(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6765006
(24)【登録日】2020年9月16日
(45)【発行日】2020年10月7日
(54)【発明の名称】電気プラグ型コネクタの装置、ならびにコンタクトハウジング、外側ハウジング、および固定要素を有するプラグ型コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/516 20060101AFI20200928BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20200928BHJP
【FI】
H01R13/516
H01R13/52 301H
H01R13/52 301G
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-513911(P2019-513911)
(86)(22)【出願日】2017年9月13日
(65)【公表番号】特表2019-526917(P2019-526917A)
(43)【公表日】2019年9月19日
(86)【国際出願番号】EP2017072961
(87)【国際公開番号】WO2018050664
(87)【国際公開日】20180322
【審査請求日】2019年3月12日
(31)【優先権主張番号】102016217456.8
(32)【優先日】2016年9月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】フォーレル,リヒャルト
(72)【発明者】
【氏名】レオナルト,アンドレアス
【審査官】
高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0264081(US,A1)
【文献】
特開2002−203632(JP,A)
【文献】
特開2001−237019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40−13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタ(6)に挿入方向(4)に組み付け可能な電気プラグ型コネクタ(2)の装置(1)であって、外側ハウジング(8)と、前記外側ハウジングに固定可能な別個のコンタクトハウジング(10)であって、少なくとも1つの電気コンタクト(13)を受けるための少なくとも1つのコンタクトレセプタクル(12)を有するコンタクトハウジング(10)とを有し、
前記装置(1)は、前記外側ハウジング(8)と前記コンタクトハウジング(10)との分離を防ぐ固定要素(14)を有し、
前記外側ハウジング(8)と前記コンタクトハウジング(10)とを通って延びる経路としての少なくとも1つのシャフト(18)に対して、前記固定要素(14)が、前記挿入方向(4)に対して横断方向に延びる押込み方向(16)で挿入され、
前記コンタクトハウジング(10)および前記外側ハウジング(8)のうちの少なくとも一方に、前記挿入方向(4)に延びる少なくとも1つの固定タブ(46)が設けられ、前記固定タブ(46)を、前記挿入方向(4)に延びる経路であって、かつ前記コンタクトハウジング(10)および前記外側ハウジング(8)の他方に構成されている固定シャフト(52)に導入することができ、
前記固定タブ(46)は、前記少なくとも1つのシャフト(18)の少なくとも一部を形成する、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記固定要素(14)はコンタクト固定部材であることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
少なくとも2つの前記固定タブ(46)が押込み方向(16)に並べて配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記固定タブ(46)は、前記コンタクトハウジング(10)が前記外側ハウジング(8)に挿入されたときに前記シャフトの一部となる少なくとも1つの凹部(48)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記装置(1)は、前記コンタクトハウジング(10)が前記外側ハウジング(8)に挿入されている状態で、前記外側ハウジング(8)と前記コンタクトハウジング(10)との間に位置するシール(30)を有し、
