(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0006】
本開示は、従来技術において調光器のオン瞬間に光源が点滅しているという課題を解決するために、調光器の保持電流に補償電流を供給することができる調光器制御回路、方法及びシステムを提供することを目的とする。
【0007】
本開示の第1形態は、調光器制御回路を供給し、
調光器の電圧出力端に結合され、調光器の出力電圧を整流し整流電圧を出力するように構成される整流回路と、
入力端及び出力端を有し、前記入力端が前記整流回路に結合され、前記整流電圧に応じて検出電圧を出力するように構成される入力電圧検出回路と、
入力端及び出力端を有し、前記入力端が前記入力電圧検出回路の出力端に結合され、前記検出電圧が所定の条件を満たす場合に制御信号を出力するように構成されるプロセッサーと、
制御端及び出力端を有し、前記制御端が前記プロセッサーの出力端に結合され、前記出力端が前記整流回路に結合され、前記制御信号に応答し、所定の電流を前記整流回路に出力し又は所定の電流の前記整流回路への出力を停止するように構成される定電流回路と、 を含み、
ここで、前記所定の電流の電流値が調光器の保持電流より大きい。
【0008】
本開示の例示的な実施例において、前記整流回路は、第1ダイオード及び第2ダイオードを含み、
前記第1ダイオードは、アノードが前記調光器の電圧出力端の第1端に結合され、カソードが第1ノードに結合され、
前記第2ダイオードは、アノード前記調光器の電圧出力端の第2端に結合され、カソードが前記第1ノードに結合される。
【0009】
本開示の例示的な実施例において、前記入力電圧検出回路は、第1抵抗及び第2抵抗を含み、
前記第1抵抗は、一端が前記第1ノードに結合され、他端が前記入力電圧検出回路の出力端に結合され、
前記第2抵抗は、一端が前記入力電圧検出回路の出力端に結合され、他端が接地されている。
【0010】
本開示の例示的な実施例において、前記定電流回路は、第1スイッチ素子、第3抵抗、第2スイッチ素子、第4抵抗及びツェナーダイオードを含み、
前記第1スイッチ素子は、第1端、第2端及び制御端を有し、前記第1端が前記第1ノードに結合され、前記第2端が第2ノードに結合され、前記制御端が第3ノードに結合され、
前記第3抵抗は、一端が前記第2ノードに結合され、他端が接地され、
前記第2スイッチ素子は、第1端、第2端及び制御端を有し、前記第1端が前記第3ノードに結合され、前記第2端が接地され、前記制御端が前記プロセッサーの出力端に結合され、
前記第4抵抗は、一端が直流電圧源に結合され、他端が前記第3ノードに結合され、
前記ツェナーダイオードは、カソードが前記第3ノードに結合され、アノードが接地されている。
【0011】
本開示の例示的な実施例において、前記所定の条件は、前記検出電圧の変化速度が第1所定値より大きいことを含む。
【0012】
本開示の例示的な実施例において、前記所定の条件は、前記検出電圧の電圧値が第2所定値より小さいことを含む。
【0013】
本開示の例示的な実施例において、前記プロセッサーは、検出電圧取得モジュール、条件判断モジュール及び制御信号送信モジュールを含み、
前記検出電圧取得モジュールは、所定の周期に従って前記検出電圧を取得するように構成され、
条件判断モジュールは、前記検出電圧が前記所定の条件を満たすかどうかを判断するように構成され、
制御信号送信モジュールは、前記検出電圧が前記所定の条件を満たす場合に第1制御信号を送信し、前記検出電圧が前記所定の条件を満たさない場合に第2制御信号を送信するように構成される。
【0014】
本開示の例示的な実施例において、前記定電流回路は、前記第1制御信号に応じて所定の電流を出力し、前記第2制御信号に応じて所定の電流の出力を停止する。
【0015】
本開示の第2形態は、調光器保持電流制御方法を提供し、
所定の周期に従って調光器の出力電圧を検出することと、
前記調光器の出力電圧が所定の条件を満たす場合に前記調光器に保持電流の補償電流を供給することと、
前記調光器の出力電圧が前記所定の条件を満たさない場合に前記補償電流の供給を停止することと、を含む。
【0016】
本開示の例示的な実施例において、前記所定の条件は、前記調光器の出力電圧の変化速度が第1所定値より大きいことを含む。
【0017】
本開示の例示的な実施例において、前記所定の条件は、前記調光器の出力電圧の電圧値が第2所定値より小さいことを含む。
【0018】
