特許第6764963号(P6764963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6764963コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6764963
(24)【登録日】2020年9月16日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20200928BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20200928BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20200928BHJP
【FI】
   A63F13/69 510
   A63F13/35
   A63F13/79
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-26022(P2019-26022)
(22)【出願日】2019年2月15日
(62)【分割の表示】特願2018-142966(P2018-142966)の分割
【原出願日】2018年7月30日
(65)【公開番号】特開2020-18831(P2020-18831A)
(43)【公開日】2020年2月6日
【審査請求日】2019年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
【審査官】 奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】 『陰陽師』中国版でSSRの連続スルー状況が分かるようになった!不運達成を目指す人にはありがたい!?,陰陽師攻略BOX,2017年 8月18日,[online], 2018年11月21日検索,URL,http://陰陽師.appbako.com/archives/16009
【文献】 【マギレコ】ガチャ天井の詳細まとめ|天井機能のルールや注意点など,マギレコ攻略Wiki,2018年 1月22日,[online], 2018年11月16日検索,URL,https://appmedia.jp/magireco/1504200
【文献】 【ンゴロポポス】リプレイ連続・ベル連続時の抽選,LackLuckLife,2014年 8月14日,[online], 2018年11月21日検索,URL,http://l-l-life.com/36977440/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置を、
ユーザによって通常抽選が要求されたことを契機として前記通常抽選を実行して、複数の属性が設定された複数種類のゲーム媒体が記憶された通常抽選リストから前記ゲーム媒体を選択し、選択された前記ゲーム媒体を前記ユーザの識別情報と関連づける通常抽選実行手段、および
前記通常抽選によって同一属性の前記ゲーム媒体が第1の所定回数以上連続して選択された場合に、複数種類の前記ゲーム媒体が記憶された特別抽選リストから前記ゲーム媒体を選択する特別抽選を実行する権利を前記ユーザの識別情報と関連づける特別抽選実行手段、
として機能させ、
前記特別抽選実行手段は、前記権利が実行された場合に、前記特別抽選を実行して前記特別抽選リストから前記第1の所定回数以上連続して選択された前記ゲーム媒体の前記属性と同じ前記属性を備える前記ゲーム媒体を選択し、選択された前記ゲーム媒体を前記ユーザの識別情報と関連づける、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記特別抽選実行手段は、前記ユーザの操作に基づいて前記権利が実行された場合に、前記特別抽選を実行する、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、を備える、
コンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによる抽選要求(ガチャ要求)を受けつけたことを契機として、いわゆるガチャと呼ばれる抽選が実行されるゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ガチャによって選択されたゲーム媒体に関する情報は、ユーザの識別情報と関連づけられる。そして、ユーザの識別情報と関連づけられたゲーム媒体に関する情報は、ユーザのゲーム装置へ送信される。これにより、ゲーム媒体がユーザに付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018−000493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のガチャでは、前述のとおり、付与されるゲーム媒体が抽選で選択される。そのため、例えば希少度(レアリティ)が低く、ユーザが求めていないゲーム媒体が連続して選択されることもある。このような場合、ユーザがガチャに対して興味を失ってしまうおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、興趣のあるガチャを実行することのできるコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、
