特許第6763891号(P6763891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6763891
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】ベビーキャリア
(51)【国際特許分類】
   A47D 13/02 20060101AFI20200917BHJP
【FI】
   A47D13/02
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-566079(P2017-566079)
(86)(22)【出願日】2016年7月15日
(65)【公表番号】特表2018-519906(P2018-519906A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】EP2016066889
(87)【国際公開番号】WO2017013008
(87)【国際公開日】20170126
【審査請求日】2019年5月21日
(31)【優先権主張番号】1551028-2
(32)【優先日】2015年7月17日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】514026439
【氏名又は名称】ルンド ヨラン
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】ルンド ヨラン
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−085567(JP,A)
【文献】 米国意匠特許発明第00692227(US,S)
【文献】 国際公開第2012/020586(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0115003(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47D 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベビーキャリアであって、前方部と、腹部と、ウエストストラップと、2つのショルダーストラップと、を備え、それぞれのショルダーストラップが第1端部および第2端部を備え、それぞれのショルダーストラップの第1端部は、腹部に固定して取り付けられ、第2端部は、前方部に取り付けられ、前方部および腹部は、ウエストストラップに取り付けられ、腹部および前方部は組み合わせで、子供の脚が延びることができる脚開口を有する脚支持具を定め、前記腹部および前方部は、前記ウエストストラップと前記腹部および前方部との間のインターフェースに沿ってウエストストラップに少なくとも部分的に外せるように取り付けられており、前記インターフェースの側部は、(1)第1位置であって、前記脚開口がほぼ腹部の方を向くように、前記脚支持具が前記ウエストストラップにそれぞれの長さに沿って接続される、第1位置と、(2)第2位置であって、脚開口が、子供の脚を座った姿勢で支持するためにほぼ外側に延びるように、前記脚支持具が前記ウエストストラップから少なくとも部分的に外され、子供の脚が、脚開口を通って延び、子供が着用者に背を向けるときに少なくとも部分的に前方に向けられる、第2位置と、の間で選択的に動かせる、ベビーキャリア。
【請求項2】
請求項1に記載のベビーキャリアであって、前方部および腹部の両方に沿った中央部は、ウエストストラップに固定して取り付けられる、ベビーキャリア。
【請求項3】
請求項2に記載のベビーキャリアであって、側部は、締結である、ジッパー、ボタン、ベルクロ(登録商標)、ホックまたはフック、のうちの1つによってウエストストラップに接続される、ベビーキャリア。
【請求項4】
請求項2に記載のベビーキャリアであって、側部は、少なくとも1つのジッパーによってウエストストラップに取り付けられ、前記ジッパーは、共通の引きひもまたは2つの分離したジッパープラーによってワンステップ操作の1つによって開閉可能である、ベビーキャリア。
【請求項5】
請求項1に記載のベビーキャリアであって、前方部および腹部とウエストストラップとの間の交差部は、2方向から開閉可能なジッパーを備える、ベビーキャリア。
【請求項6】
請求項に記載のベビーキャリアであって、ジッパーは、2つの止め具を備え、脚開口が、前方部および腹部の両方の2つの側部に沿って延びるようになっている、ベビーキャリア。
【請求項7】
請求項1に記載のベビーキャリアであって、底部をさらに備え、底部は、前方部に固定して取り付けられ、および腹部に取り外し可能に取り付けられ、それが少なくとも2つの位置の間で動かせるようになっている、ベビーキャリア。