本開示の例示的な実施例において、前記補償電流が定電流であり、前記定電流が前記保持電流により大きい。
【0019】
本開示の第3形態は、調光器保持電流制御システムを提供し、
第1出力端及び第2出力端を有する交流電源と、
一端が前記交流電源の第1出力端に結合され、他端が出力電圧ノードに結合される調光器と、
カソードが前記出力電圧ノードに結合され、アノードが接地されているブリッジ整流ダイオードと、
第1入力端、第2入力端、第1出力端及び第2出力端を有し、前記第1入力端が前記出力電圧ノードに結合される照明制御電源と、
少なくとも1つの光源を含み、前記照明制御電源の前記第1出力端及び前記第2出力端に結合される照明モジュールと、
前記出力電圧ノードとグランドとの間に結合され、前記調光器の出力電圧が所定の条件を満たす場合に前記調光器に補償電流を供給し、前記調光器の出力電圧が前記所定の条件を満たさない場合に前記補償電流の供給を停止するように構成される調光器制御回路と、を含む。
【0020】
本開示の例示的な実施例において、前記所定の条件は、前記調光器の出力電圧の変化速度が第1所定値より大きいことを含む。
【0021】
本開示の例示的な実施例において、前記所定の条件は、前記調光器の出力電圧の電圧値が第2所定値より小さいことを含む。
【0022】
本開示の例示的な実施例において、前記補償電流が定電流であり、前記定電流が前記調光器の保持電流より大きい。
【0023】
本開示の例示的な実施例において、前記照明制御電源は、整流回路及び直流―直流変換回路を含む。
【0024】
本開示の例示的な実施例において、前記調光器は、フロント位相角調光器又はリア位相角調光器である。
【0025】
本開示の実施例は、調光器の出力電圧を検出し、調光器の出力電圧に異常動作が発生した場合に調光器の保持電流に補償電流を供給することで、従来技術において調光器のオン瞬間に光源が点滅しているという課題を解決し、調光器を安定に動作させることができる。
【0026】
なお、以上の記載や以下の記載は、例示や解釈的なものであるが、本開示を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本願の図面は、明細書の一部として明細書に組み込まれており、本開示に適合する実施例を示し、明細書とともに本開示の原理を解釈するために用いられる。以下の記載において、図面は、本開示のいくつかの実施例を示すに過ぎず、当業者は、発明的努力を発揮することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることは明らかである。
【0029】
以下、図面を参照し、例示的な実施の形態をより全面的に説明する。なお、例示的な実施の形態は、様々な形態により実施されることが可能であり、かつ、これらの例に限定すると理解すべきでなく、逆に、これらの実施の形態を提供することで本開示はより全面的且つ完全に理解され、例示的な実施の形態の思想を当業者に十分に伝達することが可能である。記載されている特徴、構成、又は特性は、いかなる適当な方式でも1つ以上の実施の形態に組み入れることができる。以下の記載において、多くの細部を提供することで本開示の実施の形態はより良く理解される。なお、当業者は、本開示の技術案を実施する際に、1つ以上の特定の細部を省略し、又は他の方法、部品、装置、ステップ等を利用することができることを認識すべきである。その他の場合、本開示の各形態に影響を与えて不明りょうにならないように、既知の技術案を詳しく図示及び説明しない。
【0030】
なお、図面は、本開示の例示的なのものであり、図中同じ図面記号が同じ又は類似の部分を示すために用いられることがあるが、これらに対する重複する説明は省略される。図面に示すいくつかのブロック図は、機能的エンティティであり、物理的又は論理的に分離したエンティティに必ずしも対応する必要がない。ソフトウェア形態によりこれらの機能的エンティティを実現し、又は1つ以上のハードウェアモジュールや集積回路においてこれらの機能的エンティティを実現し、又は異なるネットワーク及び/又はプロセッサー装置及び/又はマイクロコントローラ装置においてこれらの機能的エンティティを実現することができる。
【0031】
以下、図面を参照しつつ、本開示の例示的な実施の形態を詳しく説明する。
【0032】
図2を参照し、LED調光システムには、調光電源回路201及び調光制御回路200が含まれる。調光電源回路201は、調光器20を含み、LEDライトに電力を供給し、且つ調光器20に応じてLEDライトの明るさを調節する。調光制御回路200は、調光電源回路201に接続され、調光器20の出力電圧が所定の条件を満たす場合に調光器20に補償電流を供給するように構成される。