コンピュータ装置を、
ユーザによって通常抽選が要求されたことを契機として前記通常抽選を実行して、複数種類のゲーム媒体が記憶された通常抽選リストから前記ゲーム媒体を選択し、選択された前記ゲーム媒体を前記ユーザの識別情報と関連づける通常抽選実行手段、および
前記通常抽選によって同一種類の前記ゲーム媒体が第1の所定回数以上連続して選択された場合に、複数種類の前記ゲーム媒体が記憶された特別抽選リストから前記ゲーム媒体を選択する特別抽選を実行する権利を前記ユーザの識別情報と関連づける特別抽選実行手段、
として機能させ、
前記特別抽選実行手段は、前記権利が実行された場合に、前記特別抽選を実行して前記特別抽選リストから前記ゲーム媒体を選択し、選択された前記ゲーム媒体を前記ユーザの識別情報と関連づける、
コンピュータプログラムである。
【0008】
また、第1の発明において、
前記特別抽選実行手段は、前記前記ユーザの操作に基づいて前記権利が実行された場合に、前記特別抽選を実行してもよい。
【0009】
また、第1の発明において、
前記特別抽選実行手段は、前記通常抽選によって同一種類の前記ゲーム媒体が前記第1の所定回数以上連続して選択された場合に、前記権利を前記ユーザの識別情報と関連づけるか否かの抽選である追加抽選を実行し、かつ、前記追加抽選に当選した場合には、前記権利を前記ユーザの識別情報と関連づけてもよい。
【0010】
また、第1の発明において、
前記特別抽選実行手段は、前記通常抽選によって前記同一種類の前記ゲーム媒体が連続して選択された回数が多くなるにつれ、前記追加抽選に当選する確率を高くしてもよい。
【0011】
また、第1の発明において、
前記特別抽選実行手段は、前記通常抽選によって前記同一種類の前記ゲーム媒体が連続して選択された回数が前記第1の所定回数よりも多い第2の所定回数以上となった場合には、前記権利を前記ユーザの識別情報と必ず関連づけてもよい。
【0012】
第2の発明は、第1の発明のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、を備える、
サーバ装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、興趣のあるガチャを実行することのできるコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態におけるゲームシステムの構成を示す図である。
図2】本実施形態におけるゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図3】本実施形態におけるゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図4】本実施形態におけるガチャ処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
本発明の実施形態にかかるゲームシステム1について、図1図4を参照して説明する。ゲームシステム1は、図1に示すとおり、サーバ装置2とゲーム装置3とを備える。
【0016】
<ゲームの説明>
サーバ装置2により、ゲーム装置3で実行される下記のゲームが提供される。具体的には、ゲーム装置3では、ユーザがタッチパッド350を介して仮想ゲーム空間上のプレイヤキャラクタを操作して進行する複数のステージ(以下、「クエスト」という。)を備える所定のゲームが実行される。
【0017】
本実施形態において、ゲーム装置3にて実行されるゲームには、ユーザが操作するプレイヤキャラクタが敵キャラクタであるモンスターを討伐するクエストパートがある。例えば、ゲーム中の1つのクエストでは、制限時間内にプレイヤキャラクタがモンスターを討伐すればそのクエストのクリア条件が満たされる。このクエストは、ユーザがタッチパッド350を操作することで進行する。
【0018】
また、このゲームには、前記クエストパートのほか、通常媒体抽選(通常ガチャ)パート、および、特別媒体抽選(特別ガチャ)パートで構成されるガチャパートがある。なお、以下では、「通常ガチャ」および「特別ガチャ」をまとめて「ガチャ」という場合がある。
【0019】
このガチャパートでは、複数種類のゲーム媒体のうちからいずれかのゲーム媒体が選択される。具体的には、ガチャパートでは、ユーザがゲームを有利に進めることができるよう、より強力な装備、あるいは、より能力値の高いキャラクタなどのゲーム媒体に関する情報とユーザの識別情報とを関連づけるためのガチャが実行される。