【請求項8】
請求項7に記載のベビーキャリアであって、底部の第1位置は、前記底部が、前方部の下部および腹部の下部の外形に従う、低位置であり、底部の第2位置は、距離が、底部と前記前方部および腹部との間に提供される、高位置である、ベビーキャリア。
【請求項9】
請求項1に記載のベビーキャリアであって、それぞれが第1端部および第2端部を備える2つの介在性ストラップをさらに備え、第1端部は、前方部に縫い合わせられ、第2端部は、ショルダーストラップに取り外し可能に接続される、ベビーキャリア。
【請求項10】
請求項1に記載のベビーキャリアを後ろ向きシート位置から前向きシート位置に調節する方法であって、前記方法は、前方部および腹部の2つの側部が、ウエストストラップから外されるように、ジッパーを開くことを含み、前向きの体勢で座っているときの子供の脚の支持を、ベビーキャリアに提供する、方法。
【請求項11】
請求項10に記載のベビーキャリアを調節する方法であって、少なくとも1つのジッパーは、共通の引きひもによって作動される、方法。
【請求項12】
請求項10に記載のベビーキャリアを調節する方法であって、少なくとも1つのジッパーは、2つの分離したジッパープラーによって作動される、方法。
【請求項13】
請求項1に記載のベビーキャリアであって、インターフェースの側部は、第1位置から第2位置に共に動く、ベビーキャリア。
【請求項14】
請求項1に記載のベビーキャリアであって、ショルダーストラップの第2端部は、前方部に外せるように取り付けられる、ベビーキャリア。
【請求項15】
第1位置と第2位置との間で変えることができるベビーキャリアであって、第1位置では、前記キャリアの中の子供が着用者を向き、第2位置では、子供が着用者に背を向け、前記ベビーキャリアは、
前方部と、腹部と、前方部および腹部の底にある対向する脚支持具であって、前記脚支持具が、子供の脚が延びることができる脚開口を定める、前方部と、腹部と、前方部および腹部の底にある対向する脚支持具と、
前記ベビーキャリアが着用されることができるように前方部と腹部との間で接続される一対のショルダーストラップと、
ウエストベルトであって、前記前方部および腹部と、前記脚支持具は、インターフェースに沿ってウエストベルトに接続されており、少なくとも脚支持具は、ウエストベルトに取り外せるように接続され、脚支持具は、(1)第1位置であって、前記脚開口がほぼ腹部の方を向くように、前記脚支持具が前記ウエストベルトにそれぞれの長さに沿って接続される、第1位置と、(2)第2位置であって、脚開口が、子供の脚を座った姿勢で支持するためにほぼ外側に延びるように、前記脚支持具が前記ウエストベルトから少なくとも部分的に外され、子供の脚が、前記開口を通って延び、子供が着用者に背を向けるときに少なくとも部分的に前方に向けられる、第2位置と、の間でそれぞれ動かせる、ウエストベルトと、
を備える、ベビーキャリア。
【請求項16】
請求項15に記載のベビーキャリアであって、脚支持具は、前方部および腹部によって定められる、ベビーキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリングハーネスに関し、主に抱く人の胸部および腹部に対して前向きまたは後向きの体勢の小さな子供を抱くように設計されたキャリングハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
人間は、いつの時代も、背中でまたは胸部の方に子供を抱いてきた。以前は、子供は、単純な布切れで抱かれることが多かったが、最近は、多くの親達は、子供を近くで抱くために、および同時に手を空けるために、いわゆるベビーキャリアを使用することを選ぶ。多くの子供が抱かれることを好むので、長時間にわたってキャリアに座る傾向があり、子供にも抱く人にも人間工学が重要であることを意味する。
【0003】
特許文献1では、チャイルドキャリアが記載され、それは、子供が後ろを向く体勢で乗せられるときに、キャリアの座席範囲の幅を変えることができるインサートを備える。より広いシート範囲は、子供のより人間工学的な着座体勢を促進するとされているが、このキャリアの欠点は、インサートが、取り外し可能な部品であり、紛失しやすいことである。さらに、このインサートは、子供が後ろを向く体勢で座っているときにのみ使用することができる。
【0004】
特許文献2は、調節できるシート高のベビーキャリアを記載している。このベビーキャリアは、抱く人と向き合う子供のために作られ、調節できるシート高を有し、それは、子供が成長したときにも使用することができる。このキャリアの欠点は、子供が前向きの体勢で抱かれることができないことである。