【0033】
本開示の1つの実施例において、調光電源回路201は、交流電源VAC、調光器20、ブリッジ整流回路BD及び照明制御電源を含む。ここで、交流電源が第1出力端及び第2出力端を有し、調光器20が交流電源VACの第1出力端に結合され、ブリッジ整流回路BDのカソードが調光器20の電圧出力端に結合され、アノードが接地されている。照明制御電源は、調光器20の電圧出力端に結合され、かつ出力端がLEDライトストリングに結合される。本開示の例示的な実施例において、照明制御電源は、直流―直流変換回路を含むが、これに限定されない。
【0034】
本開示の1つの実施例において、調光制御回路200は、整流モジュール21、入力電圧検出モジュール22、プロセッサー23及び定電流回路24を含み、調光器の出力電圧が所定の条件を満たす場合に調光器20に補償電流を供給し、調光器20の出力電圧が所定の条件を満たさない場合に補償電流の供給を停止する。本開示の例示的な実施例において、所定の条件は、調光器の出力電圧の変化速度が第1所定値より大きいこと、又は電圧値が第2所定値より小さいことを含む。
【0035】
ここで、整流回路21は、調光器20の電圧出力端に結合され、調光器20の出力電圧を整流し整流電圧を出力するように構成される。
【0036】
入力電圧検出回路22は、入力端が整流回路21に結合されており、整流電圧に応じて検出電圧を出力するように構成される。
【0037】
プロセッサー23は、入力端が入力電圧検出回路22の出力端に結合されており、検出電圧が所定の条件を満たす場合に制御信号を出力するように構成される。
【0038】
定電流回路24は、制御端がプロセッサー23の出力端に結合され、出力端が整流回路21に結合されており、制御信号に応答し、所定の電流を整流回路21に出力し又は所定の電流の出力を停止するように構成される。
【0039】
ここで、所定の電流の電流値が調光器の保持電流より大きい。
【0040】
本開示の例示的な実施例において、調光器は、フロント位相角調光器又はリア位相角調光器である。
【0041】
本開示の実施例による調光器制御回路は、調光器の出力電圧に異常変化が発生した場合、調光器に対しその保持電流より大きい補償電流を供給することで、調光器のオフからオンになる過程において発生した振動電流により調光器がオフすることを有効に回避し、調光器のオン過程において光源が点滅していることを防止することができる。
【0042】
図3を参照し、本開示の1つの例示的な実施例において、整流回路21は、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2を含んでもよい。
【0043】
第1ダイオードD1は、アノードが調光器の電圧出力端の第1端に結合され、カソードが第1ノードN1に結合される。
【0044】
第2ダイオードD2は、アノードが調光器の電圧出力端の第2端に結合され、カソードが第1ノードN1に結合される。
【0045】
D1及びD2からなる整流回路は、調光器20の出力電圧V1を整流し、整流電圧VN1を得る。
【0046】
入力電圧検出回路22は、第1抵抗R1及び第2抵抗R2を含んでもよい。
【0047】
第1抵抗R1は、一端が第1ノードN1に結合され、他端が入力電圧検出回路22の出力端OUTに結合される。
【0048】
第2抵抗R2は、一端が入力電圧検出回路の出力端OUTに結合され、他端が接地されている。
【0049】
入力電圧検出回路22は、R1とR2の比例を設定して、整流電圧VN1を一様な比に従って小さくして、プロセッサー23に伝送する可能な検出電圧V2を得る。ここで、
V2=a*VN1 (1)
aが入力電圧検出回路22の検出係数である。
【0050】
いつくかの実施例において、入力電圧検出回路22は、出力端OUTとグランドとの間にフィルタコンデンサC1を配置してもよい。
【0051】
図3に示す入力電圧検出回路が1つの実施例であり、当業者は、本実施例の原理に従って、入力電圧検出回路の素子及び接続構成を自由に配置することができる。
【0052】
定電流回路24は、第1スイッチ素子Q1、第3抵抗R3、第2スイッチ素子Q2、第4抵抗R4及びツェナーダイオードZD1を含んでもよい。
【0053】
第1スイッチ素子Q1は、第1端、第2端及び制御端を有し、第1端が第1ノードN1に結合され、第2端が第2ノードN2に結合され、制御端が第3ノードN3に結合される。