【0020】
また、本実施形態においてガチャで選択されるゲーム媒体はキャラクタである。また、ユーザに付与されるキャラクタには、それぞれパラメータとして希少度(レアリティ)が設けられている。本実施形態では、キャラクタに設定されるレアリティとして、ノーマル、レア、激レア、超激レアの4種類が設けられている。各キャラクタには、いずれか1つのレアリティが設定されている。
【0021】
通常ガチャは、ユーザにより通常抽選要求(通常ガチャ要求)がなされたことを契機として、複数種類のキャラクタが記憶された通常抽選リスト(通常ガチャリスト)に基づいて実行される。
【0022】
特別ガチャは、ユーザにより特別抽選要求(特別ガチャ要求)がなされたことを契機として、複数種類のキャラクタが記憶された特別抽選リスト(特別ガチャリスト)に基づいて実行される。
【0023】
なお、本実施形態において、特別ガチャリストに含まれる激レアおよび超激レアのキャラクタの当選確率は、通常ガチャリストに含まれる激レアおよび超激レアのキャラクタの当選確率よりも高い。したがって、特別ガチャは通常ガチャよりもユーザにとって有利なガチャである。
【0024】
以下では、ガチャによって選択されたキャラクタに関する情報とユーザの識別情報とを関連づけ、ユーザの識別情報が関連づけられたキャラクタに関する情報を当該ユーザのゲーム装置3に送信することを、「キャラクタをユーザに付与する」という場合がある。
【0025】
<ハードウェア構成>
図1を参照して、サーバ装置2のハードウェア構成および機能的構成、ならびに前記ゲームが実行されるゲーム装置3のハードウェア構成および機能的構成について説明する。
【0026】
なお、ゲーム装置3には、そのゲーム装置3に対応づけてユーザアカウントが付与される。このユーザアカウントはユーザアカウント情報(ユーザの識別情報)として管理される。
【0027】
ゲーム装置3が通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信を行う場合には、そのゲーム装置3からユーザの識別情報が送信される。送信されたユーザの識別情報は、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、サーバ装置2とゲーム装置3との通信が可能となる。
【0028】
また、ユーザには、ゲームをプレイするにあたってゲームアカウントが付与される。ゲームアカウントは、ゲームアカウント情報として管理される。
【0029】
<サーバ装置2のハードウェア構成>
サーバ装置2は、図1のとおり、制御部20、記憶部21、およびネットワークインターフェース22を備える。
【0030】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス200を介してサーバ装置2の制御部20に接続される。
【0031】
制御部20は、サーバ装置2の動作を制御する。
【0032】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成される。
【0033】
記憶部21には、例えば、ゲーム装置3にてプレイされるゲームを実行するためのゲームプログラムを配信するための配信プログラムおよびデータが記憶される。
【0034】
ネットワークインターフェース22は、サーバ装置2とゲーム装置3との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。
【0035】
<サーバ装置2の制御部20の機能的構成>
サーバ装置2の制御部20は、図1のとおり、本発明のコンピュータプログラムを実行することにより、照合手段201、通常抽選実行手段202、特別抽選実行手段203、および通信手段204として機能する。
【0036】
<照合手段201の説明>
照合手段201は、ゲーム装置3から送信されるユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0037】
<通常抽選実行手段202の説明>
通常抽選実行手段202は、通信手段204を介してゲーム装置3から後述の通常ガチャ要求情報を受信したことを契機として通常ガチャを実行する。
【0038】
具体的には、通常抽選実行手段202は、通常ガチャリストからキャラクタを選択し、選択されたキャラクタに関する情報を生成する。このキャラクタに関する情報は、ユーザの識別情報と関連づけられる。
【0039】
なお、ユーザが通常ガチャを要求した場合(図2における「ガチャる!」がタッチされた場合)には、通常抽選実行手段202は、ユーザによる1回のガチャ要求で1体のキャラクタを選択する。
【0040】
また、通常抽選実行手段202は、ユーザの識別情報に関連づけられたキャラクタに関する情報を記憶部21に記憶するとともに、通信手段203を介してゲーム装置3へ送信する。
