特許第6763978号(P6763978)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6763978
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】ジフェニルメタン誘導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 407/04 20060101AFI20200917BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
   C07D407/04
   C07D409/04
【請求項の数】13
【全頁数】68
(21)【出願番号】特願2018-565754(P2018-565754)
(86)(22)【出願日】2017年6月15日
(65)【公表番号】特表2019-521985(P2019-521985A)
(43)【公表日】2019年8月8日
(86)【国際出願番号】KR2017006271
(87)【国際公開番号】WO2017217792
(87)【国際公開日】20171221
【審査請求日】2018年12月26日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0075910
(32)【優先日】2016年6月17日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508131716
【氏名又は名称】デウン ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】506379781
【氏名又は名称】グリーン・クロス・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】GREEN CROSS CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ユン・ヒギュン
(72)【発明者】
【氏名】パク・セファン
(72)【発明者】
【氏名】ユン・ジソン
(72)【発明者】
【氏名】チェ・スンギュ
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ヒジョン
(72)【発明者】
【氏名】パク・ウンジョン
(72)【発明者】
【氏名】コン・ヨンギュ
(72)【発明者】
【氏名】ソン・グァンソプ
(72)【発明者】
【氏名】キム・ミンジュ
(72)【発明者】
【氏名】パク・ソオク
【審査官】 伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−515396(JP,A)
【文献】 特表2011−529477(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0274918(US,A1)
【文献】 米国特許第04966907(US,A)
【文献】 特開2008−266328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式1aの化合物の製造方法であって、
(1)下記式2の化合物を下記式3の化合物と反応させ、得られたものを環化反応させて、下記式4の化合物を得る工程;
(2)式4の化合物を脱水またはアミド化し、下記式5の化合物と反応させ、還元を行って、下記式6の化合物を得る工程;および
(3)式6の化合物を下記式7の化合物と反応させ、脱保護および還元を行う工程;
【化1】
[式中、
Aは、酸素(O)またはイオウ(S)である;
nは、1である
PGは、トリメチルシリル(TMS)基、ベンジル基およびアセチル基よりなる群から選択される保護基である;
X'は、ハロゲンまたはC1-7アルキルである;
X、Y、およびHalは、それぞれ独立して、ハロゲンである;
Bは、
(B-1)
【化2】
または
(B-2)
【化3】
である;
ここで、Ra、Rb、Rc、およびRdは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシ、オキソ、C1-7アルキル、C1-7アルキルチオ、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C1-7アルコキシ、C1-7アルコキシ-C1-7アルキル、C2-7アルケニル-C1-7アルキルオキシ、C2-7アルキニル-C1-7アルキルオキシ、C3-10シクロアルキル、C3-7シクロアルキルチオ、C5-10シクロアルケニル、C3-10シクロアルキルオキシ、C3-10シクロアルキルオキシ-C1-7アルコキシ、フェニル-C1-7アルキル、C1-7アルキルチオ-フェニル、フェニル-C1-7アルコキシ、モノ-またはジ-C1-7アルキルアミノ、モノ-またはジ-C1-7アルキルアミノ-C1-7アルキル、C1-7アルカノイル、C1-7アルカノイルアミノ、C1-7アルキルカルボニル、C1-7アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ-またはジ-C1-7アルキルカルバモイル、C1-7アルキルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、C1-7アルキルスルフィニル、C6-14アリールスルファニル、C6-14アリールスルホニル、C6-14アリール、5〜13員のヘテロアリール、5〜10員のヘテロシクロアルキル、5〜10員のヘテロシクロアルキル-C1-7アルキル、または5〜10員のヘテロシクロアルキル-C1-7アルコキシである;
環Cは、C3-10シクロアルキル、C5-10シクロアルケニル、C6-14アリール、5〜13員のヘテロアリール、または5〜10員のヘテロシクロアルキルである;
アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアルコキシは、それぞれ独立して、非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、メルカプト、C1-7アルキル、およびC2-7アルキニルからなる群から選択される1つ以上の置換基を有する;
シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、メルカプト、C1-4アルキル、およびC1-4アルコキシからなる群から選択される1つ以上の置換基を有する;および
ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、N、S、およびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む]
を含み、上記工程(i)において、式3の化合物と反応させる前に式2の化合物の脱メチル化をおこなう方法。
【請求項2】
工程(1)が、以下の工程:
(i)式2の化合物を式3の化合物と反応させて、下式3aの化合物を得る工程;
(ii)式3aの化合物のアリル基を転位反応に付し、得られたものを酸化またはオゾン化反応に付し、次いで、還元を行って、下式3dの化合物を得る工程;および
(iii)式3dの化合物を環化反応に付して、式4の化合物を得る工程;
【化4】
[式中、n、X、およびYは、請求項1と同意義である]
を含む、請求項1に記載の式1aの化合物の製造方法。
【請求項3】
環化反応が、ビルスマイヤー試薬を用いる環化反応、脱離基を用いる環化反応、ハライドを用いる環化反応、または光延反応を用いる環化反応である、請求項2に記載の式1aの化合物の製造方法。
【請求項4】
工程(2)が、式4の化合物をアルデヒド化に付して、下記式4aの化合物を得、次いで、式4a:
[式4a]
【化5】
[式中、n、X、およびYは、請求項1と同意義である]
の化合物を式5の化合物と反応させることを含む、請求項1に記載の式1aの化合物の製造方法。
【請求項5】
工程(2)が、式4の化合物をアミド化して、下記式4bの化合物を得、次いで、式4b:
[式4b]
【化6】
[式中、n、X、およびYは、請求項1と同意義である]
の化合物を式5の化合物と反応させることを含む、請求項1に記載の式1aの化合物の製造方法。
【請求項6】
方法が、工程(3)の後に、アルキル化反応をさらに包み、X'が、C1-7アルキルでる、請求項1に記載の式1aの化合物の製造方法。
【請求項7】
工程(3)が、脱保護および還元工程中またはその後に、グルコースがβ型である化合物のみをさらに単離することを含む、請求項1に記載の式1aの化合物の製造方法。
【請求項8】
工程(3)が、以下の工程:
(3a-1)n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウムまたは塩化イソプロピルマグネシウムの存在下、式6の化合物を式7の化合物と反応させて、下記式7aの化合物を得る工程;
(3a-2)式7aの化合物を、メタノールの存在下、酸条件下で、脱保護およびメチル化反応に付して、下記式7dの化合物を得る工程;
(3b)式7dの化合物を還元して、下記式7eの化合物を得る工程;および
(3c)式7eの化合物に保護基を導入し、得られたものをアルコール、酢酸エチル、またはジクロロメタン中で加熱し、得られた沈殿物を単離および脱保護して、β型のみを得る工程を含む
【化7】
[式中、PGは、トリメチルシリル(TMS)基、ベンジル基およびアセチル基よりなる群から選択される保護基であり;A、B、n、およびXは、請求項1と同意義である]
請求項1に記載の式1aの化合物の製造方法。
【請求項9】
工程(3)が、以下の工程:
(3a')n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウムまたは塩化イソプロピルマグネシウムの存在下、式6の化合物を式7の化合物と反応させ、分離精製することなく、得られたものを、メタノールの存在下、酸条件下で、脱保護およびメチル化反応に付して、下記式7dの化合物を得る工程;
(3b')式7dの化合物を還元して、下記式7eの化合物を得る工程;および
(3c')式7eの化合物に保護基を導入して、β型のみを単離し、脱保護を行う工程;
【化8】
[式中、A、B、n、およびXは、請求項1と同意義である]
を含む方法によって行われる、請求項1に記載の式1aの化合物の製造方法。
【請求項10】
工程(3)が、以下の工程:
(3a'')n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウムまたは塩化イソプロピルマグネシウムの存在下、式6の化合物を式7の化合物と反応させ、分離精製することなく、得られたものを、メタノールの存在下、酸条件下で、脱保護およびメチル化反応に付して、下記式7dの化合物を得る工程;
(3b'')式7dの化合物に保護基を導入して、下記式7fの化合物を得る工程;および
(3c'')式7fの化合物のβ型のみを単離し、還元し、次いで、脱保護を行う工程;
【化9】
[式中、PGは、トリメチルシリル(TMS)基、ベンジル基およびアセチル基よりなる群から選択される保護基であり;およびA、B、n、およびXは、請求項1と同意義である]
を含む方法によって行われる、請求項1に記載の式1aの化合物の製造方法。
【請求項11】
式7の化合物およびn-ブチルリチウムがそれぞれ、1当量の式6の化合物に対して、1.5〜2.5当量で使用される、請求項9に記載の式1aの化合物の製造方法。
【請求項12】
方法が、工程(3)の後に、トルエン、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフランおよびジクロロメタンの混合物、ならびにテトラヒドロフランおよびn-ヘキサンの混合物からなる群から選択される溶媒を用いて結晶化を行う工程をさらに含む、請求項1に記載の式1aの化合物の製造方法。
【請求項13】
Aが、酸素であり;
nが、1であり;
X'が、ハロゲンであり;および
Bが、非置換フェニルであるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、メルカプト、C1-7アルキル、C3-10シクロアルキル、およびC1-7アルコキシからなる群から選択される1もしくは2個の置換基で置換されたフェニルである、請求項1に記載の式1aの化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジフェニルメタン誘導体の製造方法、さらに詳しくは、ナトリウム依存性グルコース共輸送体(SGLT)の阻害剤として有用なジフェニルメタン誘導体の改良された製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナトリウム依存性グルコース共輸送体(SGLT)は、濃度勾配に従うNa+の輸送を可能にすると同時に、濃度勾配に逆行するグルコースの輸送を可能にする。現在、SGLT1およびSGLT2として知られている2つの重要なSGLTアイソフォームがクローン化されている。SGLT1は、腸、腎臓および心臓に存在し、それらの発現によって心臓グルコース輸送を調節する。高親和性で低容量のトランスポーターであるため、SGLT1は腎臓のグルコース再吸収の一部のみを担う。対照的に、SGLT2は、低親和性で高容量のトランスポーターであり、初期の近位尿細管の上皮細胞の頂端領域に主として存在する。健康な人では、腎臓糸球体で濾過された血漿グルコースの99%以上が再吸収され、全濾過グルコースの1%未満が尿中に排泄される。腎臓グルコース再吸収の90%がSGLT2によって促進され、残りの10%は後期近位直尿細管におけるSGLT1によって媒介されると推定される。SGLT2の遺伝的突然変異は、炭水化物代謝に特別な悪影響を及ぼさない。しかしながら、突然変異によって腎臓のグルコース分泌量が、約140g/日増加する。ヒト突然変異の研究によれば、SGLT2がほとんどの腎臓グルコース再吸収を担うと推定されるため、治療研究の対象となっている。
【0003】
米国特許公開公報第2015/0152075号は、SGLT2に対する阻害活性を有するジフェニルメタン部分を有する化合物およびその製造方法を開示している。この文献は、SGLT2阻害剤として公知のダパグリフロジンと比較して、ジフェニルメタン誘導体化合物がヒトSGLT2活性に対する優れた阻害効果を示し、動物における尿中糖排泄を有意に減少させるという観点から、ジフェニルメタン誘導体化合物が糖尿病の治療に有効であることを開示している。さらに、米国特許公開公報第2014/0274918号は、ナトリウム依存性グルコース共輸送体1(SGLT1)およびナトリウム依存性グルコース共輸送体2(SGLT2)の二重阻害剤として有効なジフェニルメタン誘導体を開示している。
【0004】
米国特許公開公報第2015/0152075号の実施例172などには、以下の反応スキーム1と同様にしてジフェニルメタン化合物c28を製造する方法が開示されている。
【0005】
[反応スキーム1]
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0006】
しかしながら、化合物c28の従来の製造方法では、グルコース基とカップリングした後、アグリコン基に五角形環を形成するなどの直線的合成法が用いられている。このような直線的合成の場合、経路が複雑であるために最終収率が低い。また、ジヒドロベンゾフランに結合するグルコース基またはシクロプロピルベンジル基の置換基の途中での合成が失敗したり、該置換基またはシクロプロピルベンジル基を別の基に変更することが意図される場合には、最初から再びその合成を行う必要があるという不都合がある。また、化合物c28のシクロプロピル基を合成する工程においても、試薬(ジエチル亜鉛、溶媒)の状態(純度、無水物など)など、および反応濃度によって収率が大きく変化するため、方法は。合成経路の終わりにサイモンスミス反応によりオレフィンを環化させることにより行われる。
【0007】
そこで、本発明者らは、従来の直線的合成法ではなく、主要な基をそれぞれ別々に合成し、次いで、結合させる収束的合成法により効率よくジフェニルメタン誘導体を製造することができることを見出し、よって本発明を完成するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、SGLTの阻害剤として有用なジフェニルメタン誘導体の改良された製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様によれば、以下の式1aの化合物の製造方法であって、
(1)下記式2の化合物を下記式3の化合物と反応させ、得られたものを環化反応させて、下記式4の化合物を得る工程;
(2)式4の化合物を脱水またはアミド化し、下記式5の化合物と反応させ、還元を行って、下記式6の化合物を得る工程;および
(3)式6の化合物を下記式7の化合物と反応させ、脱保護および還元を行う工程;
【化5】
[式中、
Aは、酸素(O)またはイオウ(S)である;
nは、1または2である;
PGは、保護基である;
X'は、ハロゲンまたはC1-7アルキルである;
X、Y、およびHalは、それぞれ独立して、ハロゲンである;
Bは、
(B-1)
【化6】
または
(B-2)
【化7】
である;
ここで、Ra、Rb、Rc、およびRdは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシ、オキソ、C1-7アルキル、C1-7アルキルチオ、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C1-7アルコキシ、C1-7アルコキシ-C1-7アルキル、C2-7アルケニル-C1-7アルキルオキシ、C2-7アルキニル-C1-7アルキルオキシ、C3-10シクロアルキル、C3-7シクロアルキルチオ、C5-10シクロアルケニル、C3-10シクロアルキルオキシ、C3-10シクロアルキルオキシ-C1-7アルコキシ、フェニル-C1-7アルキル、C1-7アルキルチオ-フェニル、フェニル-C1-7アルコキシ、モノ-またはジ-C1-7アルキルアミノ、モノ-またはジ-C1-7アルキルアミノ-C1-7アルキル、C1-7アルカノイル、C1-7アルカノイルアミノ、C1-7アルキルカルボニル、C1-7アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ-またはジ-C1-7アルキルカルバモイル、C1-7アルキルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、C1-7アルキルスルフィニル、C6-14アリールスルファニル、C6-14アリールスルホニル、C6-14アリール、5〜13員のヘテロアリール、5〜10員のヘテロシクロアルキル、5〜10員のヘテロシクロアルキル-C1-7アルキル、または5〜10員のヘテロシクロアルキル-C1-7アルコキシである;
環Cは、C3-10シクロアルキル、C5-10シクロアルケニル、C6-14アリール、5〜13員のヘテロアリール、または5〜10員のヘテロシクロアルキルである;
アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアルコキシは、それぞれ独立して、非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、メルカプト、C1-7アルキル、およびC2-7アルキニルからなる群から選択される1つ以上の置換基を有する;
シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、メルカプト、C1-4アルキル、およびC1-4アルコキシからなる群から選択される1つ以上の置換基を有する;および
ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、N、S、およびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む]
を含む方法が提供される。
【0010】
本発明の別の態様によれば、以下の式1bの化合物の製造方法であって、
(1)下記式2の化合物を下記式3の化合物と反応させ、得られたものを環化反応させて、下記式4の化合物を得る工程;
(2)式4の化合物を脱水またはアミド化し、式5の化合物と反応させ、還元を行って、下記式6の化合物を得る工程;および
(3)式6の化合物を下記式8の化合物と反応させ、還元を行って、下記式9の化合物を得る工程;
(4)酸性条件下で、式9の化合物のフラノース環をピラノース環に形成した後、保護基を導入して、下記式10の化合物を得る工程;および
(5)式10の化合物をチオウレアで処理し、得られたものをC1-7アルキルハライドと反応させ、次いで、還元を行う工程;
【化8】
【化9】
【化10】
[式中、
Rは、C1-7アルキルチオである;
B、n、PG、X'、X、YおよびHalは、式1において上記で定義した通りである]
を含む方法が提供される。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、上記方法により製造された化合物の結晶形、具体的には、下記式c28の化合物の結晶形が提供される。
【0012】
[式c28]
【化11】
【発明の効果】
【0013】
本発明のジフェニルメタン誘導体の製造方法は、主要な基を別々に合成し、次いで、互いに結合させる収束的合成法により行われる。したがって、従来技術文献に開示されている直線的合成法と比較して、単純な合成経路と高収率が達成され、直線的合成経路に内在する危険因子(経路の最初に戻って、合成の中ほどでの失敗の時点における合成を繰り返すなど)を減らすことができることにより、再現性が改善される。
【0014】
特に、先行技術文献に開示された方法によれば、グルコース基とアグリコン基とをカップリングさせた後でさえも、アグリコン基の残基を合成しなければならない。一方、本発明によれば、グルコース基と結合する前に、アグリコン基の全ての残基を形成することができる。また、アグリコンの末端基に結合したアリール基を容易に合成することができ、末端基の多様な設計が可能である。
【0015】
また、上記方法で製造された化合物の結晶形は、物理化学的性質に優れており、医薬品製造などの分野でも有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1-2】それぞれ、実験例4で得られた結晶形AのXRDおよびDSCスペクトルを示す。
図3-4】それぞれ、実験例4で得られた結晶形BのXRDおよびDSCスペクトルを示す。
図5-6】それぞれ、実験例4で得られた結晶形CのXRDおよびDSCスペクトルを示す。
図7-8】それぞれ、実験例4で得られた結晶形DのXRDおよびDSCスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明を実施するための最良の形態
本発明は、式1:
[式1]
【化12】
の化合物の製造方法に関する。
【0018】
式中、
Aは、酸素(O)またはイオウ(S)である;
Rは、ヒドロキシメチルまたはC1-7アルキルチオである;
nは、1または2である;
X'は、ハロゲン(たとえば、F、Cl、Br、またはI)またはC1-7アルキルである;
Bは、
(B-1)
【化13】
または
(B-2)
【化14】
である;
