(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略側面図である。
図1において、紙面左側が、ステアリング装置1が取り付けられる車体2の前側であり、紙面右側が車体2の後側である。また、
図1において、紙面上側が車体2の上側であり、紙面下側が車体2の下側である。
図2は、ステアリング装置1の斜視図である。
【0014】
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3と、コラムジャケット4と、ロアーブラケット5と、アッパーブラケット6と、締付機構7と、エネルギ吸収機構8と、ツースロック機構9と、を主に備えている。
ステアリングシャフト3の延びる方向が、コラム軸方向Xである。ステアリングシャフト3の一端3a(コラム軸方向Xの上端)に、ステアリングホイール等の操舵部材10が連結されている。ステアリングシャフト3の他端3b(コラム軸方向Xの下端)は、自在継手11、インターミディエイトシャフト12および自在継手13を順次に介して、転舵機構14と連結されている。転舵機構14は、操舵部材10の操舵回転が伝達されることに応じて転舵輪(図示せず)を転舵させる例えばラックアンドピニオン機構である。
【0015】
ステアリングシャフト3は、例えばスプライン嵌合やセレーション嵌合によって相対摺動可能に嵌合された筒状のアッパーシャフト3Uとロアーシャフト3Lとを有している。操舵部材10は、アッパーシャフト3Uの一端(コラム軸方向Xの上端)に連結されている。また、ロアーシャフト3Lに対するアッパーシャフト3Uのコラム軸方向Xへの移動によって、ステアリングシャフト3は、コラム軸方向Xに伸縮可能である。ここで、コラム軸方向Xの上側および下側を、それぞれ、コラム軸方向上側XUおよびコラム軸方向下側XLと言う。
【0016】
コラムジャケット4は、コラム軸方向Xに延びる中空体である。コラムジャケット4は、アッパージャケット15と、ロアージャケット16とを含む。アッパージャケット15は、ロアージャケット16に対してコラム軸方向Xに摺動可能に内嵌されている。コラムジャケット4は、コラム軸方向Xに伸縮可能である。
ステアリングシャフト3は、コラムジャケット4内に挿通されており、複数の軸受17,18を介してコラムジャケット4によって回転可能に支持されている。具体的には、アッパージャケット15が、軸受17を介してアッパーシャフト3Uを回転可能に支持しており、ロアージャケット16が、軸受18を介してロアーシャフト3Lを回転可能に支持している。
【0017】
また、アッパージャケット15が、軸受17を介してアッパーシャフト3Uに連結され、ロアージャケット16が、軸受18を介してロアーシャフト3Lに連結されている。このため、アッパージャケット15がロアージャケット16に対してコラム軸方向Xに移動することによって、コラムジャケット4は、ステアリングシャフト3とともにコラム軸方向Xに伸縮する。
【0018】
ここでのステアリングシャフト3およびコラムジャケット4の伸縮を「テレスコ」と呼び、テレスコによる操舵部材10のコラム軸方向Xの位置調整をテレスコ調整と呼ぶ。
ロアーブラケット5は、車体2に固定された固定ブラケット5Aと、ロアージャケット16のコラム軸方向Xの下部に固定された可動ブラケット5Bとを含む。可動ブラケット5Bは、コラム軸方向Xと直交する方向(車体2の左右方向。
図1において紙面と直交する方向)に延びる中心軸5Cを介して、回転可能に支持されている。
【0019】
コラムジャケット4およびステアリングシャフト3は、中心軸5Cを中心に上下に回動することができる。ここでの回動を「チルト」と呼び、中心軸5Cを中心とした略上下方向である移動方向をチルト方向Yと呼ぶ。チルトによる操舵部材10の上下調整をチルト調整と呼ぶ。チルト方向Yの上側をチルト方向上側YUで表し、チルト方向Yの下側をチルト方向下側YLで表す。
【0020】
図2に示すように、コラム軸方向Xおよびチルト方向Yの双方と直交する方向が、車体2の左右方向Zに相当する。アッパーブラケット6は、一対の側板19と、連結板20とを含む。
一対の側板19は、コラムジャケット4を挟んで左右方向Zに対向する。連結板20は、一対の側板19の上端部どうしを連結している。アッパーブラケット6全体として、コラム軸方向Xから見て下向きに開放する溝形を形成している。連結板20は、一対の側板19の両側方へ延びる部分を有しており、該部分を挿通するボルト(図示せず)を用いて、連結板20は、車体2(
図1を参照)に固定される。これにより、アッパーブラケット6が車体2に固定される。
【0021】
図2に示すように、一対の側板19には、チルトの中心軸5Cを中心とする円弧状のチルト溝21が形成されている。
ロアージャケット16は、コラム軸方向Xに延びるスリット22と、スリット22の両側に配置された一対の被締付部23とを含む。スリット22は、ロアージャケット16のコラム軸方向上側XUの部分に形成されている。一対の被締付部23は、ロアージャケット16のコラム軸方向上側XUの部分において、スリット22を挟んで左右方向Zに対向する板状の部分である。一対の被締付部23がクランプされて締め付けられることにより、弾性的に縮径されたロアージャケット16がアッパージャケット15を締め付ける。
【0022】
図3は、
図1のIII−III断面図である。
図3に示すように、アッパーブラケット6の一対の側板19のそれぞれは、外側面19aと、内側面19bとを含む。
一対の被締付部23のそれぞれには、左右方向Zに被締付部23を貫通する円孔からなる軸挿通孔24が、形成されている。板状をなす一対の被締付部23のそれぞれは、外側面23aと、内側面23bとを含む。各被締付部23の外側面23aは、アッパーブラケット6の対応する側板19の内側面19bと対向する。