【0041】
<特別抽選実行手段203の説明>
特別抽選実行手段203は、記憶部21を参照して、通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが連続して選択された場合の回数を計数する。
【0042】
そして、特別抽選実行手段203は、通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが第1の所定回数以上連続して選択された場合に追加抽選を実行する。なお、以下では、通常ガチャによってレアリティがノーマルのキャラクタが連続して選択された場合の例が記載されているが、それだけではなく、例えばレアリティがレア、激レア、超激レアのキャラクタが第1の所定回数以上連続して選択された場合にも本発明が適用される。
【0043】
ここで、追加抽選とは、複数種類のキャラクタが記憶された特別ガチャリストからキャラクタを選択する特別ガチャを実行する権利をユーザの識別情報と関連づける(ユーザに付与する)か否かの抽選である。
【0044】
例えば、特別抽選実行手段203は、通常ガチャによってノーマルのキャラクタが3回以上連続して選択された場合に追加抽選を実行する。
【0045】
また、特別抽選実行手段203は、追加抽選に当選した場合には、特別ガチャを実行する権利をユーザの識別情報に関連づける。本実施形態では、この権利は、ユーザが特別ガチャを要求するまで保留され、消滅しない(ユーザの識別情報との関連が解除されない)。
【0046】
また、特別抽選実行手段203は、通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが連続して選択された回数が多くなるにつれ、追加抽選に当選する確率を高くする。
【0047】
さらに、特別抽選実行手段は、通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが連続して選択された回数が第1の所定回数よりも多い第2の所定回数以上となった場合には、特別ガチャを実行する権利をユーザの識別情報に必ず関連づける。
【0048】
例えば、通常ガチャによってノーマルのキャラクタが、3回連続して選択された場合には追加抽選に当選する確率は33%であり、4回連続して選択された場合には追加抽選に当選する確率は50%であり、5回連続して選択された場合には追加抽選に100%当選する。
【0049】
すなわち、本実施形態において、例えば、通常ガチャによってノーマルのキャラクタが5回連続して選択された場合には、ユーザは特別ガチャを実行する権利を必ず得る。
【0050】
一方、例えば、通常ガチャによってノーマルのキャラクタが2回連続して選択された場合であって、つぎの通常ガチャによってノーマル以外(例えば、レア)のキャラクタが選択された場合には、ノーマルのキャラクタが連続して選択された回数はリセットされる。この場合であっても、そのあとの通常ガチャによってレアのキャラクタが2回連続して選択された場合(すなわち、通常ガチャによってレアのキャラクタが3回連続して選択された場合)には、特別抽選実行手段203は追加抽選を実行する。
【0051】
また、特別抽選実行手段203は、ユーザの操作に基づいて前記権利が実行された(後述の特別ガチャ要求情報を受信した)場合に、特別ガチャを実行する。具体的には、特別抽選実行手段203は、図3のとおり追加抽選に当選した場合にのみ液晶画面340に表示される「特別ガチャを実行!」をユーザがタッチした場合に、特別ガチャリストからキャラクタを選択する。
【0052】
また、特別抽選実行手段203は、特別ガチャによって選択されたキャラクタに関する情報をユーザの識別情報と関連づけることにより、ユーザに当該キャラクタを付与する。
【0053】
なお、特別抽選実行手段203は、例えば通常ガチャによってノーマルのキャラクタが6回以上連続して選択された場合にも、ユーザは特別ガチャを実行する権利を必ず得る。
【0054】
さらに特別抽選実行手段203は、例えば通常ガチャによってノーマルのキャラクタが6回連続して選択された場合には、特別ガチャを実行して複数の超激レアのキャラクタのうちから選択された1体の超激レアのキャラクタを必ずユーザに付与する。
【0055】
また、特別抽選実行手段203は、例えば通常ガチャによってノーマルのキャラクタが7回以上連続して選択された場合には、特別ガチャにおいて超激レアのキャラクタをユーザに付与する数を増加させるか否かの抽選を行う。
【0056】
例えば、特別抽選実行手段203は、通常ガチャによってノーマルのキャラクタが7回連続して選択された場合には特別ガチャによって2体の超激レアのキャラクタをユーザに付与するかの抽選を行う。例えばこの場合には、30%の確率で2体の超激レアのキャラクタがユーザに付与される。この場合においても、1体の超激レアのキャラクタは必ずユーザに付与される。
