【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、第1の態様において、本発明は広い意味において、筐体と、少なくとも部分的に筐体上またはその中に取り付けられるように構成されたガス発生器と、を含むインサフレーション装置にあると言ってもよい。筐体は、ガスを患者に送達するためのガス出口と、ガスを貯蔵し、かつガスをガス出口へと送るように構成されたガス貯蔵チャンバと、を含む。ガス発生器は、ガス発生カートリッジを受けるようになされた筐体上のカートリッジマウントを含み、ガス発生カートリッジはガス発生材料を収容し、および/またはそれを受けるように構成されている。カートリッジ、カートリッジマウント、およびガス貯蔵チャンバは、使用中、装置が動作モードにあるときに、カートリッジがカートリッジマウントに装填されるとカートリッジがガス貯蔵チャンバと流体連通するように構成され、ガスはカートリッジ内のガス発生材料から発生されて、ガス貯蔵チャンバへと送られる。
【0011】
好ましくは、装置はカートリッジを含む。
【0012】
好ましくは、カートリッジは取り外し可能である。偶発的に外れるのを防止し、および/またはカートリッジを化学反応により生成される圧力に対抗して所定の位置に保持するためにロッキング手段が設けられてもよい。
【0013】
動作モードは、カートリッジをカートリッジマウントに装填すると自動的に開始してもよい。他の例では、動作モードは選択的に開始されてもよい。
【0014】
装置の動作を制御するためにコントローラが設けられてもよい。コントローラは、動作モードの開始と終了とを制御するように動作してもよい。コントローラは、装置の他の主要機能を制御するように構成されてもよい。コントローラは、筐体上に設けられたユーザインタフェースを含んでいてもよい。ユーザインタフェースはグラフィックディスプレイを含んでいてもよく、これは例えばタッチスクリーンディスプレイであってもよい。
【0015】
好ましくは、閉鎖手段がカートリッジに設けられ、かつガス発生材料をカートリッジ内に封入するように構成され、装置は、装置が動作モードにあるときに、閉鎖手段を少なくとも部分的に開放するように構成される。閉鎖手段を開放することによってガス発生が開始されてもよい。
【0016】
閉鎖手段は所定の脆弱さの領域を含んでいてもよく、装置は、装置が動作モードにあるときに所定の脆弱さの領域を穿孔して閉鎖手段を開放し、前記流体連通を提供し、および発生ガスをガス貯蔵チャンバへと送ることができるように構成された穿孔手段を含む。
【0017】
穿孔手段は、例えばカートリッジがカートリッジマウントに十分に押し付けられる等、カートリッジがカートリッジマウントに装填されたときに所定の脆弱さの領域を自動的に穿孔するように構成されていてもよい。他の例では、穿孔手段は、所定の、またはオペレータが選択した時点で所定の脆弱さの領域を穿孔するように選択的に制御可能であってもよい。
【0018】
穿孔手段の代わりに、装置は、閉鎖手段の前後で、閉鎖手段を破裂または移動させて開口を提供するのに十分な圧力差を発生させるように構成されてもよい。例えば、ガス発生カートリッジ内で、ガスを放出してガス発生カートリッジ内部に高圧を生じさせるような反応がトリガされてもよい。それに加えて、またはその代わりに、ガス発生カートリッジの下流に設けられた圧縮器がカートリッジの外部に低圧領域を作ってもよい。
【0019】
閉鎖手段は、閉位置と開位置との間で移動可能に構成された移動可能バリア、キャップ、または弁を含んでいてもよい。移動可能バリア、キャップ、または弁は、カートリッジが装填されると開位置に移動されるか、またはその後、オペレータによる入力もしくはコントローラの制御信号に応答して開放されてもよい。ここでもまた、開示の前後の圧力差の生成が開口を提供するために利用されてもよい。
【0020】
さらに、閉鎖手段の組み合わせが提供されてもよい。例えば、薄膜またはシート状材料が、移動可能バリア、キャップ、または弁がその内部に設置されている容器の開口を閉鎖してもよい。
【0021】
さらにまた、閉鎖手段の少なくとも一部は、カートリッジの装填前にオペレータにより取り外し可能であってもよい。
【0022】
カートリッジマウントは好ましくは、筐体内の空洞を含み、この空洞には筐体の外側の開口が設けられ、使用中、カートリッジはこの開口から空洞へと挿入される。
【0023】
カートリッジとカートリッジマウントは、係合してカートリッジマウントにカートリッジをロックするように構成されたそれぞれのロッキング構造を含んでいてもよい。ロッキング構造は、例えばスナップフィット型構造またはばねクリップを含んでいてもよく、好ましくはカートリッジをマウントから意図的に取り外すことができるように構成され、すなわち、ロッキング構造は好ましくは解除可能かつロック可能である。ガス発生中に生成される圧力上昇によって、ロッキング構造は、この圧力上昇により生成されるものを超える十分な力でカートリッジをマウントに保持するべきである。
【0024】
