,6−ジクロロ−フェノール
N,N−ジメチルアニリン(200ml)中の2−アリルオキシ−1,4−ジクロロ−ベンゼン(60g、295mmol)の撹拌溶液を190〜200℃で18時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、30%の塩酸(200ml)に注ぎ、酢酸エチル(3×200ml)で抽出した。組み合わされた有機物を30%の塩酸(100mL×4)、続いて水および最後に塩水で洗浄した。有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮したところ、2−アリル−3,6−ジクロロ−フェノール(58g、96%)が得られた。
【化50】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ:9.69(s,1H,)、7.27(d,J=8.6、1H)、6.96(d,J=8.6、1H)、5.9−5.8(m,1H)、5.05−4.91(m,2H)、3.5(d,J=6、2H).
【0167】
1.3 2−アリル−1,4−ジクロロ−3−(メトキシメトキシ)ベンゼン
乾燥水素化ナトリウム(15g、鉱油中60%、369mmol)をテトラヒドロフラン(250mL)中で懸濁させ、N
2下で0℃に冷却した。2−アリル−3,6−ジクロロ−フェノール(50g、246mmol)をテトラヒドロフラン(250mL)に溶解させ、30分間にわたって水素化ナトリウム懸濁液に滴下して加えた。次に、反応混合物を室温でさらに2時間撹拌させた。次に、クロロメチルメチルエーテル(56mL、59g、739mmol)を30分間にわたって加え、反応物をさらに2時間撹拌した。
【0168】
反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルと0.1MのNaOHとに分けた。水層を酢酸エチルで(2回)抽出した。有機層を組み合わせて、0.1MのNaOH、次に塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮したところ、2−アリル−1,4−ジクロロ−3−(メトキシメトキシ)ベンゼン(55g、90%)が得られた。
【化51】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ:7.20(d,J=8.6、1H)、7.11(d,J=8.6、1H)、5.99−5.89(m,1H)、5.09−4.99(m,4H)、3.63(s,5H).
【0169】
1.4 2−[3,6−ジクロロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸
10Lの反応フラスコ中で2−アリル−1,4−ジクロロ−3−(メトキシメトキシ)ベンゼン(55g、223mmol)と、ジクロロメタン(680mL)と、アセトニトリル(680mL)と、水(1000mL)との混合物を、氷−塩浴を用いて0℃に冷却した。塩化ルテニウム(III)(8.7g、33.4mmol)を撹拌された二相混合物に加えた。過ヨウ素酸ナトリウム(338g、1.11mol)を、反応生成物の温度を5℃未満に維持しながら少量ずつゆっくりと加えた(10〜12℃の発熱が観察された)。反応生成物を室温に温め、さらに4時間撹拌した。混合物をセライトに通してろ過し、次に相を分離した。水層をさらなるジクロロメタン(3×1000mL)で抽出した。組み合わされた有機物を飽和メタ重亜硫酸ナトリウム溶液(3×500mL)、次に塩水(500mL)で洗浄した。減圧下での蒸発により、2−[3,6−ジクロロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸(50g、84%)が許容できる純度で得られた。
【化52】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ:7.28(d,J=8.6、1H)、7.14(d,J=8.6、1H)、5.10(s,2H)、3.97(s,2H)、3.59(s,3H).
【0170】
1.5 メチル2−(3,6−ジクロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)アセテート
メタノール(450mL)中の2−[3,6−ジクロロ−2−(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸(50g、189mmol)を0〜5℃で撹拌した。濃硫酸(4mL)を20分間の期間にわたってメタノール溶液にゆっくりと加えた。次に、反応生成物を3時間の期間にわたってゆっくりと加熱還流させた。反応をTLCによって監視し、完了したと判断されたら、メタノールを減圧下で留去し、残渣を飽和NaHCO
3水溶液に注いだ。水層を酢酸エチルで抽出し、組み合わされた有機物を塩水で洗浄した。有機物を濃縮したところ、粗生成物が得られた。粗生成物を酢酸エチル−ヘキサンによる研和によって精製したところ、メチル2−(3,6−ジクロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)アセテート(32g、72%)がオフホワイトの固体として得られた。
【化53】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ:7.19(d,J=8.7、1H)、6.94(d,J=8.6、1H)、6.14(bs,1H)、3.89(s,2H)、3.72(s,3H).