【0023】
アッパージャケット15の外周面15aの周方向の一部には、コラム軸方向X(
図3において紙面と直交する方向)の所定範囲において互いに平行に延びる一対の平坦部15bが設けられている。一方の平坦部15bには、ツースロック機構9の板状の第1ツース部材60が固定されている。第1ツース部材60の(左右方向Zの)両側の端面60aが、一対の被締付部23の内側面23bにそれぞれ近接対向している。
【0024】
テレスコ調整時において、一対の被締付部23の内側面23bが、第1ツース部材60の一対の端面60aを介して、アッパージャケット15のコラム軸方向Xの移動を案内しつつ、ロアージャケット16に対するアッパージャケット15の回転を規制する。
次いで、締付機構7を説明する。締付機構7は、チルト調整およびテレスコ調整を終えた操舵部材10(
図1参照)の位置をロックしたり、ロック解除したりするための機構である。
【0025】
締付機構7は、締付軸25と、操作レバー26と、リング状のカム27と、リング状のカムフォロワとしての一方の締付部材28と、ナット29と、他方の締付部材30と、介在部材31とを含む。カム27、一方の締付部材28、ナット29、他方の締付部材30、および介在部材31は、締付軸25の外周によって支持されている。
締付軸25は、アッパーブラケット6の両側板19のチルト溝21およびロアージャケット16の両被締付部23の軸挿通孔24に挿通するボルトからなる。締付軸25は、両側板19によって支持されている。締付軸25の一端に設けられた大径の頭部25aは、操作レバー26と一体回転可能に固定されている。
【0026】
カム27およびカムフォロワ(一方の締付部材28)は、締付軸25の頭部25aと一方の側板19との間に介在し、操作レバー26の操作トルクを締付軸25の軸力(一対の側板19を締め付けるための締付力)に変換する力変換機構を構成している。
カム27は、操作レバー26と一体回転可能に連結され、締付軸25に対して締付軸25の中心軸方向である締付軸方向Jの移動が規制されている。カムフォロワ(一方の締付部材28)は、カム27に対してカム係合し、一方の側板19を締め付ける。
【0027】
一方の締付部材28(カムフォロワ)および他方の締付部材30は、それぞれ対応する側板19を締め付ける締付板部28a,30aと、それぞれ対応するチルト溝21に嵌合されたボス部28b,30bとを有している。各ボス部28b,30bと対応するチルト溝21との嵌合によって、各締付部材28,30の回転が規制されている。また、両締付部材28,30は、締付軸25によって締付軸方向Jに移動可能に支持されている。
【0028】
ナット29は、締付軸25の他端のねじ部25bに螺合されている。介在部材31は、他方の締付部材30とナット29との間に介在している。介在部材31は、ワッシャ32と針状ころ軸受33とを含む。
操作レバー26のロック側への回転に伴って、カム27が一方の締付部材28(カムフォロワ)に対して回転することにより、一方の締付部材28が締付軸方向Jに移動されて、両締付部材28,30(の締付板部28a,30a)の間で、アッパーブラケット6の一対の側板19がクランプされて締め付けられる。
【0029】
これにより、アッパーブラケット6の各側板19が、ロアージャケット16の対応する被締付部23を締め付ける。その結果、各側板19と対応する被締付部23との摩擦係合力により、ロアージャケット16のチルト方向Yの移動が規制されて、チルトロックが達成される。
また、両被締付部23が締め付けられることで、ロアージャケット16のコラム軸方向上側XUの部分が、アッパージャケット15を締め付ける。これにより、両ジャケット15,16間の摩擦係合力により、アッパージャケット15のコラム軸方向Xの移動が規制されて、テレスコロックが達成される。
【0030】
図4は、エネルギ吸収機構8およびツースロック機構9の概略分解斜視図である。
図4に示すように、エネルギ吸収機構8は、二次衝突時に移動変形するエネルギ吸収部材40と、エネルギ吸収部材40の移動変形を案内規制する案内規制機構50とを備える。エネルギ吸収部材40は、被固定部45および変形予定部46を有する一対の第1板部41と、一対の第2板部42と、一対の折り返し部43と、移動部44とを含む。
【0031】
エネルギ吸収部材40の一対の第1板部41は、対応する折り返し部43を介して対応する第2板部42と連結されている。移動部44は、第2板部42のコラム軸方向Xの下端どうしを連結する連結部として機能する。連結部としての移動部44は、二次衝突時に、アッパージャケット15とコラム軸方向下側XLに一体移動する。
ツースロック機構9は、アッパージャケット15に固定された第1ツース部材60と、第1ツース部材60と係合する第2ツース部材70と、第2ツース部材70を案内する案内機構80と、締付軸25の回転に第2ツース部材70の運動を連動させる連動機構90とを含む。
【0032】
エネルギ吸収機構8の案内規制機構50は、第1ツース部材60に設けられ一対の第2板部42とチルト方向Yに近接対向する一対の案内規制面51と、案内規制部材52とを含む。
第1ツース部材60の一対の案内規制面51は、コラム軸方向Xと平行に延びている。一対の案内規制面51は、二次衝突時に、移動部44と一体移動する第2板部42を受けて、第1板部41に対する第2板部42のコラム軸方向下側XLへの平行移動を案内する。換言すると、一対の案内規制面51は、二次衝突時にコラム軸方向Xの長さが増大する第2板部42が第1板部41と平行になるように維持しつつ、移動部44のコラム軸方向下側XLへの移動を案内する。
