特許第6763982号(P6763982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6763982情報処理装置、サーバの制御方法、およびサーバの制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6763982
(24)【登録日】2020年9月14日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】情報処理装置、サーバの制御方法、およびサーバの制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/93 20190101AFI20200917BHJP
   G06Q 50/18 20120101ALI20200917BHJP
【FI】
   G06F16/93
   G06Q50/18 310
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-2783(P2019-2783)
(22)【出願日】2019年1月10日
(65)【公開番号】特開2020-112999(P2020-112999A)
(43)【公開日】2020年7月27日
【審査請求日】2019年1月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515277757
【氏名又は名称】株式会社AI Samurai
(72)【発明者】
【氏名】播磨 里江子
(72)【発明者】
【氏名】白坂 一
(72)【発明者】
【氏名】三上 崇志
(72)【発明者】
【氏名】小曽根 裕之
【審査官】 原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−157261(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/042604(WO,A1)
【文献】 特開2002−259289(JP,A)
【文献】 特開2012−048696(JP,A)
【文献】 特開2015−170342(JP,A)
【文献】 特開2007−265039(JP,A)
【文献】 竹島 亮,他,“木構造に基づくアイデアの評価法とアイデア創造支援システム”,第78回(平成28年)全国大会講演論文集(4),一般社団法人情報処理学会,2016年 3月10日,pp.4−25〜4−26
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00
G06Q 50/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザによる会話情報を受信し、生成情報を送信する通信部と、
前記会話情報または当該会話情報に含まれる発明情報を前記複数のユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、
前記通信部が受信した前記会話情報に含まれる発明情報を発言したユーザまたは当該ユーザの識別情報ごとに分類し、前記記憶部に記憶する制御部と、
を含み、
前記記憶部はさらにツリー構造に分類した複数の発明情報である発明群を記憶し、
前記制御部は、
前記会話情報を基に前記発明情報に関わる情報を生成情報として生成する生成部を含み、
前記発明情報ごとに前記ユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて前記記憶部に記憶し、
前記生成部は、特許に関する書類に、前記ユーザによって対応付けられた前記発明情報および前記発明情報ごとに対応付けられた前記ユーザまたは当該ユーザの識別情報を入力する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記発明情報が発言された日時を前記ユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて前記記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記発明情報が特許性を有するかを判定する判定部を含み、
前記判定部は、前記発明情報が特許性を有する場合に当該発明情報を前記記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、複数の特許文章情報を含むデータベースに前記発明情報と類似する特許文章が存在するか否かに応じて前記発明情報の特許性を判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記発明情報を単語単位に構文解析を行なった上で、前記発明情報における任意の検索キーワードを抽出し、前記抽出された検索キーワードを用いて当該検索キーワードが含まれる少なくとも1件の特許文章を前記データベースから抽出し、前記1件の特許文章と前記発明情報との比較によって前記発明情報の特許性を判定する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記記憶部に記憶されている情報を基に特許に関する書類を生成する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数のユーザによる会話情報を受信し、生成情報を送信する通信部と、前記会話情報または当該会話情報に含まれる発明情報を前記複数のユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、を含むサーバの制御方法であって、
前記サーバは、
前記通信部が送信した前記会話情報に含まれる発明情報を発言したユーザまたは当該ユーザの識別情報ごとに分類し、前記記憶部に記憶するステップと、
前記記憶部はさらにツリー構造に分類した複数の発明情報である発明群を記憶し、
前記通信部が送信した前記会話情報を基に前記発明情報に関わる情報を生成部に生成するステップと、
前記発明情報ごとに前記ユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて前記記憶部に記憶し、
前記生成部は、特許に関する書類に、前記ユーザによって対応付けられた前記発明情報および前記発明情報ごとに対応付けられた前記ユーザまたは当該ユーザの識別情報を入力するステップと
を実行することを特徴とするサーバの制御方法。
【請求項8】
複数のユーザによる会話情報を受信し、生成情報を送信する通信部と、前記会話情報または当該会話情報に含まれる発明情報を前記複数のユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、を含むサーバの制御プログラムであって、
前記サーバに、
前記通信部が送信した前記会話情報に含まれる発明情報を発言したユーザまたは当該ユーザの識別情報ごとに分類し、前記記憶部に記憶する機能と、
前記記憶部はさらにツリー構造に分類した複数の発明情報である発明群を記憶し、
前記通信部が送信した前記会話情報を基に前記発明情報に関わる情報を生成部に生成する機能と、
前記発明情報ごとに前記ユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて前記記憶部に記憶し、
前記生成部は、特許に関する書類に、前記ユーザによって対応付けられた前記発明情報および前記発明情報ごとに対応付けられた前記ユーザまたは当該ユーザの識別情報を入力する機能と
