(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6764520
(24)【登録日】2020年9月15日
(45)【発行日】2020年9月30日
(54)【発明の名称】軌道交通の給電構造
(51)【国際特許分類】
B60M 1/30 20060101AFI20200917BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20200917BHJP
B60M 1/04 20060101ALI20200917BHJP
B60L 5/38 20060101ALI20200917BHJP
【FI】
B60M1/30 311
B60M7/00 V
B60M1/04
B60L5/38 Z
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-503614(P2019-503614)
(86)(22)【出願日】2017年4月6日
(65)【公表番号】特表2019-515842(P2019-515842A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(86)【国際出願番号】CN2017079562
(87)【国際公開番号】WO2017174001
(87)【国際公開日】20171012
【審査請求日】2018年11月30日
(31)【優先権主張番号】201610213944.6
(32)【優先日】2016年4月7日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518356707
【氏名又は名称】サウスウエスト ジャオトン ユニバーシティー
【氏名又は名称原語表記】SOUTHWEST JIAOTONG UNIVERSITY
(73)【特許権者】
【識別番号】518356718
【氏名又は名称】リー,チュンヂャン
【氏名又は名称原語表記】LI, Qunzhan
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】リー,チュンヂャン
【審査官】
清水 康
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06672441(US,B1)
【文献】
実開昭54−081507(JP,U)
【文献】
中国実用新案第203126566(CN,U)
【文献】
実開昭50−082699(JP,U)
【文献】
実開昭54−015906(JP,U)
【文献】
特開2002−137730(JP,A)
【文献】
特開平11−136835(JP,A)
【文献】
再公表特許第2013/118774(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60M 1/04
B60M 1/30
B60M 7/00
B60L 5/38 − 5/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道床(5)の延伸方向に沿って連続的に敷設される絶縁ベース(3)、給電レール(1)、帰線レール(2)及び絶縁シールド(4)から構成された給電領域を備え、
絶縁ベース(3)の上部にボスが設けられ、ボスの両側のショルダーにそれぞれ給電レール(1)と帰線レール(2)が設けられ、絶縁ベース(3)のボスの頂部に絶縁シールド(4)が設けられ、前記絶縁シールド(4)は前記給電レール(1)と帰線レール(2)を被覆し、
前記給電レール(1)と前記帰線レール(2)を、前記絶縁ベース(3)と前記絶縁シールド(4)との結合部に嵌設することを特徴とする軌道交通の給電構造。
【請求項2】
前記絶縁ベース(3)は繊維強化プラスチック製の絶縁ベース、及び/又は、前記絶縁シールド(4)は繊維強化プラスチック製の絶縁シールドであることを特徴とする請求項1に記載の軌道交通の給電構造。
【請求項3】
前記給電レール(1)と帰線レール(2)の取付高さが走行レール(11)の高さより大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の軌道交通の給電構造。
【請求項4】
前記給電レール(1)、帰線レール(2)、絶縁ベース(3)及び絶縁シールド(4)は分岐器区間で中断し、中断した給電レール(1)は給電ケーブル(18)を介して接続され、中断した帰線レール(2)は帰線ケーブル(19)を介して接続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軌道交通の給電構造。