【0171】
1.6 メチル2−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]アセテート
アセトン(450mL)中のメチル2−(3,6−ジクロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)アセテート(15g、63.8mmol)の撹拌溶液に炭酸カリウム(13.2g、95.7mmol)を加えた。アセトン(450mL)中の2−クロロ−5−クロロメチルチアゾール(11.8g、70.2mmol)を滴下して加えた。添加の完了後、反応物を室温で6時間撹拌した。固体をろ過によって除去し、ろ液を減圧下で蒸発させたところ、粗生成物が得られた。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、メチル2−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]アセテート(14.5g、62%)が得られた。
【化54】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ:7.51(s,1H)、7.30(d,J=8.6、1H)、7.17(d,J=8.7、1H)、3.83(s,2H)、3.72(s,3H).
【0172】
1.7 2−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]酢酸
テトラヒドロフラン(75mL)および水(75mL)中のメチル2−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]アセテート(14.5g、39.6mmol)の撹拌溶液に水酸化リチウム一水和物を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。有機物を減圧下で蒸発させ、水性残渣を2NのHClで酸性化した。混合物を酢酸エチルで(3回)抽出し、組み合わされた有機物を塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させたところ、2−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]酢酸(12g、86%)が得られた。
【化55】
1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ:12.67(bs,1H)、7.78(s,1H)、7.52(d,J=8.7、1H)、7.36(d,J=8.6、1H)、5.20(s,2H)、3.75(s,2H).
【0173】
1.8 メチル4−[[2−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]アセチル]アミノ]チアゾール−5−カルボキシレート
ジクロロメタン(10mL)中の2−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]酢酸(1.00g、2.84mmol、1当量)の撹拌溶液にN,N−ジメチルホルムアミド(0.05mL)を加え、混合物を氷水浴中で冷却した。塩化オキサリル(0.5mL、5.96mmol、2.1当量)を滴下して加え、反応物を室温で1時間撹拌した。
【0174】
混合物を蒸発乾固させ、ジクロロメタン(10mL)に再度溶解させた。別個に、メチル4−アミノ−5−チアゾールカルボキシレート(381mg、2.41mmol、0.85当量)をジクロロメタン(10mL)およびピリジン(0.6mL、8.52mmol、3当量)に溶解させ、撹拌しながら0℃に冷却した。酸塩化物溶液を0℃でアミンに滴下して加えた。添加の完了後、反応混合物を室温で2時間撹拌した。
【0175】
混合物をジクロロメタンで希釈し、1NのHCl、次に飽和NaHCO
3溶液、次に水および最後に塩水で洗浄した。有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾固させたところ、粗残渣が得られた。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、粗生成物が得られ、それをヘキサン中20%のエーテルによる研和によってさらに精製したところ、メチル4−[[2−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]アセチル]アミノ]チアゾール−5−カルボキシレート(700mg、58%)がオフホワイトの固体として得られた。
【化56】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ:9.99(br.s,1H)、8.83(s,1H)、7.51(s,1H)、7.33(d,J=8.7、1H)、7.20(d,J=8.7、1H)、5.26(s,2H)、4.16(s,2H)、3.90(s,3H).
【0176】
1.9 メチル4−[[2−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]アセチル]−プロパ−2−イニル−アミノ]チアゾール−5−カルボキシレート
アセトニトリル(10mL)中のメチル4−[[2−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]アセチル]アミノ]チアゾール−5−カルボキシレート(700mg、1.42mmol、1当量)の撹拌溶液に炭酸カリウム(294mg、2.13mmol、1.5当量)および臭化プロパルギル(0.2mL、2.13mmol、1.5当量)を室温で加えた。次に、反応混合物を14時間にわたって還流させた。
【0177】
反応物を室温に冷まし、水および酢酸エチルで希釈し、相を分離した。水層をさらなる酢酸エチルで再度抽出した。組み合わされた有機物を塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させたところ、粗残渣が得られた。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、メチル4−[[2−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]アセチル]−プロパ−2−イニル−アミノ]チアゾール−5−カルボキシレート(300mg、40%)が黄色の油として得られた。
【化57】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ:8.89(s,1H)、7.68(s,1H)、7.25(m,1H)、7.12(d,J=8.4、1H)、5.15(s,2H)、4.65(s,2H)、3.88(s,3H)、3.69(s,2H)、2.15(s,1H).