【0005】
特許文献3は、本明細書で背景技術のさらなる例として言及される別の種類のベビーキャリアを開示している。このベビーキャリアの欠点は、前を向く着座体勢の子供を抱くことが不可能であることである。
【0006】
上記から、改善の余地があることが理解される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許公開第2491825A2号
【特許文献2】国際公開第2015/053696A1号
【特許文献3】国際公開第2014/011102A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、新しい種類のベビーキャリアを提供することであり、それは、従来技術よりも改善され、上記の欠点を除去または少なくとも軽減する。具体的には、本発明の目的は、前向きでも後向きでも抱かれるときに快適および人間工学的なシート位置を子供に提供するベビーキャリアを、提供することである。これらの目的は、添付の独立請求項に記載の技術によって達成され、それに関連する従属請求項に定められる好ましい実施形態を伴う。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1態様では、前方部と、腹部と、それぞれが第1端部および第2端部を有する2つのショルダーストラップと、ウエストストラップと、を有するベビーキャリアが提供される。それぞれのショルダーストラップの第1端部は、腹部に固定して取り付けられ、第2端部は、前方部に取り付けられる。前方部および腹部は、ウエストストラップに取り付けられ、腹部および前方部が、ウエストストラップに少なくとも部分的に外せるように取り付けられるようになっている。このベビーキャリアは、腹部とウエストストラップとの間の接続が、部分的に外せることによって調節可能であるという点において、有利である。それは、既存のキャリアが有しないフレキシビリティおよびシートオプションをキャリアに提供する。
【0010】
一実施形態では、前方部および腹部の両方に沿った中央部は、ウエストストラップに固定して取り付けられ、前方部および腹部の両方に沿った2つの側部は、1つが中央部のそれぞれの側にあり、ウエストストラップに外せるように取り付けられる。これは有利である。シート範囲の幅、および側部の角度を変更することができるので、それはベビーキャリアにフレキシビリティを提供するからである。
【0011】
一実施形態では、側部は、ジッパーによってウエストストラップに取り付けられ、ジッパーは、共通の引きひもまたは2つの分離したジッパープラーによってワンステップ操作の1つによって開閉可能である。子供を抱くときに、子供を抑える、キャリアで子供の位置を調節する、子供を安心させる等、動向を追うことがたくさんあるので、片方の手だけでジッパーを操作可能であることは、非常に好ましい。分離したジッパープラーによってジッパーを作動させることも好ましい。それは、安価で頑丈な設計であるからである。
【0012】
側部は、以下の締結手段の1つによってウエストストラップに接続されてよい:ジッパー、ボタン、ベルクロ(登録商標)、ホックまたはフック。これらの締結手段は、確実であるが、簡単な操作しやすい接続を、側部に提供する。
【0013】
一実施形態では、前方部および腹部がウエストストラップに接続される交差部は、2方向から開閉可能なジッパーを備える。1つの単一ジッパーを取り付けるのは簡単であるので、これはベビーキャリアを製造する上で有利である。それは、従って、それを取り付けるのに費やす作業によっても、1つのジッパーが、長いけれども、2つの短いジッパーよりも安価であるという点においても、経済的である。
【0014】
別の実施形態では、ジッパーは、2つの止め具を備え、開放が、前方部および腹部の両方の2つの側部に沿って限定されるようになっている。
【0015】
好ましくは、ベビーキャリアは、底部を有し、その底部は、前方部に固定して取り付けられ、および腹部に取り外し可能に取り付けられ、それが少なくとも2つの位置の間で動かせるようになっている。底部の第1位置は、前記の底部が、前方部の下部および腹部の下部の外形に従う、低位置である。底部の第2位置は、距離が、底部と前方部と腹部との間に提供される、高位置である。調節可能な底部は、年上の(大きい)または年下の(小さい)子供の両方を、心地良さを損なわずに、抱くためのフレキシビリティをキャリアに提供する。
【0016】