を実現させることを特徴とするサーバの制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、サーバの制御方法、およびサーバの制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、特許性の判定を人手ではなく、AIなどの技術を用いて、特許庁などのデータベースを検索して類似する特許文章が存在するか否かの判定を行うことが行われている。特許性の判定をAIなどが行う技術として、例えば、特許文献1は、特許出願Aの請求項1に含まれる形態素群のうち所定割合以上の形態素が、別の特許出願Bの明細書にも含まれているときには、特許出願Bは特許出願Aに類似すると判定する。また、特許文献1では、TF(Term Frequency)・IDF(Inverse Document Frequency)法のように、形態素ごとの重要性を加味した上で類否を判定することも可能であることが記載されている。
【0003】
なお、特許出願は、発明者によって創出された発明を基に通常は行われる。発明者は、単独で課題情報を基に改善策を見出し、発明に至ることがある。一方、注力商品や大きなプロジェクトにおいては、発明が、複数人が出席する会議などの中で生まれることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−238074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数人によって発明が創出された場合に、会議に参加している誰がどの発明を行ったかが曖昧になったり、会議の内容を記録または振り返って詳細な発明情報を抽出したりする必要がある。また、再度抽出された会議の内容を基に発明情報の特許性の判定を人手または自動的に別途行う必要がある。
【0006】
そこで、複数人によって同時に発明が創出される場において、容易に発明情報を抽出して、発明情報を管理する手法が求められている。
【0007】
よって、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数人によって同時に発明が創出される場面においても、当該複数人などによって会議内容を振り返って発明情報を抽出せずに発明情報を容易に抽出でき、発明情報やその内容を管理することができる情報処理装置、サーバの制御方法、およびサーバの制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の第1態様は、複数のユーザによる会話情報を受信し、生成情報を送信する通信部と、上記会話情報または当該会話情報に含まれる発明情報を上記複数のユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、上記通信部が受信した上記会話情報に含まれる発明情報を発言したユーザまたは当該ユーザの識別情報ごとに分類し、上記記憶部に記憶する制御部と、を含む情報処理装置に関し、上記制御部は、上記会話情報または上記会話情報を基に上記生成情報を生成する生成部を含む。
【0009】
(2)上記(1)において、上記制御部は、上記発明情報が発言された日時を上記ユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて上記記憶部に記憶してもよい。
【0010】
(3)上記(1)または(2)において、上記制御部は、上記通信部が上記発明情報を複数受信した際は、上記複数の発明情報のうち最も広い範囲を有する発明情報をメインの発明情報として分類してもよい。上記制御部は、上記メインの発明情報以外をサブの発明情報として分類してもよい。上記制御部は、上記分類結果を上記記憶部に記憶してもよい。
【0011】
(4)上記(3)において、上記制御部は、上記会話情報を1つの発明群としたとき、上記複数の発明情報および上記対応付けられたユーザまたは当該情報ユーザの識別情報に基づいて、個々のユーザまたは当該ユーザの識別情報ごとに上記発明群を創出した割合を発明貢献度として算出して、上記ユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて上記記憶部に記憶してもよい。
【0012】
(5)上記(3)または(4)において、上記制御部は、上記複数の発明情報をツリー構造に分類し、上記メインの発明情報に応じて上記サブの上記発明情報が全て上記メインの発明情報の下位に含まれるか否かを判断し、上記分類結果および上記判断結果を上記記憶部に記憶してもよい。
【0013】
(6)上記(5)において、上記制御部は、少なくとも一部の上記サブの発明情報が上記メインの発明情報の下位に含まれないと判断した場合に、その旨を報知する報知部を更に有してもよい。
【0014】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかにおいて、上記制御部は、上記発明情報が特許性を有するかを判定する判定部を含んでもよい。上記判定部は、上記発明情報が特許性を有する場合に当該発明情報を上記記憶部に記憶してもよい。
【0015】
(8)上記(7)において、上記判定部は、複数の特許文章情報を含むデータベースに上記発明情報と類似する特許文章が存在するか否かに応じて上記発明情報の特許性を判定してもよい。
【0016】
(9)上記(8)において、上記判定部は、上記発明情報を単語単位に構文解析を行なった上で、上記発明情報における任意の検索キーワードを抽出し、上記抽出された検索キーワードを用いて当該検索キーワードが含まれる少なくとも1件の特許文章を上記データベースから抽出し、上記1件の特許文章と上記発明情報との比較によって上記発明情報の特許性を判定してもよい。
【0017】
(10)上記(1)〜(9)のいずれかにおいて、上記生成部は、上記記憶部に記憶されている情報を基に特許に関する書類を生成してもよい。
【0018】
(11)本発明の第2態様は、複数のユーザによる会話情報を受信し、生成情報を送信する通信部と、上記会話情報または当該会話情報に含まれる発明情報を上記複数のユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、を含むサーバの制御方法に関し、上記通信部が受信した上記会話情報に含まれる発明情報を発言したユーザまたは当該ユーザの識別情報ごとに分類し、上記記憶部に記憶するステップと、上記会話情報または上記会話情報を基に上記生成情報を生成するステップと、を含む。
【0019】
(12)本発明の第3態様は、複数のユーザによる会話情報を受信し、生成情報を送信する通信部と、上記会話情報または当該会話情報に含まれる発明情報を上記複数のユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、を含むサーバの制御プログラムに関し、上記サーバに、上記通信部が受信した上記会話情報に含まれる発明情報を発言したユーザまたは当該ユーザの識別情報ごとに分類し、上記記憶部に記憶する機能と、上記会話情報または上記会話情報を基に上記生成情報を生成する機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、複数人によって同時に発明が創出される場面においても、当該複数人などによって会議内容を振り返って発明情報を抽出せずに発明情報を容易に抽出でき、発明情報やその内容を管理することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】情報処理システムによる処理の一例を説明するための模式図である。
図2】情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図3】ユーザの端末装置の概略構成の一例を示す図である。
図4】サーバの概略構成の一例を示す図である。
図5】サーバ記憶部に記憶される、会話情報データベースの一例である。
図6】サーバ記憶部に記憶される、発明情報データベースの一例である。
図7】複数の発明情報がツリー構造に分類されている概念を示すための図である。
図8】本実施形態にかかる情報処理システムによるユーザの端末装置から受信した会話情報から発明情報などを抽出してサーバ記憶部に記憶するための一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