【0054】
第3抵抗R3は、一端が第2ノードN2に結合され、他端が接地されている。
【0055】
第2スイッチ素子Q2は、第1端、第2端及び制御端を有し、第1端が第3ノードN3に結合され、第2端が接地され、制御端がプロセッサー23の出力端CONに結合される。
【0056】
第4抵抗R4は、一端が直流電圧源Vccに結合され、他端が第3ノードN3に結合される。
【0057】
ツェナーダイオードZD1は、カソードが第3ノードN3に結合され、アノードが接地されている。
【0058】
安定した直流電圧源Vccは、R4及びZD1により、Q1のゲートに安定した電圧Vgを生成し、Q1をオンし、R3を通して流れる電流により電圧V_R3が発生する。V_R3が大きくなりVg−Vth(Vthは、Q1のオン閾値電圧である。)より大きい場合には、Q1がオフし、R3の電流が小さくなり、V_R3が減少する。V_R3がVg−Vthより小さい場合には、Q1が再度オンする。最後に、V_R3がVg−Vthに等しい場合には、Q1がオンとオフとの中間状態で動作して、Q1を通して流れる電流が定値となるため、定電流回路24は、調光器の補償電流として、調光器の電流を補償するための定電流Iを供給する。ここで、定電流Iが以下の式を満たす。
I=(Vg−Vth)/R3 (2)
【0059】
定電流回路24のオンとオフは、Q2により制御されることができる。Q2がオンする場合には、Vgが小さくなり、Q1がオフし、定電流回路24は定電流Iを出力しなくなり、Q2がオフする場合には、Vgが大きくなり、Q1がオンし、定電流回路24は定電流Iを出力する。
【0060】
図3に示す実施例において、プロセッサー23は、入力端INが入力電圧検出回路22の出力端OUTに結合され、出力端CONが第2スイッチ素子Q2の制御端に結合され、入力電圧検出回路22の出力電圧V2に応じて第2スイッチ素子Q2のオンオフを制御することで、定電流回路24が当該定電流Iを出力するかどうかを制御するように構成される。
【0061】
本開示の例示的な実施例において、
図4に示すように、プロセッサー23は、検出電圧取得モジュール、条件判断モジュール及び制御信号送信モジュールを含んでもよい。
【0062】
検出電圧取得モジュールは、所定の周期に従って検出電圧を取得するように構成される。
【0063】
条件判断モジュールは、検出電圧が所定の条件を満たすかどうかを判断するように構成される。
【0064】
制御信号送信モジュールは、検出電圧が所定の条件を満たす場合に第1制御信号を送信し、検出電圧が所定の条件を満たさない場合に第2制御信号を送信するように構成され、ここで、第1制御信号と第2制御信号は、制御第2スイッチ素子Q2のオフとオンをそれぞれ制御するために用いられる。
【0065】
ここで、所定の条件は、検出電圧の変化速度が第1所定値より大きいこと、又は電圧値が第2所定値より小さいことを含む。この時、定電流回路は、第1制御信号に応じて定電流Iを出力し、第2制御信号に応じて定電流Iの出力を停止する。
【0066】
プロセッサー23は、例えば、中央処理装置、シングルチップマイクロコンピュータ又はその他プログラマブル制御装置であってもよく、上記のモジュールは、例えば、ロジックモジュールや物理回路モジュールであってもよく、上記の機能を実現すればよく、本開示はこれを特に限定しない。
【0067】
本開示の実施例の調光器は、フロント位相調光器(フロント位相角調光器)又はリア位相調光器(リア位相角調光器)であってもよい。以下、このような二種の調光器から、
図5〜
図9を参照してプロセッサー23の制御を説明する。
【0068】
図5は本開示の実施例がフロント位相調光器(フロント位相角調光器)に応用される原理の図である。
【0069】
図5を参照し、Vacは、入力端の完全な交流電源周波数の電圧源(都市用電力と理解してもよい。)であり、V1は、Vacの、フロント位相調光器を通った電源端の入力電圧、即ち、調光器の出力電圧であり、検出電圧V2は、調光器の出力電圧V1が整流モジュール21により整流され、入力電圧検出モジュール22により一様な比率で低減されて得られる電圧である。
【0070】
フロント位相調光器がオフする場合、V1が0となり、フロント位相調光器がオンする場合、V1がVacとなる。フロント位相調光器は、オン及びオフの時間を調整して調光信号を照明制御電源に伝送し、照明制御電源は、当該調光信号に応じて出力電流の大きさを調整して調光を実現する。
【0071】