一実施形態では、キャリアは、2つの介在性ストラップを有し、それは、それぞれ第1端部および第2端部を有する。第1端部は、前方部に縫い合わせられ、第2端部は、ショルダーストラップに取り外し可能に接続される。このストラップは、ベビーキャリアの安定性にとって有効である。
【0017】
第2態様では、後ろ向きシート位置から前向きシート位置にベビーキャリアを調節する方法が、提供される。その方法では、ジッパーは、前方部および腹部の2つの側部が、ウエストストラップから外されるように、開かれ、前向きの体勢で座っているときの子供の脚の支持手段を、ベビーキャリアに提供する。抱かれる子供が、いわゆるカエル姿勢(太ももが地面とほぼ平行であり、膝が臀部とほぼおなじ高さにある)で座ることが、小児科医によって推奨されているので、ベビーキャリアがこのシートオプションを提供することは、有利である。
【0018】
一実施形態では、ジッパーは、共通の引きひもによって作動される。これは、キャリアが後ろ向きシート位置から前向きシート位置に1回の動作で変えられることができるという点において、有利である。これは、手で多くのものを持ち運ばなければならないことが多い親にとって有用である。
【0019】
別の実施形態では、ジッパーは、2つの分離したジッパーによって作動される。これは、開/閉が複雑でなく安価である、および頑丈な構造であるという点において、有利である。
【0020】
発明の実施形態が以下に記載され、添付の図式的図面が参照され、それは、発明概念がどのように実行に移されることができるかの非限定的例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】後ろ向きシート位置で示される発明の実施形態に従ったベビーキャリアの正面図である。
図2】後ろ向きシート位置でのベビーキャリアの背面図である。
図3】折られた前方部を含む後ろ向きシート位置でのベビーキャリアの正面図である。
図4】後ろ向きシート位置で使用されているベビーキャリアの等角図である。
図5】低位置でのベビーキャリアの底部の等角図である。
図6】高位置でのベビーキャリアの底部の等角図である。
図7】前向きシート位置でのベビーキャリアの正面図である。
図8】前向きシート位置で使用されているベビーキャリアの等角図である。
図9】前向きシート位置で使用されているベビーキャリアの等角図である。
図10】折り畳まれていないキャップを含むベビーキャリアの正面図である。
図11】折り畳まれていないキャップを含む使用されているベビーキャリアの等角図である。
図12ベビーキャリアの実施形態の部分正面図である。
図13図12と類似している図であり、部分的に開いているジッパーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下で、特定の実施形態を、添付図面を参照してさらに十分に説明する発明は、しかしながら、多くの異なる形態で具体化されてよく、本明細書に記載されている実施形態に限定されると解釈されるべきでなく、むしろ、これらの実施形態は、この開示が詳細で完全になるように、および発明の範囲(添付の請求項に定められるような)を当業者に十分に伝えるように、例として提供される。
【0023】
図1−4では、ベビーキャリア100が、後向きに座る(つまり抱く人と向き合う)子供用の配置で示されている。キャリア100は、前方部101、腹部118、ウエストストラップ102および2つのショルダーストラップ103a,103bを有する。それは、図5−6に関連してより詳しく説明される底部109も有する。それぞれのショルダーストラップ103a,103bの第1端129a,129bは、腹部118の上部に取り付けられ、第2端部130a,130bは、バックル106a,106bによって前方部101の中央部に解放可能に取り付けられる。前方部は、介在性ストラップ126a,126bによってショルダーストラップ103a,103bにさらに接続される。それぞれの介在性ストラップは、第1端部127a,127bおよび第2端部128a,128bを有する。第1端部127a,127bは、前方部101に縫い合わせられ、第2端部は、バックル105a,105bによってショルダーストラップ103a,103bに取り外し可能に取り付けられる。2つのショルダーストラップ103a,103bは、中間ストラップ107によって相互接続され、中間ストラップ107はバックル110によって解放されることができる。
【0024】