ここで、Ra、Rb、Rc、およびRdは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシ、オキソ、C1-7アルキル、C1-7アルキルチオ、C2-7アルケニル、C2-7アルキニル、C1-7アルコキシ、C1-7アルコキシ-C1-7アルキル、C2-7アルケニル-C1-7アルキルオキシ、C2-7アルキニル-C1-7アルキルオキシ、C3-10シクロアルキル、C3-7シクロアルキルチオ、C5-10シクロアルケニル、C3-10シクロアルキルオキシ、C3-10シクロアルキルオキシ-C1-7アルコキシ、フェニル-C1-7アルキル、C1-7アルキルチオ-フェニル、フェニル-C1-7アルコキシ、モノ-またはジ-C1-7アルキルアミノ、モノ-またはジ-C1-7アルキルアミノ-C1-7アルキル、C1-7アルカノイル、C1-7アルカノイルアミノ、C1-7アルキルカルボニル、C1-7アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ-またはジ-C1-7アルキルカルバモイル、C1-7アルキルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、C1-7アルキルスルフィニル、C6-14アリールスルファニル、C6-14アリールスルホニル、C6-14アリール、5〜13員のヘテロアリール、5〜10員のヘテロシクロアルキル、5〜10員のヘテロシクロアルキル-C1-7アルキル、または5〜10員のヘテロシクロアルキル-C1-7アルコキシである;
環Cは、C3-10シクロアルキル、C5-10シクロアルケニル、C6-14アリール、5〜13員のヘテロアリール、または5〜10員のヘテロシクロアルキルである;
アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアルコキシは、それぞれ独立して、非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、メルカプト、C1-7アルキル、およびC2-7アルキニルからなる群から選択される1つ以上の置換基を有する;
シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、メルカプト、C1-4アルキル、およびC1-4アルコキシからなる群から選択される1つ以上の置換基を有する;および
ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、N、S、およびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む。
【0019】
特定の例として、環B-1は、
【化15】
からなる群から選択されうる。
【0020】
上記式中、R7は、水素またはC1-7アルキルであり;R8aおよびR8bは、それぞれ独立して、C1-7アルキルであるか、または互いに結合して、5〜10員のヘテロシクロアルキル(N、SおよびOからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する)を形成する。
【0021】
別の特定の例として、環B-2は、
【化16】
からなる群から選択されうる。
【0022】
好ましくは、式1の化合物は、下記式1aで表される化合物であるか、または下記式1bで表される化合物でありうる。
【化17】
式中、A、B、R、X'、およびnは、式1において上記で定義した通りである。
【0023】
式1aの化合物の好ましい例によれば、Aは、酸素であってもよい;nは、1であってもよい;X'は、ハロゲンであってもよい;およびBは、非置換フェニルまたはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、メルカプト、C1-7アルキル、C3-10シクロアルキル、およびC1-7アルコキシからなる群から選択される1もしくは2個の置換基で置換されたフェニルであってもよい。
【0024】
さらに、式1aおよび1bの化合物は、グルコースがα型、β型、またはそのラセミ体である化合物であってもよい。
【0025】
好ましくは、式1aおよび1bの化合物は、グルコースがβ型である化合物であってもよい。
【0026】
式1a(R=ヒドロキシメチルである式1)の化合物の製造方法
本発明の1つの態様によれば、式1a(R=ヒドロキシメチルである式1)の化合物の製造方法であって、以下の工程:
(1)下記式2の化合物を下記式3の化合物と反応させ、得られたものを環化反応させて、下記式4の化合物を得る工程;
(2)式4の化合物を脱水またはアミド化し、下記式5の化合物と反応させ、還元を行って、下記式6の化合物を得る工程;および
(3)式6の化合物を下記式7の化合物と反応させ、脱保護および還元を行う工程;
を含む方法が提供される。
【化18】
【0027】
[式中、
Aは、酸素(O)またはイオウ(S)である;
nは、1または2である;
PGは、保護基である;
X'は、ハロゲンまたはC1-7アルキルである;
X、Y、およびHalは、それぞれ独立して、ハロゲンである;
Bは、式1において上記で定義した通りである。
【0028】
上記製造方法において出発物質として用いられる式2の化合物は、先行技術文献(米国公開特許公報第2015/0152075号)に記載されている合成経路により製造することができる。たとえば、式2の化合物は、以下の工程:
(i)下記式2aのカルボン酸化合物をエステル化反応に付して、下記式2bのメチルエステル化合物を得る工程;
(ii)式2bの化合物を水素添加反応に付してニトロ基を還元して、下記式2cのアミン化合物を得る工程;
(iii)式2cの化合物をハロゲニン試薬と反応させて、下記式2dのハロゲン化化合物を得る工程;および
(iv)式2dの化合物をサンドマイヤー反応に付す工程;
【化19】
を含むことによって製造することができる。
【0029】
式中、Yは、ハロゲンである。
【0030】
本明細書で使用される用語「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)を意味する。
【0031】
工程(1)
工程(1)では、式2の化合物を式3の化合物と反応させ、得られたものを環化反応に付して、式4の化合物を得る。
【0032】
したがって、グルコース基と結合する前、およびまた、アグリコン基の末端残基(すなわち、環B)を形成する前に、アグリコン基中に酸素を含む五角形または六角形の環を予め形成することができる。
【0033】
特定の例として、工程(1)は、以下の工程:
(i)式2の化合物を式3の化合物と反応させて、下式3aの化合物を得る工程;
(ii)式3aの化合物のアリル基を転位反応に付し、得られたものを酸化またはオゾン化反応に付し、次いで、還元を行って、下式3dの化合物を得る工程;および
(iii)式3dの化合物を環化反応に付して、式4の化合物を得る工程;
【化20】
を含むことができる。
【0034】
式中、nは、1または2であり;ならびにXおよびYは、それぞれ独立して、ハロゲンである。
【0035】
工程(i)では、式2の化合物を、式3の化合物と反応させる前に、脱メチル化工程に付してもよい。たとえば、式2の化合物を脱メチル化に付して、下記式2eの化合物を得てもよく、そして式2eの化合物を式3の化合物と反応させてもよい:
[式2e]
【化21】
【0036】
式中、XおよびYは、それぞれ独立して、ハロゲンである。
【0037】
工程(ii)における転位反応は、たとえば、クライゼン転位反応において行われてもよい。
【0038】
転位反応を、ルイス酸を添加することによって行ってもよい。ルイス酸は、塩化ジイソブチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、塩化アルミニウム、および三塩化ホウ素からなる群から選択される少なくとも1つであってもよい。
【0039】
さらに、転位反応を、無溶媒反応中で、またはジエチルアミン中、高温(たとえば、150℃〜170℃)の加熱条件下で行ってもよい。
【0040】
工程(ii)において転位反応に付した後、式3aの化合物を、下記式3b:
[式3b]
【化22】
の化合物として得ることができる。
【0041】
式中、nは、1または2であり;ならびにXおよびYは、それぞれ独立して、ハロゲンである。
【0042】
工程(ii)における酸化またはオゾン化反応を、四酸化オスミウム(OsO4)、オスミウム酸カリウム(VI)二水和物、またはオゾン(O3)を添加することによって行ってもよい。
【0043】
工程(ii)において酸化またはオゾン化反応に付した後、下記式(3c):
[式3c]
【化23】
の化合物として、式(3b)の化合物を得ることができる。
【0044】
式中、nは、1または2であり;ならびにXおよびYは、それぞれ独立して、ハロゲンである。
【0045】
次いで、式3cの化合物を還元して、式3dの化合物を得ることができる。
【0046】
工程(iii)では、式3dの化合物を環化反応に付して、式4の化合物を得ることができる。このような方法によれば、従来技術文献(米国特許出願公開第2015/0152075号)に開示されている環化方法と比較して、収率を向上させることができる。
【0047】
環化反応は、ビルスマイヤー試薬を用いる環化反応、脱離基を用いる環化反応、ハライドを用いる環化反応、または光延反応を用いる環化反応であってもよい。
【0048】
1つの例によれば、環化反応は、式3dの化合物にビルスマイヤー試薬を添加することによって実施されてもよい。このときの反応は、0℃〜常温の温度で行われてもよい。上述のビルスマイヤー試薬は、合成時に迅速に製造されて使用されることが収率の点で好ましく、たとえば、ジメチルホルムアミド(DMF)とSOCl2またはPOCl3との反応により製造されるビルスマイヤー試薬を使用してもよい。
【0049】
別の例によれば、環化反応は、トシル基またはメシル基を、脱離基として導入することによって行われてもよい。さらに別の例によれば、環化反応は、I2およびPBr3などのハライドを用いて行われてもよい。さらに他の例によれば、環化反応は、また、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)を用いる光延反応などによって行われてもよい。
【0050】
これらの反応は、第一級アルコール基が脱離基として作用することができる基で置換され、置換基がフェノール基に対する求核剤として作用して環化反応が生じる反応である。
【0051】
工程(2)
工程(2)では、式4の化合物をアルデヒド化またはアミド化に付し、次いで、式5の化合物と反応させる。得られたものを還元して、式6の化合物を得る。
【0052】
1つの例として、工程(2)は、式4の化合物をアルデヒド化に付して、下記式4aの化合物を得、次いで、式4a:
[式4a]
【化24】
の化合物を式5の化合物と反応させることを含んでもよい。
【0053】
式中、nは、1または2であり;ならびにXおよびYは、それぞれ独立して、ハロゲンである。
【0054】
具体的には、式4の化合物を還元して、下記式4cの化合物を得た後、式4の化合物をクロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、二酸化マグネシウム、三酸化イオウ-ピリジン錯体などと反応させることによって、アルデヒド化反応を行うことができる。結果として、式4a:
[式4c]
【化25】
の化合物を得ることができる。
【0055】
式中、nは、1または2であり;ならびにXおよびYは、それぞれ独立して、ハロゲンである。
【0056】
この時点で、式4の化合物を還元する際に、NaBH4およびLiBH4などの還元剤を用いてもよい。さらに、還元時には、アルコール、テトラヒドロフラン(THF)またはその混合物を、溶媒として用いてもよい。好ましい例としては、還元時に、エタノールとTHFとの混合溶媒を用い、混合体積比を1:1〜1:3としてもよい。さらに、還元時には、ルイス酸をさらに用いてもよく、用いることができるルイス酸の例としては、LiClおよびCaCl2が挙げられる。
【0057】
次いで、式4aの化合物を式5の化合物と反応させて下式6a:
[式6a]
【化26】
の化合物を得ることができる。
【0058】
式中、nは、1または2であり、XおよびYは、それぞれ独立して、ハロゲンであり、およびBは、式1において上記で定義した通りである。
【0059】
の式6a化合物を還元して、式6の化合物を得ることができる。
【0060】
別の例として、工程(2)は、式4の化合物をアミド化して、下記式4bの化合物を得、次いで、式4b:
[式4b]
【化27】
の化合物を式5の化合物と反応させることを含んでもよい。
【0061】
式中、nは、1または2であり;ならびにXおよびYは、それぞれ独立して、ハロゲンである。
【0062】
具体的には、式4の化合物を加水分解に付した後、得られたものをN,O-ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(MeO(Me)NH・HClなど)と反応させることによりアミド化反応を行うことができる。その結果、式4bなどのワインレブアミド体が得られる。
【0063】
次いで、式4bの化合物を式5の化合物と反応させて、下記式6b:
[式6b]
【化28】
の化合物を得ることができる。
【0064】
式中、nは、1または2であり;XおよびYは、それぞれ独立して、ハロゲンであり、およびBは、式1において上記で定義した通りである。
【0065】
次いで、式6bの化合物を還元して、式6の化合物を得ることができる。
【0066】
式5の化合物は、グリニャール試薬であってもよい。
【0067】
グリニャール試薬を製造する一般的な方法によれば、下記式5a:
[式5a]
【化29】
の化合物を金属マグネシウム(Mg)と反応させて、式5の化合物を製造することができる。
【0068】
式中、Bは、式1において上記で定義した通りであり、Halは、ハロゲンである。
【0069】
上記のように、本発明によれば、アグリコン基とグルコース基とのカップリング前にグリニャール試薬を製造する方法にしたがって、最終化合物(式1aの化合物)のB基をあらかじめ容易に導入することができ、これはさまざまな誘導体化を可能にするだけでなく、最終収率を改善することも可能にする。
【0070】
一方、先行技術文献(米国特許公開公報第2015/0152075A1号)によれば、最終化合物のB群を完成させるために、グルコース基とカップリングさせた後、複雑な合成プロセスが合成経路の終わりに必要であり、したがって、長い工程により、反応収率および反応再現性が大きく変化するという問題がある。
【0071】
工程(3)
工程(3)では、式6の化合物を式7の化合物と反応させ、次いで脱保護および還元を行う。
【0072】
式6の化合物と式7の化合物との反応を、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、塩化イソプロピルマグネシウム(i-PrMgCl)などの存在下で行ってもよい。
【0073】
式6の化合物を式7の化合物と反応させて、下記式7a:
[式7a]
【化30】
の化合物を得ることができる。
【0074】
式中、Aは、酸素またはイオウであり;nは、1または2であり;Xは、ハロゲンであり;PGは、保護基であり;およびBは、式1において上記で定義した通りである。
【0075】
保護基は、たとえば、トリメチルシリル(TMS)基、ベンジル基、またはアセチル基であってもよい。
【0076】
次いで、式7aの化合物を脱保護して式1aの化合物を得ることができる。たとえば、保護基がトリメチルシリル(TMS)基である場合、メタンスルホン酸(CH3SO3H)またはトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf)を式7aの化合物に加えて、式1aの化合物を得ることができる。
【0077】
また、脱保護後、さらに還元を行って、式1aの化合物を得ることができる。この時点で、ジクロロメタン(CH2Cl2)およびアセトニトリル(CH2Cl2)を、溶媒として併用してもよい。
【0078】
上記工程を経て得られる式1aの化合物は、グルコースのα型とβ型が混在した化合物であってもよい。
【0079】
このように、さらなる分離を行なって、所望のα型またはβ型のみを得ることができる。すなわち、脱保護および還元工程の後に、グルコースがβ型である化合物のみをさらに単離することができる。
【0080】
たとえば、保護基は、脱保護および還元によって得られた化合物に導入される。次いで、得られたものを、アルコール、酢酸エチル、またはジクロロメタン中で加熱し、得られた沈殿物を単離し、次いで、脱保護して、β型のみを得ることができる。
【0081】
具体的には、脱保護および還元によって得られる化合物中のグルコースのヒドロキシ基をアセチル基などで保護する。次いで、得られたものを、C1-6アルコール溶媒(エタノール、イソプロパノールなど)中で加熱攪拌し、得られた沈殿物を単離することにより、グルコースがβ型である下記式7b:
[式7b]
【化31】
の化合物を得ることができる。
【0082】
式中、Aは、酸素またはイオウであり;nは、1または2であり;Xは、ハロゲンであり;PGは、保護基であり;およびBは、式1において上記で定義した通りである。
【0083】
次いで、式7bの化合物を脱保護して、最終的に、式7c:
[式7c]
【化32】
で表すことができるβ型のみを得ることができる。
【0084】
式中、A、B、n、およびX'は、式1において上記で定義した通りである。
【0085】
好ましい例として、工程(3)を、以下の工程:
(3a-1)n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウムまたは塩化イソプロピルマグネシウムの存在下、式6の化合物を式7の化合物と反応させて、下記式7aの化合物を得る工程;
(3a-2)式7aの化合物を、メタノールの存在下、酸条件下で、脱保護およびメチル化反応に付して、下記式7dの化合物を得る工程;
(3b)式7bの化合物を還元して、下記式7eの化合物を得る工程;および
(3c)式7eの化合物に保護基を導入し、得られたものをアルコール、酢酸エチル、またはジクロロメタン中で加熱し、得られた沈殿物を単離および脱保護して、β型のみを得る工程;
【化33】
を含む方法によって行うことができる。
【0086】
式中、PGは、保護基であり;およびA、B、n、およびXは、式1aにおいて上記で定義した通りである。
【0087】
工程(3a-1)における反応後、さらに、蒸発、抽出、乾燥、濾過などを行って、式7aの化合物を得、次の工程(3a-2)で用いるのが好ましい。
【0088】
工程(3a-2)で使用される酸は、塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩化水素ガスなどであってもよい。
【0089】
もう1つの好ましい例では、工程(3)を、以下の工程:
(3a')n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウムまたは塩化イソプロピルマグネシウムの存在下、式6の化合物を式7の化合物と反応させ、分離精製することなく、得られたものを、メタノールの存在下、酸条件下で、脱保護およびメチル化反応に付して、下記式7dの化合物を得る工程;
(3b')式7dの化合物を還元して、下記式7eの化合物を得る工程;および
(3c')式7eの化合物に保護基を導入して、β型のみを単離し、脱保護を行う工程;
【化34】
を含む方法によって実施することができる。
【0090】
式中、A、B、n、およびXは、式1aにおいて上記で定義した通りである。
【0091】
工程(3a')では、第1に、結合反応を行い、この時点で、式7の化合物それぞれおよび反応試薬(すなわち、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウムまたは塩化イソプロピルマグネシウム)は、1当量の式6の化合物に対して、1.5〜2.5当量、より好ましくは1.7〜2.3当量、特に、2.0当量で使用されうる。この時点での反応は、-80℃〜-10℃、より好ましくは-70℃〜-60℃にて、1〜12時間、または1〜3時間行われうる。さらに、反応溶媒として、テトラヒドロフランまたはエーテルである単一溶媒、テトラヒドロフラン/トルエン(1:1)である混合溶媒などを使用することができる。
【0092】
さらに、工程(3a')では、酸性条件下で、脱保護反応とメチル化反応を行う。この時点で使用される酸としては、塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩化水素ガスなどが挙げられる。酸は、式6の化合物1当量に対して、2〜5当量、より好ましくは3当量の量で使用されうる。この時点での反応は、0℃〜40℃、より好ましくは20℃〜30℃にて、6〜24時間、または6〜12時間行われうる。反応溶媒として、メタノールなどを用いてもよい。
【0093】
次いで、工程(3b')において還元反応を行い、この時点で、還元剤および酸を用いてもよい。還元剤の例として、たとえば、トリエチルシラン、トリイソプロピルシラン、t-ブチルジメチルシラン、水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。酸の例として、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、塩化アルミニウム、トリフルオロ酢酸およびトリフルオロメタンスルホン酸が挙げられる。還元剤の使用量は2〜5当量、より好ましくは約3当量であり、また、酸の使用量は1.5〜3当量、より好ましくは約2当量である。この時点での反応は、-50℃〜0℃、より好ましくは-20℃〜-10℃にて、2〜12時間、または2〜5時間行われうる。さらに、反応溶媒として、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、またはアセトニトリルなどの単一溶媒、ジクロロメタン/アセトニトリル(1:1)および1,2-ジクロロメタン/アセトニトリル(1:1)などの混合溶媒などを使用することができる。
【0094】
次に、工程(3c')に保護基を導入し、この時点で、アセチル化剤および塩基を用いる反応を行ってもよい。アセチル化剤の例として、塩化アセチル、臭化アセチル、無水酢酸が挙げられ、塩基の例として、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、および4-ジメチルアミノピリジンが挙げられる。アセチル化剤は、4〜12当量、より好ましくは約8当量で用いることができ、塩基は、1〜4当量、より好ましくは約1.5当量で用いることができる。この時点での反応は、0℃〜50℃、より好ましくは-0℃〜30℃にて、1〜12時間、または1〜3時間行われうる。反応溶媒として、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルムなどを用いてもよい。
【0095】
最後に、工程(3c')において脱保護反応を行い、この時点で、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、およびナトリウムエトキシドなどの試薬を、2〜12当量、より好ましくは約5当量で用いることができる。この時点での反応は、0℃〜50℃、より好ましくは20℃〜30℃の温度にて、1時間〜12時間、または1時間〜3時間行われうる。溶媒として、メタノール/水(1:1〜3:1)、ジクロロメタン/メタノール(1:1〜1:2)、ジクロロメタン/エタノール(1:1〜1:2)、テトラヒドロフラン/メタノール(1:1〜1:2)、テトラヒドロフラン/エタノール(1:1〜1:2)、テトラヒドロフラン/メタノール/水(1:1:3〜2:1:3)、テトラヒドロフラン/エタノール/水(1:1:3〜2:1:3)などを用いることができる。
【0096】
さらにもう1つの好ましい例では、工程(3)を、以下の工程:
(3a'')n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウムまたは塩化イソプロピルマグネシウムの存在下、式6の化合物を式7の化合物と反応させ、分離精製することなく、得られたものを、メタノールの存在下、酸条件下で、脱保護およびメチル化反応に付して、下記式7dの化合物を得る工程;
(3b'')式7dの化合物に保護基を導入して、下記式7fの化合物を得る工程;および