【0033】
案内規制部材52は、一対の案内規制板53と、連結部54とを含む。連結部54は、上板541と一対の側板542とを含み、下向きに開放する溝形をなす。一対の案内規制板53は、溝形をなす連結部54の一対の開放端から両側方(左右方向Z)に延びている。
図5は、ステアリング装置1の要部の側面図であり、エネルギ吸収機構8を支持する構造を主に示している。
図4および
図5に示すように、案内規制部材52の一対の案内規制板53は、それぞれ対応する案内規制面51と平行に配置される。一対の案内規制板53のそれぞれは、エネルギ吸収部材40の対応する第1板部41を外側から覆うように配置される。
【0034】
各案内規制板53は、コラム軸方向Xの上端53aおよび下端53bとを有する。また、
図5に示すように、各案内規制板53は、ロアージャケット16側(エネルギ吸収部材40側)の面である内面53cと、外面53dとを有する。
図4に示すように、各案内規制板53の下端53bには、外側方へ張り出す被固定部53eが形成されている。各被固定部53eに、ねじ挿通孔53fが形成されている。
【0035】
エネルギ吸収部材40の一対の第1板部41は、対応する折り返し部43を介して対応する第2板部42と連結されている。移動部44(連結部)は、第2板部42のコラム軸方向Xの下端どうしを連結するように左右方向Zに延びている。移動部44は、二次衝突時に、アッパージャケット15とコラム軸方向下側XLに一体移動する。
一対の第1板部41は、コラム軸方向Xに平行に延びている。一対の第1板部41は、左右方向Zに離隔している。一対の第2板部42は、コラム軸方向Xに平行に延びている。一対の第2板部42は、左右方向Zに離隔している。各第1板部41と、対応する第2板部42とは、チルト方向Yに離隔している。
【0036】
図6は、エネルギ吸収部材40およびロアージャケット16の概略平面図である。
図5および
図6に示すように、各第1板部41は、コラム軸方向Xの上端41aおよび下端41bを有する。
図5に示すように、各第1板部41は、ロアージャケット16側(エネルギ吸収部材40側)の面である内面41cと、外面41dとを有する。
図6に示すように、各第1板部41の下端41bには、側方へ張り出す張出部からなる被固定部45が設けられている。各被固定部45に、ねじ挿通孔45aが形成されている。
【0037】
図4に示すように、ロアージャケット16は、一対の被締付部23よりもコラム軸方向下側XLで、スリット22の両側に、一対の壁部16cを有している。一対の壁部16cは、コラム軸方向Xに平行に延び、チルト方向上側YUに突出している。チルト方向Yに関して、一対の壁部16cの高さは、一対の被締付部23の高さよりも低くされている。 ロアージャケット16は、一対の壁部16cの上面16d(チルト方向上側YUの面)から突出するボスからなる一対の固定部16eを有している。各固定部16eにそれぞれねじ孔16fが形成されている。
【0038】
図5に示すように、一対の固定ねじからなる固定部材34のそれぞれが、案内規制部材52の対応する案内規制板53の被固定部53eのねじ挿通孔53fおよびエネルギ吸収部材40の第1板部41の被固定部45のねじ挿通孔45aを挿通して、ロアージャケット16の固定部16eのねじ孔16fにねじ込まれている。
すなわち、各案内規制板53のコラム軸方向Xの下端53bの被固定部53eと、エネルギ吸収部材40の対応する第1板部41のコラム軸方向Xの下端41bの被固定部45とが、ロアージャケット16に対して、共締めにより固定されている。
【0039】
また、
図6に示すように、各第1板部41は、上端41aからコラム軸方向下側XLに延びる変形予定部46を含む。変形予定部46は、左右方向Zの幅に関して、幅狭部46aと、幅広部46bと、幅変化部46cとを含む。
幅狭部46aは、上端41aに隣接し一定幅を有している。幅広部46bは、下端41bに隣接し幅狭部46aよりも広い一定幅を有している。幅変化部46cは、幅狭部46aと幅広部46bとの間に介在し、幅広部46b側に向かうにしたがって幅が漸増している。
【0040】
左右方向Zに関して一対の第1板部41の間に、コラム軸方向Xに延びるスリット47が形成されている。各案内規制板53が、対応する第1板部41を覆うように配置され、二次衝突時に、第1板部41がチルト方向上側YUへの移動を規制する。
本実施形態では、二次衝突時のアッパージャケット15の衝撃吸収ストロークの終端付近で、幅変化部46cが折り返し変形され、衝撃吸収荷重が増大される。本実施形態では、二次衝突時において、幅狭部46aおよび幅変化部46cが、折り返し変形されるが、幅広部46bまでもが折り返し変形されるようにしてもよい。すなわち、コラム軸方向Xに関する幅狭部46a、幅広部46b、および幅変化部46cの各長さの設定により、二次衝突時のエネルギ吸収部材40のエネルギ吸収特性が変更可能である。
【0041】
ツースロック機構9は、二次衝突時のテレスコ方向の初期拘束の安定化のために(換言すると、二次衝突の初期にアッパージャケット15のテレスコ位置を保持するために)、締付機構7による締付時にツースどうしを噛み合わせる機構である。
図7は、ツースロック機構9の周辺の構造の斜視図である。
図10(a)および(b)は、ツースロック機構9の周辺の構造の一部破断側面図であり、
図10(a)はロック状態を示し、
図10(b)はロック解除状態を示している。
【0042】
図4、
図7および
図10(a)に示すように、ツースロック機構は、第1ツース部材60と、第2ツース部材70と、案内機構80と、連動機構90とを含む。