【請求項5】
給電アーム(6)と帰線アーム(7)を備え、給電アーム(6)と帰線アーム(7)は車両(9)の駆動機構(10)が設けられた転向台車(12)に連結され、
給電アーム(6)は、先端が車両(9)の駆動機構(10)の入力ポートの一端に接続されて、末端が前記給電レール(1)に接触し、
帰線アーム(7)は、先端が車両(9)の駆動機構(10)の入力ポートの他端に接続されて、末端が前記帰線レール(2)に接触し、
給電レール(1)、給電アーム(6)、車両(9)の駆動機構(10)、帰線アーム(7)及び帰線レール(2)は車両(9)の給電回路を構成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の軌道交通の給電構造。
【請求項6】
前記給電アーム(6)と帰線アーム(7)は、絶縁リング(8)によって車両(9)の駆動機構(10)が設けられた転向台車に連結されることを特徴とする請求項5に記載の軌道交通の給電構造。
【請求項7】
前記絶縁リング(8)はゴム製絶縁リングであることを特徴とする請求項6に記載の軌道交通の給電構造。
【請求項8】
給電アーム(6)と帰線アーム(7)が設けられた転向台車(12)に隣接する転向台車(13)に、一組の補助給電アーム(14)と補助帰線アーム(15)が設けられ、
補助給電アーム(14)と給電アーム(6)は補助給電ケーブル(16)を介して接続され、補助帰線アーム(15)と帰線アーム(7)は補助帰線ケーブル(17)を介して接続され、
補助給電アーム(14)は給電レールに接触し、補助帰線アーム(15)は帰線レールに接触し、
補助給電アーム(14)と給電アーム(6)の間の距離が分岐器区間の長さより大きく、補助帰線アーム(15)と帰線アーム(7)の間の距離が分岐器区間の長さより大きいことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の軌道交通の給電構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2016年04月07日に提出した出願番号が201610213944.6で、発明の名称が「軌道交通の給電構造」の中国特許出願の優先権を主張し、その全内容が引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は軌道交通の給電の技術分野に関し、特に軌道交通の給電構造に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電化鉄道のトラクション電力網は、オーバーヘッド連絡網+走行レールの形式を用い、地下鉄、ライトレールなどの都市軌道交通のトラクション電力網は、オーバーヘッド連絡網+走行レールの形式又は接触レール+走行レールの形式を用い、いずれも走行レールを牽引電流の帰線レールとして用い、技術又は経済的な様々な要因により、走行レールは大地と完全に絶縁していないため、牽引電流は走行レールを経由して大地へ漏れたり拡散したりして、ストレィ・カレントとも呼ばれる迷走電流となる。特に都市軌道交通には直流牽引が使用されており、それによる迷走電流は道床の鉄筋構造、トンネル内の鉄筋構造や沿線の金属管路などの施設に対して電気化学的腐食を施し、それによりこれら構造体や金属施設の安全性及び耐用年数に悪影響を及ぼす。それに対して、排流保護、走行レールの抵抗低下、迷走電流収集や管路塗装などの迷走電流腐食対策を取るが、大きな投資が必要である上に、迷走電流及びその長期的な腐食影響を根本的に排除することができない。さらに、走行レールの帰線電流による地面への電位差によりステップ電圧が形成されて、人の安全を脅かすリスクがあり、必要な予防策を取らなければならない。
【0004】
また、オーバーヘッド連絡網+走行レールの形式又は接触レール+走行レールの形式のトラクション電力網は大きな空間を占用し、トンネル断面を増やす必要があり、さらに施工の難度とコストを向上させる。
【0005】
