(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6763939
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】パーソナルケア製品のための粘度増強組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/39 20060101AFI20200917BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20200917BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20200917BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
A61K8/39
A61Q19/00
A61K8/34
A61Q19/10
【請求項の数】14
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-501143(P2018-501143)
(86)(22)【出願日】2016年3月22日
(65)【公表番号】特表2018-509471(P2018-509471A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】US2016023538
(87)【国際公開番号】WO2016160412
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2019年3月8日
(31)【優先権主張番号】62/139,089
(32)【優先日】2015年3月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/209,667
(32)【優先日】2015年8月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517340585
【氏名又は名称】アーチ・パーソナル・ケア・プロダクツ・エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】ルー,グオジン
(72)【発明者】
【氏名】ルー,カート・ケビン
(72)【発明者】
【氏名】リブリッツィ,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ギャリソン,マーク
【審査官】
山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−337513(JP,A)
【文献】
特開2004−189693(JP,A)
【文献】
特開2005−068034(JP,A)
【文献】
特表2003−507343(JP,A)
【文献】
特開2003−063922(JP,A)
【文献】
特表2006−519769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族アルコール;
脂肪酸のポリグリセリルモノエステル又は飽和脂肪酸のポリグリセリルポリエステルを含む第1のポリグリセリルエステル;及び
脂肪酸のポリグリセリルポリエステルを含み、第1のポリグリセリルエステルとは異なる、少なくとも1種の第2のポリグリセリルエステル;
を含む粘度増強組成物であって、組成物中の第1のポリグリセリルエステルの第2のポリグリセリルエステルに対する重量比が5:95〜95:5であり;そして、脂肪族アルコールのすべてのポリグリセリルエステルに対する重量比が1:1〜5:1である、前記粘度増強組成物。
【請求項2】
第1のポリグリセリルエステル及び少なくとも1種の第2のポリグリセリルエステルが、炭素原子6個〜26個の炭素鎖長を有する脂肪酸のポリグリセリルエステルである、請求項1に定義した粘度増強組成物。
【請求項3】
ポリグリセリルエステルがそれぞれ、化合物1個あたり2〜12個のグリセロール分子を含有する、請求項1又は2に定義した粘度増強組成物。
【請求項4】
第1のポリグリセリルエステルがポリグリセリルモノステアレートを含み、第2のポリグリセリルエステルがポリグリセリルジステアレートを含む、請求項1に定義した粘度増強組成物。
【請求項5】
脂肪族アルコールが、炭素原子4個〜36個の炭素鎖長を有する、請求項1〜4のいずれかに定義した粘度増強組成物。
【請求項6】
脂肪族アルコールが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、又はそれらの混合物を含む、請求項1〜5のいずれかに定義した粘度増強組成物。
【請求項7】
脂肪族アルコール;
脂肪酸のポリグリセリルモノエステル又は飽和脂肪酸のポリグリセリルポリエステルを含む第1のポリグリセリルエステル;及び
脂肪酸のポリグリセリルポリエステルを含み、第1のポリグリセリルエステルとは異なる、少なくとも1種の第2のポリグリセリルエステル;
を含むパーソナルケア製品であって、製品中の第1のポリグリセリルエステルの第2のポリグリセリルエステルに対する重量比が5:95〜95:5であり;脂肪族アルコールのすべてのポリグリセリルエステルに対する重量比が1:1〜5:1であり;そして、製品は脂肪族アルコールを5重量%未満の量で含有する、前記パーソナルケア製品。
【請求項8】
エモリエント剤、保湿剤、及び少なくとも1種の界面活性剤を含有する、請求項7に定義したパーソナルケア製品。
【請求項9】
脂肪族アルコールを、3重量%未満の量で含有する、請求項7又は8に定義したパーソナルケア製品。
【請求項10】
第1のポリグリセリルエステル及び少なくとも1種の第2のポリグリセリルエステルが両方とも、0.5重量%を超える量及び10重量%未満の量で製品中に含有される、請求項7〜9のいずれかに定義したパーソナルケア製品。
【請求項11】
水を含む液体キャリヤーをさらに含む、請求項7〜10のいずれかに定義したパーソナルケア製品。
【請求項12】
シャンプーを含み、シャンプーはさらにピリチオンを含む、請求項7〜11のいずれかに定義したパーソナルケア製品。
【請求項13】
化粧品を含む、請求項7〜11のいずれかに定義したパーソナルケア製品。
【請求項14】
アニオン性界面活性剤及び両性イオン性界面活性剤を含有する、請求項7〜13のいずれかに定義したパーソナルケア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001]本出願は、2015年8月25日提出の米国仮特許出願第62/209667号及び2015年3月27日提出の米国仮特許出願第62/139089号に基づき、これらに対する優先権を主張するものであり、これらを本明細書において援用する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002]多くのさまざまなパーソナルケア製品が市場に存在する。そのようなパーソナルケア製品としては、シャンプー、コンディショナー、化粧品、手用保湿剤、ボディクリーム、シャワージェル、及び他の洗浄剤などが挙げられる。これらの製品の大部分は、体の特定部分に施用するためのものである。市場性の高いものにするには、これらの製品は、使用目的によく適していることに加え、特定の厳しい要件を満たしていなければならない。例えば、これらの製品の多くは、良い香りを有するか無香でなければならず、均一な粘稠度を有していなければならず、制御された粘度で表面に均等に施用されなければならない。典型的には、より濃厚なパーソナルケア製品は高級品とされており、したがって、より望ましい。
【0003】
[0003]多くのパーソナルケア製品はエマルションを含む。該製品は、エマルション液滴を安定化するための乳化剤、腰を加えるための増粘剤、潤いを逃さないためのエモリエント剤、及び水分を結合するための保湿剤を含有する。濃厚さを改善し、エマルション系の粘度を上昇させるために、典型的には、良好な腰を有するエマルションをもたらすのに足るレベルで脂肪族アルコールが製品に加えられる。しかしながら、全体的な製品に対し悪影響を有することなく望ましいレベルにエマルションの腰又は粘度を上昇させる点で、問題が生じている。
【0004】
[0004]例えば、エマルション系の粘度を上昇させるには、増大したレベルの脂肪族アルコール又は増大したレベルのさまざまなポリマーをエマルションに加えることができる。しかしながら、より高レベルのこれらの成分の添加は、商品の原価を著しく高騰させるだけでなく、そのような増大したレベルは、配合物の審美面に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、ポリアクリレートの添加は、エマルションの粘度を上昇させるが、エマルションの粘着力の増大をもたらす可能性がある。他の態様では、増粘剤の増加は、製品の色に悪影響を及ぼし、及び/又は製品の臭いに悪影響を及ぼす可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Griffin、J.Soc.Cosm.Chem.、Vol.5、249(1954)
【非特許文献2】Gollnick,H.ら、196(I)、Dermatology Sebaceous Glands、Acne and Related Disorders、119−157(1998)
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5244664号
【特許文献2】ドイツ国特許第4330597号
【特許文献3】日本国特許第7002677号
【発明の概要】
【0007】
概要
[0005]上記を考慮して、当業者らは、製品の粘度を望ましいレベルに増大させるために最小量で加えることができる、より良好な増粘剤又は粘度増強組成物(viscosity building composition)を開発しようと試みてきた。この点で、本開示は、改善された粘度増強組成物を対象とする。
【0008】
[0006]一般に、本開示は、多種多様な用途に用いることができる粘度増強組成物を対象とする。1つの態様では、本開示の粘度増強組成物は、製品の粘度を増大させ腰を増強するためにパーソナルケア製品に加えることができる。一般に、本開示は、脂肪族アルコールと一緒になって相乗的な粘度増強効果を示し、予想より低レベルの脂肪族アルコールで腰又は粘度が思いのほか改善されたエマルションをもたらすことが見出された、ポリグリセリルエステルの特定の組合せを対象とする。
【0009】
[0007]例えば、1つの態様では、本開示は、少なくとも1種のポリグリセリルエステルとの組合せで脂肪族アルコールを含む粘度増強組成物を対象とする。例えば、該組成物は、ポリグリセリルモノエステルとの組合せで脂肪族アルコールを含むことができる。他の態様では、該組成物は、ポリグリセリルポリエステルとの組合せで脂肪族アルコールを含むことができる。さらに他の態様では、該組成物は、ポリグリセリルモノエステルのブレンド、ポリグリセリルポリエステルのブレンド、又はポリグリセリルモノエステルと少なくとも1種のポリグリセリルポリエステルとを含有するブレンドとの組合せで、脂肪族アルコールを含むことができる。