(3c'')式7fの化合物のβ型のみを単離し、還元し、次いで、脱保護を行う工程;
【化35】
を含む方法によって実施することができる。
【0097】
式中、PGは、保護基であり;およびA、B、n、およびXは、式1aにおいて上記で定義した通りである。
【0098】
工程(3a'')では、結合反応、脱保護、およびメチル化が行われる。この時点での当量比、反応温度、および溶媒などの好ましい条件は、工程(3a')に例示したとおりである。
【0099】
次いで、工程(3b'')において保護基を導入し、この時点で、アセチル化剤および塩基を用いる反応を行ってもよい。アセチル化剤の種類、塩基の種類、当量比、反応温度、溶媒などの好ましい条件は、上記工程(3c')に例示したとおりである。
【0100】
次いで、工程(3c'')において還元反応を行う。この時点で、還元剤および酸を用いてもよく、還元剤の種類、酸の種類、当量比、反応温度、溶媒などの好ましい条件は、上記工程(3b')に例示したとおりである。
【0101】
さらに、工程(3c'')において脱保護反応が行われ、この時点での試薬の種類、当量比、反応温度、溶媒などの好ましい条件は、上記工程(3c')に例示したとおりである。
【0102】
上述した好ましい例に示すように、式7dの化合物を得るプロセスは、2つの工程で行うことができるか、または1つの工程でインサイチュ反応として実施することができ、最終収率がさらに改善される。さらに、1つの工程でインサイチュ反応として実施される場合、式7bの化合物を含む粗濃縮残渣を得ることができ、あるいは、それを結晶化することによって固体含量として式7dの化合物を得ることができ、次の工程で使用することができる。後者の場合、反応副生成物の除去による品質の向上および水分量の制御を容易に達成することができる。
【0103】
さらに、式7dの化合物は、合成後の精製によって、次の工程で使用されうる。たとえば、(i)合成後、式7dの化合物をトルエンなどの有機溶媒との共沸混合物とし、残存する水分を除去する濃縮工程を繰り返すことにより得られた残渣を次工程に用いてもよく、あるいは(ii)合成後、式7dの化合物を結晶化してもよく、真空乾燥により残留水分を除去して得られる固形分を次の工程で使用してもよい。
【0104】
アルキル化工程
さらに、本発明によれば、工程(3)の後に、アルキル化反応をさらに包むことが可能であり、結果として、式1中のX'は、C1-7アルキルであってもよい。
【0105】
たとえば、工程(4)の後の生成物をメチルボロン酸と反応させて、X'がメチルで置換された式1aの化合物を得ることができる。
【0106】
結晶化工程
式1aの化合物を、結晶形、非晶形、またはそれらの混合物で製造することができる。しかしながら、結晶形の式1aの化合物が、安定性、非吸湿性の点、および製剤化が容易な物理化学的性質を有する点で好ましい。
【0107】
したがって、本発明の方法は、工程(3)の後に式1aの化合物を結晶化させる工程をさらに含むことができる。結晶化は、さまざまな溶媒を用いて行うことができ、したがって、さまざまな結晶形が得られる。
【0108】
例として、結晶化に使用する溶媒を、トルエン;酢酸エチル;ジクロロメタン;アセトン;アセトニトリル;2-プロパノール、テトラヒドロフラン、およびジクロロメタンの混合物;ならびにテトラヒドロフランおよびn-ヘキサンの混合物から選択することができ、結果として、結晶形Aを生成することができる。
【0109】
もう1つの例として、結晶化に使用する溶媒を、メタノールおよび蒸留水の混合物;メタノールおよびn-ヘキサンの混合物;ならびにメタノール、ジクロロメタンおよびn-ヘキサンの混合物から選択することができ、結果として、結晶形Bを生成することができる。
【0110】
さらにもう1つの例として、結晶化に使用する溶媒を、エタノール、蒸留水およびn-ヘキサンの混合物;ならびにテトラヒドロフランおよびトルエンの混合物から選択することができ、結果として、結晶形Cを生成することができる。
【0111】
さらにもう1つの例として、結晶化に使用する溶媒は、エタノールおよびヘキサンの混合物であってもよく、結果として、結晶形Dを生成することができる。
【0112】
好ましい例として、結晶化に使用する溶媒を、トルエン、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフランおよびジクロロメタンの混合物、ならびにテトラヒドロフランおよびn-ヘキサンの混合物からなる群から選択してもよい。
【0113】
式1b(R=アルキルチオおよびA=酸素である式1)の化合物の製造方法
本発明の別の態様によれば、式1b(R=アルキルチオおよびA=酸素である式1)の化合物の製造方法であって、
(1)下記式2の化合物を下記式3の化合物と反応させ、得られたものを環化反応させて、下記式4の化合物を得る工程;
(2)式4の化合物を脱水またはアミド化し、式5の化合物と反応させ、還元を行って、下記式6の化合物を得る工程;および
(3)式6の化合物を下記式8の化合物と反応させ、還元を行って、下記式9の化合物を得る工程;
(4)酸性条件下で、式9の化合物のフラノース環をピラノース環に形成した後、保護基を導入して、下記式10の化合物を得る工程;および
(5)式10の化合物をチオウレアで処理し、得られたものをC1-7アルキルハライドと反応させ、次いで、還元を行う工程;
を含む方法が提供される。
【0114】
【化36】
【化37】
【化38】
【0115】
式中、
Rは、C1-7アルキルチオである;
nは、1または2である;
PGは、保護基である;
X'は、ハロゲンまたはC1-7アルキルである;
X、Y、およびHalは、それぞれ独立して、ハロゲンである;および
Bは、式1において上記で定義した通りである。
【0116】
上記工程では、工程(1)および(2)を、式1a(R=ヒドロキシメチルである式1)の化合物の製造方法の工程(1)および(2)と同様に行うことができる。
【0117】
以下、工程(3)〜(5)について詳細に説明する。
【0118】
工程(3)
工程(3)では、式6の化合物を、式8の化合物と反応させて、式9の化合物を得る。
【0119】
式8の化合物は、既知の方法、たとえば、国際公開第2009/014970号に開示されている方法に従って製造されうる。具体的には、式8の化合物は、L-キシロースから出発する国際公開第2009/014970号に開示された方法に従って製造されうる。
【0120】
1つの例によれば、式6の化合物を式8の化合物と反応させて、下記式9aの化合物を得ることができる。
[式9a]
【化39】
【0121】
式中、B、n、およびXは、式1において上記で定義した通りである。
【0122】
次いで、式9aの化合物を還元して、式9の化合物を得ることができる。
【0123】
工程(4)
工程(4)では、式9の化合物のフラノース環が酸性条件下でピラノース環に形成され、次いで、保護基が導入されて、式10の化合物が得られる。この工程により、グルコース基を構成するピラノース環を完成させることができる。
【0124】
保護基は、たとえば、アセチル基であってもよい。
【0125】
工程(5)
工程(5)では、式10の化合物をチオウレアで処理し、C1-7アルキルハライドと反応させ、次いで、還元する。この工程により、アルキルチオ基を最終化合物(式1bの化合物)に導入することができる。
【0126】
C1-7アルキルハライドは、たとえば、C1-7アルキルヨウ化物であってもよい。
【0127】
さらに、工程(5)の後、さらにアルキル化反応を行うことができ、その結果として、X'がC1-7アルキルである式1bの化合物を得ることができる。
【0128】
結晶形
本発明のさらにもう1つの態様によれば、上記製造方法により製造された化合物の結晶形が提供される。
【0129】
1つの例として、本発明は、式1aの化合物の結晶形を提供する。
【0130】
具体的な例として、本発明は、AがOであり、Bがシクロプロピルフェニルであり、nが1であり、およびX'がClであって、β型である式1aの化合物の結晶形を提供する。
【0131】
すなわち、本発明は、下記式c28の化合物の結晶形を提供する。
[式c28]
【化40】
【0132】
式c28の化合物は、上記式1aの製造方法により製造することができる。
【0133】
本発明によれば、式c28の化合物は、さまざまな結晶形であることが可能であり、それぞれの結晶形について以下に詳細に説明する。
【0134】
以下では、用語「約」は、所定の値または範囲の5%以内、好ましくは2%以内を意味しうる。たとえば、「約10%」は、9.5〜10.5%、好ましくは9.8〜10.2%を意味しうる。もう1つの例として、「約100℃」は、95℃〜105℃、好ましくは98℃〜102℃を意味しうる。
【0135】
第1に、本発明は、式c28の化合物の結晶形Aを提供する。結晶形Aは、Cu-Kα光源を用いて照射した場合に、6.2°±0.2°、7.2°±0.2°、8.8°±0.2°、17.6°±0.2°、19.0°±0.2°、22.5°±0.2°、および25.1°±0.2°の回折角(2θ)におけるピークを含むXRDスペクトルを有する。これらのピークは、相対強度(I/Io)が約5%以上、好ましくは約10%以上のピークであってもよい。
【0136】
結晶形AのXRDスペクトルは、15.4°±0.2°、18.6°±0.2°、21.6°±0.2°、および23.8°±0.2°の回折角(2θ)におけるピークをさらに含むことができる。
【0137】
さらに、この結晶形は、DSC(10℃/分)にて、出発点が約157℃、および最低点が約159℃の吸熱ピークを有してもよい。
【0138】
さらに、本発明は、式c28の化合物の結晶形Bを提供する。結晶形Bは、Cu-Kα光源を用いて照射した場合に、7.0°±0.2°、14.9°±0.2°、17.7°±0.2°、18.8°±0.2°、20.6°±0.2°、21.8°±0.2°、および23.5°±0.2°の回折角(2θ)におけるピークを含むXRDスペクトルを有する。これらのピークは、相対強度(I/Io)が約5%以上、好ましくは約10%以上のピークであってもよい。
【0139】
結晶形BのXRDスペクトルは、5.6°±0.2°、9.4°±0.2°、および11.0°±0.2°の回折角(2θ)におけるピークをさらに含むことができる。
【0140】
さらに、この結晶形は、DSC(10℃/分)にて、出発点が約79℃、および最低点が約88℃の吸熱ピーク、ならびに出発点が約103℃、および最低点が約111℃の吸熱ピークを有してもよい。
【0141】
さらに、本発明は、式c28の化合物の結晶形Cを提供する。結晶形Cは、Cu-Kα光源を用いて照射した場合に、5.6°±0.2°、7.3°±0.2°、15.7°±0.2°、17.2°±0.2°、18.9°±0.2°、21.2°±0.2°、および21.9°±0.2°の回折角(2θ)におけるピークを含むXRDスペクトルを有する。これらのピークは、相対強度(I/Io)が約5%以上、好ましくは約10%以上のピークであってもよい。
【0142】
結晶形CのXRDスペクトルは、19.9°±0.2°および23.1°±0.2°の回折角(2θ)におけるピークをさらに含むことができる。
【0143】
さらに、この結晶形は、DSC(10℃/分)にて、出発点が約157℃、および最低点が約159℃の吸熱ピークを有してもよい。
【0144】
さらに、本発明は、式c28の化合物の結晶形Dを提供する。結晶形Dは、Cu-Kα光源を用いて照射した場合に、5.5°±0.2°、7.2°±0.2°、15.3°±0.2°、17.2°±0.2°、17.6°±0.2°、18.9°±0.2°、および21.1°±0.2°の回折角(2θ)におけるピークを含むXRDスペクトルを有する。これらのピークは、相対強度(I/Io)が約5%以上のピークであってもよい。
【0145】
結晶形DのXRDスペクトルは、0.0°±0.2°、22.5°±0.2°、および25.1°±0.2°の回折角(2θ)におけるピークをさらに含むことができる。
【0146】
さらに、この結晶形は、DSC(10℃/分)にて、出発点が約157℃、および最低点が約160℃の吸熱ピークを有してもよい。
【0147】
このような結晶形の化合物c28は、物理化学的性質(たとえば、吸湿性および化学的安定性)に優れており、したがって、さまざまな分野(たとえば、医薬品の製造)において容易に取り扱うことができる。
【0148】
発明を実施するための形態
以下、本発明を、実施例によりさらに詳細に説明する。ただし、以下の実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0149】
以下の実施例に示す略語の意味は以下の通りである。
AcOH:酢酸
ACN:アセトニトリル
Ac2O:無水酢酸
BF3・OEt2:三フッ化ホウ素エーテラート
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DCM:ジクロロメタン
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
Et3SiH:トリエチルシラン
HBTU:ヘキサフルオロリン酸2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム
Hex:ヘキサン
i-PrOH:イソプロピルアルコール
MeI:ヨードメタン
MeOH:メタノール
MsCl:塩化メシル
NaOMe:ナトリウムメトキシド
NBS:N-ブロモスクシンイミド
PCC:ピリジニウムクロロクロメート
Pd(PPh3)4:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
TEA:トリエチルアミン
TEMPO:(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキサジニル
THF:テトラヒドロフラン
TMSOTf:トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル
RTまたはrt:室温
【実施例1】
【0150】
比較例1:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの合成
【0151】
標記化合物は、米国特許公開公報第2015/0152075号に開示された方法によって製造された。比較例1の特定の合成工程については、背景技術の項で上述したようにスキーム1を参照する。
【0152】
工程1:3-メトキシ-2-ニトロ安息香酸メチル(化合物c2)
DMF(126 mL)中の3-メトキシ-2-ニトロ安息香酸(25.0 g、126 mmol)およびK2CO3(35.0 g、253 mmol)の混合物に、室温にてMeI(15.8 mL、253 mmol)を加えた。混合物を室温にて2時間攪拌した。混合物に、水(200 mL)を注ぎ、次いで、5℃にて30分間攪拌した。沈殿した固体をろ過によって集め、水およびヘキサンで洗浄した。固体を真空乾燥して、標記化合物を白色固体として粗物質(26.2 g、98%)で得た。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.60(dd、J = 8.2、1.2 Hz、1H)、7.50(t、J = 8.2 Hz、1H)、7.26(dd、J = 8.2、1.2 Hz、1H)、3.39(s、3H)、3.99(s、3H);[M+Na]+ 235。
【0153】
工程2:2-アミノ-3-メトキシ安息香酸メチル(化合物c3)
THF(400 mL)およびMeOH(200 mL)中の3-メトキシ-2-ニトロ安息香酸メチル(26.2 g、124 mmol)およびPd/C(10 重量%、6.0 g)の懸濁液を、H2雰囲気下、室温にて18時間攪拌した。混合物に、EtOAc(300 mL)を加え、セライトパッドでろ過した。ろ液を真空濃縮して、標記化合物を無色油状物で得た(22.4 g、99%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.47(dd、J = 8.2、1.2 Hz、1H)、6.85(dd、J = 8.2、1.2 Hz、1H)、6.58(t、J = 8.2 Hz、1H)、6.00(brs、2H)、3.87(s、3H);[M+H]+ 182。
【0154】
工程3:2-アミノ-5-ブロモ-3-メトキシ安息香酸メチル(化合物c4)
DMF(250 mL)中の2-アミノ-3-メトキシ安息香酸メチル(22.4 g 123 mmol)の溶液に、N-ブロモスクシンイミド(21.9 g、123 mmol)を0℃にて少しずつ加えた。混合物を、0℃にて0.5時間攪拌した。混合物に水を加え、EtOAc(500 mL x 2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標記化合物を白色固体で得た(27.5 g、86%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.60(d、J = 2.2 Hz、1H)、6.90(d、J = 2.2 Hz、1H)、6.03(brs、1H)、3.87(s、3H);[M+H]+ 260。
【0155】
工程4:5-ブロモ-2-クロロ-3-メトキシ安息香酸メチル(化合物c5)
H2O(70 mL)および濃HCl(70 mL)中の2-アミノ-5-ブロモ-3-メトキシ安息香酸メチル(27.0 g、103 mmol)の溶液に、H2O(50 mL)中のNaNO2(21.5 g、311 mmol)の溶液を0℃にて滴下した。1時間攪拌した後、濃HCl(80 mL)中のCu(I)Clの溶液を、反応混合物に0℃にて滴下した。混合物を、室温にて18時間攪拌した。混合物に、水(300 mL)を加え、EtOAc(500 mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗標記化合物を高真空乾燥し、さらに精製することなく白色固体で次工程に用いた(29.0 g、100%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.49(d、J = 2.4 Hz、1H)、7.16(d、J = 2.4 Hz、1H)、3.93(s、36H)、3.92(s、3H);[M+H]+ 278
【0156】
工程5:5-ブロモ-2-クロロ-3-メトキシ安息香酸(化合物c6)
THF(100 mL)、H2O(100 mL)およびMeOH(100 mL)中の5-ブロモ-2-クロロ-3-メトキシ安息香酸メチル(25.0 g、89.4 mmol)の溶液に、水性5 N NaOH溶液を0℃にて滴下した。混合物を、室温にて1時間攪拌した。酸性化するために、混合物に濃HClを加え、混合物をEtOAc(500 mL x 2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、標記化合物をオレンジ色固体で得た(22.6 g、96%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.55(s、1H)、7.13(s、1H)、3.89(s、3H);[M+H]+ 265。
【0157】
工程6:5-ブロモ-2-クロロ-3-メトキシベンゾイルクロリド(化合物c7)
CH2Cl2(100 mL)中の5-ブロモ-2-クロロ-3-メトキシ安息香酸(6.0 g、22.6 mmol)の懸濁液に、オキサリルクロリド(2.4 mL、27.1 mmol)および触媒量のDMFを室温にて加えた。混合物を室温にて2時間攪拌した。混合物を、真空蒸発し、真空乾燥して、粗標記化合物を得た。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.49(d、J = 2.4 Hz、1H)、7.16(d、J = 2.4 Hz、1H)、3.93(s、3H)、3.92(s、3H)。
【0158】
工程7:(5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシフェニル)(フェニル)メタノン(化合物c8)
粗5-ブロモ-2-クロロ-3-メトキシベンゾイルクロリドをベンゼン(100 mL)に溶解させ、0℃に冷却した。反応混合物に、AlCl3(6.9 g、52.0 mmol)を0℃にて少しずつ加えた。混合物を、90℃にて15時間攪拌した。混合物を、室温に冷却し、真空蒸発させた。残渣を0℃に冷却し、水性1N HCl溶液を加えた。混合物を、EtOAc(150 mL x 1)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標記化合物を得た(7.33 g、定量的収率)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.85-7.82(m、2H)、7.70-7.64(m、1H)、7.55-7.49(m、2H)、7.37(d、J = 2.2 Hz、1H)、7.13(d、J = 2.2 Hz、1H)、5.94(s、1H)。
【0159】
工程8:3-ベンジル-5-ブロモ-2-クロロフェノール(化合物c9)
トリフルオロ酢酸(3 mL)中の(5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシフェニル)(フェニル)メタノン(362 mg、1.16 mmol)の混合物に、トリエチルシラン(0.37 mL、2.32 mmol)および触媒トリフリック酸を0℃にて加えた。混合物を、室温にて12時間攪拌した。得られる混合物に、飽和NaHCO3溶液を0℃にて加えてクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(267 mg、77%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.37-7.32(m、2H)、7.30-7.27(m、1H)、7.22-7.19(m、2H)、7.13(d、J = 2.4 Hz、1H)、6.92(d、J = 2.0 Hz、1H)、4.07(s、2H)。[M+H]+ 297。
【0160】
工程9:1-(アリルオキシ)-3-ベンジル-5-ブロモ-2-クロロベンゼン(化合物c10)
アセトン(35 mL)中の3-ベンジル-5-ブロモ-2-クロロフェノール(1.72 g、5.78 mmol)およびK2CO3(1.6 g、11.56 mmol)の混合物に、室温にてアリルブロミド(0.73 mL、8.67 mmol)を加えた。反応混合物を65℃にて12時間攪拌した。得られる混合物をろ過して、無機物質を除去した。ろ液を真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(1.96 g、100%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.32-7.27(m、2H)、7.25-7.22(m、1H)、7.21-7.17(m、2H)、6.92(d、J = 2.4 Hz、1H)、6.92(d、J = 2.0 Hz、1H)、6.10-6.00(m、1H)、5.48(dq、J = 17.2 Hz、1.6 Hz、1H)、5.33(dq、J = 12.4、1.6 Hz、1H)、4.59(dt、J = 4.4 Hz、1.6 Hz、2H)、4.08(s、2H)。[M+H]+ 337。
【0161】
工程10:(3R,4S,5S,6R)-2-(3-(アリルオキシ)-5-ベンジル-4-クロロフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-2-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c12)