【0057】
また、特別抽選実行手段203は、例えば通常ガチャによってノーマルのキャラクタが8回連続して選択された場合には特別ガチャによって最大3体の超激レアのキャラクタを付与するかの抽選を行う。例えばこの場合には、50%の確率で2体の超激レアのキャラクタがユーザに付与され、30%の確率で3体の超激レアのキャラクタが付与される。
【0058】
<通信手段204の説明>
通信手段204は、ゲーム装置3との間で、ユーザの識別情報、ゲームプログラム、ゲームアカウント情報、および課金アイテムなどのゲームデータなどを送受信する。
【0059】
また、通信手段204は、通常ガチャ要求情報および特別ガチャ要求情報をゲーム装置3から受信する。通信手段204が受信した通常ガチャ要求情報は通常抽選実行手段202へ送信され、特別ガチャ要求情報は特別抽選実行手段203へ送信される。
【0060】
また、通信手段204は、通常抽選実行手段202および特別抽選実行手段203がそれぞれ生成したキャラクタに関する情報をゲーム装置3へ送信する。
【0061】
<ゲーム装置3のハードウェア構成>
ゲーム装置3は、図1のとおり、スピーカ330、液晶画面340、およびタッチパッド350が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このゲーム装置3において、サーバ装置2から配信されたゲームに関するゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。
【0062】
また、ゲーム装置3は、サーバ装置2との間で、インターネットあるいはLANなどの通信ネットワーク4を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0063】
ゲーム装置3は、制御部30、記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35を備える。
【0064】
記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35は、バス300を介して、制御部30に接続される。
【0065】
制御部30は、ゲーム装置3の動作を制御する。
【0066】
記憶部31は、主にHDD、RAMおよびROMで構成される。記憶部31には、例えば、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0067】
ネットワークインターフェース32は、ゲーム装置3とサーバ装置2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。これにより、ゲーム装置3にゲームプログラムおよびゲームデータがダウンロードされる。
【0068】
オーディオ処理部33は、制御部30の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部33には、スピーカ330が接続される。ゲーム音声は、スピーカ330から出力される。
【0069】
グラフィック処理部34は、制御部30の指示に従って仮想ゲーム空間およびプレイヤキャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部34にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として液晶画面340に表示される。
【0070】
操作部35には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部35には、入力位置検出装置であるタッチパッド350を介してユーザからの操作信号が入力される。ユーザはタッチパッド350をタッチすることによって、キャラクタの選択、クエストの選択、あるいは、プレイヤキャラクタの操作等を行う。
【0071】
<ゲーム装置3の制御部30の機能的構成>
ゲーム装置3の制御部30は、図1のとおり、サーバ装置2からダウンロードされたゲームプログラムを実行することで、ゲーム実行手段301、通常抽選要求手段302、特別抽選要求手段303、および通信手段304として機能する。
【0072】
<ゲーム実行手段301の説明>
ゲーム実行手段301は、ユーザによるタッチパッド350の操作に基づいて、クエストパートおよびガチャパートを備えるゲームをゲーム装置3に実行させる。
【0073】
具体的には、ゲーム実行手段301は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部31から読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。
【0074】