カートリッジマウントの空洞は少なくとも2つの対向壁間に画定されてもよく、カートリッジは対向壁間に受けられ、かつそれらに対して配置されて、カートリッジマウントに対するカートリッジの向きを固定する。1つの例において、空洞は長方形であってもよい。1つの例において、空洞は第1の対の対向壁、すなわち側壁と、第2の対の対向壁、すなわち上壁と下壁を含んでいてもよい。空洞とカートリッジは、それを一方向にしか装填できないように構成されていてもよい。例えば、カートリッジの溝が、それが装填されたときに空洞のスロットとスライド可能に係合してもよい(またはその逆でもよい)。
【0025】
カートリッジマウントは、カートリッジとガス貯蔵チャンバとの間にガス流路を形成するマニホルドを含んでいてもよく、このマニホルドは、カートリッジがカートリッジマウントに装填されたときに、カートリッジとガス貯蔵容器との中間にある。マニホルドは、マニホルドを通って流れるガスを混合するように構成されていてもよい。マニホルドには、ガスの混合を促進するように構成されたガス流路が設けられてもよい。
【0026】
他の例において、カートリッジマウントは、カートリッジが、カートリッジマウントに装填されたときに、直接、ガス貯蔵容器との流体接続を形成するように構成される。
【0027】
カートリッジマウントとガス貯蔵チャンバとには、ガス貯蔵チャンバをカートリッジから分離して、ガス貯蔵チャンバからガス出口へのガスの流れに影響を与えることなくカートリッジをカートリッジマウントから取り外すことができるように構成されたアイソレータが設けられていてもよい。それゆえ、すべての発生ガスがカートリッジからガス貯蔵チャンバへと放出されると、カートリッジが取り外されてもよく、その後、選択された時点でガス貯蔵チャンバ内に貯蔵されたガスが出口から放出される。あるいは、カートリッジはガス発生の途中で取り外し可能であることも想定される。カートリッジを取り外すと、閉鎖手段が自動的に閉じられて、ガス発生が停止されるか、または少なくともカートリッジからのガスの放出が防止される。
【0028】
カートリッジ内のガス発生材料は、閉鎖手段が開放している、または部分的に開放しているときに外気に曝されると、ガスの発生を開始するように構成されていてもよい。カートリッジ内のガス発生材料は、カートリッジ内の他のガス発生材料に曝されると、ガスの発生を開始するように構成されてもよい。ある程度までガス発生材料の反応速度、およびそれゆえガス発生速度を制御するためのヒータが設けられてもよい。例えば、いくつかの実施形態に関して、温度を上げるために加熱することにより、反応速度は早くなる。また、確実にガスが所望の温度で送達されるようにするためにヒータが設けられてもよい。このようなヒータは、カートリッジ、マニホルド、またはガス貯蔵チャンバの中、またはガス流路に沿った別の箇所でガスと熱連通した状態で設けられてもよい。
【0029】
1つの例において、ガス貯蔵チャンバを加熱するためにチャンバヒータが設けられる。チャンバヒータは、コントローラにより、カートリッジからのガスの利用可能性に応じて生成される熱を変化させるように制御されてもよい。コントローラは、チャンバヒータを自動的に制御するように構成されてもよく、または使用者がチャンバヒータを選択的に制御できるように構成されてもよい。チャンバヒータは、ガスチャンバの内壁または外壁の少なくとも一方に配置されたヒータコイルを含んでいてもよい。あるいは、チャンバヒータはガスチャンバに隣接する加熱板を含んでいてもよい。チャンバヒータには、筐体内に配置された内部電源、例えばバッテリから電源供給されてもよい。バッテリは充電可能であってもよく、この例においては、適当なAC/DC変換器もまた筐体内に設けられてもよい。
【0030】
ガスチャンバは断熱手段を含んでいてもよく、これはこの装置中の、ガスを貯蔵し、および/またはガスを患者に輸送するために使用される他のあらゆる要素も同様でありうる。
【0031】
ガス出口を通るガスの流量を制御するために、ガス流量制御弁がガスチャンバとガス出口との間に設けられてもよい。ガス流量制御弁は、ガス流速およびガス圧力の少なくとも一方を変化させるために、コントローラを介して自動的または手動で制御されてもよい。ガス流量制御弁はさらに、所定のガス圧を超えた場合にガスを換気するように構成された圧力逃がし弁として機能してもよい。
【0032】
ガスの成分を混合するように構成された受動型混合装置が、ガス流路内に設けられてもよい。
【0033】
ガスがガス出口へと送られる前にガスを加湿するように構成された加湿器がガス流路内に設けられてもよい。加湿器は、コントローラによって制御されてもよい。コントローラは、加熱器を自動的に、すなわちオペレータの介入なしに制御して、確実に所定の湿度を有するガスが出口へと送られるように動作してもよい。その代わりに、またはそれに加えて、コントローラは、必要に応じて、出口へと送られるガスの湿度をオペレータが変更できるように選択的に加湿器を制御するべく動作してもよい。
【0034】
加湿器は、流体受容容器と、流体受容容器内の流体を加熱するように構成された受容容器ヒータと、を含む能動型加湿器を含んでいてもよい。流体受容容器は筐体に取り外し可能に取り付けられてもよく、それによって、例えば受容容器を取り外して再充填することができる。加湿器はあるいは、外気からガスへと水分を移動させるように構成された熱湿交換器を含む受動型加湿器であってもよい。加湿器は、ガス貯蔵チャンバに統合されてもよい。
【0035】