図9図8に示した本実施形態にかかる情報処理システムによるユーザの端末装置2から受信した発明情報の特許性を判定するための一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
図10】サーバ制御部の生成部による特許に関する書類の生成結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の一側面に係る情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0023】
(情報処理システム1による処理の概要)
図1は、情報処理システム1による処理の一例を説明するための模式図である。
【0024】
情報処理システム1は、複数のユーザの端末装置2、2、2・・・および特許文章情報データベース3、これらの複数のユーザの端末装置2、2、2・・・および特許文章情報データベース3と相互に通信されるサーバ4を有する。サーバ4は、複数のユーザの端末装置2、2、2・・・同士を接続し、複数のユーザの端末装置2、2、2・・・から発明に関する会話情報を受信する。サーバ4は、受信した会話情報から発明情報を抽出して、発明情報を、それを発言したユーザまたは当該ユーザの識別情報ごとに分類し、サーバ4内の記憶領域(サーバ記憶部411)に記憶する。このとき、サーバ4は、特許文章情報データベース3を参照して、会話情報に含まれる発明に特許性があるか否かを判定して、特許性のある発明情報のみを記憶する。
【0025】
なお、本実施形態で情報処理システム1が複数のユーザの端末装置2、2、2・・・を接続して構成されるウェブ会議システムのような構成を想定しているが、単一のユーザの端末装置2が複数のユーザの会話情報を取得する構成としてもよく、ユーザの端末装置2を必要とせずサーバ4が直接複数のユーザの会話情報を取得する構成としてもよい。本実施形態においては、ウェブ会議などで複数のユーザの端末装置2、2、2・・・がサーバ4に接続されている場合を想定する。
【0026】
また、本実施形態では、特許文章情報データベース3に記憶されている特許文章を検索対象として記載しているが、サーバ4は、特許文章情報データベース3から特許文章をダウンロードしてサーバ4内で類似特許文章を抽出する構成としてもよい。この構成によると、処理をローカルで完結できるため、処理速度を早めることができる。
【0027】
特許文章情報データベース3は、例えば特許庁のデータベースである。特許庁のデータベースは、1庁でも複数庁を含んでいてもよい。なお、米国、欧州、日本、中国、および韓国の5庁のデータベースを含むことで世界の特許の約90%を網羅することができるため、特許性の判定の精度を上げるためには、これらの5庁のデータベースを含んでいるとよい。
【0028】
特許文章情報データベース3は、特許文章以外の論文情報などを含んでいてもよく、複数のユーザの端末装置2、2、2・・・から受信した発明情報の特許性を判定するために必要な情報を含んでいれば、特許文章には限定されない。
【0029】
(情報処理システム1の概略構成)
図2は、情報処理システム1の概略構成の一例を示す図である。
【0030】
情報処理システム1は、複数のユーザの端末装置2、2、2・・・と、特許文章情報データベース3と、サーバ4とを有する。以下では、複数のユーザの端末装置を単にユーザの端末装置2と称する場合がある。ユーザの端末装置2、2、2・・・およびサーバ4は、例えば、インターネット5などの通信ネットワークを介してそれぞれ相互に接続される。更に、特許文章情報データベース3およびサーバ4は、例えば、インターネット5などの通信ネットワークを介してそれぞれ相互に接続される。また、ここではインターネット5が1つ例示されているが、インターネット5が複数のネットワークからなる場合は、それぞれのネットワーク間にゲートウェイ(図示しない)を適宜設けてもよい。ユーザの端末装置2で実行されるプログラム(例えば、閲覧プログラム)と、サーバ4で実行されるプログラム(例えば、管理プログラム)とは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)などの通信プロトコルを用いて通信を行う。
【0031】
更に、ユーザの端末装置2とサーバ4との間の接続、および特許文章情報データベース3とサーバ4との間の接続は、扱う情報が機密情報となるため、インターネット5の通信環境がセキュリティの面で優れている必要がある。また、ユーザの端末装置2とサーバ4との間の接続、および特許文章情報データベース3とサーバ4との間の接続は、専用の回線を用意することでセキュリティを強化することができる。
【0032】
(ユーザの端末装置2の概略構成)
図3は、ユーザの端末装置2の概略構成の一例を示す図である。
【0033】
ユーザの端末装置2は、無線通信ネットワークへの接続、Webアクセスなどを実行する。そのために、ユーザの端末装置2は、端末通信部211と、端末記憶部212と、端末操作部213と、端末表示部214と、端末集音部215と、端末音拡張部216と、端末制御部217とを備える。
【0034】
なお、ユーザの端末装置2としては、タブレットPCやノートPCを想定するが、本発明はこれに限定されない。ユーザの端末装置2は、本発明が適用可能であればよく、例えば、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤ、タブレット端末、などでもよい。
【0035】
端末通信部211は、通信インターフェース回路を備え、ユーザの端末装置2をインターネット5に接続する。端末通信部211は、ネットワークを介して端末制御部217から供給されたデータをサーバ4などに送信する。また、端末通信部211は、ネットワークを介してサーバ4などから受信したデータを端末制御部217に供給する。
【0036】
端末記憶部212は、例えば、半導体メモリ装置を備える。端末記憶部212は、端末制御部217での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データなどを記憶する。例えば、端末記憶部212は、ドライバプログラムとして、端末操作部213を制御する入力デバイスドライバプログラム、端末表示部214を制御する出力デバイスドライバプログラムなどを記憶する。また、端末記憶部212は、アプリケーションプログラムとして、店舗関係者が端末操作部213を操作することによって入力された検索条件、特徴情報および特徴画像などをサーバ4に登録するための登録画面を表示する閲覧プログラムなどを記憶する。各種プログラムは、例えばCD−ROM、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラムなどを用いて端末記憶部212にインストールされてもよい。また、端末記憶部212は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0037】
端末操作部213は、ユーザの端末装置2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、マウス、タッチパネル、またはキーボタンなどである。ユーザは、端末操作部213を用いて、情報の選択や解除、文字や数字などを入力することができる。端末操作部213は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、端末制御部217に送信される。
【0038】
端末表示部214も、映像や画像などの表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどである。端末表示部214は、端末制御部217から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像などを表示する。
【0039】