第1ツース部材60を説明する。
図4に示すように、第1ツース部材60は、アッパージャケット15の外周面15aの平坦部15bに溶接等によって固定されている。第1ツース部材60は、コラム軸方向Xに長手に延びる矩形板状の板材を用いて形成されている。
【0043】
第1ツース部材60は、左右方向Z(締付軸方向J)の一対の端面60a(
図3参照)と、コラム軸方向Xの上端60bおよび下端60c(
図4参照)と、表面60dと、表面60dの反対側の面であってアッパージャケット15の平坦部15bに沿う裏面60e(
図3参照)とを含む。
図10(a)に示すように、第1ツース部材60は、表面60dおよび裏面60eを貫通し、コラム軸方向Xに延びる貫通溝61と、貫通溝61内に設けられた一対の第1ツース列62Lとを含む。アッパージャケット15は、貫通溝61と連通し、コラム軸方向Xに延びるスリット15cを有している。
【0044】
図4および
図10(a)に示すように、貫通溝61は、コラム軸方向Xに延びて締付軸方向Jに互いに対向する一対の内壁面を有している。これら一対の内壁面には、それぞれコラム軸方向Xに並べられた複数の第1ツース62を含む一対の第1ツース列62Lが形成されている。
図4に示すように、一対の第1ツース列62Lの第1ツース62の歯先同士が、締付軸方向Jに対向している。第1ツース62の歯筋方向D(歯幅方向に相当)は、コラム軸方向Xおよび締付軸方向Jの双方と直交するように貫通溝61の深さ方向に延びている。
【0045】
エネルギ吸収機構8の案内規制機構50の一対の案内規制面51は、第1ツース部材60の表面60dにおいて、貫通溝61を左右方向Z(締付軸方向J)に挟んだ両側に配置されている。
第1ツース部材60は、図示しないボルト等によってアッパージャケット15の外周面に固定されていてもよい。また、第1ツース部材60は、アッパージャケット15と単一の材料で一体に形成されていてもよい。
【0046】
次いで、第2ツース部材70を説明する。第2ツース部材70は、被受け部71および駆動部72を有する本体部73と、本体部73から延設され、被受け部71から離隔した位置に第2ツース74が形成されたツース形成部75とを含む。
図10(a)に示すように、本体部73は、側面視で(すなわち左右方向Zから見て)略四角形の板状をなす。本体部73は、チルト方向上側YUの面である上面73aと、チルト方向下側YLの面である下面73bと、左右方向Zに対向する一対の側面73c(
図4では一方の側面73cのみを示す)とを含む。本体部73には、一対の側面73cを貫通する貫通孔からなる肉抜き孔78が形成されている。
【0047】
図11に示すように、本体部73の上面73aと案内規制部材52の連結部54の上板541との間には、隙間が設けられている。上板541は、二次衝突時に本体部73の上面73aと当接することで、コラム軸方向下側XLに移動する第2ツース部材70の浮き上がりを規制する。また、本体部73の各側面73cと案内規制部材52の連結部54の対応する側板542との間には、所定量の隙間が設けられている。
【0048】
図10(a)に示すように、被受け部71は、本体部73の下面73bにおいてコラム軸方向Xの下端に設けられた湾曲状の凸部からなる。
図10(a)および
図11に示すように、被受け部71は、受け部材を構成するエネルギ吸収部材40の移動部44に設けられる受け面44a(上面に相当)上に載置され、受け面44aによって受けられる。
図10(a)に示すように、第2ツース部材70は、受け面44a上において受け面44aと被受け部71との接触位置に形成される、コラム軸方向Xに移動可能な支点MSによって、回転可能に支持される。
【0049】
駆動部72は、本体部73の下面73bに設けられた段部であり、コラム軸方向下側XLに向く。駆動部72は、被受け部71からコラム軸方向上側XUに離隔している。段部からなる駆動部72は、移動部44のコラム軸方向上側XUの端面に対して、コラム軸方向Xに対向している。駆動部72は、二次衝突時において、移動部44と当接し、移動部44をコラム軸方向下側XLに押圧移動させる。
【0050】
ツース形成部75は、本体部73の下面73bから突出するように延設された板部材である。ツース形成部75は、駆動部72よりもコラム軸方向上側XUに配置されている。ツース形成部75の一対の側面75aは、第2ツース74が複数並べて形成された一対の第2ツース列74Lをそれぞれ有している。
図4並びに
図10(a)および(b)では、一方の側面75aの第2ツース列74Lのみが図示されている。
【0051】
一対の第2ツース列74Lは、互いの第2ツース74の歯先を互いに逆向きの外側方に向けている。各第2ツース列74Lの第2ツース74は、対応する第1ツース列62Lの第1ツース62に対して歯筋方向Dから噛み合い可能である。
図10(a)に示すように、第2ツース部材70は、ツース形成部75からアッパージャケット15のスリット15c内に挿入されるように延設された板状の延設部76を含む。テレスコ調整時に、延設部76とスリット15cの内面との当接により、第1ツース部材60と第2ツース部材70とが左右方向Zに位置合わせされる。これにより、第1ツース62が第2ツース74に対して噛合するときに、第1ツース62および第2ツース74が整合し易くなる。
【0052】
次いで、案内機構80を説明する。
図4および
図10(a)に示すように、案内機構80は、左右方向Zに伸びる案内軸81と、第2ツース部材70の本体部73に形成され、案内軸81が挿通された長孔82とを含む。案内機構80は、第2ツース部材70を噛合および噛合解除する方向に案内する。