凝縮器がガス流路内に設けられてもよい。凝縮器は、特に加湿器が相対湿度100%を目指すように設定されている場合に、生成ガス内の湿度レベルがより低いこと(すなわち、水分含有量の一部を除去すること)が望まれるときに使用されてもよい。凝縮器はそれに加えて、またはその代わりに、ガスの湿度を、それが貯蔵チャンバ内に貯蔵される前に低下させるために使用されてもよい。好ましい実施形態は、水または水溶液中でのガスの発生に関しているため、ガスは高い湿度を有する可能性があり、ある用途にとってはその湿度を低下させるのが好ましくてもよいことが理解される。
【0036】
蒸発器がガス流路内に設けられてもよい。蒸発器は、ガス出口へと送られるガス中の全水分が確実に蒸気の形態であるようにするために使用されてもよい。
【0037】
本発明は、水を通じて湿度を導入することに限定されない。水のほかに、または水の代わりに、その他の液体または添加物が使用されてもよい。
【0038】
ガス出口に追加のガス流量を提供するために、フローエンハンサがガス流路内に設けられてもよい。フローエンハンサは、圧縮器または、ガス流路内でガスを吹き送るように構成されたブロワを含んでいても、または例えば追加のガス源を含んでいてもよい。追加のガス源は筐体の内部にあっても、または筐体に接続されるように構成される、離れた場所にあるガス源を含んでいてもよい。フローエンハンサはまた、カートリッジ内の圧力を制御するか、ガスをガス貯蔵チャンバ内へと圧縮するためにも使用可能である。特定の実施形態によれば、カートリッジ内の圧力を下げることはまた、カートリッジ内の液体を蒸発させて、ガスの湿度を高めるのを支援するため、またはカートリッジの開放を支援するために有益となりうる。
【0039】
添加物をガスストリーム内に挿入できるようにするための1つまたは複数の追加の入口がガス流路に沿って設けられてもよい。
【0040】
好ましくは、装置は運搬可能である。より好ましくは、装置は、カートリッジがそれに装填されたときでも運搬可能である。
【0041】
インサフレーション装置のすべての、または実質的にすべての要素を1つの筐体内に設けることによって(ただし、カートリッジは取り外し可能であってもよい)、装置の運搬可能性が改善され、その一般的外観もまた同様である。さらに、外部の相互接続チューブが不要であるため(または少なくとも、より少なくて済むため)、装置によってもたらされる障害または潜在的危険が減少する。
【0042】
第2の態様によれば、本発明は広い意味において、インサフレーション装置のカートリッジマウントに装填するためのガス発生カートリッジにあると言ってもよい。カートリッジはガス発生材料を収容し、かつカートリッジがカートリッジマウントに装填されたときにインサフレーション装置との流体接続部を形成するようになされた出口を含む。
【0043】
好ましくは、カートリッジは、出口を閉鎖して、ガス発生材料をカートリッジ内に封入するために設けられた閉鎖手段を含む。
【0044】
好ましくは、閉鎖手段は、使用中に少なくとも部分的に開放されて、ガス発生材料が反応してガスを発生させ、このガスが出口を介してカートリッジから流れるようになされている。あるいは、開放は、別の反応チャンバに流体接続されるように構成されてもよく、カートリッジの開放によって、内容物の少なくとも一部がチャンバに入ることができ、したがって、ガスがチャンバ内で発生される。このような構成はまた、第1の態様のインサフレーション装置にも組み込まれてよい。
【0045】
好ましくは、閉鎖手段は、カートリッジがインサフレーション装置の上に、またはその中に装填されたときに少なくとも部分的に開放されるようになされている。
【0046】
好ましくは、カートリッジは、ガス発生のための反応に使用される少なくとも1種の材料を収容する。より好ましくは、カートリッジは2種以上の材料を収容する。1つの例において、カートリッジは、少なくとも1種の固体材料と少なくとも1種の液体材料を収容する。1つの例において、材料は炭酸アルミニウムと水を含む。
【0047】
カートリッジは、カートリッジ内の材料が外気に曝されたときにガスが発生されるように構成されていてもよい。あるいは、2種以上の材料が提供される場合、それらの材料が相互に曝されたときにガスが発生されてもよい。
【0048】
カートリッジは、好ましくは炭酸ガスを発生させるようになされている。
【0049】
閉鎖手段は、接続部に移動可能または取り外し可能に取り付けられた移動可能バリア、シール、カートリッジ内に収容された2種以上の材料間の壁、および弁のうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。
【0050】
閉鎖手段は、穿刺されて閉鎖手段を開放し、ガス発生材料が反応してガスを発生させるように構成されてもよい。閉鎖手段は、穿刺されるように構成された所定の脆弱さの領域を含んでいてもよい。閉鎖手段は、この例においては、使い捨てであってもよい。
【0051】
閉鎖手段は、移動または弾性的に変形されて閉鎖手段を開放し、ガス発生材料が反応してガスを発生させるように構成されてもよい。閉鎖手段は、この例において、閉鎖手段が再使用可能であり、それによってカートリッジに新しいガス発生材料を再充填できるという点で、複数回使用されうる。このような再充填は、出口を介して、またはカートリッジへの別の入口を介して実現されてもよい。あるいは、カートリッジの他のいずれかの部分が、取り外しまたは分解されて、その内部にアクセスして残留物質を取り除き、および/または新しいガス発生材料を挿入できるように構成されてもよい。