前記固定タブ(46)は、前記シール(30)の他側まで前記挿入方向(4)に延びることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記固定タブ(46)は、前記コンタクトハウジング(10)が前記外側ハウジング(8)に挿入されたときに前記シャフトの一部となる少なくとも1つの凹部(48)を有し、
前記少なくとも1つの凹部(48)は、前記シール(30)から前記挿入方向(4)に離間していることを特徴とする、請求項5に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの凹部(48)は、前記相手側コネクタ(6)に面した前記シール(30)の側に位置することを特徴とする、請求項6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの固定シャフト(52)は、前記コンタクトハウジング(10)および/または前記外側ハウジング(8)の外壁(53)に位置することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンタクトレセプタクル(12)は、少なくとも2つの前記固定タブ(46)の間に位置することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記押込み方向(16)に互いに離間している前記固定要素(14)の2つのキャッチ位置(21、22)が設けられ、前記固定要素(14)と前記外側ハウジング(8)および/または前記コンタクトハウジング(10)とは前記2つのキャッチ位置(21、22)で係合され、
前記少なくとも1つのコンタクトレセプタクル(12)は、前記2つのキャッチ位置(21、22)のうちの一方において、前記固定要素(14)により少なくとも部分的に塞がれていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
両方の前記キャッチ位置(21、22)において、前記外側ハウジング(8)と前記コンタクトハウジング(10)とは、前記固定要素(14)によりポジティブロッキングで前記挿入方向(4)に互いに接続されていることを特徴とする、請求項10に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記シャフト(18)は前記少なくとも1つのコンタクトレセプタクル(12)を横切ることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記固定要素(14)は少なくとも2つの平行な脚部(32)を有し、
前記固定タブ(46)は、前記脚部(32)の少なくとも一部を受けることのできる少なくとも2つの凹部(48)を有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の装置(1)を有するプラグ型コネクタ(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手側コネクタに挿入方向に組み付け可能な電気プラグ型コネクタの装置、およびそのようなプラグ型コネクタであって、外側ハウジングと、外側ハウジングに固定可能な別個のコンタクトハウジングであって、少なくとも1つの電気コンタクトを受けるための少なくとも1つのコンタクトレセプタクルを有するコンタクトハウジングとを有する装置またはプラグ型コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような装置およびプラグ型コネクタが公知である。外側ハウジングと、外側ハウジングとは別個のコンタクトハウジングとを使用することにより、1つの同じ外側ハウジングにおいて、異なるプラグ型接続部に対して異なるコネクタ面を取り替えて適合させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、構造長さが3cm未満でライン断面がわずか0.1mm
2である特に小さいまたは小型のプラグ型コネクタの場合、そのような装置の問題は、外側ハウジングとコンタクトハウジングとの接続が、通常、構造サイズが小さいことによる不十分な引張強度しか有していないことである。したがって、コネクタと相手側コネクタとの接続を解放しようとする際に、コンタクトハウジングが相手側コネクタに残って外側ハウジングから離れることになり得る。
【0004】