端末集音部215は、ユーザの発した声などの音声を集音する所謂マイクロフォンである。集音された音声は、端末制御部217に送信されて音声データに変換される。この音声データは、端末通信部211およびサーバ4を介して他のユーザの端末装置2に送信される。
【0040】
端末音拡張部216は、端末通信部211を介して受信した音声データを音声として発する所謂スピーカである。端末音拡張部216は、ユーザの端末装置2に内蔵されていてもよく、所謂イヤホンや外付けスピーカのようにユーザの端末装置2の外部に接続されていてもよい。
【0041】
端末制御部217は、一または複数個のプロセッサおよびその周辺回路を備える。端末制御部217は、ユーザの端末装置2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。端末制御部217は、ユーザの端末装置2の各種処理が端末記憶部212に記憶されているプログラムや端末操作部213の操作などに基づいて適切な手順で実行されるように、端末通信部211や端末表示部214などの動作を制御する。端末制御部217は、端末記憶部212に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラムなど)に基づいて処理を実行する。また、端末制御部217は、複数のプログラム(アプリケーションプログラムなど)を並列に実行することができる。
【0042】
端末制御部217は、ユーザの端末装置2の外部から受信した画面表示情報をユーザに閲覧可能な画面表示として処理をする機能や、ユーザからの端末操作部213の操作内容に基づく処理をユーザの端末装置2の外部に送信可能な信号に変換して端末送信部211に送る機能を備える。これらの機能は、端末制御部217が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、またはファームウェアとしてユーザの端末装置2に実装されてもよい。
【0043】
(ユーザの端末装置2の処理)
ユーザの端末装置2は、ユーザに操作される。ユーザは、端末操作部213を操作して他のユーザの端末装置2との接続要求を入力する。サーバ4は、接続要求を受けて、他のユーザの端末装置2との接続を実施する。接続状態となった複数のユーザの端末装置2は、相互に音声データの送受信を行う。また、それぞれのユーザの端末装置2は、受信した音声データを音声としてユーザに発信し、受信した音声を音声データとしてサーバ4に送信する。
【0044】
また、ユーザの端末装置2は、サーバ4に含まれるように一体として構成されてもよい。または、サーバ4が端末集音部215および端末音拡張部216の機能を備えているのであれば、ユーザの端末装置2がない構成であっても本発明は成り立つ。例えば、サーバ4を備えるコンピュータを囲んで複数のユーザが発明について議論する構成とすれば、ユーザの端末装置2は必須とならない。更にユーザの端末装置2は、複数の機能ごとに複数に分かれて構成されていてもよい。また、ユーザの端末装置2の処理の一部がサーバ4や特許文章情報データベース3によって実施されてもよく、サーバ4や特許文章情報データベース3によって実施される処理の一部がユーザの端末装置2によって実施されてもよい。
【0045】
また、ユーザの端末装置2は、音声データの送受信に限らずテキストデータの送受信も可能である。すなわち、複数のユーザによるテキストデータによる会話情報も本発明の範囲に含まれる。この場合、ユーザの端末装置2に端末集音部215および端末音拡張部216は必須ではない。
【0046】
(特許文章情報データベース3の構成)
特許文章情報データベース3は、サーバ4の要求に応じて所望の特許文章をサーバ4に提供する。すなわち、特許文章情報データベース3は、サーバ4から受信した検索条件に基づいて当該検索条件に該当する特許文章を抽出して、サーバ4に送信する。特許文章情報データベース3は、サーバ4からの要求がある度に特許文章を検索してサーバ4に送信してもよく、定期的に代表的な検索結果について特許文章情報データベース3が特許文章をサーバ4に送信してもよい。特に図示しないが、特許文章情報データベース3は、制御部、通信部、および記憶部などのサーバとしての構成要素を備えているとよい。
【0047】
更に、サーバ4が特許文章情報データベース3を兼ねている場合、特許文章情報データベース3は、特許文章をサーバ4に送信してサーバ4の記憶部411などが特許文章を記憶する。特許文章情報データベース3は、サーバ4からの要求に応じて特許文章をサーバ4に送信してもよく、特許文章情報データベース3の主動によって特許文章をサーバ4に送信してもよい。この場合、サーバ4は、サーバ4内で検索および判定を完結できるため、処理速度を自由に調整することができる。
【0048】
特許文章情報データベース3は、新しく公開された公開特許公報や登録特許公報を蓄積して記憶している。特許文章情報データベース3は、過去の特許文章全てにおいて、項目分けされているとよい。例えば、要約、特許請求の範囲(請求項)、全文などに分かれているとよい。本実施形態で情報処理システム1は、後述する通り全文検索および請求項に含まれる検索キーワードのフリーワード検索を行なう。
【0049】
(サーバ4の概略構成)
図4は、サーバ4の概略構成の一例を示す図である。
【0050】
サーバ4は、サーバ4の記憶領域であり、少なくとも発明情報とユーザ識別情報とを対応付けて記憶するサーバ記憶部411、ならびにユーザの端末装置2および特許文章情報データベース3と通信するためにサーバ通信部412を含む。また、サーバ4は、ユーザの端末装置2から受信した発明情報の特許性の判定を行ったり、発明情報をユーザ識別情報ごと分類してサーバ記憶部411に記憶したりするサーバ制御部413を更に備える。
【0051】
サーバ記憶部411は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置および光ディスク装置の内の少なくとも一つを有し、バスを介してサーバ4と接続される。サーバ記憶部411は、サーバ制御部413による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データなどを記憶する。例えば、サーバ記憶部411は、ドライバプログラムとして、サーバ通信部412を制御する通信デバイスドライバプログラムなどを記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD−ROM、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラムなどを用いてサーバ記憶部411にインストールされてもよい。また、サーバ記憶部411は、特許文章テーブル411などを記憶する。なお、サーバ記憶部411は、本発明の記憶部に相当することができる。
【0052】
図5は、サーバ記憶部411に記憶される、会話情報データベースの一例である。
【0053】
会話情報データベースは、会話情報識別情報(会話情報識別ID)、ユーザ識別情報(参加者識別ID)、会話開始時刻、および会話終了時刻を対応付けて記憶されている。会話情報識別情報は、一連の会話からなる会話情報ごとに付与される識別情報である。一連の会話は、複数のユーザによって実施される会話のセッションが開始されて終了されるまでとしてもよく、ユーザによって指定されてもよい。または、特定の用語がユーザによって発せられた際に開始と終了が認識されてもよい。図5の通り、ユーザ識別情報は、会議などに参加している参加者の人数によって異なる。図5の例では3人まで表示されているが、本発明は参加者の人数が4人以上の場合にも適用できる。
【0054】
例えば、会話情報識別情報K0001には、ユーザ識別情報1にIVT0001、ユーザ識別情報2にIVT0003、ユーザ識別情報1にIVT0007が対応付けられて記憶されている。ユーザ識別情報1、ユーザ識別情報2、およびユーザ識別情報3は、発言をした順や会話にログインした順などで決定されてもよく、共に並列な関係としてサーバ記憶部411に記憶されていてもよく、これらの順序は、本発明を限定するものではない。