【0052】
閉鎖手段の開放および/または閉鎖は、コントローラによって制御されるように構成されてもよい。
【0053】
カートリッジは、ガス発生速度が閉鎖手段を使って、すなわち、閉鎖手段が開放される程度に応じて制御され、および/または調節可能であるように構成されてもよい。それゆえ、閉鎖手段を比較的小さく開放することによって、材料が曝される程度は比較的少なく、その結果として実現されるガス発生速度もそれに比例して比較的遅い。あるいは、閉鎖手段を比較的大きく開放することによって、材料が曝される程度は比較的多く、その結果として実現されるガス発生速度もそれに比例して比較的速い。
【0054】
カートリッジは前述のように再使用可能/再充填可能であってもよいが、それはまた使い捨てであってもよい(すなわち、1回使用またはガス発生材料が消耗するまでの使用のために構成される)。
【0055】
カートリッジは、加熱してガス発生速度を変化させるように構成されていてもよい。1つの例において、カートリッジにはカートリッジヒータが設けられてもよい。他の例では、カートリッジヒータがカートリッジマウント上に設けられてもよい。
【0056】
好ましくは、カートリッジは、第1の態様の装置の上に、またはその中に装填されるようになされている。
【0057】
第3の態様によれば、外科的処置において使用するためのガスを発生させるように構成されたガス発生器を含むインサフレーション装置が提供される。
【0058】
好ましくは、インサフレーション装置は筐体を含み、ガス発生器が、少なくとも部分的に、筐体上、またはその中に取り付けられ、または設置されるように構成され、インサフレーション装置はガスを患者に送達するためのガス出口を含む。
【0059】
好ましくは、ガス発生器は反応チャンバを含み、またはそれを画定する。
【0060】
好ましくは、インサフレーション装置は、使用中に反応チャンバ内部でガスを発生させる反応を活性化させるためのアクティベータをさらに含む。
【0061】
1つの実施形態によれば、装置は、反応チャンバ内で第1の反応物質を第2の反応物質と接触させて、反応を促進または開始させるように構成される。例えば、反応チャンバは第1の反応物質を収容していてもよく、アクティベータは第2の反応物質を反応チャンバ内に導入し、および/または反応チャンバ内で反応物質の一方または他方または両方を移動させて、反応物質を相互に接触させてもよい。あるいは、反応チャンバは第2の反応物質を収容していてもよく、アクティベータは第1の反応物質を反応チャンバ内に導入してもよい。
【0062】
本明細書の説明は概して、ガスを発生させるために2種の反応物質が使用されることに関しているが、本発明はこれに限定されない。1種の反応物質または追加の反応物質も、必要または選好に応じて使用されてよい。
【0063】
第1の反応物質は、炭酸水素アルミニウムまたは重炭酸ナトリウム等の炭酸塩材料を含んでいてもよく、第2の反応物質は水および/または酸を含んでいてもよい(またはその逆でもよい)。当然のことながら、このような構成は炭酸ガスを産生する。炭酸ガスを産生し、またはその他のガスを産生するためにその他の反応物質が使用されてもよいが、反応の種類によっては装置の何らかの適応が必要となりうる。
【0064】
1つの実施形態によれば、第1の反応物質は、少なくとも1つの塊を画定する、実質的に固体であってもよい。例えば、第1の反応物質は、1つまたは複数の長い塊またはロッドの形態であってもよい。塊の表面は、塊の表面積を増大させるように、したがって第2の反応物質と接触させられたときに反応速度を高める可能性があるような形状とされてもよい。
【0065】
それに加えて、またはその代わりに、第1の反応物質の少なくとも一部は粉末または微粒子の形態で提供されても、または少なくとも1つまたは複数の、より小さい塊を含んでいてもよい。第1の反応物質の少なくとも一部をこのように提供することにより、第1の反応物質のうち、第2の反応物質と接触させることのできる表面積が増大し、ここでもまた、反応速度を高める可能性がある。これは、反応の初期段階で、そうでなければ実現可能であろう時間より短時間でのガスの十分な生成を促進するという点で特に有利でありうる。
【0066】
装置は、反応チャンバ内の内容物を加熱し、および/または第1の反応物質および/または第2の反応物質を加熱してから、反応物質が反応チャンバ内に供給されるようにする1つまたは複数のヒータを含んでいてもよい。反応速度をある程度まで制御して、少なくともいくつかの実施形態に関しては、特に追加の熱を供給することによって反応速度を加速させるために、制御された熱の供給が使用されてもよい。
【0067】
ヒータは、反応チャンバ内および/または反応チャンバの壁内に、および/またはそれ以外に反応チャンバと熱連通するように提供される1つまたは複数の加熱素子を含んでいてもよい。例えば、ヒータコイルは少なくとも部分的に反応チャンバを取り囲んでもよい。反応物質が固体の形態で提供される場合、前記反応物質は、投入電熱器と同様に、加熱素子上に設置またはコーティングされてもよい。
【0068】