【0178】
1.10 6−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]−7−ヒドロキシ−4−プロパ−2−イニル−チアゾロ[4,5−b]ピリジン−5−オン
N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中のメチル4−[[2−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]アセチル]−プロパ−2−イニル−アミノ]チアゾール−5−カルボキシレート(300mg、0.565mmol、1.0当量)の撹拌溶液に水素化ナトリウム(34mg、油中に分散された60%、0.848mmol、1.5当量)を0℃で加えた。次に、反応混合物を周囲温度に温め、室温で1時間撹拌した。反応を2NのHClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を蒸発させたところ、粗残渣が得られ、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、6−[3,6−ジクロロ−2−[(2−クロロチアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル]−7−ヒドロキシ−4−プロパ−2−イニル−チアゾロ[4,5−b]ピリジン−5−オン(213mg、75%)がオフホワイトの固体として得られた。
【化58】
1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ:11.57(bs,1H)、9.46(s,1H)、7.59(d,J=8.7、1H)、7.48(s,1H)、7.42(d,J=8.7、1H)、5.09−4.99(m,4H)、3.13(s,1H).
【0179】
実施例2 6−(2−ベンジルオキシ−3,6−ジクロロ−フェニル)−7−ヒドロキシ−4−プロパ−2−イニル−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−b]ピリジン−5−オンの調製
【化59】
2.1 2−アリル−3,6−ジクロロ−フェノール
2−アリルオキシ−1,4−ジクロロ−ベンゼン(1.0g、4.9mmol)と、N,N−ジメチルホルムアミド(0.1mL)との混合物を1時間にわたって220℃の外部温度で加熱した。混合物を室温に冷まし、減圧下で濃縮したところ、2−アリル−3,6−ジクロロ−フェノールが褐色の油(0.99g、99%)として得られた。
【化60】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ
H:7.18−7.08(m,1H)、6.95−6.85(m,1H)、6.02−5.84(m,1H)、5.71(s,1H)、5.14−4.99(m,2H)、3.59(dt,2H).
【0180】
2.2 2−アリル−3−ベンジルオキシ−1,4−ジクロロ−ベンゼン
臭化ベンジル(3.2mL、27mmol)をアセトン(49mL)中の2−アリル−3,6−ジクロロ−フェノール(5.0g、25mmol)および炭酸カリウム(3.7g、27mmol)の懸濁液に加え、混合物を6時間にわたって還流状態で加熱した。混合物を室温に冷まし、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、2−アリル−3−ベンジルオキシ−1,4−ジクロロ−ベンゼン(4.03g、56%)が無色油として得られた。
【化61】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ
H:7.54−7.49(2H,m)、7.45−7.35(4H,m)、7.27−7.24(1H,m)、7.15(1H,d)、6.01−5.90(1H,m)、5.10−4.97(4H,m)、3.59(2H,dt).
【0181】
2.3 2−(2−ベンジルオキシ−3,6−ジクロロ−フェニル)酢酸
塩化ルテニウム(III)(0.212g、1.02mmol)を水(153mL)と、アセトニトリル(102mL)と、酢酸エチル(102mL)との混合物中の2−アリル−3−ベンジルオキシ−1,4−ジクロロ−ベンゼン(15.0g、51.1mmol)の溶液に加えた。過ヨウ素酸ナトリウム(54.8g、255mmol)を、内部温度を25℃未満に保持しながら、1時間の期間にわたって少しずつ加えた。反応物を3時間撹拌し、次に5℃に冷却した。反応混合物を水(500mL)中のメタ重亜硫酸ナトリウム(97.2g、511mmol)の溶液の添加によってクエンチした。混合物をジクロロメタン(2×500mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をNaHCO
3の飽和水溶液(200mL)とジクロロメタン(200mL)とに分けた。水層を保持し、濃塩酸(20mL)の添加によってpH1になるまで酸性化した。混合物をジクロロメタン(3×100mL)で抽出し、組み合わされた有機抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をジエチルエーテルから再結晶化させたところ、2−(2−ベンジルオキシ−3,6−ジクロロ−フェニル)酢酸(2.51g、16%)が白色の固体として得られた。
【化62】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ
H:7.48−7.44(2H,m)、7.42−7.31(4H,m)、7.17(1H,d)、5.04(2H,s)、3.85(2H,s).