このため、構造がコンパクトで、容易に作動でき、経済性と実用性を両立させ、且つ迷走電流とステップ電圧を徹底的に解消して、人や施設を保護し、同時に給電の信頼性を向上させて、装置の耐用年数を延長させ、定期的なメンテナンスが容易である給電構造が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、トラクション電力網がレール外部の空間を余分に占用し、且つ人や装置の安全性を損なう迷走電流やステップ電圧が存在するという問題を効果的に解決する、軌道交通の給電構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、その目的を達成させるために、以下の技術案を採用する。道床の延伸方向に沿って連続的に敷設される軌道交通の給電構造であって、絶縁ベース、給電レール、帰線レール及び絶縁シールドを備え、絶縁ベースの上部にボスが設けられ、ボスの両側のショルダーにそれぞれ給電レールと帰線レールが設けられ、絶縁ベースのボスの頂部に絶縁シールドが設けられ、絶縁シールドは給電レールと帰線レールを被覆する。
【0008】
本発明は、さらに、給電アームと帰線アームを備え、給電アームと帰線アームは車両の駆動機構が設けられた転向台車に連結され、
給電アームは、先端が車両の駆動機構の入力ポートの一端に接続されて、末端が前記の軌道交通の給電構造の給電レールに接触し、
帰線アームは、先端が車両の駆動機構の入力ポートの他端に接続されて、末端が前記の軌道交通の給電構造の帰線レールに接触し、
給電レール、給電アーム、車両の駆動機構、帰線アーム、帰線レールは車両の給電回路を構成する、軌道交通の給電構造を提供する。
【0009】
給電アームと帰線アームは、絶縁リングによって車両の駆動機構が設けられた転向台車に連結される。
【0010】
給電アームと帰線アームが設けられた転向台車に隣接する別の転向台車に、一組の補助給電アームと補助帰線アームが設けられ、補助給電アームと給電アームは補助給電ケーブルを介して接続され、補助帰線アームと帰線アームは補助帰線ケーブルを介して接続され、これらの間隔長さが同じであり、すなわち補助給電アームと給電アームの間の距離は補助帰線アームと帰線アームの間の距離に等しく、且つ分岐器区間の長さより大きく、すなわち補助給電アームと給電アームの間の距離は分岐器区間の長さより大きく、補助帰線アームと帰線アームの間の距離は分岐器区間の長さより大きい。
【0011】
前記給電レールと帰線レールの取付高さを走行レールの上端より高くする必要がある。
【0012】
前記給電レール、帰線レール及び絶縁ベースは分岐器区間で中断し、中断した給電レールと帰線レールはそれぞれ給電ケーブルと帰線ケーブルを介して接続され、給電レールと帰線レールの中断長さは分岐器区間の長さ以上である。給電アームと帰線アームは、絶縁リングによって車両の駆動機構が設けられた転向台車に取り付けられ、補助給電アームと補助帰線アームは、絶縁リングによって、駆動機構が設けられた転向台車に隣接する転向台車に設けられ、それにより、その運転過程において走行レールとの相対距離が一定に保持され、このように、給電レール及び帰線レールとより良い接触を維持して受電し、且つ車体と絶縁している。
【0013】
分岐器区間には下記技術が採用できる。補助給電アームと給電アームは、補助給電ケーブルを介して接続され、補助帰線アームと帰線アームは補助帰線ケーブルを介して接続され、これらの間隔長さは同じであり且つ分岐器区間の長さより大きく、給電レールと帰線レールの取付高さを走行レールの上端より高くする必要がある。給電レールと帰線レールが分岐器区間で中断しても、分岐器の構造と分岐器の操作に影響することがなく、同時に、それぞれ給電ケーブルと帰線ケーブルを介して接続され、且つ給電アーム、補助給電アーム、帰線アーム、補助帰線アームが走行レールの分岐器の上で通過して、互いに影響を与えずに立体交差するため、給電連続性が保持される。
【0014】
絶縁ベースと絶縁シールドは所定の剛性と塑性を有し、通常、好ましくは繊維強化プラスチックを用いる。絶縁ベースの剛性は、給電レールと帰線レール及びそれらと摩擦する給電アームと帰線アームからの圧力を負荷するのに十分であり、絶縁シールドも所定の剛性を有し、緊急事態の場合に車両が通過することによるローリングに耐えられる。絶縁ベースと絶縁シールドの塑性を利用して、給電レールと帰線レールを絶縁ベースと絶縁シールドとの結合部に嵌設し得る。絶縁リングは絶縁作用だけを果たし、一般的なゴム、樹脂などの材料の製品を使用し得る。
【0015】
本発明の作動原理は以下のとおりである。絶縁ベースと絶縁シールドが有する剛性、塑性及び絶縁性を給電レールと帰線レールの取り付け構造と組み合わせることにより、最もコンパクト且つシンプルで、走行レール及び道床と絶縁して、独立して、車両外部の空間を占用しない給電回路を構成する。絶縁ベースと絶縁シールドの絶縁性及び給電レール、帰線レールのコンパクトなレイアウトを利用して、同じ空間では給電電圧レベルとシステムの給電能力を向上させ、且つ交流給電方式ではケーブル効果を形成し、さらに、接続線と立体交差技術を利用することで、分岐器の構造と分岐器の操作に影響を及ぼさずに、車両が停電せずに分岐器区間を通過できる。