反応チャンバは複数のサブチャンバを含んでいてもよく、この場合、アクティベータは前記サブチャンバのうちのいずれか1つまたは複数の中で反応物質を接触させるように構成されてもよい。当然のことながら、同様に構成されたサブチャンバをより多く使用することにより、反応チャンバ内の反応速度が上昇する。サブチャンバは、反応チャンバを複数の、より小さい反応チャンバに分割する反応チャンバ内の仕切り壁によって形成されてもよい。
【0069】
さらに、アクティベータは、使用中のサブチャンバ、すなわちガス発生中のサブチャンバをある特定の時点で変化させるように構成されてもよい。ガス発生速度は、それゆえ、同時に動作中のサブチャンバの数を制御することによって制御可能である。
【0070】
1つの実施形態によれば、サブチャンバは各々、第1の反応物質を含み、第2の反応物質と選択的に流体連通する。第2の反応物質は、反応チャンバ内、または筐体もしくはその外部の貯蔵器の中に保持されてもよい。さらに、各サブチャンバは出口と流体連通して、発生ガスを、例えば外部周辺機器およびその他の中間プロセッサを介して患者に送達でき、これは本明細書中、後でより明らかとなるであろう。
【0071】
現時点で好ましい実施形態によれば、サブチャンバは反応チャンバ内に設けられ、その底または筐体の底の上方に上昇される。少なくとも1つの穴が各チャンバの底に設けられ、サブチャンバの下の空間にある第2の反応物質がそれを通じて入ることができる。弁手段が各穴の付近に設けられ、穴の開閉を選択的に制御してもよい。あるいは、移動可能な遮断部材が設けられてもよく、これはサブチャンバの下方の空間の少なくとも一部を流体的に分離し、それによって第2の反応物質がサブチャンバのうちの少なくとも1つの中に進入するのを防止する。遮断部材の移動を利用して、貯蔵器と流体連通するサブチャンバの数を増減することができる。
【0072】
好ましくは、反応チャンバは取り外し可能なカートリッジの形態で提供され、反応物質が消耗したときに交換用カートリッジを提供できる。それに加えて、またはその代わりに、反応チャンバの一部分のみが取り外し可能であってもよい。例えば、サブチャンバまたはそのうちのいくつかが取り外し可能であってもよい。それに加えて、またはその代わりに、反応チャンバは複数の取り外し可能なカートリッジを含んでいてもよく、これによって1つまたは複数のカートリッジを、1つまたは複数のその他のカートリッジがガスの発生に使用されている間に交換できる。それに加えて、またはその代わりに、1つまたは複数の密閉可能に閉鎖可能なポートが反応チャンバ内に設けられて、1種または複数種の反応物質がそれを通って供給され、反応チャンバに反応物質の少なくとも1種を補充できるようにされてもよい。
【0073】
好ましくは、カートリッジは、第1および第2の態様の中で想定されたものと同様の形態であり、カートリッジの設計と、より広い装置とのその連結のその他の説明については、これらの態様を参照されたい。さらに、当然のことながら、この第3の態様の一部として(上および下で)説明されるカートリッジの実施形態はまた、第1および第2の態様において想定されるカートリッジにも応用可能である。
【0074】
第1の態様のインサフレーション装置と同様に、ガスのその他のプロセッサが設けられてもよい。例えば、患者に送達される前に発生ガスを貯蔵するためのガス貯蔵チャンバが設けられてもよい。さらに、プロセッサは、例えばガスを加湿もしくは除湿するか、ガスを加熱もしくは冷却することによってガスを調整してもよい。添加物もまたガスの中に導入されてもよい。
【0075】
患者に送達されるガスの圧力および/または流速を制御するために、ブロワおよび/または賦形通路等のプロセッサが使用されてもよい。
【0076】
ここでもまた、プロセッサとその制御のその他の説明については、第1および第2の態様のほか、後述の説明が参照される。
【0077】
他の実施形態によれば、筐体と、少なくとも部分的に筐体上またはその中に取り付けられ、または設置されるように構成されたガス発生器と、を含むインサフレーション装置が提供される。筐体は、ガスを患者に送達するためのガス出口を含む。ガス発生器は、反応物質を収容し、またはそれを受けるように構成された反応チャンバを含み、またはそれを画定する。インサフレーション装置は、使用中の反応チャンバ内の反応を活性化してガスを発生させるためのアクティベータをさらに含み、アクティベータは1つまたは複数の電極を含み、それにより、使用中、1つまたは複数の電極に印加された電荷がガスを発生させるための反応を活性化する。
【0078】
好ましい実施形態によれば、反応物質は正電荷を有する炭酸ガス吸収アミン溶液(例えば、ピペラジンまたはジエタノールアミン)を含み、これによって電極の1つまたは複数が負に帯電すると、炭酸ガス吸収アミン溶液が分解して炭酸ガスを放出する。好ましくは、1つまたは複数の電極は銅のコアを含む。
【0079】
1つまたは複数の電極に、またはその中のいくつかに電荷を選択的に印加するために切り替え回路が設けられてもよい。あるいは、現時点で好ましい実施形態によれば、1つまたは複数の電極が反応チャンバ内へと延び、その外部に電気連結部が設けられる。例えば、1つまたは複数の電極は反応チャンバから外に延びていても、またはその端が反応チャンバの壁の、それに対応する穴を介して露出してもよく、あるいは本明細書の開示に基づいて当業者にとって明らかとなるように、電気連結のためのその他の手段が設けられてもよい。この実施形態によれば、アクティベータは移動可能ブロックを含んでいてもよく、これは、それが接触した電極の1つまたは複数に負の電荷を印加する。