【0182】
2.4 メチル4−アミノ−1,2,5−チアジアゾール−3−カルボキシレート
4−アミノ−1,2,5−チアジアゾール−3−カルボン酸(500mg、3.44mmol、1.0当量)をN
2下で撹拌しながら酢酸エチル(10mL)およびテトラヒドロフラン(3mL)中で懸濁させた。固体1,1’−カルボニルジイミダゾール(670mg、4.13mmol、1.2当量)で処理した。2時間後、反応をメタノール(18mL)でクエンチした。次に、さらなるメタノールを全ての材料が溶解するまで(約50mLの総反応体積になるまで)加えた。反応物を蒸発乾固させたところ、黄色の粗固体が得られた。粗固体を酢酸エチルと飽和NaHCO
3(水溶液)とに分けた。有機層を保持し、水層を再度抽出した。組み合わされた有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させたところ、メチル4−アミノ−1,2,5−チアジアゾール−3−カルボキシレート(338mg、61.6%)が黄色の固体として得られた。
【化63】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ
H:5.95(br.s,2H)、4.00(s,3H).
【0183】
2.5 メチル4−[[2−(2−ベンジルオキシ−3,6−ジクロロ−フェニル)アセチル]アミノ]−1,2,5−チアジアゾール−3−カルボキシレート
2−(2−ベンジルオキシ−3,6−ジクロロ−フェニル)酢酸(300mg、0.964mmol、1.0当量)をN
2下においてジクロロメタン(3mL)中で懸濁させ、1滴のN,N−ジメチルホルムアミドを加えた。混合物を塩化オキサリル(0.17mL、1.93mmol、2.0当量)で処理したところ、直ちに泡立ち始めた。室温で2.5時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、粗塩化アシルをジクロロメタン(2.5mL)に再度溶解させた。撹拌しながら、固体メチル4−アミノ−1,2,5−チアジアゾール−3−カルボキシレート(153mg、0.96mmol、1.0当量)を加えた後、ピリジン(0.16mL、1.93mmol、2.0当量)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌し、次にさらなるジクロロメタンで希釈し、飽和NaHCO
3(水溶液)でクエンチした。混合物を相分離させ、有機物をNa
2SO
4上で乾燥させた。蒸発乾固により粗固体が得られ、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離剤イソヘキサン中0〜80%の酢酸エチル)によってさらに精製した。目的のメチル4−[[2−(2−ベンジルオキシ−3,6−ジクロロ−フェニル)アセチル]アミノ]−1,2,5−チアジアゾール−3−カルボキシレートが白色の固体(251mg、57.6%)として得られた。
【化64】
1H NMR(400MHz、d6−DMSO):δ
H:11.46(br.s,1H)、7.56−7.29(m,7H)、4.96(s,2H)、4.01(s,2H)、3.72(s,3H).
【0184】
2.6 6−(2−ベンジルオキシ−3,6−ジクロロ−フェニル)−7−ヒドロキシ−4−プロパ−2−イニル−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−b]ピリジン−5−オン
水素化ナトリウム(25mg、鉱油中60重量%、0.64mmol、1.2当量)をN
2下においてテトラヒドロフラン(1mL)中で懸濁させた。テトラヒドロフラン(2mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中のメチル4−[[2−(2−ベンジルオキシ−3,6−ジクロロ−フェニル)アセチル]アミノ]−1,2,5−チアジアゾール−3−カルボキシレート(240mg、0.53mmol、1.0当量)の溶液を調製した。この溶液を撹拌されたNaHに滴下して加えた。濃いオレンジ色が急速に生じた。5分後、臭化プロパルギル(0.065mL、0.58mmol、1.1当量)を加えた。反応物を室温で撹拌した。1時間20分の総反応時間後、第2の分量の水素化ナトリウム(8mg)を加えた。さらに40分後、反応を飽和NH
4Cl(水溶液)でクエンチした。塩水を加え、混合物を酢酸エチル中へと抽出した。有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去したところ、粗残渣が得られた。分取HPLC精製による精製により、生成物6−(2−ベンジルオキシ−3,6−ジクロロ−フェニル)−7−ヒドロキシ−4−プロパ−2−イニル−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−b]ピリジン−5−オン(40mg、16%)が黄色の固体として得られた。
【化65】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ
H:7.44(d,J=8.7Hz、1H)、7.26(d,J=8.7Hz、1H)、7.17−7.10(m,2H)、7.07−6.99(m,3H)、5.04−4.89(m,4H)、2.24(t,J=2.5Hz、1H).