【0055】
図6は、サーバ記憶部411に記憶される、発明情報データベースの一例である。
【0056】
発明情報データベースは、図5に示される会話情報識別情報ごとに、発明識別情報(発明ID)、発明情報、発明日時、発明者識別情報(発明者IDもしくはユーザID)、および貢献度を対応付けて記憶している。サーバ記憶部411は、少なくとも会話情報または当該会話情報に含まれる発明情報をユーザまたは当該ユーザ識別情報に対応付けて記憶していればよい。発明情報は、ユーザが発した文言がそのまま記憶されていてもよく、サーバ4が発明の要素を解析した後の情報としてもよい。ここで、発明識別情報は、会話情報をサーバ制御部417が発明単位に区切った単位でサーバ記憶部411に記憶されている。発明日時および発明者識別情報は、発明内容を発言した日時情報および発明内容を発言したユーザ識別情報である。なお、発明情報が複数人の会話から創出された場合は、最終的に発明内容に至った内容を発言したユーザを発明者IDとして記憶してもよく、発明内容に至った際に発言したユーザを全員発明者IDとして記憶していてもよい。
【0057】
貢献度とは、会話情報識別情報ごとに含まれている複数の発明情報からなる発明群を構成する個々の発明情報の発明群への貢献の割合であり、独立項にあたる基本的な発明情報を創出したユーザの貢献度を高くし、その他の従属項にあたる発明情報を創出したユーザの貢献度を低くしてもよい。複数人によって発明群が得られた場合には、当該複数人の貢献度を均一にしてもよい。なお、本発明において「発明群」とは一連の会話の中で抽出された複数の発明情報の集合のことをいう。そして、この複数の発明同士が特許法で規定する単一性を満たすかは、ここでは問わないこととする。なお、独立項にあたる基本的な発明情報が本発明のメインの発明情報に相当することができ、従属項にあたる基本的な発明情報が本発明のサブの発明情報に相当することができる。
【0058】
図6の例では、会話情報識別情報K0001に対応付けて記憶されている情報が示されている。図6から明らかな通り、最初に抽出された発明情報(発明識別情報IV0001)が従属項であり、その後の発明情報(IV0003)が独立項となる場合もある。すなわち、発明の創出順序と独立項および従属項との関係性はない。よって、本実施形態において発明識別情報IV0003の貢献度が一番大きくなっている。つまり、一連の会話において下位概念が最初に抽出されて、その後で発明情報が上位概念化されることもある。そして、これらの抽出された発明情報は、ツリー構造化に整理されてサーバ記憶部411に記憶される。
【0059】
図7は、複数の発明情報がツリー構造に分類されている概念を示すための図である。
【0060】
図7に示される通り、発明識別情報IV0003が一番広い概念であり、一番上位に位置している。そして、発明識別情報IV0002およびIV0004がそれぞれIV0003の下位概念ではあるが、並列関係として分類されている。
【0061】
サーバ通信部412は、ユーザの端末装置2から会話情報を受信する。また、他のユーザの端末装置2から受信した会話情報をユーザの端末装置2に送信する。この会話情報は、画像、映像、およびテキスト情報の少なくとも1つである。また、サーバ通信部412は、ユーザの要求した情報をユーザの端末装置2に送信する。後述する発明情報をまとめた特許に関する書類などをユーザの要求に応じてユーザの端末装置2に送信する。なお、サーバ通信部412は、本発明の通信部に相当することができる。
【0062】
サーバ制御部413は、サーバ制御部413による機能は、サーバ制御部413が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、またはファームウェアとしてサーバ4に実装されてもよい。なお、サーバ制御部413の処理内容は後述する。また、サーバ制御部413の構成要素の切り分けは、一例であって、どの構成要素がどの処理を行うかは、本実施形態の記載に限定されない。なお、サーバ制御部413は、本発明の制御部に相当することができる。
【0063】
具体的に、サーバ制御部413は、ユーザの端末装置2から受信した会話情報から発明情報を抽出する。サーバ制御部413は、会話情報から発明情報に関する部分のみを自動的に抽出するように構成されてもよく、ユーザによって発明情報のみをサーバ4に送信するようにしてもよい。制御部413による発明情報の抽出は、ユーザ識別情報および会話情報の関係性を鑑みて会話情報の内容を解析することで実現できる。後者の場合サーバ制御部413は、発明情報を会話情報から抽出する必要はない。また、サーバ制御部413は、抽出された発明情報をユーザ識別情報、発明日時、および貢献度などと対応付けてサーバ記憶部411に記憶する。なお、音声をサーバ通信部412がユーザの端末装置2から受信している場合にサーバ4は、声門情報をサーバ記憶部411が記憶している必要があり、この声門情報との照合をサーバ制御部413が行うことで発明情報とユーザ識別情報とを対応付けてサーバ記憶部411に記憶することが可能となる。
【0064】
そして、サーバ制御部413は、抽出された発明情報をツリー構造に分類して、その分類結果をサーバ記憶部411に記憶する。なお、貢献度は、サーバ制御部413がツリー構造に発明情報を分類した後で算出されてもよく、ツリー構造とは別に算出されてもよい。ツリー構造に発明情報が分類された後であれば、後述する単一性を満たす発明情報のみを選択的に抽出して、その範囲内で貢献度を算出することができる。貢献度は、発明者ごとに抽出された発明情報の数や発明群における重要度に応じて算出されてもよく、独立項に相当する最も上位概念の発明情報を創出した発明者の貢献度が大きくなるように算出してもよい。また、貢献度は、個々の発明情報の特許性の判定結果に基づいて決定されてもよい。
【0065】
サーバ制御部413は、更に会話情報に含まれる発明情報を発明単位に区切り、区切られた発明情報のうち特許性を有する発明を発明情報としてサーバ記憶部411に記憶する判定部414を更に含んでもよい。サーバ制御部413は、発明情報を発明単位に区切られた状態でユーザの端末装置2から受信している場合は、発明単位に会話情報を区切る処理は不要となる。この判定部414の制御は、一般的な特許性判定の技術を用いることができる。
【0066】
本実施形態において特許性の判定を行うために判定部414は、まずユーザの端末装置2からサーバ通信部412が受信した発明情報に含まれる複数の単語から特許文章を検索するための検索キーワードを抽出する。判定部414は、検索キーワードを抽出するために、受信された発明情報を要素毎に分割する。具体的には、小用語解析を用いるとよい。すなわち、発明情報を複数の単語単位に構文解析して、どの単語がどの単語を修飾しているかの係り受け関係を抽出する。発明情報が英文などの場合には、ピリオド、コロン、セミコロン、カンマ、や関係代名詞の優先順位で分割をするデリミタ処理を行うとよい。そして、発明文書中に含まれる複数の単語の中から検索キーワードを抽出する。例えば、出現頻度の高い単語を検索キーワードとして抽出してもよく、単語の係り受け関係から重要な用語を検索キーワードとして抽出してもよい。すなわち、検索キーワードは、ユーザが入力した発明情報が属する技術分野を1単語で表すための用語である。なお、検索キーワードは、通常1つの単語であるが、検索キーワードを1つに絞込み辛い場合などは、複数の単語としてもよい。入力された発明情報から検索キーワードを抽出する技術は、一般的な技術を用いればよく、上記手法には限定されない。
【0067】
このように、発明情報において重要な検索キーワードを発明情報から抽出することで特許文章情報データベース3から容易に特許文章を抽出することができる。また、情報処理システム1として、特許性の評価判定をすばやく処理することができる。
【0068】