フロント位相調光器がオフ状態からオン状態になる時に、電圧の急変により大きい電圧変化速度が発生する。照明制御電源に入力容量があるため、オンする瞬間に1つの高いピーク電流が発生し、このピーク電流に振動があり、振動の最小値がフロント位相調光器のオンに要する保持電流より小さい可能性があるため、フロント位相調光器のオフを引き起こす。本開示の実施例は、この時に、フロント位相調光器のオンを維持するために、保持電流に補償電流を加えてフロント位相調光器のオンを維持する。
【0072】
本開示において、補償電流が定電流回路24により供給され、プロセッサー23は、定電流回路24のオン及びオフを制御して補償電流の出力及び出力の停止を制御する。1つの実施例において、プロセッサー23は、検出電圧V2の変化速度d(V2)/dtが第1所定値Vref1より大きいかどうかを判断して、定電流回路24が所定時間tset内で補償電流を出力するように制御する。
【0073】
第1所定値Vref1の値は、例えば、
図6に示すように、調光器の出力電圧V1の正弦波形において30°角で接線されて取得され、以下の式(3)で示す。
Vref1=V1_pk*tan30°*a (3)
ここで、V1_pkが調光器の出力電圧のピークであり、aが入力電圧検出回路22の検出係数である。
【0074】
また、Vacが小さい場合、フロント位相調光器を通して流れる電流も小さくなり、この電流がフロント位相調光器の保持電流より小さい場合、フロント位相調光器のオフを引き起こす。このため、本開示の他の1つの実施例において、プロセッサー23は、検出電圧V2が第2所定値Vref2より小さいかどうかを判断して定電流回路24の補償電流の出力を制御する。ここで、第2所定値Vref2の値は以下の式を含むが、これに限定されない。
Vref2=Vmin*a (4)
ここで、Vminが最小の入力電圧であり、V1_pkの1/4と1/2との間の電圧値であってもよい。
【0075】
図7に示すように、フロント位相調光器の出力電圧V1について、オフからオンになる瞬間に、例えば、時刻t1に電流I_1に振動が発生し、この時、プロセッサー23は、電圧V2を検出して判断を行い、dV2/dtが第1所定値Vref1より大きいと判断し、これによって、所定の時間tset内においてQ2制御信号を出力してQ2をオンするように制御することで、定電流回路24が補償電流I_2を出力するように制御し、ここで、I_2の値は、フロント位相調光器の保持電流の以上になる必要がある。ノード電流法則に従って、フロント位相調光器を通して流れる電流I_12がI_1とI_2との和であり、そこで、オン瞬間t1にフロント位相調光器を通して流れる電流I_12が必ずフロント位相調光器の保持電流より大きいため、フロント位相調光器をオン状態に維持する。また、
図7に示すように、電圧V2が第2所定値Vref2より小さいと検出した場合、例えば、時刻t2に電流I_1が十分に低くなり、フロント位相調光器のオンを維持することは難しく、この時、Q2をオフするように制御し、定電流回路24が補償電流I_2を出力するように制御し、ここで、I_2の値がフロント位相調光器の保持電流の以上になる必要がある。これによって、フロント位相調光器を通して流れる電流I_12が必ずフロント位相調光器の保持電流より大きいため、フロント位相調光器をオン状態に維持する。上記の実施例によって、各種の状態でもフロント位相調光器をオン状態に維持して、フロント位相調光器のオンとオフ時間を照明制御電源に正確に伝送することで、フロント位相調光器がオンしてからオフし光源が点滅していることを有効に回避する。
【0076】
図8はリア位相調光器(リア位相角調光器)の動作原理の図である。
【0077】
図8を参照し、リア位相調光器は、通常、トランジスタ等のスイッチ素子を利用して位相角のオンとオフを制御する。リア位相調光器は、コントローラーの動作又はスイッチ素子の動作維持のための蓄電コンデンサを有し、スイッチ素子がオンからオフになってから、内部の容量により電圧V1が0に有効に放電されず、位相角オフの検出電圧より高くなり、これにより、接線されて位相角を有効に検出することができず、調光信号の誤作動を引き起こす。
【0078】
図9は調光器制御回路がリア位相調光器に応用される原理の図である。
【0079】
図9を参照し、本開示の1つの実施例において、プロセッサー23は、検出電圧V2が第2所定値Vref2より小さいと判断する場合、Q2がオンからオフになるように制御し、定電流回路24に所定値とする定電流I_2が発生し、リア位相調光器に蓄積される容量の電流を放電し、電圧V1が迅速に0となり、位相角信号の正確な検出を保証する。