【0010】
[0008]1つの態様では、例えば、粘度増強組成物は、少なくとも2種のポリグリセリルエステル、例えば第1のポリグリセリルエステルと少なくとも1種の第2のポリグリセリルエステルとの組合せで、脂肪族アルコールを含む。第1のポリグリセリルエステルは、脂肪酸のようなカルボン酸のポリグリセリルモノエステルを含むことができる。一方、第2のポリグリセリルエステルは、脂肪酸のようなカルボン酸のジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−又はデカエステルのようなポリグリセリルポリエステルを含むことができる。1つの態様では、第1及び第2のポリグリセリルエステルは、ポリグリセロールポリエステルを、単独又は1種以上のポリグリセリルモノエステルとの組合せで含む。
【0011】
[0009]粘度増強組成物が上記のような第1のポリグリセリルエステルと第2のポリグリセリルエステルとの混合物を含有する場合、組成物中の第1のポリグリセリルエステルと第2のポリグリセリルエステルの重量比は、約1:100〜約100:1、例えば約1:50〜95:5である。1つの態様では、該組成物は、第1のポリグリセリルエステルと比較してより多くの量の第2のポリグリセリルエステルを含有することができる。例えば、第1のポリグリセリルエステルと第2のポリグリセリルエステルとの重量比は、約1:50〜約1:1、例えば約1:35〜約2:3、例えば約1:25〜約1:3であることができる。
【0012】
[0010]1つの態様では、第1のポリグリセリルエステル及び第2のポリグリセリルエステルのようなポリグリセリルエステルは、不飽和脂肪酸とは対照的に飽和脂肪酸から形成される。例えば、飽和脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、及びセロチン酸が挙げられる。
【0013】
[0011]組成物中に存在する脂肪族アルコールは、例えば、炭素原子約4個〜約36個、例えば炭素原子約6個〜約28個の炭素鎖長を有する任意の適した脂肪族アルコールを含むことができる。1つの態様では、脂肪族アルコールは脂肪族アルコールの混合物を含むことができる。脂肪族アルコールの例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、及びそれらの混合物が挙げられる。1つの態様では、組成物中の脂肪族アルコールと1種以上のポリグリセリルエステルとの重量比は、特に組成物が上記のように第1のポリグリセリルエステル及び第2のポリグリセリルエステルを含有する場合、約1:10〜約10:1、例えば約1:5〜約10:1、例えば約1:1〜約5:1である。
【0014】
[0012]本開示の組成物が、単一のポリグリセリルエステルとの組合せで脂肪族アルコールを含む場合、重量比は上記と異なることができる。例えば、組成物が、ポリグリセリルモノエステル又はポリグリセリルポリエステルの一方のみとの組合せで脂肪族アルコールを含有する場合、組成物中の脂肪族アルコールとポリグリセリルエステルとの重量比は、約2:1〜約1:10、例えば約1:1〜約1:5、例えば約1:1.5〜約1:3であることができる。
【0015】
[0013]組成物中に存在するポリグリセリルエステルは、一般に、約2個のグリセリン分子〜約12個のグリセリン分子(平均に基づく)を含有することができる。1つの態様では、第2のポリグリセリルエステルはジエステルを含む。例えば、該ポリグリセリルエステルはポリグリセリルジステアレートを含むことができる。一方、第1のポリグリセリルエステルは、ポリグリセリルモノステアレート、ポリグリセリルモノデカオレエート、ポリグリセリルモノオレエート、又はそれらの混合物を含むことができる。
【0016】
[0014]1つの態様では、本開示は、上記粘度増強組成物を含有するエマルションを対象とする。
[0015]本開示の粘度増強組成物は、あらゆる種類のパーソナルケア製品における使用に非常に適している。例えば、粘度増強組成物は、シャンプー、ボディウォッシュ、コンディショナー、化粧品、スキンクリーム、薬物、顔用クレンザー、皮膚用クレンザー、ハンドクリーム、日焼け止めローション、化粧落とし、ボディローションなどに組み込むことができる。1つの態様では、パーソナルケア製品は、エモリエント剤、保湿剤、及び少なくとも1種の界面活性剤を含有する。
【0017】
[0016]粘度増強組成物をパーソナルケア製品に組み込む場合、該パーソナルケア製品は、1種以上の脂肪族アルコールを、約5重量%未満の量、例えば約4重量%未満の量、例えば約3重量%未満の量、例えば約2重量%未満の量、例えば約1重量%未満の量で、含有することができる。パーソナルケア製品は、ポリグリセリルエステルを、約0.5重量%を超える量、例えば約0.75重量%を超える量、例えば約1重量%を超える量、例えば約1.25重量%を超える量、例えば約1.5重量%を超える量、例えば約2重量%を超える量で、含有することができる。パーソナルケア製品は、ポリグリセリルエステルを、一般に約10重量%未満の量、例えば約8重量%未満の量、例えば約6重量%未満の量、例えば約4重量%未満の量で含有することができる。
【0018】
[0017]特定の1つの態様では、パーソナルケア製品は、シャンプー又はボディウォッシュを含む。シャンプーは、ふけを処置するためのシャンプーを含むことができる。これに関し、シャンプー又はボディウォッシュは、ピリチオンを含有することができる。
【0019】
[0018]ピリチオンに加え、本開示の粘度増強組成物は、以下でより詳細に説明するように、多種多様な他の活性物又は有益な作用物質と併せて用いることもできる。
[0019]他の態様では、パーソナルケア製品は、化粧品を含むことができる。1つの態様では、パーソナルケア製品は、アニオン性界面活性剤及び両性イオン性界面活性剤を含有することができる。
【0020】
[0020]本開示の他の特徴及び観点を、以下でより詳細に検討する。
図面の簡単な説明
[0021]本開示の完全かつ権能付与的開示を、本明細書の残りの部分で、添付の図面を参照することを含めて、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、以下に記載する実施例で得た結果のいくつかのグラフ表示である。
【
図2】
図2は、以下に記載する実施例で得た結果のいくつかのグラフ表示である。
【
図3】
図3は、以下に記載する実施例で得た結果のいくつかのグラフ表示である。
【
図4】
図4は、以下に記載する実施例で得た結果のいくつかのグラフ表示である。
【0022】
詳細な説明
[0022]本考察は代表的態様の解説に過ぎず、本開示の広範囲な観点を制限することを意図するものではないことを、当業者なら理解すべきである。
【0023】
[0023]一般に、本開示は、製品の粘度の増大及び/又は腰の増強のために多種多様な製品に組み込むことができる、粘度増強組成物を対象とする。例えば、該組成物は、あらゆる種類のパーソナルケア製品に組み込むことができる。そのような製品としては、シャンプー、ボディウォッシュ、コンディショナー、全身用クレンザー、手用クレンザー、顔用クレンザー、保湿剤、ボディクリーム、ハンドクリーム、化粧落とし、化粧品、日焼け止めローション、軟膏、薬品などが挙げられる。
【0024】
[0024]一般に、本開示の粘度増強組成物は、少なくとも1種類のポリグリセリルエステルとの組合せで脂肪族アルコールを含む。例えば、1つの態様では、粘度増強組成物は、1種以上のポリグリセリルモノエステルとブレンドした脂肪族アルコールを含む。第2の態様では、粘度増強組成物は、1種以上のポリグリセリルポリエステルとブレンドした脂肪族アルコールを含む。上記態様では、粘度増強組成物は、他のポリグリセリルエステルを含有しないことができ、例えば、1種以上のポリグリセリルモノエステルと組み合わせた脂肪族アルコールから成ることができ、又は、1種以上のポリグリセリルポリエステルと組み合わせた脂肪族アルコールから成ることができる。組成物中に単一種類のポリグリセリルエステルのみが存在する場合、パーソナルケア製品のような最終製品中に存在する脂肪族アルコールの量を効果的に最小限に抑えつつ、望ましい粘度及び感触を提供することができる。
【0025】
[0025]本開示の他の態様では、粘度増強組成物は、ポリグリセリルエステルの混合物との組合せで脂肪族アルコールを含み、該混合物は、少なくとも2種の異なる種類のポリグリセリルエステルを包含する。例えば、粘度増強組成物は、少なくとも1種の第2の種類のポリグリセリルエステルと組み合わせた少なくとも1種の第1の種類のポリグリセリルエステルを包含することができる。
【0026】
[0026]第1のポリグリセリルエステルは、ポリグリセリルモノエステルを含むことができる。一方、第2のポリグリセリルエステルは、ポリグリセリルポリエステルを含むことができる。本明細書中で用いる場合、ポリグリセリルポリエステルは、1より多くのエステルを含有するポリグリセリルエステルを含む。例えば、ポリグリセリルポリエステルは、ポリグリセリルジエステル、ポリグリセリルトリエステル、ポリグリセリルテトラエステル、ポリグリセリルペンタエステル、ポリグリセリルデカエステル、又はそれらの混合物を含むことができる。いくつかの施用に関し、第2のポリグリセリルエステルは、第1のポリグリセリルエステル又はポリグリセリルモノエステルより多くの量で存在する。他の態様では、第1のポリグリセリルエステルは、第2のポリグリセリルエステルより多くの量で存在することができる。本発明者らは、脂肪族アルコールと組み合わせたポリグリセリルエステルが、劇的に粘度を増大させ腰を向上させる相乗的で意外な方法をもたらすことを発見した。
【0027】
[0027]脂肪族アルコール及び1種以上のポリグリセリルエステルは、パーソナルケア製品に組み込まれたときに極めて安全で低刺激性であり、とりわけ有利である。成分は、例えば、安全で再生可能な供給源から生産される。粘度増強に加え、本開示の組成物は、パーソナルケア製品にさまざまな他の性質上の利益ももたらす。例えば、本開示の組成物は、該組成物を含有する製品に真珠光沢効果をもたらすことができる。粘度増強組成物は配合物安定剤でもあり、穏やかなコンディショニング特性を有する。これに加えて、本開示の組成物は、他の成分を均質状態に維持するのに非常に適している。例えば、該組成物は、とりわけ、ピリチオンと一緒に、例えばふけ防止シャンプー及びボディウォッシュに用いるのに非常に適している。
【0028】