また、ゲーム実行手段301は、仮想ゲーム空間にプレイヤキャラクタを配置する。そして、ゲーム実行手段301は、ユーザによるタッチパッド350の操作、および、ゲームの進行状況に応じて、仮想ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0075】
また、ゲーム実行手段301は、仮想ゲーム空間、プレイヤキャラクタ、および仮想操作ボタンをゲーム画面として液晶画面340に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部34が液晶画面340上にゲーム画像を描画する。
【0076】
例えば、液晶画面340には、図2図3のとおり、画面上部から「ユーザランク」、「宝石数」などが表示される。なお、この宝石は、ユーザが購入することにより、または、ログインボーナスなどにより、ユーザに付与される。
【0077】
<通常抽選要求手段302の説明>
通常抽選要求手段302は、ユーザの操作に基づいて宝石を消費して通常ガチャ要求を行う。通常ガチャ要求が行われると、通常抽選要求手段302は通常ガチャ要求情報を生成する。この通常ガチャ要求情報は通信手段304を介してサーバ装置2へ送信される。
【0078】
具体的には、10個の宝石が消費されて「ガチャる!」が選択された場合には、通常ガチャ要求情報が生成される。この通常ガチャ要求情報をサーバ装置2が受信することにより、サーバ装置2にて通常ガチャが実行される。
【0079】
<特別抽選要求手段303の説明>
特別抽選要求手段303は、ユーザの操作に基づいて、宝石を消費することなく特別ガチャ要求を行う。
【0080】
特別ガチャ要求が行われると、特別抽選要求手段303は特別ガチャ要求情報を生成する。この特別ガチャ要求情報は、通信手段304を介してサーバ装置2へ送信される。この特別ガチャ要求情報をサーバ装置2が受信することにより、サーバ装置2にて特別ガチャが実行される。
【0081】
<通信手段304の説明>
通信手段304は、例えば、サーバ装置2からゲームに関するゲームプログラムなどの情報を受信する。
【0082】
また、通信手段304は、例えば、ユーザの操作に基づいて、ユーザの識別情報、ゲームアカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、通常ガチャ要求情報、および特別ガチャ要求情報などの情報をサーバ装置3へ送信する。
【0083】
<ガチャ処理の説明>
以下、図4を参照して、本発明のガチャ処理について説明する。なお、後述の制御手段および処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0084】
まず、ゲーム装置3の通常抽選要求手段302が、ユーザの操作に基づいて、通常ガチャ要求を行う(ステップS1)。
【0085】
ゲーム装置3から送信された通常ガチャ要求情報を受信したサーバ装置2の通常抽選実行手段202は、通常ガチャを実行する(ステップS2)。これにより、通常抽選実行手段202は、通常ガチャによって選択されたキャラクタに関する情報を生成する。
【0086】
ついで、通常抽選実行手段202が、通常ガチャによって選択されたキャラクタに関する情報とユーザの識別情報とを関連づける。そして、ユーザの識別情報に関連づけられたキャラクタの情報は、ゲーム装置3へ送信される。これにより、キャラクタがユーザに付与される(ステップS3)。
【0087】
特別抽選実行手段203が、通常ガチャによってノーマルのキャラクタが3回以上連続して選択されたか否かを判定する(ステップS4)。
【0088】
通常ガチャによってノーマルのキャラクタが3回以上連続して選択されていないと判定された場合(S4:NO)には、本発明のガチャ処理は終了する。
【0089】
一方、通常ガチャによってノーマルのキャラクタが3回以上連続して選択されたと判定された場合(S4:YES)には、特別抽選実行手段203が、通常ガチャによってノーマルのキャラクタが5回以上連続して選択されたか否かを判定する(ステップS5)。
【0090】
通常ガチャによってノーマルのキャラクタが5回以上連続して選択されたと判定された場合(S5:YES)には、特別抽選実行手段203が、特別ガチャを実行する権利をユーザの識別情報と関連づける(ステップS6)。これにより、特別ガチャを実行する権利がユーザに付与される。
【0091】
ついで、特別抽選実行手段203は、ユーザの識別情報と関連づけられた前記権利に関する情報を通信手段204を介してゲーム装置3へ送信する。通信手段304を介してこの情報を受信したゲーム実行手段101は、液晶画面340に「特別ガチャを実行!」の仮想ボタンを表示させる(ステップS7)。
【0092】
ついで、特別抽選要求手段303が、ユーザの操作に基づいて、特別ガチャが要求されたか否かを判定する(ステップS8)。
【0093】