【0080】
ここでもまた、この実施形態のその他の特徴は、その制御も含め、第1および第2の態様のほか、第3の態様に関する前述の考察と以下の説明からわかるであろう。例えば、装置の少なくとも一部は、反応物質の補充を容易にするための取り外し可能なカートリッジを含み、またはそのようなカートリッジとして構成されてもよい。さらに、発生ガスおよび/または反応チャンバの内容物を調整するためにプロセッサが設けられてもよい。さらに、構成は、異なるガスを発生させるように、および/または異なる反応物質および/または電極材料を使って炭酸ガスを発生させるようになされてもよい。
【0081】
他の実施形態によれば、筐体と、少なくとも部分的に筐体の上または中に取り付けられ、または設置されるように構成されたガス発生器と、を含むインサフレーション装置が提供される。筐体は、ガスを患者に送達するためのガス出口を含む。ガス発生器は、反応チャンバを含み、またはそれを画定する。インサフレーション装置は、使用中の反応チャンバ内部でガス発生を活性化してガスを発生させるためのアクティベータをさらに含む。反応チャンバは吸収材/脱着材を収容し、またはそれを受けるように構成され、アクティベータは、吸収材/脱着材からのガスの脱着を活性化することによってガスを発生させるように構成される。
【0082】
好ましくは、反応チャンバは、水または水溶液等の媒質で少なくとも部分的に満たされ、または満たされるように構成され、吸収材/脱着材が媒質内に少なくとも部分的に沈められる。少なくとも一部に、発生させるガスおよび/または吸収材/脱着材の特性に応じて、その他の媒質がその代わりに使用されてもよい。
【0083】
好ましくは、吸収材/脱着材は1つまたは複数の微細孔金属有機構造体を含むが、当業者にとって明らかであるように、その他の吸収材/脱着材が使用されてもよく、また発生させるガスに応じて調整されてもよい。金属有機構造体が使用される場合、これは好ましくはmmen−Mg2またはCu−BTCを含む。
【0084】
好ましくは、装置は、反応チャンバの内容物の少なくとも一部を加熱するための1つまたは複数のヒータを含む。吸収材/脱着材からのガスの放出速度を少なくともある程度まで制御するために、制御された熱供給が使用可能である。好ましくは、1つまたは複数のヒータは、反応チャンバの内容物の少なくとも一部を50℃〜100℃の間の温度まで加熱するように構成される。
【0085】
1つまたは複数のヒータは、反応チャンバ内および/または反応チャンバの壁内に設けられた、および/またはそれ以外に反応チャンバと熱連通する1つまたは複数の加熱素子を含んでいてもよい。例えば、ヒータコイルは反応チャンバを少なくとも部分的に取り囲んでもよい。
【0086】
反応チャンバは複数のサブチャンバを含んでいてもよく、その場合、1つまたは複数の加熱素子は、選択されたいずれか1つまたは複数のサブチャンバの内容物を加熱するように構成されてもよい。それゆえ、必要なガス発生速度に応じて、1つまたはそれより多いサブチャンバが使用されてもよい。それに加えて、またはその代わりに、1つまたは複数のサブチャンバが消耗した(すなわち、吸収材/脱着材が、それによって吸収されたガスの実質的に全部を脱着した、またはガスの放出速度が不十分な程度まで低くなった)ときに、アクティベータは装置を制御してもよく、それにより、別の1つまたは複数のサブチャンバが、以前に使用されていた1つまたは複数のサブチャンバに加えて、またはそれとは別に使用される。このような切替の制御は、装置をテストすることによって、および/またはセンサを使って発生ガスの特性をモニタすることによって生成される経験的データに基づいて決定されてもよい。
【0087】
1つまたは複数の加熱素子に選択的に電荷を印加するために、切替回路が設けられてもよい。あるいは、現時点で好ましい実施形態によれば、1つまたは複数の加熱素子は、上述の1つまたは複数の電極と同様に構成されてもよく、これらは反応チャンバ内に延び、その外側に電気連結部が設けられる。例えば、1つまたは複数の加熱素子は反応チャンバから延びても、またはその端が、反応チャンバの壁の、それに対応する穴を介して露出してもよく、あるいは本明細書の開示に基づいて当業者にとって明らかとなるように、電気連結のためのその他の手段が設けられてもよい。この現時点で好ましい実施形態によれば、アクティベータは移動可能ブロックを含んでいてもよく、これは、ブロックが物理的に接触させられた1つまたは複数の加熱素子を電源に電気的に連結する。
【0088】
ここでもまた、この実施形態のその他の特徴は、その制御を含め、第1および第2の態様のほか、第3の態様に関する前述の考察および以下の説明からわかるであろう。例えば、装置の少なくとも一部は、ガス発生材料の補充を容易にするために、取り外し可能なカートリッジを含み、またはそのようなカートリッジとして構成されてもよい。例えば、少なくとも吸収剤/脱着材は、ガスの再吸収を容易にするために取り外し可能であってもよい。それに加えて、またはその代わりに、反応チャンバの少なくとも一部は取り外し可能であってもよい。例えば、反応チャンバ全体および/またはその1つまたは複数のサブチャンバが取り外し可能であってもよい。それに加えて、またはその代わりに、反応チャンバにガス発生材料を補充するために、1つまたは複数のポートが設けられていてもよい。さらに、発生ガスを調整するために1つまたは複数のプロセッサが設けられてもよい。さらに、装置は、異なるガスを発生させる、または異なる吸収材/脱着材および/または媒質を使って炭酸ガスを発生させるようになされてもよい。