【発明の効果】
【0016】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0017】
1.本発明は、車両の走行レールと絶縁して、独立した牽引給電回路を構成し、迷走電流と地面でのステップ電圧を発生させることがなく、人や施設の安全性を確保する。
【0018】
2.絶縁ベースと絶縁シールドを設置することによって、同じ空間では給電電圧レベルとシステム給電能力を向上させ、且つ交流給電形式ではケーブル効果を形成し、従来のオーバーヘッド連絡網+走行レールの形式又は接触レール+走行レールの形式に比べて、同じ電圧レベルではより高い給電能力を有する。
【0019】
3.絶縁ベースと絶縁シールドを設置することにより、給電レールと帰線レールの短絡故障を効果的に回避して、給電の信頼性を向上できる。
【0020】
4.本発明は低コストで、同時に走行レール間と車両底部の空間を活用して別の空間を占用することがなく、非反復土木建設費を増加せず、経済性と実用性を両立させる。
【0021】
5.本発明は、分岐器の構造と分岐器の操作に影響を与えずに車両が停電せずに分岐器区間を通過することを可能にする。
【0022】
6.本発明は、地上で走行しているときに、都市景観に悪影響を与えない。
【0023】
7.本発明は、構造がコンパクトで、取り付けやすく、メンテナンスが容易になり、安全で信頼でき、耐用年数が長く、新線の建設に適用できるとともに、既存線の改良に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の実施例における技術案を明瞭に説明するために、以下、実施例の説明に使用される図面について簡単に説明するが、勿論、以下の説明における図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに、これら図面に基づいてほかの図面を想到し得る。図面において、
【
図1】本発明の実施例における軌道交通の給電構造の断面模式図である。
【
図2】本発明の実施例における分岐器区間の軌道交通の給電構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、図面を参照しながら本発明の実施例についてさらに詳細に説明する。ここで、本発明の例示的な実施例及びその説明は本発明を解釈するために過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0026】
以下、図面と実施形態にて本発明についてさらに説明する。
【0028】
図1には軌道交通の給電構造の模式図が示されており、軌道交通の給電構造は、道床5の延伸方向に沿って、給電レール1、帰線レール2、絶縁ベース3及び絶縁シールド4から構成された給電領域が連続的に敷設され、絶縁ベース3の上部にボスが設けられ、ボスの両側のショルダーにそれぞれ給電レール1と帰線レール2が設けられ、ボスにより給電レール1と帰線レール2は離間されており、絶縁ベース3のボスの頂部に絶縁シールド4が設けられる。さらに、本発明による軌道交通の給電構造は、給電アームと帰線アームとを備え、給電アーム6と帰線アーム7は絶縁リング8によって、車両9(車両9は高速列車である)の駆動機構10が設けられた転向台車12に連結され、具体的には、車両の前転向台車に連結され、給電アーム6は、先端が駆動機構10の入力ポートの一端に接続されて、末端が給電レール1に接触し、帰線アーム7は、先端が車両の駆動機構10の入力ポートの他端に接続されて、末端が帰線レール2に接触し、給電レール1、給電アーム6、駆動機構10、帰線アーム7、帰線レール2は車両の牽引給電回路を構成する。給電レール1と帰線レール2の取付高さを走行レール11の上端より高くする必要がある。絶縁ベース3と絶縁シールド4は、所定の剛性と塑性を有し、通常、好ましくは繊維強化プラスチックを用いる。絶縁ベース3の剛性は、給電レール1と帰線レール2及びそれらと摩擦する給電アーム6と帰線アーム7からの圧力を負荷するのに十分であり、絶縁シールド4も所定の剛性を有し、緊急事態の場合に車両が通過することによるローリングに耐えられる。絶縁ベース3と絶縁シールド4の塑性を利用して、給電レール1と帰線レール2を絶縁ベース3と絶縁シールド4との結合部に嵌設し得る。絶縁リング8は絶縁作用だけを果たし、一般的なゴム、樹脂などの材料の製品を使用し得る。
【0029】