特別ガチャが要求されたと判定された場合(S8:YES)には、特別抽選実行手段203が、通常ガチャによってノーマルのキャラクタが連続して選択された回数に応じた特別ガチャを実行する。そして、特別抽選実行手段203が、特別ガチャによって選択されたキャラクタをユーザの識別情報と関連づける。これにより、特別ガチャによって選択されたキャラクタがユーザに付与される(ステップS9)。
【0094】
ステップS8へ戻って、特別ガチャが要求されていないと判定された場合(S8:NO)には、特別抽選実行手段203は、特別ガチャを実行する権利を保留し、引き続きユーザの識別情報と関連づけたままとする(ステップS12)。なお、特別ガチャを実行する権利は、ユーザが特別ガチャを要求するまで保留される。その後、本発明のガチャ処理は終了する。
【0095】
ステップS5へ戻って、通常ガチャによってノーマルのキャラクタが5回以上連続して選択されていないと判定された場合(S5:NO)には、特別抽選実行手段203が、追加抽選を実行する(ステップS10)。
【0096】
ついで、特別抽選実行手段203が、追加抽選に当選したか否かを判定する(ステップS11)。
【0097】
追加抽選に当選したと判定された場合(S11:YES)には、特別抽選実行手段203は特別ガチャを実行する権利をユーザに付与する(ステップS6)。
【0098】
一方、追加抽選に当選しなかったと判定された場合(S11:NO)には、本発明のガチャ処理は終了する。
以上の手順により、本発明のガチャ処理が実行される。
【0099】
以上をまとめると、本実施形態のコンピュータプログラムは、
サーバ装置2を、
ユーザによって通常ガチャが要求されたことを契機として通常ガチャを実行して、複数種類のキャラクタが記憶された通常ガチャリストからキャラクタを選択し、選択されたキャラクタをユーザの識別情報と関連づける通常抽選実行手段202、および
通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが第1の所定回数(例えば、3回)以上連続して選択された場合に、複数種類のキャラクタが記憶された特別ガチャリストからキャラクタを選択する特別ガチャを実行する権利をユーザの識別情報と関連づける特別抽選実行手段203、
として機能させ、
特別抽選実行手段203は、ユーザの操作に基づいて前記権利が実行された場合に、特別ガチャを実行して特別抽選リストからキャラクタを選択し、選択されたキャラクタをユーザの識別情報と関連づける。
【0100】
<発明の効果>
本実施形態のコンピュータプログラムによれば、興趣のあるガチャを実行することができる。
【0101】
[他の実施形態]
前記実施形態では、ユーザの操作に基づいて特別ガチャが実行される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、追加抽選に当選した場合には特別抽選実行手段が特別ガチャを自動的に実行し、通常ガチャによって選択されたキャラクタに加えて、特別ガチャによって選択されたキャラクタがユーザに付与されてもよい。
【0102】
また、前記実施形態においては、通常ガチャによってノーマルのキャラクタが3回以上連続して選択された場合に追加抽選が実行される例が記載されているが、キャラクタのレアリティによって第1の所定回数を変更することもできる。例えば、通常ガチャによって激レアのキャラクタが2回以上連続して選択された場合に追加抽選が実行されてもよい。
【0103】
また、前記とは異なり、通常ガチャによって激レアキャラクタが3回以上連続して選択された場合には、例えば、追加抽選に当選する確率が高くなってもよく、特別ガチャによって超激レアのキャラクタが選択される確率が高くなってもよく、また、キャラクタの選択個数が増えてもよい。
【0104】
さらに、激レアのキャラクタが通常ガチャにて2回連続して選択された場合に、特別ガチャを実行する権利がユーザに必ず付与されてもよい。
【0105】
また、特別ガチャを実行する権利の保留数が増えれば増えるほど、特別ガチャによってレアリティの高いキャラクタが当選する確率が高くなってもよい。
【0106】
前記実施形態においては、キャラクタの種類はレアリティである例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、キャラクタの種類は、火属性などの属性、能力値、職業などであってもよい。
【0107】
この場合において、例えば通常ガチャによって水属性のキャラクタが3回連続して選択され、かつ、追加抽選に当選した場合には、特別ガチャでは必ず水属性のキャラクタがユーザに付与されてもよい。
【0108】
また、同一レアリティのキャラクタが第1の所定回数連続して選択された場合ではなく、同一キャラクタが所定回数連続して選択された場合にも本発明を適用することができる。この場合には、例えば、同一レアリティではあるが異なるキャラクタが3回以上連続して選択された場合だけでなく、同一キャラクタが2回以上連続して選択された場合にも本発明が適用されてもよい。