【0089】
本発明の第4の実施形態によれば、ガスを患者に送達するためのガス出口と流体連通するガス入口を含むインサフレーション装置が提供される。第1のヒータが、ガス入口とガス出口との間に設置され、患者に送達されるガスの圧力を制御するように構成される。第2のヒータがガス入口とガス出口との間に設けられ、患者に送達されるガスの温度を制御するように構成される。この態様のその他の特徴は、第1、第2、および第3の態様からわかるであろう。
【0090】
第5の態様によれば、インサフレーション用ガスを発生させる方法が提供され、この方法は、第1の態様または第3の態様または第4の態様によるインサフレーション装置を提供するステップ、および/または第2の態様によるガス発生カートリッジを提供するステップ、および/またはガス発生器をインサフレーション装置の上またはその中に取り付けるステップ、および/またはガス発生カートリッジをインサフレーション装置上に、またはその中に装填するステップを含む。
【0091】
好ましくは、この方法は、カートリッジの出口を少なくとも部分的に開放して、ガスがカートリッジからインサフレーション装置へと流れることを可能にするステップを含む。あるいは、出口を開放することにより、反応物質がカートリッジから流れて、別の反応チャンバに受けられることが可能となってもよい。
【0092】
好ましくは、この方法は、出口が開放される程度、カートリッジの温度、発生ガスの温度、発生ガスの湿度、発生ガスの流速、カスの圧力および/またはガス発生速度のいずれか1つまたは複数を制御するステップを含む。
【0093】
好ましくは、この方法は、好ましくは前記ガス発生材料が、少なくとも有用なガス発生が達成不能なレベルまで消耗したときに、カートリッジをインサフレーション装置から取り外すステップを含む。
【0094】
好ましくは、この方法は交換用カートリッジを装填するステップを含む。
【0095】
この方法は、使用済みカートリッジに新しいガス発生材料を再充填するステップを含んでいてもよい。これは、カートリッジをインサフレーション装置から取り外し、またはそれに装填して実行されてもよい。それに加えて、またはその代わりに、この方法は、使用済みカートリッジを再調整して、それを再利用可能にするステップを含む。いくつかの実施形態は、少なくとも一部に、外科的処置で使用した後にこの方法の1つまたは複数の副生成物および/または装置へと再循環されたガスを使って、カートリッジを再調整または補充するようにする。
【0096】
第6の態様によれば、インサフレーション用ガスを発生させる方法が提供され、この方法は、ガス発生材料を収容し、または収容するように構成された反応チャンバを含むガス発生器を提供するステップ、および反応チャンバ内でのガス発生を活性化するためのアクティベータを提供するステップ、を含む。
【0097】
この方法の別の特徴は、インサフレーション装置に関して説明されたものを含め、前述および後述の特徴と同様である。さらに、ガスの発生は脱着工程により実行されてもよい。
【0098】
第7の態様によれば、インサフレーション用ガスを発生させる方法が提供され、この方法は、反応チャンバ内のガス発生を活性化するステップを含む。
【0099】
好ましくは、この方法は、ガスを発生させるための反応チャンバ内の反応を開始および/または制御するステップを含む。
【0100】
好ましくは、この方法は、発生ガスを調整するステップを含む。例えば、ガスの湿度、温度、圧力、または流速のうちのいずれか1つまたは複数がモニタされ、および/または制御されてもよい。
【0101】
好ましくは、この方法は、発生ガスをガス貯蔵チャンバ内に貯蔵するステップを含む。
【0102】
好ましくは、この方法は、ガス発生材料を提供するステップを含む。これは、ガス発生材料を反応チャンバ内に供給すること、および/または反応チャンバの少なくとも一部を反応チャンバの交換用の少なくとも一部と交換することによって達成されてもよく、交換用チャンバは交換用ガス発生材料を収容する。交換用ガス発生材料はカートリッジ内に提供されてもよく、それによってガス発生材料の交換は、消耗したガス発生材料を収容したカートリッジを取り外し、新しい、または再調整されたガス発生材料を収容した交換用カートリッジを挿入することによって達成される。
【0103】
この方法の別の特徴は、インサフレーション装置に関して説明したものを含め、前述および後述の特徴と同様である。特に、ガス発生は前述のように達成されてもよい。
【0104】
前述の態様のすべてに関して、発生され、かつインサフレーションおよびその他の外科的処置において使用されたガスは、その後、ガス発生材料の再使用のため、および/またはその再調整もしくは再生のために回収されてもよい。それに加えて、またはその代わりに、副生成物が回収されて、同様の目的のために使用されてもよい。それゆえ、本発明はさらに、再使用可能または「再充填可能」ガス発生器もしくはカートリッジまたはインサフレーション装置を提供する。