【0185】
化合物1.19、3.19、5.22、9.22、13.22および15.22を、上述される一般的な方法を用いて調製した。以下の表18は、これらの化合物の構造およびNMR特性評価データを示す。
【0186】
【表2-1】
【表2-2】
【0187】
生物学的実施例
B1 出芽後適用の有効性
様々な試験種の種子をポット中の標準土壌に播種する:−イヌホオズキ(Solanum nigrum)(SOLNI)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli)(ECHCG)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)(IPOHE)、ホソムギ(Lolium perenne)(LOLPE)。温室において制御された条件下(24/16℃、昼/夜;14時間の明時間;65%の湿度)で8日栽培した後(出芽後)、0.5%のTween 20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、CAS RN 9005−64−5)を含有するアセトン/水(50:50)溶液中の技術的な活性成分の製剤による噴霧水溶液を植物に噴霧する。化合物を1000g/haおよび250g/haで適用する。次に、温室内の制御された条件下(24/16℃、昼/夜;14時間の明時間;65%の湿度)において、温室内で試験植物を成長させ、1日2回水を与える。13日後、試験を植物に対して引き起こされた損傷パーセンテージについて評価する。生物学的活性を5段階評価で評価する(5=80〜100%;4=60〜79%;3=40〜59%;2=20〜39%;1=0〜19%)。表中の空試験値は、化合物が該当する種について試験されなかったことを示す。
【0188】
【表3】
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕式(I)
【化66】
(式中、
A2は、CR10aR10bまたはNR11であり、
A3は、C(O)またはS(O)2であり、
A4は、CR1、N(R13)n、OまたはSであり、
A5は、CR2、N(R14)n、OまたはSであり、
nは、0または1の整数であり、
R1は、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノであるか、または独立して、それぞれ任意に1〜3つのハロゲン原子で置換されるC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル−、C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルコキシ−、ジ−C1〜C6アルコキシ−C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルキルチオ−C1〜C6アルキルからなる群から選択され、
R2は、水素、ハロゲン、メチルまたはC1ハロアルキルであり、
R10aおよびR10bは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ−C1〜C4アルキル−、C1〜C8ハロアルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8ハロアルケニル、C2〜C8アルキニル、C2〜C8ハロアルキニル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルキル−C1〜C4アルキル−、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1〜C4アルキル−、またはC1〜C8アルコキシカルボニル−であるか、またはR10aおよびR10bは、それらが結合される炭素原子と一緒になって、3員〜10員炭素環または4員〜10員複素環を形成し、
R11は、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C4ハロアルケニル、C2〜C10アルキニル、C2〜C4ハロアルキニル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルキル−C1〜C6アルキル−、C1〜C10アルコキシ−C1〜C6アルキル−、C1〜C10シアノアルキル−、C1〜C10アルコキシカルボニル−C1〜C6アルキル−、N−C1〜C3アルキル−アミノカルボニル−C1〜C6アルキル−、N,N−ジ−(C1〜C3アルキル)−アミノカルボニル−C1〜C6アルキル−、アリール−C1〜C6アルキル−もしくはアリール−C1〜C6アルキル−(ここで、前記アリール部分は、1〜3つのR12で置換される)、またはヘテロシクリル−C1〜C6アルキル−もしくはヘテロシクリル−C1〜C6アルキル−(ここで、前記ヘテロシクリル部分は、1〜3つのR12で置換される)であり、
各R12は、独立して、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシまたはC1〜C4ハロアルコキシであり、
R13は、水素、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり、
R14は、水素、メチルまたはC1ハロアルキルであり、
Gは、水素またはC(O)R3であり、
R3は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、C1〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル−S−、−NR4R5および1つまたは複数のR6で任意に置換されるフェニルからなる群から選択され、
R4およびR5は、独立して、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルコキシからなる群から選択されるか、またはR4およびR5は、一緒にモルホリニル環を形成することができ、
R6は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3アルコキシおよびC1〜C3ハロアルコキシからなる群から選択され、そしてTは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1、2または3つのヘテロ原子を含有する5員または6員単環式ヘテロアリール環系であり、前記5員環系は、X、YおよびR7から選択される1つまたは複数の基で置換され、前記6員環系は、X1、X2、X3、X4およびR7から選択される1つまたは複数の基で置換され、オキシ−アルキル−D部分および二環式部分は、互いに対してオルトに位置するように環Tを介して結合されるか、または
Tは、式(Tp)
【化67】
の置換フェニル環であり、
各X、X3、X23および各Yは、独立して、水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、またはハロゲンであり、