本発明の目的はこの問題を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この問題に対する解決策として、外側ハウジングとコンタクトハウジングとのポジティブロッキング接続のための固定要素を有する装置であって、この固定要素を、挿入方向に対して横断方向に延びる押込み方向で少なくとも1つのシャフトに挿入することができ、シャフトは、外側ハウジングに完全に挿入されているコンタクトハウジングと外側ハウジングとを通って延びる装置が提供される。
【0006】
この解決策では、シャフトに挿入される固定要素により、コンタクトハウジングと外側ハウジングとが互いに接続される。これにより、外側ハウジングとコンタクトハウジングとの接続の引張強度が高まるため、これら2つの部材は、プラグ型コネクタと相手側コネクタとの接続を解放したときに、互いに分離され得なくなる。
【0007】
本発明による解決策は、各々それ自体有利であり、互いに自由に組み合わせることのできる以下の実施形態により、さらに改良することができる。
【0008】
したがって、第1の有利な実施形態によれば、固定要素を、少なくとも1つのコンタクトレセプタクルに少なくとも1つのコンタクトを固定するためのコンタクト固定部材として同時に使用することができる。特に、少なくとも1つの電気コンタクトを、コンタクト固定部材によりポジティブロッキングでコンタクトレセプタクルに固定することができる。
【0009】
シャフトは、例えば、固定要素をコンタクト固定部材としても使用できるように、少なくとも1つのコンタクトレセプタクルを通って延びることができる。
【0010】
固定要素がシャフトに完全に挿入されると、このコンタクトのコンタクトレセプタクルは、固定要素により少なくとも部分的に塞がれ、閉鎖され、かつ/または貫通されることが可能になり、コンタクトをコンタクトレセプタクルに固定することができる。
【0011】
挿入方向に延び、外側ハウジングおよび/またはコンタクトハウジングの、挿入方向に延びる固定シャフトに導入可能であるように構成されている少なくとも1つの固定タブを、コンタクトハウジングおよび/または外側ハウジングに設けることができる。固定タブは、プラグ型コネクタを組み立てたときに、少なくとも1つのシャフトの少なくとも一部を形成するか、または少なくとも1つのシャフトがこれを横切る。
【0012】
少なくとも1つの固定タブを、例えば、外側ハウジングに構成してもよく、コンタクトハウジングの固定シャフトに導入しても導入可能にしてもよい。固定要素を受けるためのシャフトは固定シャフトを横切ることができるため、固定要素が挿入されると、固定タブは少なくとも挿入方向にポジティブロッキングで固定される。さらなる変形形態では、少なくとも1つの固定タブを外側ハウジングに構成してもよく、または少なくとも1つの固定タブを外側ハウジングに構成し、少なくとも1つの追加の固定タブをコンタクトハウジングに構成してもよい。後者の場合には、コンタクトハウジングおよび外側ハウジングの両方にそれぞれ固定シャフトを設ける。少なくとも1つの固定タブを平坦部材として構成し、その平坦面が押込み方向に対して横断方向に延びるようにしてもよい。
【0013】
動作の確実性を高めるために、少なくとも2つの、特に平行な固定タブを押込み方向に並べて配置してもよい。本実施形態において、2つの固定シャフトが押込み方向に並んで位置し、固定要素を受けることのできるまたは受ける少なくとも1つのシャフトがこれを横切ることが好ましい。
【0014】
プラグ型コネクタを組み立てるときに、1つ、2つまたはそれ以上の固定シャフトと、対応する数の固定タブとを、コンタクトハウジングまたは外側ハウジングの外壁に配置することができる。別の有利な実施形態によれば、2つ以上の固定シャフトを設ける場合、少なくとも1つのコンタクトレセプタクル、好ましくはすべてのコンタクトレセプタクルを、2つの固定シャフトおよび/または2つの固定タブの間に位置させてもよい。外壁を、少なくとも1つのコンタクトレセプタクルと、コンタクトハウジングおよび/または外側ハウジングの外面との間に位置させてもよい。
【0015】
別の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの固定タブは、コンタクトハウジングが外側ハウジングに挿入されたときにシャフトの一部となる少なくとも1つの凹部を有していてもよい。この凹部により、固定タブを固定要素によって固定シャフトに固定することができる。一実施形態において、固定要素は、シャフトに押し込まれると凹部を通って延びる。固定タブが固定シャフトに恒久的に挿入されている状態で、凹部は挿入方向および挿入方向と反対方向の両方のアンダカットを有することが好ましい。この場合、アンダカットは、固定タブが固定シャフトに完全に挿入されている場合にシャフトの壁に位置合わせされ、固定要素と共に、挿入方向に作用するポジティブロッキング接続を形成することが好ましい。