判定部414は、抽出された検索キーワードを用いて入力された発明情報に類似する特許文章を少なくとも1件抽出する。特許文章の抽出は、特許文章情報データベース3に含まれる特許文章を単にキーワード検索によって検索するとよい。例えば、検索キーワードが特許文章の全文に記載されている特許文章を検索結果としてもよく、検索キーワードが全請求項に記載されている特許文章を検索結果として抽出してもよく、請求項1に検索キーワードが記載されている特許文章を検索結果として抽出してもよい。本実施形態においては、特許文章の全文において検索キーワードが検出される検索結果を特許文章としているが、本発明は、検索対象箇所に限定されない。検索対象文章が短い程、処理が軽くなるため、簡易調査として請求項1(最初の独立項)のみを検索対象とすることもできる。
【0069】
なお、サーバ記憶部411には、検索キーワードに関連する特許技術分野に付与されているFIなどが対応付けて記憶されており(図示しない)、判定部414は、特許文章情報データベース3から検索キーワードを用いて特許文章を検索する際に、サーバ記憶部411に記憶されたFIなどを用いて特許文章を検索する際の母集団を削減することができる。なお、本発明は、FI以外にIPC、Fターム、USCなどが対応付けられて記憶されていてもよい。
【0070】
検索キーワードは、少なくとも1つであり、複数抽出することで特許文章情報データベース3から抽出される特許文章の母集団を削減することができ、発明情報と特許文章との類似度の算出をすばやく行うことができる。ただし、母集団が小さくなり過ぎると、所謂「調査漏れ」が発生してしまうため、最小限の母集団の大きさが決定されており、当該最小限の母集団の大きさ以上の大きさが得られるように判定部414が検索キーワードの数を決定してもよい。
【0071】
このように、判定部414は、単にフリーワード検索において抽出された特許文章と比較して、検索キーワードの重要度を考慮した上で特許文章を抽出できるため、無駄な処理をせずに精度の高い特許評価判定を情報処理システム1が実施できる。また、より最適な特許文章を抽出することで、情報処理システム1は特許性の評価判定をすばやく処理することができる。
【0072】
発明情報の特許性を判定するために判定部414は、特許文章情報データベース3から抽出した特許文章と発明情報との比較を行って類似度を判定する。判定部414が抽出した特許文章に含まれる文章の全文(以降「特許文章の全文」と記載することもある)と発明情報とを比較して類似度を求める。サーバ制御部は、特許文章に含まれる文章の全文および発明情報を最小の文単位(以降「最小文」と呼ぶ)に分割して、これらの最小文同士の類似度を求める。すなわち、発明情報に含まれる構成要素単位に文章を最小文に分割して、構成要素が特許文章に開示されているか否かを判定することで類似度を求める。なお、判定部414は、発明情報に含まれる最小文が1つの特許文章に含まれているか、複数の特許文章に分かれて記載されているかを類似度に反映させてもよい。1つの文章に全ての最小文が開示されている場合、入力された発明情報の新規性が欠如していると判定できる。また、複数の特許文章に最小文がまたがって記載されている場合には、入力された特許文章に進歩性が欠如していると判定できる。
【0073】
このように、判定部414は、予め最小文に発明情報および特許文章を区切った上で、発明情報および特許文章の比較を行なうため、発明情報の全体および特許文章全体を比較するよりも小規模で文章同士の類似判定ができる。よって、情報処理システム1による類似判定の精度が向上する。
【0074】
そして、判定部414は、このように発明情報と特許文章との類似度を求めた上で、特許性を判定することができる。本発明において、類似度と特許性について反比例する関係のマップを予め用意し、判定部414が求めた類似度から特許性を求める。また、判定部414は、類似度から特許性を求める計算式を予めサーバ記憶部411に記憶していてもよい。そして、判定部414は、特許性があると判定した発明について発明情報としてサーバ記憶部411に記憶するとよい。この際、例えば、判定部414は、例えば、特許性の度合いが80%以上の場合に、発明が発明情報としてサーバ記憶部411に記憶されてもよく、特許性の度合いが80%未満の場合には、発明が発明情報としてサーバ記憶部411に記憶されないようにしてもよい。また、発明情報が特許性を有するためにサーバ記憶部411に記憶されたことをユーザの端末装置2に送信する構成としてもよい。更に、サーバ4は、類似度を求める際に抽出された特許文章をユーザの端末装置2に送信するように構成されてもよい。
【0075】
サーバ制御部413は、ユーザの端末装置2に送信されるさまざまな表示画面を生成する生成部415を更に含む。生成部415が生成した画面構成は、サーバ記憶部411に記憶されてもよい。しかしながら、発明情報の機密観点から発明情報の内容および特許性の判定結果もサーバ記憶部411に記憶せずに、これらの情報を一時的な保存領域(メモリ)に記憶して、ユーザの端末装置2に送信する構成とする方が好ましい。この一時的な保存領域もサーバ記憶部411が司ってもよい。
【0076】
生成部415は、サーバ記憶部411に記憶されているユーザの端末装置2から抽出された発明情報、発明者情報(ユーザ識別情報)、貢献度、ツリー構造、および後述する単一性情報の少なくとも1つを基に議事録、発明届出書、または特許出願用の明細書などの特許に関する書類を生成してもよい。これらの議事録、発明届出書、または特許出願用の明細書などの特許に関する書類は、サーバ制御部413によって作成され、その情報が生成部によってユーザの端末装置2に送信される表示画面として生成されてもよい。また、議事録、発明届出書、または特許出願用の明細書などの特許に関する書類は、生成部415によって表示画面として生成される他に、ファイルとして生成されてもよい。なお、生成部415が発明情報、発明者情報(ユーザ識別情報)、貢献度、ツリー構造、および単一性情報の少なくとも1つから生成する情報は、特許に関する書類以外であってもよい。例えば、発明情報が物に関する発明である場合は、生成部415が当該物を製造(試作)するための設計図を生成してもよく、試作を自動的に製造するための信号を生成してもよい。
【0077】
なお、生成部415が生成する情報が発明届出書である場合は、サーバ制御部413は、個々の発明情報に発明者情報(ユーザ識別情報)および貢献度を対応付けた情報を生成するとよい。貢献度の算出方法を企業ごとに設定しておくことで、発明の貢献度によって発明者同士が調整する手間も省ける。単一性情報も同様であり、企業は別発明を同一の発明届出書に含まないようにすることができ、発明者同士の調整の手間が省ける。
【0078】
サーバ制御部413は、抽出された発明情報が単一性を満たすか否かを判断してもよい。サーバ制御部413は、ツリー構造に分類した複数の発明情報(発明群)が単一の独立項に相当する発明の下位概念にその他の発明情報が分類されるか否かによって1つの会話情報に含まれる発明群が単一性を満たすかを判断する。また、この単一性を満たすか否かの情報は、サーバ記憶部411に記憶されてもよい。
【0079】
そして、制御部413は、発明群に単一性を満たさない概念が含まれるとサーバ制御部413が判定した場合に、ユーザの端末装置2に報知信号を、サーバ通信部412を介して送信する報知部416を含んでもよい。
【0080】
すなわち、本発明による情報処理システム1は、複数のユーザによる会話情報を受信し、生成情報を送信するサーバ通信部412と、上記会話情報または当該会話情報に含まれる発明情報を上記複数のユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて記憶するサーバ記憶部411と、上記サーバ通信部412が受信した上記会話情報に含まれる発明情報を発言したユーザまたは当該ユーザの識別情報ごとに分類し、上記サーバ記憶部411に記憶するサーバ制御部413と、を含む。上記サーバ制御部413は、上記会話情報または上記会話情報を基に上記生成情報を生成する生成部415を含む。