図2には本発明の分岐器区間の模式図が示されており、給電アーム6と帰線アーム7が設けられた転向台車12(前転向台車であってもよい)に隣接する別の転向台車13(後転向台車であってもよい)に、別に一組の補助給電アーム14と補助帰線アーム15が設けられ、補助給電アーム14と給電アーム6は補助給電ケーブル16を介して接続され、補助帰線アーム15と帰線アーム7は補助帰線ケーブル17を介して接続され、これらの間隔長さは同じであり、且つ分岐器区間の長さより大きい。
【0030】
分岐器区間には下記技術が採用できる。分岐器区間において、給電レール1、帰線レール2及び絶縁ベース3は分岐器区間で中断し、中断した給電レール1と帰線レール2はそれぞれ給電ケーブル18と帰線ケーブル19を介して接続され、給電レール1と帰線レール2の中断長さは分岐器区間の長さ以上である。給電アーム6と帰線アーム7は、絶縁リング8によって車両の駆動機構10が設けられた転向台車に取り付けられ、補助給電アーム14と補助帰線アーム15は、絶縁リング8によって、駆動機構が設けられた転向台車に隣接する転向台車に設けられ、それにより、その運転過程において走行レールとの相対距離が一定に保持され、このように、給電レール1及び帰線レール2とより良い接触を維持して受電し、且つ車体と絶縁している。補助給電アーム14と給電アーム6は、補助給電ケーブル16を介して接続され、補助帰線アーム15と帰線アーム7は補助帰線ケーブル17を介して接続され、これらの間隔長さは同じであり且つ分岐器区間の長さより大きく、給電レール1と帰線レール2の取付高さを走行レールの上端より高くする必要がある。給電レール1と帰線レール2が分岐器区間で中断しても、走行レールの分岐器の構造と操作に影響することがなく、同時に、それぞれ給電ケーブル18と帰線ケーブル19を介して接続し、且つ給電アーム6、補助給電アーム14、帰線アーム7、補助帰線アーム15が走行レール11の分岐器の上で通過して、互いに影響を与えずに立体交差するため、給電連続性が保持される。
【0031】
絶縁ベース3と絶縁シールド4の材料は絶縁性に優れて、誘電率が高いため、給電電圧レベルと給電能力を向上させることに役立ち、同時に給電レール、帰線レールはコンパクトに設置されることから、交流給電形式でケーブル効果を形成し、従来のオーバーヘッド連絡網+走行レールの形式又は接触レール+走行レールの形式に比べて、同じ電圧レベルではより高い給電能力を有する。
【0032】
停電せずに分岐器区間を通過するときの作動過程は以下のとおりである。
【0033】
車両が分岐器区間に到達していないとき、給電アーム6と補助給電アーム14はいずれも給電レール1と接触摩擦して受電し、帰線アーム7と補助帰線アーム15はいずれも帰線レール2と接触摩擦して受電し、給電レール1、給電アーム6と補助給電アーム14、車両9の駆動機構10、帰線アーム7と補助帰線アーム15、帰線レール2は車両9の給電回路を構成して、車両に給電する。
【0034】
分岐器区間を通過しているとき、まず、給電アーム6、帰線アーム7は中断した分岐器区間で受電せず、車両に給電しない。給電アーム6と補助給電アーム14の間の距離が中断した分岐器区間の長さより大きく、帰線アーム7と補助帰線アーム15の間の距離が中断した分岐器区間の長さより大きいため、補助給電アーム14はまた給電レール1に接触し、補助帰線アーム15はまた帰線レール2に接触し、給電レール1、補助給電アーム14、補助給電ケーブル16、車両の駆動機構10、補助帰線ケーブル17、補助帰線アーム15、帰線レール2は車両の給電回路を構成して車両9の駆動機構10に給電する。同様に、給電アーム6は、中断した分岐器区間を通過した後、再び給電レール1に接触して受電し、帰線アーム7は、中断した分岐器区間を通過した後、再び帰線レール2に接触して受電し、給電レール1、給電アーム6、車両の駆動機構10、帰線アーム7、帰線レール2は車両の給電回路を構成して駆動機構10に給電し、このとき、補助給電アーム14と補助帰線アーム15は、中断した分岐器区間を通過して、受電しない。
【0035】
非分岐器区間では、給電アーム6と補助給電アーム14及び帰線アーム7と補助帰線アーム15は、同時に作動して、並列接続されて運転し、車両9に給電する。
【0036】
以上の実施例は、本発明の目的、技術案及び有益な効果をさらに詳細に説明したが、なお、以上は本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではなく、本発明の精神と原則を逸脱せずに行われるすべての修正、同等置換、改良などはいずれも本発明の保護範囲に含まれる。