【0016】
別の実施形態によれば、固定タブは、外側ハウジングに形成され、コンタクトハウジングの少なくとも一部を受けることのできるレセプタクルの両側で挿入方向に突出することができる。これにより、固定タブは、組立てをより容易にするガイドを形成する。
【0017】
簡略化した変形形態において、単一のアンダカットのみを設けてもよく、このアンダカットは、一方向のみに作用し、固定要素を挿入したときに外側ハウジングとコンタクトハウジングとが引き離されることを阻止する。そのような実施形態において、外側ハウジングとコンタクトハウジングとがさらに嵌合する反対方向への動きを、別の位置に配置された止め具により防止することができる。
【0018】
別の有利な実施形態によれば、装置または電気プラグ型コネクタの液密性を高めるために、装置は、コンタクトハウジングが外側ハウジングに挿入されている状態で、外側ハウジングとコンタクトハウジングとの間、特に外側ハウジングとコンタクトハウジングとの分離ジョイントに位置するシール、特に半径方向シールを有していてもよい。シャフトは、シールの相手側コネクタに面した側に位置することが好ましい。相手側コネクタとプラグインコネクタとを組み立てるときに、シャフトは相手側コネクタにより覆われることが好ましい。そのような実施形態において、シールは、水分および埃がシャフトに導入されることを防ぐ。
【0019】
シール効果を高めるために、少なくとも1つの固定タブは、シールの他側まで挿入方向に延びていてもよい。少なくとも1つの凹部は、シールまたは分離ジョイントから挿入方向に離間していてもよく、それぞれの固定タブを有するコンタクトハウジングおよび/または外側ハウジングから見たときに、シールまたは分離ジョイントの他側に位置する固定タブの側に位置していてもよい。
【0020】
別の有利な実施形態によれば、押込み方向に互いに離間している固定要素の2つのキャッチ位置を設けてもよく、固定要素と外側ハウジングおよび/またはコンタクトハウジングとをそのキャッチ位置で係合させてもよい。この場合、少なくとも1つのコンタクトレセプタクルを、固定要素の押込み方向における後キャッチ位置で、固定要素により少なくとも部分的に塞ぐことができる。したがって、外側ハウジングおよびコンタクトハウジングの両方と少なくとも1つのコンタクトとを、この位置でコンタクトレセプタクルに固定することができる。
【0021】
両方のキャッチ位置で、外側ハウジングとコンタクトハウジングとは、固定要素によりポジティブロッキングで互いに接続されていることが好ましい。押込み方向における前キャッチ位置で、少なくとも1つのコンタクトレセプタクルを固定要素から解放することができる。したがって、外側ハウジングおよびコンタクトハウジングが固定要素によりすでに固定されたままで、少なくとも1つのコンタクトを少なくとも1つのコンタクトレセプタクルに挿入することができる。
【0022】
少なくとも1つのシャフトは、両端部が開いていてもよい。これにより、挿入された固定要素を一端部から押シャフト外へ押し出すことができる。
【0023】
別の実施形態によれば、固定要素は、好ましくは単一の不完全な挿入状態のみで少なくとも1つのコンタクトレセプタクルに位置合わせされる少なくとも1つのコンタクト凹部を有していてもよい。コンタクトレセプタクルおよびコンタクト凹部が位置合わせされると、コンタクトをそれぞれのコンタクトレセプタクルに挿入することができる。
【0024】
固定要素は少なくとも2つの平行な脚部を有していてもよく、2つの脚部を受けるための少なくとも2つの平行なシャフトを設けてもよい。しかしながら、2つの脚部を共に単一のシャフトに挿入することも可能である。固定作用を高めるために、少なくとも1つの固定タブは少なくとも2つの凹部を有していてもよく、固定タブがそれに関連する固定シャフトに完全に導入され、固定要素がシャフトに位置している場合に、固定要素の脚部は各凹部を通って延びることができる。
【0025】