【0081】
また、上記サーバ制御部413は、上記発明情報が発言された日時を上記ユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて上記サーバ記憶部411に記憶する。
【0082】
また、上記サーバ制御部413は、上記サーバ通信部412が上記発明情報を複数受信した際は、上記複数の発明情報のうち最も広い範囲を有する発明情報をメインの発明情報として分類する。上記サーバ制御部413は、上記メインの発明情報以外をサブの発明情報として分類する。上記サーバ制御部413は、上記分類結果を上記サーバ記憶部411に記憶する。
【0083】
また、上記サーバ制御部413は、上記会話情報を1つの発明群としたとき、上記複数の発明情報および上記対応付けられたユーザまたは当該情報ユーザの識別情報に基づいて、個々のユーザまたは当該ユーザの識別情報ごとに上記発明群を創出した割合を発明貢献度として算出して、上記ユーザまたは当該ユーザの識別情報に対応付けて上記サーバ記憶部411に記憶する。
【0084】
また、上記サーバ制御部413は、上記複数の発明情報をツリー構造に分類し、上記メインの発明情報に応じて上記サブの上記発明情報が全て上記メインの発明情報の下位に含まれるか否かを判断し、上記分類結果および上記判断結果を上記記憶部に記憶する。
【0085】
また、上記サーバ制御部413は、少なくとも一部の上記サブの発明情報が上記メインの発明情報の下位に含まれないと判断した場合に、その旨を報知する報知部416を更に有する。
【0086】
また、上記サーバ制御部413は、上記発明情報が特許性を有するかを判定する判定部414を含む。上記判定部414は、上記発明情報が特許性を有する場合に当該発明情報を上記サーバ記憶部411に記憶する。
【0087】
また、上記判定部414は、複数の特許文章情報を含むデータベースに上記発明情報と類似する特許文章が存在するか否かに応じて上記発明情報の特許性を判定する。
【0088】
また、上記判定部414は、上記発明情報を単語単位に構文解析を行なった上で、上記発明情報における任意の検索キーワードを抽出し、上記抽出された検索キーワードを用いて当該検索キーワードが含まれる少なくとも1件の特許文章を前記データベースから抽出し、上記1件の特許文章と上記発明情報との比較によって上記発明情報の特許性を判定する。
【0089】
また、上記生成部は、上記記憶部に記憶されている情報を基に特許に関する書類を生成する。
【0090】
(情報処理システム1による処理)
図8は、本実施形態にかかる情報処理システム1によるユーザの端末装置2から受信した会話情報から発明情報などを抽出してサーバ記憶部411に記憶するための一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。なお、本処理の一部は、本発明が成り立つ範囲内であれば、割愛することができる。
【0091】
以下に説明する動作シーケンスは、予めサーバ記憶部411に記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ制御部413により、サーバ4の各要素と協働して実行される。また、以下に説明する動作シーケンスにおいて、サーバ4は、サーバ通信部412を介してユーザの端末装置2と各種の情報を送受信する。
【0092】
最初にサーバ4のサーバ通信部412は、ユーザの端末装置2から会話情報を受信する(ステップS101)。この際に、サーバ制御部413は、会話情報がいずれのユーザから発信されているかのユーザ識別情報も受信している。なお、本処理は、会話情報をサーバ通信部412がユーザの端末装置2から受信した際、またはユーザによって開始要求を受信した際に開始される。
【0093】
続いて、サーバ制御部413は、サーバ通信部412が受信した会話情報を発明単位に区切る(ステップS102)。なお、この処理は、ユーザによって発明が発明単位にサーバ4に送信される場合は不要となる。
【0094】
続いて、サーバ制御部413は、区切られた発明情報のそれぞれが特許性を有するかを判定する(ステップS103)。なお、この特許性の判定は、図9に示す特許性の判定フローとして判定部414によって行われる。
【0095】
図9は、図8に示した本実施形態にかかる情報処理システム1によるユーザの端末装置2から受信した発明情報の特許性を判定するための一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。なお、本処理は、特許性の判定を行う場合の手法の一例であり、本発明は本処理に限定されるものではない。また、本処理の一部は、本発明が成り立つ範囲内であれば、割愛することができる。
【0096】
以下に説明する動作シーケンスは、予めサーバ記憶部411に記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ制御部413により、サーバ4の各要素と協働して実行される。また、以下に説明する動作シーケンスにおいて、サーバ4は、サーバ通信部412を介してユーザの端末装置2と各種の情報を送受信する。
【0097】
まず、サーバ制御部413は、発明情報が特許性の判定を行なうためにふさわしい形式で受信されているかをサーバ制御部413は判定する(ステップS201)。発明情報が誤った形式で受信されている場合(ステップS201がNO)には、サーバ制御部413が特許性の判定を実施できないため、サーバ制御部413は、処理をS101に戻して(ステップS202)更なる会話情報を取得する。正しい形式とは、サーバ制御部413の判定部414が特許性の判定を行う際に、扱うことができる形式である。例えば、サーバ制御部413が扱うことのできない造語を含んでいる場合などは、誤った形式であるとサーバ制御部413は判定する。なお、本実施形態では、サーバ制御部413は、発明情報が誤った形式で受信されている場合に、サーバ通信部412を介してユーザの端末装置2に正しい形式に修正するか否かの情報を送信してもよい。
【0098】
発明情報が正しい形式で受信されている場合(ステップS201がYES)、サーバ処理416は、ユーザの端末装置2から受信した発明文章が属する技術分野を1単語で表すための用語を抽出する(ステップS203)。サーバ制御部413は、発明情報を複数の単語単位に分割して、どの単語がどの単語を修飾しているかの係り受け関係を抽出して、単語の係り受け関係から重要な用語を検索キーワードとして抽出する。
【0099】
続いて、サーバ制御部413は、抽出された検索キーワードを用いて入力された発明情報に類似する特許文章を抽出する(ステップS204)。具体的には、サーバ制御部413は、特許文章データベース3から検索キーワードが特許文章の全文に記載されている特許文章を検索結果として抽出する。この際、サーバ制御部413は、検索キーワードが個々の特許文章においてどの程度重要な単語であるかを判定した上で、関連性が高い特許文章のみを抽出する。
【0100】
そして、サーバ制御部413は、特許文章の請求項と発明文章とを比較して類似度を求める(ステップS205)。具体的には、サーバ制御部413は、発明情報に含まれる構成要素単位に文章を最小文に分割して、構成要素が特許文章に開示されているか否かを判定することで類似度を求める。サーバ制御部413は、類似度のスコアを複数の特許文章に含まれる特許文章に対して算出して、類似度のスコアが高い特許文章を少なくとも1件抽出する。ここで、サーバ制御部413は、ユーザの端末装置2から入力された発明情報の長さを考慮して、短すぎる場合には類似度が高く出るように類似度のスコアを補正してもよい。
【0101】
更に、サーバ制御部413は、抽出された類似度のスコアに基づいて特許性を判定する(ステップS206)。特許性の判定は、類似度と特許性の関係を記憶したマップを参照して算出されてもよい。そして、サーバ制御部413は、算出された特許性を図8の処理にフィードバックする(ステップS207)。