側面視で(左右方向Zから見て)長孔82が延びる方向は、ツースロック状態で第1ツース62の歯筋方向Dに沿う方向であってもよいし、第1ツース62の歯筋方向Dに対してコラム軸方向上側XUまたはコラム軸方向下側XLに傾斜する方向であってもよい。
【0053】
図8は、
図7のVIII−VIII断面図である。
図4および
図7に示すように、案内軸81は、ロアージャケット16に支持された支持部材100によって支持されている。支持部材100は、エネルギ吸収機構8の案内規制部材52により構成される第1支持部材110と、第1支持部材110(案内規制部材52に相当)に支持された第2支持部材120とを含む。
図7および
図8に示すように、第2支持部材120は、一対の被締付部23間に配置される。
【0054】
図5に示すように、第1支持部材110としての案内規制部材52は、一対の被締付部23よりもコラム軸方向下側XLの位置でロアージャケット16に固定された被固定部53eと、被固定部53eから一対の被締付部23間に配置される位置まで(すなわち案内規制部材52の上端52aまで)延在する延在部EZ(
図7参照)とを含む。
図9(a),(b),(c)に示すように、第2支持部材120は、本体部130と、一対の挿入凸部140と、第1係合部151と、一対の第2係合部152と、一対の支持部160とを含み、単一の材料(例えば合成樹脂)により一体に形成されている。
【0055】
図5に示すように、第1係合部151および第2係合部152は、第1支持部材110である案内規制部材52のコラム軸方向Xの上端52aに係合される。
図9(a)〜(c)に示すように、本体部130は、左右方向Zに伸びる上枠131と、上枠131の両端からチルト方向下側YLに延びる一対の側枠132とを含み、全体が逆U字状をなしている。一対の挿入凸部140のそれぞれは、対応する側枠132の外側面132aから突出するように延設されている。
【0056】
第1係合部151は、上枠131からコラム軸方向下側XLに向けて突出するように延設されている。一対の第2係合部152のそれぞれは、対応する挿入凸部140の下部(チルト方向下側YLの部分)からコラム軸方向下側XLに向けて突出するように延設されている。
図5および
図9(c)に示すように、本体部130のコラム軸方向下側XLの端面130aおよび一対の挿入凸部140のコラム軸方向下側XLの端面140aが、案内規制部材52のコラム軸方向上側XUの端面52bに当接する。これにより、第2支持部材120のコラム軸方向Xの移動が規制される。
【0057】
図5に示すように、第1係合部151は、案内規制部材52のコラム軸方向Xの上端52aにおいて、連結部54のチルト方向Yの上面54a(上板541の上面)に係合されている。また、一対の第2係合部152は、案内規制部材52の一対の案内規制板53のコラム軸方向Xの上端53aのチルト方向Yの下面である内面53cに係合している。第1係合部151と第2係合部152とで、案内規制部材52がチルト方向Yに挟持される。これにより、第2支持部材120のチルト方向Yの移動が規制される。
【0058】
第2支持部材120の第1係合部151および第2係合部152は、案内規制部材52に対して摩擦係合されている。第2支持部材120は、案内規制部材52に対して摩擦係合力により左右方向Zに位置決めされている。
図4に示すように、ロアージャケット16の一対の被締付部23のコラム軸方向Xの下端には、コラム軸方向下側XLに開放する支持溝23cが形成されている。支持溝23cは、被締付部23の外側面23aおよび内側面23bに開放している。また、支持溝23cは、壁部16cの上面16dよりもチルト方向Yの高位に配置されている。
【0059】
図5に示すように、一対の挿入凸部140のそれぞれは、対応する被締付部23の支持溝23cに、挿入され支持されている。各挿入凸部140は対応する第2係合部152および対応する案内規制板53の上端53aと共に支持溝23cに収容されている。
各支持溝23cの内面23dは、対応する挿入凸部140を一対の被締付部23の締付方向およびその反対方向(
図5において紙面と直交する方向。左右方向Z)に摺動可能に支持している。
【0060】
図9(a), (b)に示すように、一対の支持部160のそれぞれは、本体部130の対応する側枠132のコラム軸方向上側XUの端面132bから突出するように延設されている。一対の支持部160は、左右方向Zに離隔対向する板状のアームからなる。
図8に示すように、第2ツース部材70の本体部73は、第2支持部材120の一対の支持部160間および一対の側枠132間に配置される。
【0061】
図9(a)に示すように、一対の支持部160には、案内軸81が圧入嵌合される支持孔163が形成されている。
図8に示すように、案内軸81の軸方向の一対の端部81aのそれぞれは、対応する被締付部23に設けられた遊嵌孔23eに遊嵌されている。すなわち、案内軸81は、案内規制部材52(第1支持部材110。
図7参照)に支持された第2支持部材120によって位置決めされている。
図8に示される遊嵌孔23eは、テレスコ調整時において、万一、案内軸81が変位した場合に、案内軸81の移動量を規制する。
【0062】
一対の支持部160は、互いに対向する内側面からなる一対の摺動案内面161と、対応する被締付部23の内側面23bに対して隙間S1を介して対向する外側面162とを含む。
隙間S1の隙間量は、ロック時に締付られた一対の被締付部23どうしの距離が縮小されても、各被締付部23の内側面23bが、それぞれ対向する第2支持部材120の対向面(側枠132の外側面132aおよび支持部160の外側面162)と干渉しない量に設定されている。したがって、第2支持部材120やこれに支持された案内軸81が、締付機構7のロック時に被締付部23から負荷を受けることがない。