以下で、実施形態および添付図面を参照しながら例示により本発明を説明する。上記の説明に従って、説明する実施形態の技術的効果が特定の適用において重要な態様ではない場合には、実施形態の個々の特徴を省略することができる。逆に、実施形態には存在しないが上記の一般的な説明に記載されている特徴を、その存在しない特徴の技術的効果が特定の適用において重要である場合は追加してよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図4】本発明による装置の外側ハウジングの概略斜視図である。
【
図5】本発明による装置のコンタクトハウジングの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
まず、
図1を参照して、プラグ型コネクタ2の装置1の構造および機能について説明する。
【0028】
プラグ型コネクタ2を相手側コネクタ6に挿入方向4に組み付けて、電気接続を生じさせる。
【0029】
装置1は、コンタクトハウジング10を受けることのできる外側ハウジング8を備える。コンタクトハウジング10は少なくとも1つのコンタクトレセプタクル12を備え、コンタクトレセプタクル12に電気コンタクト13(
図2および
図3)を導入することができるまたは挿入する。
【0030】
外側ハウジング8およびコンタクトハウジング10は、挿入方向4に平行に共に結合され、コンタクトハウジング10は外側ハウジング8に挿入される。固定要素14が、外側ハウジング8とコンタクトハウジング10とを共に挿入方向4に沿って保持する。この接続を生じさせるために、固定要素14は少なくとも1つのシャフト18に押込み方向16に導入される。シャフト18は、外側ハウジング8およびコンタクトハウジング10の両方を通って延びる。少なくとも1つのシャフト18は、好ましくは外側ハウジング8に位置する2つの端部20で開口する。
【0031】
固定要素14を、押込み方向16に互いに離間している2つのキャッチ位置21、22で係合させることができる。そのような係合は、例えば、固定要素のキャッチ突起24と、キャッチ突起に対応し、かつキャッチ位置21、22を画定するキャッチレセプタクル26とによってもたらすことができる。当然、
図1に示すこの変形形態の代わりに、押込み方向16に互いに離間している2つのキャッチ突起24と、1つのみのキャッチレセプタクル26とを設けてもよい。少なくとも1つのキャッチ突起24を、外側ハウジングまたはコンタクトハウジングに配置してもよく、少なくとも1つのキャッチレセプタクル26を固定要素に配置してもよい。
【0032】
押込み方向16における第1のキャッチ位置21は、押込み方向における第2のキャッチ位置22の前に位置する。第2のキャッチ位置22において、固定要素14は少なくとも1つのシャフト18に完全に押し込まれる。外側ハウジング8とコンタクトハウジング10とは互いに接続される。同時に、少なくとも1つのコンタクトも、固定要素14により、少なくとも1つのコンタクトレセプタクル12に固定される。
【0033】
固定要素14は、第1のキャッチ位置21で少なくとも1つのコンタクトレセプタクル12に位置合わせされる少なくとも1つのコンタクト凹部28を有しているため、第1のキャッチ位置で、コンタクト13をコンタクトレセプタクル12に挿入することができると共に、外側ハウジングとコンタクトハウジングとは固定要素14によりすでに互いに接続されている。
【0034】
装置1は、シール30、特に半径方向シールをさらに有する。
【0035】
装置1により形成されるプラグ型コネクタ2は、全長30mm未満の小型コネクタである。プラグ型コネクタ2で使用されるコンタクト13は、最小0.1mm
2の非常に小さいライン断面に適している
【0036】
固定要素14は、
図1に示すように、実質的にU字形に構成され、それぞれのシャフト18が関連する2つの脚部32を有することができる。コンタクト凹部28を、脚部の一方のみに配置してもよい。キャッチ突起24を同様に配置してもよい。
【0037】
図2は、プラグ型コネクタ2を形成し、マットシール34およびシールホルダ36をケーブル側端部38に有する装置1を示す。シールホルダ36は、外側ハウジング8に係合している。マットシール34は、好ましくはわずかに圧縮された状態で、シールホルダ36と外側ハウジング8および/またはコンタクトハウジング10との間に位置する。
【0038】
図2において、固定要素14は第1のキャッチ位置にある。少なくとも1つのコンタクトレセプタクル12(3つのコンタクトレセプタクルが単に例示の目的で
図2に示される)が、固定要素14のコンタクト凹部28に位置合わせされていることがわかる。開口部20もシャフト18の端部に見られる。