ウエストストラップ102は、バックル104a,104bによって2箇所で開閉可能である。オプションとして、ウエストストラップ102は1箇所のみで開閉可能である。ウエストストラップ102の前方部分は、インターフェースA,Bに沿って前方部101の下部にも腹部118の下部にも取り付けられる。前方部101と、腹部118と、ウエストストラップ102と、の間のインターフェースの中央部Aは、縫い付けられまたは縫い合わせられ、それは、従って解放可能ではない。インターフェースの2つの端部Bには、しかしながら、ジッパー111a,111bが設けられ、その機能は後に記載される。ジッパー111a,111bは、閉鎖状態のときに畳んだ織物の内側に、および開いた状態で織物の縁125の後ろに、配置され、それらが抱く人をも子供をもいら立たせるまたは傷つけることがないようになっている。ジッパー111a,111bのスライダー(図示せず)は、一実施形態では個々の引きひも112a,112bそれぞれにも、共通の引きひも113にも接続される。共通の引きひも113は、それぞれのジッパー111a,111bのスライダーから、前方部101の織物内を、それがウエストバンド102の中心で開口114を介して突き出るまで、延びる。別の実施形態(図示せず)では、ジッパーは、個々のスライダー、またはプラー、のみによって動作する。
【0025】
本明細書に記載のベビーキャリアの全ての実施形態は、縫い合わせられた部分Aおよび2つの取り外し可能な部分Bを有するが、それは、インターフェースA,Bが、中央で接する2つのジッパーによって提供されることも可能である。この追加的実施形態では、前方部101および腹部118は、ウエストストラップ102から完全に取り外し可能である。これは、例えばキャリア100を着用するときに有益であり得る。
【0026】
ジッパー111a,111bは、一実施形態では、ウエストストラップ102および前方部101に取り付けられ、別の実施形態では、それらはウエストストラップ102および腹部118に取り付けられ、およびさらなるオプションとして、それは、前方部101と腹部118との間の縫い目に取り付けられてよい。
【0027】
代替実施形態では、前方部および腹部は、1つの一体部品(図示せず)を備え、ジッパー111a,111bは、ウエストストラップ102に、およびこの一体部品に取り付けられる。さらに別の実施形態では、中間部(図示せず)が、ウエストストラップ102に縫い合わせられる。ジッパー111a,111bは、この実施形態では中間部を前方/腹部に接続する。それは、逆であってもよい、すなわち、中間部が前方/腹部に縫い合わせられ、ジッパーが中間部をウエストストラップに接続してもよい。ジッパー111a,111bの目的は、前方部および腹部の両方の少なくとも一部をウエストストラップから切り離すことである。腹部118および前方部101は、従ってウエストストラップ102から少なくとも部分的に取り外されることができる。
【0028】
さらに、ベビーキャリア100は、前方部101にポケット108を有し、それはジッパー108で閉じられる。これは、図10および11に関連してより詳しく説明される。
【0029】
前方部101の上部121は、少なくとも2つの位置に折り畳み可能である。例えば図1に示される第1位置では、上部121は、上げられ、子供の頭部の支持を提供する。図3では、上部121は、子供の頭部がより自由になるように、部分的に下げられる。上部121のこの位置は、キャリアによって囲まれる感じがすることを好まない年上の子供に好適であり得る。上部121の第3位置は、図7に示され、図7では、それは、完全に折り畳まれ、前を向く体勢で置かれた子供が顔を自由にすることができるようにする。
【0030】
例えば図4に見られる使用時に、ウエストストラップ102は、抱く人のウエスト、または臀部を包む。ショルダーストラップ103a,103bは、抱く人の肩から、彼の背中の周囲に、延び、彼の胸部の高さで前方部101に行き着き、胸部の高さで、それらは、バックル106a,106bによって前方部101に解放可能に取り付けられる。子供は、前方部101と腹部118との間に置かれ、子供の脚が、前方部101と腹部118との間に形成された開口122a,122bを通って延び、ウエストストラップ102とほぼ平行に、抱く人のウエストを包み込むようになっている。子供の頭部は、前方部101の上部121によって支持される。
【0031】
底部109が示されている図5および6を、これから参照する。底部109の第1部分115は、縫い目117によって前方部101に縫い付けられる。底部109の反対側の対応する部分116は、かぎホック接続によって腹部118に取り外し可能に取り付けられる。代替として、アタッチメントは、ボタン、ジッパー、ベルクロ・ファスナー(登録商標)、スナップ、ホック、または他の適切な締結手段を、代わりに備え得る。底部109の第2部分116を縫い目によって腹部118に取り付けられるようにし、第1部分115を前方部101に解放可能に取り付けられるようにすることも、可能である。