テトラヒドロフラン(5.5 mL)/トルエン(11 mL)中の1-(アリルオキシ)-3-ベンジル-5-ブロモ-2-クロロベンゼン(1.96 g、5.82 mmol)の溶液に、n-ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、2.6 mL、6.41 mmol)を窒素雰囲気下、-78℃にて滴下した。1時間攪拌した後、テトラヒドロフラン(6.6 mL)中の(3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリス((トリメチルシリル)オキシ)-6-(((トリメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(c11;3.54 g、7.58 mmol)の溶液を、混合物にカニューレにて-78℃にて20分間滴下した。反応混合物を-78℃にて3時間攪拌した。MeOH(15 mL)中のCH3SO3H(0.6 mL、9.25 mmol)を0℃にて混合物に滴下した。18時間にわたって混合物を室温に暖め、次いで、飽和NaHCO3で0℃にてクエンチした。混合物を、減圧蒸発させて、揮発物を除去した。水性残渣をEtOAc(100 mL x 2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、粗標記生成物を黄色固体で得た。[M+Na]+473。
【0162】
工程11:(3R,4R,5S,6R)-2-(3-(アリルオキシ)-5-ベンジル-4-クロロフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c13)
CH2Cl2(30 mL)およびCH3CN(30 mL)中の(3R,4S,5S,6R)-2-(3-(アリルオキシ)-5-ベンジル-4-クロロフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)-2-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(2.55 g、5.65 mmol)の混合物に、Et3SiH(1.82 mL、11.3 mmol)およびBF3・Et2O(1.07 mL、8.48 mmol)を0℃にて滴下した。反応混合物を室温にて5時間攪拌した。得られる混合物に、飽和NaHCO3溶液を加えてクエンチし、EtOAcで抽出し、有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をさらに精製することなく次工程に用いた。
【0163】
工程12:(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(3-(アリルオキシ)-5-ベンジル-4-クロロフェニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(化合物c14)
CH2Cl2(12 mL)中の(3R,4R,5S,6R)-2-(3-(アリルオキシ)-5-ベンジル-4-クロロフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(c13)の混合物に、Ac2O(4.7 mL、49.72 mmol)、ピリジン(4.0 mL、49.45 mmol)、およびDMAP(35 mg、0.28 mmol)を室温にて加えた。反応混合物を室温にて12時間攪拌した。得られる混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl溶液で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(1.55 g、47%)。
1H NMR(400 MHz、DMSO-d6) δ 7.31-7.27(m、2H)、7.22-7.21(m、1H)、7.19-7.16(m、2H)、7.09(d、J = 1.6 Hz、1H)、6.88(d、J = 1.6 Hz、1H)、6.12-6.03(m、1H)、5.47(dq、 J = 17.6、2.0 Hz、1H)、5.35(t、J = 9.6 Hz、1H)、5.30(dq、J = 10.4、1.6 Hz、1H)、5.12(t、J = 9.6 Hz、1H)、5.06(t、J = 9.6 Hz、1H)、4.66-4.62(m,3H)、4.13-4.03(m、5H)、2.04(s、3H)、2.03(s、3H)、1.95(s、3H)、1.70(s、3H);[M+Na]+ 611。
【0164】
工程13:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(3-(アリルオキシ)-5-ベンジル-4-クロロフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c15)
MeOH(50 mL)中の(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(3-(アリルオキシ)-5-ベンジル-4-クロロフェニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(1.55 g、2.63 mmol)の混合物に、NaOMe(25 wt %、MeOH中、2.34 mL)を室温にて加えた。混合物を、室温にて12時間攪拌した。得られる混合物を氷AcOHで中和した。混合物を、EtOAcで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をさらに精製することなく次工程に用いた。[M+Na]+ 443。
【0165】
工程14:(2S,3S,4R,5R,6R)-2-(3-(アリルオキシ)-5-ベンジル-4-クロロフェニル)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン(化合物c16)
DMF(26 mL)中の(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(3-(アリルオキシ)-5-ベンジル-4-クロロフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの混合物に、NaH(60 % 鉱物油分散液、842 mg、21.0 mmol)を0℃にて加え、室温にて1時間攪拌した。反応混合物に、ベンジルブロミド(2.5 mL、21.0 mmol)を0℃にて滴下した。混合物を室温にて12時間攪拌した。得られる混合物に、水を加えてクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(1.80 g、88%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.36-7.31(m、13H)、7.26-7.19(m、10H)、6.94(d、J = 1.6 Hz、2H)、6.91(dd、J = 14.8、2.0 Hz、2H)、 6.10-6.00(m、1H)、5.46(dq、J = 17.2、1.6 Hz、1H)、5.31(dq、J = 10.8、1.6 Hz、1H)、4.94(ABq、JAB = 15.2 Hz、2H)、4.90(d、J = 10.8 Hz、1H)、4.70-4.64(m、2H)、4.57(d、J = 12.4 Hz、1H)、4.52-4.49(m、2H)、4.46(d、J = 10.8 Hz、1H)、4.23-4.16(m、2H)、4.08(d、J = 15.2 Hz、1H)、3.89(d、J = 10.8 Hz、1H)、3.84-3.75(m、4H)、3.61-3.57(m、1H)、3.48-3.44(m、1H);[M+Na]+ 803。
【0166】
工程15:3-ベンジル-2-クロロ-5-((2S,3S,4R,5R,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)フェノール(化合物c17)
THF(25 mL)中の((2S,3S,4R,5R,6R)-2-(3-(アリルオキシ)-5-ベンジル-4-クロロフェニル)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン(1.80 g、2.30 mmol)の混合物に、NaBH4(700 mg、18.4 mmol)およびPd(PPh3)4(266 mg、0.23 mmol)を室温にて加えた。反応混合物を室温にて12時間攪拌した。得られる混合物に、飽和NaHCO3溶液を加えてクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(1.62 g、95%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.37-7.31(m、13H)、7.27-7.21(m、8H)、7.18-7.16(m、2H)、7.08(d、J = 2.0 Hz、1H)、6.98(dd、J = 7.6、2.0 Hz、2H)、6.89(d、J = 2.0 Hz、1H)、4.93(ABq、JAB = 16.0 Hz、2H)、4.89(d、J = 10.8 Hz、1H)、4.67(d、J = 4.8 Hz、1H)、4.64(d、J = 6.0 Hz、1H)、4.57(d、J = 12.4 Hz、1H)、4.46(d、J = 10.4 Hz、1H)、4.19-4.12(m、2H)、4.03(d、J = 15.2 Hz、1H)、3.95(d、J = 10.4 Hz、1H)、3.82-3.75(m、4H)、3.61-3.57(m、1H)、3.49-3.45(m、1H);[M+Na]+ 763。
【0167】
工程16:3-ベンジル-6-ブロモ-2-クロロ-5-((2S,3S,4R,5R,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)フェノール(化合物c18)
)AcOH(11 mL)中の3-ベンジル-2-クロロ-5-((2S,3S,4R,5R,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)フェノール(1.62 g、2.18 mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.46 mL、3.27 mmol)および臭素(0.11 mL、2.18 mmol)を0℃にて加えた。反応混合物を室温にて12時間攪拌した。得られる混合物に、飽和NaHCO3溶液を加えてクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(1.04 g、58%)。[M+Na]+ 841。
【0168】
工程17:3-(3-ベンジル-6-ブロモ-2-クロロ-5-((2S,3S,4R,5R,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)フェノキシ)プロパン-1-オール(化合物c19)
アセトン(13 mL)中の3-ベンジル-6-ブロモ-2-クロロ-5-((2S,3S,4R,5R,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)フェノール(1.04 g、1.27 mmol)およびK2CO3(0.35 g、2.54 mmol)の混合物に、2-ブロモエタノール(0.14 mL、1.90 mmol)を室温にて加えた。反応混合物を50℃にて12時間攪拌した。得られる混合物をろ過して、無機物質を除去した。ろ液を真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、化合物c19を得た(1.10 g、100%)。[M+Na]+ 899。
【0169】
工程18:(2S,3S,4R,5R,6R)-2-(5-ベンジル-2-ブロモ-4-クロロ-3-(2-クロロエトキシ)フェニル)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン(化合物c20)
CH3CN(12 mL)中の3-(3-ベンジル-6-ブロモ-2-クロロ-5-((2S,3S,4R,5R,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)フェノキシ)プロパン-1-オール(1.09 g、1.25 mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.64 g、6.28 mmol)の混合物に、四塩化炭素(12 mL、134 mmol)を室温にて加えた。反応混合物を55℃にて12時間攪拌した。得られる混合物を蒸発させて、溶媒を除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(0.61 g、55%)。[M+Na]+ 903。
【0170】
工程19:6-ベンジル-7-クロロ-4-((2S,3S,4R,5R,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(化合物c21)
THF(114 mL)中の(2S,3S,4R,5R,6R)-2-(5-ベンジル-2-ブロモ-4-クロロ-3-(2-クロロエトキシ)フェニル)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン(10.02 g、11.4 mmol)の混合物に、n-ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、6.8 mL、17.0 mmol)を-78℃にて滴下した。反応混合物を-78℃にて3時間攪拌した。得られる混合物に、1N HCl溶液(100 mL)を加えてクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(6.0 g、69%)。[M+Na]+ 789。
【0171】
工程20:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(6-ベンジル-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c22)
MeOH(220 mL)/THF(220 mL)中の6-ベンジル-7-クロロ-4-((2S,3S,4R,5R,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(6.0 g、7.82 mmol)およびPd/C(0.35 g、2.54 mmol)の混合物を、H2下、室温にて5時間を攪拌した。得られる混合物をセライトでろ過して無機物質を除去した。ろ液を真空濃縮して、標記化合物を得た(定量的収量)。粗生成物をさらに精製することなく次工程に用いた。
1H NMR(400 MHz、CD3OD) δ 7.28-7.14(m、5H)、6.89(s、1H)、4.65(t、J = 8.6 Hz、2H)、4.17(d、J = 8.8 Hz、1H)、)、4.07(ABq、ΔνAB = 18.0 Hz、JAB = 15.0 Hz、2H)、3.90(dd、J = 11.8、1.4 Hz、1H)、3.72-3.67(m、1H)、3.53-3.42(m、3H)、3.40-3.37(m、2H);[M+Na]+ 507。
【0172】
工程21:(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(6-ベンジル-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(化合物c23)
CH2Cl2(78 mL)中の(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(6-ベンジル-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの混合物に、Ac2O(5.9 mL、62.6 mmol)、ピリジン(5.0 mL、62.6 mmol)、およびDMAP(48 mg、0.39 mmol)を室温にて加えた。反応混合物を室温にて12時間攪拌した。得られる混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl溶液で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(4.54 g、100%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.32-7.28(m、2H)、7.25-7.18(m、3H)、6.59(s、1H)、5.30(t、J = 9.2 Hz、2H)、5.19(t、J = 9.6 Hz、1H)、4.77-4.68(m、2H)、4.35-4.32(m、1H)、4.31-4.26(m、1H)、4.21-4.14(m、1H)、4.11(m、1H)、4.02(d、J = 15.6 Hz、1H)、3.83-3.79(m、1H)、3.42(td、J = 8.8、1.6 Hz、2H)、2.10(s、3H)、2.09(s、3H)、2.03(s、3H)、1.70(s、3H);[M+Na]+ 597。
【0173】
工程22:(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(6-(4-アセチルベンジル)-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(化合物c24)
CH2Cl2(78 mL)中の(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(6-ベンジル-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(3.75 g、6.52 mmol)の混合物に、アセチルクロリド(3.71 mL、52.16 mmol)およびアルミニウムクロリド(6.95 mg、52.16 mmol)を0℃にて滴下した。反応混合物を室温にて12時間攪拌した。得られる混合物に、氷-水を加えてクエンチし、CH2Cl2で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(3.73 g、93%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.92-7.89(m、2H)、7.29-7.28(m、2H)、6.63(s、1H)、5.34-5.31(m、1H)、5.24-5.18(m、2H)、4.78-4.68(m、2H)、4.37-4.27(m、2H)、4.19-4.16(m、1H)、4.16-4.08(m、2H)、3.84-3.77(m、1H)、3.45-3.40(m、2H)、2.61(s、3H)、2.10(s、3H)、2.09(s、3H)、2.03(s、3H)、1.70(s、3H);[M+Na]+ 639。
【0174】
工程23:(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(7-クロロ-6-(4-(1-ヒドロキシエチル)ベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(化合物c25)
THF(7 mL)中の(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(6-(4-アセチルベンジル)-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(1.0 g、1.62 mmol)の混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(0.12 g、3.24 mmol)を-20℃にてゆっくりと加え、次いで、混合物にMeOH(0.24 mL)を滴下した。混合物を室温にて3時間攪拌した。得られる混合物に、飽和NaHCO3を加えてクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(0.52 g、52%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.29-7.27(m、2H)、7.15-7.12(m、2H)、6.54(d、J = 5.2 Hz、1H)、5.29-5.26(m、1H)、5.18-5.13(m、2H)、4.89-4.84(m、2H)、4.71-4.66(m、2H)、4.32-4.29(m、1H)、4.27-4.22(m、1H)、4.15-4.11(m、1H)、4.04-3.96(m、2H)、3.80-3.75(m、1H)、3.40-3.35(m、2H)、2.06(s、3H)、2.05(s、3H)、1.99(s、3H)、1.68(s、3H)、1.47(d、J = 6.4 Hz、3H);[M+Na]+ 641。
【0175】
工程24:(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(7-クロロ-6-(4-ビニルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(化合物c26)
トルエン(10 mL)中の(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(7-クロロ-6-(4-(1-ヒドロキシエチル)ベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(520 mg、0.84 mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(16 mg、0.084 mmol)の混合物を、120℃にて2時間攪拌した。得られる混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層をで乾燥しMgSO4、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(407 mg、81%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.32-7.30(m、2H)、7.12-7.10(m、2H)、6.71-6.63(m、1H)、6.55(s、1H)、5.71-5.66(m、1H)、5.29-5.25(m、1H)、5.25-5.13(m、3H)、4.71-4.66(m、2H)、4.33-4.29(m、1H)、4.28-4.22(m、1H)、4.15-4.11(m、1H)、4.08-3.96(m、2H)、3.79-3.75(m、1H)、3.41-3.35(m、2H)、2.06(s、3H)、2.05(s、3H)、1.99(s、3H)、1.68(s、3H);[M+Na]+ 623。
【0176】
工程25:(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(化合物c27)
CH2Cl2(3 mL)中のジエチル亜鉛(1.1Mトルエン溶液、1.74 mL、1.91 mmol) の溶液に、CH2Cl2(1.5 mL)中のトリフルオロ酢酸(0.15 mL、1.91 mmol)を0℃にて滴下した。1時間後、CH2Cl2(1.5 mL)中のジヨードメタン(0.16 mL、1.91 mmol)を、混合物に0℃にて滴下した。1時間後、CH2Cl2(3 mL)中の(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(7-クロロ-6-(4-ビニルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(460 mg、0.77 mmol)を混合物に0℃にてゆっくりと加えた。反応混合物を室温にて12時間攪拌した。得られる混合物に、飽和NH4Cl溶液を加えてクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム、EtOAc/Hex)で精製して、標記化合物を得た(285 mg、60%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.04-7.02(m、2H)、6.98-6.95(m、2H)、6.53(s、1H)、5.29-5.24(m、1H)、5.18-5.12(m、2H)、4.71-4.65(m、2H)、4.31-4.26(m、1H)、4.25-4.22(m、1H)、4.15-4.11(m、1H)、4.05-3.91(m、2H)、3.79-3.74(m、1H)、3.40-3.35(m、2H)、2.06(s、3H)、2.05(s、3H)、1.99(s、3H)、1.88-1.81(m、1H)、1.66(s、3H)、0.94-0.89(m、2H)、0.66-0.61(m、2H);[M+Na]+ 637。