【0063】
一対の摺動案内面161のそれぞれは、第2ツース部材70の本体部73の対応する側面73cと対向する。一対の摺動案内面161は、案内軸81の軸方向(左右方向Z)への第2ツース部材70の移動を規制しつつ、第2ツース部材70の本体部73の対向する側面73cを噛合および噛合解除する方向に摺動案内する。
案内軸81は、樹脂製であり、二次衝突時に第1ツース62と第2ツース74との噛合状態で第2ツース部材70から受ける衝撃荷重により破断される。具体的には、案内軸81は、一対の摺動案内面161のそれぞれと第2ツース部材70の本体部73の対応する側面73cとの間の位置に配置された2つの破断予定部Hで破断される。
【0064】
次いで、連動機構90を説明する。
図4に示すように、連動機構90は、付勢部材170と、駆動部材180とを含む。付勢部材170は、
図10(a)に示すように、支点MSにより支持され且つ案内機構80により案内される第2ツース部材70を第1ツース部材60に対する噛合側へ回転付勢するばね部材である。付勢部材170は、第2ツース部材70の被受け部71をエネルギ吸収部材40の移動部44の受け面44aに押圧付勢している。駆動部材180は、付勢部材170に抗して第2ツース部材70を噛合解除側へ駆動する。
【0065】
図4に示すように、駆動部材180は、締付軸25が一体回転可能に挿入嵌合された嵌合孔181を有する筒状の本体部182と、本体部182の外周183から突出する解除突起184とを含む。
図10(a)に示すように、締付軸25の外周に、締付軸25の外周において互いの間に二面幅を形成する一対の平坦部25cが形成されている。嵌合孔181の内周面は、一対の平坦部25cに係合する一対の平坦部を有している。なお、締付軸25と嵌合孔181とは、スプライン嵌合されていてもよい。
【0066】
図4および
図7に示すように、付勢部材170は、ロアージャケット16に係合する一対の第1係合部171と、第2ツース部材70に係合する第2係合部172と、一対のコイル部173とを含む。
一対のコイル部173は、駆動部材180の本体部182の軸方向の一対の端部で本体部182の外周183を包囲している。一対のコイル部173のそれぞれは、コラム軸方向上側XUの一端173aと、コラム軸方向下側XLの他端173bとを含む。
【0067】
各第1係合部171は、対応するコイル部173の一端173aから直交状(左右方向Zである外側方)に延び、対応する被締付部23の係合部としての係合凹部23fに係合されている。
図7に示すように、第2係合部172は、一対のコイル部173の他端173bどうしを連結するように各他端173bから直交状に延びている。
図10(a)に示すように、第2係合部172は、第2ツース部材70の本体部73の上面73aに係合している。
【0068】
解除突起184は、締付軸25のロック解除方向への回転に伴って、第2ツース部材70の本体部73に設けられた係合部としての係合突起77と係合することにより、付勢部材170に抗して、第2ツース部材70を噛合解除側へ回転変位させる。
操作レバー26をロック方向[
図10(b)において反時計回り]に回転操作すると、締付軸25とともに駆動部材180が、
図10(b)に示す状態から
図10(a)に示す状態へと、反時計回りに回転される。
【0069】
これにより、駆動部材180の解除突起184が、第2ツース部材70の係合突起77との係合を解除するため、付勢部材170が、第2ツース部材70を、支点MSの回りに時計回りに回転駆動し、第2ツース74は、第1ツース62に対して歯筋方向Dから噛み合う[
図10(a)参照]。これにより、ツースロックによるテレスコロックが達成される。
【0070】
逆に、操作レバー26をロック解除方向[
図10(a)において時計回り]に回転操作すると、締付軸25とともに駆動部材180が、
図10(a)に示す状態から
図10(b)に示す状態へと、時計回りに回転される。
これにより、駆動部材180の解除突起184が、第2ツース部材70の係合突起77を押し上げるため、第2ツース部材70は、支点MSを中心として反時計回りに回転駆動され、第2ツース74が、第1ツース62から歯筋方向Dに沿って離間し、噛合が解除される[
図10(b)参照]。これにより、ツースロックによるテレスコロックが解除される。
【0071】
図4に示すように、ステアリング装置1は、テレスコ調整時のアッパージャケット15の移動範囲の一対の終端位置をそれぞれ規制する第1規制機構210および第2規制機構220を備える。
第1規制機構210は、アッパージャケット15がロアージャケット16から最も伸びた最伸長位置にあるときに、アッパージャケット15のコラム軸方向Xの位置を規制する。第2規制機構220は、アッパージャケット15がロアージャケット16に対して最も縮んだ最短縮位置にあるときに、アッパージャケット15のコラム軸方向Xの位置を規制する。
【0072】
第1規制機構210は、ロアージャケット16の他方の被締付部23に保持された第1ストッパ211と、第1ツース部材60に一体に設けられ、アッパージャケット15が前記最伸長位置にある状態で第1ストッパ211と係合する第1係合部212とを含む。
第1係合部212は、第1ツース部材60の表面60dに一体に突出形成された直方体形状のブロックである。
【0073】
第1ストッパ211は、他方の被締付部23を左右方向Zに貫通する保持孔23gに挿通保持されている。第1ストッパ211の一部が、他方の被締付部23の内側面23bから突出しており、テレスコ調整時に、第1ツース部材60の表面60dに摺接する。