【0039】
固定要素14が、
図2に示す第1のキャッチ位置21から第2のキャッチ位置22へ押込み方向16に動くと、コンタクトレセプタクル12は固定要素14により部分的に閉鎖され、コンタクトレセプタクル12に挿入されたコンタクトはポジティブロッキングで固定される。
【0040】
外側ハウジング8とコンタクトハウジング10とを固定要素14により少なくとも挿入方向4に互いに接続するために、
図4に示すように、外側ハウジング8は挿入方向4に延びる少なくとも1つの固定タブ46を備える。固定タブ46は、好ましくは射出成形された外側ハウジング8の一体部品である。固定タブ46は、少なくとも1つのシャフトに押込み方向16に位置合わせされた少なくとも1つの、例えば多角形、特に矩形の凹部48を有することが好ましい。
図4に示すように、複数のシャフト18に位置合わせされた複数の凹部48、例えば2つの凹部48を1つの固定タブ46に設けてもよい。
【0041】
固定タブ46は平坦部材であり、その平坦面47が押込み方向16に対して横断方向に延びる。
【0042】
図4に示すように、外側ハウジング8は、特に互いに平行に延びる2つ以上の固定タブ46を有していてもよい。固定タブ46の間にレセプタクル50が位置し、このレセプタクル50にコンタクトハウジング10を少なくとも部分的に導入することができるようになっていてもよい。固定タブ46は、レセプタクル50の両側で挿入方向4に突出するため、同時にコンタクトハウジングのガイドとしても使用される。
【0043】
固定タブ46を受けるために、コンタクトハウジング10は少なくとも1つの固定シャフト52を有していてもよい。固定シャフト52は少なくとも1つのシャフト18を横切って、2つのシャフト18、52が互いに部分的に通過するようになっている。少なくとも1つのコンタクトレセプタクル12は、少なくとも部分的に2つの固定シャフト52の間に位置し、
図5によれば、
図4に示す実施形態における外側ハウジング8の2つの固定タブ46を固定シャフト52に導入することができる。固定シャフト52を外壁53に構成してもよい。外壁53はコンタクトハウジング10の外面54を形成し、内面でコンタクトレセプタクル12に接する。
【0044】
図4および
図5に見られるように、追加のキャッチ接続部55を外側ハウジング8およびコンタクトハウジング10に設けて、外側ハウジング8とコンタクトハウジング10とをさらに固定してもよい。
【0045】
図3は、キャッチ位置22で完全組立状態の、装置1または電気プラグ型コネクタ2を示す。少なくとも1つのシャフト18に導入された固定要素14が、固定タブ46の凹部48を貫通していることがわかる。コンタクトハウジング10を外側ハウジング8から取り外そうとしても、固定タブ46のアンダカット58が、少なくとも1つのシャフト18に受けられた固定要素14に当たる。
【0046】
図3は、シール30が、外側ハウジング8とコンタクトハウジング10との間をシールするように支持され、したがって外側ハウジング8とコンタクトハウジング10との分離ジョイント60をシールする様子をさらに示す。プラグ型コネクタ2と相手側コネクタ6とが互いに接続されると、シール30の外周面62は、相手側コネクタの内面(図示せず)にさらに当接することにより、相手側コネクタ6とプラグ型コネクタ2との分離ジョイント60をシールする。
【0047】
固定タブ46は、シール30または分離ジョイント60から挿入方向4に離間している。特に、少なくとも1つのシャフト18は、シール30の相手側コネクタ6(
図1)に面した側、またはシール30から挿入方向4に離間した分離ジョイント60の側に位置する。
【符号の説明】
【0048】
1 装置
2 電気プラグ型コネクタ
4 挿入方向
6 相手側コネクタ
8 外側ハウジング
10 コンタクトハウジング
12 コンタクトレセプタクル
13 コンタクト
14 固定要素
16 押込み方向
18 シャフト
20 シャフトの端部/シャフトの開口部
21 第1のキャッチ位置
22 第2のキャッチ位置
24 キャッチ突起
26 キャッチレセプタクル
28 コンタクト凹部
30 (半径方向)シール
32 脚部
34 マットシール
36 シールホルダ
38 ケーブル側端部
46 固定タブ
47 平坦面
48 凹部
50 レセプタクル
52 固定シャフト
53 外壁
54 外面
55 キャッチ接続部
58 アンダカット
60 分離ジョイント
62 外周面