X1は、オキソ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、またはハロゲンであり、
X2およびX4は、独立して、水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、オキソ、またはハロゲンであり、
X21は、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、またはハロゲンであり、
X22およびX24は、独立して、水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、またはハロゲンであり、
R7は、水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシであり、
Aは、前記オキシ−アルキル−D部分への結合点を示し、Bは、前記二環式部分への結合点を示し、
Dは、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1、2または3つのヘテロ原子を含有する置換または非置換単環式ヘテロアリール環であり、Dは、置換される場合、少なくとも1つの環炭素原子上においてR8で、および/または環窒素原子上においてR9で置換されるか、または
Dは、基(Dp)
【化68】
であり、
各R8は、独立して、酸素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルコキシ−C1〜C3アルキル−、C1〜C6アルコキシ、C1〜C3アルコキシ−C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ−C1〜C3アルコキシ−C1〜C3アルキル−、C3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C1〜C6アルキル−カルボニル−、C1〜C6アルキル−S(O)m−、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、C1〜C6ジアルキルアミノ、−C(C1〜C3アルキル)=N−O−C1〜C3アルキルおよびC2〜C6ハロアルキニルであり、
mは、0、1または2の整数であり、
各R9は、独立して、C1〜C4アルキル、C3〜C6アルコキシ、C1〜C2アルコキシ−C1〜C2アルキル、C2〜C4アルケニル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4ハロアルケニル、C2〜C4アルキニルまたはC2〜C4ハロアルキニルであり、
pは、分子の残りの部分への(Dp)の結合点を示し、
Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5は、それぞれ独立して、水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、またはハロゲンから選択され、
ただし、A4がSであり、A2がNR11であり、およびA3がC(O)である場合、Dが(Dp)であるときにTは(Tp)でない)
の化合物またはその塩もしくはN−オキシド。
〔2〕Gが、水素、またはC(O)R3(ここで、R3は、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニルまたは−C1〜C3アルコキシである)である、前記〔1〕に記載の化合物。
〔3〕Dが、置換または非置換のフリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、ピリジル、ピリドニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、または1,3,5−トリアジニル環であり、Dが、置換される場合、少なくとも1つの環炭素原子上においてR8で、および/または環窒素原子上においてR9で置換される、前記〔1〕または〔2〕に記載の化合物。
〔4〕Dが、(Dp)である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔5〕Tが、(Tp)および(T1)〜(T62):
【化69】
【化70】
【化71】
(式中、X、X1、X2、X3、X4、Y、R7、AおよびBは、前記〔1〕に定義されるとおりである)
からなる群から選択される、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔6〕Tが、(Tp)または
【化72】
(式中、X、Y、R7、AおよびBは、前記〔1〕に定義されるとおりである)
からなる群から選択される任意に置換されるピラゾリル環である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔7〕Tが、(T1)、(T4)および(T5)から選択され、およびXが、水素またはハロゲンである、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔8〕Tが、(T4)および(T5)から選択され、およびXが、ハロゲンである、前記〔6〕または〔7〕に記載の化合物。
〔9〕Tが、(T1)、(T2)および(T3)から選択され、およびYが、水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、またはハロゲンである、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔10〕Tが、(T2)、(T3)、(T4)および(T5)から選択され、ここで、R7が、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルである、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔11〕Tが、(Tp)であり、およびX21が、ハロゲン、C1〜C3アルキル、またはC1〜C3ハロアルキルである、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔12〕Tが、(Tp)であり、およびX24が、ハロゲン、C1〜C3アルキル、またはC1〜C3ハロアルキルである、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔13〕前記〔1〕〜〔12〕のいずれか一項に記載の除草性化合物と、農学的に許容できる製剤化補助剤とを含む、除草組成物。
〔14〕少なくとも1つの付加的な農薬をさらに含む、前記〔13〕に記載の除草組成物。
〔15〕望ましくない植物の成長を制御する方法であって、前記〔1〕〜〔12〕のいずれか一項に記載の式(I)の化合物または前記〔13〕もしくは〔14〕に記載の除草組成物を、前記望ましくない植物またはその所在地に適用する工程を含むことを特徴とする、方法。
〔16〕前記〔1〕〜〔12〕のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の、除草剤としての使用。