図示していないが、第1ストッパ211は、少なくとも一部に通電部材を含み、側板19の内側面19bに対して通電可能に接触している。また、第1ストッパ211は、第1ツース部材60を介してアッパージャケット15と通電可能に接触している。これにより、アッパージャケット15およびロアージャケット16が、第1ストッパ211および第1ツース部材60を介して通電可能に接続される。
【0074】
ステアリング装置1では、操舵部材10に設置されたホーン(図示せず)を車体2に導通させるために、導電経路を確保する必要がある。しかしながら、アッパージャケット15とロアージャケット16との間、並びに、ロアージャケット16と側板19との間には、これらの部材間でチルト調整時やテレスコ調整時の摺動を滑らかにするためのグリース(絶縁性)が塗布されている場合が多く、その場合、これらの部材間に導電経路を設定することは困難である。
【0075】
そこで、本実施形態では、アッパージャケット15上の導電部位(第1ツース部材60)と側板19とに接触する導電部材(第1ストッパ211)を備えることにより、操舵部材10から、ステアリングシャフト3、アッパージャケット15、導電部材(第1ストッパ211)およびアッパーブラケット6を順次に介して車体2に至る導電経路を、優れた組立性を有しつつ確保することができる。また、第1ストッパ211は、保持孔23g内に保持されるので、大型化することなく省スペース化を実現することができる。
【0076】
第2規制機構220は、第2ツース部材70に設けられた第2ストッパ221と、第1ツース部材60に固定されアッパージャケット15が前記短縮長位置にある状態で第2ストッパ221と係合する第2係合部222とを含む。
二次衝突時には、アッパージャケット15が、ロアージャケット16に対してコラム軸方向下側XLへ移動する。このとき、アッパージャケット15と一体移動する第1ツース部材60に対して噛合状態にある第2ツース部材70が、第2支持部材120により支持されている案内軸81に対して衝撃力を与える。
【0077】
このため、案内軸81が、
図8に示される2箇所の破断予定部Hで破断される。案内軸81の破断に伴って、第2ツース部材70は、第2支持部材120による支持から離脱し、
図12に示すように、第1ツース部材60に対する噛合を維持した状態で、アッパージャケット15と共にコラム軸方向下側XLへ移動する。これにより、エネルギ吸収部材40の移動部44が、第2ツース部材70の駆動部72によってコラム軸方向下側XLへ押圧移動される。
【0078】
移動部44の移動に伴って、エネルギ吸収部材40は、コラム軸方向Xに関して、第1板部41の長さが減少し、第2板部42の長さが増大するように、折り返し部43の位置をコラム軸方向下側XLへ移動させながら変形する。この変形によって二次衝突に伴うエネルギが吸収される。
二次衝突時に、案内規制部材52の案内規制板53が、第1板部41の浮き上がりを規制しつつ第1板部41から折り返し部43への折り返し変形を案内する。また、二次衝突時に、第1ツース部材60の表面60dの案内規制面51が、折り返し部43と移動部44との間での第2板部42の膨出を規制しつつ第2板部42が第1板部41に対して略平行になるように折り返し部43から第2板部42への変形を案内する。換言すると、案内規制部材52の案内規制板53と第1ツース部材60の案内規制面51との間で、エネルギ吸収部材40の変形移動が案内される。
【0079】
また、案内規制部材52の連結部54の上板541が、第2ツース部材70の本体部73の上面73aをコラム軸方向下側XLへ案内し、第1ツース部材60の案内規制面51が、第2ツース部材70の被受け部71を受けた移動部44をコラム軸方向下側XLへ案内する。これにより、第2ツース部材70のコラム軸方向下側XLへの移動が案内される。
【0080】
本実施形態では、
図10(a)に示すように、第2ツース部材70が、受け部材(エネルギ吸収部材40)の受け面44aと当該第2ツース部材70の被受け部71との接触位置に形成される、コラム軸方向Xに移動可能な支点MSによって回転可能に支持される構成である。このため、組立時において、第2ツース部材70の被受け部71を受け部材(エネルギ吸収部材40)の受け面44aに載置する作業で移動可能な支点MSを形成することができる。したがって、従来のようなツース部材の回転中心となる支軸を支持孔に挿通するような面倒な作業が不要であり、組立性が向上する。
【0081】
また、受け部材が、エネルギ吸収部材40で兼用されるので、構造を簡素化することができる。
また、
図8に示すように、二次衝突時に破断する案内軸81が、締付機構7により締め付けられて左右方向Zに変位する一対の被締付部23から離隔した状態で、第2支持部材120の一対の支持部160によって支持される。また、一対の支持部160は、
図5に示すように一対の被締付部23よりもコラム軸方向下側XLの位置でロアージャケット16に固定された被固定部53eから、
図7に示すように一対の被締付部23間まで延在された延在部EZに支持される第2支持部材120に設けられる。
【0082】
したがって、二次衝突時に、案内軸81が、一対の被締付部23の変位のばらつきの影響を受けない一対の支持部160からの荷重負荷によって、安定した破断荷重で破断される。このため、二次衝突時に、安定したエネルギ吸収特性を得ることができる。