【0177】
工程26:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c28)
MeOH(20 mL)中の(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(298 mg、0.48 mmol)およびK2CO3(536 mg、3.88 mmol)の混合物を12時間にて12時間攪拌した。得られる混合物をろ過して、無機物質を除去した。ろ液を真空濃縮した。粗生成物を分取HPLC(Gilson system、CH3CN/H2O)で精製して、標記化合物を得た(101 mg、47%)。
【0178】
上記工程1〜26の合成経路によれば、比較例1の最終化合物の総収率は、1%以下であると算出された。
1H NMR(400 MHz、CD3OD) δ 7.02(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.92(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.81(s、1H)、4.59(t、J = 8.8 Hz、2H)、4.11(d、J = 9.2 Hz、1H)、3.96(ABq、ΔνAB = 19.0 Hz、JAB = 15.2 Hz、2H)、3.87-3.84(m、1H)、3.67-3.63(m、1H)、3.47-3.37(m、3H)、3.35-3.33(m、3H)、1.85-1.79(m、1H)、0.91-0.86(m、2H)、0.61-0.57(m、2H);[M+Na]+ 469。
【0179】
実施例1:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの合成
【化41】
【化42】
【0180】
工程1:5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ安息香酸メチル(化合物c29)
CH2Cl2(300 mL)中の5-ブロモ-2-クロロ-3-メトキシ安息香酸メチル(化合物c5;30.0 g、107.3 mmol)の溶液に、BBr3(25.9 mL、268.3 mmol)を、窒素雰囲気下、0℃にてゆっくりと加えた。混合物を、ゆっくりと室温まで温め、室温にて15時間攪拌した。反応混合物に、MeOH(100 mL)を0℃にて加えてクエンチした。混合物を、減圧下で蒸発させて、CH2Cl2を除去し、次いで、MeOH(150 mL)をそれに加えた。得られる混合物を室温にて16時間攪拌した。反応混合物を真空濃縮して、標記化合物を得た(29.4 g、110.8 mmol、103%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.60(d、J = 2.4 Hz、1H)、7.36(d、J = 2.4 Hz、1H)、6.00(s、1H)、3.94(s、1H);[M+H]+ 265。
【0181】
工程2:3-(アリルオキシ)-5-ブロモ-2-クロロ安息香酸メチル(化合物c30)
アセトン(700 mL)中の5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ安息香酸メチル(38.2 g、143.9 mmol)の溶液に、アリルブロミド(14.9 mL、172.7 mmol)およびK2CO3(29.8 g、215.9 mmol)を室温にて加えた。混合物を、60℃にて12時間攪拌し、次いで、室温に冷却した。セライトで不溶塩をろ去した後、ろ液を減圧下で蒸発させ、残渣をEtOAc(500 mL)に溶解させた
有機溶液を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した(44.1 g、144.3 mmol、100%)。粗残渣をさらに精製することなく次工程に用いた。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.49(d、J = 2.4 Hz、1H)、7.16(d、J = 2.4 Hz、1H)、6.09-6.00(m、1H)、5.48(dd、J = 17.2 Hz、1.2 Hz、1H)、5.35(dd、J = 10.6 Hz、1.4 Hz、1H)、4.63-4.61(m、2H)、3.93(s、3H);[M+H]+ 305。
【0182】
工程3:4-アリル-5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ安息香酸メチル(化合物c31)
CH2Cl2(150 mL)中の3-(アリルオキシ)-5-ブロモ-2-クロロ安息香酸メチル(10.0 g、32.7 mmol)の溶液に、ジイソブチルアルミニウムクロリド(25%ヘキサン溶液、64.0 mL)を窒素雰囲気下、0℃にて滴下した(0.5〜1時間)。混合物を、ゆっくりと室温まで温め、室温にてさらに12時間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、1M HCl(50 mL)でクエンチし、次いで、EtOAc(150 mL x 2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した(9.9 g、32.3 mmol、99%)。粗残渣をさらに精製することなく次工程に用いて、標記化合物を得た。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.23(s、1H)、6.20(s、1H)、5.96-5.86(m、1H)、5.11-5.07(m、2H)、3.92(s、3H)、3.65(dt、J = 5.4 Hz、1.4 Hz、2H);[M+H]+ 305。
【0183】
工程4:5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエチル)安息香酸メチル(化合物c33)
方法A)アルデヒドの還元による合成
THF/H2O(100 mL/100 mL)中の4-アリル-5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ安息香酸メチル(9.9 g、32.3 mmol)の混合物に、NaIO4(20.8 g、97.0 mmol)およびOsO4(82 mg、0.32 mmol)を0℃にて加えた。0℃にて1時間攪拌した後、反応混合物を室温に温め、室温にて2時間攪拌した。混合物をろ過して、不溶物質を除去した。ろ液をNa2S2O3の飽和溶液(100 mL)に注ぎ入れ、混合物をEtOAc(200 mL x 2)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した(9.0 g、29.4 mmol、91%)。粗残渣をさらに精製することなく次工程に用いて、5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-(2-オキソエチル)安息香酸メチル(化合物c32)を得た。[M+H]+ 307。
【0184】
THF(200 mL)中の5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-(2-オキソエチル)安息香酸メチル(20.1 g、65.3 mmol)の溶液に、NaBH4(2.72 g、71.8 mmol)を、窒素雰囲気下、0℃にて加えた。反応混合物を0℃にて2時間攪拌した。混合物を、飽和NH4Cl(100 mL)でクエンチし、EtOAc(100 mL x 2)で抽出した[1回の抽出では十分ではなかった]。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した(19.9 g)。EtOAc(20 mL)中の残渣の懸濁液に、ヘキサン(10〜20 mL)を加えた。得られる沈殿をろ過により集め、ヘキサン(50 mL)で洗浄した。沈殿を真空乾燥して、標記化合物を得た(14.3g、72%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.68(s、1H)、7.35(s、1H)、3.97-3.93(m、2H)、3.92(s、3H)、3.21(t、J = 6.2 Hz、2H);[M+H]+ 309。
【0185】
方法B)オゾン化およびその後の還元による合成
CH2Cl2/MeOH(150 mL/35 mL)中の4-アリル-5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ安息香酸メチル(10.2 g、33.4 mmol、純度80%)にオゾンガスを-78℃にて4時間バブリングした(溶液の色は、黄色から淡い緑色に変化した)。オゾン添加を停止した後、緑色が消えるまで、反応溶液を窒素でパージした(溶液の色は黄色に戻った)。水素化ホウ素ナトリウム(2.5g、66.8mmol)を-78℃にて少しずつ加えた。得られる混合物を室温までゆっくり2時間温め、濃縮し、EtOAcに懸濁し、濃縮した。残渣に、1N HCl水溶液(200 ml)を加え、30分間攪拌した。沈殿をろ過により集めた(定量的、純度80%)。沈殿をEtOAcに懸濁させ、攪拌した。得られる混合物に、ヘキサンをゆっくりと加えた。ろ過により沈殿を得て、標記化合物を得た(7.9 g、76.4%、純度92%)。
1H NMR(400 MHz、MeOD) δ 7.57(s、1H)、3.93(s、3H)、3.76(t、J = 7.24 Hz、2H)、3.20(t、J = 7.28 Hz、2H);[M+H]+ 309。
【0186】
工程5:4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-カルボン酸メチル(化合物c34)
ビルスマイヤー試薬の調製:N,N-ジメチルホルムアミド(7.9 ml、102.2 mmol)の溶液に、SOCl2(7.5 ml、102.2 mmol)を室温にて加えた。反応混合物を40℃にて2時間攪拌した。得られる混合物を真空濃縮して、含水白色固体を得た。
【0187】
DMF(100 mL)中のビルスマイヤー試薬(13.08 g、102.2 mmol)の混合物に、DMF(130 mL)中の5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエチル)安息香酸メチル(21.08 g、68.10 mmol)を0℃にてゆっくりと加えた。混合物を0℃〜15℃(段階的加温)にて1時間攪拌した。反応混合物に、DMF(38 ml)中のトリエチルアミン(38 ml、272.4 mmol)を0℃にて加えてクエンチした。10分間攪拌した後、混合物に水(1400 ml)を0℃にて注ぎ入れ、室温にて2時間攪拌した。得られる沈殿をろ過により集め、水で洗浄し、真空乾燥濃縮して、標記化合物を淡黄色固体で得た(13.0 g、44.6 mmol、65%)
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.53(s、1H)、4.75(t、J = 8.8 Hz、2H)、3.91(s、3H)、3.33(t、J = 8.8 Hz、2H);[M+H]+ 291。
【0188】
工程6:(4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-イル)メタノール(化合物c35)
THF/EtOH(150 mL/75 mL)中の4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-カルボン酸メチル(13.0 g、44.7 mmol)の混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(5.07 g、133.98 mmol)を室温にてゆっくりと加えた。混合物を室温にて12時間攪拌した。得られる混合物に、飽和NH4Clを0℃にて加えてクエンチし、EtOAcで抽出した(水性pH 〜7.0)。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、標記化合物を白色固体で得た(11.7 g、44.4 mmol、99 %)。粗生成物をさらに精製することなく次工程に用いた。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.15(s、1H)、4.73(m、4H)、3.29(t、J = 8.8 Hz、2H)、1.91(t、J = 6.4 Hz、1H);[M-H2O]+ 245。
【0189】
工程7:4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-カルボアルデヒド(化合物c36)
CH2Cl2(450 ml)中の(4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-イル)メタノール(11.7 g、44.4 mmol)の溶液に、PCC(14.4 g、66.6 mmol、ピリジニウムクロロクロメート)を室温にてゆっくりと加えた。8時間攪拌した後、シリカゲルパッドを用いて沈殿をろ去し、CH2Cl2で洗浄した。ろ液を真空濃縮して、標記化合物を白色固体で得た(10.4 g、39.8 mmol、90 %)。粗生成物をさらに精製することなく次工程に用いた。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 10.33(s、1H)、7.59(s、1H)、4.79(t、J = 8.8 Hz、2H)、3.35(t、J = 8.8 Hz、2H);[M+H]+ 261。
【0190】
工程8:(4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-イル)(4-シクロプロピルフェニル)メタノール(化合物c39)
(4-シクロプロピルフェニル)マグネシウムブロミド(化合物c38)の調製:マグネシウム(削りくず状、1.1 g、46.6 mmol)を入れた250 mL三つ首フラスコを火力乾燥した。窒素雰囲気下、フラスコに冷却器および添加ロートを取り付けた。無水THF(32.4 mL)中の4-シクロプロピルフェニルブロミド(PepTech、USA)(6.0 ml、42.4 mmol)を添加ロートに移した。約5 mLの4-シクロプロピルフェニルブロミド溶液でグリニャール反応を開始した。残りのブロミド溶液を室温にて4時間加えた。得られる溶液を次工程にそのまま用いた。
【0191】
無水THF(170 mL)中の4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-カルボアルデヒド(4.6 g、17.6 mmol)の溶液に、(4-シクロプロピルフェニル)マグネシウムブロミドの新たに調製した溶液(化合物c38)(30.0 mLの0.85M THF溶液、26.4 mmol)を窒素雰囲気下、0℃にて加えた。反応混合物を0℃にて30分間攪拌した。反応混合物に、水(100 mL)を加えてクエンチし、EtOAc100 mL)で抽出した(。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、粗標記生成物を得た(7.6 g、20.0 mmol、114%)。粗残渣をさらに精製することなく次工程に用いて、粗標記化合物を得た。[M-H2O]+ 361。
【0192】
工程9:4-ブロモ-7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(化合物c40)
CH2Cl2/CH3CN(100 mL/ 100 mL)中の(4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-イル)(4-シクロプロピルフェニル)メタノール(7.6 g、20.0 mmol)の溶液に、トリエチルシラン(4.6 mL、40 mmol)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(3.8 mL、30 mmol)を窒素雰囲気下、-20℃にて加えた。混合物を、徐々に室温まで温め、室温にてさらに50分間攪拌。反応混合物に飽和NaHCO3溶液(200 mL)をゆっくりと加えてクエンチし、EtOAc(100 mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標記生成物を得た(4.4 g、12.1 mmol、2工程で85%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.07(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.99(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.80(s、1H)、4.70(t、J = 8.8 Hz、2H)、3.97(s、2H)、3.26(t、J = 8.8 Hz、2H)、1.88-1.84(m、1H)、0.95-0.90(m、2H)、0.68-0.64(m、2H)。
【0193】
工程10:(3R,4S,5R,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3,4,5-トリス(トリメチルシリルオキシ)-6-((トリメチルシリルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オール(化合物c41)
テトラヒドロフラン(80 mL)中の4-ブロモ-7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(5.16 g、14.2mmol)の溶液に、n-ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、7.38 mL、18.4 mmol)を窒素雰囲気下、-78℃にて滴下した。同じ温度で40〜60分間攪拌した後(黄色がかった溶液)、混合物に、テトラヒドロフラン(20 mL)中の(3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリス((トリメチルシリル)オキシ)-6-(((トリメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(化合物c11;8.6 g、18.4mmol)の予め冷却した(-78℃にて)溶液をカニューレで20分間滴下した。反応混合物を同じ温度で2〜3時間攪拌した(黄色がかった溶液)。
【0194】
反応混合物に、-78℃にて1%酢酸(20 mL)を加えてクエンチし、次いで、減圧蒸発させて、揮発物を除去した。水性残渣をEtOAc(150 mL x 2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、粗標記化合物を淡黄色油状物で得た(11.8 g、定量的)。粗残渣をさらに精製することなく次工程に用いた。
【0195】
工程11:(3R,4S,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)-2-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c42)
MeOH(150 mL)中の(3R,4S,5R,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3,4,5-トリス(トリメチルシリルオキシ)-6-((トリメチルシリルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オール;11.8 g)の溶液に、CH3SO3H(1.5 mL、23.5 mmol)を0℃にて滴下した。混合物を、18時間にわたって室温まで温め、次いで、飽和NaHCO3で0℃にてクエンチした。混合物を、減圧蒸発させて、揮発物を除去した。水性残渣をEtOAc(100 mL x 2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、粗標記化合物を黄色固体で得た(6.0 g、2工程で88%)。[M+Na]+499 および[M-OMe]+ 445。
【0196】
工程12:(3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c43)
CH2Cl2/CH3CN(v:v=1:1、120 mL)中の(3R,4S,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)-2-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(6.0 g、12.6 mmol)の攪拌溶液に、Et3SiH(6.0 mL、37.8 mmol)、次いで、BF3.OEt2(3.2 mL、25.2 mmol)を-50〜-45℃にて滴下した。反応混合物を3〜3.5時間にわたって-10〜0℃まで温めた後、飽和NaHCO3(130 mL)でクエンチした。混合物を、減圧下で蒸発させて、揮発物を除去し、得られる残渣をEtOAc(150 mL x 2)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、粗標記化合物を黄色固体で得た(5.8 g、12.9 mmol、102 %)。[M+Na]+ 469。
【0197】
工程13:(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(化合物c27)
CH2Cl2(120 mL)中の(3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール( 5.8 g、12.9 mmol)の溶液に、DMAP(1.9 g、15.5mmol)およびAc2O(9.7 mL、103.76 mmol)を室温にて加えた。室温にて18時間攪拌した後、水(120 mL)を加えて反応を停止した。得られる混合物をCH2Cl2(100 mL x 2)で抽出した。1M HCl および食塩水で洗浄した後、合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧蒸発させる(7.0 g、粗物質)。EtOH(45 mL)でスラリー化した残渣を、80℃にて1時間加熱還流した。混合物を18時間攪拌しながら室温に冷却した。得られる沈殿をろ過し、EtOHで洗浄し、真空乾燥して、標記化合物を白色固体で得た(4.7g、7.6 mmol、59 %)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.04-7.02(m、2H)、6.98-6.95(m、2H)、6.53(s、1H)、5.29-5.24(m、1H)、5.18-5.12(m、2H)、4.71-4.65(m、2H)、4.31-4.26(m、1H)、4.25-4.22(m、1H)、4.15-4.11(m、1H)、4.05-3.91(m、2H)、3.79-3.74(m、1H)、3.40-3.35(m、2H)、2.06(s、3H)、2.05(s、3H)、1.99(s、3H)、1.88-1.81(m、1H)、1.66(s、3H)、0.94-0.89(m、2H)、0.66-0.61(m、2H); [M+Na]+ 637。