【0102】
図8に戻って、サーバ制御部413は、フィードバックされた発明情報の特許性の判定結果が特許性ありか否かを判定する(ステップS104)。発明情報に特許性がない場合(S104がNO)は、処理がステップS106に進む。すなわち、発明情報に発明識別情報を付与して、発明情報、発明情報識別情報、発明日時、ユーザ識別情報を対応付けて記憶することをサーバ制御部413は行わない。
【0103】
一方、発明情報に特許性ありと判定された場合(ステップS104がYES)、サーバ制御部413は、発明情報に発明識別情報を付与して、発明情報、発明情報識別情報、発明日時、ユーザ識別情報を対応付けて記憶する(ステップS105)。
【0104】
続いて、サーバ制御部413は、ユーザによる会話情報が終了したかを判断する(ステップS106)。ユーザによる会話が終了していない場合(ステップS106がNO)、処理はステップS101に戻され、更に会話情報を受信する。
【0105】
一方、ユーザによる会話が終了した場合(ステップS106がYES)、サーバ制御部413は、サーバ記憶部411に記憶した発明情報をツリー構造に分類する(ステップS107)。なお、この処理は、会話が終了した場合に行われることとしているが、会話が継続中に随時行われてもよい。また、発明情報がステップS105にて1つまたは2つ以上記憶されていない場合にサーバ制御部413は、本処理を実施しなくてもよい。
【0106】
続いて、サーバ制御部413は、分類されたツリー構造を基に抽出された発明情報が全て単一性を満たしているかを判断する(ステップS108)。なお、この処理は、会話が終了した場合に行われることとしているが、会話が継続中に随時行われてもよい。また、発明情報がステップS105にて1つまたは2つ以上記憶されていない場合にサーバ制御部413は、本処理を実施しなくてもよい。
【0107】
続いて、サーバ制御部413は、分類されたツリー構造および単一性の判断結果を基に発明者(ユーザ識別情報)ごとの貢献度を算出する(ステップS109)。なお、この処理は、会話が終了した場合に行われることとしているが、会話が継続中に随時行われてもよい。また、発明情報がステップS105にて1つまたは2つ以上記憶されていない場合にサーバ制御部413は、本処理を実施しなくてもよい。
【0108】
続いて、サーバ制御部413は、分類されたツリー構造、単一性の判断結果、および算出された貢献度をサーバ記憶部411に記憶する(ステップS110)。そして、サーバ制御部413は、処理を終了させる。また、発明情報がステップS105にて1つまたは2つ以上記憶されていない場合にサーバ制御部413は、本処理を実施しなくてもよい。
【0109】
なお、本実施形態では、サーバ制御部413による特許に関する書類の生成は、上記処理とは別に行われることとしているが、特許に関する書類の生成は、上記処理に組み込まれてもよい。すなわち、サーバ制御部413は、ステップS110が完了した後に、ユーザの端末装置2から特許に関する書類の生成要求を受け付ける工程を経て、要求があった場合に特許に関する書類の生成処理に進むように構成されるとよい。
【0110】
図10は、サーバ制御部413の生成部415による特許に関する書類の生成結果を示す図である。ここでは、特許に関する書類として発明届出書を一例としている。
【0111】
図10に示される通り、特許に関する書類の生成要求を出したユーザの端末装置2に対応付けられたユーザの情報が発明届出書の提出代表者として生成部415によって入力される。すなわち、ログイン情報などによって自動的に入力される。そして、ユーザによって選択された発明群(会話情報識別情報)に対応付けられた発明情報が発明者情報(ユーザ識別情報)として氏名が貢献度と共に入力される。図10の例で生成部415は、図5における会話情報識別情報K0001に対応する情報として、図6に示される発明情報や発明者情報(ユーザ識別情報)が図7に示すツリー構造を基に発明届出書を生成している。また、前述の通り、発明届出書には、単一性を満たしている範囲の発明情報のみが入力されるように生成部415は、発明届出書を生成するよい。この場合、サーバ4は、ユーザに単一性を満たしていない複数の発明のうち、いずれを基に発明届出書を生成するかを問い合わせる。ユーザは、発明者や知的財産部の判断によって、単一性を満たしていない複数の発明を単一の発明届出書に入力するようにサーバ4に要求することも可能である。また、発明届出書などの特許に関する書類の出力要求および出力先は、ユーザの端末装置2だけに限らず、他の端末装置などでもよい。もちろん、会議などに参加していた参加者のユーザの端末装置2以外の端末装置からであってもよい。
【0112】
以上説明したように、本実施形態にかかる情報処理システム1は、サーバ4が会議などの会話を会話情報として受信して、発明情報を抽出し、発明情報ごとに発明者情報(ユーザ識別情報)や貢献度などと対応付けて記憶できるため、会議内容を再度聞き直す必要も議事録を見返す手間も省くことができる。また、自動的に発明情報や発明者情報(ユーザ識別情報)を対応付けて記憶することができるため、発明者同士で貢献度などを相談する手間を省くこともできる。
【0113】
なお、本発明は、情報処理システム1として、ユーザの端末装置2、特許文章情報データベース3、およびサーバ4がそれぞれ独立しているシステムとして記載しているが、これらの機能が全て一箇所に存在する情報処理装置としても同様の効果を発揮することができる。また、これらの処理を実現させるサーバの制御方法であったり、これらの機能をユーザの端末装置2などにインストールさせてサーバの制御プログラムとして提供したりすることも可能である。
【0114】
当業者は、本発明の精神および範囲から外れることなく、さまざまな変更、置換および修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【0115】
(変形例1)
上記実施形態では、サーバ4が発明情報のそれぞれがいずれのユーザ識別情報に対応付けて記憶すべきかを判断しているが、複数のユーザがそれぞれのユーザの端末装置2を介して音声を発している場合、サーバ制御部413は、ユーザ識別情報の替わりに受信元のユーザの端末装置2ごとに発明情報を創出したユーザ識別情報を対応付けて記憶することができる。
【0116】
(変形例2)
上記実施形態では、複数のユーザが会話を行い、サーバ4が特許性の判定を行っていたが、情報処理システム1は、複数のユーザと対話を行うチャットボットのようにサーバ4を構成することができる。すなわち、サーバ4の生成部415は、複数のユーザに発明が何であるかを問いかけたり、特許性がない場合には追加発明を創出するように促したりする画面構成を生成することができる。よって、単に複数のユーザが会話をする場合と比較して、チャットボットが発明を促すことができ、複数のユーザは効率的に発明を創出することができる。
【0117】
(変形例3)
上記実施形態では、抽出された複数の発明情報の単一性を、ツリー構造を基に判断していたが、ユーザが会話の中で発した課題情報を基に判断してもよい。また、判定部414の特許性の判定結果も、この課題情報に応じて異なるように判定してもよい。なお、この課題情報も、サーバ記憶部411に記憶されるとよい。
【符号の説明】
【0118】
1 情報処理システム
2 ユーザの端末装置
211 端末通信部
212 端末記憶部
213 端末操作部
214 端末表示部
215 端末集音部
216 端末音拡張部
217 端末制御部
3 特許文章情報データベース
4 サーバ
411 サーバ記憶部
412 サーバ通信部
413 サーバ制御部
414 判定部
415 生成部
416 報知部
5 インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10