[0028]上記のように、本開示の粘度増強組成物は、少なくとも1種のポリグリセリルエステルを1種以上の脂肪族アルコールと組み合わせた混合物を含む。ポリグリセリルエステルは、以下の一般式により表すことができる:
R
5OCH
2−CH(OR
4)−CH
2−(O−CH
2CH(OR
3)−CH
2)
n−O−CH
2−CH(OR
2)−CH
2OR
1、
[式中、Rは、水素、又は炭素原子4〜36個の脂肪酸部分のアシル基(R−CO−)であり、R基の数は、1〜14、例えば1〜12であり、nは2〜14、例えば3〜10である]。
【0029】
[0029]主鎖は、一般に、最終ポリマーに正規分布パターンをもたらす縮合反応により調製される。ベースポリオール中のグリセリン単位の平均数は、合計でn+2であることができる。一般に、配合物中に用いられるポリグリセリルは、300〜1000、例えば500〜800の分子量を有する。
【0030】
[0030]ポリグリセリルエステルの調製に用いられる脂肪酸は、直鎖又は分枝鎖及び飽和又は不飽和など、広範囲の構造タイプから選択することができる。場合によっては、脂肪酸の鎖長分布は、特定のブレンドであり、又は、例えば扁桃油もしくはヒマワリ油などの天然オイルに見出されるものに匹敵する。好ましい脂肪酸は、6〜26個の炭素原子を有する。
【0031】
[0031]ポリグリセリルエステルは非イオン性界面活性剤とみなされ、エマルション、フォーム、及び分散液を安定化することができる。ポリグリセリルエステルは、生物分解性であり、生体適合性であり、使用するのに極めて安全であるとみなされている。
【0032】
[0032]本開示の1つの態様に従って、粘度増強組成物は、1種以上の脂肪族アルコールを、単一のポリグリセリルエステル又は単一種類のポリグリセリルエステルのみと組み合わせて含有する。例えば、該組成物は、1種以上のポリグリセリルモノエステルのみと組み合わせた脂肪族アルコールを含有することができる。あるいは、該組成物は、脂肪族アルコールを、1種以上のポリグリセリルポリエステルのみとの組合せ、例えば、1種以上のポリグリセリルジエステルのみ、1種以上のポリグリセリルトリエステルのみ、又は1種以上のポリグリセリルテトラエステルのみなどとの組合せで含有することができる。該組成物は、単一の脂肪族アルコール又は脂肪族アルコールの混合物を含有することができる。脂肪族アルコールを単一のポリグリセリルエステル又は単一種類のポリグリセリルエステルのみと組み合わせると、得られる製品中に存在する脂肪族アルコールの量を最小限に抑えることができる。
【0033】
[0033]1つの態様では、粘度増強組成物は、ポリグリセリルポリエステルのブレンドとの組合せで1種以上の脂肪族アルコールを含有する。1つの態様では、例えば、該ブレンドは、少なくとも1種のポリグリセリルジエステルを、他のポリグリセリルジエステル、ポリグリセリルトリエステル、又はポリグリセリルテトラエステルとの組合せで含有することができる。例えば、1つの態様では、該ブレンドは2種の異なるポリグリセリルジエステルを含有することができる。
【0034】
[0034]特定の1つの態様では、例えば、粘度増強組成物は、ポリグリセリルジパルミテートを、ポリグリセリルジステアレートとの組合せで含有する。ポリグリセリルジパルミテートは、化合物1個あたり約4〜約15、例えば約8〜約12個のポリグリセリル分子を含有することができる。他方、ポリグリセリルジステアレートは、化合物1個あたり約2〜約10、例えば約4〜約8個のポリグリセリル分子を含有することができる。1つの態様では、ポリグリセリルジパルミテートは、ポリグリセリルジステアレートに対して約2:1〜約1:40、例えば約1:1〜約1:30、例えば約1:2〜約1:25の重量比で存在することができる。1つの態様では、例えば、ポリグリセリルジパルミテートは、ポリグリセリルジステアレートより少ない量で存在することができる。一般に、ポリグリセリルポリエステルのブレンドは、約6〜約7.5、例えば約6〜約6.5のHLB値を有するように配合することができる。
【0035】
[0035]他の態様では、粘度増強組成物は、1種以上の脂肪族アルコールを、第1のポリグリセリルエステル及び第2のポリグリセリルエステルとの組合せで含有する。第1のポリグリセリルエステルは、ポリグリセリルモノエステルを含むことができる。一方、第2のポリグリセリルエステルは、ポリグリセリルポリエステル、例えば、ポリグリセリルジエステル、ポリグリセリルトリエステル、ポリグリセリルテトラエステル、ポリグリセリルペンタエステル、ポリグリセリルデカエステル、又はそれらの混合物を含むことができる。1種以上のポリグリセリルポリエステルは、第1のポリグリセリルエステルより多くの量で存在することができ、又はその逆であることができる。
【0036】
[0036]本開示に用いることができるさまざまな異なるポリグリセリルモノエステルは、入手可能である。そのようなポリグリセリルエステルとしては、例えば、ポリグリセリルモノステアレートが挙げられる。例えば、ポリグリセリルモノステアレートは、ポリグリセリル−10ステアレート、ポリグリセリル−3ステアレート、又はそれらの混合物を含むことができる。他のポリグリセリルモノエステルとしては、ポリグリセリル−10デカオレエートなどのポリグリセリルデカオレエート、ポリグリセリル−10オレエートなどのポリグリセリルオレエート、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0037】
[0037]本開示に用いることができるさまざまな異なるポリグリセリルポリエステルも、入手可能である。組成物中に存在するそのようなポリグリセリルポリエステルは、ポリグリセリルジエステル、トリエステル、テトラエステル、ペンタエステル、デカエステルなどを含むことができる。1つの態様では、例えば、該組成物はポリグリセリルジエステルを含有する。ポリグリセリルジエステルの例としては、ポリグリセリル−6ジステアレートのようなポリグリセリルジステアレート、ポリグリセリル−10ジパルミテートのようなポリグリセリルジパルミテート、及びそれらの混合物が挙げられる。他の態様では、ポリグリセリルポリエステルは、ポリグリセリルデカステアレート及び/又はポリグリセリルデカオレエートを含むことができ、これらは、単独又は他のポリグリセリルポリエステルとの組合せで用いることができる。
【0038】
[0038]上記のように、ポリグリセリルエステルは脂肪酸から形成される。1つの態様では、第1のポリグリセリルエステル、第2のポリグリセリルエステル、又は両方のポリグリセリルエステルは、飽和脂肪酸を用いて形成される。例えば、飽和脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、及びセロチン酸が挙げられる。不飽和脂肪酸を用いてポリグリセリルエステルを生産することもできる。しかしながら、1つの態様では、組成物中に存在する、不飽和脂肪酸から作製されるポリグリセリルエステルの量は、最小限に抑えられる。例えば、組成物中に含有されるポリグリセリルエステルは、不飽和脂肪酸から作製される1種以上のポリグリセリルエステルを、約20重量%未満の量、例えば約10重量%未満の量、例えば約5重量%未満の量で含むことができる。
【0039】
[0039]本開示の粘度増強組成物がさまざまな種類のポリグリセリルエステルの混合物を含有する場合、1種以上のポリグリセリルモノエステルを含むことができる第1のポリグリセリルエステル、及び1種以上のポリグリセリルポリエステルを含むことができる第2のポリグリセリルエステルは、粘度増強組成物中に、約1:100〜約100:1、例えば約1:50〜95:5の重量比で存在することができる。第1のポリグリセリルエステル及び第2のポリグリセリルエステルは、粘度増強組成物中に、約1:50〜約1:1、例えば約1:35〜約2:3、例えば約1:25〜約1:3の重量比で存在することもできる。特定の1つの態様では、重量比は、約1:10〜約1:30、例えば約1:15〜約1:25であることができる。
【0040】
[0040]1つの態様では、本開示に従って用いられるポリグリセリルエステルブレンドは、約12未満、例えば約10未満の親水親油バランス(「HLB」)を有する。HLBは、約6〜約8、又は約8〜約12であることができる。本明細書中で用いる場合、HLBは、非特許文献1に準ずる標準的HLBである。
【0041】
[0041]1つの態様では、ポリグリセリルエステルブレンドは、形成される製品中の少なくとも1種の他の成分に匹敵するHLBを有するように配合することができる。例えば、パーソナルケア製品のような多くの製品は、油相成分を含有する。製品の油相成分は、特定のHLB値を有することができる。1つの態様では、ポリグリセリルエステルブレンドは、製品中に含有される油相のHLBの±2以内、例えば±1、例えば±0.5のHLBを有するように配合する。
【0042】
[0042]組成物が単一のポリグリセリルエステルのみを含有する場合、単一のポリグリセリルエステルは、上記のように製品中に含有される油相のHLBに匹敵するHLBを有するように選択することができる。
【0043】
[0043]本発明者らは、1種以上の上記ポリグリセリルエステルで乳化した組成物に1種以上の脂肪族アルコールを加えると、脂肪族アルコール単独又は従来の乳化剤を用いたときには見られない相乗的な粘度増大をもたらすことができることを発見した。脂肪族アルコールは、一般に炭素原子約4個〜約36個の炭素鎖長を有することができる直鎖又は分枝炭素鎖の第1級アルコールをさす。例えば、脂肪族アルコールは、植物油又は動物性脂肪から生産することができる。本開示の組成物中に組み込むことができる脂肪族アルコールの例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコールなどが挙げられる。そのような脂肪族アルコールは、炭素原子約12個〜約22個の炭素鎖長を有する。1つの態様では、脂肪族アルコールは脂肪族アルコールの混合物を含むことができる。例えば、脂肪族アルコールはセチルステアリルアルコールを含むことができる。特定の1つの態様では、脂肪族アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、及びベヘニルアルコールの混合物を含む。
【0044】
[0044]脂肪族アルコールは、粘度増強組成物中に、ポリグリセリルエステルに対して約1:10〜約10:1、例えば約1:5〜約10:1、例えば約1:1〜約5:1の重量比で存在することができる。1つの態様では、脂肪族アルコールとポリグリセリルエステルの重量比は、約1:2〜約5:2であることができる。粘度増強組成物が、単一のポリグリセリルエステルのみとの組合せで脂肪族アルコールを含有する場合、脂肪族アルコールとポリグリセリルエステルとの重量比は、約2:1〜約1:10、例えば約1:1〜約1:5、例えば約1:1.5〜約1:3であることができる。