【0198】
工程14:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c28)
THF/MeOH(5.4 mL/10.8 mL;0.15 M)中の(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(1.5 g、2.44 mmol)の溶液に、4M NaOH水溶液(2.8 mL)を加えた。反応混合物を室温にて1.5時間攪拌した。溶液を0℃に冷却した後、1N HClで中和した。反応溶液をEtOAcおよび水で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、粗標記化合物を得た。
【0199】
トルエン(8 mL)中の粗標記化合物の懸濁液を、40℃にて30分間加熱し(粘性溶液→透明溶液→白色固体の生成)、室温に冷却した。スラリーをろ過用ロートでろ過し、ケーキをその体積の2倍量のトルエンで洗浄した。湿ったケーキを真空乾燥して、1.0g(2.24mmol、定量的)の標記化合物を得た。
【0200】
上記工程1〜14の合成経路によれば、実施例1の最終化合物の総収率は約12%であると算出された。
1H NMR(400 MHz、CD3OD) δ 7.02(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.92(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.81(s、1H)、4.59(t、J = 8.8 Hz、2H)、4.11(d、J = 9.2 Hz、1H)、3.96(ABq、ΔνAB = 19.0 Hz、JAB = 15.2 Hz、2H)、3.87-3.84(m、1H)、3.67-3.63(m、1H)、3.47-3.37(m、3H)、3.35-3.33(m、3H)、1.85-1.79(m、1H)、0.91-0.86(m、2H)、0.61-0.57(m、2H);[M+Na]+ 469。
【0201】
実施例2:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの合成
【化43】
【0202】
工程1:(3R,4S,5R,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3,4,5-トリス(トリメチルシリルオキシ)-6-((トリメチルシリルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オール(化合物c41)
テトラヒドロフラン(140 mL)中の4-ブロモ-7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(化合物c40、5.00 g、13.8 mmol)の溶液に、n-ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、8.28 mL、20.7 mmol)を、窒素雰囲気下、-78℃にて滴下した。同じ温度で5分間攪拌した後、混合物に、テトラヒドロフラン中のTMS-保護ラクトン(化合物c11;7.70 g、16.6 mmol)の溶液を30分間滴下した。反応混合物を同じ温度で1時間攪拌した。反応混合物に、飽和NH4Cl水溶液(300 mL)を0℃にて加えてクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、粗標記化合物を黄色油状物で得た(10.3 g、定量的)。粗残渣をさらに精製することなく次工程に用いた。
【0203】
工程2:(3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c43)
CH2Cl2(70 mL)およびCH3CN(70 mL)中の粗(3R,4S,5R,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3,4,5-トリス(トリメチルシリルオキシ)-6-((トリメチルシリルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オール(10.3 g)に、トリエチルシラン(8.8 mL、55.2 mmol)およびTMSOTf(10 mL、55.2 mmol)を-78℃にて加えた。-78℃にて1時間攪拌した後、反応混合物に、水(200 mL)を0℃にて加えてクエンチし、CH2Cl2(300 mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、粗標記化合物を黄色油状物で得た(6.3 g、定量的)。粗残渣をさらに精製することなく次工程に用いた。
【0204】
工程3:(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(化合物c27)
CH2CL2(140 mL)中の(3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(6.3 g、13.8 mmol)の溶液に、DMAP(0.84 g、6.9 mmol)およびAc2O(13.0 mL、13.8 mmol)を室温にて加えた。室温にて18時間攪拌した後、反応混合物に、水(120 mL)を加えてクエンチし、DCM(200 mL)で抽出した。有機層をNaHCO3水溶液(100 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。イソプロピルアルコール(20 mL)中のスラリー化した残渣を80℃にて10分間加熱し、室温に冷却した。次いで、得られる沈殿をろ過し、真空濃縮して、標記化合物をβ型白色固体で得た(4.52 g、7.35 mmol、53%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.04-7.02(m、2H)、6.98-6.95(m、2H)、6.53(s、1H)、5.29-5.24(m、1H)、5.18-5.12(m、2H)、4.71-4.65(m、2H)、4.31-4.26(m、1H)、4.25-4.22(m、1H)、4.15-4.11(m、1H)、4.05-3.91(m、2H)、3.79-3.74(m、1H)、3.40-3.35(m、2H)、2.06(s、3H)、2.05(s、3H)、1.99(s、3H)、1.88-1.81(m、1H)、1.66(s、3H)、0.94-0.89(m、2H)、0.66-0.61(m、2H); [M+Na]+ 637。
【0205】
工程4:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c28)
MeOH(70 mL)中の、(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(4.52 g、7.35 mmol)の溶液にNaOMe(25 wt%、0.35 mL)を加えた。室温にて18時間攪拌した後、反応混合物を真空濃縮し、水(200 mL)で希釈し、EtOAc(300 mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣をトルエン中での再結晶化により精製して、β型の標記化合物を黄色固体で得た(3.16 g、96%)。
1H NMR(400 MHz、CD3OD) δ 7.02(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.92(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.81(s、1H)、4.59(t、J = 8.8 Hz、2H)、4.11(d、J = 9.2 Hz、1H)、3.96(ABq、ΔνAB = 19.0 Hz、JAB = 15.2 Hz、2H)、3.87-3.84(m、1H)、3.67-3.63(m、1H)、3.47-3.37(m、3H)、3.35-3.33(m、3H)、1.85-1.79(m、1H)、0.91-0.86(m、2H)、0.61-0.57(m、2H);[M+Na]+ 469。
【0206】
実施例3:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-メトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-チオピラン-3,4,5-トリオールの合成
【化44】
【0207】
工程1:(3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)-2-(7-クロロ-6-(4-メトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-チオピラン-2-オール(化合物c52)
4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-カルボアルデヒドを出発物質として用い、(4-メトキシフェニル)マグネシウムブロミド(化合物c48)をグリニャール試薬として用いる以外は、実施例4の工程8の合成手順を繰り返して、(4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-イル)(4-メトキシフェニル)メタノール(化合物c49)を得た。次いで、(4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-イル)(4-メトキシフェニル)メタノール(化合物c49)を出発物質として用いる以外は、実施例4の工程9の合成手順を繰り返して、4-ブロモ-7-クロロ-6-(4-メトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(化合物c50)を得た。
【0208】
テトラヒドロフラン(8 mL)中の4-ブロモ-7-クロロ-6-(4-メトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(化合物c50、859 mg、2.43 mmol)の溶液に、n-ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、1.3 mL、3.24 mmol)を、窒素雰囲気下、-78℃にて滴下し、混合物を同じ温度で1.5時間攪拌した。次いで、テトラヒドロフラン(4 mL)中(3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-チオピラン-2-オン(化合物c51、898 mg、1.62 mmol、この化合物は、H. Driguez およびB. Henrissat、Tetrahedron Lett. 1981、22、5061-5062、Kakinuma、H.、et al.、J. Med. Chem. 2010、53、3247-3261を参照して合成された)の溶液を滴下し、混合物を同じ温度で1.5時間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム溶液を添加してクエンチした。添加完了後、溶液を室温まで徐々に上昇させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、粗化合物(3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)-2-(7-クロロ-6-(4-メトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-チオピラン-2-オール(定量的収率)を得た。
【0209】
工程2:7-クロロ-6-(4-メトキシベンジル)-4-((2S,3R,4R,5S,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-チオピラン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(化合物c53)
ジクロロメタン(16 mL)中のラクトール(c52)の-20℃にて攪拌した溶液に、トリエチルシラン(1.6 mL、9.72 mmol)、次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(0.8 mL、6.48 mmol)を、温度が-20〜0℃の間に維持されるような速度で加えた。1.5時間にわたって溶液を0℃に温めた後、飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチした。有機揮発物を減圧下で除去した後、残渣を酢酸エチルおよび水に分配した。水層を酢酸エチルで抽出した後、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル3〜25%のヘキサン溶液)で精製して、7-クロロ-6-(4-メトキシベンジル)-4-((2S,3R,4R,5S,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-チオピラン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフランの粗化合物を白色固体で得た(603 mg、2工程で46%)。[M+Na]+ 835。
【0210】
工程3:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-メトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-チオピラン-3,4,5-トリオール(化合物c47)
ジクロロメタン(8 mL)中の7-クロロ-6-(4-メトキシベンジル)-4-((2S,3R,4R,5S,6R)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-チオピラン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(c53、570 mg、0.70 mmol)の溶液に、BCl3(1.0M in ジクロロメタン溶液、2.8 mL)を0℃にて加えた。反応混合物を0℃にて1時間攪拌した。メタノールで反応をクエンチした後、溶媒を減圧下で蒸発させた。逆相分取HPLC(Gilson、SunFire(商標) Prep、5〜50% アセトニトリル/水勾配)により精製して、標記化合物を白色固体で得た(18 mg、6%)。
1H NMR(400 MHz、CD3OD) δ 7.07(d、J = 8.4 Hz、2H)、6.79(d、J = 8.8 Hz、2H)、6.76(s、1H)、4.63(td、J = 8.0、1.6 Hz、2H)、3.95(s、2H)、3.92(d、J = 3.6 Hz、1H)、3.79-3.75(m、3H)、3.74(s、3H)、3.71(d、J = 6.4 Hz、1H)、3.56(dd、J = 10.0、8.8 Hz、1H)、 3.42-3.35(m、2H)、3.24-3.20(m、1H)、3.01-2.96(m、1H)、0.90(t、J = 7.2 Hz、3H);[M+Na]+ 475。
【0211】
実施例4:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-エトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(メチルチオ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの製造
【化45】
【0212】
工程1:((3aS,5S,6R,6aS)-5-(Hydrオキシメチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,2-d][1,3]ジオキソール-6-オール
アセトン(190 mL)中のL-(-)-キシロース(19.15 g、127.5 mmol)およびMgSO4(30.72 g、255.0 mmol)の懸濁液に、濃H2SO4(1.9 mL)を室温にて加えた。12時間後、反応混合物(すべてのL-(-)-キシロースが消費された)をろ過し、合わせた固体をアセトン(1回の洗浄当たり20 mL)で2回洗浄した。黄色のろ液を撹拌しながらNH4OH溶液で約pH9に中和した。懸濁した固体をろ去した。ろ液を濃縮して、ビスアセトニド中間体を黄色油状物で得た。黄色油状物をに水(5 mL)懸濁し、次いで、1N HCl水溶液でpHを9から2に調節した。反応混合物を室温にて12時間攪拌した。得られる混合物を、25%(w/w)K3PO4水溶液の添加により、pHが約7になるまで中和した。混合物を、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標記化合物を黄色油状物で得た(12.63 g、52%)。
1H NMR(400 MHz、CD3OD) δ 5.88(d、J = 4.0 Hz、1H)、4.47(d、J = 4.0 Hz、1H)、4.18-4.14(m、1H)、4.11(d、J = 2.8 Hz、1H)、3.83-3.71(m、2H)、1.45(s、3H)、1.29(s、3H)。
【0213】
工程2:(3aS,5R,6S,6aS)-6-Hydrオキシ-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,2-d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸
アセトン/水(120 mL/40 mL)中の((3aS,5S,6R,6aS)-5-(ヒドロキシメチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,2-d][1,3]ジオキソール-6-オール(14.6 g、76.7 mmol)、NaHCO3(19.3 g、230.3 mmol)、およびNaBr(1.6 g、15.4 mmol)の溶液に、TEMPO(0.24 g、1.5 mmol)を室温にて加えた。混合物を、0℃に冷却し、次いで、トリクロロイソシアヌル酸(17.8 g、76.7 mmol)を少しずつ加えた。懸濁液を室温にて12時間攪拌した。メタノール(2.0 mL)を加え、混合物を室温にて2時間攪拌した。混合物を、ろ過し、アセトンで洗浄した(2回、1回の洗浄当たり20 mL)。有機溶媒を真空除去し、水層をEtOAcで抽出し、有機層を真空濃縮した。それにアセトンを加え、混合物をろ過した。ろ液を濃縮して、所望の酸を淡黄色固体で得た(9.0 g、58%)。
1H NMR(400 MHz、CD3OD) δ 5.98(d、J = 3.6 Hz、1H)、4.71(d、J = 3.2 Hz、1H)、4.51(d、J = 3.6 Hz、1H)、4.36(d、J = 3.6 Hz、1H)、1.45(s、3H)、1.31(s、3H)。
【0214】
工程3:((3aS,5R,6S,6aS)-6-Hydrオキシ-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,2-d][1,3]ジオキソール-2-イル)(モルホリノ)メタノン(化合物c56)
テトラヒドロフラン中の(3aS,5R,6S,6aS)-6-ヒドロキシ-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,2-d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸(9.0 g、44.2 mmol)およびHBTU(25.1 g、66.3 mmol、ヘキサフルオロリン酸N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウム)の懸濁液に、4-メチルモルホリン(7.3 mL、66.3 mmol)を室温にて加えた。1時間後、混合物に、モルホリン(5.8 mL、66.3 mmol)を室温にて加えた。12時間後、得られる混合物をろ過し、ろ過ケーキをテトラヒドロフランで洗浄した。ろ液を真空濃縮し、粗物質をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標記化合物を黄色固体で得た(5.8 g、48%)。
1H NMR(400 MHz、CD3OD) δ 6.01(d、J = 3.6 Hz、1H)、5.10(s、1H)、4.59(d、J = 2.4 Hz、1H)、4.57(d、J = 3.6 Hz、1H)、4.47(d、J = 2.4 Hz、1H)、3.85-3.62(m、6H)、3.53-3.49(m、2H)、1.49(s、3H)、1.33(s、3H)。[M + H]+ 274。
【0215】
工程4:(7-クロロ-6-(4-エトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)((3aS,5R,6S,6aS)-6-ヒドロキシ-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-5-イル)メタノン(化合物c58)
THF(17.5 mL)中の4-ブロモ-7-クロロ-6-(4-エトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(化合物c57、0.7 g、1.90 mmol)の溶液に、n-BuLi(2.5Mヘキサン溶液、0.9 mL、2.28 mmol)を-78℃にて加えた。1時間後、混合物に、THF(8.0 mL)中の((3aS,5R,6S,6aS)-6-ヒドロキシ-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,2-d][1,3]ジオキソール-5-イル)(モルホリノ)メタノン(化合物c56、0.17 g、0.63 mmol)を-78℃にて滴下した。4時間後、得られる混合物に、飽和NH4Cl溶液を加えてクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage Isolera(商標) FLASH精製システム)で精製して、標記化合物を得た(0.13 g、43%);[M + H]+ 475。
【0216】
工程5:(3aS,5S,6R,6aS)-5-((S)-(7-クロロ-6-(4-エトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)(ヒドロキシl)メチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-6-オール(化合物c59)
メタノール(18 mL)中の(7-クロロ-6-(4-エトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)((3aS,5R,6S,6aS)-6-ヒドロキシ-2,2-ジメチルテトラヒドロフラン[2,3-d][1,3]ジオキソール-5-イル)メタノン(0.13 g、0.27 mmol)の溶液に、CeCl3.7H2O(0.12 g、0.32 mmol)を加え、混合物を、すべての固体が溶解するまで室温にて攪拌した。次いで、混合物を-78℃に冷却し、NaBH4(0.012 g、0.32 mmol)を少しずつ加えた。混合物を-78℃にて2時間攪拌し、ゆっくりと0℃に温め、飽和NH4Cl溶液でクエンチした。混合物を、減圧濃縮して、CH3OHを除去し、EtOAcで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗標記化合物を高真空乾燥し、白色固体(0.13 g)として精製することなく次工程に用いた。
[M + Na]+ 499。
【0217】
工程6:(3S,4R,5S,6S)-6-(7-クロロ-6-(4-エトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2,3,4,5-テトライル テトラアセテート(化合物c60)