また、一対の支持部160が、第2ツース部材70の本体部73の一対の側面73cを摺動案内する一対の摺動案内面161を含む。二次衝突時に、一対の支持部160の摺動案内面161によって、案内軸81の軸方向への、第2ツース部材70の移動が規制されるので、二次衝突時に、案内軸81が、より安定した破断荷重で破断される。これにより、二次衝突時に、安定したエネルギ吸収特性を得ることができる。
(第2実施形態)
図13は、本発明の第2実施形態に係る案内機構80Pの概略断面図であり、案内軸81Pの周辺の構造を示している。
図13の第2実施形態の案内機構80Pが、
図8の第1実施形態の案内機構80と主に異なるのは、下記である。
【0083】
すなわち、第2実施形態の案内機構80Pでは、一対の被締付部23Pには、案内軸81Pを遊嵌させる遊嵌孔は設けられていない。案内軸81Pの各端部81Paが、一対の被締付部23Pの対応する内側面23Pbと、案内軸81Pの軸方向(左右方向Z)に所定の間隔を隔てて対向している。
図13の第2実施形態の構成要素において、
図8の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、
図8の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。本実施形態では、一対の被締付部23Pに遊嵌孔を設ける必要がないので、構造を簡素化することができる。
(第3実施形態)
図14は、本発明の第3実施形態のツースロック機構9Qの概略斜視図である。
図14の第3実施形態が、
図10(a)の第1実施形態と主に異なるのは下記である。すなわち、
図10(a)の第1実施形態では、第2ツース部材70の本体部73の下面73bに設けられた被受け部71が、受け部材としてのエネルギ吸収部材40の(移動部44の)受け面44aによって受けられて受け面44a上に支点MSが形成される。
【0084】
これに対して、
図14の第3実施形態では、受け部材としての第1ツース部材60Qの表面60dにおいて貫通溝61を左右方向Zに挟んだ両側に、一対の受け面60fが配置される。
また、第2ツース部材70Qの本体部73の両側面73cから両側方(左右方向Z)へ突出する断面半円状の一対の支持腕79が設けられる(
図14では、一方の支持腕79のみを示してある)。各支持腕79の周面に、対応する受け面60fによって受けられる凸湾曲状の被受け部79aが設けられる。受け面60f上において、受け面60fと被受け部79aとの接触位置に、コラム軸方向Xに移動可能な支点MSQが形成される。
【0085】
図14の第3実施形態の構成要素において、
図4ないし
図10(a)の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、
図4ないし
図10(a)の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。本実施形態においても、第1実施形態と同じ効果を奏することができる。また、受け部材をエネルギ吸収部材40で構成する条件に制約されない。したがって、エネルギ吸収部材40の位置を変更したり、エネルギ吸収部材40を廃止したりすることも可能であり、エネルギ吸収部材40の設置の自由度が高い。
(第4実施形態)
図15は、本発明の第5実施形態に係るツースロック機構9Rの概略断面図であり、第1ツース部材60Rと第2ツース部材70Rとの噛合状態を示している。
【0086】
図15に示すように、第2ツース部材70Rの一対の第2ツース列74RLにおいて、一方の第2ツース列74RLの第2ツース74Rの歯先と、他方の第2ツース列74RLの第2ツース74R歯先とが、コラム軸方向Xに歯ピッチよりも小さいオフセット量e1でオフセットされている。ただし、各第2ツース列74RLの歯ピッチは互いに等しくされている。
【0087】
また、第1ツース部材60Rの一対の第1ツース列62RLにおいて、一方の第1ツース列62RLの第1ツース62Rの歯先と、他方の第1ツース列62RLの第1ツース62R歯先とが、コラム軸方向Xに第2ツース列74RLにおけるオフセット量e1と同じオフセット量e2でオフセットされている。ただし、各第1ツース列62RLの歯ピッチは互いに等しくされている。
【0088】
本実施形態では、第2ツース部材70Rをロック解除状態からロック状態へと変位させるときに、第2ツース部材70Rの第2ツース74Rが、コラム軸方向Xに関して歯ピッチよりも小さい間隔で相手方の第1ツース部材60Rの第1ツース62Rに対して整合するので、ツースオンツースの状態が生ずることを抑制することができる。
また、一方の第2ツース列74RLの第2ツース74Rの歯先と、他方の第2ツース列74RLの第2ツース74R歯先とを前記オフセット量e1でオフセットさせることで、第2ツース部材70Rの左右方向Zの厚みt1が、コラム軸方向Xの位置によって変化することを抑制することができる。このため、第2ツース部材70Rが焼結体で形成される場合に、第2ツース部材70Rの密度が安定する。焼結時(加圧成形時)の各部の圧縮率が略均一にされるからである。第2ツース部材70Rの密度が安定化により、第2ツース部材70Rの第2ツース74Rの強度を向上することができる。
【0089】
本発明は各前記実施形態に限らず、例えば、第2支持部材120を廃止し、案内規制部材52の延在部EZに設けられた一対の支持部によって、案内軸を支持するようにしてもよい。
また、本発明は、操舵部材10の操舵が補助されないマニュアルタイプのステアリング装置に限らず、電動モータの動力をステアリングシャフト3に与えて操舵部材10の操舵を補助する電動パワーステアリング装置に適用することができる。
【0090】
その他、本発明は特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。