【0045】
[0045]パーソナルケア製品中に組み込まれる脂肪族アルコールの量を、1種以上のポリグリセリルエステルとの相乗効果により最小限に抑えることができ、とりわけ有利である。例えば、粘度増強組成物がパーソナルケア製品中に組み込まれると、1種以上の脂肪族アルコールが、製品中に、約10重量%未満の量、例えば約7重量%未満の量、例えば約6重量%未満の量、例えば約5重量%未満の量、例えば約4重量%未満の量、例えば約3重量%未満の量、さらに例えば約2重量%未満の量で存在する可能性がある。1種以上の脂肪族アルコールは、典型的には、パーソナルケア製品中に、約0.05重量%を超える量、例えば約0.1重量%を超える量で存在する。
【0046】
[0046]1つの態様では、粘度増強組成物は、脂肪族アルコールを、単一のポリグリセリルエステル、例えば、ポリグリセリルモノエステル又はポリグリセリルジエステルのみとの組合せで含有する。この態様では、脂肪族アルコールは、パーソナルケア製品中に、1重量%未満の量、例えば0.8重量%未満の量、例えば0.6重量%未満の量で存在することができる。
【0047】
[0047]パーソナルケア製品中に存在するポリグリセリルエステルの全量は、一般に約10重量%未満、例えば約8重量%未満の量、例えば約6重量%未満の量、例えば約4重量%未満の量である。ポリグリセリルエステルの全量は、パーソナルケア製品中に、一般に約0.1重量%を超える量、例えば約0.5重量%を超える量、例えば約0.75重量%を超える量、例えば約1重量%を超える量、例えば約1.25重量%を超える量、例えば約1.75重量%を超える量で存在する。
【0048】
[0048]上記のような本開示の粘度増強組成物は、さまざまな種類のパーソナルケア製品など、多種多様な製品に組み込むことができる。パーソナルケア製品は、1種以上の乳化剤、1種以上の増粘剤、1種以上のエモリエント剤、及び/又は1種以上の保湿剤を含有することができる。例えば、パーソナルケア製品中に組み込むことができるいくつかの成分としては、グリセリン、キサンタンガム、カプリルトリグリセリドもしくはカプリントリグリセリドなどのトリグリセリド、シアバター、及び1種以上の防腐剤が挙げられる。上記各成分は、製品中に、約0.1重量%〜約10重量%の量、例えば約0.2重量%〜約8重量%の量で存在することができる。
【0049】
[0049]1つの態様では、パーソナルケア製品は、1種以上の界面活性剤を含有する。例えば、パーソナルケア製品は、アニオン性界面活性剤を両性イオン性界面活性剤との組合せで含有することができる。
【0050】
[0050]1種類のアニオン性界面活性剤は、C
10〜C
14脂肪族アルコールスルフェートの水溶性塩である。ナトリウム塩がもっとも一般的であるが、他の可溶性塩としては、カリウム、アンモニウム、ジエタノール−及びトリエタノールアンモニウムカチオンが挙げられる。
【0051】
[0051]1つの態様では、ラウリル硫酸ナトリウムが用いられる。100%全配合物重量に基づいたアニオン性界面活性剤の濃度範囲は、1%〜20%の範囲にある。アニオン濃度は、実用的な程度まで両性イオン性界面活性剤を多く添加することにより、最小限に抑えることができる。
【0052】
[0052]一般的な事柄として、アニオン性界面活性剤は、分子構造中に8〜22個の炭素原子を含有するアルキル基と、スルホン酸又は硫酸エステル基とを有する、有機硫黄反応生成物のアルカリ金属塩によって例示される(アルキルという用語には高級アシル基のアルキル部分が包含される)。好ましい硫酸アルキルは、ヤシ油脂肪酸モノグリセリド硫酸ナトリウム及びヤシ油脂肪酸モノグリセリドスルホン酸ナトリウム、並びに高級アルコール、すなわちC
8〜C
18炭素原子を含有するアルコールを硫酸化することにより得られるものである。他の例は、1モルの高級脂肪族アルコール(例えば、獣脂又はヤシ油アルコール)と1〜12モルのエチレンオキシドとの反応生成物の硫酸エステルのナトリウム塩又はカリウム塩;1分子あたり1〜10単位のエチレンオキシドを有し、アルキル基が8〜12個の炭素原子を含有する、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルスルフェートのナトリウム塩又はカリウム塩、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム;イセチオン酸でエステル化し、水酸化ナトリウムで中和した、10〜22個の炭素原子を有する脂肪酸の反応生成物;並びに脂肪酸とサルコシンとの縮合生成物の水溶性塩である。
【0053】
[0053]両性イオン性界面活性剤はコカミドプロピルベタインを含むことができ、その使用レベルは、100%活性物に基づいて約3〜約25重量%の範囲である。
[0054]C
10〜C
16脂肪酸から誘導されるアルキル基を有する他のアルキルアミドプロピルベタインを用いてもよい。対応するアルキルアミドプロピルスルタイン(sultaine)、特にコカミドプロピルスルタインも許容可能である。
【0054】
[0055]用いることができるさらなる両性イオン性界面活性剤は、置換イミダゾリンである。該界面活性剤は、CTFA辞書に、ココアンホ酢酸ナトリウム及びココアンホ二酢酸ナトリウムとして記載されている。ココ誘導イミダゾリンに加えて、又はその代わりに、C
10〜C
16脂肪酸から調製される同様の構造物を用いることができる。単一試薬又はブレンドとしてのイミダゾリン界面活性剤の活性含有率は、約1.5%〜約2.5%である。
【0055】
[0056]両性イオン性界面活性剤は、脂肪族基が直鎖又は分枝鎖であり、脂肪族置換基のうち1つが約8〜18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン性可水溶化基、例えば、カルボキシル、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する、脂肪族第4級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体により例示される。これらの化合物の一般式は以下である:
【0057】
式中、R
2は、炭素原子約8〜約18個のアルキル、アルケニル、又はヒドロキシアルキル基である。それらは、最大約10個のエチレンオキシド部分及び最大1個のグリセリル部分を含有することができる。Yは、窒素、リン、又は硫黄原子であり;R
3は、1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり;Xは、Yが硫黄原子のときは1であり、Yが窒素又はリン原子であるときは2であり;R
4は、約1〜約4個の炭素原子のアルキレン又はヒドロキシアルキレンであり;そしてZは、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスホネート、又はホスフェート基である。
【0058】
[0057]例としては、
4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−オクタデシルアンモニオ]−ブタン−1−カルボキシレート;
5−[S−3−ヒドロキシプロピル−S−ヘキサデシルスルホニオ]−3−ヒドロキシペンタン−1−スルフェート;
3−[P,P−ジエチル−P−3,6,9−トリオキサテトラデコキシルホスホニオ]−2−ヒドロキシプロパン−1−ホスフェート;
3−[N,N−ジプロピル−N−3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピルアンモニオ]−プロパン−1−ホスホネート;
3−(N,N−ジメチル−N−ヘキサデシルアンモニオ)プロパン−1−スルホネート;
3−(N,N−ジメチル−N−ヘキサデシルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロパン−1−スルホネート;
4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−ヒドロキシドデシル)アンモニオ]−ブタン−1−カルボキシレート;
3−[S−エチル−S−(3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピル)スルホニオ]−プロパン−1−ホスフェート;
3−[P,P−ジメチル−P−ドデシルホスホニオ]−プロパン−1−ホスホネート;及び
5−[N,N−ジ(3−ヒドロキシプロピル)−N−ヘキサデシルアンモニオ]−2−ヒドロキシペンタン−1−スルフェート;
が挙げられる。
【0059】
[0058]これに有用な他のベタインの例としては、高アルキルベタイン、例えば、
ココジメチルカルボキシメチルベタイン、
ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、
ラウリルジメチルα−カルボキシエチルベタイン、
セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、
ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、
ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、
オレイルジメチルγ−カルボキシプロピルベタイン、
ラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタイン、
などが挙げられる。
【0060】
[0059]スルホベタインは、
ココジメチルスルホプロピルベタイン、
ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、
ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、
ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、
などにより表すことができる。RCONH(CH
2)
3基がベタインの窒素原子に結合しているアミドベタイン及びアミドスルホベタインを用いることもできる。
【0061】
[0060]パーソナルケア製品中に存在することができる他の界面活性剤としては、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。
[0061]両性界面活性剤の例は、脂肪族基が直鎖又は分枝鎖であり、脂肪族置換基のうち1つが約8〜18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン性可水溶化基、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する、脂肪族第2級及び第3級アミンの誘導体である。これらの化合物の例は、ナトリウム3−ドデシルアミノプロピオネート、ナトリウム3−ドデシルアミノプロパンスルホネート、及び、ドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとの反応生成物などのN−アルキルタウリン、及びN−高級アルキルアスパラギン酸である。