【0109】
また、前記実施形態では、通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが第1の所定回数連続して選択された場合に特別抽選実行手段が追加抽選を実行し、追加抽選に当選した場合に特別ガチャを実行する権利がユーザに付与される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。
【0110】
例えば、通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが第1の所定回数連続して選択された直後に、特別抽選実行手段が追加抽選を実行することなく特別ガチャを自動的に実行してもよい。
【0111】
さらに、それとは異なり、通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが第1の所定回数連続して選択された場合であって追加抽選に当選した場合に、ユーザの操作を要することなく、特別抽選実行手段が特別ガチャを自動的に実行してもよい。この場合には、ユーザのもとに特別ガチャを実行する権利が保留されることなく、特別ガチャが実行される。
【0112】
また、前記実施形態とは異なり、特別ガチャが実行された場合に、通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが選択された回数がリセットされてもよい。前記実施形態では、通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが3回、4回、5回と連続して選択された場合には、5回目から必ず特別ガチャを実行する権利がユーザに付与されるのに対し、この例では、特別ガチャの実行により連続選択回数がリセットされる。
【0113】
そのため、この場合には前記実施形態とは異なり、例えば同一レアリティのキャラクタが3回連続して選択されて特別ガチャが実行された場合には、通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが通算して5回連続して選択されても特別ガチャが必ず実行されるわけではなくなる。したがって、特別ガチャが実行されることにより連続選択回数がリセットされる場合には、特別ガチャの実行タイミングによってユーザが得られる恩恵が小さくなってしまうおそれがある。
【0114】
なお、特別ガチャの実行によって連続選択回数がリセットされる場合であっても、通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが3回連続して選択された場合および4回連続して選択された場合であって、いずれも追加抽選に当選しなかった場合には、通常ガチャによって同一レアリティのキャラクタが5回連続して選択されることにより必ず特別ガチャを実行する権利がユーザに付与される。しかしながら、この場合には連続選択回数はリセットされなくてもよい。
【0115】
また、前記実施形態とは異なり、特別ガチャを実行する権利はユーザの識別情報と関連づけられず、特別ガチャが実行されたのち、特別ガチャによって選択されたキャラクタの情報がユーザの識別情報と関連づけられてもよい。
【0116】
前記実施形態では、ゲーム媒体はキャラクタであったが、ゲーム媒体は武器あるいは装備などのアイテム、またはガチャを実行するときなどに消費される宝石などであってもよい。
【0117】
また、前記実施形態では、コンピュータ装置がサーバ装置である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、一のユーザのゲーム装置がサーバ装置として機能してもよい。この場合には、BLUETOOTH(登録商標)で一方のゲーム装置と他方のゲーム装置とが接続されていてもよい。また、ゲーム装置単体でガチャが実行されてもよい。
【0118】
また、前記実施形態においては、ゲーム装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本発明は、これには限られない。ゲーム装置は、例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続される据え置き型のゲーム装置、あるいは、パーソナルコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0119】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
201 照合手段
202 通常抽選実行手段
203 特別抽選実行手段
204 通信手段
3 ゲーム装置
301 ゲーム実行手段
302 通常抽選要求手段
303 特別抽選要求手段
304 通信手段
4 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4