AcOH/水(4.0/2.5 mL)中の(3aS,5S,6R,6aS)-5-((S)-(7-クロロ-6-(4-エトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)(ヒドロキシl)メチル]-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-6-オール(0.13 g、0.27 mmol)の溶液を、100℃にて12時間攪拌した。得られる混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。粗油状物をピリジン(0.7 mL)中の無水酢酸(0.2 mL、2.16 mmol)で0℃にて処理した。混合物を、室温にて8時間攪拌した。得られる混合物に、水を加えてクエンチし、EtOAcで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標記化合物を白色固体で得た(0.16 g、96%)。[M + Na]+ 627。
【0218】
工程7:(2S,3S,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-エトキシベンジル)-2,3- ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(メチルチオ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(化合物c61)
1,4-ジオキサン(3.1 mL)中の(3S,4R,5S,6S)-6-(7-クロロ-6-(4-エトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2,3,4,5-テトライル テトラアセテート(160 mg、0.26 mmol)およびチオウレア(39 mg、0.52 mmol)の溶液に、TMSOTf(70 μl、0.39 mmol)を加え、反応混合物を80℃にて4時間加熱した。混合物を、室温に冷却し、それにMeI(40 μl、0.65 mmol)およびDIPEA(452 μl、2.60 mmol)を加え、3時間攪拌した。得られる混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗標記化合物を高真空乾燥し、白色固体(150 mg、48%)として精製することなく次工程に用いた。[M + Na]+ 615。
【0219】
工程8:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-エトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(メチルチオ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c54)
CH3OH(0.7 mL)中の(2S,3S,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-エトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(メチルチオ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(150 mg、0.25 mmol)の懸濁液に、NaOMe(触媒量、25%CH3OH溶液)を室温にて加えた。20時間後、得られる混合物を真空濃縮した。粗生成物をEtOAcで希釈し、膜でろ過した。粗生成物を分取HPLC(Gilson system、CH3CN/H2O)で精製して、標記化合物を得た(41 mg、35%)。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.09(d、J = 8.4 Hz、2H)、6.80(d、J = 8.8 Hz、2H)、6.68(s、1H)、4.69-4.64(m、2H)、4.35(d、J = 10.0 Hz、1H)、4.20(d、J = 9.2 Hz、1H)、4.02-3.88(m、4H)、3.67-3.65(m、2H)、3.61-3.58(m、1H)、3.56-3.52(m、1H)、3.42-3.40(m、2H)、3.29-3.27(m、2H)、2.17(s、3H)、1.40(t、J = 7.0 Hz、3H);[M+Na]+ 489。
【0220】
実施例5:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-エチルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(メチルチオ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの製造
工程4において4-ブロモ-7-クロロ-6-(4-エトキシベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフランの代わりに4-ブロモ-7-クロロ-6-(4-エチルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフランを用いる以外は、実施例4の合成手順を繰り返して、標記化合物を得た。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 7.10-7.90(m、4H)、6.71(s、1H)、4.68-4.62(m、2H)、4.33(d、J = 9.6 Hz、1H)、4.18(d、J = 9.2 Hz、1H)、4.07-4.00(m、2H)、3.63-3.57(m、3H)、3.52-3.49(m、1H)、3.39-3.37(m、2H)、3.27-3.25(m、2H)、2.60(q、J = 7.4 Hz、2H)、2.15(s、3H)、1.20(t、J = 7.6 Hz、3H);[M+Na]+ 473。
【0221】
実施例6:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの製造
【化46】
【0222】
工程1:(3R,4S,5S,6R)-2-[7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル])-6-(ヒドロキシメチル)-2-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c42)
下記の経路1aまたは1bにより標記化合物を合成した。
【0223】
(1a)反応容器に、4-ブロモ-7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(250 g、0.687 mol)、(3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリス((トリメチルシリル)オキシ)-6-(((トリメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(642 g、1.38 mol)、および無水テトラヒドロフラン(2.00 L)を、窒素下、室温にて滴下し、混合物を完全に溶解させた。反応容器を-78℃に冷却した後、内部温度を-60℃以下に維持しながら、それにn-ブチルリチウム(550 mL、2.0Mヘキサン溶液、1.38 mol)を1時間滴下した。n-ブチルリチウムの滴下が完了したら、混合物を-78℃にて40分間さらに攪拌した。内部温度を-30℃以下に維持しながら、反応混合物に濃塩酸/メタノール(152 mL/1,750 mL)溶液を20分間滴下した。滴下が完了したら、反応容器を室温にし、18時間攪拌した。反応の完了を確認した後、反応容器を0℃に冷却し、それに飽和NaHCO3水溶液(2.5 L)を加え、pHメーターを用いてpHを9〜10に調節し、次いで、真空濃縮器を用いて反応溶媒を除去した。濃縮液をEtOAc(2.5 L)、蒸留水(1.25 L)、および食塩水(1.25 L)で希釈し、層状にした。次いで、有機層をプールし、水層をEtOAc(2 x 1.25 L)で抽出した。有機層を合わせ、蒸留水(2.5 L)および食塩水(2.5 L)ですすいだ。有機層をMgSO4(50 g)で乾燥し、ろ過した。次いで、ろ液を減圧濃縮して、溶媒を除去した。残渣をトルエン(500 mL)で希釈する操作、および減圧下での蒸留による除去を行う操作を2回繰り返し、標記化合物を黄色液体で得た(328 g)。粗残渣をさらに精製することなく次工程に用いた。
【0224】
(1b)反応容器に、4-ブロモ-7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(10.0 g、27.5 mol)、(3R,4S,5R,6R)-3,4,5-トリス((トリメチルシリル)オキシ)-6-(((トリメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(25.7 g、54.9 mol)および無水テトラヒドロフラン(80 mL)を、窒素下、室温にて滴下し、混合物を完全に溶解させた。反応容器を-78℃に冷却した後、内部温度を-60℃以下に維持しながら、それにn-ブチルリチウム(22.1 mL、2.5Mヘキサン溶液、54.9 mmol)を15分間滴下した。n-ブチルリチウムの滴下が完了したら、混合物を-78℃にて30分間さらに攪拌した。内部温度を-30℃以下に維持しながら、反応混合物に濃塩酸/メタノール(7.01 mL/70 mL)溶液を10分間滴下した。滴下が完了したら、反応容器を室温にし、18時間攪拌した。反応の完了を確認した後、反応容器を0℃に冷却し、それに飽和NaHCO3水溶液(60 L)を加え、pHメーターを用いてpHを9〜10に調節し、次いで、真空濃縮器を用いて反応溶媒を除去した。濃縮液をEtOAc(60 mL)、蒸留水(60 mL)、および食塩水(60 mL)で希釈し、層状にした。次いで、有機層をプールし、水層をEtOAc(2 x 30 mL)で抽出した。有機層を合わせ、蒸留水(60 mL)および食塩水(60 mL)ですすいだ。有機層をMgSO4(5 g)で乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧濃縮して、溶媒を除去した。残渣をトルエン(50 mL)で希釈し、次いで、トルエン溶液をヘキサン(200 mL)に、ヘキサンを攪拌しながら室温にてゆっくりと滴下した。得られる懸濁液を同じ温度で1時間攪拌し、次いで、真空ろ過した。得られるろ液をヘキサン(10 mL)で洗浄し、次いで、その水分含量がカール-フィッシャー分析で1%以下になるまで、真空オーブン(40℃)で乾燥して、標記化合物を黄色固体で得た(12.6 g、96%)。
1H NMR(500 MHz、CDCl3):δ 7.02(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.92(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.81(s、1H)、4.64(m、1H)、4.57(m、1H)、4.05(d、J = 15.0 Hz、1H)、3.96(d、J = 15.0 Hz、1H)、3.93(dd、J = 11.8、3.0 Hz、1H)、3.87(m、2H)、3.65(m、2H)、3.51(m、1H)、3.30(d、J = 9.5 Hz、1H)、3.14(s、3H)、1.83(m、1H)、0.91(m、2H)、0.63(m、2H);LC-MS:[M-OMe]+ 445。
【0225】
工程2:(3R,4R,5S,6R)-2-[7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c43)
反応容器において、工程1の反応経路1aによって得られた粗残渣(328 g、0.687 mol)のCH2Cl2/CH3CN(= v/v、1:1、5.00 L)溶液を、窒素下、室温にて攪拌しながら完全に溶解させた。反応容器を-50℃に冷却し、次いで、Et3SiH(329 mL、2.08 mol)およびBF3-OEt2(170 mL、1.37 mol)を、内部温度を-45℃以下に維持しながら、10分間滴下した。反応混合物を-10℃に1時間ゆっくりと温め、得られる混合物をに0℃温めた。0℃にて3時間攪拌した後、反応混合物に、飽和NaHCO3水溶液(5.5 L)を加え、pHメーターを用いてpHを7.0〜7.5に調節した。真空濃縮器を用いて混合物から有機溶媒を除去し、濃縮液をEtOAc(2.5 L)で希釈した。次いで、有機層を単離した。水層をEtOAc(2 x 125 L)で希釈し、抽出を行った。すべての有機層をあわせ、無水MgSO4(50 g)で乾燥し、ろ過し、次いで、ろ液を減圧濃縮して、溶媒を除去した。残渣を真空乾燥し、標記化合物を黄色液体で得た(307 g)。このようにして得られた粗残渣をさらに精製することなく次工程に用いた。
1H NMR(500 MHz、CD3OD):δ 7.04(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.93(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.83(s、1H)、4.61(t、J = 9.0 Hz、2H)、4.13(d、J = 9.0 Hz、1H)、3.99(d、J = 15.0 Hz、1H)、3.94(d、J = 15.0 Hz、1H)、3.87(d、J = 12.0 Hz、1H)、3.66(m、1H)、3.44(m、1H)、3.41(t、J = 9.0 Hz、2H)、3.36(m、2H)、3.31(m、1H)、1.83(m、1H)、0.91(m、2H)、0.63(m、2H);LC-MS:[M+Na]+ 469。
【0226】
工程3:(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-[7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(化合物c27)
反応容器に、工程2の粗残渣(307 g、0.687 mol)のCH2Cl2(5.00 L)溶液を攪拌しながら、DMAP(101 g、0.825 mol)およびAc2O(520 mL、5.50 mol)を室温にて連続的に滴下した。得られる黄色反応混合物を室温にて2時間攪拌した。反応混合物に、蒸留水(500 mL)を加えてクエンチした。混合物を、層状にした。有機層を保管し、水層をジクロロメタン(2 x 1.25 L)で抽出した。すべての有機層を合わせ、1N HCl水溶液(2.5 L)および食塩水(2.5 L)ですすいだ。有機層をMgSO4(50 g)で乾燥し、ろ過し、次いで、ろ液を減圧濃縮した。残渣をMeOH(2.5 L)で希釈し、室温にて30分間攪拌した。得られる固体を減圧ろ過し、ろ液をMeOH(500 mL)ですすいだ。ろ過された固体を乾燥し、標記化合物を白色固体で得た(357 g、収率:84%、純度:> 97.6%)。
1H NMR(500 MHz、CDCl3):δ 7.04(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.95(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.53(s、1H)、5.24(dd、J = 9.5、9.5 Hz、1H)、5.12(m、2H)、4.67(m、2H)、4.29(d、J = 10.0 Hz、1H)、4.24(dd、J = 12.5、4.5 Hz、1H)、4.13(dd、J = 12.5、1.5 Hz、1H)、4.02(d、J = 15.0 Hz、1H)、3.92(d、J = 15.0 Hz、1H)、3.77(m、1H)、3.38(m、2H)、2.07(s、3H)、2.06(s、3H)、1.99(s、3H)、1.84(m、1H)、1.66(s、3H)、0.92(m、2H)、0.63(m、2H);LC-MS:[M+Na]+ 637。
【0227】
工程4:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c28)
(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(357 g、0.580 mol)のTHF/MeOH(= v/v、1:2、4.28 L)懸濁液に、懸濁液を攪拌しながら、4M NaOH水溶液(668 mL、2.67 mol)を室温にて20分間滴下した。得られる懸濁液を室温にて2時間さらに攪拌した。反応容器を0℃に冷却した後、反応混合物に、1N HCl水溶液(1.18 L)をゆっくりと滴下し、pHメーターを用いてpHを6.5〜7.0に調節した。真空濃縮器を用いて反応溶媒を除去し、濃縮液をEtOAc(5.36 L)および蒸留水(5.36 L)で希釈した。混合物を、層状にした。有機層を保管し、水層をEtOAc(2 x 1.79 L)で抽出した。すべての有機層を合わせ、蒸留水(1.79 L)ですすいだ。有機層をMgSO4(710 g)で乾燥し、ろ過し、次いで、ろ液を減圧濃縮して、粗表記化合物を得た。
【0228】
粗標記化合物をEtOAc(3.89 L)で希釈し、次いで、30分間還流攪拌して、固体を完全に溶解させた。次いで、得られたものを室温に冷却した。得られる懸濁液に、イソプロピルエーテル(1.29 L)を10分間滴下し、30分間攪拌した(滴下時間を含む)。イソプロピルエーテルを添加する工程を2回繰り返した。次いで、反応容器を0℃に冷却し、30分間攪拌した。得られる固体を減圧ろ過し、ろ液をEtOAc/イソプロピルエーテル(= v/v、1:1、357 mL)の混合液ですすいだ。ろ過された固体を真空オーブンで乾燥して(40℃、18時間)、標記化合物を白色固体で得た(236 g、収率:92%、純度:> 99.7%)。さらに、上記工程1〜4の合成経路によれば、実施例6の最終化合物の総収率は、約77%であると算出された。
1H NMR(500 MHz、CD3OD):δ 7.04(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.93(d、J = 8.0 Hz、2H)、6.83(s、1H)、4.61(t、J = 9.0 Hz、2H)、4.13(d、J = 9.0 Hz、1H)、3.99(d、J = 15.0 Hz、1H)、3.94(d、J = 15.0 Hz、1H)、3.87(d、J = 12.0 Hz、1H)、3.66(m、1H)、3.44(m、1H)、3.41(t、J = 9.0 Hz、2H)、3.36(m、2H)、3.31(m、1H)、1.83(m、1H)、0.91(m、2H)、0.63(m、2H);LC-MS:[M+Na]+ 469。
【0229】
実施例7:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの製造
【化47】
【0230】
工程1:(3R,4S,5S,6R)-2-[7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]-6-(ヒドロキシメチル)-2-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c42)
実施例6の工程1の1bの合成経路によれば、4-ブロモ-7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン(21.6 g)を用いて、標記化合物が淡黄色固体で得られた(26.2 g、93%)
【0231】
工程2:(3R,4S,5R,6R)-6-(アセトキシメチル)-2-[7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]-2-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(化合物c44)
反応容器に、DMAP(8.06 g、66.0 mmol)およびAc2O(51.8 mL、550 mol)を、(3R,4S,5S,6R)-2-[7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]-6-(ヒドロキシメチル)-2-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(26.2 g、55.0 mmol)のCH2Cl2(65.5 L)溶液を攪拌しながら、室温にて連続的に滴下した。得られる黄色反応混合物を室温にて6時間攪拌した。反応混合物に、蒸留水(50 mL)を加えてクエンチした。混合物を、層状にした。有機層を保管し、水層をCH2Cl2(2 x 30 mL)で抽出した。すべての有機層を合わせ、1N HCl水溶液(50 mL)および食塩水(30 mL)ですすいだ。有機層をMgSO4(6 g)で乾燥し、ろ過し、次いで、ろ液を減圧濃縮した。残渣をMeOH(100 mL)で希釈し、室温にて12時間攪拌した。得られる固体を減圧ろ過し、ろ液をMeOH(30 mL)ですすいだ。ろ過された固体を乾燥し、標記化合物を白色固体で得た(29.2 g、2工程で合計71%)。
1H NMR(500 MHz、CDCl3):δ 7.01(d、J = 8.5 Hz、2H)、6.95(d、J = 8.5 Hz、2H)、6.65(s、1H)、5.53(dd、J = 10.0、9.5 Hz、1H)、5.19(dd、J = 10.0、9.5 Hz、1H)、4.99(d、j = 10.0 Hz、1H)、4.63(m、2H)、4.34(dd、J = 12.0、4.5 Hz、1H)、4.14(dd、J = 12.0、2.0 Hz、1H)、4.05(d、J = 15.5 Hz、1H)、4.01(m、1H)、3.99(d、J = 15.5 Hz、1H)、3.49(m、1H)、3.33(m、1H)、3.17(s、3H)、2.08(s、3H)、2.05(s、3H)、1.94(s、3H)、1.83(m、1H)、1.61(s、3H)、0.90(m、2H)、0.62(m、2H)。
【0232】
工程3:(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-[7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(化合物c27)
反応容器において、f(3R,4S,5R,6R)-6-(アセトキシメチル)-2-[7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]-2-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(5.00 g、7.75 mmol)のCH2Cl2/CH3CN(= v/v、1:10、550 mL)溶液を、室温にて攪拌しながら完全に溶解させた。反応容器を0℃に冷却した後、それにEt3SiH(9.89 mL、62.0 mmol)およびBF3-OEt2(4.96 mL、40.3 mmol)を、内部温度を5℃以下に維持しながら、10分間連続的に滴下した。反応混合物を5℃以下にて1時間攪拌した。次いで、反応混合物を10℃に温め、さらに2時間攪拌した。反応混合物に、飽和NaHCO3水溶液を加え、pHメーターを用いてpHが7.0〜7.5になっているかどうかを確認した。次いで、真空濃縮器を用いて、有機溶媒を除去した。濃縮液をEtOAc(50 mL)で希釈し、有機層を単離した。水層をEtOAc(2 x 30 mL)で抽出した。すべての有機層を合わせ、MgSO4(5 g)で乾燥し、ろ過し、次いで、ろ液を減圧濃縮した。残渣をCH2Cl2(5 mL)に溶解させ、それにヘキサン(10 mL)を加え、室温にて5分間攪拌した。混合物に、イソプロピルエーテル(20 mL)を加え、30分間攪拌した。得られる懸濁液に、イソプロピルエーテル(20 mL)をさらに加えた。反応容器を0℃に冷却し、2時間攪拌した。得られる固体を減圧ろ過し、ろ液をイソプロピルエーテル(10 mL)ですすいだ。ろ過された固体を真空乾燥し、標記化合物を白色固体で得た(4.38 g、92%)。