【0062】
[0062]非イオン性界面活性剤は、アニオン性、両性、又は両性イオン性界面活性剤との組合せで用いることが好ましく、親水性アルキレンオキシド基と脂肪族又はアルキル芳香族疎水性化合物との縮合により生成される化合物として広く定義することができる。非イオン性界面活性剤の好ましいクラスの例は、以下である:
1. 以下の一般式に相当する長鎖第3級アミンオキシド:
R
1R
2R
3N → O
[式中、R
1は、炭素原子約8〜約18個のアルキル、アルケニル、又はモノヒドロキシアルキル基、最大約10個のエチレンオキシド部分、及び最大1個のグリセリル部分を含有し、R
2及びR
3は、1〜約3個の炭素原子及び最大約1個のヒドロキシ基を含有し、例えば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、又はヒドロキシプロピル基である]。本発明における使用に適したアミンオキシドの例としては、以下が挙げられる:
ジメチルドデシルアミンオキシド、
オレイルジ(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、
ジメチルオクチルアミンオキシド、
ジメチルデシルアミンオキシド、
ジメチルテトラデシルアミンオキシド、
3,6,9−トリオキサヘプタデシルジエチルアミンオキシド、
ジ(2−ヒドロキシエチル)テトラデシルアミンオキシド、
2−ドデコキシエチルジメチルアミンオキシド、
3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピルジ(3−ヒドロキシプロピル)アミンオキシド、及び
ジメチルヘキサデシルアミンオキシド。
2. 以下の一般式に相当する長鎖第3級ホスフィンオキシド:
RR’R”P → O
[式中、Rは、鎖長中の炭素原子が8〜18個であるアルキル、アルケニル、又はモノヒドロキシアルキル基、最大約10個のエチレンオキシド部分、及び最大1個のグリセリル部分を含有し、R’及びR”は、それぞれ、1〜3個の炭素原子を含有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基である]。適したホスフィンオキシドの例は以下である:
ドデシルジメチルホスフィンオキシド、
テトラデシルジメチルホスフィンオキシド、
テトラデシルメチルエチルホスフィンオキシド、
3,6,9−トリオキサオクタデシルジメチルホスフィンオキシド、
セチルジメチルホスフィンオキシド、
3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピルジ(2−ヒドロキシエチル)ホスフィンオキシド、
ステアリルジメチルホスフィンオキシド、
セチルエチルプロピルホスフィンオキシド、
オレイルジエチルホスフィンオキシド、
ドデシルジエチルホスフィンオキシド、
テトラデシルジエチルホスフィンオキシド、
ドデシルジプロピルホスフィンオキシド、
ドデシルジ(ヒドロキシメチル)ホスフィンオキシド、
ドデシルジ(2−ヒドロキシエチル)ホスフィンオキシド、
テトラデシルメチル−2−ヒドロキシプロピルホスフィンオキシド、
オレイルジメチルホスフィンオキシド、及び
2−ヒドロキシドデシルジメチルホスフィンオキシド。
3. 炭素原子1〜約3個の短鎖アルキル又はヒドロキシアルキル基(通常メチル)を1個と、約8〜約20個の炭素原子を含有するアルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、又はケトアルキル基、最大約10個のエチレンオキシド部分、及び最大1個のグリセリル部分を含有する1本の疎水性長鎖とを含有する、長鎖ジアルキルスルホキシド。例としては、オクタデシルメチルスルホキシド、2−ケトトリデシルメチルスルホキシド、3,6,9−トリオキサオクタデシル2−ヒドロキシエチルスルホキシド、ドデシルメチルスルホキシド、オレイル3−ヒドロキシプロピルスルホキシド、テトラデシルメチルスルホキシド、3−メトキシトリデシルメチルスルホキシド、3−ヒドロキシトリデシルメチルスルホキシド、3−ヒドロキシ−4−ドデコキシブチルメチルスルホキシドが挙げられる。
【0063】
[0063]界面活性剤に加え、1つの態様では、パーソナルケア製品は、ポリオール、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、又は他の化粧料的に許容しうるグリコールを含有することができる。1種以上のポリオールは、パーソナルケア製品中に、一般に約0.5重量%〜約10重量%、例えば約2重量%〜約5重量%の量で存在することができる。
【0064】
[0064]1つの態様では、パーソナルケア製品は脂肪族エステルを含有することもできる。脂肪族エステルとしては、グリセリド、例えば、モノ−、ジ−、及びトリ−グリセリドが挙げられる。グリセリドは、グリセロールと長鎖カルボン酸、例えばC
12〜C
22カルボン酸のエステルを含むことができる。これらの種類の材料は、植物性及び動物性の油脂、例えば、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、タラ肝油、扁桃油、アボカド油、パーム油、ゴマ油、ラノリン、及びダイズ油から得ることができる。用いることができる特定のトリグリセリドとしては、カプリル/カプリントリグリセリドが挙げられる。1種以上の脂肪酸エステルは、パーソナルケア製品中に、約0.5重量%〜約15重量%、例えば約5重量%〜約12重量%の量で存在することができる。
【0065】
[0065]さらに他の態様では、パーソナルケア製品は不揮発性シリコーンを含有することができる。シリコーンは、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、又はポリエーテルシロキサンコポリマーを含むことができる。シリコーンは、該組成物中に、約0.1重量%〜約10重量%の量、例えば約0.5重量%〜約5重量%の量で存在することができる。
【0066】
[0066]該組成物は、1種以上の防腐剤、例えば、ジメチロールヒダントイン、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びイミダゾリジニル尿素を含有することができる。1種以上の防腐剤は、パーソナルケア製品中に、約0.1重量%〜約5重量%の量、例えば約0.5重量%〜約2重量%の量で存在することができる。
【0067】
[0067]本開示の粘度増強組成物は、製品に含有される場合、さまざまな異なる種類の活性物又は有益な作用物質と一緒に用いることができる。例えば、組成物の粘度増強特性は、活性物又は有益な作用物質が製品内で均質に混合された状態を維持することを可能にすることができ、これにより有効性を向上させることができる。粘度増強組成物と併せて用いることができる活性物の例としては、脱色素剤;反射剤(reflectant);脱絡み/湿潤コーミング剤(detangling/wet combing agent);フィルム形成ポリマー;保湿剤;アミノ酸剤;抗菌剤;アレルギー防止薬;抗ニキビ薬;老化防止薬;しわ防止薬、消毒薬;鎮痛薬;咳止め;かゆみ止め;局所麻酔薬;脱毛防止剤;育毛促進剤;育毛抑制剤、ふけ防止剤、抗ヒスタミン剤;抗感染薬;炎症抑制剤;制吐薬;抗コリン作動薬;血管収縮薬;血管拡張薬;創傷治癒促進剤;ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質;デオドラント剤及び制汗剤;医薬品;皮膚エモリエント剤及び皮膚保湿剤;ビタミン;日焼け剤;皮膚美白剤;抗真菌薬、例えば足用製剤(foot preparation)のための抗真菌薬;脱毛剤;ひげ剃り用製剤;外用鎮痛薬;香水;反対刺激薬;痔疾薬;殺虫剤;ツタウルシ(poison ivy)用製品;有毒オーク(poison oak)用製品;熱傷用製品;抗おむつかぶれ薬;あせも薬;化粧用製剤;ビタミン;アミノ酸及びその誘導体;薬草抽出物;レチノイド;フラボイド(flavoid);センセート(sensate);酸化防止剤;2次的毛髪及び/又は皮膚コンディショナー;真珠光沢剤;ヘアライトナー;キレート化剤;細胞代謝回転増強剤;着色剤;顔料;日焼け止めなど、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0068】
[0068]適した反射剤の例としては、非排他的に、マイカ、アルミナ、ケイ酸カルシウム、ジオレイン酸グリコール、ジステアリン酸グリコール、シリカ、フルオロケイ酸ナトリウムマグネシウム、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0069】
[0069]適した紫外線吸収剤の例としては、ベンゾフェノン、ボルネロン、p−アミノ安息香酸ブチル、シンナミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、p−アミノ安息香酸、メトキシケイ皮酸カリウム、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0070】
[0070]適した脱絡み/湿潤コーミング剤としては、非排他的に、ジオレオイルアミドエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェート、ジ(ソイオイルエチル)ヒドロキシエチルモニウムメトスルフェート、ヒドロキシエチルベヘンアミドプロピルジモニウムクロリド、オレアルコニウムクロリド、ポリクオタニウム47、ステアラルコニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0071】
[0071]適したフィルム形成ポリマーとしては、乾燥により毛髪、皮膚、又は爪上に実質的に連続的なコーティング又はフィルムをもたらすものが挙げられる。適したフィルム形成ポリマーの非排他的な例としては、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマー;コーンスターチ/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー;ポリクオタニウム10;ポリクオタニウム47;ポリビニルメチル/無水マレイン酸コポリマー;スチレン/アクリレートコポリマー;及びそれらの混合物が挙げられる。
【0072】