【0105】
例えば、ガスは、外科的処置において、第1の導管またはある導管の第1の部分を使って供給され、第2の導管または第1の導管の第2の部分を使って回収されてもよい。導管の第1の部分と第2の部分および第1の導管と第2の導管は、これらが隣接し、または相互に近接するように位置付けられてもよい。これによって、例えば、両方の流れが体腔への1つの開口から実現できる可能性がある。しかしながら、好ましくは、関係する体腔への別々の開口が設けられ、それによって発生ガスが第1の開口を通じて入り、第2の開口から出る。好ましくは、第1および第2の開口は離間され、当然のことながら、離間の程度は、関係する体腔の大きさと所与の位置に開口を設ける便宜または可能性に応じて決定される。このような構成は体腔内のガス循環を促進するのに有利であり、これは処置中の煙またはその他のごみによる視界の障害を防止するのに有益となりうる。
【0106】
最も単純な態様では、回収されたガスは単に第1の導管または導管の第1の部分に回収されてもよく、それによってこれは再使用されるが、好ましくは、少なくとも1段のフィルタ処理が行われて、ガス内に存在するあらゆる煙またはその他のごみが取り除かれる。
【0107】
1つの実施形態によれば、再循環ガスはガス貯蔵チャンバに供給される。
【0108】
他の実施形態によれば、再循環ガスは反応チャンバおよび/またはガス発生カートリッジ内に、これにガス発生材料を補給する目的で供給されてもよい。このような構成の具体的な例を本明細書中で図面を参照しながら後に提供する。
【0109】
ここでもまた、前述の態様のすべてに関して、その制御を以下により詳しく説明する。
【0110】
すべての実施形態について、装置および発生ガスを患者に送達するために使用されるより広い回路の全体と、これが該当する場合は、その後ガスが回収される場所にセンサが位置付けられてもよい。このようなセンサは、ガス発生および/またはガスのパラメータをモニタし、それが特定の用途に必要な特性を有するように構成されてもよい。それゆえ、以下、すなわちガス発生材料および/またはガス生成材料を保持するチャンバの温度、回路内のいずれか1地点または複数地点におけるガスの温度および/または圧力および/または流量および/または湿度、ガス発生速度、またはその成分等、発生ガスのその他の特性のうちのいずれか1つまたは複数がモニタされてもよい。その他のセンサもまた設けられてよい。例えば、センサはインサフレーション装置のマウント内部へのカートリッジの挿入を検出してもよく、したがって、これは、ガスの発生および/またはその制御をトリガするか、またはそれ以外に自動的に開始するために使用される。ユーザからの入力を受けるために、センサおよび/またはユーザインタフェースも使用されてよい。圧力を測定する際、ガスの圧縮可能な性質と長い回路内でのその輸送により、患者の、またはその付近の圧力をモニタするために別の検出導管が設けられてもよい。検出導管は好ましくは、読取値に起こり得るエラーをできるだけ減らすために、小径であり、および/または比較的短い。
【0111】
1つまたは複数のプロセッサがセンサに動作的に接続されて、それからの信号を受信してもよい。1つまたは複数のプロセッサは、好ましくは、ガス発生および/または発生後のガスの調整を制御するように構成され、それによってガス発生は満足な速度または量となり、および/またはガスが特定の用途に必要な特性を有する。それゆえ、ガス発生および/またはガスの特性を所望の範囲内に保持するための制御ループが設けられてもよい。このような制御を実行するための手段と技術は当業者に周知である。
【0112】
本発明の各種の実施形態は、例えば炭酸ガス、亜酸化窒素、または酸素を発生させるようになされてもよいが、その他のガスも本発明の範囲内である。さらに、2種以上のガス成分からなるガス混合物または1つもしくは複数のガス成分を滅菌剤および/または薬剤等の添加物と共に発生させるようになされてもよい。それゆえ、本明細書全体を通じて、「ガス」および「ガスの発生」およびその他への言及は、単独のガス、複数の異なる種類のガス、および/または1種または複数種のガスと添加物、およびその発生を含む。例えば、複数の第1の反応物質および/または複数の第2の反応物質が同じ、または別の反応チャンバまたはサブチャンバ内に提供されてもよく、反応物質の異なる組み合わせによって、異なるガスが発生されることになり、または異なる反応もしくは添加物の生成を介して同じガスが提供されることになる。異なるガスを混合するために、特にこれらが異なる反応チャンバ内で発生される場合、マニホルド等の混合手段が使用されてもよい。他の例として、単独の吸収材/脱着材または異なる吸収材/脱着材に異なるガスが充填されてもよい。さらに、本発明は、特にインサフレーションの用途に関して説明されているが、人工呼吸器またはその他により使用される呼吸ガス、例えば酸素または酸素富化ストリームを発生させるために代替的な反応が使用されてもよいことが理解される。
【0113】
すべてその新規の態様とみなされるべきである本発明の他の態様は、以下の説明から明らかとなるであろう。
【0114】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、下記の図面を参照しながら例として説明する。