【0032】
解放可能な第2部分116によって、底部109の高さは、2つの位置の間で変えられることができる。第2部分116のホックが第1モードで取り付けられ、図5に示されている、第1の低位置が提供され、図5では、底部109は、前方部101の下部および腹部118の下部の外形に従う。図6に示されている第2の高位置では、第2部分116のホックは、別のモードで取り付けられ、底部109と、前方部101と腹部118との間のインターフェースA,Bと、の間の距離Dを提供する。これは、高位置を使用する小さい子供にも、低シート位置を使用する大きい子供にも、適するようにするキャリア100の適合を提供する。
【0033】
図7−9では、ベビーキャリア100は、子供が前方向で座る(すなわち、抱く人と同じ方向を向く)位置に調節される。後ろ向きシート位置からこの前向きシート位置にベビーキャリア100を調節するために、引きひも113が引かれる。これは、ジッパー111a,111bを開かせ、2つの側部Bをウエストストラップ102から外す。外された腹部118および前方部101は、抱かれる子供の脚のための支持手段119a,119bを共に形成する。子供は、従って前を向くときにも、いわゆるカエル姿勢で座っている。
【0034】
図8−9(囲まれた)に最も良く見られるように、前方部101の2つの取り外し可能な端部Bが外される(すなわち、ジッパーが開かれる)。外された端部Bは、外側に折られ、抱かれる子供の脚は、前方部101および腹部108によって形成された支持手段119a,119bに横たわる。ベビーキャリア100のこの位置で、子供は、前方部101と腹部118との間に乗せられるが、抱く人と同じ方向を向く。子供の脚は、開口122a,122bを通って延びるが、今や前下方に向けられる。子供の脚の支持は、外された部分Bによって提供され、子供が、前を向くときにも、いわゆるカエル姿勢で座っていることを意味する。前方部101の上部121は、下方に折られ、子供の顔が自由であるおよび彼/彼女が前方を見ることができるようになっている。
【0035】
図10および11を参照し、ベビーキャリア100は、ポケット108が開かれた状態で示されている。このポケット108は、折り畳めるキャップ120を有し、ここでは折り畳まれていない状態で示されている。キャップ120は、前方部101の外側でポケット108から、および抱く人の方に、広がる。それは、ストラップ123a,123bを有し、ストラップ123a,123bは、例えばホック124a,124bまたは他の適切な締結手段によってショルダーストラップ103a,103bに解放可能に取り付けられる。キャップ120は、乳幼児の頭部を、例えば雨または日光から保護するために、覆う。ポケット108は、一実施形態では、キャップ120のみを含むが、別の実施形態では、1つまたは少数の他の小物(おしゃぶりまたはおむつなど)のためのスペースも有する。
【0036】
ジッパー111a,111bは、図12−13に示されている別の実施形態では、1つのジッパー131に置き換えられてよく、その1つのジッパー131は、前方部101と、腹部118と、ウエストストラップ102と、の間の交差部全体にわたって延びる。ジッパー131は、この場合両方向から開閉可能である。さらに、それは、2つの止め具132を備え、その2つの止め具132は、ジッパー131の部分のみが開かれることができるように位置する。止め具132は、部分Bが部分Aと接するところに位置する。従って、単一ジッパー131は、2つの分離したジッパー111a,111bと同じ効果および機能性を有する。ベビーキャリア100を製造する上で1つの単一ジッパー131を使用することが好ましい。それは加えやすいからである。
【0037】
一実施形態では、腹部118の高さは、約20cmである。他の実施形態では、それは、代わりに約10cmであり得る。
【0038】
ある態様では、乳幼児が、2つの主な位置で抱かれることができるベビーキャリアが提供され、2つの主な位置は、乳幼児の胸部が抱く人に向かう第1位置と、乳幼児の背中が抱く人に向かう第2位置とである。2つの主な位置間のこの切り替えは、前方部と、腹部と、ウエストストラップと、の間の少なくとも部分的に取り外し可能なインターフェースが設けられているキャリアによって成し遂げられる。
【0039】
当然のことながら、発明概念は、本命最初の実施形態に限定されず、多くの変更が、添付の「特許請求の範囲」に記載の範囲内で実現可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13