[0072]洗浄組成物に潤い及びコンディショニング特性をもたらすことができる市販の保湿剤は、本発明における使用に適している。保湿剤は、組成物の全重量に基づいて、好ましくは約0%〜約10%、より好ましくは約1.5%〜約7%、もっとも好ましくは約2%〜約5%の量で存在する。適した保湿剤の例としては、非排他的に、1)グリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びそれらの混合物を含む群から選択される水溶性液体ポリオール;2)式VIのポリアルキレングリコール:
HO−(R”O)
b−H VI
[式中:R”は約2〜約4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、bは約1〜約10の整数である]、例えばPEG4;3)式VIIのメチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル:
CH
3−C
6H
10O
5−(OCH
2CH
2)
c−OH VII
[式中:cは約5〜約25の整数である];4)尿素;5)フルクトース;6)グルコース;7)ハチミツ;8)乳酸;9)マルトース;10)グルクロン酸ナトリウム;及び11)それらの混合物が挙げられる。
【0073】
[0073]適したアミノ酸剤としては、さまざまなタンパク質の加水分解から誘導されるアミノ酸、並びにその塩、エステル、及びアシル誘導体が挙げられる。そのようなアミノ酸剤の例としては、非排他的に、アルキルアミドアルキルアミンなどの両性アミノ酸、すなわち、グルタミン酸ステアリルアセチル、カプリロイルシルクアミノ酸、カプリロイルコラーゲンアミノ酸;カプリロイルケラチン(kertain)アミノ酸;カプリロイルエンドウマメアミノ酸;ココジモニウムヒドロキシプロピルシルクアミノ酸;コーングルテンアミノ酸;システイン;グルタミン酸;グリシン;髪ケラチンアミノ酸;髪アミノ酸、例えば、アスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、ハーフシスチン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、システイン酸、リシン、ヒスチジン、アルギニン、システイン、トリプトファン、シトルリン;リシン;シルクアミノ酸;小麦アミノ酸;及びそれらの混合物が挙げられる。
【0074】
[0074]適したタンパク質は、長鎖、すなわち少なくとも約10個の炭素原子と、高分子量、すなわち少なくとも約1000の分子量とを有するポリマーを包含し、アミノ酸の自己縮合により形成される。そのようなタンパク質の非排他的例としては、コラーゲン、デオキシリボヌクレアーゼ、ヨウ素化コーンタンパク質;ケラチン;乳タンパク質;プロテアーゼ;血清タンパク質;シルク;甘扁桃タンパク質;小麦胚芽タンパク質;小麦タンパク質;小麦タンパク質、ケラチンタンパク質のα及びβへリックス;髪タンパク質、例えば、中間フィラメントタンパク質、高硫黄タンパク質、超高硫黄タンパク質、中間フィラメント関連タンパク質、高チロシンタンパク質、高グリシンチロシンタンパク質、トリコヒアリン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0075】
[0075]適したビタミンの例としては、非排他的に、ビタミンB複合体;チアミン、ニコチン酸、ビオチン、パントテン酸、コリン、リボフラビン、ビタミンB
6、ビタミンB
12、ピリドキシン、イノシトール、カルニチンなど;ビタミンA、C、D、E、K、及びビタミンAパルミテートのようなそれらの誘導体、及びプロビタミン、例えば、パンテノール(プロビタミンB
5)及びパンテノールトリアセテート、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0076】
[0076]適した抗菌剤の例としては、非排他的に、バシトラシン、エリスロマイシン、ネオマイシン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、第4級アンモニウム剤、例えば塩化ベンゼトニウム及び塩化ベンザルコニウム、フェノール、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0077】
[0077]適した皮膚エモリエント剤及び皮膚保湿剤の例としては、非排他的に、鉱油、ラノリン、植物油、イソステアリン酸イソステアリル、ラウリン酸グリセリル、メチルグルセス10、メチルグルセス20、キトサン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0078】
[0078]適した2次的毛髪コンディショナーの例としては、非排他的に、揮発性シリコーンが挙げられる。用いられる場合、揮発性シリコーンコンディショニング剤は、約220℃未満の大気圧沸点を有することが好ましい。揮発性シリコーンコンディショナーは、組成物の全重量に基づいて、約0%〜約3%、例えば、約0.25%〜約2.5%、又は約0.5%〜約1.0%の量で存在する。適した揮発性シリコーンの例としては、非排他的に、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシクロシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、シクロメチコン流体、例えば、ミシガン州ミッドランドのダウ・コーニング社から商品名「DC−345」で市販されているポリジメチルシクロシロキサン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0079】
[0079]適した毛髪保湿剤の例としては、非排他的に、パンテニルエチルエーテル、フィタントリオール、及びそれらの混合物が挙げられる。日焼け止め剤の例としては、非排他的に、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸オクチル、オキシベンゾン、オクトクリレン、サリチル酸オクチル、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、アミノ安息香酸エチルヒドロキシプロピル、アントラニル酸メンチル、アミノ安息香酸、シノキサート、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、アミノ安息香酸グリセリル、二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン、パディメートO、赤色ワセリン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0080】
[0080]適した日焼け剤の例としては、非排他的に、ジヒドロキシアセトンが挙げられる。
[0081]皮膚美白剤の例としては、非排他的に、ハイドロキノン、カテコール及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0081】
[0082]適した殺虫剤(防虫剤、抗疥癬薬、抗シラミ処置を含む)の例としては、非排他的に、ペリメトリン、ピレトリン、ピペロニルブトキシド、イミダクロプリド、N,N−ジエチルトルアミド、これは主としてメタ異性体を含有する材料、すなわちN,N−ジエチル−m−トルアミドを表し、DEETとしても知られる;式VIIIの化合物
【0083】
[式中、
R5は、炭素原子約1〜約6個の分枝鎖又は非分枝鎖アルキル基であり;
R6は、H、メチル、又はエチルであり;
R7は、炭素原子約1〜約8個の分枝鎖若しくは非分枝鎖アルキル基、又はアルコキシ基であり;
Kは、−CN基又はCOOR8基であり、ここで、
R8は、炭素原子約1〜約6個の分枝鎖又は非分枝鎖アルキル基である];
天然又は合成ピレスロイド、ここで、天然ピレスロイドは、除虫菊、すなわちシロバナムシヨケギク又はアカバナムシヨケギクの磨砕した花の抽出物に含有される;及びそれらの混合物が挙げられる。式VIIIの構造物には、R7がCH
3基であり、R5がn−ブチル基であり、R6がHであり、KがCOOR8であり、R8がエチルである場合のエチル3−(N−ブチルアセトアミド)プロピオネートがあり、これは、ドイツ、ダルムシュタットのメルク社から「インセクトリペレント3535」の名称で市販されている。
【0084】
[0083]足用製剤のための抗真菌薬の例としては、非排他的に、トルナフテートが挙げられる。
[0084]適した脱毛剤の例としては、非排他的に、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸マグネシウム、チオグリコール酸カリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0085】
[0085]適した外用鎮痛薬及び局所麻酔薬の例としては、非排他的に、ベンゾカイン、ジブカイン、ベンジルアルコール、ショウノウ、カプサイシン、トウガラシ、蕃椒脂油、ジュニパータール、メントール、ニコチン酸メチル、サリチル酸メチル、フェノール、レゾルシノール、テレビン油、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0086】
[0086]適した制汗剤及びデオドラント剤の例としては、非排他的に、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムクロロハイドレート、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0087】
[0087]適した反対刺激薬の例としては、非排他的に、ショウノウ、メントール、サリチル酸メチル、ハッカ油及びチョウジ油、イクタモール、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0088】
[0088]適した炎症抑制剤の例としては、非排他的に、ヒドロコルチゾンが挙げられる。
[0089]適した痔疾薬の例としては、非排他的に、麻酔薬、例えば、ベンゾカイン、塩酸プラモキシン、及びそれらの混合物;塩化ベンゼトニウムなどの消毒剤;収斂剤、例えば、酸化亜鉛、次没食子酸ビスマス、バルサムペルー、及びそれらの混合物;皮膚保護薬、例えば、肝油、植物油、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0089】
[0090]本明細書中で用いる場合、「脱毛処置剤」は、育毛することができる作用物質及び/又は脱毛を防ぐことができる作用物質を包含するものとする。「有効量」は、脱毛の処置に有効な量を意味し、洗浄組成物の全重量に基づいて、約0.001%〜約20%、例えば、好ましくは約1%〜約5%の範囲であることができる。脱毛の処置に適した有益な作用物質の例としては、限定されるものではないが、カリウムチャンネル開口薬又は末梢血管拡張剤、例えば、ミノキシジル、ジアゾキシド、及び本明細書において援用する特許文献1に開示されているN