【0080】
図10は本開示の実施例における調光器制御方法のフローチャートである。
【0081】
図10を参照し、調光器保持電流制御方法は、ステップS91〜ステップS93を含む。
【0082】
ステップS91において、所定の周期に従って調光器の出力電圧を検出する。
【0083】
ステップS92において、調光器の出力電圧が所定の条件を満たす場合に調光器に保持電流の補償電流を供給する。
【0084】
ステップS93において、調光器の出力電圧が所定の条件を満たさない場合に補償電流の供給を停止する。
【0085】
本開示の例示的な実施例において、所定の条件は、調光器の出力電圧の変化速度が第1所定値より大きいことを含む。
【0086】
本開示の他の例示的な実施例において、所定の条件は、調光器の出力電圧の電圧値が第2所定値より小さいことを含む。
【0087】
本開示の例示的な実施例において、補償電流が定電流であり、定電流が保持電流より大きい。
【0088】
調光器制御方法900は、調光器制御回路200のプロセッサー23に用いられる。
【0089】
図11は調光器制御方法900の1つの実施例である。
【0090】
図11を参照し、本開示の1つの実施例において、調光器制御方法は、例として、ステップS101〜ステップS108を含む。
【0091】
ステップS101において、検出電圧を読み取り、V0とし、
ステップS102において、所定の時間tをあけて検出電圧を再度読み取り、V1とし、
ステップS103において、電圧変化速度K=(V1―V0)/tを算出し、
ステップS104において、Kが第1所定値より大きいかどうかを判断し、第1所定値より大きい場合、ステップS105に進み、そうでない場合、ステップS106に進み、
ステップS105において、Q2を所定の時間tsetオフし、所定の時間において補償電流を調光器に供給し、所定の時間tsetを経過してから、Q2をオンし、ステップS101に戻り、検出電圧を読み取り、ここで、当該補償電流の電流値が調光器の保持電流の以下であり、
ステップS106において、現在の検出電圧V1が第2所定値より小さいかどうかを判断し、第2所定値より小さい場合、ステップS107に進み、Q2をオフし、補償電流を調光器に出力し、次にステップS101に戻り、そうでない場合、ステップS108に進み、Q2をオンし、補償電流の出力を停止し、次にステップS101に戻る。
【0092】
なお、本開示の他の実施例において、ステップS104とステップS106の順番は入れ替えてもよく、ただし、最終的に、Kが第1所定値の以下、かつV1が第2所定値の以上である場合、ともにステップS108に進み、Q2がオンするように制御して、定電流回路24が補償電流の出力を停止するように制御する。
【0093】
また、以上のステップS105、ステップS107又はステップS108からステップS101に戻って検出電圧を継続して読み取る動作は、V1を読み取ってからt時間(プロセス判断時間T<<t)に行われてもよい。この時、読み取った検出電圧V2とV1によって電圧変化速度Kを計算し、V2が第1所定値より大きく且つ第2所定値より小さいかどうかを判断する。当業者は、検出順番及び時間条件を自由に設定してもよく、本開示はこれを限定しない。
【0094】
当業者は、本発明の各形態が、具体的に、完全なハードウェア実施の形態、完全なソフトウェア実施の形態(ファームウェア、マイクロコード等を含む)、又はハードウェアとソフトウェア形態との組み合わせる実施の形態により実現されることを理解すべきであり、ここで、「回路」、「モジュール」又は「システム」と総称される。
【0095】
なお、上記の図面は、本発明の例示的な実施例における方法に含まれる処理の例示的な説明であるが、限定するものではない。上記の図面に示す処理は、これらの処理の時間順番を示さない又は限定しないことを理解すべきである。また、これらの処理は、例えば、複数のモジュールにおいて同期又は非同期に実行されることを理解すべきである。
【0096】
当業者は、明細書を参照してここで開示される発明を実施してから、本開示の他の実施の形態を容易に想到する。本願は、本開示のいかなる変形、用途又は適性変化も包含することを意図し、これらの変形、用途又は適性変化は、本開示の通常原理に従い、本開示に開示されない本技術分野での周知の知識又は慣用技術を含む。明細書と実施例は、例示的なものであり、本開示の範囲と思想は、請求項によって示す。