【0233】
工程4:(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c28)
上述の実施例1の工程4に記載の合成方法によれば、(2R,3R,4R,5S,6S)-2-(アセトキシメチル)-6-[7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル トリアセテート(4.38 g、7.12 mmol)を用いて、粗表記化合物を得た。残渣をEtOAc(45.3 mL)で希釈し、次いで、10分間還流攪拌て、固体を完全に溶解させた。得られたものを室温に冷却した。得られる懸濁液に、イソプロピルエーテル(15.1 mL)を10分間滴下し、30分間攪拌した(滴下時間を含む)。イソプロピルエーテルを添加する工程を2回繰り返した。次いで、反応容器を0℃に冷却し、30分間攪拌した。得られる固体を減圧ろ過し、ろ液をイソプロピルエーテル(10 mL)ですすいだ。ろ過された固体を真空オーブンで乾燥して(40℃、18時間)、標記化合物を白色固体で得た(2.93 g、収率:92%、純度:> 99.5%)。上記工程1〜4の合成経路によれば、実施例2の最終化合物の総収率は、約60%であると算出された。
【0234】
実験例1:転位反応条件による収率の評価
【化48】
【0235】
(1)アミン系溶媒を用いる反応または溶媒を用いない反応
出発物質としての3-(アリルオキシ)-5-ブロモ-2-クロロ安息香酸メチル(化合物c30)を160℃にて転位反応に付して、4-アリル-5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ安息香酸メチル(化合物c31)を得、その収率を算出した。
【0236】
この時点で、出発物質の量および反応条件を下記表1に示すように調整した。5M ジエチルアミン(DEA)を反応溶媒として用いるか、またはいずれの溶媒も用いないで反応を行った。
【0237】
結果として、収率は、最大67%であり、それ以上は増加しなかった。
【表1】
【0238】
(2)ルイス酸の添加による反応
出発物質としてのメチル3-(アリルオキシ)-5-ブロモ-2-クロロ安息香酸(化合物c30)を溶媒に溶解させ、転位反応に付した。次いで、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、to obtain 4-アリル-5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ安息香酸メチル(化合物c31)を得、その収率を算出した。
【0239】
この時点で、反応溶媒、反応温度、およびルイス酸下記表2に示すように調整し、ルイス酸あり、またはなしで反応を行った。
【0240】
結果として、ルイス酸であるジイソブチルアルミニウムクロリド((i-Bu)2AlCl)またはジエチルアルミニウムクロリド(Et2AlCl)を加えた場合、収率は80%まで増加した。
【表2】
【0241】
実験例2:環化反応条件による収率の評価
(1)ビルスマイヤー試薬を用いる環化
【化49】
【0242】
ビルスマイヤー試薬(生成試薬A)の製造;N,N-ジメチルホルムアミド(5.6 mL、74.24 mmol)の溶液にSOCl2(5.3 mL、72.24 mmol)を室温にて加えた。混合物を40℃にて2時間攪拌し、次いで、真空濃縮して、吸湿性の白色固体であるビルスマイヤー試薬を得た。
【0243】
ビルスマイヤー試薬(生成試薬B)の製造;N,N-ジメチルホルムアミド(2.9 mL、37.07 mmol)の溶液に、SOCl2(2.7 mL、37.07 mmol)を室温にて加えた。混合物を、40℃にて2時間攪拌し、次いで、真空濃縮して、吸湿性の白色固体であるビルスマイヤー試薬を得た。
【0244】
次いで、DMF中のビルスマイヤー試薬の混合物に、DMF中の5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエチル)安息香酸メチル(化合物c33)をゆっくりと加えた。混合物を、攪拌しながら、1時間環化反応に付して、4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-カルボン酸メチル(化合物c34)を得、その収率を算出した。
【0245】
この時点で、出発物質、反応温度などを、下記表3に示すように調整し、反応を行った。
【0246】
結果として、環化生成物は、全体的に高収率で得られた。しかしながら、出発物質が不純である場合、生成物は、低収率で回収された。
【表3】
【0247】
(2)脱離基を用いる環化
【化50】
【0248】
出発物質としての5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエチル)安息香酸メチル(化合物c33)に塩化メシル(MsCl)を溶媒とともに加えた。混合物を環化反応に付して、4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-カルボン酸メチル(化合物c34)を得、その収率を算出した。
【0249】
この時点で、試薬の使用量、添加方法、および反応条件を下記表4に示すように調整し、反応を行った。
【0250】
結果として、所望の化合物を高収率で得られることがあった。しかしながら、MsClおよび滴下の等価制御に起因する不都合があった。
【0251】
【表4】
【0252】
(3)ハライドまたは光延反応を用いる環化
出発物質としての5-ブロモ-2-クロロ-3-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエチル)安息香酸メチル(化合物c33)をハライドまたは光延反応による環化反応に付して、4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-カルボン酸メチル(化合物c34)を得、その収率を算出した
【0253】
この時点で、ハライドを用いる環化のために、トリフェニルホスフィン(PPh3)、イミダゾール、ヨウ素(I2)、およびトルエンを合わせた試薬を用い、光延反応のために、トリフェニルホスフィン(PPh3)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、およびテトラヒドロフラン(THF)を合わせた試薬を用いた。
【0254】
結果として、最大約60%の収率が得られた。しかしながら、反応後に、生成された副生成物であるトリフェニルホスフィンオキシドを除去しなければならないという不都合があった。
【0255】
実験例3:還元反応条件による収率の評価
【化51】
【0256】
出発物質としての4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-カルボン酸メチル(化合物c34)にNaBH4(3当量)を加え、ルイス酸も加えるか、または加えなかった。次いで、混合物を溶媒中、室温にて還元反応に付して、(4-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-イル)メタノール(化合物c35)を得、その収率を算出した。さらに、副生成物1(化合物c35-1)の量も測定した。
【0257】
(1)反応溶媒およびルイス酸の添加量を下記表5に示すように調整し反応を行った。結果として、THF/EtOH(1:1)を反応溶媒として用いた場合、最高収率で生成物を得ることが可能であり、ルイス酸なしでNaBH4のみを用いた場合でも95%の良好な収率が得られた。
【表5】
【0258】
(2)ルイス酸の添加なしでの、反応溶媒およびNaBH4の添加量を下記表6に示すように調整し、反応を行った。結果として、反応溶媒としてTHF/EtOH(1:1)またはTHF/EtOH(2:1)の条件下で3当量の量でNaBH4を添加した場合に、副生成物なしで95%の良好な収率が得られた。
【表6】
【0259】
(3)反応溶媒、NaBH4の添加量、およびルイス酸の添加量を下記表7に示すように調整し、反応を行った。結果として、反応溶媒として、THFのみを用いた場合、またはTHF/i-PrOHを用いた場合には、反応は進行しなかった。一方、反応溶媒として、THF/エタノールを用いた場合、ルイス酸なしでNaBH4のみを用いることによって95%以上の良好な収率が得られた。
【表7】
【0260】
実験例4:結晶形の製造および分析
本発明方法にしたがって製造された化合物、特に、実施例1の工程1〜14にしたがって得られた粗(2S,3R,4R,5S,6R)-2-(7-クロロ-6-(4-シクロプロピルベンジル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(化合物c28)から、さまざまな溶媒中での結晶化工程を介して結晶を得、分析した。
【0261】
XRDスペクトルについては、常法にしたがって、X線回折装置を用いてCu-Kα線(波長λ = 1.54056Å)を照射して粉末X線回折を測定した。
【0262】
示差走査熱量測定(DSC)については、示差走査熱量計を用いて+1℃/分の速度で測定を行った。
【0263】
(1)トルエン溶媒を用いる結晶の製造
トルエンを用いる結晶化は、実施例1の工程14の手順の後半に記載したものと同様である。具体的には、粗化合物c28のトルエン(c28の重量に対して8倍)溶液を40℃で30分間加熱することによって溶解させ、次いで、室温に冷却した。室温にて懸濁液が形成された後、さらに30分間撹拌した。得られる沈殿をろ過し、トルエン(ろ液の体積の2倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:91.8%)。
【0264】
生成された結晶のXRDスペクトルは、図1に示すような結晶形(結晶形A)を示し、特徴的なピークの回折角(2θ)、面間隔(d)、および相対強度(I/I 0×100)を、表8にまとめた。
【表8】
【0265】
図2に示すように、DSCスペクトルにより、結晶の融解吸熱ピークを確認することができた。
【0266】
(2)酢酸エチル溶媒を用いる結晶の製造
酢酸エチルを用いる結晶化は、実施例6の工程14の手順の後半に記載したものと同様である。具体的には、粗化合物c28の酢酸エチル(c28の重量に対して15倍)溶液を還流攪拌することによって溶解させ、次いで、室温に冷却した。室温にて懸濁液が形成された後、さらに30分間撹拌した。得られる混合物に、イソプロピルエーテル(c28の重量に対して15倍)を30分間にわたって滴下し、室温にてさらに30分間攪拌した。得られる沈殿をろ過し、酢酸エチル(c28の重量に対して2倍)で0℃にて洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:88.3%)。生成された結晶のXRDスペクトル分析は、実験例4の(1)と同じ結晶形(結晶形A)を示した。
【0267】
(3)ジクロロメタン溶媒を用いる結晶の製造
粗化合物c28のジクロロメタン(c28の重量に対して17倍)溶液を40℃で加熱することによって溶解させ、次いで、室温に冷却した。混合物を、室温にて30分間攪拌した。反応混合物に、実施例6の工程4で得られた化合物c28(10 mg、種)を加え、次いで、12時間攪拌した。得られる沈殿をろ過し、ジクロロメタン(28の重量に対して2倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:50.1%)。生成された結晶のXRDスペクトル分析は、実験例4の(1)と同じ結晶形(結晶形A)を示した。
【0268】
(4)アセトン溶媒を用いる結晶の製造
粗化合物c28のアセトン(c28の重量に対して35倍)溶液を還流攪拌することによって溶解させ、次いで、室温に冷却した。室温にて懸濁液が形成された後、さらに3時間撹拌した。得られる沈殿をろ過し、アセトン(ろ液の体積の2倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:38.2%)。生成された結晶のXRDスペクトル分析は、実験例4の(1)と同じ結晶形(結晶形A)を示した。
【0269】
(5)アセトニトリル溶媒を用いる結晶の製造
粗化合物c28のアセトニトリル(c28の重量に対して10倍)溶液を60℃で加熱することによって溶解させ、次いで、室温に冷却した。室温にて懸濁液が形成された後、さらに1時間撹拌した。得られる沈殿をろ過し、アセトニトリル(ろ液の体積の2倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:39.4%)。生成された結晶のXRDスペクトル分析は、実験例4の(1)と同じ結晶形(結晶形A)を示した。
【0270】
(6)2-プロパノール溶媒を用いる結晶の製造
粗化合物c28の2-プロパノール(c28の重量に対して10倍)溶液を60℃で加熱することによって溶解させ、次いで、室温に冷却した。室温にて懸濁液が形成された後、さらに30分間撹拌した。反応混合物に、2-プロパノール(c28の重量に対して5倍)を滴下し、次いで、30分間攪拌した。得られる沈殿をろ過し、2-プロパノール(ろ液の体積の2倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:9.5%)。生成された結晶のXRDスペクトル分析は、実験例4の(1)と同じ結晶形(結晶形A)を示した。
【0271】
(7)テトラヒドロフラン/ジクロロメタン溶媒を用いる結晶の製造
粗化合物c28のテトラヒドロフラン(c28の重量に対して5倍)溶液を室温にて30分間攪拌することによって溶解させた。反応混合物を減圧濃縮して、有機溶媒を除去した。濃縮された残渣をジクロロメタン(28の重量に対して30倍)で希釈し、室温にて攪拌した。室温にて懸濁液が形成された後、さらに30分間撹拌した。得られる沈殿をろ過し、ジクロロメタン(c28の重量に対して2倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:65.3%)。生成された結晶のXRDスペクトル分析は、実験例4の(1)と同じ結晶形(結晶形A)を示した。
【0272】
(8)テトラヒドロフラン/n-ヘキサン溶媒を用いる結晶の製造
粗化合物c28のテトラヒドロフラン(c28の重量に対して5倍)溶液を室温にて30分間攪拌することによって溶解させた。反応混合物に、n-ヘキサン(c28の重量に対して10倍)を滴下し、1時間攪拌した。得られる懸濁液に、n-ヘキサン(c28の重量に対して10倍)をさらに滴下し、次いで、30分間攪拌した。反応懸濁液に、n-ヘキサン(c28の重量に対して5倍)を繰り返して滴下し、30分間攪拌した。得られる沈殿をろ過し、n-ヘキサン(ろ液の体積の5倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:99.6%)。生成された結晶のXRDスペクトル分析は、実験例4の(1)と同じ結晶形(結晶形A)を示した。
【0273】
(9)メタノール/蒸留水溶媒
粗化合物c28のメタノール(c28の重量に対して5倍)溶液を室温にて30分間攪拌することによって溶解させた。反応混合物に、蒸留水(28の重量に対して10倍)を滴下し、次いで、30分間攪拌した。得られる懸濁液に、蒸留水(c28の重量に対して10倍)をさらに滴下し、次いで、1時間攪拌した。得られる沈殿をろ過し、蒸留水(ろ液の体積の2倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:100%)。
【0274】
生成された結晶のXRDスペクトルは、図3に示すような結晶形(結晶形B)を示し、特徴的なピークの回折角(2θ)、面間隔(d)、および相対強度(I/I 0×100)を、表9にまとめた。
【表9】
【0275】
図4に示すように、DSCスペクトルにより、結晶の融解吸熱ピークを確認することができた。
【0276】
(10)メタノール/n-ヘキサン溶媒を用いる結晶の製造
粗化合物c28のメタノール(c28の重量に対して5倍)溶液を室温にて30分間攪拌することによって溶解させた。反応混合物に、n-ヘキサン(28の重量に対して15倍)を滴下し、30分間攪拌した。得られる懸濁液に、n-ヘキサン(c28の重量に対して10倍)をさらに滴下し、1時間攪拌した。得られる沈殿をろ過し、n-ヘキサン(ろ液の体積の5倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:97.1%)。生成された結晶のXRDスペクトル分析は、実験例4の(9)と同じ結晶形(結晶形B)を示した。
【0277】
(11)メタノール/ジクロロメタン/n-ヘキサン溶媒を用いる結晶の製造
粗化合物c28のジクロロメタン/メタノール(c28の重量に対して20:1倍)溶液を室温にて30分間攪拌することによって溶解させた。反応混合物に、n-ヘキサン(28の重量に対して10倍)を滴下し、30分間攪拌した。反応懸濁液に、n-ヘキサン(c28の重量に対して5倍)を繰り返して滴下し、30分間攪拌した。得られる沈殿をろ過し、n-ヘキサン(ろ液の体積の5倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:99.2%)。生成された結晶のXRDスペクトル分析は、実験例4の(9)と同じ結晶形(結晶形B)を示した。
【0278】
(12)テトラヒドロフラン/トルエン溶媒を用いる結晶の製造
粗化合物c28のテトラヒドロフラン(c28の重量に対して5倍)溶液を室温にて30分間攪拌することによって溶解させた。反応混合物を減圧濃縮して、有機溶媒を除去した。濃縮された残渣をトルエン(28の重量に対して30倍)で希釈し、室温にて1時間攪拌した。得られる沈殿をろ過し、トルエン(ろ液の体積の5倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:76.1%)。
【0279】
生成された結晶のXRDスペクトルは、図5に示すような結晶形(結晶形C)を示し、特徴的なピークの回折角(2θ)、面間隔(d)、および相対強度(I/I 0×100)を、表10にまとめた。
【表10】
【0280】
図6に示すように、DSCスペクトルにより、結晶の融解吸熱ピークを確認することができた。
【0281】
(13)エタノール/蒸留水/n-ヘキサン溶媒を用いる結晶の製造
粗化合物c28のエタノール(c28の重量に対して5倍)溶液を50℃にて加熱することによって溶解させ、次いで、室温に冷却した。反応混合物に、蒸留水(28の重量に対して10倍)を滴下し、次いで、1時間攪拌した。得られる懸濁液に、蒸留水(c28の重量に対して10倍)をさらに滴下し、30分間攪拌した。反応懸濁液に、n-ヘキサン(c28の重量に対して1倍)を滴下し、1時間攪拌した。得られる沈殿をろ過し、蒸留水(ろ液の体積の2倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:95.8%)。生成された結晶のXRDスペクトル分析は、実験例4の(12)と同じ結晶形(結晶形C)を示した。
【0282】
(14)エタノール/n-ヘキサン溶媒を用いる結晶の製造
粗化合物c28のエタノール(c28の重量に対して5倍)溶液を50℃にて加熱することによって溶解させ、次いで、室温に冷却した。反応混合物に、n-ヘキサン(c28の重量に対して5倍)を滴下し、30分間攪拌した。得られる懸濁液に、n-ヘキサン(10-foldc28の重量に対して10倍)をさらに滴下し、30分間攪拌した。反応懸濁液に、n-ヘキサン(c28の重量に対して5倍)を繰り返して滴下し、30分間攪拌した。得られる沈殿をろ過し、n-ヘキサン(ろ液の体積の5倍)で洗浄し、次いで、真空オーブン(50℃、12時間)で乾燥して、白色固体を得た(収率:96.5%)。
【0283】
生成された結晶のXRDスペクトルは、図7に示すような結晶形(結晶形D)を示し、特徴的なピークの回折角(2θ)、面間隔(d)、および相対強度(I/I 0×100)を、表11にまとめた。
【0284】
【表11】
【0285】
図8に示すように、DSCスペクトルにより、結晶の融解吸熱ピークを確認することができた。
【0286】
実験例5:結晶形の安定性の確認
実験例4の(2)で製造した結晶形を用いて、性状、識別試験、含水量、比旋光度、関連物質、および含有量に関する安定性確認試験を、加速試験条件(温度:40±2℃、相対湿度:75±5%)および長期試験条件(温度:25±2℃、相対湿度:60±5%)下で3ヶ月間行った。安定性確認試験の結果を表12に示す。
【0287】
【表12】
【0288】
(1)性状試験により、加速および長期条件下で結晶形の性状に変化がないことが確認された。
【0289】
(2)韓国薬局方に規定されている一般試験法のうち赤外分光光度法および液体クロマトグラフィーを用いて同定試験を行い、どちらの試験法においても結晶形は標準生成物と同じスペクトルを示すことが確認された。
<分析条件>
- カラム:Capcdell-pak C18 MG(USPL1)、250 x 4.6 mm、5 μm
- 温度:35℃
- 検出器:光ダイオードアレイ(PDA)検出器(測定波長:225 nm)
- 流速:1.0 mL/分
- 移動相:緩衝液/メタノール(25:75)
- 緩衝液:1.36gのリン酸二水素カリウムを1,000mLの蒸留水に溶解し、次いでリン酸でpHを3.0に調整することによって得られた緩衝液。
【0290】
(3)XRDスペクトルの場合、加速および長期条件下で結晶形に変化がないことを確認することができた。
【0291】
(4)韓国薬局方に規定されている一般試験法のうち、水分測定法にしたがって測定される場合、含水量試験は、結晶形が、加速されたおよび長期条件下で含水性をほとんど示さないという結果を確認することができた。
【0292】
(5)比旋光度確認試験は、加速および長期条件下での結晶形の構造安定性を確認することができた。
【0293】
(6)韓国薬局方に規定されている一般試験法のうち、関連物質に関する安定性確認試験を液体クロマトグラフィー法によって行った。サンプル溶液の分析時間は、メインピークの保持時間の3倍まで測定されるように行われた。ブランク試験液中に現れるすべてのピーク以外の、標準液(0.05mg/mL)およびサンプル液(1mg/mL)のピーク面積を計算式により算出した。結果として、加速および長期条件下での関連物質に関する結晶形の安定性を確認することができた。
- 分析条件:実験例5の(2)における確認試験用の液体クロマトグラフィー分析条件
- 計算式:他の個別関連物質(%)=(試験サンプル中の各関連物質のピーク面積×標準生成物の使用量×標準生成物の純度)/(標準溶液の主ピークのピーク面積×試料の使用量×希釈率)
【0294】
(7)確認試験のために、標準生成物のメタノール溶液を標準溶液(0.2 mg/mL)として用い、結晶形のメタノール溶液をサンプル溶液(1 mg/mL)として用いた。韓国薬局方に規定されている一般試験法中の液体クロマトグラフィー法によって、サンプル溶液および標準溶液を試験し、標準溶液およびサンプル溶液のピーク面積を用い、以下の計算式によって、計算を行った。結果として、加速および長期条件下で含有量の変化がほとんどなく、結晶形の安定性を確認することができた。
- 分析条件:実験例5の(2)における確認試験用の液体クロマトグラフィー分析条件
- 計算式:その他の個別関連物質(%)=(試験サンプルの主ピークのピーク面積×標準生成物の使用量×標準生成物の純度)/[標準溶液の主ピークのピーク面積×試料の使用量×(100-試料の含水量)]
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8