*−シアノ−N−(tert−ペンチル)−N’−3−ピリジニル−グアニジン(「P−1075」)のような化合物;ビタミン、例えば、ビタミンE及びビタミンC、並びにそれらの誘導体、例えばビタミンEアセテート及びビタミンCパルミテート;ホルモン、例えば、エリスロポエチン、プロスタグランジン、例えばプロスタグランジンE1及びプロスタグランジンF2−α;オレイン酸のような脂肪酸;スピロノラクトンのような利尿薬;熱ショックタンパク質(「HSP」)、例えば、HSP27及びHSP72;カルシウムチャンネル遮断薬、例えば、ベラパミルHCL、ニフェジピン、及びジルチアゼムアミロライド(diltiazemamiloride);免疫抑制薬、例えば、サイクロスポリン及びFk−506;フィナステライドのような5αリダクターゼ阻害剤;EGF、IGF、及びFGFのような成長因子;形質転換成長因子β;腫瘍壊死因子;ベノキサプロフェンのような非ステロイド系抗炎症薬;トレチノインのようなレチノイド;サイトカイン、例えば、IL−6、IL−1α、及びIL−1β;ICAMのような細胞接着分子;ベタメタゾンのようなグルコルコルチコイド;植物抽出物、例えば、アロエ、チョウジ、朝鮮人参、ジオウ、センブリ属、スイートオレンジ、サンショウ、ノコギリヤシ(ソーパルメット)、コキンバイザサ属(Hypoxis rooperi)、イラクサ、カボチャの種、及びライ麦の花粉;他の植物抽出物、例えば、サンドルウッド(sandlewood)、レッドビートの根、キク、ローズマリー、ゴボウ、及び、本明細書においてその全体を援用する特許文献2に開示されている他の育毛促進活性剤;リン酸カリウム D2、インドセンダン D2、及びヤボランジ D1などのホメオパシー薬;サイトカイン、成長因子、及び壮年性脱毛症の遺伝子;ケトコナゾール及びエルビオールなどの抗真菌薬;ストレプトマイシンなどの抗生物質;シクロヘキシミドのようなタンパク質阻害剤;アセタゾラミド;ベノキサプロフェン;コルチゾン;ジルチアゼム;ヘキサクロロベンゼン;ヒダントイン;ニフェジピン;ペニシラミン;フェノチアジン(phenothaiazine);ピナシジル;ソラレン、ベラパミル;ジドブジン;以下のルチンのうち少なくとも1つを有するα−グルコシル化ルチン:ケルセチン、イソクエルシトリン、ヘスペリジン(hespeddin)、ナリンギン、及びメチルヘスペリジン、並びに、本明細書においてその全体を援用する特許文献3にすべて開示されているフラボノイド及びそのトランスグルコシド化誘導体;並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0090】
[0091]育毛の抑制に用いるのに適した有益な作用物質の例としては、トリプシンなどのセリンプロテアーゼ;ビタミン、例えば、α−トコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体、例えば酢酸トコフェロール及びパルミチン酸トコフェロール;抗腫瘍薬、例えば、ドキソルビシン、シクロホスファミド、クロルメチン、メトトレキサート、フルオロウラシル、ビンクリスチン、ダウノルビシン、ブレオマイシン、及びヒドロキシカルバミド;抗凝固剤、例えば、ヘパリン、ヘパリン類似物質、クマリン、デキストラン、及びインダンジオン;抗甲状腺薬、例えば、ヨウ素、チオウラシル、及びカルビマゾール;リチウム及び炭酸リチウム;インターフェロン、例えば、インターフェロンα、インターフェロンα−2a及びインターフェロンα−2b;レチノイド、例えば、レチノール(ビタミンA)、イソトレチノイン:グルココルチコイド、例えば、ベタメタゾン、及びデキサメタゾン;抗高脂血症薬、例えば、トリパラノール及びクロフィブラート;タリウム;水銀;アルベンダゾール;アロプリノール;アミオダロン;アンフェタミン;アンドロゲン;ブロモクリプチン;ブチロフェノン;カルバマゼピン;コレスチラミン;シメチジン;クロフィブラート;ダナゾール;デシプラミン;ジキシラジン;エタンブトール;エチオナミド;フルオキセチン;ゲンタマイシン、金塩;ヒダントイン;イブプロフェン;イミプラミン(impramine);免疫グロブリン;インダンジオン;インドメタシン;イントラコナゾール;レボドパ(levadopa);マプロチリン;メチセルジド;メトプロロール;メチラポン;ナドロール;ニコチン酸;チオシアン酸カリウム;プロプラノロール;ピリドスチグミン(pyridostimine);サリチル酸塩;スルファサラジン;テルフェナジン;チアンフェニコール;チオウラシル;トリメタジオン;トリパラノール(troparanol);バルプロ酸;及びそれらの混合物が挙げられる。該組成物は、組成物の全重量に基づいて、約0.001%〜約20%、例えば、約0.01%〜約5%の育毛抑制剤を含有することができる。
【0091】
[0092]適した老化防止薬の例としては、限定されるものではないが、二酸化チタン及び酸化亜鉛のような無機の日焼け止め;オクチル−メチルシンナメート及びその誘導体のような有機の日焼け止め;レチノイド;ビタミン、例えば、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB、及びそれらの誘導体、例えば、ビタミンEアセテート、ビタミンCパルミテートなど;酸化防止剤、例えば、βカロテン、αヒドロキシ酸、例えば、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、アスコルビン酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、アトロラクチン酸、α−ヒドロキシイソ吉草酸、ピルビン酸エチル、ガラクツロン酸、グルコヘプトン酸(glucopehtonic acid)、グルコヘプトノ(glucopheptono)1,4−ラクトン、グルコン酸、グルコノラクトン、グルクロン酸、グルクロノラクトン、グリコール酸、ピルビン酸イソプロピル、ピルビン酸メチル、粘液酸、ピルビン酸(pyruvia acid)、糖酸、サッカリン酸(saccaric acid)1,4−ラクトン、酒石酸、及びタルトロン酸;βヒドロキシ酸、例えば、β−ヒドロキシ酪酸、β−フェニル乳酸、β−フェニルビルビン酸;植物抽出物、例えば、緑茶、ダイズ、ミルクシスル、藻類、アロエ、アンゼリカ、ビターオレンジ、コーヒー、オウレン、グレープフルーツ、ブクリョウ(hoellen)、スイカズラ、ジュズダマ、ムラサキ属(lithospermum)、クワ、シャクヤク、プエラリア(puerarua)、ライス(nice)、ベニバナ、及びそれらの混合物が挙げられる。老化防止薬の適した量としては、洗浄組成物の全重量に基づいて、約0.01%〜約10%、例えば約0.04%〜約5%が挙げられる。
【0092】
[0093]適した抗ニキビ薬の例としては、限定されるものではないが、局所レチノイド(トレチノイン、イソトレチノイン、モトレチニド、アダパレン、タザロテン、アゼライン酸、レチノール);サリチル酸;過酸化ベンゾイル;レゾルシノール;抗生物質、例えば、テトラサイクリン及びその異性体、エリスロマイシン、並びにイブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン(hetprofen)などの抗炎症薬;植物抽出物、例えば、ハンノキ、アルニカ、カワラヨモギ、サイシン、バース(birth)、キンセンカ、カモミール、ハマゼリ、ヒレハリソウ、ウイキョウ、五倍子、サンザシ、ドクダミ、オトギリソウ、ナツメ、キウイ、甘草、モクレン、オリーブ、ハッカ、フィロデンドロン、サルビア、クマザサ;ケトコナゾール及びエルビオールなどのイミダゾール、並びに本明細書において援用する非特許文献2に記載されているもの、並びにそれらの混合物が挙げられる。抗ニキビ薬の適した量は、洗浄組成物の全重量に基づいて、約0.01%〜約10%、例えば約0.04%〜約5%の量で存在することができる。
【0093】
[0094]脱色素剤の適した有効量としては、洗浄組成物の全重量に基づいて、約0.01%〜約10%、例えば約0.04%〜約5%が挙げられる。適した脱色素剤の例としては、限定されるものではないが、レチノールなどのレチノイド;コウジ酸及びその誘導体、例えば、コウジ酸ジパルミテートなど;ヒドロキノン及びその誘導体、例えばアルブチン;トラネキサム酸(transexamic acid);ビタミン、例えば、ナイアシン、ビタミンC及びその誘導体;アゼライン酸;プラセルチア(placertia);甘草;カモミール及び緑茶などの抽出物、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0094】
[0095]本明細書中で用いる場合、 「ふけ治療薬」、「脂漏性皮膚炎治療薬」、又は「乾癬治療薬」はそれぞれ、ふけ、脂漏性皮膚炎、及び乾癬の症状及び/又は疾患を処置することができる作用物質をそれぞれ包含するものとする。「有効量」は、これらに関連する疾患及び/又は症状の処置に有効な量を意味するものであり、洗浄組成物の全重量に基づいて、好ましくは約0.001%〜約10%、例えば、約0.01%〜約5%の範囲であることができる。ふけ、脂漏性皮膚炎、及び乾癬、並びにこれらに関連する症状の処置に有効な作用物質の例としては、限定されるものではないが、亜鉛ピリチオン、シェール油及びその誘導体、例えばスルホン化シェール油、硫化セレン、硫黄;サリチル酸;コールタール;ポビドンヨード、イミダゾール、例えば、ケトコナゾール、ヤンセンファーマ社から商品名「エルビオール」で市販されているジクロロフェニルイミダゾロジオキサラン、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール、クリンバゾール、チオコナゾール、スルコナゾール、ブトコナゾール、フルコナゾール、硝酸ミコナゾール、並びにこれらの考えうる立体異性体及び誘導体、例えばアントラリン;ピロクトンオラミン(Octopirox);硫化セレン;シクロピロクスオラミン;抗乾癬薬、例えば、カルシポトリオール、カルシトリオール及びタカルシトール(tacaleitrol)などのビタミンD類似体;ビタミンA類似体、例えば、ビタミンAパルミテート、レチノイド、レチノール、及びレチノイン酸などのビタミンAのエステル;コルチコステロイド、例えば、ヒドロコルチゾン、クロベタゾン、ブチレート、プロピオン酸クロベタゾール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0095】
[0096]1つの態様では、パーソナルケア製品は、ふけ防止シャンプーなどのシャンプー又はボディウォッシュを含む。例えば、本開示の粘度増強組成物は、ピリチオンを用いるととりわけ良好に機能することが見出された。本明細書中で用いる場合、ピリチオンは、ピリチオン、ピリチオンの多価金属塩、ピリチオン錯体などを含む。例えば、ピリチオンは、ピリチオンの亜鉛塩又はナトリウム塩を含むことができる。本開示の粘度増強組成物は、ピリチオンが製品全体に均一に分配している状態を保つのに非常に適していることが見出された。ピリチオンは、パーソナルケア製品中に、約0.01重量%〜約5重量%、例えば約0.1重量%〜約2重量%の量で存在することができる。
【0096】
[0097]パーソナルケア製品は液体キャリヤーを含有することもできる。一般に、製品の意図した機能を妨げない任意の適した液体キャリヤーを用いることができる。例えば、液体キャリヤーは、水、アルコール、又はそれらの混合物を含むことができる。液体キャリヤーは、パーソナルケア製品中に、約10重量%〜約95重量%の量、例えば約40重量%〜約80重量%の量で存在することができる。
【0097】
[0098]本開示は、以下の実施例を参照して、より良好に理解することができる。
【実施例】
【0098】
実施例1
[0099]本開示の利益及び利点のいくつかを実証するために、以下の組成物を配合した。
[00100]0.75%のフェノキシエタノール、クロルフェネシン、及びカプリリルグリコールのブレンド(Mikrokill
TM COS)、及び1.5又は3%のセチルステアリルアルコール、及び1又は2%の乳化剤の組合せを有する、(1)3%グリセリン、0.25%キサンタンガム、7.5%カプリル/カプリントリグリセリド(「CCT」)、及び7.5%シアバター、又は(2)9%炭酸ジカプリリル(LONZEST DC)及び6%ホホバ油、の皮膚ベース配合物を調製した。
【0099】
[00101]表1は、さまざまな比のポリグリセリルエステル乳化剤の組合せの親水親油バランス値(HLB)を示す。
[00102]以下の表1において、以下の表示を用いてグリセリルエステルを識別する:
X−Y−Z
ここで、Xはグリセリル分子の数である。Yはエステル基の数を表す。例えば、1はモノエステルを示し、2はジエステルを示し、以下同様である。Zは、ポリグリセリルエステルを構築するのに用いられる脂肪酸を識別する。Sはステアレートを表し、Oはオレエートを表す。以下に示すように、モノエステルとポリエステルとの重量比を変えることにより、HLB数を著しく変化させることができる。1つの態様では、ポリグリセリルエステルは、製品中の1種以上の成分、例えば製品の油相のHLB数に実質的に匹敵するHLB数を有するように配合することができる。
【0100】
【表1】
【0101】
[00103]実験の第1セットでは、HLBが6であるさまざまな異なる乳化剤の組合せを試験した。表2に見られる、試験皮膚ベース配合物に用いたHLB6乳化剤の組合せは、5部のポリグリセリル−10−ステアレート(ポリアルド
TM 10−1−S)及び95部のポリグリセリル−6−ジステアレート(ポリアルド
TM HGDS KFG(6−2−S));5部のポリグリセリル−10−オレエート(ポリアルド
TM 10−1−O KFG(NON GMO))及び95部のポリグリセリル−6−ジステアレート(ポリアルド
TM HGDS KFG(6−2−S));又は90部のポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス−2)及び10部のポリエチレングリコール(21)ステアリルエーテル(ステアレス−21)のいずれかを包含していた。上記ポリアルド製品はロンザ社から市販されている。
【0102】
[00104]各配合物の粘度測定は、RVTダイアル式粘度計を用い、T−Dスピンドルを4rpmで用いて行った。試料は、25℃のインキュベーター中にて60mLのガラスジャーに保存し、インキュベーターから取り出し、粘度測定の前に少なくとも2時間にわたり25℃の水浴に入れた。ガードシャフトなしで粘度計を組み立てた後、T−Dスピンドルをジャーの中に下ろし、試験配合物の中心に位置決めし;測定値を1分目に記録し、各測定の後にスピンドルを清浄にした。
【0103】
[00105]表2は、3%セテアリルアルコール及び2%HLB6乳化剤の組合せを含有する皮膚ベース配合物の粘度を実証している。
図1に例示するように、ポリアルド
TM乳化剤は両方とも、従来の乳化剤であるステアレス2/ステアレス21の組合せと比較して、著しく高い粘度をもたらす。
【0104】
【表2】
【0105】
[00106]表3は、2%乳化剤及び1.5%セテアリルアルコールを含む皮膚ベース配合物の粘度測定値を含む。
図2は、配合物の粘度測定値に対する、さまざまな脂肪族アルコール配合量の影響を例示している。
図2に示すように、脂肪族アルコール含有率がより高い(3%)乳化剤の組合せはすべて、脂肪族アルコール含有率がより低い(1.5%)乳化剤の組合せと比較して、増大した粘度を示している。したがって、ポリアルド
TM乳化剤は、脂肪族アルコールの量の増加に伴い相乗的な粘度増強を示す。
【0106】
【表3】
【0107】
[00107]表4は、1%乳化剤及び3%セテアリルアルコールを含む皮膚ベース配合物の粘度を示している。
図3は、配合物の粘度測定値に対する、さまざまな乳化剤配合量の影響を例示している。
図3に示すように、ベース配合物中のポリアルド
TM乳化剤の量を減らすと粘度が低下する。ステアレス2/ステアレス21乳化剤を含むベース配合物は、低減した乳化剤配合量によって比較的影響を受けなかった。
【0108】
【表4】
【0109】
[00108]表5は、9%炭酸ジカプリリル及び6%ホホバ油の油相を含む皮膚ベース配合物の粘度を示している。
図4は、配合物の粘度測定値に対する、さまざまな油相及びHLBの影響を例示している。
図4において、CCT/シアバターの粘度は、表2及び
図1の配合物を反映している。炭酸ジカプリリルホホバ配合物の粘度は、乳化剤の比が新規油相のHLBに匹敵するように調整されている配合物を反映している;新規油相の導入には10−1−O/6−2−Sを90:10の比から50:50の比に変更することが必要であった。乳化剤の比を調整した結果、得られた乳化剤ブレンドは、不飽和脂肪酸(オレエート)から作製されたポリグリセリルエステルをより多量に含有しており、これによりブレンドの粘度は低下した。しかしながら、ポリグリセリルモノステアレートとポリグリセリルジステアレートの組合せは、他の乳化剤ブレンドと比較して、予想外に劇的に配合物の粘度を増大させた。この結果は、ジステアレートより多量のモノステアレート(90:10の比)を用いたときに得られた。
【0110】
【表5】
【0111】
実施例2
[00109]代表例を示す目的に過ぎないが、以下は本開示に従って作製することができるパーソナルケア製品の態様である。以下の製品は、活性剤としてピリチオンを含有するボディウォッシュを表す。
【0112】
[00110]ボディウォッシュ配合物は以下のとおりである:
【0113】
【表6】
【0114】
[00111]先に示すように、ボディウォッシュ配合物は、脂肪族アルコールを単一種類のポリグリセリルエステル、すなわちポリグリセリルジエステルとの組合せで含有する。単一のポリグリセリルエステルの存在により、ボディウォッシュ製品が望ましい粘度及び他の関連特性を有するのに必要な脂肪族アルコールの量が最小限に抑えられ、とりわけ有利である。とりわけ、脂肪族アルコールは、ポリグリセリルエステルに対し、1:2〜の重量比で存在する。これに加えて、脂肪族アルコールは、製品中に、1重量%未満、すなわち0.5重量%の量で存在する。
実施例3
[00112]代表例を示す目的に過ぎないが、以下は本開示に従って作製した他のボディウォッシュ配合物である:
【0115】
【表7】
【0116】
[00113]先に示すように、上記ボディウォッシュ配合物は、ポリグリセリルエステルの混合物、すなわち、ポリグリセリルジエステルと組み合わせたポリグリセリルモノエステルを含有する。
実施例4
[00114]本開示の利益及び利点のいくつかをさらに実証するために、以下の組成物を配合した。
【0117】
[00115]実験の第1セットでは、3%グリセリン、0.25%キサンタンガム、2%の乳化剤の組合せ、7.5%カプリル/カプリントリグリセリド(「CCT」)、7.5%シアバター、0.75%のフェノキシエタノール、クロルフェネシン、及びカプリリルグリコールのブレンド(MikrokillTM COS)、及び3%のセチルステアリルアルコールの基本配合物を調製した。
【0118】
[00116]実施例1と同様に、試験皮膚ベース配合物に用いられる乳化剤の組合せは、ポリアルド
TM 10−1−S、6−2−S、10−1−O、ステアレス−2、又はステアレス−21のいずれかを包含していた。以下の表示を用いてグリセリルエステルを識別する:
X−Y−Z
ここで、Xはグリセリル分子の数である。Yはエステル基の数をさす。例えば、1はモノエステルを示し、2はジエステルを示し、以下同様である。Zは、ポリグリセリルエステルを構築するのに用いられる脂肪酸を識別する。Sはステアレートを表し、Oはオレエートを表す。
【0119】
[00117]各配合物の粘度測定は、RVTダイアル式粘度計を用い、T−Dスピンドルを4rpmで用いて行った。試料は、25℃のインキュベーター中にて60mLのガラスジャーに2週間保存した。その後、続いて試料をインキュベーターから取り出し、粘度測定の前に少なくとも2時間にわたり25℃の水浴に入れた。測定は実施例1に記載したように行った。
【0120】
[00118]表8は、皮膚ベース配合物の粘度を実証している。ポリグリセリルモノステアレート及びポリグリセリルジステアレートを含有する配合物、及び多数のポリグリセリルジステアレートを含有する配合物は、他の乳化剤ブレンドと比較して、配合物の粘度において予想外に劇的な増大が認められた。
【0121】
【表8】
【0122】
[00119]実験の第2セットでは、3%グリセリン、0.25%キサンタンガム、2%の乳化剤の組合せ、9%Lonzest DC、6%ホホバ油、0.75%フェノキシエタノール、クロルフェネシン、及びカプリリルグリコールのブレンド(MikrokillTM COS)、及び3%のセチルステアリルアルコールの基本配合物を調製した。
【0123】
[00120]各配合物について粘度の測定を行った。表9は、皮膚ベース配合物の粘度を実証している。
【0124】
【表9】
【0125】
[00121]当業者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、本発明にこれら及び他の修正及び変動を加えることができ、これについては、添付の特許請求の範囲でより詳細に記載する。これに加えて、さまざまな態様の観点は、全体又は部分的に入れ替えることができることを理解すべきである。さらに、当業者であれば、上記記載は1つの例に過ぎず、本発明を限定することを意図したものではなく、添付の特許請求の範囲にさらに記載していることを、理解するであろう。